(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021734
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】ポイントサービスシステムおよびポイント管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250206BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125659
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】七海 康幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 奨一
(72)【発明者】
【氏名】古川 龍
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
(72)【発明者】
【氏名】徳永 益規
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】
本発明は、環境面で貢献できるポイントサービスを実現することを課題とする。
【解決手段】
家電2についての運用に関するログデータを収集するログデータ収集部32と、前記ログデータから、家電の環境特性に貢献する運用を示す運用データを作成するログデータ分析部33と、作成された前記運用データを用いて、該当する運用による前記家電の環境特性への影響度を示す環境特性影響度を推定する影響度推定部34と、前記影響度に応じて、前記家電に関するポイントであって、使用目的が規定される制限付ポイントを算出するポイント算出部35を有するポイントサービスシステムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電についての運用に関するログデータを収集するログデータ収集部と、
前記ログデータから、家電の環境特性に貢献する運用を示す運用データを作成するログデータ分析部と、
作成された前記運用データを用いて、該当する運用による前記家電の環境特性への影響度を示す環境特性影響度を推定する影響度推定部と、
前記影響度に応じて、前記家電に関するポイントであって、使用目的が規定される制限付ポイントを算出するポイント算出部を有するポイントサービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のポイントサービスシステムにおいて、
前記環境特性に貢献する運用には、前記家電に対する保守が含まれ、
前記ポイント算出部は、前記制限付ポイントとして、前記家電を販売する際の販売価格に加算する保守ポイントを算出するポイントサービスシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のポイントサービスシステムにおいて、
前記環境特性に貢献する運用には、前記家電における適正使用が含まれ、
前記ポイント算出部は、前記制限付ポイントとして、前記家電の買い替えの際の、新規家電の購入に使用可能な適正使用ポイントを算出するポイントサービスシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のポイントサービスシステムにおいて、
前記環境特性に貢献する運用には、前記家電の利用者における他者への新たな家電の紹介が含まれ、
前記ポイント算出部は、前記制限付ポイントとして、前記利用者の家電の消耗品の購入および家電の購入に使用可能な紹介ポイントを算出するポイントサービスシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のポイントサービスシステムにおいて、
前記ログデータは、前記家電の稼働状況を示す稼働ログデータおよび利用者の前記家電に対する行動を示す行動ログデータであり、
ログデータ分析部は、
前記稼働ログデータおよび前記行動ログデータから前記保守を示す保守データを作成し、
前記稼働ログデータから前記適正使用を示す適正使用データを作成し、
前記行動ログデータから前記紹介を示す紹介データを作成するポイントサービスシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のポイントサービスシステムにおいて、
前記影響度推定部は、前記環境特性として、前記家電を販売する際の販売価格、前記家電の長寿命化、前記新たな家電の省エネ性能および前記新たな家電のリサイクル性の何れかへの影響度を算出するポイントサービスシステム。
【請求項7】
コンピュータを、
家電についての運用に関するログデータを収集するログデータ収集部と、
前記ログデータから、家電の環境特性に貢献する運用を示す運用データを作成するログデータ分析部と、
作成された前記運用データを用いて、該当する運用による前記家電の環境特性への影響度を示す環境特性影響度を推定する影響度推定部と、
前記影響度に応じて、前記家電に関するポイントであって、使用目的が規定される制限付ポイントを算出するポイント算出部として機能させるポイント管理プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のポイント管理プログラムにおいて、
前記環境特性に貢献する運用には、前記家電に対する保守が含まれ、
前記ポイント算出部は、前記制限付ポイントとして、前記家電を販売する際の販売価格に加算する保守ポイントを算出するポイント管理プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のポイント管理プログラムにおいて、
前記環境特性に貢献する運用には、前記家電における適正使用が含まれ、
前記ポイント算出部は、前記制限付ポイントとして、前記家電の買い替えの際の、新規家電の購入に使用可能な適正使用ポイントを算出するポイント管理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のポイント管理プログラムにおいて、
前記環境特性に貢献する運用には、前記家電の利用者における他者への新たな家電の紹介が含まれ、
前記ポイント算出部は、前記制限付ポイントとして、前記利用者の家電の消耗品の購入および家電の購入に使用可能な紹介ポイントを算出するポイント管理プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のポイント管理プログラムにおいて、
前記ログデータは、前記家電の稼働状況を示す稼働ログデータおよび利用者の前記家電に対する行動を示す行動ログデータであり、
ログデータ分析部は、
前記稼働ログデータおよび前記行動ログデータから前記保守を示す保守データを作成し、
前記稼働ログデータから前記適正使用を示す適正使用データを作成し、
前記行動ログデータから前記紹介を示す紹介データを作成するポイント管理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のポイント管理プログラムにおいて、
前記影響度推定部は、前記環境特性として、前記家電を販売する際の販売価格、前記家電の長寿命化、前記新たな家電の省エネ性能および前記新たな家電のリサイクル性の何れかへの影響度を算出するポイント管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる家電を始めとする耐久消費財に関するポイントサービスを実現するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポイントサービスが広まりを見せている。家電等の耐久消費財においても、購入時にポイントが付与されるサービスが実現している。また、購入以外の行為についても、各種ポイントサービスに関する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、節電に対するインセンティブを付与する技術が記載されている。具体的には、「カード会社サーバ又はカード会員であるユーザのスマートフォンは、ユーザの家庭の電力使用量を家庭内の電力使用量検出器から取得し、家電通電情報として記録する。また、ユーザがカード加盟店でカードを使用して商品を購入した際に、カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得して購入履歴として記録する。そして、この購入履歴に基づいて、ユーザのカードでの購入に関する行動を日毎に推定し、ユーザ行動記録として記録する。そして、カード会社サーバは、家電通電情報とユーザ行動記録に基づいて、家庭の節電量とユーザの取ったカードでの購入行動とを評価し、当該評価に応じてユーザに付与するインセンティブを決定する。」ことが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、電気機器に対して使用者に望ましい使用方法で使用されるようにするための技術が開示されている。具体的には、「情報処理装置は、家電の使用状況を示す使用データを取得する取得部と、記憶部に予め記憶されている前記家電の使用目標の組み合わせを示す目標データを参照し、前記取得部が取得する前記使用データが示す前記家電の使用状況が前記使用目標の組み合わせを達成したか否かを判定する判定部と、を備える。また、例えば、前記取得部は、複数の家電各々の使用状況を示す複数の前記使用データ各々を取得し、前記判定部は、前記記憶部に予め記憶されている複数の家電各々の使用目標の組み合わせを示す前記目標データを参照し、前記取得部が取得する複数の前記使用データが示す家電の使用状況が前記複数の家電各々の使用目標の組み合わせを達成
したか否かを判定する。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-191579号公報
【特許文献2】特開2016-51215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年では環境意識の高まっており、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行や節電や省エネについてのニーズが高まっている。特に、家電などの耐久消費財については、省エネなど環境に優しい運用が求められている。例えば、適切な保守を行うことで、家電の寿命を維持したり、消費電力量の増加を抑止したりできる。上述の特許文献1や2では、このような環境については考慮されていなかった。このように、従来においては、環境に配慮したインセンティブを提供するための技術は提案されていなかった。
【0006】
また、耐久消費財について、環境に優しい運用を、継続的に行うためには、経済面も考慮する必要がある。この点については、適切な使用や保守を行うことで、買い取り価格の低下の抑止も可能となる。そこで、本発明では、経済面も考慮した環境に配慮した運用に対するインセンティブの付与を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では、環境特性に貢献する運用の種別ごとに、その使用目的が規定される制約付ポイントを利用者や紹介対象者(他者)に付与するための情報処理を実行する。より望ましくは、運用として、家電の寿命や価格への影響度を反映したポイントを用いる。
【0008】
より具体的な本発明の一態様は、家電についての運用に関するログデータを収集するログデータ収集部と、前記ログデータから、家電の環境特性に貢献する運用を示す運用データを作成するログデータ分析部と、作成された前記運用データを用いて、該当する運用による前記家電の環境特性への影響度を示す環境特性影響度を推定する影響度推定部と、
前記影響度に応じて、前記家電に関するポイントであって、使用目的が規定される制限付ポイントを算出するポイント算出部を有するポイントサービスシステムである。
【0009】
また、本発明には、ポイントサービスシステムやこれを構成する各装置やサブコンビネーションも含まれる。さらに、これらによるポイント算出方法やこれら各装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムやこれを格納した記憶媒体も、本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、環境面で貢献できるポイントサービスを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態におけるポイントサービスシステムのシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態における利用者端末1のハードウエア構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態で用いられる利用者管理情報191を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態で用いられる家電管理情報192を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態で用いられるログデータ193を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態で用いられる影響度推定テーブル194を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態における家電2の機能ブロック図である。
【
図8】本発明の一実施形態におけるポイント管理装置3のハードウエア構成図である。
【
図9】本発明の一実施形態におけるポイント算出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、家電を、耐久消費財の一例として説明する。
図1は、本実施形態におけるポイントサービスシステムのシステム構成図である。
【0013】
本実施形態のポイントサービスシステムは、利用者端末1、家電2およびポイント管理装置3を有する。そして、これらは、ルータ5やネットワーク6を介して互いに接続される。さらに、望ましくは各販売窓口装置4と接続される。但し、これらのうち、利用者端末1およびポイント管理装置3については、必須の構成ではなく、いずれか一方のみを用いてもよい。なお、本実施形態では、家電2の運用について環境に対する配慮が可能であるため、ポイントサービスシステムは、環境配慮型ポイントサービスを実現できる。
【0014】
このため、
図1に示すように、利用者端末1およびポイント管理装置3は、それぞれ同様の構成(部)を有するが、これらは少なくとも一方の装置が有していればよい。また、本実施形態では、利用者端末1およびポイント管理装置3が連携して、ポイント算出処理を実行するが、これら各装置での処理分担は一例であり、以下の説明に限定されない。例えば、いずれか一方の装置で実行してもよい。このため、本実施形態での家電管理システムは、家電2と、利用者端末1やポイント管理装置3の少なくとも一方で構成できる。
【0015】
以下、本実施形態の構成について説明する。
図1において、家電2として、電子レンジ21、冷蔵庫22、掃除機23、IH調理器24、空気清浄機25および洗濯機26を例示する。これらは、利用者やその家族によって利用される。そして、これら家電2の稼働状況を示す稼働ログデータや家電2に対する利用者の行動を示す行動ログデータが収集され、これに基づきポイントの算出がされることになる。なお、本実施形態のポイントは、保守などの環境特性に影響を与える(望ましくは、寄与ないし貢献する)運用へのインセンティブとなる価値を示し、その使用目的が規定される制限付ポイントである。但し、本発明は、ポイントとの表記に限定されず、クーポン、マイル等他の表現も含まれる。また、本実施形態のポイントは、家電を始めとする商品の購入時における割引、払い戻し、キャッシュバック、送料負担、商品の無料提供などの各種サービスが含まれる。
【0016】
以下、ポイント算出処理を行うための各装置について説明する。まず、利用者端末1は、家電2を利用する利用者により用いられ、家電2を管理、操作する機能を有する。このために、利用者端末1は、通信部11、ログデータ収集部12、ログデータ分析部13、影響度推定部14、ポイント算出部15、家電管理部16、入力部17、出力部18および記憶部19を有する。通信部11は、ルータ5やネットワーク6を介した通信や近距離無線通信機能を有する。この結果、利用者端末1は、家電2、ポイント管理装置3や販売窓口装置4と通信できる。
【0017】
また、ログデータ収集部12は、家電2の稼働状況を示す稼働ログデータや利用者の家電2などに対する行動を示す行動ログデータを収集する。これらログデータは、家電の運用に関する履歴を含む。なお、ログデータ収集部12は、行動ログデータを主に収集し、稼働ログデータはポイント管理装置3で収集してもよい。
【0018】
また、ログデータ分析部13は、収集されたログデータから家電の環境特性に影響を与える運用を示す運用データを作成する。より具体的には、ログデータ分析部13は、運用データとして、家電2に対する保守を示す保守データ、家電2に対する適正使用を示す適正使用データおよび家電の紹介を示す紹介データを作成する。また、環境特性とは、家電における環境面の観点を示し、家電2を販売する際の販売価格、家電2の寿命(長寿命化)、新たな家電の省エネ性能や新たな家電のリサイクル性(リサイクルのしやすさ)の少なくとも1つを用いることができる。
【0019】
また、影響度推定部14は、作成された運用データに応じた、環境特性への影響度を示す環境特性影響度を算出する。なお、環境特性影響度として、例えば、家電2の寿命への影響の度合いを示す寿命影響度や価格への影響の度合いを示す価格影響度を用いることができる。ここで、寿命影響度を用いる理由は、寿命を延びるほど使い捨てを抑止でき、廃棄物の量を抑制され、環境に好影響を与えることになるためである。また、価格影響度を用いる理由は、取引価格を少なくとも維持することで、やはり使い捨てを抑止できるためである。
【0020】
また、ポイント算出部15は、環境特性影響度に応じて、使用目的が規定される制限付ポイントを算出する。なお、ポイント算出部15は、作成された運用データに応じて、異なる制限付ポイントを算出することが望ましい。例えば、運用データとして保守データが作成された場合、家電2を販売する際の販売価格に加算する保守ポイントが算出される。また、運用データとして適正使用データが作成された場合、家電2の買い替えの際の、新規家電の購入に使用可能な適正使用ポイントが算出される。さらに、運用データとして紹介データが作成された場合、家電2の家電の消耗品の購入および家電の購入に使用可能な紹介ポイントが算出される。この算出においては、該当の家電2の市場価格や需給関係を用いて、制限付ポイントの値(例えば、ポイント数)を調整してもよい。
【0021】
また、家電管理部16は、家電2の管理等を実行する。例えば、家電管理部16は、利用者の操作等に従って、家電2の稼働を制御する制御指令を作成したり、家電2の消耗品や部品の他、新たに家電を購入するための処理を実行したりする。さらに、家電管理部16は、他者に対する家電の紹介のための処理を実行することが望ましい。このため、家電管理部16は、制御指令を作成する制御指令部および消耗品や家電を購入したり、他者に対する家電を紹介したりするための家電購入部として実現してもよい。ここで、家電購入部は、販売窓口装置4やポイント管理装置3に対して、購入指示や紹介情報を通知し、消耗品および家電の購入や家電の紹介を実現できる。
【0022】
また、入力部17は、利用者から各種操作を受け付ける。この操作には、家電2の稼働(含む保守)のための操作、他者への家電の紹介のための操作、家電2に対する保守の内容や仕様の内容を示す操作が含まれる。
【0023】
また、出力部18は、収集されたログデータや付与された制限付ポイントなどを出力する。この出力は、画面上での表示であってもよいし、スピーカでの音声の出力であってもよい。また、記憶部19は、上述の各部での処理に用いられる情報を記憶する。本実施形態では、利用者管理情報191、家電管理情報192、ログデータ193および影響度推定テーブル194の少なくとも1つが記憶される。
【0024】
次に、利用者端末1の一実現例について説明する。
図2は、本実施形態における利用者端末1のハードウエア構成図である。
図2において、利用者端末1は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103、記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0025】
まず、タッチパネル101は、
図1の入力部17および出力部18を兼ねた構成であり、利用者の指示、操作を受け付けたり、付与された制限付ポイントなど各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル101は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。また、処理装置102は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置104に記憶されているポイント管理プログラム105に従って演算を実行する。
【0026】
また、通信装置103は、
図1の通信部11に相当し、家電2、ポイント管理装置3や販売窓口装置4などと通信を行う。この通信は、ルータ5やネットワーク6を介して行ってもよいし、近距離無線通信などで直接行ってもよい。
【0027】
また、記憶装置104は、
図1の記憶部19に相当し、ポイント管理プログラム105、家電管理プログラム110、利用者管理情報191、家電管理情報192、ログデータ193および影響度推定テーブル194を記憶する。但し、これらのうち、その一部を省略し、これらの機能を家電2もしくはポイント管理装置3に実装してもよい。そして、記憶装置104は、メモリのような主記憶装置と、いわゆるストレージである副記憶装置(記憶媒体)で実現してもよい。なお、副記憶装置は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどで実現してもよい。
【0028】
また、ポイント管理プログラム105は、その機能ごとに、ログデータ収集モジュール106、ログデータ分析モジュール107、影響度推定モジュール108およびポイント算出モジュール109で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0029】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する
図1に示す構成は以下のとおりである。
ログデータ収集モジュール106:ログデータ収集部12
ログデータ分析モジュール107:ログデータ分析部13
影響度推定モジュール108:影響度推定部14
ポイント算出モジュール109:ポイント算出部15
また、家電管理プログラム110は、
図1の家電管理部16の機能を処理装置102に実行させる。なお、家電管理プログラム110は、個々の家電2ごとに設けてもよいし、複数の家電2を管理する統合管理アプリケーションとして実現してもよい。さらに、家電管理プログラム110とポイント管理プログラム105を1つのプログラムとして実現してもよい。またさらに、家電管理プログラム110は、制御指令部や家電購入部に相当する制御指令プログラムや家電購入プログラムとして実現してもよい。またさらに、家電管理プログラム110は、決済機能を有するSNS(Social Networking Service)プログラムといったいわゆるスーパーアプリの一機能として実現してもよい。ここで、家電購入プログラムは、いわゆる通販アプリ(ショッピングアプリ)として実現できる。
【0030】
以上の構成において、処理装置102は、ポイント管理プログラム105および家電管理プログラム110に従って、ログデータ収集部12、ログデータ分析部13、影響度推定部14、ポイント算出部15および家電管理部16の処理を実行することになる。
【0031】
次に、利用者端末1が記憶する利用者管理情報191、家電管理情報192、ログデータ193および影響度推定テーブル194について説明する。まず、
図3は、本実施形態で用いられる利用者管理情報191を示す図である。利用者管理情報191は、利用者端末1ないし家電2の利用者に関する情報である。このため、利用者管理情報191は、
図3に示すように、利用者、住所、連絡先、保有家電およびポイントの各項目を有する。ここで、利用者には、該当の利用者の氏名や会員番号のような利用者を識別する情報である。
【0032】
また、住所は、該当の利用者の住所を示す。また、連絡先は、該当の利用者の連絡先を示し、電話番号やメールアドレスなどを用いることができる。保有家電は、該当の利用者が利用する家電2を示す情報である。本実施形態では、家電2として、
図1に示す電子レンジ21、冷蔵庫22、掃除機23、IH調理器24、空気清浄機25および洗濯機26が保有家電として記録される。また、ポイントは、該当の利用者に付与された制限付ポイントを含各種ポイントについての情報を示す。このポイントには、ポイントの種別ごとに、そのポイント数(値)や使用目的が示される。また、本実施形態では、ポイントとして、家電2ごとの家電別ポイントと利用者ごとにまとめた総数に分けて管理しているが、この形式以外で管理してもよい。
【0033】
また、
図4は、本実施形態で用いられる家電管理情報192を示す図である。家電管理情報192は、家電2を管理するための情報である。このため、
図4に示すように、家電管理情報192は、家電2ごとに、家電ID、型番および購入日時の各項目を有する。まず、家電IDは、該当の家電2の個体識別を行う識別情報であるが、家電の項目に含めてもよい。型番は、家電2の型式を示すものである。なお、型番を家電IDの一部に入れ込む形で実現してもよい。購入日時は、該当の家電2を利用者が購入した日時を示すが、製造年月日等、家電2に関する日時を用いることができる。
【0034】
また、
図5は、本実施形態で用いられるログデータ193を示す図である。ログデータ193は、利用者が保有する家電2についての運用を含む各種状況を含むログデータを示す。このため、ログデータ193は、
図5に示すように、利用者ごとに、保有家電、ログデータおよび運用データの各項目を有する。そして、運用データは、保守データ、適正使用データおよび紹介データで構成される。保有家電は、利用者管理情報191と同様に、該当の利用者が利用する家電2を示す情報である。
【0035】
また、ログデータは、家電の運用に関する履歴であり、稼働ログデータおよび行動ログデータで構成される。そして、稼働ログデータは、該当の保有家電、つまり、家電2の稼働状況を示すログデータである。また、行動ログデータは、該当の保有家電、つまり、家電2に対する家電に対する行動を示すログデータである。
【0036】
また、運用データは、稼働ログデータや行動ログデータから作成される、環境特性に貢献する運用を示すデータである。そして、保守データは、該当の保有家電、つまり、家電2の対する保守の内容やその程度を示す。なお、保守データは、稼働ログデータおよび行動ログデータから抽出された保守に関するログデータをまとめることで作成される。また、適正使用データは、該当の保有家電、つまり、家電2の対する使用の状況、特に、適正に使用されているかとの内容やその程度を示す。ここで、適正な使用とは、HP、取扱説明書などで推奨される使用方法を示す。なお、適正使用データは、稼働ログデータから抽出された適正使用に関するログデータをまとめることで作成される。
【0037】
また、紹介データは、該当の利用者から他者に対して行われる家電の紹介を示す。紹介される家電は、中古家電、新品の別は問わない。なお、紹介データは、行動ログデータから抽出された紹介に関するログデータをまとめることで作成される。
【0038】
また、
図6は、本実施形態で用いられる影響度推定テーブル194を示す図である。
影響度推定テーブル194は、運用の環境特性への影響度を示す環境特性影響度を推定するためのテーブルである。このため、
図6に示すように、対象家電ごとに、運用、単位頻度および単位環境特性影響度の各項目を有する。
【0039】
まず、本実施形態の対象家電は、家電2に限定されない。また、運用は、該当の対象家電に対する環境特性に貢献する運用を示す。
図6では、庫内掃除、給水タンク掃除および浄水フィルター掃除が保守として例示される。また、ドア開閉や異常過熱が、適正使用に関する例として例示される。なお、適正使用については、異常過熱のようなネガティブな項目を設け、後述の環境特性影響度を、減じる方向(負)の値とすることができる。さらに、適正使用には、予め規定された家電2の機能を使用することも含まれる。この場合、当該機能を使用しない場合、環境特性影響度を、減じる方向(負)の値としてもよい。
【0040】
また、単位頻度は、該当の運用が行われた頻度を示し、環境特性影響度を算出する際の単位となる。また、単位環境特性影響度は、単位頻度あたりの環境特性への貢献の程度を示す環境特性影響度である。
【0041】
そして、
図6の例では、単位環境特性影響度は、単位寿命影響度および単位価格影響度で構成される。単位寿命影響度は、該当の運用が単位頻度分実行された場合に、対象家電の寿命の影響の度合いを示す。また、単位価格影響度は、該当の運用が単位頻度分実行された場合に、対象家電の取引価格(買取価格)の影響の度合いを示す。
【0042】
例えば、
図6の「電子レンジ21」に「庫内掃除」を1ヶ月に1回行った場合、行わない場合に比較して「電子レンジ21」の寿命が1.01倍となり、取引価格が1.10となる。なお、
図6の例では、各単位環境特性影響度を「倍数」で表しているが、これに限定されない。例えば、寿命や価格といった環境特性そのものを用いてもよい。さらに、単位環境特性影響度は、単位寿命影響度および単位価格影響度以外の影響度、例えば、CO2排出量、廃棄物量、消費電力など環境負荷を示す量を用いてもよい。さらに、単位環境特性影響度として、これらの少なくとも1つを用いてもよいし、これらの組合せや代表値を用いてもよい。なお、本実施形態では、環境特性影響度を算出するために、テーブル形式の影響度推定テーブル194を用いて環境特性影響度を推定するが、運用と環境特性影響度の関係性が特定できればよく、ルールベースで規定するなどテーブル形式に限定されない。
【0043】
以上で、利用者端末1の構成やその情報の説明を終わり、
図1に戻りポイントサービスシステムの説明を続ける。家電2は、家屋などで利用者により利用される各種家電である。
図1では、家電2として、電子レンジ21、冷蔵庫22、掃除機23、IH調理器24、空気清浄機25および洗濯機26が示されるが、家電2はこれらに限定されない。ここで、これら各家電2の情報処理上の構成について説明する。
図7は、本実施形態における家電2の機能ブロック図である。各家電2は、共通の情報処理を実行するため、まとめてその機能を説明する。
【0044】
図7において、家電2は、制御部201、通信部207、表示操作部208、稼働部209および検知部210を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。
【0045】
まず、制御部201は、調理、洗濯等の各家電2の機能を実現するための制御信号を作成して家電2の稼働を制御したり、その他情報処理を実行したりする。このために、制御部201は、制御信号作成部202、ログデータ収集部203、ログデータ分析部204、影響度推定部205およびポイント算出部206を有する。
【0046】
制御信号作成部202は、表示操作部208への利用者からの操作や利用者端末1からの制御指令に従った調理等の機能を実行するための制御信号を作成する。また、ログデータ収集部203~ポイント算出部206は、それぞれ利用者端末1のログデータ収集部12~ポイント算出部15と同様の機能を有する。このため、これらの機能の説明は省略する。なお、ログデータ収集部203は、稼働部209や検知部210からログデータを収集する。なお、ログデータには、稼働部209の稼働の状況やその際の温度など家電2の状況を含む。
【0047】
また、ログデータ分析部204~ポイント算出部206については、利用者端末1やポイント管理装置3にこれらの機能を設けることができ、これらの内の少なくとも1つを省略できる。また、制御部201には、収集されたログデータや収集条件を記憶することが望ましい。なお、制御部201は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能である。このため、制御部201は、制御信号作成部202~ポイント算出部206の各部は専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。
【0048】
また、通信部207は、ルータ5やネットワーク6を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、通信部207は、利用者端末1やポイント管理装置3にログデータを通知したり、利用者端末1から制御指令を受け付けたりする。
【0049】
また、表示操作部208は、利用者から家電2に対する操作を受け付けたり、家電2に実行された運用内容や付与されたポイントなどを出力したりする。稼働部209は、制御信号作成部202で作成された制御信号に従って稼働する。さらに、検知部210は、稼働部209の稼働内容(含む保守)、稼働時間(日時)といった稼働状況を検知する。さらに、検知部210は、家電2の庫内温度、消費電力、コンセントから電流値(入力値)等の電源情報なども検知する。このため、検知部210は、検知対象ごとに複数用意することが望ましく、各種センサで実現できる。以上で、家電2の説明を終わり、続いて、ポイント管理装置3について
図1を用いて説明する。
【0050】
図1において、ポイント管理装置3は、通信部31、ログデータ収集部32、ログデータ分析部33、影響度推定部34、ポイント算出部35および記憶部36を有する。
【0051】
まず、通信部31は、ネットワーク6を介して、家電2や利用者端末1と接続する。ログデータ収集部32~ポイント算出部35はそれぞれ、ログデータ収集部12~ポイント算出部15と同様の機能を有する。このため、これらの機能の説明も省略する。
【0052】
また、記憶部36は、利用者管理情報361、家電管理情報362、ログデータ363および影響度推定テーブル364の少なくとも1つを記憶する。利用者管理情報361は、利用者管理情報191と同様の項目を有する情報である。但し、
図3に利用者Aとして示される特定の利用者以外の情報も含まれる。つまり、利用者管理情報361は、複数の利用者についての情報である。
【0053】
また、家電管理情報362も、家電管理情報192と同様の項目を有する情報である。但し、
図4に利用者Aとして示される特定の利用者以外が保有する家電の情報も含まれる。つまり、家電管理情報362は、複数の利用者の家電についての情報である。
【0054】
また、ログデータ363は、ログデータ193と同様の項目を有する情報である。但し、
図5に利用者Aとして示される特定の利用者以外が保有する家電のログデータも含まれる。つまり、ログデータ363は、複数の利用者の家電のログデータである。
【0055】
また、影響度推定テーブル364は、影響度推定テーブル194と同様の項目を有するテーブルである。但し、影響度推定テーブル194では、特定の利用者に関する家電2(電子レンジ21等の個体)について扱っているが、個体ごとではなく各家電の型番や種別ごとのテーブルとすることが望ましい。また、影響度推定テーブル194も同様に、家電の型番や種別ごとのテーブルとしてもよい。
【0056】
なお、利用者端末1が、利用者管理情報191、家電管理情報192、家電管理情報192、ログデータ193や影響度推定テーブル364を記憶する場合、これらの情報の少なくとも1つは省略できる。
【0057】
次に、ポイント管理装置3の一実装例であるハードウエア構成について説明する。ポイント管理装置3は、サーバ、クラウドシステム等のコンピュータで実現できる。
図8は、本実施形態におけるポイント管理装置3のハードウエア構成図である。
図8において、ポイント管理装置3は、処理装置301、通信装置302、メモリ303および副記憶装置304を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0058】
まず、処理装置301は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置304に記憶されているポイント管理プログラム305に従って演算を実行する。また、通信装置302は、
図1の通信部31に該当し、ネットワーク6と接続し、利用者端末1、家電2や販売窓口装置4などの他の装置との通信を行う。
【0059】
また、メモリ303および副記憶装置304が、
図1の記憶部36に該当する。そして、メモリ303は、副記憶装置304に記憶されているポイント管理プログラム305や処理装置301での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置304は、いわゆるストレージで実現できる。そして、副記憶装置304は、ポイント管理プログラム305、利用者管理情報361および家電管理情報362を記憶する。また、副記憶装置304は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現してもよいし、ファイルサーバのようにポイント管理装置3とは別装置で実現してもよい。
【0060】
ここで、ポイント管理プログラム305は、その機能ごとに、ログデータ収集モジュール306、ログデータ分析モジュール307、影響度推定モジュール308およびポイント算出モジュール309で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。さらに、ポイント管理プログラム305は、会員管理、買い替え、操作等の機能も有する、家電2を管理する統合管理プログラムの一機能として実現してもよい。
【0061】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する
図1に示す構成は、以下のとおりである。
ログデータ収集モジュール306:ログデータ収集部32
ログデータ分析モジュール307:ログデータ分析部33
影響度推定モジュール308:影響度推定部34
ポイント算出モジュール309:ポイント算出部35
このため、処理装置301は、ポイント管理プログラム305に従って、ログデータ収集部32~ポイント算出部35の処理を実行することになる。
【0062】
ここで、ポイント管理プログラム305は、
図2に示す利用者端末1のポイント管理プログラム105と同様の処理を実行する。なお、ポイント管理プログラム305は、副記憶装置304やその他記憶媒体に記憶可能である。
【0063】
なお、ポイント管理装置3は、家電2を製造するメーカや販売業者により利用され、これら業者等は利用者を会員として管理し、また、各家電2についても管理している。このため、ポイント管理装置3は、家電を総合的に管理する家電管理装置として実現してもよい。さらに、ポイント管理装置3は、ポイントサービス(ポイントプログラム)を運営するプラットフォーマにより管理、利用されてもよい。またさらに、ポイント管理プログラム105やポイント管理プログラム305は、利用者端末1やポイント管理装置3とのコンピュータを、上述の各部として機能させるプログラムである。
【0064】
次に、
図1に戻り、販売窓口装置4について説明する。販売窓口装置4は、いわゆるオンラインストアを実現する装置である。そして、販売窓口装置4は、家電2などの商品の販売を行うための装置であり、eマーケットプレイスを運用するECサーバ41や単独企業におけるオンラインストアサーバ42などで実現できる。なお、ECサーバ41やオンラインストアサーバ42は、共通ないし類似の機能が多いため、販売窓口装置4としてその機能を説明する。
【0065】
販売窓口装置4は、利用者端末1での購入処理に応じて、家電2やその部品、消耗品の販売処理を実行する。特に、販売窓口装置4では、買い替え提案処理で提案される家電の半場処理を実行できる。なお、販売窓口装置4は、一般的なコンピュータ(例えば、サーバ)で実現できるためのその構成の詳細の説明は省略する。
【0066】
また、ルータ5は、利用者端末1や家電2の通信を仲介する装置であるが、省略してもよい。ネットワーク6は、上述の各装置を接続するもので、インターネットなど広域ネットワークやこれとローカルなネットワークとの組合せで実現できる。
【0067】
以上で、本実施形態の構成の説明を終わり、この構成を用いたポイント算出処理について説明する。
図9は、本実施形態におけるポイント算出処理を示すフローチャートである。以下では、買い替え提案処理の処理主体を、
図1や
図7に示す機能ブロック図の構成を用いて説明する。
【0068】
図9のステップS1において、家電2の稼働部209が、洗濯等を実行、つまり、稼働する。また、ステップS2において、ログデータ収集部203が、ステップS1の稼働に応じて、その状況を示す稼働ログデータを収集する。このために、検知部210の検知結果などを用いられる。そして、ステップS3において、通信部207が、ポイント管理装置3に、収集された稼働ログデータを通知する。
【0069】
また、ステップS4において、利用者端末1のログデータ収集部12もしくは家電管理部16が、行動ログデータを収集する。このために、入力部17が、利用者から家電についての紹介のための入力や家電2に対する保守の内容を受け付ける。そして、これらが行動ログデータとして収集されることになる。また、ステップS5において、通信部11が、ポイント管理装置3に、収集された行動ログデータを通知する。なお、ステップS3やステップS5の通知処理は、所定周期ごとに実行してもよいし、各ログデータ収集されるごとに実行されてもよい。またさらに、ステップS3やステップS5の通知処理は、いわゆるPUSH型で実現してもよいし、ポイント管理装置3からのPULL型で実現してもよい。
【0070】
また、ステップS6において、ポイント管理装置3の通信部31が、ステップS5で通知された行動ログデータを受け付ける。また、ステップS7において、通信部31が、ステップS3で通知された稼働ログデータを受け付ける。
【0071】
また、ステップS8において、ログデータ収集部32が、記憶部36のログデータ363に、受け付けられた稼働ログデータや行動ログデータを記憶する。
【0072】
そして、ステップS9において、所定周期など予め設定された条件を満たした場合、ログデータ分析部33が、蓄積された稼働ログデータや行動ログデータであるログデータから運用データを作成し、これを分類する。このために、ログデータ分析部33は、ログデータ363から該当周期分といった所定条件を満たすログデータを読み出す。
【0073】
次に、ログデータ分析部33は、読み出したログデータから運用に関するログデータを抽出する。すなわち、ログデータ分析部33は、保守に関するログデータ、適正使用に関するログデータおよび紹介に関するログデータを抽出する。
【0074】
そして、ログデータ分析部33は、抽出されたログデータをまとめて運用データを作成する。より具体的には、ログデータ分析部33は、抽出されたログデータをその項目ごとに、回数、時間や頻度といった分量をまとめる。この際、ログデータ分析部33は、運用データとして、保守に関するログデータから保守データを、適正使用に関するログデータから適正使用データを、紹介に関するログデータから紹介データをそれぞれ作成することになる。この結果、
図5に示すような運用データが作成される。
【0075】
ここで、保守に関するログデータや適性使用に関するログデータは、家電2の検知部210で検知結果に基づくログデータに含まれることがあるため、保守データや適正使用データは稼働ログデータから作成される。また、利用者端末1の入力部17は、保守の内容を受け付けることが可能である。このため、保守に関するログデータは、行動ログデータに含まれることもある。このため、保守データは、行動ログデータからも作成される。さらに、利用者端末1の入力部17は、紹介のための入力を受け付けることが可能である。このため、紹介に関するログデータは、行動ログデータに含まれる。したがって、紹介データは、行動ログデータから作成されることになる。
【0076】
そして、ログデータ分析部33は、運用データを、保守データ、適正使用データおよび紹介データに分類する。この結果、保守データおよび適正使用データについては、ステップS10に遷移する。また、紹介データについては、ステップS12に遷移する。
【0077】
また、ステップS10において、影響度推定部34が、ステップS9で作成された保守データおよび適正使用データを用いて、該当の運用、つまり、保守および適正使用よる家電の環境特性への環境特性影響度を推定する。このために、影響度推定部34は、影響度推定テーブル364を用いることになる。この際、影響度推定部34は、保守データおよび適正使用データの項目と、影響度推定テーブル364の運用を突き合せ、対応する単位環境特性影響度を特定する。そして、影響度推定部34は、保守データおよび適正使用データの分量に応じて、単位環境特性影響度を掛け合わせることで、環境特性影響度を推定することができる。なお、本実施形態では、単位環境特性影響度として単位寿命影響度および単位価格影響度を用いるため、環境特性影響度として寿命影響度および価格影響度が推定される。環境特性影響度は、これらの両方を用いてもよいし、その平均値やいずれか一方などの代表値を用いてもよい。またさらに、本実施形態では、該当の家電2の長寿命化に対する寿命影響度および該当の家電2を販売する際の販売価格に対する価格影響度を用いているが、他の影響度を用いることも可能である。
【0078】
また、ステップS11において、ポイント算出部35が、ステップS10で推定された環境特性影響度を用いて、家電に関するポイントであって、使用目的が規定される制限付ポイントを算出する。このために、例えば、ポイント算出部35は、予め定められた基準ポイントに環境特性影響度を掛けて、制限付ポイントのポイント数を計算する。なお、影響度推定テーブル364に運用ごとのポイント数を登録しておき、これを用いてもよい。さらに、ポイント数の算出においては、対象の家電2の市場価格や需給関係を用いて、ポイント数を調整してもよい。この場合、ポイント管理装置3は、ネットワーク6を介して、他の装置から市場価格や需給関係を取得してもよいし、記憶部36にこれらを記憶しておいてもよい。
【0079】
また、ポイント算出部35は、ステップS9で分類された結果に応じて、制限付ポイントの使用目的を特定する。すなわち、保守データにより推定される環境特性影響度を用いた場合、該当の家電2を販売する際の販売価格に加算することを使用目的とする保守ポイントを、制限付ポイントとして算出される。また、適正使用データにより推定される環境特性影響度を用いた場合、該当の家電2の買い替えの際の、新規家電の購入に使用可能な適正使用ポイントが算出される。
【0080】
また、ステップS9からステップS12に遷移した場合、通信部31が、利用者端末1に、制限付ポイントの付与対象者と制限付ポイントの付与対象者の選択依頼を通知する。
【0081】
そして、ステップS13において、利用者端末1の通信部11が、通知された選択依頼を受け付ける。そして、出力部18が、通知された選択依頼を表示する。この表示は、ポイントを付与対象者が、利用者端末1の利用者自身か、家電の紹介先(他者)であるかを選択可能である。さらに、制限付ポイントである紹介ポイントの使用目的が、家電2の消耗品の購入および家電の購入のいずれで使用可能かを選択可能である。
【0082】
次に、ステップS14において、入力部17が、利用者から表示された選択依頼に対する選択を受け付ける。ここでは、上述のように、紹介ポイントにおける付与対象者および使用目的が選択可能である。但し、紹介ポイントの選択については、付与対象者が選択されると、自動的に使用目的が規定されるよう設定してもよい。例えば、付与対象者として利用者が選択されると、使用目的が当該利用者の家電2の消耗品購入となり、他者が選択されると使用目的が紹介された家電の購入での使用と設定してもよい。また、逆に使用目的が選択されると、付与対象者が特定されるように設定してもよい。
【0083】
また、ステップS15において、通信部31が、ポイント管理装置3に、選択結果を通知する。そして、ステップS16において、ポイント管理装置3の通信部31が、選択結果を受け付ける。
【0084】
これを受けて、ステップS17において、ログデータ分析部33が、ステップS14での選択結果を判定する。この結果、紹介ポイントの使用目的として消耗品の購入が規定されている場合、ステップS18に遷移する。また、紹介ポイントの使用目的として家電の購入が特定された場合、ステップS19に遷移する。
【0085】
また、ステップS18において、ポイント算出部35が、利用者管理情報361ないしログデータ363と家電管理情報362を用いて、利用者の保有する家電の機種(型番)を特定する。そして、ポイント算出部35は、紹介ポイントの使用目的を、該当の機種の消耗品の購入と特定する。
【0086】
また、ステップS19において、影響度推定部34が、影響度推定テーブル364をも用いて、該当の紹介データについての単位環境特性影響度を推定する。例えば、影響度推定テーブル364と同様の項目を有する
図6の例では、エアコンの紹介がされた場合、単位寿命影響度として「×1.00」が推定され、単位価格影響度として「×1.10」が推定される。そして、影響度推定部34が、これらから紹介の分量(回数)に応じて、環境特性影響度を推定する。なお、本ステップでもステップS10と同様に、環境特性影響度として、寿命影響度および価格影響度の両方やその代表値を用いることができる。またさらに、本実施形態では、該当の家電2の長寿命化に対する寿命影響度および該当の家電2を販売する際の販売価格に対する価格影響度を用いているが、他の影響度を用いることも可能である。例えば、新たに購入する家電の省エネ性能や新たに購入する家電のリサイクル性を用いることが可能である。さらに、省エネ性能やリサイクル性の対象を、紹介された家電としてもよい。この結果、いわゆる省エネ家電の購入が促進され、消費電力の抑制が可能になる。
【0087】
そして、ステップS20において、ポイント算出部35が、紹介ポイントを算出する。このために、まず、そのポイント数が計算される。ステップS18から遷移した場合、ポイント算出部35は、予め紹介の内容に応じて定められるポイント数を紹介ポイントのポイント数として計算する。また、ステップS19から遷移した場合、ステップS19で推定される環境特性影響度を用いて、ステップS11と同様の処理により、紹介ポイントのポイント数を計算する。なお、これらポイント数は、消耗品や新規購入の家電の市場価格や需給関係を用いて調整されてもよい。そして、ポイント算出部35は、計算されたポイント数と使用目的からなる紹介ポイントを作成する。
【0088】
また、ステップS21において、ポイント算出部35は、ステップS11やステップS20で算出された制限付ポイントである保守ポイント、適正使用ポイントおよび紹介ポイントを、記憶部36の利用者管理情報361に登録する。この登録においては、保守ポイント、適正使用ポイントおよび紹介ポイント別のポイント数とその使用目的が登録される。さらに、これらの制限付ポイントの総数を登録してもよいし、制限付ポイント以外のポイントやこれとの合算も登録されてもよい。
【0089】
また、ステップS22において、通信部31が、利用者端末1に、算出された各種制限付ポイントを通知する。そして、ステップS23において、利用者端末1の出力部18が、通知された制限付ポイントを表示する。この表示は、
図3に示すようなポイント(総数)、制限付ポイント、保守ポイント、適正使用ポイントおよび紹介ポイントのそれぞれが表示される。また、これらについては、新たに付与(算出)されたポイントとこれまでの累計を合わせて表示されることが望ましい。またさらに、保守ポイント、適正使用ポイントおよび紹介ポイントを合算すると、制限付ポイントとなる。
【0090】
以上で、本発明の一実施形態の説明を終わるが、本発明は本実施形態に限定されない。例えば、家電以外の自転車や自動車などの利用者に対して機能を提供する各種耐久消費財にも適用できる。また、本実施形態の処理主体は一例であり、少なくともその一部を他の装置の構成で実行してもよい。例えば、ポイント管理装置3の各処理を、利用者端末1ないし家電2で実行してもよい。さらに、1つの運用で、2以上の運用データを作成し、2以上のポイントを算出する構成としてもよい。例えば、定期的な保守については、保守データおよび適正使用データを作成し、保守ポイントおよび適正使用ポイントを算出する。
【符号の説明】
【0091】
1…利用者端末、11…通信部、12…ログデータ収集部、13…ログデータ分析部、14…影響度推定部、15…ポイント算出部、16…家電管理部、17…入力部、18…出力部、19…記憶部、191…利用者管理情報、192…家電管理情報、193…ログデータ、194…影響度推定テーブル、2…家電、201…制御部、202…制御信号作成部、203…ログデータ収集部、204…ログデータ分析部、205…影響度推定部、206…ポイント算出部、207…通信部、208…表示操作部、209…稼働部、210…検知部、3…ポイント管理装置、31…通信部、32…ログデータ収集部、33…ログデータ分析部、34…影響度推定部、35…ポイント算出部、36…記憶部、361…利用者管理情報、362…家電管理情報、363…ログデータ、364…影響度推定テーブル、4…販売窓口装置、41…ECサーバ、42…オンラインストアサーバ、5…ルータ、6…ネットワーク