(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021726
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】受付装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/00 20200101AFI20250206BHJP
【FI】
G07C9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125643
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】大川 洋介
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BA01
3E138JA03
3E138JC14
3E138JC19
3E138JC23
3E138JD07
(57)【要約】
【課題】限られた台数の範囲内で有人対応の受付装置の台数とセルフ対応の受付装置の台数とを任意に切り替えられるようにする。
【解決手段】受付装置は、動作モードを、利用者が施設に入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける入場時受付機能及び利用者が施設から退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける退場時受付機能に係る第1データ及び第2データの入力を従業員が行う有人モードとするか、利用者が行うセルフモードとするかを選択するためのモード選択画面を表示デバイスに表示する。受付装置は、有人モードのときには、表示デバイスの画面を有人モードの画面として第1データの入力又は第2データの入力を受け付ける。セルフモードのときには、表示デバイスの画面をセルフモードの画面として第1データの入力又は第2データの入力を受け付ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作モードを、利用者が施設に入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける入場時受付機能及び前記利用者が前記施設から退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける退場時受付機能に係る前記第1データ及び前記第2データの入力を従業員が行う有人モードとするか、利用者が行うセルフモードとするかを選択するためのモード選択画面を表示デバイスに表示するモード選択手段と、
前記モード選択手段により選択された動作モードの情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された情報が前記有人モードの情報である場合には、前記表示デバイスの画面を有人モードの画面として前記第1データの入力又は前記第2データの入力を受け付ける有人制御手段と、
前記記憶手段により記憶された情報が前記セルフモードの情報である場合には、前記表示デバイスの画面をセルフモードの画面として前記第1データの入力又は前記第2データの入力を受け付けるセルフ制御手段と、
を具備する受付装置。
【請求項2】
前記モード選択画面は、セルフモードとして、前記入場時受付機能に係る前記第1データの入力のみを受け付ける入場セルフモードと、前記退場時受付機能に係る前記第2データの入力のみを受け付ける退場セルフモードとを選択肢として含む、請求項1記載の受付装置。
【請求項3】
前記モード選択画面は、セルフモードとして、前記入場時受付機能に係る前記第1データの入力及び前記退場時受付機能に係る前記第2データの入力の双方を受け付ける入退場セルフモードをさらに選択肢として含む、請求項2記載の受付装置。
【請求項4】
前記モード選択手段は、前記記憶手段に前記動作モードの情報が記憶されていない待機状態において、当該受付装置の操作者を認証して使用可能状態とするサインオンが行われると、前記モード選択画面を前記表示デバイスに表示する、請求項1記載の受付装置。
【請求項5】
前記モード選択手段は、前記記憶手段に前記セルフモードの情報が記憶されているセルフモード動作状態において、当該セルフモードで動作しているときには使われない特定操作が行われると、前記モード選択画面を前記表示デバイスに表示する、請求項1記載の受付装置。
【請求項6】
表示デバイスを有する受付装置のコンピュータを、
動作モードを、利用者が施設に入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける入場時受付機能及び前記利用者が前記施設から退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける退場時受付機能に係る前記第1データ及び前記第2データの入力を従業員が行う有人モードとするか、利用者が行うセルフモードとするかを選択するためのモード選択画面を前記表示デバイスに表示するモード選択手段、
前記モード選択手段により選択された動作モードの情報を記憶する記憶手段、
前記記憶手段により記憶された情報が前記有人モードの情報である場合には、前記表示デバイスの画面を有人モードの画面として前記第1データの入力又は前記第2データの入力を受け付ける有人制御手段、及び、
前記記憶手段により記憶された情報が前記セルフモードの情報である場合には、前記表示デバイスの画面をセルフモードの画面として前記第1データの入力又は前記第2データの入力を受け付けるセルフ制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、受付装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が施設に入場する際に必要なデータの入力を受け付ける入場時受付機能と、利用者が施設から退場する際に必要なデータの入力を受け付ける退場時受付機能とを有したデータ処理装置がある。この種のデータ処理装置は、例えばカラオケボックス店舗、ダーツバー、マンガ喫茶等のレジャー施設、あるいはスポーツジム、ゴルフ場、ボーリング場等の運動施設等の受付に設置される。このため、この種のデータ処理装置は一般に、受付装置と称される。
【0003】
受付装置には、施設の従業員が操作者となる有人対応の受付装置と、施設の利用者が操作者となるセルフ対応の受付装置とがある。有人対応の受付装置を採用した場合には、従業員が操作者となるため、データの入力ミスが少なく、操作が滞るということは滅多に起こらない。このため、利用者を効率よく捌けるというメリットがある。ただし、常に従業員が受付に居なければならないので、従業員の確保が課題となる。一方、セルフ対応の受付装置を採用した場合には、受付担当の従業員を不要にできる。しかしながら、利用者が操作者となるため、データの入力ミスが発生しやすく、操作に手間取ることも多い。このため、利用者を効率よく捌けないというデメリットがある。
【0004】
このような観点から、例えば利用者が多い曜日又は時間帯は、受付に有人対応の受付装置を多く設置して利用者を効率よく捌けるようにし、逆に利用者が少ない曜日又は時間帯は、受付にセルフ対応の受付装置を多く設置して従業員の負担を軽減したいという要望がある。この要望に対し、現状では、有人対応の受付装置とセルフ対応の受付装置とをそれぞれ必要な台数だけ受付に用意し、曜日又は時間帯等によって使用可能とする受付装置の台数を決めるといった運用を取らざるを得ない。したがって、設備コストがかかる。また、稼働しない受付装置が生じる無駄がある上、受付装置の設置スペースを広く確保しなければならない、等の課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、限られた台数の範囲内で有人対応の受付装置の台数とセルフ対応の受付装置の台数とを任意に切り替えることができる受付システムを容易に実現できる受付装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、受付装置は、モード選択手段と、記憶手段と、有人制御手段と、セルフ制御手段とを有する。モード選択手段は、動作モードを、利用者が施設に入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける入場時受付機能及び利用者が施設から退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける退場時受付機能に係る第1データ及び第2データの入力を従業員が行う有人モードとするか、利用者が行うセルフモードとするかを選択するためのモード選択画面を表示デバイスに表示する。記憶手段は、モード選択手段により選択された動作モードの情報を記憶する。有人制御手段は、記憶手段により記憶された情報が有人モードの情報である場合には、表示デバイスの画面を有人モードの画面として第1データの入力又は第2データの入力を受け付ける。セルフ制御手段は、記憶手段により記憶された情報がセルフモードの情報である場合には、表示デバイスの画面をセルフモードの画面として第1データの入力又は第2データの入力を受け付ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、受付システムの一実施形態を示す模式図である。
【
図2】
図2は、受付端末の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、受付端末が実装する主要なアプリケーションソフトウェアを示す模式図である。
【
図4】
図4は、受付端末のメインメモリに形成される主要なメモリエリアを示す模式図である。
【
図5】
図5は、受付サーバの要部回路構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、受付端末テーブルの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図7】
図7は、ボックス別ファイルに記憶されるデータ項目の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、受付端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図9】
図9は、受付端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図10】
図10は、受付端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図11】
図11は、受付端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図12】
図12は、受付端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図15】
図15は、有人モードにおけるトップ画面の一表示例である。
【
図16】
図16は、有人モードにおける入場・退場処理画面の一表示例である。
【
図18】
図18は、入退場セルフモードにおけるトップ画面の一表示例である。
【
図19】
図19は、入場セルフモードにおけるトップ画面の一表示例である。
【
図20】
図20は、退場セルフモードにおけるトップ画面の一表示例である。
【
図23】
図23は、有人モードに係る操作手順と受付端末に表示される画面の遷移例を示すシーケンス図である。
【
図24】
図24は、セルフモードに係る操作手順と受付端末に表示される画面の遷移例を示すシーケンス図である。
【
図25】
図25は、受付システムの取引に係る手順を示すシーケンス図である。
【
図26】
図26は、第2の実施形態において、受付端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図27】
図27は、第2の実施形態におけるモード選択画面の一表示例である。
【
図28】
図28は、第2の実施形態におけるセルフモード選択画面の一表示例である。
【
図29】
図29は、第2の実施形態において、セルフモードに係る操作手順と受付端末に表示される画面の遷移例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、限られた台数の範囲内で有人対応の受付装置の台数とセルフ対応の受付装置の台数とを任意に切り替えることができる受付システムを容易に実現できる受付装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態では、受付装置が適用される店舗としてカラオケボックス店舗を例示する。カラオケボックス店舗とは、カラオケを楽しむための施設、いわゆるカラオケボックスを1つ以上備えた店舗である。カラオケボックスには、それぞれ固有のボックス番号が設定されている。ボックス番号は、カラオケボックスを個々に識別するために設定された一連の番号である。ボックス番号は、部屋番号等と言い換えることができる。一般に、カラオケボックス店舗においては、利用者がカラオケボックスに入場する前に、受付にてボックス番号、利用人数、利用開始時刻、利用予定時間等の入場時に必要なデータを受付装置に入力する。また、利用者がカラオケボックスから退場する際には、ボックス番号、利用終了時刻等の退場時に必要なデータを受付装置に入力する。そうすることにより、受付装置では、利用者毎に利用時間、利用人数等に応じたカラオケボックスの利用代金、いわゆる施設利用代金が算出される。また、利用者がカラオケボックス内で飲食をした場合にはその飲食の代金も施設利用代金に加算される。施設利用代金は受付装置の表示デバイスに表示されるので、利用者は、施設利用代金を支払う。このときの支払いに係るデータも受付装置に入力される。本実施形態は、このようなカラオケボックス店舗の受付に設置して好適な受付装置を例示する。
【0010】
[受付システムの説明]
図1は、カラオケボックス店舗に構築される受付システム100の一実施形態を示す模式図である。受付システム100は、受付サーバ1と、複数台の受付端末2と、複数台の注文端末3と、厨房端末4とを含む。受付システム100は、受付サーバ1と、各受付端末2、各注文端末3及び厨房端末4とを、通信ネットワーク5で接続する。通信ネットワーク5は、典型的にはLAN(Local Area Network)である。LANは、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。また、インターネット、イントラネット等の広域ネットワーク若しくはモバイル通信網等を通信ネットワーク5に含めてもよい。
【0011】
受付サーバ1は、受付業務に係る種々のサービスを提供するためのコンピュータシステムである。受付サーバ1は、オンプレミスの環境下でサービスを提供するものであってもよいし、クラウドコンピューティングの環境下でサービスを提供するものであってもよい。受付サーバ1は、受付業務に係る種々のサービスを提供するために、ボックスデータベース6、従業員データベース7、会員データベース8、商品データベース9等のデータベースを管理する。受付サーバ1は、単一のサーバで構成されるのでなく、複数のサーバで構成されてもよい。
【0012】
ボックスデータベース6は、カラオケボックスに関するデータを記憶したデータベースである。例えばボックスデータベース6は、各カラオケボックスにそれぞれ割り当てられた識別情報であるボックス番号別に、利用可能人数、基本料金、延長料金等のデータを記憶する。
【0013】
従業員データベース7は、カラオケボックス店補で従事する従業員に関するデータを記憶したデータベースである。例えば従業員データベース7は、各従業員にそれぞれ割り当てられた識別情報である従業員コード別に、氏名、パスワード等のデータを記憶する。パスワードは、本人認証のために用いられる秘密情報である。
【0014】
会員データベース8は、カラオケボックス店補の利用会員として登録した利用者、いわゆる会員に関するデータを記憶したデータベースである。例えば会員データベース8は、各会員にそれぞれ割り当てられた識別情報である会員コード別に、氏名、年齢、会員登録日、会員有効期間、サービスポイント等のデータを記憶する。会員となった利用者には、会員コードが記録された会員カードが発行される。あるいは、利用者のスマートフォン等にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェアにより、そのスマートフォンの表示デバイスに会員コードが例えばバーコード、二次元コード等の機械可読コードの形態で表示される。また、会員データベース8は、会員がカラオケボックスの利用を事前に予約した場合には、その予約情報も会員毎に記憶する。
【0015】
商品データベース9は、カラオケボックスの利用者に提供される商品に関するデータを記憶したデータベースである。例えば商品データベース9は、各商品にそれぞれ割り当てられた識別情報である商品コード別に、商品名、価格等の商品に関するデータを記憶する。商品には、食品、飲料品、調理品、煙草等がある。また、有料の照明器具、楽器、音響器具等のレンタル用品も商品に属する。さらには、カラオケボックス店舗では、例えば2時間利用・アルコール飲料飲み放題、2時間利用・ドリンクバー飲み放題等のコースメニューがある。このようなカラオケコースのメニューも商品データベース9に記憶される商品に含まれる。
【0016】
受付端末2は、カラオケボックス店補の受付に設置されるデータ処理装置である。受付とは、カラオケボックスに入場する前、あるいはカラオケボックスから退場した後に利用者が立ち寄る場所である。受付は、フロントとも称される。受付は、通常、カラオケボックス店補の出入口近傍に設けられており、接客用のカウンタテーブルが設置されている。本実施形態では、このカウンタテーブルの上に複数台の受付端末2が一方向に並べられて設置される。
【0017】
なお、受付端末2の設置方法については特に限定されない。詳細は後述するが、受付端末2は、従業員が操作者となる場合もあるし利用者が操作者となる場合もある。したがって、受付端末2は、従業員と利用者が共に操作者となり得るような形態で設置されていればよい。例えば、本実施形態のようにカウンタテーブルの上に設置する場合においても、水平方向に回転する回転台の上に受付端末2を設置し、回転台を適宜回転させることによって、カウンタテーブルの一方の側若しくは他方の側に受付端末2の操作面が向くようにするとよい。
【0018】
受付端末2は、利用者が施設に入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける入場時受付機能と、利用者が施設から退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける退場時受付機能とを有する。第1データは、例えば利用者が利用するカラオケボックスのボックス番号、利用人数、利用開始時刻、利用予定時間、コースメニュー、オプションメニュー等である。コースメニューとは、前述したカラオケコースのメニューである。オプションメニューとは、コースを選択しない利用者が入店時に選択可能なメニューであり、例えばドリンクバー、ワンドリンク制等がある。第1データとしては、ドリンクバーを利用する人数、ワンドリンク制を利用する人数及び飲料の種類等が含まれる。すなわち、第1データには、商品メニューの注文データが含まれていてもよい。
【0019】
第2データは、例えば利用者が利用したカラオケボックスのボックス番号、利用終了時刻等である。なお、第1データ及び第2データの項目は、上述した項目に限定されないのは言うまでもない。要は、第1データは入場時に入力が必要なデータである。第2データは、退場時に入力が必要なデータである。このような受付端末2は、受付装置と言い換えることができる。また、受付端末2が受付サーバ1の全部もしくは一部の機能を有することにより、受付装置を構成してもよい。受付端末2の詳細については、後で説明する。
【0020】
注文端末3は、各カラオケボックスにそれぞれ設置され、利用者が商品を注文する際に使用するデータ処理装置である。例えばタブレットPCが注文端末3として利用される。利用者は、タブレットPCのタッチパネルに表示される商品メニューの一覧から注文したい商品を選んで数量を入力する。そうすることにより、利用者の注文データは、通信ネットワーク5を介して受付サーバ1へと送信される。因みに注文端末3は、従業員が携帯し、利用者から受けた商品の注文内容を入力する機能を備えたハンディターミナルであってもよい。また、利用者は、自らが所持するスマートフォン等の携帯端末に店舗専用のアプリケーションソフトウェアをインストールしておき、入店時に受付端末2にアプリケーションソフトウェアのID、例えば会員コードを入力することによって、そのスマートフォンを注文端末として利用することができる。
【0021】
厨房端末4は、飲食メニュー品目の調理等が行われる厨房に設置される表示装置である。例えばタブレットPCが厨房端末4として利用される。タブレットPCの表示デバイスには、受付サーバ1の作用により、利用者が注文した飲食メニュー品目に関するデータが表示される。厨房の調理人は、厨房端末4に表示された内容に従って飲食メニュー品目を調理する。調理された飲食メニュー品目は、カラオケボックス内の利用者に提供される。因みに厨房端末4は、利用者が注文した飲食メニュー品目に関するデータを記録紙に印刷する印刷装置であってもよい。
【0022】
[受付端末の構成説明]
図2は、受付端末2の要部回路構成を示すブロック図である。受付端末2は、タブレットPC20を主体とする。そしてこのタブレットPC20に、プリンタ21、カードリーダ22、釣銭機23及びキャッシュレス決済端末24等のデバイスをそれぞれ接続して、受付端末2を構成する。なお、タブレットPC20に接続されるデバイスは、これらに限らない。例えばバーコード、二次元コード等の機械可読コードを光学的に読み取るスキャナ、あるいは現金、商品券等を収容するためのドロワ等がタブレットPC20に接続されて、受付端末2を構成してもよい。
【0023】
タブレットPC20は、プロセッサ201、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、時計204、通信部205、撮像部206、タッチパネル207、複数のデバイスインターフェース208,209,210,211及びシステム伝送路212等を備える。システム伝送路212は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路212は、プロセッサ201と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0024】
タブレットPC20は、プロセッサ201と、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、時計204、通信部205、撮像部206、タッチパネル207及び複数のデバイスインターフェース208,209,210,211とをシステム伝送路212で接続することにより、コンピュータを構成する。
【0025】
プロセッサ201は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、受付端末2としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ201は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ201は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサであることが好ましい。
【0026】
メインメモリ202は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ202は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ202は、プロセッサ201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ202は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ201によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0027】
補助記憶デバイス203は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス203となり得る。補助記憶デバイス203は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ201での処理によって作成されたデータ等を記憶する。補助記憶デバイス203は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0028】
時計204は、日付と時刻を計時する。プロセッサ201は、時計204によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0029】
通信部205は、通信ネットワーク5を介して受付サーバ1との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。通信部205は、プロセッサ201の指令に応じて受付サーバ1にデータを送信する。また通信部205は、通信ネットワーク5を介して受信した受付サーバ1からのデータを、システム伝送路212を介してプロセッサ201に出力する。通信部205は、無線通信規則に従いデータ通信を行う無線通信部である。通信部205は、有線の通信ケーブルを介してデータ通信を行う有線通信部であってもよい。
【0030】
撮像部206は、カメラを備え、そのカメラのレンズを介して取り込んだ画像を撮像するものである。撮像部206は、撮像された画像のデータを、システム伝送路212を介してプロセッサ201に出力する。プロセッサ201は、撮像部206で撮像された画像を解析して、バーコード、二次元コード等の機械可読コードを読み取り、そのコードが示す情報を取得する機能を有している。例えば撮像部206は、後述する伝票コードや会員を識別する会員コード等を読み取る機能を有している。
【0031】
タッチパネル207は、受付端末2の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。タッチパネル207は、プロセッサ201の制御により、入場時受付機能及び退場時受付機能に係る種々の画面を表示する。タッチパネル207は、オペレータによる画面のタッチ操作を検知し、そのタッチ位置を示す信号をプロセッサ201に出力する。
【0032】
デバイスインターフェース208は、プリンタ21を接続する。デバイスインターフェース208は、印刷データをプリンタ21に出力する。プリンタ21は、入場時受付機能において入力された第1データを基に作成された受付伝票の印刷データを印刷する。プリンタ21は、退場時受付機能において入力された第2データを基に作成されたレシートの印刷データを印刷する。受付伝票は、例えば利用者が利用するカラオケボックスのボックス番号、利用人数、利用開始時刻等を印刷した用紙である。ボックス番号は、バーコード等の機械可読コードの形態としても受付伝票に印刷される。レシートは、カラオケボックスの使用料、注文した商品の品目と価格、及びその合計である施設利用代金等の取引データを印刷した用紙である。
【0033】
デバイスインターフェース209は、カードリーダ22を接続する。デバイスインターフェース209は、カードリーダ22によって読み取られたカードデータを取込み、プロセッサ201に出力する。カードリーダ22は、磁気方式対応のカード、接触方式または非接触方式のICチップを含むICカードからカードのデータを取得する。例えばカードリーダ22は、会員カード、クレジットカード等のカード媒体から、そのカードに記録されたデータを読み取る。プロセッサ201は、デバイスインターフェース209を介して入力されたカードデータを処理する。具体的には、カードリーダ22により会員カードのデータが読み取られた場合には、プロセッサ201は、その会員カードに記録された会員コードで特定される会員に関する処理を行う。例えばプロセッサ201は、会員に対してサービスポイントを付与する。なお、利用者が所持する携帯端末のアプリケーションソフトウェアによって会員カードが実現される場合には、その携帯端末に表示された会員コードを上述の撮像部206が読み取ることによって会員情報を取得するとしてもよい。カードリーダ22によりクレジットカードのデータが読み取られた場合には、プロセッサ201は、そのクレジットカードの認証を行う。そして、クレジットカードが認証されたならば、プロセッサ201は、クレジットカードによる施設利用代金の決済を処理する。
【0034】
デバイスインターフェース210は、釣銭機23を接続する。デバイスインターフェース210は、釣銭機23に投入された紙幣又は硬貨の金種と投入枚数とを取込み、プロセッサ201に出力する。プロセッサ201は、デバイスインターフェース210を介して取り込んだデータを基に、投入金額を算出する。そしてプロセッサ201は、投入金額と施設利用代金とから釣銭額を算出して現金による施設利用代金の決済を処理する。このときプロセッサ201は、デバイスインターフェース210を介して釣銭データを釣銭機23に出力する。釣銭機23は、釣銭データに応じて、紙幣又は硬貨を必要な枚数だけ払い出す。
【0035】
デバイスインターフェース211は、キャッシュレス決済端末24を接続する。キャッシュレス決済端末24は、電子マネー、コード決済等のキャッシュレス決済に対応したものである。デバイスインターフェース211は、キャッシュレス決済端末24に入力されたキャッシュレス決済に係るデータを取込み、プロセッサ201に出力する。プロセッサ201は、デバイスインターフェース211を介して取り込んだデータを基に、キャッシュレスによる施設利用代金の決済を処理する。
【0036】
かかる構成の受付端末2は、動作モードとして、有人モードとセルフモードとを選択的に切り替えることができる。有人モードとは、利用者が施設、すなわちカラオケボックスに入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける入場時受付機能及び利用者がカラオケボックスから退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける退場時受付機能に係る第1データ及び第2データの入力を従業員が行うモードである。すなわち有人モードは、従業員が受付端末2の操作者となる動作モードである。セルフモードとは、入場時受付機能に係る第1データ及び退場時受付機能に係る第2データの入力を利用者が行うモードである。すなわちセルフモードは、利用者が受付端末2の操作者となる動作モードである。また、セルフモードに関しては、入場時受付機能に係る第1データの入力のみを受け付ける入場セルフモードと、退場時受付機能に係る第2データの入力のみを受け付ける退場セルフモードと、入場時受付機能に係る第1データの入力及び退場時受付機能に係る第2データの入力の双方を受け付ける入退場セルフモードとを選択肢として含む。
【0037】
このような構成を実現するために、受付端末2は、
図3に示すように、補助記憶デバイス203において4種類のアプリケーションソフトウェアを実装している。4種類のアプリケーションソフトウェアは、「有人モードAPL」と称される第1のアプリケーションソフトウェア41と、「入退場セルフモードAPL」と称される第2のアプリケーションソフトウェア42と、「入場セルフモードAPL」と称される第3のアプリケーションソフトウェア43と、「退場セルフモードAPL」と称される第4のアプリケーションソフトウェア44である。
【0038】
第1のアプリケーションソフトウェア41は、有人モードの動作を制御するためのアプリケーションソフトウェアである。第2のアプリケーションソフトウェア42は、入退場セルフモードの動作を制御するためのアプリケーションソフトウェアである。第3のアプリケーションソフトウェア43は、入場セルフモードの動作を制御するためのアプリケーションソフトウェアである。第4のアプリケーションソフトウェア44は、退場セルフモードの動作を制御するためのアプリケーションソフトウェアである。各アプリケーションソフトウェア41~44による制御の詳細については、後述する動作説明の中で明らかにする。
【0039】
なお、各アプリケーションソフトウェア41~44を補助記憶デバイス203にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に各アプリケーションソフトウェア41~44を記録して、あるいは通信ネットワーク5を介した通信により各アプリケーションソフトウェア41~44を配信して、補助記憶デバイス63にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、各アプリケーションソフトウェア41~44のインストール先は、メインメモリ202であってもよい。
【0040】
また受付端末2は、
図4に示すように、メインメモリ202における揮発性メモリ領域の一部を、責任者メモリ51の領域と、モードメモリ52の領域としている。
責任者メモリ51は、責任者コードを記憶するための領域である。責任者コードは、受付端末2の操作が許容された従業員の従業員コードである。受付端末2を操作する従業員は、操作開始前にサインオンを行う。サインオンは、受付端末2の操作者を認証して使用可能状態とする機能である。サインオンが承認されると、その従業員の従業員コードが責任者メモリ51に記憶される。
【0041】
モードメモリ52は、受付端末2の動作モードを特定する情報を記憶するための領域である。前述したように、受付端末2は、動作モードして有人モード、入退場セルフモード、入場セルフモード及び退場セルフモードの4種類を備える。モードメモリ52は、例えば動作モードが有人モードである場合には、その動作モードを特定する情報として「100」を記憶する。同様にモードメモリ52は、動作モードが入退場セルフモードである場合には、その動作モードを特定する情報として「200」を記憶し、動作モードが入場セルフモードである場合には、その動作モードを特定する情報として「300」を記憶し、動作モードが退場セルフモードである場合には、その動作モードを特定する情報として「400」を記憶する。
【0042】
そして受付端末2は、
図2に示すように、プロセッサ201がモード選択手段31、記憶手段32、通知手段33、有人制御手段34及びセルフ制御手段35としての機能を実現するようにメインプログラムを実装している。メインプログラムも、アプリケーションソフトウェア41~44と同様に、補助記憶デバイス203又はメインメモリ202にインストールされるアプリケーションソフトウェアの一種である。
【0043】
モード選択手段31は、動作モードを、有人モードとするかセルフモードとするかを選択するためのモード選択画面を表示デバイスに表示する機能である。モード選択手段31は、有人モードを選択するための第1の操作子と、セルフモードを選択するための第2の操作子とを配置したモード選択画面をタッチパネル207に表示する。第2の操作子は、入退場セルフモードを選択するための第3の操作子と、入場セルフモードを選択するための第4の操作子と、退場セルフモードを選択するための第5の操作子とからなる。
【0044】
モード選択手段31は、第1の操作子がタッチ操作されたことを示す信号がタッチパネル207から入力されると有人モードが選択されたものと認識する。同様に、モード選択手段31は、第2の操作子の中の第3の操作子がタッチ操作されたことを示す信号がタッチパネル207から入力されると入退場セルフモードが選択されたものと認識し、第4の操作子がタッチ操作されたことを示す信号がタッチパネル207から入力されると入場セルフモードが選択されたものと認識し、第5の操作子がタッチ操作されたことを示す信号がタッチパネル207から入力されると退場セルフモードが選択されたものと認識する。
【0045】
記憶手段32は、モード選択手段31により選択された動作モードの情報を記憶する機能である。記憶手段32は、モード選択手段31により選択された動作モードの情報をモードメモリ52に記憶する。例えば記憶手段32は、モード選択手段31により有人モードが選択された場合には、動作モードの情報として「100」を記憶する。同様に、記憶手段32は、モード選択手段31により入退場セルフモードが選択された場合には、動作モードの情報として「200」をモードメモリ52に記憶し、入場セルフモードが選択された場合には、動作モードの情報として「300」をモードメモリ52に記憶し、退場セルフモードが選択された場合には、動作モードの情報として「400」をモードメモリ52に記憶する。
【0046】
通知手段33は、モード選択手段31により選択された動作モードを受付サーバ1に通知する機能である。通知手段33は、モード選択手段31により選択された動作モードの情報を、通信部205を介して受付サーバ1に送信することにより通知する。例えば通知手段33は、モード選択手段31により有人モードが選択された場合には、動作モードを特定する情報として「100」を受付サーバ1に送信して通知する。同様に通知手段33は、モード選択手段31により入退場セルフモードが選択された場合には、動作モードを特定する情報として「200」を受付サーバ1に送信し、入場セルフモードが選択された場合には、動作モードを特定する情報として「300」を受付サーバ1に送信し、退場セルフモードが選択された場合には、動作モードを特定する情報として「400」を受付サーバ1に送信して通知する。
【0047】
有人制御手段34は、記憶手段32により記憶された情報が有人モードの情報である場合には、表示デバイスの画面を有人モードの画面として第1データの入力又は第2データの入力を受け付ける機能である。すなわち有人制御手段34は、モードメモリ52に記憶されたモード特定情報が「100」、すなわち有人モードの情報である場合には、タッチパネル207の画面を有人モードの画面として、利用者がカラオケボックスに入場する際に必要な第1データの入力又は利用者がカラオケボックスから退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける。なお、有人モードの画面については、後述する動作説明の中で明らかにする。
【0048】
セルフ制御手段35は、記憶手段32により記憶された情報がセルフモードの情報である場合には、表示デバイスの画面をセルフモードの画面として第1データの入力又は第2データの入力を受け付ける機能である。すなわちセルフ制御手段35は、モードメモリ52に記憶されたモード特定情報が「200」、すなわち入退場セルフモードの情報である場合には、タッチパネル207の画面をセルフモードの画面として、利用者がカラオケボックスに入場する際に必要な第1データの入力又は利用者がカラオケボックスから退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける。同様に、セルフ制御手段35は、モードメモリ52に記憶されたモード特定情報が「300」、すなわち入場セルフモードの情報である場合には、タッチパネル207の画面をセルフモードの画面として、利用者がカラオケボックスに入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける。また、セルフ制御手段35は、モードメモリ52に記憶されたモード特定情報が「400」、すなわち退場セルフモードの情報である場合には、タッチパネル207の画面をセルフモードの画面として、利用者がカラオケボックスから退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける。なお、セルフモードの画面については、後述する動作説明の中で明らかにする。
【0049】
[受付サーバの構成説明]
図5は、受付サーバ1の要部回路構成を示すブロック図である。受付サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、時計14、通信インターフェース15及びシステム伝送路16等を備える。システム伝送路16は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路16は、プロセッサ11と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。受付サーバ1は、プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、時計14及び通信インターフェース15とをシステム伝送路16で接続することにより、コンピュータを構成する。
【0050】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、受付サーバ1としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPUである。プロセッサ11は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサであることが好ましい。
【0051】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0052】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を記憶する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。受付サーバ1は、補助記憶デバイス13の記憶領域の一部を、ボックスデータベース6、従業員データベース7、会員データベース8及び商品データベース9の領域としている。
【0053】
時計14は、日付と時刻を計時する。プロセッサ11は、時計14によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0054】
通信インターフェース15は、通信ネットワーク5を介して各受付端末2、各注文端末3及び厨房端末4との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0055】
かかる構成の受付サーバ1は、メインメモリ12における揮発性メモリ領域の一部を受付端末テーブル61の領域としている。また、受付サーバ1は、同揮発性メモリ領域の一部をボックス別ファイル62の領域としている。
【0056】
図6は、受付端末テーブル61の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように、受付端末テーブル61は、受付端末IDのカラムCaと、動作モードのカラムCbと、稼働中フラグのカラムCcとを含む。カラムCaには、各受付端末2に対して個々に設定された一意の受付端末IDが記述される。カラムCbには、同一行のカラムCaに記述された受付端末IDで識別される受付端末2の動作モードを特定する情報Mが記述される。カラムCcには、稼働中フラグFが記述される。稼働中フラグFは、同一行のカラムCaに記述された受付端末IDで識別される受付端末2が稼働中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、受付端末2が稼働中であることを示す稼働中フラグFを“1”とし、稼働中でないことを示す稼働中フラグFを“0”とする。
【0057】
図7は、ボックス別ファイル62に記憶されるデータ項目の一例を示す模式図である。ボックス別ファイル62は、カラオケボックス毎に用意されたデータファイルである。ボックス別ファイル62は、そのカラオケボックスを利用した利用者に関する情報を記憶する。例えば
図7に示すように、ボックス別ファイル62には、ボックス番号、入場日時、退場日時、利用人数、注文データ等の項目を記憶する。ボックス番号は、前述したようにカラオケボックスを識別するための部屋番号である。入場日時及び退場日時は、利用者がカラオケボックスに入場した日時と退場した日時である。入場日時と退場日時とから、利用時間が算出される。利用人数は、利用者の人数である。注文データは、利用者が注文した商品に係るデータである。ボックス別ファイル62に記憶されたデータは、施設利用代金の算出等に用いられる。
【0058】
このように、ボックス別ファイル62は、施設であるカラオケボックスに利用者が入場してから退場するまでの施設利用に関する情報と、その施設内で利用者が注文した商品メニューに関する情報とを、そのカラオケボックスの識別情報であるボックス番号と関連づけて記憶するための領域である。なお、ボックス別ファイル62において、カラオケボックスの識別情報は、ボックス番号をそのまま採用しなくてもよい。例えば、ボックス番号にシリアルの一連番号を組み合わせたものをカラオケボックスの識別情報として採用してもよい。また、例えば任意に生成される固有のコードをカラオケボックスの識別情報として採用してもよい。
【0059】
[受付端末の動作説明]
次に、
図8乃至
図12の流れ図、及び、
図13乃至
図22の画面例を用いて、受付端末2の主要な動作を説明する。なお、流れ図を用いて説明する動作の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0060】
図8乃至
図12は、受付端末2のプロセッサ201がメインプログラムに従って実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。受付端末2を操作する従業員は、先ず、起動操作OPa(
図23,
図24を参照)を行う。例えば従業員は、受付端末2の主電源を投入する。このような起動操作OPaを受けて、プロセッサ201は、
図8の流れ図に示される手順の情報処理を開始する。プロセッサ201は、ACT1としてタッチパネル207の画面をサインオン画面SCa(
図13を参照)とする。
【0061】
図13は、サインオン画面SCaの一表示例である。図示するように、サインオン画面SCaには、ユーザコードの入力欄INaとパスワードの入力欄INbとが配置されている。また、サインオン画面SCaにはサインオンボタンBTxが配置されている。サインオンボタンBTxは、サインオンが行われたことをプロセッサ201に通知するための操作子である。サインオンボタンBTxは、ソフトウェアキーである。サインオン画面SCaを確認した従業員は、サインオン操作OPb(
図23,
図24を参照)を行う。すなわち従業員は、入力欄INaに自身の従業員コードを入力し、入力欄INbに自身のパスワードを入力して、サインオンボタンを入力する。
【0062】
サインオン画面SCaを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT2へと進む。プロセッサ201は、ACT2としてサインオン操作OPbが行われるのを待ち受ける。プロセッサ201は、サインオン画面SCaの入力欄INaに従業員コードが入力され、入力欄INbにパスワードが入力されて、サインオンボタンBTxが入力されると、プロセッサ201は、サインオン操作OPbが行われたと認識する。プロセッサ201は、ACT3へと進む。プロセッサ201は、ACT3として受付サーバ1に対してサインオン通知を行う。すなわちプロセッサ201は、受付サーバ1にサインオン通知のデータ信号を送信するように通信部205を制御する。この制御により、通信部205から通信ネットワーク5を介して受付サーバ1にサインオン通知のデータ信号が送信される。このデータ信号には、サインオン画面SCaに入力された従業員コード及びパスワードが含まれる。また、受付端末2の端末IDも含まれる。
【0063】
サインオン通知を受けた受付サーバ1は、受付端末テーブル61を参照して、端末IDに関連付けられた稼働中フラグFが未稼働を示す“0”であるか否かを確認する。稼働中フラグFが“0”の場合、受付サーバ1は、従業員データベース7を検索して、従業員コードとパスワードの有効性を判定する。サインオン画面SCaに入力された従業員コードと関連付けられて従業員データベース7に記憶されているパスワードが、サインオン画面SCaに入力されたパスワードと一致する場合、受付サーバ1は、当該従業員コードで識別される従業員を操作者として承認する。受付サーバ1は、端末IDに関連付けられた稼働中フラグFを“1”とする。これに対し、端末IDに関連付けられた稼働中フラグFが“1”である場合、又はパスワードが一致しない場合には、受付サーバ1は、当該従業員コードで識別される従業員を操作者として承認しない。稼働中フラグFは“0”のままである。受付サーバ1は、サインオン通知元の受付端末2に対して承認結果を送信する。
【0064】
サインオン通知を行った受付端末2のプロセッサ201は、ACT4へと進む。プロセッサ201は、ACT4として従業員が操作者として承認されたか否かを待ち受ける。ここで、従業員が操作者として承認されなかった場合、プロセッサ201は、サインオン操作OPbをエラーとする。従業員は、サインオン操作OPbをやり直す。
【0065】
従業員が操作者として承認された場合には、プロセッサ201は、ACT5へと進む。プロセッサ201は、ACT5として承認された従業員の従業員コードを責任者メモリ51に記述する。またプロセッサ201は、ACT6としてタッチパネル207の画面をモード選択画面SCb(
図14を参照)とする。
【0066】
図14は、モード選択画面SCbの一表示例である。図示するように、モード選択画面SCbは、有人モードのエリアARaとセルフモードのエリアARbの2つの領域に区分されている。そして、有人モードの領域ARaには、「有人」ボタンBTaが配置されている。セルフモードの領域ARbには、「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc及び「退場のみ」ボタンBTdが配置されている。「有人」ボタンBTa、「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc及び「退場のみ」ボタンBTdは、いずれもソフトウェアキーである。
【0067】
「有人」ボタンBTaは、有人モードを選択するための操作子、つまりは第1の操作子である。「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc及び「退場のみ」ボタンBTdは、セルフモードを選択するための操作子、つまりは第2の操作子である。詳しくは、「入場/退場」ボタンBTbは、入退場セルフモードを選択するための第3の操作子であり、「入場のみ」ボタンBTcは、入場セルフモードを選択するための第4の操作子であり、「退場のみ」ボタンBTdは、退場セルフモードを選択するための第5の操作子である。
【0068】
モード選択画面SCbを確認した従業員は、モード選択操作OPc(
図23,
図24を参照)を行う。すなわち従業員は、受付端末2の動作モードを有人モードとする場合には、「有人」ボタンBTaにタッチする。従業員は、受付端末2の動作モードを入退場セルフモードとする場合には、「入場/退場」ボタンBTbにタッチする。従業員は、受付端末2の動作モードを入場セルフモードとする場合には、「入場のみ」ボタンBTcにタッチする。従業員は、受付端末2の動作モードを退場セルフモードとする場合には、「退場のみ」ボタンBTdにタッチする。言い換えると、サインオンをしてからモード選択画面SCbにおいてモードを選択するまでは、受付端末2は有人モード、セルフモードのいずれのモードでも動作していないデフォルトの状態となる。
【0069】
モード選択画面SCbを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT7へと進む。プロセッサ201は、ACT7としてモード選択操作OPcを待ち受ける。すなわちプロセッサ201は、モード選択画面SCbに配置されたいずれかの操作子が入力されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ201は、タッチパネル207からいずれかの操作子がタッチされて生じた信号を入力すると、ACT8へと進む。プロセッサ201は、ACT8として「有人」ボタンBTaが入力されたか否かを確認する。「有人」ボタンBTaが入力されていない場合、プロセッサ201は、ACT9へと進む。プロセッサ201は、ACT9として「入場/退場」ボタンBTbが入力されたか否かを確認する。「入場/退場」ボタンBTbが入力されていない場合、プロセッサ201は、ACT10へと進む。プロセッサ201は、ACT10として「入場のみ」ボタンBTcが入力されたか否かを確認する。「入場のみ」ボタンBTcが入力されていない場合、プロセッサ201は、「退場のみ」ボタンBTdが入力されたと認識する。
【0070】
このように、モード選択画面SCbを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT7乃至ACT10において「有人」ボタンBTa、「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc又は「退場のみ」ボタンBTdが入力されるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、「有人」ボタンBTaが入力された場合には、プロセッサ201は、
図9のACT21へと進む。「入場/退場」ボタンBTbが入力された場合には、プロセッサ201は、
図10のACT41へと進む。「入場のみ」ボタンBTcが入力された場合には、プロセッサ201は、
図11のACT61へと進む。「退場のみ」ボタンBTdが入力された場合には、プロセッサ201は、
図12のACT81へと進む。
【0071】
ここに、プロセッサ201は、ACT6乃至ACT10の処理により、モード選択手段31としての機能を実現する。
【0072】
<有人モードの説明>
図9は、モード選択画面SCbにおいて、モード選択操作OPcとして「有人」ボタンBTaが入力された後のプロセッサ201の制御手順を示す流れ図である。プロセッサ201は、ACT21としてモードメモリ52に有人モードを特定する情報「100」を記述する。またプロセッサ201は、ACT22として第1のアプリケーションソフトウェア41である「有人モードAPL」を起動する。以後、プロセッサ201は、「有人モードAPL」に従ってACT23乃至ACT32の動作を制御する。
【0073】
プロセッサ201は、ACT23として受付サーバ1に対して有人モードが選択されたことを通知する。すなわちプロセッサ201は、受付サーバ1に有人モードを特定する情報「100」を含むデータ信号を送信するように通信部205を制御する。この制御により、通信部205から通信ネットワーク5を介して受付サーバ1にモード特定情報「100」を含むデータ信号が送信される。このデータ信号には、受付端末2の端末IDも含まれている。
【0074】
端末IDとモード特定情報「100」とを含むデータ信号を受信した受付サーバ1は、受付端末テーブル61を参照して、当該端末IDに関連付けられた動作モードを特定する情報Mを「100」とする。
【0075】
受付サーバ1に対して有人モードが選択されたことを通知したプロセッサ201は、ACT24へと進む。プロセッサ201は、ACT24としてタッチパネル207の画面を有人モードのトップ画面SCc(
図15を参照)とする。トップ画面SCcは、有人モードの画面の一例である。
【0076】
図15は、トップ画面SCcの一表示例である。図示するように、有人モードのトップ画面SCcは、ボックス一覧表Taを表示する。ボックス一覧表Taは、各カラオケボックスのボックス番号をそれぞれ割り当てて表示した複数の矩形領域をマトリクス状に配置したものである。各矩形領域には、その領域に表示されたボックス番号のカラオケボックスに関する情報が表示される。例えば、利用者が入場していないカラオケボックスに対しては、「空き」と表示される。利用者が入場しているカラオケボックスに対しては、利用開始時刻、利用人数等が表示される。また、トップ画面SCcには、業務ボタンBTeが配置されている。
【0077】
有人モードのトップ画面SCcを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT25へと進む。プロセッサ201は、ACT25として入場操作が行われたか否を確認する。入場操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT26へと進む。プロセッサ201は、ACT26として退場操作が行われたか否を確認する。退場操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT27へと進む。プロセッサ201は、ACT27として業務ボタンBTeが入力されたか否かを確認する。業務ボタンBTeが入力されていない場合、プロセッサ201は、ACT25へと戻る。このように、トップ画面SCcを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT25乃至ACT27において入場操作が行われるか、退場操作が行われるか、業務ボタンBTeが入力されるのを待ち受ける。
【0078】
トップ画面SCcが表示された受付端末2の操作者は、従業員である。受付担当の従業員は、入場操作又は退場操作OPd(
図23を参照)を行う。すなわちカラオケボックスを利用する客、いわゆる利用者が来店すると、従業員は受付端末2に対して入場操作を行う。カラオケボックスを利用していた利用者が店を出る際には、従業員は、受付端末2に対して退場操作を行う。
【0079】
トップ画面SCcにおいて、ボックス一覧表Taのなかのいずれかのボックス番号が表示された区画領域が例えば長押し操作されると、入場ボタンと退場ボタンとが配置されたポップアップPU(
図16を参照)がトップ画面SCcの上に重ねて表示される。
【0080】
図16は、トップ画面SCcに重ねてポップアップPUを表示した入場・退場処理画面SCdの一表示例である。ポップアップPUは、ボックス番号「01」の領域が長押し操作されて表示された画像である。入場ボタンは、入場操作の開始をプロセッサ201に指令するための操作子である。退場ボタンは、退場操作の開始をプロセッサ201に指令するための操作子である。このように、従業員が区画領域を例えば長押し操作してポップアップPUを表示させ、入場ボタンにタッチする操作が入場操作である。同様にして従業員がポップアップPUを表示させ、退場ボタンにタッチする操作が退場操作である。なお、ポップアップPUを表示させる操作は長押し操作に限定されない。例えば区画領域内を2回以上連続してタップすることでポップアップPUが表示されるようにしてもよい。
【0081】
ACT25乃至ACT27の待ち受け状態において、入場操作が行われると、プロセッサ201は、ACT28へと進む。プロセッサ201は、ACT28として入場処理を実行する。すなわちプロセッサ201は、ポップアップPUの入場ボタンが入力されたことを検知すると、タッチパネル207の画面を、利用者がカラオケボックスに入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける画面とする。その画面は、例えば入室情報入力画面である。入室情報入力画面は、利用人数、利用予定時間等の第1データの入力を受け付ける画面である。操作者である従業員は、入室情報入力画面に、カラオケボックスを利用する利用者の人数、利用予定時間、コースメニュー、オプションメニュー等を入力する。第1データの入力を受け付ける画面は、会員入力画面、会員登録画面等を含んでもよい。会員入力画面は、利用者が会員である場合に、会員コードの入力を受け付ける画面である。会員登録画面は利用者が非会員である場合に、会員登録に必要なデータの入力を受け付ける画面である。入室情報入力画面、会員入力画面、会員登録画面等も、有人モードの画面の一例である。
【0082】
プロセッサ201は、例えば入室情報入力画面を介して入力された第1データを基に受付伝票の印刷データを作成し、プリンタ21に出力する。これにより、プリンタ21から受付伝票が発行されるので、従業員は利用者に受付伝票を手渡す。受付伝票を受け取った利用者は、その伝票に印刷されているボックス番号のカラオケボックスを利用することができる。
【0083】
またプロセッサ201は、入力されたボックス番号、利用人数、利用予定時間、コースメニュー、オプションメニュー等を含む第1データを受付サーバ1に送信する。受付サーバ1は、長押し操作された区画領域に割り当てられたボックス番号のボックス別ファイル62に、入場日時、利用人数、コースメニュー、オプションメニュー等を記憶する。また、利用者が会員である場合には、会員コードも記述する。入場日時は、例えば入場ボタンがタッチされた時点で受付端末2の時計204が計時している日時である。
【0084】
このように入場処理は、第1データの入力を受け付ける画面を表示する処理と、その画面を介して入力された第1データを基に受付伝票を発行する処理と、第1データを受付サーバ1に送信する処理とを含む。なお、受付伝票は、紙を媒体に発行するのではなく、電子データとして利用者のスマートフォンに送信することにより発行してもよい。
【0085】
ACT25乃至ACT27の待ち受け状態において、退場操作が行われると、プロセッサ201は、ACT29へと進む。プロセッサ201は、ACT29として退場処理を実行する。すなわちプロセッサ201は、ポップアップPUの退場ボタンが入力されたことを検知すると、タッチパネル207の画面を、利用者がカラオケボックスから退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける画面とする。その画面は、例えば伝票読込み画面である。伝票読込み画面を確認した従業員は、利用者から提出を受けた受付伝票のバーコードを撮像部206で読み取らせる。バーコードは、利用者が利用していたカラオケボックスのボックス番号を示すものである。受付伝票は、有人モードの受付端末2から発行されたものであってもよいし、セルフモードの受付端末2から発行されたものであってもよい。第2データの入力を受け付ける画面は、支払い方法選択画面等を含んでもよい。支払い方法選択画面は、施設利用代金の支払い方法を選択するための画面である。支払い方法には、現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済等がある。伝票読込み画面、支払い方法選択画面等も有人モードの画面の一例である。有人モードの画面は、他の画面を含んでいてもよい。
【0086】
プロセッサ201は、例えば伝票読込み画面を介して入力されたボックス番号と退場日時とを受付サーバ1に送信する。退場日時は、例えば退場ボタンがタッチされた時点で受付端末2の時計204が計時している日時である。受付サーバ1は、ボックス番号のボックス別ファイル62に、退場日時を記述する。そして受付サーバ1は、ボックス別ファイル62に記述された入場日時と退場日時とから利用時間を算出し、カラオケボックスの使用料を算出する。また受付サーバ1は、同ボックス別ファイル62に記述された注文データを基に商品の価格を加算して施設利用代金を算出する。
【0087】
受付サーバ1において施設利用代金が算出されると、受付端末2におけるタッチパネル207の画面が支払い方法選択画面に遷移するので、従業員は、利用者が希望する支払い方法で代金の支払いを受けて、支払いデータを受付端末2に入力する。受付端末2のプロセッサ201は、施設利用代金と支払いデータとに基づいて代金の会計を行うための決済処理を行い、レシートを発行する。
【0088】
このように退場処理は、第2データの入力を受け付ける画面を表示する処理と、その画面を介して入力された第2データを受付サーバ1に送信する処理と、施設利用代金の決済処理とを含む。なお、決済処理において発行されるレシートは、電子レシートであってもよい。
【0089】
なお、トップ画面SCcに対する操作は、入場操作と退場操作とに限定されない。例えば、受付の従業員は、カラオケボックスを利用している利用者から内線電話で商品メニューの注文を受ける場合がある。そのような場合には、従業員は、注文があったカラオケボックスのボックス番号が表示された区画領域を選択操作する。例えば従業員は、区画領域をダブルタップする。そうすると、受付端末2は、商品メニューの注文モードとなり、タッチパネル207に商品メニューの一覧が表示される。そこで従業員は、一覧から利用者から注文を受けた商品メニューを選択する。かくして、選択された商品メニューの注文データが当該ボックス番号のボックス別ファイル62に記述される。
【0090】
また、ACT25乃至ACT27の待ち受け状態において、所定の時間、操作が何も行われなかった場合には、タッチパネル207の画面をサインオン画面SCaに戻すようにしてもよい。
【0091】
ところで、前述したようにトップ画面SCcには、業務ボタンBTeが配置されている。業務ボタンBTeは、業務メニューの切替をプロセッサ201に指令するための操作子である。業務メニューには、登録業務、レポート業務、精算業務、入出金業務、端末認証業務等がある。登録業務とは、商品の売上データをメモリに登録する業務である。レポート業務とは、メモリに登録された売上データの点検レポートを出力する業務である。精算業務とは、メモリに登録された売上データの精算レポートを出力してメモリをクリアする業務である。入出金業務とは、釣銭機に入金された金額及び釣銭機から出金された金額を示す入出金レポートを出力する業務である。端末認証業務は、受付端末2の認証を行う業務である。
【0092】
また、業務ボタンBTeは、従業員がサインオフを行う場合にも用いられる。サインオフとは、サインオンした従業員の認証を解除し、受付端末2をデフォルトの状態に戻す操作である。したがって、サインオフを行う従業員は、先ず、業務ボタンBTeの入力操作OPe(
図23を参照)を行う。
【0093】
なお、デフォルトの状態とは、一般には、従業員の認証がされていない状態である。すなわちデフォルトの状態とは、責任者メモリ51に責任者コードが記憶されていない状態である。デフォルトの状態とは、責任者メモリ51に記憶されていた責任者コードがクリアされた状態であるともいえる。そして本実施形態では、デフォルトの状態とは、受付端末2が有人モード、セルフモードのいずれのモードでも動作していない状態を含む。すなわちデフォルトの状態とは、モードメモリ52に動作モードの情報が記憶されていない状態である。デフォルトの状態とは、モードメモリ52に記憶されていた動作モードの情報がクリアされた状態であるともいえる。
【0094】
このように受付端末2は、電源オフの状態から起動したとき、あるいはサインオフをしたとき、さらにはサインオンをしてからモード選択画面SCbにおいて動作モードを選択するまでの間は、有人モード、セルフモードのいずれのモードでも動作していないデフォルトの状態となる。なお、サインオフした場合には、受付端末2の動作モードの情報はモードメモリ52にそのまま維持してもよい。
【0095】
ACT25乃至ACT27の待ち受け状態において、業務ボタンBTeが入力されると、プロセッサ201は、ACT30へと進む。プロセッサ201は、ACT30としてタッチパネル207の画面を業務メニュー画面SCe(
図17を参照)とする。
【0096】
図17は業務メニュー画面SCeの一表示例である。図示するように、業務メニュー画面SCeは、「登録」ボタン、「レポート」ボタン、「精算」ボタン、「入出金」ボタン、「端末認証」ボタン及び「サインオフ」ボタンが配置されている。各ボタンは、ソフトウェアキーである。「登録」ボタンは、登録業務の選択をプロセッサ201に指令するための操作子である。「レポート」ボタンは、レポート業務の選択をプロセッサ201に指令するための操作子である。「精算」ボタンは、精算業務の選択をプロセッサ201に指令するための操作子である。「入出金」ボタンは、入出金業務の選択をプロセッサ201に指令するための操作子である。「端末認証」ボタンは、端末認証業務の選択をプロセッサ201に指令するための操作子である。「サインオフ」ボタンは、サインオフをプロセッサ201に指令するための操作子である。
【0097】
サインオフを行う従業員は、業務メニュー画面SCeを確認すると、サインオフ操作OPf(
図23を参照)を行う。すなわち従業員は、「サインオフ」ボタンにタッチする。
【0098】
業務メニュー画面SCeを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT31へと進む。プロセッサ201は、ACT31として「サインオフ」ボタンが入力されたか否かを確認する。「サインオフ」ボタン以外のボタンが入力された場合には、プロセッサ201は、そのボタンに割り当てられた業務を処理する。
【0099】
「サインオフ」ボタンが入力された場合には、プロセッサ201は、ACT32へと進む。プロセッサ201は、ACT32として受付サーバ1に対してサインオフ通知を行う。すなわちプロセッサ201は、受付サーバ1にサインオフ通知のデータ信号を送信するように通信部205を制御する。この制御により、通信部205から通信ネットワーク5を介して受付サーバ1にサインオフ通知のデータ信号が送信される。このデータ信号には、責任者メモリ51に記憶されている従業員コードが含まれる。また、受付端末2の端末IDも含まれる。
【0100】
サインオフ通知を受けた受付サーバ1は、受付端末テーブル61を参照して、端末IDに関連付けられた稼働中フラグFを“0”とする。また、動作モードを特定する情報Mをクリアする。
【0101】
サインオフ通知を行った受付端末2のプロセッサ201は、ACT33へと進む。プロセッサ201は、ACT33として第1のアプリケーションソフトウェア41である有人モードAPLを停止する。またプロセッサ201は、ACT34として責任者メモリ51及びモードメモリ52に記憶していたデータをクリアする。このように、サインオフの入力を受け付けたプロセッサ201は、サインオフの処理を実行する。サインオフの処理は上述したACT32乃至ACT34の処理を含む。すなわち、サインオフとは、サインオンした従業員の認証を解除し、受付端末2をデフォルトの状態に戻すための処理である。サインオフの処理を終えたプロセッサ201は、
図8のACT1へと戻る。すなわちプロセッサ201は、タッチパネル207の画面をサインオン画面SCaとする。
【0102】
ここに、プロセッサ201は、ACT21の処理により、記憶手段32としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT23の処理により、通知手段33としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT22乃至ACT29の処理により有人制御手段34としての機能を実現する。
【0103】
<入退場セルフモードの説明>
図10は、モード選択画面SCbにおいて、モード選択操作OPcとして「入場/退場」ボタンBTbが入力された後のプロセッサ201の制御手順を示す流れ図である。プロセッサ201は、ACT41としてモードメモリ52に入退場セルフモードを特定する情報「200」を記述する。またプロセッサ201は、ACT42として第2のアプリケーションソフトウェア42である「入退場セルフモードAPL」を起動する。以後、プロセッサ201は、「入退場セルフモードAPL」に従ってACT43乃至ACT50の動作を制御する。
【0104】
プロセッサ201は、ACT43として受付サーバ1に対して入退場セルフモードが選択されたことを通知する。すなわちプロセッサ201は、受付サーバ1に入退場セルフモードを特定する情報「200」を含むデータ信号を送信するように通信部205を制御する。この制御により、通信部205から通信ネットワーク5を介して受付サーバ1にモード特定情報「200」を含むデータ信号が送信される。このデータ信号には、受付端末2の端末IDも含まれている。
【0105】
端末IDとモード特定情報「200」とを含むデータ信号を受信した受付サーバ1は、受付端末テーブル61を参照して、当該端末IDに関連付けられた動作モードを特定する情報Mを「200」とする。
【0106】
受付サーバ1に対して入退場セルフモードが選択されたことを通知したプロセッサ201は、ACT44へと進む。プロセッサ201は、ACT44としてタッチパネル207の画面を入退場セルフモードのトップ画面SCf-a(
図18を参照)とする。トップ画面SCf-aは、セルフモードの画面の一例である。
【0107】
図18は、トップ画面SCf-aの一表示例である。図示するように、入退場セルフモードのトップ画面SCf-aは、入場エリアARcと退場エリアARdの2つの領域に区分されている。そして、入場エリアARcには、「予約有」ボタンBTfと「予約無」ボタンBTgとが配置されている。退場エリアARdには、「会計」ボタンBThが配置されている。「予約有」ボタンBTfは、事前にカラオケボックスの予約をしていた利用者が入場の際に操作する操作子である。「予約有」ボタンBTfは、プロセッサ201にカラオケボックス予約有りの利用者が入場することを指令する操作子であるともいえる。「予約無」ボタンBTgは、カラオケボックスの予約をしていない利用者が入場の際に操作する操作子である。「予約無」ボタンBTgは、プロセッサ201にカラオケボックス予約無しの利用者が入場することを指令する操作子であるともいえる。「会計」ボタンBThは、カラオケボックスを利用していた利用者が店を出る際に操作する操作子である。「会計」ボタンBThは、プロセッサ201にカラオケボックスからの退場を指令する操作子であるともいえる。
【0108】
入退場セルフモードのトップ画面SCf-aを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT45へと進む。プロセッサ201は、ACT45として入場操作が行われたか否を確認する。入場操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT46へと進む。プロセッサ201は、ACT46として退場操作が行われたか否を確認する。退場操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT47へと進む。プロセッサ201は、ACT47として特定操作が行われたか否かを確認する。特定操作については、後述する。特定操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT45へと戻る。このように、トップ画面SCf-aを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT45乃至ACT47において入場操作が行われるか、退場操作が行われるか、特定操作が行われるのを待ち受ける。
【0109】
トップ画面SCf-aが表示された受付端末2の操作者は、利用者である。利用者は、入場操作又は退場操作OPg(
図24を参照)を行う。すなわちカラオケボックスを利用する客、いわゆる利用者は、来店時に受付にて受付端末2を操作して入場操作を行う。その後、カラオケボックスの利用を終えて店を出る際には、利用者は受付にて受付端末2を操作して退場操作を行う。
【0110】
具体的には、事前に予約をして来店した利用者は、トップ画面SCf-aの「予約有」ボタンBTfにタッチする。予約をせずに来店した利用者は、トップ画面SCf-aの「予約無」ボタンBTgにタッチする。このように、「予約有」ボタンBTf又は「予約無」ボタンBTgにタッチする操作が入場操作である。一方、店を出る利用者は、トップ画面SCf-aの「会計」ボタンBThを入力する。このように、「会計」ボタンBThを入力する操作が退場操作である。
【0111】
ACT45乃至ACT47の待ち受け状態において、入場操作が行われると、プロセッサ201は、ACT48へと進む。プロセッサ201は、ACT48として入場処理を実行する。すなわち「予約有」ボタンBTfが入力された場合には、プロセッサ201は、タッチパネル207の画面を会員入力画面とする。会員入力画面は、会員コードの入力を受け付ける画面である。利用者は、例えば会員カードのデータをカードリーダ22に読み取らせる。プロセッサ201は、カードリーダ22によって読み取られた会員カードデータから会員コードを取得する。そしてプロセッサ201は、その会員コードを受付サーバ1に送信する。受付サーバ1は、会員データベース8を検索して会員コードで識別される利用者の予約情報を取得し、その予約情報を受付端末2に送信する。予約情報を受信した受付端末2のプロセッサ201は、タッチパネル207の画面を利用人数入力画面SCg-a(
図21を参照)とする。一方、「予約無」ボタンBTgが入力された場合には、プロセッサ201は、タッチパネル207の画面を利用人数入力画面SCg-aとする。
【0112】
図21は、利用人数入力画面SCg-aの表示例である。図示するように、利用人数入力画面SCg-aは、利用者の人数と、20歳未満の利用者がいるか否かという情報を受け付けるための画面である。20歳未満の利用者がいるか否かという情報を受け付けるために、受付端末2は、年齢等の会員情報と関連付けられる会員コードの入力を受け付けるようにしてもよい。利用者が利用人数などを入力してOKボタンにタッチすると、タッチパネル207の画面がカラオケボックス選択画面となる。カラオケボックス選択画面は、利用するカラオケボックスのボックス番号の選択を受け付けるための画面である。カラオケボックス選択画面は、カラオケコースのコースメニュー、オプションメニュー等の選択を受け付ける画面でもある。このような利用人数入力画面SCg-a及びカラオケボックス選択画面は、利用者がカラオケボックスに入場する際に必要な第1データの入力を受け付ける画面である。すなわち利用人数入力画面SCg-a、カラオケボックス選択画面等も、セルフモードの画面の一例である。
【0113】
プロセッサ201は、利用人数入力画面SCg-a、カラオケボックス選択画面等を介して入力された第1データを基に受付伝票の印刷データを作成し、プリンタ21に出力する。これにより、プリンタ21から受付伝票が発行されるので、利用者は、受付伝票を持ってカラオケボックスへと移動する。
【0114】
またプロセッサ201は、入力されたボックス番号、利用人数、20歳未満の利用者がいるか否かという情報、利用予定時間、コースメニュー、オプションメニュー等の第1データを受付サーバ1に送信する。受付サーバ1は、カラオケボックス選択画面で入力されたボックス番号のボックス別ファイル62に、入場日時、利用人数、コースメニュー、オプションメニュー等を記憶する。また、利用者が会員である場合には、会員コードも記述する。入場日時は、例えば「予約有」ボタンBTf又は「予約無」ボタンBTgがタッチされた時点で受付端末2の時計204が計時している日時である。
【0115】
このように入場処理は、第1データの入力を受け付ける画面を表示する処理と、その画面を介して入力された第1データを基に受付伝票を発行する処理と、第1データを受付サーバ1に送信する処理とを含む。なお、受付伝票は、紙を媒体に発行するのではなく、電子データとして利用者のスマートフォンに送信することにより発行してもよい。
【0116】
ACT45乃至ACT47の待ち受け状態において、退場操作が行われると、プロセッサ201は、ACT49へと進む。プロセッサ201は、ACT49として退場処理を実行する。すなわちプロセッサ201は、「会計」ボタンBThが入力されたことを検知すると、タッチパネル207の画面を、利用者がカラオケボックスから退場する際に必要な第2データの入力を受け付ける画面とする。その画面は、例えば伝票読込み画面SCg-b(
図22を参照)である。
【0117】
図22は、伝票読込み画面SCg-bの表示例である。図示するように伝票読込み画面SCg-bは、利用者に受付伝票のバーコードをカメラに翳すことを指示するための画面である。伝票読込み画面SCg-bを確認した利用者は、受付伝票のバーコードを撮像部206のレンズに翳す。なお受付伝票は、セルフモードの受付端末2から発行されたものであってもよいし、有人モードの受付端末2から発行されたものであってもよい。
【0118】
このような操作により、受付伝票のバーコードが撮像部206によって読み取られると、プロセッサ201は、バーコードを解析して得たボックス番号と退場日時とを受付サーバ1に送信する。退場日時は、例えば「会計」ボタンBThがタッチされた時点で受付端末2の時計204が計時している日時である。受付サーバ1は、ボックス番号のボックス別ファイル62に、退場日時を記述する。そして受付サーバ1は、ボックス別ファイル62に記述された入場日時と退場日時とから利用時間を算出し、カラオケボックスの使用料を算出する。また受付サーバ1は、同ボックス別ファイル62に記述された注文データを基に商品の価格を加算して施設利用代金を算出する。
【0119】
受付サーバ1において施設利用代金が算出されると、受付端末2におけるタッチパネル207の画面が支払い方法選択画面に遷移するので、利用者は、希望する支払い方法を選択し、その支払い方法で代金の支払いを行う。このような操作を受けて、受付端末2のプロセッサ201は、施設利用代金と支払いデータとに基づいて決済処理を行い、レシートを発行する。伝票読込み画面SCg-b、支払い方法選択画面等もセルフモードの画面の一例である。セルフモードの画面は、他の画面を含んでいてもよい。
【0120】
このように退場処理は、第2データの入力を受け付ける画面を表示する処理と、その画面を介して入力された第2データを受付サーバ1に送信する処理と、施設利用代金の決済処理とを含む。なお、決済処理において発行されるレシートは、電子レシートであってもよい。
【0121】
なお、ACT45乃至ACT47の待ち受け状態において、所定の時間、操作が何も行われなかった場合でも、タッチパネル207の画面は、サインオン画面SCaに戻ることはない。
【0122】
ところで、前述したように、トップ画面SCf-aを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT45乃至ACT47において、特定操作OPh(
図24を参照)が行われるのを待ち受けている。特定操作OPhは、利用者による入場操作及び退場操作ではあり得ない格別な操作である。例えば、タッチパネル207の任意の4か所を指で同時にタッチする操作を特定操作POhと定義する。このような特定操作OPhは、店舗管理者などの一部の従業員のみが知り得る操作である。
【0123】
プロセッサ201は、ACT45乃至ACT47において、特定操作OPhが行われたことを検知すると、ACT50へと進む。プロセッサ201は、ACT50として受付サーバ1に対してサインオフ通知を行う。すなわちプロセッサ201は、受付サーバ1にサインオフ通知のデータ信号を送信するように通信部205を制御する。この制御により、通信部205から通信ネットワーク5を介して受付サーバ1にサインオフ通知のデータ信号が送信される。このデータ信号には、責任者メモリ51に記憶されている従業員コードが含まれる。また、受付端末2の端末IDも含まれる。
【0124】
なお、ACT45乃至ACT47において、特定操作OPhが行われたことを検知した場合、プロセッサ201は、ACT50へと進む前に、従業員の認証操作を受け付けるようにしてもよい。認証操作とは、例えば従業員コードの入力とパスワードの入力を受け付ける操作である。認証操作とは、従業員コードの入力だけであってもよい。
【0125】
サインオフ通知を受けた受付サーバ1は、受付端末テーブル61を参照して、端末IDに関連付けられた稼働中フラグFを“0”とする。また、動作モードを特定する情報Mをクリアする。
【0126】
サインオフ通知を行った受付端末2のプロセッサ201は、ACT51へと進む。プロセッサ201は、ACT51として第2のアプリケーションソフトウェア42である入退場セルフモードAPLを停止する。またプロセッサ201は、ACT52として責任者メモリ51及びモードメモリ52に記憶していたデータをクリアする。このように、サインオフの入力を受け付けたプロセッサ201は、サインオフの処理を実行する。サインオフの処理は上述したACT50乃至ACT52の処理を含む。すなわち、サインオフとは、サインオンした従業員の認証を解除し、受付端末2をデフォルトの状態に戻すための処理である。サインオフの処理を終えたプロセッサ201は、
図8のACT1へと戻る。すなわちプロセッサ201は、タッチパネル207の画面をサインオン画面SCaとする。
【0127】
ここに、プロセッサ201は、ACT41の処理により、記憶手段32としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT43の処理により、通知手段33としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT42乃至ACT49の処理によりセルフ制御手段35としての機能を実現する。
【0128】
<入場セルフモードの説明>
図11は、モード選択画面SCbにおいて、モード選択操作OPcとして「入場のみ」ボタンBTcが入力された後のプロセッサ201の制御手順を示す流れ図である。プロセッサ201は、ACT61としてモードメモリ52に入場セルフモードを特定する情報「300」を記述する。またプロセッサ201は、ACT62として第3のアプリケーションソフトウェア43である「入場セルフモードAPL」を起動する。以後、プロセッサ201は、「入場セルフモードAPL」に従ってACT63乃至ACT68の動作を制御する。
【0129】
プロセッサ201は、ACT63として受付サーバ1に対して入場セルフモードが選択されたことを通知する。すなわちプロセッサ201は、受付サーバ1に入場セルフモードを特定する情報「300」を含むデータ信号を送信するように通信部205を制御する。この制御により、通信部205から通信ネットワーク5を介して受付サーバ1にモード特定情報「300」を含むデータ信号が送信される。このデータ信号には、受付端末2の端末IDも含まれている。
【0130】
端末IDとモード特定情報「300」とを含むデータ信号を受信した受付サーバ1は、受付端末テーブル61を参照して、当該端末IDに関連付けられた動作モードを特定する情報Mを「300」とする。
【0131】
受付サーバ1に対して入場セルフモードが選択されたことを通知したプロセッサ201は、ACT64へと進む。プロセッサ201は、ACT64としてタッチパネル207の画面を入場セルフモードのトップ画面SCf-b(
図19を参照)とする。トップ画面SCf-bは、セルフモードの画面の一例である。
【0132】
図19は、トップ画面SCf-bの一表示例である。図示するように、入場セルフモードのトップ画面SCf-bは、入退場セルフモードのトップ画面SCf-aにおける入場エリアARcと同じである。すなわち、トップ画面SCf-bには、「予約有」ボタンBTfと「予約無」ボタンBTgとが配置されている。
【0133】
入場セルフモードのトップ画面SCf-bを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT65へと進む。プロセッサ201は、ACT65として入場操作が行われたか否を確認する。入場操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT66へと進む。プロセッサ201は、ACT66として特定操作が行われたか否かを確認する。特定操作は、「入退場セルフモードの説明」において説明した特定操作と同一である。特定操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT65へと戻る。このように、トップ画面SCf-bを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT65及びACT66において入場操作が行われるか、特定操作が行われるのを待ち受ける。
【0134】
トップ画面SCf-bが表示された受付端末2の操作者は、利用者である。利用者は、入場操作を行う。すなわちカラオケボックスを利用する客、いわゆる利用者は、来店時に受付にて受付端末2を操作して入場操作を行う。この入場操作は、「入退場セルフモードの説明」において説明した入場操作と同一である。
【0135】
ACT65及びACT66の待ち受け状態において、入場操作が行われると、プロセッサ201は、ACT67へと進む。プロセッサ201は、ACT67として入場処理を実行する。この入場処理も、「入退場セルフモードの説明」において、ACT48として説明した入場処理と同一である。よって、入場操作及び入場処理については、「入退場セルフモードの説明」の記載をそのまま代用し、ここでの説明は省略する。
【0136】
プロセッサ201は、ACT65及びACT66の待ち受け状態において、特定操作OPhが行われたことを検知すると、ACT68へと進む。プロセッサ201は、ACT68として受付サーバ1に対してサインオフ通知を行う。サインオフ通知の処理も、「入退場セルフモードの説明」において、ACT50として説明したサインオフ通知の処理と同一である。また、サインオフ通知を受けた受付サーバ1の動作も同様である。よって、サインオフ通知については、「入退場セルフモードの説明」の記載をそのまま代用し、ここでの説明は省略する。
【0137】
サインオフ通知を行った受付端末2のプロセッサ201は、ACT69へと進む。プロセッサ201は、ACT69として第3のアプリケーションソフトウェア43である入場セルフモードAPLを停止する。またプロセッサ201は、ACT70として責任者メモリ51及びモードメモリ52に記憶していたデータをクリアする。このように、サインオフの入力を受け付けたプロセッサ201は、サインオフの処理を実行する。サインオフの処理は上述したACT68乃至ACT70の処理を含む。すなわち、サインオフとは、サインオンした従業員の認証を解除し、受付端末2をデフォルトの状態に戻すための処理である。サインオフの処理を終えたその後、プロセッサ201は、
図8のACT1へと戻る。すなわちプロセッサ201は、タッチパネル207の画面をサインオン画面SCaとする。
【0138】
ここに、プロセッサ201は、ACT61の処理により、記憶手段32としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT63の処理により、通知手段33としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT62乃至ACT67の処理によりセルフ制御手段35としての機能を実現する。
【0139】
<退場セルフモードの説明>
図12は、モード選択画面SCbにおいて、モード選択操作OPcとして「退場のみ」ボタンBTdが入力された後のプロセッサ201の制御手順を示す流れ図である。プロセッサ201は、ACT81としてモードメモリ52に退場セルフモードを特定する情報「400」を記述する。またプロセッサ201は、ACT82として第4のアプリケーションソフトウェア44である「退場セルフモードAPL」を起動する。以後、プロセッサ201は、「退場セルフモードAPL」に従ってACT83乃至ACT88の動作を制御する。
【0140】
プロセッサ201は、ACT83として受付サーバ1に対して退場セルフモードが選択されたことを通知する。すなわちプロセッサ201は、受付サーバ1に退場セルフモードを特定する情報「400」を含むデータ信号を送信するように通信部205を制御する。この制御により、通信部205から通信ネットワーク5を介して受付サーバ1にモード特定情報「400」を含むデータ信号が送信される。このデータ信号には、受付端末2の端末IDも含まれている。
【0141】
端末IDとモード特定情報「400」とを含むデータ信号を受信した受付サーバ1は、受付端末テーブル61を参照して、当該端末IDに関連付けられた動作モードを特定する情報Mを「400」とする。
【0142】
受付サーバ1に対して退場セルフモードが選択されたことを通知したプロセッサ201は、ACT84へと進む。プロセッサ201は、ACT84としてタッチパネル207の画面を退場セルフモードのトップ画面SCf-c(
図20を参照)とする。トップ画面SCf-cは、セルフモードの画面の一例である。
【0143】
図20は、トップ画面SCf-cの一表示例である。図示するように、退場セルフモードのトップ画面SCf-cは、入退場セルフモードのトップ画面SCf-aにおける退場エリアARdと同じである。すなわち、トップ画面SCf-cには、「会計」ボタンBThが配置されている。
【0144】
退場セルフモードのトップ画面SCf-cを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT85へと進む。プロセッサ201は、ACT85として退場操作が行われたか否を確認する。退場操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT86へと進む。プロセッサ201は、ACT86として特定操作が行われたか否かを確認する。特定操作は、「入退場セルフモードの説明」において説明した特定操作と同一である。特定操作が行われていない場合、プロセッサ201は、ACT85へと戻る。このように、トップ画面SCf-cを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT85及びACT86において退場操作が行われるか、特定操作が行われるのを待ち受ける。
【0145】
トップ画面SCf-cが表示された受付端末2の操作者は、利用者である。利用者は、退場操作を行う。すなわちカラオケボックスを利用する客、いわゆる利用者は、来店時に受付にて受付端末2を操作して退場操作を行う。この退場操作は、「入退場セルフモードの説明」において説明した退場操作と同一である。
【0146】
ACT85及びACT86の待ち受け状態において、退場操作が行われると、プロセッサ201は、ACT87へと進む。プロセッサ201は、ACT87として退場処理を実行する。この退場処理も、「入退場セルフモードの説明」において、ACT49として説明した退場処理と同一である。よって、退場操作及び退場処理については、「入退場セルフモードの説明」の記載をそのまま代用し、ここでの説明は省略する。
【0147】
プロセッサ201は、ACT85及びACT86の待ち受け状態において、特定操作OPhが行われたことを検知すると、ACT88へと進む。プロセッサ201は、ACT88として受付サーバ1に対してサインオフ通知を行う。サインオフ通知の処理も、「入退場セルフモードの説明」において、ACT50として説明したサインオフ通知の処理と同一である。また、サインオフ通知を受けた受付サーバ1の動作も同様である。よって、サインオフ通知については、「入退場セルフモードの説明」の記載をそのまま代用し、ここでの説明は省略する。
【0148】
サインオフ通知を行った受付端末2のプロセッサ201は、ACT89へと進む。プロセッサ201は、ACT89として第4のアプリケーションソフトウェア44である退場セルフモードAPLを停止する。またプロセッサ201は、ACT90として責任者メモリ51及びモードメモリ52に記憶していたデータをクリアする。このように、サインオフの入力を受け付けたプロセッサ201は、サインオフの処理を実行する。サインオフの処理は上述したACT88乃至ACT90の処理を含む。すなわち、サインオフとは、サインオンした従業員の認証を解除し、受付端末2をデフォルトの状態に戻すための処理である。サインオフの処理を終えたその後、プロセッサ201は、
図8のACT1へと戻る。すなわちプロセッサ201は、タッチパネル207の画面をサインオン画面SCaとする。
【0149】
ここに、プロセッサ201は、ACT81の処理により、記憶手段32としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT83の処理により、通知手段33としての機能を実現する。プロセッサ201は、ACT82乃至ACT87の処理によりセルフ制御手段35としての機能を実現する。
【0150】
[受付端末の作用説明]
図23は、有人モードに係る操作手順と受付端末に表示される画面の遷移例を示すシーケンス図である。例えば、開店前に受付端末2に対して従業員が起動操作OPaを行うと、受付端末2の表示デバイスであるタッチパネル207にサインオン画面SCaが表示される。そこで従業員は、サインオン操作OPbを行う。サインオン操作OPbが行われると、タッチパネル207の画面は、モード選択画面SCbとなる。
【0151】
ここで、受付端末2の動作モードを有人モードとする場合には、従業員は、モード選択操作POcとして「有人」ボタンBTaを入力する。「有人」ボタンBTaが入力されると、受付端末2においては、モードメモリ52に有人モードを特定する情報である「100」が記憶される。また、第1のアプリケーションソフトウェア41である「有人モードAPL」が起動する。そして、タッチパネル207の画面が有人モードのトップ画面SCcとなる。かくして受付端末2は、入場操作及び退場操作OPdを従業員が行う有人モードの機種として動作する。
【0152】
有人モードが設定された受付端末2に対して従業員が入場操作又は退場操作OPdを行うと、タッチパネル207の画面は、有人モードにおける入場・退場処理画面SCdに遷移する。従業員は、入場・退場処理画面SCdを介して利用者がカラオケボックスに入場する際に必要な第1データ又は利用者がカラオケボックスから退場する際に必要な第2データを入力することができる。そして、入場操作又は退場操作を終えると、タッチパネル207の画面は、有人モードのトップ画面SCcに戻る。
【0153】
一方、従業員が業務ボタン操作OPe、つまりは業務ボタンBTeにタッチすると、タッチパネル207の画面は業務メニュー画面SCeとなる。ここで、従業員がサインオフ操作OPfを行うと、有人モードで動作していた受付端末2はサインオフ状態となる。すなわち、責任者メモリ51に記憶されていた従業員コードがクリアされる。また、モードメモリ52のデータもクリアされる。そして、タッチパネル207の画面は、サインオン画面SCaとなる。
【0154】
したがって、例えば従業員がサインオン操作OPbを行い、モード選択操作OPcとして「有人」ボタンBTaを入力することによって、受付端末2は、引き続き有人モードの機種として動作する。
【0155】
これに対し、従業員がモード選択操作OPcとしてモード選択画面SCbの「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc又は「退場のみ」ボタンBTdを入力すると、受付端末2は、セルフモードの機種として動作する。
【0156】
図24は、セルフモードに係る操作手順と受付端末に表示される画面の遷移例を示すシーケンス図である。上述したように、従業員がモード選択操作OPcとしてモード選択画面SCbの「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc又は「退場のみ」ボタンBTdを入力すると、タッチパネル207の画面は、セルフモードのトップ画面SCfとなる。具体的には、タッチパネル207の画面は、従業員が「入場/退場」ボタンBTbを入力した場合には入退場セルフモードのトップ画面SCf-aとなり、「入場のみ」ボタンBTcを入力した場合には、入場セルフモードのトップ画面SCf-bとなり、「退場のみ」ボタンBTdを入力した場合には、退場セルフモードのトップ画面SCf-cとなる。かくして、トップ画面SCf-aが表示された受付端末2は、入場操作及び退場操作OPgを利用者が行う入退場セルフモードの機種として動作する。トップ画面SCf-bが表示された受付端末2は、入場操作OPgを利用者が行う入場セルフモードの機種として動作する。トップ画面SCf-cが表示された受付端末2は、退場操作OPgを利用者が行う退場セルフモードの機種として動作する。
【0157】
セルフモードが設定された受付端末2に対して、利用者が入場操作又は退場操作OPgを行うと、タッチパネル207の画面は、セルフモードにおける入場・退場処理画面SCgに遷移する。例えば、利用者がトップ画面SCf-a又はトップ画面SCf-bの「予約無」ボタンBTgを入力すると、タッチパネル207の画面は、利用人数入力画面SCg-aとなる。利用者がトップ画面SCf-a又はトップ画面SCf-cの「会計」ボタンBThを入力すると、タッチパネル207の画面は、伝票読込み画面SCg-bとなる。かくして利用者は、入場・退場処理画面SCgを介して第1データ又は第2データを入力することができる。そして、入場操作又は退場操作を終えると、タッチパネル207の画面は、セルフモードのトップ画面SCfに戻る。
【0158】
一方、従業員が特定操作OPhとしてタッチパネル207の任意の4か所を指でタッチすると、セルフモードで動作していた受付端末2はサインオフ状態となる。すなわち、責任者メモリ51に記憶されていた従業員コードがクリアされる。また、モードメモリ52のデータもクリアされる。そして、タッチパネル207の画面は、サインオン画面SCaとなる。
【0159】
したがって、例えば従業員がサインオン操作OPbを行い、モード選択操作OPcとして「有人」ボタンBTaを入力することによって、受付端末2は、有人モードの機種として動作する。もしくは従業員が、「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc又は「退場のみ」ボタンBTdを入力した場合には、受付端末2は、セルフモードの機種として動作する。その際には、引き続き同じセルフモードの機種として受付端末2を動作させることも可能であるし、別のセルフモードの機種として動作させることも可能である。
【0160】
[受付システムの取引に係る説明]
図25は、受付システム100の取引に係る手順を示すシーケンス図である。受付システム100においては、受付端末2と、受付サーバ1と、注文端末3とが、利用者との取引に係るデータを処理する装置となる。受付端末2は、有人モードであってもよいしセルフモードであってもよい。
【0161】
図23又は
図24を用いて説明したように、受付端末2において、サインオン操作OPbが行われ、続いてモード選択操作OPcが行われると、有人モードの受付端末2、及び、退場セルフモード以外のセルフモードの受付端末2は、第1データの入力を受け付ける。第1データは、利用者が利用するカラオケボックスのボックス番号、会員情報、利用人数、利用開始時刻、コースメニュー、オプションメニュー等を含む。
【0162】
利用者が来店すると、有人モードの受付端末2においては、従業員の入場操作OPdにより第1データが入力される。退場セルフモード以外のセルフモードの受付端末2においては、利用者の入場操作OPgにより第1データが入力される。第1データが入力されると、受付端末2では、その第1データを基に受付伝票SLが発行される。
【0163】
また、受付端末2に入力された第1データは受付サーバ1へと送信される。受付サーバ1は、第1データをボックス別ファイル62に記憶する。具体的には受付サーバ1は、第1データに含まれるボックス番号で識別されるボックス別ファイル62に、受付端末2から受信した第1データを記憶する。ボックス別ファイル62に第1データは、利用者との取引を決済するのに必要な取引データとなる。
【0164】
ところで、受付時に入力される第1データに含まれるコースメニュー及びオプションメニューは、利用者が注文する商品メニューのデータである。その一方で、利用者は、カラオケボックスを利用している最中も商品メニューを注文することができる。商品メニューの注文は、利用者が注文端末3を操作して行うことができる。あるいは有人モードで動作している受付端末2がある場合には、従業員がその受付端末2を操作して商品メニューの注文を行うことができる。注文端末3又は受付端末2を介して入力された注文データは、受付サーバ1に送信される。受付サーバ1は、注文データを該当するボックス別ファイル62に記憶する。かくして、利用者との取引を決済するのに必要な取引データに注文データが追加される。
【0165】
また、有人モードの受付端末2、及び、入場セルフモード以外のセルフモードの受付端末2は、第2データの入力を受け付ける。第2データは、利用者が利用したカラオケボックスのボックス番号、利用終了時刻、代金支払い方法等である。ボックス番号は、受付伝票SLに印刷された機械可読コードから読み取ることで、入力することができる。有人モードの受付端末2においては、従業員の入場操作OPdにより第2データが入力される。入場セルフモード以外のセルフモードの受付端末2においては、利用者の入場操作OPgにより第2データが入力される。
【0166】
受付端末2に入力された第2データは受付サーバ1へと送信される。受付サーバ1は、第2データを該当するボックス別ファイル62に記憶する。かくして、利用者との取引を決済するのに必要な取引データに第2データが追加される。
【0167】
受付サーバ1は、ボックス別ファイル62のデータ、つまりは第1データ、注文データ及び第2データを含む取引データを、第2データが入力された受付端末2へと送信する。取引データを受信した受付端末2は、選択された代金支払い方法に応じて決済処理を実行する。そして受付端末2は、取引データの明細が印刷されたレシートREを発行する。レシートは、電子レシートであってもよい。以上で、受付システム100に係る利用者との取引が終了する。
【0168】
[実施形態の効果の説明]
以上詳述したように、本実施形態の受付端末2は、サインオン操作後に表示されるモード選択画面SCbにおいて、「有人」ボタンBTaを入力することにより、有人モードの受付端末2として動作させることができ、「入場/退場」ボタンBTb、「入場のみ」ボタンBTc又は「退場のみ」ボタンBTdを入力することにより、セルフモードの受付端末2として動作させることができる。
【0169】
したがって、例えば受付に5台の受付端末2を設置したカラオケボックス店舗等の施設において、利用者が多い曜日又は時間帯は、3台を有人対応の受付端末2とし、2台をセルフ対応の受付端末2として動作させる。また、利用者が少ない曜日又は時間帯は、2台を有人対応の受付端末2とし、3台をセルフ対応の受付端末2として動作させる。このように、受付に設置される複数台の受付端末2の一部を有人対応の受付端末とし、残りをセルフ対応の受付端末として、効率的に利用者を捌くことができる受付システム100を容易に実現することができる。また、受付に設置される全ての受付端末2を有人対応の受付端末としたり、セルフ対応の受付端末としたりすることも容易に実現できる。
【0170】
さらには、セルフ対応の受付端末2についても、入場時受付機能に係る第1データの入力のみを受け付ける入場セルフモードの機種としたり、退場時受付機能に係る第2データの入力のみを受け付ける退場セルフモードの機種としたりすることができる。さらには、入場時受付機能に係る第1データの入力及び退場時受付機能に係る第2データの入力の双方を受け付ける入退場セルフモードの機種とすることも可能である。したがって、セルフモードの受付端末2についても、入場時受付機能を有する受付端末2の台数と退場時受付機能を有する受付端末2の台数とを限られた台数の範囲内で適宜変更することができる。
【0171】
ところで、稼働中の受付端末2の動作モードを変更する場合には、一旦サインオフ操作を行ってから再度サインオン操作を行えばよい。したがって、例えば有人モードで動作していた受付端末2をセルフモードに切り替える場合には、その受付端末2を操作していた従業員がサインオフ操作とサインオン操作を行えばよいので、速やかに動作モードを変更することができる。
【0172】
一方、セルフモードで動作していた受付端末2については、従業員が特定操作OPhを行うことによってサインオフするので、その後、従業員がサインオン操作を行えばよい。したがって、やはり、速やかに動作モードを変更することができる。その上、セルフモードで動作していた受付端末2については、特定操作OPhが行われない限りはサインオフしない。特定操作は、利用者による入場操作及び退場操作ではあり得ない格別な操作である。したがって、セルフモードで動作している受付端末2が、利用者の操作によってサインオフしてしまう可能性は略なく、システムを安定して動作させることができる。
【0173】
また、受付端末2は、通知手段33を有しており、モード選択手段31により選択された動作モードを受付サーバ1に通知するようにしている。一方、受付サーバ1は、受付端末テーブル61を備えており、各受付端末2から通知された動作モードの情報を受付端末別に記憶するようにしている。したがって、受付端末テーブル61の情報を参酌することによって、有人モードとして動作している受付端末2の台数と、セルフモードとして動作している受付端末2の台数とを容易に確認できるメリットがある。
【0174】
[第2の実施形態]
図26は、第2の実施形態において、受付端末2のプロセッサ201が実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図26は、第1の実施形態では
図8の流れ図で説明した手順の情報処理に相当する。したがって、
図8と共通する部分には同一符号を付している。
【0175】
図26に示すように、プロセッサ201は、ACT1乃至ACT5までは、第1の実施形態と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ201は、タッチパネル207にサインオン画面SCaを表示してサインオン操作OPbを待ち受ける。サインオン操作OPbが行われると、プロセッサ201は、受付サーバ1に対してサインオン通知を行う。そして、サインオンが承認されると、プロセッサ201は、サインオンした従業員の従業員コードを責任者メモリ51に記述する。
【0176】
ACT1乃至ACT5を終えると、プロセッサ201は、ACT101へと進む。プロセッサ201は、ACT101としてタッチパネル207の画面をモード選択画面SCh(
図27を参照)とする。
【0177】
図27は、モード選択画面SChの一表示例である。図示するように、モード選択画面SChは、「有人」ボタンBTiと「セルフ」ボタンBTjとを配置する。「有人」ボタンBTiと「セルフ」ボタンBTjは、いずれもソフトウェアキーである。「有人」ボタンBTiは、有人モードを選択するための操作子、つまりは第1の操作子である。「セルフ」ボタンBTjは、セルフモードを選択するための操作子、つまりは第2の操作子である。
【0178】
モード選択画面SChを確認した従業員は、モード選択操作OPi(
図29を参照)を行う。具体的には従業員は、受付端末2を有人モードとして動作させる場合には、「有人」ボタンBTiを入力する。受付端末2をセルフモードとして動作させる場合には、従業員は、「セルフ」ボタンBTjを入力する。
【0179】
モード選択画面SChを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT102へと進む。プロセッサ201は、ACT102としていずれかのボタンが入力されるのを待ち受ける。タッチパネル207からの信号によりいずれかのボタンが入力されたことを検知すると、プロセッサ201は、ACT103へと進む。プロセッサ201は、ACT103として「有人」ボタンBTiが入力されたか否かを判断する。「有人」ボタンBTiが入力された場合、プロセッサ201は、第1の実施形態で説明した
図9のACT21へと進む。以後、プロセッサ201は、ACT21乃至ACT34の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0180】
これに対し、「有人」ボタンBTiではなく、「セルフ」ボタンBTjが入力された場合には、プロセッサ201は、ACT104へと進む。プロセッサ201は、ACT104としてタッチパネル207の画面をセルフモード選択画面SCiとする。
【0181】
図28は、セルフモード選択画面SCiの一表示例である。図示するように、セルフモード選択画面SCiは、「入場/退場」ボタンBTj、「入場のみ」ボタンBTk及び「退場のみ」ボタンBTmが配置されている。「入場/退場」ボタンBTjは、入退場セルフモードを選択するための第3の操作子である。「入場のみ」ボタンBTkは、入場セルフモードを選択するための第4の操作子である。「退場のみ」ボタンBTmは、退場セルフモードを選択するための第5の操作子である。
【0182】
セルフモード選択画面SCiを確認した従業員は、セルフモード選択操作OPj(
図29を参照)を行う。すなわち、受付端末2の動作モードを入退場セルフモードとする場合には、従業員は、「入場/退場」ボタンBTjにタッチする。受付端末2の動作モードを入場セルフモードとする場合には、従業員は、「入場のみ」ボタンBTkにタッチする。受付端末2の動作モードを退場セルフモードとする場合には、従業員は、「退場のみ」ボタンBTmにタッチする。
【0183】
セルフモード選択画面SCiを表示した受付端末2のプロセッサ201は、ACT105へと進む。プロセッサ201は、ACT105としていずれかのボタンが入力されるのを待ち受ける。タッチパネル207からの信号によりいずれかのボタンが入力されたことを検知すると、プロセッサ201は、ACT106へと進む。プロセッサ201は、ACT106として「入場/退場」ボタンBTjが入力されたか否かを確認する。「入場/退場」ボタンBTjが入力されていない場合には、プロセッサ201は、ACT107へと進む。プロセッサ201は、ACT107として「入場のみ」ボタンBTkが入力されたか否かを確認する。「入場のみ」ボタンBTkが入力されていない場合には、プロセッサ201は、「退場のみ」ボタンBTmが入力されたと認識する。
【0184】
ここで、「入場/退場」ボタンBTbが入力された場合には、プロセッサ201は、第1の実施形態で説明した
図10のACT41へと進む。以後、プロセッサ201は、ACT41乃至ACT52の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0185】
これに対し、「入場のみ」ボタンBTcが入力された場合には、プロセッサ201は、第1の実施形態で説明した
図11のACT61へと進む。以後、プロセッサ201は、ACT61乃至ACT70の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0186】
また、「退場のみ」ボタンBTdが入力された場合には、プロセッサ201は、第1の実施形態で説明した
図12のACT81へと進む。以後、プロセッサ201は、ACT81乃至ACT90の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0187】
図29は、第2の実施形態において、セルフモードに係る操作手順と受付端末2に表示される画面の遷移例を示すシーケンス図である。
図24に示した第1の実施形態と比較すると、第2の実施形態では、モード選択画面SChが異なる。また、モード選択画面SChに対してセルフモードを選択するモード選択操作OPiが行われると、タッチパネル207の画面がセルフモード選択画面SCiに遷移する。そして、セルフモード選択画面SCiに対してセルフモード選択操作OPjが行われると、タッチパネル207の画面がセルフモードのトップ画面SCfとなる。以上が、第1の実施形態と異なる点である。
【0188】
以上のように動作する第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を奏し得ることは言うまでもないことである。
【0189】
[変形例]
前記実施形態では、受付端末2の動作モードを切り替える際には、一旦、受付端末2をサインオフしてから動作モードを切り替えるようにした。この点に関しては、サインオフすることなく動作モードを切り替えるようにしてもよい。例えば、有人モードで動作している受付端末2においては、業務メニュー画面SCeに「モード切替」ボタンを追加する。そして、この「モード切替」ボタンが入力された場合には、プロセッサ201は、タッチパネル207の画面をモード選択画面SCbとする。一方、セルフモードで動作している受付端末2においては、特定操作OPhが行われると、プロセッサ201は、タッチパネル207の画面をモード選択画面SCbとする。このように構成することにより、サインオフすることなく動作モードを切り替えることができる。
【0190】
ところで、前記実施形態では動作モードを切り替える前に必ずサインオフしているので、切替前に受付端末2に入力された第1データ又は第2データはクリアされる。しかし、サインオフすることなく動作モードを切り替えた場合には、第1データ又は第2データが残ってしまう場合がある。このような第1データ又は第2データについては、動作モードの切替後も引き継ぐようにしてもよいし、引き継がないようにしてもよい。
【0191】
前記実施形態では、セルフモードにおいて入場操作又は退場操作を待ち受けているときに特定操作を待ち受けるものとした。特定操作は、入場操作を受け付けた後の入場処理の最中に、あるいは退場操作を受け付けた後の退場処理の最中に受け付けてもよい。例えば入場処理又は退場処理の最中に特定操作を受け付けた場合には、プロセッサ201は、それまで入力された入場処理又は退場処理に係るデータを破棄してサインオフする。あるいは、入場処理又は退場処理の最中にエラー等の異常が発生して特定操作を受け付けた場合には、プロセッサ201は、それまで入力された入場処理又は退場処理に係るデータを維持してサインオフする。そしてその際は、発生したエラーに沿った店員向けの表示を行うようにしてもよい。
【0192】
前記実施形態では、受付端末2は、「有人モードAPL」、「入退場セルフモードAPL」、「入場セルフモードAPL」及び「退場セルフモードAPL」の4種類のアプリケーションソフトウェア41~44を実行するものとして説明した。これら4種類のアプリケーションソフトウェア41~44は、1つのアプリケーションソフトウェアとして構成されたものであってもよい。あるいは、セルフモードに係る「入退場セルフモードAPL」、「入場セルフモードAPL」及び「退場セルフモードAPL」の3種類については、1つのアプリケーションソフトウェアとして構成されたものであってもよい。
【0193】
前記実施形態では、タブレットPC20を主体として受付端末2を構成した。受付端末2は、キーボードとディスプレイとを備えたパーソナルコンピュータを主体に構成してもよい。また、汎用のPOS(Point Of Sales)端末等の商品登録装置を受付端末2とすることも可能である。
【0194】
前記実施形態では、利用者が利用する施設をカラオケボックスとし、そのカラオケボックスを経営するカラオケボックス店舗の受付に設置される受付端末2を例示した。施設は、カラオケボックスに限定されない。例えばダーツバー、マンガ喫茶等のレジャー施設、あるいはスポーツジム、ゴルフ場、ボーリング場等の運動施設等であってもよい。すなわち、これらの施設の受付に設置される受付端末2を、本実施形態のように有人モードとセルフモードとを切り替えられるようにしてもよい。したがって、利用者が施設に入場する際に必要な第1データ、及び、利用者が施設から退場する際に必要な第2データについても、その施設の形態によって適宜変更されることとなる。例えば、施設利用代金が定額の施設においては、第1データとして施設利用代金の会計に係るデータを入力する場合もあり得る。
【0195】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0196】
1…受付サーバ、2…受付端末、3…注文端末、4…厨房端末、5…通信ネットワーク、6…ボックスデータベース、7…従業員データベース、8…会員データベース、9…商品データベース、20…タブレットPC、21…プリンタ、22…カードリーダ、23…釣銭機、24…キャッシュレス決済端末、31…モード選択手段、32…記憶手段、33…通知手段、34…有人制御手段、35…セルフ制御手段、51…責任者メモリ、52…モードメモリ、61…受付端末テーブル、62…ボックス別ファイル。