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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002211
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ルーフラック
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/05 20060101AFI20241226BHJP
   B60R 9/045 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B60R9/05
B60R9/045
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102231
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楢崎 昭尋
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020AA01
3D020AA06
3D020AB01
3D020AC01
3D020AD02
3D020AE02
(57)【要約】
【課題】空気抵抗をより適切に抑制できるルーフラックを提供する。
【解決手段】ルーフラック10は、ラック本体12と、前記ラック本体12の前端に設けられる防風部材20と、を備え、前記防風部材20は、前記ラック本体12に向かう風を遮る起立姿勢と、前記起立姿勢よりも水平に近づくように倒れた転倒姿勢と、に切り替え可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフラックであって、
ラック本体と、
前記ラック本体の前端に設けられる防風部材と、
を備え、
前記防風部材は、前記ラック本体に向かう風を遮る起立姿勢と、前記起立姿勢よりも水平に近づくように倒れた転倒姿勢と、に切り替え可能である、
ことを特徴とするルーフラック。
【請求項2】
請求項1に記載のルーフラックであって、さらに、
前記防風部材を、前記起立姿勢となる方向に付勢する弾性部材を有し、
前記防風部材は、車両が停止している場合、前記弾性部材からの付勢力を受けて前記起立姿勢を保つ、
ことを特徴とするルーフラック。
【請求項3】
請求項1に記載のルーフラックであって、
前記ラック本体の底部に設けられ、前記ラック本体に荷物が載置された場合に、当該荷物の重量を受けて下降する受圧部材と、
前記防風部材を前記起立姿勢となる方向に押圧する支持姿勢と、前記防風部材から離隔した退避姿勢と、に切り替え可能な支持部材と、
前記受圧部材の下降運動を前記支持部材に伝達する伝達機構であって、前記受圧部材の下降に伴い前記支持部材を前記退避姿勢から前記支持姿勢に変化させる伝達機構と、
を備える、ことを特徴とするルーフラック。
【請求項4】
請求項1に記載のルーフラックであって、
前記防風部材は、前記防風部材の下端近傍において、車幅方向に延びる軸を中心として揺動することで、前記起立姿勢と前記転倒姿勢との間で切り替わる、ことを特徴とするルーフラック。
【請求項5】
請求項1に記載のルーフラックであって、
前記防風部材の上端縁は、車幅方向に凹凸が連続する波状である、ことを特徴とするルーフラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、車両のルーフに取り付けられるルーフラックを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のルーフに荷物を積載するために、車両のルーフにルーフラックを装着することが提案されている。積載した荷物へ風や異物が当たることを防止するために、通常、ルーフラックの前端には、ルーフラックに向かう風を遮る防風部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-119657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる防風部材は、積載された荷物を保護する利点がある一方で、車両が高速走行した場合には、空気抵抗増加の原因となる。ここで、多くの場合、ルーフラックは、荷物を積載しない場合でも、車両から取り外されることなく、車両に取り付けたままとされる。また、従来のルーフラックの場合、この防風部材の姿勢は、不変であった。そのため、荷物を積載しない状態で車両が高速走行すると、当該防風部材に起因して、空気抵抗が無駄に増加するという問題があった。
【0005】
なお、特許文献1には、ルーフラックを構成する連結バーの前方に、フロントルーフスポイラを配置した車両が開示されている。ただし、特許文献1のフロントルーフスポイラは、連結バーを収納するために利用されるに過ぎない。したがって、特許文献1に記載の技術では、空気抵抗を十分に抑制できない。
【0006】
そこで、本明細書では、空気抵抗をより適切に抑制できるルーフラックを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で開示するルーフラックは、ルーフラックであって、ラック本体と、前記ラック本体の前端に設けられる防風部材と、を備え、前記防風部材は、前記ラック本体に向かう風を遮る起立姿勢と、前記起立姿勢よりも水平に近づくように倒れた転倒姿勢と、に切り替え可能である、ことを特徴とする。
【0008】
上述したルーフラックによれば、防風部材の姿勢が変化するため、空気抵抗が状況に応じてより適切に抑制される。
【0009】
この場合、ルーフラックは、さらに、前記防風部材を、前記起立姿勢となる方向に付勢する弾性部材を有し、前記防風部材は、車両が停止している場合、前記弾性部材からの付勢力を受けて前記起立姿勢を保ってもよい。
【0010】
停車時に防風部材が起立姿勢を保つことで、停車時における車両の意匠性が向上される。
【0011】
また、ルーフラックは、さらに、前記ラック本体の底部に設けられ、前記ラック本体に荷物が載置された場合に、当該荷物の重量を受けて下降する受圧部材と、前記防風部材を前記起立姿勢となる方向に押圧する支持姿勢と、前記防風部材から離隔した退避姿勢と、に切り替え可能な支持部材と、前記受圧部材の下降運動を前記支持部材に伝達する伝達機構であって、前記受圧部材の下降に伴い前記支持部材を前記退避姿勢から前記支持姿勢に変化させる伝達機構と、を備えてもよい。
【0012】
かかる構成とすることで、ラック本体に荷物が載置された場合に、防風部材が起立姿勢に保たれる。結果として、荷物への異物の付着や、空気抵抗の増加が防止される。
【0013】
また、前記防風部材は、前記防風部材の下端近傍において、車幅方向に延びる軸を中心として揺動することで、前記起立姿勢と前記転倒姿勢との間で切り替わってもよい。
【0014】
かかる構成とすることで、ルーフに当たる風が抑制され、空気抵抗がより低減される。
【0015】
また、前記防風部材の上端縁は、車幅方向に凹凸が連続する波状であってもよい。
【0016】
かかる構成とすることで、風きり音が低減される。
【発明の効果】
【0017】
本明細書で開示するルーフラックによれば、防風部材の姿勢が変化するため、空気抵抗が状況に応じてより適切に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ルーフラックの模式的な斜視図である。
図2】防風部材が起立姿勢である場合における、ルーフラックの模式的な断面図である。
図3】防風部材が転倒姿勢である場合における、ルーフラックの模式的な断面図である。
図4】底板に荷物が載置された場合における、ルーフラックの模式的な断面図である。
図5】防風部材の他の例を示す図である。
図6】他の例のルーフラックの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照してルーフラック10の構成について説明する。図1は、ルーフラック10の模式的な斜視図である。このルーフラック10は、車両のルーフの外面に取り付けられるラックである。ルーフラック10は、ラック本体12と、防風部材20と、底板32と、を有する。ラック本体12は、荷物100を受け入れる容器である。本例において、ラック本体12は、複数のワイヤ14を組み合わせて構成される籠状部材である。より具体的に説明すると、ラック本体12の前端には、前上ワイヤ14aおよび前下ワイヤ14bが上下に間隔を開けて配置される。また、ラック本体12の後端には、後上ワイヤ14cおよび後下ワイヤ14dが上下に間隔を開けて配置される。これら4本のワイヤ14a,14b,14c,14dは、いずれも車幅方向に延びている。また、ラック本体12の車幅方向両端には、サイドワイヤ14gが、配置されている。二本のサイドワイヤ14gの間には、複数の横ワイヤ14eが、架け渡されている。さらに、複数の横ワイヤ14eの間に縦ワイヤ14fが架け渡されている。
【0020】
ここで、ラック本体12の前端面は、前上ワイヤ14aと、前下ワイヤ14bと、二本のサイドワイヤ14gと、で構成される。本例において、前上ワイヤ14aは、前下ワイヤ14bよりも、車両後方に位置している。したがって、ラック本体12の前端面は、前下がりに傾斜している。
【0021】
防風部材20は、ラック本体12の前端に配置される板状部材である。防風部材20は、ラック本体12の前端面の全部または大部分を覆う大きさを有している。本例において、防風部材20は、起立姿勢と転倒姿勢とに切り替え可能である。起立姿勢の防風部材20は、ラック本体12に向かう風を遮るように、ラック本体12の底面から立脚する。また、転倒姿勢の防風部材20は、起立姿勢よりも水平に近づくように倒れている。こうした防風部材20の姿勢変更については、後に詳説する。
【0022】
底板32は、ラック本体12の底面に配置される板材である。荷物は、この底板32の上に載置される。したがって、底板32は、荷物の重量を受ける受圧部材30として機能する。底板32は、荷物の重量を受けて下降するが、これについても後述する。
【0023】
ここで、上述した通り、ルーフラック10は車両のルーフの外面に取り付けられている。したがって、車両が走行した場合、当然ながら、ルーフラック10に載置された荷物に風が当たる。そして、走行風が、荷物に直接当たると空気抵抗が増加する。また、風とともに異物(例えば、ゴミや虫等)が、荷物に付着するおそれもある。
【0024】
一方、防風部材20を配置した場合、荷物に向かう風および異物が遮られる。なお、当然ながら、防風部材20に走行風が当たれば、その分、空気抵抗が増加する。しかし、走行風が凹凸の少ない防風部材20に当たることで発生する空気抵抗は、走行風が凹凸の多い荷物に直接当たることで発生する空気抵抗よりも小さい。
【0025】
このように、防風部材20は、空気抵抗の増加を防止し、荷物を異物から保護するために設けられている。ただし、当然ながら、ルーフラック10に荷物がない場合もあり得る。ユーザは、ルーフに収納すべき荷物がない場合であっても、ルーフラック10を車両に取り付けたままにすることが多い。この場合、防風部材20があることで、防風部材20がない場合に比べて、空気抵抗が無駄に増加することになる。そこで、本例において、ルーフラック10の防風部材20は、空気抵抗の増加を防止するために、揺動可能となっている。これについて、図2および図3を参照して説明する。
【0026】
図2および図3は、いずれも、ルーフラック10の模式的な断面図である。図2において、防風部材20は、起立姿勢であり、図3において、防風部材20は、転倒姿勢である。図2に示す通り、起立姿勢の場合、防風部材20は、ラック本体12の前端面のすぐ後方において起立している。すなわち、防風部材20は、前上ワイヤ14aおよび前下ワイヤ14bよりも後方に位置している。防風部材20の下端には、車幅方向に延びる第一回転軸22が設定されている。防風部材20は、この第一回転軸22回りに回転可能な状態で、ラック本体12に連結されている。
【0027】
また、防風部材20は、第一弾性体24により、起立姿勢となる方向に付勢されている。図2および図3において、矢印は、第一弾性体24および後述する第二弾性体38それぞれの付勢方向を示している。図2の例の場合、第一弾性体24は、例えば、防風部材20に連結される第一端部とラック本体12の底面に連結される第二端部とを有する圧縮コイルばねである。第一弾性体24が防風部材20を付勢する力は、防風部材20の自重よりも大きいが、車両が高速走行した場合に防風部材20が受ける風圧力よりも小さい。
【0028】
したがって、車両が走行していない場合、防風部材20は、第一弾性体24の付勢力を受けて、起立姿勢を保つ。一方、車両が高速走行した場合、防風部材20は、風圧を受けて第一回転軸22回りに揺動する。そして、これにより、防風部材20は、図3に示すように、前記起立姿勢よりも水平に近づくように倒れた転倒姿勢に変化する。転倒姿勢になった場合、走行風が、防風部材20で遮られることなく、円滑に車両後方に流れる。そして、これにより、空気抵抗が低下し、車両の燃費が向上する。
【0029】
以上の説明で明らかな通り、本例では、車両停止時、あるいは、低速走行時には、防風部材20が起立するため、ルーフラック10の見栄えが向上する。一方で、車両が高速走行した場合には、防風部材20が転倒するため、空気抵抗の増加を防止できる。また、これまでの説明で明らかな通り、本例において、第一回転軸22は、防風部材20の下端に設定されている。かかる構成とすることで、防風部材20が起立姿勢から転倒姿勢に変化するまでの間、防風部材20は、前下がりの姿勢となる。そして、これにより、当該防風部材20に当たった風が、車両の上側に導かれる。結果として、ルーフの上面に衝突する風を減らすことができるため、空気抵抗をより低減できる。
【0030】
ところで、ルーフラック10に荷物が載置されている場合、当該荷物を保護するために、防風部材20は、起立姿勢を維持する必要がある。そこで、本例では、荷物100が載置されている場合に、防風部材20を起立姿勢に保つ支持部材40を設けている。この支持部材40について、図2および図4を参照して説明する。
【0031】
支持部材40は、例えば、車幅方向に延びる第二回転軸48を中心に揺動する略シーソー状部材である。本例において、支持部材40は、第二回転軸48付近で屈曲した断面略L字状の部材である。以下では、支持部材40のうち、第二回転軸48よりも前側部分を「支持部40a」と呼び、第二回転軸48より後側部分を「伝達部40b」と呼ぶ。支持部材40は、前後方向に直進しつつ、第二回転軸48回りに揺動することで、支持姿勢と退避姿勢とに切り替わる。支持姿勢の支持部材40は、図4に示すように、防風部材20を背後から押圧することで、防風部材20を起立姿勢のまま保つ。また、退避姿勢の支持部材40は、図2に示すように、防風部材20から離隔している。
【0032】
ルーフラック10には、さらに、底板32の動きを支持部材40に伝達する伝達機構42が設けられている。伝達機構42は、底板32の下降に伴い、支持部材40を退避姿勢から支持姿勢に変化させる。この伝達機構42の構成は、特に限定されないが、本例において、伝達機構42は、リンク機構と第二弾性体38とを有する。
【0033】
具体的に説明すると、底板32は、連結リンク33を介してラック本体12の底部に連結されている。すなわち、連結リンク33の一端は、底板32に連結され、連結リンク33の他端は、ラック本体12の底部に連結されている。連結リンク33は、揺動可能である一方で、連結リンク33の長さは不変である。そのため、底板32が、荷物100から下向きの力を受けた場合、底板32は、下降するとともに、車両前方に移動する。
【0034】
また、底板32は、第二弾性体38により、ラック本体12の底部から浮上する方向に付勢されている。底板32から荷物100が取り除かれた場合、図2に示すように、底板32は、当該第二弾性体38の付勢力を受けて、ラック本体12の底部から浮上する。第二弾性体38は、例えば、引っ張りコイルバネである。この場合、引っ張りコイルバネの第一端部は、底板32に接続され、引っ張りコイルバネの第二端部は、ラック本体12の底部に接続される。
【0035】
支持部材40の伝達部40bは、底板32に接続されている。また、支持部材40の一部は、移動シャフト46に接続されている。移動シャフト46は、第二回転軸48と同軸に配置されたシャフト部材である。ラック本体12には、この移動シャフト46、ひいては、支持部材40の移動方向をガイドするガイド部材43が固着されている。ガイド部材43には、前後方向に長尺のガイド孔44が、形成されている。移動シャフト46は、このガイド孔44に挿通され、ガイド孔44に沿って直進する。
【0036】
図4に示すように、底板32に荷物100が載置された場合、底板32は、第二弾性体38の付勢力に抗して、下降するとともに、前方に移動する。底板32が前方に移動することで、当該底板32に連結された支持部材40の位置および姿勢が変化する。具体的には、支持部材40は、図4に示すように、支持部40aが立ち上がるように揺動するとともに前方に移動する。そして、これにより、支持部材40の支持部40aが、防風部材20の倒れを防止するように、防風部材20を押圧する。結果として、車両が高速走行した場合でも、防風部材20の倒れが防止される。そして、これにより、走行風が、荷物100に直接当たることが防止され、空気抵抗の増加を防止できる。また、走行風が荷物100に直接当たらないため、荷物への異物の付着を効果的に防止できる。
【0037】
一方、図2に示すように、底板32から荷物100を取り除いた場合、底板32は、第二弾性体38の付勢力を受けて浮上するとともに車両後方に移動する。この底板32の浮上および後退に連動して、当該底板32に連結された支持部材40は、後方に移動するとともに、支持部40aが水平方向に倒れるように揺動する。結果として、支持部材40は、防風部材20から離隔した退避姿勢をとる。したがって、底板32に荷物100が載置されていない場合、防風部材20は、大きな風圧を受けて、転倒姿勢に変化する。そして、防風部材20が転倒姿勢に変化することで、高速走行時における空気抵抗が低下する。
【0038】
このように、防風部材20を支持する支持部材40と、荷物の重量を受けて下降する底板32と、底板32の運動を支持部材40に伝達する伝達機構42と、を設けることで、荷物100の有無および車両の走行速度に応じて防風部材20の姿勢を変更できる。結果として、荷物を適切に保護しつつ車両の燃費をより向上できる。
【0039】
なお、これまで説明した構成は一例である。ルーフラック10は、請求項1の構成を備えるのであれば、その他の構成は変更されてもよい。例えば、図1図4では、防風部材20を、長方形として図示しているが、防風部材20の形状は、適宜変更されてもよい。例えば、防風部材20の上端縁は、図5に示すように、車幅方向に凹凸が連続する波状でもよい。かかる構成とすることで、風切り音が低下する。すなわち、防風部材20の上端縁を、前上ワイヤ14aと平行な直線とした場合を考える。この場合、防風部材20が倒れていく過程で、防風部材20の上端縁と前上ワイヤ14aとの間に、車幅方向に細長い隙間が形成される。走行風が、この細長い隙間を通過する際、風切り音が発生しやすい。一方、図5に示すように、防風部材20の上端縁を波状とした場合、細長い隙間が生じないため、風切り音が発生しにくい。
【0040】
また、これまでの説明では、第一弾性体24および第二弾性体38を、いずれも、コイルバネとして説明している。しかし、弾性体24,38は、いずれも、適度な付勢力を発揮できるのであれば、コイルバネ以外でもよい。例えば、弾性体24,38は、トーションバネやダンパ等でもよい。また伝達機構42の構成も、適宜変更されてもよい。例えば、上述の伝達機構42は、連結リンク33および第二弾性体38に換えて、または、加えて、他の機械要素を有してもよい。例えば、伝達機構42は、歯車やカム、クランク等を有してもよい。
【0041】
また、ルーフラック10は、起立姿勢と転倒姿勢とに変更可能な防風部材20を有するのであれば、その他の要素は省略されてもよい。例えば、図2図4において、防風部材20を付勢する第一弾性体24を設けているが、第一弾性体24は省略されてもよい。この場合、底板32に荷物100が載置されない限り、防風部材20は、重力を受けて、転倒姿勢をとる。一方で、底板32に荷物100が載置された場合、防風部材20は、支持部材40により押し上げられ、起立姿勢に変化する。これにより、荷物100を異物から適切に保護できる。また、別の形態として、第一弾性体24を設ける一方で、支持部材40を省略してもよい。
【0042】
また、上述の説明では、第一回転軸22を防風部材20の下端に設定している。しかし、第一回転軸22は、他の箇所に設定されてもよい。例えば、図6に示すように、防風部材20の上端に、第一回転軸22が設定されてもよい。さらに、荷物100の重量を受ける受圧部材30は、板状部材に限らず、他の形状の部材、例えば、棒状部材等でもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 ルーフラック、12 ラック本体、14 ワイヤ、20 防風部材、22 第一回転軸、24 第一弾性体、30 受圧部材、32 底板、33 連結リンク、38 第二弾性体、40 支持部材、42 伝達機構、43 ガイド部材、44 ガイド孔、46 移動シャフト、48 第二回転軸、100 荷物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6