(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021864
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】ウェイトチェッカー
(51)【国際特許分類】
G01G 11/14 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
G01G11/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125882
(22)【出願日】2023-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】522193547
【氏名又は名称】株式会社エー・アンド・デイ
(74)【代理人】
【識別番号】100168088
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 悠
(72)【発明者】
【氏名】下山 薫
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 豊彦
(57)【要約】 (修正有)
【課題】搬送ベルトのバタつきを抑え、走行抵抗を低減するウェイトチェッカーを提供する。
【解決手段】ウェイトチェッカー(1)は、一対のローラ(11,12)に巻きかけられた無端状の搬送ベルト(13)と、一対のローラ(11,12)の間に配置される受け台(14)と、を備え、受け台(14)の上面(153)は略平坦で、受け台(14)の下面(154)には搬送方向(A)に延びる凸部(200)が形成される。受け台(14)の下で搬送ベルト(13)が凸部(200)に接触するので、コンベヤ走行時の搬送ベルト(13)のバタつきを抑制できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計量物をベルトコンベヤで搬送しながら計量するウェイトチェッカーにおいて、
一対のローラに巻きかけられた無端状の搬送ベルトと、該一対のローラの間に配置される受け台と、を備え、
前記受け台の上面は略平坦で、前記受け台の下面には搬送方向に延びる凸部が形成される
ことを特徴とするウェイトチェッカー。
【請求項2】
前記受け台は、複数の押出部材を、前記搬送方向と直交するコンベヤ幅方向に連結することによって構成され、前記押出部材はそれぞれ、前記コンベヤ幅方向の両端に下方に凸するフランジを備え、該フランジが連結部となることによって前記凸部が形成されることを特徴とする請求項1に記載のウェイトチェッカー。
【請求項3】
前記押出部材の前記フランジの一方と他方は、互いに点対称となる凹凸形状を備えており、前記連結部は凹凸係合によって連結することを特徴とする請求項2に記載のウェイトチェッカー。
【請求項4】
前記押出部材の前記連結部とならない端部には、前記凹凸形状を備えた端部材が装着されることを特徴とする請求項3に記載のウェイトチェッカー。
【請求項5】
前記受け台を構成する前記押出部材は、幅違いのものが連結可能であることを特徴とする請求項2に記載のウェイトチェッカー。
【請求項6】
前記受け台の前記上面は前記搬送方向に延びる凹部を備え、前記フランジにより形成される前記受け台の前記下面の凹部は、前記上面の凹部よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のウェイトチェッカー。
【請求項7】
前記上面の凹部は複数の水切溝であることを特徴とする請求項6に記載のウェイトチェッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物を搬送しながら計量するウェイトチェッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェイトチェッカーは、ベルトコンベヤ等の搬送ユニットと、搬送ユニットに接続されたロードセル等の計量ユニットを備えており、搬送ユニットで被計量物を搬送しながら計量ユニットで計量を行うように構成される。ベルトコンベヤは、駆動と従動の一対のローラに巻きかけられた無端状の搬送ベルトと、該一対のローラの間に配置される受け台を備えている。ここで、コンベヤ走行時に、搬送ベルトにバタつきが生じると、計量ユニットにも振動が伝わり、計量精度に影響がでてしまうため、例えば特許文献1では、ローラの軸受けを工夫することでベルトのテンション(張力)を保ち、搬送ベルトのバタつきを抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベルトコンベヤの構造上、搬送ベルトの張力は、駆動ローラを通過した受け台の下で緩みやすく、受け台の下でベルトのバタつきが生じやすい。また、搬送ベルトに水分が付着すると、搬送ベルトが受け台に張り付き走行抵抗が大きくなり、モータの破損に繋がるという問題も考慮に入れなくてはならない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、搬送ベルトのバタつきを抑え、走行抵抗を低減するウェイトチェッカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様のウェイトチェッカーは、被計量物をベルトコンベヤで搬送しながら計量するウェイトチェッカーにおいて、一対のローラに巻きかけられた無端状の搬送ベルトと、該一対のローラの間に配置される受け台と、を備え、前記受け台の上面は略平坦で、前記受け台の下面には搬送方向に延びる凸部が形成されることを特徴とする。
【0007】
第2の態様のウェイトチェッカーでは、第1の態様において、前記受け台は、複数の押出部材を、前記搬送方向と直交するコンベヤ幅方向に連結することによって構成され、前記押出部材はそれぞれ、前記コンベヤ幅方向の両端に下方に凸するフランジを備え、該フランジが連結部となることによって前記凸部が形成されるのも好ましい。
【0008】
第3の態様のウェイトチェッカーでは、第2の態様において、前記押出部材の前記フランジの一方と他方は、互いに点対称となる凹凸形状を備えており、前記連結部は凹凸係合によって連結するのも好ましい。
【0009】
第4の態様のウェイトチェッカーでは、第3の態様において、前記押出部材の前記連結部とならない端部には、前記凹凸形状を備えた端部材が装着されるのも好ましい。
【0010】
第5の態様のウェイトチェッカーでは、第2~4のいずれかの態様において、前記受け台を構成する前記押出部材は、幅違いのものが連結可能であるのも好ましい。
【0011】
第6の態様のウェイトチェッカーでは、第2~5のいずれかの態様において、前記受け台の前記上面は前記搬送方向に延びる凹部を備え、前記フランジにより形成される前記受け台の前記下面の凹部は、前記上面の凹部よりも大きいのも好ましい。
【0012】
第7の態様のウェイトチェッカーでは、第6の態様において、前記上面の凹部は複数の水切溝であるのも好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、搬送ベルトのバタつきを抑え、走行抵抗を低減するウェイトチェッカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係るウェイトチェッカー1の正面斜視図である。
【
図4】(A)は押出部材15の上方斜視図、(B)は押出部材15の端面図である。
【
図5】(A)は端部材17の上方斜視図、(B)は端部材17の端面図である。
【
図6】(A)は受け台14の左側面、(B)は組み立てネジ50を締めた状態の受け台14の左側面である。
【
図7】(A)は比較例の受け台14´の端面図、(B)は別の比較例の受け台14"の端面図である。
【
図8】(A)は変形例1に係る受け台14Aの端面図、(B)は変形例2に係る受け台14Bの端面図、(C)は変形例3に係る受け台14Cの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書で言う前後左右上下の方向は、図面に記載した方向とする。
【0016】
(ウェイトチェッカーの全体構成)
図1は実施の形態に係るウェイトチェッカー1の正面斜視図である。ウェイトチェッカー1は、図示を略する製造または検査システム全体の搬送路(ライン)の一部に配置されるものである。例えば、被計量物はライン上流から搬送され、ウェイトチェッカー1において計量され、ライン下流に搬送される。
【0017】
ウェイトチェッカー1は、搬送ユニットであるベルトコンベヤ2と、計量ユニット5と、架台6を備える。ベルトコンベヤ2は計量コンベヤ3と導入コンベヤ4を備えており、被計量物はライン上流から導入コンベヤ4によって計量コンベヤ3に搬送される(以降、符号Aを搬送方向とする。)。計量ユニット5は計量コンベヤ3の下部に接続されており、計量コンベヤ3の重量を計測する。計量ユニット5の構成は特に限定するものではないが、例えばロードセルが用いられ、起歪体の固定部が計量ユニット5のケーシングに固定され、起歪体の可動部が計量コンベヤ3に連結され、起歪体の変形部分にゲージが貼り付けられる。架台6の上部には、ベルトコンベヤ2(計量コンベヤ3および導入コンベヤ4)と計量ユニット5が取り付けられ、架台6の下部には、コントロールユニット7が取り付けられる。コントロールユニット7は、電装ボックス8と操作表示部9を備え、計量に関する情報の表示と、ベルトコンベヤ2の駆動モータ(図示略)の制御を行う。
【0018】
計量コンベヤ3と導入コンベヤ4の構成は、計量コンベヤ3が計量ユニット5を下部に備える点が異なるだけで、同じ構成であるため、以下、計量コンベヤ3の構成を詳細に説明する。なお、本形態ではウェイトチェッカー1が導入コンベヤ4を有する例で説明するが、導入コンベヤ4は任意の構成である。
【0019】
(計量コンベヤの構成)
図2は計量コンベヤ3の平面図である。計量コンベヤ3は、一対のローラ11,12と、ローラ11,12に巻きかけられた無端状の搬送ベルト13と、ローラ11,12の間に配置される受け台14と、を備える。搬送方向Aの下流に配置されるのが駆動ローラ11であり、ギア等を介して駆動モータ(図示略)に接続され、コントロールユニット7によって駆動制御される。搬送方向Aの上流に配置されるのは従動ローラ12であり、駆動ローラ11に追従して駆動する。搬送ベルト13は、受け台14の上下に、駆動ローラ11,従動ローラ12を介して巻きかけられ、搬送方向Aに長尺に張設される。駆動ローラ11と従動ローラ12の支軸にはそれぞれ、搬送ベルト13の張力を微調整できるテークアップ10が設けられている。
【0020】
図3は計量コンベヤ3の縦断面図(
図2のIII-III線に沿う断面図)である。計量コンベヤ3の受け台14は、複数の押出部材15,16と、搬送方向Aに直交するコンベヤ幅方向Bの両端にある端部材17,18を備える。説明の便宜上、前方に配置される押出部材を第一押出部材15、後方に配置される押出部材を第二押出部材16、前方に配置される端部材を第一端部材17、後方に配置される端部材を第二端部材18とする。受け台14は、第一押出部材15と第二押出部材16をコンベヤ幅方向Bに連結し、第一押出部材15の連結側ではない端部151に第一端部材17を装着し、第二押出部材16の連結側ではない端部161に第二端部材18を装着して構成される。第一押出部材15と第二押出部材16は同一形状であり、第一端部材17と第二端部材18は同形状である。このため、第一押出部材15と第一端部材17の構成を詳細に説明する。
【0021】
(押出部材の構成)
図4(A)は第一押出部材15の上方斜視図、
図4(B)は第一押出部材15の端面図である。第一押出部材15は、上面153と、下面154と、第二押出部材16との連結側の端部152と、連結側でない端部151を備える。第一押出部材15は、アルミ材の押し出し成形により、中を空洞にして、搬送方向Aに長尺な平板として形成されている。
【0022】
第一押出部材15の両端部151,152にはそれぞれ、下方に凸するフランジ51,52が形成されている。説明の便宜上、端部151のフランジを第一フランジ51、端部152のフランジを第二フランジ52とする。第一フランジ51と第二フランジ52は、上下方向中央に、部材内側に窪む半円部501を備えている。第一フランジ51は、半円部501より下方に、フランジ幅方向Bに部材外側に延出し半円部501方向に小爪502を延ばす凸形状503を備え、半円部501より上方に、部材内側かつ半円部501方向に窪む凹形状504を備えている。第二フランジ52は、半円部501より上方に、フランジ幅方向Bに部材外側に延出し半円部501方向に小爪502を延ばす凸形状503を備え、半円部501より下方に、部材内側かつ半円部501方向に窪む凹形状504を備えている。第一フランジ51と第二フランジ52それぞれの凸形状503と凹形状504は同形状であり、すなわち、第一フランジ51と第二フランジ52は、半円部501を中心に互いに点対称となる凹凸形状(凸形状503と凹形状504)を備えている。さらに詳細に、凸形状503の小爪502の部材外側の角には段部5021が形成されており、凹形状504の開口部は、小爪502の段部5021と概略一致する形状の係合凹部5041として形成されている。凹形状504にはさらに、係合凹部5041から半円部501側に深く窪む深凹部5042が形成されている。なお、第一フランジ51と第二フランジ52の形状の説明における「部材内側」「部材外側」は、
図4(B)に示すように、第一押出部材15の部材中心Oに向かう方向を部材内側、部材中心Oから離れる方向を部材外側とする。
【0023】
第一押出部材15の上面153は、全体として平坦である。また、
図4に示すように、搬送方向Aに延びる水切溝53が、複数本、所定の間隔で形成されている。水切溝53の深さは上面153の板厚の略半分程度であり、溝幅は数ミリから数センチ程度である。第一押出部材15の下面154にも、上面153と同形状の水切溝54が形成されている。
【0024】
第一押出部材15の上面153と下面154の間の空洞には、捨てネジ用の補助ネジ孔150を、第一押出部材15と一体に設けるのも好ましい。補助ネジ孔150は、コンベヤ幅方向Bに複数個所、例えば空洞の四隅および/または空洞に等間隔に設けることで、押出部材の部材強度を上げることができる。また、後述する
図8(C)の形態を選択した場合に、押さえ板19を固定するネジ孔として利用することができる。
【0025】
(端部材の構成)
図5(A)は第一端部材17の上方斜視図、
図5(B)は第一端部材17の端面図である。第一端部材17は、第一水平面173と、第二水平面174と、第一押出部材15との連結側の端面172と、連結側でない端面171を備える。第一端部材17も、アルミダイカストの押し出し成形により、中を空洞にして、搬送方向Aに長尺な矩形棒状に形成されている。第一端部材17の上下方向の長さは、第一押出部材15の第一フランジ51の上下方向の長さと同じである。連結側でない端面171は、全体面一に形成されている。連結側の端面172は、第一フランジ51と第二フランジ52の凹凸形状(凸形状503と凹形状504)と同形状の凹凸形状、凸形状703と凹形状704を備えている。なお、第一端部材17の形状の説明における部材内側、部材外側は、
図5(B)に示すように、第一押出部材15に装着した状態で見て、第一押出部材15の部材中心Oに向かう方向を部材内側、部材中心Oから離れる方向を部材外側としている。
【0026】
第一端部材17は、上下方向中央に、部材外側に窪む半円部701を備えている。第一端部材17は、半円部701から第一水平面173にかけて、フランジ幅方向Bに部材内側に延出し半円部701方向に小爪702を延ばす凸形状703を備え、半円部701から第二水平面174にかけて、部材外側かつ半円部701方向に窪む凹形状704を備えている。さらに詳細に、第一フランジ51,第二フランジ52と同様に、凸形状703の小爪702の部材内側の角には段部7021を備え、凹形状704の開口部は、小爪702の段部7021と概略一致する形状の係合凹部7041を備え、係合凹部7041から半円部701側に深く窪む深凹部7042を備えている。
【0027】
(受け台の構成)
受け台14は、上述の第一押出部材15,第二押出部材16,第一端部材17,および第二端部材18を組み立てて形成される。
図6(A)は受け台14の左側面、
図6(B)は組み立てネジ50を締めた状態の受け台14の左側面である。
【0028】
まず、
図6(A)に示すように、第一押出部材15の第二フランジ52と第二押出部材16の第一フランジ51の凹凸形状(凸形状503と凹形状504)を、搬送方向Aにスライドさせながら係合し、第一フランジ51と第二フランジ52の凹凸係合による連結部20を形成する。連結部20では、第一フランジ51と第二フランジ52の互いの半円部501により円形の中央ネジ孔201が形成される。中央ネジ孔201の上下では、互いに点対称形状であるため、一方の凸形状503が他方の凹形状504に係合する。
【0029】
次に、第一押出部材15の第一フランジ51の凹凸形状(凸形状503と凹形状504)と第一端部材17の連結側の端面172の凹凸形状(凸形状703と凹形状704)を、搬送方向Aにスライドさせながら係合し、第一押出部材15と第一端部材17の凹凸係合による台端部31を形成する。同様に、第二押出部材16の第二フランジ52の凹凸形状(凸形状503と凹形状504)と第二端部材18の連結側の端面172の凹凸形状(凸形状703と凹形状704)を、搬送方向Aにスライドさせながら係合し、第二押出部材16と第二端部材18の凹凸係合による台端部32を形成する。台端部31、32では、半円部501,701により円形の端ネジ孔202が形成され、端ネジ孔202の上下では、互いに点対称形状であるため、凸形状503が凹形状704に係合し、凸形状703が凹形状504に係合する。
【0030】
最後に、
図6(B)に示すように、第一押出部材15,第二押出部材16,第一端部材17,および第二端部材18が搬送方向Aにスライドずれするのを押さえるために、コンベヤ幅方向Bに亘る押さえ板19を介して、中央ネジ孔201および端ネジ孔202,202に、組み立てネジ50(タッピングネジが好ましい)を締める。ここで、ネジ孔201,202の径は組み立てネジ50のネジ径よりもやや小さく形成されており、組み立てネジ50を締めることで、ネジ孔201,202の周りのアルミ材が押し広げられ、凹形状の深凹部5042,7042が撓み、凸形状の段部5021,7021が凹形状の係合凹部5041,7041に押し付けられ、凹凸形状がより噛み合うようになっている。なお、押さえ板19は、受け台14の右側面にも取り付けられる。また、本形態では押さえ板19は略E字形状で例示したが、この形状に限定するものではない。
【0031】
このようにして組み立てられた受け台14は、
図6(B)に示すように、上面153は細かな水切溝(凹部)53を備えながら平坦で、下面154は、細かな水切溝(凹部)54を備えながら平坦な部分と、該平坦な部分から下に突する凸部200を備えている。該凸部200は、
図6(A)に示すように、第一押出部材15の第二フランジ52と第二押出部材16の第一フランジ51の凹凸係合により形成された連結部20である。凸部200は、受け台14のフランジ幅方向Bの中央に、搬送方向Aに延在する。
【0032】
また、受け台14の下面154は、フランジ幅方向Bの両端に端凸部250Aと端凸部250Bを備えている。端凸部250Aは、第一押出部材15の第一フランジ51と第一端部材17の端面172の凹凸係合により形成された台端部31であり、端凸部250Bは、第二押出部材16の第二フランジ52と第二端部材18の端面172の凹凸係合により形成された台端部32である。すなわち、受け台14の下面154は、凸部200と端凸部250Aの間と、凸部200と端凸部250Bの間が、大きな凹部300となっており、凹部300は、上面153の水切溝(凹部)53よりも大きいものとして形成される。
【0033】
搬送ベルト13は、
図6(B)に示すように、端凸部250Aと250Bの内側に、受け台14の上面153と、下面154の中央の凸部200に接して巻きつけられる。
【0034】
(作用効果)
以上、本形態のウェイトチェッカー1によれば、ベルトコンベヤ2の受け台14の下面154に凸部200を形成し、受け台14の下で、搬送ベルト13を凸部200に接触させるようにしたことで、コンベヤ走行時の搬送ベルト13のバタつきを抑制することができる。
【0035】
比較例として、
図7(A)は、受け台14´の下面154´全体を凹部300´とした構成である。この場合、受け台14´の下面154´と搬送ベルト13との接触点が無いため、受け台14´のコンベヤ幅が大きいほど、搬送ベルト13がバタつきやすい。別の比較例として、
図7(B)は、受け台14"の下面154"全体を搬送ベルト13に接触させた構成である。この場合、搬送ベルト13に水分が付着すると、受け台14"の上面でも下面でも搬送ベルト13が受け台14"に張り付き、走行抵抗が大きくなる。これらの比較例に対し、本形態は、受け台14の下面154に形成した凸部200が搬送ベルト13と接触し、受け台14の下で搬送ベルト13の張力を保つ。また、下面154と搬送ベルト13は凸部200における部分接触であるので、走行抵抗に大きな影響はない。
【0036】
また、本形態のウェイトチェッカー1によれば、搬送ベルト13に水分が付着しても、受け台14において、搬送ベルト13の水分は多くは上面153の水切溝53で落とされて下面154に向かうので、搬送ベルト13の張り付きを防止することができる。
【0037】
また、本形態のウェイトチェッカー1によれば、説明の便宜上、第一押出部材15,第二押出部材16,第一端部材17,第二端部材18と呼び分けたが、第一押出部材15と第二押出部材16は同形状の押出部材であり、第一端部材17と第二端部材18は同形状の端部材である。すなわち、
図6(A)に示すように、本形態によれば、受け台14は、同形状の押出部材を連結させてなるコンベヤパーツ41と、同形状の端部パーツ42による、2種類の形状の部材で、部品点数少なく構成されている。
【0038】
(変形例)
ここで、受け台14のコンベヤパーツ41は、同一幅の押出部材を連結させるだけではなく、幅違いの押出部材を連結させる変形があってもよいし、2以上の複数枚を連結させる変形があってもよい。または、コンベヤパーツ41は押出部材一枚で構成することも可能である。
【0039】
図8(A)は、変形例1に係る受け台14Aの端面図であって、押出部材15と幅違いの押出部材16´を連結したコンベヤパーツ41に、端部パーツ42を装着した形態である。この形態であれば、受け台14Aは、2種類の押出部材と1種類の端部材の、3種類の形状の部材で構成される。
図8(B)は、変形例2に係る受け台14Bの端面図であって、同一幅の3枚の押出部材15,16,15を連結したコンベヤパーツ41に、端部パーツ42を装着した形態である。この形態であれば、受け台14Bは、1種類の押出部材と1種類の端部材の、2種類の形状の部材で構成される。
図8(B)は、3枚の押出部材でコンベヤパーツ41を構成したが、4枚,5枚…を連結することも可能であるし、その中に幅違いの押出部材16´を組み合わせることも可能である。このように、本形態によれば、押出部材は両端に互いに点対称となる凹凸形状(凸形状503,凹形状504)を備え、端部材は同様の凹凸形状(凸形状703,凹形状704)を備えているから、組み合わせで様々な幅の受け台14を作ることができる。これにより、押出部材の成形金型の数を抑えることができるので、結果、製品の製造コストを下げることができる。
【0040】
図8(C)は、変形例3に係る受け台14Cの端面図であって、押出部材15一枚からなるコンベヤパーツ41に、端部パーツ42を装着した形態である。本形態によれば、押出部材15は両端に互いに点対称となる凹凸形状(凸形状503,凹形状504)を備え、端部材は同様の凹凸形状(凸形状703,凹形状704)を備えているから、コンベヤ幅の狭いものが要求された場合は、この形態で対応することができる。この場合の走行抵抗の問題には、受け台14Cの下面の水切溝54が機能する。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施の形態および複数の変形例を述べたが、これらを当業者の知識に基づいて改変および組み合わせることは可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1…ウェイトチェッカー, 2…ベルトコンベヤ, 11…駆動ローラ, 12…従動ローラ, 13…搬送ベルト, 14…受け台,15,16…押出部材, 17,18…端部材, 51,52…押出部材のフランジ, 53…水切溝(凹部), 153…上面, 154…下面, 503…フランジの凸形状, 504…フランジの凹形状, 703…端部材の凸形状, 704…端部材の凹形状, 20…連結部, 200…下面の凸部, 300…下面の凹部