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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021761
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】人力駆動車の操作装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 1/04 20060101AFI20250206BHJP
   B62K 19/40 20060101ALI20250206BHJP
   H02N 2/18 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
G05G1/04 A
B62K19/40
H02N2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125706
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】加治木 孝一
(72)【発明者】
【氏名】駒田 耕之
【テーマコード(参考)】
3D212
3J070
5H681
【Fターム(参考)】
3D212BN03
3J070AA03
3J070BA11
3J070BA51
3J070CA47
3J070CB02
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA04
5H681BB08
5H681DD30
5H681DD82
5H681FF02
5H681FF08
5H681FF21
5H681FF31
(57)【要約】
【課題】操作装置における発電が可能であるとともに、使用者に対して発電に伴う負荷を感じにくくする。
【解決手段】人力駆動車に固定される固定部材と、前記固定部材に対して移動可能な可動部材と、コイルおよび磁歪部材を含み、前記固定部材に対する前記可動部材の移動に応じて前記磁歪部材を変形させることによって前記コイルに電力を発生させる発電装置とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の操作装置であって、
前記人力駆動車に固定される固定部材と、
前記固定部材に対して移動可能な可動部材と、
コイルおよび磁歪部材を含み、前記固定部材に対する前記可動部材の移動に応じて前記磁歪部材を変形させることによって前記コイルに電力を発生させる発電装置と、
を備える、
操作装置。
【請求項2】
前記固定部材に対する前記可動部材の移動に応じて前記発電装置に対して移動することによって、前記磁歪部材を変形させるように構成される変形誘起部材をさらに備える、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記変形誘起部材は、前記発電装置に対して接触することによって前記磁歪部材を変形させるように構成されている接触部を含む、
請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記変形誘起部材は、磁力によって前記磁歪部材を変形させるように構成される第1磁石を含む、
請求項2に記載の操作装置。
【請求項5】
前記固定部材は、シリンダを含み、
前記可動部材は、前記シリンダに対してスライド移動するように構成されたピストンを含む、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項6】
前記可動部材は、前記固定部材に対して回転軸まわりに回転するカム部材を含み、
前記固定部材は、前記カム部材を回転可能に支持する支持部材を含む、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項7】
前記可動部材は、前記固定部材に対する前記可動部材の移動に伴って移動するケーブルを固定するケーブル固定部を含む、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記可動部材は、使用者の操作に応じて、前記固定部材に対して移動するように構成される操作部材を含む、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項9】
前記操作部材は、使用者の操作に応じて、所定の回転軸の周りに回転する操作レバーを含む、
請求項8に記載の操作装置。
【請求項10】
前記固定部材は、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成されるブラケットを有し、
前記回転軸は、前記ブラケットが前記フレームに取り付けられている状態において、前記人力駆動車の幅方向における前記人力駆動車の中心を通過する中心面に対して非平行である、
請求項9に記載の操作装置。
【請求項11】
前記固定部材は、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成されるブラケットを有し、
前記回転軸は、前記ブラケットが前記フレームに取り付けられている状態において、前記人力駆動車の幅方向における前記人力駆動車の中心を通過する中心面に対して非直交である、
請求項9に記載の操作装置。
【請求項12】
前記操作部材は、使用者の操作に応じて、直線的に移動可能なボタンを含む、
請求項8に記載の操作装置。
【請求項13】
前記固定部材は、使用者によって把持可能な把持部を含む、
請求項8に記載の操作装置。
【請求項14】
前記コイルと電気的に接続される回路部材をさらに備える、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項15】
前記回路部材は、前記コイルにおいて発生される電力を電気コンポーネントに出力するように構成される電気出力部をさらに含む、
請求項14に記載の操作装置。
【請求項16】
前記電気コンポーネントは、追加操作装置、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、及びランプの少なくとも1つを含む、
請求項15に記載の操作装置。
【請求項17】
前記回路部材は、指令信号を生成するように構成される制御部と、前記指令信号を被駆動装置に送信するように構成される通信部とを含む、
請求項14に記載の操作装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記コイルにおいて発生された電圧に関する情報に基づいて、前記指令信号を発生させるように構成されている、
請求項17に記載の操作装置。
【請求項19】
前記可動部材とは異なる追加操作部材をさらに備え、
前記制御部は、前記追加操作部材に対する使用者の操作に応じて、前記指令信号を前記被駆動装置に送信するように前記通信部を制御するように構成されている、
請求項17に記載の操作装置。
【請求項20】
前記回路部材は、前記コイルにおいて発生される電力を蓄電するように構成される蓄電部をさらに含み、
前記通信部が、前記蓄電部に電気的に接続されている、
請求項17に記載の操作装置。
【請求項21】
前記回路部材は、前記コイルにおいて発生される電力を蓄電するように構成される蓄電部をさらに含む、
請求項14に記載の操作装置。
【請求項22】
前記通信部は、前記被駆動装置に前記指令信号を無線送信するように構成される無線通信部を含む、
請求項17に記載の操作装置。
【請求項23】
前記被駆動装置は、前記人力駆動車に取り付けられるように構成され、
前記被駆動装置は、アクチュエータを含む、
請求項17に記載の操作装置。
【請求項24】
前記被駆動装置は、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、および、ランプの少なくとも1つを含む、
請求項17に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電機を備える自転車用の操作装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-182201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自転車用の操作装置においては、使用者が発電に伴う負荷を感じ易いという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、発電が可能であるとともに、使用者が発電に伴う負荷を感じにくい人力駆動車の操作装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決する本発明の一態様は、人力駆動車用の操作装置であって、前記人力駆動車に固定される固定部材と、前記固定部材に対して移動可能な可動部材と、コイルおよび磁歪部材を含み、前記固定部材に対する前記可動部材の移動に応じて前記磁歪部材を変形させることによって前記コイルに電力を発生させる発電装置と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、固定部材に対する可動部材の移動に応じて磁歪部材を変形させることができる。磁歪部材の変形に伴って磁歪部材が振動し、磁歪部材の振動によって磁歪部材が伸縮する。これにより、コイルを通過する磁束が変化し、コイルにおいて電力を発生させることができる。磁歪部材を用いる発電においては、操作装置における発電が可能であるとともに、使用者が発電に伴う負荷を感じにくいという効果が得られる。操作装置で発生した電力をパワーメータ、サイクルコンピュータ、ギア駆動バッテリ等の電気コンポーネントの電力に利用することができる。また、操作装置で発生した電力を、操作装置とは異なる追加操作装置の電力に利用することができる。
【0008】
(2)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(1)に記載の操作装置であって、前記固定部材に対する前記可動部材の移動に応じて前記発電装置に対して移動することによって、前記磁歪部材を変形させるように構成される変形誘起部材をさらに備えてもよい。
【0009】
上記構成によれば、変形誘起部材によって磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0010】
(3)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(2)に記載の操作装置であって、前記変形誘起部材は、前記発電装置に対して接触することによって前記磁歪部材を変形させるように構成されている接触部を含んでもよい。
【0011】
上記構成によれば、変形誘起部材の接触部によって磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0012】
(4)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(2)に記載の操作装置であって、前記変形誘起部材は、磁力によって前記磁歪部材を変形させるように構成される第1磁石を含んでもよい。
【0013】
上記構成によれば、変形誘起部材の第1磁石の磁力によって磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0014】
(5)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(1)に記載の操作装置であって、前記固定部材は、シリンダを含み、前記可動部材は、前記シリンダに対してスライド移動するように構成されたピストンを含んでもよい。
【0015】
上記構成によれば、シリンダに対してピストンをスライド移動させることができる。これにより、磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0016】
(6)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(1)に記載の操作装置であって、前記可動部材は、前記固定部材に対して回転軸まわりに回転するカム部材を含み、前記固定部材は、前記カム部材を回転可能に支持する支持部材を含んでもよい。
【0017】
上記構成によれば、支持部材によってカム部材が回転可能に支持されているので、カム部材は、固定部材に対して回転軸まわりに回転することができる。これにより、磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0018】
(7)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(1)に記載の操作装置であって、前記可動部材は、前記固定部材に対する前記可動部材の移動に伴って移動するケーブルを固定するケーブル固定部を含んでもよい。
【0019】
上記構成によれば、ケーブル固定部によってケーブルが固定されるので、ケーブルを介して可動部材を移動させることができる。これにより、磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0020】
(8)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(1)に記載の操作装置であって、前記可動部材は、使用者の操作に応じて、前記固定部材に対して移動するように構成される操作部材を含んでもよい。
【0021】
上記構成によれば、使用者の操作に応じて、操作部材は、可動部材を移動させることができる。これにより、磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0022】
(9)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(8)に記載の操作装置であって、前記操作部材は、使用者の操作に応じて、所定の回転軸の周りに回転する操作レバーを含んでもよい。
【0023】
上記構成によれば、使用者の操作に応じて、操作レバーは回転軸の周りに回転するので、可動部材を移動させることができる。これにより、磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0024】
(10)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(9)に記載の操作装置であって、前記固定部材は、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成されるブラケットを有し、前記回転軸は、前記ブラケットが前記フレームに取り付けられている状態において、前記人力駆動車の幅方向における前記人力駆動車の中心を通過する中心面に対して非平行であってもよい。
【0025】
上記構成によれば、ブラケットによって固定部材を人力駆動車のフレームに取り付けることができる。この状態においては、回転軸を、人力駆動車の幅方向における人力駆動車の中心を通過する中心面に対して非平行にすることができる。
【0026】
(11)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(9)に記載の操作装置であって、前記固定部材は、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成されるブラケットを有し、前記回転軸は、前記ブラケットが前記フレームに取り付けられている状態において、前記人力駆動車の幅方向における人力駆動車の中心を通過する中心面に対して非直交であってもよい。
【0027】
上記構成によれば、ブラケットによって固定部材を人力駆動車のフレームに取り付けることができる。この状態においては、回転軸を、人力駆動車の幅方向における前記人力駆動車の中心を通過する中心面に対して平行にすることができる。
【0028】
(12)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(8)に記載の操作装置であって、前記操作部材は、使用者の操作に応じて、直線的に移動可能なボタンを含んでもよい。
【0029】
上記構成によれば、直線的に移動可能なボタンによって、可動部材を移動させることができる。これにより、磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0030】
(13)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(8)に記載の操作装置であって、前記固定部材は、使用者によって把持可能な把持部を含んでもよい。
【0031】
上記構成によれば、使用者によって把持可能な把持部に対して、可動部材を移動させることができる。これにより、磁歪部材の変形を促進させることができる。
【0032】
(14)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(1)から(13)のいずれか一項に記載の操作装置であって、前記コイルと電気的に接続される回路部材をさらに備えてもよい。
【0033】
上記構成によれば、発電装置における発電によってコイルに電力が発生した際、コイルから流れる電流を回路部材に供給することができる。
【0034】
(15)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(14)に記載の操作装置であって、前記回路部材は、前記コイルにおいて発生される電力を電気コンポーネントに出力するように構成される電気出力部をさらに含んでもよい。
【0035】
上記構成によれば、コイルにおいて発生される電力を電気コンポーネントに出力することができる。
【0036】
(16)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(15)に記載の操作装置であって、前記電気コンポーネントは、追加操作装置、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、及びランプの少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
上記構成によれば、コイルにおいて発生される電力を、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、及びランプの少なくとも1つに出力することができる。
【0038】
(17)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(14)に記載の操作装置であって、前記回路部材は、指令信号を生成するように構成される制御部と、前記指令信号を被駆動装置に送信するように構成される通信部とを含んでもよい。
【0039】
上記構成によれば、制御部は、コイルにおいて発生される電力を利用して、指令信号を生成することができる。また、通信部は、コイルにおいて発生される電力を利用して、指令信号を被駆動装置に送信することができる。
【0040】
(18)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(17)に記載の操作装置であって、前記制御部は、前記コイルにおいて発生された電圧に関する情報に基づいて、前記指令信号を発生させるように構成されてもよい。
【0041】
上記構成によれば、制御部は、コイルにおいて発生された電圧に関する情報に基づいて、指令信号を発生させることができる。
【0042】
(19)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(17)に記載の操作装置であって、前記可動部材とは異なる追加操作部材をさらに備え、前記制御部は、前記追加操作部材に対する使用者の操作に応じて、前記指令信号を前記被駆動装置に送信するように前記通信部を制御するように構成されてもよい。
【0043】
上記構成によれば、制御部は、追加操作部材に対する使用者の操作に応じて、指令信号を被駆動装置に送信するように通信部を制御することができる。
【0044】
(20)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(17)に記載の操作装置であって、前記回路部材は、前記コイルにおいて発生される電力を蓄電するように構成される蓄電部をさらに含み、前記通信部が、前記蓄電部に電気的に接続されてもよい。
【0045】
上記構成によれば、蓄電部によって、コイルにおいて発生される電力を蓄電することができる。通信部が蓄電部に電気的に接続されているため、通信部は、蓄電部に蓄電される電力を利用して、指令信号を被駆動装置に送信することができる。
【0046】
(21)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(14)に記載の操作装置であって、前記回路部材は、前記コイルにおいて発生される電力を蓄電するように構成される蓄電部をさらに含んでもよい。
【0047】
上記構成によれば、蓄電部によって、コイルにおいて発生される電力を蓄電することができる。
【0048】
(22)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(17)に記載の操作装置であって、前記通信部は、前記被駆動装置に前記指令信号を無線送信するように構成される無線通信部を含んでもよい。
【0049】
上記構成によれば、無線通信部によって、被駆動装置に指令信号を無線送信することができる。
【0050】
(23)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(17)に記載の操作装置であって、前記被駆動装置は、前記人力駆動車に取り付けられるように構成され、前記被駆動装置は、アクチュエータを含んでもよい。
【0051】
上記構成によれば、通信部は、コイルにおいて発生される電力を利用して、人力駆動車に取り付けられたアクチュエータに指令信号を被駆動装置に送信することができる。
【0052】
(24)上述した課題を解決する本発明の一態様は、(17)に記載の操作装置であって、前記被駆動装置は、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、および、ランプの少なくとも1つを含んでもよい。
【0053】
上記構成によれば、コイルにおいて発生される電力を利用して、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、および、ランプの少なくとも1つに指令信号を被駆動装置に送信することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、操作装置における発電が可能であるとともに、使用者が発電に伴う負荷を感じにくい、との効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明の第1実施形態に係る操作装置を備える人力駆動車を示す側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る操作装置を備える人力駆動車の輪郭を示す正面図であって、人力駆動車の進行方向に見た図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る操作装置を示す部分断面図であって、操作部材が初期位置にある状態を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る操作装置が備える発電装置及び変形誘起部材の構成を示す構成図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る操作装置が備える発電装置の構成を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る操作装置を示す部分断面図であって、操作部材が制動位置にある状態を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る操作装置が備える発電装置及び変形誘起部材の構成を示す構成図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図9】本発明の第4実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図10】本発明の第5実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図11】本発明の第6実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図12】本発明の第6実施形態の変形例に係る操作装置を示す斜視図である。
図13】本発明の第7実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図14】本発明の第8実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図15】本発明の第8実施形態の変形例に係る操作装置を示す部分断面図である。
図16】本発明の第9実施形態に係る操作装置と機械式ブレーキ装置とを備える人力駆動車の一部を模式的に示す図である。
図17】本発明の実施形態に係る変形誘起部材の第1変形例を示す図である。
図18】本発明の実施形態に係る変形誘起部材の第2変形例を示す図である。
図19】本発明の第10実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図20】本発明の第11実施形態に係る操作装置を示す部分断面図である。
図21】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第1回路構成を説明するブロック図である。
図22】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第2回路構成を説明するブロック図である。
図23】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第3回路構成を説明するブロック図である。
図24】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第4回路構成を説明するブロック図である。
図25】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第5回路構成を説明するブロック図である。
図26】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第6回路構成を説明するブロック図である。
図27】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第7回路構成を説明するブロック図である。
図28】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第8回路構成を説明するブロック図である。
図29】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第9回路構成を説明するブロック図である。
図30】本発明の第11実施形態に係る操作装置における第10回路構成を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明の実施形態に係る人力駆動車の操作装置について図面を参照して説明する。
実施形態に係る説明では、同一又は類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。図面は模式的又は概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率等は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。
【0057】
実施形態に係る説明では、「第1」「第2」「第3」といった序数詞を用いる場合がある。この序数詞は、序数詞で記載された部材の個数を示していない。複数の部材の各々が別個の部材であることを示すために序数詞を用いる場合がある。
操作装置の説明においては、方向の用語として、文言「前後方向FBD」、「幅方向WD」、及び「上下方向VD」が用いられる。前後方向FBDとは、人力駆動車の進行方向に対応する方向である。幅方向WDは、前後方向FBDと直交する方向である。上下方向VDは、前後方向FBD及び幅方向WDと直交する方向である。
【0058】
前後方向FBDに関し、リアホイールRWからフロントホイールFWに向かう方向をFD方向と称し、FD方向とは反対の方向をBD方向と称する。
幅方向WDに関し、人力駆動車に乗る使用者から見て、人力駆動車の左側から右側に向かう方向をRD方向と称し、人力駆動車の右側から左側に向かう方向をLD方向と称する。
上下方向VDに関し、重力方向をDD方向と称し、DD方向とは反対の方向をUD方向と称する。さらに、幅方向Wにおける人力駆動車の中心に位置するとともに上下方向VDに平行な面を中心面CPと称する。
文言「前後方向FBD」、「幅方向WD」、「上下方向VD」、及び「中心面CP」は、人力駆動車及び操作装置の各々を構成する複数の部材の相互の位置関係、又は、複数の部材の各々の形状や構造を説明するために用いる文言であり、人力駆動車及び操作装置の各々の姿勢を定義しない。
【0059】
発電装置の説明においては、方向の用語として、文言「第1方向D1」、「第2方向D2」、及び「第3方向D3」が用いられる。第1方向D1は、磁歪部材が揺動する方向である。第2方向D2は、第1方向D1に直交する方向である。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2に直交する方向である。
第1方向D1は、上下方向VDと平行な方向であってもよいし、上下方向VDに傾斜する方向であってもよい。第2方向D2は、前後方向FBDと平行な方向であってもよいし、前後方向FBDに傾斜する方向であってもよい。第3方向D3は、幅方向WDと平行な方向であってもよいし、幅方向WDに傾斜する方向であってもよい。文言「第1方向D1」、「第2方向D2」、及び「第3方向D3」は、発電装置を構成する複数の部材の相互の位置関係、又は、複数の部材の各々の形状や構造を説明するために用いる文言であり、発電装置の姿勢を定義しない。
【0060】
文言「接続」は、2つの部材の位置関係を示す文言である。この位置関係においては、2つの部材が直接的に接続されていることを意味するだけでなく、2つの部材の間に他の部材が介在されていることも意味する。同様の解釈は、文言「設け」、「配置」、「対向」にも適用される。
【0061】
<第1実施形態>
<人力駆動車B>
図1に示すように、人力駆動車Bは、車体フレームFと、リアホイールRWと、フロントホイールFWと、アジャスタブルシートポストASと、サドルSと、ブレーキ装置BRと、変速装置DEと、油圧ケーブルOCと、シフトケーブルSCと、シフタSFと、操作装置10とを含む。
【0062】
車体フレームFは、リアフレームRBと、フロントフレームFBと、フロントフォークFFと、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRSと、ハンドルバーHとを含む。リアフレームRBは、リアホイールRWを回転可能に支持する。フロントフォークFFは、ステム等を介してハンドルバーHを支持する。フロントフレームFBは、幅方向WDに対してハンドルバーHが傾動可能なように、フロントフォークFFを支持する。
【0063】
フロントフォークFFは、フロントホイールFWを回転可能に支持する。フロントフォークFFは、フロントサスペンションFSを有する。フロントフレームFBは、リアサスペンションRSを介してリアフレームRBに接続されている。リアサスペンションRS及びフロントサスペンションFSは、人力駆動車Bに加わる衝撃を吸収するように構成されている。
【0064】
フロントフレームFBを構成するシートチューブには、アジャスタブルシートポストASが挿入されている。アジャスタブルシートポストASは、上下方向VDにおけるサドルSの位置の調整が可能となるようにサドルSを支持している。
【0065】
図2に示すように、ハンドルバーHは、右領域HRと、左領域HLと、中央領域CLを有する。右領域HRは、ハンドルバーHのRD方向側に位置する。左領域HLは、ハンドルバーHのLD方向側に位置する。中央領域CLは、右領域HRと左領域HLとの間に位置する。右領域HR及び左領域HLの各々に操作装置10が取り付けられている。つまり、ハンドルバーHには2つの操作装置10が取り付けられている。以下の説明では、2つの操作装置10のうち一方の操作装置10について説明し、他方の操作装置10については説明を省略する。
中央領域CLには、ランプLP、サイクルコンピュータ等の電気コンポーネントを取り付けることが可能である。
【0066】
変速装置DE、シフタSF、アジャスタブルシートポストAS、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRS、ブレーキ装置BR、および、ランプLPの少なくとも1つは、人力駆動車Bに取り付けられるように構成された被駆動装置である。被駆動装置は、アクチュエータを含む。
【0067】
<ブレーキ装置BR>
ブレーキ装置BRは、制動装置の一例である。
ブレーキ装置BRは、フロントブレーキFBRとリアブレーキRBRとを有する。
フロントブレーキFBRは、フロントフォークFFに沿って設けられた油圧ケーブルOCに接続された駆動シリンダを有する。駆動シリンダには、駆動油が充填されている。油圧ケーブルOCは、操作装置10において発生した油圧をフロントブレーキFBRに伝達するように構成されている。これにより、フロントブレーキFBRに加わる油圧により、フロントブレーキFBRは、フロントホイールFWに固定されたディスクロータDRに制動力を付与するように構成されている。
【0068】
リアブレーキRBRは、リアフレームRB及びフロントフレームFBに沿って設けられた油圧ケーブルOCに接続された駆動シリンダを有する。駆動シリンダには、駆動油が充填されている。油圧ケーブルOCは、操作装置10において発生した油圧をリアブレーキRBRに伝達するように構成されている。これにより、リアブレーキRBRに加わる油圧により、リアブレーキRBRは、リアホイールRWに固定されたディスクロータDRに制動力を付与するように構成されている。
以下の説明では、フロントブレーキFBRとリアブレーキRBRを、単に、ブレーキ装置BRと称する。
【0069】
<変速装置DE>
変速装置DEは、外装変速装置および内装変速装置の少なくとも1つを含む。外装変速装置は、フロントディレイラおよびリアディレイラ少なくとも1つを含む。フロントディレイラは、チェーンリングに対するチェーンCNの位置を変更するように構成されている。
変速装置DEは、リアフレームRB及びフロントフレームFBに沿って設けられたシフトケーブルSCに接続されている。使用者の操作により、シフトケーブルSC内のインナーケーブルが移動し、変速装置DEが駆動する。変速装置DEは、リアホイールRWに配置されたスプロケットSPを構成する複数のギアに対するチェーンCNの位置を変更するように構成されている。
【0070】
<シフタSF>
シフタSFは、変速操作装置の一例である。シフタSFは、変速装置DEを駆動するように構成されている。本実施形態においては、シフタSFは、シフトケーブルSCを介して変速装置DEを駆動する機械式シフタである。シフタSFは、機械式シフタに限定されない。シフタSFは、電動シフタであってもよい。シフタSFが電動シフタである場合、シフトケーブルSCを用いることなく、変速装置DEを駆動することが可能である。また、後述するように、シフタSFが電動シフタである場合、シフタSFは、操作装置10によって発電された電力を用いて変速装置DEを駆動することが可能である。
また、シフタSFは、追加操作部材を有してもよい。追加操作部材は、例えば、シフタSFを構成するスイッチやレバーである。
【0071】
<操作装置10>
図3に示すように、操作装置10は、固定部材12と、可動部材14と、発電装置16とを有する。操作装置10は、油圧を利用した油圧ブレーキ装置の一例である。
本実施形態においては、操作装置10の一例として、ブレーキ操作装置について説明する。なお、操作装置10は、変速装置DEを駆動させるシフタSFであってもよい。また、操作装置10は、ブレーキ操作装置の機能及びシフタSFの機能の両方を有してもよい。
【0072】
<固定部材12>
固定部材12は、支持部材18と、ブラケット20と、シリンダ22とを有する。
固定部材12は、人力駆動車Bに固定される部位である。本実施形態においては、固定部材12は、ハンドルバーHに固定されている。支持部材18は、操作装置10の全体形状をなす部位である。言い換えると、支持部材18は、操作装置10のケーシングを形成する。支持部材18の内部には、収容空間18Aが形成されている。収容空間18Aには、可動部材14を構成する複数の部材が収容されている。収容空間18Aは、可動部材14の一部を収容することも可能である。収容空間18Aにおいて、支持部材18の内壁には、可動部材14を回転可能に支持する回転軸18B、18Cが設けられている。
なお、支持部材18の内壁には、可動部材14の一部を移動可能に支持するガイド部が設けられてもよい。
【0073】
<ブラケット20、シリンダ22>
ブラケット20は、支持部材18の外部に設けられている。ブラケット20は、操作装置10をハンドルバーHの右領域HRに取り付けるための部材である。ブラケット20の構造としては、公知の構造が採用される。
シリンダ22は、支持部材18の内部に設けられている。シリンダ22は、いわゆるマスターシリンダである。シリンダ22の内部には、ピストン26に対して復元力を与えるスプリング24が配置されている。また、シリンダ22の内部は、油圧ケーブルOCに連通している。また、油圧ケーブルOCは、ブレーキ装置BRの駆動シリンダに連通している。シリンダ22、油圧ケーブルOC、及びブレーキ装置BRの駆動シリンダには、駆動油が充填されている。
【0074】
<可動部材14>
可動部材14は、ピストン26と、操作部材28と、カム機構30と、変形誘起部材31とを有する。言い換えると、可動部材14は、固定部材12に対して移動可能である。ピストン26は、シリンダ22の内部に配置されている。ピストン26は、シリンダ22に対してスライド移動するように構成されている。
【0075】
<操作部材28>
操作部材28は、操作装置10の外部に配置されている。
操作部材28は、可動部材14の一部を構成する。操作部材28は、使用者の操作に応じて、固定部材12に対して移動するように構成されている。
操作部材28は、人力駆動車Bの使用者が把持する部位である。使用者が操作部材28を把持する把持力の大きさに応じて、操作部材28は、回転軸18Cの回りに回転するように構成されている。操作部材28は、操作レバー28であってもよい。操作レバー28は、使用者の操作に応じて、回転軸18Cの周りに回転するように構成されている。
【0076】
操作部材28は、回転軸18Cの回りに回転する操作レバーに限定されない。使用者の操作に応じて、固定部材12に対して移動することが可能であれば、操作部材28の形状、構造、及び機構は、特に限定されない。操作部材28は、例えば、ガイドレールを有してもよい。操作部材28の移動は、回転軸の回りに回転する回転移動に限定されない。操作部材28の移動は、ガイドレールによって操作部材28が直線的に移動する直線移動であってもよい。
【0077】
操作装置10においては、固定部材12は、車体フレームFの一部を構成するハンドルバーHに取り付けられるように構成されるブラケット20を有する。ブラケット20として、例えば、クランプを用いてもよい。車体フレームFの一部に取り付けることが可能であれば、ブラケット20の形状、構造、及び機構は、特に限定されない。
【0078】
回転軸18Cは、ハンドルバーHに取り付けられている状態において、人力駆動車Bの幅方向WDにおける人力駆動車Bの中心を通過する中心面CPに対して非平行である。
【0079】
操作部材28は、図3に示す初期位置P1と制動位置P2との間で移動するように構成されている。
初期位置P1は、操作装置10が動作していない位置である。具体的に、初期位置P1においては、使用者の操作が解除された状態にある。このため、初期位置P1においては、スプリング24の復元力の作用によってピストン26及び操作部材28が押し戻されている。このように操作部材28が初期位置P1にある場合、ブレーキ装置BRはディスクロータDRに制動力を与えないように構成されている。
【0080】
これに対し、制動位置P2は、操作装置10が動作している位置である。言い換えると、使用者が操作部材28を操作することで、操作部材28が制動位置P2に配置される。操作部材28が制動位置P2にある場合、ブレーキ装置BRはディスクロータDRに制動力を与えるように構成されている。
【0081】
<カム機構30>
カム機構30は、操作部材28の回転移動をピストン26の直線移動に変換するように構成されている。例えば、カム機構30は、レバー接触部材30Aと、ピストン押圧部材30Bと、伝達部材30Cとを有する。
レバー接触部材30Aは、操作部材28に接触する部材である。
ピストン押圧部材30Bは、ピストン26を押圧する部材である。
伝達部材30Cは、操作部材28の回転移動に伴うレバー接触部材30Aの変位をピストン押圧部材30Bの変位に変換する部材である。
このような伝達部材30Cは、カム部材の一例である。伝達部材30Cは、固定部材12に対して回転軸18Bの回りに回転するように構成されている。言い換えると、伝達部材30Cは、固定部材12の支持部材18によって回転可能に支持されている。
【0082】
<変形誘起部材31>
変形誘起部材31は、可動部材14に設けられている。本実施形態においては、変形誘起部材31は、伝達部材30Cに設けられている。具体的に、変形誘起部材31は、伝達部材30Cの外周面から突出するように設けられている。変形誘起部材31は、伝達部材30Cの回転に伴って、回転軸18Bの回りに回転するように構成されている。言い換えると、変形誘起部材31は、固定部材12に対する可動部材14の移動に応じて発電装置16に対して移動することによって、磁歪部材34を変形させるように構成される。
変形誘起部材31は、磁歪部材34を直接的に変形させてもよい。
【0083】
また、伝達部材30Cに付与される力が磁歪部材34に伝達する伝達経路において変形誘起部材31と磁歪部材34との間に位置する介在物を介して、変形誘起部材31は、磁歪部材34を変形させてもよい。
【0084】
後述する例では、発電装置16は、スイッチ44を備える。変形誘起部材31は、スイッチ44を押圧する、又は、スイッチ44の押圧状態を解除するように構成されている。変形誘起部材31によるスイッチ44の押圧、又は、変形誘起部材31によるスイッチ44の押圧状態の解除によって、スイッチ44は、変形誘起部材31を変形させるように構成されている。
図3に示す例では、変形誘起部材31がスイッチ44を押圧していない状態にある場合、変形誘起部材31はスイッチ44から離間している。変形誘起部材31とスイッチ44とは、リンク機構を介して、互いに連結されてもよい。
【0085】
<カム機構30の変形例>
図3に示す例では、変形誘起部材31は、伝達部材30Cの外周面から突出するように設けられているが、変形誘起部材31の形状及び構造は、図3に示す例に限定されない。
カム機構30において、変形誘起部材31は、伝達部材30Cと一体であってもよい。
言い換えると、操作装置10は、変形誘起部材として伝達部材30Cを有してもよい。
この場合、伝達部材30Cは、固定部材12に対する可動部材14の移動に応じて発電装置16に対して移動することによって、磁歪部材34を変形させるように構成される。
つまり、本実施形態において、伝達部材30Cは、操作部材28の回転移動に伴うレバー接触部材30Aの変位をピストン押圧部材30Bの変位に変換する機能を有するだけでなく、発電装置16の磁歪部材34を移動させる機能を有する。
【0086】
<発電装置16>
図3図5に示すように、発電装置16は、コイル32と、磁歪部材34とを有する。
発電装置16は、固定部材12に対する可動部材14の移動に応じて磁歪部材34を変形させることによってコイル32に電力を発生させるように構成されている。
さらに、発電装置16は、ハウジング36と、ヨーク38と、フレーム40と、磁束形成部材42とを有する。さらに、発電装置16は、回路部材16Aをさらに備える。
【0087】
<ハウジング36>
ハウジング36は、コイル32、磁歪部材34、ヨーク38、フレーム40、及び磁束形成部材42を収容するように構成されている。ハウジング36には、開口部36Aが形成されている。開口部36Aには、方向R1に移動可能なスイッチ44と、ガイド部材46とが配置されている。
ヨーク38は、ハウジング36に固定されている。フレーム40は、磁歪部材34と一体に振動(変形)するように構成されている。図3に示す例では、ヨーク38とフレーム40が一体に形成されている。
【0088】
<スイッチ44、ガイド部材46>
スイッチ44は、固定部材12に対する可動部材14の移動に応じて発電装置16に対して移動することによって、磁歪部材34を変形させるように構成される。
つまり、スイッチ44は、発電装置16に対して接触することによって磁歪部材34を変形させるように構成されている。
【0089】
具体的に、スイッチ44は、第1接触面44Aと第2接触面44Bとを有する。第1接触面44Aは、伝達部材30Cに接触する部位である。第2接触面44Bは、磁歪部材34に接触する部位である。このような構造においては、伝達部材30Cは、スイッチ44の第1接触面44Aを押圧する、または、伝達部材30Cの第1接触面44Aに対する押圧状態を解除するように構成されている。スイッチ44は、第2接触面44Bで磁歪部材34を押圧する、または、第2接触面44Bの磁歪部材34に対する押圧状態を解除するように構成されている。伝達部材30Cのスイッチ44に対する押圧、又は、押圧状態の解除により、スイッチ44は、磁歪部材34を弾くように構成されている。スイッチ44による磁歪部材34の移動量、変形量、及び振動の振幅量は、調整可能である。例えば、磁歪部材34に錘を取り付けたりすることで、磁歪部材34の移動量、変形量、及び振動の振幅量は、調整される。
【0090】
ガイド部材46は、方向R1にスイッチ44が移動するようにスイッチ44を支持する。ガイド部材46は、シール部材としても機能する。このため、スイッチ44と開口部36Aとの間に隙間が形成されることなく、スイッチ44を支持することができる。
【0091】
<回路部材16A>
回路部材16Aは、コイル32と電気的に接続されている。具体的に、回路部材16Aは、コイル32から引き出された出力配線32A、32Bに接続されている。
回路部材16Aは、整流部16B、電気出力部16C、制御部16D、通信部16E、及び蓄電部16Fを有する。
【0092】
<整流部16B>
整流部16Bは、発電装置16で発電される電力の電流を整流するように構成されている。
整流部16Bは、コイル32で発生される電流を整流するように構成されている。整流部16Bには、図示しないコンデンサ等の電子素子が実装されている。整流部16Bは、交流電流を直流電流に変換可能なAC/DCコンバータを含む。コイル32から整流部16Bに流れ込んだ発電電流は、整流部16Bによって整流電流に整流される。
【0093】
<電気出力部16C>
電気出力部16Cは、コイル32において発生される電力を電気コンポーネントに出力するように構成されている。電気出力部16Cの一例は、コネクタである。
電気コンポーネントは、後述する追加操作装置82、変速装置DE、アジャスタブルシートポストAS、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRS、制動装置であるブレーキ装置BR、及びランプLPの少なくとも1つを含む。
【0094】
<制御部16D>
制御部16Dは、指令信号を生成するように構成されている。制御部16Dは、コイル32において発生された電圧に関する情報に基づいて、指令信号を発生させるように構成されている。制御部16Dは、追加操作部材に対する使用者の操作に応じて、指令信号を被駆動装置に送信するように通信部16Eを制御するように構成されている。 追加操作部材は、例えば、シフタSFを構成するスイッチやレバーである。
追加操作部材は、可動部材とは異なる部材である。
【0095】
<通信部16E>
通信部16Eは、制御部16Dにおいて生成された指令信号を被駆動装置に送信するように構成されている。通信部16Eは、被駆動装置に指令信号を無線送信するように構成される無線通信部を含む。
【0096】
<蓄電部16F>
蓄電部16Fは、コイル32において発生される電力を蓄電するように構成されている。通信部16Eは、蓄電部16Fに電気的に接続されている。
蓄電部16Fは、整流部16Bによって得られた整流電流を蓄電するように構成されている。本実施形態において、蓄電部16Fは、二次電池である。なお、蓄電部16Fには、DC/DCコンバータ等の変圧部が設けられてもよい。
【0097】
<発電装置16の具体的構成>
次に、主に図5を参照し、発電装置16の具体的構成を説明する。
以下では、第1方向D1に交差する第2方向D2において磁歪部材34がヨーク38と並んでいる場合を説明する。第1方向D1は、磁歪部材34が揺動する揺動方向に相当する。なお、図4に示すように、第1方向D1において磁歪部材34がヨーク38と並んでいてもよい。
【0098】
<コイル32>
コイル32は、フレーム40及び磁歪部材34の両方に巻かれる。なお、コイル32は、磁歪部材34のみに巻かれてもよい。コイル32は、ヨーク38、フレーム40及び磁歪部材34の少なくとも1つに巻かれてもよい。コイル32は、出力配線32A、32Bを有する。出力配線32A、32Bは、コイル32から引き出された配線である。コイル32に発生した電力は、出力配線32A、32Bを通じて、整流部16Bに供給される。
【0099】
<磁歪部材34>
磁歪部材34は、第3方向D3に延びる板状を有する。磁歪部材34の板厚方向は、第1方向D1である。第1方向D1から見て、磁歪部材34は、略矩形状を有する。磁歪部材34は、フレーム40に取り付けられる。第2方向D2から見て、磁歪部材34は、ヨーク38と重なる。磁歪部材34は、磁歪材料によって形成される。磁歪部材34は、例えば、Fe-Ga合金によって形成される。磁歪部材34は、機械的歪みによって透磁率が変化する。また、磁歪部材34は、機械的歪みによって磁化方向が変化する。
【0100】
<ヨーク38>
ヨーク38は、フレーム40を揺動可能に支持している。
第1方向D1から見て、ヨーク38は、略L形状を有する。ヨーク38は、複数のヨーク板38Pが第1方向D1に積層された構造を有する。複数のヨーク板38Pの各々は、第1部分38Aと、第1部分38Aに繋がる第2部分38Bと、を有する。
複数のヨーク板38Pの各々は、少なくとも部分的に磁性材料によって形成される。本実施形態において、複数のヨーク板38Pの各々は、磁性材料から形成される。本実施形態において、ヨーク38の全体が磁性材料によって形成される。複数のヨーク板38Pの各々の材質は特に限定されず、例えば、軟磁性の鉄鋼によって形成されている。複数のヨーク板38Pの各々は、例えば、軟磁性の鉄鋼の1つであるSS400によって形成されていてもよい。なお、ヨーク38は、磁性材料と非磁性材料の両方を含んでもよい。
【0101】
複数のヨーク板38Pの各々において、第1部分38Aは、第2方向D2に延びる略直方体状を有し、第2部分38Bは、第3方向D3に延びる略直方体状を有する。第2部分38Bは、第2方向D2において、間隔をあけて、磁歪部材34及びコイル32に対向する。第2部分38Bは、第2方向D2に磁歪部材34と並んで配置される。
【0102】
本実施形態において、複数のヨーク板38Pの各々において、第1部分38Aは、第2部分38Bと一体に形成される。第1部分38Aは、第2部分38Bとともに一体の単一部材を形成する。
なお、図5に示す例においては、ヨーク38は、複数のヨーク板38Pが積層された構成を有する。言い換えると、複数のヨーク板38Pの各々は、互いに分離可能である。ヨーク38の構造は、図5に示す構造に限定されない。一体部材により、ヨーク38が構成されてもよい。
【0103】
<フレーム40>
フレーム40には、磁歪部材34が取り付けられている。磁歪部材34は、フレーム40とは別部材である。磁歪部材34は、接着剤を介して、フレーム40に取り付けられてもよい。磁歪部材34は、溶接などによってフレーム40に取り付けられてもよい。
フレーム40は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1方向D1において、フレーム40は、ヨーク38に固定されている。フレーム40は、非磁性材料を含むように形成されている。言い換えると、フレーム40は、少なくとも部分的に非磁性材料によって形成される。本実施形態において、フレーム40は、非磁性材料から形成される。本実施形態では、フレーム40の全体が非磁性材料によって形成される。例えば、フレーム40は、ステンレスによって形成される。なお、フレーム40は、磁性材料を含んでもよい。この場合、フレーム40は全体として非磁性の特性を有していればよい。
【0104】
<磁束形成部材42>
磁束形成部材42は、第2部分38Bに固定されている。磁束形成部材42は、第2方向D2において、磁歪部材34及び第2部分38Bと並んで配置される。磁束形成部材42は、第2方向D2において、ヨーク38と磁歪部材34との間に配置される。磁束形成部材42は、第2方向D2において、磁歪部材34と隙間をあけて対向している。磁束形成部材42は、一対の磁極を有する。磁束形成部材42は、例えば、永久磁石である。磁束形成部材42の第3方向D3を向く一方の面にはN極が形成されている。磁束形成部材42の第3方向D3を向く他方の面にはS極が形成されている。磁束形成部材42は、磁歪部材34を通る磁束を形成する。これにより、磁束形成部材42、磁歪部材34、及びヨーク38を通る閉磁気回路が形成されている。
【0105】
<作用効果>
図3及び図6を参照し、本実施形態の作用効果を説明する。
ここでは、操作部材28が、図3に示す初期位置P1から図6に示す制動位置P2に移動し、その後、制動位置P2から初期位置P1に戻る場合を説明する。
操作部材28が、初期位置P1に静止している状態では、発電装置16における発電は行われない。
【0106】
次に、使用者による操作部材28の操作、すなわち、使用者の把持力を操作部材28が加わることによって、操作部材28が初期位置P1から制動位置P2に移動する。具体的に、回転軸18Cの回りにおいて操作部材28に回転力が生じる。操作部材28は、レバー接触部材30Aを押圧し、レバー接触部材30Aに付与された押圧力によって伝達部材30Cに回転力が生じる。伝達部材30Cの回転力は、ピストン押圧部材30Bに伝達され、ピストン押圧部材30Bは、ピストン26を押圧する。ピストン26の押圧力がスプリング24の復元力よりも大きいため、ピストン26がシリンダ22内を移動し、駆動油に油圧が付与される。これにより、ブレーキ装置BRは、ディスクロータDRに制動力を付与する。
【0107】
さらに、このような操作部材28の操作においては、伝達部材30Cに設けられている変形誘起部材31は、伝達部材30Cの回転に伴ってスイッチ44の第1接触面44Aを押圧する。スイッチ44の第2接触面44Bは、磁歪部材34を押圧し、図5に示す第1方向D1に磁歪部材34が移動する。
【0108】
次に、使用者による操作部材28の操作、すなわち、使用者の把持力を解除することによって、操作部材28が制動位置P2から初期位置P1に移動する。具体的に、スプリング24の復元力の作用により、シリンダ22内においてピストン26が押し戻され、制動位置P2から初期位置P1に向けて操作部材28が移動する。これにより、ブレーキ装置BRのディスクロータDRに対する制動力が解除される。
【0109】
さらに、変形誘起部材31の第1接触面44Aに対する押圧状態が解除される。さらに、スイッチ44の第2接触面44Bによる磁歪部材34の押圧状態が解除される。
これにより、磁歪部材34が弾かれ、磁歪部材34は、第1方向D1及び第1方向D1とは反対方向において揺動する。つまり、固定部材12に対する可動部材14の移動に応じて磁歪部材34を変形させることができる。磁歪部材34の変形に伴って磁歪部材34が振動し、磁歪部材34の振動によって磁歪部材34が伸縮する。これにより、コイル32を通過する磁束が変化し、コイル32において電力を発生させることができる。磁歪部材34を用いる発電においては、操作装置10における発電が可能であるとともに、使用者が発電に伴う負荷を感じにくいという効果が得られる。操作装置10で発生した電力をパワーメータ、サイクルコンピュータ、ギア駆動バッテリ等の電気コンポーネントの電力に利用することができる。
【0110】
また、操作装置10で発生した電力を操作装置とは異なる追加操作装置の電力に利用することができる。ここで、操作装置10は、使用者の右手で操作される右側操作装置であり、追加操作装置は、使用者の左手で操作される左側操作装置である。右側操作装置を第1操作装置と称してもよく、左側操作装置を第2操作装置と称してもよい。操作装置10及び追加操作装置の各々は、例えば、電動シフタであってもよい。この場合、操作装置10で発生した電力を電動シフタの電力に利用することができる。ここで、追加操作装置は、例えば、後述する追加操作装置82である。
【0111】
さらに、スプリング24の復元力を利用して磁歪部材34を振動させることができるのでユーザビリティが向上する。
【0112】
また、伝達部材30Cが支持部材18の回転軸18Bによって回転可能に支持されており、かつ、変形誘起部材31が伝達部材30Cの外周面から突出するように設けられている。したがって、伝達部材30Cが固定部材12に対して回転軸18Bの回りに回転すると、変形誘起部材31も回転軸18Bの回りに回転し、変形誘起部材31は、磁歪部材34を変形させることができる。これにより、磁歪部材34の変形を促進させることができる。
さらに、可動部材14の一部を構成する変形誘起部材31は、スイッチ44を押圧するように、また、スイッチ44に対する押圧状態を解除するように構成されている。このため、可動部材14の移動に応じて、スイッチ44が磁歪部材34を変形させることができる。したがって、磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0113】
<第1実施形態の第1変形例>
本実施形態において、変形誘起部材31は、伝達部材30Cの外周面から突出するように設けられているが、伝達部材30C以外の部材に変形誘起部材31が設けられてもよい。
例えば、操作部材28に変形誘起部材31が設けられてもよい。この場合、操作部材28は、カム機構30に回転力を与える機能を有するだけでなく、変形誘起部材31によって発電装置16の磁歪部材34を移動させる機能を有する。
【0114】
また、レバー接触部材30Aに変形誘起部材31が設けられてもよい。この場合、レバー接触部材30Aは、カム機構30の一部として機能を有するだけでなく、変形誘起部材31によって発電装置16の磁歪部材34を移動させる機能を有する。
また、ピストン押圧部材30Bに変形誘起部材31が設けられてもよい。この場合、ピストン押圧部材30Bは、カム機構30の一部として機能を有するだけでなく、変形誘起部材31によって発電装置16の磁歪部材34を移動させる機能を有する。
【0115】
また、ピストン26に変形誘起部材31が設けられてもよい。この場合、ピストン26は、シリンダ22内において往復するだけでなく、変形誘起部材31によって発電装置16の磁歪部材34を移動させる機能を有する。したがって、シリンダ22に対するピストン26のスライド移動に応じて磁歪部材34を変形させることができる。これにより、磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0116】
<第1実施形態の第2変形例>
上述した第1実施形態においては、スイッチ44よる磁歪部材34の押圧と、スイッチ44よる磁歪部材34の押圧状態の解除について説明した。変形例として、弾性部材を用いて磁歪部材34の押圧状態の解除を促進させてもよい。
この場合、弾性部材は、ハウジング36の内部に配置される。弾性部材の一端は、例えば、ハウジング36の内壁に支持される。弾性部材の他端は、例えば、スイッチ44の第2接触面44Bに接触可能である。
弾性部材としては、コイルばね、板ばね等、公知のばねを採用することができる。
【0117】
このような構成によれば、変形誘起部材31がスイッチ44の第1接触面44Aを押圧すると、スイッチ44の第2接触面44Bは、磁歪部材34を押圧するとともに、弾性部材の他端を押圧する。これにより、弾性部材は、弾性変形する。
【0118】
その後、変形誘起部材31によるスイッチ44の第1接触面44Aに対する押圧状態が解除されると、弾性部材の復元力の作用により、スイッチ44が変形誘起部材31に向けて移動する。これにより、磁歪部材34が弾かれ、磁歪部材34は、第1方向D1及び第1方向D1とは反対方向において揺動する。つまり、変形誘起部材31の移動と、弾性部材における復元力の作用とによって、磁歪部材34を変形させることができる。したがって、磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0119】
<第1実施形態の第3変形例>
上述した第1実施形態及び第2変形例においては、変形誘起部材31がスイッチ44の一方の端面である第1接触面44Aを押圧し、スイッチ44の他方の端面である第2接触面44Bが磁歪部材34を押圧する構成について説明した。
変形例として、スイッチ44の2つの端面とは異なる側面に部分的に設けられた突起部が磁歪部材34を弾く構成が採用されてもよい。この構成では、第2変形例において説明した弾性部材の復元力を第2接触面44Bに作用させることが好ましい。
【0120】
このような構成によれば、変形誘起部材31がスイッチ44の第1接触面44Aを押圧すると、スイッチ44の突起部は、第1方向D1に移動して磁歪部材34に接触し、磁歪部材34が弾かれ、磁歪部材34は、第1方向D1及び第1方向D1とは反対方向において揺動する。この際、スイッチ44の第2接触面44Bは、弾性部材の他端を押圧する。これにより、弾性部材は、弾性変形する。
【0121】
その後、変形誘起部材31によるスイッチ44の第1接触面44Aに対する押圧状態が解除されると、弾性部材の復元力の作用により、突起部は、第1方向D1とは反対方向に移動して磁歪部材34に接触し、磁歪部材34が弾かれ、磁歪部材34は、第1方向D1及び第1方向D1とは反対方向において揺動する。
つまり、変形誘起部材31の移動と、スイッチ44の突起部の磁歪部材34に対する接触と、弾性部材における復元力の作用とによって、磁歪部材34を変形させることができる。したがって、磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0122】
<他の実施形態>
以下、他の実施形態について説明する。以下に述べる第2実施形態以降では、第1実施形態及び変形例と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
【0123】
<第2実施形態>
次に、図7を参照し、第2実施形態に係る操作装置を説明する。
第2実施形態は、磁力を用いて磁歪部材34を移動させる点で、第1実施形態とは異なる。
【0124】
<カム機構48>
カム機構48は、第1実施形態において説明したレバー接触部材30Aと、ピストン押圧部材30Bと、伝達部材30Cとを有する。さらに、カム機構48においては、伝達部材30Cは、第1磁石50を有する。第1磁石50は、変形誘起部材として機能する。第1磁石50は、方向R1に移動可能である。第1磁石50は、伝達部材30Cの移動に伴って、移動可能である。第1磁石50と伝達部材30Cとの間の構造は、特に限定されない。例えば、上述した変形誘起部材31が第1磁石50を押圧する構造が採用されてもよいし、伝達部材30Cと第1磁石50とが連結機構によって連結されてもよい。
【0125】
<発電装置52>
発電装置52は、磁歪部材34及びハウジング36の構成を除いて、第1実施形態において説明した発電装置16と同様の構成を有する。発電装置52においては、磁歪部材34は、磁歪部材34の先端に設けられた第2磁石54を有する。第2磁石54は、変形誘起部材として機能する。ハウジング36には開口部36Aが形成されていない。第1磁石50と第2磁石54との間には、ハウジング壁36Bが配置されている。言い換えると、第1磁石50と第2磁石54とは非接触状態にある。ハウジング壁36Bは、例えば、樹脂等の材料で構成されており、第1磁石50と第2磁石54との間に生じる磁界の作用を妨げない。
【0126】
第1磁石50と第2磁石54との間に生じる磁界の作用は、第1磁石50と第2磁石54とが互いに引き付き合う引力であってもよいし、第1磁石50と第2磁石54とが互いに反発しあう反発力であってもよい。
図7に示す例では、第1磁石50と第2磁石54との間に生じる磁界の作用は、第1磁石50と第2磁石54とが互いに引き付き合う引力である。このため、第1磁石50のN極と第2磁石54のS極とが向かい合うように配置されている。発電装置52は、変形誘起部材である第1磁石50と第2磁石54とが近づくことによって、第2磁石54を有する磁歪部材34が変形するように構成されている。
【0127】
<作用効果>
図3及び図6を参照して説明したように、使用者の把持力を操作部材28が加わることによって、操作部材28が初期位置P1から制動位置P2に移動する。これにより、ブレーキ装置BRは、ディスクロータDRに制動力を付与する。
このような操作部材28の操作においては、伝達部材30Cの移動に伴い、第1磁石50がハウジング壁36Bに近づく。第1磁石50と第2磁石54との間に磁力が生じ、第1磁石50と第2磁石54とが引き付き合う。これにより、磁歪部材34が変形する。
【0128】
使用者の把持力を解除することによって、操作部材28が制動位置P2から初期位置P1に移動する。これにより、ブレーキ装置BRのディスクロータDRに対する制動力が解除される。
このような操作部材28の操作においては、伝達部材30Cの移動に伴い、第1磁石50がハウジング壁36Bから離れる。第1磁石50と第2磁石54との間に生じた磁力の作用が小さくなり、第1磁石50から第2磁石54が離れる。
これにより、磁歪部材34が弾かれ、第1方向D1において揺動する。つまり、固定部材12に対する可動部材14の移動に応じて磁歪部材34を変形させることができる。
【0129】
したがって、上述した第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、第1磁石50と第2磁石54との間に働く磁力の作用によって第2磁石54を移動させ、磁歪部材34の変形を促進させることができる。さらに、ハウジング36に開口を設ける必要がないため、ハウジング36の内部を密閉状態に保つことができる。防水性に優れた発電装置を実現することができる。
【0130】
<第3実施形態>
次に、図8を参照し、第3実施形態に係る操作装置を説明する。
第3実施形態は、操作部材28の操作に伴うピストン26の移動方向の点で、上述した実施形態及び変形例とは異なる。
具体的に、上述した第1実施形態に係る操作装置10においては、使用者の把持力が操作部材28に加わった際に、ピストン26が操作部材28から離れる方向に移動する構造が採用されている。言い換えると、操作部材28及びカム機構30によってピストン26が押される構造が採用されている。
これに対し、第3実施形態に係る操作装置においては、使用者の把持力が操作部材28に加わった際に、ピストン26が操作部材28に向けて移動する構造が採用されている。言い換えると、操作部材28及びカム機構によってピストン26が引っ張られる構造が採用されている。
【0131】
第3実施形態に係る操作装置10Aは、固定部材12と、可動部材14と、発電装置52とを備える。固定部材12は、支持部材56と、ブラケット20と、シリンダ22とを有する。可動部材14は、ピストン26と、操作部材28と、カム機構57とを有する。カム機構57は、操作部材28の操作に伴って移動可能である。
カム機構57は、固定部材12に対して回転軸18Cまわりに回転するように構成されている。カム機構57は、カム部材の一例である。カム機構57は、ピストン26に連結されている。このため、操作部材28の操作に伴ってカム機構57が回転した際、ピストン26は、直線的に移動することが可能である。また、シリンダ22の内部には、スプリング24が配置されている。使用者が操作部材28を操作することによって、スプリング24の復元力と弾性変形とによって、ピストン26はシリンダ22の内部において往復移動が可能である。
【0132】
支持部材56は、操作装置10Aの全体形状をなす部位である。言い換えると、支持部材56は、操作装置10Aのケーシングを形成する。支持部材56は、前端面56Aと、外側面56Bとを有する。支持部材56の内部においては、操作部材28の操作に伴って、ピストン26は、操作部材28によって引っ張られるように移動する。前端面56Aには、上述した発電装置52が設けられている。
ピストン26の先端部26Aには、第1磁石50が内蔵されている。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。
【0133】
<作用効果>
このような構成によれば、操作部材28の操作に伴って、ピストン26はRD方向に移動する。また、操作部材28の操作が解除された際には、ピストン26はLD方向に移動する。このため、ピストン26に内蔵されている第1磁石50は、RD方向又はLD方向に移動する。言い換えると、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。
このため、第1磁石50と第2磁石54との間においては、第1磁石50と第2磁石54が互いに引き付き合う引力が作用したり、この引力が作用しなかったりする。したがって、発電装置52の内部において第2磁石54が移動することで、第2磁石54は磁歪部材34を変形させる。
本実施形態においても、上述した実施形態と同様に、第1磁石50と第2磁石54との間に働く磁力の作用によって第2磁石54を移動させ、磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0134】
<第3実施形態の変形例>
第3実施形態においては、支持部材56の前端面56Aに発電装置52が配置されている。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることが可能であれば、発電装置52の位置は、前端面56Aに限定されない。
例えば、図8の符号P3に示すように、発電装置52は、支持部材56の外側面56Bに配置されてもよい。この場合においても、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。したがって、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
また、2つの発電装置52が操作装置10Aに配置されてもよい。この場合、例えば、2つの発電装置52のうちの一方が前端面56Aに配置され、かつ、2つの発電装置52のうちの他方が外側面56Bに配置された構成を採用してもよい。
【0135】
<第4実施形態>
次に、図9を参照し、第4実施形態に係る操作装置を説明する。
第4実施形態は、第1磁石50の配置の点で、上述した第3実施形態とは異なる。
【0136】
第4実施形態に係る操作装置10Bにおいて、支持部材56は、後端面56Cを有する。後端面56Cには、上述した発電装置52が設けられている。
さらに、カム機構57には、第1磁石50が設けられている。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。
【0137】
<作用効果>
このような構成によれば、操作部材28の操作に伴って、カム機構57は回転軸18Cまわりにおいて時計回りに回転する。また、操作部材28の操作が解除された際には、スプリング24の復元力により、カム機構57は回転軸18Cまわりにおいて反時計回りに回転する。このため、カム機構57に設けられている第1磁石50は、時計回り又は反時計回りに回転する。言い換えると、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。
このため、第1磁石50と第2磁石54との間においては、第1磁石50と第2磁石54が互いに引き付き合う引力が作用したり、この引力が作用しなかったりする。したがって、発電装置52の内部において第2磁石54が移動することで、第2磁石54は磁歪部材34を変形させる。
本実施形態においても、上述した実施形態と同様に、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0138】
<第4実施形態の変形例>
図9に示す例では、支持部材56の後端面56Cに発電装置52が配置されているが、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることが可能であれば、発電装置52の位置は、後端面56Cに限定されない。
例えば、図9の符号P4に示すように、発電装置52は、支持部材56とブラケット20との間に設けられてもよい。言い換えると、発電装置52は、固定部材12の内部に設けられてもよい。この場合においても、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。したがって、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
また、2つの発電装置52が操作装置10Bに配置されてもよい。この場合、例えば、2つの発電装置52のうちの一方が後端面56Cに配置され、かつ、2つの発電装置52のうちの他方が固定部材12の内部に配置された構成を採用してもよい。
【0139】
<第5実施形態>
次に、図10を参照し、第5実施形態に係る操作装置を説明する。
第5実施形態は、発電装置の配置の点で、上述した第1実施形態とは異なる。
【0140】
第5実施形態に係る操作装置10Cにおいて、支持部材18は、外側部18Dを有する。外側部18Dは、前方領域18Eと、中央領域18Fと、後方領域18Gとを有する。前方領域18Eには、上述した発電装置52が設けられている。
ピストン26の先端部26Aには、第1磁石50が内蔵されている。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。
【0141】
<作用効果>
このような構成によれば、操作部材28の操作に伴って、又は、スプリング24の復元力によって、ピストン26はシリンダ22に対して直線的に往復移動する。このため、ピストン26に内蔵されている第1磁石50は、シリンダ22に対して直線的に往復移動する。言い換えると、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。
このため、第1磁石50と第2磁石54との間においては、第1磁石50と第2磁石54が互いに引き付き合う引力が作用したり、この引力が作用しなかったりする。したがって、発電装置52の内部において第2磁石54が移動することで、第2磁石54は磁歪部材34を変形させる。
本実施形態においても、上述した実施形態と同様に、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0142】
<第5実施形態の第1変形例>
第5実施形態においては、支持部材18の前方領域18Eに発電装置52が配置されている。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることが可能であれば、発電装置52の位置は、前方領域18Eに限定されない。
例えば、図10の符号P5、P6、P7に示すように、発電装置52は、支持部材18の中央領域18F、後方領域18G、及び収容空間18Aのうち少なくとも一つに配置されてもよい。この場合においても、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。したがって、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0143】
<第5実施形態の第2変形例>
第5実施形態及び第1変形例においては、ピストン26の先端部26Aに第1磁石50が内蔵されている。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることが可能であれば、第1磁石50の位置は、先端部26Aに限定されない。
例えば、図10に示すピストン押圧部材30Bに第1磁石50が配置されてもよい。この場合においても、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。したがって、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0144】
<第6実施形態>
次に、図11を参照し、第6実施形態に係る操作装置を説明する。
第6実施形態は、操作装置の構造の点で、上述した実施形態及び変形例とは異なる。
図11に示す操作装置60は、変速機能と制動機能とを兼ね備えている。
操作装置60の内部には、上述した発電装置16が設けられている。操作装置60は、操作部材62を有する。操作部材62は、変形誘起部材31を有する。変形誘起部材31は、発電装置16のスイッチ44を押圧する、又は、スイッチ44の押圧状態を解除するように構成されている。
操作部材62は、前後方向FBDに平行な軸回りにおいて回転可能であり、かつ、幅方向WDに平行な軸回りにおいても回転可能である。操作部材62は、上述した操作部材28に対応する構造を有する。さらに、操作装置60は、上述したカム機構30に対応する機構を有する。このような操作部材62は、ブレーキレバーとしても機能し、かつ、シフトレバーとしても機能する。
【0145】
さらに、操作装置60においては、固定部材12は、使用者によって把持可能な把持部60Gを含む。
【0146】
操作部材62は、可動部材の一部を構成する。操作部材62は、使用者の操作に応じて、回転軸60Aの周りに回転するように構成されている。操作部材62は、操作レバー62であってもよい。操作レバー62は、使用者の操作に応じて、回転軸60Aの周りに回転するように構成されている。発電装置16は、操作部材62の上方に位置している。
【0147】
操作装置60においては、固定部材12は、車体フレームFの一部を構成するハンドルバーHに取り付けられるように構成されるブラケット12Aを有する。
回転軸60Aは、ハンドルバーHに取り付けられている状態において、人力駆動車Bの幅方向WDにおける人力駆動車Bの中心を通過する中心面CPに対して非直交である。
【0148】
<作用効果>
本実施形態においては、使用者が操作部材62をBD方向に移動させることで、操作部材62が回転軸60Aの回りに回転する。操作部材62の回転に伴って、変形誘起部材31は移動する。変形誘起部材31は、発電装置16のスイッチ44を押圧する、又は、スイッチ44の押圧状態を解除する。このため、発電装置16の磁歪部材34が変形し、発電装置16における発電を行うことができる。本実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0149】
<第6実施形態の第1変形例>
操作装置61は、発電装置16に代えて、発電装置52を備えてもよい。この場合、操作部材62は、第1磁石50を有している。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34を変形し、発電装置52における発電を行うことができる。
【0150】
<第6実施形態の第2変形例>
磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることが可能であれば、発電装置52の位置は限定されない。
例えば、図11に示すように、発電装置52は、操作装置60の内部P8、操作装置60の下方位置P9、及び操作装置60とハンドルバーHとの間の位置P10のうち少なくとも一つに配置されてもよい。この場合においても、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。したがって、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0151】
<第6実施形態の第3変形例>
次に、図12を参照し、第6実施形態の変形例に係る操作装置を説明する。
上述した第6実施形態に係る操作装置60においては、操作部材62がブレーキレバーの機能とシフトレバーの機能とを有する。本変形例に係る操作装置60は、ブレーキレバーの機能のみを有する操作部材62と、シフトレバーの機能を有する追加操作部材63とを備える。追加操作部材63は、いわゆる電動シフタであり、シフタSFの一部を構成する。追加操作部材63は、操作装置60によって発電された電力を用いて変速装置DEを駆動することが可能である。
【0152】
<第7実施形態>
次に、図13を参照し、第7実施形態に係る操作装置を説明する。
第7実施形態は、変速によって発電を行う点で、上述した第6実施形態とは異なる。
第7実施形態において、第6実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
【0153】
図13に示す操作装置61は、変速機能と制動機能とを兼ね備えている。
操作装置61は、操作部材62に連結された変速機構61Aと、上述した発電装置16とを有する。変速機構61A及び発電装置16は、操作装置61の内部に位置しており、互いに隣り合うように配置されている。変速機構61Aは、変形誘起部材31を有する。変速機構61Aの変形誘起部材31は、発電装置16のスイッチ44を押圧する、又は、スイッチ44の押圧状態を解除するように構成されている。
【0154】
操作部材62は、使用者の操作に応じて、回転軸60Bの周りに回転するように構成されている。操作部材62が回転軸60Bの周りに回転することによって、操作装置61は変速動作を行うことができる。なお、図13においては省略されているが、操作装置61は、図11に示す回転軸60Aを有する。操作部材62は、使用者の操作に応じて、回転軸60Aの周りにおいても回転するように構成されている。
【0155】
操作装置61においては、固定部材12は、車体フレームFの一部を構成するハンドルバーHに取り付けられるように構成されるブラケット12Aを有する。
回転軸60Bは、ハンドルバーHに取り付けられている状態において、人力駆動車Bの幅方向WDにおける人力駆動車Bの中心を通過する中心面CPに対して非平行である。
【0156】
<作用効果>
本実施形態においては、使用者が操作部材62を幅方向WDに移動させることで、操作部材62が回転軸60Bの回りに回転する。操作部材62の回転に伴って、変速機構61Aは、回転軸60Bの回りに回転し、変形誘起部材31を移動させる。変形誘起部材31は、発電装置16のスイッチ44を押圧する、又は、スイッチ44の押圧状態を解除する。このため、発電装置16の磁歪部材34が変形し、発電装置16における発電を行うことができる。本実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0157】
<第7実施形態の第1変形例>
操作装置61は、発電装置16に代えて、発電装置52を備えてもよい。この場合、変速機構61Aは、第1磁石50を有している。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34を変形し、発電装置52における発電を行うことができる。
また、操作装置61の内部に配置されているピストン26が第1磁石50を有してもよい。この場合、ピストン26の往復移動に伴って、第1磁石50と第2磁石54との間に生じる磁力の作用により第2磁石54が移動し、磁歪部材34を変形し、発電装置52における発電を行うことができる。
【0158】
<第7実施形態の第2変形例>
磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることが可能であれば、発電装置52の位置は限定されない。
例えば、図13に示すように、発電装置52は、操作装置61の内部P11、操作装置61の上方位置P12、及び操作装置61の前方位置P13のうち少なくとも一つに配置されてもよい。この場合においても、第1磁石50は、第2磁石54から離れるように移動したり、第2磁石54に近づくように移動したりする。したがって、磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0159】
<第8実施形態>
次に、図14を参照し、第8実施形態に係る操作装置を説明する。
第8実施形態は、操作部材がボタンを含む点で、上述した実施形態及び変形例とは異なる。
【0160】
操作装置64は、操作部材68と、発電装置16と、変形誘起部材31と、シフタSFと、を備える。
変形誘起部材31は、操作部材68に設けられている。上述したように、変形誘起部材31は、発電装置16のスイッチ44を押圧する、又は、発電装置16のスイッチ44の押圧状態を解除するように構成されている。
さらに、操作部材68は、使用者の操作に応じて、直線的に移動可能なボタン66を備える。
【0161】
シフタSFは、電動シフタであり、変速装置DEの変速動作を制御する。使用者は、シフタSFを操作して変速装置DEを変速する際に、ボタン66を押圧する。
シフタSFは、発電装置16に電気的に接続されている。発電装置16によって発生した電力は、シフタSFに供給される。
【0162】
<作用効果>
使用者が操作部材68を操作していない状態では、変形誘起部材31は、発電装置16のスイッチ44を押圧している。使用者が操作部材68を把持して操作部材68を操作すると、変形誘起部材31は、スイッチ44から離間する。これにより、スイッチ44は移動し、発電装置16内の磁歪部材34が変形し、発電が行われる。また、使用者が操作部材68に対する把持力を解除することで、操作部材68は、初期位置に戻り、スイッチ44を押圧する。これにより、スイッチ44は移動し、発電装置16内の磁歪部材34が変形し、発電が行われる。
この構成によれば、使用者は、発電に必要な負荷を感じることなく、発電装置16による発電を行うことができる。
さらに、発電装置16によって発電した電力を電動シフタであるシフタSFの電力として利用することができる。
【0163】
<第8実施形態の第1変形例>
操作装置64は、発電装置16に代えて、発電装置52を備えてもよい。この場合、操作部材68は、第1磁石50を有している。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34を変形し、発電装置52における発電を行うことができる。発電装置52によって発電された電力をシフタSFの電力として利用することができる。
【0164】
<第8実施形態の第2変形例>
発電装置によって発電された電力は、シフタSF以外の電気コンポーネントに利用してもよい。電気コンポーネントは、例えば、後述する追加操作装置82、変速装置DE、アジャスタブルシートポストAS、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRS、制動装置であるブレーキ装置BR、及びランプLPの少なくとも1つを含む。
その他、発電装置によって発電された電力は、スイッチ電源、ライト等の光源の電源、アラーム等の音源、サイクルコンピュータの電源、低消費電力駆動のCMOSセンサ等に利用することができる。
【0165】
<第8実施形態の変形例>
図15は、第8実施形態の変形例に係る操作装置である。
本変形例においては、図3を参照して説明した第1実施形態の構成に、上述した第8実施形態の構成が適応されている。本変形例においても、上述した第8実施形態と同様の効果が得られる。
【0166】
<第9実施形態>
次に、図16を参照し、第9実施形態に係る操作装置を説明する。
上述した実施形態においては、油圧を利用した油圧ブレーキ装置について説明した。
第9実施形態においては、ワイヤを用いた機械式ブレーキ装置について説明する。
【0167】
図16に示すように、人力駆動車BMは、操作装置69と、機械式ブレーキ装置MBRとを有する。なお、図16においては、操作装置69及び機械式ブレーキ装置MBRを除く他の人力駆動車の構成要素を省略している。
【0168】
<操作装置69>
操作装置69は、固定部材12と、可動部材14と、発電装置16とを有する。
固定部材12は、支持部材18と、回転軸18Cと、ブラケット20とを有する。
可動部材14は、ブレーキワイヤWBと、ケーブル固定部14Aと、操作部材14Bと、変形誘起部材31とを有する。
【0169】
ブレーキワイヤWBは、アウターワイヤWOと、インナーワイヤWIとを有する。アウターワイヤWOの一端は、支持部材18に接続されている。アウターワイヤWOの他端は、例えば、人力駆動車BMの車体フレームに接続されている。インナーワイヤWIは、アウターワイヤWOの内部において、移動可能である。インナーワイヤWIの一端は、ケーブル固定部14Aに接続されている。インナーワイヤWIの他端は、機械式ブレーキ装置MBRに接続されている。インナーワイヤWIは、ケーブル固定部14Aに固定されるワイヤの一例である。
【0170】
発電装置16は、固定部材12に配置されている。変形誘起部材31は、ケーブル固定部14Aに設けられている。これにより、ケーブル固定部14Aの移動に伴って、変形誘起部材31がスイッチ44を移動させ、磁歪部材34が変形し、発電装置16において発電が行われる。
なお、変形誘起部材31は、操作部材14Bに設けられてもよい。この場合、操作部材14Bの移動に伴って、変形誘起部材31がスイッチ44を移動させ、磁歪部材34が変形し、発電が行われる。
【0171】
ケーブル固定部14Aは、固定部材12に対する可動部材14の移動に伴って移動するインナーワイヤWIを固定する。
操作部材14Bは、回転軸18Cの回りに回転するように構成されている。操作部材14Bは、操作レバー14Bであってもよい。操作レバー14Bは、使用者の操作に応じて、回転軸18Cの周りに回転するように構成されている。
操作部材14Bは、ケーブル固定部14Aを介して、インナーワイヤWIに接続されている。すなわち、操作装置69においては、回転軸18Cの回りにおける操作部材14Bの回転に伴って、インナーワイヤWIが移動する。
【0172】
<機械式ブレーキ装置MBR>
図16に示す例においては、機械式ブレーキ装置MBRは、カンチレバーブレーキである。機械式ブレーキ装置MBRは、Vブレーキであってもよい。
機械式ブレーキ装置MBRは、ブレーキキャリパBCと、ワイヤ分岐部BWと、固定ボルトBLと、ブレーキシューBSとを有する。ブレーキキャリパBCは、可動端と回転軸とを有する。ワイヤ分岐部BWの一端は、インナーワイヤWIに接続されている。ワイヤ分岐部BWの他端は、ブレーキキャリパBCの可動端に接続されている。
【0173】
固定ボルトBLは、ブレーキキャリパBCの回転軸を人力駆動車BMの車体フレームに固定している。ブレーキキャリパBCは、固定ボルトBLの周りにおいて車体フレームに対して回転可能である。ブレーキシューBSは、ブレーキキャリパBCに固定されている。ブレーキシューBSは、人力駆動車BMにおけるホイールのリムRMに対向するように配置されている。ブレーキシューBSは、ブレーキシューBSとリムRMとの間で生じる摩擦力により、ホイールに制動力を付与するように構成されている。
【0174】
<作用効果>
使用者が操作部材14Bを操作していない状態では、ブレーキシューBSとリムRMとの間に隙間が生じており、ホイールにおいて制動力が生じていない。使用者が操作部材14Bを把持して操作部材14Bを操作すると、ケーブル固定部14Aを介してインナーワイヤWIが移動し、操作部材14Bに向けてインナーワイヤWIが引っ張られる。
【0175】
インナーワイヤWIの移動に伴って、ワイヤ分岐部BWが移動し、ブレーキキャリパBCが固定ボルトBLの周りに回転する。ブレーキシューBSがリムRMに向けて移動し、ブレーキシューBSとリムRMとが接触する。また、使用者が操作部材14Bに対する把持力を解除することで、操作部材14Bは、初期位置に戻り、ホイールに対する制動力が解除される。
【0176】
このような操作装置69においては、ケーブル固定部14AによってインナーワイヤWIが固定されるので、インナーワイヤWIを介して可動部材14を移動させることができる。これにより、変形誘起部材31がスイッチ44を押圧し、これにより、スイッチ44は移動し、発電装置16内の磁歪部材34が変形し、発電が行われる。ケーブル固定部14Aを用いることで、磁歪部材34の変形を促進させることができる。
【0177】
<第9実施形態の変形例>
操作装置69は、発電装置16に代えて、発電装置52を備えてもよい。この場合、操作部材14Bは、第1磁石50を有している。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34を変形し、発電装置52における発電を行うことができる。
【0178】
<変形誘起部材の第1変形例>
次に、図17を参照し、変形誘起部材の第1変形例を説明する。
変形誘起部材70Aは、直動部材72と、回転部材74とを有する。
直動部材72は、直動部材72が延在する方向R2において往復移動が可能である。
直動部材72は、例えば、カム機構30に連結されている。カム機構30の動作に応じて、直動部材72は、往復移動するように構成されている。
【0179】
回転部材74は、回転軸74Aにより回転可能に支持されている。回転部材74は、方向R3のみにおいて、一方向のみに回転可能である。回転部材74は、複数の接触部76を有する。直動部材72の往復移動により、複数の接触部76は、方向R3において直動部材72に順番に接触するように構成されている。つまり、直動部材72の往復移動は、回転部材74の回転移動に転換される。複数の接触部76の各々は、磁歪部材34を押圧するように構成されている。したがって、第1変形例によれば、直動部材72の往復移動に伴って、回転部材74を回転させ、磁歪部材34を連続的に押圧することができる。
したがって、発電装置16において連続的な発電を行うことができる。
【0180】
<変形誘起部材の第2変形例>
次に、図18を参照し、変形誘起部材の第2変形例を説明する。
変形誘起部材70Bは、第1直動部材78Aと、第2直動部材78Bとを有する。
第1直動部材78Aは、第1直動部材78Aが延在する方向R4において往復移動が可能である。第1直動部材78Aは、磁歪部材34を押圧するように構成されている。第1直動部材78Aは、接触突起部78Cを有する。
【0181】
第2直動部材78Bは、第2直動部材78Bが延在する方向R5において往復移動が可能である。方向R4は、方向R5に直交する。
第2直動部材78Bは、例えば、カム機構30に連結されている。カム機構30の動作に応じて、第2直動部材78Bは、往復移動するように構成されている。
第2直動部材78Bは、凹凸部78Dを有する。凹凸部78Dは、複数の凸部と複数の凹部が方向R5において交互に並ぶ構造を有する。凹凸部78Dは、接触突起部78Cに接触するように構成されている。第2直動部材78Bが方向R5において往復移動することにより、凹凸部78Dを構成する複数の凸部は、接触突起部78Cを連続的に押圧する。さらに、凹凸部78Dを構成する複数の凹部は、接触突起部78Cに対する押圧状態を連続的に解除する。
【0182】
したがって、第1変形例によれば、第2直動部材78Bの往復移動に伴って、第1直動部材78Aを往復移動させ、磁歪部材34を連続的に押圧することができる。
したがって、発電装置16において連続的な発電を行うことができる。
【0183】
<第10実施形態>
次に、図19を参照し、第10実施形態に係る操作装置を説明する。
第10実施形態は、操作部材であるボタンが変形誘起部材として機能する点で、上述した実施形態及び変形例とは異なる。
【0184】
操作装置80は、ボタン66と、発電装置16と、ブラケット20Aとを有する。ボタン66は、変形誘起部材の一例である。
操作装置80は、ブレーキ装置BR以外の電気コンポーネントを操作するための装置である。このような電気コンポーネントは、変速装置DE、アジャスタブルシートポストAS、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRS、ドライブユニット、及びランプLPのうち少なくとも1つである。
【0185】
発電装置16は、操作装置80に内蔵されている。上述した実施形態と同様に、変形誘起部材であるボタン66は、発電装置16のスイッチ44と移動させるように構成されている。したがって、使用者がボタン66を操作することにより、スイッチ44が移動し、磁歪部材34が変形し、発電装置16において発電が行われる。
【0186】
ブラケット20Aは、操作装置80をハンドルバーHの右領域HRに取り付けるための部材である。ブラケット20Aは、固定部材12をハンドルバーHに固定するブラケット20と共通であってもよい。
本実施形態によれば、ボタン66の操作により、発電を行うことができる。
【0187】
<第10実施形態の変形例>
操作装置80は、発電装置16に代えて、発電装置52を備えてもよい。この場合、操作部材14Bは、第1磁石50を有している。第1磁石50は、発電装置52の第2磁石54が対向している。磁力の作用によって第2磁石54を移動させて磁歪部材34を変形し、発電装置52における発電を行うことができる。
【0188】
<第11実施形態>
次に、図20を参照し、第11実施形態に係る操作装置を説明する。
第11実施形態は、上述した第5実施形態の構成に追加操作装置が加わった操作装置に関する。第11実施形態においては、第5実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。追加操作装置について具体的に説明する。
【0189】
追加操作装置82は、操作装置10Cとは別体である。
追加操作装置82は、追加操作部材66Aと、追加ブラケット20Bとを有する。
本実施形態において、追加操作装置82は、変速装置DEを駆動する変速操作装置である。なお、追加操作装置82は、変速操作装置に限定されない。追加操作装置82は、例えば、変速装置DE、アジャスタブルシートポストAS、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRS、ブレーキ装置BR、ドライブユニット、及びランプLPのうち少なくとも1つを操作するための装置であってもよい。
【0190】
追加操作部材66Aは、使用者の操作に応じて、直線的に移動可能である。
追加ブラケット20Bは、追加操作装置82をハンドルバーHの右領域HRに取り付けるための部材である。追加ブラケット20Bは、固定部材12をハンドルバーHに固定するブラケット20と共通であってもよい。
【0191】
追加操作装置82は、操作装置10Cの発電装置52と電気的に接続されている。言い換えると、追加操作装置82は、操作装置10Cにおけるブレーキ操作によって発電された電力を利用することで駆動する。発電装置52の位置は、第5実施形態において説明したように、特に限定されない。
【0192】
<第11実施形態の変形例>
上述した第11実施形態においては、追加操作装置82が操作装置10Cとは別体である場合を説明した。追加操作装置82と操作装置10Cとが一体であってもよい。この場合、操作装置10Cの固定部材12に追加操作装置82が一体化されている構造が挙げられる。追加操作装置と操作装置とが一体化している構造としては、例えば、図15又は図12に示す構造が挙げられる。
【0193】
<操作装置及び追加操作装置の回路構成>
次に、第11実施形態及び変形例において説明した操作装置及び追加操作装置の回路構成について説明する。
図21図28において、ブレーキ操作装置84は、使用者が操作部材を操作することでブレーキ装置BRを駆動させる操作装置を意味する。また、追加操作装置82は、シフタに相当し、使用者が追加操作部材を操作することで変速装置DEを駆動させる追加操作装置を意味する。
【0194】
上述したコイル32は、コイル85に対応する。
上述した回路部材16Aは、第1回路部材86A及び第2回路部材86Bのうち少なくとも1つを含む。第1回路部材86A及び第2回路部材86Bの各々は、FPC(Flexible Printed Circuits)又はPCB(Printed Circuit Board)である。
特に、第1回路部材86AがFPCであることが好ましく、第2回路部材86BがPCBであることが好ましい。第1回路部材86Aは、コイル85に取り付けられてもよい。
上述した整流部16Bは、整流部88に対応する。
上述した蓄電部16Fは、蓄電部91に対応する。
上述した電気出力部16Cは、電気出力部92に対応する。
【0195】
<第1回路構成>
図21に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、第2回路部材86Bとを有する。
第2回路部材86Bは、整流部88と、インピーダンス整合部89と、電源回路部90と、蓄電部91と、電気出力部92とを有する。整流部88は、第2回路部材86Bの外部に位置する接点87を介してコイル85に接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0196】
<第2回路構成>
図22に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、整流部88と、第2回路部材86Bとを有する。整流部88は、接点87を介してコイル85に接続されている。
第2回路部材86Bは、インピーダンス整合部89と、電源回路部90と、蓄電部91と、電気出力部92とを有する。インピーダンス整合部89は、第2回路部材86Bの外部に位置する整流部88に接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0197】
<第3回路構成>
図23に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、整流部88と、インピーダンス整合部89と、第2回路部材86Bとを有する。整流部88は、接点87を介してコイル85に接続されている。インピーダンス整合部89は、整流部88に接続されている。
第2回路部材86Bは、電源回路部90と、蓄電部91と、電気出力部92とを有する。電源回路部90は、第2回路部材86Bの外部に位置するインピーダンス整合部89に接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0198】
<第4回路構成>
図24に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、整流部88と、インピーダンス整合部89と、電源回路部90と、第2回路部材86Bとを有する。整流部88は、接点87を介してコイル85に接続されている。インピーダンス整合部89は、整流部88に接続されている。電源回路部90は、インピーダンス整合部89に接続されている。
第2回路部材86Bは、蓄電部91と、電気出力部92とを有する。蓄電部91は、第2回路部材86Bの外部に位置する電源回路部90に接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0199】
<第5回路構成>
図25に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、整流部88と、インピーダンス整合部89と、電源回路部90と、電気出力部92とを有する。整流部88は、接点87を介してコイル85に接続されている。インピーダンス整合部89は、整流部88に接続されている。電源回路部90は、インピーダンス整合部89に接続されている。電気出力部92は、電源回路部90に接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0200】
<第6回路構成>
図26に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、第2回路部材86Bとを有する。
第2回路部材86Bは、整流部88と、インピーダンス整合部89と、第1蓄電部91Aと、電気出力部92とを有する。整流部88は、第2回路部材86Bの外部に位置する接点87を介してコイル85に接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、電源回路部94Eと、第2蓄電部94Fと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0201】
<第7回路構成>
図27に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、整流部88と、インピーダンス整合部89と、第2回路部材86Bとを有する。整流部88は、接点87を介してコイル85に接続されている。インピーダンス整合部89は、整流部88に接続されている。
第2回路部材86Bは、第1蓄電部91Aと、電気出力部92とを有する。第1蓄電部91Aは、第2回路部材86Bの外部に位置するインピーダンス整合部89に接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、電源回路部94Eと、第2蓄電部94Fと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0202】
<第8回路構成>
図28に示すように、ブレーキ操作装置84は、コイル85と、第1回路部材86Aである接点87と、整流部88と、インピーダンス整合部89と、第1蓄電部91Aと、電気出力部92とを有する。整流部88は、接点87を介してコイル85に接続されている。インピーダンス整合部89は、整流部88に接続されている。第1蓄電部91Aは、インピーダンス整合部89に接続されている。電気出力部92は、第1蓄電部91Aに接続されている。
追加操作装置82は、追加操作部材93と、追加回路部材94とを有する。追加回路部材94は、追加電気入力部94Aと、電源回路部94Eと、第2蓄電部94Fと、追加制御部94Bと、追加通信部94Cと、操作検出部94Dとを有する。追加電気入力部94Aは、電気出力部92に接続されている。操作検出部94Dは、使用者による追加操作部材93の操作を検出するように構成されている。
【0203】
<第9回路構成>
図29において、左ブレーキ操作装置84Lは、使用者の左手に対応する左操作部材の操作によってブレーキ装置BRを駆動させる操作装置を意味する。右ブレーキ操作装置84Rは、使用者の右手に対応する右操作部材の操作によってブレーキ装置BRを駆動させる操作装置を意味する。右操作部材によって操作されるブレーキ装置BRは、例えば、リアブレーキRBRである。右操作部材によって操作されるブレーキ装置BRは、例えば、フロントブレーキFBRである。
【0204】
また、左追加操作装置82Lは、使用者の左手に対応する左追加操作部材の操作によって変速装置を駆動させる追加操作装置を意味する。右追加操作装置82Rは、使用者の右手に対応する右追加操作部材の操作によって変速装置を駆動させる追加操作装置を意味する。ここで、左追加操作部材によって操作される変速装置は、変速装置DEとは別の変速装置であり、例えば、フロントディレイラである。この場合、右追加操作部材によって変速装置DEが操作される。
【0205】
左ブレーキ操作装置84L及び右ブレーキ操作装置84Rの各々は、図21に示すブレーキ操作装置84と同じ回路構成を有する。
左追加操作装置82L及び右追加操作装置82Rの各々は、図21に示す追加操作装置82と同じ回路構成を有する。
【0206】
第9回路構成は、切替部95を有する。切替部95は、電気的接続を制御するスイッチである。
切替部95が開状態にあるときは、左ブレーキ操作装置84Lと右ブレーキ操作装置84Rとが接続されない。このような開状態では、左ブレーキ操作装置84Lの電気出力部92は、右追加操作装置82Rの追加電気入力部94Aに接続されない。また、このような開状態では、右ブレーキ操作装置84Rの電気出力部92は、左追加操作装置82Lの追加電気入力部94Aに接続されない。
【0207】
これに対し、切替部95が閉状態にあるときは、左ブレーキ操作装置84Lと右ブレーキ操作装置84Rとが接続されない。このような閉状態では、左ブレーキ操作装置84Lの電気出力部92は、右追加操作装置82Rの追加電気入力部94Aに接続される。また、このような閉状態では、右ブレーキ操作装置84Rの電気出力部92は、左追加操作装置82Lの追加電気入力部94Aに接続される。
【0208】
<第10回路構成>
図30は、コイル85に接続される基板の構成を示している。
接点87は、コイル85との接続点である。コイル85の配線が非常に細い場合、半田により基板とコイル85とを電気的に接続することが可能である。このため、コイル85と基板との接続強度を上げることができる。接点87は、第1接続部の一例である。
【0209】
整流部88は、交流を直流に変換する整流回路である。具体的に、コイル85により発生する電力は交流波形を有する。したがって、整流部88は、コイル85から発生する交流電圧を直流電圧に変換することができる。整流部88は、第2接続部の一例である。
【0210】
インピーダンス整合部89は、例えば、コンデンサ等で構成された(インピーダンス整合回路)である。インピーダンス整合部89は、入力インピーダンスと出力インピーダンスとがほぼ一致するように調整する。これにより、インピーダンス整合部89から出力される電力を最大にすることができる。ここで、インピーダンス整合部89は、整流部88から独立して設けてられてもよいし、インピーダンス整合部89は、整流部88に設けられるコンデンサを使用してインピーダンスを整合してもよい。インピーダンス整合部89が整流部88から独立して設けている場合、インピーダンス整合部89は、整流部88と接続部との間に電気的に配置されてもよい。インピーダンス整合部89は、第3接続部の一例である。
【0211】
電源回路部90は、電源回路部90の後段で使用される電圧に応じて電圧変換を行う。電源回路部90は、例えば、LDO(Low Drop Out)レギュレータ、DC/DCコンバータ等である。電源回路部90は、第4接続部の一例である。
【0212】
通信部16Eは、電源回路部90において変換された電圧を使用する回路である。通信部16Eは、第5接続部の一例である。
【0213】
<変形例>
第6回路構成~第9回路構成においては、追加操作装置は、蓄電部91を有していた。この構成の場合、ブレーキ操作装置84における蓄電部91を省略してもよい。
第11実施形態の変形例においては、追加操作装置82と操作装置10Cとが一体である場合を説明した。この場合、基板は1つであり、電気出力部92は不要となる。
【符号の説明】
【0214】
10、10A、10B、10C、60、61、64、69、80 操作装置、12 固定部材、12A、20、20A ブラケット、14 可動部材、14A ケーブル固定部、14B、28、62、68 操作部材、14B、28、62 操作レバー、16、52 発電装置、16A 回路部材、16B、88 整流部、16C、92 電気出力部、16D 制御部、16E 通信部、16F、91 蓄電部、18、56 支持部材、18A、18B、18C、60A、60B、74A 回転軸、18D 外側部、18E 前方領域、18F 中央領域、18G 後方領域、20B 追加ブラケット、22 シリンダ、24 スプリング、26 ピストン、26A 先端部、30、48、57 カム機構、30A レバー接触部材、30B ピストン押圧部材、30C 伝達部材、31、70A、70B 変形誘起部材、32、85 コイル、32A、32B 出力配線、34 磁歪部材、36 ハウジング、36A 開口部、36B ハウジング壁、38 ヨーク、38A 第1部分、38B 第2部分、38P ヨーク板、40 フレーム、42 磁束形成部材、44 スイッチ、44A 第1接触面、44B 第2接触面、46 ガイド部材、50 第1磁石、54 第2磁石、56A 前端面、56B 外側面、56C 後端面、60G 把持部、61A 変速機構、63、66A、93 追加操作部材、66 ボタン、72 直動部材、74 回転部材、76 接触部、78A 第1直動部材、78B 第2直動部材、78C 接触突起部、78D 凹凸部、82 追加操作装置、82L 左追加操作装置、82R 右追加操作装置、84 ブレーキ操作装置、84L 左ブレーキ操作装置、84R 右ブレーキ操作装置、86A 第1回路部材、86B 第2回路部材、87 接点、89 インピーダンス整合部、90、94E 電源回路部、91A 第1蓄電部、94 追加回路部材、94A 追加電気入力部、94B 追加制御部、94C 追加通信部、94D 操作検出部、94F 第2蓄電部、95 切替部、AS アジャスタブルシートポスト、B、BM 人力駆動車、BC ブレーキキャリパ、BL 固定ボルト、BR ブレーキ装置、BS ブレーキシュー、BW ワイヤ分岐部、CL 中央領域、CN チェーン、CP 中心面、DE 変速装置、DR ディスクロータ、F 車体フレーム、FB フロントフレーム、FBR フロントブレーキ、FF フロントフォーク、FS フロントサスペンション、FW フロントホイール、H ハンドルバー、HL 左領域、HR 右領域、LP ランプ、MBR 機械式ブレーキ装置、OC 油圧ケーブル、P1 初期位置、P2 制動位置、P8、P11 内部、P9 下方位置、P10 位置、P12 上方位置、P13 前方位置、RB リアフレーム、RBR リアブレーキ、RM リム、RS リアサスペンション、RW リアホイール、S サドル、SC シフトケーブル、SF シフタ、SP スプロケット、WB ブレーキワイヤ、WI インナーワイヤ、WO アウターワイヤ
図1
図2
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図28
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図30
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正の内容】
図21
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正の内容】
図22
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正の内容】
図23
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正の内容】
図24
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図25
【補正方法】変更
【補正の内容】
図25
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図26
【補正方法】変更
【補正の内容】
図26
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図27
【補正方法】変更
【補正の内容】
図27
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図28
【補正方法】変更
【補正の内容】
図28
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図29
【補正方法】変更
【補正の内容】
図29
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図30
【補正方法】変更
【補正の内容】
図30