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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021859
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】天井落下防止金具
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/16 20060101AFI20250206BHJP
   E04B 9/18 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
E04B9/16 B
E04B9/18 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125876
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】519118186
【氏名又は名称】株式会社F&S
(71)【出願人】
【識別番号】509045450
【氏名又は名称】樋浦 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋浦 栄一
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で、野縁並びに天井仕上材のふらつきの早期の収束を図るとともに、野縁並びに天井仕上材の吊り下げ保持の際の衝撃を抑えることができる天井落下防止金具を提供する。
【解決手段】野縁部材2に取り付ける野縁用取付部101と、野縁受部材9に取り付ける野縁受用取付部102と、を備えた天井落下防止金具100であって、前記野縁受用取付部102は、前記野縁受部材9に上方から係止可能に備えることにより、簡単な構造で、野縁並びに天井仕上材のふらつきの早期の収束を図るとともに、野縁並びに天井仕上材の吊り下げ保持の際の衝撃を抑えることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
野縁部材に取り付ける野縁用取付部と、
野縁受部材に取り付ける野縁受用取付部と、を備えた天井落下防止金具であって、
前記野縁受用取付部は、
前記野縁受部材に上方から係止可能に備えたことを特徴とする天井落下防止金具。
【請求項2】
前記野縁受用取付部は、複数の前記野縁用取付部を連結するものとしたことを特徴とする請求項1に記載の天井落下金具。
【請求項3】
前記野縁受用取付部に雌螺子部を備え、
前記野縁受用取付部と雄螺子部材を介して取り付けられる第1の補強用金具を備え、
前記第1の補強用金具は、
前記雄螺子部材が螺合可能な補強用雌螺子部を備えた補強用立壁部と、
水平に形成された補強用基部と、
前記補強用基部の下部に形成され前記野縁部材に取り付ける野縁用取付部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の天井落下防止金具。
【請求項4】
前記野縁受部材を下方から支持可能な支持片を備えた第2の補強用金具を前記野縁受用取付部に備えたことを特徴とする請求項1に記載の天井落下防止金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井落下防止金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井落下防止構造には、野縁に取り付ける金具と野縁受けとをワイヤーで接続して、野縁が落下した場合にワイヤーを介して野縁を野縁受けに吊り下げて野縁の落下を防止するものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5782747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の天井落下防止構造では、ワイヤーの一端に金具に螺合するためのボルトを取り付けるため、ボルトに穴あけ加工を施したり、ボルトがワイヤーから脱落しないための抜け止め具を削り出し成形や穴あけ加工を施して取り付けたり、また、ワイヤーの他端をリング状に折り返す際のスリーブの圧着加工等により、部品点数の増加や加工手順の多さに問題点があった。また、特許文献1の天井落下防止構造は、野縁受けより野縁が落下したときに、野縁が野縁受けにワイヤーで吊り下げ保持される際に、野縁並びに天井仕上材がワイヤーでぶら下がった状態で揺れてしまうため、地震等の揺れがおさまるまでは、天井がいつまでも揺れているという視覚的な不安感が生じるという問題点があった。また、ワイヤーで吊り下げ保持する際に生じるワイヤーの遊びの分だけ金具が落下する際の落下速度の上昇による衝撃が野縁並びに天井仕上材が加わってしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、簡単な構造で、野縁並びに天井仕上材のふらつきの早期の収束を図るとともに、野縁並びに天井仕上材の吊り下げ保持の際の衝撃を抑えることができる天井落下防止金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の天井落下防止金具は、野縁部材に取り付ける野縁用取付部と、野縁受部材に取り付ける野縁受用取付部と、を備えた天井落下防止金具であって、前記野縁受用取付部は、前記野縁受部材に上方から係止可能に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の天井落下防止金具によれば、簡単な構造の天井落下防止金具を提供することができる。また、野縁並びに天井仕上材を吊り下げ保持する際の野縁受部材との落差が無い為、野縁並びに天井仕上材のふらつきの早期の収束を図るとともに、野縁並びに天井仕上材の吊り下げ保持の際の衝撃を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図2】同上、天井落下防止金具を用いた実施形態を示す側面図である。
図3】同上、天井落下防止金具の斜視図である。
図4】同上、(A)は天井落下防止金具を野縁部材に取り付けた状態を示す説明図、(B)は天井落下防止金具を幅狭な野縁部材に取り付けた状態を示す説明図である。
図5】同上、天井の一例を示す斜視図である。
図6】同上、天井落下防止金具の変形例を示す斜視図である。
図7】同上、(A)は天井落下防止金具の変形例を野縁部材に取り付けた状態を示す説明図、(B)は天井落下防止金具の変形例を幅狭な野縁部材に取り付けた状態を示す説明図である。
図8】本発明の実施例2における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図9】同上、天井落下防止金具を用いた実施形態を示す側面図である。
図10】同上、天井落下防止金具の斜視図である。
図11】本発明の実施例3における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図12】同上、天井落下防止金具を用いた実施形態を示す側面図である。
図13】同上、天井落下防止金具の分解斜視図である。
図14】本発明の実施例4における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図15】同上、天井落下防止金具を用いた実施形態を示す側面図である。
図16】同上、天井落下防止金具の分解斜視図である。
図17】本発明の実施例5における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図18】同上、天井落下防止金具の分解斜視図である。
図19】本発明の実施例6における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図20】同上、天井落下防止金具の分解斜視図である。
図21】本発明の実施例7における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図22】同上、天井落下防止金具の分解斜視図である。
図23】本発明の実施例8における天井落下防止金具を用いた実施形態を示す斜視図である。
図24】同上、天井落下防止金具の分解斜視図である。
図25】同上、天井落下防止金具を野縁部材に取り付けた状態を示す説明図である。
図26】同上、天井落下防止金具を幅狭な野縁部材に取り付けた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例0010】
図1図7は本発明の実施例1を示すものであり、図5に示すように本実施例の天井1は、互いに間隔をおいて平行に配設された複数の野縁部材2に、複数枚の天井仕上材3が取り付けられて一体化されることにより、全体として天井面4を構成する吊り天井構造を有するものである。
【0011】
ここで、本実施例の吊り天井構造の一例についての詳細な説明をすると、それぞれ長手方向に沿って溝部としての野縁側溝部5が形成された断面略C形状の溝形鋼からなる複数の野縁部材2と、コンクリート下地等の上部構造としての図示しない天井スラブより垂設された垂設部材としての吊りボルト7に略S型形状の形鋼等からなる公知のハンガー等の吊り下げ手段8を介して接続された断面略C形状の形鋼からなる野縁受部材9とを、互いに直交させてクリップ金具Cを介して一体化して天井下地材としての格子体10を形成し、野縁部材2の下面に石膏ボード、コンパネ等の板材からなる天井仕上材3をビス等の図示しない固定手段によって取り付けて構成するものである。
【0012】
次に、本実施例の天井落下防止金具100について説明する。天井落下防止金具100は、野縁部材2に取り付ける野縁用取付部101と、野縁受部材9に取り付ける野縁受用取付部102と、を備えている。
【0013】
野縁用取付部101は、矩形の板体からなる基部103の対向する一対の両端部103Aより略平行に立ち上げられ、前記野縁部材2の溝部5に挿入可能な一対の第1の立ち上げ部11A、11Aと、前記第1の立ち上げ部11A、11Aの先端を外側に折り曲げて、前記野縁部材2の溝部5の両側縁部5Aの内面に前記野縁部材2の長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記野縁部材2を前記野縁部材2の溝部5に沿ってスライド自在に保持する第1の係止部11B、11Bと、前記基部13に前記第1の立ち上げ部11A、11Aと略同一方向に前記第1の立ち上げ部11A、11Aの間に立ち上げられ、且つ隣接する第1の立ち上げ部11Aとともに前記野縁部材2より幅狭な野縁部材2Aの前記溝部2A1に挿入可能な一対の第2の立ち上げ部11C、11Cと、前記第2の立ち上げ部11C、11Cの先端を内側に折り曲げた第2の係止部11D、11Dとを備え、隣接する前記第1の係止部11Bと前記第2の係止部11Dが前記野縁部材2の前記溝部5より幅狭な溝部2A1の両側縁部の内面に前記幅狭な野縁部材2Aの長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記幅狭な野縁部材2Aを前記幅狭な溝部2A1に沿ってスライド自在に保持する構成としている。
【0014】
基部103の一対の端部103Aのそれぞれ外端部分には、外向きに延設された突片部103A1を備えている。突片部103A1は、野縁部材2に天井落下防止金具100を取り付けた場合に、縁部5Aに当接可能となっており、天井落下防止金具100が野縁部材2の溝部5に落ち込むのを防ぎ、係止部11Bと縁部5Aとの係止状態を保持することができる。
【0015】
野縁受用取付部102は、基部103から上向きに折り曲げ形成された第1立壁部14と、第1立壁部14の上部を水平に折り曲げ形成された天面部15と、前記天面部12Dから下向きに折り曲げ形成され前記第1立壁部14と平行に配置された第2立壁部16とを備えている。第2立壁部16には、雌螺子部17が形成されている。また、第2立壁部16は、第1立壁部14より上下方向に短く形成されている。図2に示すように、野縁受用取付部12が野縁受部材9に係止された状態で、第2立壁部16の下端16Aが野縁部材2に接触して干渉しないように備えている。
【0016】
本実施例の天井落下防止金具100の使用方法について説明する。野縁用取付部101の野縁部材2への取り付け方法は野縁用取付部101を野縁部材2の溝部5に上方から押し込み、野縁部材2の両縁部5Aに突片部103A1を載置させるとともに、各係止部11B、11Dを両縁部5Aに係止させる。野縁受用取付部102の野縁受部材9への取り付け方法は、野縁受部材9の開放側が第2立壁部16と対向するように野縁受用取付部102を野縁受部材9に係止する。雌螺子部17にボルト等の雄螺子部材18を螺合して、雄螺子部材18を野縁受部材9の内側に挿入して、雄螺子部材18を天井落下防止金具100が野縁受部材9から離脱するの防止する抜け止め手段とする。尚、雄螺子部材18の先端は野縁受部材9に接触しておらず、雄螺子部材18が地震等によって揺れる野縁受部材9と接触して生じるガタツキを防止することができる。
【0017】
ここで、野縁受部材9に取り付けられた天井落下防止金具100では、第1立壁部14と野縁受部材9は間隔L1(例えば8~10mm)を有しており、また天面部15と野縁受部材9は間隔L2(例えば3~5mm)を有している。
【0018】
地震等の揺れによって、天井仕上材3とともに野縁部材2が落下しようとしても野縁部材2は天井落下防止金具100を介して野縁受部材9に保持されており、野縁部材2、ひいては天井仕上材3の落下を防止することができる。
【0019】
また、天井落下防止金具100では、第1立壁部14と野縁受部材9は10mmの間隔を有しており、また天面部15と野縁受部材9は5mmの間隔有してるため、野縁部材2の揺れによるガタツキを防止することができる。
【0020】
突片部103A1を野縁部材2の両縁部5Aに載置することで、野縁部材2に取り付けられた野縁用取付部101が野縁部材2の溝部5に落ち込むのを防ぐことで、野縁受用取付部102と野縁受部材9の間隔L2を保持して、野縁受用取付部102が降下して野縁受部材9に接触するのを防ぐことができる。
【0021】
第2立壁部16の下端16Aと野縁部材2とは間隙L3を有する離間状態であり、野縁受用取付部102が地震等によって揺れる野縁部材2と接触して生じるガタツキを防止することができる。
【0022】
本実施例によれば、野縁部材2に取り付ける野縁用取付部101と、野縁受部材9に取り付ける野縁受用取付部102と、を備えた天井落下防止金具100であって、前記野縁受用取付部102は、前記野縁受部材9に上方から係止可能に備えたことにより、簡単な構成の天井落下防止金具100を提供することができる。
【実施例0023】
次に、図8図10に基づいて本実施例の天井落下防止金具200について説明する。天井落下防止金具200は、野縁部材2に取り付ける複数の野縁用取付部201、201と、野縁受部材9に取り付ける野縁受用取付部202と、を備えている。
【0024】
野縁用取付部201は、矩形の板体からなる複数の基部202A1、202A2の対向する一対の両端部202A11、202A21より略平行に立ち上げられ、前記野縁部材2の溝部5に挿入可能な一対の第1の立ち上げ部11A、11Aと、前記第1の立ち上げ部11A、11Aの先端を外側に折り曲げて、前記野縁部材2の溝部5の両側縁部5Aの内面に前記野縁部材2の長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記野縁部材2を前記野縁部材2の溝部5に沿ってスライド自在に保持する第1の係止部11B、11Bと、前記基部203に前記第1の立ち上げ部11A、11Aと略同一方向に前記第1の立ち上げ部11A、11Aの間に立ち上げられ、且つ隣接する第1の立ち上げ部11Aとともに前記野縁部材2より幅狭な溝部2A1を有する幅狭な野縁部材2Aの前記溝部2A1に挿入可能な一対の第2の立ち上げ部11C、11Cと、前記第2の立ち上げ部11C、11Cの先端を内側に折り曲げた第2の係止部11D、11Dとを備え、隣接する前記第1の係止部11Bと前記第2の係止部11Dが前記野縁部材2の前記溝部より幅狭な溝部2A1の両側縁部2A2の内面に前記幅狭な野縁部材2Aの長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記幅狭な野縁部材2Aを前記幅狭な溝部2A1に沿ってスライド自在に保持する構成としている。
【0025】
基部202A1、202A2の一対の端部202A11、202A21のそれぞれ外端部分には、外向きに延設された突片部202A12、202A22を備えている。
【0026】
前記野縁受用取付部202は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる水平に形成された複数の基部202A1、202A2と、複数の基部202A1、202A2を連結して野縁受部材9に係止可能な係止部203とを備えている。
【0027】
前記係止部203は、一方の基部202A1から上向きに折り曲げ形成された第1立壁部22Cと、第1立壁部22Cの上部に形成された天面部22Dと、前記天面部22Dから下向きに折り曲げ形成され他方の202A2に連結され、且つ前記第1立壁部22Cと平行に配置された第2立壁部22Eとを備えている。
【0028】
天井落下防止金具200の使用方法について説明する。野縁用取付部201の野縁部材2への取り付け方法は野縁用取付部201を野縁部材2の溝部5に上方から押し込み、野縁部材2の両縁部5Aに突片部103A1を載置させるとともに、各係止部11B、11Dを両縁部分に係止させる。野縁受部材用取付部202の野縁受部材9への取り付け方法は、野縁受部材用取付部202を野縁受部材9に係止する。雌螺子部17に雄螺子部材18を螺合して、雄螺子部材18を野縁受部材9の内側に挿入して、雄螺子部材18を天井落下防止金具200が野縁受部材9から離脱するの防止する抜け止め手段とする。
【0029】
ここで、野縁受部材9に取り付けられた天井落下防止金具200では、第1立壁部22C及び第2立壁部22Eと野縁受部材9は間隔L1(例えば8mm)を有しており、また天面部22Dと野縁受部材9は間隔L2(例えば5mm)有している。
【0030】
地震等の揺れによって、天井仕上材3とともに野縁部材2が落下しようとしても野縁部材2は天井落下防止金具200を介して野縁受部材9に保持されており、野縁部材2、ひいては天井仕上材3の落下を防止することができる。
【0031】
また、天井落下防止金具200では、第1立壁部22C及び第2立壁部22Eと野縁受部材9は10mmの間隔を有しており、また天面部22Dと野縁受部材9は5mmの間隔有してるため、野縁部材2の揺れによるガタツキを防止することができる。
【0032】
本実施例では、前記係止部203は、複数の前記野縁用取付部201、201を連結するものとしたことで、天井落下防止金具と野縁部材の固定を強固なものとすることができる。
【実施例0033】
図11図13に示すように本実施例の天井落下防止金具300では、前記第2立壁部16に雌螺子部301を備え、前記第2立壁部16と雄螺子部材302を介して取り付けられる補強用金具303を備える。
【0034】
前記補強用金具は303、前記雄螺子部材302が螺合可能な補強用雌螺子部304を備えた補強用立壁部305と、水平に形成された補強用基部306と、前記補強用基部306の下部に形成され前記野縁部材2に取り付ける野縁用取付部307とを備えている。野縁用取付部307の構成については、野縁取付部101と同様のため詳細な説明は省略する。
【0035】
これにより、雄螺子部材302により実施例1の天井落下防止金具100と補強用金具303に分割可能でしかも、実施例2の天井落下防止金具200と同様の効果を奏する。
【0036】
本実施例では、前記野縁受用取付部102に雌螺子部301を備え、前記野縁受用取付部102と雄螺子部材302を介して取り付けられる第1の補強用金具303を備え、前記第1の補強用金具303は、前記雄螺子部材302が螺合可能な補強用雌螺子部304を備えた補強用立壁部305と、水平に形成された補強用基部306と、前記補強用基部306の下部に形成され前記野縁部材2に取り付ける野縁用取付部307とを備えたことにより、簡便な構成の天井落下防止金具300を提供することができる。
【実施例0037】
図14図16に示すように本実施例の天井落下防止金具400では、前記第2立壁部16に雌螺子部401を備え、前記第2立壁部16と雄螺子部材402を介して取り付けられる補強用金具403を備える。
【0038】
前記補強用金具403は、前記雄螺子部材402が螺合可能な補強用雌螺子部404を備えた補強用立壁部405と、前記野縁受部材9を下方から支持可能な支持片406を備えている。支持片406と野縁受部材9は5mmの間隔有してるため、野縁部材2の揺れによるガタツキを防止することができる。
【0039】
本実施例では、前記野縁受部材9を下方から支持可能な支持片406を備えた第2の補強用金具403を野縁受用取付部102に備えたことにより、野縁受部材9から離脱することを防止する天井落下防止金具400を提供することができる。
【実施例0040】
次に、図17及び図18に基づいて本実施例の天井落下防止構造500について説明する。天井落下防止構造500は、野縁部材2に取り付ける野縁用取付金具501と、野縁受部材9に取り付けられる野縁受用取付金具502と、を備えている。
【0041】
野縁取付金具501は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる金具本体51Aの下部には、野縁部材2の溝部5を折り返して形成された野縁側縁部5Aと係合可能な野縁取付部51Bと、金具本体51Aの中央部分に備えた雌螺子部51Cとを備えている。ここで雌螺子部51Cは、貫通部に螺子溝を螺刻したものである。
【0042】
金具本体51Aの一対の端部51A1のそれぞれ外端部分には、外向きに延設された突片部51A2を備えている。
【0043】
野縁受用取付金具502は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる水平に形成された基部52Aと、基部52Aに形成され野縁受部材9に係止可能な係止部52Bとを備えている。
【0044】
前記係止部52Bは、基部52Aから上向きに折り曲げ形成された第1立壁部52Cと、第1立壁部52Cの上部に形成された天面部52Dと、前記天面部52Dから下向きに折り曲げ形成され前記第1立壁部52Cと平行に配置された第2立壁部52Eとを備えている。
【0045】
基部52Aの中央部分には、貫通孔52Fが形成されており、この貫通部52Fと雌螺子部51Cを介して固定手段であるボルト53で野縁取付金具501と野縁受用取付金具502は固定される。
【0046】
天井落下防止構造500の使用方法について説明する。まず、野縁用取付金具501の野縁部材2への取り付け方法は野縁用取付金具501を野縁部材2の溝部5に上方から押し込み、野縁部材2の両縁部分5Aに突片部51A2を載置させるとともに、各野縁取付部51Bを両縁部5Aに係止させる。野縁受用取付金具502の野縁受部材9への取り付け方法は、野縁受用取付金具502を上方から野縁受部材9に係止する。そして、ボルト53で野縁取付金具501と野縁受用取付金具502を一体化させる。
【0047】
これにより地震等の揺れによって、天井仕上材3とともに野縁部材2が落下しようとしても野縁部材2は天井落下防止構造500を介して野縁受部材9に保持されており、野縁部材2、ひいては天井仕上材3の落下を防止することができる。
【0048】
本実施例は、野縁部材2に取り付ける野縁用取付金具501と、野縁受部材9に取り付ける野縁受用取付金具502と、を備えた天井落下防止構造500であって、前記野縁受用取付金具502は、前記水平に形成された基部52Aと、前記基部52Aに形成され前記野縁受部材9に係止可能な係止部52Bとを備え、前記基部52Aに形成された野縁受側貫通部52Fと、前記野縁用取付金具501に形成された野縁側貫通部51Cとを接続手段53を介して前記野縁用取付金具501と前記野縁受用取付金具502を接続することにより、簡単な構造の天井落下防止構造500を提供することができる。
【0049】
本実施例は、前記係止部52Bは、基部52Aから上向きに折り曲げ形成された第1立壁部52Cと、第1立壁部52Cの上部に形成された天面部52Dと、前記天面部52Dから下向きに折り曲げ形成され前記第1立壁部52Cと平行に配置された第2立壁部52Eとを備えたことにより、前記係止部52Bの構造を簡単なものとすることができる。
【0050】
本実施例は、前記接続手段は雄螺子部材であるボルト53とすることにより、接続手段の構造を簡単なものとすることができる。
【実施例0051】
図19及び図20は実施例6を示すものであり、本実施例の天井落下防止構造600は、野縁部材2に取り付ける野縁用取付金具601と、野縁受部材9に取り付けられる野縁受用取付金具602と、を備えている。
【0052】
野縁用取付金具601は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる金具本体61Aの下部には、野縁部材2の野縁側溝部5を折り返して形成された野縁側縁部5Aと係合可能な野縁取付部61Bと、金具本体21Aの中央部分に備えた雌螺子部61Cとを備えている。ここで雌螺子部61Cは、貫通部に螺子溝を螺刻したものである。野縁取付部61Bは、野縁取付部51Bと同じ構成のため説明は省略する。
【0053】
金具本体61Aの一対の端部61A1のそれぞれ外端部分には、外向きに延設された突片部61A2を備えている。
【0054】
野縁受用取付金具602は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる水平に形成された複数の基部62A1、62A2と、複数の基部62A1、62A2を連結して野縁受部材9に係止可能な係止部62Bとを備えている。
【0055】
前記係止部62Bは、一方の基部62A1から上向きに折り曲げ形成された第1立壁部62Cと、第1立壁部62Cの上部に形成された天面部62Dと、前記天面部62Dから下向きに折り曲げ形成され他方の基部62A2に連結され、且つ前記第1立壁部62Cと平行に配置された第2立壁部62Eとを備えている。
【0056】
基部62A1、62A2の中央部分には、貫通孔62Fが形成されており、この貫通部62Fと雌螺子部61Cを介して固定手段であるボルト63で野縁用取付金具601と野縁受用取付金具602は固定される。
【0057】
天井落下防止構造600の使用方法について説明する。まず、野縁用取付金具601の野縁部材2への取り付け方法は野縁用取付金具601を野縁部材2の溝部5に上方から押し込み、野縁部材2の両縁部5Aに突片部61A2を載置させるとともに、各野縁取付部61Bを両縁部5Aに係止させる。野縁受用取付金具602の野縁受部材9への取り付け方法は、野縁受用取付金具602を上方から野縁受部材9に係止する。そして、ボルト23で野縁取付金具601と野縁受用取付金具602を一体化させる。
【0058】
これにより地震等の揺れによって、天井仕上材3とともに野縁部材2が落下しようとしても野縁部材2は天井落下防止構造600を介して野縁受部材9に保持されており、野縁部材2、ひいては天井仕上材3の落下を防止することができる。
【0059】
本実施例は、野縁部材2に取り付ける野縁用取付金具601と、野縁受部材9に取り付けられる野縁受用取付金具602と、を備えた天井落下防止構造600であって、前記野縁受用取付金具602は、前記複数の野縁用取付金具601に対応して水平に形成された複数の基部62A1、62A2と、前記複数の基部62A1、62A2を連結して前記野縁受部材9に係止可能な係止部62Bを備え、前記複数の基部62A1、62A2に形成された野縁受け側貫通部62Fと、前記複数の野縁用取付金具601に形成された野縁側貫通部61Cとを接続手段63を介して前記野縁用取付金具601と前記野縁受用金具602を接続することにより、簡単な構造の天井落下防止構造600を提供することができる。
【実施例0060】
図21及び図22は実施例7を示すものであり、本実施例の天井落下防止構造700は、野縁部材2に取り付ける野縁用取付金具701と、野縁受部材9に取り付けられる野縁受用取付金具702と、を備えている。
【0061】
野縁取付金具701は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる金具本体71Aの下部には、野縁部材2の野縁側溝部5を折り返して形成された野縁側縁部5Aと係合可能な野縁取付部71Bと、金具本体71Aの中央部分に備えた雌螺子部71Cとを備えている。ここで雌螺子部71Cは、貫通部に螺子溝を螺刻したものである。野縁取付部71Bは、野縁取付部61Bと同じ構成のため説明は省略する。
【0062】
野縁受用取付金具702は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなる水平に形成された基部72Aと、基部72Aに形成され野縁受部材9の複数箇所に係止可能な係止部72B1、72B2とを備えている。
【0063】
前記係止部72B1、72B2は、基部72Aから上向きに折り曲げ形成された第1立壁部72Cと、第1立壁部72Cの上部に形成された天面部72Dと、前記天面部72Dから下向きに折り曲げ形成されて前記第1立壁部72Cと平行に配置された第2立壁部72Eとを備えている。
【0064】
基部72Aの中央部分には、貫通孔72Fが形成されており、この貫通部72Fと雌螺子部71Cを介して固定手段であるボルト73で野縁用取付金具701と野縁受用取付金具702は固定される。
【0065】
天井落下防止構造700の使用方法について説明する。まず、野縁用取付金具701の野縁部材2への取り付け方法は野縁用取付金具701を野縁部材2の溝部5に上方から押し込み、各野縁取付部71Bを両縁部5Aに係止させる。野縁受用取付金具702の野縁受部材9への取り付け方法は、野縁受用取付金具702を上方から野縁受部材9に係止する。そして、ボルト73で野縁取付金具701と野縁受用取付金具702を一体化させる。
【0066】
これにより地震等の揺れによって、天井仕上材3とともに野縁部材2が落下しようとしても野縁部材2は天井落下防止構造700を介して野縁受部材9に保持されており、野縁部材2、ひいては天井仕上材3の落下を防止することができる。
【0067】
本実施例は、野縁部材2に取り付ける野縁用取付金具701と、野縁受部材9に取り付ける野縁受用取付金具702と、を備えた天井落下防止構造700であって、前記野縁受用取付金具702は、前記水平に形成された基部72Aと、前記基部72Aに形成され前記野縁受部材9に複数箇所に係止可能な係止部72B1、72B2とを備え、前記基部72Aに形成された野縁受側貫通部72Fと、前記野縁用取付金具701に形成された野縁側貫通部71Cとを接続手段73を介して前記野縁用取付金具701と前記野縁受用取付金具702を接続することにより、簡単な構造の天井落下防止構造700を提供することができる。
【実施例0068】
図23図26は実施例8を示すものであり、本実施例の天井落下防止構造800は、前記野縁受用取付金具502に取り付けられる補強用金具801を備えている。前記補強用金具801は、方形状に形成されたステンレス鋼、アルミニウム等の金属製の薄板からなり水平に形成された補強用基部81と、補強用基部81に形成され前記野縁部材2に係止可能な補強用係止部82と、補強用基部81から立設された補強用立壁部83とを備えている。
【0069】
補強用立壁部83に形成された補強用貫通部84と前記野縁受用取付金具502に形成された取付金具側貫通部52Gとを補強用接続手段であるボルト85を介して前記補強用金具801と前記野縁受用取付金具502を接続する構成としている。
【0070】
前記取付金具側貫通部52Gは、前記第2立壁部52Eに形成されている。
【0071】
前記補強用係止部82は、矩形の板体からなる前記補強用基部81の対向する一対の両端部81Aより略平行に立ち上げられ、前記野縁部材2の溝部5に挿入可能な一対の第1の立ち上げ部82A、82Aと、前記第1の立ち上げ部82A、82Aの先端を外側に折り曲げて、前記野縁部材2の溝部5の両側縁部5Aの内面に前記野縁部材2の長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記野縁部材2を前記野縁部材2の溝部5に沿ってスライド自在に保持する第1の係止部82B、82Bと、前記補強用基部81に前記第1の立ち上げ部82A、82Aと略同一方向に前記第1の立ち上げ部82A、82Aの間に立ち上げられ、且つ隣接する第1の立ち上げ部82Aとともに前記野縁部材2より幅狭な溝部を有する幅狭な野縁部材2Aの前記溝部2A1に挿入可能な一対の第2の立ち上げ部82C、82Cと、前記第2の立ち上げ部82C、82Cの先端を内側に折り曲げた第2の係止部82D、82Dとを備え、隣接する前記第1の係止部82Bと前記第2の係止部82Dが前記野縁部材2の前記溝部5より幅狭な溝部2A1の両側縁部2A2の内面に前記幅狭な野縁部材2Aの長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記幅狭な野縁部材2Aを前記幅狭な溝部2A1に沿ってスライド自在に保持する構成としている。
【0072】
補強用基部81の一対の端部81Aのそれぞれ外端部分には、外向きに延設された突片部81A1を備えている。
【0073】
天井落下防止構造800の使用方法について説明する。まず、野縁用取付金具701の野縁部材2への取り付け方法は、野縁用取付金具501を野縁部材2の溝部5に上方から押し込み、野縁部材2の両縁部5Aに突片部51A2を載置させるとともに、各野縁取付部51Bを両縁部5Aに係止させる。野縁受用取付金具502の野縁受部材9への取り付け方法は、野縁受用取付金具502を上方から野縁受部材9に係止する。補強用金具801の野縁部材2への取り付け方法は、補強用金具801を野縁部材2の溝部5に上方から押し込み、野縁部材2の両縁部5Aに突片部81A1を載置させるとともに、各野縁取付部81Bを両縁部5Aに係止させる。そして、ボルト53で野縁取付金具501と野縁受用取付金具502を一体化させる。さらに、ボルト85を介して前記補強用金具801と前記野縁受用取付金具502を一体化させる。
【0074】
これにより地震等の揺れによって、天井仕上材3とともに野縁部材2が落下しようとしても野縁部材2は天井落下防止構造800を介して野縁受部材9に保持されており、野縁部材2、ひいては天井仕上材3の落下を防止することができる。
【0075】
本実施例は、実施例5に記載の天井落下防止構造500において、前記野縁受用取付金具502に取り付けられる補強用金具801であって、前記補強用金具801は、水平に形成された補強用基部81と、前記補強用基部81に形成され前記野縁部材2に係止可能な補強用係止部82と、前記補強用基部81から立設された補強用立壁部83とを備え、前記補強用立壁部83に形成された補強用貫通部84と前記野縁受用取付金具502に形成された取付金具側貫通部52Gとを補強用接続手段85を介して前記補強用金具801と前記野縁受用取付金具502を接続することにより、簡単な構造の天井落下防止構造800を提供することができる。
【0076】
本実施例は、前記取付金具側貫通部52Gは、前記第2立壁部52Eに備えたことにより、前記野縁受用取付金具502に取り付けられる補強用金具801を簡単な構造とすることができる。
【0077】
本実施例は、前記補強用接続手段は雄螺子部材85とすることにより、補強用接続手段を簡単な構造とすることができる。
【0078】
本実施例は、前記補強用係止部82は、矩形の板体からなる前記補強用基部81の対向する一対の両端部81Aより略平行に立ち上げられ、前記野縁部材2の溝部5に挿入可能な一対の第1の立ち上げ部82Aと、前記第1の立ち上げ部82Aの先端を外側に折り曲げて、前記野縁部材2の溝部5の両側縁部5Aの内面に前記野縁部材2の長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記野縁部材2を前記野縁部材2の溝部5に沿ってスライド自在に保持する第1の係止部82Bと、前記補強用基部81に前記第1の立ち上げ部82Aと略同一方向に前記第1の立ち上げ部82Aの間に立ち上げられ、且つ隣接する第1の立ち上げ部82Aとともに前記野縁部材2より幅狭な溝部2A1を有する幅狭な野縁部材2Aの前記溝部2Aに挿入可能な一対の第2の立ち上げ部82Cと、前記第2の立ち上げ部82Cの先端を内側に折り曲げた第2の係止部82Dとを備え、隣接する前記第1の係止部82Bと前記第2の係止部82Dが前記野縁部材2の前記溝部5より幅狭な溝部2A1の両側縁部2A2の内面に前記幅狭な野縁部材2Aの長手方向に沿って係合可能に設けられ、前記幅狭な野縁部材2Aを前記幅狭な溝部2A1に沿ってスライド自在に保持することにより、野縁部材2と幅狭な野縁部材2Aの両方に取り付け可能な補強用係止部82を簡単な構造とすることができる。
【0079】
本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、実施例1~8の構成を適宜組み合わせたものとしても良いものとする。
【符号の説明】
【0080】
2 野縁部材
2A 幅狭な野縁部材
9 野縁受部材
100 天井落下防止金具
101 野縁用取付部
102 野縁受用取付部
200 天井落下防止金具
300 天井落下防止金具
303 補強用金具(第1の補強用金具)
403 補強用金具(第2の補強用金具)



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図26