(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021778
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 11/13 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
B60C11/13 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125736
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】豊田 真孝
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB03
3D131BB11
3D131BC12
3D131BC15
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3D131EB22V
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3D131EB99X
3D131EC01X
3D131EC12V
(57)【要約】
【課題】氷上性能を維持しつつ、ドライ路面において優れた制動性能を発揮し得るタイヤを提供する。
【解決手段】本発明は、トレッド部2を有するタイヤである。トレッド部2は、第1ショルダー周方向溝5と第1ショルダー陸部11を含む。第1ショルダー陸部11に設けられたショルダー横溝15は、複数の外側ショルダー横溝16と、複数の内側ショルダー横溝17とを含む。複数の外側ショルダー横溝16は、それぞれ、溝幅が極小となる極小部21と、極小部21よりもタイヤ半径方向内側に配され、かつ、極小部よりも溝幅が大きい極大部22とを含む。複数の内側ショルダー横溝17は、それぞれ、開口部17aから溝底部17bまで溝幅が連続的に小さくなっているか、開口部17aから溝底部17bまで溝幅が一定である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝に区分された複数の陸部とを含み、
前記複数の周方向溝は、最も前記第1トレッド端側に設けられた第1ショルダー周方向溝を含み、
前記複数の陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部を含み、
前記第1ショルダー陸部には、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダー横溝が設けられており、
前記ショルダー横溝は、前記第1トレッド端に連通する複数の外側ショルダー横溝と、前記第1ショルダー周方向溝に連通する複数の内側ショルダー横溝とを含み、
前記複数の外側ショルダー横溝及び前記複数の内側ショルダー横溝は、それぞれ、前記第1ショルダー陸部の踏面に形成された開口部と、溝底部とを含み、
前記複数の外側ショルダー横溝は、それぞれ、前記開口部と前記溝底部との間に配され、かつ、溝幅が極小となる極小部と、前記極小部よりもタイヤ半径方向内側に配され、かつ、前記極小部よりも溝幅が大きい極大部とを含み、
前記複数の内側ショルダー横溝は、それぞれ、前記開口部から前記溝底部まで溝幅が連続的に小さくなっているか、前記開口部から前記溝底部まで溝幅が一定である、
タイヤ。
【請求項2】
前記外側ショルダー横溝の前記極小部での溝幅は、前記内側ショルダー横溝の前記開口部での溝幅よりも小さい、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記外側ショルダー横溝の前記開口部での溝幅は、前記内側ショルダー横溝の前記開口部での溝幅よりも大きい、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記外側ショルダー横溝と前記内側ショルダー横溝とは、タイヤ軸方向でオーバーラップすることなく設けられている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記外側ショルダー横溝は、前記第1ショルダー周方向溝に達することなく前記第1ショルダー陸部内で途切れている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記内側ショルダー横溝は、前記第1トレッド端に達することなく前記第1ショルダー陸部内で途切れている、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記外側ショルダー横溝において、前記極小部から前記極大部までのタイヤ半径方向の距離は、前記開口部から前記極小部までのタイヤ半径方向の距離よりも大きい、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記極小部よりもタイヤ半径方向外側において、前記外側ショルダー横溝の溝壁のタイヤ法線に対する最大の角度は、40~60°である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記内側ショルダー横溝の溝壁のタイヤ法線に対する最大の角度は、5°以下である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記外側ショルダー横溝の前記極小部での溝幅は、2.5~4.5mmである、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、トレッド面にタイヤ軸方向に延びる溝が設けられたタイヤが提案あれている。前記溝は、トレッド面に形成された開口部と、開口部よりもタイヤ半径方向内側で局部的に溝幅が最も小さい極小部と、極小部よりもタイヤ半径方向内側で局部的に溝幅が最も大きい極大部とを含む。上述の溝は、タイヤの耐偏摩耗性能とグリップ性能とをバランスよく向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記タイヤは、上述の溝によってグリップ性能が向上するため、とりわけドライ路面で優れた制動性能を発揮し得る。しかしながら、上述の溝は、氷上では摩擦力を発揮し難いという問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、氷上性能を維持しつつ、ドライ路面において優れた制動性能を発揮し得るタイヤを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝に区分された複数の陸部とを含み、前記複数の周方向溝は、最も前記第1トレッド端側に設けられた第1ショルダー周方向溝を含み、前記複数の陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部を含み、前記第1ショルダー陸部には、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダー横溝が設けられており、前記ショルダー横溝は、前記第1トレッド端に連通する複数の外側ショルダー横溝と、前記第1ショルダー周方向溝に連通する複数の内側ショルダー横溝とを含み、前記複数の外側ショルダー横溝及び前記複数の内側ショルダー横溝は、それぞれ、前記第1ショルダー陸部の踏面に形成された開口部と、溝底部とを含み、前記複数の外側ショルダー横溝は、それぞれ、前記開口部と前記溝底部との間に配され、かつ、溝幅が極小となる極小部と、前記極小部よりもタイヤ半径方向内側に配され、かつ、前記極小部よりも溝幅が大きい極大部とを含み、前記複数の内側ショルダー横溝は、それぞれ、前記開口部から前記溝底部まで溝幅が連続的に小さくなっているか、前記開口部から前記溝底部まで溝幅が一定である、タイヤである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のタイヤは、上記の構成を採用したことによって、氷上性能を維持しつつ、ドライ路面において優れた制動性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態のタイヤのトレッド部の展開図である。
【
図5】
図2の外側クラウンブロック及び内側クラウンブロックの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。図面は、本発明の特徴を内包して記載されているが、本発明の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれている場合がある。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。
図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤ1のトレッド部2の展開図である。
図1に示されるように、本発明のタイヤ1は、例えば、重荷重用の空気入りタイヤとして好適に使用される。但し、本発明は、このような使用態様に限定されるものではない。
【0010】
トレッド部2は、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2と、これらの間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝3と、複数の周方向溝3に区分された複数の陸部4とを含む。
【0011】
第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、それぞれ、正規状態のタイヤ1に正規荷重の90%が負荷され、トレッド部2をキャンバー角0°で平面に接地させたときの接地面の端に相当する。
【0012】
「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって車両に未装着かつ無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
【0013】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0014】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0015】
「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。また、各種の規格が定められていないタイヤの場合、「正規荷重」は、上述の規格に準じ、タイヤを使用する上で適用可能な最大の荷重を指す。
【0016】
本実施形態のタイヤ1は、タイヤ赤道Cよりも第1トレッド端T1側の領域と、タイヤ赤道Cよりも第2トレッド端T2側の領域とが、実質的に同じ構成を備えている。より具体的には、本実施形態のタイヤ1のトレッド部2は、タイヤ赤道C上の点に対して点対称となるパターンで構成されている。したがって、本実施形態のタイヤ1は、車両の装着の向きが指定されていない。
【0017】
周方向溝3は、第1ショルダー周方向溝5、第2ショルダー周方向溝6及びクラウン周方向溝7を含む。第1ショルダー周方向溝5は、第1トレッド端T1とタイヤ赤道Cとの間に設けられている。これにより、第1ショルダー周方向溝5は、複数の周方向溝3のうち最も第1トレッド端T1側に設けられている。第2ショルダー周方向溝6は、第2トレッド端T2とタイヤ赤道Cとの間に設けられている。これにより、第2ショルダー周方向溝6は、複数の周方向溝3のうち最も第2トレッド端T2側に設けられている。クラウン周方向溝7は、第1ショルダー周方向溝5と第2ショルダー周方向溝6との間に設けられている。本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2がこれら3本の周方向溝3によって4つの陸部4に区分されている。なお、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
【0018】
各周方向溝3は、例えば、タイヤ周方向にジグザグ状に延びている。各周方向溝3の溝幅W1は、例えば、少なくとも3mm以上であり、望ましくはトレッド幅TWの2.5%~5.0%である。各周方向溝3の深さは、例えば、10~25mmである。トレッド幅TWは、前記正規状態における第1トレッド端T1から第2トレッド端T2までのタイヤ軸方向の距離に相当する。
【0019】
クラウン周方向溝7は、例えば、タイヤ赤道C上に設けられている。タイヤ赤道Cから第1ショルダー周方向溝5又は第2ショルダー周方向溝6の溝中心線までのタイヤ軸方向の距離L1は、例えば、トレッド幅TWの20%~35%である。但し、周方向溝3の配置は、このような範囲に限定されるものではない。
【0020】
複数の陸部4は、第1ショルダー陸部11、第2ショルダー陸部12、第1クラウン陸部13及び第2クラウン陸部14を含んでいる。第1ショルダー陸部11は、第1ショルダー周方向溝5のタイヤ軸方向外側に区分されており、第1トレッド端T1を含んでいる。第2ショルダー陸部12は、第2ショルダー周方向溝6のタイヤ軸方向外側に区分されており、第2トレッド端T2を含んでいる。第1クラウン陸部13は、第1ショルダー周方向溝5とクラウン周方向溝7との間に区分されている。第2クラウン陸部14は、第2ショルダー周方向溝6とクラウン周方向溝7との間に区分されている。第2ショルダー陸部12は、第1ショルダー陸部11と実質的に同じ構成を備えている。また、第2クラウン陸部14は、第1クラウン陸部13と実質的に同じ構成を備えている。したがって、本明細書では、第2ショルダー陸部12及び第2クラウン陸部14の説明は省略される。
【0021】
図2には、第1ショルダー陸部11の拡大図が示されている。
図2に示されるように、第1ショルダー陸部11には、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダー横溝15が設けられている。また、ショルダー横溝15は、第1トレッド端T1に連通する複数の外側ショルダー横溝16と、第1ショルダー周方向溝5に連通する複数の内側ショルダー横溝17とを含む。
【0022】
図3には、
図2のA-A線断面図が示されている。
図4には、
図2のB-B線断面図が示されている。
図3に示されるように、外側ショルダー横溝16は、第1ショルダー陸部11の踏面11sに形成された開口部16aと、溝底部16bとを含む。また、
図4に示されるように、内側ショルダー横溝17も、第1ショルダー陸部11の踏面11sに形成された開口部17aと、溝底部17bとを含む。
【0023】
図3に示されるように、外側ショルダー横溝16は、極小部21と極大部22とを含む。極小部21は、開口部16aと溝底部16bとの間に配され、かつ、溝幅が極小となっている。極大部22は、極小部21よりもタイヤ半径方向内側に配され、かつ、極小部21よりも溝幅が大きい。なお、本明細書において、溝幅とは、溝横断面において、互いに向き合う2つの溝壁間の、陸部の踏面に平行な方向の距離を意味する。なお、トレッド平面視における溝幅は、溝が有する2つの溝縁間の距離を意味する。
【0024】
図4に示されるように、内側ショルダー横溝17は、開口部17aから溝底部17bまで溝幅が連続的に小さくなっているか、開口部17aから溝底部17bまで溝幅が一定である。本発明のタイヤ1は、上述の特徴により、氷上性能を維持しつつ、ドライ路面において優れた制動性能を発揮することができる。その理由は、以下の通りである。
【0025】
図2に示されるように、制動時、第1トレッド端T1に連通する外側ショルダー横溝16には大きな接地圧が作用する。このため、外側ショルダー横溝16は、ドライ路面での制動性能への影響が大きい。
図3に示されるように、本発明では、この外側ショルダー横溝16が極小部21及び極大部22を含むことにより、制動時に開口部16aと極小部21との間の一部又は全部の領域が接地して、制動時の接地面積を増加させることができる。これにより、ドライ路面での制動性能が向上する。
【0026】
一方、氷上走行時、第1ショルダー周方向溝5(
図2に示す)と連なっている内側ショルダー横溝17は、第1ショルダー周方向溝5とのコーナ部が氷上で大きな摩擦力を発揮する。また、内側ショルダー横溝17は、開口部17aから溝底部17bまで溝幅が連続的に小さくなっているか、開口部17aから溝底部17bまで溝幅が一定であるため、そのエッジ部分で高い摩擦力を発揮できる。したがって、氷上性能を維持することができる。これらの作用により、本発明のタイヤ1は、氷上性能を維持しつつ、ドライ路面において優れた制動性能を発揮することができる。
【0027】
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤ1に、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
【0028】
図2に示されるように、外側ショルダー横溝16と内側ショルダー横溝17とは、少なくとも3.0mm以上の溝幅を有しており、後述されるサイプとは相違する。また、外側ショルダー横溝16と内側ショルダー横溝17とは、タイヤ周方向に交互に設けられている。本実施形態では、外側ショルダー横溝16と内側ショルダー横溝17とが同じピッチで設けられている。具体的には、外側ショルダー横溝16のタイヤ周方向の1ピッチ長さP1は、第1ショルダー陸部11のタイヤ軸方向の最大の幅W2の100%~150%である。内側ショルダー横溝17の1ピッチ長さも同様である。これにより、ドライ路面での制動性能(以下、単に「制動性能」という)と氷上性能とがバランス良く向上する。なお、1ピッチ長さP1は、タイヤ周方向で隣接する2つの横溝の溝中心線間のタイヤ周方向の最小の距離を意味する。
【0029】
外側ショルダー横溝16と内側ショルダー横溝17とは、タイヤ軸方向でオーバーラップすることなく設けられているのが望ましい。なお、この構成は、外側ショルダー横溝16をタイヤ周方向に平行に延長した仮想領域が内側ショルダー横溝17と全く重複しない態様を含むのは勿論、前記仮想領域と内側ショルダー横溝17とのタイヤ軸方向の重複長さが、第1ショルダー陸部11の前記幅W2の10%以下である態様も含むものとする。
【0030】
外側ショルダー横溝16及び内側ショルダー横溝17は、例えば、タイヤ軸方向に対して30°以下、望ましくは15°以下の角度で配されている。本実施形態の外側ショルダー横溝16は、タイヤ軸方向に対して平行に延びている。内側ショルダー横溝17のタイヤ軸方向に対する角度θ1は、外側ショルダー横溝16のタイヤ軸方向に対する角度(本実施形態では0°である。)よりも大きく、例えば、3~8°である。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
【0031】
外側ショルダー横溝16は、第1ショルダー周方向溝5に達することなく第1ショルダー陸部11内で途切れているのが望ましい。外側ショルダー横溝16のタイヤ軸方向の長さは、第1ショルダー陸部11の前記幅W2の40%~60%である。また、外側ショルダー横溝16は、トレッド平面視において、一定の溝幅でタイヤ軸方向に延びる定幅部23と、定幅部23と第1トレッド端T1との間に配された拡幅部24とを含む。拡幅部24は、第1トレッド端T1側に向かって溝幅が拡大している。また、拡幅部24は、定幅部23よりも大きい深さで構成されている。本実施形態では、外側ショルダー横溝16の定幅部23が、
図3で示される断面形状を備えている。
【0032】
図3に示されるように、外側ショルダー横溝16は、互いに対称に構成された2つの溝壁16wを有している。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。外側ショルダー横溝16の開口部16aの溝幅W3は、例えば、5.0~10.0mmである。また、望ましい態様では、前記開口部16aの溝幅W3は、内側ショルダー横溝17の開口部17aでの溝幅W4(
図4に示す)よりも大きく、具体的には、前記溝幅W4の130%%~170%である。これにより、制動性能と氷上性能とがバランス良く向上する。
【0033】
開口部16aと極小部21との間において、外側ショルダー横溝16の溝壁16waは、平面又は滑らかな湾曲面で構成されている。また、極小部21よりもタイヤ半径方向外側において、外側ショルダー横溝16の溝壁16waのタイヤ法線に対する最大の角度θ2は、40~60°である。また、開口部16aから極小部21までのタイヤ半径方向の距離L2は、外側ショルダー横溝16の全深さd1の15%~25%である。これにより、制動時において、開口部16aと極小部21との間に溝壁がより一層接地し易くなり、制動性能が確実に向上する。
【0034】
外側ショルダー横溝16の極小部21での溝幅W5は、例えば、開口部16aでの溝幅W3の望ましくは35%以上、より望ましくは40%以上であり、望ましくは55%以下、より望ましくは50%以下である。外側ショルダー横溝16の極小部21での溝幅W5は、内側ショルダー横溝17の前記開口部17aでの溝幅W4よりも小さいのが望ましい。前記極小部21での溝幅W5は、例えば、2.5~4.5mmである。これにより、制動性能と氷上性能とがバランス良く向上する。とりわけ、本実施形態では、外側ショルダー横溝16の前記溝幅W3を内側ショルダー横溝17の前記溝幅W4(
図4に示す)よりも大とした上で、極小部21での溝幅W5を、前記溝幅W4よりも小としているため、これらの横溝の開口部について摩耗の進行が均一となり、ひいては偏摩耗を抑制することができる。
【0035】
本実施形態では、極小部21よりもタイヤ半径方向外側の溝壁16waと、極小部21よりもタイヤ半径方向内側の溝壁16wbとが滑らか湾曲面26を介して連なることにより、極小部21が構成されている。前記湾曲面26の曲率半径R1は、例えば、2~4mmである。また、極小部21よりもタイヤ半径方向外側の溝壁16waと、極小部21よりもタイヤ半径方向内側の溝壁16wbとの間の角度θ3は、例えば、120~130°である。これにより上述の効果が確実に得られ、かつ、制動時の負荷が緩和されて耐偏摩耗性能の向上も期待することができる。
【0036】
極小部21と極大部22との間において、外側ショルダー横溝16の溝壁16wbは、平面状に構成されている。また、極小部21と極大部22との間の溝壁のタイヤ法線に対する最大の角度θ4は、前記角度θ2よりも小さく、例えば、3~8°である。これにより溝内に雪や氷片が詰まるのを抑制することができる。
【0037】
また、外側ショルダー横溝16において、極小部21から極大部22までのタイヤ半径方向の距離L3は、外側ショルダー横溝16の全深さd1の65%~85%である。これにより、前記距離L3は、開口部16aから極小部21までのタイヤ半径方向の距離L2よりも大きい。具体的には、前記距離L3は、前記距離L2の3.0~4.0倍である。これにより、制動性能、氷上性能及び耐偏摩耗性能がバランス良く向上する。
【0038】
極大部22から溝底部16bの最底位置までのタイヤ半径方向の距離L4は、外側ショルダー横溝16の全深さd1の3%~10%である。また、前記距離L3と前記距離L4との比率L3/L4は、10~15であるのが望ましい。これにより、前記距離L4は、開口部16aから極小部21までの前記距離L2よりも小さくなっている。これにより、前記溝壁16waがさらに接地し易くなり、上述の効果が確実に発揮される。
【0039】
同様の観点から、外側ショルダー横溝16の極大部22での溝幅W6は、外側ショルダー横溝16の開口部16aでの溝幅W3よりも小さいのが望ましい。具体的には、前記極大部22での溝幅W6は、前記開口部16aでの溝幅W3の60%~75%である。また、極大部22での溝幅W6は、極小部21での溝幅W5の1.5~1.7倍であるのが望ましい。
【0040】
溝底部16bは、例えば、第1ショルダー陸部11の踏面11sと平行に延びる平面状の底面27を含んでいる。また、本実施形態では、平面状の溝壁16wbと前記底面27とが湾曲面28を介して連なっている。望ましい態様では、溝底部16bに構成された前記湾曲面28の曲率半径R2が、極小部21に構成された湾曲面26の曲率半径R1よりも小さい。具体的には、前記曲率半径R2は、0.5~1.5mmとされる。このような湾曲面28を含む溝底部16bは、溝壁16wbが溝の開閉方向に変形し易くなり、溝内に雪や氷片が詰まるのをさらに抑制することができる。
【0041】
図2に示されるように、内側ショルダー横溝17は、第1トレッド端T1に達することなく第1ショルダー陸部11内で途切れているのが望ましい。内側ショルダー横溝17のタイヤ軸方向の長さは、第1ショルダー陸部11の前記幅W2の40%~60%である。また、内側ショルダー横溝17は、トレッド平面視において、その全体に亘って一定の溝幅でタイヤ軸方向に延びている。
【0042】
図4に示されるように、内側ショルダー横溝17は、互いに対称に構成された2つの溝壁17wを有している。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。内側ショルダー横溝17の開口部17aの溝幅W4は、例えば、4.5~6.0mmである。また、内側ショルダー横溝17の溝壁17wのタイヤ法線に対する最大の角度は、5°以下である。これにより、氷上において内側ショルダー横溝17のエッジ部分が大きな摩擦力を提供することができる。
【0043】
内側ショルダー横溝17の全深さd2は、外側ショルダー横溝16の全深さd1(
図3に示す)の90%~110%であり、望ましい態様ではこれらの全深さが同一である。これにより、第1ショルダー陸部11の剛性が均一となり、その偏摩耗が抑制される。
【0044】
内側ショルダー横溝17は、溝底部17bの底面29と溝壁17wとが湾曲面30を介して連なっている。前記湾曲面30の曲率半径R3は、外側ショルダー横溝16の溝底部16bの湾曲面28の曲率半径R2(
図3に示す)よりも大きい。具体的には、前記曲率半径R3は、1.5~2.5mmとされるのが望ましい。これにより、溝底部17bへの応力集中が抑制され、溝底部17bでの損傷が抑制される。
【0045】
図2に示されるように、本実施形態の第1ショルダー陸部11には、タイヤ周方向に延びるショルダー縦サイプ31が複数設けられている。本明細書において、「サイプ」とは、小さな幅を有する切れ込みであって、サイプ本体部において、2つの内壁間の距離が1.5mm未満であるものを意味する。また、サイプ本体部は、2つの内壁が互いに略平行にタイヤ半径方向に延びる部分を意味する。「略平行」とは、2つのサイプ壁の間の角度が10°以下である態様を意味する。これにより、陸部に接地圧が作用した状態において、サイプ本体部における2つの内壁は、互いに接触し、陸部の剛性を高め得る。また、後述されるように、サイプは、面取り部を介して開口するものでも良い。また、サイプは、底部において幅が拡大した拡幅底部を備えるものでも良い。また、本明細書では、サイプが上述の通り定義されるため、2つの内壁間の距離幅が1.5mm以上の切れ込みは、溝として扱う。
【0046】
ショルダー縦サイプ31は、例えば、第1ショルダー陸部11の踏面11sをタイヤ軸方向に3等分したときの中央の領域に配されている。また、ショルダー縦サイプ31は、外側ショルダー横溝16の第1ショルダー周方向溝5側の端部に連通している。また、ショルダー縦サイプ31は、内側ショルダー横溝17の第1トレッド端T1側の端部に連通している。ショルダー縦サイプ31は、タイヤ周方向に平行に直線状に延びている。このようなショルダー縦サイプ31は、氷上走行時、タイヤ軸方向に大きな摩擦力を提供できる。
【0047】
本実施形態の第1ショルダー陸部11は、複数の外側ショルダーブロック32及び複数の内側ショルダーブロック33を含んでいる。外側ショルダーブロック32は、ショルダー縦サイプ31のタイヤ軸方向外側に設けられており、2本の外側ショルダー横溝16の間に区分されている。内側ショルダーブロック33は、ショルダー縦サイプ31のタイヤ軸方向内側に設けられており、2本の内側ショルダー横溝17の間に区分されている。
【0048】
図5には、外側ショルダーブロック32及び内側ショルダーブロック33の拡大図が示されている。
図5に示されるように、これらのブロックには、複数のショルダーサイプ35が設けられている。これらのショルダーサイプ35は、ブロックの踏面をタイヤ軸方向に横断している。すなわち、外側ショルダーブロック32に設けられたショルダーサイプ35は、第1トレッド端T1からショルダー縦サイプ31又は内側ショルダー横溝17(
図2に示す)の端部まで延びている。また、内側ショルダーブロック33に設けられたショルダーサイプ35は、第1ショルダー周方向溝5(
図2に示す)からショルダー縦サイプ31まで延びている。このようなショルダーサイプ35は、氷上走行時のトラクション性能を高めるのに役立つ。
【0049】
望ましい態様では、1つの外側ショルダーブロック32に設けられたショルダーサイプ35の本数N1は、1つの内側ショルダーブロック33に設けられたショルダーサイプ35の本数N2よりも多いのが望ましい。但し、前記本数N1は、前記本数N2の150%以下であるのが望ましい。これにより、外側ショルダーブロック32及び内側ショルダーブロック33の摩耗の進行が均一となり、耐偏摩耗性能が向上する。
【0050】
ショルダーサイプ35は、例えば、直線状に延びる2つの直線部41と、これらの間でジグザグ状に延びるジグザグ部42とを含む。本実施形態では、ショルダーサイプ35の長手方向の端部が、直線部41として構成されている。このようなショルダーサイプ35は、ジグザグ部42において、互いに向き合うサイプ壁同士が噛み合って陸部の剛性を向上させる一方、直線部41があることでサイプの端部での偏摩耗を抑制することができる。
【0051】
ショルダーサイプ35は、各種の断面形状が相違する第1ショルダーサイプ36及び第2ショルダーサイプ37を含む。第1ショルダーサイプ36は、第1トレッド端T1又は第1ショルダー周方向溝5(
図2に示す)からショルダー縦サイプ31まで延びている。第2ショルダーサイプ37は、外側ショルダーブロック32に設けられており、第1トレッド端T1から内側ショルダー横溝17(
図2に示す)の端部まで延びている。
【0052】
図6には、
図5の第1ショルダーサイプ36のC-C線断面図が示されている。
図6に示されるように、第1ショルダーサイプ36は、サイプ本体部36aよりも大きい幅で陸部の踏面に開口する面取り部36bを含んでいる。第1ショルダーサイプ36は、一方のサイプ壁のみが矩形状に折れ曲がることにより、上述の面取り部36bが構成されている。また、第1ショルダーサイプ36には、底部において幅が拡大した拡幅底部36cを備えている。このような第1ショルダーサイプ36は、優れた吸水性能を発揮し、ウェット性能や氷上性能をより一層向上させるのに役立つ。
【0053】
第1ショルダーサイプ36の全深さd3は、外側ショルダー横溝16の全深さd1(
図3に示す)よりも小さいのが望ましく、より望ましくは前記全深さd1の70%~85%である。これにより、制動性能と氷上性能とがバランス良く向上する。
【0054】
図7には、第2ショルダーサイプ37のE-E線断面図が示されており、
図7に示されるように、第2ショルダーサイプ37は、サイプ本体部37aよりも大きい幅で陸部の踏面に開口する面取り部37bを含んでいる。第2ショルダーサイプ37は、2つのサイプ壁の両方が矩形状に折れ曲がることにより、上述の面取り部37bが構成されている。また、第2ショルダーサイプ37には、底部において幅が拡大した拡幅底部37cを備えている。このような第2ショルダーサイプ37は、ウェット性能及び氷上性能をさらに高めることができる。
【0055】
第2ショルダーサイプ37の全深さd4は、外側ショルダー横溝16の全深さd1(
図3に示す)よりも小さいのが望ましく、前記全深さd1の70%~85%であるのがより望ましい。また、本実施形態では、第2ショルダーサイプ37の全深さd4は、第1ショルダーサイプ36の全深さd3と同じとされている。これにより、第1ショルダー陸部11(
図2に示す)の偏摩耗が抑制される。
【0056】
図8では、ショルダーサイプ35の長さ方向に沿った断面図として、
図5のE-E線断面図が示されている。
図8では、サイプ壁35wに構成される凹凸を区分する稜線が、2点鎖線で概念的に示されている。
図7に示されるように、本実施形態のショルダーサイプ35は、直線部41においては、拡幅底部を構成する部分を除き、サイプの深さ方向の全体に亘って、サイプ壁35wが平面状に構成されている。一方、ジグザグ部42は、サイプ壁35wが凹凸となる第1壁部42aと、第1壁部42aのタイヤ半径方向内側に連なり、かつ、サイプ壁35wが実質的に平面状となる第2壁部42bとを含んで構成されている。第1壁部42aのタイヤ半径方向の長さL5は、第1ショルダー陸部11の踏面11sから外側ショルダー横溝16の極小部21までのタイヤ半径方向の距離L2(
図3に示す)よりも大きい。具体的には、前記長さL5は、前記距離L2の2.5~3.5倍である。このような第1ショルダーサイプ36は、優れた吸水性を維持しつつ、ジグザグ部42において、陸部の剛性維持効果を発揮することができる。
【0057】
図5に示されるように、本実施形態の内側ショルダーブロック33には、複数の短サイプ44が設けられている。これらの短サイプ44は、内側ショルダー横溝17からタイヤ周方向に延び、ショルダーサイプ35に連通することなく内側ショルダーブロック33内で途切れている。このような短サイプ44は、内側ショルダー横溝17の溝縁周辺を適度に変形し易くし、制動時に前記溝縁周辺の接地面が局所的に浮き上がるのを抑制することができる。
【0058】
図9には、第1クラウン陸部13の拡大図が示されている。
図9に示されるように、第1クラウン陸部13には、複数の外側クラウン横溝46及び複数の内側クラウン横溝47が設けられている。外側クラウン横溝46は、例えば、第1ショルダー周方向溝5からタイヤ軸方向に延び、クラウン周方向溝7に連通することなく第1クラウン陸部13内で途切れている。内側クラウン横溝47は、例えば、クラウン周方向溝7からタイヤ軸方向に延び、第1ショルダー周方向溝5に連通することなく第1クラウン陸部13内で途切れている。外側クラウン横溝46及び内側クラウン横溝47には、上述の内側ショルダー横溝17の断面形状についての構成を適用することができる。
【0059】
第1クラウン陸部13には、複数のクラウン縦細溝48が設けられている。クラウン縦細溝48は、例えば、外側クラウン横溝46の端部から内側クラウン横溝47の端部までジグザグ状に延びている。このようなクラウン縦細溝48は、氷上での旋回性能を高めるのに役立つ。
【0060】
第1クラウン陸部13は、複数の外側クラウンブロック51及び複数の内側クラウンブロック52を含む。外側クラウンブロック51は、クラウン縦細溝48のタイヤ軸方向外側に設けられており、2本の外側クラウン横溝46の間に区分されている。内側クラウンブロック52は、クラウン縦細溝48のタイヤ軸方向内側に設けられており、2本の内側クラウン横溝47の間に区分されている。
【0061】
外側クラウンブロック51及び内側クラウンブロック52には、複数のクラウンサイプ53が設けられている。クラウンサイプ53には、上述の第1ショルダーサイプ36の構成を適用することができる。
【0062】
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【0063】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0064】
[本発明1]
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝に区分された複数の陸部とを含み、
前記複数の周方向溝は、最も前記第1トレッド端側に設けられた第1ショルダー周方向溝を含み、
前記複数の陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部を含み、
前記第1ショルダー陸部には、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダー横溝が設けられており、
前記ショルダー横溝は、前記第1トレッド端に連通する複数の外側ショルダー横溝と、前記第1ショルダー周方向溝に連通する複数の内側ショルダー横溝とを含み、
前記複数の外側ショルダー横溝及び前記複数の内側ショルダー横溝は、それぞれ、前記第1ショルダー陸部の踏面に形成された開口部と、溝底部とを含み、
前記複数の外側ショルダー横溝は、それぞれ、前記開口部と前記溝底部との間に配され、かつ、溝幅が極小となる極小部と、前記極小部よりもタイヤ半径方向内側に配され、かつ、前記極小部よりも溝幅が大きい極大部とを含み、
前記複数の内側ショルダー横溝は、それぞれ、前記開口部から前記溝底部まで溝幅が連続的に小さくなっているか、前記開口部から前記溝底部まで溝幅が一定である、
タイヤ。
[本発明2]
前記外側ショルダー横溝の前記極小部での溝幅は、前記内側ショルダー横溝の前記開口部での溝幅よりも小さい、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記外側ショルダー横溝の前記開口部での溝幅は、前記内側ショルダー横溝の前記開口部での溝幅よりも大きい、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記外側ショルダー横溝と前記内側ショルダー横溝とは、タイヤ軸方向でオーバーラップすることなく設けられている、本発明1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記外側ショルダー横溝は、前記第1ショルダー周方向溝に達することなく前記第1ショルダー陸部内で途切れている、本発明1ないし4のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記内側ショルダー横溝は、前記第1トレッド端に達することなく前記第1ショルダー陸部内で途切れている、本発明1ないし5のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記外側ショルダー横溝において、前記極小部から前記極大部までのタイヤ半径方向の距離は、前記開口部から前記極小部までのタイヤ半径方向の距離よりも大きい、本発明1ないし6のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記極小部よりもタイヤ半径方向外側において、前記外側ショルダー横溝の溝壁のタイヤ法線に対する最大の角度は、40~60°である、本発明1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明9]
前記内側ショルダー横溝の溝壁のタイヤ法線に対する最大の角度は、5°以下である、本発明1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。
[本発明10]
前記外側ショルダー横溝の前記極小部での溝幅は、2.5~4.5mmである、本発明1ないし9のいずれか1項に記載のタイヤ。
【符号の説明】
【0065】
2 トレッド部
3 周方向溝
4 陸部
5 第1ショルダー周方向溝
11 第1ショルダー陸部
15 ショルダー横溝
16 外側ショルダー横溝
17 内側ショルダー横溝
21 極小部
22 極大部
T1 第1トレッド端
T2 第2トレッド端