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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021748
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
A63F7/02 301C
A63F7/02 326Z
A63F7/02 336
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125684
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 勝巳
(72)【発明者】
【氏名】加藤 徹也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA07
2C088BA90
2C088BB06
2C088BB28
2C088CA30
(57)【要約】
【課題】遊技者の操作負担を軽減することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、操作可能な計数ボタン43kと、計数ボタン43kに対する長押し操作が行われている間、300m秒毎に250球計数処理を実行可能な枠制御用マイコン171と、を備える。枠制御用マイコン171は、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒未満行われた場合には、計数ボタン43kに対する長押し操作が開始されてから解除されるまでの間で、300m秒毎に250球計数処理を実行可能である。また枠制御用マイコン171は、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒以上行われた場合には、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されても、300m秒毎に250球計数処理を実行可能である。
【選択図】図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作可能な操作手段と、
前記操作手段に対する長押し操作が行われている間、所定時間毎に所定処理を実行可能な所定制御手段と、を備える遊技機において、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が特定時間未満行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が開始されてから解除されるまでの間で、前記所定時間毎に前記所定処理を実行可能であり、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間以上行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が解除されても、前記所定時間毎に前記所定処理を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間以上行われた後に、前記操作手段に対する長押し操作が解除されて、その後に前記操作手段が操作された場合には、前記所定時間毎に実行する前記所定処理を中止することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載の遊技機において、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間以上行われた後に、前記操作手段に対する長押し操作が解除されて、その後に当該遊技機に異常があると、前記所定時間毎に実行する前記所定処理を中止することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の遊技機において、
前記所定処理は、遊技に用いることが可能な持ち球数に対して規定球数だけ計数する計数処理であり、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間以上行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が解除されても、持ち球数がゼロになるまで前記所定時間毎に前記計数処理を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技機において、
前記所定制御手段は、
遊技球が発射される際に持ち球数を減算する遊技球数減算処理を実行可能であり、
前記遊技球数減算処理と前記計数処理とを同時に実行する場合には、前記遊技球減算処理を優先して実行することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例としてパチンコ遊技機では、下記特許文献1に記載されているように、操作可能な計数ボタン(操作手段)が設けられているものがある。この遊技機では、遊技者が計数ボタンへの長押し操作を行うと、持ち球数が計数される計数処理(所定処理)が実行されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-1012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記記載の遊技機では、操作手段に対する長押し操作が行われている間に限り、所定処理が実行されるようになっている。従って、所定処理を継続して実行させるためには、操作手段に対する長押し操作を長い時間継続する場合があり、この場合に、遊技者の操作負担が大きいという問題点がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、遊技者の操作負担を軽減することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
操作可能な操作手段と、
前記操作手段に対する長押し操作をしている間、所定時間毎に所定処理を実行可能な所定制御手段と、を備える遊技機において、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が特定時間未満行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が開始されてから解除されるまでの間で、前記所定時間毎に前記所定処理を実行可能であり、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間以上行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が解除されても、前記所定時間毎に前記所定処理を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技者の操作負担を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る遊技機と専用外部ユニットの正面図である。
図2】同遊技機が備える前枠の下部を示す斜視図である。
図3】同遊技機が備える遊技盤の正面図である。
図4図3に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
図5】(A)は貯留装置に貯留されている遊技球を示す概略図であり、(B)は遊技領域に向けて発射される遊技球を示す概略図であり、(C)はファール球が貯留装置に戻ることを示す概略図である。
図6】遊技球数表示器を示す図である。
図7】同遊技機の裏側を示す図である。
図8】枠基板表示器を示す図である。
図9】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図10】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図11】当たり種別判定テーブルである。
図12】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
図13】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はハズレ図柄種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルであり、(F)は電チューの開放パターン決定テーブルである。
図14】特図変動パターン判定テーブルである。
図15】遊技フローを示す図である。
図16】枠制御基板と遊技制御基板と専用外部ユニットとの電気的な構成を示すブロック図である。
図17】専用外部ユニットから枠制御基板へ送信する情報を示す表である。
図18】枠制御基板から専用外部ユニットへ送信する情報を示す表である。
図19】統一規格としてのホールコン情報、不正監視情報を示す表である。
図20】実施形態のホールコン情報、不正監視情報を示す表である。
図21】遊技球数表示器の第1発光領域と発光ドライバとの回路を示す図である。
図22】遊技状態と遊技球数表示器の表示色との関係を示す表である。
図23】遊技状態が変化した場合の遊技球数表示器の表示色の推移を示す図である。
図24】枠基板表示器での表示の推移を示す図である。
図25】ベース表示を示す表である。
図26】エラーコード表である。
図27】エラーコードが有る場合の枠基板表示器での表示の推移を示す図である。
図28】エラーコードが無い場合の枠基板表示器での表示の推移を示す図である。
図29】計数ボタンを単押し操作した場合の遊技球数表示器の推移を示す図である。
図30】計数ボタンをショート長押しした場合の遊技球数表示器の推移を示す図である。
図31】計数ボタンをロング長押しした場合の遊技球数表示器の推移を示す図である。
図32】計数ボタンをロング長押しした後に、計数ボタンを単押し操作した場合の遊技球数表示器の推移を示す図である。
図33】主制御メイン処理のフローチャートである。
図34】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図35】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
図36】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図37】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図38】枠制御タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図39】入力処理のフローチャートである。
図40】入力処理のフローチャートである。
図41】枠基板表示器表示処理のフローチャートである。
図42】枠基板表示器表示処理のフローチャートである。
図43】表示色設定処理のフローチャートである。
図44】計数処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1ついて、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0010】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
【0011】
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部が形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6(図3参照)を視認できるように透明の透明板が開口部に取付けられている。透明板は、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板は、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。また前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を遊技領域6に向けて発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)が設けられている。
【0012】
内枠21の下部には、後述する貯留装置25(図5参照)が設けられている。貯留装置25には、予め定められた数の遊技球が貯留されている。貯留されている遊技球は、遊技領域6(図3参照)に向けて発射された後、遊技領域6を流下して、再び貯留装置25に戻ってくる。こうして、貯留装置25に貯留されている遊技球は、パチンコ遊技機PY1の内部に封入されていて、パチンコ遊技機PY1の外部に排出されることなく、循環するようになっている。
【0013】
つまり、本パチンコ遊技機PY1は、内部に封入する遊技球が遊技領域6を流下した後に循環して再び遊技領域6に進入可能な遊技機(所謂「封入式パチンコ」)である。そのため、内部に収容されている遊技球が遊技領域を流下した後に、外部に排出される遊技機(所謂「非封入式パチンコ」)のように、遊技者に遊技球を払い出すための機構(賞球払出装置、賞球モータ、上皿、下皿など)が不要である。その結果、本パチンコ遊技機PY1の下部の構成を、従来の非封入式パチンコに比べて、コンパクトに構成することが可能である。なお本パチンコ遊技機PY1では、前扉23に、遊技球を貯留する上皿や下皿が設けられていないため、遊技者が遊技球に触れることができない。
【0014】
図2に示すように、前扉23の下部23x(操作機構部)には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ56(図1参照)及び音を出力するスピーカ610(図1において不図示)が設けられている。
【0015】
また本パチンコ遊技機PY1では、図2に示すように、前扉23の下部23xに、呼び出しスイッチ41kが設けられている。呼び出しスイッチ41kは、遊技者によって押下操作可能な操作手段(呼出操作手段)であり、当該呼び出しスイッチ41kに内蔵されている呼び出しセンサ41a(図9参照)により、押下操作が検出される。この呼び出しスイッチ41k(特定センサ)は、押下操作した後に再び押下操作しない限り、呼び出しセンサ41aによる検出信号を出力し続けるオルタネイト動作タイプである。
【0016】
呼び出しスイッチ41kは、スモークレンズと、スモークレンズの内部に配置された呼び出しLEDと、を備える。そして、本パチンコ遊技機PY1に対して電源が投入されると、呼び出しLEDが点灯(発光)し続ける点灯状態になる。これにより、スモークレンズに記されている「呼び出しスイッチ」の文字が、赤色で点灯しているように見えて、呼び出しスイッチ41kが使用できる状態になっていることを遊技者に認識させることができる。
【0017】
これに対して、呼び出しスイッチ41kが押下操作されると、呼び出しLEDが点滅する点滅状態になる。これにより、スモークレンズに記されている「呼び出しスイッチ」の文字が、赤色で点滅しているように見えて、呼び出しスイッチ41kが使用中の状態になっていることを遊技者に認識させることができる。その後、呼び出しスイッチ41kを再び押下操作すれば、呼び出しLEDが点灯状態に戻ることになる。
【0018】
本形態では、後述するように、呼び出しスイッチ41kが押下操作されると、呼び出しセンサ41aの検出に係る信号(呼出信号)が、本パチンコ遊技機PY1の外部に設けられているホールコンピュータ230(図16参照)に送信される。これにより、ホールコンピュータ230から、遊技場(ホール)の従業員に対して、無線通信によって、本パチンコ遊技機PY1の呼び出しスイッチ41kが押下操作されたことが知らされる。その結果、遊技場の従業員を呼び寄せることが可能である。即ち、本パチンコ遊技機PY1の上部に設けられているデータカウンタの呼び出しボタンを押下操作することなく、本パチンコ遊技機PY1に設けられている呼び出しスイッチ41kを押下操作することで、遊技場の従業員を呼び寄せることが可能である。
【0019】
なお、本形態の呼び出しスイッチ41kは、押下操作した後に再び押下操作しない限り、呼び出しセンサ41aによる検出信号を出力し続けるオルタネイト動作タイプとして構成したが、押下操作した瞬間だけ呼び出しセンサ41aによる検出信号が出力されるモーメンタリ動作タイプとして構成しても良い。
【0020】
また本パチンコ遊技機PY1では、図1に示すように、前扉23の下部23xの中央前面に、遊技球数表示器180が設けられている。遊技球数表示器180は、現時点で遊技者が使用可能な遊技球の数を持ち球数として表示するものである。つまり、持ち球数は、遊技者が遊技に用いることが可能な遊技球の数のことである。遊技球数表示器180は、6桁の数字又は文字(ローマ字)が表示できるように、横並びで6つの7セグメント表示器で構成されている。即ち、図6に示すように、遊技球数表示器180は、左から右に向かって順番に、第1発光領域181と、第2発光領域182と、第3発光領域183と、第4発光領域184と、第5発光領域185と、第6発光領域186と、を備えている。そして、6つの発光領域181~186は、それぞれ8個の発光部(LED素子)LA1~LA8、LA9~LA16、LA17~LA24、LA25~LA32、LA33~LA40、LA41~LA48を有している。なお図1では、遊技球数表示器180において「2500」が示されていて、遊技者が現時点で2500球の遊技球を遊技領域6に向けて発射できることになる。遊技球数表示器180の表示制御は、後述するように、枠制御用マイコン171(図9参照)によって実行される。
【0021】
遊技機枠2の内枠21には、図3に示す遊技盤1が取付けられている。図3に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が形成されている。なお、ハンドル72kの操作により発射された遊技球は、内レール62と外レール63との間を通って、遊技領域6に向かう。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0022】
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0023】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「8」までの数字を表した複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0024】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0025】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0026】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0027】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
【0028】
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11(入球口)を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0029】
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12(入球口)を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
【0030】
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
【0031】
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14(特別入球口)を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0032】
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0033】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域、所定遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0034】
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
【0035】
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0036】
また本パチンコ遊技機PY1では、遊技領域6の外側に1つの排出経路(図示省略)が設けられている。この排出経路は、一般入賞口10、第1始動口11、電チュー12D(第2始動口12)、大入賞口14、アウト口19の何れにも連通している。従って、一般入賞口10、第1始動口11、電チュー12D(第2始動口12)、大入賞口14、アウト口19に入球した遊技球は、遊技領域6の外側にて排出経路を必ず通過することになる。排出経路には、遊技球を検出可能な排出口センサ15a(図9参照)が設けられていて、排出経路を通過した遊技球は、後述する貯留装置25(図5参照)に向かう。このようにして、遊技領域6に向けて発射された遊技球は、一般入賞口10、第1始動口11、電チュー12D(第2始動口12)、大入賞口14、アウト口19の何れかに入球した後、排出経路を通って、排出口センサ15aに検出される。その後、排出経路を通過した遊技球は、貯留装置25で貯留されることになる。
【0037】
また図3に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0038】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0039】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図、識別図柄)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0040】
特図表示器81(識別図柄表示手段)では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0041】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0042】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0043】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0044】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0045】
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0046】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0047】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0048】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0049】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0050】
次に、図5に基づいて、貯留装置25について説明すると共に、貯留装置25に貯留されている遊技球が遊技領域6に向けて発射される場合について説明する。貯留装置25は、遊技領域6を流下し終えた遊技球を内枠21の下部で貯留して、ハンドル72kの回転操作に基づいて貯留している遊技球を遊技領域6に向けて発射するものである。
【0051】
貯留装置25は、図5(A)に示すように、予め定められた数の遊技球を貯留可能な貯留部25aと、この貯留部25aに貯留されている遊技球をハンドル72kの回転角度に応じた発射強度で1球ずつ打撃することが可能な打球槌25bとを備えている。打球槌25bで打撃された遊技球は、貯留部25aから上方に向かって延びる発射経路HRを通って、遊技領域6に向かうようになっている。発射経路HRは、下端にて貯留装置25の貯留部25aに連通していて、上端にて遊技領域6に連通している。
【0052】
図3に示すように、内レール62の上端が、発射経路HRの上端と遊技領域6との境界になっていて、内レール62の上端には、逆流防止部材64が設けられている。逆流防止部材64は、発射経路HRから遊技領域6への遊技球の進入を許容する一方、遊技領域6から発射経路HRへの遊技球の進入(逆流)を防止するものであり、下端を支点にして内レール62の上端に回転可能に組付けられている。具体的に、逆流防止部材64は、遊技球が発射経路HRから遊技領域6へ向かう際に、図2に示す状態から右方へ回転することで、遊技球の遊技領域6への進入を許容する。一方、逆流防止部材64は、遊技球が遊技領域6から発射経路HRへ向かう際に、図2に示す状態から左方へ回転することができずに、遊技球の発射経路HRへの進入(逆流)を防止する。
【0053】
ここで図5(A)に示すように、発射経路HRには、下方に向かって分岐して延びている戻り流路MRが設けられている。戻り流路MRの上端は、発射経路HRに連通していて、戻り流路MRの下端は、貯留装置25の貯留部25aに連通している。戻り流路MRの上端と発射経路HRとが合流する部分には、逆流防止部材26が設けられている。
【0054】
逆流防止部材26は、発射経路HRの上流側HR1から発射経路HRの下流側HR2への遊技球の進入を許容する一方、発射経路HRの下流側HR2から発射経路HRの上流側HR1への遊技球の進入(逆流)を防止するものである。更に、逆流防止部材26は、遊技球が発射経路HRの下流側HR2を通って下方に流下する場合に、発射経路HRの上流側HR1への進入を防止しつつ、戻り流路MRに遊技球を誘導するものである。逆流防止部材26は、図5(A)に示すように、下端を支点にして発射経路HRの下壁部に回転可能に組付けられている。また逆流防止部材26は、図示しない付勢部材の付勢力によって、鉛直方向に延びる姿勢(図5(A)に示す状態)が維持されるようになっている。
【0055】
よって、通常時において、貯留部25aに貯留されている遊技球は、打球槌25bによって打撃されると、図5(B)に示すように、発射経路HRに向かって上方へ発射される。このとき遊技球は、発射経路HRの上流側HR1を通過した後、逆流防止部材26を鉛直方向延びる姿勢から図5(B)に示すように左方に向かって回転させる。これにより、遊技球は発射経路HRの下流側HR2に進入することができる。その後、遊技球は発射された勢いを保ちつつ、発射経路HRの上端から遊技領域6へ進入することになる。なお逆流防止部材26は、図5(B)に示すように左方に向かって回転した後、図示しない付勢部材の付勢力によって鉛直方向に延びる姿勢(図5(A)に示す状態)にすぐに復帰する。
【0056】
これに対して、イレギュラーな事態として、遊技球が発射経路HRの上流側HR1から発射経路HRの下流側HR2へ進入したものの、発射(打撃)されたときの遊技球の勢いが弱いことにより、遊技球が遊技領域6へ進入できない場合がある。この場合、遊技球は、発射経路HRの下流側HR2にて下方に向かって流下して、発射経路HRの上流側HR1へ進入しようとする。しかしながら、図5(C)に示すように、逆流防止部材26が鉛直方向に延びる姿勢から右方へ回転することができずに、遊技球は発射経路HRの上流側HR1へ進入することができない。そのため、遊技球は、逆流防止部材26によって戻り流路MRの方へ誘導されて、戻り流路MRを通って貯留部25aに戻ることになる。このようにして、貯留装置25から発射されたものの、遊技領域6に進入できなかった遊技球(所謂「ファール球」)は、必ず戻り流路MRを通過することで、再び貯留装置25へ戻ることが可能である。
【0057】
次に、遊技球数表示器180(図1参照)で表示される遊技球数(現時点で遊技者が遊技に用いることが可能な遊技球の数)の増減について説明する。図5(A)に示すように、発射経路HRの上流側HR1の上端に、発射球検出センサ16aが配置されている。発射球検出センサ16aは、発射経路HRの上流側HR1の上端を通過する遊技球を検出するものである。そのため、貯留装置25から遊技球が発射される度に、発射球検出センサ16aによって遊技球が検出されることになる。この場合、遊技球数表示器180で表示される遊技球数は、遊技球の発射に伴って1球ずつ減少することになる。
【0058】
ところで、上述したように、発射されたときの遊技球の勢いが弱いことにより、ファール球が生じる場合がある。この場合、ファール球は、遊技領域6に進入していないため、遊技に関与していない。しかしながら、ファール球であっても、遊技球が発射球検出センサ16aによって検出されているため、遊技球数が「1」だけ減少する。こうしてファール球によって、遊技者に不利益を与えるおそれがある。
【0059】
そこで、図5(A)に示すように、戻り流路MRに戻り球検出センサ17aが配置されている。戻り球検出センサ17aは、戻り流路MRを通過する遊技球(戻り球、ファール球)を検出するものである。そのためファール球が生じた場合には、上述したように、ファール球は必ず戻り流路MRを通過することになるため、戻り球検出センサ17aによりファール球を検出することが可能である。そして、遊技球が戻り球検出センサ17aによって検出された場合には、持ち球数を「1」だけ増加することにしている。こうして、ファール球が生じた場合、持ち球数が「1」だけ減少された後に、持ち球数が「1」だけ増加されることで、遊技者に不利益を与えないようすることが可能である。なお戻り球検出センサ17aは、フォトセンサで構成されているが、戻り流路MRを通過する遊技球を検出できれば、センサの構成は適宜変更可能である。
【0060】
また、一般入賞口10に入球した遊技球は一般入賞口センサ10aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、遊技球数が「5」だけ増加する。また第1始動口11に入球した遊技球は第1始動口センサ11aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、遊技球数が「3」だけ増加する。また第2始動口12に入球した遊技球は第2始動口センサ12aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、遊技球数が「2」だけ増加する。また大入賞口14に入球した遊技球は大入賞口センサ14aによって検出される。この場合、遊技者が賞球を獲得したこととして、遊技球数が「15」だけ増加する。なお上記した各入賞口(一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14)への入球に基づく持ち球数の増加(賞球数)は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。
【0061】
次に、図1に基づいて、本パチンコ遊技機PY1の左隣に設置されている専用外部ユニット200について説明する。専用外部ユニット200(外部ユニット)は、ビジターカード(一般カード)又は会員カードを受け付けるものであり、本パチンコ遊技機PY1に対して情報を送受信(通信)できるように構成されている。ビジターカードは、会員登録されていない一般の遊技者に対して発行されるものであり、遊技に用いることが可能な遊技球の数(遊技球数)を記憶可能なものである。そしてビジターカードは、プリペイド機能を有ししている。会員カードは、遊技場に会員登録した遊技者に対して発行されるものであり、遊技に用いることが可能な遊技球の数(遊技球数)を記憶可能なものである。そして会員カードは、プリペイド機能を有すると共に、遊技者が前日以前に遊技場に預けている遊技球(貯玉)を使用可能にするものである。
【0062】
専用外部ユニット200(外部ユニット)は、図1に示すように、下部にて、ビジターカード又は会員カードを挿入又は排出するカード口205を有している。カード口205にビジターカードが挿入されると、専用外部ユニット200は、ビジターカードに記憶されている遊技球数を読み込むと共に、プリペイド残額を読み込む。また、カード口205に会員カードが挿入されると、専用外部ユニット200は、会員カードに記憶されている遊技球数を読み込むと共に、プリペイド残額を読み込む。更に、ホールコンピュータ230(図16参照)との通信によって、会員登録された遊技者が前日以前に遊技場に預けている遊技球の数(貯玉数)を把握することができる。
【0063】
また専用外部ユニット200は、図1に示すように、上部にて紙幣を挿入するための紙幣挿入口201を有し、紙幣挿入口201の下方にデータ表示器202を有している。紙幣挿入口201に紙幣が挿入されると、専用外部ユニット200は、金額に応じた遊技球数を遊技者に貸し付けることができる。データ表示器202は、プリペイド残額、紙幣挿入口201に挿入された紙幣のうち残っている金額、その他の各種情報を表示することができる。
【0064】
また専用外部ユニット200は、図1に示すように、データ表示器202の下方に、再プレイボタン203を有している。専用外部ユニット200がカード(ビジターカード又は会員カード)に記憶されている遊技球数を読み込んでいる状態で、再プレイボタン203が押下操作されると、読み込んでいる遊技球数の一部又は全部が引き落とされる。そして、専用外部ユニット200は、引き落とした遊技球数の情報を、貸出しに係る情報として、パチンコ遊技機PY1に送信すると、パチンコ遊技機PY1の遊技球数表示器180では、事前に示されていた遊技球数と、引き落とされた遊技球数とが加算された状態で、遊技球数が表示される。また専用外部ユニット200が貯玉数を把握している状態で、再プレイボタン203が押下操作されると、把握している貯玉数の一部又は全部が引き落とされる。そして、専用外部ユニット200は、引き落とした貯玉数の情報を、貸出しに係る情報としてパチンコ遊技機PY1に送信すると、パチンコ遊技機PY1の遊技球数表示器180では、事前に示されていた遊技球数と、引き落とされた貯玉数とが加算された状態で、遊技球数が表示される。なお、専用外部ユニット200は、カードに記憶されている遊技球数を読み込んでいると共に、貯玉数を把握している状態で、再プレイボタン203が押下操作されると、カードに記憶されている遊技球数を優先的に引き落とすようになっている。
【0065】
また専用外部ユニット200は、図1に示すように、再プレイボタン203の下方に、球貸ボタン204を有している。専用外部ユニット200は、カード(ビジターカード又は会員カード)に記憶されているプリペイド残額を読み込んでいる状態で、球貸ボタン204が押下操作されると、読み込んでいるプリペイド残額を引き落として、遊技球数の情報に変換する。そして、専用外部ユニット200は、変換した遊技球数の情報を、貸出しに係る情報として、パチンコ遊技機PY1に送信する。これにより、パチンコ遊技機PY1の遊技球数表示器180では、事前に示されていた遊技球数と、変換された遊技球数とが加算された状態で、遊技球数が表示される。
【0066】
また専用外部ユニット200は、図1に示すように、カード口205の下方に、カード返却ボタン206を有している。カード返却ボタン206は、遊技者が遊技を終了するときに押下操作されるものである。カード返却ボタン206が押下操作されると、専用外部ユニット200は、保持している貯玉数の情報と、読み込んでいるプリペイド残額の情報とを、カード(ビジターカード又は会員カード)に記憶させる。そして、専用外部ユニット200は、新たな遊技球数(貯玉数)が記憶されたカードをカード口205から返却する。
【0067】
ここで、本パチンコ遊技機PY1では、図2に示すように、前扉23の下部23xの右側に、計数ボタン43kが設けられている。計数ボタン43kは、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数の一部(本形態では1球又は250球)又は全部(250球未満である場合の持ち球数)を、専用外部ユニット200に挿入されているカード(ビジターカード又は会員カード)に記憶させる計数処理を実行するためのものである。後に詳述するように、計数ボタン43kを極短時間だけ押下操作すると、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数が1だけ減算され、計数ボタン43kが継続して(500m秒以上)押下操作されると、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数が0.3秒(300m秒)毎に250だけ減算される。このとき減算された遊技球数の情報を、計数に係る情報として、専用外部ユニット200に送信する。そして、専用外部ユニット200は、受信した遊技球数の情報を上書きした状態でカードに記憶させる。
【0068】
2.遊技機の電気的構成
次に図9及び図10に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図9及び図10に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球数に関する制御を行う枠制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100と枠制御基板170は、メイン制御部を構成する。また、遊技制御基板100と枠制御基板170はそれぞれ、遊技の結果に影響を及ぼす制御処理を実行可能な主基板ということができる。演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ56等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0069】
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190(電源供給部)は、外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V、DC12V、DC18V、DC24V、DC37V)の電源を生成するものである。電源基板190は、生成した電源を遊技制御基板100、演出制御基板120、及び枠制御基板170に対して供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して供給する。
【0070】
電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191(RAMクリア操作手段)が設けられている。RAMクリアスイッチ191は、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM(Random Access Memory)104に記憶されている遊技に係る情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留や大当たりの当否判定の結果などの情報)を消去するためのものである。
【0071】
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ195が接続されている。電源スイッチ195のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0072】
図9に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0073】
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、排出口センサ15a、磁気センサ28aが接続されている。
【0074】
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。
【0075】
排出口センサ15aは、遊技領域6の外側に設けられている排出経路(図示省略)内に設けられていて、排出経路を通過する遊技球を検出するものである。この排出口センサ15aにより、遊技領域6を流下した遊技球(発射球数)は全て検出されることになる。磁気センサ28aは、遊技盤1に設けられていて、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14へ入賞させる際に生じる磁気を検出するものである。
【0076】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
【0077】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、普図保留表示器84接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0078】
また遊技制御基板100は、枠制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、遊技球数の監視(払い出しの監視)のために枠制御基板170から各種コマンドや信号を受信する。枠制御基板170には、本パチンコ遊技機PY1の外部にある専用外部ユニット200が接続されている共に、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
【0079】
ここで、図7に示すように、遊技制御基板100は、内枠21の内部にて、遊技盤1の後側(裏側)に配置されている。つまり、遊技制御基板100は、裏ユニットの後側にある透明な裏ケース25Xの内側(前側)に配置されていて、遊技機枠2に取付けられていない。従って、遊技制御基板100は、遊技機枠2に取付けられている枠側基板ではなく、遊技盤1に取付けられている盤側基板ということができる。遊技制御基板100は、遊技制御用マイコン101の視認性を確保できるように、透明な主基板ケース100Aの内部に収容されている。なお、演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162、音声制御基板161も、遊技盤1に取付けられている盤側基板である。
【0080】
一方、枠制御基板170(枠側基板)は、裏ケース25Xよりも下方で、内枠21の下側に配置されている。つまり、枠制御基板170は、内枠21(遊技機枠2)の内部にある遊技盤1に取付けられていない。従って、枠制御基板170は、遊技盤1に取付けられている盤側基板でなく、遊技機枠2に取付けられている枠側基板ということができる。枠制御基板170は、枠制御用マイコン171の視認性を確保できるように、透明な枠基板ケース170Aの内部に収容されている。なお、電源基板190も、遊技機枠2に取付けられている枠側基板である。
【0081】
枠制御基板170には、図9に示すように、遊技球数表示器180(図1参照)が接続されている。そして、枠制御基板170は、遊技制御用マイコン101から送信される賞球コマンド、発射球検出センサ16aによる検出信号、戻り球検出センサ17aによる検出信号、専用外部ユニット200から送信される各種信号に基づいて、遊技球数表示器180で表示する遊技球数を制御する。なお本パチンコ遊技機PY1は、非封入式パチンコのように、賞球払出装置の賞球モータを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行うことはない。
【0082】
枠制御基板170は、プログラムに従って遊技球数の表示制御を実行可能な枠制御用ワンチップマイコン(以下「枠制御用マイコン」)171を実装している。枠制御用マイコン(払出制御手段、遊技球数制御手段)171には、遊技球数の表示を制御するためのプログラムを記憶した枠用ROM173、ワークメモリとして使用される枠用RAM174、枠用ROM173に記憶されたプログラムを実行する枠用CPU172、データや信号の入出力を行うための枠用I/Oポート(入出力回路)176が含まれている。なお、枠用ROM173は外付けであってもよい。
【0083】
また枠制御基板170には、発射球検出センサ16a、戻り球検出センサ17a、電波センサ18a、枠開放センサ2a(特定センサ)、呼び出しセンサ41a、計数ボタンセンサ43aが接続されている。発射球検出センサ16aは、発射経路HRの上流側に設けられていて(図5(A)参照)、発射経路HRの上流側を通過する遊技球を検出するものである。この発射球検出センサ16aにより、貯留装置25から遊技領域6に向けて発射された遊技球は全て検出されることになる(図5(B)参照)。戻り球検出センサ17aは、戻り流路MRに設けられていて(図5(A)参照)、戻り流路MRを通過する遊技球を検出するものである。この戻り球検出センサ17aにより、遊技領域6に向けて発射された遊技球のうちファール球となった遊技球が検出されることになる(図5(C)参照)。
【0084】
電波センサ18aは、発射球検出センサ16a及び戻り球検出センサ17aの近傍に設けられていて、不正な電波を検出するものである。即ち、上述したように、貯留装置25から遊技領域6に向けて発射された遊技球が発射球検出センサ16aに検出されると、遊技球数表示器180で表示される遊技球数が「1」だけ減算される。しかしながら、不正な電波によって、発射球検出センサ16aが誤作動を起こすと、発射球検出センサ16aが遊技領域6に向けて発射された遊技球を検出できないおそれがある。その一方、戻り流路MRを通過する遊技球が戻り球検出センサ17aに検出されると、遊技球数表示器180で表示される遊技球数が「1」だけ加算される。しかしながら、不正な電波によって、戻り球検出センサ17aが誤作動を起こすと、遊技球が戻り流路MRを通過していないにも拘わらず、戻り球検出センサ17aが誤検出するおそれがある。そこで、上記した問題に対処すべく、電波センサ18aは、発射球検出センサ16a又は戻り球検出センサ17aに誤作動を生じさせる不正な電波を検出することができる。
【0085】
枠開放センサ2aは、遊技機枠2のヒンジ部24に設けられていて、前扉23の内枠21に対する開放、又は内枠21の外枠22に対する開放を検出するものである。以下では、前扉23の内枠21に対する開放、及び内枠21の外枠22に対する開放のうち、少なくとも一方でも検出すれば、遊技機枠2の開放が検出されていることとする。なお、前扉23の内枠21に対する開放を検出する枠開放センサと、内枠21の外枠22に対する開放を検出するセンサと、をそれぞれ別個で設けるようにしても良い。呼び出しセンサ41aは、呼び出しスイッチ41k(図2参照)に設けられていて、呼び出しスイッチ41kに対する押下操作を検出するものである。計数ボタンセンサ43aは、計数ボタン43k(図2参照)に設けられていて、計数ボタン43kに対する押下操作を検出するものである。
【0086】
また図7に示すように、枠制御基板170上には、枠基板表示器300が配置されている。枠基板表示器300は、後に詳しく説明するように、性能表示としての左打ちベース、現時点で遊技者が使用可能な遊技球の数である遊技球数、エラー表示としてのエラーコードを表示するものである。枠基板表示器300は、6桁の数字又は文字(ローマ字)が表示できるように、横並びで6つの7セグメント表示器で構成されている。即ち、図8に示すように、枠基板表示器300は、左から右に向かって順番に、第1点灯領域301と、第2点灯領域302と、第3点灯領域303と、第4点灯領域304と、第5点灯領域305と、第6点灯領域306と、を備えている。そして、6つの点灯領域301~306は、8個の点灯部(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32、LB33~LB40、LB41~LB48を有している。なお図8では、枠基板表示器300において「bL35」が示されていて、計測中の左打ちベースの値が「35(%)」であること意味している。枠基板表示器300の表示制御は、遊技球数表示器180の表示制御と同様、枠制御用マイコン171(図9参照)によって実行される。
【0087】
次に、発射装置72について説明する。遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動して、打球槌25bにより遊技球が発射経路HRに向かって発射される(図5(B)参照)。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0088】
図9及び図10に示すように、遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0089】
図10に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0090】
また図10に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。画像制御基板140には画像表示装置50が接続され、音声制御基板161にはスピーカ610が接続されている。またサブドライブ基板162には、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ56が接続されている。
【0091】
図10に示すように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0092】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141又は画像制御基板140に設ける音声用のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
【0093】
また図10に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ56や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプ駆動データともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0094】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0095】
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0096】
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0097】
なお図9及び図10は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図9及び図10に示す基板だけが設けられているわけではない。よって、遊技制御基板100を除いて、図9及び図10に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図9及び図10に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0098】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
【0099】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0100】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図11に示す通りである。図11に示すように、大当たりには、確変大当たりと通常大当たりとの区別がある。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
【0101】
また大当たりには、10R大当たりと6R大当たりと3R大当たりとがある。図11に示すように、10R大当たりは、1Rから10Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。また6R大当たりは、1Rから6Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。また3R大当たりは、1Rから3Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。なお各ラウンドにおいて、遊技球が入賞上限個数(本形態では10個)まで大入賞口14へ入賞(入球)可能である。
【0102】
こうして、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な大当たりには、図11に示すように、10R確変大当たり1(以下単に「確変大当たり1」とも呼ぶ)、3R通常大当たり1(以下単に「通常大当たり1」とも呼ぶ)の2種類がある。10R確変大当たり1に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄A」が停止表示され、3R通常大当たり1に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_大当たり図柄B」が停止表示される。
【0103】
また特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な大当たりには、図11に示すように、10R確変大当たり2(以下単に「確変大当たり2」とも呼ぶ)、6R通常大当たり2(以下単に「通常大当たり2」とも呼ぶ)の2種類がある。10R確変大当たり2に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄A」が停止表示され、6R通常大当たり2に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_大当たり図柄B」が停止表示される。
【0104】
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には時短状態に制御される。但し、本形態では時短状態として、通常時短状態と微時短状態の2種類がある。通常時短状態に制御される場合、電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には、時短回数が例えば10000回のように非常に大きな回数に設定され、実質的に次回の大当たり当選まで継続する。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。一方、微時短状態に制御される場合には、時短回数が500回に設定される。
【0105】
こうして本形態では、図11に示すように、特図1_大当たり図柄Aに当選した場合には、大当たり遊技後に、高確率状態且つ電サポ制御状態(高ベース状態)に制御され、時短回数が次回の大当たりに当選するまで消化されることはない。以下では、高確率状態且つ電サポ制御状態を、「高確高ベース状態(高確時短状態)」とも呼ぶ。一方、特図1_大当たり図柄Bに当選した場合には、大当たり遊技後に、通常確率状態且つ微時短状態に制御され、時短回数が500回に設定される。以下では、通確率状態且つ微制御状態を、「低確微時短状態」とも呼ぶ。従って、低確微時短状態では、時短回数である500回が消化されると、通常確率状態且つ非時短状態、即ち、通常遊技状態に制御される。
【0106】
また図11に示すように、特図2_大当たり図柄Aに当選した場合には、大当たり遊技後に、高確率状態且つ電サポ制御状態(高ベース状態)に制御され、時短回数が次回の大当たりに当選するまで消化されることはない。一方、特図2_大当たり図柄Bに当選した場合には、大当たり遊技後に、通常確率状態且つ微時短状態に制御され、時短回数が500回に設定される。従って、低確微時短状態では、時短回数である500回が消化されると、通常確率状態且つ非時短状態、即ち、通常遊技状態に制御される。
【0107】
図11に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが80%、通常大当たりが20%となっている。但し、上述したように、特図1の抽選に基づいて通常大当たりに当選した場合には、3R通常大当たり1であるのに対して、特図2の抽選に基づいて通常大当たりに当選した場合には、6R通常大当たり2である。従って、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利である。
【0108】
また本形態では、特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図13(B)に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特図表示器81aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類あり、特図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特図表示器81bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄A」又は「特図1_ハズレ図柄B」に決定される。また特図2の抽選では、「特図2_ハズレ図柄A」に決定される。
【0109】
「特図2_ハズレ図柄A」は、通常ハズレである。即ち、「特図2_ハズレ図柄A」が停止表示されても、遊技状態が変化することはない。これに対して、「特図1_ハズレ図柄A」及び「特図1_ハズレ図柄B」は、特殊ハズレ(特定の判定結果の一例)である。特殊ハズレ(特定結果)は、時短状態(通常時短状態又は微時短状態)への移行契機となるハズレである。特殊ハズレを引いた場合、大当たり遊技を経ることなく、時短状態(通常時短状態又は微時短状態に制御され得る。
【0110】
具体的に、通常遊技状態に制御されているときに、特図1_ハズレ図柄Aを引くと、大当たり遊技を経ることなく、図13(B)に示すように、低確時短状態(通常確率状態且つ通常時短状態)に制御される。この低確時短状態では、時短回数が例えば10000回のように非常に大きな回数に設定され、実質的に次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常遊技状態に制御されているときに、特図1_ハズレ図柄Bを引くと、大当たり遊技を経ることなく、図13(B)に示すように、低確微時短状態(通常確率状態且つ微時短状態)に制御される。この低確微時短状態では、時短回数が500回に設定される。
【0111】
但し、非時短状態(通常遊技状態)に制御されているときに特殊ハズレを引くと、時短状態(通常時短状態又は微時短状態)に移行することになるが、時短状態(通常時短状態又は微時短状態)に制御されているときに特殊ハズレを引いても、通常ハズレとして扱われて、遊技状態が変わることがない。こうして本形態では、特殊ハズレを引くことを契機に遊技状態が変わるのは、あくまで通常遊技状態(非時短状態)に限られる。
【0112】
図13(B)に示すように、特図1の抽選が実行されれば、20%の振分率で特図1_ハズレ図柄Aを引き、80%の振分率で特図1_ハズレ図柄Bを引く。従って、特図1の抽選では、必ず特殊ハズレとなるため、通常遊技状態に制御されれば、特図1の抽選が1回実行されるだけで、低確時短状態又は低確微時短状態に移行する。一方、特図2の抽選が実行されれば、必ず特図2_ハズレ図柄Aを引くことになり、特殊ハズレとなることはない。
【0113】
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。またハズレの場合には、ハズレの種別の抽選は、「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図12(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0114】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0115】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図12(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0116】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図13(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0117】
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図14参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
【0118】
但し本形態では、上述したように、時短状態として、通常時短状態と、微時短状態の2種類がある。時短状態の種類が異なると、普通図柄の変動パターンや電チュー12Dの開放パターン等、電チュー12Dへの入賞し易さに関わる各種パラメータの設定が異なる。詳細には、本形態では図13(D)に示すように、時短状態(微時短状態、通常時短状態)における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には本形態では、非時短状態、微時短状態、通常時短状態のいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成(言い換えれば時短状態では普通図柄表示器42の確率変動機能が作動する構成)としてもよい。
【0119】
また時短状態(微時短状態、通常時短状態)では、図13(E)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60000msであるが、微時短状態では59000msであり、通常時短状態では1000ms(1秒)である。すなわち時短状態では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動する。なお、普通図柄の停止時間は、いずれの遊技状態であっても500ms(0.5秒)である。
【0120】
また時短状態(微時短状態、通常時短状態)では、図13(F)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなる。具体的には本形態では、電チュー22の開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、微時短状態では1回当たり0.1秒であり、通常時短状態では1回当たり2.5秒である。すなわち時短状態では、電チュー22の開放時間延長機能が作動する。
【0121】
また時短状態では、図13(F)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。具体的には本形態では、電チュー22の開放回数は、非時短状態、微時短状態では1回であるが、通常時短状態では2回である。すなわち通常時短状態に限り、電チュー22の開放回数増加機能が作動する。
【0122】
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60000ms(60秒)と長く、補助遊技における電チュー22の開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、右打ち(遊技球がゲート28を通過し得る打ち方)にて遊技を行っても、電チュー22への入賞はほとんど見込めない。
【0123】
これに対して通常時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1000ms(1秒)と短く、また、補助遊技における電チュー22の開放は2.5秒の開放が2回と十分に長い。よって通常時短状態では、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー22への入賞が頻繁に生じ得る。すなわち通常時短状態は、非時短状態(非入球容易状態)と比べて、電チュー22への入賞が容易な遊技状態(入球容易状態)であると言える。
【0124】
一方、微時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間は59000ms(59秒)と長く、また、補助遊技における電チュー22の開放は0.1秒の開放が1回と短い。よって、微時短状態では、電チュー22への入賞し易さに関係する各種のパラメータ(普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー22の開放パターン)が非時短状態に比べれば、電チュー22へ入賞し易い設定となっているものの、右打ちにて遊技を行っても電チュー22への入賞はほとんど見込めない。
【0125】
このように微時短状態では、右打ちを行っても電チュー22への入賞が見込めないため、遊技者は左打ちにて遊技を進行させる(図10参照)。一方、通常遊技状態では、右打ちを行うことで電チュー22への入賞が頻繁に生じるため、遊技者が右打ちにて、特図2の抽選によって遊技を進行する(図10参照)。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0126】
微時短状態は、通常時短状態と同様、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言えるが、通常時短状態よりも電チュー22への入賞困難な遊技状態である。また微時短状態では、電チュー22への入賞が見込めないことから、通常時短状態よりも、非時短状態に近い性質の遊技状態であり、遊技者が左打ちにて、特図1の抽選によって遊技を進行する(図15参照)。
【0127】
ちなみに、通常時短状態では、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、通常時短状態を「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。微時短状態におけるベースは、非時短状態よりも僅かに高い程度であり、非時短状態とほとんど変わらない。
【0128】
なお、時短状態は、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、及び、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよく、これらの全ての機能が作動するものでなくてもよい。
【0129】
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機1は、非時短状態と微時短状態と通常時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図14参照)。図14に示すように、時短状態(通常時短状態、微時短状態)における特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態における特図変動パターン判定テーブルに比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。
【0130】
具体的には、通常時短状態では、右打ちによって主に特図2の抽選が行われて、図14に示す通常時短状態用の特図変動パターン判定テーブルが用いられる。通常時短状態用の特図変動パターン判定テーブルでは、特図2の変動パターンとして、変動パターンP41~P44、P51~P56の何れかが決定される。
【0131】
微時短状態では、左打ちによって主に特図1の抽選が行われて、図14に示す微時短状態用の特図変動パターン判定テーブルが用いられる。微時短状態用の特図変動パターン判定テーブルでは、特図1の変動パターンとして、変動パターンP21~P24、P31~P36の何れかが決定される。これらの変動パターンが選択された場合、変動時間を利用して、ノーマルリーチや各種SPリーチを伴う変動演出が実行されることがある。
【0132】
一方、非時短状態(通常遊技状態)では、左打ちによって主に特図1の抽選が行われて、図14に示す非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルが用いられる。非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルでは、特図1の変動パターンとして、変動パターンP1~P4、P11~P16の何れかが決定される。これらの変動パターンが選択された場合、変動時間を利用して、大当たりに当選する場合を除き、必ず特殊SPリーチを伴う変動演出が実行される。これは、非時短状態において特図1の抽選が実行されれば、大当たりに当選する場合を除き、必ず特殊ハズレになるからである
【0133】
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態、又はRAMクリアを伴う電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確非時短状態」又は「低確低ベース状態」或いは「通常遊技状態」という。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態」又は「大当たり遊技状態」という。さらに、高確率状態および時短状態(高ベース状態)のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0134】
次に、図15に基づいて、本形態の遊技フローについて説明する。図15に示すように、本パチンコ遊技機PY1では、遊技状態が、大当たり遊技状態(特別遊技状態)を除いて、通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)と、低確微時短状態(通常確率状態且つ微時短状態)と、低確時短状態(通常確率状態且つ通常時短状態)と、高確時短状態(高確率状態且つ通常時短状態)と、がある。
【0135】
先ず、低確微時短状態に制御されている場合、電チュー12Dへの入球がほぼ見込めないため、左打ちによって遊技を進行する。そして、特図1の抽選が実行されて、約1/320の確率で、大当たりへの当選を狙うことになる(図13(A)参照)。なお特図1の抽選では、必ず特殊ハズレとなるが(図13(B)参照)、微時短状態では特殊ハズレは通常ハズレとして扱われる。つまり、低確微時短状態で、特殊ハズレを引いても、遊技状態が変わることはない。この低確微時短状態では、時短回数が500回に設定されている。そのため、特別図柄の変動表示が500回実行されることで、通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)に移行することができる。以上により、低確微時短状態は、遊技がされている時間が長い遊技状態といえる。
【0136】
通常遊技状態に制御されている場合、電チュー12Dへの入球がほぼ見込めないため、左打ちによって遊技を進行する。そして、特図1の抽選が実行されると、必ず特殊ハズレになる(図13(B)参照)。この場合、20%の振分率で、特図1_ハズレ図柄Aを引くことになり、大当たり遊技を経ることなく、低確時短状態に移行する。一方、80%の振分率で、特図1_ハズレ図柄Bを引くことになり、大当たり遊技を経ることなく、低確微時短状態に移行する。以上により、通常遊技状態は、遊技がされている時間が非常に短い遊技状態といえる。
【0137】
低確時短状態に制御されている場合、電チュー12Dへの入球が頻繁に見込めるため、右打ちによって遊技を進行する。そして、特図2の抽選が実行されて、約1/320の確率で、大当たりへの当選を狙うことになる。但し、低確時短状態では、通常時短状態であるため、特別図柄の変動表示の時間が短い特図変動パターンが選択され易い(図14参照)。従って、特図2の抽選がスピーディに実行される。また低確時短状態では、通常時短状態(電サポ制御状態)が、次回の大当たりへの当選まで続く(図11参照)。よって、特図2の抽選で、必ず大当たりへの当選が保証されていることになり、80%の振分率で特図2_大当たり図柄Aに当選し、20%の振分率で特図2_大当たり図柄Bに当選する。こうして、特図2_大当たり図柄Aに当選すれば、大当たり遊技後に高確時短状態に制御され、特図2_大当たり図柄Bに当選すれば、大当たり遊技後に低確微時短状態に制御される。
【0138】
高確時短状態に制御されている場合、電チュー12Dへの入球が頻繁に見込めるため、右打ちによって遊技を進行する。そして、特図2の抽選が実行されて、約1/40の確率で、大当たりへの当選を狙うことになる(図13(A)参照)。そして、高確時短状態では、通常時短状態であるため、特別図柄の変動表示の時間が短い特図変動パターンが選択され易い(図14参照)。従って、特図2の抽選がスピーディに実行される。また高確時短状態では、通常時短状態(電サポ制御状態)が、次回の大当たりへの当選まで続く(図11参照)。よって、特図2の抽選で、必ず大当たりへの当選が保証されていることになり、80%の振分率で特図2_大当たり図柄Aに当選し、20%の振分率で特図2_大当たり図柄Bに当選する。こうして、特図2_大当たり図柄Aに当選すれば、大当たり遊技後に高確時短状態に制御され、特図2_大当たり図柄Bに当選すれば、大当たり遊技後に低確微時短状態に制御される。
【0139】
以上、本形態では、高確時短状態>低確時短状態>通常遊技状態>低確微時短状態の順番に、遊技者に有利な遊技状態と言える。そして上述したように、通常遊技状態では特図1の抽選が実行されれば、すぐに20%の確率で次回の大当たりへの当選が保証されている低確時短状態に移行できる一方、微時短状態では特図1の抽選が実行されても、低確時短状態に移行できるわけではない。従って、左打ちを行う通常遊技状態と微時短状態とにおいて、低確微時短状態は、通常遊技状態よりも、遊技者に不利な遊技状態であると共に、遊技されている時間が長くなるように設定された遊技状態といえる。
【0140】
5.パチンコ遊技機と専用外部ユニットとの通信
次に、図16に基づいて、パチンコ遊技機PY1と専用外部ユニット200との通信について説明する。封入式パチンコである本パチンコ遊技機PY1では、図16に示すように、枠制御基板170が、当該パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている専用外部ユニット200と通信を行う。枠制御基板170は、専用外部ユニット200とシリアル通信を行うための専用PIF(パラレルインターフェース)回路179を備えている。また、専用外部ユニット200は、枠制御基板170とシリアル通信を行うための専用PIF回路209と、セキュリティを担うSC基板210と、コントロールユニット250と、を備えている。コントロールユニット250は、制御中枢としてのCPUと、CPUが動作するためのプログラムや制御データを記憶しているROMと、CPUのワークエリアとして機能するRAMと、を有している。
【0141】
なお、図16では、上述した専用外部ユニット200に設けられている紙幣挿入口201(図1参照)、データ表示器202、再プレイボタン203、球貸ボタン204、カード口205、カード返却ボタン206の図示が省略されている。コントロールユニット250では、紙幣挿入口201に紙幣が挿入されると、その紙幣に相当する金額の情報が入力される。またコントロールユニット250では、再プレイボタン203が押下操作されると、その押下操作に基づく検出信号が入力される。またコントロールユニット250では、球貸ボタン204が押下操作されると、その押下操作に基づく検出信号が入力される。またコントロールユニット250では、カード口205にカードが挿入されると、そのカードに記憶されている遊技球数、プリペイド残額を読み込むことができる。そして、コントロールユニット250は、データ表示器202にて、プリペイド残額、紙幣挿入口201に挿入された紙幣のうち残っている金額、その他の各種情報の表示制御を行う。またコントロールユニット250では、カード返却ボタン206が押下操作されると、保持している貯玉数の情報と、読み込んでいるプリペイド残額の情報とを、カード(ビジターカード又は会員カード)に記憶させることができる。そして、コントロールユニット250は、新たな遊技球数(貯玉数)が記憶されたカードをカード口205から返却する。
【0142】
また図16に示すように、遊技場YGには、HC(ホールコンピュータ)BOX220と、ホールコンピュータ230と、管理コンピュータ240と、が設けられている。HCBOX220は、パチンコ遊技機PY1からの情報を、シリアル信号からパラレル信号に変換してホールコンピュータ230に送信するものである。即ち、HCBOXは、パラレル信号を受信する既存のホールコンピュータ230と、シリアル信号を出力する専用外部ユニット200とをつなぐものである。管理コンピュータ240は、専用外部ユニット200と通信を行うと共に、遊技場YGの外部にある遊技機情報センター(図示省略)と通信を行うものである。
【0143】
図16に示すように、枠制御基板170と専用外部ユニット200とが、シリアル通信で情報を送受信(通信)する。具体的に、枠制御基板170と専用外部ユニット200のコントロールユニット250とが、専用PIF回路179、209及びSC基板210を介して、非同期シリアル通信(UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)通信)で、電文方式による通信を行っている。なお、専用PIF回路179、209同士は、専用PIFケーブル260によって接続されている。また、枠制御基板170と専用外部ユニット200のコントロールユニット250とが非同期シリアル通信で情報を通信(送受信)するときには、通信速度(通信レート)が31250bpsに設定されている(図49参照)。つまり、枠制御基板170と専用外部ユニット200のコントロールユニット250との間では、非同期シリアル通信によって常に31250bpsの通信速度で通信されるようになっている。
【0144】
次に、図17に基づいて、専用外部ユニット200から枠制御基板170へ送信する情報について説明する。図17に示すように、専用外部ユニット200から枠制御基板170へ送信する情報は、貸出しに係る情報の1種類だけである。枠制御基板170へ送信する貸出しに係る情報には、その内容として、遊技者に対して貸出しに係る貸出球数の情報が含まれている。そして、その貸出しに係る情報の送信タイミングは、球貸ボタン204(図1参照)又は再プレイボタン203(図1参照)が押下操作されたときである。以上により、遊技者が専用外部ユニット200の球貸ボタン204又は再プレイボタン203を押下操作すると、専用外部ユニット200(コントロールユニット250)が、貸出しに係る情報(貸出球数を単位とした電文)を、非同期シリアル通信で枠制御基板170に送信する。
【0145】
続いて、図18に基づいて、枠制御基板170から専用外部ユニット200へ送信する情報について説明する。図18に示すように、枠制御基板170から専用外部ユニット200へ送信する情報は、(1)貸出しに係る情報、(2)計数に係る情報、(3)遊技機情報の3種類がある。
【0146】
先ず、専用外部ユニット200へ送信する貸出しに係る情報には、その内容として、枠制御基板170が専用外部ユニット200から貸出しに係る情報を受領したことを示す情報(受領結果)が含まれる。そして、その貸出しに係る情報の送信タイミングは、専用外部ユニット200からの貸出しに係る情報を受領してから50m秒後である。以上により、遊技者が専用外部ユニット200の球貸ボタン204を押下操作すると、その50m秒後に、枠制御基板170が、貸出しに係る情報(貸出球数の受領結果を示す電文)を、非同期シリアル通信で専用外部ユニット200に送信する。
【0147】
専用外部ユニット200へ送信する計数に係る情報には、その内容として、計数処理に係る遊技球の数(計数球数)の情報が含まれる。なお計数処理は、上述したように、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数の一部(1球又は250球)又は全部をカードに記憶させる際に計数される処理である。そして、その計数に係る情報の送信タイミングは、枠制御基板170と専用外部ユニット200との間の通信周期である300m秒周期である。以上により、遊技者が計数ボタン43kを押下操作すると、枠制御基板170が、計数に係る情報(計数球数を単位とした電文)を、300m秒毎の通信周期により、非同期シリアル通信で専用外部ユニット200に送信する。
【0148】
図18に示すように、専用外部ユニット200へ送信する遊技機情報は、含まれている内容に応じて、3種類に分かれる。第1に、遊技機設置情報を内容として含む遊技機情報がある。遊技機設置情報は、ホールコンピュータ230(図16参照)等による機種管理のために、どの遊技機が設置されているのかを示す情報である。遊技機設置情報を内容として含む遊技機情報の送信タイミングは、電源投入時から60秒周期である。従って、枠制御基板170が、遊技機設置情報(どの遊技機が設置されているのかを示す情報)を、60秒間隔にて非同期シリアル通信で専用外部ユニット200に送信する。
【0149】
第2に、遊技機性能情報を内容として含む遊技機情報がある。遊技機性能情報は、遊技機がどのような性能を発揮しているのかを示すものである。具体的に、遊技機性能情報の一つとして、本パチンコ遊技機PY1での1分間獲得遊技球数がある。1分間獲得遊技球数(特定獲得球数)は、100球の遊技球が発射された際に遊技者が獲得した賞球数の合計のことである。なお、遊技機性能情報は、1分間獲得遊技球数に限られるものではなく、1分間以外の特定期間獲得遊技球数(特定獲得球数)であっても良く、適宜変更可能である。例えば、10分間獲得遊技球数として、1000球の遊技球が発射された際に遊技者が獲得した賞球数の合計を、遊技機性能情報の一つとしても良い。遊技機性能情報を内容として含む遊技機情報の送信タイミングは、電源投入時から180秒周期である。従って、枠制御基板170が、遊技機設置情報(1分間獲得遊技球数)を、180秒間隔にて非同期シリアル通信で専用外部ユニット200に送信する。
【0150】
第3に、ホールコン情報、不正監視情報を内容として含む遊技機情報がある。ホールコン情報は、ホールコンピュータ230(図16参照)が本パチンコ遊技機PY1の遊技状況を把握するための情報であり、不正監視情報は、コントロールユニット250が不正監視を行うための情報である。ホールコン情報、不正監視情報を内容として含む遊技機情報の送信タイミングは、電源投入時から300m秒周期である。従って、枠制御基板170が、ホールコン情報、不正監視情報を、300m秒間隔にて非同期シリアル通信で専用外部ユニット200に送信する。
【0151】
以上、本形態では、枠制御基板170と専用外部ユニット200とが、非同期シリアル通信ポートで接続されていて、共通の(同じ)非同期シリアル通信ポートで、貸出しに係る情報、計数に係る情報、遊技機情報が送信される。但し、専用外部ユニット200から枠制御基板170へ送信される情報は、貸出しに係る情報だけである(図17参照)。一方、枠制御基板170から専用外部ユニット200へ送信される情報は、貸出しに係る情報、計数に係る情報、遊技機情報である(図18参照)。こうして、枠制御基板170と専用外部ユニット200とが共通の非同期シリアル通信ポートで通信(送受信)を行っていても、専用外部ユニット200の方から送信される情報を限定する(少なくする)ことで、外部から本パチンコ遊技機PY1への不正アクセスを生じ難くすることが可能である。
【0152】
ところで、従来の非封入式パチンコでは、ホールコン情報(遊技状況を把握するための情報)、不正監視情報(不正監視を行うための情報)を、遊技機枠に設けられている外部端子板を介して、パラレル通信で外部に送信するようになっていた。つまり、大当たりを示す信号を送信するための配線、遊技状態を示す信号を送信するための配線、エラーや不正を示す信号を送信するための配線などを1本ずつ外部端子板に接続して、外部端子板から外部ユニットへホールコン情報、不正監視情報(不正監視を行うための情報)をパラレル通信で送信するようになっていた。
【0153】
これに対して本パチンコ遊技機PY1では、上述したように、非同期シリアル通信で(共通の(同じ)非同期シリアル通信ポートで)、貸出しに係る情報と計数に係る情報だけでなく、遊技機情報(特にホールコン情報、不正監視情報)も送信している。これは、以下の理由に基づく。新規に開発される封入式パチンコにおいて、外部に情報を送信する方法として、配線数の削減の観点により、シリアル通信が基本として考えられている。その上で、貸出しに係る情報及び計数に係る情報と、遊技機情報(特にホールコン情報、不正監視情報)とを、仮に別々の配線で外部に送信すると、非効率になる。特に、情報量が多いホールコン情報、不正監視情報をパラレル通信で外部に送信しようとすると、従来の非封入式パチンコのように、配線数が非常に多くなる。よって、配線数の削減及び効率性の観点により、貸出しに係る情報と計数に係る情報と遊技機情報を全て、共通の(同じ)非同期シリアル通信ポートで外部ユニット(専用外部ユニット200)に送信することにしている。
【0154】
次に、図19に基づいて、各メーカで定められているホールコン情報、不正監視情報の詳細について説明する。ホールコン情報、不正監視情報は、枠制御基板170から専用外部ユニット200へ、シリアル信号として送信される。ここで、各メーカでは、統一規格として、ホールコン情報、不正監視情報に含まれる情報を予め定める(割付ける)ようにしている。そこで、図19では、統一規格としてのホールコン情報、不正監視情報に含まれる情報(内容)が示されている。
【0155】
図19に示すように、ホールコン情報、不正監視情報は、主制御状態1を示すデータ、主制御状態2を示すデータ、遊技機エラー状態を示すデータ、不正検知状態を示すデータの4つのデータに分けられる。4つのデータは、それぞれ1バイト(「0」ビット目から「7」ビット目までの合計8ビット)で構成されている。
【0156】
主制御状態1を示すデータにおいて、「0」ビット目では、全ての大当たりを対象として、大当たりと判定されたか否かが示される。また「1」ビット目では、特定の大当たり(例えば大当たり遊技後に高確率状態に移行できる大当たり)と判定されたか否かが示される。また「2」ビット目では、大当たり遊技後に時短状態に移行できる大当たりと判定されたか否かが示される。また「3」ビット目から「7」ビット目までは、遊技機状態信号1~遊技機状態信号5までの情報をそれぞれ示すものとして使用される。なお、遊技技機状態信号1~遊技機状態信号5までの情報は、コントロールユニット250からHCBOX220を介してホールコンピュータ230に送信される。
【0157】
主制御状態2を示すデータにおいて、「0」ビット目では、大当たり遊技状態中であるか否かが示される。また「1」ビット目では、高確率状態中であるか否かが示される。また「2」ビット目では、時短状態中であるか否かが示される。また「3」ビット目では、未使用になっている。また「4」ビット目から「7」ビット目までは、遊技機状態信号6~遊技機状態信号9までの情報をそれぞれ示すものとして使用される。なお、遊技機状態信号6~遊技機状態信号9までの情報は、コントロールユニット250からHCBOX220を介してホールコンピュータ230に送信される。
【0158】
遊技機エラー状態を示すデータにおいて、「0」ビット目から「4」ビット目までは、本パチンコ遊技機PY1で生じているエラー内容の情報が含まれる。エラー内容としては、例えば、球詰まり、大入賞口14への異常入賞(大当たり遊技状態でないにも拘わらず、大入賞口14への入賞)、通常遊技状態での右打ちなどがある。また「5」ビット目では、未使用になっている。また「6」ビット目では、枠制御基板170又は遊技制御基板100のどちらでエラーが生じているのかが示される。具体的に、「6」ビット目が「0」であれば、枠制御基板170でエラーが生じていることが示され、「6」ビット目が「1」であれば、遊技制御基板100でエラーが生じていることが示される。また「7」ビット目では、エラー報知のみを行うか、又はエラー報知及びホールコンピュータ230への出力を行うかが示される。具体的に、「7」ビット目が「0」であれば、エラー報知のみを行うことが示され、7ビット目が「1」であれば、エラー報知及びホールコンピュータ230への出力を行うことが示される。なお、遊技機エラー状態を示すデータにおいて、「0」ビット目から「7」ビット目まで全て「0」の場合、エラーが未発生であることを示している。
【0159】
不正検知状態を示すデータにおいて、「0」ビット目から「5」ビット目までは、盤面不正信号1~盤面不正信号6までの情報をそれぞれ示すものとして使用される。つまり、「0」ビット目から「5」ビット目までは、遊技盤1のどの位置で不正が生じているかを示すものである。また「6」ビット目では、不使用になっている。また「7」ビット目では、不使用になっている。以上、主制御状態1を示すデータ、主制御状態2を示すデータ、遊技機エラー状態を示すデータ、不正検知状態を示すデータからなるホールコン情報、不正監視情報は、「遊技の進行に係る情報」ということができる。
【0160】
ところで、本パチンコ遊技機PY1では、図2に示すように、遊技機枠2(前扉23の下部23x)に、呼び出しスイッチ41kが設けられている。従って、呼び出しスイッチ41kが押下操作された場合に、遊技場の従業員を呼び寄せるために、呼び出しセンサ41a(図16参照)の検出に係る情報を、専用外部ユニット200を介してホールコンピュータ230に送信できることが好ましい。そのため、如何にして呼び出しセンサ41aの検出に係る情報を、専用外部ユニット200に送信するのかが問題となる。
【0161】
この場合、例えば、枠制御基板170と専用外部ユニット200とを接続する専用配線を設けて、呼び出しセンサ41aによる検出信号を受信した枠制御基板170が、その専用配線を介して、呼び出しセンサ41aの検出に係る情報を専用外部ユニット200に送信する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、専用配線を枠制御基板170に接続することで、枠制御基板170のハード的な構成の変更を強いることになり、効率的ではない。
【0162】
そこで、本形態では、統一規格として定められているホールコン情報、不正監視情報(図19参照)において、未使用のビットを利用して、呼び出しセンサ41aの検出に係る情報を含ませるようにしている。更に、図19に示すように、ホールコン情報、不正監視情報(図19参照)では、枠開放センサ2aの検出に係る情報が割付けられていない。そこで、枠開放センサ2aの検出に係る情報も、未使用のビットを利用して、ホールコン情報、不正監視情報に含ませるようにしている。
【0163】
具体的に、図20では、本形態のホールコン情報、不正監視情報に含まれる情報(内容)が示されている。図20に示すように、遊技機エラー状態を示すデータにおいて、「5」ビット目では、遊技機枠2が開放しているか否か(枠開放センサ2aが遊技機枠2の開放を検出しているか否か)を示すようにしている。つまり、「5」ビット目が「0」であれば、遊技機枠2が閉鎖していることが示され、「5」ビット目が「1」であれば、遊技機枠2が開放していることが示される。
【0164】
また図20に示すように、不正検知状態を示すデータにおいて、「7」ビット目では、呼び出しスイッチ41kが押下操作されたか否か(呼び出しセンサ41aが呼び出しスイッチ41kの押下操作を検出したか否か)を示すようにしている。つまり、「7」ビット目が「0」であれば、呼び出しスイッチ41kが押下操作されていないことが示され、「7」ビット目が「1」であれば、呼び出しスイッチ41kが押下操作されたことが示される。
【0165】
以上により、本パチンコ遊技機PY1では、統一規格として定められているホールコン情報、不正監視情報にも拘わらず(図19参照)、未使用のビットを利用して、呼び出しセンサ41aの検出に係る情報(以下「呼び出し情報」と適宜呼ぶ)、及び枠開放センサ2aの検出に係る情報(以下「枠開放情報」と適宜呼ぶ)を割り当てている(図20参照)。これにより、枠制御基板170が、専用外部ユニット200に対して、300m秒の周期でホールコン情報、不正監視情報を内容として含む遊技機情報を、非同期シリアル通信で送信する際に(図18参照)、呼び出し情報、及び枠開放情報も併せて送信することが可能である。その結果、呼び出し情報を送信するための専用配線、及び枠開放情報を送信するための専用配線を、それぞれ枠制御基板170に接続する必要がない。こうして、枠制御基板170に対してハード的な変更を行うことなく、呼び出し情報、及び枠開放情報を、専用外部ユニット200に送信することが可能である。
【0166】
6.遊技球数表示器での表示
次に、遊技球数表示器180での表示について説明する。遊技球数表示器180(表示手段)は、図1に示すように、前扉23の下部23xの中央前面に、7セグメント表示器として設けられていて、遊技者に対して現時点で使用可能な遊技球数(持ち球数)を把握させるものである。この遊技球数表示器180で行われる遊技球数の表示が、遊技に係る遊技表示である。ところで、7セグメント表示器では、一般的に、フルカラーになることはなく、主に赤色で数字又はローマ字を表示するだけになっている。従って、遊技球数表示器180において、仮に赤色で遊技球数を表示するだけでは、興趣性に欠けると共に、遊技球数の表示としての見栄えが平凡である。
【0167】
そこで本形態では、遊技球数表示器180が、フルカラーで遊技球数を表示できるように構成されている。具体的には、図21に示すように、枠制御用マイコン171によって駆動が制御される発光ドライバDRVが設けられている。発光ドライバDRVは、遊技球数表示器180の6つの発光領域181~186での発光を、フルカラーになるように制御するものである。以下では、図21に基づいて、発光ドライバDRVと遊技球数表示器180の第1発光領域181との接続を、代表して説明する。
【0168】
図21に示すように、発光ドライバDRVは、第1発光領域181に対応して、第1入力端子IN1から第24入力端子IN24までの入力端子IN1~IN24を備えている。各入力端子IN1~IN24は、カソード端子であり、各入力端子IN1~IN24の出力レベル(「H」レベル又は「L」レベル)は、枠制御用マイコン171によって切替えられる。
【0169】
また、遊技球数表示器180の第1発光領域181では、第1発光部LA1が、赤色発光ダイオードRE1と、緑色発光ダイオードGR1と、青色発光ダイオードBL1と、で構成されている。各発光ダイオードRE1、GR1、BL1は、アノードコモンとなる5Vの電源電圧Vcに接続されている。また各発光ダイオードRE1、GR1、BL1は、それぞれ抵抗を介して、第1入力端子IN1、第2入力端子IN2、第3入力端子IN3に接続されている。
【0170】
以下同様に、第2発光部LA2が、赤色発光ダイオードRE2と、緑色発光ダイオードGR2と、青色発光ダイオードBL2と、で構成されている。各発光ダイオードRE2、GR2、BL2は、アノードコモンとなる5Vの電源電圧Vcに接続されている。また各発光ダイオードRE2、GR2、BL2は、それぞれ抵抗を介して、第4入力端子IN4、第5入力端子IN5、第6入力端子IN6に接続されている。第3発光部LA3~第8発光部LA8については、図21に示す通りであるため、説明を省略する。また、第1発光領域181と発光ドライバDRVとの接続については、図21に示す通りであるが、第2発光領域182~第6発光領域186と発光ドライバDRVとの接続についても同様であるため、説明を省略する。
【0171】
次に、遊技球数表示器180をフルカラーで表示する方法について説明する。例えば、第1発光領域181の第1発光部LA1だけを白色で発光させて、残りの発光部LA2~LA8を消灯させる場合には、枠制御用マイコン171が、第1入力端子IN1と第2入力端子IN2と第3入力端子IN3の各出力レベルが「L」レベルになるように制御する一方、残りの入力端子IN4~IN24の各出力レベルが「H」レベルになるように制御する。これにより、第1発光部LA1では、赤色発光ダイオードRE1と緑色発光ダイオードGR1と青色発光ダイオードBL1とが発光する。その結果、赤色の発光と緑色の発光と青色の発光とが混ざり合って、第1発光部LA1が白色で発光しているように見える。
【0172】
また例えば、第1発光領域181の第2発光部LA2だけを青色で発光させて、残りの発光部LA1、LA3~LA8を消灯させる場合には、枠制御用マイコン171が、第6入力端子IN6の出力レベルが「L」レベルになるように制御する一方、残りの入力端子IN1~IN5、IN7~IN24の各出力レベルが「H」レベルになるように制御する。これにより、第2発光部LA2では、青色発光ダイオードBL2だけが発光する。その結果、第2発光部LA2が青色で発光しているように見える。
【0173】
また例えば、第1発光領域181の第3発光部LA3だけを赤色で発光させて、残りの発光部LA1、LA2、LA4~LA8を消灯させる場合には、枠制御用マイコン171が、第7入力端子IN7の出力レベルが「L」レベルになるように制御する一方、残りの入力端子IN1~IN6、IN8~IN24の各出力レベルが「H」レベルになるように制御する。これにより、第3発光部LA3では、赤色発光ダイオードRE3だけが発光する。その結果、第3発光部LA3が赤色で発光しているように見える。
【0174】
また例えば、第1発光領域181の第4発光部LA4だけを虹色で発光させて、残りの発光部LA1~LA3、LA5~LA8を消灯させる場合には、枠制御用マイコン171が、先ず第10入力端子IN10の出力レベルが「L」レベルになるように制御する一方、残りの入力端子IN1~IN9、IN11~IN24の各出力レベルが「H」レベルになるように制御する。そして、極短時間が経過すると、枠制御用マイコン171が、第11入力端子IN11の出力レベルが「L」レベルになるように制御する一方、残りの入力端子IN1~IN10、IN12~IN24の各出力レベルが「H」レベルになるように制御する。そして、極短時間が経過すると、枠制御用マイコン171が、第12入力端子IN12の出力レベルが「L」レベルになるように制御する一方、残りの入力端子IN1~IN11、IN13~IN24の各出力レベルが「H」レベルになるように制御する。以後同様に、第10入力端子IN10の出力レベルが「L」レベル⇒第11入力端子IN11の出力レベルが「L」レベル⇒、第12入力端子IN12の出力レベルが「L」レベルを、極短時間毎に繰り返す。これにより、第4発光部LA4では、赤色発光ダイオードRE4の発光⇒緑色発光ダイオードの発光GR4⇒青色発光ダイオードBL4の発光が極短時間毎に切替えられて、色相(色の種類)が変化するように発光する。その結果、第4発光部LA4が虹色で発光しているように見せることができる。
【0175】
以上説明したように、枠制御用マイコン171が、各入力端子IN1~IN24の出力レベルを適宜切替えることで、第1発光領域181をフルカラーで発光させることができ、同様に、第2発光領域182~第6発光領域186もフルカラーで発光させることができる。
【0176】
ここで本形態では、遊技状態に応じて、遊技球数表示器180で表示される遊技球数の表示色を変化させるようにしている。図22では、遊技状態と遊技球数表示器180の表示色との関係が示されている。図22に示すように、枠制御用マイコン171は、通常遊技状態であるとき、遊技球数表示器180で表示される遊技球数の表示色を、青色にする。また枠制御用マイコン171は、低確微時短状態であるとき、遊技球数表示器180で表示される遊技球数の表示色を、デフォルトとして白色にする。また枠制御用マイコン171は、低確時短状態であるとき、遊技球数表示器180で表示される遊技球数の表示色を、緑色にする。また枠制御用マイコン171は、高確時短状態であるとき、遊技球数表示器180で表示される遊技球数の表示色を、赤色にする。また枠制御用マイコン171は、大当たり遊技状態であるとき、遊技球数表示器180で表示される遊技球数の表示色を、虹色にする。
【0177】
ところで、従来から遊技機では、白色などのデフォルトの色は、大当たりへの当選期待度が極めて低いことを示唆するために使われる。また青色は、大当たりへの当選期待度が低いことを示唆するために使われる。また赤色は、大当たりへの当選期待度が高いことを示唆するために使われる。また虹色は、大当たりへの当選が確定していることを示唆するために使われる。こうして、遊技者は、白色⇒青色⇒緑色⇒赤色⇒虹色の順番に、有利な状況(状態)であることを把握するようになっている。
【0178】
これに対して、本パチンコ遊技機PY1では、低確微時短状態⇒通常遊技状態⇒低確時短状態⇒高確時短状態⇒大当たり遊技状態の順番に、遊技者にとって有利な遊技状態になる。そのため、図22に示すように、有利度合いが異なる遊技状態と、遊技球数表示器180の表示色とをリンクさせることで、遊技者には、遊技球数表示器180での遊技球数を把握させつつ、どの遊技状態に制御されているのかを容易に把握させることが可能である。特に、虹色は、従来から大当たりへの当選が確定していることを示唆するために使われる色であるため、遊技球数表示器180で虹色が表示されると、遊技者は最も良い大当たり遊技状態に制御されている(大当たり遊技の実行中)という関係を容易に把握することが可能である。
【0179】
続いて、図23に基づいて、遊技状態が変化した場合の遊技球数表示器180での表示色の推移の一例を説明する。前提条件として、低確微時短状態に制御されていて、現時点で遊技者が使用可能な遊技球数が「2000」球であることとする。この場合、図23に示すように、遊技球数表示器180では、白色で「2000」が表示される。このとき、遊技者は、遊技球数表示器180を見ることで、遊技球数が2000球であることを把握しつつ、低確微時短状態であることを認識することができる。
【0180】
そして、遊技者は特図1の抽選で10R確変大当たり1(図11参照)に当選したこととする。この場合、10R確変大当たり1への当選に基づく大当たり遊技が開始されると、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数の表示色が白色から虹色に切替わる。こうして、遊技者には、遊技球数表示器180の表示色が虹色になっていることを見せることで、有利な大当たり遊技状態であることを強く意識させることが可能である。その後、大当たり遊技の実行により、遊技球が大入賞口14に入賞する度に、遊技球数表示器180で表示される遊技球数が増加していく。このとき遊技者には、遊技球数表示器180において、増加していく遊技球数と共に、虹色を見せることで、大きな高揚感を与えることが可能である。そして、10Rのラウンド遊技が終了する時点では、遊技者が約1500球の賞球を獲得するため、図23に示すように、遊技球数表示器180では、虹色で「3500」が表示される。
【0181】
続いて、大当たり遊技が終了すると、高確時短状態に制御される。これにより、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数の表示色が虹色から赤色に切替わる。こうして、遊技者には、遊技球数表示器180の表示色が赤色になっていることを見せることで、大当たり遊技状態よりは有利でないものの、未だ十分に有利な高確時短状態であることを強く意識させることが可能である。そして、高確時短状態では、高ベース状態であるため、遊技者の持ち球数(遊技球数)がほとんど減らない。従って、図23に示すように、遊技球数表示器180では、赤色で「3450」が表示されている。こうして、遊技球数表示器180で赤色が表示されているときには、高確時短状態でありつつ、遊技球数がほとんど減らないため、未だ十分に有利な状況であるという印象を遊技者に抱かせることが可能である。
【0182】
そして、遊技者は特図2の抽選で6R通常大当たり2(図11参照)に当選したこととする。この場合、6R通常大当たり2の当選に基づく大当たり遊技が開始されると、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数の表示色が赤色から虹色に切替わる。これにより、遊技者には、再び大当たり遊技状態に制御されることによる高揚感を与えることが可能である。その後、6Rのラウンド遊技が終了する時点では、遊技者が約900球の賞球を獲得するため、図23に示すように、遊技球数表示器180では、虹色で「4350」が表示される。
【0183】
続いて、大当たり遊技が終了すると、低確微時短状態に制御される。これにより、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数の表示色が虹色から白色に切替わる。こうして、遊技者には、遊技球数表示器180の表示色が白色になっていることを見せることで、低確微時短状態に制御されてしまい、所謂ラッシュ状態が終了してしまったことを意識させることが可能である。
【0184】
以上、遊技者にとって有利度合いが異なる遊技状態に応じて、遊技球数表示器180で表示される遊技球数の表示色が変化する。これにより、遊技球数表示器180を用いた斬新な興趣性を提供することが可能である。特に遊技者は、遊技中に頻繁に遊技球数表示器180を見るため、遊技球数を把握しつつ、どの遊技状態に制御されているかも併せて認識することが可能である。従って、有利な大当たり遊技状態や高確時短状態に制御されているときには、遊技球数表示器180において、遊技球数と共に虹色又は赤色を見せることで、大きな高揚感を与えることが可能である。そして図23に示すように、遊技球数表示器180では、遊技球数が白色⇒虹色⇒赤色⇒虹色⇒白色というように、表示色がカラフルに変化するため、遊技球数の表示の見栄えを高めることが可能である。
【0185】
7.枠基板表示器での表示
次に、枠基板表示器300での表示について説明する。枠基板表示器300(特定表示器)は、図7に示すように、枠制御基板170上に配置されていて、3つの表示項目が順番に切替わって表示されるようになっている。3つの表示項目(複数種類の表示項目)とは、図24に示すように、遊技球数表示(球数表示項目)と、ベース表示(性能表示項目)と、エラー表示(異常表示項目)と、である。枠基板表示器300での遊技球数表示は、現時点で使用可能な遊技球数(持ち球数)を示すものであり、上述したように、遊技球数表示器180で表示される遊技球数(図1参照)と同じ値が、枠基板表示器300でも表示されることになる。なお本形態の枠基板表示器300では、上述した遊技球数表示器180のように、数字又は文字がフルカラーで表示されることはなく、単色(赤色)で表示されるようになっている。
【0186】
次に、図24に示すベース表示について、図25に基づいて説明する。従来から、ベース表示では、通常遊技状態で遊技者が獲得した総賞球数(通常総賞球数)と、通常遊技状態で遊技者により発射された発射球数(通常発射球数)との割合である通常ベースが表示されるようになっている。しかしながら本パチンコ遊技機PY1において、通常ベースを表示すると以下の問題点がある。
【0187】
本形態では、図15に示すように、左打ちを行う遊技状態として、通常遊技状態の他に、低確微時短状態がある。上述したように、低確微時短状態では、約1/320の確率で大当たりへの当選を狙うことになり、遊技されている時間が長い。その一方で、通常遊技状態では、特図1の抽選が1回実行されれば、特殊ハズレによって必ず低確時短状態又は低確微時短状態に移行するため、遊技されている時間が非常に短い。
【0188】
ここで、遊技者が長時間遊技を行っても、通常遊技状態で遊技されている時間が短い以上、通常ベースを求めるための通常総賞球数の値は非常に小さく、通常ベースを求めるための通常発射球数の値も非常に小さい。従って、通常ベースは、十分大きな値である総賞球数と、十分大きな値である総発射球数との割合の値にならず、遊技の状況に応じてバラツキが非常に大きな値になる。よって、遊技されている時間が非常に短い通常遊技状態に基づいて算出された通常ベースでは、本パチンコ遊技機PY1が正常であるかを判断するための値として相応しくない。
【0189】
そこで本形態では、ベース表示として、通常ベースを表示するわけではなく、左打ちベースを表示するようにしている。左打ちベースは、左打ちを行う遊技状態で遊技者が獲得した総賞球数(左打ち総賞球数)と、左打ちを行う遊技状態で遊技者により発射された発射球数(左打ち発射球数)との割合である。言い換えると、通常総賞球数と微時短状態で遊技者が獲得した総賞球数(微時短総賞球数)との加算値と、通常発射球数と微時短状態で遊技者により発射された発射球数(微時短発射球数)との加算値との割合である。より詳細には、左打ち総賞球数(通常総賞球数と微時短総賞球数との加算値)を、左打ち発射球数(通常発射球数と通常総賞球数との加算値)で除算して、100倍することで、百分率としての左打ちベースが演算される。
【0190】
こうして、左打ちベースであれば、低確微時短状態が遊技されている時間が長い遊技状態であるため、十分大きな値である総賞球数と、十分大きな値である総発射球数との割合の値になる。よって、左打ちベースは、遊技の状況に応じてバラツキが非常に大きな値にならず、本パチンコ遊技機PY1が正常であるかを判断するための値として相応しいものになる。
【0191】
本パチンコ遊技機PY1では、左打ちベースのみが演算されて、枠基板表示器300の右2桁(第5点灯領域305と第6点灯領域306(図8参照))では、左打ちベースのみが表示される。即ち、低確時短状態でのベース、高確時短状態でのベース、大当たり遊技状態でのベースが演算されることはなく、枠基板表示器300では、低確時短状態でのベース、高確時短状態でのベース、大当たり遊技状態でのベースが表示されることはない。ここで、左打ちベースは、遊技制御用マイコン101が演算するようになっていて、演算された左打ちベースの情報は、逐次、遊技制御基板100から枠制御基板170に送信される。これにより、枠制御用マイコン171は、受信した左打ちベースの情報に基づいて、枠基板表示器300にて、左打ちベースを表示するようになっている。そして、枠制御用マイコン171は、図25に示すように、枠基板表示器300の右2桁(第5点灯領域305と第6点灯領域306(図8参照))にて、左打ちベースの値を2桁で表示する。
【0192】
ここで、遊技制御用マイコン101は、電源投入されてから、左打ち総賞球数(微時短総賞球数、通常総賞球数)と、左打ち発射球数(微時短発射球数、微時短発射球数)と、総発射球数と、を常にカウントするようになっている。総発射球数とは、微時短状態と通常遊技状態と低確時短状態と高確時短状態と大当たり遊技状態とを含めた全ての遊技状態において、遊技者により発射された発射球数のことである。カウントされた左打ち総賞球数の情報と左打ち発射球数の情報と総発射球数の情報は、遊技用RAM104(図9参照)に記憶される。但し、電源投入時にRAMクリアスイッチ191が押下操作されても、左打ち総賞球数の情報と左打ち発射球数の情報と総発射球数の情報とが消去されないようになっている。そのため、左打ち総賞球数と左打ち発射球数との割合である左打ちベースは、電源の遮断やRAMクリアの影響を受けることなく、演算されることになる。そして、総発射球数の情報も、電源の遮断やRAMクリアの影響を受けることなく、カウントされることになる。また、遊技制御用マイコン101によってカウントされた左打ち総賞球数の情報と左打ち発射球数の情報と総発射球数の情報は、逐次、遊技制御基板100から枠制御基板170に送信される。
【0193】
遊技制御用マイコン101は、遊技状態(微時短状態、通常遊技状態、低確時短状態、高確時短状態、大当たり遊技状態)に拘わらず、左打ちベースの値を、枠基板表示器300の右2桁(第5点灯領域305と第6点灯領域306(図8参照))で表示する。ここで、左打ちベースは、総発射球数が60000発毎に区切って演算される。つまり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000発になるまでに演算された左打ちベースは、最初の左打ちベースとなる。その後、総発射球数が60001発を超えると、最初の左打ちベースだった値は、1回前の左打ちベースとして記憶される。そして、総発射球数が60001発から120000発になるまでに演算された左打ちベースは、現在の左打ちベースとなる。その後、総発射球数が120001発を超えると、1回前の左打ちベースだった値は2回前の左打ちベースとして記憶され、現在の左打ちベースだった値が1回前の左打ちベースとして記憶される。そして、総発射球数が120001発から180000発になるまでに演算された左打ちベースは、現在の左打ちベースとなる。
【0194】
その後、総発射球数が180001発を超えると、2回前の左打ちベースだった値が3回前の左打ちベースとして記憶され、1回前の左打ちベースだった値が2回前の左打ちベースとして記憶され、現在の左打ちベースだった値が1回前の左打ちベースとして記憶される。そして、総発射球数が180001発から240000発になるまでに演算された左打ちベースは、現在の左打ちベースとなる。その後、総発射球数が240001発を超えると、3回前の左打ちベースだった値は消去され、2回前の左打ちベースだった値が3回前の左打ちベースとして記憶され、1回前の左打ちベースだった値が2回前の左打ちベースとして記憶され、現在の左打ちベースだった値が1回前の左打ちベースとして記憶される。そして、総発射球数が240001発から300000発になるまでに演算された左打ちベースは、現在の左打ちベースとなる。以後同様に、総発射球数が60000発毎に左打ちベースが演算されて、3回前の左打ちベースの値までが記憶される。
【0195】
こうして、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104にて、現在の通常ベース、1回前の通常ベース、2回前の通常ベース、3回前の通常ベースを最大で記憶させておくことができる。この場合、遊技制御用マイコン101は、枠基板表示器300でベースを表示するときには、現在の通常ベース⇒1回前の通常ベース⇒2回前の通常ベース、⇒3回前の通常ベース⇒現在の通常ベースを5秒間毎に切替えて表示するようになっている。
【0196】
具体的に、枠基板表示器300では、中2桁(第3表示領域330と第4表示領域340(図8参照))で「bL」が示されるときに、右2桁(第5表示領域350と第6表示領域360)で現在の左打ちベースが表示される。そのため、中2桁で「bL」を見た人は、右2桁で示されている値(左打ちベース)が、現在の左打ちベースであることを把握することができる。
【0197】
そして、現在の左打ちベースの表示が終了した後、枠基板表示器300では、中2桁で「b1」が示されると共に、右2桁で1回前の通常ベースが表示される。そのため、中2桁で「b1」を見た人は、右2桁で示されている値(左打ちベース)が、1回前の左打ちベースであることを把握することができる。
【0198】
そして、1回前の左打ちベースの表示が終了した後、枠基板表示器300では、中2桁で「b2」が示されると共に、右2桁で2回前の左打ちベースが表示される。そのため、中2桁で「b2」を見た人は、右2桁で示されている値(左打ちベース)が、2回前の左打ちベースであることを把握することができる。
【0199】
そして、2回前の左打ちベースの表示が終了した後、枠基板表示器300では、中2桁で「b3」が示されると共に、右2桁で3回前の左打ちベースが表示される。そのため、中2桁で「b3」を見た人は、右2桁で示されている値(左打ちベース)が、3回前の左打ちベースであることを把握することができる。
【0200】
そして、3回前の左打ちベースの表示が終了した後、枠基板表示器300では、上述したように、中2桁で「bL」が示されると共に、右2桁で現在の左打ちベースが表示されて、以後同様に繰返される。
【0201】
また枠基板表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が300球以下であると、右2桁に「--」が表示される。つまり、総発射球数が300球以下では、左打ちベースの値が表示されず、総発射球数が300球を超えてから、左打ちベースの値が表示される。こうして、総発射球数が300球以下である場合には、左打ちベースの分母の値(左打ち発射球数)が小さ過ぎることで、信頼性の低い左打ちベースの値を表示することを回避している。なお、総発射球数が300球以下であっても、枠基板表示器300の中2桁では、「bL」⇒「b1」⇒「b2」⇒「b3」の表示が5秒間毎に繰り返される。
【0202】
また枠基板表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから左打ち発射球数が6000球以下であると、中2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点滅態様になる。その後、工場出荷後に電源が初めて投入されてから左打ち発射球数が6000球を超えると、中2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点灯態様になる。こうして、枠基板表示器300で左打ちベースを確認する人に対して、中2桁で点滅態様を見せた場合には、右2桁で示されている左打ちベースの値が未だ十分に収束していない値であることを把握させることが可能である。言い換えると、左打ちベースを確認する人に対して、中2桁で点灯態様を見せた場合には、右2桁で示されている左打ちベースの値がある程度収束している値であることを把握させることが可能である。
【0203】
本形態では、上述したように、遊技制御用マイコン101(遊技制御基板100)が、左打ち総賞球数と左打ち発射球数とに基づいて、左打ちベースを演算して、左打ちベースの情報を枠制御基板170に送信している。そして、枠制御基板170の枠制御用マイコン171は、受信した左打ちベースの情報に基づいて、枠基板表示器300にて左打ちベースを表示している。こうして、従来において通常ベースを演算していた遊技制御用マイコンにとっては、ベースを演算する制御プラグラムが変わる。その一方で、枠制御用マイコン171にとっては、左打ちベースを演算しているわけではないため、制御プラグラムが変わるわけではない。
【0204】
ここで、新たなパチンコ遊技機PY1を構成する場合に、従来のパチンコ遊技機に対して、遊技機枠2を交換しないで、遊技盤1のみを交換する場合がある。この場合、仮に、枠制御用マイコン171が左打ちベースを演算する構成の場合、遊技盤1を交換するだけでなく、左打ちベースを演算可能な枠制御用マイコン171を実装した枠制御基板170も交換する必要がある。これに対して、本形態では、左打ちベースを演算可能な遊技制御用マイコン101を実装した遊技制御基板100が生産されて、この遊技制御基板100を組み込んだ遊技盤1が交換されることになる。そのため、遊技機枠2に設けられた枠制御基板170を交換する必要がない。従って、新たなパチンコ遊技機PY1を構成する場合に、遊技盤1の交換だけで対処することが可能である。
【0205】
なお本形態では、遊技制御用マイコン101が、総発射球数に基づいて、枠基板表示器300の右2桁にて「--」を表示する又は左打ちベースを表示するかを判断している。従って、枠制御用マイコン171は、遊技制御用マイコン101からの指示に基づいて、枠基板表示器300の右2桁にて「--」を表示する又は左打ちベースを表示するようになっている。また遊技制御用マイコン101は、総発射球数と切替えタイミングとに基づいて、枠基板表示器300の中2桁と右2桁にて、「bL+現在の左打ちベース」、「b1+1回前の左打ちベース」、「b2+2回前の左打ちベース」、「b3+3回前の左打ちベース」の何れを表示するかを判断している。従って、枠制御用マイコン171は、遊技制御用マイコン101からの指示に基づいて、枠基板表示器300の中2桁と右2桁にて、「bL+現在の左打ちベース」⇒「b1+1回前の左打ちベース」⇒「b2+2回前の左打ちベース」⇒「b3+3回前の左打ちベース」を表示するようになっている。また遊技制御用マイコン101が、左打ち発射球数に基づいて、枠基板表示器300の中2桁にて、識別子(bL、b1、b2、b3)の点灯態様又は点滅態様の何れを表示するかを判断している。従って、枠制御用マイコン171は、遊技制御用マイコン101からの指示に基づいて、枠基板表示器300の中2桁にて、識別子(bL、b1、b2、b3)を点灯態様又は点滅態様で表示する。ここで、1回前ベース、2回前ベース、3回前ベースが集計されていない場合、枠基板表示器300の中2桁の識別子(bL、b1、b2、b3)が点滅態様で表示されることになるが、この識別子の点滅態様も、枠制御用マイコン171が遊技制御用マイコン101の指示に基づいて、行うようになっている。
【0206】
次に、図24に示すエラー表示について、図26に基づいて説明する。エラー表示は、枠基板表示器300にて、4桁のエラーコードを示すことである。エラーコードは、エラー内容を表すコードであり、図26に示すエラーコード表が、枠制御用マイコン171の枠用ROM173に予め記憶されている。そして、枠制御用マイコン171は、枠制御基板170に接続されている各センサの検出信号(枠開放センサ2aによる検出信号、電波センサ18aによる検出信号、呼び出しセンサ41aによる検出信号)及び遊技制御基板100から送信される各センサの検出信号の情報(磁気センサ28aによる検出信号の情報)と、図26に示すエラーコード表とに基づいて、エラーコードが有るか否かを判断する。そして、枠制御用マイコン171は、エラーコードが有る場合には、エラー表示として、枠基板表示器300の中2桁と右2桁(第3点灯領域303~第6点灯領域306)にて、4桁のエラーコードを表示する。
【0207】
例えば、遊技機枠2が開放したことにより、枠開放センサ2aが遊技機枠2の開放を検出したこととする。この場合、枠開放センサ2aによる検出信号が、枠制御基板170に送信される。これにより、枠制御用マイコン171は、枠開放センサ2aによる検出信号と、図26に示すエラーコード表とに基づいて、エラーコード「E001」を求める。その結果、枠制御用マイコン171は、エラー表示を行う場合に、枠基板表示器300にて、「E001」を表示する(図24参照)。なお同様に、電波センサ18aによる検出がある場合には、枠基板表示器300にて、エラーコード「E002」が表示され、呼び出しセンサ41aによる検出がある場合には、枠基板表示器300にて、エラーコード「E004」が表示されることになる。
【0208】
また例えば、磁気センサ28aの近傍で不正な磁気が検出されたことする。この場合、磁気センサ28aによる検出信号が、遊技制御基板100に送信される。そして、遊技制御用マイコン101は、受信した磁気センサ28aによる検出信号の情報を、枠制御基板170に送信する。これにより、枠制御用マイコン171は、磁気センサ28aによる検出信号の情報と、図26に示すエラーコード表とに基づいて、エラーコード「E003」を求める。その結果、枠制御用マイコン171は、エラー表示を行う場合に、枠基板表示器300にて、「E003」を表示する。
【0209】
ところで、枠基板表示器300では、図24に示すように、遊技球数表示と、ベース表示と、エラー表示という3つの表示項目が、順番に切替わって表示されるようになっている。そして、各表示項目は、それぞれ5000m秒(5秒)だけ表示されるようになっている。なお、ベース表示においては、図25で説明したように、表示順番がある。従って、例えば、遊技球数表示の後に、ベース表示として、総発射球数が60000球に到達する前で現在計測中の左打ちベースの値が5000m秒だけ表示されたこととする。この場合、その後、5000m秒のエラー表示と、5000m秒の遊技球数表示とを経て、次のベース表示では、1回前の左打ちベースの値が5000m秒だけ表示されることになる。続いて、5000m秒のエラー表示と、5000m秒の遊技球数表示とを経て、次のベース表示では、2回前の左打ちベースの値が5000m秒だけ表示されることになる。続いて、5000m秒のエラー表示と、5000m秒の遊技球数表示とを経て、次のベース表示では、3回前の左打ちベースの値が5000m秒だけ表示されることになり、以後同様に繰返される。
【0210】
ここで、図24に示すように、枠基板表示器300において、仮に、遊技球数表示を5000m秒だけ行った後、すぐに(瞬間的に)、ベース表示に切替える。そして、ベース表示を5000m秒だけ行った後に、すぐに(瞬間的に)、エラー表示に切替える。そして、エラー表示を5000秒だけ行った後に、すぐに(瞬間的に)、遊技球数表示に切替えて、以後繰り返す。このような切替方法の場合、一の表示項目(例えば遊技球数表示)から、他の表示項目(例えばベース表示)への切替えが分かり難いという問題点がある。
【0211】
即ち、枠基板表示器300を見ている人にとって、例えば遊技球数表示からベース表示へ瞬間的に切替わると、切替わった直後のベース表示が何を示しているのかが分かり難い。特に、遊技球数表示では、5000m秒の間、常に同じ遊技球数の値が表示されているとは限らず、ベース表示でも、5000m秒の間、常に同じ左打ちベースの値が表示されているとは限らない。従って、遊技球数表示からベース表示へ瞬間的に切替わった直後、枠基板表示器300を見ている人にとっては、単に遊技球数の値が変わっただけと感じて、ベース表示に切替わったことを明確に認識できないおそれがある。同様に、ベース表示からエラー表示へ瞬間的に切替わった直後、枠基板表示器300を見ている人にとっては、単に左打ちベースの値が変わっただけと感じて、エラー表示に切替わったことを明確に認識できないおそれがある。
【0212】
そこで本形態では、上記問題点に対処すべく、図27に示すように、枠基板表示器300において、一の表示項目から他の表示項目に切替わる際に、500m秒だけ、消灯態様にする。消灯態様とは、枠基板表示器300の点灯領域301~306の全ての点灯部LB1~LB48(図8参照)が消灯している態様のことである。こうして、枠制御用マイコン171は、枠基板表示器300にて、5000m秒だけ遊技球数表示を行った後、500m秒という短時間だけ、消灯態様にする。その後、枠制御用マイコン171は、ベース表示を開始して、5000m秒だけベース表示を行った後、500m秒という短時間だけ、消灯態様にする。その後、枠制御用マイコン171は、エラー表示を開始して、5000m秒だけエラー表示を行った後、500m秒という短時間だけ、消灯態様にする。その後、枠制御用マイコン171は、遊技球数表示を開始して、以後同様に繰返す。
【0213】
こうして、枠基板表示器300において、一の表示項目から他の表示項目に切替わる際に、500m秒だけ消灯態様が挟み込まれることで、表示項目の切替えを分かり易くすることが可能である。即ち、枠基板表示器300を見ている人にとって、例えば遊技球数表示が5000m秒だけ行われた後、ベース表示が開始される前に、消灯態様が見える。この消灯態様によって、遊技球数表示が終わったことを認識させて、新たに表示された値が、左打ちベースの値であることを把握させ易くすることが可能である。
【0214】
特に、遊技球数表示において、5000m秒の間、遊技球数の値が変わっても、ベース表示に切替わる際には、500m秒だけ消灯態様になる。従って、枠基板表示器300を見ている人にとっては、遊技球数の値が変わるときと、ベース表示に切替わるときとの違いを明確に認識することが可能である。同様に、ベース表示において、5000m秒の間、左打ちベースの値が変わっても、エラー表示に切替わる際には、500m秒だけ消灯態様になる。従って、枠基板表示器300を見ている人にとっては、左打ちベースの値が変わるときと、エラー表示に切替わるときとの違いを明確に認識することが可能である。
【0215】
ここで、枠基板表示器300において、消灯態様になる時間(500m秒)について説明する。消灯態様になる時間は長いほど、表示項目の切替えがより分かり易くなるという利点がある。その一方で、消灯態様になる時間が長いほど、本来示すべき表示項目に対する表示時間が相対的に減ってしまうという欠点がある。そこで本形態では、上記利点と欠点とのバランスを考え、遊技球数表示を5000m秒だけ行った後、その5000m秒に対する10分の1である500mだけ、消灯態様にしている。以下同様に、ベース表示を5000m秒だけ行った後、その5000m秒に対する10分の1である500mだけ、消灯態様にしている。また、エラー表示を5000m秒だけ行った後、その5000m秒に対する10分の1である500mだけ、消灯態様にしている。こうして、遊技球数表示、ベース表示、エラー表示という本来示すべき表示項目に対する表示時間を相対的に大きく減らすことなく、表示項目の切替えを分かり易くすることが可能である。
【0216】
また本形態では、枠制御用マイコン171は、エラーコードが有る場合と、エラーコードが無い場合とで、枠基板表示器300で表示する表示項目の数を変えるようになっている。即ち、枠制御用マイコン171は、上述したように、枠制御基板170に接続されている各センサの検出信号及び遊技制御基板100から送信される各センサの検出信号の情報と、図26に示すエラーコード表とに基づいて、エラーコードが有るか否かを判断している。
【0217】
そして、エラーコードがある場合には、図27に示すように、5000m秒の遊技球数表示⇒500m秒の消灯態様⇒5000m秒のベース表示⇒500m秒の消灯態様⇒5000m秒のエラー表示⇒500m秒の消灯態様⇒5000m秒の遊技球数表示を繰り返す。一方、エラーコードが無い場合には、図28に示すように、5000m秒の遊技球数表示⇒500m秒の消灯態様⇒5000m秒のベース表示⇒500m秒の消灯態様⇒5000m秒の遊技球数表示を繰り返す。
【0218】
こうして本形態では、パチンコ遊技機PY1にエラー(異常)が無い場合には、図28に示すように、枠基板表示器300にエラーコードが表示されないことで、枠基板表示器300での無駄な表示を省くと共に、エラー表示を除く表示項目(遊技球数表示、ベース表示)を把握できる時間を相対的に長くすることが可能である。その一方で、パチンコ遊技機PY1にエラーが有る場合にのみ、図27に示すように、エラー表示がなされることで、エラー表示を際立たせることが可能である。その上で、エラー表示の前に500m秒の消灯態様があると共に、エラー表示の後に500m秒の消灯態様があることで、エラー表示をより把握させ易くすることが可能である。
【0219】
8.計数処理
次に、図29図33に基づいて、枠制御用マイコン171が行う計数処理について説明する。上述したように、遊技者が計数ボタン43k(図2参照)を押下操作することに基づいて、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数の一部(本形態では1球又は250球)又は全部(250球未満である場合の遊技球数)を、専用外部ユニット200に挿入されているカード(ビジターカード又は会員カード)に記憶させる計数処理が実行される。
【0220】
計数ボタン43kへの押下操作は、主に、計数ボタン43kを極短時間だけ押下操作する単押し操作(以下単に「単押し」と呼ぶ)と、計数ボタン43kを継続して500m秒以上押下操作する長押し操作(以下単に「長押し」と呼ぶ)と、に分けられる。図29では、計数ボタン43kを単押しした場合の遊技球数表示器180の推移の一例が示されている。図29に示すように、枠制御基板170(枠制御用マイコン171)は、専用外部ユニット200に対して、時間T1~時間T6で示されている300m秒の通信周期で(図18参照)、計数に係る情報(計数球数を単位とした電文)を専用外部ユニット200に送信可能である。また遊技球数表示器180には、持ち球数として、「10000」が表示されていることとする。
【0221】
図29に示すように、時間T1の直後に、計数ボタン43kが単押しされた場合、枠制御用マイコン171は、時間T2のときに、1球だけ計数を行う1球計数処理を行う。具体的には、枠制御用マイコン171は、時間T2のときに、専用外部ユニット200に対して1球の計数に係る情報を送信すると共に、遊技球数表示器180に表示されている「10000」を「9999」に切替える。また、時間T3と時間T4の間で、計数ボタン43kが2回単押しされたこととする。この場合でも、枠制御用マイコン171は、時間T5のときに、2球だけ計数を行うわけではなく、1球だけ計数を行う1球計数処理を行う。そのため、枠制御用マイコン171は、時間T5のときに、専用外部ユニット200に対して1球の計数に係る情報を送信すると共に、遊技球数表示器180に表示されている「9999」を「9998」に切替える。こうして、計数ボタン43kを単押しした場合には、極短い時間(300m秒)の中で連打(連続した単押し)を行っても、基本的に1球ずつ計数されていく。
【0222】
次に、計数ボタン43kを長押しした場合について、説明する。図30では、計数ボタン43kを長押しした場合の遊技球数表示器180の推移の一例が示されている。図30に示すように、時間T1の直後から、計数ボタン43kへの長押しが開始された場合、時間T2のときでは、未だ計数ボタン43kが500m秒以上、押下操作されていない。従って、時間T2のときには、枠制御用マイコン171は、計数ボタン43kへの長押しが実行されていると判断しておらず、計数処理を実行しない。なお、時間T2のときには、計数ボタン43kへの単押しが実行されている状況でもないため、1球計数処理も実行されない。
【0223】
その後、時間T3のときには、既に計数ボタン43kが500m秒以上、押下操作されているため、枠制御用マイコン171は、計数ボタン43kへの長押しが実行されていると判断して、250球だけ計数を行う250球計数処理を行う。具体的には、枠制御用マイコン171は、時間T3のときに、専用外部ユニット200に対して250球の計数に係る情報を送信すると共に、遊技球数表示器180に表示されている「10000」を「9750」に切替える。本形態では、枠制御用マイコン171は、250球計数処理により遊技球数表示器180に表示されている値を減算するときには、遊技球数表示器180にて3m秒毎に3球ずつ減算されるように表示する。これにより、遊技者には、持ち球数が、1度に250球減算されるように見せているわけではなく、高速で3球ずつ減算されているように見せている。
【0224】
続いて、時間T4のときには、計数ボタン43kへの長押しが継続しているため、枠制御用マイコン171は、250球計数処理を行う。そのため、時間T4のときに、遊技球数表示器180に表示されている「9750」が「9500」に切替わる。続いて、時間T5のときには、計数ボタン43kへの長押しが継続しているため、枠制御用マイコン171は、250球計数処理を行う。そのため、時間T5のときに、遊技球数表示器180に表示されている「9500」が「9250」に切替わる。
【0225】
ここで、時間T6になる直前に、計数ボタン43kへの長押しが中止されたこととする。この場合、時間T6のときに、枠制御用マイコン171は、計数ボタン43kへの長押しが実行されていないと判断するため、250球計数処理を実行しない。従って、時間T6のときには、遊技球数表示器180に表示されている「9250」の表示が維持される。こうして、計数ボタン43kを長押しした場合には、基本的に、長押しを実行した期間で、300m秒毎に250球ずつ計数されていく。
【0226】
ところで従来では、例えば持ち球数が「10000」から「0」になるまで計数処理を行うためには、250球計数処理が40回実行される必要がある。そのためこの場合には、少なくとも、300m秒×40回=12秒間、遊技者が計数ボタン43kへの長押しを継続する必要があった。更に、例えば持ち球数が「30000」から「0」になるまで計数処理を行うためには、12秒間×3=36秒間、遊技者が計数ボタン43kへの長押しを継続する必要があった。こうして、持ち球数が多いと、持ち球数が「0」になるまでの計数ボタン43kへの長押しを実行する時間が長くなり、遊技者の操作負担が大きいという問題があった。
【0227】
そこで本形態では、計数ボタン43kへの長押しを、ショート長押しと、ロング長押しに分けて、以下のように対処している。先ず、ショート長押しとは、計数ボタン43kを500m秒以上且つ4000m秒未満、押下操作(長押し)していることを意味する。また、ロング長押しとは、計数ボタン43kを4000m秒以上、押下操作(長押し)していることを意味する。
【0228】
そして、計数ボタン43kへのショート長押しを実行した場合、図30で説明したように、枠制御用マイコン171は、ショート長押しを実行した期間で、300m秒毎に250球計数処理を実行する。つまり、ショート長押しが実行された場合、遊技者が計数ボタン43kへの押下操作を中止すれば、その後の計数処理も中止される。
【0229】
これに対して、計数ボタン43kへのロング長押しを実行した場合、計数ボタン43kへの長押しを中止しても、枠制御用マイコン171は、持ち球数が「0」になるまで、300m秒毎に250球計数処理を実行可能になっている。即ち、遊技者が計数ボタン43kを4000m以上長押し(ロング長押し)した後では、遊技者が計数ボタン43kへの長押しを途中で中止しても、持ち球数が「0」になるまで自動的に計数処理が実行されるようになっている。
【0230】
図31に基づいて、計数ボタン43kがロング長押された場合の遊技球数表示器180の推移を説明する。図31に示すように、時間T1の直後から計数ボタン43kへの長押しが開始され、時間T15の直後で計数ボタン43kへの長押しを中止したこととする。この場合、時間T15の直前で、計数ボタン43kが4000ms長押しされたことになり、計数ボタン43へのロング長押しが実行された状況になる。
【0231】
この状況では、図31に示すように、時間T2から時間T15まで、枠制御用マイコン171は、300m秒毎に250球計数処理を実行する。そのため、時間T14のときに、遊技球数表示器180で「7000」が表示され、時間T15のときに、遊技球数表示器180で「6750」が表示される。そして、枠制御用マイコン171は、時間T15の直前で、計数ボタン43kがロング長押されたと判断する。これにより、時間T15の直後に計数ボタン43への長押しが中止されても、以後、300m秒毎に250球計数処理が実行される。つまり、時間T15以降も、300m秒毎に計数処理が実行される。
【0232】
これにより、遊技者が計数ボタンを押下操作していないにも拘わらず、遊技球数表示器180では、「6750」⇒「6500」⇒「6250」⇒「6000」のように、300m秒毎に250球計数処理が実行されていく。そして、時間T41のときに、遊技球数表示器180で「250」が表示され、時間T42のときに、遊技球数表示器180で「0」が表示される。こうして、計数ボタン43kがロング長押しされた場合、遊技者が途中で計数ボタン43kへの長押しを中止しても、持ち球数が「0」になるまで250球計数処理を継続させることが可能である。その結果、持ち球数が例えば「30000」ある場合、遊技者は計数ボタン43kを少なくとも4000m秒長押しする(ロング長押しする)だけで、その後に計数ボタン43kへの長押しを行うことなく、持ち球数が「0」になるまで計数処理を実行させることが可能である。即ち、従来のように、持ち球数が「30000」から「0」になるまで、計数ボタン43kを約36秒間長押しし続ける必要がなく、遊技者の操作負担を軽減することが可能である。
【0233】
ここで、計数ボタン43kがロング長押しされて、遊技者が計数ボタン43kへの長押し操作を中止した後でも、持ち球数が「0」になる前に、自動的な計数処理を中止したい場合がある。この場合、遊技者は、計数ボタン43kへの長押し操作を中止した後に、計数ボタン43kへの操作を行うことで、自動的な計数処理を中止させることが可能である。以下では、図32に基づいて、計数ボタン43kがロング長押しされた後に、計数ボタン43kが単押しされた場合の遊技球数表示器180の推移を説明する。
【0234】
図32に示すように、時間T1の直後から計数ボタン43kへの長押しが開始され、時間T15の直後で計数ボタン43kへの長押しを中止したこととする。この場合、図31に示す場合と同様に、計数ボタン43kが長押しされてなくても、枠制御用マイコン171は、300m秒毎に250球計数処理を実行していて、時間T41のときに、遊技球数表示器180で「250」が表示される。ここで、時間T41と時間T42との間で、計数ボタン43kが単押しされたこととする。この場合、枠制御用マイコン171は、自動的な計数処理の実行を中止することになり、時間T42のときに、250球計数処理を実行しない。従って、時間T42のときには、遊技球数表示器180に表示されている「250」の表示が維持される。こうして、遊技者には、計数ボタン43kをロング長押しして、その後に計数ボタン43への長押しが解除された後でも、持ち球数が「0」になる前に、自動的な計数処理を中止させることが可能である。
【0235】
なお図32に示す例では、計数ボタン43kへの長押しが解除された後、計数ボタン43kが単押しされることで、自動的な計数処理が中止される場合を説明した。しかしながら、自動的な計数処理が中止されるための計数ボタン43kへの操作は、単押しに限られるものではなく、長押しであっても良い。
【0236】
また本形態では、計数ボタン43kをロング長押しして、計数ボタン43への長押しが解除された後でも、枠制御用マイコン171は、パチンコ遊技機PY1に異常があると判断すると、自動的な計数処理が中止されるようになっている。例えば、図32に示すように、時間T1の直後から計数ボタン43kへの長押しが開始され、時間T15の直後で計数ボタン43kへの長押しを中止したこととする。そして、時間T41と時間T42との間で、枠制御用マイコン171は、パチンコ遊技機PY1と専用外部ユニット200との間の通信に異常があると判断したこととする。この場合、枠制御用マイコン171は、自動的な計数処理の実行を中止することになり、時間T42のときに、遊技球数表示器180に表示されている「250」の表示が維持される。こうして、計数ボタン43がロング長押しされて、その後に計数ボタン43への長押しが解除された後でも、パチンコ遊技機PY1に異常があると判断されれば、自動的な計数処理が中止されるようになっている。
【0237】
なお上記では、計数ボタン43への長押しが解除された後、枠制御用マイコン171は、パチンコ遊技機PY1と専用外部ユニット200との間の通信に異常があると判断すると、自動的な計数処理を中止する場合を説明した。しかしながら、自動的な計数処理が中止する際の異常は、パチンコ遊技機PY1と専用外部ユニット200との間の通信の異常に限られるものではない。従って、計数ボタン43への長押しが解除された後、枠制御用マイコン171は、図26に示す枠開放、電波不正、磁気不正、呼び出し中(呼び出しスイッチ41kへの押下操作)があると判断した場合でも、自動的な計数処理を中止するようになっている。
【0238】
ところで本形態では、ショート長押しが行われる操作手段と、ロング長押しが行われる操作手段とが、同じ計数ボタン43kであった。これに対して、ロング長押しが行われる操作手段として、ショート長押しを行う計数ボタン43kとは異なる専用の操作手段を設けることが考えられる。しかしながら、ロング長押しが行われる専用の操作手段を設ける場合、以下の問題点がある。即ち、本パチンコ遊技機PY1では、遊技者がハンドル72kの回転操作で遊技球を発射させているときでも、枠制御用マイコン171による計数処理(S3006)が実行可能になっている。そのため、遊技者がハンドル72kの回転操作を行っているときに、即ち遊技中に、誤って、ロング長押しが行われる専用の操作手段を操作してしまう場合が生じ得る。この場合、遊技者は、遊技中にいきなり持ち球数が「0」になってしまい、遊技が中断されてしまう。従って、本形態では、上記した問題点を生じ難くするため(ロング長押しが行われる専用の操作手段への誤操作を生じ難くするため)、ショート長押しが行われる操作手段と、ロング長押しが行われる操作手段とを、同じ計数ボタン43kで兼用するようにしている。
【0239】
9.遊技制御用マイコンの動作
次に、図33及び図34に基づいて、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
【0240】
[主制御メイン処理]遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、電源投入時に、遊技用ROM103から図33に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。図33に示すように、主制御メイン処理では、電源投入時処理を行う(S001)。電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191による検出信号の情報を受信していれば、遊技用RAM104に記憶されている記憶情報を消去する。但し、このときに、遊技制御用マイコン101は、左打ち発射球数の情報と左打ち総賞球数の情報と左打ち総発射球数の情報については消去しない。また遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを実行した場合、演出制御基板120にRAMクリアを知らせるために、遊技用RAM104に、RAMクリア通知コマンドをセットする。
【0241】
電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図12に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0242】
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図34に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。このメイン側タイマ割り込み処理(S005)が、遊技の結果に影響を及ぼす制御処理に相当する。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。
【0243】
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、排出口センサ15a、磁気センサ28a(図9参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。これにより、セットされた賞球コマンドは、後述する出力処理(S108)によって、枠制御基板170に送信される。
【0244】
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図12(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図12(B)参照)を取得する。
【0245】
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を、大当たり判定テーブル(図13(A)参照)、当たり種別判定テーブル(図示省略)、リーチ判定テーブル(図13(C)参照)、特図変動パターン判定テーブル(図14参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の変動表示を開始する際には、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別図柄の停止表示を開始する際には、変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図11参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技を行う。
【0246】
遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技の実行において、オープニングを開始する際には、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。またラウンド遊技を開始する際には、ラウンド指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。またエンディングを開始する際には、エンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別動作処理(S104)において、遊技状態が変更した場合等に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0247】
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数、普通図柄当たり判定テーブル(図13(D)参照)を用いて判定すると共に、普通図柄変動パターン選択テーブル(図13(E)参照)を用いて遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を選択する。そして、普図抽選の判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図13(F)参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
【0248】
次に、遊技制御用マイコン101は、不正検知処理を実行する(S106)。不正検知処理(S106)では、例えば、磁気センサ28aによる検出信号を受信したか否かを判定し、受信した場合には、遊技用RAM104に、磁気センサ28aによる検出信号の情報をセットする。これにより、後述する出力処理(S108)によって、磁気センサ28aによる検出信号の情報が、枠制御基板170に送信される。
【0249】
続いて、遊技制御用マイコン101は、左打ちベース演算処理を実行する(S107)。左打ちベース演算処理(S107)では、微時短状態において、一般入賞口センサ10aによる検出信号、第1始動口センサ11aによる検出信号、第2始動口センサ12aによる検出信号に基づいて、微時短総賞球数を算出する。また微時短状態において、排出口センサ15aからの検出信号に基づいて、微時短発射球数を算出する。また通常遊技状態において、一般入賞口センサ10aによる検出信号、第1始動口センサ11aによる検出信号、第2始動口センサ12aによる検出信号に基づいて、通常総賞球数を算出する。また通常遊技状態において、排出口センサ15aからの検出信号に基づいて、通常発射球数を算出する。これにより、遊技制御用マイコン101は、左打ち総賞球数(微時短総賞球数、通常総賞球数)と左打ち発射球数(微時短発射球数、微時短発射球数)との割合である左打ちベースを逐次演算している。具体的に、左打ち総賞球数を左打発射球数で除算して100倍することで、左打ちベースを演算している。なお、遊技制御用マイコン101は、全ての遊技状態において、排出口センサ15aからの検出信号に基づいて、総発射球数を逐次カウントしている。
【0250】
そして、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S108)を実行して、本処理を終える。出力処理(S108)では、上述の各処理において、遊技用RAM104にセットしたコマンド等を演出制御基板120に出力すると共に、遊技用RAM104にセットしたコマンド等を枠制御基板170に出力する。従って、出力処理(S108)により、遊技状態指定コマンドが枠制御基板170に出力される。これにより、枠制御用マイコン171は、現時点での遊技状態を把握できるようになっている。また出力処理(S108)により、左打ちベースの値の情報、総発射球数の値の情報、左打ち発射球数の情報、磁気センサ28aによる検出信号の情報、大当たりに当選したことの情報(大当たり信号)なども、枠制御基板170に出力される。
【0251】
10.演出制御用マイコンの動作
次に、図35図37に基づいて、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
【0252】
[サブ制御メイン処理]演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、電源投入時に、演出用ROM123から図35に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。図35に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグがONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S1001)。サブ側電源断フラグは、電断の発生を示すフラグである。ステップS1001の判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124の内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S1002)、ステップS1003に進む。
【0253】
一方、ステップS1001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S1011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S1011でYES)、遊技制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、演出制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S1002)、ステップS1003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S1011でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS1003に進む。
【0254】
ステップS1003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
【0255】
ステップS1004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S1005)。乱数シード更新処理(S1005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。乱数シード更新処理(S1005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S1006)。コマンド送信処理(S1006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S1007)。以降、ステップS1004~S1007をループさせる。割り込み許可中においては、サブ側電源断監視処理(S1012)、受信割り込み処理(S1008)、1msタイマ割り込み処理(S1009)および10msタイマ割り込み処理(S1010)の実行が可能となる。
【0256】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S1009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、1msタイマ割り込み処理(S1009)ではまず、入力処理を行う(S1201)。入力処理(S1201)では、入力部検知センサ40a(図10参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図10参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0257】
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S1202)。ランプデータ出力処理(S1202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ56や盤ランプ54を発光させるべく、セットされたランプデータ(枠ランプ56や盤ランプ54の発光を制御するデータ)をサブドライブ基板162に出力する。これにより、サブドライブ基板162が枠ランプ56や盤ランプ54の発光を制御する。
【0258】
次いで、駆動制御処理(S1203)を行う。駆動制御処理(S1203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S1204)を行って、本処理を終える。
【0259】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S1010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図37に示すように、10msタイマ割り込み処理(S1010)ではまず、受信コマンド解析処理を行う(S1301)。受信コマンド解析処理(S1301)では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から変動開始コマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、変動演出パターン選択処理を実行する。また受信コマンド解析処理(S1301)では、遊技制御用マイコン101からオープニングコマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、オープニング演出選択処理を実行する。また、ラウンド指定コマンドを受信していれば、ラウンド演出選択処理を実行し、エンディングコマンドを受信していれば、エンディング演出選択処理を実行する。
【0260】
演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S1301)に続いて、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1302)。次に、スイッチ状態取得処理(S1302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1303)。
【0261】
その後、演出制御用マイコン121は、ランプ処理(S1304)を行う。ランプ処理(S1304)では、ランプデータ(枠ランプ56、盤ランプ54の点灯を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S1305)を行う。音声制御処理(S1305)では、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ610から出力される。そして、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1306)、本処理を終える。
【0262】
11.枠制御用マイコンの動作
[枠制御タイマ割り込み処理]次に図38図43に基づいて枠制御用マイコン171の動作について説明する。枠制御用マイコン171は、枠制御基板170に数msec(本形態では3msec)周期の割り込みパルスが入力される度に、枠制御タイマ割り込み処理を実行する。図38に示すように、枠制御タイマ割り込み処理において、枠制御用マイコン171は、まず後述する入力処理を実行する(S3001)。次いで、枠用RAM174にセットした信号(コマンド等)を遊技制御基板100に出力する遊技制御基板出力処理を実行する(S3002)。なお本パチンコ遊技機PY1では、封入式パチンコであって賞球払出装置が設けられていないため、枠制御用マイコン171は賞球払出装置の賞球モータを駆動する賞球モータ制御処理を実行する必要がない。
【0263】
続いて、枠制御用マイコン171は、図18に示す貸出しに係る情報、計数に係る情報、遊技機情報(遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン情報、不正監視情報)を、非同期シリアル通信で専用外部ユニット200に送信するための専用外部ユニット出力処理を実行する(S3003)。専用外部ユニット出力処理(S3003)において、図18に示すように、貸出しに係る情報の送信タイミングは、専用外部ユニット200から貸出しに係る情報を受信してから50m秒後であり、計数に係る情報の送信タイミングは、300m秒周期であり、遊技機設置情報を内容として含む遊技機情報の送信タイミングは、60秒周期であり、遊技機性能情報(後述するステップS3120の1分間獲得遊技球数計測処理で計測された1分間獲得遊技球数の情報を含む)を内容として含む遊技機情報の送信タイミングは、180秒周期であり、ホールコン情報、不正監視情報を内容として含む遊技機情報の送信タイミングは、300m秒周期である。
【0264】
次に、枠制御用マイコン171は、後述する枠基板表示器表示処理を実行する(S3004)。続いて、後述する表示色設定処理を実行する(S3005)。そして、後述する計数処理を実行する(S3006)。その後、その他の処理を実行して(S3007)、本処理を終える。
【0265】
[入力処理]図39に示すように、入力処理(S3001)ではまず、枠制御用マイコン171は、専用外部ユニット200から、貸出しに係る情報(図17参照)を受信したか否かを判定する(S3101)。受信していなければ(S3101でNO)、ステップS3105に進む。一方、受信していれば(S3101でYES)、貸出しに係る情報に含まれている貸出球数の情報に基づいて、遊技球数表示器180に表示する遊技球数(持ち球数)を新たに設定する遊技球数設定処理を実行する(S3102)。これにより、遊技球数表示器180では、事前に示されていた遊技球数と、貸出球数とが加算された状態で、遊技球数が新たに表示される。
【0266】
ステップS3105では、発射球検出センサ16aによる検出信号を受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3105でNO)、遊技者が遊技球を発射させた状況でないため、ステップS3107に進む。一方、受信していれば(S3105でYES)、遊技球数表示器180にて表示している遊技球数を「1」だけ減少させる遊技球数減算処理を実行して(S3106)、ステップS3107に進む。
【0267】
ステップS3107では、戻り球検出センサ17aによる検出信号を受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3107でNO)、戻り流路MRを遊技球が通過しておらず、ファール球が生じていない。よってこの場合には、直ちにステップS3109に進む。一方、受信していれば(S3107でYES)、ファール球が生じている。よってこの場合には、遊技球数表示器180にて表示している遊技球数を「1」だけ増加させる遊技球数加算処理を実行して(S3108)、ステップS3109に進む。こうしてファール球が生じても、遊技者の遊技球数が実質的に減少することがなくて、遊技者に不利益が生じるのを防ぐことが可能である。
【0268】
ステップS3109では、遊技制御基板100から賞球コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S3109でNO)、図40に示すステップS3112に進む。一方、受信していれば(S3109でYES)、賞球コマンドに含まれる情報(賞球数の情報、どの入賞口に入賞したかを判別可能な情報)を解析する賞球コマンド解析処理を実行する(S3110)。次いで、賞球コマンドの解析結果に基づいて、遊技球数表示器180にて表示している遊技球数を増加させる遊技球数加算処理を実行して(S3111)、図40に示すステップS3112に進む。
【0269】
図40に示すように、ステップS3112では、枠開放センサ2aによる検出信号の受信状況に基づいて、枠開放センサ2aがON状態であるか否かを判定する。枠開放センサ2aがON状態でないと判定すれば(S3112でNO)、ステップS3114に進む。一方、枠開放センサ2aがON状態であると判定すれば(S3112でYES)、枠開放フラグをONにして(S3113)、ステップS3114に進む。枠開放フラグは、遊技機枠2が開放していることを示すフラグである。
【0270】
ステップS3114では、枠開放センサ2aによる検出信号の受信状況に基づいて、枠開放センサ2aがOFF状態であるか否かを判定する。枠開放センサ2aがOFF状態でない(ON状態のままである)と判定すれば(S3114でNO)、ステップS3116に進む。一方、枠開放センサ2aがOFF状態であると判定すれば(S3114でYES)、枠開放フラグをOFFにして(S3115)、ステップS3116に進む。こうして、枠制御用マイコン171は、枠開放フラグのON又はOFFに基づいて、遊技機エラー状態を示すデータ(図20参照)における「5」ビット目を、「0」又は「1」に設定する。
【0271】
ステップS3116では、呼び出しセンサ41aによる検出信号の受信状況に基づいて、呼び出しセンサ41aがON状態であるか否かを判定する。呼び出しセンサ41aがON状態でないと判定すれば(S3116でNO)、ステップS3118に進む。一方、呼び出しセンサ41aがON状態であると判定すれば(S3116でYES)、呼び出しフラグをONにして(S3117)、ステップS3118に進む。呼び出しフラグは、呼び出しスイッチ41kが押下操作されたことを示すフラグである。
【0272】
ステップS3118では、呼び出しセンサ41aによる検出信号の受信状況に基づいて、呼び出しセンサ41aがOFF状態であるか否かを判定する。呼び出しセンサ41aがOFF状態でない(ON状態のままである)と判定すれば(S3118でNO)、ステップS3120に進む。一方、呼び出しセンサ41aがOFF状態であると判定すれば(S3118でYES)、呼び出しフラグをOFFにして(S3119)、ステップS3120に進む。こうして、枠制御用マイコン171は、呼び出しフラグのON又はOFFに基づいて、不正検知状態を示すデータ(図20参照)における「7」ビット目を、「0」又は「1」に設定する。
【0273】
ステップS3120では、枠制御用マイコン171は、100球の遊技球が発射された際に遊技者が獲得した賞球数の合計である1分間獲得遊技球数を計測する。具体的には、枠制御用マイコン171は、ステップS3106の遊技球数減算処理により、100球の遊技球が発射された期間であるかを逐次監視している(電源投入時から常に監視している)。そして、100球の遊技球が発射された期間であると判断した場合に、その100球の遊技球が発射された期間において、ステップS3111の遊技球数加算処理で遊技球数が増加した値を算出する。こうして、枠制御用マイコン171は、電源投入時から常に、100球の遊技球が発射された期間で遊技球数が増加した値を算出して、1分間獲得遊技球数を計測(演算)している。こうして、計測された1分間獲得遊技球数の情報は、上述した専用外部ユニット出力処理(S3003)により、専用外部ユニット200に送信される。その後、ステップS3121では、その他の入力処理(その他のセンサによる検出信号に基づく処理など)を実行して、本処理を終える。
【0274】
[枠基板表示器表示処理]枠基板表示器表示処理(S3004)は、枠制御用マイコン171が、枠基板表示器300での表示(図27及び図28参照)を制御するための処理である。この枠基板表示器表示処理(S3004)では、枠制御用マイコン171は、表示フラグを用いて、表示フラグの値が「1」である場合には、図27に示す遊技球数表示を行い、表示フラグの値が「2」である場合には、遊技球数表示の後の消灯態様を示し、表示フラグの値が「3」である場合には、図27に示すベース表示を行い、表示フラグの値が「4」である場合には、ベース表示の後の消灯態様を示し、表示フラグの値が「5」である場合には、図27に示すエラー表示を行い、表示フラグの値が「6」である場合には、エラー表示の後の消灯態様を示すように制御する。
【0275】
具体的に、図41に示すように、ステップS3200では、表示フラグの値が「1」であるか否かを判定する。「1」であれば(S3200でYES)、枠制御用マイコン171は、枠基板表示器300にて、遊技球数表示器180で表示されている遊技球数と同じ遊技球数を表示する遊技球数表示設定処理を実行する(S3201)。そして、遊技球数表示の表示時間である5000m秒が経過したか否かを判定する(S3202)。5000m秒が経過していなければ(S3202でNO)、本処理を終える。一方、5000m秒が経過していれば(S3202でYES)、表示フラグの値を「2」に設定して(S3203)、本処理を終える。こうして、5000m秒の間、枠基板表示器300にて、遊技球数表示が実行される(図27参照)。
【0276】
またステップS3200において、表示フラグの値が「1」でなければ(S3200でNO)、続いて、表示フラグの値が「2」であるか否かを判定する(S3204)。「2」であれば(S3204でYES)、枠基板表示器300の全ての点灯部LB1~LB48(図8参照)を消灯するための消灯設定処理を実行する(S3205)。そして、500m秒が経過したか否かを判定する(S3206)。500m秒が経過していなければ(S3206でNO)、未だ消灯態様を続けるため、本処理を終える。一方、500m秒が経過していれば(S3206でYES)、表示フラグの値を「3」に設定して(S3207)、本処理を終える。こうして、5000m秒間の遊技球数表示の後、枠基板表示器300では、500m秒という短時間だけ、消灯態様になる(図27参照)。
【0277】
またステップS3204において、表示フラグの値が「2」でなければ(S3204でNO)、続いて、表示フラグの値が「3」であるか否かを判定する(S3208)。「3」であれば(S3208でYES)、枠制御用マイコン171は、枠基板表示器300にて、ベース表示(「bL.」「b1」「b2.」「b3.」のうちの何れかと、左打ちベースとの表示)を行うためのベース表示設定処理を実行する(S3209)。そして、ベース表示の表示時間である5000m秒が経過したか否かを判定する(S3210)。5000m秒が経過していなければ(S3210でNO)、本処理を終える。一方、5000m秒が経過していれば(S3210でYES)、表示フラグの値を「4」に設定して(S3211)、本処理を終える。こうして、5000m秒の間、枠基板表示器300にて、ベース表示が実行される(図27参照)。
【0278】
またステップS3208において、表示フラグの値が「3」でなければ(S3208でNO)、図42に示すステップS3212に進み、表示フラグの値が「4」であるか否かを判定する。「4」であれば(S3212でYES)、枠基板表示器300の全ての点灯部LB1~LB48(図8参照)を消灯するための消灯設定処理を実行する(S3213)。そして、500m秒が経過したか否かを判定する(S3214)。500m秒が経過していなければ(S3214でNO)、未だ消灯態様を続けるため、本処理を終える。一方、500m秒が経過していれば(S3214でYES)、表示フラグの値を「5」に設定して(S3215)、本処理を終える。こうして、5000m秒間のベース表示の後、枠基板表示器300では、500m秒という短時間だけ、消灯態様になる(図27参照)。
【0279】
またステップS3212において、表示フラグの値が「4」でなければ(S3212でNO)、続いて、表示フラグの値が「5」であるか否かを判定する(S3216)。「5」であれば(S3216でYES)、枠制御用マイコン171は、枠開放センサ2aによる検出信号、電波センサ18aによる検出信号、呼び出しセンサ41aによる検出信号、及び遊技制御基板100から送信される磁気センサ28aによる検出信号の情報等と、図26に示すエラーコード表とに基づいて、エラーコードが有るか否かを判定する(S3217)。そして、エラーコードが有ると判定すれば(S3217でYES)、枠基板表示器300にて、エラーコードを表示するためのエラー表示設定処理を実行する(S3218)。そして、エラー表示の表示時間である5000m秒が経過したか否かを判定する(S3219)。5000m秒が経過していなければ(S3219でNO)、本処理を終える。一方、5000m秒が経過していれば(S3219でYES)、表示フラグの値を「6」に設定して(S3220)、本処理を終える。こうして、エラーコードが有る場合には、5000m秒の間、枠基板表示器300にて、エラー表示が実行される(図27参照)。
【0280】
一方、ステップS3217において、エラーコードが無いと判定した場合(S3217でNO)、ステップS3218のエラー表示設定処理を実行することなく、ステップS3221にて、表示フラグの値を「1」に設定して、本処理を終える。その後、表示フラグの値が「1」であるため、上述したように、再び5000m秒の間、遊技球数表示が実行される。こうして、エラーコードが無い場合には、図28に示すように、エラー表示が実行されることはなく、5000m秒の遊技球数表示⇒500m秒の消灯態様⇒5000m秒のベース表示⇒500m秒の消灯態様が繰り返される。
【0281】
またステップS3216において、表示フラグの値が「5」でなければ(S3216でNO)、表示フラグの値が「6」であるか否かを判定する。「6」でなければ(S3222でNO)、本処理を終える。一方、「6」であれば(S3222でYES)、枠基板表示器300の全ての点灯部LB1~LB48(図8参照)を消灯するための消灯設定処理を実行する(S3223)。そして、500m秒が経過したか否かを判定する(S3224)。500m秒が経過していなければ(S3224でNO)、未だ消灯態様を続けるため、本処理を終える。一方、500m秒が経過していれば(S3224でYES)、表示フラグの値を「1」に設定して(S3225)、本処理を終える。こうして、5000m秒間のエラー表示が実行された場合には、その後、枠基板表示器300では、500m秒という短時間だけ、消灯態様になる(図27参照)。そして、表示フラグの値が「1」になって、上述したように、再び5000m秒の間、遊技球数表示が実行される。
【0282】
[表示色設定処理]表示色設定処理(S3005)は、枠制御用マイコン171が、遊技球数表示器180で表示している遊技球数の表示色を設定する処理である。図43に示すように、表示色設定処理(S3005)ではまず、枠制御用マイコン171は、遊技制御基板100から送信される遊技状態指定コマンドに基づいて、現時点での遊技状態が微時短状態であるか否かを判定する(S3301)。微時短状態であれば(S3301でYES))、遊技球数表示器180で表示している遊技球数の表示色を白色(図22参照)に設定する白色表示設定処理を実行して(S3302)、本処理を終える。これにより、遊技球数表示器180では、白色の遊技球数が示されるため、遊技者には、遊技球数を把握させつつ、微時短遊技状態であることを意識させることが可能である。
【0283】
またステップS3301で微時短状態でないと判定した場合(S3301でNO)、続いて、通常遊技状態であるか否かを判定する(S3303)。通常遊技状態であれば(S3303でYES)、遊技球数表示器180で表示している遊技球数の表示色を青色(図22参照)に設定する青色表示設定処理を実行して(S3304)、本処理を終える。これにより、遊技球数表示器180では、青色の遊技球数が示されるため、遊技者には、遊技球数を把握させつつ、通常遊技状態であることを意識させることが可能である。
【0284】
またステップS3303で通常遊技状態でないと判定した場合(S3303でNO)、続いて、低確時短状態であるか否かを判定する(S3305)。低確時短状態であれば(S3305でYES)、遊技球数表示器180で表示している遊技球数の表示色を緑色(図22参照)に設定する緑色表示設定処理を実行して(S3306)、本処理を終える。これにより、遊技球数表示器180では、緑色の遊技球数が示されるため、遊技者には、遊技球数を把握させつつ、低確時短状態であることを意識させることが可能である。
【0285】
またステップS3303で低確時短状態でないと判定した場合(S3305でNO)、続いて、高確時短状態であるか否かを判定する(S3307)。高確時短状態であれば(S3307でYES)、遊技球数表示器180で表示している遊技球数の表示色を赤色(図22参照)に設定する赤色表示設定処理を実行して(S3308)、本処理を終える。これにより、遊技球数表示器180では、赤色の遊技球数が示されるため、遊技者には、遊技球数を把握させつつ、高確時短状態であることを意識させることが可能である。
【0286】
またステップS3307で高確時短状態でないと判定した場合(S3307でNO)、大当たり遊技状態であることになる。従って、この場合には、遊技球数表示器180で表示している遊技球数の表示色を虹色(図22参照)に設定する虹色表示設定処理を実行して(S3309)、本処理を終える。これにより、遊技球数表示器180では、虹色の遊技球数が示されるため、遊技者には、遊技球数を把握させつつ、大当たり遊技状態(大当たり遊技の実行中)であることを意識させることが可能である。
【0287】
[計数処理]計数処理(S3006)は、枠制御用マイコン171が、計数ボタン43kへの押下操作に基づいて、250球計数処理(S3407)(S3409)又は1球計数処理(S3410)を実行するための処理である。図44に示すように、計数処理(S3006)では先ず、枠制御用マイコン171は、本パチンコ遊技機PY1に異常があるか否かを判定する(S3401)。ここで、本パチンコ遊技機PY1の異常とは、枠制御基板170と専用外部ユニット200との間の通信の異常、図26に示す枠開放、電波不正、磁気不正、呼び出し中(呼び出しスイッチ41kへの押下操作)の異常などである。
【0288】
本パチンコ遊技機PY1に異常がなければ(S3401でNO)、続いて、ロング長押しフラグがONで且つ計数ボタン43kが操作されたか否かを判定する(S3402)。ロング長押しフラグは、計数ボタン43kがロング長押しされたことを示すものである。ロング長押しフラグがOFFである、又は計数ボタン43kが操作されていなければ(S3402でNO)、計数ボタン43kが4000ms以上の長押し操作されたか否かを判定する(S3403)。計数ボタン43kが4000ms以上の長押し操作されていれば(S3403でYES)、ロング長押しフラグをONにして(S3404)、ステップS3405に進む。こうして、枠制御用マイコン171は、逐次、ロング長押し操作された状況か否かを監視している。一方、計数ボタン43kが4000ms以上の長押し操作されていなければ(S3403でNO)、ステップS3404をパスして、ステップS3405に進む。
【0289】
ステップS3405では、枠制御用マイコン171は、専用外部ユニット200に対する300msの通信周期であるか否かを判定する。300msの通信周期でなければ(S3405でNO)、250球計数処理(S3407)(S3409)又は1球計数処理(S3410)を実行するタイミングでないため、本処理を終える。一方、300msの通信周期であれば(S3405でYES)、ロング長押しフラグがONされているか否かを判定する(S3406)。ロング長押しフラグがONであれば(S3406でYES)、250球計数処理を実行して(S3407)、本処理を終える。
【0290】
これにより、計数ボタン43kへのロング長押しが実行された後、計数ボタン43kに対する長押しが継続しているか否かに拘わらず、持ち球数が「0」になるまで、300msの通信周期で250球計数処理が実行され得る。そしてこのときには、枠制御用マイコン171は、遊技球数表示器180で表示されている値が250だけ減算されるように、3m秒毎に3ずつ減算する。なお、枠制御用マイコン171は、250球計数処理(S3407)を実行するときに、遊技球数表示器180で表示されている数値が250未満であれば、遊技球数表示器180で表示されている数値だけ計数処理を実行すると共に、遊技球数表示器180で表示されている値が「0」になるまで、3m秒毎に3ずつ減算する。
【0291】
またステップS3406において、枠制御用マイコン171は、ロング長押しフラグがONでないと判定すれば(S3406でNO)、続いて、計数ボタン43kの500ms以上の長押しであるか否かを判定する(S3408)。計数ボタン43kの500ms以上の長押しであれば(S3408でYES)、250球計数処理を実行して(S3409)、本処理を終える。これにより、300msの通信周期で、計数ボタン43kへの長押しが実行されている状況であるため、250球計数処理(S3409)が実行される。そしてこのときには、枠制御用マイコン171は、遊技球数表示器180で表示されている値が250だけ減算されるように、3m秒毎に3ずつ減算する。枠制御用マイコン171は、250球計数処理(S3409)を実行するときに、遊技球数表示器180で表示されている数値が250未満であれば、遊技球数表示器180で表示されている数値だけ計数処理を実行すると共に、遊技球数表示器180で表示されている値が「0」になるまで、3m秒毎に3ずつ減算する。
【0292】
またステップS3408において、枠制御用マイコン171は、計数ボタン43kの500ms以上の長押しでないと判定すれば(S3408でNO)、続いて、計数ボタン43kの単押しであるか否かを判定する(S3410)。計数ボタン43kの単押しでなければ(S3410でNO)、本処理を終える。一方、計数ボタン43kの単押しであれば(S3410でYES)、1球計数処理を実行して(S3411)、本処理を終える。これにより、300msの通信周期で、計数ボタン43kへの単押しが実行されている状況であるため、1球計数処理が実行される。そしてこのときには、枠制御用マイコン171は、遊技球数表示器180で表示されている値が1だけ減算されるように表示する。
【0293】
またステップS3401において、枠制御用マイコン171は、パチンコ遊技機PY1に異常があると判定すれば(S3401でYES)、ステップS3412に進む。即ち、枠制御基板170と専用外部ユニット200との間の通信の異常、図26に示す枠開放、電波不正、磁気不正、呼び出し中(呼び出しスイッチ41kへの押下操作)などの異常があると判断すれば、ステップS3412に進む。またステップS3402において、枠制御用マイコン171は、ロング長押しフラグがONで且つ計数ボタン43kが操作されたと判断すれば(S3402でYES)、ステップS3412に進む。即ち、計数ボタン43kに対するロング長押しがなされた後に、計数ボタン43kに対する操作がされた状況であれば、ステップS3402に進む。
【0294】
ステップS3402では、ロング長押しフラグをOFFにして、本処理を終える。こうして、持ち球数が「0」になるまで250球計数処理(S3407)が自動的に実行されているときに、枠制御基板170と専用外部ユニット200との間の通信の異常、図26に示す枠開放、電波不正、磁気不正、呼び出し中(呼び出しスイッチ41kへの押下操作)などの異常がある場合には、自動的な250球計数処理(S3407)を中止させることが可能である。また持ち球数が「0」になるまで250球計数処理(S3407)が自動的に実行されているときに、計数ボタン43kに対する操作がされた場合には、自動的な250球計数処理(S3407)を中止させることが可能である。なお、本パチンコ遊技機PY1に異常があれば、自動的な250球計数処理(S3407)の実行中か否かに拘わらず、250球計数処理(S3407)(S3409)及び1球計数処理(S3411)は実行されなくなる。
【0295】
ところで、遊技者の持ち球数が250球以下である状況で、遊技球の発射と、持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)とが同時に実行される場合があり得る。この場合、仮に持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)が、遊技球が発射される際の処理よりも優先して実行されると、持ち球数がゼロになった直後に遊技球が発射される際の処理が実行されることになる。その結果、遊技者の意図に反して遊技球が発射できない事態が生じてしまう。
【0296】
そこで本形態では、枠制御用マイコン171は、遊技球が発射される際の処理と、持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)とを同時に(同じタイミングで)実行する場合に、遊技球が発射される際の処理を優先して実行するようになっている。具体的には、枠制御用マイコン171は、上述したように、図38に示す枠制御タイマ割り込み処理を3msec毎に実行していて、図39に示す入力処理S3001を実行した後に、図44に示す計数処理(S3006)を実行している。従って、遊技球が発射される際に持ち球数を減算する遊技球数減算処理(S3106、図39参照)が実行された後に、250球計数処理(S3407,S3409)又は1球計数処理(S3411)が必ず実行される。よって、遊技球の発射と、持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)とが同時に実行される場合でも、持ち球数がゼロになった直後に遊技球が発射される際の処理(遊技球減算処理(S3106))が実行されることはなく、遊技球が発射できない事態を防止することが可能である。
【0297】
12.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、通常遊技状態と微時短状態とでは、共に左遊技領域6Lに遊技球が流下するように遊技が進行する。この場合に、左打ちベースを求めるための左打ち総賞球数には、微時短状態で遊技者が獲得した微時短総賞球数が含まれ、左打ちベースを求めるための左打ち発射球数には、微時短状態で遊技者により発射された微時短発射球数が含まれる。これにより、通常遊技状態と同じように遊技を行う微時短状態がある場合でも、パチンコ遊技機PY1が正常であるかを適切に判断することが可能である。
【0298】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、微時短状態は、通常遊技状態よりも、遊技されている時間が長くなるように設定されている。そのため仮に、左打ちベースを求めるための左打ち総賞球数に、微時短状態で遊技者が獲得した微時短総賞球数が含まれず、左打ちベースを求めるための左打ち発射球数に、微時短状態で遊技者により発射された微時短発射球数が含まれないと、左打ちベースの値のばらつきが非常に大きくなる。そこで、左打ちベースを求めるための左打ち総賞球数には、微時短総賞球数を含め、左打ちベースを求めるための左打ち発射球数には、微時短発射球数を含めることで、左打ちベースの値のばらつきを抑えることが可能である。
【0299】
ところで、新たなパチンコ遊技機を構成する場合に、遊技機枠2を交換しないで、遊技盤1のみを交換する場合がある。この場合、仮に枠制御基板170(枠制御用マイコン171)は、微時短総賞球数が含まれる左打ち総賞球数と、微時短発射球数が含まれる左打ち発射球数とに基づいて左打ちベースを演算するという新たな構成にすると、遊技盤1を交換するだけでなく、遊技機枠2に設けられている枠制御基板170も交換する必要がある。そこで本パチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101は、微時短総賞球数が含まれる左打ち総賞球数と、微時短発射球数が含まれる左打ち発射球数とに基づいて、左打ちベースを演算する。そのため、新たなパチンコ遊技機PY1を構成する場合に、遊技機枠2に設けられた枠制御基板170を交換しないで、新たな遊技制御基板100を備える遊技盤1だけを交換することで対処できる。
【0300】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、枠制御基板170は、左打ちベースを計測(演算)していないものの、遊技球が100球発射された際に遊技者が獲得した賞球数の合計である1分間獲得遊技球数(特定獲得球数)を逐次計測(演算)している。これにより、枠制御基板170は、専用外部ユニット200に1分間獲得遊技球数を送信可能である。つまり、枠制御基板170は、専用外部ユニット200に対して送信する遊技機性能情報として、1分間獲得遊技球数を含めることが可能である。
【0301】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、計数ボタン43kに対する長押しが4000m秒未満行われた場合(ショート長押しが実行された場合)には、計数ボタン43kに対する長押しが開始されてから解除されるまでの間で、300m秒毎に250球計数処理(S3409)が実行される(図30参照)。一方、計数ボタン43kに対する長押しが4000m秒以上行われた場合(ロング長押しが実行された場合)には、計数ボタン43kに対する長押しが解除されても、300m秒毎に250球計数処理(S3407)が実行される(図31参照)。こうして、計数ボタン43kに対する長押しを長い時間継続しなくても、300m秒毎に実行される250球計数処理を継続させて、遊技者の操作負担を軽減することが可能である。
【0302】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、計数ボタン43kに対する長押しが4000m以上行われた後に、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されて、その後に計数ボタン43kが操作された場合には、300m秒毎に実行する250球計数処理が中止される(図32参照)。こうして、自動的に300m秒毎に250球計数処理(S3407)が実行されるようにした後で、遊技者が任意に、300m秒毎に実行される250球計数処理(S3407)を中止させることが可能である。
【0303】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、計数ボタン43kに対する長押しが4000m以上行われた後に、計数ボタン43kに対する長押しが解除されて、その後に当該パチンコ遊技機PY1に異常がある場合、300m秒毎に実行する250球計数処理(S3407)が中止される。こうして、自動的に300m秒毎に250球計数処理(S3407)が実行されるようにした後で、例えば通信の異常があった場合に、300m秒毎に実行される250球計数処理(S3407)を中止させることが可能である。
【0304】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、計数ボタン43kに対する長押しが4000m秒以上行われた場合(ロング長押しが実行された場合)には、計数ボタン43kに対する長押しが解除されても、持ち球数がゼロになるまで300m秒毎に250球計数処理(S3407)が実行される。こうして、計数ボタン43kに対する長押しを長い時間継続しなくても、持ち球数がゼロになるまで250球計数処理(S3407)を実行させることができて、遊技者の操作負担を軽減することが可能である。
【0305】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、枠制御用マイコン171は、図39に示す遊技球数減算処理(S3106)と、図44に示す計数処理(具体的には、ステップS3407,S3409に示す250球計数処理、ステップS3411に示す1球計数処理)とを同時に実行する場合、図39に示す遊技球数減算処理(S3106)を優先して実行する。これにより、遊技球の発射と、持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)とが同時に生じても、遊技球を発射させることが可能である。
【0306】
ところで、計数ボタン43kを単押しするだけで、持ち球数がゼロになるまで、300m秒毎に250球計数処理が実行されるという構成が考えられる。しかしながら、この構成の場合、遊技者が計数ボタン43kへの長押しを行っている間だけ、任意な持ち球数を計数させることができなくなる。また遊技中に遊技者が誤って計数ボタン43kを操作してしまうと、意図しないで持ち球数がゼロになってしまい、遊技が中断されてしまう。従って、本形態のように、計数ボタン43kへのショート長押しと、計数ボタン43kへのロング長押しを設けることで、遊技者が計数ボタン43kへの長押しを行っている間だけ、任意な持ち球数を計数させることと、計数ボタン43への誤操作の防止との両立を図ることが可能である。
【0307】
13.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0308】
上記形態では、図15に示すように、大当たり遊技状態を除くと、遊技状態として、低確微時短状態と、通常遊技状態と、低確時短状態と、高確時短状態と、があった。しかしながら、制御される遊技状態は、上記した遊技状態に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態、他の遊技状態)があるようにしても良い。この場合、高確非時短状態では、左打ちによって(遊技球が左遊技領域6Lを流下するように)遊技が進行されるように設定されていれば、左打ち総賞球数には、微時短総発射球数と通常総賞球数の他に、高確非時短状態で遊技者が獲得した総賞球数(高確非時短総賞球数)が含まれ、左打ち発射球数には、微時短発射球数と通常発射球数の他に、高確非時短状態で遊技者により発射された発射球数(高確非時短発射球数)が含まれるようにすると良い。そして、上記した左打ち総賞球数と左打ち発射球数との割合である左打ちベース(所定ベース)が演算されて、この左打ちベースが枠基板表示器300で表示されるようにすると良い。このようにすれば、左打ちが行われる高確非時短状態での遊技も考慮された上で、左打ちベースが表示されるため、本パチンコ遊技機PY1が正常であるかをより適切に判断することが可能である。
【0309】
上記形態では、左打ち総賞球数(所定総賞球数)には、微時短状態(所定遊技状態)で遊技者が獲得した微時短総賞球数(他の総賞球数)が含まれ、左打ち発射球数(所定発射球数)には、微時短状態(所定遊技状態)で遊技者により発射された微時短発射球数(他の発射球数)が含まれるようにした。しかしながら、低確時短状態、高確時短状態などでも、通常遊技状態と同じ遊技領域に遊技球が流下するように遊技が進行するのであれば、所定総賞球数には、低確時短状態又は高確時短状態で遊技者が獲得した他の総賞球数が含まれ、所定発射球数には、低確時短状態又は高確時短状態で遊技者により発射された他の発射球数が含まれるようにしても良い。
【0310】
上記形態では、通常遊技状態では、特図1の抽選で必ず特殊ハズレを引いて、低確微時短状態又は低確時短状態に直ぐに移行するようになっていた。しかしながら、特図1の抽選で特殊ハズレを引くことがない、又は、特図1の抽選で低い確率(例えば1/100)で特殊ハズレを引くようになっていて、通常遊技状態から低確微時短状態又は低確時短状態に直ぐに移行しないようにしても良い。こうして、通常遊技状態は、低確微時短状態(他の遊技状態)のように、遊技されている時間が長くなるように設定されていても良い。
【0311】
上記形態では、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)が、左打ちベースを演算して、その左打ちベースの情報を枠制御基板170に送信する。そして、枠制御基板170(枠制御用マイコン171)が、送信された左打ちベースの情報に基づいて、枠基板表示器300にて左打ちベースを表示した。しかしながら、枠制御基板170(枠制御用マイコン171)が、左打ちベースを演算して、演算された左打ちベースを枠基板表示器300にて表示するようにしても良い。この場合には、遊技制御用マイコン101が、左打ちベースを演算する必要がないため、遊技制御用マイコン101の処理負荷を軽減することが可能である。
【0312】
上記形態では、枠制御用マイコン171が、遊技制御用マイコン101からの指示に基づいて、枠基板表示器300の各種表示(左打ちベース、「--」、識別子(bL、b1、b2、b3)、点灯態様又は点滅態様)を行っていた。しかしながら、枠制御用マイコン171が、総発射球数に基づいて、枠基板表示器300の右2桁にて「--」を表示する又は左打ちベースを表示するかを判断して、枠基板表示器300の右2桁にて「--」を表示する又は左打ちベースを表示するようにしても良い。また枠制御用マイコン171が、総発射球数と切替えタイミングとに基づいて、枠基板表示器300の中2桁と右2桁にて、「bL+現在の左打ちベース」、「b1+1回前の左打ちベース」、「b2+2回前の左打ちベース」、「b3+3回前の左打ちベース」の何れを表示するかを判断して、枠基板表示器300の中2桁と右2桁にて、「bL+現在の左打ちベース」⇒「b1+1回前の左打ちベース」⇒「b2+2回前の左打ちベース」⇒「b3+3回前の左打ちベース」を表示するようにしても良い。また枠制御用マイコン171が、左打ち発射球数に基づいて、枠基板表示器300の中2桁にて、識別子(bL、b1、b2、b3)の点灯態様又は点滅態様の何れを表示するかを判断して、枠基板表示器300の中2桁にて、識別子(bL、b1、b2、b3)を点灯態様又は点滅態様で表示するようにしても良い。また枠制御用マイコン171が、1回前ベース、2回前ベース、3回前ベースが集計されていない場合、遊技制御用マイコン101からの指示に基づかずに、枠基板表示器300の中2桁の識別子(bL、b1、b2、b3)を点滅態様で表示するようにしても良い。
【0313】
上記形態では、枠制御基板170上に、左打ちベースを表示するための枠基板表示器300が配置されていた(図7参照)。しかしながら、遊技制御基板100上に、左打ちベースを表示するための表示手段が配置されるようにしても良い。この場合には、遊技制御用マイコン101が、左打ちベースを演算して、演算された左打ちベースを遊技制御基板100上に配置されている表示手段にて表示するようにしても良い。
【0314】
上記形態では、左打ち総賞球数(所定総賞球数)には、通常総賞球数と微時短総賞球数(他の総賞球数)とが含まれて、左打ち発射球数(所定発射球数)には、通常発射球数と微時短発射球数(他の発射球数)とが含まれていた。しかしながら、所定総賞球数には、他の総賞球数(例えば微時短総賞球数)のみが含まれ、所定発射球数には、他の発射球数(例えば微時短発射球数)のみが含まれるようにしても良い。従って、例えば枠制御用マイコン171は、微時短総賞球数と微時短発射球数との割合である微時短ベース(所定ベース)を演算して、微時短ベース(所定ベース)を枠基板表示器300にて表示するようにしても良い。
【0315】
上記形態では、左打ち総賞球数(所定総賞球数)と左打ち発射球数(所定発射球数)との割合である左打ちベース(所定ベース)を表示するようにした。しかしながら、所定総賞球数、所定発射球数、所定ベースは、左打ち総賞球数、左打ち発射球数、左打ちベースに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、右打ち総賞球数(所定総賞球数)と右打ち発射球数(所定発射球数)との割合である右打ちベース(所定ベース)を表示するようにしても良い。また第1遊技状態又は第2遊技状態に制御可能であって、所定総賞球数には、第1遊技状態で遊技者が獲得した第1総賞球数と第2遊技状態で遊技者が獲得した第2総賞球数の加算値のみが含まれ、所定発射球数には、第1遊技状態で遊技者により発射された第1発射球数と第2遊技状態で遊技者により発射された第2発射球数の加算値のみが含まれ、所定ベースは、上記所定総賞球数と上記所定発射球数との割合であるようにしても良い。そして、上記第1遊技状態は、通常遊技状態、低確微時短状態、低確時短状態、高確時短状態、高確非時短状態、大当たり遊技状態のうち何れかの遊技状態であり、上記第2遊技状態は、通常遊技状態、低確微時短状態、低確時短状態、高確時短状態、高確非時短状態、大当たり遊技状態のうち上記第1遊技状態と異なる何れかの遊技状態であるようにすれば良い。
【0316】
上記形態では、枠制御用マイコン171(所定制御手段)は、300m秒(所定時間)毎に250球計数処理を実行可能であった。しかしながら、250球計数処理を実行するための周期である所定時間は、300m秒に限られるものではなく、200m秒であっても良く、適宜変更可能である。
【0317】
上記形態では、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒(特定時間)以上行われた場合には、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されても、300m秒毎に250球計数処理を実行可能であった。しかしながら、上記した特定時間は、4000m秒に限られるものではなく、3000m秒であっても良く、適宜変更可能である。
【0318】
上記形態では、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒以上行われた後に、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されて、その後に計数ボタン43kが操作された場合には、300m秒毎に実行される250球計数処理(S3407)が中止された。しかしながら、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒以上行われた後に、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されて、その後に計数ボタン43kと異なる他の操作手段が操作されることで、300m秒毎に実行される250球計数処理(S3407)が中止されるようにしても良い。
【0319】
上記形態では、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒以上行われた場合には、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されても、持ち球数がゼロになるまで300m秒毎に250球計数処理(S3407)が実行された。しかしながら、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒以上行われた場合には、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されても、予め定められた規定球数(例えば10000)が計数されるまで、300m秒毎に250球計数処理(S3407)が実行されるようにしても良い。又は、計数ボタン43kに対する長押し操作が4000m秒以上行われた場合には、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されても、予め定められた規定時間(例えば10秒)が経過するまで、300m秒毎に250球計数処理(S3407)が実行されるようにしても良い。
【0320】
上記形態では、枠制御用マイコン171は、遊技球が発射される際の処理(遊技球数減算処理(S3106))と、持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)とを同時に実行する場合に、遊技球が発射される際の処理を優先して実行するようになっていた。しかしながら、枠制御用マイコン171は、遊技球が発射される際の処理(遊技球数減算処理(S3106))と、持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)とを同時に実行する場合に、持ち球数がゼロになる計数処理(ステップS3407,S3409の250球計数処理、ステップS3411の1球計数処理)を優先して実行するようにしても良い。
【0321】
上記形態では、枠制御用マイコン171は、遊技球が発射される際でも(遊技球数減算処理(S3106)の実行中でも)、計数処理(ステップS3006)が実行可能であった。しかしながら、枠制御用マイコン171は、遊技球が発射される際には(遊技球数減算処理(S3106)の実行中には)、計数処理(ステップS3006)が実行できないようにしても良い。これにより、遊技者が遊技中に誤って計数ボタン43kを操作しても、計数処理(ステップS3006)が実行されないようにすることが可能である。
【0322】
上記形態では、ショート長押しが行われる操作手段と、ロング長押しが行われる操作手段とが、同じ計数ボタン43kであった。しかしながら、ロング長押しが行われる操作手段として、ショート長押しが行われる計数ボタン43kとは異なる専用の操作手段を設けるようにしても良い。この場合には、遊技者には、計数ボタン43kを4000m秒以上長押し操作を行うという方法よりも、より簡易な方法で専用の操作手段を操作させて、持ち球数が「0」になるまで300m秒毎に250球計数処理(S3407)を実行させることが可能である。
【0323】
上記形態では、図29に示すように、所定時間(300m秒)の間で、計数ボタン43kが連打(複数回単押し)されても、枠制御用マイコン171は、1回だけ1球計数処理(S3411)を行うようになっていた。しかしながら、所定時間(300m秒)の間で、計数ボタン43kが複数回単押しされた場合、枠制御用マイコン171は、計数ボタン43kが単押しされた回数分だけ1球計数処理を行うようにしても良い。、
【0324】
上記形態では、枠制御用マイコン171(所定制御手段)は、計数ボタン43k(操作手段)が4000m秒以上長押し操作されると、計数ボタン43kに対する長押し操作が解除されても、300m秒毎に250球計数処理(S3407、所定処理)を実行するようにした。しかしながら、所定制御手段、操作手段、所定処理は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、演出制御用マイコン121(所定制御手段)が、入力部40k(操作手段)が特定時間(例えば3秒)以上長押し操作されると、その後に入力部40kに対する長押し操作が解除されても、1m秒毎に長押し押下処理(所定処理)を実行するようにしても良い。この場合には、遊技者には、入力部40kを少なくとも特定時間だけ長押し操作させることで、その後に入力部40kへの長押し操作を解除しても、長押し操作が継続しているようにすることが可能である。
【0325】
上記形態では、高確率状態は、実質的に次回の大当たりに当選するまで継続する所謂ループ機として構成されていた。しかしながら、高確率状態は、特別図柄の変動表示が所定回数(ST回数)だけ実行されると終了する所謂ST機として構成されていても良い。
【0326】
上記形態では、当選した大当たり(大当たり図柄)の種類に基づいて、高確率状態に制御された。しかしながら、当選した大当たりの種類と当選時の遊技状態とに基づいて高確率状態に制御されるようにしても良い。また、大入賞口内の特定領域に遊技球が通過すると、高確率状態に制御される所謂V確機として構成されていても良い。この場合、遊技球が特定領域を通過すると、遊技球数表示器180での表示色が変わるようにしても良い。
【0327】
上記形態では、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合に限り、大当たり遊技が実行される1種遊技機として構成されていた。しかしながら、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合、又は大入賞口内の特定領域に遊技球が通過した場合に、大当たり遊技が実行される1種2種混合機として構成しても良い。また抽選によって高確率状態から通常確率状態に転落する所謂転落機など、他の種類の遊技機として構成しても良い。
【0328】
上記各形態では、封入式パチンコとして構成されていた。しかしながら、非封入式パチンコとして構成しても良い。
【0329】
14.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0330】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
表示手段(枠基板表示器300)と、
通常遊技状態又は前記通常遊技状態と異なる他の遊技状態(微時短状態)に制御可能な遊技制御手段(100)と、を備え、
前記表示手段にて、遊技者が獲得した所定総賞球数(左打ち総賞球数)と、遊技者により発射された所定発射球数(左打ち発射球数)と、の割合である所定ベース(左打ちベース)を表示可能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記通常遊技状態では、所定遊技領域(左遊技領域6L)に遊技球が流下するように遊技が進行され、
前記他の遊技状態(微時短状態)では、前記所定遊技領域(左遊技領域6L)に遊技球が流下するように遊技が進行され、
前記所定総賞球数(左打ち総賞球数)には、前記他の遊技状態で遊技者が獲得した他の総賞球数(微時短総賞球数)が含まれ、
前記所定発射球数(左打ち発射球数)には、前記他の遊技状態で遊技者により発射された他の発射球数(左打ち発射球数)が含まれていることを特徴とする遊技機である。
【0331】
この構成の遊技機によれば、通常遊技状態と他の遊技状態とでは、共に所定遊技領域に遊技球が流下するように遊技が進行する。この場合に、所定ベースを求めるための所定総賞球数には、他の遊技状態で遊技者が獲得した他の総賞球数が含まれ、所定ベースを求めるための所定発射球数には、他の遊技状態で遊技者により発射された他の発射球数が含まれる。これにより、通常遊技状態と同じように遊技を行う他の遊技状態がある場合でも、遊技機が正常であるかを適切に判断することが可能である。
【0332】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記他の遊技状態(微時短状態)は、前記通常遊技状態よりも、遊技されている時間が長くなるように設定されていることを特徴とする遊技機である。
【0333】
この構成の遊技機によれば、他の遊技状態は、通常遊技状態よりも、遊技されている時間が長くなるように設定されている。そのため仮に、所定ベースを求めるための所定総賞球数に、他の遊技状態で遊技者が獲得した他の総賞球数が含まれず、所定ベースを求めるための所定発射球数に、他の遊技状態で遊技者により発射された他の発射球数が含まれないと、所定ベースの値のばらつきが非常に大きくなる。そこで、所定ベースを求めるための所定総賞球数に、他の遊技状態で遊技者が獲得した他の総賞球数を含め、所定ベースを求めるための所定発射球数に、他の遊技状態で遊技者により発射された他の発射球数を含めることで、所定ベースの値のばらつきを抑えることが可能である。
【0334】
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
開閉可能な遊技機枠(2)と、
前記遊技機枠の内部に配置されている遊技盤(1)と、
前記遊技機枠に設けられていて、前記表示手段(枠基板表示器300)を有する枠側基板と、
前記遊技盤に設けられていて、前記遊技制御手段を実装する遊技制御基板(100)と、を備え、
前記遊技制御手段は、前記他の総賞球数が含まれる前記所定総賞球数と、前記他の発射球数が含まれる前記所定発射球数と、に基づいて、前記所定ベース(左打ちベース)を演算可能であることを特徴とする遊技機である。
【0335】
新たな遊技機を構成する場合に、遊技機枠を交換しないで、遊技盤のみを交換する場合がある。この場合、仮に枠側基板が、他の総賞球数が含まれる所定総賞球数と、他の発射球数が含まれる所定発射球数とに基づいて所定ベースを演算するという新たな構成にすると、遊技盤を交換するだけでなく、枠側基板も交換する必要がある。そこでこの構成の遊技機によれば、遊技制御基板の遊技制御手段が、他の総賞球数が含まれる所定総賞球数と他の発射球数が含まれる所定発射球数とに基づいて、所定ベースを演算する。そのため、新たな遊技機を構成する場合に、遊技機枠に設けられた枠制御基板を交換しないで、新たな遊技制御基板を備える遊技盤だけを交換することで対処できる。
【0336】
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機において、
前記枠側基板は、
遊技球が特定球数(100球)だけ発射された際に遊技者が獲得した賞球数の合計である特定獲得球数(1分間獲得遊技球数)を計測可能であり、
前記特定獲得球数の情報を当該遊技機の外部(専用外部ユニット200)に送信可能であることを特徴とする遊技機である。
【0337】
この構成の遊技機によれば、枠側基板は、遊技球が特定球数だけ発射された際の遊技者が獲得した特定獲得球数を計測して、計測した特定獲得球数の情報を当該遊技機の外部に送信可能である。
【0338】
ところで、特開2020-182693号公報に記載の遊技機のように、遊技制御基板に7セグ表示器(表示手段)が配置されているものがある。この種類の遊技機では、表示手段において、通常遊技状態で遊技者が獲得した総賞球数と、通常遊技状態で遊技者により発射された発射球数との割合である通常ベースに限り、表示されるようになっている。こうして、通常ベースの値により、遊技機が正常であるかを判断するようになっている。ここで、ほとんどの遊技機では、通常遊技状態において、所定遊技領域(左遊技領域)に遊技球が流下するように遊技が進行される。しかしながら、通常遊技状態とは異なる他の遊技状態でも、所定遊技領域に遊技球が流下するように遊技が進行される遊技機もある。この場合、表示手段において、通常遊技状態で遊技者が獲得した総賞球数と、通常遊技状態で遊技者により発射された発射球数との割合である通常ベースに限り、表示されるようにすると、その通常ベースの値に基づいて、遊技機が正常であるかを適切に判断できないおそれがある。そこで手段A1~A4に係る発明は、特開2020-182693号公報に記載の遊技機に対して、表示手段にて、遊技者が獲得した所定総賞球数と、遊技者により発射された所定発射球数と、の割合である所定ベースを表示可能であり、通常遊技状態では、所定遊技領域に遊技球が流下するように遊技が進行され、他の遊技状態では、所定遊技領域に遊技球が流下するように遊技が進行され、所定総賞球数には、他の遊技状態で遊技者が獲得した他の総賞球数が含まれ、所定発射球数には、前記他の遊技状態で遊技者により発射された他の発射球数が含まれている点で相違している。これにより、遊技機が正常であるかを適切に判断するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0339】
<手段B>
手段B1に係る発明は、
操作可能な操作手段(計数ボタン43k)と、
前記操作手段に対する長押し操作が行われている間、所定時間(300m秒)毎に所定処理(250球計数処理)を実行可能な所定制御手段(枠制御用マイコン171)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が特定時間(4000m秒)未満行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が開始されてから解除されるまでの間で、前記所定時間(300m秒)毎に前記所定処理(250球計数処理(S3409))を実行可能であり(図30参照)、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間(4000m秒)以上行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が解除されても、前記所定時間(300m秒)毎に前記所定処理(250球計数処理(S3407))を実行可能である(図31参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0340】
この構成の遊技機によれば、操作手段に対する長押し操作が特定時間未満行われた場合には、操作手段に対する長押し操作が開始されてから解除されるまでの間で、所定時間毎に所定処理が実行される。一方、操作手段に対する長押し操作が特定時間以上行われた場合には、操作手段に対する長押し操作が解除されても、所定時間毎に所定処理が実行される。こうして、操作手段に対する長押し操作を長い時間継続しなくても、所定時間毎に実行される所定処理を継続させて、遊技者の操作負担を軽減することが可能である。
【0341】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間(4000m秒)以上行われた後に、前記操作手段に対する長押し操作が解除されて、その後に前記操作手段が操作された場合には、前記所定時間毎に実行する前記所定処理(250球計数処理(S3407))を中止する(図32参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0342】
この構成の遊技機によれば、操作手段に対する長押し操作が特定時間以上行われた後に、操作手段に対する長押し操作が解除されて、その後に操作手段が再び操作された場合には、所定時間毎に実行される所定処理が中止される。こうして、自動的に所定時間毎に所定処理が実行されるようにした後で、遊技者が任意に、所定時間毎に実行される所定処理を中止させることが可能である。
【0343】
手段B3に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間(4000m秒)以上行われた後に、前記操作手段に対する長押し操作が解除されて、その後に当該遊技機に異常(例えば枠制御基板170と専用外部ユニット200との間の通信の異常)があると、前記所定時間毎に実行する前記所定処理(250球計数処理(S3407))を中止することを特徴とする遊技機である。
【0344】
この構成の遊技機によれば、操作手段に対する長押し操作が特定時間以上行われた後に、操作手段に対する長押し操作が解除されて、その後に遊技機に異常がある場合、所定時間毎に実行される所定処理が中止される。こうして、自動的に所定時間毎に所定処理が実行されるようにした後で、例えば通信の異常があった場合に、所定時間毎に実行される所定処理を中止させることが可能である。
【0345】
手段B4に係る発明は、
手段B1乃至手段B3の何れかに記載の遊技機において、
前記所定処理は、遊技に用いることが可能な持ち球数に対して規定球数(250球)だけ計数する計数処理(250球計数処理(S3407))であり、
前記所定制御手段は、
前記操作手段に対する長押し操作が前記特定時間(4000m秒)以上行われた場合には、前記操作手段に対する長押し操作が解除されても、持ち球数がゼロになるまで前記所定時間毎に前記計数処理を実行可能である(図31参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0346】
この構成の遊技機によれば、操作手段に対する長押し操作が特定時間以上行われた場合には、操作手段に対する長押し操作が解除されても、持ち球数がゼロになるまで所定時間毎に計数処理が実行される。こうして、操作手段に対する長押し操作を長い時間継続しなくても、持ち球数がゼロになるまで計数処理を実行させることができて、遊技者の操作負担を軽減することが可能である。
【0347】
手段B5に係る発明は、
手段B4に記載の遊技機において、
前記所定制御手段は、
遊技球が発射される際に持ち球数を減算する遊技球数減算処理(ステップS3106に示す遊技球数減算処理)を実行可能であり、
前記遊技球数減算処理と前記計数処理とを同時に実行する場合には、前記遊技球数減算処理を優先して実行する(ステップS3106に示す遊技球数減算処理を実行した後に、ステップS3407に示す250球計数処理を実行する)ことを特徴とする遊技機である。
【0348】
この構成の遊技機によれば、遊技球減算処理と計数処理とが同時に実行される場合、遊技球減算処理が優先して実行される。これにより、遊技球の発射と持ち球数がゼロになる計数処理とが同時に生じても、遊技球を発射させることが可能である。
【0349】
ところで、特開2018-1012号公報に記載の遊技機では、操作可能な計数ボタン(操作手段)が設けられている。この遊技機では、遊技者が計数ボタンへの長押し操作を行うと、持ち球数が計数される計数処理(所定処理)が実行されるようになっている。しかしながら、この遊技機では、操作手段に対する長押し操作が行われている間に限り、所定処理が実行されるようになっている。従って、所定処理を継続して実行させるためには、操作手段に対する長押し操作を長い時間継続する場合があり、この場合に、遊技者の操作負担が大きいという問題点がある。そこで手段B1~B5に係る発明は、特開2018-1012号公報に記載の遊技機に対して、所定制御手段は、操作手段に対する長押し操作が特定時間以上行われた場合には、操作手段に対する長押し操作が解除されても、所定時間毎に所定処理を実行可能であるという点で相違している。これにより、遊技者の操作負担を軽減することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0350】
PY1…パチンコ遊技機
1…遊技盤
2…遊技機枠
43k…計数ボタン
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
170…枠制御基板
171…枠制御用マイコン
180…遊技球数表示器
200…専用外部ユニット
300…枠基板表示器
図1
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