(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002216
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】タッチセンサ機能付き棒状導光体
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241226BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241226BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241226BHJP
【FI】
F21S2/00 444
F21S2/00 439
F21V23/00 113
F21V23/00 140
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102237
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山口 歩
(72)【発明者】
【氏名】池田 開
(72)【発明者】
【氏名】河田 任史
【テーマコード(参考)】
3K014
3K244
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K244AA09
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA13
3K244EA08
3K244HA01
(57)【要約】
【課題】タッチセンサ機能付き棒状導光体を提供する。
【解決手段】タッチセンサ機能付き棒状導光体であって、一端面と、他端面と、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する光を発光する光源と、を備え、前記棒状導光部本体の外周面は、出光面と、その反対側に配置された光学素子と、を含み、さらに、前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り光を受光する受光素子と、所定間隔で前記光源を発光させる光源制御部と、前記戻り光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、前記戻り光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記光源の発光から前記受光素子の受光までの時間を演算する第1演算部と、前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、
前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する光を発光する光源と、を備え、
前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、
さらに、
前記一端面に対向して配置され、前記光源が発光し前記棒状導光部本体内を導光される光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り光を受光する受光素子と、
所定間隔で前記光源を発光させる光源制御部と、
前記戻り光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、
前記戻り光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記光源の発光から前記受光素子の受光までの時間を演算する第1演算部と、
前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備えるタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【請求項2】
前記光源は、可視光を発光する半導体発光素子である請求項1に記載のタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【請求項3】
一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、
前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する可視光を発光する可視光源と、
前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する赤外光を発光する赤外光源と、を備え、
前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、
さらに、
前記一端面に対向して配置され、前記赤外光源が発光し前記棒状導光部本体内を導光される光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り赤外光を受光する受光素子と、
所定間隔で前記赤外光源を発光させる光源制御部と、
前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、
前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記赤外光源の発光から前記受光素子の受光までの時間を演算する第1演算部と、
前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備えるタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【請求項4】
前記可視光源は、第1色の可視光を発光する第1可視光源と、第2色の可視光を発光する第2可視光源と、を含み、
前記第1可視光源は、前記一端面に対向して配置され、
前記第2可視光源は、前記他端面に対向して配置され、
前記光源制御部は、前記棒状導光部本体内で前記第1色の可視光と前記第2色の可視光とが前記検出対象物の位置に対応する位置で交わるように、前記第1可視光源の明るさ及び前記第2可視光源の明るさを制御する請求項3に記載のタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【請求項5】
一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、
前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する光を発光する光源と、を備え、
前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、
さらに、
前記他端面に対向して配置され、前記赤外光源が発光し前記一端面から入光し、前記他端面に向けて前記棒状導光部本体内を導光される赤外光、及び前記棒状導光部本体内を導光される赤外光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り赤外光を受光する受光素子と、
所定間隔で前記光源を発光させる光源制御部と、
前記赤外光又は前記戻り光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、
前記戻り光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記赤外光の受光から前記戻り赤外光の受光までの時間を演算する第1演算部と、
前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備えるタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【請求項6】
前記光源は、可視光を発光する半導体発光素子である請求項5に記載のタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【請求項7】
一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、
前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する可視光を発光する可視光源と、
前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する赤外光を発光する赤外光源と、を備え、
前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、
さらに、
前記他端面に対向して配置され、前記赤外光源が発光し前記一端面から入光し、前記他端面に向けて前記棒状導光部本体内を導光される赤外光、及び前記棒状導光部本体内を導光される赤外光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り赤外光を受光する受光素子と、
所定間隔で前記赤外光源を発光させる光源制御部と、
前記赤外光又は前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、
前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記赤外光の受光から前記戻り赤外光の受光までの時間を演算する第1演算部と、
前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備えるタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【請求項8】
前記可視光源は、第1色の可視光を発光する第1可視光源と、第2色の可視光を発光する第2可視光源と、を含み、
前記第1可視光源は、前記一端面に対向して配置され、
前記第2可視光源は、前記他端面に対向して配置され、
前記光源制御部は、前記棒状導光部本体内で前記第1色の可視光と前記第2色の可視光とが前記検出対象物の位置に対応する位置で交わるように、前記第1可視光源の明るさ及び前記第2可視光源の明るさを制御する請求項7に記載のタッチセンサ機能付き棒状導光体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ機能付き棒状導光体に関する。
【背景技術】
【0002】
棒状導光体と、棒状導光体の一端面に対向して配置した光源と、を備えた発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。棒状導光体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、棒状導光体内を導光される光(可視光)を拡散反射して出光面から出光させる光学素子(ノッチ)と、を含む。光源が発光した光は、一端面から入光し、他端面に向けて棒状導光体内を導光される。その際、他端面に向けて導光される光のうち一部の光は、光学素子に入射し当該光学素子で内面反射(拡散反射)されることにより、出光面から出光する。これにより、棒状導光体が発光する。
【0003】
これに対して、本発明者らは、棒状導光体をタッチセンサとして機能させることを検討した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、棒状導光体をタッチセンサとして機能させることについては一切提案されていない。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、タッチセンサ機能付き棒状導光体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかるタッチセンサ機能付き棒状導光体は、一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する光を発光する光源と、を備え、前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、さらに、前記一端面に対向して配置され、前記光源が発光し前記棒状導光部本体内を導光される光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り光を受光する受光素子と、所定間隔で前記光源を発光させる光源制御部と、前記戻り光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、前記戻り光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記光源の発光から前記受光素子の受光までの時間を演算する第1演算部と、前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備える。
【0008】
このような構成により、タッチセンサ機能付き棒状導光体を提供することができる。すなわち、本来の発光装置としての機能及びタッチセンサ機能(タッチ位置検出機能)の両方が一体化された棒状導光体を提供することができる。
【0009】
上記タッチセンサ機能付き棒状導光体において、前記光源は、可視光を発光する半導体発光素子であってもよい。
【0010】
また、本開示にかかる別のタッチセンサ機能付き棒状導光体は、一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する可視光を発光する可視光源と、前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する赤外光を発光する赤外光源と、を備え、前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、さらに、前記一端面に対向して配置され、前記赤外光源が発光し前記棒状導光部本体内を導光される光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り赤外光を受光する受光素子と、所定間隔で前記赤外光源を発光させる光源制御部と、前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記赤外光源の発光から前記受光素子の受光までの時間を演算する第1演算部と、前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備える。
【0011】
このような構成により、タッチセンサ機能付き棒状導光体を提供することができる。すなわち、本来の発光装置としての機能及びタッチセンサ機能(タッチ位置検出機能)の両方が一体化された棒状導光体を提供することができる。
【0012】
上記タッチセンサ機能付き棒状導光体において、前記可視光源は、第1色の可視光を発光する第1可視光源と、第2色の可視光を発光する第2可視光源と、を含み、前記第1可視光源は、前記一端面に対向して配置され、前記第2可視光源は、前記他端面に対向して配置され、前記光源制御部は、前記棒状導光部本体内で前記第1色の可視光と前記第2色の可視光とが前記検出対象物の位置に対応する位置で交わるように、前記第1可視光源の明るさ及び前記第2可視光源の明るさを制御してもよい。
【0013】
また、本開示にかかる別のタッチセンサ機能付き棒状導光体は、一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する光を発光する光源と、を備え、前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、さらに、前記他端面に対向して配置され、前記赤外光源が発光し前記一端面から入光し、前記他端面に向けて前記棒状導光部本体内を導光される赤外光、及び前記棒状導光部本体内を導光される赤外光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り赤外光を受光する受光素子と、所定間隔で前記光源を発光させる光源制御部と、前記赤外光又は前記戻り光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、前記戻り光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記赤外光の受光から前記戻り赤外光の受光までの時間を演算する第1演算部と、前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備える。
【0014】
このような構成により、タッチセンサ機能付き棒状導光体を提供することができる。すなわち、本来の発光装置としての機能及びタッチセンサ機能(タッチ位置検出機能)の両方が一体化された棒状導光体を提供することができる。
【0015】
上記タッチセンサ機能付き棒状導光体において、前記光源は、可視光を発光する半導体発光素子であってもよい。
【0016】
また、本開示にかかる別のタッチセンサ機能付き棒状導光体は、一端面と、他端面と、前記一端面と前記他端面との間に配置され、前記一端面から入光した光を他方に向けて導光する棒状導光部本体と、を含む棒状導光部と、前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する可視光を発光する可視光源と、前記一端面に対向して配置され、前記一端面から前記棒状導光部本体に入光する赤外光を発光する赤外光源と、を備え、前記棒状導光部本体の外周面は、光照射方向に配置される出光面と、その反対側に配置され、前記棒状導光部本体内を導光される光を拡散反射して前記出光面から出光させる光学素子と、を含み、さらに、前記他端面に対向して配置され、前記赤外光源が発光し前記一端面から入光し、前記他端面に向けて前記棒状導光部本体内を導光される赤外光、及び前記棒状導光部本体内を導光される赤外光のうち前記出光面に接触した検出対象物で反射された戻り赤外光を受光する受光素子と、所定間隔で前記赤外光源を発光させる光源制御部と、前記赤外光又は前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したか否かを判定する判定部と、前記戻り赤外光を前記受光素子が受光したと判定された場合、前記赤外光の受光から前記戻り赤外光の受光までの時間を演算する第1演算部と、前記時間に基づいて、前記検出対象物の位置を演算する第2演算部と、を備える。
【0017】
このような構成により、タッチセンサ機能付き棒状導光体を提供することができる。すなわち、本来の発光装置としての機能及びタッチセンサ機能(タッチ位置検出機能)の両方が一体化された棒状導光体を提供することができる。
【0018】
上記タッチセンサ機能付き棒状導光体において、前記可視光源は、第1色の可視光を発光する第1可視光源と、第2色の可視光を発光する第2可視光源と、を含み、前記第1可視光源は、前記一端面に対向して配置され、前記第2可視光源は、前記他端面に対向して配置され、前記光源制御部は、前記棒状導光部本体内で前記第1色の可視光と前記第2色の可視光とが前記検出対象物の位置に対応する位置で交わるように、前記第1可視光源の明るさ及び前記第2可視光源の明るさを制御してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本開示により、タッチセンサ機能付き棒状導光体を提供することができる。すなわち、本来の発光装置としての機能及びタッチセンサ機能(タッチ位置検出機能)の両方が一体化された棒状導光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】(a)(b)実施の形態1のタッチセンサ機能付き棒状導光体10の概略構成図である。
【
図3】(a)所定間隔(赤外光源40の発光間隔)の一例、(b)赤外光源40の発光から受光素子50の受光までの時間T
Aの一例、(c)赤外光源40の発光から受光素子50の受光までの時間T
Aの他の一例である。
【
図4】制御システム100の動作例を説明するためのフローチャート例である。
【
図6】(a)、(b)実施の形態2のタッチセンサ機能付き棒状導光体10Aの概略構成図である。変形例1の説明図である。
【
図7】(a)所定間隔(赤外光源40の発光間隔)の一例、(b)戻り赤外光の計測を開始(受光素子50による赤外光Ray2の受光)から受光素子50による戻り赤外光Ray4の受光までの時間T
Aの一例である。
【
図8】実施の形態2の制御システム100の動作例を説明するためのフローチャート例である。
【
図10】(a)、(b)棒状導光体10、10Aの使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態であるタッチセンサ機能付き棒状導光体10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0022】
<実施の形態1>
図1(a)、
図1(b)は、実施の形態1のタッチセンサ機能付き棒状導光体10の概略構成図である。
【0023】
図1(a)に示すように、タッチセンサ機能付き棒状導光体10(以下、棒状導光体10と記載する)は、棒状導光部20、可視光源30、赤外光源40、受光素子50を備えている。可視光源30、赤外光源40、受光素子50は、基板60(同一面)に実装されている。
【0024】
図1(a)に示すように、棒状導光部20は、一端面21と、その反対側の他端面22と、一端面21と他端面22との間に配置され、一端面21から入光した光を他端面22に向けて導光する棒状導光部本体23と、を含む。
【0025】
棒状導光部本体23の外周面は、光照射方向に配置される出光面23aと、その反対側に配置され、棒状導光部本体23内を導光される光(可視光及び赤外光)を拡散反射して出光面23aから出光させる光学素子23bと、を含む。光学素子23bは、例えば、V溝等のレンズカット(複数)である。光学素子23bは、
図1(a)中符号Lが示す範囲に設けられている。
【0026】
以下、棒状導光部20として断面形状が円形状の一般的な導光棒を用いる例について説明する。なお、これに限らず、棒状導光部20として、断面形状が銀杏形状の導光棒を用いてもよいし、断面形状が矩形の導光板を用いてもよいし、断面形状がそれ以外の形状の棒状導光部を用いてもよい。なお、断面形状が銀杏形状の導光棒については、例えば、特開2017-41368号公報に記載されている。
【0027】
可視光源30は、可視光(例えば、白色光)を発光するLED等の半導体発光素子である。可視光源30は、発光面(例えば、1mm角の矩形の発光面)を備える。可視光源30(発光面)は、一端面21に対向して配置されている。可視光源30が発光した可視光は、可視光源30と一端面21との間に配置された集光レンズ70を介して集光された後、一端面21から棒状導光部本体23に入光する。なお、集光レンズ70を省略し、可視光源30が発光した可視光が、一端面21から棒状導光部本体23に直接入光するようにしてもよい。
【0028】
図1(a)に示すように、可視光源30が発光した可視光Ray1は、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。その際、他端面22に向けて導光される可視光Ray1のうち一部の可視光Ray1aは、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光する。これにより、棒状導光部20が発光(例えば、均一発光)する。
【0029】
赤外光源40は、赤外光(不可視光)を発光するLED等の半導体発光素子である。赤外光源40は、発光面(例えば、1mm角の矩形の発光面)を備える。赤外光源40(発光面)は、一端面21に対向して配置されている。赤外光源40が発光した赤外光は、集光レンズ70を介して集光された後、一端面21から棒状導光部本体23に入光する。なお、集光レンズ70を省略し、赤外光源40が発光した赤外光が、一端面21から棒状導光部本体23に直接入光するようにしてもよい。
【0030】
図1(a)に示すように、赤外光源40が発光した赤外光Ray2は、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。その際、他端面22に向けて導光される赤外光Ray2のうち一部の赤外光Ray2aは、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光する。
【0031】
図1(b)に示すように、検出対象物80が出光面23aに接触している場合、検出対象物80で反射された赤外光Ray2は、一端面21に向けて棒状導光部本体23内を導光される。
図1(b)中符号Ray3が示す矢印は、この一端面21に向けて棒状導光部本体23内を導光される赤外光を表す。以下、この赤外光を戻り赤外光Ray3と記載する。検出対象物80は、例えば、ユーザの手指(例えば、人差し指)である。以下、手指80とも記載する。
【0032】
受光素子50は、外部から入射する光(例えば、戻り赤外光Ray3)を受光し、その受光した光の強度に応じたアナログ信号(光電流)を出力する。受光素子50は、一端面21に対向して配置されている。受光素子50としては、例えば、フォトダイオードを用いることができる。なお、受光素子50と一端面21との間に可視光カットフィルタを配置してもよい。
【0033】
次に、タッチセンサ機能付き棒状導光体10を制御する制御システム100の構成例について説明する。
【0034】
【0035】
図2に示すように、制御システム100は、可視光源30、赤外光源40、受光素子50、ADコンバータ51、LEDドライバ52、制御部110を備えている。可視光源30、赤外光源40、受光素子50については既に説明したので、説明を省略する。
【0036】
ADコンバータ51は、受光素子50が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。この変換されたデジタル信号は、制御部110に入力される。
【0037】
制御部110は、例えば、プロセッサ(図示せず)、記憶部111、メモリ112を備えるECU(Electronic Control Unit)である。
【0038】
プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。プロセッサは、記憶部111(例えば、ROM)からメモリ112(例えば、RAM)に読み込まれた所定プログラム(図示せず)を実行することにより、信号制御部113、判定部114、距離演算部115として機能する。これらの一部又は全部は、ハードウエアにより実現してもよい。
【0039】
信号制御部113(本開示の光源制御部の一例)は、可視光源30が所定明るさで発光するようにLEDドライバ52を制御する。また、信号制御部113は、赤外光源40が所定間隔で発光するようにLEDドライバ52を制御する。LEDドライバ52は、信号制御部113からの制御に従い、可視光源30を所定明るさで発光させる。また、LEDドライバ52は、信号制御部113からの制御に従い、赤外光源40を所定間隔で発光させる。この所定間隔(赤外光源40の発光間隔)について説明する。
【0040】
図3(a)は所定間隔(赤外光源40の発光間隔)の一例、
図3(b)は赤外光源40の発光から受光素子50の受光までの時間T
Aの一例、
図3(c)は赤外光源40の発光から受光素子50の受光までの時間T
Aの他の一例である。
【0041】
図3(a)中パルス(
図3(a)中符号pulse1、pulse2参照)の立ち上がりが赤外光源40の発光に対応し、パルス間隔T
Lが所定間隔(赤外光源40の発光間隔)に対応する。
【0042】
パルス間隔T
Lは、L×2/cの式により演算するのが望ましい。但し、Lは棒状導光部20(棒状導光部本体23)の長さ(
図1(a)参照)、cは棒状導光部20(棒状導光部本体23)内を赤外光が1秒間に進む距離である。L×2/cは、一端面21から入光した赤外光が棒状導光部20(棒状導光部本体23)内を他端面22まで導光され往復して一端面21まで戻ってくるまでの時間を表す。
【0043】
例えば、棒状導光部20(棒状導光部本体23)の長さL=30cmの場合、パルス間隔TL=30cm×2/c≒2nsとなる。
【0044】
このようにパルス間隔T
L、すなわち、所定間隔(赤外光源40の発光間隔)を設定することにより、棒状導光部20(棒状導光部本体23)の一端面21から30cm内のいずれの位置に手指80が接触(タッチ)しても、当該位置(一端面21からの距離L1。
図1(b)参照)を検出することができる。この点はさらに後述する。なお、パルス間隔T
Lは、L×2/c以下であってもよい。
【0045】
判定部114は、戻り赤外光Ray3を受光素子50が受光したか否かを判定する。なお、戻り赤外光Ray3を受光したか否かは、受光素子50の出力に基づき判定することができる。
【0046】
距離演算部115(本開示の第1演算部及び第2演算部の一例)は、戻り赤外光Ray3を受光素子50が受光したと判定された場合、赤外光源40の発光から受光素子50の受光までの時間T
A(
図3(b)、
図3(c)参照)を演算する。また、距離演算部115は、この演算された時間T
Aに基づいて、出光面23aに接触した手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図1(b)参照)を演算(検出)する。この演算の具体例については後述する。
【0047】
次に、上記構成の制御システム100の動作例について説明する。
【0048】
図4は、制御システム100の動作例を説明するためのフローチャート例である。
【0049】
以下前提として、可視光源30が発光した可視光Ray1(例えば、白色光)が、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光されているものとする(
図1(a)参照)。そして、他端面22に向けて導光される可視光Ray1のうち一部の可視光Ray1aが、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光し(
図1(a)参照)、これにより、棒状導光部20が発光(例えば、均一発光)しているものとする。
【0050】
以下の処理は、主に、プロセッサが記憶部111からメモリ112(例えば、RAM)に読み込まれた所定プログラム(図示せず)を実行することにより実現される。
【0051】
まず、赤外光源40が赤外光を発光する(ステップS10)。これは、例えば、信号制御部113により実現される。具体的には、信号制御部113は、赤外光源40が所定間隔(例えば、
図3(a)中パルス間隔T
L参照)で発光するようにLEDドライバ52を制御する。LEDドライバ52は、信号制御部113からの制御に従い、赤外光源40を所定間隔で発光させる。これにより、赤外光源40が赤外光を所定間隔で発光する。
【0052】
ここでは、
図1(a)中符号pulse1が示すパルスに対応して赤外光源40が発光したものとする。
【0053】
ステップS10で赤外光源40が発光した赤外光Ray2は、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。その際、他端面22に向けて導光される赤外光Ray2のうち一部の赤外光Ray2aは、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光する(
図1(a)参照)。
【0054】
ここで、
図1(b)に示すように、手指80が出光面23aに接触している場合、手指80で反射された赤外光Ray2は、一端面21に向けて棒状導光部本体23内を導光される。受光素子50は、この一端面21に向けて棒状導光部本体23内を導光される赤外光、すなわち戻り赤外光Ray3を受光する。そして、受光素子50は、その受光した戻り赤外光Ray3の強度に応じたアナログ信号(光電流)を出力する。
【0055】
次に、受光素子50の出力を確認し(ステップS11)、戻り赤外光Ray3を受光したか否かを判定する(ステップS12)。これは、例えば、判定部114により実現される。
【0056】
次に、戻り赤外光を受光したと判定された場合(ステップS12:YES)、赤外光源40の発光から受光素子50の受光までの時間TAを演算する(ステップS13)。これは、例えば、距離演算部115により実現される。
【0057】
次に、手指80の位置を演算、出力する(ステップS14)。これは、例えば、距離演算部115により実現される。
【0058】
手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図1(b)参照)は、次のようにして演算(検出)できる。
【0059】
すなわち、上記のとおり、棒状導光部20(棒状導光部本体23)内を赤外光が1秒間に進む距離は、cであるため、この関係に基づけば、手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図1(b)参照)=時間T
A×cの式により演算することができる。
【0060】
例えば、出光面23aに手指80が接触することにより、ステップS13において時間T
A=0.67nsが演算された場合(
図3(b)参照)、手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図1(b)参照)=時間T
A×c=0.67ns×c≒10cmとなる。なお、
図3(b)中パルス(
図3(b)中符号pulse3参照)の立ち上がりは、赤外光源40の発光(
図1中符号pulse1参照)に対応して受光素子50が戻り赤外光Ray3を受光したことを表す。
【0061】
同様に、出光面23aに手指80が接触することにより、ステップS13において時間T
A=1.33nsが演算された場合(
図3(c)参照)、手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図1(b)参照)=時間T
A×c=1.33ns×c≒20cmとなる。なお、
図3(c)中パルス(
図3(c)中符号pulse4参照)の立ち上がりは、赤外光源40の発光(
図1中符号pulse1参照)に対応して受光素子50が戻り赤外光Ray3を受光したことを表す。
【0062】
次に、一周期以内か否かを判定する(ステップS15)。すなわち、赤外光源40を発光させる次のパルス(例えば、
図3(a)中pulse2参照)の有無を判定する。これは、例えば、信号制御部113により実現される。
【0063】
その結果、一周期以内と判定された場合(ステップS15:YES)、すなわち、次のパルス(例えば、
図3(a)中pulse2参照)が無い場合、ステップS11に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0064】
一方、一周期以内ではない判定された場合(ステップS15:NO)、すなわち、次のパルス(例えば、
図3(a)中pulse2参照)が有る場合、ステップS10に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0065】
なお、ステップS12において、戻り赤外光を受光しないと判定された場合も(ステップS12:NO)、上記ステップS15の処理が実行される。
【0066】
以上のように、本実施の形態1によれば、タッチセンサ機能付き棒状導光体10を提供することができる。すなわち、本来の発光装置としての機能及びタッチセンサ機能(タッチ位置検出機能)の両方が一体化された棒状導光体10を提供することができる。
【0067】
次に、変形例について説明する。
【0068】
【0069】
図5に示すように、変形例は、実施の形態1の棒状導光体10において、可視光源30として青色光を発光する青色LED30A及び赤色光を発光する赤色LED30Bを用いた例である。それ以外、上記実施の形態1と同様である。
【0070】
青色LED30Aは一端面21に対向して配置されている。一方、赤色LED30Bは、他端面22に対向して配置されている。
【0071】
青色LED30A及び赤色LED30Bの明るさは、棒状導光体10(棒状導光部本体23)内で青色光と赤色光が手指80の検出位置(タッチ位置)に対応する位置で交わるように制御される。これは、例えば、信号制御部113により実現される。
【0072】
変形例によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0073】
また、上記実施の形態1では、赤外光源40を用いる例について説明したが、これに限らない。例えば、赤外光源40に代えて可視光源を用いてもよい。この場合、可視光源30は省略してもよい。
【0074】
<実施の形態2>
図6(a)、
図6(b)は、実施の形態2のタッチセンサ機能付き棒状導光体10Aの概略構成図である。
【0075】
本実施の形態2は、上記実施の形態1と比べ、受光素子50が他端面22に対向して配置されている点が相違する。それ以外、上記実施の形態1と同様である。以下、上記実施の形態1との相違点を中心に説明し、上記実施の形態1と同様の構成については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0076】
図6(a)に示すように、可視光源30が発光した可視光Ray1は、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。その際、他端面22に向けて導光される可視光Ray1のうち一部の可視光Ray1aは、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光する。これにより、棒状導光部20が発光(例えば、均一発光)する。
【0077】
図6(a)に示すように、赤外光源40が発光した赤外光Ray2は、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。その際、他端面22に向けて導光される赤外光Ray2のうち一部の赤外光Ray2aは、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光する。
【0078】
図6(b)に示すように、手指80が出光面23aに接触している場合、手指80で反射された赤外光Ray2は、一端面21に向けて棒状導光部本体23内を導光され、一端面21で全反射され、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。
図6(b)中符号Ray4が示す矢印は、この他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される赤外光を表す。以下、この赤外光を戻り赤外光Ray4と記載する。
【0079】
受光素子50は、外部から入射する光(例えば、戻り赤外光Ray4)を受光し、その受光した光の強度に応じたアナログ信号(光電流)を出力する。受光素子50は、他端面22に対向して配置されている。受光素子50としては、例えば、フォトダイオードを用いることができる。なお、受光素子50と他端面22との間に可視光カットフィルタを配置してもよい。
【0080】
図7(a)は所定間隔(赤外光源40の発光間隔)の一例、
図7(b)は戻り赤外光の計測を開始(受光素子50による赤外光Ray2の受光)から受光素子50による戻り赤外光Ray4の受光までの時間T
Aの一例である。
【0081】
図7(a)中パルス(
図7(a)中符号pulse1、pulse2参照)の立ち上がりが赤外光源40の発光に対応し、パルス間隔T
Lが所定間隔(赤外光源40の発光間隔)に対応する。
【0082】
パルス間隔T
Lは、L×2/c×1.5の式により演算するのが望ましい。但し、Lは棒状導光部20(棒状導光部本体23)の長さ(
図6(a)参照)、cは棒状導光部20(棒状導光部本体23)内を赤外光が1秒間に進む距離である。L×2/c×1.5は、赤外光源40が一端面21に対向した状態で配置され、受光素子50が他端面22に対向した状態で配置されているため、一端面21から入光した赤外光が棒状導光部20(棒状導光部本体23)内を他端面22まで導光され1.5往復して他端面22に到達するまでの時間を表す。
【0083】
例えば、棒状導光部20(棒状導光部本体23)の長さL=30cmの場合、パルス間隔TL=30cm×2/c×1.5≒3nsとなる。
【0084】
このようにパルス間隔T
L、すなわち、所定間隔(赤外光源40の発光間隔)を設定することにより、棒状導光部20(棒状導光部本体23)の一端面21から30cm内のいずれの位置に手指80が接触(タッチ)しても、当該位置(一端面21からの距離L1。
図6(b)参照)を検出することができる。この点はさらに後述する。なお、パルス間隔T
Lは、L×2/c×1.5以下であってもよい。
【0085】
判定部114は、赤外光Ray2、戻り赤外光Ray4を受光素子50が受光したか否かを判定する。なお、赤外光Ray2、戻り赤外光Ray4を受光したか否かは、受光素子50の出力に基づき判定することができる。
【0086】
距離演算部115(本開示の第1演算部及び第2演算部の一例)は、赤外光Ray2を受光素子50が受光したと判定された場合、戻り赤外光Ray4の計測を開始し、この戻り赤外光の計測を開始(受光素子50による赤外光Ray2の受光)から受光素子50による戻り赤外光Ray4の受光までの時間T
A(
図7(b)参照)を演算する。また、距離演算部115は、この演算された時間T
Aに基づいて、出光面23aに接触した手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図6(b)参照)を演算(検出)する。この演算の具体例については後述する。
【0087】
次に、実施の形態2の制御システム100の動作例について説明する。
【0088】
図8は、実施の形態2の制御システム100の動作例を説明するためのフローチャート例である。
【0089】
以下前提として、可視光源30が発光した可視光Ray1(例えば、白色光)が、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光されているものとする(
図6(a)参照)。そして、他端面22に向けて導光される可視光Ray1のうち一部の可視光Ray1aが、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光し(
図6(a)参照)、これにより、棒状導光部20が発光(例えば、均一発光)しているものとする。
【0090】
以下の処理は、主に、プロセッサが記憶部111からメモリ112(例えば、RAM)に読み込まれた所定プログラム(図示せず)を実行することにより実現される。
【0091】
まず、赤外光源40が赤外光を発光する(ステップS20)。これは、例えば、信号制御部113により実現される。具体的には、信号制御部113は、赤外光源40が所定間隔(例えば、
図7(a)中パルス間隔T
L参照)で発光するようにLEDドライバ52を制御する。LEDドライバ52は、信号制御部113からの制御に従い、赤外光源40を所定間隔で発光させる。これにより、赤外光源40が赤外光を所定間隔で発光する。
【0092】
ここでは、
図7(a)中符号pulse1が示すパルスに対応して赤外光源40が発光したものとする。
【0093】
ステップS20で赤外光源40が発光した赤外光Ray2は、一端面21から入光し、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。受光素子50は、この他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される赤外光Ray2を受光する。そして、受光素子50は、その受光した赤外光Ray2の強度に応じたアナログ信号(光電流)を出力する。その際、他端面22に向けて導光される赤外光Ray2のうち一部の赤外光Ray2aは、光学素子23bに入射し当該光学素子23bで内面反射(拡散反射)されることにより、出光面23aから出光する(
図6(a)参照)。
【0094】
次に、受光素子50の出力を確認し(ステップS21)、赤外光Ray2を受光したか否かを判定する(ステップS22)。これは、例えば、判定部114により実現される。
【0095】
次に、赤外光を受光したと判定された場合(ステップS22:YES)、戻り赤外光Ray4の計測を開始する(ステップS23)。
【0096】
ここで、
図6(b)に示すように、手指80が出光面23aに接触している場合、手指80で反射された赤外光Ray2は、一端面21に向けて棒状導光部本体23内を導光され、一端面21で全反射され、他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される。受光素子50は、この他端面22に向けて棒状導光部本体23内を導光される赤外光、すなわち戻り赤外光Ray4を受光する。そして、受光素子50は、その受光した戻り赤外光Ray4の強度に応じたアナログ信号(光電流)を出力する。
【0097】
次に、受光素子50の出力を確認し(ステップS24)、戻り赤外光Ray4を受光したか否かを判定する(ステップS25)。これは、例えば、判定部114により実現される。
【0098】
次に、戻り赤外光を受光したと判定された場合(ステップS25:YES)、戻り赤外光の計測を開始(受光素子50による赤外光Ray2の受光)から受光素子50による戻り赤外光Ray4の受光までの時間T
A(
図7(b)参照)を演算する(ステップS26)。これは、例えば、距離演算部115により実現される。
【0099】
次に、手指80の位置を演算、出力する(ステップS27)。これは、例えば、距離演算部115により実現される。
【0100】
手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図6(b)参照)は、次のようにして演算(検出)できる。
【0101】
すなわち、上記のとおり、棒状導光部20(棒状導光部本体23)内を赤外光が1秒間に進む距離は、cであるため、この関係に基づけば、手指80の位置(一端面21からの距離L1。
図6(b)参照)=(時間T
A×c)/2の式により演算することができる。その理由は、次のとおりである。すなわち、手指80が接触する箇所(出光面23a上の箇所)は、赤外光源40から赤外光が出力されてから(2×L1+L)/c経過したタイミングで受光素子50に受信(戻り赤外光Ray4を受信)された箇所になる。一方、時間T
Aは一回受光素子50で受信(赤外光Ray2を受信)したタイミング(L/c経過したタイミング)から計測している時間になるため、時間T
A=(2×L1+L)/c-L/cとなり、時間T
A=2×L1/cとなる。よって、時間T
A×c=2×L1となり、手指80の位置、すなわち、一端面21からの距離L1(
図6(b)参照))は、L1=(T
A×c)/2となる。
【0102】
なお、
図7(b)中左側のパルスは受光素子50が赤外光Ray2を受光したことに対応し、右側のパルスは受光素子50が戻り赤外光Ray4を受光したことに対応する。
【0103】
次に、一周期以内か否かを判定する(ステップS28)。すなわち、赤外光源40を発光させる次のパルス(例えば、
図7(a)中pulse2参照)の有無を判定する。これは、例えば、信号制御部113により実現される。
【0104】
その結果、一周期以内と判定された場合(ステップS28:YES)、すなわち、次のパルス(例えば、
図7(a)中pulse2参照)が無い場合、ステップS21に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0105】
一方、一周期以内ではない判定された場合(ステップS28:NO)、すなわち、次のパルス(例えば、
図7(a)中pulse2参照)が有る場合、ステップS20に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0106】
なお、ステップS25において、戻り赤外光を受光しないと判定された場合も(ステップS25:NO)、上記ステップS28の処理が実行される。
【0107】
以上のように、本実施の形態2によれば、タッチセンサ機能付き棒状導光体10Aを提供することができる。すなわち、本来の発光装置としての機能及びタッチセンサ機能(タッチ位置検出機能)の両方が一体化された棒状導光体10Aを提供することができる。
【0108】
次に、変形例について説明する。
【0109】
【0110】
図9に示すように、変形例は、実施の形態2の棒状導光体10Aにおいて、可視光源30として青色光を発光する青色LED30A及び赤色光を発光する赤色LED30Bを用いた例である。それ以外、上記実施の形態2と同様である。
【0111】
青色LED30A及び赤外光源40は一端面21に対向して配置されている。一方、赤色LED30B及び受光素子50は、他端面22に対向して配置されている。また、受光素子50と他端面22との間に可視光カットフィルタFが配置されている。
【0112】
青色LED30A及び赤色LED30Bの明るさは、棒状導光体10(棒状導光部本体23)内で青色光と赤色光が手指80の検出位置(タッチ位置)に対応する位置で交わるように制御される。これは、例えば、信号制御部113により実現される。
【0113】
変形例によれば、上記実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
【0114】
また、上記実施の形態2では、赤外光源40を用いる例について説明したが、これに限らない。例えば、赤外光源40に代えて可視光源を用いてもよい。この場合、可視光源30は省略してもよい。
【0115】
次に、棒状導光体10、10Aの使用例について説明する。
【0116】
図10(a)、
図10(b)は、棒状導光体10、10Aの使用例を示す図である。
【0117】
棒状導光体10、10Aは、車室(自動車等の車両の車室。以下同様)内の前部座席の背面に設けてもよいし(
図10(a)参照)、車室内のステアリングに設けてもよいし(
図10(b)参照)、車室内のその他の箇所に設けてもよい。
【0118】
また、棒状導光体10、10Aは、上記のように検出された手指80の位置(タッチ位置)に応じて車室内の照明装置(例えば、アンビエントライト)を制御する(例えば、光色や明るさを調整する)タッチセンサとして用いてもよいし、上記のように検出された手指80の位置(タッチ位置)に応じて車室内の電気機器(例えば、エアコン)を制御する(例えば、エアコン温度を調整する)するタッチセンサとして用いてもよい。このようにすれば、可視光の光色や明るさの調整、エアコンの温度調整等を、タッチ位置に応じて直感的に操作することができる。
【0119】
また、棒状導光体10、10Aは、TV、PC等、又は、それらのリモコン装置等に設けてもよい。このようにすれば、タッチ位置に応じて直感的に画面の明るさ、音量を調整することができる。また、棒状導光体10、10Aは、車室内に限らず、一般家屋等の室内に設け、室内照明等の光色や明るさの調整に用いてもよい。また、ライブハウスの演出照明の調整に用いてもよい。棒状導光体10、10Aによれば、暗い環境であっても手元が見えない、操作部が見えない等の問題を解決できる。また、棒状導光体10、10Aは、駅等に設置されている個室のシェアオフィス内に設けてもよい。また、棒状導光体10、10Aは、家電系の操作パネル(例えば、IHヒーター)として用いてもよい。
【0120】
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0121】
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0122】
10、10B…タッチセンサ機能付き棒状導光体
20…棒状導光体
21…一端面
22…他端面
23…棒状導光部本体
23a…出光面
23b…光学素子
30…可視光源
30A…青色LED
30B…赤色LED
40…赤外光源
41…発光装置
50…受光素子
51…ADコンバータ
52…LEDドライバ
60…基板
70…集光レンズ
80…検出対象物(手指)
100…制御システム
110…制御部
111…記憶部
112…メモリ
113…信号制御部
114…判定部
115…距離演算部
F…可視光カットフィルタ
Ray1、Ray1a…可視光
Ray2、Ray2a…赤外光
Ray3…戻り赤外光
TL…パルス間隔
TA…時間