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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021759
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】発電装置、および制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/18 20060101AFI20250206BHJP
   B62J 1/08 20060101ALI20250206BHJP
   B62M 25/08 20060101ALI20250206BHJP
   B62J 6/02 20200101ALI20250206BHJP
   B62K 25/04 20060101ALI20250206BHJP
   B62M 6/40 20100101ALI20250206BHJP
【FI】
H02N2/18
B62J1/08 C
B62M25/08
B62J6/02
B62K25/04
B62M6/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125703
(22)【出願日】2023-08-01
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】加治木 孝一
【テーマコード(参考)】
3D014
5H681
【Fターム(参考)】
3D014DE21
3D014DF21
5H681AA12
5H681BB08
5H681BB14
5H681DD30
(57)【要約】
【課題】発電装置および制御装置の動作の安定性を高める。
【解決手段】ヨークと、磁歪部材を含み、前記ヨークに対して第1方向に揺動可能に設けられる揺動部材と、前記ヨークおよび前記揺動部材の少なくとも1つに取り付けられるコイルと、前記コイルと電気的に接続される回路部材と、前記ヨーク、前記揺動部材および前記回路部材を収容するハウジングと、を備え、前記回路部材は、信号を無線送信するように構成される無線通信部を含む、発電装置を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークと、
磁歪部材を含み、前記ヨークに対して第1方向に揺動可能に設けられる揺動部材と、
前記ヨークおよび前記揺動部材の少なくとも1つに取り付けられるコイルと、
前記コイルと電気的に接続される回路部材と、
前記ヨーク、前記揺動部材および前記回路部材を収容するハウジングと、を備え、
前記回路部材は、信号を無線送信するように構成される無線通信部を含む、発電装置。
【請求項2】
前記無線通信部は、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材のいずれとも少なくとも部分的に対向しない、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記無線通信部は、前記発電装置の外部に前記信号を無線送信するように構成されるアンテナと、前記アンテナと電気的に接続され前記アンテナに前記信号を送信するように構成される無線装置とを含む、請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記アンテナは、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材のいずれとも少なくとも部分的に対向しない、請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記アンテナは、前記ハウジング外に前記信号を到達させることができる非遮蔽位置に配置される、請求項3に記載の発電装置。
【請求項6】
前記アンテナは、前記第1方向から見て、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材からオフセットしている、請求項3に記載の発電装置。
【請求項7】
前記回路部材は、第1面、および、前記第1面とは反対側の第2面を有する基板を含み、
前記無線通信部は、前記第1面に設けられ、
前記第1面は、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材のいずれとも少なくとも部分的に対向しない、請求項1に記載の発電装置。
【請求項8】
前記回路部材は、前記第1方向から見て、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている、請求項1に記載の発電装置。
【請求項9】
前記回路部材は、前記第1方向とは異なる非平行方向から見て、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている、請求項1に記載の発電装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、非磁性材料を含むように形成される、請求項1に記載の発電装置。
【請求項11】
前記コイルは、前記揺動部材に取り付けられ、
前記回路部材は、接続線を介して、前記コイルと電気的に接続されており、
前記揺動部材は、第1揺動部と、第2揺動部と、を有し、
前記揺動部材が前記第1方向に揺動する状態で、前記第1揺動部の第1振幅は、前記第2揺動部の第2振幅よりも大きく、
前記コイルが前記接続線に接続される接続位置と前記第1揺動部との間の第1距離は、前記接続位置と前記第2揺動部との間の第2距離よりも長い、請求項1に記載の発電装置。
【請求項12】
ヨークと、
磁歪部材を含み、前記ヨークに対して第1方向に揺動可能に設けられる揺動部材と、
前記揺動部材に取り付けられるコイルと、
接続線を介して、前記コイルと電気的に接続される回路部材と、を備え、
前記揺動部材は、第1揺動部と、第2揺動部と、を有し、
前記揺動部材が前記第1方向に揺動する状態で、前記第1揺動部の第1振幅は、前記第2揺動部の第2振幅よりも大きく、
前記コイルが前記接続線に接続される接続位置と前記第1揺動部との間の第1距離は、前記接続位置と前記第2揺動部との間の第2距離よりも長い、発電装置。
【請求項13】
前記第1揺動部は、前記第1方向とは異なる第2方向に前記第2揺動部から離れて設けられ、
前記第2揺動部は、前記ヨークに接触する、請求項12に記載の発電装置。
【請求項14】
前記ヨークは、磁性材料を含むように形成される、請求項1または12に記載の発電装置。
【請求項15】
前記揺動部材は、前記磁歪部材が取り付けられ、非磁性材料を含むように形成されるフレームをさらに備え、
前記ヨークは、前記磁歪部材および前記フレームの少なくとも1つを支持する、請求項1または12に記載の発電装置。
【請求項16】
前記磁歪部材を通る磁束を形成する磁束形成部材をさらに備える、請求項1または12に記載の発電装置。
【請求項17】
前記磁束形成部材は、前記ヨークと前記揺動部材との間に配置される、請求項16に記載の発電装置。
【請求項18】
前記回路部材は、前記コイルで発生した電流を整流する整流部と、前記整流部で整流した電流を無線通信部に供給する蓄電部と、を含む、請求項1または12に記載の発電装置。
【請求項19】
前記回路部材は、前記整流部、前記蓄電部、および前記無線通信部の少なくとも1つが実装される第1基板を含む、請求項18に記載の発電装置。
【請求項20】
ユーザによって操作されるように構成される操作部材をさらに備え、
前記揺動部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向に揺動するように構成される、請求項1または12に記載の発電装置。
【請求項21】
ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記揺動部材を前記第1方向に揺動させるように構成される揺動誘起部材をさらに備える、請求項20に記載の発電装置。
【請求項22】
被駆動装置の動作を制御する制御装置であって、
請求項20に記載の前記発電装置と、
ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、指令信号を前記被駆動装置に無線送信するように無線通信部を制御する制御部と、を備える、制御装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記回路部材に実装される、請求項22に記載の制御装置。
【請求項24】
前記制御部は、前記コイルにおいて発生された電圧に関する情報に基づいて前記指令信号を生成するように構成される、請求項22に記載の制御装置。
【請求項25】
前記制御装置および前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられるように構成され、
前記被駆動装置は、アクチュエータを有する、請求項22に記載の制御装置。
【請求項26】
前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ドライブユニット、および、ランプの少なくとも1つを含む、請求項22に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置、および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
振動を磁歪素子に与えて発電する磁歪式発電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6331677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の磁歪式発電装置においては、振動する磁歪棒に巻き掛けた磁気コイルの内部を通る磁束が変動することにより、磁気コイルに誘導電流を発生させて発電する構成であるため、磁気コイルは磁歪棒と共に振動する。したがって、磁気コイルと電源回路とを接続する接続線には磁気コイルの振動によって引張応力が加わるため、接続線が断線する虞があった。そのため、磁歪式発電装置の動作の安定性を高めることが困難であった。
また、上記の磁歪式発電装置の用途の一例として、ユーザが操作部を操作することによって磁歪式発電装置を発電させて、ユーザの操作内容に基づいて作成された指令信号を被駆動装置に無線送信して、被駆動装置を動作させる制御装置が挙げられる。しかしながら、上記の磁歪式発電装置は、磁歪棒および磁気コイルが磁性材料で構成されるため、指令信号が磁歪棒および磁気コイルによって磁気遮蔽され易く、磁歪式発電装置の外部に指令信号を確実に送信できない問題があった。そのため、磁歪式発電装置の動作の安定性を高めることが困難であった。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、動作の安定性を高めることができる発電装置および制御装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決する本発明の一態様は、ヨークと、磁歪部材を含み、前記ヨークに対して第1方向に揺動可能に設けられる揺動部材と、前記ヨークおよび前記揺動部材の少なくとも1つに取り付けられるコイルと、前記コイルと電気的に接続される回路部材と、前記ヨーク、前記揺動部材および前記回路部材を収容するハウジングと、を備え、前記回路部材は、信号を無線送信するように構成される無線通信部を含む、発電装置である。
【0007】
上記構成によれば、無線通信部によって指令信号を無線送信できるため、安定して発電装置の外部に指令信号を送信できる。したがって、発電装置の動作の安定性を高めることができる。
【0008】
(2)本発明の一態様は、(1)に記載の発電装置であって、前記無線通信部は、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材のいずれとも少なくとも部分的に対向しなくてもよい。
【0009】
上記構成によれば、無線通信部によって無線送信される指令信号が、ヨーク、コイルおよび磁歪部材によって磁気遮蔽されることを抑制できるため、指令信号を発電装置の外部に安定的に送信できる。したがって、発電装置の動作の安定性を高めることができる。
【0010】
(3)本発明の一態様は、(1)に記載の発電装置であって、前記無線通信部は、前記発電装置の外部に前記信号を無線送信するように構成されるアンテナと、前記アンテナと電気的に接続され前記アンテナに前記信号を送信するように構成される無線装置とを含んでもよい。
【0011】
上記構成によれば、アンテナによって指令信号を無線送信できるため、指令信号を発電装置の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0012】
(4)本発明の一態様は、(3)に記載の発電装置であって、前記アンテナは、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材のいずれとも少なくとも部分的に対向しなくてもよい。
【0013】
上記構成によれば、アンテナによって無線送信される指令信号が、ヨーク、コイルおよび磁歪部材によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できるため、指令信号を発電装置の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0014】
(5)本発明の一態様は、(3)または(4)に記載の発電装置であって、前記アンテナは、前記ハウジング外に前記信号を到達させることができる非遮蔽位置に配置されてもよい。
【0015】
上記構成によれば、アンテナによって無線送信される指令信号が、ヨーク、コイルおよび磁歪部材によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できるため、指令信号を発電装置の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0016】
(6)本発明の一態様は、(3)から(5)のいずれかに記載の発電装置であって、前記アンテナは、前記第1方向から見て、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材からオフセットしてもよい。
【0017】
上記構成によれば、指令信号を発電装置の外部に送信可能な方向を好適に拡大できるため、指令信号を発電装置の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0018】
(7)本発明の一態様は、(1)から(6)のいずれかに記載の発電装置と、前記回路部材は、第1面、および、前記第1面とは反対側の第2面を有する基板を含み、前記無線通信部は、前記第1面に設けられ、前記第1面は、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材のいずれとも少なくとも部分的に対向しなくてもよい。
【0019】
上記構成によれば、無線通信部は、ヨーク、コイルおよび磁歪部材と対向する方向とは反対側の方向に指令信号を無線送信できるため、指令信号が、ヨーク、コイルおよび磁歪部材によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できる。したがって、指令信号を発電装置の外部により安定的に送信できるため、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0020】
(8)本発明の一態様は、(1)から(7)のいずれかに記載の発電装置であって、前記回路部材は、前記第1方向から見て、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0021】
上記構成によれば、発電装置が第2方向および第3方向のそれぞれに大型化することを抑制できる。したがって、発電装置を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0022】
(9)本発明の一態様は、(1)から(8)のいずれかに記載の発電装置であって、前記回路部材は、前記第1方向とは異なる非平行方向から見て、前記ヨーク、前記コイルおよび前記揺動部材の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0023】
上記構成によれば、発電装置が第1方向に大型化することを抑制できる。したがって、発電装置を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0024】
(10)本発明の一態様は、(1)から(9)のいずれかに記載の発電装置であって、前記ハウジングは、非磁性材料を含むように形成されてもよい。
【0025】
上記構成によれば、無線通信部から送信される指令信号が、ハウジングによって磁気遮蔽されることを抑制できるため、指令信号を発電装置の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0026】
(11)本発明の一態様は、(1)から(10)のいずれかに記載の発電装置であって、前記コイルは、前記揺動部材に取り付けられ、前記回路部材は、接続線を介して、前記コイルと電気的に接続されており、前記揺動部材は、第1揺動部と、第2揺動部と、を有し、前記揺動部材が前記第1方向に揺動する状態で、前記第1揺動部の第1振幅は、前記第2揺動部の第2振幅よりも大きく、前記コイルが前記接続線に接続される接続位置と前記第1揺動部との間の第1距離は、前記接続位置と前記第2揺動部との間の第2距離よりも長くてもよい。
【0027】
上記構成によれば、揺動部材が第1方向に揺動される状態で、接続線に加わる応力を低減し易いため、接続線が断線することを抑制し易い。したがって、コイルと回路部材とを安定して電気的に接続できるため、発電装置の動作の安定性を高めることができる。
【0028】
(12)上述した課題を解決する本発明の一態様は、ヨークと、磁歪部材を含み、前記ヨークに対して第1方向に揺動可能に設けられる揺動部材と、前記揺動部材に取り付けられるコイルと、接続線を介して、前記コイルと電気的に接続される回路部材と、を備え、前記揺動部材は、第1揺動部と、第2揺動部と、を有し、前記揺動部材が前記第1方向に揺動する状態で、前記第1揺動部の第1振幅は、前記第2揺動部の第2振幅よりも大きく、前記コイルが前記接続線に接続される接続位置と前記第1揺動部との間の第1距離は、前記接続位置と前記第2揺動部との間の第2距離よりも長い、発電装置である。
【0029】
上記構成によれば、揺動部材が第1方向に揺動される状態で、接続線に加わる応力を低減し易いため、接続線が断線することを抑制し易い。したがって、コイルと回路部材とを安定して電気的に接続できるため、発電装置の動作の安定性を高めることができる。
【0030】
(13)本発明の一態様は、(11)または(12)に記載の発電装置であって、前記第1揺動部は、前記第1方向とは異なる第2方向に前記第2揺動部から離れて設けられ、前記第2揺動部は、前記ヨークに接触してもよい。
【0031】
上記構成によれば、揺動部材が第1方向に揺動する状態で、磁歪部材の第2揺動部側の部分の振幅が増大することを好適に抑制できる。よって、揺動部材が第1方向に揺動される状態で、接続線に加わる応力をより好適に低減できるため、接続線が断線することをより好適に抑制できる。したがって、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0032】
(14)本発明の一態様は、(1)から(13)のいずれかに記載の発電装置であって、前記ヨークは、磁性材料を含むように形成されてもよい。
【0033】
上記構成によれば、コイルの内部を通る磁束の磁束密度を高めることができるため、コイルに発生する発電電流および発電電圧を高めることができる。よって、発電装置の発電効率を高めることができる。
【0034】
(15)本発明の一態様は、(1)から(14)のいずれかに記載の発電装置であって、前記揺動部材は、前記磁歪部材が取り付けられ、非磁性材料を含むように形成されるフレームをさらに備え、前記ヨークは、前記磁歪部材および前記フレームの少なくとも1つを支持してもよい。
【0035】
上記構成によれば、揺動部材が第1方向に揺動する状態で、磁歪部材の振幅が大きくなりすぎることを抑制できるため、接続線に加わる応力をより好適に低減できる。したがって、接続線が断線することをより好適に抑制できる。したがって、発電装置の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0036】
(16)本発明の一態様は、(1)から(15)のいずれかに記載の発電装置であって、前記磁歪部材を通る磁束を形成する磁束形成部材をさらに備えてもよい。
【0037】
上記構成によれば、磁歪部材を通る磁束密度を高めることができるため、コイル26に発生する発電電流および発電電圧を高めることができる。
【0038】
(17)本発明の一態様は、(16)に記載の発電装置であって、前記磁束形成部材は、前記ヨークと前記揺動部材との間に配置されてもよい。
【0039】
上記構成によれば、磁束形成部材、ヨーク、および磁歪部材の間で形成される閉磁気回路を通る磁束密度をより安定的に高めることができるため、コイルに発生する発電電流および発電電圧をより安定的に高めることをできる。
【0040】
(18)本発明の一態様は、(1)から(17)のいずれかに記載の発電装置であって、前記回路部材は、前記コイルで発生した電流を整流する整流部と、前記整流部で整流した電流を無線通信部に供給する蓄電部と、を含んでもよい。
【0041】
上記構成によれば、電源を交換する作業または電源を充電する作業が不要になるとともに、発電装置の使用時に無線通信部の動作が停止することを抑制できる。よって、発電装置の利便性をさらに高めることができる。
【0042】
(19)本発明の一態様は、(18)に記載の発電装置であって、前記回路部材は、前記整流部、前記蓄電部、および前記無線通信部の少なくとも1つが実装される第1基板を含んでもよい。
【0043】
上記構成によれば、回路部材が有する基板の個数が増大することを抑制できる。したがって、発電装置の部品点数が増大することを抑制できるため、発電装置の組立工数および製造コストが増大することを抑制できる。
【0044】
(20)本発明の一態様は、(1)から(19)のいずれかに記載の発電装置であって、ユーザによって操作されるように構成される操作部材をさらに備え、前記揺動部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向に揺動するように構成されてもよい。
【0045】
上記構成によれば、ユーザが操作部材を操作することによって、コイルに発電電流を発生させることができるため、発電装置の利便性をさらに高めることができる。
【0046】
(21)本発明の一態様は、(20)に記載の発電装置であって、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記揺動部材を前記第1方向に揺動させるように構成される揺動誘起部材をさらに備えてもよい。
【0047】
上記構成によれば、ユーザが操作部材を操作することによって、コイルに発電電流を発生させることができるため、発電装置の利便性をさらに高めることができる。
【0048】
(22)上述した課題を解決する本発明の一態様は、被駆動装置の動作を制御する制御装置であって、(20)または(21)に記載の前記発電装置と、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、指令信号を前記被駆動装置に無線送信するように無線通信部を制御する制御部と、を備える、制御装置である。
【0049】
上記構成によれば、ユーザは操作部材を操作することによって、被駆動装置を動作させることができるため、制御装置および被駆動装置の利便性の向上を図ることができる。
【0050】
(23)本発明の一態様は、(22)に記載の制御装置であって、前記制御部は、前記回路部材に実装されてもよい。
【0051】
上記構成によれば、制御部を実装するための別個の回路部材を有する構成と比較して、制御装置の部品点数が増大することを抑制できる。したがって、発電装置および制御装置それぞれの組立工数および製造コストが増大することを抑制できる。
【0052】
(24)本発明の一態様は、(22)または(23)に記載の制御装置であって、前記制御部は、前記コイルにおいて発生された電圧に関する情報に基づいて前記指令信号を生成するように構成されてもよい。
【0053】
上記構成によれば、被駆動装置にユーザの操作に基づいた動作を実行させることができる。したがって、ユーザは操作部材を操作することによって、被駆動装置に所望の動作を実行させることができるため、制御装置および被駆動装置の利便性の向上を図ることができる。
【0054】
(25)本発明の一態様は、(22)から(24)のいずれかに記載の制御装置であって、前記制御装置および前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられるように構成され、前記被駆動装置は、アクチュエータを有してもよい。
【0055】
上記構成によれば、ユーザは操作部材を操作することによって、被駆動装置に所望の動作を実行させることができるため、人力駆動車の利便性の向上を図ることができる。
【0056】
(26)本発明の一態様は、(22)から(25)のいずれかに記載の制御装置であって、前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つを含んでもよい。
【0057】
上記構成によれば、ユーザは操作部材を押下する簡易な操作によって、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つに所望の動作を実行させることができる。したがって、人力駆動車の利便性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、発電装置および制御装置において、動作の安定性を高めることができるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】一実施形態の制御装置の構成例を示す斜視図である。
図2】一実施形態の制御装置の構成例を第1方向の他方側から見た図である。
図3】一実施形態の制御装置の構成例を示す断面図であって、図2のIII-III断面図である。
図4】一実施形態の制御装置の構成例の一部を示す斜視図である。
図5】一実施形態の制御装置の構成例を示すブロック図である。
図6】一実施形態の制御装置の構成例の操作部材を押下した際の断面図である。
図7】一実施形態の第1変形例の制御装置の構成例を第1方向の他方側から見た図である。
図8】一実施形態の第1変形例の制御装置の構成例を示す断面図であって、図7のVIII-VIII断面図である。
図9】一実施形態の第2変形例の制御装置の構成例を第1方向の他方側から見た図である。
図10】一実施形態の第2変形例の制御装置の構成例を示す断面図であって、図9のX-X断面図である。
図11】一実施形態の第3変形例の制御装置の構成例を示す断面図である。
図12】一実施形態の第4変形例の制御装置の構成例を示すブロック図である。
図13】一実施形態の第5変形例の制御装置の構成例を示すブロック図である。
図14】一実施形態の第6変形例の制御装置の構成例を示すブロック図である。
図15】一実施形態の第7変形例の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下の説明において、各図には適宜、第1方向D1を示す。第1方向D1は、以下に示す実施形態の揺動部材が揺動する方向である。以下の説明では、第1方向D1の矢印が向く側(+D1側)を「第1方向D1の一方側」と呼び、第1方向D1の矢印が向く側と反対側(-D1側)を「第1方向D1の他方側」と呼ぶ。
【0061】
各図には適宜、第2方向D2を示す。第2方向D2は、第1方向D1とは異なる方向である。以下に示す実施形態において、第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。以下の説明では、第2方向D2の矢印が向く側(+D2側)を「第2方向D2の一方側」と呼び、第2方向D2の矢印が向く側と反対側(-D2側)を「第2方向D2の他方側」と呼ぶ。
【0062】
各図には適宜、第3方向D3を示す。第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2の両方と交差する方向である。以下に示す実施形態において、第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2の両方と直交する方向である。以下の説明では、第3方向D3の矢印が向く側(+D3側)を「第3方向D3の一方側」と呼び、第3方向D3の矢印が向く側と反対側(-D3側)を「第3方向D3の他方側」と呼ぶ。
【0063】
<実施形態>
図1は、本実施形態の制御装置10の構成例を示す斜視図である。図2は、本実施形態の制御装置10の構成例を第1方向D1の他方側(-D1側)から見た図である。なお、図2では、後述する蓋部17を取り外した制御装置10を示している。図3は、本実施形態の制御装置10の構成例を示す断面図であって、図2のIII-III断面図である。図4は、本実施形態の制御装置10の構成例の一部を示す斜視図である。
【0064】
図1に示す本実施形態の制御装置10は、図示しない自転車等の人力駆動車80に取り付けられ、人力駆動車80に取り付けられる被駆動装置81の動作を制御する(図5参照)。制御装置10および被駆動装置81は、人力駆動車80に取り付けられるように構成される。被駆動装置81は、アクチュエータを有している。被駆動装置81は、人力駆動車80に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つを含む。変速装置には、外装変速装置および内装変速装置が含まれる。また、外装変速機は、リアディレーラおよびフロントディレーラを含む。ドライブユニットは、人力駆動車80の推進をアシストするユニットである。図3に示すように、制御装置10は、発電装置20と、検出部材40と、制御部90と、を備える。
【0065】
発電装置20は、逆磁歪方式の発電装置である。発電装置20は、ハウジング15と、ヨーク21と、揺動部材22と、コイル26と、磁束形成部材27と、操作部30と、回路部材60と、を備える。揺動部材22は、磁歪部材23を含む。揺動部材22は、フレーム24を備える。
【0066】
図1に示すように、ハウジング15は、略直方体の箱状を有する。ハウジング15は、円筒状等の他の形状を有していてもよい。図3に示すように、ハウジング15は、揺動部材22、およびコイル26等の発電装置20の各部、検出部材40、および制御部90を内部に収容する。ハウジング15は、非磁性材料を含むように形成されている。言い換えると、ハウジング15は、少なくとも部分的に非磁性材料によって形成される。本実施形態において、ハウジング15は、磁性材料から形成される。本実施形態では、ハウジング15の全体が非磁性材料によって形成される。例えば、ハウジング15は、アルミニウムおよびステンレス等の非磁性金属、および樹脂等によって形成される。なお、ハウジング15は、磁性材料を含んでいてもよい。この場合、ハウジング15は全体として非磁性の特性を有していればよい。本実施形態において、ハウジング15は樹脂製である。ハウジング15は、ハウジング本体部16と、蓋部17と、を有する。
【0067】
図3に示すように、ハウジング本体部16は、第1方向D1の他方側(-D1側)に開口する四角筒状を有する。ハウジング本体部16は、側壁部16aと、底壁部16bと、を有する。
【0068】
図1に示すように、側壁部16aは、第1方向D1に延びる四角筒状を有する。図2に示すように、第1方向D1から見て、側壁部16aの長辺は第2方向D2に延び、側壁部16aの短辺は第3方向D3に延びる。図3に示すように、側壁部16aは、ヨーク21、磁歪部材23、およびコイル26等の発電装置20の各部、検出部材40、および回路部材60を囲む。底壁部16bは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。底壁部16bの外縁は、側壁部16aと繋がる。
【0069】
図1に示すように、蓋部17は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状である。蓋部17は、ハウジング本体部16に固定される。蓋部17は、ハウジング本体部16の開口を塞ぐ。蓋部17には、挿通孔17aが設けられる。
【0070】
挿通孔17aは、蓋部17を第1方向D1に貫通する略正方形状の孔である。挿通孔17aは、円形状等の他の形状であってもよい。挿通孔17aは、蓋部17の第3方向D3の中央近傍、且つ、第2方向D2の一方側(+D2側)の縁部に設けられる。
【0071】
図2に示すように、第1方向D1から見て、ヨーク21は、略L形状を有する。ヨーク21は、磁性材料を含むように形成される。言い換えると、ヨーク21は、少なくとも部分的に磁性材料によって形成される。本実施形態において、ヨーク21は、磁性材料から形成される。本実施形態において、ヨーク21の全体が磁性材料によって形成される。ヨーク21の材質は特に限定されず、例えば、軟磁性の鉄鋼によって形成されている。ヨーク21は、例えば、軟磁性の鉄鋼の1つであるSS400によって形成されていてもよい。なお、ヨーク21は、磁性材料と非磁性材料の両方を含んでいてもよい。ヨーク21は、磁歪部材23およびフレーム24の少なくとも1つを支持する。本実施形態において、ヨーク21は、磁歪部材23およびフレーム24の両方を支持する。ヨーク21は、第1ヨーク部21aと、第2ヨーク部21bと、を有する。
【0072】
第1ヨーク部21aは、第3方向D3に延びる略直方体状を有する。第1ヨーク部21aは、第1ヨーク端部21pと第2ヨーク端部21qとを有する。第2ヨーク端部21qは、第3方向D3における第1ヨーク端部21pとは反対側の端部である。第2ヨーク端部21qは、第1ヨーク端部21pよりも第3方向D3の他方側に位置する。第1ヨーク部21aは、コイル26よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。第1ヨーク部21aは、側壁部16aに固定されている。
【0073】
第2ヨーク部21bは、第2方向D2に延びる略直方体状を有する。第2ヨーク部21bは、第3ヨーク端部21rと第4ヨーク端部21sとを有する。第4ヨーク端部21sは、第2方向D2における第3ヨーク端部21rとは反対側の端部である。第4ヨーク端部21sは、第3ヨーク端部21rよりも第2方向D2の他方側に位置する。第2ヨーク部21bは、磁歪部材23およびコイル26よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。第2ヨーク部21bは、磁歪部材23およびコイル26と第3方向D3に間隔をあけて対向する。第2ヨーク部21bは、第1ヨーク部21aと繋がる。第1ヨーク部21aの第1ヨーク端部21pは、第2ヨーク部の第4ヨーク端部21sと繋がっていてもよい。第1ヨーク部21aの第2ヨーク端部21qが、第2ヨーク部の第3ヨーク端部21rと繋がっている必要はない。第1ヨーク部21aの第1ヨーク端部21pが、第2ヨーク部の第4ヨーク端部21s以外の部分と繋がっていてもよい。第1ヨーク部の第1ヨーク端部21p以外の部分が、第2ヨーク部の第4ヨーク端部21sと繋がっていてもよい。本実施形態において、第1ヨーク部21aは、第2ヨーク部21bと一体に形成される。第2ヨーク部21bは、側壁部16aの第3方向D3の他方側(-D3側)を向く面に固定されている。
【0074】
図4に示すように、ヨーク21は、複数のヨーク板21d、中間ヨーク板21g、および環状板21iによって構成される。複数のヨーク板21d、中間ヨーク板21g、および環状板21iは、加締めピン29によって互いに固定される。
【0075】
ヨーク板21dは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1方向D1から見て、ヨーク板21dのそれぞれは、略L字状を有する。ヨーク板21dそれぞれの第3方向D3に延びる部分である第1部分21kは、第1ヨーク部21aを構成する。ヨーク板21dそれぞれの第2方向D2に延びる部分である第2部分21mは、第2ヨーク部21bを構成する。複数のヨーク板21dは、第1ヨーク板21eと、第2ヨーク板21fと、を有する。
【0076】
第1ヨーク板21eは、中間ヨーク板21gよりも第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。本実施形態において、複数のヨーク板21dは、3つの第1ヨーク板21eを有する。複数のヨーク板21dが有する第1ヨーク板21eの個数は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。第1ヨーク板21eは、第1方向D1に積層される。
【0077】
第2ヨーク板21fは、中間ヨーク板21gよりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。本実施形態において、複数のヨーク板21dは、3つの第2ヨーク板21fを有する。複数のヨーク板21dが有する第2ヨーク板21fの個数は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。第2ヨーク板21fは、第1方向D1に積層される。
【0078】
図示は省略するが、中間ヨーク板21gは、略L字状の板状を有する。中間ヨーク板21gの板厚方向は、第1方向D1である。中間ヨーク板21gは、第1ヨーク板21eと第2ヨーク板21fとの間に配置される。中間ヨーク板21gは、図示しない第1中間ヨーク端部と図示しない第2中間ヨーク端部とを有する。第2中間ヨーク端部は、第3方向D3における第1中間ヨーク端部とは反対側の端部である。第2中間ヨーク端部は、第1中間ヨーク端部よりも第3方向D3の他方側に位置する。図示は省略するが、中間ヨーク板21gの第2中間ヨーク端部は、第1ヨーク板21eの第2ヨーク端部21qおよび第2ヨーク板21fの第4ヨーク端部21sそれぞれよりも第3方向D3の一方側(+D3側)に位置する。第1方向D1における中間ヨーク板21gの厚さは、第2方向D2における中間ヨーク板21gの長さよりも小さい。第1方向D1における中間ヨーク板21gの厚さは、第3方向D3における長さよりも小さい。
【0079】
図示は省略するが、環状板21iは、円環状の板状を有する。環状板21iの板厚方向は、第1方向D1である。環状板21iは、第3方向D3に磁歪部材23を挟んで中間ヨーク板21gと対向して配置される。環状板21iは、第1ヨーク板21eと第2ヨーク板21fとの間に配置される。
【0080】
フレーム24は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1方向D1において、フレーム24は、中間ヨーク板21gと第2ヨーク板21fとの間に配置される。フレーム24は、非磁性材料を含むように形成される。言い換えると、フレーム24は、少なくとも部分的に非磁性材料によって形成される。本実施形態において、フレーム24は、非磁性材料から形成される。本実施形態では、フレーム24の全体が非磁性材料によって形成される。例えば、フレーム24は、ステンレスによって形成される。なお、フレーム24は、磁性材料を含んでいてもよい。この場合、フレーム24は全体として非磁性の特性を有していればよい。フレーム24は、第1フレーム部24aと、第2フレーム部24bと、延設部24cと、を有する。
【0081】
第1フレーム部24aは、第3方向D3に延びる板状を有する。第1方向D1から見て、第1フレーム部24aは、第1ヨーク部21aと重なる。第1フレーム部24aは、中間ヨーク板21gおよび環状板21iを介して、第1ヨーク板21eと接触する。第1フレーム部24aは、第2ヨーク板21fと接触する。第1フレーム部24aは、加締めピン29によって、ヨーク21に固定される。
【0082】
第2フレーム部24bは、第2方向D2に延びる板状を有する。図示は省略するが、第2フレーム部24bの第4ヨーク端部21sは、第1フレーム部24aと繋がる。第1方向D1から見て、第2フレーム部24bは、第2ヨーク部21bと重なる。第2フレーム部24bは、中間ヨーク板21gを介して、第1ヨーク板21eと接触する。第2フレーム部24bは、第2ヨーク板21fと接触する。第2フレーム部24bは、加締めピン29によって、ヨーク21に固定される。
【0083】
図3に示すように、延設部24cは、第1フレーム部24aから第2方向D2の一方側(+D2側)に延びる。第1方向D1から見て、延設部24cは、略矩形状を有する。図2に示すように、延設部24cは、第1ヨーク部21aよりも第2方向D2の一方側、且つ、第2ヨーク部21bよりも第3方向D3の他方側(-D3側)に配置される。延設部24cは、第1フレーム部24aを介して、第1方向D1に揺動可能に第1ヨーク部21aに支持される。すなわち、ヨーク21は、第1方向D1に揺動可能にフレーム24を支持する。図3に示すように、延設部24cは、第3端部24gと、第4端部24hと、を有する。
【0084】
第3端部24gは、延設部24cの第2方向D2の一方側(+D2側)の端部である。第4端部24hは、延設部24cの第2方向D2の他方側(-D2側)の端部である。第4端部24hは、第1フレーム部24aと繋がる。第4端部24hは、ヨーク21と接触する。また、上述のように、第1フレーム部24aは、ヨーク21に固定される。よって、延設部24cは、第4端部24hが第1フレーム部24aを介してヨーク21に支持され、第3端部24gを自由端とする片持ち梁状を有する。
【0085】
磁歪部材23は、ハウジング15の内部に収容される。磁歪部材23は、第2方向D2に延びる板状を有する。磁歪部材23の板厚方向は、第1方向D1である。図4に示すように、第1方向D1から見て、磁歪部材23は、略矩形状を有する。第1方向D1から見て、磁歪部材23は、延設部24cと重なる。磁歪部材23は、延設部24cに取り付けられる。すなわち、磁歪部材23は、フレーム24に取り付けられる。よって、磁歪部材23は、延設部24cと共にヨーク21対して第1方向D1に揺動可能に設けられる。すなわち、揺動部材22は、ヨーク21対して第1方向D1に揺動可能に設けられる。図3に示すように、磁歪部材23は、第1端部23cと、第2端部23dと、を有する。
【0086】
第1端部23cは、磁歪部材23の第2方向D2の一方側(+D2側)の端部である。本実施形態において、第1端部23cは、第1方向D1から見て、第3端部24gと重なっている。第2端部23dは、磁歪部材23の第2方向D2の他方側(-D2側)の端部である。第1端部23cは、第2方向D2に第2端部23dから離れて設けられる。第2端部23dは、第1ヨーク部21aと接触する。すなわち、第2端部23dは、ヨーク21に接触する。よって、磁歪部材23は、第2端部23dがヨーク21に支持され、第1端部23cを自由端とする片持ち梁状を有する。
【0087】
なお、本実施形態において、揺動部材22は、第1揺動部22aと、第2揺動部22bと、を有する。第1揺動部22aは、第1端部23cおよび第3端部24gを含む。第2揺動部22bは、第2端部23dおよび第4端部24hを含む。第1揺動部22aは、揺動部材22の第2方向D2の一方側(+D2側)の第1揺動端部であってもよい。第2揺動部22bは、揺動部材22の第2方向D2の他方側(-D2側)の第2揺動端部であってもよい。第1揺動部22aは、第2方向D2に第2揺動部22bから離れて設けられる。第2揺動部22bは、第1ヨーク部21aと接触する。すなわち、第2揺動部22bは、ヨーク21に接触する。
【0088】
磁歪部材23は、磁歪材料を含むように形成される。磁歪部材23は、例えば、Fe-Ga合金によって形成される。磁歪部材23は、機械的歪みによって透磁率が変化する。また、磁歪部材23は、機械的歪みによって磁化方向が変化する。
【0089】
図4に示すように、本実施形態において、コイル26は、延設部24c、磁歪部材23およびフレーム24に巻かれる。つまり、本実施形態において、コイル26は、揺動部材22に取り付けられる。すなわち、コイル26は、ヨーク21および揺動部材22の少なくとも1つに取り付けられる。なお、コイル26は、磁歪部材23およびヨーク21の両方に取り付けられてもよい。図2に示すように、コイル26は、第1ヨーク部21aよりも第2方向D2の一方側(+D2側)、且つ、第2ヨーク部21bよりも第3方向D3の他方側(-D3側)に配置される。コイル26は、第1コイル端部26cと第2コイル端部26dとを有する。第2コイル端部26dは、第2方向D2における第1コイル端部26cとは反対側の端部である。第2コイル端部26dは、第1コイル端部26cよりも第2方向D2の他方側に位置する。コイル26の第1コイル端部26cは、第1揺動部22aよりも第2方向D2の他方側(-D2側)に位置する。図3に示すように、コイル26は、回路部材60よりも第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。コイル26からは2本の接続線26a,26bが引き出される。
【0090】
本実施形態において、接続線26a,26bは、コイル26から第1方向D1の一方側(+D1側)に引き出される。接続線26aは、コイル26を形成するコイル線の一端と繋がる。接続線26bは、コイル26を形成するコイル線の他端と繋がる。接続線26a,26bは、コイル26の第1コイル端部26cと第2コイル端部26dの間の部分と繋がる。コイル26が接続線26a,26bに接続される接続位置と第1揺動部22aとの間の第1距離L1は、係る接続位置と第2揺動部22bとの間の第2距離L2よりも長い。接続線26a,26bは、回路部材60と接続される。これにより、回路部材60は、接続線26a,26bを介して、コイル26と電気的に接続される。コイル26において発生した誘導電流は、接続線26a,26bを介して、回路部材60に供給される。
【0091】
図4に示すように、磁束形成部材27は、第2ヨーク部21bの第3方向D3の他方側(-D3側)を向く面に固定されている。図2に示すように、磁束形成部材27は、コイル26よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。磁束形成部材27は、磁歪部材23および第2ヨーク部21bと第3方向D3に並んで配置される。磁束形成部材27は、ヨーク21と揺動部材22との間に配置される。磁束形成部材27は、例えば例えば、ヨーク21と磁歪部材23との間に配置される。磁束形成部材27は、磁歪部材23と第3方向D3に隙間をあけて対向して配置される。磁束形成部材27は、一対の磁極を有する。磁束形成部材27の第3方向D3を向く一方の面にはN極が形成されている。磁束形成部材27の第3方向D3を向く他方他の面にはS極が形成されている。磁束形成部材27は、磁歪部材23を通る磁束を形成する。これにより、磁束形成部材27、磁歪部材23、およびヨーク21を通る閉磁気回路Mcが形成される。
【0092】
上述のように、磁歪部材23は磁歪材料を含むように形成される。よって、磁歪部材23は、延設部24cと共に第1方向D1に揺動すると、機械的に歪む。磁歪部材23が機械的に歪むことによって、磁歪部材23の透磁率は変動する。これにより、磁歪部材23を通る磁束が変動する。磁歪部材23が第1方向D1に揺動すると、閉磁気回路Mcを通る磁束、すなわちコイル26の内部を通る磁束が変動する。コイル26の内部を通る磁束の変動によって、コイル26に誘導電流が発生する。これにより、コイル26に発電電圧Vgを発生させることができる。つまり、発電装置20は、磁歪部材23が第1方向D1に揺動することによって発電する。
【0093】
操作部30は、ユーザによる操作に応じて、揺動部材22を第1方向D1に揺動する。図3に示すように、操作部30は、磁歪部材23よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。操作部30は、操作部材31と、揺動誘起部材32と、弾性部材33と、検出部材保持部34と、を備える。
【0094】
操作部材31は、第1方向D1に延びる。操作部材31は、蓋部17の挿通孔17aを第1方向D1に通される。操作部材31は、第1方向D1に移動可能である。よって、ユーザが操作部材31を第1方向D1の一方側(+D1側)に押下すると、操作部材31は第1方向D1に移動可能である。ユーザが操作部材31を第1方向D1の一方側押下すると、操作部材31は第1方向D1に移動するように構成されている。以下の説明では、「操作部材31を第1方向D1の一方側に押下する操作」を、単に、「操作」と呼ぶ場合がある。操作部材31は、ユーザによって操作されるように構成される。なお、以下の説明では、ユーザが操作部材31を押下する力を押下力Fdと呼ぶ。押下力Fdは、第1方向D1の一方側を向く力である。操作部材31は、本体部31aと、接続部31bと、押下部31cと、押圧部31dと、を有する。
【0095】
図2および図3に示すように、本体部31aは、第1方向D1に延びる略直方体状を有する。図2に示すように、第1方向D1から見て、本体部31aは、長辺が第3方向D3に延びる略矩形状を有する。本体部31aは、第1方向D1に延びる円柱状等の他の形状であってもよい。
【0096】
接続部31bは、本体部31aから第1方向D1の他方側(-D1側)に突出する略直方体状を有する。図2に示すように、第1方向D1から見て、接続部31bは、略正方形状を有する。接続部31bは、挿通孔17aの内部を第1方向D1に移動可能である。
【0097】
押下部31cは、接続部31bから第1方向D1の他方側(-D1側)に突出する略円柱状を有する。押下部31cは、角柱状等の他の形状であってもよい。図3に示すように、押下部31cの第1方向D1の他方側(-D1側)の部分は、ハウジング15の外部に位置する。押下部31cは、ユーザによって第1方向D1に押下されるように構成される。ユーザが押下部31cを押下すると、操作部材31は、第1方向D1の一方側(+D1側)に移動する。なお、押下部31cは、ユーザによって直接的に押下される構成であってもよいし、他の部材を介して間接的に押下される構成であってもよい。以下の説明では、図3に示すように、ユーザが操作部材31を操作していない場合の操作部30の位置を第1位置と呼ぶ。
【0098】
図6は、本実施形態の制御装置10の構成例の操作部材31を操作した際の断面図である。
図3に示すように、押圧部31dは、本体部31aから第1方向D1の一方側(+D1側)に突出する略円柱状を有する。第1位置において、押圧部31dは検出部材40と第1方向D1に間隔をあけて配置される。図6に示すように、ユーザが操作部材31を操作すると、押圧部31dは、検出部材40と第1方向D1に接触する。以下の説明では、ユーザが操作部材31を操作している際の操作部30の位置を第2位置と呼ぶ。
【0099】
揺動誘起部材32は、操作部材31が第1方向D1に移動する際に、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させる。図3に示すように、揺動誘起部材32は、本体部31aから第2方向D2の他方側に突出する。なお、揺動誘起部材32は、操作部材31と同一の単一部材であってもよい。揺動誘起部材32は、操作部材31と別個の部材であってもよい。第1方向D1から見て、揺動誘起部材32は、磁歪部材23および延設部24cと重なる。第1位置において、揺動誘起部材32は磁歪部材23よりも第1方向D1の他方側(-D1側)に位置する。図6に示すように、第2位置において、揺動誘起部材32は、延設部24cよりも第1方向D1の一方側(+D1側)に位置する。
【0100】
上述のように、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、操作部材31は第1方向D1の一方側(+D1側)に移動する。つまり、操作部材31は図3に示す第1位置から図6に示す第2位置に移動する。以下の説明では、操作部材31が第1位置から第2位置に移動する動作を第1動作と呼ぶ場合がある。第1動作において、揺動誘起部材32は、磁歪部材23を第1方向D1の一方側に押圧して、延設部24cおよび磁歪部材23を第1方向D1の一方側に弾性変形させる。操作部材31がさらに第1方向D1の一方側に移動すると、図6に示すように、揺動誘起部材32は、延設部24cよりも第1方向D1の一方側に移動する。これにより、延設部24cの復元力によって、磁歪部材23および延設部24cは第1方向D1に揺動する。すなわち、揺動誘起部材32は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、揺動部材22を第1方向D1に揺動させるように構成される。また、揺動部材22は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、第1方向D1に揺動するように構成される。上述のように、磁歪部材23が第1方向D1に揺動すると、コイル26の内部を通る磁束が変動するため、コイル26に誘導電流が発生する。以下の説明では、係る誘導電流を、発電電流Igと呼ぶ場合がある。
【0101】
上述のように、延設部24cは、第4端部24hがヨーク21に支持され、第3端部24gを自由端とする片持ち梁状を有する。また、上述のように、磁歪部材23は、第2端部23dがヨーク21に支持され、第1端部23cを自由端とする片持ち梁状を有する。したがって、揺動部材22が第1方向D1に揺動する状態で、第1端部23cおよび第3端部24gの第1振幅A1は、第2端部23dおよび第4端部24hの第2振幅A2よりも大きい。つまり、第1揺動部22aの第1振幅A1は、第2揺動部22bの第2振幅A2よりも大きい。よって、揺動部材22が第1方向D1に揺動する状態で、コイル26の第1コイル端部26cの振幅は、コイル26の第2コイル端部26dの振幅よりも大きい。
【0102】
また、ユーザが操作部材31の操作を解除した後、すなわち押下部31cの押下を解除した後において、操作部材31は、後述する弾性部材33から操作部材31に加わる弾性力Feによって、第1方向D1の他方側(-D1側)に移動する。つまり、操作部材31は第2位置から第1位置に移動する。以下の説明では、操作部材31が第2位置から第1位置に移動する動作を第2動作と呼ぶ場合がある。第2動作において、揺動誘起部材32は延設部24cを第1方向D1の他方側に押圧することにより、延設部24cおよび磁歪部材23を第1方向D1の他方側に弾性変形させる。操作部材31がさらに第1方向D1の他方側に移動すると、図3に示すように、揺動誘起部材32は、磁歪部材23よりも第1方向D1の他方側に移動する。このとき、延設部24cの復元力によって、磁歪部材23および延設部24cは第1方向D1に揺動し、コイル26に発電電流Igが発生する。操作部材31が第1方向D1の他方側に移動する際のコイル26の第1コイル端部26cの振幅は、コイル26の第2コイル端部26dの振幅よりも大きい。
【0103】
検出部材保持部34は、検出部材40を保持する。検出部材保持部34は、操作部材31よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。検出部材保持部34は、底板部34aと、筒状部34bと、を有する。
【0104】
底板部34aは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。底板部34aは、ハウジング15の底壁部16bに固定される。筒状部34bは、底板部34aから第1方向D1の他方側に突出する略円筒状を有する。筒状部34bは、第1方向D1の一方側(+D1側)に開口する。
【0105】
弾性部材33は、操作部材31と検出部材保持部34との間に配置される。本実施形態において、弾性部材33は、圧縮コイルばねである。弾性部材33は、第1方向D1に伸縮する。弾性部材33は、筒状部34bに支持される。弾性部材33は、第1弾性部材端部33aと第2弾性部材端部33bとを有する。第2弾性部材端部33bは、第1方向D1における第1弾性部材端部33aとは反対側の端部である。第2弾性部材端部33bは、第1弾性部材端部33aよりも第1方向D1の他方側に位置する。弾性部材33の第2弾性部材端部33bは、本体部31aと第1方向D1に接触する。これにより、弾性部材33は、操作部材31に第1方向D1の他方側を向く弾性力Feを加える。弾性部材33は、操作部材31を第1方向D1の一方側に向けて付勢する。これにより、操作部材31は、第1位置にむけて移動する。したがって、図6に示すように、ユーザが押下部31cに対する押下を解除すると、操作部材31は、弾性力Feによって第1方向D1の他方側に移動し、図3に示す第1位置に戻る。
【0106】
検出部材40は、操作部材31よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。第1位置において、検出部材40は押圧部31dと第1方向D1に間隔をあけて配置される。図6に示すように、第2位置において、検出部材40は押圧部31dと接触する。これにより、検出部材40は、ユーザが操作部材31を操作したことを検出可能である。すなわち、検出部材40は、ユーザによる操作部材31の操作を検出するように構成される。検出部材40の構成は本実施形態の構成に限定されず、操作部材31の第1方向D1の移動を検出可能な光学式センサ等のセンサであってもよい。検出部材40は、検出接続線41を有する。
【0107】
検出接続線41は、検出部材40と、回路部材60とを接続する。これにより、検出部材40は、回路部材60と電気的に接続される。図5に示すように、検出部材40は、操作部材31が押下されたことを検出すると、後述する検出部64に検出信号S1を送信する。
【0108】
図2および図3に示すように、回路部材60は、ハウジング15の内部に配置される。図3に示すように、回路部材60は、ヨーク21、フレーム24、磁歪部材23、およびコイル26よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。図2に示すように、回路部材60は、第1方向D1から見て、ヨーク21、コイル26および揺動部材22の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている。図3および図5に示すように、本実施形態において、回路部材60は、基板65と、接続部61と、整流部62と、蓄電部63と、無線通信部70と、検出部64と、を含む。基板65には、制御部90が実装される。基板65は、柔軟性を有するフレキシブル基板(FPC)、およびプリント基板(PCB)の少なくとも1つを含む。基板65は、第1基板66を含む。基板65は、第1基板66と、第1基板66とは異なる複数の基板を有してもよい。基板65が複数の基板を有する場合、無線通信部70は、第1基板66に実装される。
【0109】
本実施形態において、第1基板66には、接続部61、整流部62、蓄電部63、無線通信部70、検出部64、および制御部90が実装される。すなわち、第1基板66には、整流部62、蓄電部63、および無線通信部70の少なくとも1つが実装される。本実施形態において、第1基板66は、例えば、フレキシブル基板を含む。図3に示すように、第1基板66は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1基板66の板厚方向は、第1方向D1である。第1基板66は、第1面66aと、第2面66bと、を有する。
【0110】
第1面66aは、第1基板66の外面のうち第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面である。第1面66aは、底壁部16bと第1方向D1に対向する。第1面66aは、ヨーク21、コイル26、磁歪部材23およびフレーム24のいずれとも対向しない。すなわち、第1面66aは、ヨーク21、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。第2面66bは、第1基板66の外面のうち第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面である。第2面66bは、第1面66aとは反対側を向く面である。すなわち、回路部材60は、第1面66a、および第1面66aとは反対側の第2面66bを有する基板65を有する。第2面66bは、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23と第1方向D1に対向する。
【0111】
接続部61は、コイル26の接続線26a,26bと基板65とを接続する。接続部61は、例えば、接続線26a,26bと基板65とを接続するはんだによって形成される。本実施形態において、接続部61は、第1基板66の第2面66bに実装される。接続部61は、接続線26a,26bと接続される。第1基板66は、2個の接続部61を有する。一方の接続部61には、接続線26aが接続され、他方の接続部61には、接続線26bが接続される。これにより、回路部材60は、接続線26a,26bを介して、コイル26と電気的に接続される。よって、発電装置20が発電すると、図5に示すように、接続部61には発電電流Igが流れ込み、接続部61には発電電流Igの起電力である発電電圧Vgが印可される。これにより、制御装置10は、発電装置20において発電した電力によって、回路部材60を駆動できる。
【0112】
整流部62は、発電電流Ig、すなわちコイル26で発生した電流を整流する。整流部62には、図示しないコンデンサ等の電子素子が実装されている。整流部62は、接続部61と接続される。整流部62は、交流電流を直流電流に変換可能なAC/DCコンバータを含む。接続部61を介して整流部62に流れ込んだ発電電流Igは、整流部62によって整流電流Irに整流される。
【0113】
蓄電部63は、整流電流Irを、無線通信部70、検出部64、および制御部90に供給する。また、蓄電部63は、整流電流Irを蓄電する。本実施形態において、蓄電部63は、二次電池である。蓄電部63は、整流部62、検出部64、および制御部90と接続される。なお、蓄電部63と制御部90との間には、DC/DCコンバータ等の変圧部が設けられてもよい。
【0114】
制御部90は、回路部材60に実装される。制御部90は、蓄電部63、無線通信部70、および検出部64と接続される。制御部90は、発電電圧Vgに関する情報を検知できる。本実施形態において、発電電圧Vgの情報は、発電電圧Vgの電圧値および周波数、発電電流Igの電流値の少なくとも一つを含む。また、制御部90は、検出部64および検出接続線41を介して、検出部材40と電気的に接続される。これにより、制御部90は、検出部材40が送信する検出信号S1を検知できる。制御部90は、発電電圧Vgに関する情報および検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成する。すなわち、制御部90は、発電電圧Vg、すなわちコイル26において発生された電圧に関する情報に基づいて指令信号Scを生成するように構成される。また、制御部90は、検出部材40から送信される検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成するように構成される。つまり、制御部90は、ユーザによる操作部材31の操作によって発生した発電電圧Vgおよびユーザによる操作部材31の操作によって生成された検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成する。制御部90は、生成した指令信号Scを無線通信部70に送信する。なお、以下の説明では、指令信号Scを単に「信号」と呼ぶ場合がある。
【0115】
なお、制御部90は、発電電圧Vgに関する情報および検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成し、指令信号Scを無線通信部70に送信するコンピュータである。制御部90には、制御部90が実行する制御プログラムがインストールされている。制御部90の機能の少なくとも一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、図示しない記憶部に記憶された制御プログラム、すなわちソフトウェアを実行することで実現される。
【0116】
なお、制御部90の機能の少なくとも一部は、例えば、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、およびGPU(Graphics Processing Unit)などの回路部を含むハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されていてもよい。制御部90は、図示しない記憶部を備えてもよい。この場合、図示しない記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(hard disk drive)、およびフラッシュメモリなどの記憶媒体によって実現される。
【0117】
無線通信部70は、制御部90と接続される。無線通信部70には、制御部90を介して、蓄電部63から整流電流Irが供給され、これにより無線通信部70は駆動される。また、上述のように、無線通信部70には、制御部90から指令信号Scが送信される。無線通信部70は、無線装置71とアンテナ72とを含む。無線通信部70は、アンテナ72によって、人力駆動車80の被駆動装置81に指令信号Scを送信する。すなわち、無線通信部70は、指令信号Scを被駆動装置81に無線送信するように構成される。制御部90は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、指令信号Scを被駆動装置81に無線送信するように無線通信部70を制御する。図3に示すように、無線通信部70は、第1基板66の第1面66aに設けられる。よって、無線通信部70は、ヨーク21、コイル26、磁歪部材23およびフレーム24のいずれとも第1方向D1に対向しない。すなわち、無線通信部70は、ヨーク21、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。
【0118】
無線装置71は、無線通信部70に実装される。無線装置71は、回路部材60の第1面66aに実装される。図5に示すように、無線装置71は、蓄電部63およびアンテナ72と電気的に接続される。無線装置71は、蓄電部63から送信される指令信号Scを被駆動装置81に送信するように構成される。無線装置71は、指令信号Scを被駆動装置81にアンテナ72に送信するように構成される。
【0119】
アンテナ72は、発電装置20の外部に指令信号Scを無線送信するように構成される。つまり、アンテナ72によって、ユーザの操作に基づいて作成された指令信号Scを被駆動装置81に送信できる。これにより、ユーザは操作部材31を操作することによって、被駆動装置81を動作させることができる。なお、無線装置71と被駆動装置81との間の通信方式は特に限定されず、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)、NFC(Near Field Communication)、およびANT等の近距離無線通信であってよい。アンテナ72は無線通信部70に形成される回路パターンであってもよいし、無線通信部70に実装される素子であってもよい。アンテナ72は無線装置71とモジュール化されていてもよい。
【0120】
図3に示すように、アンテナ72は、第1基板66の第1面66aに設けられる。よって、アンテナ72は、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23のいずれとも対向しない。また、図2に示すように、アンテナ72は、第1方向D1から見て、ヨーク21、コイル26、磁歪部材23およびフレーム24からオフセットしている。つまり、アンテナ72は、第1方向D1から見て、ヨーク21、コイル26および揺動部材22からオフセットしている。これらにより、アンテナ72は、ヨーク21、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。また、上述のように、ハウジング15は、非磁性材料を含むように構成され、全体として非磁性の特性を有している。よって、本実施形態の発電装置20および制御装置10では、アンテナ72から無線送信される指令信号Scが、ヨーク21、コイル26、磁歪部材23、およびハウジング15に磁気遮蔽されることを抑制できる。つまり、アンテナ72は、ハウジング15外に指令信号Scを到達させることができる非遮蔽位置に配置される。
【0121】
図3に示すように、検出部64は、検出接続線41を介して、検出部材40と接続される。図5に示すように、検出部64は、蓄電部63および制御部90と接続される。上述のように、検出部64には、蓄電部63から整流電流Irが供給される。これにより、検出部64および検出部材40は駆動される。本実施形態において、検出部64は、検出部材40から送信される信号の種類を検出する。検出部64は、検出部材40から送信される信号がLow信号およびHigh信号のいずれであるかを検出する。検出部64は、検出部材40から送信された検出信号S1を制御部90に送信する。なお、検出部64は、制御部90と一体であってもよい。
【0122】
上述のように、ユーザによって操作部材31を操作したことを検出部材40が検知すると、制御部90に検出信号S1が送信される。これにより、制御部90は、ユーザが操作部材31を操作したことを検知できるため、制御部90は指令信号Scを無線通信部70に送信し、アンテナ72によって指令信号Scを被駆動装置81に送信する。よって、ユーザは、操作部材31を操作することによって、被駆動装置81の動作させることができる。
【0123】
また、上述のように、ユーザが操作部材31を操作すると、磁歪部材23が第1方向D1に振動するため、制御部90に整流電流Irが流れ込む。つまり、制御部90は、整流電流Irを検知することによって、ユーザが操作部材31を操作したことを検知できる。また、ユーザが操作部材31の押下部31cを押下する力である押下力Fd(図3参照)によって、発電電圧Vgに関する情報が変わる場合、制御部90は発電電圧Vgに関する情報に応じて異なる指令信号Scを生成し、被駆動装置81に送信してもよい。この場合、ユーザが異なる押下力Fdによって、操作部材31を操作することにより、被駆動装置81に異なる動作を実行させることができるため、制御装置10および被駆動装置81の利便性を高めることができる。
【0124】
なお、本実施形態では、図3に示すように、第1基板66は、コイル26に貼り付けられていてもよい。この場合、第1基板66としては、フレキシブルフラットケーブル(FFC)またはフレキシブル基板(FPC)を用いることが好ましい。また、この場合、第1基板66がコイル26に貼り付けられる位置は、コイル26の第2コイル端部26d側であることが好ましい。また、この場合、無線通信部70をコイル26と共に揺動しないように配置することが好ましい。
【0125】
本実施形態によれば、発電装置20は、ヨーク21と、磁歪部材23を含み、ヨーク21に対して第1方向D1に揺動可能に設けられる揺動部材22と、ヨーク21および揺動部材22の少なくとも1つに取り付けられるコイル26と、コイル26と電気的に接続される回路部材60と、ヨーク21、揺動部材22および回路部材60を収容するハウジング15と、を備え、回路部材60は、指令信号Sc、すなわち信号を無線送信するように構成される無線通信部70を含む。したがって、無線通信部70によって安定して発電装置の外部に指令信号Scを無線送信できるため、発電装置20の動作の安定性を高めることができる。
【0126】
本実施形態によれば、無線通信部70は、ヨーク21、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。よって、無線通信部70によって無線送信される指令信号Scが、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることを抑制できるため、指令信号Scを発電装置20の外部に安定的に送信できる。したがって、発電装置20の動作の安定性を高めることができる。
【0127】
本実施形態によれば、無線通信部70は、発電装置20の外部に信号を無線送信するように構成されるアンテナ72と、アンテナ72と電気的に接続されアンテナ72に指令信号Scを送信するように構成される無線装置71とを含む。よって、アンテナ72によって指令信号Scを無線送信できるため、指令信号Scを発電装置20の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0128】
本実施形態によれば、アンテナ72は、ヨーク21、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。よって、アンテナ72によって無線送信される指令信号Scが、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できるため、指令信号Scを発電装置20の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0129】
本実施形態によれば、アンテナ72は、ハウジング15外に信号を到達させることができる非遮蔽位置に配置される。よって、アンテナ72によって無線送信される指令信号Scが、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できるため、指令信号Scを発電装置20の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0130】
本実施形態によれば、アンテナ72は、第1方向D1から見て、ヨーク21、コイル26および揺動部材22からオフセットしている。よって、アンテナ72によって無線送信される指令信号Scを、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23の間を介して第1方向D1に向けて送信できる。したがって、指令信号Scを発電装置20の外部に送信可能な方向を好適に拡大できるため、指令信号Scを発電装置20の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0131】
本実施形態によれば、回路部材60は、第1面66a、および、第1面66aとは反対側の第2面66bを有する基板65を含み、無線通信部70は、第1面66aに設けられ、第1面66aは、ヨーク21、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。よって、無線通信部70は、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23と対向する方向とは反対側の方向に指令信号Scを無線送信できるため、指令信号Scが、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できる。したがって、指令信号Scを発電装置20の外部により安定的に送信できるため、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0132】
本実施形態によれば、回路部材60は、第1方向D1から見て、ヨーク21、コイル26および揺動部材22の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている。よって、回路部材60が、第1方向D1から見て、ヨーク21、コイル26および磁歪部材23のそれぞれと重ならない構成と比較して、発電装置20が第2方向D2および第3方向D3のそれぞれに大型化することを抑制できる。したがって、発電装置20を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置20の利便性の向上を図ることができる。
【0133】
本実施形態によれば、ハウジング15は、非磁性材料を含むように形成される。よって、無線通信部70から送信される指令信号Scが、ハウジング15によって磁気遮蔽されることを抑制できる。したがって、指令信号Scを発電装置20の外部により安定的に送信できるため、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0134】
また、本実施形態では、ハウジング15は樹脂製であるため、ハウジング15が非磁性金属製の場合と比較して、ハウジング15の軽量化を図ることができる。したがって、発電装置20の軽量化を図ることができるため、発電装置20の利便性をさらに高めることができる。
【0135】
また、本実施形態では、ハウジング15が非磁性材料からなるため、ヨーク21、磁束形成部材27、磁歪部材23との間で形成される閉磁気回路Mcからハウジング15に磁束が漏れ出ることを抑制できる。よって、閉磁気回路Mcを通る磁束の磁束密度が低下することを抑制できるため、コイル26に発生する発電電流Igおよび発電電圧Vgが低下することを抑制できるとともに、発電装置20の発電効率が低下することを抑制できる。
【0136】
また、本実施形態では、上述のように、閉磁気回路Mcからハウジング15に磁束が漏れ出ることを抑制できるため、ハウジング15と、ヨーク21および磁歪部材23それぞれとの間に設けられる隙間を小さくできる。したがって、ハウジング15が大型化することを抑制できるため、発電装置20が大型化することを抑制できる。
【0137】
本実施形態によれば、コイル26は、揺動部材22に取り付けられ、回路部材60は、接続線26a,26bを介して、コイル26と電気的に接続されており、揺動部材22が第1方向D1に揺動する状態で、揺動部材22の第1揺動部22aの第1振幅A1は、揺動部材22の第2揺動部22bの第2振幅A2よりも大きく、コイル26が接続線26a,26bに接続される接続位置と第1揺動部22aとの間の第1距離L1は、係る接続位置と第2揺動部22bとの間の第2距離L2よりも長い。よって、揺動部材22が第1方向D1に揺動される状態で、接続線26a,26bが第1方向D1に揺動される振幅が増大することを抑制できる。これにより、接続線26a,26bに加わる応力を低減し易いため、接続線26a,26bが断線することを抑制し易い。したがって、コイル26と回路部材60とを安定して電気的に接続できるため、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0138】
本実施形態によれば、発電装置20において、ヨーク21と、磁歪部材23を含み、ヨーク21に対して第1方向D1に揺動可能に設けられる揺動部材22と、揺動部材22に取り付けられるコイル26と、接続線26a,26bを介して、コイル26と電気的に接続される回路部材60と、を備え、揺動部材22が第1方向D1に揺動する状態で、揺動部材22の第1揺動部22aの第1振幅A1は、揺動部材22の第2揺動部22bの第2振幅A2よりも大きく、コイル26が接続線26a,26bに接続される接続位置と第1揺動部22aとの間の第1距離L1は、係る接続位置と第2揺動部22bとの間の第2距離L2よりも長い。よって、揺動部材22が第1方向D1に揺動される状態で、接続線26a,26bに加わる応力を低減し易いため、接続線26a,26bが断線することを抑制し易い。したがって、コイル26と回路部材60とを安定して電気的に接続できるため、発電装置20の動作の安定性を高めることができる。
【0139】
また、本実施形態では、上述のように、接続線26a,26bに加わる応力を低減し易いため、コイル26に加わる接続線26a,26bの張力によって、揺動部材22の第1方向D1の揺動が阻害されることを抑制できる。したがって、磁歪部材23を第1方向D1に安定して揺動できるため、コイル26の発電電流Igを安定させることができるとともに、発電電流Igを高めることができる。
【0140】
また、本実施形態では、上述のように、コイル26のうち、コイル26と接続線26a,26bとが接続される部分の第1方向D1の振幅を小さくし易いため、接続線26a,26bの長さが長くなりすぎることを抑制できる。よって、接続線26a,26bの電気抵抗が大きくなりすぎることを抑制できるため、コイル26に発生した発電電圧Vgが接続線26a,26bにおいて低下することを抑制できる。したがって、回路部材60に印可される発電電圧Vgを高めることができるため、発電装置20および制御装置10の発電効率を高めることができる。
【0141】
本実施形態によれば、第1揺動部22aは、第1方向D1とは異なる第2方向D2に第2揺動部22bから離れて設けられ、第2揺動部22bは、ヨーク21に接触する。よって、第2揺動部22bがヨーク21と接触するため、揺動部材22が第1方向D1に揺動する状態で、第2揺動部22b側の部分の振幅が増大することを好適に抑制できる。よって、揺動部材22が第1方向D1に揺動される状態で、接続線26a,26bに加わる応力をより好適に低減できるため、接続線26a,26bが断線することをより好適に抑制できる。したがって、発電装置20の動作の安定性を高めることができる。
【0142】
本実施形態によれば、ヨーク21は、磁性材料を含むように形成される。よって、ヨーク21の透磁率を高めることができるため、ヨーク21および磁歪部材23を通る磁束の磁束密度を高めることができる。したがって、コイル26の内部を通る磁束の磁束密度を高めることができるため、コイル26に発生する発電電流Igおよび発電電圧Vgを高めることができる。よって、発電装置20の発電効率を高めることができる。
【0143】
本実施形態によれば、揺動部材22は、磁歪部材23が取り付けられ、非磁性材料を含むように形成されるフレーム24をさらに備え、ヨーク21は、磁歪部材23およびフレーム24の少なくとも1つを支持する。よって、磁歪部材23はフレーム24と一体的に第1方向D1に揺動する。そのため、揺動部材22が第1方向D1に揺動する状態で、揺動部材22の振幅が大きくなりすぎることを抑制できるため、接続線26a,26bに加わる応力をより好適に低減できる。したがって、接続線26a,26bが断線することをより好適に抑制でき、発電装置20の動作の安定性を高めることができる。
【0144】
本実施形態によれば、発電装置20は、磁歪部材23を通る磁束を形成する磁束形成部材27をさらに備える。よって、磁歪部材23を通る磁束密度を高めることができるため、コイル26に発生する発電電流Igおよび発電電圧Vgを高めることができる。
【0145】
本実施形態によれば、磁束形成部材27は、ヨーク21と揺動部材22との間に配置される。よって、磁束形成部材27、ヨーク21、および磁歪部材23の間で形成される閉磁気回路Mcの磁束密度をより安定的に高めることができるため、コイル26に発生する発電電流Igおよび発電電圧Vgをより安定的に高めることをできる。
【0146】
本実施形態によれば、回路部材60は、コイル26で発生した電流、すなわち発電電流Igを整流する整流部62と、整流部62で整流した電流、すなわち整流電流Irを無線通信部70に供給する蓄電部63と、を含む。よって、コイル26で発生した電力を駆動源として、無線通信部70を駆動できる。したがって、無線通信部70を駆動するための、例えば、電池等の電源を別個に備える構成の発電装置と比較して、発電装置20の使用時間に伴って電源の起電力が低下することを抑制できるため、電源を交換する作業または電源を充電する作業が不要になるとともに、発電装置20の使用時に無線通信部70の動作が停止することを抑制できる。よって、発電装置20の利便性をさらに高めることができる。
【0147】
本実施形態によれば、回路部材60は、整流部62、蓄電部63、および無線通信部70が実装される第1基板66を含む。よって、整流部62、蓄電部63、無線通信部70のそれぞれが、別個の基板に実装される場合と比較して、回路部材60が有する基板の個数が増大することを抑制できる。したがって、発電装置20の部品点数が増大することを抑制できるため、発電装置20の組立工数および製造コストが増大することを抑制できる。
【0148】
また、本実施形態では、上述のように、第1基板66は、フレキシブル基板であり、接続部61は第1基板66に実装される。よって、コイル26が揺動部材22と共に第1方向D1に揺動する状態において、接続線26a,26bに引張応力が加わると、第1基板66は第1方向D1に弾性変形し易い。これにより、接続線26a,26bに加わる応力を低減できるため、接続線26a,26bが断線することをより好適に抑制できる。したがって、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0149】
本実施形態によれば、発電装置20は、ユーザによって操作されるように構成される操作部材31をさらに備え、揺動部材22は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、第1方向D1に揺動するように構成される。よって、ユーザが操作部材31を押下する簡易な操作によって、コイル26に発電電流Igを発生させることができる。したがって、発電装置20の利便性をさらに高めることができる。
【0150】
本実施形態によれば、発電装置20は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、揺動部材22を第1方向D1に揺動させるように構成される揺動誘起部材32をさらに備える。よって、ユーザが操作部材31を押下する簡易な操作によって、コイル26に発電電流Igを発生させることができる。したがって、発電装置20の利便性をさらに高めることができる。
【0151】
本実施形態によれば、制御装置10は、被駆動装置81の動作を制御する制御装置10であって、発電装置20と、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、指令信号Scを被駆動装置81に無線送信するように無線通信部70を制御する制御部90と、を備える。よって、制御部90は、ユーザによる操作部材31の操作に基づいて、被駆動装置81を動作させることができる。したがって、ユーザは操作部材31を押下する簡易な操作を行うことによって、被駆動装置81を動作させることができるため、制御装置10および被駆動装置81の利便性の向上を図ることができる。
【0152】
本実施形態によれば、制御部90は、回路部材60に実装される。よって、制御部90を実装するための別個の回路部材を有する構成と比較して、制御装置10の部品点数が増大することを抑制できる。したがって、発電装置20および制御装置10それぞれの組立工数および製造コストが増大することを抑制できる。
【0153】
本実施形態によれば、制御部90は、コイル26において発生された電圧、すなわち発電電圧Vgに関する情報に基づいて指令信号Scを生成するように構成される。よって、ユーザによる操作部材31の操作によって発生した発電電圧Vgに関する情報に基づいて生成された指令信号Scを被駆動装置81に送信できるため、被駆動装置81にユーザの操作に基づいた動作を実行させることができる。したがって、ユーザは操作部材31を押下する簡易な操作を行うことによって、被駆動装置81に所望の動作を実行させることができるため、制御装置10および被駆動装置81の利便性の向上を図ることができる。
【0154】
本実施形態によれば、制御装置10および被駆動装置81は、人力駆動車80に取り付けられるように構成され、被駆動装置81は、アクチュエータを有する。よって、ユーザは操作部材31を押下する簡易な操作によって、被駆動装置81に所望の動作を実行させることができるため、人力駆動車80の利便性の向上を図ることができる。
【0155】
本実施形態によれば、被駆動装置81は、人力駆動車80に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つを含む。よって、ユーザは操作部材31を押下する簡易な操作によって、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つに所望の動作を実行させることができる。したがって、人力駆動車80の利便性の向上を図ることができる。
【0156】
また、本実施形態では、第1基板66は、コイル26に貼り付けられていてもよい。この場合、第1基板66は、コイル26および揺動部材22と共に第1方向D1に揺動されるため、接続線26a,26bに加わる応力をより好適に低減できる。これにより、接続線26a,26bが断線することをより好適に抑制できるため、コイル26と回路部材60とを安定して電気的に接続できる。したがって、発電装置20の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0157】
<第1変形例>
図7は、本実施形態の第1変形例の制御装置110の構成例を第1方向D1の他方側(-D1側)から見た図である。なお、図7では、蓋部17を取り外した制御装置110を示している。図8は、本実施形態の第1変形例の制御装置110の構成例を示す断面図であって、図7のVIII-VIII断面図である。
以下の説明において、上述の本実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0158】
図8に示すように、本変形例の発電装置120が備えるヨーク121は、第3方向D3から見て、略L形状を有する。ヨーク121は、第1ヨーク部121aと、第2ヨーク部121bと、第3ヨーク部121cと、を有する。
【0159】
図7および図8に示すように、第1ヨーク部121aは、第3方向D3に延びる略直方体状を有する。図8に示すように、第1ヨーク部121aは、コイル26よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。第1ヨーク部121aは、磁歪部材23および延設部24cよりも第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。第1ヨーク部121aは、側壁部16aの第2方向D2の一方側(+D2側)を向く内面に固定されている。第1ヨーク部121aの第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面は、磁歪部材23の第1方向D1の他方側を向く面と接触する。
【0160】
第2ヨーク部121bは、第1方向D1に延びる略直方体状を有する。第2ヨーク部121bは、第3ヨーク端部121vと第4ヨーク端部121wとを有する。第3ヨーク端部121vは、第1方向D1における第4ヨーク端部121wとは反対側の端部である。第4ヨーク端部121wは、第3ヨーク端部121vよりも第1方向D1の他方側に位置する。第2ヨーク部121bは、コイル26よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。第2ヨーク部121bは、磁歪部材23および延設部24cよりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。第2ヨーク部121bは、側壁部16aの第2方向D2の一方側(+D2側)を向く内面に固定されている。第2ヨーク部121bの第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面は、フレーム124の第1フレーム部124aの第1方向D1の一方側を向く面と接触する。第2ヨーク部121bと、第1ヨーク部121aとは図示しない加締めピンによって互いに固定される。これにより、第1フレーム部124aは、ヨーク121に固定される。延設部24cは、第1フレーム部124aを介して、ヨーク121に対して第1方向D1に揺動可能にヨーク121に支持される。また、磁歪部材23は、ヨーク121に支持される。
【0161】
第3ヨーク部121cは、第2方向D2に延びる略直方体状を有する。第3ヨーク部121cは、第5ヨーク端部121tと第6ヨーク端部121uとを有する。第6ヨーク端部121uは、第2方向D2における第5ヨーク端部121tとは反対側の端部である。第6ヨーク端部121uは、第5ヨーク端部121tよりも第3方向D3の他方側に位置する。第3ヨーク部121cは、磁歪部材23およびコイル26よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。第3ヨーク部121cの第6ヨーク端部121uは、第2ヨーク部121bの第3ヨーク端部121vと繋がる。第3ヨーク部121cは、底壁部16bに固定されている。ヨーク121のその他の構成等は、上述の本実施形態のヨーク21のその他の構成等と同一である。
【0162】
図7に示すように、本変形例の接続線126a,126bは、コイル26から第3方向D3の一方側(+D3側)に引き出される。接続線126aは、コイル26の一端と繋がる。接続線126bは、コイル26の他端と繋がる。コイル26が接続線126a,126bに接続される接続位置と第1揺動部22aとの間の第1距離L1は、係る接続位置と第2揺動部22bとの間の第2距離L2よりも長い。接続線126a,126bは、回路部材160と接続される。これにより、回路部材160は、接続線126a,126bを介して、コイル26と電気的に接続される。接続線126a,126bのその他の構成等は、上述の本実施形態の接続線26a,26bのその他の構成等と同一である。
【0163】
図8に示すように、磁束形成部材127は、第3ヨーク部121cの第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面に固定されている。磁束形成部材127は、コイル26よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。磁束形成部材127は、磁歪部材23および第3ヨーク部121cと第1方向D1に並んで配置される。磁束形成部材127は、ヨーク121と揺動部材22との間に配置される。磁束形成部材127は、例えば、ヨーク121と磁歪部材23との間に配置される。磁束形成部材127は、延設部24cを挟んで磁歪部材23と第1方向D1に隙間をあけて対向して配置される。磁束形成部材127は、一対の磁極を有する。磁束形成部材127の第1方向D1を向く2つの面のうち、一方の面にはN極が形成され、他方の面にはS極が形成されている。これにより、磁束形成部材127、磁歪部材23、ヨーク121を通る閉磁気回路Mcが形成される。磁束形成部材127のその他の構成等は、上述の本実施形態の磁束形成部材27のその他の構成等と同一である。
【0164】
図7および図8に示すように、本変形例の発電装置120の回路部材160は、延設部24c、磁歪部材23、およびコイル26よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。図8に示すように、第3方向D3から見て、回路部材160は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている。また、図7に示すように、第2方向D2から見て、回路部材160は、第1ヨーク部121aおよび第2ヨーク部121bと重なる。すなわち、第2方向D2から見て、回路部材160は、ヨーク121重なる。これらにより、回路部材160は、第1方向D1とは異なる互いに非平行方向である第2方向D2および第3方向D3から見て、ヨーク121、コイル26および揺動部材22の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている。
【0165】
基板165が有する第1基板166は、第3方向D3と直交する方向に広がる板状を有する。第1基板166は、ハウジング本体部16に固定される。第1基板166の板厚方向は、第3方向D3である。第1基板166は、第1面166aと、第2面166bと、を有する。第1基板166は、例えば、柔軟性を有するフレキシブル基板を含む。
【0166】
第1面166aは、第1基板166の外面のうち第3方向D3の一方側(+D3側)を向く面である。第1面166aは、側壁部16aと第3方向D3に対向する。第1面166aは、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23のいずれとも対向しない。すなわち、第1面166aは、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。第2面166bは、第1基板166の外面のうち第3方向D3の他方側(-D3側)を向く面である。第2面166bは、第1面166aとは反対側を向く面である。すなわち、回路部材160は、第1面166a、および第1面166aとは反対側の第2面166bを有する基板165を有する。第2面166bは、コイル26および磁歪部材23と第3方向D3に対向する。
【0167】
無線通信部70は、第1基板166の第1面166aに設けられる。よって、無線通信部70は、ヨーク121、コイル26、磁歪部材23およびフレーム24のいずれとも対向しない。すなわち、無線通信部70は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。
【0168】
アンテナ72は、第1基板166の第1面166aに設けられる。よって、アンテナ72は、ヨーク121、コイル26、磁歪部材23およびフレーム24のいずれとも対向しない。つまり、アンテナ72は、ヨーク21、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。回路部材160のその他の構成等は、上述の本実施形態の回路部材60のその他の構成等と同一である。
【0169】
本変形例によれば、回路部材160は、第1方向D1とは異なる非平行方向である第2方向および第3方向D3から見て、ヨーク121、コイル26および揺動部材22の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている。よって、回路部材160が、第2方向D2および第3方向D3から見て、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23のそれぞれと重ならない構成、すなわち、回路部材160がヨーク121、コイル26および磁歪部材23のそれぞれと第1方向D1にずれて配置される場合と比較して、発電装置120が第1方向D1に大型化することを抑制できる。したがって、発電装置120を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置120の利便性の向上を図ることができる。
【0170】
本変形例によれば、無線通信部70は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。よって、無線通信部70によって無線送信される指令信号Scが、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることを抑制できるため、指令信号Scを発電装置120の外部に安定的に送信できる。したがって、発電装置120の利便性をより好適に高めることができる。
【0171】
本変形例によれば、アンテナ72は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。よって、アンテナ72によって無線送信される指令信号Scが、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できるため、指令信号Scを発電装置120の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置120の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0172】
本変形例によれば、コイル26が接続線126a,126bに接続される接続位置と第1揺動部22aとの間の第1距離L1は、係る接続位置と第2揺動部22bとの間の第2距離L2よりも長い。よって、上述の本実施形態と同様に、揺動部材22が第1方向D1に揺動される状態で、接続線126a,126bに加わる応力を低減し易いため、接続線126a,126bが断線することを抑制し易い。したがって、コイル26と回路部材160とを安定して電気的に接続できるため、発電装置120を安定して動作させることができる。
【0173】
<第2変形例>
図9は、本実施形態の第2変形例の制御装置210の構成例を第1方向D1の他方側(-D1側)から見た図である。なお、図9では、蓋部17を取り外した制御装置210を示している。図10は、本実施形態の第2変形例の制御装置210の構成例を示す断面図であって、図9のX-X断面図である。
以下の説明において、上述の本実施形態の第1変形例と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0174】
図10に示すように、本変形例の発電装置220の接続線226a,226bは、コイル26から第1方向D1の他方側(-D1側)に引き出される。接続線226aは、コイル26の一端と繋がる。接続線226bは、コイル26の他端と繋がる。コイル26が接続線226a,226bに接続される接続位置と第1揺動部22aとの間の第1距離L1は、係る接続位置と第2揺動部22bとの間の第2距離L2よりも長い。接続線226a,226bは、回路部材260と接続される。これにより、回路部材260は、接続線226a,226bを介して、コイル26と電気的に接続される。接続線226a,226bのその他の構成等は、上述の本実施形態の接続線26a,26bのその他の構成等と同一である。
【0175】
図9および図10に示すように、本変形例の発電装置220の回路部材260は、延設部24c、磁歪部材23、およびコイル26の第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。第1方向D1から見て、回路部材260は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22の少なくとも1つと少なくとも部分的に重なっている。
【0176】
図10に示すように、基板265が有する第1基板266は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1基板266は、ハウジング本体部16に固定される。第1基板266の板厚方向は、第1方向D1である。第1基板266は、第1面266aと、第2面266bと、を有する。第1基板266は、例えば、柔軟性を有するフレキシブル基板を含む。
【0177】
第1面266aは、第1基板266の外面のうち第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面である。第1面266aは、蓋部17と第1方向D1に対向する。第1面266aは、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23のいずれとも対向しない。すなわち、第1面266aは、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。第2面266bは、第1基板266の外面のうち第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面である。第2面266bは、第1面266aとは反対側を向く面である。すなわち、回路部材260は、第1面266a、および第1面266aとは反対側の第2面266bを有する基板265を有する。第2面266bは、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23と第3方向D3に対向する。
【0178】
無線通信部70は、第1基板266の第1面266aに設けられる。よって、無線通信部70は、ヨーク121、コイル26、磁歪部材23およびフレーム24のいずれとも対向しない。すなわち、無線通信部70は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。
【0179】
アンテナ72は、第1基板266の第1面266aに設けられる。よって、アンテナ72は、ヨーク121、コイル26、磁歪部材23およびフレーム24のいずれとも対向しない。つまり、アンテナ72は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。回路部材260のその他の構成等は、上述の本実施形態の回路部材60のその他の構成等と同一である。
【0180】
本変形例によれば、無線通信部70は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。よって、無線通信部70によって無線送信される指令信号Scが、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることを抑制できるため、指令信号Scを発電装置220の外部に安定的に送信できる。したがって、発電装置220の動作の安定性を高めることができる。
【0181】
本変形例によれば、アンテナ72は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22のいずれとも少なくとも部分的に対向しない。よって、アンテナ72によって無線送信される指令信号Scが、ヨーク121、コイル26および磁歪部材23によって磁気遮蔽されることをより好適に抑制できるため、指令信号Scを発電装置220の外部により安定的に送信できる。したがって、発電装置220の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0182】
本変形例によれば、コイル26が接続線226a,226bに接続される接続位置と第1揺動部22aとの間の第1距離L1は、係る接続位置と第2揺動部22bとの間の第2距離L2よりも長い。よって、上述の本実施形態と同様に、揺動部材22が第1方向D1に揺動される状態で、接続線226a,226bに加わる応力を低減し易いため、接続線226a,226bが断線することを抑制し易い。したがって、コイル26と回路部材260とを安定して電気的に接続できるため、発電装置220の動作の安定性をより好適に高めることができる。
【0183】
<第3変形例>
図11は、本実施形態の第3変形例の制御装置310の構成例を示す断面図である。
以下の説明において、上述の本実施形態の第2変形例と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。なお、磁束形成部材127は、上述の本実施形態の第2変形例の磁束形成部材127と同様に、コイル26よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。
【0184】
図11に示すように、ハウジング315は、略直方体状の箱状を有する。ハウジング315は、発電装置320を内部に収容する。本変形例のハウジング315の第2方向D2の寸法は、上述の本実施形態のハウジング15の第2方向D2の寸法よりも大きい。より詳細には、本変形例のハウジング本体部316の側壁部316aおよび底壁部316bそれぞれの第2方向D2の寸法は、上述の本実施形態のハウジング本体部16の側壁部16aおよび底壁部16bそれぞれの第2方向D2の寸法よりも大きい。また、本変形例の蓋部317の第2方向D2の寸法は、上述の本実施形態の蓋部17の第2方向D2の寸法よりも大きい。本変形例のハウジング315のその他の構成等は、上述の本実施形態のハウジング15のその他の構成等と同一である。
【0185】
回路部材360は、ヨーク121、コイル26および揺動部材22よりも第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。回路部材360は、基板365が有する第1基板366と、接続部61と、整流部362と、蓄電部63と、無線通信部370と、検出部364と、を含む。
【0186】
第1基板366は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1基板366の板厚方向は、第1方向D1である。図示は省略するが、第1基板366は、ハウジング本体部316に固定される。第1基板366の、第2方向D2の一方側(+D2側)の部分は、ヨーク121、磁歪部材23、および磁束形成部材127のそれぞれよりも第2方向D2の一方側に位置する。したがって、第1基板366の第2方向D2の一方側の部分は、ヨーク121、磁歪部材23、および磁束形成部材127によって構成される閉磁気回路Mcよりも第2方向D2の一方側に配置される。第1基板366は、例えば、柔軟性を有するフレキシブル基板を含む。
【0187】
本変形例において、整流部362、無線通信部370、および検出部364のそれぞれは、第1基板366のうち磁束形成部材127よりも第2方向D2の一方側(+D2側)の部分に実装される。なお、本変形例において、蓄電部63および制御部90は、磁束形成部材127よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置されてもよいし、磁束形成部材127よりも第2方向D2の一方側に配置されてもよい。本変形例の回路部材360のその他の構成等は、上述の本実施形態の第2変形例の回路部材260のその他の構成等と同一である。
【0188】
本変形例において、検出部材340は、蓋部317に取り付けられている。検出部材340の少なくとも一部は、ハウジング315の外部に露出している。本変形例の制御装置310では、使用者が検出部材340を直接押圧すると、検出部材340は、検出接続線341を介して、検出部364に検出信号S1を送信する。検出信号S1を受信した検出部364は、検出信号S1を制御部90に送信する。これらにより、制御部90は、ユーザが検出部材340を押圧したことを検知できる。なお、発電装置320が有する図示しない操作部材は、ユーザが検出部材340を押圧することによって第1方向D1に移動し、揺動部材22を第1方向D1に揺動する。これにより、コイル26に発電電流Igを発生させることができる。
【0189】
本変形例では、整流部362、無線通信部370、および検出部364のそれぞれは、磁束形成部材127よりも第2方向D2の一方側に配置される。よって、整流部362、無線通信部370、および検出部364を閉磁気回路Mcから離れた位置に配置し易い。そのため、閉磁気回路Mcを通る磁束が整流部362、無線通信部370、および検出部364に実装される電子部品等に漏れ出ることを抑制し易い。したがって、閉磁気回路Mcを通る磁束の磁束密度が低下することを抑制できるため、発電電流Igが低下することを抑制できるとともに、発電装置320の発電効率が低下することを抑制できる。
【0190】
<第4変形例>
図12は、本実施形態の第4変形例の制御装置410の構成例を示すブロック図である。
以下の説明において、上述の本実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0191】
図12に示すように、本変形例の発電装置420の回路部材460は、基板465と、接続部61と、整流部62と、蓄電部63と、無線通信部70と、検出部64と、を含む。基板465は、第1基板466と、第2基板467と、を含む。基板465は、柔軟性を有するフレキシブル基板、およびプリント基板の少なくとも1つを含む。第1基板466は、例えば、フレキシブル基板を含む。第2基板467は、例えば、フレキシブル基板を含む。
【0192】
本変形例において、第1基板466には、整流部62、蓄電部63、無線通信部70、検出部64、および制御部90が実装される。本変形例において、第2基板467には、接続部61が実装される。接続部61と整流部62とは、第1ケーブル475によって接続される。
【0193】
本変形例によれば、接続部61、整流部62、蓄電部63、無線通信部70、検出部64、および制御部90を第1基板に実装する場合と比較して、第1基板466および第2基板467の寸法を小さくできる。また、第1基板466と第2基板467とを互いに第1方向D1に並べて配置する等によって、回路部材460を構成する各部の配置の自由度を高めることができる。したがって、回路部材460を配置する空間を小さくし易いため、発電装置420および制御装置410の小型化を図ることができる。したがって、発電装置420および制御装置410を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置420および制御装置410の利便性の向上を図ることができる。
【0194】
なお、本変形例において、接続部61が実装される第2基板467は、コイル26に貼り付けられていてもよい。この場合、第1ケーブル475は、接続線26a,26bよりも強度が高いフレキシブルフラットケーブル(FFC)および電線等を用いることが好ましい。これにより、コイル26および磁歪部材23と共に揺動する第2基板467と、コイル26および磁歪部材23と共に揺動しない第1基板466とを接続する第1ケーブル475が断線することを抑制できる。
【0195】
<第5変形例>
図13は、本実施形態の第5変形例の制御装置510の構成例を示すブロック図である。
以下の説明において、上述の本実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0196】
図13に示すように、本変形例の発電装置520の回路部材560は、基板565と、接続部61と、整流部62と、蓄電部63と、無線通信部70と、検出部64と、を含む。基板565は、第1基板566と、第2基板567と、を含む。基板565は、柔軟性を有するフレキシブル基板(FPC)、およびプリント基板(PCB)の少なくとも1つを含む。第1基板566は、例えば、フレキシブル基板を含む。第2基板567は、例えば、フレキシブル基板を含む。
【0197】
本変形例において、第1基板566には、無線通信部70が実装される。本変形例において、第2基板567には、接続部61、整流部62、蓄電部63、検出部64、および制御部90が実装される。制御部90と無線通信部70とは、第2ケーブル576によって接続される。
【0198】
本変形例によれば、接続部61、整流部62、蓄電部63、無線通信部70、検出部64、および制御部90を1つの第1基板に実装する場合と比較して、上述の本実施形態の第4変形例と同様に、第1基板566および第2基板567の寸法を小さくできるとともに、回路部材560を構成する各部の配置の自由度を高めることができる。したがって、回路部材560を配置する空間を小さくし易いため、発電装置520および制御装置510の小型化を図ることができる。したがって、発電装置520および制御装置510を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置520および制御装置510の利便性の向上を図ることができる。
【0199】
なお、本変形例において、接続部61が実装される第2基板567は、コイル26に貼り付けられていてもよい。この場合、第2ケーブル576は、接続線26a,26bよりも強度が高いフレキシブルフラットケーブル(FFC)および電線等を用いることが好ましい。これにより、コイル26および磁歪部材23と共に揺動する第2基板567と、コイル26および磁歪部材23と共に揺動しない第1基板566とを接続する第2ケーブル576が断線することを抑制できる。
【0200】
<第6変形例>
図14は、本実施形態の第6変形例の制御装置610の構成例を示すブロック図である。
以下の説明において、上述の本実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0201】
図14に示すように、本変形例の発電装置620の回路部材660は、基板665と、接続部61と、整流部62と、蓄電部63と、無線通信部70と、検出部64と、を含む。基板665は、第1基板566と、第2基板667と、第3基板668と、を含む。基板665は、柔軟性を有するフレキシブル基板(FPC)、およびプリント基板(PCB)の少なくとも1つを含む。第1基板566は、例えば、フレキシブル基板を含む。第2基板667は、例えば、フレキシブル基板を含む。第3基板668は、例えば、フレキシブル基板を含む。
【0202】
本変形例において、第1基板566には、無線通信部70が実装される。本変形例において、第2基板667には、接続部61、整流部62、および検出部64が実装される。本変形例において、第3基板668には、蓄電部63および制御部90が実装される。制御部90と無線通信部70とは、第2ケーブル576によって接続される。整流部62と蓄電部63とは、第3ケーブル677によって接続される。
【0203】
本変形例によれば、接続部61、整流部62、蓄電部63、無線通信部70、検出部64、および制御部90のそれぞれを、3個の基板566,667,668の何れかの基板に実装できるため、各基板566,667,668の寸法をより小さくできるとともに、回路部材660を構成する各部の配置の自由度をより高めることができる。したがって、回路部材660を配置する空間をより好適に小さくし易いため、発電装置620および制御装置610の小型化を図ることができる。したがって、発電装置620および制御装置610を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置620および制御装置610の利便性の向上を図ることができる。
【0204】
なお、本変形例において、接続部61が実装される第2基板667は、コイル26に貼り付けられていてもよい。この場合、第3ケーブル677は、接続線26a,26bよりも強度が高いフレキシブルフラットケーブル(FFC)および電線等を用いることが好ましい。これにより、コイル26および磁歪部材23と共に揺動する第2基板667と、コイル26および磁歪部材23と共に揺動しない第3基板668とを接続する第3ケーブル677が断線することを抑制できる。
【0205】
<第7変形例>
図15は、本実施形態の第7変形例の制御装置710の構成例を示すブロック図である。
以下の説明において、上述の本実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0206】
図15に示すように、本変形例の発電装置720の回路部材760は、基板765と、接続部61と、整流部62と、蓄電部63と、無線通信部70と、検出部64と、を含む。基板765は、第1基板566と、第2基板767と、第3基板668と、第4基板769と、を含む。基板765は、柔軟性を有するフレキシブル基板(FPC)、およびプリント基板(PCB)の少なくとも1つを含む。第2基板767は、例えば、フレキシブル基板を含む。第4基板769は、例えば、フレキシブル基板を含む。
【0207】
第1基板566には、無線通信部70が実装される。本変形例において、第2基板767には、整流部62および検出部64が実装される。本変形例において、第3基板668には、蓄電部63および制御部90が実装される。本変形例において、第4基板769には、接続部61が実装される。接続部61と整流部62とは、第1ケーブル475によって接続される。制御部90と無線通信部70とは、第2ケーブル576によって接続される。整流部62と蓄電部63とは、第3ケーブル677によって接続される。
【0208】
本変形例によれば、接続部61、整流部62、蓄電部63、無線通信部70、検出部64、および制御部90のそれぞれを、4個の基板566,767,668,769のうち何れかの基板に実装できるため、各基板566,767,668,769の寸法をより小さくできるとともに、回路部材760を構成する各部の配置の自由度をより高めることができる。したがって、回路部材760を配置される空間をより好適に小さくし易いため、発電装置720および制御装置710の小型化を図ることができる。したがって、発電装置720および制御装置710を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置720および制御装置710の利便性の向上を図ることができる。
【0209】
なお、本変形例において、接続部61が実装される第4基板769は、コイル26に貼り付けられていてもよい。この場合、第1ケーブル475は、接続線26a,26bよりも強度が高いフレキシブルフラットケーブル(FFC)および電線等を用いることが好ましい。これにより、コイル26および磁歪部材23と共に揺動する第4基板769と、コイル26および磁歪部材23と共に揺動しない第2基板767とを接続する第1ケーブル475が断線することを抑制できる。
【0210】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。例えば、制御装置が備える操作部材および検出部材それぞれの個数は1個に限定されず、操作部材および検出部材それぞれの個数は2個以上であってもよい。この場合、各検出部材を介して、制御部はユーザが異なる操作部材を押下したことを検知できるため、ユーザは被駆動装置により多くの異なる動作を実行させることができる。
【0211】
また、制御装置は、検出部材を備えていなくてもよい。この場合、制御部は発電電圧を検知することによって、操作部材が操作されたことを検出できる。
【0212】
また、発電装置は、磁束形成部材を備えていなくてもよい。この場合、磁歪部材の機械的な歪みによって、磁歪部材が磁化されることによって発生する磁束を用いて、コイル部に誘導電流を発生させることができる。
【0213】
また、制御装置は、操作部材を備えていなくてもよい。この場合、人力駆動車の走行時に磁歪部材に加わる振動によって、磁歪部材を第1方向に揺動できる。また、第2延設部および磁歪部材の第1端部に錘を取り付けることによって、磁歪部材をより容易に第1方向に揺動させることができる。
【0214】
また、発電装置は、加速度センサ、振動センサ、およびモーションセンサ等の各種センサを含んでいてもよく、発電装置は、例えば、パワーメータであってもよい。この場合、発電装置において発電した電力を各種センサの動作に用いることできる。さらに、各種センサから取得した情報を、例えば、人力駆動車に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ランプ、制動装置、およびドライブユニット等の被駆動装置の少なくとも1つに送信してもよい。
【0215】
また、磁歪部材の構成は本実施形態の構成等に限定されず、例えば、磁歪部材は、第2方向に延びる棒状等の他の形状であってもよい。また、発電装置は、2個以上の磁歪部材を有してもよい。この場合、発電装置の発電電圧をより高めることができる。この場合、発電装置は、2個以上の磁束形成部材を有してもよい。
【0216】
また、回路部材の構成は上述の実施形態の構成等に限定されず、例えば回路部材は5個以上の基板を有していてもよい。この場合、各基板の寸法をより小さくし易いため、回路部材が配置される空間をより容易に小さくし易く、発電装置および制御装置の小型化をより容易に図ることができる。また、回路部材は、ハウジングの内部に配置される必要は無く、ハウジングの外部に配置されていてもよい。さらに、発電装置は、回路部材を備えていなくてもよく、この場合、回路部材は制御装置と異なる別個の装置に設けられてもよい。
【0217】
また、回路部材は、コンデンサで形成された整合部(インピーダンス整合回路)を含んでいてもよい。整合部において、入力インピーダンスと出力インピーダンスとがほぼ一致するように調整することで、整合部から出力される電力を最大にすることができる。ここで整合部は独立して設けてられてもよいし、整流部に設けられるコンデンサを使用して、インピーダンスを整合してもいい。整合部が独立して設けている場合、整合部は、整流部と接続部との間に電気的に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0218】
10,110,210,310,410,510,610,710 制御装置、15,315 ハウジング、20,120,220,320,420,520,620,720 発電装置、21,121 ヨーク、22 揺動部材、22a 第1揺動部、22b 第2揺動部、23 磁歪部材、24 フレーム、26 コイル、26a,26b,126a,126b,226a,226b 接続線、27,127 磁束形成部材、31 操作部材、32 揺動誘起部材、60,160,260,360,460,560,660,760 回路部材、62 整流部、63 蓄電部、65,465,565,665,765 基板、66,166,266,366,466,566 第1基板、66a 第1面、66b 第2面、70,370 無線通信部、71 無線装置、72 アンテナ、80 人力駆動車、81 被駆動装置、90 制御部、D1 第1方向、Sc 指令信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15