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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022081
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20250206BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20250206BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
H02G3/16
H05K7/06 C
B60R16/02 610A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126321
(22)【出願日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 亮利
【テーマコード(参考)】
5G361
【Fターム(参考)】
5G361BA02
5G361BA03
5G361BB01
5G361BC01
(57)【要約】
【課題】小型の電気接続箱を実現する技術を提供する。
【解決手段】
電気接続箱は、ケースと、ケースに取り付けられているとともに、第1電子部品と接続する複数の第1バスバー端子と、ケースの表面に設けられており、第1バスバー端子の各々に接続している第1バスバーと、ケースに取り付けられているとともに、第2電子部品と接続する複数の第2バスバー端子と、ケースの表面に設けられており、第2バスバー端子の各々に接続している第2バスバーを備えている。この電気接続箱は、ケースの上方から観察したときに、第1バスバー端子間に、第2バスバー端子と第2バスバーの少なくとも一方が配置されている。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに取り付けられているとともに、第1電子部品と接続する複数の第1バスバー端子と、
前記ケースの表面に設けられており、前記第1バスバー端子の各々に接続している第1バスバーと、
前記ケースに取り付けられているとともに、第2電子部品と接続する複数の第2バスバー端子と、
前記ケースの表面に設けられており、前記第2バスバー端子の各々に接続している第2バスバーと、を備えており、
前記ケースの上方から観察したときに、前記第1バスバー端子間に、前記第2バスバー端子と前記第2バスバーの少なくとも一方が配置されている、電気接続箱。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接続箱であって、
前記第1バスバー端子は、前記ケースの表面側に設けられており、
前記第2バスバー端子は、前記ケースの裏面側に設けられており、
前記第1バスバーと前記2バスバーは、前記ケースの表面の第1方向(x)に並んで配置されており、
前記第1バスバーと前記2バスバーは、前記第1方向において交互に配置されている、電気接続箱。
【請求項3】
請求項1に記載の電気接続箱であって、
前記第1バスバー端子は、前記ケースの表面側に設けられており、
前記第2バスバー端子は、前記ケースの裏面側に設けられており、
前記第1バスバーと前記第2バスバーは、前記ケースの表面の第1方向に並んで配置されており、
前記第1バスバーと前記第2バスバーのいずれか一方が、前記第1方向において隣り合って配置されている、電気接続箱。
【請求項4】
請求項1に記載の電気接続箱であって、
前記第1バスバー端子は、前記ケースの表面側に設けられており、
前記第2バスバー端子は、前記ケースの裏面側に設けられており、
前記第1バスバーと前記第2バスバーは、前記ケースの表面の第1方向に並んで配置されており、
前記ケースの表面において、前記第1方向に直交する方向を第2方向(y)としたときに、前記第1バスバーは前記第1バスバー端子から前記第2方向の一方に向けて伸びており、前記第2バスバーは前記第2バスバー端子から前記第2方向の他方に向けて伸びており、
前記第1バスバー端子と前記2バスバー端子は、前記第1方向に沿って交互に配置されているか、又は、前記第1バスバー端子と前記第2バスバー端子の少なくとも一つが前記第2方向にずれた位置に配置されている、電気接続箱。
【請求項5】
請求項1に記載の電気接続箱であって、
前記第1バスバー端子は、前記ケースの表面側に設けられており、
前記第2バスバー端子は、前記ケースの裏面側に設けられており、
前記第1バスバーと前記第2バスバーは、前記ケースの表面の第1方向に並んで配置されており、
前記ケースの表面において、前記第1方向に直交する方向を第2方向としたときに、前記第1バスバーは前記第1バスバー端子から前記第2方向の一方に向けて伸びており、前記第2バスバーは前記第2バスバー端子から前記第2方向の他方に向けて伸びており、
前記第1バスバー端子と前記第2バスバー端子は、前記第1方向に沿って配置されており、
前記第1バスバー端子と前記第2バスバー端子のいずれか一方が、前記第1方向において隣り合って配置されている、電気接続箱。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の電気接続箱であって、
前記第1バスバーと前記第2バスバーの少なくとも一方が、側面が前記ケースの表面に接触して直立した形態の縦型バスバーを構成している、電気接続箱。
【請求項7】
請求項6に記載の電気接続箱であって、
前記縦型バスバーは、中間位置に屈曲部を有している、電気接続箱。
【請求項8】
請求項6に記載の電気接続箱であって、
前記縦型バスバーを構成しているバスバーは、前記第1バスバー端子及び前記第2バスバー端子が前記ケースの表面に設けられており、前記第1バスバー端子及び前記第2バスバー端子とは反対側の端部において、前記ケースの表面から裏面に向けて貫通している、電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、電気接続箱に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、電子部品を接続するための電気接続箱が開示されている。特許文献1の電気接続箱は、ケース表面にバスバー端子を有するバスバーを配置している。電子部品は、バスバー端子に接続される。1個の電子部品を電気接続箱に接続するために、複数のバスバーが電気接続箱に配置されている。また、バスバー同士が導通することを避けるため、各バスバー間には隙間が設けられている。特許文献1の電気接続箱は、複数の電子部品を配置するために、電子部品の個数に対応したバスバーが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-004022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、特許文献1では、複数の電子部品を配置するために、電気接続箱の表面に電子部品の個数に対応したバスバーが配置されている。特定の電子部品に対応するバスバーが配置される領域と、他の電子部品に対応するバスバーが配置される領域は異なる。そのため、電気接続箱に接続する電子部品の個数が増えると、バスバーを配置するための領域を広く確保することが必要となり、電気接続箱のサイズが増大する。すなわち、電気接続箱の表面に、バスバーが配置されない領域が増大し、電気接続箱のサイズが増大する。本明細書は、バスバーの配置を工夫し、小型の電気接続箱を実現する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する第1技術は、電気接続箱であって、ケースと、上記ケースに取り付けられているとともに、第1電子部品と接続する複数の第1バスバー端子と、上記ケースの表面に設けられており、上記第1バスバー端子の各々に接続している第1バスバーと、上記ケースに取り付けられているとともに、第2電子部品と接続する複数の第2バスバー端子と、上記ケースの表面に設けられており、上記第2バスバー端子の各々に接続している第2バスバーを備えていてよい。また、ケースの上方から観察したときに、上記第1バスバー端子間に、上記第2バスバー端子と上記第2バスバーの少なくとも一方が配置されていてよい。
【0006】
本明細書で開示する第2技術は、上記第1技術の電気接続箱であって、上記第1バスバー端子は、上記ケースの表面側に設けられており、上記第2バスバー端子は、上記ケースの裏面側に設けられており、上記第1バスバーと上記第2バスバーは、上記ケースの表面の第1方向に並んで配置されており、上記第1バスバーと上記第2バスバーは、上記第1方向において交互に配置されていてよい。
【0007】
本明細書で開示する第3技術は、上記第1技術の電気接続箱であって、上記第1バスバー端子は、上記ケースの表面側に設けられており、上記第2バスバー端子は、上記ケースの裏面側に設けられており、上記第1バスバーと上記第2バスバーは、上記ケースの表面の第1方向に並んで配置されており、上記第1バスバーと上記第2バスバーのいずれか一方が、上記第1方向において隣り合って配置されていてよい。
【0008】
本明細書で開示する第4技術は、上記第1技術の電気接続箱であって、上記第1バスバー端子は、上記ケースの表面側に設けられており、上記第2バスバー端子は、上記ケースの裏面側に設けられており、上記第1バスバーと上記第2バスバーは、上記ケースの表面の第1方向に並んで配置されており、上記ケースの表面において、上記第1方向に直交する方向を第2方向としたときに、上記第1バスバーは上記第1バスバー端子から上記第2方向の一方に向けて伸びており、上記第2バスバーは上記第2バスバー端子から上記第2方向の他方に向けて伸びており、上記第1バスバー端子と上記第2バスバー端子は、上記第1方向に沿って交互に配置されいるか、又は、上記第1バスバー端子と上記第2バスバー端子の少なくとも一つが上記第2方向にずれた位置に配置されていてよい。
【0009】
本明細書で開示する第5技術は、上記第1技術の電気接続箱であって、上記第1バスバー端子は、上記ケースの表面側に設けられており、上記第2バスバー端子は、上記ケースの裏面側に設けられており、上記第1バスバーと上記第2バスバーは、上記ケースの表面の第1方向に並んで配置されており、上記ケースの表面において、上記第1方向に直交する方向を第2方向としたときに、上記第1バスバーは上記第1バスバー端子から上記第2方向の一方に向けて伸びており、上記第2バスバーは上記第2バスバー端子から上記第2方向の他方に向けて伸びており、上記第1バスバー端子と上記第2バスバー端子は、上記第1方向に沿って配置されており、上記第1バスバー端子と上記第2バスバー端子のいずれか一方が、上記第1方向において隣り合って配置されていてよい。
【0010】
本明細書で開示する第6技術は、上記第1から第5技術のいずれかの電気接続箱であって、上記第1バスバーと上記第2バスバーの少なくとも一方が、側面が上記ケースの表面に接触して直立した形態の縦型バスバーを構成していてよい。
【0011】
本明細書で開示する第7技術は、上記第6技術の電気接続箱であって、上記縦型バスバーは、中間位置に屈曲部を有していてよい。
【0012】
本明細書で開示する第8技術は、上記第6又は第7技術の電気接続箱であって、上記縦型バスバーを構成しているバスバーは、上記第1バスバー端子及び上記第2バスバー端子が上記ケースの表面に設けられており、上記第1バスバー端子及び上記第2バスバー端子とは反対側の端部において、上記ケースの表面から裏面に向けて貫通していてよい。
【発明の効果】
【0013】
第1技術によると、第1バスバー間の隙間に第2バスバーを配置することにより、従来であればバスバーが配置されていなかった領域を有効活用することができる。その結果、ケース表面のバスバーが配置されていない領域を削減することができ、小型の電気接続箱を実現することができる。なお、本明細書において、「ケースの上方から観察する」とは、ケース表面に対して鉛直方向から電子部品(電子部品を接続するバスバー端子)及びケースを観察することを意味する。換言すると、電子部品(バスバー端子)がケース表面より上方(又は下方)に位置するように電気接続箱を水平面に配置したときに、電子部品(バスバー端子)をケース表面に投影して平面視することを意味する。
【0014】
また、本明細書で開示する電気接続箱は、2個の電子部品に接続するバスバー(第1バスバー及び第2バスバー)のみを有しているものではない。本明細書で開示する第1電子部品(または、第1バスバー、第1バスバー端子)及び第2電子部品(または、第2バスバー、第2バスバー端子)とは、電気接続箱に組み付けられる複数の電子部品のうちの1個を第1電子部品と捉えたときに、他の1個以上の電子部品のうちのいずれかを第2電子部品と称している。そのため、本明細書で開示する技術は、3個以上の電子部品が組付けられる電気接続箱に適用することもできる。
【0015】
第2技術によると、ケースの表裏面に電子部品を組み付けることができる。すなわち、第1バスバー端子に接続される第1電子部品をケースの表面に組み付け、第2バスバー端子に接続される第2電子部品をケースの裏面に組み付けることができる。その結果、ケースのバスバーが配置される面(ケースの表面)において、バスバー(第1バスバー及び第2バスバー)を隙間なく配置することができる。その結果、ケース表面においてバスバーの配置自由度が増し、ケース表面のバスバーが配置されていない領域をさらに削減することができ、より小型の電気接続箱を実現することができる。
【0016】
第3技術によると、電気接続箱に対し、電子部品を効率的に配置することができる。例えば、第2電子部品が第1電子部品より小さい場合、第2バスバーを、第1バスバー間に隣り合うように配置することができる。電気接続箱に対して電子部品を効率的に配置することにより、結果として、ケース表面においてバスバーを効率的に配置することができる。
【0017】
第4技術によると、ケースの表裏面に電子部品を組み付けることができるとともに、バスバー間の沿面距離を長くすることができる。ケースの表裏面に電子部品を組み付けることにより、第2技術において記載した効果と同様の効果が得られるとともに、バスバー間(第1バスバー端子同士、あるいは、第1バスバー端子と第2バスバー端子)が導通することを抑制することができる。
【0018】
第5技術によると、ケースの表裏面に電子部品を組み付けることができるとともに、バスバー間の沿面距離を長くすることができ、さらに、電子部品を効率的に配置することができる。第2~第4技術において記載した効果と同様の効果が得られる。
【0019】
第6技術によると、ケースの表面において、バスバーが配置される面積を小さくすることができる。換言すると、バスバー間の沿面距離を長くすることができる。また、ケースとバスバーの接触面積が小さくなるので、バスバーの放熱性も向上する。なお、典型的に、バスバーの形状は平板状であり、長手方向に直交する断面形状は長方形である。よって、縦型バスバーとは、長方形の短辺(側面)がケースの表面に接触して直立した形態のバスバーのことを意味する。
【0020】
第7技術によると、屈曲部によって、バスバー(縦型バスバー)が倒れることを防止することができる。あるいは、バスバーが倒れることを防止するための部品、構造等を省略することができるということもできる。
【0021】
第8技術によると、バスバーがケースの表面から裏面に貫通しているので、バスバーの貫通部分(バスバーと、バスバーが貫通する貫通孔)によって、縦型バスバーが倒れることを防止することができる。また、バスバー端子(第1バスバー端子、第2バスバー端子)がケースの表面に位置し、バスバー(第1バスバー、第2バスバー)のバスバー端子が設けられている側とは反対側の端部はケースの裏面に位置している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施例の電気接続箱の斜視図を示す。
図2】第1実施例の電気接続箱の正面図を示す。
図3】第1実施例の電気接続箱の平面図を示す。
図4】第1実施例の電気接続箱の製造方法を説明する斜視図を示している。
図5図3の破線Vで囲った範囲の拡大図を示す。
図6】第1実施例の電気接続箱の変形例について、部分平面図を示す。
図7】第1実施例の電気接続箱の変形例について、部分平面図を示す。
図8】第1実施例の電気接続箱の変形例について、部分平面図を示す。
図9】第1実施例の電気接続箱の変形例について、部分平面図を示す。
図10】第1実施例の電気接続箱の変形例について、部分平面図を示す。
図11】第2実施例の電気接続箱の斜視図を示す。
図12】第3実施例の電気接続箱の斜視図を示す。
図13】第3実施例の電気接続箱の斜視図を示す。
図14】第3実施例の電気接続箱の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施例)
図1から図5を参照し、電気接続箱100について説明する。なお、図1及び図2は、電気接続箱100に電子部品20,40,60,80を接続した状態を示している。また、図3は、上方(Z+側)から電気接続箱100を観察した図(すなわち、平面図)を示している。なお、図中の座標のうち、X軸は第1方向の一例であり、Y軸は第2方向の一例である。
【0024】
図1及び図2に示すように、電気接続箱100は、ケース10と、第1バスバー25,26と、第2バスバー65,66と、第3バスバー45,46と、第4バスバー85,86を備えている。第1バスバー25,26に第1電子部品20が接続されており、第2バスバー65,66に第2電子部品60が接続されており、第3バスバー45,46に第3電子部品40が接続されており、第4バスバー85,86に第4電子部品80が接続されている。
【0025】
図1から図3に示すように、第1バスバー25,26は、互いに間隔をあけて、ケース10の表面に設けられている。具体的には、第1バスバー25,26は、X軸方向に間隔をあけて並んで配置されており、接触部25a,26aがケース10の表面に接触している。また、接触部25a,26aは、Y軸方向に沿って同じ向き(Y+方向)に伸びている。第1バスバー25,26に、Z軸方向に突出しているリブ部25b,26bが設けられている。リブ部25b,26bは、接触部25a,26aの一端に設けられている。なお、接触部25a,26aの他端は、外部電源(図示省略)に接続されている。リブ部25b,26bの上端には、第1バスバー端子23,24が接続されている。すなわち、第1バスバー端子23,24は、を介して、ケース10の表面側で、ケース10に取り付けられている。第1バスバー端子23,24には、第1電子部品20の接続端子21,22が接続されている。
【0026】
第2バスバー65,66の接触部65a,66aは、互いに間隔をあけて、ケース10の表面に設けられている。具体的には、第2バスバー65,66は、X軸方向に間隔をあけて並んで配置されており、接触部65a,66aがケース10の表面に接触している。また、接触部65a,66bは、Y軸方向に沿って同じ向き(Y+方向)に伸びている。第2バスバー65,66には、Z軸方向(Z-方向)に突出しているリブ部65b,66bが設けられている。リブ部65b,66bは、接触部65a,66bの一端に設けられており、ケース10を貫通してケース10の裏面に伸びている。なお、接触部65a,66bの他端は、外部電源(図示省略)に接続されている。リブ部65b,66bの下端には、第2バスバー端子63,64が接続されている。すなわち、第2バスバー端子63,64は、第2バスバー65,66を介して、ケース10の裏面側で、ケース10に取り付けられている。第2バスバー端子63,64には、第2電子部品60の接続端子61,62が接続されている。
【0027】
ここで、図5を参照し、第1バスバー25,26と、第2バスバー65,66の関係について説明する。図5は、ケース10の図示を省略し、ケース10の表面側の構造を実線で示し、ケース10の表面側の構造を破線で示している。図5に示すように、第2バスバー端子63及び第2バスバー65が、第1バスバー端子23,24間に配置されている。また、第1バスバー端子24及び第1バスバー26が、第2バスバー端子63,64間に配置されている。すなわち、第1バスバー端子23,24のうちの1つと、第2バスバー端子63,64のうちの1つが、X軸方向に並んで交互に配置されている。
【0028】
バスバー端子23,24,63,64(バスバー25,26,65,66)をこのように配置することにより、従来は利用されていなかった第1バスバー端子23,24間の隙間に、第2バスバー端子63を配置することができる。あるいは、従来は利用されていなかった第2バスバー端子63,64間の隙間に、第1バスバー端子24を配置することができると捉えることもできる。電気接続箱100は、従来であればバスバーが配置されていなかった領域(第1バスバー端子23,24間、第2バスバー端子63,64間)を有効活用している。その結果、電気接続箱100は、従来の電気接続箱と比較して、小型化を実現することができる。また、第2バスバー65,66のリブ部65b,66bがケース10の裏面に伸びており、第2バスバー端子63,64が、ケース10の裏面に配置されている。そのため、第2電子部品60は、ケース10の裏面に組み付けられる。ケース10の表面において、バスバー25,26,65,66を、第1電子部品20と第2電子部品60の干渉を考慮することなく配置することができる。
【0029】
図1から図3に示すように、第3バスバー45,46は、互いに間隔をあけて、ケース10の表面に設けられている。具体的には、第3バスバー45,46は、X軸方向に間隔をあけて並んで配置されており、接触部45a,46aがケース10の表面に接触している。また、接触部45a,46bは、Y軸方向に沿って同じ向き(Y+方向)に伸びている。第3バスバー45,46には、Z軸方向に突出しているリブ部45b,46bが設けられている。リブ部45b,46bは、接触部45a,46bの一端に設けられている。なお、接触部45a,46bの他端は、外部電源(図示省略)に接続されている。リブ部45b,46bの上端には、第3バスバー端子43,44が接続されている。すなわち、第3バスバー端子43,44は、第3バスバー45,46を介して、ケース10の表面側で、ケース10に取り付けられている。第3バスバー端子43,44には、第3電子部品40の接続端子41,42が接続されている。
【0030】
第4バスバー85,86の接触部85a,86aは、互いに間隔をあけて、ケース10の表面に設けられている。具体的には、第4バスバー85,86は、X軸方向に間隔をあけて並んで配置されており、接触部85a,86aがケース10の表面に接触している。また、接触部85a,86bは、Y軸方向に沿って同じ向き(Y+方向)に伸びている。第4バスバー85,86には、Z軸方向(Z-方向)に突出しているリブ部85b,86bが設けられている。リブ部85b,86bは、接触部85a,86bの一端に設けられており、ケース10を貫通してケース10の裏面に伸びている。なお、接触部85a,86bの他端は、外部電源(図示省略)に接続されている。リブ部85b,86bの下端には、第4バスバー端子83,84が接続されている。すなわち、第4バスバー端子83,84は、第4バスバー85,86を介して、ケース10の裏面側で、ケース10に取り付けられている。第4バスバー端子83,84には、第4電子部品80の接続端子81,82が接続されている。
【0031】
図1から図3より明らかなように、第3バスバー45,46と第4バスバー85,86の関係は、第1バスバー25,26と第2バスバー65,66の関係と同様の特徴を有している。そのため、第3バスバー45,46と第4バスバー85,86の関係による特徴については、説明を省略する。
【0032】
図4を参照し、電気接続箱100の製造方法について説明する。図4は、第3バスバー46及び第4バスバー86をケース10に配置する状態を示している。第3バスバー46は、リブ部45bを上方(Z+方向)に向けた状態で、接触部46aをケース10の表面に配置する(図1も参照)。また、第4バスバー86は、リブ部86bを下方(Z-方向)に向け、リブ部86bをケース10に設けられている貫通孔12を通過させ、接触部86aをケース10の表面に配置する(図2も参照)。なお、第1バスバー25,26及び第3バスバー45は、第3バスバー46と同様の方法でケース10の表面に配置する。第2バスバー65,66及び第4バスバー85は、第4バスバー86と同様の方法でケース10の表面に配置する。電気接続箱100は、バスバーの接触部(接触部25a,26b,65a,66a,45a,46a,85a,86a)が全てケース10の表面に配置される。そのため、全てのバスバー(バスバー25,26,65,66,45,46,85,86)の組み付けを、ケース10の表面側で行うことができる。そのため、ケース10に対するバスバーの組み付け作業を容易に行うことができる。
【0033】
(電気接続箱100の変形例)
図6から図10を参照し、電気接続箱100の変形例について説明する。なお、以下の説明では、主に、第1バスバー25,26(第1バスバー端子23,24)と第2バスバー65,66(第2バスバー端子63,64)の関係について説明する。
【0034】
図6は、電気接続箱100aの平面図を示している。電気接続箱100aでは、第1バスバー25,26と第2バスバー65,66の関係は、電気接続箱100と同じである。また、第1バスバー端子23a,24aがケース10の表面に配置され、第2バスバー端子63a,64aがケース10の裏面に配置されているという点も、電気接続箱100と同じである。第1バスバー端子23a,24aの間に隙間が設けられ、第2バスバー端子63a,64aの間に隙間が設けられているという点も、電気接続箱100と同じである。
【0035】
電気接続箱100aの第1バスバー端子23a,24a及び第2バスバー端子63a,64aは、電気接続箱100の第1バスバー端子23,24及び第2バスバー端子63,64よりも大きい(図5を比較参照)。そのため、電気接続箱100aは、平面視したときに、第1バスバー端子23a,24aと第2バスバー端子63a,64aが重複している。しかしながら、実際には、第1バスバー端子23a,24aがケース10の表面に配置され、第2バスバー端子63a,64aがケース10の裏面に配置されているので、バスバー端子23a,24a,63a,64aは干渉しない。電気接続箱100aにおいては、第1バスバー端子23,24間の隙間に第2バスバー65が配置され、第2バスバー端子63,64間の隙間に第1バスバー26が配置されている。
【0036】
図7は、電気接続箱100bの平面図を示している。電気接続箱100bでは、第1バスバー端子23,24の間の隙間に、第2バスバー端子63,64の両方が配置されている。すなわち、X軸方向において、第2バスバー端子63と第2バスバー端子64が隣り合って配置されている。同様に、第1バスバー25,26の間の隙間に、第2バスバー65,66の両方が配置されている。X軸方向において、第2バスバー65と第2バスバー66が隣り合って配置されている。電気接続箱100bは、サイズの異なる電子部品を接続する際に有用である。具体的には、第2電子部品60が第1電子部品20より小さい場合に、第1電子部品20が接続される第1バスバー25,26の間(第1バスバー端子23,24の間)の隙間を有用に利用することができる。
【0037】
図8は、電気接続箱100cの平面図を示している。電気接続箱100cは、電気接続箱100bと同様に、第1バスバー端子23,24の間の隙間に、第2バスバー端子63,64の両方が配置されている。また、第1バスバー25,26の間の隙間に、第2バスバー65,66の両方が配置されている。すなわち、電気接続箱100cは、電気接続箱100bと同様に、X軸方向において、第2バスバー端子63と第2バスバー端子64が隣り合って配置されており、第2バスバー65と第2バスバー66が隣り合って配置されている。但し、電気接続箱100cは、電気接続箱100bと異なり、第1バスバー25,26は第1バスバー端子23,24からY+方向に伸び、第2バスバー65,66は第2バスバー端子63,64からY-方向に伸びている。これにより、第1バスバー25,26と、第2バスバー65,66との沿面距離を長くすることができる。なお、電気接続箱100,100aにおいても、第1バスバー25,26は第1バスバー端子23,24からY+方向に伸び、第2バスバー65,66は第2バスバー端子63,64からY-方向に伸びてもよい。
【0038】
図9は、電気接続箱100dの平面図を示している。電気接続箱100dは、電気接続箱100と同様に、第1バスバー25,26のうちの1つと、第2バスバー65,66のうちの1つが、X軸方向に並んで交互に配置されている。しかしながら、電気接続箱100dでは、第1バスバー端子23と第2バスバー端子63,64はX軸方向に並んでいるが、第1バスバー端子24は、バスバー端子23,63,64に対してY+方向にずれた位置に配置されている。
【0039】
図10は、電気接続箱100eの平面図を示している。電気接続箱100eは、電気接続箱100dと同様に、第1バスバー25,26のうちの1つと、第2バスバー65,66のうちの1つが、X軸方向に並んで交互に配置されている。また、第1バスバー端子23と第2バスバー端子63,64はX軸方向に並んでいるが、第1バスバー端子24は、バスバー端子23,63,64に対してY+方向にずれた位置に配置されている。電気接続箱100eは、電気接続箱100dと異なり、第1バスバー25,26は第1バスバー端子23,24からY+方向に伸び、第2バスバー65,66は第2バスバー端子63,64からY-方向に伸びている。これにより、第1バスバー25,26と、第2バスバー65,66との沿面距離を長くすることができる。
【0040】
(第2実施例)
図11を参照し、電気接続箱200について説明する。電気接続箱200は、電気接続箱100の変形例であり、ケース10に対する第1バスバー225,226と、第2バスバー265,266と、第3バスバー245,246と、第4バスバー285,286の配置形態が電気接続箱100と異なる。電気接続箱200について、電気接続箱100と共通する部品については、電気接続箱100に付した参照番号と同一又は下二桁の数字が同一の参照番号を付すことにより、説明を省略することがある。
【0041】
電気接続箱200は、ケース210と、第1バスバー225,226と、第2バスバー265,266と、第3バスバー245,246と、第4バスバー285,286を備えている。第1バスバー225,226には、第1バスバー端子223,224が接続されている。第2バスバー265,266には、第2バスバー端子263,264が接続されている。第3バスバー245,246には、第3バスバー端子243,244が接続されている。第4バスバー285,286には、第4バスバー端子283,284が接続されている。第1電子部品220が第1バスバー端子223,224に接続され、第2電子部品260が第2バスバー端子263,264に接続され、第3電子部品240が第3バスバー端子243,244に接続され、第4電子部品280が第4バスバー端子283,284に接続されている。
【0042】
電気接続箱200では、バスバー225,226,265,266,245,246,285,286(以下、まとめてバスバー225~286と記す)は、側面がケース210の表面に接触し、直立した形態の縦型バスバーを構成している。そのため、バスバー225~286は、電気接続箱100のバスバー25~86と比較して、ケース210との接触面積が小さい。換言すると、バスバー225~286は、電気接続箱100のバスバー25~86と比較して、空気との接触面積が大きい。そのため、電気接続箱200は、バスバー225~286の放熱性を向上させることができる。また、電気接続箱200は、電気接続箱100と比較して、隣り合うバスバー間の沿面距離を長くすることもできる。
【0043】
(第3実施例)
図12から図14を参照し、電気接続箱300について説明する。電気接続箱300は、電気接続箱200の変形例であり、第1バスバー325,326と、第2バスバー365,366と、第3バスバー345,346と、第4バスバー385,386の形状が電気接続箱200と異なる。なお、図12は、電気接続箱300に電子部品320,340,360,380を接続した状態を示している。電気接続箱300について、電気接続箱200と共通する部品については、電気接続箱200に付した参照番号と下二桁の数字が同一の参照番号を付すことにより、説明を省略することがある。
【0044】
図12に示すように、電気接続箱300では、電子部品320,340,360,380の全てが、ケース310の表面側に配置されている。また、電気接続箱300では、バスバー325,326,365,366,345,346,385,386(以下、まとめてバスバー325~386と記す)の全てが、ケース310を貫通し、ケース310の裏面側に突出している。なお、図12及び図13では省略しているが、バスバー325~386の周囲には、バスバー325~386の転倒を防止する絶縁壁92が設けられている(図14を参照)。
【0045】
また、図13及び図14に示すように、電気接続箱300は、第1バスバー端子323,324の間に、第2バスバー365,366の一部が配置されているという点において、電気接続箱100(または、その変形例である電気接続箱100a~100e)及び電気接続箱200と共通の特徴を有している。また、バスバー325~386が縦型バスバーを構成しているいう点において、電気接続箱200と共通の特徴を有している。
【0046】
電気接続箱300では、バスバー端子323,324,363,364,343,344,383,384(以下、まとめてバスバー端子323~384と記す)が、ケース310の表面に設けられている。バスバー325~386は、バスバー端子323~384から、ケース310に設けられている貫通孔を通じて、ケース310の裏面に伸びている。さらに、バスバー325~386は、中間部分(バスバー端子323~384から、バスバー325~386がケース310を貫通する部分迄の間)に屈曲部90を有している。
【0047】
電気接続箱300は、バスバー325~386が縦型バスバーを構成しているので、電気接続箱200と同様に、隣り合うバスバー間の沿面距離を長くすることもできる。さらに、バスバー325~386の周囲に絶縁壁92が設けられているので、より一層沿面距離を長くすることができる。また、バスバー325~386の中間部分に屈曲部90が設けられているので、バスバー325~386が転倒することを抑制することができる。さらに、バスバー325~386がケース310の表面から裏面に向けて貫通しているので、貫通部分(バスバー325~386と貫通孔の側壁)によってもバスバー325~386の転倒が抑制されている。なお、図12に示すように、電気接続箱300は、バスバー325~386に屈曲部90を設けることにより、電子部品320,350,360,380を集約して(近接させて)配置することができる。
【0048】
(他の実施形態)
上記実施例では、4個の電子部品が接続される電気接続箱について説明した。しかしながら、本明細書で開示する技術は、2個以上の電子部品が接続される電子接続箱の何れにも適用可能であり、電子部品の数は任意に変更することができる。本明細書で開示する技術の要旨は、第1電子部品と接続する2個以上の第1バスバー端子の間に、第2電子部品と接続する第2バスバー端子又は第2バスバーが配置されていることである。よって、その他の構造は、必要に応じて適宜変更することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0050】
10:ケース
20:第1電子部品
23,24:第1バスバー端子
25,26:第1バスバー
60:第1電子部品
63,64:第1バスバー端子
65,66:第1バスバー
100:電気接続箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14