(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002178
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】充電装置及び充電装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20241226BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241226BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20241226BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20241226BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20241226BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J7/00 301D
H02J7/02 F
H02J50/10
H02J50/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102156
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 厳太朗
(72)【発明者】
【氏名】脊尾 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】松原 彰
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】複数の充電対象を同時にワイヤレス充電可能な充電装置における、移動機構の物理的な配置制約を緩和すること。
【解決手段】本開示に係る充電装置は、検出部、複数の充電用コイル、着脱機構、移動機構及び制御部を備える。検出部は、載置部に載置された、無線送信された電力を誘導コイルにより受電可能に構成された少なくとも1つの電子機器の誘導コイルの位置を検出可能に構成される。複数の充電用コイルは、検出された誘導コイルに対して電力を無線送信可能にそれぞれが構成される。着脱機構は、複数の充電用コイルのうちのいずれかを着脱可能に支持する。移動機構は、着脱機構を移動可能に支持する。制御部は、複数の充電用コイルのうちの移動対象の充電用コイルに関し、着脱機構により把持させた状態で移動機構により移動させ、検出された誘導コイルに対向する位置で着脱機構により解放させることにより配置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信された電力を誘導コイルにより受電可能に構成された少なくとも1つの電子機器が載置される載置面が設けられた載置部に載置された、前記電子機器の前記誘導コイルの位置を検出可能に構成された検出部と、
検出された前記誘導コイルに対して電力を無線送信可能にそれぞれが構成された複数の充電用コイルと、
前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを着脱可能に支持する着脱機構と、
前記着脱機構を移動可能に支持する移動機構と、
前記複数の充電用コイルのうちの移動対象の前記充電用コイルに関し、前記着脱機構により把持させた状態で前記移動機構により移動させ、前記検出された誘導コイルに対向する位置で前記着脱機構により解放させることにより配置する制御部と、を備える
充電装置。
【請求項2】
前記着脱機構は、ガイドと、少なくとも一方が前記ガイドに沿って移動可能に構成された一対の爪部とを有し、
前記制御部は、前記一対の爪部の少なくとも一方を前記ガイドに沿って移動させることにより、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを把持又は解放させる、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記着脱機構は、前記複数の充電用コイルのそれぞれを個別に内包する複数のケースと、前記複数のケースのそれぞれの内部又は外表面に取り付けられる磁性体と、前記移動機構に取り付けられる電磁石とを有し、
前記制御部は、前記電磁石に対する通電及び遮断の切り替えと、前記電磁石に対する通電における電流の向きの切り替えとのいずれか一方により、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを把持又は解放させる、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項4】
前記着脱機構は、前記複数の充電用コイルのそれぞれを個別に内包する複数のケースと、コンプレッサと、前記コンプレッサと空間的に接続されるノズルとを有し、
前記制御部は、前記ノズルのスカート及び前記ケースの表面により形成される内部空間を、前記コンプレッサにより加減圧させることにより、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを把持又は解放させる、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項5】
前記複数の充電用コイルに電力を供給する電源回路と、
前記複数の充電用コイルの移動面の前記載置部とは反対側又は前記移動面の外周部に設けられた前記電源回路の出力端と、前記複数の充電用コイルのそれぞれとの間を電気的に接続し、それぞれが伸縮性を有する複数の配線と、をさらに備える、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項6】
前記制御部は、2つ以上の前記誘導コイルが検出された場合、前記出力端からの距離が遠い順に、それぞれの誘導コイルに対向する位置に前記移動対象の充電用コイルのそれぞれを配置する、
請求項5に記載の充電装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記誘導コイルが検出された場合、前記複数の充電用コイルのうちの使用されていない充電用コイルを、前記複数の充電用コイルのうちの使用されている少なくとも1つの充電用コイルを移動させることなく、検出された前記誘導コイルに対向する位置まで移動させる第1の移動ルートがあるかを判定し、
前記第1の移動ルートがない場合、既に配置された少なくとも1つの前記充電用コイルのうちのいずれかを一時退避させて移動させる第2の移動ルートを設定する、
請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
前記制御部は、検出された前記誘導コイルが前記載置部に置きなおされた前記電子機器の前記誘導コイルである場合、前記使用されていない充電用コイルのうちの置きなおされる前に前記電子機器のために使用されていた前記充電用コイルに関し、前記第1の移動ルートがあるかを判定する、
請求項7に記載の充電装置。
【請求項9】
前記制御部は、検出された前記誘導コイルが新たに前記載置部に載置された前記電子機器の前記誘導コイルである場合、前記使用されていない充電用コイルのうちの検出された前記誘導コイルに対向する位置からの距離が近い順に、前記第1の移動ルートがあるかを判定する、
請求項7に記載の充電装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2の移動ルートが設定される場合に報知する、
請求項7に記載の充電装置。
【請求項11】
無線送信された電力を誘導コイルにより受電可能に構成された少なくとも1つの電子機器が載置される載置面が設けられた載置部に載置された、前記電子機器の前記誘導コイルの位置を検出可能に構成された検出部と、検出された前記誘導コイルに対して電力を無線送信可能にそれぞれが構成された複数の充電用コイルと、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを着脱可能に支持する着脱機構と、前記着脱機構を移動可能に支持する移動機構と、を備える充電装置において、
前記誘導コイルが検出された場合、前記複数の充電用コイルのうちの使用されていない充電用コイルを、前記複数の充電用コイルのうちの使用されている少なくとも1つの充電用コイルを移動させることなく、検出された前記誘導コイルに対向する位置まで移動させる第1の移動ルートがあるかを判定し、
前記第1の移動ルートがない場合、既に配置された少なくとも1つの前記充電用コイルのうちのいずれかを一時退避させて移動させる第2の移動ルートを設定し、
前記複数の充電用コイルのうちの移動対象の前記充電用コイルに関し、前記着脱機構により把持させた状態で前記移動機構により移動させ、前記検出された誘導コイルに対向する位置で前記着脱機構により解放させることにより配置する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電装置及び充電装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池を内蔵する電子機器に対してワイヤレス充電(無接点充電)を行う充電装置が知られている。ワイヤレス充電に関し、充電対象の電子機器の検出位置に基づいて、電子機器の誘導コイルに充電装置側の充電用コイルを接近させる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、上面プレートに載置された複数の電子機器の検出位置に基づいて、複数の移動機構により複数の充電用コイルを移動させることにより、複数の充電用コイルを複数の電子機器の誘導コイルにそれぞれ接近させる充電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、移動機構の干渉や可動範囲などに起因した物理的な配置制約によって、同時に充電可能な電子機器の数や載置位置が制限されるという問題があった。また、同時に充電可能な電子機器の数が増えると、モータなどを用いて構成される移動機構の数も増えるためコストが増加するという問題があった。
【0006】
本開示が解決しようとする課題は、複数の充電対象を同時にワイヤレス充電可能な充電装置における、移動機構の物理的な配置制約を緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る充電装置は、検出部と、複数の充電用コイルと、着脱機構と、移動機構と、制御部と、を備える。前記検出部は、無線送信された電力を誘導コイルにより受電可能に構成された少なくとも1つの電子機器が載置される載置面が設けられた載置部に載置された、前記電子機器の前記誘導コイルの位置を検出可能に構成されている。前記複数の充電用コイルは、検出された前記誘導コイルに対して電力を無線送信可能にそれぞれが構成されている。前記着脱機構は、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを着脱可能に支持する。前記移動機構は、前記着脱機構を移動可能に支持する。前記制御部は、前記複数の充電用コイルのうちの移動対象の前記充電用コイルに関し、前記着脱機構により把持させた状態で前記移動機構により移動させ、前記検出された誘導コイルに対向する位置で前記着脱機構により解放させることにより配置する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数の充電対象を同時にワイヤレス充電可能な充電装置における、移動機構の物理的な配置制約を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る充電装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る充電装置における、天板及びコイル移動面の構成の一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る充電装置における、充電用コイルへの電源供給に係る構成の一例を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る充電装置における、充電用コイルへの電源供給に係る構成の別の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る充電装置における、着脱機構の構成の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る充電装置における、着脱機構の構成の別の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る充電装置における、着脱機構の構成の別の一例を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る充電装置における、着脱機構の構成の別の一例を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る充電装置における、着脱機構の構成の別の一例を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る充電装置における、着脱機構の構成の別の一例を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る充電装置における、充電用コイルのホームポジションの一例を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る充電装置における、充電用コイルのホームポジションの別の一例を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る充電装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図13の処理における充電用コイルの移動について説明するための図である。
【
図15】
図15は、
図13の処理における充電用コイルの移動について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る充電装置、充電装置の制御方法、プログラム及び記録媒体の実施形態について説明する。
【0011】
なお、本開示の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、既出の図において前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。
【0012】
なお、本開示の説明において、同一又は略同一の機能を有する構成要素について、参照符号の末尾に英数字を追加することにより区別して記載する場合もある。あるいは、同一又は略同一の機能を有する複数の構成要素を区別しない場合には、参照符号の末尾に付された英数字を省略することにより統合して記載する場合もある。
【0013】
本開示に係る充電装置は、電池を内蔵した電子機器の一例としての端末装置(図示しない)であって、充電装置の載置面に配置された充電対象の端末装置に対して非接触式の充電、つまりワイヤレス充電を行う装置である。
【0014】
充電装置による充電対象としての端末装置は、内蔵された電池からの電力を用いて駆動可能に構成された電子機器である。当該電池は、充電装置から無線送信された電力により充電可能に構成される。具体的には、端末装置は、少なくとも受電部をさらに有する。受電部は、充電装置から無線送信された電力を受電可能に構成される。受電部は、例えば、充電装置の送電コイル(充電用コイル)に電磁結合される受電コイル(誘導コイル)である。受電部により誘導された電力は、電池に供給される。端末装置としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、オーディオプレーヤ、携帯電話などの各種の電子機器が適宜利用可能である。
【0015】
ここで、ワイヤレス充電とは、無線により充電することを意味する。本開示では、ワイヤレス充電が、磁気誘導作用による充電を意味する形態を一例として説明する。
【0016】
ワイヤレス充電の国際標準規格としては、WPC(Wireless Power Consortium)において策定されたQi規格がある。Qi規格では、低電力の搬送による充電(以下、「低電力充電」という)と、高電力の搬送による充電(以下、「高電力充電」という)とが規定されている。例えば、低電力充電は最大5Wでなされ、高電力充電は15W以上でなされる。低電力電送は、BPP(Baseline Power Profile)と呼ばれ、高電力充電は、EPP(Extended Power Profile)と呼ばれる。
【0017】
このようなワイヤレス充電においては、一例として、充電装置の載置部の上面(例えば天板)に充電対象の端末装置が載置された状態で、充電装置の充電用コイルを移動機構により移動させて端末装置の誘導コイルに近づけることにより、充電用コイル及び誘導コイルの位置合わせが行われる。
【0018】
なお、ワイヤレス充電においては、充電装置の充電用コイルと充電対象の端末装置の誘導コイルとが対向する位置関係に近いほど、充電が効率的になされる。Qi規格の中では、位置合わせにマグネット(磁石)を用いた高速充電のMPP(Magnetic Power Profile)が規格化される流れにある。
【0019】
このため、本開示に係る充電装置は、充電用コイルとともに配置される磁石を有していてもよい。一例として、充電装置の載置部の上面(例えば天板)に充電対象の端末装置が載置された状態で、充電装置の充電用コイルを移動機構により移動させて端末装置の誘導コイルに近づけた後、充電用コイルとともに配置された磁石と、充電対象の端末装置に誘導コイルとともに配置された磁石との間に発生する磁気吸引力を用いて、充電用コイル及び誘導コイルの位置合わせが行われる。
【0020】
このような中、複数の端末装置に対して同時にワイヤレス充電を行うためには、複数の端末装置の複数の誘導コイルに対して、充電装置の複数の充電用コイルのそれぞれの位置を合わせる必要がある。しかしながら、複数の移動機構により複数の充電用コイルを移動させる構成の場合には、移動機構の干渉や可動範囲などに起因した物理的な配置制約によって、同時に充電可能な端末装置の数や載置位置が制限されるという問題があった。
【0021】
例えば、各移動機構の可動範囲を独立させると、移動機構同士の干渉を抑制できる一方、その境界部分など端末装置を載置しても充電できない領域により載置位置が制限されるという問題があった。また、例えば、各移動機構の可動範囲に重複を許容すると、境界部分は無くなる一方、移動機構同士の干渉に伴い、複数の端末装置の配置によっては、あるいは端末装置が追加されたり置きなおされたりした場合には、充電用コイル同士又は端末装置同士が干渉しない配置であっても、移動機構同士の干渉により同時に充電可能な端末装置の数や載置位置が制限されるという問題があった。さらに、例えば、同時に充電可能な端末装置の数を増やすと、モータなどを用いて構成される移動機構の数が増えるため、コストが増加するという問題があった。
【0022】
そこで、本開示は、複数の充電対象を同時にワイヤレス充電可能な充電装置における、移動機構の物理的な配置制約を緩和することができる充電装置について説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る充電装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、実施形態に係る充電装置1における、天板101及びコイル移動面103の構成の一例を模式的に示す図である。ここで、天板101は、載置部の一例である。
【0024】
本開示では、例えば
図2に示すように、X軸、Y軸及びZ軸を含む直交座標系が規定される。X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交する。Z軸は、X軸及びY軸に垂直であり、充電装置1の厚み方向に延びる。また、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれについて、正の方向は、例えば
図2に例示する矢印の方向により規定される。同様に、負の方向は、矢印と逆向きの方向により規定される。本開示では、Z軸の正方向を「上方」、「上側」又は「上面側」と表現する場合もある。同様に、Z軸の負方向を「下方」、「下側」又は「下面側」と表現する場合もある。また、X軸及びY軸により張られる面及び面内の方向を、それぞれ、「水平面」及び「水平方向」と表現する場合もある。
【0025】
なお、本開示において、「平行」、「水平」、「垂直」及び「直交」とは、それぞれ、完全な平行、水平、垂直及び直交だけではなく、誤差の範囲で平行、水平、垂直及び直交からずれている場合を含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であることを意味する。
【0026】
充電装置1は、
図1に示すように、コントローラ10、電源回路21、移動機構31、着脱機構32、複数の充電用コイル33及び検出用コイル43を有する。
【0027】
また、充電装置1の筐体(図示しない)は、例えば箱形の形状を有する。なお、充電装置1の筐体は、円柱状の形状など他の形状であってもよい。例えば充電装置1の筐体の上面には、
図2に示すように、天板101が設けられている。天板101は、筐体の本体(図示しない)に対して着脱可能に取り付けられる。充電装置1の筐体の内部、すなわち本体及び天板101の内部には、コントローラ10、電源回路21、移動機構31、着脱機構32、複数の充電用コイル33及び検出用コイル43が設けられる。なお、天板101は、筐体の本体と一体に構成されていてもよい。つまり、本実施形態に係る充電装置1において、充電対象の端末装置が載置される載置部は、充電装置1の筐体の一部であればよく、独立した部品として構成されていなくてもよい。
【0028】
天板101の上面には、充電対象の少なくとも1つの電子機器が載置される載置面が設けられる。ここで、載置面とは、ワイヤレス充電の対象、すなわち無線送信された電力を誘導コイルにより受電可能に構成された端末装置を載置するための領域であり、載置された端末装置の充電が可能な領域であるとする。本実施形態では、載置面が、天板101の外表面の一部の領域であり、かつ、2次元平面状の領域である場合を例示する。つまり、本実施形態では、X軸方向及びY軸方向は、それぞれ載置面の2次元平面に沿った互いに直交する方向である。また、Z軸方向は、天板101の厚み方向に一致するものとして説明する。
【0029】
天板101の下方には、
図2に示すように、コイル移動面103が設けられる。コイル移動面103には、充電対象の端末装置に対して電力を無線送信する充電用コイル33が配置される。また、コイル移動面103の近傍には、移動機構31及び着脱機構32が配置される。コイル移動面103においては、複数の充電用コイル33のうちの少なくとも1つの充電用コイル33が、着脱機構32により解放及び/又は把持されたり、着脱機構32により把持された状態で移動機構31により移動されたりする。
【0030】
コントローラ10は、充電装置1の動作を制御するように構成される。コントローラ10は、プロセッサ11、メモリ13及び通信インタフェース15を有する。ここで、実施形態に係るコントローラ10は、制御部の一例である。
【0031】
プロセッサ11は、コントローラ10の全体の動作を制御する。プロセッサ11は、例えば、メモリ13のROM(Read Only Memory)などに記憶されている制御プログラム131を読み出し、メモリ13のRAM(Random Access Memory)にロードされたプログラムを実行することにより、検出機能111、通信機能113及び駆動機能115としての機能を実現する。
【0032】
プロセッサ11としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの各種のプロセッサが適宜利用可能である。
【0033】
検出機能111においてプロセッサ11は、検出用の磁界を発生させるための信号を検出用コイル43へ出力するように構成される。また、プロセッサ11は、検出用コイル43で発生した検出用の磁界に反応して端末装置から検出用コイル43へ応答されたエコー信号の入力に基づき、充電対象の端末装置の配置位置、すなわち誘導コイル位置を特定するように構成される。
【0034】
通信機能113においてプロセッサ11は、駆動機能115の制御によって端末装置の誘導コイルに対向する位置に充電用コイル33が移動されたとき、充電用コイル33により端末装置と通信するように構成される。一例として、プロセッサ11は、いずれかの充電用コイル33が一時退避される場合に報知する。ここで、一時退避とは、充電対象の端末装置に対応する位置へ充電用コイル33を移動させる際、既に配置されている充電用コイル33、すなわち他の端末装置の充電に使用されている充電用コイル33を一時的にその移動ルートから退避させることを言う。一例として、一時退避は、天板101の載置面に充電対象の端末装置が新たに追加されたり置きなおされたりした場合に実施され得る。一例として、一時退避は、例えば移動回数が少ないなど、移動対象の充電用コイル33の所定の規則に従う移動ルート(以下、第1の移動ルートと記載する。)上に他の充電用コイル33が既に配置されている場合に実施され得る。一例として、プロセッサ11は、いずれかの充電用コイル33が一時退避される移動ルート、すなわち邪魔になる先に配置した充電用コイル33を移動対象の充電用コイル33とともに移動させる移動ルート(以下、第2の移動ルートと記載する。)が設定される場合、対象の端末装置との通信により、当該端末装置に通知する。
【0035】
ここで、上述の各実施形態に係る充電装置1と端末装置との間の通信機能について説明する。前述のごとく、充電装置1の充電用コイル33と端末装置の誘導コイルとは電磁結合可能であり、この電磁結合を利用して、充電装置1と端末装置とは通信を実行する。例えば、充電用コイル33と誘導コイルとの負荷を調節することによって、充電装置1と端末装置とは、結合場における変動としてデータを伝送する。具体的には、充電装置1は、FSK(Frequency Shift Keying)により変調したデータを端末装置に送信する。また、充電装置1は、端末装置において負荷変調(Load modulation)により変調されたデータを受信すると、当該データを復調する。これらの処理により、充電装置1と端末装置との間で情報の交換が可能になる。
【0036】
なお、実施形態に係る充電装置1は、ユーザに報知するための通知部をさらに有していてもよい。通知部としては、例えばLEDなどのインジケータ、ディスプレイ、スピーカなどが適宜利用可能である。この場合、通信機能113においてプロセッサ11は、いずれかの充電用コイル33が一時退避される第2の移動ルートが設定される場合、当該通知部により通知を行う。
【0037】
駆動機能115においてプロセッサ11は、充電対象の端末装置が検出された位置に応じて複数の充電用コイル33のいずれかを移動して配置させ、当該充電用コイル33に電力を送電させるように構成される。具体的には、プロセッサ11は、電源回路21から充電用コイル33へ交流電力を供給するように交流電源としての電源回路21を制御する。充電用コイル33は、端末装置の誘導コイルに電磁結合されることで、交流電力を誘導コイルへ供給するように構成される。誘導コイルへ供給された交流電力は端末装置に設けられた整流器によって直流電力に変換され、端末装置に内蔵された電池を充電する。これにより、端末装置の電池がワイヤレス充電される。なお、電源回路は、充電装置1の内部に設けられる場合に限らず、充電装置1の外部電源(例えば車載バッテリ)として設けられていても構わない。
【0038】
一例として、駆動機能115においてプロセッサ11は、複数の充電用コイル33のうちの移動対象の充電用コイル33に関し、着脱機構32により把持させた状態で移動機構31により移動させ、検出された誘導コイルに対向する位置で着脱機構32により解放させることにより配置する。つまり、プロセッサ11は、移動機構31及び着脱機構32を駆動し、ホームポジション107(
図11及び
図12参照)又は充電可能領域内の充電用コイル33を把持し、把持した充電用コイル33を充電可能領域内の充電位置又はホームポジション107まで移動させるように構成される。
【0039】
ここで、充電可能領域とは、コイル移動面103のうちの天板101の上面に設定された載置面に対向する領域である。つまり、充電可能領域とは、天板101を介して、載置面に載置された端末装置の受電部(誘導コイル)にワイヤレス送電可能なコイル移動面103の領域である。
【0040】
また、充電位置とは、端末装置が載置された位置、すなわち誘導コイルの検出位置に対向する充電可能領域内の位置である。典型的には、充電位置と誘導コイルの検出位置との水平方向の位置、すなわち上面側から見た位置は、一致する。
【0041】
メモリ13は、ハードウェア構成として、ROMやHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、Flashメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が適宜利用可能である。メモリ13には、一時的に作業中のデータを記憶するRAMがさらに設けられる。メモリ13は、コントローラ10で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。
【0042】
通信インタフェース15は、充電対象の端末装置と無線で通信可能に構成される。通信インタフェース15は、ハードウェア構成として、無線通信用の通信回路を有する。無線通信用の通信回路としては、4Gや5G、6G、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信等の各種の規格に対応した通信回路が適宜利用可能である。
【0043】
電源回路21は、車載バッテリや商用電源などの充電装置1の外部に設けられた外部電源、あるいは充電装置1に搭載されたバッテリからの電力を用いて、充電装置1の各部に供給するための電源電圧を生成する。
【0044】
図3は、実施形態に係る充電装置1における、充電用コイル33への電源供給に係る構成の一例を模式的に示す図である。
図4は、実施形態に係る充電装置1における、充電用コイル33への電源供給に係る構成の別の一例を模式的に示す図である。
図3及び
図4の例において、複数の配線23のそれぞれは、伸縮性を有するように構成されている。つまり、複数の配線23のそれぞれは、接続された充電用コイル33の変位に応じて電源端子211又は電源供給辺213からの長さを変位可能に構成される。
【0045】
一例として、電源回路21は、複数の配線23のそれぞれに関し、巻き取り及び繰り出し可能に構成されたリール部を有する。
図3の例においてリール部は、例えば、電源端子211又は電源供給辺213と、充電用コイル33とのいずれかの近傍に設けられる。なお、複数の配線23のそれぞれは、材質又は形状により伸縮性を有するように構成されていてもよい。例えば、複数の配線23のそれぞれは、コイル状に形成されることにより伸縮性を有していてもよい。
【0046】
図3の例において電源回路21は、電源供給面105に設けられた複数の電源端子211を有する。複数の電源端子211のそれぞれは、電源回路21の出力端の一例である。複数の電源端子211には、それぞれ、複数の配線23が電気的に接続される。また、複数の配線23には、それぞれ、複数の充電用コイル33が電気的に接続される。つまり、複数の充電用コイル33のそれぞれには、対応する配線23を介して電源端子211からの電力が供給される。
【0047】
なお、複数の電源端子211は、電源供給面105の面内において移動可能であってもよい。この場合、複数の配線23のそれぞれは、伸縮性を有しない構成とすることもできる。
【0048】
図4の例において電源回路21は、コイル移動面103の水平方向の端部、すなわち外周部に設けられた電源供給辺213を有する。電源供給辺213は、電源回路21の出力端の一例である。電源供給辺213には、複数の配線23が電気的に接続される。また、複数の配線23には、それぞれ、複数の充電用コイル33が電気的に接続される。つまり、複数の充電用コイル33のそれぞれには、対応する配線23を介して電源供給辺213からの電力が供給される。
【0049】
なお、電源供給辺213は、例えばコイル移動面103の一辺に設けられるが、二辺以上に設けられていてもよいし、全周に亘って設けられていてもよい。また、複数の配線23のそれぞれと電源供給辺213との接続部分は、電源供給辺213に沿って移動可能に構成されていてもよい。
【0050】
なお、複数の配線23と複数の充電用コイル33との各接続部分は、可動に構成されていてもよい。例えば、各接続部分は、電源端子211又は電源供給辺213に対する充電用コイル33の位置及び方位に応じて、移動又は回転可能に構成されていてもよい。
【0051】
移動機構31は、着脱機構32を移動可能に支持する。移動機構31は、コントローラ10の制御に従い、着脱機構32を移動させる。移動機構31は、動力源(図示しない)、X軸移動機構311及びY軸移動機構313を有する。
【0052】
動力源は、コントローラ10の制御に従い、X軸移動機構311及びY軸移動機構313を駆動する。動力源としては、サーボモータやステッピングモータなどが適宜利用可能である。なお、動力源は、X軸移動機構311及びY軸移動機構313のそれぞれに設けられてもよいし、共通であってもよい。
【0053】
X軸移動機構311は、動力源からの動力を用いて着脱機構32をX軸方向(
図2の矢印A1)に沿って移動させる。Y軸移動機構313は、動力源からの動力を用いて着脱機構32をY軸方向(
図2の矢印A2)に沿って移動させる。換言すれば、X軸移動機構311及びY軸移動機構313は、それぞれ、着脱機構32をX軸及びY軸方向に沿って移動させる駆動力へ動力源からの動力を変換する変換機構である。X軸移動機構311及びY軸移動機構313のそれぞれとしては、ボールネジやレール、ガイド、タイミングベルト、ラック・ピニオン、あるいはこれらの組合せなどの各種の変換機構が適宜利用可能である。
【0054】
なお、X軸移動機構311及びY軸移動機構313の一方は、着脱機構32とともに他方を水平方向に移動させるように構成されていてもよいし、互いに独立して着脱機構32を水平方向に移動させるように構成されていてもよい。また、X軸移動機構311及びY軸移動機構313は、互いに異なる変換機構であってもよい。
【0055】
なお、移動機構31は、変換機構によって移動方向が規定される場合に限らず、動力源からの動力を用いてコイル移動面103上を走行することにより、支持する着脱機構32をコントローラ10の制御に従い水平方向に自在に移動させる自走式のロボットとして構成されていてもよい。
【0056】
着脱機構32は、複数の充電用コイル33のうちのいずれかを着脱可能に支持する。着脱機構32により同時に支持される充電用コイル33の数は、任意に設計可能であり、1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。つまり、本実施形態に係る充電装置1においてコントローラ10は、複数の充電用コイル33のうちの移動対象の2つ以上の充電用コイル33に関し、着脱機構32により同時に2つ以上を把持させた状態で移動機構31により移動させ、検出された2つ以上の誘導コイルに対向するそれぞれの位置で着脱機構32により1つずつ解放させることにより配置してもよい。以下、本実施形態では、着脱機構32により同時に支持される充電用コイル33が1つである場合を例に説明を続ける。
【0057】
一例として、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、ホームポジション107又は充電可能領域内の移動対象の充電用コイル33を把持する。一例として、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、ホームポジション107又は充電可能領域内で移動対象の充電用コイル33を解放する。着脱機構32の詳細については、後述する。
【0058】
複数の充電用コイル33のそれぞれは、検出された端末装置、すなわち天板101の載置面に載置された端末装置の誘導コイルに対して、電源回路21からの電力を無線送信可能に構成される。複数の充電用コイル33は、移動機構31の数より多いことが好ましい。例えば、本実施形態に係る充電装置1は、1つの移動機構31に対して、3つ以上の充電用コイル33を有する。
【0059】
検出用コイル43は、天板101の上面に設けられる載置面に載置された端末装置、すなわち誘導コイルの位置を検知するためのコイルである。例えば、検出用コイル43は、天板101の内部又は下面に設けられる。一例として、検出用コイル43は、水平方向に載置面に沿って配列されたコイル群により構成される。別の一例として、検出用コイル43は、移動機構により水平方向に移動可能に支持され、載置面に対応する天板101の下方を走査可能に構成される。ここで、実施形態に係る検出用コイル43は、検出部の一例である。
【0060】
なお、充電装置1は、天板101に載置された端末装置の誘導コイルの位置を検出可能に構成されていればよく、検出用コイル43の他の検出部が用いられてもよい。この場合、例えば充電装置1には、天板101の載置面に載置された端末装置の位置を検出可能な重量センサや感圧センサ、光センサなどの各種センサ、あるいは載置面を撮影するカメラが検出部として設けられていてもよい。
【0061】
ここで、図面を参照しつつ、着脱機構32の構成例について説明する。なお、以下に例示する着脱機構32の各構成例は、適宜組み合わせることもできる。
【0062】
図5は、実施形態に係る充電装置1における、着脱機構32の構成の一例を模式的に示す図である。一例として、着脱機構32は、水平方向(矢印A3)に延びるガイド321aと、少なくとも一方がガイド321aに沿って移動可能に構成された一対の爪部321bとを有していてもよい。着脱機構32は、一対の爪部321bの少なくとも一方をガイド321aに沿って移動させることにより、複数の充電用コイル33のうちのいずれかを把持又は解放するように構成される。例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、一対の爪部321bの少なくとも一方をガイド321aに沿って互いに近づけることにより、充電用コイル33を外側から挟持する。また、例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、一対の爪部321bの少なくとも一方をガイド321aに沿って互いに遠ざけることにより、充電用コイル33を解放する。
【0063】
なお、
図5は、水平方向に配置された充電用コイル33をその側方(水平方向)から挟持するように着脱機構32が構成される場合を例示するが、これに限らない。
図5の着脱機構32は、水平方向に配置された充電用コイル33の外側をその上方又は下方から挟持するように構成されてもよい。また、
図5の着脱機構32において矢印A3の示す方向は、水平方向に限らず、Z軸に沿う垂直方向であっても構わない。
【0064】
図6は、実施形態に係る充電装置1における、着脱機構32の構成の別の一例を模式的に示す図である。一例として、着脱機構32は、複数の充電用コイル33のそれぞれを個別に内包するケース322を有していてもよい。例えば、着脱機構32は、移動対象の充電用コイル33が内包されたケース322ごと、充電用コイル33を着脱可能に支持するように構成される。
【0065】
図7は、実施形態に係る充電装置1における、着脱機構32の構成の別の一例を模式的に示す図である。一例として、着脱機構32は、水平方向(矢印A4)に延びるガイド323aと、少なくとも一方がガイド323aに沿って移動可能に構成された一対の爪部323bとを有していてもよい。着脱機構32は、一対の爪部323bの少なくとも一方をガイド323aに沿って移動させることにより、複数の充電用コイル33のうちのいずれかを把持又は解放するように構成される。例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、一対の爪部323bの少なくとも一方をガイド323aに沿って互いに遠ざけることにより、充電用コイル33を内側から突っ張ることにより把持する。また、例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、一対の爪部323bの少なくとも一方をガイド323aに沿って互いに近づけることにより、充電用コイル33を解放する。
【0066】
なお、
図7は、水平方向に配置された充電用コイル33をその上方から把持するように着脱機構32が構成される場合を例示するが、これに限らない。
図7の着脱機構32は、水平方向に配置された充電用コイル33をその下方から把持するように構成されてもよい。
【0067】
図8は、実施形態に係る充電装置1における、着脱機構32の構成の別の一例を模式的に示す図である。一例として、着脱機構32は、
図6のケース322と、ケース322の内部又は外表面に取り付けられる磁性体324aと、移動機構31に取り付けられる電磁石324bとを有していてもよい。着脱機構32は、電磁石324bに対する通電及び遮断の切り替えと、電磁石324bに対する通電における電流の向きの切り替えとのいずれか一方により、複数の充電用コイル33のうちのいずれかを把持又は解放するように構成される。例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、電磁石324bのコイルに通電して磁性体324aを吸着することにより充電用コイル33を把持する。また、例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、電磁石324bのコイルへの電流を遮断することにより、充電用コイル33を解放する。
【0068】
なお、
図8は、水平方向に配置された充電用コイル33をその下方から把持するように着脱機構32が構成される場合を例示するが、これに限らない。
図8の着脱機構32は、水平方向に配置された充電用コイル33をその上方から把持するように構成されてもよいし、その側方(水平方向)から把持するように構成されてもよい。また、着脱機構32は、ケース322の内部又は外表面に電磁石324bを取り付け、移動機構31に磁性体324aを取り付ける構成であってもよい。また、磁性体324aとしては、例えば金属片が利用されるが、磁石を利用することもできる。この場合、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、電磁石324bのコイルへの電流の向きを切り替えることにより、電磁石324bによる磁性体324aの吸着/反発を切り替えてもよい。
【0069】
図9は、実施形態に係る充電装置1における、着脱機構32の構成の別の一例を模式的に示す図である。一例として、着脱機構32は、
図6のケース322と、コンプレッサ(図示しない)と、コンプレッサと空間的に接続されるケーブル325aと、ケーブル325aのコンプレッサとは反対側の一端に空間的に接続されるノズル325bとを有していてもよい。着脱機構32は、ノズル325bのスカート及びケース322の表面により形成される内部空間を、コンプレッサにより加減圧させることにより、複数の充電用コイル33のうちのいずれかを把持又は解放するように構成される。例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、ノズル345bのスカート及びケース322の表面により形成される内部空間を、ケーブル325aを介してコンプレッサにより減圧することにより、充電用コイル33を把持する。また、例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、コンプレッサによる当該内部空間の減圧を停止、あるいは当該内部空間へ加圧することにより、充電用コイル33を解放する。
【0070】
なお、
図9は、水平方向に配置された充電用コイル33をその上方から把持するように着脱機構32が構成される場合を例示するが、これに限らない。
図9の着脱機構32は、水平方向に配置された充電用コイル33をその下方又は側方(水平方向)から把持するように構成されてもよい。
【0071】
図10は、実施形態に係る充電装置1における、着脱機構32の構成の別の一例を模式的に示す図である。一例として、着脱機構32は、
図6のケース322と、垂直方向(矢印A6)に延びるガイド326aと、ガイド326aに沿って移動可能に構成された可動部326bと、水平方向(矢印A5)に伸縮可能に可動部326bに設けられた伸縮部326cとを有していてもよい。ここで、
図10のケース322には、可動部326bから突出した伸縮部326cを挿抜可能に形成された穴部3221が設けられているとする。着脱機構32は、伸縮部326cを可動部326bから伸縮させてケース322の穴部3211に挿抜することにより、複数の充電用コイル33のうちのいずれかを把持又は解放するように構成される。例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、可動部326bを垂直方向における充電用コイル33の位置へ移動させた状態で伸縮部326cを伸ばしてケース322の穴部3221へ差し込むことにより、充電用コイル33を把持する。また、例えば、着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、伸縮部326cを縮めてケース322の穴部3221から抜き去ることにより、充電用コイル33を解放する。
【0072】
なお、
図10は、水平方向に配置された充電用コイル33をその側方から把持するように着脱機構32が構成される場合を例示するが、これに限らない。
図10の着脱機構32は、水平方向に配置された充電用コイル33をその下方から把持するように構成されてもよい。また、
図10の着脱機構32は、充電用コイル33を把持した状態で可動部326bの垂直方向の位置を変更してもよいし、変更しなくてもよい。つまり、可動部326bは、伸縮部326cがケース322の穴部3221に差し込まれた後に、垂直方向に移動することにより、移動対象の他の充電用コイル33とは異なる高さのコイル移動面103で移動対象の充電用コイル33を移動してもよい。あるいは、可動部326bは、充電用コイル33を把持するためにコイル移動面103とは異なる高さ位置からコイル移動面103まで移動したり、充電用コイル33を解放した後にコイル移動面103から他の高さ位置まで移動したりしてもよい。また、ケース322の穴部3221は必須の構成ではなく、伸縮部326cは、ケース322を下方から支持するように構成されていてもよい。また、
図10の着脱機構32は、伸縮部326cとして一対の棒状部材を例示するが、これに限らない。伸縮部326cの形状は、ケース322の穴部3221に対して挿抜可能に形成された板状部材など、他の形状であっても構わない。
【0073】
ここで、図面を参照しつつ、充電用コイル33のホームポジション107について説明する。
【0074】
図11は、実施形態に係る充電装置1における、充電用コイル33のホームポジション107の一例を模式的に示す図である。本実施形態に係る充電装置1において、使用されていない充電用コイル33は、他の充電用コイル33による充電、あるいは端末装置が置きなおされた際の移動ルートへの影響を低減するようにホームポジション107に移動又は配置される。一例として、コントローラ10は、使用されていない充電用コイル33を、予め定められた規定のホームポジション107に配置する。
図11は、第1の充電用コイル33aが充電可能領域の充電位置に配置されて端末装置の充電中であり、他の使用されていない第2の充電用コイル33b及び第3の充電用コイル33cがホームポジション107に配置されている場合を例示する。このホームポジション107は、例えば充電可能領域の外周部に設けられる。好ましくは、ホームポジション107は、外周部のうち、電源供給辺213から離れた位置に設けられる。
【0075】
なお、ホームポジション107としては、複数の領域が設けられていてもよい。
図12は、実施形態に係る充電装置1における、充電用コイル33のホームポジション107の別の一例を模式的に示す図である。
図12は、コイル移動面103の外周部にそれぞれ離間して設けられたホームポジション107を例示する。
図12のホームポジション107は、矩形のコイル移動面103の4隅に設定された第1のホームポジション107a、第2のホームポジション107b、第3のホームポジション107c及び第4のホームポジション107dを含む。一例として、コントローラ10は、使用されていない充電用コイル33を、複数のホームポジション107のうちの使用中の充電用コイル33から最も離れたホームポジション107に配置する。例えば、コントローラ10は、複数の有効な充電用コイル33のそれぞれから最も遠いホームポジション107を選択する。
図12は、第1の充電用コイル33a及び第2の充電用コイル33bが充電可能領域の充電位置に配置されて端末装置の充電中である場合を例示する。この場合、他の使用されていない第3の充電用コイル33cは、第1のホームポジション107a、第2のホームポジション107b、第3のホームポジション107c及び第4のホームポジション107dのうち、第1の充電用コイル33a及び第2の充電用コイル33bのそれぞれから最も離れた第3のホームポジション107cに配置される。
【0076】
このように、本実施形態に係る移動機構31及び着脱機構32は、コントローラ10の制御に従い、天板101の下方の充電可能領域とホームポジション107との間で複数の充電用コイル33のいずれかを移動させるように構成される。なお、ホームポジション107は、充電可能領域が設けられるコイル移動面103と同一平面内に設けられてもよいし、Z軸方向の位置が異なる他の面内に設けられてもよい。この場合、ホームポジション107は、平面視において、充電可能領域に重複する位置に設けられていても構わない。
【0077】
次に、以上のように構成された充電装置1で実行される制御処理の流れを説明する。
図13は、実施形態に係る充電装置1において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図14及び
図15は、それぞれ
図13の処理における充電用コイル33の移動について説明するための図である。
図13の流れは、例えば、天板101の載置面に載置された端末装置3の位置が検出された場合に開始される。なお、端末装置3の検出は、例えば予め定められた所定の周期で随時行われるものとする。
【0078】
まず、
図14に例示するように、充電対象の端末装置3として、第1の端末装置3a、第2の端末装置3b及び第3の端末装置3cが検出された場合の流れを説明する。
【0079】
コントローラ10は、検出された端末装置3の位置に基づいて、先に配置された充電用コイル33が邪魔しないように、移動対象の端末装置3の移動ルートを最適化する(S101)。
【0080】
一例として、コントローラ10は、先に配置した充電用コイル33が後に配置する充電用コイル33の移動ルートを妨げないように、各充電用コイル33の移動順序と、移動ルートとを最適化する。例えば、コントローラ10は、2つ以上の端末装置3が検出された場合、電源回路21の電源端子211又は電源供給辺213から遠い順に移動させる移動順序を決定する。例えば、
図4に例示するように、コイル移動面103のY-側に電源供給辺213が設けられている場合、コントローラ10は、検出された位置に関し、Y軸の値が大きい(Y+側の)誘導コイルに対向する位置から順に充電用コイル33を配置する移動順序及び移動ルートを設定する。これにより、充電用コイル33に電源供給する配線23の絡まりを抑制することができる。
【0081】
図14の例では、先に配置された充電用コイル33が存在しないため、先に配置した充電用コイル33が邪魔にならない。このため、第1の端末装置3a、第2の端末装置3b及び第3の端末装置3cのそれぞれのための3つの充電用コイル33の位置関係から、移動順序と、それぞれの移動ルートとが設定される。この移動ルートは、第1の移動ルートの一例である。
【0082】
コントローラ10は、先に配置した充電用コイル33が移動対象の充電用コイル33の移動ルートの邪魔になるかを判定する(S102)。このように、実施形態に係るコントローラ10は、誘導コイルが検出された場合、複数の充電用コイル33のうちの使用されていない充電用コイル33を、複数の充電用コイル33のうちの使用されている少なくとも1つの充電用コイル33を移動させることなく、検出された誘導コイルに対向する位置まで移動させる第1の移動ルートがあるかを判定する。この際、コントローラ10は、使用されていない充電用コイル33のうちの検出された誘導コイルに対向する位置からの距離が近い順に、第1の移動ルートがあるか、すなわち先に配置した充電用コイル33が移動対象の充電用コイル33の移動ルートの邪魔になるかを判定してもよい。
【0083】
先に配置した充電用コイル33が移動対象の充電用コイル33の移動ルートの邪魔にならない場合(S102:No)、コントローラ10は、最適化した移動ルートで移動対象の充電用コイル33を移動させて配置する(S103)。
図14の例では、例えば第1の端末装置3a、第2の端末装置3b及び第3の端末装置3cの順に、それぞれ、誘導コイルに対向する位置に第1の充電用コイル33a、第2の充電用コイル33b及び第3の充電用コイル33cが配置される。その後、
図13の流れは終了する。
【0084】
その後、
図15に矢印A7で示すように、第1の端末装置3aが置きなおされた場合、すなわち第1の端末装置3aの位置が変更された場合の流れを説明する。
図15の例では、移動対象の第1の充電用コイル33aに関し、矢印A8,A9で示すように、先に配置された第2の充電用コイル33b及び第3の充電用コイル33cが邪魔になると判定される(S102)。ここで、第1の端末装置3aが置きなおされた場合、置きなおされる前の充電においてパラメータが設定された状態であることから、置きなおされる間に使用されていた第1の充電用コイル33aが移動されることが好ましい。このため、第1の充電用コイル33aを移動対象として第1の移動ルートの判定が行われ、第2の移動ルートが設定される場合を例に説明を続ける。
【0085】
先に配置した充電用コイル33が移動対象の充電用コイル33の移動ルートの邪魔になる場合(S102:Yes)、コントローラ10は、邪魔になる先に配置した充電用コイル33を移動対象の充電用コイル33とともに移動させる第2の移動ルートを設定し、各充電用コイル33を移動させる(S104)。具体的には、コントローラ10は、第1の移動ルートがない場合、既に配置された少なくとも1つの充電用コイル33のうちのいずれかを一時退避させて移動対象の充電用コイル33を移動させる第2の移動ルートを設定する。
【0086】
一例として、コントローラ10は、規定移動方法、例えばX軸方向及びY軸方向のそれぞれに関し、移動回数が少ない第1の移動ルート上の充電用コイル33を一時退避させてもよい。
【0087】
一例として、コントローラ10は、一時退避させる充電用コイル33の数が最も少なくなるように第2の移動ルートを設定してもよい。
【0088】
一例として、コントローラ10は、既に配置された少なくとも1つの充電用コイル33のうち、充電開始からの経過時間が長い、電池残量が多い、バッテリ容量が少ない、充電速度が速い又は充電完了の予想時間が近い端末装置3の充電に使用されている充電用コイル33を優先して一時退避の対象として取り扱うことにより、第2の移動ルートを設定してもよい。
【0089】
一例として、コントローラ10は、端末装置3との通信により一時退避の許可が得られた場合だけ、その端末装置3の充電に使用している充電用コイル33を一時退避の対象としてもよい。
【0090】
図15の例では、コントローラ10は、既に配置された第2の充電用コイル33b及び第3の充電用コイル33cのうちの第3の充電用コイル33cを一時退避させて移動対象の第1の充電用コイル33aを移動させる第2の移動ルートを設定する。
【0091】
また、コントローラ10は、例えば一時退避させる充電用コイル33を用いて充電していた端末装置3に対して、一時退避させることを報知する(S105)。なお、一時退避に伴う報知は、上述したように、充電装置1に通知部を設けることにより実施されてもよい。これらにより、充電が一時中断することがあるので、ユーザに対してLED点灯や表示、音声で通知を行うことができる。その後、
図13の流れは終了する。
【0092】
なお、他の端末装置3が新たに載置された場合であっても、ホームポジション107からの移動に際して先に配置した充電用コイル33が邪魔になる場合は、同様にして一時退避を伴う移動が行われる。ただし、新たに載置された端末装置3については、使用されていない充電用コイル33のうちのいずれかの、例えば最も近い充電用コイル33が使用されればよい。
【0093】
このように、実施形態に係る充電装置1は、着脱機構32を設けることにより、複数の充電用コイル33のそれぞれが移動機構31に対して着脱可能に構成されている。
【0094】
この構成によれば、複数の端末装置の充電を行う際、従来は対応端末数分の充電用コイル及び移動機構が必要であった一方、1つの移動機構31により複数の充電用コイル33を配置可能であるため、移動機構の削減を行うことができる。これにより、移動機構31の物理的な配置制約を緩和するとともに、その数の削減によりコストを削減することができる。つまり、移動機構31の数を増やすことなく、同時充電可能な端末装置の数を増やすことで、利便性を向上することができる。また、充電用コイル33自体は干渉しないにもかかわらず移動機構31が干渉するために充電用コイル33を配置できない範囲を低減し、天板101における端末装置の載置位置の制限も緩和することができる。
【0095】
また、実施形態に係る充電装置1は、充電用コイル33を着脱式とした上で、移動順の算出や移動ルート上の他の充電用コイル33を考慮する構成となっている。これにより、充電装置1は、複数の誘導コイルが検出された場合、他の充電用コイル33や配線23が移動対象の充電用コイル33の移動ルートの妨げにならないように、各充電用コイル33の移動順序及び移動ルートを設定することができる。
【0096】
また、実施形態に係る充電装置1は、ユーザによる端末装置の追加設置や除去、置きなおし(移動)が行われた場合、すなわち検出部による検出結果が変わった場合、その変化に対応する充電用コイル33を移動させる。
【0097】
例えば、充電装置1は、使用しない充電用コイル33を適切なホームポジション107に配置することにより、充電に使用する充電用コイル33の磁界への悪影響を低減することができる。
【0098】
例えば、充電装置1は、移動対象の充電用コイル33の第1の移動ルート上に他の充電用コイル33が配置されている場合、邪魔になる、すなわち干渉する他の充電用コイル33を一時的に退避させる第2の移動ルートを設定する。これにより、置きなおし、あるいは追加に伴う端末装置の載置位置の制限を緩和し、利便性を向上することができる。
【0099】
なお、上述の各実施形態に係る充電装置1は、例えば車載機器として利用可能であるが、これに限らない。机上で使用される装置など、例えばQi規格などの規格に準拠する各種のワイヤレス充電器として適宜利用可能である。
【0100】
本実施形態の充電装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、FD、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0101】
また、本実施形態の充電装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、充電装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0102】
また、本実施形態の充電装置1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0103】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、複数の充電対象を同時にワイヤレス充電可能な充電装置における、移動機構の物理的な配置制約を緩和することができる。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0105】
(付記)
上記実施の形態から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。
(1)
無線送信された電力を誘導コイルにより受電可能に構成された少なくとも1つの電子機器が載置される載置面が設けられた載置部に載置された、前記電子機器の前記誘導コイルの位置を検出可能に構成された検出部と、
検出された前記誘導コイルに対して電力を無線送信可能にそれぞれが構成された複数の充電用コイルと、
前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを着脱可能に支持する着脱機構と、
前記着脱機構を移動可能に支持する移動機構と、
前記複数の充電用コイルのうちの移動対象の前記充電用コイルに関し、前記着脱機構により把持させた状態で前記移動機構により移動させ、前記検出された誘導コイルに対向する位置で前記着脱機構により解放させることにより配置する制御部と、を備える
充電装置。
(2)
前記着脱機構は、ガイドと、少なくとも一方が前記ガイドに沿って移動可能に構成された一対の爪部とを有し、
前記制御部は、前記一対の爪部の少なくとも一方を前記ガイドに沿って移動させることにより、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを把持又は解放させる、
上記(1)に記載の充電装置。
(3)
前記着脱機構は、前記複数の充電用コイルのそれぞれを個別に内包する複数のケースと、前記複数のケースのそれぞれの内部又は外表面に取り付けられる磁性体と、前記移動機構に取り付けられる電磁石とを有し、
前記制御部は、前記電磁石に対する通電及び遮断の切り替えと、前記電磁石に対する通電における電流の向きの切り替えとのいずれか一方により、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを把持又は解放させる、
上記(1)に記載の充電装置。
(4)
前記着脱機構は、前記複数の充電用コイルのそれぞれを個別に内包する複数のケースと、コンプレッサと、前記コンプレッサと空間的に接続されるノズルとを有し、
前記制御部は、前記ノズルのスカート及び前記ケースの表面により形成される内部空間を、前記コンプレッサにより加減圧させることにより、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを把持又は解放させる、
上記(1)に記載の充電装置。
(5)
前記着脱機構は、前記複数の充電用コイルのそれぞれを個別に内包する複数のケースと、ガイドと、前記ガイドに沿って移動可能に構成された可動部と、伸縮可能に前記可動部に設けられた伸縮部とを有し、
前記複数のケースのそれぞれには、前記伸縮部を挿抜可能に構成された穴部が設けられており、
前記制御部は、前記伸縮部を伸縮させて前記穴部に挿抜させることにより、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを把持又は解放させる、
上記(1)に記載の充電装置。
(6)
前記複数の充電用コイルに電力を供給する電源回路と、
前記複数の充電用コイルの移動面の前記載置部とは反対側又は前記移動面の外周部に設けられた前記電源回路の出力端と、前記複数の充電用コイルのそれぞれとの間を電気的に接続し、それぞれが伸縮性を有する複数の配線と、をさらに備える、
上記(1)から上記(5)のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
(7)
前記制御部は、2つ以上の前記誘導コイルが検出された場合、前記出力端からの距離が遠い順に、それぞれの誘導コイルに対向する位置に前記移動対象の充電用コイルのそれぞれを配置する、
上記(6)に記載の充電装置。
(8)
前記制御部は、
前記誘導コイルが検出された場合、前記複数の充電用コイルのうちの使用されていない充電用コイルを、前記複数の充電用コイルのうちの使用されている少なくとも1つの充電用コイルを移動させることなく、検出された前記誘導コイルに対向する位置まで移動させる第1の移動ルートがあるかを判定し、
前記第1の移動ルートがない場合、既に配置された少なくとも1つの前記充電用コイルのうちのいずれかを一時退避させて移動させる第2の移動ルートを設定する、
上記(1)から上記(7)のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
(9)
前記制御部は、検出された前記誘導コイルが前記載置部に置きなおされた前記電子機器の前記誘導コイルである場合、前記使用されていない充電用コイルのうちの置きなおされる前に前記電子機器のために使用されていた前記充電用コイルに関し、前記第1の移動ルートがあるかを判定する、
上記(8)に記載の充電装置。
(10)
前記制御部は、検出された前記誘導コイルが新たに前記載置部に載置された前記電子機器の前記誘導コイルである場合、前記使用されていない充電用コイルのうちの検出された前記誘導コイルに対向する位置からの距離が近い順に、前記第1の移動ルートがあるかを判定する、
上記(8)又は上記(9)に記載の充電装置。
(11)
前記制御部は、前記第2の移動ルートが設定される場合に報知する、
上記(8)から上記(10)のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
(12)
前記第2の移動ルートが設定される場合に通知する通知部をさらに備える、
上記(11)に記載の充電装置。
(13)
前記制御部は、前記第2の移動ルートが設定される場合、一時退避される充電用コイルを使用している前記電子機器に対して通知を出力する、
上記(11)又は上記(12)に記載の充電装置。
(14)
前記制御部は、一時退避させる前記充電用コイルの数が少ない前記第2の移動ルートを設定する、
上記(8)から上記(13)のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
(15)
前記制御部は、既に配置された少なくとも1つの前記充電用コイルのうち、充電開始からの経過時間が長い、電池残量が多い、バッテリ容量が少ない、充電速度が速い又は充電完了の予想時間が近い前記電子機器のために使用されている前記充電用コイルを優先して一時退避の対象とした前記第2の移動ルートを設定する、
上記(8)から上記(14)のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
(16)
前記制御部は、前記複数の充電用コイルのうちの移動対象の2つ以上の前記充電用コイルに関し、前記着脱機構により同時に2つ以上を把持させた状態で前記移動機構により移動させ、前記検出された2つ以上の誘導コイルに対向するそれぞれの位置で前記着脱機構により1つずつ解放させることにより配置する、
上記(1)から上記(15)のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
(17)
無線送信された電力を誘導コイルにより受電可能に構成された少なくとも1つの電子機器が載置される載置面が設けられた載置部に載置された、前記電子機器の前記誘導コイルの位置を検出可能に構成された検出部と、検出された前記誘導コイルに対して電力を無線送信可能にそれぞれが構成された複数の充電用コイルと、前記複数の充電用コイルのうちのいずれかを着脱可能に支持する着脱機構と、前記着脱機構を移動可能に支持する移動機構と、を備える充電装置において、
前記誘導コイルが検出された場合、前記複数の充電用コイルのうちの使用されていない充電用コイルを、前記複数の充電用コイルのうちの使用されている少なくとも1つの充電用コイルを移動させることなく、検出された前記誘導コイルに対向する位置まで移動させる第1の移動ルートがあるかを判定し、
前記第1の移動ルートがない場合、既に配置された少なくとも1つの前記充電用コイルのうちのいずれかを一時退避させて移動させる第2の移動ルートを設定し、
前記複数の充電用コイルのうちの移動対象の前記充電用コイルに関し、前記着脱機構により把持させた状態で前記移動機構により移動させ、前記検出された誘導コイルに対向する位置で前記着脱機構により解放させることにより配置する、
制御方法。
(18)
前記充電装置のコンピュータに、上記(17)に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
(19)
コンピュータにより実行されるプログラムであって、上記(18)に記載のプログラムが記録された記録媒体(Computer Program Product)。
【符号の説明】
【0106】
1 充電装置
10 コントローラ(制御部)
11 プロセッサ
111 検出機能
113 通信機能
115 駆動機能
13 メモリ
15 通信インタフェース
21 電源回路
31 移動機構
32 着脱機構
33,33a,33b,33c 充電用コイル
43 検出用コイル(検出部)
101 天板
103 コイル移動面
105 電源供給面
107 ホームポジション
131 制御プログラム