(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021631
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/525 20140101AFI20250206BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20250206BHJP
【FI】
A63F13/525
A63F13/55
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125464
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英修
(57)【要約】
【課題】仮想空間に関する体験の興趣性を高める。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、ユーザの操作により動作する第1オブジェクトが配置される仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成する画像生成手段と、仮想カメラを制御する仮想カメラ制御手段と、として機能させ、仮想カメラ制御手段は、仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離を縮めるズーム処理を実行可能であり、ズーム処理の進行に応じて仮想カメラの俯角を大きくする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作により動作する第1オブジェクトが配置される仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成する画像生成手段と、
前記仮想カメラを制御する仮想カメラ制御手段と、として機能させ、
前記仮想カメラ制御手段は、
仮想空間における所定の領域と前記仮想カメラとの仮想距離を縮めるズーム処理を実行可能であり、前記ズーム処理の進行に応じて前記仮想カメラの俯角を大きくする
プログラム。
【請求項2】
前記仮想空間には、前記第1オブジェクトの他に、3次元形状を有するオブジェクトが配置される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記仮想空間には、他のユーザの操作により動作する第2オブジェクトが配置されるとともに、前記第2オブジェクトに作用を及ぼす特定オブジェクトが前記ユーザの操作に基づいて配置される
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
ユーザの操作により動作する第1オブジェクトが配置される仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成する画像生成手段と、
前記仮想カメラを制御する仮想カメラ制御手段と、を備え、
前記仮想カメラ制御手段は、
仮想空間における所定の領域と前記仮想カメラとの仮想距離を縮めるズーム処理を実行可能であり、前記ズーム処理の進行に応じて前記仮想カメラの俯角を大きくする
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、仮想空間内でキャラクタを動かすことが可能なゲーム等が知られている。この種のゲーム等においては、仮想カメラから見た仮想空間の画像が所定の表示部に表示される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、仮想カメラの制御によっては、仮想空間に関する体験の興趣性が低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、仮想空間に関する体験の興趣性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
コンピュータを、
ユーザの操作により動作する第1オブジェクトが配置される仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成する画像生成手段と、
前記仮想カメラを制御する仮想カメラ制御手段と、として機能させ、
前記仮想カメラ制御手段は、
仮想空間における所定の領域と前記仮想カメラとの仮想距離を縮めるズーム処理を実行可能であり、前記ズーム処理の進行に応じて前記仮想カメラの俯角を大きくする
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仮想空間に関する体験の興趣性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】ズーム処理について説明するための図である。
【
図5】ズーム処理に係るリストの一例を示す図である。
【
図6】仮想カメラの俯角と仮想距離との関係について説明するための図である。
【
図7】ズームに係る処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<情報処理システムのハードウェア構成>
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備えている。
【0011】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。また、端末装置10とサーバ20との接続は、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
【0012】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0013】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0015】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、端末装置10とサーバ20との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを複数の端末装置10の協働により実現するプログラムであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10とサーバ20との間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0016】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0017】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0018】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0019】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザがゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0020】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、を備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0022】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0023】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0024】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0025】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0026】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0027】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0028】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサ、角速度センサ、モーションセンサ、視線センサ、生体電位センサ、指紋センサ、呼気センサ、圧力センサ、またはイメージセンサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0029】
<情報処理システムの機能的構成>
図2は、サーバ20および端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、ならびに複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0031】
図2に示すように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF(インターフェース)24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム、ゲーム情報およびユーザ情報がある。
【0032】
ゲームプログラムは、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報およびユーザ情報は、制御部210がゲームプログラムを実行するときに参照するデータである。
【0033】
なお、記憶部220に格納されるゲームプログラムは、サーバ20側で実行するプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラムを含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するプログラムと、端末装置10側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0034】
ゲーム情報は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報は、例えば、各種仮想空間(換言すると、ゲーム空間)を規定するための情報を含む。仮想空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」ともいう。)のオブジェクト等が配置される空間である。また、ゲーム情報は、例えば、仮想空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)の配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含み得る。また、ゲーム情報は、例えば、ノンプレイヤキャラクタ等の仮想空間内に配置されるオブジェクトの各種パラメータの設定値等を含む。以下においては、仮想空間に配置されるキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0035】
ユーザ情報は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報は、例えば、ユーザのキャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、およびゲームの進行度を示す情報等を含む。保有資産として、例えば、仮想空間内の通貨(換言すると、ゲーム内通貨)やアイテム等が挙げられる。
【0036】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラムを実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211およびゲーム進行部212を有する。
【0037】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、ゲーム進行部212に渡す。また、送受信部211は、ゲーム進行部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0038】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。情報処理システム1のサーバ20および端末装置10は、情報処理システム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0039】
ゲーム進行部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラムに記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。
【0040】
ゲーム進行部212は、ゲーム情報に含まれる仮想空間を規定するための情報に基づいて、仮想空間を規定する。ゲーム進行部212は、ゲーム情報に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、仮想空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部212は、仮想空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的には、ゲーム進行部212は、仮想空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更したり、オブジェクトに所定の動作を行わせたりする。
【0041】
また、ゲーム進行部212は、各端末装置10から送信されるプレイ情報に基づいて、複数のプレイヤそれぞれのプレイヤキャラクタを仮想空間に配置する。換言すると、ゲーム進行部212は、仮想空間の一例であるゲーム空間を、複数のユーザによって共有可能とする処理を行う。また、ゲーム進行部212は、各端末装置10から送信されるプレイ情報に基づいて、ゲームの進行に係る各種判定処理を行う。換言すると、ゲーム進行部212は、ユーザの入力操作に基づいて、オブジェクトの制御や各種判定処理を行う。プレイ情報は、ユーザの入力操作に応じて出力される。一例として、プレイ情報は、プレイヤキャラクタの操作内容として、プレイヤキャラクタの座標情報を含んでもよく、プレイヤキャラクタのアクションに関する情報を含んでもよく、ユーザによって操作されたボタンを示す情報等を含んでもよい。また、プレイ情報は、プレイヤキャラクタの設定に関する情報を含んでもよい。一例として、キャラクタの座標情報は、ゲーム空間におけるキャラクタの位置を示す情報である。一例として、アクション情報は、キャラクタのアクションに関する情報である。一例として、キャラクタのアクションは、キャラクタの姿勢、アイテムの使用、スキルの使用、攻撃、防御、またはジャンプ等を含み得る。一例として、キャラクタの設定に関する情報は、キャラクタの装備や容姿等に関する情報を含み得る。また、キャラクタの設定は、ユーザが変更し得る。
【0042】
また、ゲーム進行部212は、例えば、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、ゲーム進行部212は、ゲーム情報またはユーザ情報の送信指示を送受信部211に指令する。ゲーム進行部212は、例えば、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0043】
本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0044】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム、ゲーム情報およびユーザ情報がある。ゲームプログラムは、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報およびユーザ情報は、制御部110がゲームプログラムを実行するときに参照するデータである。記憶部120に格納されるゲーム情報およびユーザ情報は、記憶部220に格納されるゲーム情報およびユーザ情報と同様の情報を含み得る。
【0045】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラムを実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113、および表示制御部114を有する。
【0046】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0047】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてされる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0048】
送受信部112は、各種データを送信または受信する。送受信部112は、例えば、各種のデータや各種の要求をサーバ20に送信する。一例として、送受信部112がサーバに送信するデータは、プレイ情報、ゲーム情報およびユーザ情報を含み得る。換言すると、送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する情報をサーバ20に送信する。
【0049】
また、送受信部112は、各種データやプログラムや各種の要求をサーバから受信する。一例として、送受信部112がサーバ20から受信するデータは、ゲーム空間に配置する1以上のキャラクタの種類、キャラクタの座標情報、キャラクタのアクション情報、キャラクタの設定に関する情報、およびその他の情報を含み得る。また、一例として、送受信部112がサーバから受信するデータは、マルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータを含み得る。同期のためのデータは、例えば、同期対象となるデータおよびそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等を含み得る。
【0050】
ゲーム進行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標および入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を特定する。ゲーム進行部113は、特定された指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報やユーザ情報を更新、追加または削除する。
【0051】
ゲーム進行部113は、仮想空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、仮想空間内での仮想カメラの位置および向きを規定することにより、仮想空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域およびこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0052】
仮想カメラの位置および向きは、仮想空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置してもよい。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離および角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、プレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作するプレイヤキャラクタと、ゲームプログラムに基づいて動作するノンプレイヤキャラクタとが含まれる。
【0053】
表示制御部114は、表示部18にゲームの画像を表示させる。具体的には、表示制御部114は、ゲーム進行部212によるゲームの進行に応じた画像を表示部18に表示させる。表示制御部114は、例えば、仮想空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。また、表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0054】
なお、端末装置10の制御部110は、サーバ20から送られるオブジェクトのデータや、仮想空間上における各種オブジェクトの位置を示す情報等に基づいて、仮想空間にオブジェクトを配置し、仮想空間の所定領域を表示部18に表示させてもよい。また、サーバ20の制御部210が、仮想空間へのオブジェクトの配置や仮想カメラの制御を行い、表示部18に表示させる画像を生成して端末装置10に送信し、端末装置10の制御部110は、当該画像を表示部18に表示させてもよい。すなわち、ユーザの入力操作に基づくオブジェクトに関する制御や、仮想カメラの制御や、表示部18に表示させる画像の生成等に係る各種処理は、サーバ20で行われてもよく、端末装置10で行われてもよい。
【0055】
なお、
図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。換言すると、本実施形態において端末装置10が備える機能ブロックの一部または全部をサーバ20が備えていてもよく、サーバ20の備える機能ブロックの一部または全部を端末装置10が備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、情報処理システム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、情報処理システム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0056】
<本実施形態に係る処理>
次に、本実施形態に係る処理について説明する。なお、本実施形態では、端末装置10のプロセッサ11またはサーバ20のプロセッサ21が、情報処理システム1に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、後述する各処理を行うものとして説明する。ただし、後述する処理であってプロセッサ11が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。また、後述する処理であってプロセッサ21が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ21とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。換言すると、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10およびサーバ20のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0057】
以下では、本実施形態に係る構成を、複数のユーザがチームを組んで行うゲームに適用した場合を例に説明する。具体的には、複数のユーザが複数のチームに分かれて対戦するゲーム(例えば、GvG(Guild Versus Guild)ゲームやFPS(First Person Shooter)ゲーム等)に適用した場合を例に説明する。本実施形態のゲームでは、6人のユーザでチームを組んで他のチームと対戦する。なお、本実施形態に係る構成は、GvGゲームやFPSゲーム以外のいずれのゲームに適用されてもよい。また、本実施形態に係る構成は、マルチプレイに対応したゲームに限らず、一人でプレイするゲーム等に適用されてもよい。
【0058】
本実施形態のゲームでは、各ユーザが自身のキャラクタを操作して対戦相手と対戦することができる。ここで、対戦相手は、他のユーザ(換言すると、他のユーザが所属するチーム)となっているが、対戦相手はノンプレイヤキャラクタ等であってもよい。また、本実施形態では、2チームに分かれて対戦するが、3チーム以上のチームに分かれて対戦が行われてもよい。
【0059】
本実施形態のゲームでは、表示部18に表示されるホーム画面(図示せず)に、対戦相手との対戦の開始に係る操作を受け付けるボタン等が表示される。ゲーム進行部212は、当該ボタンに対する入力操作に基づいて、対戦を開始させる。なお、対戦に際し、対戦相手や、チームを組む仲間等は、ユーザが選択可能としてもよく、ゲーム進行部212が複数のユーザの中から自動的に抽出するなどしてもよい。
【0060】
本実施形態のゲームのルールについて説明する。本実施形態のゲームでは、チーム単位で所定の目標の達成を目指すものとなっている。具体的には、チーム単位で対戦相手のチームへの勝利を目指す。なお、本実施形態のゲームは、所定の敵キャラクタへの勝利を目指すものや、所定の目的地への到達を目指すものや、所定の目的物の獲得を目指すもの等であってもよい。なお、ここで「敵キャラクタ」とは、NPCであってもよく他のユーザが操作するキャラクタであってもよい。また、本実施形態のゲームは、チーム単位ではなく一人のユーザが単体で所定の目標の達成を目指すもの等であってもよい。
【0061】
本実施形態のゲームは、仮想空間に配置されたルール関連オブジェクト(例えば、1または複数のルール関連オブジェクト)を取得したチームが勝利するというルールで対戦が行われる。より具体的には、例えば、仮想空間に配置された拠点(例えば、1または複数の拠点)を取得(換言すると、制圧)したチームが勝利(例えば、取得した拠点の数が多いチームが勝利の場合等を含む)というルール、あるいは仮想空間に配置された複数のアイテム(例えば、お宝等)を所定時間内により多く取得した(換言すると、集めた)チームが勝利というルール等で対戦が行われる。なお、ルール関連オブジェクトは、仮想空間上を移動するものであってもよく、移動しないものであってもよい。また、例えば、対戦相手のチームのキャラクタ全てを倒す(例えば、後述するダウンさせる)と勝利というルールで対戦が行われるなどしてもよい。
【0062】
また、本実施形態においては、対戦が行われる仮想空間としてのマップ30(換言すると、フィールド、ステージ)が複数種類用意されている。対戦に使用するマップ30は、複数種類のマップ30の中から、ゲーム進行部212が自動で決定してもよく、ユーザの選択により決定されてもよい。マップ30には、例えば、建物や木等の3次元形状を有するオブジェクトが配置されている。また、マップ30には、自身の操作するプレイヤキャラクタや他のユーザの操作するキャラクタ等が配置される。
【0063】
ゲーム進行部212は、対戦中において、ユーザによる入力操作に基づいてプレイヤキャラクタを動かす。具体的には、ゲーム進行部212は、ユーザによる入力操作に基づいて、プレイヤキャラクタをマップ30内で移動させたり、プレイヤキャラクタに対戦相手のキャラクタに対する攻撃に係る動作を行わせたりする。
【0064】
なお、対戦の開始方法やプレイヤキャラクタの基本的な操作方法等(例えば、移動や所定のオブジェクトへの攻撃等に係る処理)については、従来のゲームと同様とすることができる。また、本実施形態のゲームでは、ユーザは、自身のプレイヤキャラクタについての設定、具体的にはプレイヤキャラクタへアイテム(例えば、武器、防具等)を装備させたり、対戦で使用するプレイヤキャラクタの種類を選択したりすることが可能であってもよいが、このようなプレイヤキャラクタについての設定の方法についても、従来のゲームと同様とすることができる。
【0065】
本実施形態においては、各ユーザは第1モードと第2モードとを少なくとも含む複数のモードで対戦(換言すると、ゲーム)に参加することが可能となっている。
【0066】
ゲーム進行部212は、第1モードでの対戦の進行中において第2モードへの移行条件が満たされたことに基づいて、移行条件が満たされたユーザのゲームのモードを第2モードへ移行させる。また、ゲーム進行部212は、第2モードでの対戦の進行中において第1モードへの移行条件が満たされたことに基づいて、移行条件が満たされたユーザのゲームのモードを第1モードへ移行させる。
【0067】
第1モードから第2モードへの移行条件および第2モードから第1モードへの移行条件は、例えば、以下のようなものであってもよい。例えば、特定のパラメータが特定の値になることで移行条件が満たされてもよい。また、例えば、マップ30上の特定の位置にプレイヤキャラクタが到達することで移行条件が満たされてもよい。また、例えば、マップ30上に配置された特定のオブジェクトをユーザ(換言すると、プレイヤキャラクタ)が取得することで移行条件が満たされてもよい。本実施形態においては、特定のパラメータとしてのプレイヤキャラクタの耐久値(換言すると、ヒットポイント)が「0」に達すると、第1モードから第2モードへの移行条件が満たされる。また、特定のパラメータとしての第2モードへの滞在期間(具体的には、後述するプレイヤキャラクタの復活までの時間)を示すパラメータが「0」に達すると、第2モードから第1モードへの移行条件が満たされる。
【0068】
具体的には、第1モードにおいては、ゲーム進行部212は、ユーザによる入力操作に基づいて、プレイヤキャラクタをマップ30内で移動させたり、プレイヤキャラクタに対戦相手のキャラクタに対する攻撃に係る動作を行わせたりする。また、プレイヤキャラクタは、対戦相手からの攻撃を受けること等により耐久値が「0」になるとダウンする。ダウンしたプレイヤキャラクタは、マップ30から消滅し、動かすことができない状態となる。すなわち、第1モードは、プレイヤキャラクタがダウンする前の状態であってプレイヤキャラクタをマップ内で移動させたりすることが可能な状態といえる。また、プレイヤキャラクタがダウンすると第2モードへ移行する。
【0069】
また、プレイヤキャラクタがダウンしてから所定時間が経過すると、ダウンしたプレイヤキャラクタが再度マップ30上に配置され、第1モードに復帰する。すなわち、第2モードは、プレイヤキャラクタがダウンしている状態であってユーザによるプレイヤキャラクタについての操作が制限された状態といえる。なお、プレイヤキャラクタがダウンしている状態でも、プレイヤキャラクタは、マップ30に配置されており、その上で動作(換言すると、プレイヤキャラクタをマップ内で移動させる操作や、プレイヤキャラクタから対戦相手のキャラクタに対して直接攻撃を加える操作等)に制限が与えられていてもよい。
【0070】
第2モードにおいては、ゲーム進行部212は、プレイヤキャラクタの復活までの時間を計測する。具体的には、第2モードの開始時点においては、復活までの時間を示すパラメータ(以下、「復活時間パラメータ」という。)について、所定の秒数に相当する値が設定されている。ゲーム進行部113は、第2モードへの滞在中において、復活時間パラメータを経時的に減少させ、復活時間パラメータの値が0秒に相当する値に達したことに基づいて、第2モードを終了させ第1モードへ移行させる。換言すると、ゲーム進行部212は、第2モードにおいて所定期間が経過したことに基づいて、プレイヤキャラクタをマップ30上に再配置する。このとき、プレイヤキャラクタが配置されるマップ30上の位置(換言すると、復活地点)は、固定であってもよく、固定でなくてもよい。また、プレイヤキャラクタが配置されるマップ30上の位置は、ユーザが指定可能となっていてもよい。
【0071】
第2モードは、味方をアシストするモードとなっている。第2モードにおいては、ユーザは特殊オブジェクト40をマップ30上に配置し味方をアシストすることが可能となっている。第2モードにおいて表示部18に表示されるゲーム画面の一例を
図3に示す。画面には、ユーザが選択可能な複数種類の特殊オブジェクト40(換言すると、特殊オブジェクト40の選択を受け付けるユーザインターフェース)が表示され、表示されている特殊オブジェクト40に対する操作(例えば、タップ操作)により、マップ30上に配置する特殊オブジェクト40を選択することが可能となっている。ゲーム進行部212は、ユーザによる特殊オブジェクト40を選択する操作、およびマップ30上における特殊オブジェクト40を配置する地点を指定する操作(例えば、特殊オブジェクト40を配置したいマップ30上の箇所に対するタップ操作)に基づいて、マップ30上の指定された地点に、選択された特殊オブジェクト40を配置する。
図3(a)には、特殊オブジェクト40としての後述する爆弾が選択され、配置される際のゲーム画面が示されている。
【0072】
特殊オブジェクト40には、例えば、攻撃オブジェクト40a、守備オブジェクト、妨害オブジェクト40b、および回復オブジェクト40cが含まれる。特殊オブジェクト40の少なくとも一部は、対戦相手のキャラクタに作用を及ぼすオブジェクトともいえる。
【0073】
攻撃オブジェクト40aは、対戦相手に攻撃をする(換言すると、ダメージを与える)ためのオブジェクトであり、一例として、配置されてから一定時間が経過すると爆発する爆弾であってもよい。爆弾は、爆発した際に所定範囲内にいるキャラクタの耐久値を減少させる効果を有する。なお、攻撃オブジェクト40a(例えば、爆弾)は、対戦相手のキャラクタの耐久値のみを減少させ、味方のキャラクタの耐久値は減少させないものであってもよい。
【0074】
守備オブジェクトは、味方を保護するためのオブジェクトであり、一例として、バリアであってもよい。バリアは、所定範囲内にいる味方のキャラクタについて、対戦相手のキャラクタからの攻撃から受ける影響を減少させる効果を有する。具体的には、所定範囲内にいる味方のキャラクタについて、対戦相手のキャラクタの攻撃によって受けるダメージ(換言すると、耐久値の減少量)を減少させる。ここで、影響(換言すると、ダメージ)を減少させるとは、影響を全く受けないようにすることを含む。
【0075】
妨害オブジェクト40bは、対戦相手の行動を制限するためのオブジェクトであり、一例として、柵であってもよい。柵は、設置された部分について、キャラクタの通過を禁止する効果を有する。なお、妨害オブジェクト40b(例えば、柵)は、対戦相手のキャラクタの行動のみを制限し、味方のキャラクタの行動は制限しないものであってもよい。
【0076】
回復オブジェクト40cは、味方のキャラクタを回復させるオブジェクトであり、一例として、回復スポットであってもよい。回復スポットは、所定範囲内にいる味方のキャラクタについて、耐久値を回復させる効果を有する。
【0077】
なお、ダウンしたプレイヤキャラクタの復活地点は、特殊オブジェクト40と同様の方法によりマップ30上に配置される、復活用オブジェクト41の配置により決定されてもよい。例えば、ゲーム進行部113は、復活時間パラメータの値が0秒に相当する値に達したことに基づいて、ユーザによる復活用オブジェクト41の配置に係る入力操作を受け付けてもよい。そして、ゲーム進行部113は、ユーザによるマップ30上における復活用オブジェクト41を配置する地点を指定する操作(例えば、復活用オブジェクトを配置したいマップ30上の箇所に対するタップ操作)に基づいて、マップ30上の指定された地点に復活用オブジェクト41を配置し、当該指定された地点に、ダウン状態から復活したプレイヤキャラクタを配置してもよい。具体的には、
図3(b)に示すように、第2モードにおいて所定期間が経過すると、復活用オブジェクト41の選択を受け付けるユーザインターフェースが表示部18に表示され、表示されている復活用オブジェクト41に対する操作、およびマップ30上における復活用オブジェクト41を配置する地点を指定する操作に基づいて、復活用オブジェクト41がマップ30上に配置され、プレイヤキャラクタが復活するようになっていてもよい。換言すると、プレイヤキャラクタの復活は、復活時間パラメータの値が0秒に相当する値に達すると即座に実行されてもよく、ユーザが復活のタイミングを任意に選択可能であってもよい。
【0078】
なお、ゲーム進行部113は、特殊オブジェクト40の配置に基づいて、特殊オブジェクト40を配置したユーザのプレイヤキャラクタが復活するまでの時間を短縮させてもよい。具体的には、ゲーム進行部113は、ユーザが特殊オブジェクト40を配置した際に、プレイヤキャラクタが復活するまでの時間を短縮させてもよい。また、ゲーム進行部113は、ユーザが配置した特殊オブジェクト40が所定の効果を発揮した際に、プレイヤキャラクタが復活するまでの時間を短縮させてもよい。具体的には、ゲーム進行部113は、ユーザが配置した特殊オブジェクト40が、対戦相手のキャラクタまたは味方のキャラクタに所定の作用を及ぼした際に、プレイヤキャラクタが復活するまでの時間を短縮させてもよい。例えば、ゲーム進行部113は、攻撃オブジェクト40aが対戦相手のキャラクタにダメージを与えた際や、回復オブジェクト40cが味方のキャラクタを回復させた際に、プレイヤキャラクタが復活するまでの時間を短縮させてもよい。また、復活するまでの時間の短縮量は、ユーザによる特殊オブジェクト40を配置する操作の、対戦への貢献度に応じて異なっていてもよい。例えば、ゲーム進行部113は、攻撃オブジェクト40aが配置された場合について、当該攻撃オブジェクト40aが対戦相手のキャラクタにダメージを与えた場合には、ダメージを与えなかった場合に比べ、復活するまでの時間をより短縮させてもよい。また、例えば、ゲーム進行部113は、攻撃オブジェクト40aが配置された場合について、当該攻撃オブジェクト40aが対戦相手のキャラクタにダメージを与え当該キャラクタをダウンさせた場合には、当該攻撃オブジェクト40aが当該キャラクタにダメージを与えたが当該キャラクタをダウンさせられなかった場合に比べ、復活するまでの時間をより短縮させてもよい。
【0079】
なお、第2モードにおいては、ゲーム進行部113は、
図3(a)に示すように、復活が可能となるまでの残り時間を示す表示48を表示部18に表示させてもよい。また、ゲーム進行部113は、特殊オブジェクト40の配置に基づいて、特殊オブジェクト40を配置したユーザのプレイヤキャラクタが復活するまでの時間を短縮させる際に、短縮量を示す表示49(例えば、ポップアップ表示等)を表示部18に表示させてもよい。
【0080】
前述のように、ゲーム進行部113は、仮想カメラを制御する。また、表示制御部114は、仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成する。仮想カメラは、仮想空間を俯瞰するものであり、仮想空間を俯瞰した画像が生成される。換言すると、仮想カメラは、水平面(換言すると、地面等の基準面)に対して所定の角度(換言すると、所定の高さ)を有する位置に配置される。
【0081】
ゲーム進行部113は、仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離を縮めるズーム処理を実行可能となっている。ここで「仮想距離」とは、仮想空間上における距離といえ、仮想的な距離ともいえる。仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離を縮める処理は、当該所定の領域を拡大して表示部18に表示させる処理ともいえる。
【0082】
本実施形態においては、ズーム処理は、ユーザの入力操作に基づいて行われる。具体的には、ズーム処理が可能な期間において、ゲーム進行部113は、
図4に示すように、ズーム処理の実行に係る操作を受け付けるユーザインターフェースとしてのズームインターフェース50を表示部18に表示させる。ズームインターフェース50には、仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離を縮め、当該所定の領域を拡大して表示(換言すると、ズームイン)させるための拡大ボタン50aと、仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離を伸ばし、当該所定の領域を縮小して表示(換言すると、ズームアウト)させるための縮小ボタン50bと、が含まれる。そして、ゲーム進行部113は、ズームインターフェース50(具体的には、拡大ボタン50a)に対する操作に基づいて、仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離を縮める。なお、本実施形態においては、ズームインターフェース50は第2モードにおいて表示される。なお、ズームインターフェース50が表示されず、ユーザによる所定の入力操作によりズーム処理が実行されるようになっていてもよい。例えば、タッチスクリーン16の任意の位置に対する所定の入力操作(例えば、ダブルタップ操作、またはピンチイン操作、ピンチアウト操作等)により、ズームインやズームアウトが実行されてもよい。
【0083】
また、ゲーム進行部113は、ズーム処理の進行に応じて仮想カメラの俯角を変動させる。具体的には、ゲーム進行部113は、ズーム処理の進行に応じて仮想カメラの俯角を大きくする。
【0084】
本実施形態においては、仮想カメラにより撮影される対象領域(換言すると、所定の基準点)から仮想カメラまでの仮想距離と、角度との対応関係が設定されたリスト60が記憶部120に記憶されており、ゲーム進行部113はリスト60に基づいて仮想カメラを制御する。リスト60の一例を
図5に示す。
【0085】
本実施形態においては、ズーム処理に係る段階が複数(具体的には、「3」)設けられている。具体的には、ズーム処理に係る段階として、所定の基準点から仮想カメラまでの仮想距離が相対的に長い第1段階と、所定の基準点から仮想カメラまでの仮想距離が第1段階よりも短い第2段階と、所定の基準点から仮想カメラまでの仮想距離が第2段階よりも短い第3段階と、が設けられている。すなわち、第1段階における仮想距離Aよりも第2段階における仮想距離Bの方が短く、第2段階における仮想距離Bよりも第3段階における仮想距離Cの方が短くなっている。
【0086】
リスト60においては、各段階について仮想カメラの角度が設定されている。具体的には、第1段階に対応する俯角は、相対的に小さい第1の角度に設定されている。また、第2段階に対応する俯角は、第1段階よりも大きい第2の角度に設定されている。また、第3段階に対応する俯角は、第2段階よりも大きい第3の角度に設定されている。すなわち、第1段階における俯角Xよりも第2段階における俯角Yの方が大きく、第2段階における俯角Yよりも第3段階における俯角Zの方が大きくなっている。
【0087】
すなわち、
図6に示すように、本実施形態においては、所定の基準点から仮想カメラまでの仮想距離が短くなるほど俯角が大きくなるように仮想カメラが制御される。
図4(a)には、第1段階において表示部18に表示される仮想空間の画像の一例が示され、
図4(b)には、第3段階において表示部18に表示される仮想空間の画像の一例が示されている。
図4(b)に示す状態では、
図4(a)に示す状態に比べ、マップ30上の所定のオブジェクト45を含む所定範囲が拡大表示されているとともに、仮想カメラの俯角が大きくなっていることが見て取れる。
【0088】
また、本実施形態においては、リスト60は、マップ30毎に用意されている。すなわち、所定のゲームが実行可能なマップ30が複数種類存在し、マップ30毎に所定の基準点から仮想カメラまでの仮想距離と俯角との対応関係が設定されている。換言すると、各段階(例えば、仮想距離が最も短くなった状態、あるいは最も長くなった状態等)における俯角が、マップ30に応じて異なっていてもよい。また、各段階(例えば、俯角が最も大きくなった状態、あるいは最も小さくなった状態等)における仮想距離が、マップ30に応じて異なっていてもよい。このような構成によれば、高い建物や木等の多いマップ30と少ないマップ30とのように種類の異なる複数のマップ30について、それぞれに適したズーム処理を行うことが可能となる。また、本実施形態においては、ズーム処理に係る段階の数がマップ30によらず固定(具体的には、3段階)となっている。ただし、マップ30に応じてズーム処理に係る段階の数が異なっていてもよい。
【0089】
なお、ズーム処理の進行に応じた仮想カメラの俯角の変動、換言すると、リスト60に基づく仮想カメラの制御は、第1モードと第2モードとの少なくとも一方で実行されるものであってもよく、また、一方においては実行されないものであってもよい。本実施形態においては、第2モードにおいて当該制御が実行される。
【0090】
また、本実施形態においては、ズーム処理は、ユーザの入力操作に基づいて行われるが、自動で行われてもよい。例えば、仮想カメラが撮影する(換言すると、追従する)所定の対象物(例えば、プレイヤキャラクタ)の仮想空間上における位置(例えば、建物等の周囲のオブジェクトとの位置関係)に応じて仮想距離および俯角の変動が実行されてもよい。
【0091】
(ズームに係る処理)
次に
図7を参照しながら、情報処理システム1が実行するズームに係る処理の一例について説明する。
【0092】
まず、ゲーム進行部113は、第2モードの開始時において、ズーム処理に係る段階を特定の段階に設定して仮想カメラを仮想空間内に配置する(ステップS101)。ここでは、第1段階に設定されるものとする。なお、第2モードの開始時におけるズーム処理の段階は、特に限定されるものでないが、例えば、予め定められた固定のものであってもよく、ユーザが予め(例えば、対戦の開始前等において所定の設定画面上での設定等により)指定可能なものであってもよく、前回第2モードが終了したときに設定されていた段階であってもよく、プレイヤキャラクタがダウンした位置または/および対戦が行われているマップ30等に応じて決まるものであってもよい。
【0093】
次いで、表示制御部114は、仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成し、表示部18に表示させる(ステップS102)。すなわち、表示部18には、ステップS101で設定された段階に応じた画像が表示される。換言すると、表示部18には、ステップS103で実行される段階の変動前の画像が表示される。
【0094】
次いで、ゲーム進行部113は、ズーム処理の実行に係る操作としてのズームインターフェース50に対する操作に基づいて、仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離、および仮想カメラの俯角を変動させる(ステップS103)。具体的には、ゲーム進行部113は、拡大ボタン50aに対する操作に基づいて、ズーム処理における段階を1段階上げる(換言すると、段階を第1の方向に変動させる)。また、ゲーム進行部113は、縮小ボタン50bに対する操作に基づいて、ズーム処理における段階を1段階下げる(換言すると、段階を第2の方向に変動させる)。ただし、段階が上限(例えば、第3段階)に達している場合には、拡大ボタン50aに対する操作に基づく段階の変動は行われない。また、段階が下限(例えば、第1段階)に達している場合には、縮小ボタン50bに対する操作に基づく段階の変動は行われない。
【0095】
ここで、ゲーム進行部113は、リスト60に基づいて仮想空間における所定の領域と仮想カメラとの仮想距離、および仮想カメラの俯角の変動を行う。具体的には、ゲーム進行部113は、現在対戦が行われているマップ30に対応するリスト60から、ズームインターフェース50に対する操作に基づいて設定される現在のズーム処理の段階に対応する仮想距離および俯角を抽出し、新たな仮想距離および俯角として設定する。
【0096】
次いで、表示制御部114は、仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成し、表示部18に表示させる(ステップS104)。すなわち、表示部18には、ステップS103で設定された段階に応じた画像が表示される。換言すると、表示部18には、ステップS103で実行される段階の変動後の画像が表示される。
【0097】
なお、仮想距離の変動や、俯角の変動は、リスト60に基づかずに行われてもよい。例えば、ゲーム進行部113は、拡大ボタン50aに対する操作に基づいて、仮想距離を所定量ずつ短くしたり、俯角を所定量ずつ大きく(あるいは小さく)したりしてもよい。また、例えば、ゲーム進行部113は、縮小ボタン50bに対する操作に基づいて、仮想距離を所定量ずつ長くしたり、俯角を所定量ずつ小さく(あるいは大きく)したりしてもよい。また、仮想距離の変動や俯角の変動は離散的なものであってもよく連続的なものであってもよい。
【0098】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、または任意の構成要素の省略等が可能である。また、本明細書において説明した処理の流れはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。また、フローチャートに示した各処理は存在しないものがあってもよい。換言すると、処理の流れや具体的な判定処理等は本明細書に例示したものと異なっていてもよい。
【0099】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0100】
(付記1)
コンピュータを、
ユーザの操作により動作する第1オブジェクトが配置される仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成する画像生成手段(例えば、表示制御部114)と、
前記仮想カメラを制御する仮想カメラ制御手段(例えば、ゲーム進行部113)と、として機能させ、
前記仮想カメラ制御手段は、
仮想空間における所定の領域と前記仮想カメラとの仮想距離を縮めるズーム処理を実行可能であり、前記ズーム処理の進行に応じて前記仮想カメラの俯角を大きくする
プログラム。
このような構成によれば、所定の領域を拡大させて表示させる際に、視界が悪くなってしまうことを抑制し、仮想空間に関する体験の興趣性を高くすることができる。
【0101】
(付記2)
前記仮想空間には、前記第1オブジェクトの他に、3次元形状を有するオブジェクトが配置される
付記1に記載のプログラム。
仮想空間に3次元形状を有するオブジェクトが配置される場合、所定の領域を拡大させて表示させる際に、当該オブジェクトが邪魔となってしまうおそれがあるが、このような構成によれば、当該オブジェクトの存在により視界が悪くなってしまうことを抑制し、仮想空間に関する体験の興趣性を高くすることができる。
【0102】
(付記3)
前記仮想空間には、他のユーザの操作により動作する第2オブジェクトが配置されるとともに、前記第2オブジェクトに作用を及ぼす特定オブジェクトが前記ユーザの操作に基づいて配置される
付記1または2に記載のプログラム。
このような構成によれば、他のユーザの操作により動作する第2オブジェクトに作用を及ぼす特定オブジェクトを配置しようとするユーザに対して、見やすい画面表示を提供することが可能となるので、仮想空間に関する体験の興趣性を高くすることができる。
【0103】
(付記4)
ユーザの操作により動作する第1オブジェクトが配置される仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成する画像生成手段(例えば、表示制御部114)と、
前記仮想カメラを制御する仮想カメラ制御手段(例えば、ゲーム進行部113)と、を備え、
前記仮想カメラ制御手段は、
仮想空間における所定の領域と前記仮想カメラとの仮想距離を縮めるズーム処理を実行可能であり、前記ズーム処理の進行に応じて前記仮想カメラの俯角を大きくする
情報処理システム。
このような構成によれば、付記1に記載のプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理システム、10 端末装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、17 入力部、18 表示部、20 サーバ、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、110 制御部、111 操作受付部、112 送受信部、113 ゲーム進行部、114 表示制御部、120 記憶部、210 制御部、211 送受信部、212 ゲーム進行部、220 記憶部