(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002200
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】風呂給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20241226BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20241226BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20241226BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/20 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/315 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/325 20220101ALI20241226BHJP
【FI】
F24H15/196 301L
F24H1/14 C
F24H1/00 A
F24H1/18 H
F24H15/20
F24H15/315
F24H15/325
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102210
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】五島 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】弘中 睦己
(72)【発明者】
【氏名】公門 直人
【テーマコード(参考)】
3L024
3L034
3L122
【Fターム(参考)】
3L024CC03
3L024DD35
3L024HH13
3L024HH14
3L024HH38
3L034BA25
3L034BB02
3L034BB06
3L122AA02
3L122AA13
3L122AA34
3L122AA43
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA75
3L122AB24
3L122AB60
3L122BA02
3L122BA14
3L122BB03
3L122BB12
3L122BB13
3L122BB14
3L122DA13
3L122FA02
(57)【要約】
【課題】給水通路に補助加熱手段を設けた場合でも、追焚循環通路を機能水で消毒する際には補助加熱手段から非加熱の上水を供給可能にすることである。
【解決手段】 風呂給湯装置(1)において、注湯通路(3)の分岐部から分岐して分岐部よりも下流側に合流するバイパス通路(9)にオゾン水等の機能水を生成する機能水生成装置(18)が設けられ、分岐部には流路切換弁が設けられて注湯通路(3)とバイパス通路(9)を選択可能に構成され、給湯加熱手段に供給水を供給するための給水通路(20)には補助加熱手段(30)が設けられており、通常の給湯運転および注湯運転では補助加熱手段(30)から予め設定温度に調整された高温水が給水通路(20)に供給され、機能水生成装置(18)を駆動して機能水を追焚循環通路(4)に供給する運転においては補助加熱手段(30)から非加熱の上水を給水通路(20)に供給する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯加熱手段で供給水を加熱して給湯栓等に給湯するための給湯通路と、浴槽に接続されて浴槽水を循環・加熱するように構成された追焚循環通路と、前記追焚循環通路に前記浴槽水を循環させるための循環ポンプと、前記浴槽水を加熱するための追焚加熱手段と、前記給湯通路から分岐して前記追焚循環通路に給湯水を供給するための注湯通路と、この注湯通路に設けられて給湯水の供給・遮断を行うための開閉弁と、給湯水の流量調整手段および流量検知手段とを備えた風呂給湯装置であって、前記注湯通路から分岐されてその分岐部よりも下流側で注湯通路に接続されたバイパス通路を備え、前記バイパス通路には前記追焚循環通路の配管内を洗浄・殺菌するための機能水を生成する機能水生成装置が介装されており、前記分岐部には流路切換弁が設けられて前記注湯通路と前記バイパス通路の何れか一方を選択可能に構成された風呂給湯装置において、
前記給湯加熱手段に前記供給水を供給するための給水通路には補助加熱手段が設けられており、通常の給湯運転および注湯運転では前記補助加熱手段から予め設定温度に調整された高温水が前記給水通路に供給され、前記機能水生成装置を駆動して機能水を前記追焚循環通路に供給する配管洗浄運転においては前記補助加熱手段から非加熱の上水を前記給水通路に供給することを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項2】
前記機能水生成装置を駆動して機能水を前記追焚循環通路に供給する配管洗浄運転の前には、前記追焚循環通路に高温水を供給する熱洗浄運転が行われ、
前記熱洗浄運転では、前記補助加熱手段から供給された非加熱の上水を前記給湯加熱手段で加熱し、前記熱洗浄運転が終了すると前記給湯加熱手段をバイパスするように設けられた給湯バイパス通路を通して非加熱の上水を前記注湯通路に流通させて前記機能水生成装置を駆動することを特徴とする請求項1に記載の風呂給湯装置。
【請求項3】
前記補助加熱手段は、貯湯槽と、上水配管と、給湯配管と、前記上水配管から分岐して前記貯湯槽をバイパスして前記給湯配管に接続された貯湯バイパス配管とを有する貯湯給湯システムであり、前記貯湯槽に貯留した高温水と前記貯湯バイパス配管からの低温の上水を混合して設定温度に調整してを供給するか或いは前記貯湯バイパス配管から低温の上水のみを供給することを選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の風呂給湯装置。
【請求項4】
前記機能水生成装置は、オゾン水を生成するオゾン水生成装置であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の風呂給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風呂給湯装置に関し、特に注湯通路にオゾン水等の機能水を生成する機能水生成装置を設けた風呂給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽に接続されて浴槽に給湯したり、浴槽水を追焚きしたりする風呂給湯装置は広く実用に供されており、風呂給湯装置は、浴槽水を循環・加熱するように構成された追焚循環通路と、この追焚循環通路に浴槽水を循環させるための循環ポンプと、浴槽水を加熱するための加熱手段と、追焚循環通路に給湯水を供給するための注湯通路と、この注湯通路に備えられて給湯水の供給・遮断を行うための開閉弁と、給湯水の流量を調整する流量調整手段および流量検知手段とを備えている。
【0003】
浴槽水を追い焚きする追焚循環通路を殺菌するために、注湯通路に機能水生成装置を介装して追焚循環通路にオゾン水等の機能水を供給する技術が公知である。オゾンは水温が高い程水に溶解しにくくなるため、追焚循環通路をオゾン水で殺菌する際には、追焚循環通路に非加熱の水を供給した状態でオゾン水を生成し追焚循環通路に供給する必要がある。
【0004】
特許文献1に記載の給湯システムでは、追焚機能を有する風呂給湯装置において、浴槽の排水後に追焚循環通路を含む配管内を洗浄する配管洗浄運転を行う給湯システムが開示されている。この配管洗浄運転における洗浄水の供給量と温度は、少なくとも入浴人数と入浴時の湯温に基づいて算出する。
【0005】
特許文献2に記載のふろ給湯システムでは、浴槽の湯張りを行う管路に銀イオン発生装置を設け、配管洗浄の際には、一定量の新たな湯または水を追焚循環通路に供給しながら、銀イオン発生装置から銀イオンを供給して配管洗浄を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-183882号公報
【特許文献2】特許第4951495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
風呂給湯装置の給水系には、温水を供給する太陽熱温水器等からなる補助加熱装置が接続されている場合がある。このような場合、給水系には補助加熱装置からの温水が優先的に供給され、給水系の配管内が温水で満たされることになる。
【0008】
この状態で、注湯通路にオゾン水を生成すると、十分な濃度のオゾン水を生成できない虞があるため、配管内の湯水が低温の上水に置き換わるまで温水パージ運転を行ない、その後オゾン水を生成しなければならないため、上水の消費量が増し、経済性に欠ける。
【0009】
本発明の目的は、給水通路に補助加熱手段を設けた場合でも、追焚循環通路を機能水で殺菌する際には補助加熱手段から非加熱の上水を供給可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の風呂給湯装置は、 給湯加熱手段で供給水を加熱して給湯栓等に給湯するための給湯通路と、浴槽に接続されて浴槽水を循環・加熱するように構成された追焚循環通路と、前記追焚循環通路に前記浴槽水を循環させるための循環ポンプと、前記浴槽水を加熱するための追焚加熱手段と、前記給湯通路から分岐して前記追焚循環通路に給湯水を供給するための注湯通路と、この注湯通路に設けられて給湯水の供給・遮断を行うための開閉弁と、給湯水の流量調整手段および流量検知手段とを備えた風呂給湯装置であって、前記注湯通路から分岐されてその分岐部よりも下流側で注湯通路に接続されたバイパス通路を備え、前記バイパス通路には前記追焚循環通路の配管内を洗浄・殺菌するための機能水を生成する機能水生成装置が介装されており、前記分岐部には流路切換弁が設けられて前記注湯通路と前記バイパス通路の何れか一方を選択可能に構成された風呂給湯装置において、 前記給湯加熱手段に前記供給水を供給するための給水通路には補助加熱手段が設けられており、通常の給湯運転および注湯運転では前記補助加熱手段から予め設定温度に調整された高温水が前記給水通路に供給され、前記機能水生成装置を駆動して機能水を前記追焚循環通路に供給する配管洗浄運転においては前記補助加熱手段から非加熱の上水を前記給水通路に供給することを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、給湯加熱手段に供給水を供給するための給水通路には補助加熱手段が設けられ、通常の給湯運転および注湯運転では補助加熱手段から予め設定温度に調整された高温水が給水通路に供給されるため、給湯加熱手段による加熱負荷を少なくことができる。また、機能水生成装置を駆動して機能水を追焚循環通路に供給する運転においては補助加熱手段から非加熱の上水を給水通路と注湯通路に供給するため、機能水生成装置による機能水の生成に支障を来すことがない。
【0012】
請求項2の風呂給湯装置は、請求項1の発明において、前記機能水生成装置を駆動して機能水を前記追焚循環通路に供給する配管洗浄運転の前には、前記追焚循環通路に高温水を供給する熱洗浄運転が行われ、前記熱洗浄運転では、前記補助加熱手段から供給された非加熱の上水を前記給湯加熱手段で加熱し、前記熱洗浄運転が終了すると前記給湯加熱手段をバイパスするように設けられた給湯バイパス通路を通して非加熱の上水を前記注湯通路に流通させて前記機能水生成装置を駆動することを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、機能水を追焚循環通路に供給する運転の前には、追焚循環通路に補助加熱手段から供給された非加熱の上水を給湯加熱手段で加熱した高温水を供給する熱洗浄運転が行われるため、追焚循環通路の内面に付着している油脂を熱洗浄により洗浄することができる。特に、給湯加熱手段で十分に加熱した高温水を用いて洗浄できる。
熱洗浄運転が終了すると給湯加熱手段をバイパスするように設けられた給湯バイパス通路を通して非加熱の上水を注湯通路に流通させて機能水生成装置を駆動する。そのため、機能水生成装置による機能水の生成に支障を来すことがない。
【0014】
請求項3の風呂給湯装置は、請求項1の発明において、前記補助加熱手段は、貯湯槽と、上水配管と、給湯配管と、前記上水配管から分岐して前記貯湯槽をバイパスして前記給湯配管に接続された貯湯バイパス配管とを有する貯湯給湯システムであり、前記貯湯槽に貯留した高温水と前記貯湯バイパス配管からの低温の上水を混合して設定温度に調整して供給するか或いは前記貯湯バイパス配管から低温の上水のみを供給することを選択可能であることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、補助加熱手段では、貯湯槽に貯留した高温水と前記貯湯バイパス配管からの低温の上水を混合して設定温度に調整して供給するか或いは前記貯湯バイパス配管から低温の上水のみを供給することを選択可能である。そのため、高温水を供給と上水の供給を適宜選択可能であるため、風呂給湯装置の使い勝手を高めることができる。
【0016】
請求項4の風呂給湯装置は、請求項1~3の何れか1項の発明において、前記機能水生成装置は、オゾン水を生成するオゾン水生成装置であることを特徴としている。
上記の構成によれば、機能水生成装置がオゾン水生成装置であるため、追焚循環通路をオゾン水で殺菌することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以上説明したように種々の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】補助加熱手段(貯湯給湯システム)の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
最初に、風呂給湯装置1について説明する。
図1に示すように、風呂給湯装置1は、上水又は湯水を加熱する加熱部11と、加熱部11に給水口1aから上水を供給する給水通路20を有し、加熱部11で加熱した湯水を給湯通路2に供給する。また、風呂給湯装置1は、給水通路20に配設された分配弁21から加熱部11をバイパスするように分岐されて給湯通路2に接続された給湯バイパス通路23を有し、給湯通路2の湯水に上水を混合可能である。
【0020】
加熱部11は、燃料供給部14からバーナ13に供給される燃料ガスを、燃焼ファン12から供給される空気を使用して燃焼させ、この燃焼熱を利用して熱交換部16a,16bで給水通路20から供給される上水を加熱して給湯通路2に供給する。熱交換部16aは2次熱交換器であり、熱交換部16bは1次熱交換器である。加熱部11側と給湯バイパス通路23側に上水を分配する分配弁21の分配比調整によって、例えば台所リモコンから設定された給湯目標温度に調整された湯水が、給湯通路2を介して例えば給湯栓に供給される。
【0021】
また、風呂給湯装置1は、浴槽4c(
図2参照)の湯水の追焚のために、追焚循環通路4と、加熱部11に設けられた追焚バーナ15と追焚熱交換部17a,17bを有する。熱交換部17aは2次熱交換器であり、熱交換部17bは1次熱交換器である。追焚循環通路4に配設された循環ポンプ5の駆動によって浴槽4cと追焚熱交換部17a,17bの間を循環する湯水は、燃料供給部14から追焚きバーナ15に供給される燃料ガスの燃焼熱を利用して熱交換部17a,17bで加熱される。2次熱交換器16a,17aで発生したドレンはドレン通路6a,6bにより排出されるが、ドレン通路6a,6bの途中部には、中和器7が介装されている。
【0022】
追焚循環通路4は、風呂戻り通路4aと、風呂往き通路4bを有する。風呂戻り通路4aには、給湯通路2から分岐された注湯通路3が接続されている。注湯通路3には、流量調整弁24と、注湯流量センサ25と、注湯電磁弁26が介装されている。加熱部11の熱交換部16a,16bで加熱された湯水は、注湯通路3と追焚循環通路4を介して浴槽4cに湯張り可能である。
【0023】
風呂給湯装置1は、追焚循環通路4と、循環ポンプ5と、加熱手段11と、注湯通路3と、給湯水の供給、遮断を行うための注湯電磁弁26と、流量調整弁24と、注湯流量センサ25と、後述するオゾン水生成装置18(機能水生成装置)等を有する。
【0024】
風呂給湯装置1は例えば給湯目標温度の湯水を供給する給湯運転、浴槽4cの湯張り運転及び追焚運転を制御する給湯制御部10を有する。また、給水通路20の分配弁21よりも下流側には給水流量センサ22が配設されている。給湯制御部10は、例えば給湯栓が開けられて給湯通路2の湯水が流動すると共に給水通路20から熱交換部16a,16bに上水が供給されることにより、給水流量センサ22が所定の加熱開始流量以上の流量を検知すると、バーナ13に点火して燃焼を開始させる。
【0025】
風呂給湯装置1は、例えば給湯栓を開けてからバーナ13に点火して燃焼を開始するまで、ある程度の遅延時間を要する。この遅延時間は、一般的には1秒程度であるが、例えば風呂給湯装置1の設置環境等によって1秒よりも長い場合がある。一方、給湯栓が閉止されて給水流量センサ22の検知流量が所定の加熱停止流量以下になると、給湯制御部10はバーナ13での燃焼を停止させる。
【0026】
注湯通路3には、その途中の分岐部から分岐してこの分岐部よりも下流側で注湯通路3に接続されるバイパス通路9が設けられ、その分岐部には流路切換弁8が介装され、バイパス通路9には機能水生成装置であるオゾン水生成装置18が介装されている。このオゾン水生成装置18は、水を電気分解するときに発生するオゾンをバイパス通路30の給湯水に溶解させる。
【0027】
流路切換弁8は、風呂給湯装置1が通常の運転状態のときには注湯通路3を連通させる位置に切換えられ、通常の運転状態でなく、追焚循環通路4を殺菌するメンテナンス運転のときに、オゾン水生成装置18により発生させたオゾン水を追焚循環通路4に供給して配管内を殺菌する場合には、バイパス通路9を選択するように切換えられる。そのため、このバイパス通路9よりも下流側の注湯通路3と、追焚循環通路4がオゾン水で殺菌される。
【0028】
次に、貯湯給湯システム30(補助加熱手段に相当する)について、
図2に基づいて説明する。この貯湯給湯システム30は、風呂給湯装置1の給水口1aと給水通路20に接続するように設けられている。
貯湯給湯システム30は、貯湯槽33を備えた貯湯ユニット31と、ヒートポンプユニット32とを有する。この貯湯給湯システム30は、ヒートポンプユニット32で目標貯湯温度に加熱された湯水を貯湯槽33に貯湯する貯湯運転を行う。
【0029】
次に、貯湯ユニット31について説明する。
貯湯槽33の下部には、ヒートポンプユニット32に貯湯槽33の湯水を供給するために、ポンプ34を備えたHP往き配管35aが接続されている。貯湯槽33の上部には、ヒートポンプユニット32で加熱された湯水を貯湯槽33に貯湯するためのHP戻り配管35bが接続されている。HP戻り配管35bの途中には、湯水の流路を切り替える切換弁36が配設され、この切換弁36においてHP戻り配管35bから分岐された戻り分岐配管37が、HP往き配管35aのポンプ34よりも上流部分に接続されている。
【0030】
HP戻り配管35bの切換弁36よりも上流側には、ヒートポンプユニット32で加熱された湯水の温度を検知する戻り温度センサ38が配設されている。例えば貯湯運転の開始直後は、ヒートポンプユニット32で十分に加熱することができないので、切換弁36を貯湯槽33側から戻り分岐配管37側に切り替えて、十分に加熱できるようになるまで貯湯槽33に湯水を戻さずに循環させることができる。
【0031】
貯湯槽33の底部には、矢印CWで示すように上水を給水口31aから供給する上水配管39が接続されている。貯湯槽33の頂部には、貯湯槽31から貯湯槽33の湯水を供給するための給湯配管40が接続されている。貯湯槽33の底部には、上水配管39から分岐した給水配管39bが接続されている。
【0032】
給湯配管40の途中には、混合弁41が配設されている。この混合弁41には、上水配管39の途中から分岐し貯湯槽33をバイパスする貯湯バイパス配管39aが接続されている。そして、貯湯槽33からの湯水と貯湯バイパス配管39aからの上水とが混合弁41で混合されて、貯湯ユニット31から出湯される。また、貯湯バイパス配管39aと給湯配管40を接続する高温出湯防止配管42と、この高温出湯防止配管42に介装された高温出湯防止弁43も設けられている。
【0033】
混合弁41により貯湯バイパス配管39a側を開放状態にして、上水配管39から供給される非加熱の上水を給水口1aへ供給することができる。
貯湯槽33には、複数の貯湯温度センサ33a~33dが高さ方向に所定の間隔を空けて配設されており、貯湯槽33に貯湯された湯水の温度とその温度の湯水の貯湯量を検知することができる。そして、貯湯された湯水の降温を防ぐため、これら貯湯温度センサ33a~33dと貯湯タンク33を覆うように図示外の保温材が配設されている。
【0034】
上水配管39には、上水の温度(給水温度)を検知する上水温度センサ44が配設されている。給湯配管40には、貯湯ユニット31から給湯する湯水の給湯流量を検知する給湯流量センサ45と、貯湯槽33から給湯される湯水の温度(タンク出湯温度)を検知する貯湯槽温度センサ46と、貯湯槽33からの給湯温度を検知する給湯温度センサ47が配設されている。
【0035】
貯湯ユニット31の給湯配管40と風呂給湯装置1の給水口1aとは、連結配管48によって接続されている。風呂給湯装置1の給湯口1bには、給湯栓49に接続された給湯配管50が接続されている。貯湯ユニット31から出湯された高温水又は上水は、風呂給湯装置1の給水通路20へ供給される。
【0036】
貯湯運転では、ヒートポンプユニット32とポンプ34を駆動して貯湯槽33とヒートポンプユニット32の間で湯水を循環させ、貯湯槽33の下部からヒートポンプユニット32に導入した湯水を加熱し、貯湯槽33の上部に戻して貯湯する。これにより、貯湯槽33内に、上層の目標貯湯温度の湯水と下層の加熱前の湯水からなる温度成層が形成される。貯湯ユニット31は、この貯湯運転と、混合弁41によって貯湯ユニット31から出湯する湯水の温度調整を制御する貯湯ユニット制御部10Aを有し、この貯湯ユニット制御部10Aは、給湯制御部10(
図1参照)に接続されている。
【0037】
以上説明した風呂給湯装置1の作用効果について説明する。
通常の給湯運転および注湯運転では貯湯給湯システム30から予め設定温度に調整された高温水が給水通路20に供給され、機能水生成装置18を駆動して機能水を追焚循環通路4に供給する運転においては貯湯給湯システム30から非加熱の上水を給水通路20に供給する。
【0038】
風呂給湯装置1のメンテナンス運転状態のとき、追焚循環通路4の配管内をオゾン水で殺菌する場合には、流路切換弁8をバイパス通路9側に切換え、注湯通路3に非加熱の給湯水を供給しながらオゾン水生成装置18を作動させると、流路切換弁8より下流側の注湯通路3と、風呂戻り通路4aと、風呂往き通路4bにオゾン水が供給されて、流路切換弁8より下流側の注湯通路3と追焚循環通路4の配管内を殺菌することができる。
【0039】
機能水生成装置18を駆動して機能水を追焚循環通路4に供給する運転の前には、追焚循環通路4に高温水を供給する熱洗浄運転が行われる。この熱洗浄運転では、貯湯槽33の貯湯の有無にかかわらず、貯湯給湯システム30から供給された非加熱の上水を給湯加熱手段11で加熱して熱洗浄に供する。そのため、給湯加熱手段11で十分に加熱した高温水を用いて熱洗浄することができる。
熱洗浄運転が終了すると給湯加熱手段11をバイパスするように設けられた給湯バイパス通路23を通して非加熱の上水を注湯通路3に流通させて機能水生成装置18を駆動する。
【0040】
貯湯給湯システム30は、貯湯槽33と、上水配管39と、給湯配管40と、上水配管39から分岐して貯湯槽33をバイパスして給湯配管40に接続された貯湯バイパス配管39aとを有し、貯湯槽33に貯留した高温水を供給するか或いは貯湯バイパス配管39aから上水を供給することを選択可能である。
【0041】
前記実施例は、一例に過ぎず、当業者であれば前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施することができる。例えば、低温の上水を供給する場合、貯湯バイパス配管39aと混合弁41に替えて、貯湯バイパス配管39aから分岐して給湯配管40に接続される高温出湯防止配管42に介装された高温出湯防止弁43を開放して上水を供給することも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 風呂給湯装置
2 給湯通路
3 注湯通路
4 追焚循環通路
8 流路切換弁
9 バイパス通路
11 給湯加熱手段
18 オゾン水生成装置(機能水生成装置)
20 給水通路
23 給湯バイパス通路
24 流量調整弁
25 注湯流量センサ
26 注湯電磁弁(開閉弁)
30 貯湯給湯システム(補助加熱手段)
33 貯湯槽
39 上水配管
39a 貯湯バイパス配管
40 給湯配管