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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025021982
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/407 20060101AFI20250206BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250206BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
B41J3/407
B41J29/38 401
B41J29/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126132
(22)【出願日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 敦
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS08
2C061AS11
2C061BB35
2C061CG15
2C061HK06
2C061HK11
(57)【要約】
【課題】それぞれRFIDインレイを有する複数枚の印字媒体を順に発行する場合に、1枚目の印字媒体が無駄になることを防止する。
【解決手段】本発明のある一態様に係るプリンタは、RFIDインレイを有する印字媒体に印字を行うプリンタであって、印字媒体を搬送するプラテンローラと、ライン状に配置された複数の発熱体からなる発熱部を有し、発熱部とプラテンローラとで印字媒体を挟持しながら印字媒体上に印字を行う印字ヘッドと、印字ヘッドの発熱部よりも印字媒体の搬送経路の下流側であって、かつ搬送される印字媒体の印字面側に配置される無線アンテナと、無線アンテナを介して印字媒体のRFIDインレイと通信を行うリーダライタと、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDインレイを有する印字媒体に印字を行うプリンタであって、
前記印字媒体を搬送するプラテンローラと、
ライン状に配置された複数の発熱体からなる発熱部を有し、前記発熱部と前記プラテンローラとで前記印字媒体を挟持しながら前記印字媒体上に印字を行う印字ヘッドと、
前記印字ヘッドの前記発熱部よりも前記印字媒体の搬送経路の下流側であって、かつ搬送される前記印字媒体の印字面側に配置される無線アンテナと、
前記無線アンテナを介して印字媒体のRFIDインレイと通信を行うリーダライタと、
を備えた、プリンタ。
【請求項2】
前記印字ヘッドは、ヘッド本体と、前記ヘッド本体に取り付けられた排熱部と、を有し、
前記無線アンテナは、前記排熱部に取り付けられている、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項3】
前記印字ヘッドを含むヘッド組立体を備え、
前記無線アンテナは、前記ヘッド組立体に取り付けられている、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項4】
前記印字ヘッドを含むヘッド組立体と、
前記ヘッド組立体を着脱可能に保持するヘッド保持部と、を備え、
前記無線アンテナは、前記ヘッド保持部に取り付けられている、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項5】
前記印字ヘッドは、前記発熱部と前記プラテンローラとで前記印字媒体とインクリボンを挟持しながら前記印字媒体上に印字を行い、
前記プリンタは、前記インクリボンの搬送経路の下流側において前記インクリボンの張力を調整するリボン調整部を備え、
前記無線アンテナは、前記リボン調整部に取り付けられている、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項6】
前記印字媒体の印字開始位置から搬送方向に所定量搬送させた通信位置において前記リーダライタにより前記印字媒体のRFIDインレイと通信を行うように制御する制御部を備えた、
請求項1から5のいずれか一項に記載されたプリンタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ICチップ及びアンテナを有するRFID(Radio Frequency Identification)インレイ(以下、単に「インレイ」という。)が組み込まれたラベルに印字を行うプリンタが知られている。このようなプリンタでは、ラベルに印字を行う際に、ラベルに組み込まれたインレイに対して、プリンタに搭載されたリーダライタによってデータの読み出し、及びデータの書き込みを行う。インレイに対するデータの読み出し、及びデータの書き込みを行うために、リーダライタは、電波を送受信するRFIDアンテナに接続される。従来のプリンタでは、RFIDアンテナは、ラベルの搬送経路において、印字ヘッドの発熱体が形成された位置を基準として上流側に配置されていた(特許文献1の図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-157521号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のプリンタのように、RFIDアンテナがラベルの搬送経路において、印字ヘッドの発熱体が形成された位置(発熱体位置)を基準として上流側に配置されている場合、1枚目のラベルが無駄になる場合がある。この問題について以下説明する。
【0005】
通常、連続的に配置された複数枚のラベルの各々を発行する場合、1枚目のラベルの印字開始位置が印字ヘッドの発熱体位置に位置する状態で待機し、各ラベルを発行する際には、プリンタは、各ラベルのインレイに対してデータの読み書きを行ってから印字を行う。ここで、RFIDアンテナが発熱体位置よりも上流側にある場合、1枚目のラベルのインレイに対するデータの読み書きにとって適切な位置となるようにラベルを逆搬送させる必要がある。しかし、特に小ピッチ(搬送方向の長さが短い)ラベルの場合に1枚目のラベルを逆搬送させると、1枚目のラベルの先端側が印字ヘッドの発熱体位置から脱落する場合がある。ラベルの搬送経路においてRFIDアンテナを発熱体位置のすぐ近くに配置できれば1枚目のラベルの先端側が印字ヘッドの発熱体位置から脱落することを防止し得るが、印字ヘッドの構造上、RFIDアンテナを発熱体位置に十分に近付けることは困難である。そのため、従来、1枚目のラベルを発行せずに無駄にし、2枚目のラベルから発行することが行われている。この問題は特に、小ピッチラベルの場合やRFIDアンテナの位置が発熱体位置から離れている場合に生じやすい。
【0006】
また、2枚目以降の各ラベルについてもインレイに対するデータの読み書きを行うために各ラベルを逆搬送させる必要があるが、RFIDアンテナの位置が発熱体位置から離れている場合には、データの読み書きのためのラベルの逆搬送距離が長くなってスループットが低下する。ここで、上記したように、印字ヘッドの構造上、RFIDアンテナを発熱体位置に十分に近付けることは困難であるため、スループットを向上させることに限界がある。
【0007】
そこで、本発明は、それぞれRFIDインレイを有する複数枚の印字媒体を順に発行する場合に、1枚目の印字媒体が無駄になることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、RFIDインレイを有する印字媒体に印字を行うプリンタであって、
前記印字媒体を搬送するプラテンローラと、
ライン状に配置された複数の発熱体からなる発熱部を有し、前記発熱部と前記プラテンローラとで前記印字媒体を挟持しながら前記印字媒体上に印字を行う印字ヘッドと、
前記印字ヘッドの前記発熱部よりも前記印字媒体の搬送経路の下流側であって、かつ搬送される前記印字媒体の印字面側に配置される無線アンテナと、
前記無線アンテナを介して印字媒体のRFIDインレイと通信を行うリーダライタと、
を備えた、プリンタである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のある態様によれば、それぞれRFIDインレイを有する複数枚の印字媒体を順に発行する場合に、1枚目の印字媒体が無駄になることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態のプリンタの斜視図である。
図2】内部が見える状態の一実施形態のプリンタの側面図である。
図3】一実施形態のプリンタにおいて、印字ヘッドユニットが開放状態のときの印字部の斜視図である。
図4】一実施形態のプリンタのラベル支持機構部の斜視図である。
図5】一実施形態のプリンタのラベル支持機構部の一部断面図である。
図6】一実施形態のプリンタのヘッド機構部の一部の下方から見た斜視図である。
図7】ヘッド機構部に組み込まれるヘッド組立体の分解斜視図とサーマルヘッドの断面図を含む。
図8図6のヘッド機構部の一部の分解斜視図である。
図9】一実施形態のプリンタにおいてRFIDアンテナの実装方法を説明する図である。
図10図10Aは一実施形態のプリンタにおいてRFIDアンテナがリボン調整板に取り付けられた状態の斜視図であり、図10Bはプリンタの部分断面図である。
図11】内部が見える状態の一実施形態のプリンタの部分側面図であり、RFIDアンテナとリーダライタの間の配線経路を示す。
図12】一実施形態のプリンタの概略的なブロック図である。
図13】一実施形態のプリンタの搬送制御の一例を説明する図である。
図14】一実施形態のプリンタの搬送制御の一例を説明する図である。
図15】一実施形態のプリンタの搬送制御の一例を説明する図である。
図16】変形例に係るプリンタにおいて、ヘッド保持部に配置されたRFIDアンテナを示す図である。
図17】変形例に係るプリンタにおいて、サーマルヘッドの先端部に配置されたRFIDアンテナを示す図である。
図18図18Aは、変形例に係るプリンタにおいてサーマルヘッドの底面部に配置されたRFIDアンテナを示す図であり、図18Bは、変形例に係るプリンタにおいてサーマルヘッドに設けられた開口部に配置されたRFIDアンテナを示す図である。
図19図19Aは、変形例に係るプリンタにおいてヘッド付属部材に配置されたRFIDアンテナを示す図であり、図19Bは、図19Aに示すヘッド付属部材がプリンタに搭載された場合にヘッド付属部材の前方部分を側面から見た図である。
図20】変形例に係るプリンタにおいて、ラベル有無検出センサに近い位置に配置されたRFIDアンテナを示す図である。
図21図21Aは、変形例に係るプリンタの斜視図であり、図21Bは、当該プリンタにおいてカッタの近傍、あるいはカッタよりも下流側に配置されたRFIDアンテナを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に記載する形態は、図面の簡単な説明により説明される図面に限定されるものではない。
【0012】
本発明のある態様の第1の態様は、RFIDインレイを有する印字媒体に印字を行うプリンタであって、
前記印字媒体を搬送するプラテンローラと、
ライン状に配置された複数の発熱体からなる発熱部を有し、前記発熱部と前記プラテンローラとで前記印字媒体を挟持しながら前記印字媒体上に印字を行う印字ヘッドと、
前記印字ヘッドの前記発熱部よりも前記印字媒体の搬送経路の下流側であって、かつ搬送される前記印字媒体の印字面側に配置される無線アンテナと、
前記無線アンテナを介して印字媒体のRFIDインレイと通信を行うリーダライタと、
を備えた、プリンタである。
【0013】
本発明のある態様の第1の態様によれば、それぞれRFIDインレイを有する複数枚の印字媒体を順に発行する場合に、1枚目の印字媒体が無駄になることを防止できる。
【0014】
本発明のある態様の第2の態様は、前記印字ヘッドは、ヘッド本体と、前記ヘッド本体に取り付けられた排熱部と、を有し、
前記無線アンテナは、前記排熱部に取り付けられている、前記第1の態様に記載のプリンタである。
【0015】
本発明のある態様の第2の態様によれば、前記無線アンテナを印字ヘッドと一体化させることができ、印字ヘッドの発熱部よりも無線アンテナを下流側に正確に位置決めできる。
【0016】
本発明のある態様の第3の態様は、前記印字ヘッドを含むヘッド組立体を備え、
前記無線アンテナは、前記ヘッド組立体に取り付けられている、前記第1の態様に記載のプリンタである。
【0017】
本発明のある態様の第3の態様によれば、前記無線アンテナを印字ヘッドと一体化させることができ、印字ヘッドの発熱部よりも無線アンテナを下流側に正確に位置決めできる。
【0018】
本発明のある態様の第4の態様は、前記印字ヘッドを含むヘッド組立体と、
前記ヘッド組立体を着脱可能に保持するヘッド保持部と、を備え、
前記無線アンテナは、前記ヘッド保持部に取り付けられている、前記第1の態様に記載のプリンタである。
【0019】
本発明のある態様の第4の態様によれば、印字ヘッドの発熱部よりも無線アンテナを下流側に正確に位置決めできる。
【0020】
本発明のある態様の第5の態様は、前記印字ヘッドは、前記発熱部と前記プラテンローラとで前記印字媒体とインクリボンを挟持しながら前記印字媒体上に印字を行い、
前記プリンタは、前記インクリボンの搬送経路の下流側において前記インクリボンの張力を調整するリボン調整部を備え、
前記無線アンテナは、前記リボン調整部に取り付けられている、前記第1の態様に記載のプリンタである。
【0021】
本発明のある態様の第5の態様によれば、無線アンテナが印字ヘッドと別個に配置されているため、印字ヘッドを交換する場合に無線アンテナを取り外す必要がない。
【0022】
本発明のある態様の第6の態様は、前記印字媒体の搬送方向において、前記無線アンテナの基準位置から前記印字媒体のRFIDインレイの基準位置までの距離が所定値となる通信位置まで前記印字媒体を搬送させたときに前記リーダライタにより前記印字媒体のRFIDインレイと通信を行うように制御する制御部を備えた、前記第1から第5の態様のいずれか一つに記載のプリンタである。
【0023】
本発明のある態様の第6の態様によれば、発熱部よりも前記印字媒体の搬送経路の下流側にある無線アンテナに向かって印字媒体を搬送させてから通信を行うため、1枚目の印字媒体が印字媒体から脱落することがない。
【0024】
本発明のある態様の第7の態様は、前記印字ヘッドの前記発熱部よりも前記印字媒体の搬送経路の下流側において前記印字媒体を切断する切断部を備え、
前記無線アンテナは、前記切断部の近傍、あるいは前記切断部よりも下流側に配置されている、前記第1の態様に記載のプリンタである。
【0025】
本発明のある態様の第7の態様によれば、無線アンテナが印字ヘッドと別個に配置されているため、印字ヘッドを交換する場合に無線アンテナを取り外す必要がない。
【0026】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
図1に一実施形態のプリンタ1の外観を示す。以下では、説明の便宜のために、図1に示すように、XYZ座標を定義する。すなわち、+X,-Xはそれぞれプリンタ1の左右方向を示し、+Y,-Yはそれぞれプリンタ1の前後方向を示し、+Z,-Zはそれぞれプリンタ1の上下方向を示す。
プリンタ1の前面のフロントカバー2には、印字したラベルを発行(排出)するための発行口5が設けられている。プリンタ1の片側側面には、オープンカバー6が2箇所のヒンジ7により上下方向に開閉自在の状態で装着されている。
【0027】
図2は、内部が見える状態のプリンタ1の要部の側面図である。図3は、印字ヘッドユニット13が開放状態のときの印字部11の斜視図である。
プリンタ1の内部には、後方に配置された用紙供給部10と、前方に配置された印字部11と、上方に配置されたインクリボン部12とが設置されている。
【0028】
用紙供給部10には、ロール紙Rが装填されている。図2に示すように、ロール紙Rは、連続紙CPがロール状に巻回されたものである。連続紙CPは、帯状の台紙PMと、台紙PM上に間隔を空けて剥離可能に取り付けられた複数枚のラベルPLと、を含む。台紙PMにおいてラベルPLの粘着面が接触する面(表面)には、シリコーン等のような剥離剤がコーティングされており、ラベルPLを容易に剥離することが可能になっている。ラベルPLには、RFIDインレイIL(以下、単に「インレイIL」という。)が組み込まれている。台紙PMにおいてラベルPLが貼られていない面(裏面)には、長手方向に沿って予め決められた間隔毎にラベルの位置を示す位置検出マークIMが形成されていてもよい。
ラベルPLは、感熱紙を使用する場合と普通紙を使用する場合とがある。感熱紙の場合は、その表面に、予め決められた温度領域に達すると特定の色(黒や赤等)に発色する感熱発色層が形成されている。図示しないが、用紙供給部10には、印字面の裏側に粘着剤が塗布された粘着面が形成された台紙無しラベルをロール状に巻回されたロール紙を装填することもできる。
【0029】
用紙供給部10は、支持軸10aとロールガイド10bを備え、ロール紙Rを保持するとともにロール紙Rから繰り出される連続紙CPを印字部11に供給する。支持軸10aは、ロール紙Rを回転自在の状態で支持する。ロールガイド10bは、ロール紙Rの幅に応じて位置を変えられるように支持軸10aの軸方向に沿って移動自在の状態で設置されている。
【0030】
印字部11は、印字ヘッドユニット13と、印字ヘッドユニット13の下方に配置された支持台14と、ダンパ15とを備え、連続紙CPのラベルPLに印字を行う。
印字ヘッドユニット13は、後述するように開閉自在の状態でプリンタ1の内部に設置されている。印字ヘッドユニット13が閉止状態の場合に、印字ヘッドユニット13と支持台14との間に通紙ルートが形成される。通紙ルートは、発行口5(図1参照)に繋がっている。
支持台14には、印字ヘッドユニット13の閉止状態を維持するヘッドロックレバー16が設置されている。ヘッドロックレバー16を操作すると印字ヘッドユニット13の閉止状態が解除され、図3に示すように印字ヘッドユニット13の前方部が持ち上がり、印字ヘッドユニット13が開く(プラテンローラ23に対して離間する)ようになっている。
ダンパ15は、連続紙CPに張力を付与可能なように揺動自在の状態で設置されている。
【0031】
図2及び図3に示すように、連続紙CPは、ダンパ15からラベル支持機構部70を通って搬送され、印字後に発行口5(図1)から排出される。ラベル支持機構部70は、連続紙CPの搬送経路において、サーマルヘッド18(印字ヘッドの一例)及びプラテンローラ23よりも上流側に設置されている。
【0032】
インクリボン部12は、リボン供給部12aとリボン巻き取り部12bとを備え、印字用インクを塗布したインクリボンRBを供給し、巻き取る。リボン供給部12aは、ロール状に巻き取られたインクリボンRBを回転自在の状態で支持する。リボン巻き取り部12bは、印字済みのインクリボンRBを巻き取り回収する。インクリボンRBを使用する場合は、リボン供給部12aから引き出されたインクリボンRBを印字ヘッドユニット13の下に通してリボン巻き取り部12bで巻き取る。
リボン供給部12a及びリボン巻き取り部12bは、プリンタ1の筐体の内壁102に連結されている(取り付けられている)。
【0033】
図3に示すように、印字ヘッドユニット13においてサーマルヘッド18よりも前方には、リボン調整板66(リボン調整部の一例)が設置されている。リボン調整板66は、両端に形成された長孔(図10の長孔665)を挿通する一対のねじ664により内部フレーム(図示せず)に固定されている。それぞれのねじ664を緩めることでリボン調整板66を上下方向に移動させたり左右方向に傾斜させたりすることで、インクリボンRBの張り具合(張力)を調整することができる。
【0034】
プリンタ1においては、用紙供給部10にあるロール紙Rから繰り出された連続紙CPは、ダンパ15を介して印字ヘッドユニット13と支持台14との間の通紙ルートに搬送され、その途中において連続紙CPのラベルPLに印字処理がなされる。このとき、サーマルヘッド18は、発熱部18Lとプラテンローラ23とで連続紙CPとインクリボンRBを挟持しながら、連続紙CPの各ラベルPLに印字を行う。印字処理の後、連続紙CPは、発行口5からプリンタ1の外部に排出されるようになっている。
【0035】
図2に示すように、プリンタ1の発行口5付近にはラベル有無検出センサ64が設置されている。ラベル有無検出センサ64は、サーマルヘッド18の下流側に配置され、発行口5から発行(排出)されたラベルPLを検出可能である。ラベル有無検出センサ64は、光反射型のセンサであるが、光透過型センサとして構成することもできる。ラベル有無検出センサ64の検出結果(出力信号)は、連続紙CPの搬送制御に利用される。
【0036】
次に、上記した印字部11の構成について図3を参照して説明する。
図3に示すように、印字ヘッドユニット13が後方に設けられる揺動軸S1を中心にX軸回りに揺動(すなわち、開閉)自在となるように、揺動軸S1がプリンタ1のメインフレーム(図示せず)に支持されている。
【0037】
印字ヘッドユニット13の下面(通紙ルートを向く面)には、サーマルヘッド18が発熱部18Lを通紙ルートに向けた状態で設置されている。サーマルヘッド18の発熱部18Lは、サーマルヘッド18の基板に対して所定量(例えば数10μm)突出したグレーズ層によって構成され、通電により発熱する複数の発熱抵抗体(発熱体)を含み、連続紙CPのラベルPLに印字を行う。この複数の発熱抵抗体は、連続紙CPの幅方向(連続紙CPの搬送方向に対し直交する方向)に沿って並んで配置されている。
【0038】
印字ヘッドユニット13の前方側の下面にはサーマルヘッド18を挟むように一対の係合爪19(図3参照)が設けられている。印字ヘッドユニット13において係合爪19の後方には、印字ヘッドユニット13の両側面から外方に突出するピン20が設けられている。
【0039】
印字ヘッドユニット13は、揺動軸S1に装着された捩りばね(図示せず)により開方向に付勢されているが、印字ヘッドユニット13の下部の一対のピン20に、支持台14の一対のロック爪22がそれぞれ引っ掛かることにより閉止状態が維持されている。印字ヘッドユニット13の閉止状態時には、印字ヘッドユニット13の一対の係合爪19がプラテンローラ23の回転軸の両端部に嵌められるようになっている。
ロック爪22は、ヘッドロックレバー16を後方に操作すると、それに連動して後方に移動し、ピン20から外れるようになっている。ロック爪22がピン20から外れると、図3に示すように、印字ヘッドユニット13は、捩りばねの付勢力により自動的に開くようになっている。
【0040】
プラテンローラ23は、用紙供給部10から繰り出された連続紙CPを通紙ルートに沿って発行口5(図1参照)へ搬送する。プラテンローラ23は、正逆方向に回転可能な状態で支持台14の上部に設置され、印字時にはサーマルヘッド18とともに連続紙CPを挟持しながら回転する。
連続紙CPが普通紙である場合、プラテンローラ23は、印字時にはサーマルヘッド18とともに連続紙CPとインクリボンRBを挟持しながら回転する。この場合、インクリボンRBは、リボン供給部12aから、印字ヘッドユニット13に設けられているリボンローラ121,122(図3参照)を介して搬送されて、リボン巻き取り部12bに巻き取られる。
【0041】
図3に示したように、ラベル支持機構部70は、支持台14上に配置されている。
図4には、幅狭のラベル用のガイド位置と幅広のラベル用のガイド位置の各々の場合において、ラベル支持機構部70の斜視図が示される。
図4に示すように、ラベル支持機構部70は、ラベル支持部71、センサ組立体72、及びラベルガイド部73を有する。ラベル支持部71は、プラテンローラ23に向かう連続紙CPを下側から支持する支持面711を有する。
センサ組立体72は、連続紙CPの幅方向にスライド操作可能な状態でラベル支持部71に取り付けられており、光透過型センサと反射型センサを内蔵する。ラベルガイド部73は、センサ組立体72に取り付けられており、プラテンローラ23に向かって搬送される連続紙CPをラベル支持部71の支持面711との間で挟み込み、連続紙CPを上側からガイドする役割を果たす。
ラベル支持機構部70には、後述するリーダライタ91が内蔵されている。リーダライタ91は、ラベルPLに組み込まれたインレイILに対してデータを書き込み、あるいはインレイILからデータを読み出すために設けられる。
【0042】
図5は、搬送される連続紙CPの紙面に直交し、かつ連続紙CPの幅方向(X方向)に延びる平面でラベル支持機構部70を切断したときの、センサ組立体72とラベルガイド部73の概略的な断面を示している。
図5に示すように、ラベルガイド部73がセンサ組立体72に取り付けられている。ラベルガイド部73の下面とラベル支持部71の支持面711には僅かな間隙g1が形成され、この間隙g1が連続紙CPの搬送経路となる。
ラベル支持部71には、センサ組立体72と係合するガイド突起712及びガイド溝713が長手方向に設けられている。センサ組立体72は、使用するラベル幅に応じて、ラベル支持部71のガイド突起712及びガイド溝713と係合しながら長手方向(つまり連続紙CPの幅方向)に摺動可能である。
センサ組立体72は、上方にある揺動部721と、下方にある摺動部722と、が揺動軸723により揺動可能に連結された構造となっている。摺動部722は、ラベル支持部71のガイド突起712及びガイド溝713と係合して長手方向に摺動可能である。揺動部721は、揺動軸723を中心に、摺動部722に近接する図5に示す位置(プリンタ1の動作時の位置)から、摺動部722と離間する方向(つまり、図5で反時計方向)に揺動可能であり、それによって新たな連続紙CPをプリンタ1にセットすることができる。
【0043】
図5に示すように、センサ組立体72は、ラベル位置検出センサ74が内蔵されている。ラベル位置検出センサ74は、発光素子621と受光素子622を含む。揺動部721に発光素子621が配置され、摺動部722に受光素子622が配置されている。発光素子621と受光素子622は互いに対向している。インクリボンRBの搬送経路は、ラベルガイド部73よりも上方にあるため、受光素子622よりも上方にある発光素子621は、インクリボンRBの搬送経路と連続紙CPの搬送経路の間に配置されている。光透過型センサ62は、発光素子621から出射した光を受光素子622で受光する際に、ラベルPLと台紙PMを透過した光と、台紙PMのみを透過した光とで受光強度に差があることに基づき、連続紙CPの搬送方向における各ラベルPLの端部を検出する。ラベル位置検出センサ74の検出結果(出力信号)は、連続紙CPの搬送制御に利用される。
【0044】
次に、印字ヘッドユニット13に設けられたヘッド機構部35について図6図8を参照して説明する。ヘッド機構部35は、印字ヘッドユニット13から支持板17、リボンローラ121,122、揺動軸S1等を取り外した状態の、サーマルヘッド18に関連する機構である。
図6は、ヘッド機構部35の要部を下から見たときの斜視図である。図6に示すように、ヘッド機構部35は、サーマルヘッド18、ヘッド保持部36、ピン押圧部37(図6では不可視)、ヘッドカバー39、揺動軸40、回転軸41等を有する。
【0045】
図6では見えないが、サーマルヘッド18には、ヘッド付属部材38が固定されている。
図7は、サーマルヘッド18とヘッド付属部材38の取付方法を示す分解斜視図とサーマルヘッド18の断面図(長手方向の中央で切断した断面図)を含む。
図7に示すように、ヘッド付属部材38は、板状部材であり、中央板381と、一対の端部板382と、を有する。
中央板381の上面には、上方に突出するピン38Pが取り付けられている。ピン38Pは、中央板381の表面から上方に延びる柱状部38Pcと、柱状部38Pcの上部において先細りするテーパ部38Ptと、を有する。柱状部38Pcには、+X側に向けて凹む凹部38Prが形成されている。後述するが、ピン38Pは、サーマルヘッド18をヘッド保持部36に保持させるために必要となる。
【0046】
サーマルヘッド18は、ヒートシンク181と、基板183と、コネクタ184と、を含む。基板183は、2以上の基板が接続されていてもよく、前述した発熱部18Lが形成されている。ヒートシンク181は、基板183で発生した熱を効率良く放熱するために設けられている。ヒートシンク181には2箇所のねじ穴181aが形成されている。
図7のサーマルヘッド18の断面図に示すように、基板183は、発熱部18Lが配置されている第1基板部183a、コネクタ184と連結されている第2基板部183b、及び第1基板部183aと第2基板部183bを接続するフレキシブル基板部183cを含む。ヒートシンク181は、最も発熱する第1基板部183aからの熱を効率良く放熱されるように、基板183のうち第1基板部183aにおいて最も厚くなるように設定されている。
ヒートシンク181の先端には、第1基板部183aの先端部を覆うように下方に突出する突部1811が形成されている。これによって、連続紙CP(特に厚紙の場合)がバックフィード(逆方向に搬送)されたときにジャムが発生することを防止できる。
【0047】
図7に示すように、ヘッド付属部材38の中央板381には2箇所の孔381aが形成され、この孔381aを介してねじ383がサーマルヘッド18のねじ穴181aで締結されることによって、ヘッド付属部材38がサーマルヘッド18に固定される。以下の説明では適宜、サーマルヘッド18とヘッド付属部材38が一体となったものを「ヘッド組立体18A」と表記する。ヘッド組立体18Aは、ヘッドカバー39に脱着可能である。
ヘッド付属部材38の中央板381には2箇所の孔381aが形成され、この孔381aを介してねじ383がサーマルヘッド18のねじ穴181aで締結されることによって、ヘッド付属部材38がサーマルヘッド18に固定される。
【0048】
ヘッド付属部材38の両側の端部板382の前方端には一対の切り欠き部382aが形成されている。切り欠き部382aは、上方に向けて開口したU字状の形態を有する。
後述するが、切り欠き部382aは、サーマルヘッド18の前後位置の調整のために設けられている。
ヘッド付属部材38の両側の端部板382の後方端には、切り欠き部382bが形成されている。切り欠き部382bは、ヘッドカバー39のガイド突起393を挟むようにU字状の形態を有する。
【0049】
次に、図8を参照して、ヘッド機構部35の要部の構成について説明する。図8は、図6に示したヘッド機構部35の分解斜視図である。なお、ヘッドカバー39には、サーマルヘッド18のコネクタ184と接続される回路基板が固定されるが、図8では、ヘッドカバー39の視認性のために表示していない。
図8に示すように、ヘッド機構部35は、上から順に、ヘッド保持部36、ヘッド組立体18A、及び、ヘッドカバー39が組付けられて構成されている。ヘッド保持部36とヘッドカバー39は、揺動軸40により支持されている。揺動軸40は、支持板17(図3参照)に支持されるとともに、支持板17の内側にあって支持板17と一体的に構成されている内部フレーム(図示せず)に固定されている。
【0050】
ヘッド保持部36は、ヘッド組立体18Aが自重で落下しないようにヘッド組立体18Aを保持するとともに、ヘッド保持解除部30に対する+X方向の操作に応じてヘッド組立体18Aに対する保持を解除する。ヘッド保持解除部30に対する操作によってヘッド組立体18Aをヘッド保持部36から簡単に取り外すことができる。
ヘッド保持部36は、支持板361、及び支持板361の左右両端に設けられる側壁362を含む板状部材と、ピン押圧部37と、を含み、ヘッド組立体18Aを着脱可能に保持する。ヘッド保持部36の両側の側壁362の前端部には、プラテンローラ23の回転軸の両端に係合する一対の係合爪19が形成されている。ヘッド保持部36の両側の側壁362の後端部には、揺動軸40を挿通させる挿通孔362a,362bが形成されている。
【0051】
操作部42は、ヘッド組立体18Aを前後に移動させることでサーマルヘッド18の位置を前後に調整するための回転操作手段である。ここで、前後方向とは、サーマルヘッド18により印字済みのラベルPLが進む方向を前方とした場合の前後方向である。サーマルヘッド18の位置の前後方向の調整は、ラベルの種類(厚さや硬さ等)に応じて最適な印字品質を得るために行われる。
ヘッド保持部36の支持板361の両側にある側壁362には、操作部42に対する回転操作に応じて回転する回転軸41が軸支されている。ヘッド組立体18Aの両端にあるU字状の切り欠き部382aが回転軸41の両端に下から嵌り込むことで、ヘッド組立体18Aが回転軸41と係合される。
【0052】
ピン押圧部37は、押さえ板37aとコイルばね37bとを有し、ヘッド組立体18Aがヘッド保持部36に保持されるときに、ヘッド組立体18Aのピン38Pを押圧する。押さえ板37aは、その長手方向(連続紙CPの幅方向)に沿って僅かに移動可能な状態でピン37f,37gにより支持板361上に設置されている。ピン37f,37gは、押さえ板37aから抜けないように止め輪等により固定されている。押さえ板37aから下方に折り曲げられた部分として、ヘッド保持解除部30が形成されている。つまり、押さえ板37aとヘッド保持解除部30は一体成形されている。ヘッド保持解除部30は、支持板361に形成された孔36fと、ヘッド付属部材38に形成された孔381b(図7参照)とを貫通し、操作可能となるようにヘッド機構部35から突出している。
ヘッド保持部36の支持板361には孔36gが形成され、ピン押圧部37の押さえ板37aには孔37dが形成されている。ヘッド組立体18Aのピン38Pは、孔36gと孔37dを貫通し、孔37dから上方に突出している。
押さえ板37aには、孔37dとピン37gの間において上方に突出する突起37jが形成されている。押さえ板37aには、孔37dの縁部において、突起37jに向かって凸形状の凸部37iが形成されている。
ピン押圧部37のコイルばね37bは、ピン37gと突起37jの間に装着されている。押さえ板37aは、コイルばね37bにより-X方向に付勢されている。コイルばね37bにより押さえ板37aが付勢されているときには、図8において「ピン38Pが係合した状態」を拡大断面図により示すように、孔37dから上方に突出するピン38Pの凹部38Prに凸部37iが係合する。それによって、ピン38Pが押さえ板37aにロックされ、ヘッド組立体18Aがヘッド保持部36に保持される。
【0053】
図8に示すように、ピン押圧部37は、ピン当接片37hを有する。ピン当接片37hは、孔37dから上方に突出するピン38Pのテーパ部38Ptから僅かに-X側に配置される。つまり、ピン当接片37hは、ヘッド保持解除部30がD1方向(+X方向)に操作された場合にピン38Pのテーパ部38Ptに当接する位置に配置されている。
【0054】
ヘッド保持部36のヘッド組立体18Aに対する保持を解除するには、前述したようにヘッド保持解除部30を+X方向に操作すればよい。つまり、押さえ板37aのヘッド保持解除部30をコイルばね37bの付勢力に抗して逆方向(+X方向)に移動させる。押さえ板37aが+X方向に移動することで、ピン当接片37hがピン38Pのテーパ部38Ptに当接してピン38Pを押し下げるとともに、ピン38Pの凹部38Prとピン押圧部37の凸部37iとの係合が解除される。その結果、ヘッド組立体18Aは自重で落下する。
【0055】
ヘッドカバー39は、ヘッド保持部36に対して揺動可能であって、サーマルヘッド18の少なくとも一部を下から覆うように構成されている。ヘッドカバー39には、揺動軸40を挿通させる挿通孔395が形成され、揺動軸40を中心に揺動可能となっている。
ヘッドカバー39の両側の側部には、一対のガイド突起393が形成されている。この一対のガイド突起393がヘッド組立体18Aの切り欠き部382bと係合することにより、ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39が連結されている。ガイド突起393により、ヘッド組立体18Aをプリンタ1から挿抜する作業を円滑に行うことができる。
【0056】
ヘッドカバー39は、前方のサーマルヘッド載置部391と後方の回路基板固定部392を含む。サーマルヘッド載置部391には、ヘッド組立体18Aのヘッドカバー39が載置される。回路基板固定部392には、ねじ切り部392aが形成されており、サーマルヘッド18のコネクタ184と接続される回路基板(図示せず)を介してねじをねじ切り部392aにねじ込むことで当該回路基板が固定される。
【0057】
次に、プリンタ1内で搬送される連続紙CPの各ラベルPLに組み込まれたインレイILに対して電磁波を送信するRFIDアンテナ311(無線アンテナの一例)の配置について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、プリンタ1においてRFIDアンテナ311の実装方法を説明する図である。
図9を参照すると、アンテナ組立体31は、RFIDアンテナ311、配線312、及び、一対の組付け用部材313を含む。配線312は、RFIDアンテナ311の一端に連結され、後述するリーダライタ91と電気的に接続するための配線である。一対の組付け用部材313は、アンテナ組立体31をアンテナケース32に組み付ける際の作業性を向上させるための部材である。
【0058】
アンテナケース32は、アンテナ組立体31を収容するための部材である。アンテナケース32は、後述するように、リボン調整板66に取り付けられる。図9に示すように、アンテナケース32は、長尺状のケース本体321と、ケース本体321から上方に突出する3箇所の突出部322と、を有する。突出部322の上端には係合爪322cが形成されている。
【0059】
ケース本体321は、アンテナ組立体31を一方から受け入れるために、概ね断面コの字状の形状を有する。
ケース本体321には、アンテナ組立体31の一対の組付け用部材313をそれぞれ受け入れるための一対の開口3211が形成されている。ケース本体321の内部には、RFIDアンテナ311を載置するための載置面3212が形成されるとともに、RFIDアンテナ311及び組付け用部材313に当接してアンテナ組立体31のX方向の位置決めを行うためのストッパ3213が設けられている。ケース本体321の内部には、RFIDアンテナ311を上から押圧するための複数の押圧部位3214と、配線312を圧入するための複数の圧入部位3215と、が設けられている。
アンテナ組立体31がアンテナケース32に組み付けられると、アンテナ組立体31は、アンテナケース32に保持され、アンテナケース32に対して相対移動しない。
【0060】
アンテナ組立体31を保持するアンテナケース32は、図10Aに示すように、リボン調整板66の後面に取り付けられる。リボン調整板66は、横方向に延びる平坦部661と、平坦部661が下端で折り曲げられることで形成される溝部662と、を有する。平坦部661には、3箇所の孔663が形成されている。アンテナケース32のリボン調整板66に対する取り付けは、アンテナケース32の3箇所の係合爪322cがそれぞれ3箇所の孔663に係合し、かつアンテナケース32のケース本体321の一部が溝部662に係合することで行われる(図10B参照)。
【0061】
図10Bは、RFIDアンテナ311が設置された状態において、RFIDアンテナ311の近傍のプリンタ1の断面を示している。
図10Bに示すように、RFIDアンテナ311は、サーマルヘッド18の発熱部18Lよりも連続紙CPの搬送経路の下流側であって、かつ搬送される連続紙CPのラベル印字面側に配置される。
RFIDアンテナ311が連続紙CPのラベル印字面側に配置されている理由は、以下のとおりである。ラベルPLを金属等の導電性材料に貼付する際に、インレイILに対する電磁波がキャンセルされる現象を防止するため、インレイILに対して粘着剤層の側に金属シートを設けることがある。この場合、ラベルPLは、基材の上面側にインレイIL、サーマル層の順に積層され、基材の下面側に金属シート(例えばアルミニウムシート)、粘着剤層の順に積層されるように構成されている。そのため、RFIDアンテナ311から放射される電磁波によるインレイILとの通信が可能となるように、RFIDアンテナ311が連続紙CPのラベル印字面側に配置されている。
【0062】
次に、図11を参照して、RFIDアンテナ311とリーダライタ91の好ましい接続方法について説明する。図11は、図2と同様に内部が見える状態のプリンタ1の一部の側面図である。RFIDアンテナ311及びリーダライタ91は実際には側面から見えないが、説明のために見える状態で示してある。図11では、RFIDアンテナ311とリーダライタ91を、中継基板を介して接続する場合の配線経路を示している。
前述したように、RFIDアンテナ311はリボン調整板66に隣接して配置され、リーダライタ91はラベル支持機構部70に内蔵されているため、RFIDアンテナ311とリーダライタ91を配線で電気的に接続する必要がある。RFIDアンテナ311とリーダライタ91を単一の配線で直接的に接続してもよいが、中継基板を介して両者を接続することで作業性が向上する。
図11に示すように、中継基板24が印字ヘッドユニット13の支持板171に固定されている。配線312の一端がRFIDアンテナ311に接続され、他端に取り付けられたコネクタ312cが中継基板24のコネクタ(図示せず)に接続される。配線912の一端がリーダライタ91に接続され、他端に取り付けられたコネクタ912cが中継基板24のコネクタ(図示せず)に接続される。中継基板24には、配線312と配線912を電気的に接続する配線が実装されている。この構成では、RFIDアンテナ311とリーダライタ91の間を結線する場合、中継基板24においてコネクタ312cとコネクタ912cを挿し込む作業となるため、RFIDアンテナ311とリーダライタ91を1本の配線で接続する場合と比較して作業性が向上する。
【0063】
次に、プリンタ1の電気的構成について図12のブロック図を参照して説明する。
図12に示すように、プリンタ1の制御部8は、CPU81、ROM82、RAM83、入力インタフェース(I/F)84、表示制御部85、モータコントローラ86、ヘッドコントローラ87、センサインタフェース(I/F)88、及び、リーダライタインタフェース(I/F)89、通信バス90を備える。図示しないが、プリンタ1の制御部8を構成する制御ユニットがプリンタ1に内蔵されている。
【0064】
CPU81は、ROM82に格納されているファームウェアをRAM83にロードして実行し、プリンタ1の各種の機能を実現する。
ファームウェアは、ラベル位置検出センサ74、及びラベル有無検出センサ64の各センサの出力信号に基づいて、連続紙CPの搬送を制御する。ファームウェアはまた、リーダライタ91がインレイILから読み取ったデータを記録し、リーダライタ91が各ラベルのインレイILに書き込むべきデータを、リーダライタインタフェース89を介してリーダライタ91に送信する。
入力インタフェース84は、入力ボタン3に対する操作入力を受け付け、CPU81に送信するインタフェースである。表示制御部85は、CPU81から受信する表示データを基に表示パネル4に画像を表示させる。
モータコントローラ86は、ファームウェアから送られる制御信号に基づいてモータ9を駆動する駆動回路を含む。制御信号には、例えば連続紙CPの搬送量に関する情報が含まれる。
ヘッドコントローラ87は、イメージバッファを含み、ファームウェアから送られる制御信号(例えばストローブ信号等)を基に、印字データに応じてサーマルヘッド18の発熱部18Lに含まれる複数の発熱体に選択的に電流が流れるように制御する。
センサインタフェース88は、ラベル位置検出センサ74、及びラベル有無検出センサ64の各センサの出力信号を受信し、デジタル値に変換してCPU81に送信する。
リーダライタインタフェース89は、制御部8とリーダライタ91との間のインタフェースであり、ファームウェアからの読み書きのための指示信号をリーダライタ91に送信する。リーダライタインタフェース89は、リーダライタ91から読み取りデータを受信するとともに、インレイILに書き込むべきデータをリーダライタ91に送信する。
【0065】
次に、プリンタ1によるラベルPLの発行の際のラベル搬送方法の例について、図13図15を参照して説明する。図13図15の各々では、連続紙(1枚目のラベルPL#1,2枚目のラベルPL#2,…を含む。)の時系列に沿った各状態において、印字ヘッドの発熱部18Lの位置(発熱体位置)、ラベル位置検出センサ74の検出位置、及び、RFIDアンテナ311の位置関係を示している。
前述したように、RFIDアンテナ311は、サーマルヘッド18の発熱部18Lよりも連続紙CPの搬送経路の下流側に配置される。そのため、複数枚のラベルPLを順に発行する場合に、図13図15のいずれかに記載されたラベル搬送方法により1枚目のラベルPLが無駄になることを防止できる。
【0066】
(I)ラベル搬送方法の第1例(図13
図13を参照すると、第1例では、連続紙の各ラベルを発行する場合、プリンタ1は、1枚目のラベルPL#1の印字開始位置を発熱体位置に位置する状態で待機させ(状態ST11)、各ラベルを発行する際には、各ラベルのインレイに対してデータの書き込みを行ってから印字を行う。
この状態で、プリンタ1は、図示しないホストコンピュータから印字データを受信し、ラベルの発行を開始する。先ず、プリンタ1は、1枚目のラベルPL#1を、RFIDアンテナ311を介して1枚目のラベルPL#1のインレイILとの通信を行う通信位置まで順方向Fに(下流側に)搬送する(状態ST12)。発熱体位置とRFIDアンテナ311の基準位置(例えば、RFIDアンテナ311の搬送方向の中央位置)の距離が既知であるため、状態ST11から状態ST12までの搬送量(「最適オフセット量」という。)は、インレイILに対するデータの読み書きが最適となるように予め定められている。
状態ST12において1枚目のラベルPL#1のインレイILに対してデータの書き込みを行った後、連続紙CPを逆方向に(上流側に)搬送し、状態ST11と同様に1枚目のラベルPL#1の印字開始位置が発熱体位置に位置する状態とした後(状態ST13)、1枚目のラベルPL#1に対して印字を行う(状態ST14)。
2枚目のラベルPL#2以降の各ラベルの発行についても1枚目と同様である。なお、各ラベルの印字開始位置を発熱体位置に位置させる場合、ラベル位置検出センサ74が各ラベルの端部を検出し、ラベル位置検出センサ74の位置から発熱体位置までの距離に応じた所定量、連続紙CPを搬送させる。
【0067】
ラベル搬送方法の第1例によれば、1枚目のラベルPL#1のインレイILにデータの書き込みを行う際に待機位置(状態ST11の位置)から順方向に搬送させるため、1枚目のラベルPL#1を発熱体位置から脱落させることなく発行することが可能である。そのため、1枚目のラベルPL#1を無駄にすることがない。ラベル搬送方法の第1例では、インレイILとの通信の後に印字開始位置からラベルPLの全領域の印字を行うため、良好な印字品質が得られる。
【0068】
(II)ラベル搬送方法の第2例(図14
図14を参照すると、第2例では、連続紙の各ラベルを発行する場合、プリンタ1は、1枚目のラベルPL#1を通信位置(つまり、RFIDアンテナ311と1枚目のラベルPL#1のインレイILが通信を行う位置)で待機させる。(状態ST21)。プリンタ1は、各ラベルを発行する際には、各ラベルのインレイに対してデータの書き込みを行ってから印字を行う。
状態ST21においてプリンタ1は、図示しないホストコンピュータから印字データを受信し、ラベルの発行を開始する。先ず、プリンタ1は、状態ST21において1枚目のラベルPL#1のインレイILに対してデータの書き込みを行った後、連続紙CPを逆方向に(上流側に)搬送し、1枚目のラベルPL#1の印字開始位置が発熱体位置に位置する状態とした後(状態ST22)、1枚目のラベルPL#1を順方向Fに搬送させながら印字を行う(状態ST23)。その後、プリンタ1は、さらに連続紙CPを順方向Fに搬送させて、2枚目のラベルPL#2を通信位置で待機させる。
2枚目のラベルPL#2以降の各ラベルの発行についても1枚目と同様である。
なお、各ラベルを通信位置に位置させる場合、ラベル位置検出センサ74が各ラベルの端部を検出し、ラベル位置検出センサ74の位置から既知の通信位置までの距離に応じた所定量、連続紙CPを搬送させる。
【0069】
ラベル搬送方法の第2例によれば、1枚目のラベルPL#1のインレイILにデータの書き込みを行う際に待機位置から搬送させる必要がなく、印字のために逆搬送させた場合も連続紙CPが発熱体位置から脱落することがない。そのため、1枚目のラベルPL#1を発行することが可能であり、1枚目のラベルPL#1を無駄にすることがない。ラベル搬送方法の第2例では、インレイILとの通信の後に印字開始位置からラベルPLの全領域の印字を行うため、良好な印字品質が得られる。
【0070】
(III)ラベル搬送方法の第3例(図15
図15を参照すると、第3例では、連続紙の各ラベルを発行する場合、プリンタ1は第1例と同様に、1枚目のラベルPL#1を印字開始位置が発熱体位置に位置する状態で待機させる(状態ST31)。第3例では、各ラベルを発行する際に、途中まで印字を行った後にインレイに対するデータの書き込みを行い、さらに残りの印字を行う。すなわち、1枚目のラベルPL#1を発行する場合、プリンタ1は、状態ST31から連続紙CPを順方向Fに(下流側に)搬送しながら1枚目のラベルPL#1の印字を途中まで行う。プリンタ1は、1枚目のラベルPL#1が通信位置にある状態で連続紙CPの搬送を停止させ(状態ST32)、1枚目のラベルPL#1のインレイILに対してデータの書き込みを行う。次いでプリンタ1は、連続紙CPをさらに順方向Fに搬送させながら1枚目のラベルPL#1の残りの印字を行う(状態ST33)。
2枚目のラベルPL#2以降の各ラベルの発行についても1枚目と同様である。なお、各ラベルの印字開始位置を発熱体位置に位置させる場合、ラベル位置検出センサ74が各ラベルの端部を検出し、ラベル位置検出センサ74の位置から発熱体位置までの距離に応じた所定量、連続紙CPを搬送させる。1枚目のラベルPL#1の印字が完了した後、連続紙CPの搬送を停止させることなく2枚目のラベルPL#2の印字を開始してもよい。
【0071】
ラベル搬送方法の第3例によれば、1枚目のラベルPL#1のインレイILにデータの書き込みを行う際に待機位置から順方向に搬送させるのみでよいため、1枚目のラベルPL#1を発熱体位置から脱落させることなく発行することが可能である。そのため、1枚目のラベルPL#1を無駄にすることがない。ラベル搬送方法の第3例では、リーダライタがインレイILと通信を行った後にラベルPLを逆方向に搬送させる必要がないため、スループットが向上する。
ラベル搬送方法の第3例では、状態ST32において連続紙CPの搬送を停止してもよいし、停止しなくてもよい。インレイに対するデータの書き込みに要する時間は短時間であるため、通信位置の前後において連続紙CPを搬送させながらインレイに対するデータの書き込みを行うことができる。状態ST32において連続紙CPの搬送を停止させることで、通信位置においてリーダライタがRFIDインレイと安定的に通信を行うことができるという利点がある。
【0072】
ラベル搬送方法の第1例から第3例を参照して説明したように、制御部8は、ラベルPLの印字開始位置から搬送方向に、上記最適オフセット量搬送させた通信位置においてリーダライタ91によりラベルPLのインレイILと通信を行うように制御する。
上記ラベル搬送方法の各例では、ラベルのインレイに対する書き込みを行う場合について説明したが、書き込みを行うタイミングの前後でラベルのインレイに対するデータの読み出しを行ってもよい。
【0073】
以上説明したように、上述したプリンタ1では、サーマルヘッド18の発熱部18Lよりも連続紙CPの搬送経路の下流側にRFIDアンテナ311が配置されている。そのため、1枚目のラベルのインレイに対してデータの書き込みを行う際に1枚目のラベルの先端側が印字ヘッドの発熱体位置から脱落することがない。すなわち、サーマルヘッド18の発熱体位置よりも下流側にRFIDアンテナ311が配置されているため、1枚目のラベルのインレイに対してデータの書き込みを行う際に連続紙CPを逆方向に搬送させる必要がなく、1枚目のラベルが発熱体位置から脱落することが避けられる。そのため、1枚目のラベルを無駄なく発行させることができる。
【0074】
図10では、RFIDアンテナがリボン調整板に配置される例を示したが、RFIDアンテナは他の場所に配置することもできる。以下では、図10で示した位置とは異なる位置にRFIDアンテナが配置されたプリンタ1の変形例について、図16図21を参照して説明する。
【0075】
(I)第1の変形例
図16は、第1の変形例に係るプリンタにおいて、ヘッド保持部36Aに配置されたRFIDアンテナ311Aを示す図である。
ヘッド保持部36Aは、図6に示したヘッド保持部36と比較して、前端において、両側にある側壁362を連結する連結部材365が設けられている点が異なる。この変形例では、連結部材365の前面に、RFIDアンテナ311Aが取り付けられている。なお、連結部材365の後面にRFIDアンテナを配置してもよい。
【0076】
(II)第2の変形例
図17は、第2の変形例に係るプリンタにおいて、サーマルヘッド18の先端部に配置されたRFIDアンテナ311Bを示す図である。
この変形例では、サーマルヘッド18のヒートシンク181の前面にRFIDアンテナ311Bが取り付けられている。
【0077】
(III)第3の変形例
図18Aは、第3の変形例に係るプリンタにおけるサーマルヘッドの側面図であり、当該サーマルヘッドの底面部に配置されたRFIDアンテナ311Cを示している。
この変形例では、サーマルヘッドのヒートシンク181Cが、図7に示したヒートシンク181と比較して前方に延設されている。すなわち、ヒートシンク181Cの前端面181Cfは、ヒートシンク181の前端面181f(仮想線で示す)よりも前方にある。RFIDアンテナ311Cは、ヒートシンク181Cの底面において、発熱部18Lよりも前方に取り付けられている。
【0078】
(IV)第4の変形例
図18Bは、第4の変形例に係るプリンタにおいてサーマルヘッドに設けられた開口部181hに配置されたRFIDアンテナ311Dを示す図である。
この変形例に係るプリンタのサーマルヘッドのヒートシンク181Dは、図7に示したヒートシンク181と比較して、前方に開口部181hが形成されている点で異なる。開口部181hは、発熱部18Lよりも前方に形成され、開口部181h内にRFIDアンテナ311Dが配置される。
【0079】
(V)第5の変形例
図19Aは、第5の変形例に係るプリンタにおいてヘッド付属部材38Eに配置されたRFIDアンテナ311Eを示す図である。図19Bは、図19Aに示すヘッド付属部材38Eがプリンタに搭載された場合において、ヘッド付属部材38Eの前方部分を側面から見た図である。
この変形例において、ヘッド付属部材38Eは、図7に示したヘッド付属部材38と比較して、中央板の前端の位置が異なる。すなわち、ヘッド付属部材38Eの中央板381Eの前端381Efは、ヘッド付属部材38の中央板381の前端381f(仮想線で示す)よりも前方にある。RFIDアンテナ311Eは、中央板381Eの底面において前端381Ef近くに配置される。図19Bに示すように、RFIDアンテナ311Eは、サーマルヘッド18の発熱部18Lよりも前方に配置される。
【0080】
(VI)第6の変形例
図20は、第6の変形例に係るプリンタにおいて、ラベル有無検出センサ64に近い位置に配置されたRFIDアンテナ311Fを示す図である。
第6の変形例に係るプリンタでは、ラベル有無検出センサ64の収容部を-X方向に延長した部材64Exが設けられる。部材64Exの底面に、RFIDアンテナ311Fが取り付けられる(矢視Bの図を参照)。部材64Exの横方向の長さは問わないが、RFIDアンテナ311Fが配置できる長さを確保すればよい。
【0081】
(VII)第7の変形例
図21Aは、第7の変形例に係るプリンタの斜視図である。図21Bは、図21Aのプリンタにおいて発行口5A付近の断面図であり、カッタ45の近傍、あるいはカッタ45よりも下流側に配置されたRFIDアンテナを示す図である。
図21Bに示すように、第7の変形例に係るプリンタには、ラベルの発行口5A近くにカッタ45が配置されている点でプリンタ1とは異なる。カッタ45は、プリンタの筐体の壁部25に固定された固定刃451と、上下方向に移動可能な可動刃452と、を有する。このとき、連続紙CPは、サーマルヘッド18の下流側において搬送口45Sを通過し、発行口5Aから排出される。発行口5Aは、搬送される連続紙CPよりも上側(印字面側)に設けられる上側部材51と、搬送される連続紙CPよりも下側に設けられる下側部材52と、によって形成されている。
この変形例のプリンタにおいて、固定刃451に隣接する壁部25に(つまり、カッタ45の近傍に)、RFIDアンテナ311G、又はRFIDアンテナ311Hを配置してもよい。RFIDアンテナ311Gは、壁部25の連続紙CPと対向する面に配置される。RFIDアンテナ311Hは、壁部25のサーマルヘッド18と対向する面に配置される。
この変形例のプリンタにおいて、カッタ45よりも下流側において上側部材51にRFIDアンテナ311Jを配置してもよい。
【0082】
第1から第7のいずれの変形例に係るプリンタにおいても、RFIDアンテナは、サーマルヘッド18の発熱部18Lよりも連続紙CPの搬送経路の下流側であって、かつ搬送される連続紙CPのラベル印字面側に配置される。そのため、各変形例においてもRFIDアンテナがリボン調整板に配置される場合と同様に、1枚目のラベルを無駄なく発行させるという効果が発揮される。
【0083】
第1の変形例によれば、印字ヘッドの発熱部よりも無線アンテナを下流側に正確に位置決めできるという利点がある。
第2~第5の変形例によれば、RFIDアンテナをサーマルヘッド18と一体化させることができ、サーマルヘッド18の発熱部18LよりもRFIDアンテナを下流側に正確に位置決めできるという利点がある。
第6及び第7の変形例によれば、RFIDアンテナがサーマルヘッド18と別個に配置されているため、サーマルヘッド18を交換する場合にRFIDアンテナを取り外す必要がないという利点がある。
【0084】
以上、本発明のプリンタの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…プリンタ
2…フロントカバー
3…入力ボタン
4…表示パネル
5,5A…発行口
51…上側部材、52…下側部材
6…オープンカバー
7…ヒンジ
8…制御部
81…CPU、82…ROM、83…RAM、84…入力インタフェース、85…表示制御部、86…モータコントローラ、87…ヘッドコントローラ、88…センサインタフェース、89…リーダライタインタフェース、90…通信バス
9…モータ
10…用紙供給部
10a…支持軸、10b…ロールガイド
11…印字部
12…インクリボン部
12a…リボン供給部、12b…リボン巻き取り部、121,122…リボンローラ
13…印字ヘッドユニット
14…支持台
15…ダンパ
16…ヘッドロックレバー
17,171…支持板
18A…ヘッド組立体
18…サーマルヘッド、18L…発熱部、181…ヒートシンク、181a…ねじ穴、181f…先端部、181h…開口部、183…基板、184…コネクタ
19…係合爪
20…ピン
22…ロック爪
23…プラテンローラ
24…中継基板
25…壁部
31…アンテナ組立体
311…RFIDアンテナ、312…配線、312c…コネクタ、313…組付け用部材
32…アンテナケース
321…ケース本体、322…突出部、322c…係合爪
35…ヘッド機構部
36…ヘッド保持部
36f,36g…孔、361…支持板、362…側壁、362a,362b…貫通孔、362c…ピン当接部、37…ピン押圧部、37a…押さえ板、37b…コイルばね、37d…孔、37f,37g…ピン、37h…ピン当接片、37i…凸部、37j…突起、30…ヘッド保持解除部
38…ヘッド付属部材
38P…ピン、381…中央板、381a,381b…孔、382…端部板、382a…切り欠き部、382b…切り欠き部、383…ねじ
39…ヘッドカバー
391…サーマルヘッド載置部、392…回路基板固定部、392a…ねじ切り部、393…ガイド突起、394…ピン、395…挿通孔、396…切り欠き部
40…揺動軸
41…回転軸
42…操作部
45…カッタ
45S…搬送口、451…固定刃、452…可動刃
64…ラベル有無検出センサ
66…リボン調整板
661…平坦部、662…溝部、663…孔、664…ねじ、665…長孔
70…ラベル支持機構部
71…ラベル支持部、73…ラベルガイド部、74…ラベル位置検出センサ
91…リーダライタ
912…配線、912c…コネクタ
CP…連続紙、PM…台紙、PL…ラベル、IL…RFIDインレイ、IM…位置検出マーク、RB…インクリボン、R…ロール紙
S1…揺動軸
図1
図2
図3
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図5
図6
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