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特開2025-2212情報処理装置、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002212
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
G06F11/34 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102233
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 周一
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】他の情報に頼ることなく動作ログから日時情報の形式を特定可能にする。
【解決手段】情報処理装置10は、動作ログ24のうちから特定の日付更新箇所を含む特定期間から日時情報の形式を特定する。たとえば、情報処理装置10は、動作ログ24の日付更新において「07」から「08」と、「31」から「01」とを検出できる。情報処理装置10は、「07」から「08」への更新が年と月と日のいずれでもあり得るが、「31」から「01」への更新が日のみであり得ることから、「31」から「01」への更新が日の更新であることを特定できる。また、情報処理装置10は、「07」から「08」への更新があり、「22」の更新がないことから、「07」から「08」への更新が月の更新であることを特定できる。このようにして、情報処理装置10は、動作ログ24の日時情報の形式が「月-日-年(mm-dd-yy)」であることを特定できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日時情報の形式が特定されない所定のアプリケーションが生成する所定期間の動作ログを取得し、
前記動作ログの解析対象となる事象の発生日時を取得し、
前記所定期間の動作ログのうち日付の更新がある特定期間を特定し、
前記特定期間の動作ログに含まれる日時情報から当該日時情報の形式を特定し、
前記所定期間の動作ログから前記発生日時を含む解析対象期間の動作ログを抽出する処理部、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
月替わりを伴う日付の更新がある期間を前記特定期間として特定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
月日年の順に情報が並ぶ第1形式と、日月年の順に情報が並ぶ第2形式と、年月日の順に情報が並ぶ第3形式のいずれかに当て嵌めて当該日時情報の形式を特定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記所定のアプリケーションの日時情報の形式を特定したとき当該アプリケーションにおける日時情報の形式を特定可能にする定義情報を生成する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、
あらかじめ定める形式に日時情報を変換して、前記抽出した解析対象期間の動作ログを出力可能にする、
請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
日時情報の形式が特定されない所定のアプリケーションが生成する所定期間の動作ログを取得し、
前記動作ログの解析対象となる事象の発生日時を取得し、
前記所定期間の動作ログのうち日付の更新がある特定期間を特定し、
前記特定期間の動作ログに含まれる日時情報から当該日時情報の形式を特定し、
前記所定期間の動作ログから前記発生日時を含む解析対象期間の動作ログを抽出する、
処理を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ログレコードにおける日時のフォーマットは、アプリケーションごとに異なる場合があり、あらかじめアプリケーションごとに日時のフォーマットを定義することが求められる。また、あらかじめ定義された日時フォーマットがなくても、ログレコードの更新日時を既知として既知の更新日時にもとづいてログレコードにおける日時のフォーマットを特定する特定装置の提案がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-5363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日時情報の形式が特定されないアプリケーションが生成する所定期間の動作ログを取得した場合に、動作ログの更新日時を既知とできない場合があり、このような場合には、動作ログにおける日時情報の形式について更新日時を既知として特定することができない。
【0005】
1つの側面では、他の情報に頼ることなく動作ログから日時情報の形式を特定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、以下に示すような、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、日時情報の形式が特定されない所定のアプリケーションが生成する所定期間の動作ログを取得し、動作ログの解析対象となる事象の発生日時を取得し、所定期間の動作ログのうち日付の更新がある特定期間を特定し、特定期間の動作ログに含まれる日時情報から当該日時情報の形式を特定し、所定期間の動作ログから発生日時を含む解析対象期間の動作ログを抽出する処理部、を有する。
【発明の効果】
【0007】
1態様によれば、他の情報に頼ることなく動作ログから日時情報の形式を特定可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の動作ログ解析システムの一例を示す図である。
図2】第2の実施形態の営業店システムの一例を示す図である。
図3】第2の実施形態の解析端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第2の実施形態の解析端末の機能ブロックの一例を示す図である。
図5】第2の実施形態のログ収集処理のフローチャートの一例を示す図である。
図6】第2の実施形態の形式解析処理のフローチャートの一例を示す図である。
図7】第2の実施形態の日付特定更新態様テーブルの一例を示す図である。
図8】第2の実施形態の月替わり特定更新態様テーブルの一例を示す図である。
図9】第2の実施形態の動作ログの一例を示す図である。
図10】第2の実施形態の障害発生にもとづく抜粋範囲指定の一例を示す図である。
図11】第2の実施形態の解析ログの一例を示す図である。
図12】第2の実施形態の日時情報定義テーブルの一例を示す図である。
図13】第2の実施形態の形式補正解析ログの一例を示す図である。
図14】第3の実施形態の形式解析処理のフローチャートの一例を示す図である。
図15】第3の実施形態の形式候補テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。なお各実施形態は、矛盾のない範囲で複数の実施形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施形態〕
まず、第1の実施形態について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の動作ログ解析システムの一例を示す図である。動作ログ解析システム1は、1以上のアプリケーションの動作を、それぞれのアプリケーションが生成する動作ログ(ログレコード)から検証可能にする。
【0010】
動作ログ解析システム1は、情報処理装置10と、サーバ20とを含む。情報処理装置10とサーバ20は、通信可能にして接続される。サーバ20は、プログラムによってアプリケーションを動作し、所定のサービスを提供可能にする。サーバ20において動作するアプリケーションは、1以上あり、たとえば、アプリケーションAと、アプリケーションBと、アプリケーションCがある。アプリケーションAは、所定期間にわたる動作ログ21(動作ログA)を生成し、アプリケーションBは、所定期間にわたる動作ログ22(動作ログB)を生成し、アプリケーションCは、所定期間にわたる動作ログ23(動作ログC)を生成する。
【0011】
動作ログ21は、アプリケーションAにおける所定の動作に日時スタンプを付して記録する。たとえば、動作ログ21は、イベントAが日時「22-08-01 12:34:56」に発生した記録を含む。動作ログ21における日時「22-08-01 12:34:56」は、2022年8月01日 12時34分56秒を意味する。しかしながら、日時「22-08-01 12:34:56」は、当該データのみから定義データなしに2022年8月01日 12時34分56秒を一意に特定することができない。
【0012】
動作ログ22は、アプリケーションBにおける所定の動作に日時スタンプ(タイムスタンプ、日時情報)を付して記録する。たとえば、動作ログ22は、イベントBが日時「08-01-22 12:34:56」に発生した記録を含む。動作ログ22における日時「08-01-22 12:34:56」もまた、2022年08月01日 12時34分56秒を意味する。しかしながら、日時「08-01-22 12:34:56」は、当該データのみから定義データなしに2022年08月01日 12時34分56秒を一意に特定することができない。たとえば、動作ログ21の日時スタンプと同様にして動作ログ22を解釈すると、日時「08-01-22 12:34:56」は、2008年01月22日 12時34分56秒となってしまう。
【0013】
動作ログ23は、アプリケーションCにおける所定の動作に日時スタンプを付して記録する。たとえば、動作ログ23は、イベントCが日時「01-08-22 12:34:56」に発生した記録を含む。動作ログ23における日時「01-08-22 12:34:56」もまた、2022年08月01日 12時34分56秒を意味する。しかしながら、日時「01-08-22 12:34:56」は、当該データのみから定義データなしに2022年08月01日 12時34分56秒を一意に特定することができない。たとえば、動作ログ21の日時スタンプと同様にして動作ログ23を解釈すると、日時「01-08-22 12:34:56」は、2001年08月22日 12時34分56秒となってしまう。
【0014】
サーバ20は、動作ログにおける日時スタンプの解釈を一意に特定可能にするために定義データを用意することができるが、サーバ上で動作するアプリケーションのアップデートや入替に対応した定義データの更新管理が容易でない。
【0015】
情報処理装置10は、動作ログの日時スタンプから定義データなしに日時スタンプの解釈を一意に特定可能にする。情報処理装置10は、定義データなしに日時スタンプの解釈を一意に特定可能にするために、サーバ20から所定期間の動作ログを収集する。
【0016】
まず、動作ログBを対象にした日時スタンプの解釈について説明する。情報処理装置10は、動作ログBについて所定期間のログデータを含む動作ログ24を収集する。動作ログ24は、所定期間のうちに特定の日付更新箇所を含む特定期間を有する。特定の日付更新箇所は、月替わりを伴う日付更新箇所である。たとえば、動作ログ24は、イベントXの発生日時「07-31-22 23:59:59」と、イベントYの発生日時「08-01-22 00:00:01」の間に日付更新があったことを、時「23」から時「00」への変化により特定可能にする。なお、日時スタンプにおける時分秒は、通常において定義データなしに一意に特定可能であるが、時は、「00」から「23」の値しかとらないので「00」から「59」の値をとり得る分や秒と明確に区別可能である。
【0017】
情報処理装置10は、動作ログ24の日付更新において「07」から「08」への更新と、「31」から「01」への更新とを検出できる。情報処理装置10は、「07」から「08」への更新が年と月と日のいずれでもあり得るが、「31」から「01」への更新が年と月ではあり得ず、日のみであり得ることから、「31」から「01」への更新が日の更新であることを特定できる。また、情報処理装置10は、「07」から「08」への更新があり、「22」の更新がないことから、「07」から「08」への更新が月の更新であることを特定できる。
【0018】
このようにして、情報処理装置10は、動作ログ24から動作ログBの日時情報の形式が「月-日-年(mm-dd-yy)」であることを特定できる。情報処理装置10は、同様にして、動作ログAの日時情報の形式が「年-月-日(yy-mm-dd)」であることや、動作ログCの日時情報の形式が「日-月-年(dd-mm-yy)」であることを特定できる。
【0019】
また、情報処理装置10は、動作ログの解析対象となる事象の発生日時、たとえば障害発生日時を取得することができる。情報処理装置10は、動作ログ24のうちから障害発生日時を含む所定範囲(たとえば、前後10分、前後10のイベント等)を解析対象期間とする動作ログ25を抽出する。たとえば、情報処理装置10は、障害発生日時が2022年08月01日 12時00分00秒であるとき、特定した日時情報の形式にもとづいて障害発生日時の前後のログを抽出することができる。動作ログ25は、障害発生日時「2022年08月01日 12時00分00秒」のイベントFを含め、その前にあたる日時「2022年08月01日 11時59分55秒」のイベントE、その後にあたる日時「2022年08月01日 12時00分03秒」のイベントGを記録する。
【0020】
このようにして、情報処理装置10は、他の情報に頼ることなく動作ログ22から日時情報の形式が特定されないアプリケーションBの日時情報の形式を特定し、障害発生において解析対象となる動作ログ25を抽出することができる。他の情報とは、たとえば、あらかじめ用意する、日時情報の形式を特定可能な定義ファイルがある。なお、動作ログ25は、必ずしも動作ログ24に含まれることを要しない。動作ログ24と動作ログ25は、動作ログ22のうちの異なる範囲であってもよいし、同じ範囲であってもよいし、一部の範囲が重なるものであってもよい。また、情報処理装置10は、同様にして、動作ログ21や動作ログ23から解析対象となる動作ログを抽出することができる。
【0021】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、金融機関の営業店システムに関する。まず、支給管理システムのシステム構成について図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態の営業店システムの一例を示す図である。
【0022】
金融機関の営業店システム50は、ネットワーク30,40と、解析端末100と、サーバ200と、窓口端末300(a),300(b),300(c),・・・とを有する。サーバ200と、窓口端末300(a),300(b),300(c),・・・とは、ネットワーク40によって通信可能に接続する。営業店システム50は、サーバ200上で動作するアプリケーションによって営業店の窓口端末300(a),300(b),300(c),・・・から金融サービスを提供可能にする。サーバ200は、複数のアプリケーションを協働させて金融機関の業務処理を集中処理する。また、サーバ200は、アプリケーションごとの動作をログデータ(動作ログ)として記録し、障害発生時の原因究明にログデータを利用可能にする。窓口端末300(a),300(b),300(c),・・・は、営業店(本店、および各支店)の窓口業務をおこなう銀行員によって操作可能な端末装置であり、サーバ200が提供するサービスを利用可能にする。なお、サーバ200は、所定量(たとえば、所定期間あるいは所定イベント数、所定データサイズ等)のログデータを蓄積可能であり、アプリケーションごとに記録量が異なる場合がある。
【0023】
解析端末100とサーバ200とは、ネットワーク30によって通信可能に接続する。なお、解析端末100は、ネットワーク40によってサーバ200と通信可能に接続するものであってもよい。解析端末100は、サーバ200から解析対象となるログデータを取得する端末装置である。
【0024】
サーバ200で動作する複数のアプリケーションは、ログデータの日時情報の形式が不統一である。サーバ200もしくは解析端末100は、ログデータにおける日時情報の形式を特定可能にするためにアプリケーションごとの定義データを用意することができるが、サーバ200上で動作するアプリケーションのアップデートや入替に対応した定義データの更新管理が容易でない。解析端末100は、定義データなしにログデータにおける日時情報の形式を特定可能にする。
【0025】
なお、営業店システム50は、サーバ200で動作する複数のアプリケーションが生成するログデータを解析対象とするシステムの一例であって、日時情報の形式が特定されないログデータを生成するシステムであれば、解析端末100の解析対象とすることができる。
【0026】
次に、解析端末100のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態の解析端末のハードウェア構成の一例を示す図である。解析端末100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス114を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0027】
メモリ102は、解析端末100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、たとえばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0028】
バス114に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105および光学ドライブ装置106がある。また、バス114に接続されている周辺機器としては、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0029】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しをおこなう。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0030】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0031】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0032】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りをおこなう。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0033】
機器接続インタフェース107は、解析端末100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。たとえば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しをおこなう装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0034】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信をおこなう。
【0035】
解析端末100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施形態に示した情報処理装置10とサーバ20と、第2の実施形態に示したサーバ200と窓口端末300(a),300(b),300(c),・・・も、図3に示した解析端末100と同様のハードウェアにより実現することができる。
【0036】
解析端末100は、たとえば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施形態の処理機能を実現する。解析端末100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、解析端末100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また解析端末100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0037】
次に、解析端末100の機能について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態の解析端末の機能ブロックの一例を示す図である。解析端末100は、処理部120と記憶部130を有する。処理部120は、所要の処理内容を記述したプログラムをプロセッサ101が実行することにより実現可能である。処理部120は、動作ログ取得部121と、発生日時取得部122と、形式特定部123と、解析対象抽出部124と、解析対象出力部125を含む。記憶部130は、ストレージ装置103により実現可能であり、動作ログ131と発生日時132と特定済形式133を含むデータを記憶可能である。
【0038】
動作ログ取得部121は、サーバ200で動作するアプリケーションが生成する動作ログ(ログデータ)を取得する。記憶部130は、取得した動作ログを動作ログ131として記録する。発生日時取得部122は、動作ログの解析対象となる事象の発生日時(たとえば、障害発生日時等)を取得する。記憶部130は、取得した発生日時を発生日時132として記録する。形式特定部123は、サーバ200から取得したアプリケーションごとの動作ログにおける日時情報の形式を特定する。記憶部130は、特定した日時情報の形式を特定済形式133として記録する。解析対象抽出部124は、サーバ200から取得したアプリケーションごとの動作ログから解析対象となる範囲(解析ログ)を抽出する。解析対象出力部125は、抽出した解析ログを出力可能にする。
【0039】
次に、解析端末100が実行するログ収集処理について図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態のログ収集処理のフローチャートの一例を示す図である。ログ収集処理は、営業店システム50において障害が発生した際の原因究明や動作検証において解析端末100が実行する処理であり、操作担当者が契機を与える。
【0040】
[ステップS11]処理部120は、解析対象となるアプリケーションが生成した動作ログを取得する。処理部120は、解析対象となるアプリケーションが2以上ある場合にそれぞれのアプリケーションから動作ログを取得する。処理部120は、取得した動作ログを動作ログ131として記憶部130に記録する。処理部120が取得する動作ログは、日時情報が特定されていない場合がある。
【0041】
[ステップS12]処理部120は、障害発生日時を取得する。障害発生日時の取得は、操作担当者により障害発生時刻あるいは障害発生期間として入力されるものであってもよいし、障害検知により自動入力されるものであってもよい。処理部120が取得する障害発生日時は、日時情報が既知の形式で入力される。
【0042】
[ステップS13]処理部120は、取得した動作ログの日時情報の形式を解析する形式解析処理を実行する。動作ログの日時情報の形式は、アプリケーションが生成した動作ログごとにおこなう。形式解析処理の詳細については、後で図6を用いて説明する。
【0043】
[ステップS14]処理部120は、日時情報の形式を解析した動作ログから、取得した障害発生日時にもとづいて解析対象となる範囲の動作ログを解析ログとして抽出する。抽出した解析ログは、動作ログ131の1つとして記憶部130に記録する。
【0044】
[ステップS15]処理部120は、日時情報の形式を解析した動作ログについて形式定義を生成し、生成した形式定義を特定済形式133として記憶部130に記録する。処理部120は、形式定義を生成済みの同一のアプリケーションが生成する動作ログについて、形式解析処理をおこなうことなく生成した形式定義を利用可能にする。
【0045】
[ステップS16]処理部120は、解析ログにおける日時情報をあらかじめ定める1の形式(標準形式)に補正する。
[ステップS17]処理部120は、抽出した動作ログを出力して(あるいは出力可能にして)ログ収集処理を終了する。
【0046】
次に、解析端末100が実行する形式解析処理について図6から図8を用いて説明する。図6は、第2の実施形態の形式解析処理のフローチャートの一例を示す図である。図7は、第2の実施形態の日付特定更新態様テーブルの一例を示す図である。図8は、第2の実施形態の月替わり特定更新態様テーブルの一例を示す図である。形式解析処理は、ログ収集処理のステップS13において解析端末100が実行する処理である。
【0047】
[ステップS21]処理部120は、解析対象となる動作ログの日付更新箇所を探索する。日付更新箇所は、時分秒を示す情報のうち時「23」から時「00」への変化により特定する。なお、動作ログの日時情報における時分秒は、通常において定義データなしに一意に特定可能である。また、時は、「00」から「23」の値しかとらないので「00」から「59」の値をとり得る分や秒と明確に区別可能である。
【0048】
[ステップS22]処理部120は、日付更新箇所における年月日の特定更新態様(日付特定更新態様)を探索し、日付特定更新態様から日(日付情報)を特定する。図7に示す日付特定更新態様テーブル150は、日付特定更新態様に相当する、更新前の日付と更新後の日付の組合せを定義する。日付特定更新態様テーブル150は、更新前「31(日)」と更新後「01(日)」の組合せ、更新前「30(日)」と更新後「01(日)」の組合せ、更新前「29(日)」と更新後「01(日)」の組合せ、および更新前「28(日)」と更新後「01(日)」の組合せを示す。これら組合せは、年や月の更新に現れない特定態様であることから、日付を特定可能にする。
【0049】
[ステップS23]処理部120は、特定更新態様(月替わり特定更新態様)から月(月情報)を特定する。月替わり箇所は、ステップS22で探索した日付更新箇所に一致する。図8に示す月替わり特定更新態様テーブル152は、月替わり特定更新態様に相当する、更新前の月と更新後の月の組合せを定義する。月替わり特定更新態様テーブル152は、更新前「01(月)」と更新後「02(月)」の組合せ、更新前「02(月)」と更新後「03(月)」の組合せ、更新前「03(月)」と更新後「04(月)」の組合せ、・・・、および更新前「12(月)」と更新後「01(月)」の組合せを示す。これら組合せは、更新前「12(月)」と更新後「01(月)」の組合せを除いて同時に年の更新がないこと、更新前「12(月)」と更新後「01(月)」の組合せが年の更新に現れないことから、月を特定可能にする。
【0050】
[ステップS24]処理部120は、年月日のうち月と日を特定したことから、その余を年(年情報)として特定する。
[ステップS25]処理部120は、解析対象となる動作ログの特定した日時情報の形式を特定済形式133として記憶部130に記録して、形式解析処理を終了する。
【0051】
次に、解析端末100が実行する形式解析について図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態の動作ログの一例を示す図である。動作ログ154は、連続したログ「31-07-22 23:59:59 AAAA START」とログ「01-08-22 00:00:00 AAAA END」に、日付更新箇所156がある。
【0052】
日付更新箇所156は、ログ「31-07-22 23:59:59 AAAA START」における時を示す情報が「23」、ログ「01-08-22 00:00:00 AAAA END」における時を示す情報が「00」であることから特定可能である。
【0053】
ログ「31-07-22 23:59:59 AAAA START」における日時情報が「31-07-22」であり、ログ「01-08-22 00:00:00 AAAA END」における日時情報が「01-08-22」であることから、特定更新態様158は、日付特定更新態様テーブル150より日付特定更新態様であることがわかる。また、特定更新態様160は、月替わり特定更新態様テーブル152より月替わり特定更新態様であることがわかる。このことから、動作ログ154における日時情報の形式は、「日-月-年(dd-mm-yy)」であることが特定される。
【0054】
次に、ログ収集処理のステップS14で抽出する動作ログ(解析ログ)の抜粋範囲指定について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態の障害発生にもとづく抜粋範囲指定の一例を示す図である。障害発生日時は、障害対応の時点で必ずしも障害発生日時を特定できない場合があることや、障害の発生原因が障害発生前から生じている場合があること、障害範囲の把握等のために、ある程度の幅をもって動作ログから解析ログを抽出する。処理部120は、動作ログの抜粋範囲指定を受け付けることができ、抜粋範囲指定にもとづいて動作ログから解析ログを抽出する。
【0055】
抜粋範囲指定162は、操作担当者により入力されるものであってもよいし、障害発生時刻にもとづいて自動入力されるものであってもよい。抜粋範囲指定162における日時情報は、既知の形式で入力される。たとえば、抜粋範囲指定162は、2022/08/01 10:00:00(2022年8月1日 10時0分0秒)を開始時刻として、2022/08/01 13:00:00(2022年8月1日 13時0分0秒)を終了時刻として抜粋範囲を指定する。
【0056】
次に、ログ収集処理のステップS14で抽出する動作ログについて図11を用いて説明する。図11は、第2の実施形態の解析ログの一例を示す図である。解析ログ164は、動作ログ154から抜粋される。なお、解析ログ164は、図9に示した動作ログ154の図示範囲外から抽出されるものであってもよい。
【0057】
処理部120は、動作ログ154の日時情報の形式が特定されていることから、抜粋範囲指定162により抽出対象となる解析ログ164を特定できる。処理部120は、動作ログ154における日時情報の形式が「日-月-年(dd-mm-yy)」であると特定されていることから、ログ「01-08-22 12:34:56 AAAA START」が抜粋範囲指定162の範囲内にあることを特定できる。これにより、処理部120は、動作ログ154から日時情報の形式をあらかじめ定義する定義ファイルなしに解析ログ164を抽出することができる。
【0058】
次に、日時情報の形式の解析結果として得る形式定義について図12を用いて説明する。図12は、第2の実施形態の日時情報定義テーブルの一例を示す図である。日時情報定義テーブル166は、日時情報の形式の解析結果として得る形式定義の1つである。動作ログ154の取得元がアプリケーションDであり、日時情報の形式が「dd-mm-yy(日-月-年)」であると特定されたとき、処理部120は、日時情報定義テーブル166を特定済形式133として記憶部130に記録する。
【0059】
これにより、解析端末100は、アプリケーションDが出力する動作ログについて、日時情報の形式を解析することなしに、記憶部130から特定済形式133を参照して日時情報の形式を特定できる。なお、解析端末100は、特定済形式133に有効期限を設けるようにして、古い情報から誤った日時情報の特定がおこなわれることを防止するようにしてもよい。また、解析端末100は、アプリケーションDに限らず、サーバ200上で動作するアプリケーションの更新があった時に記憶部130が記憶する特定済形式133を初期化するようにしてもよい。このようにすれば、解析端末100は、最新のサーバ200のアプリケーション動作環境を日時情報の形式の特定に反映することができる。
【0060】
次に、解析ログの日時情報の形式補正について図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態の形式補正解析ログの一例を示す図である。形式補正解析ログ168は、解析ログ164から生成される。なお、形式補正解析ログ168は、解析ログ164の日時情報の形式を、日時情報をあらかじめ定める1の形式(標準形式)に補正する。標準形式は、たとえば、日時情報の形式を「年-月-日(yy-mm-dd)」とする。これにより、解析端末100は、解析ログ164のログ「01-08-22 12:34:56 AAAA START」を、形式補正解析ログ168においてログ「22-08-01 12:34:56 AAAA START」とすることができる。
【0061】
このような解析端末100は、サーバ200から日時情報の形式が異なる複数の動作ログを取得して、複数の解析ログを出力するときに、各々の日時情報の形式を揃えることができる。これにより、解析端末100は、複数の解析ログを用いた障害検証を容易にすることができる。
【0062】
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態の形式解析処理の変形例となる実施形態である。第3の実施形態の形式解析処理について図14図15を用いて説明する。図14は、第3の実施形態の形式解析処理のフローチャートの一例を示す図である。図15は、第3の実施形態の形式候補テーブルの一例を示す図である。第3の実施形態の形式解析処理もまた、ログ収集処理のステップS13において解析端末100が実行する処理である。
【0063】
[ステップS31]処理部120は、解析対象となる動作ログの日付更新箇所を探索する。日付更新箇所は、時分秒を示す情報のうち時「23」から時「00」への変化により特定する。なお、動作ログの日時情報における時分秒は、通常において定義データなしに一意に特定可能である。また、時は、「00」から「23」の値しかとらないので「00」から「59」の値をとり得る分や秒と明確に区別可能である。
【0064】
[ステップS32]処理部120は、日付更新箇所における年月日の特定更新態様(日付特定更新態様)を探索し、日付特定更新態様テーブル150(図7参照)に示した日付特定更新態様から日(日付情報)を特定する。
【0065】
[ステップS33]処理部120は、ステップS32で特定した日付情報と、図15に示す形式候補テーブル170に規定された日時情報の形式候補から日付情報の形式を特定する。形式候補テーブル170に規定された日時情報の形式候補は、「mm-dd-yy(月-日-年)」、「dd-mm-yy(日-月-年)」、および「yy-mm-dd(年-月-日)」のいずれかであり、日付情報の位置が異なる。したがって、処理部120は、解析対象となる動作ログの日付情報の位置を特定することで、形式候補テーブル170にある日時情報の形式候補のうちから日時情報の形式を1つに特定することができる。
【0066】
なお、形式候補「mm-dd-yy(月-日-年)」は、米国において多く利用される形式であり、形式候補「dd-mm-yy(日-月-年)」は、英国において多く利用される形式であり、形式候補「yy-mm-dd(年-月-日)」は、日本国において多く利用される形式である。一般に、多くのアプリケーションは、この3形式で動作ログを出力するため、形式候補テーブル170は、実用上において有用である。
【0067】
[ステップS34]処理部120は、解析対象となる動作ログの特定した日時情報の形式を特定済形式133として記憶部130に記録して、形式解析処理を終了する。
このような解析端末100は、解析対象となる動作ログの日時情報の形式をより速やかに特定することができる。
【0068】
なお、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1 動作ログ解析システム
10 情報処理装置
20 サーバ
21,22,23,24,25 動作ログ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図10
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