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特開2025-22160家電保守支援システムおよび家電保守支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022160
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】家電保守支援システムおよび家電保守支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20250206BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126466
(22)【出願日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮良 泰明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 奨一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
(72)【発明者】
【氏名】徳永 益規
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】
家電における不具合に関するログデータをタイムリーに収集し、より実態に即した不具合に対する診断を実現すること。
【解決手段】
家電群2の稼働の状況を示すログデータを収集するログデータ収集部32と、家電群2における不具合の検出を条件に、前記家電の事象の検知を開始する事象検知部と、事象の検知に応じて、前記ログデータ収集部でのログデータの収集条件を変更するログデータ収集条件設定部35と、検知された前記家電の事象を示す事象情報および/または変更された前記収集条件に従って収集されたログデータを分析して、検知された前記家電の事象を示す事象情報および/または変更された前記収集条件に従って収集されたログデータを分析して、前記家電の不具合を診断した診断結果を示す診断情報を出力する診断部34を有する家電保守支援システム。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電の稼働の状況を示すログデータを収集するログデータ収集部と、
前記家電における不具合の検出を条件に、前記家電の事象の検知を開始する事象検知部と、
前記事象の検知に応じて、前記ログデータ収集部でのログデータの収集条件を変更するログデータ収集条件設定部と、
検知された前記家電の事象を示す事象情報および/または変更された前記収集条件に従って収集されたログデータを分析して、前記家電の不具合を診断した診断結果を示す診断情報を出力する診断部を有する家電保守支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の家電保守支援システムにおいて、
前記ログデータ収集条件設定部は、前記ログデータの収集条件を向上化する家電保守支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の家電保守支援システムにおいて、
前記収集条件の向上化は、前記ログデータの粒度の詳細化、収集周期の短周期化、収集するログデータの数および種類の多数化である家電保守支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の家電保守支援システムにおいて、
さらに、前記不具合の発生を認識した利用者からの操作を受け付ける入力部を有し、
前記事象検知部は、前記利用者からの操作に応じて、前記事象の検知を開始する家電保守支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の家電保守支援システムにおいて、
さらに、複数の事象情報を表示する出力部を有し、
前記入力部は、前記利用者から、前記複数の事象情報に対する選択を受け付ける家電保守支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の家電保守支援システムにおいて、
前記事象検知部は、前記家電の画像を撮影する撮影部、前記家電が発生する音を収音する収音部および前記家電を診断する診断部の少なくとも1つである家電保守支援システム。
【請求項7】
コンピュータを、
家電の稼働の状況を示すログデータを収集するログデータ収集部と、
前記家電における不具合の検出を条件に、前記家電の事象の検知を開始する事象検知部と、
前記事象の検知に応じて、前記ログデータ収集部でのログデータの収集条件を変更するログデータ収集条件設定部と、
検知された前記家電の事象を示す事象情報および/または変更された前記収集条件に従って収集されたログデータを分析して、前記家電の不具合を診断した診断結果を示す診断情報を出力する診断部として機能させるための家電保守支援プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の家電保守支援プログラムにおいて、
前記ログデータ収集条件設定部は、前記ログデータの収集条件を向上化する家電保守支援プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の家電保守支援プログラムにおいて、
前記収集条件の向上化は、前記ログデータの粒度の詳細化、収集周期の短周期化、収集するログデータの数および種類の多数化である家電保守支援プログラム。
【請求項10】
請求項7に記載の家電保守支援プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、前記不具合の発生を認識した利用者からの操作を受け付ける入力部として機能させ、
前記事象検知部は、前記利用者からの操作に応じて、前記事象の検知を開始する家電保守支援プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の家電保守支援プログラムにおいて、
前記コンピュータを、さらに、複数の事象情報を表示する出力部として機能させ、
前記入力部は、前記利用者から、前記複数の事象情報に対する選択を受け付ける家電保守支援プログラム。
【請求項12】
請求項7に記載の家電保守支援プログラムにおいて、
前記事象検知部は、前記家電の画像を撮影する撮影部、前記家電が発生する音を収音する収音部および前記家電を診断する診断部の少なくとも1つである家電保守支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる家電で代表される各種機器の管理、その中でも特に、保守を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家電について故障などの不具合が発生した場合、オペレータやサービスマンがが、対応することがある。この際、オペレータやサービスマンは、家電の挙動やログデータを確認して対処することになる。例えば、オペレータにおいては、オペレータ端末を利用していわゆるリモートサポートを実行する。このような、サポートの例として、特許文献1が提案されている。
【0003】
特許文献1には、オペレータがオペレータ端末150を利用して、電化製品10に対してリモートサポートを行う際に、当該電化製品を管理する管理者の連絡先を、管理者情報データベース250から特定した後、前記管理者に前記オペレータの情報を通知し、前記管理者の利用する管理者端末300からのアクセス許可を受信してから前記リモートサポートを開始することで、前記管理者に、リモートサポートに際して安心感を与えることができることが開示されている(要約)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-239020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、リモートサポートを行う場合、遠隔地にあるオペレータ端末から対処することになり、十分な対応ができないことがある。この場合、サービスマンが訪問により不具合に対応することになる。この結果、不具合への対処に時間がかかることになる。これは、不具合に関するログデータを十分に収集、利用できないことに起因する。
【0006】
そこで、本発明では、家電における不具合に関するログデータをより適切に収集、利用可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明の構成は、家電の稼働の状況を示すログデータを収集するログデータ収集部と、前記家電における不具合の検出を条件に、前記家電の事象の検知を開始する事象検知部と、前記事象の検知に応じて、前記ログデータ収集部でのログデータの収集条件を変更するログデータ収集条件設定部と、検知された前記家電の事象を示す事象情報および/または変更された前記収集条件に従って収集されたログデータを分析して、前記家電の不具合を診断した診断結果を示す診断情報を出力する診断部を有する家電保守支援システムである。
【0008】
また、本発明には、コンピュータを、家電の稼働の状況を示すログデータを収集するログデータ収集部と、前記家電における不具合の検出を条件に、前記家電の事象の検知を開始する事象検知部と、前記事象の検知に応じて、前記ログデータ収集部でのログデータの収集条件を変更するログデータ収集条件設定部と、検知された前記家電の事象を示す事象情報および/または変更された前記収集条件に従って収集されたログデータを分析して、前記家電の不具合を診断した診断結果を示す診断情報を出力する診断部として機能させるための家電保守支援プログラムも含まれる。ここで、コンピュータには、利用者が利用する利用者端末や家電保守支援装置ないしこれらの組合せが含まれる。
【0009】
さらに、本発明には、上述の家電保守支援システム、家電保守支援システムやこれを構成する各装置ないしサブシステムを用いた家電保守支援方法も本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、家電における不具合に関するログデータをタイムリーに収集でき、より実態に即した不具合に対する診断を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態における家電保守支援システムのシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態における利用者端末1の機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態における利用者端末1のハードウエア構成図である。
図4】本発明の一実施形態で用いられる利用者管理情報111を示す図である。
図5】本発明の一実施形態で用いられる家電管理情報112を示す図である。
図6】本発明の一実施形態における家電2Aの機能ブロック図である。
図7】本発明の一実施形態における家電保守支援装置3のハードウエア構成図である。
図8A】本発明の一実施形態における保守支援の処理フローを示すフローチャート(その1)である。
図8B】本発明の一実施形態における保守支援の処理フローを示すフローチャート(その2)である。
図9】本発明の一実施形態における事象情報の表示画面1090を示す図である。
図10】本発明の一実施形態におけるステップS21の診断処理の処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、機器の代表として複数の家電の管理を行う。また、管理の一例として、家電の保守を支援する。本実施形態での保守とは、家電で生じる不具合への対処を意味し、修理、部品交換、掃除、分解等の各種手入れを意味する。
【0013】
図1は、本実施形態における家電保守支援システムのシステム構成図である。家電保守支援システムは、利用者端末1および家電保守支援装置3を有し、これらにより、家電群2を管理する。なお、以下では、家電群2を構成する各家電については、家電2Aと称する。
【0014】
このために、利用者端末1、家電群2および家電保守支援装置3は、互いに接続される。このために、これらは、ルータ5やネットワーク6を介して接続してもよいし、近距離通信機能を用いて直接接続してもよい。そして、利用者端末1および家電保守支援装置3が連携して、家電群2のいずれかで不具合が発生ないしその可能性がある場合(以下、単に不具合が発生した、と記載)、その事象を検知し、これに応じて対象の家電2Aでのログデータの収集条件を変更する。この結果、診断を始めとする不具合に対するタイムリーな対処が可能となる。以下、家電群2も含め、これら各装置について説明する。
【0015】
まず、利用者端末1は、保守対象である家電群2の利用者により用いられる情報処理装置である。このため、利用者端末1は、スマートフォン、タブレット、携帯電話やPCといった各種コンピュータで実現できる。図2は、本実施形態における利用者端末1の機能ブロック図である。利用者端末1は、通信部101、撮影部102、収音部103、ログデータ収集部104、不具合検出部105、診断部106、ログデータ収集条件設定部107、入力部108、出力部109および記憶部110を有する。
【0016】
まず、通信部101は、ルータ5やネットワーク6を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、撮影部102は、カメラ等で実現され、周囲の画像を取得する。また、収音部103は、マイク等で実現され、周囲の音声を取得する。これら撮影部102や収音部103は、家電群2で不具合が発生した場合、該当の家電2Aの事象を検知する事象検知部の具体例である。このため、画像や音が家電2Aの事象に相当する。また、事象検知部は、家電群2での不具合を条件として、事象の検知を開始する。ここで、事象検知部は、後述の不具合検出部105での不具合の検出結果を用いて検知を開始してもよいし、不具合の発生を認識した利用者からの操作に応じて検知を開始してもよい。また、この事象情報は、家電2Aにおける故障症状といった不具合の症状を示すことになる。
【0017】
また、ログデータ収集部104は、家電群2の稼働状況を示すログデータを、家電群2から収集する。また、不具合検出部105は、収集されたログデータに基づいて、家電群2での不具合の発生を検出する。
【0018】
また、診断部106は、さらに、事象検知部で検知された事象を示す事象情報を作成すし、この事象情報およびログデータの少なくとも一方を用いて、不具合に対する対処法の特定など診断を行う。ここで、事象情報は、家電2Aで発生した不具合の症状(故障症状を含む)を示す情報である。事象情報として、例えば、異音がする、水漏れがある、電源が落ちる・入らない、表示操作部209が反応しない、などが用いられる。
なお、診断部106も、事象検知部として扱うことができ、この場合、事象情報として診断結果が用いられる。さらに、診断部106は、事象情報およびログデータの少なくとも一方を分析して不具合の発生条件を推定する。この発生条件には、時間帯、気温、湿度などを用いることができる。さらに、発生条件には、他の家電にも共通の環境条件が含まれる。この環境条件には、家電群2が利用される家屋等の電気配線の不具合が含まれる。そして、診断部106は、発生条件を不具合の原因とし、診断を行うことができる。
【0019】
また、ログデータ収集条件設定部107は、所定条件を満たす場合、ログデータの収集条件を特定する。この特定には、既に設定されている収集条件の変更が含まれる。また、所定条件には、事象検知部での事象の検知や利用者からの操作が含まれる。また、ログデータ収集条件設定部107は、所定規則に従って、収集条件を特定することになる。この所定規則には、既に設定された収集条件の向上化が含まれる。この向上化とは、収集するログデータの品質を向上させることであり、粒度の詳細化、収集周期の短周期化、収集するログデータの数、種類の多数化が含まれる。
【0020】
また、所定規則には、事象検知部で検知された事象情報に応じた収集条件とすることも含まれる。例えば、収音部103で収音された音の周波数に従って収集するデータの種類を特定する。これは、周波数により、不具合の内容が推定され、その不具合に応じたログデータを収集することで、より確実性の高い診断を実現できる。さらに、所定規則には、診断部106で推定された不具合の発生条件に応じた収集条件とすることも含まれる。そして、特定された収集条件に従って、ログデータ収集部104は不具合が発生した家電2Aのログデータを収集することになる。
【0021】
ここで、ログデータ収集部104~ログデータ収集条件設定部107の少なくとも1つについては、家電群2や家電保守支援装置3に該当する機能を設け、省略することができる。
【0022】
また、入力部108は、利用者からの各種操作を受け付ける。また、出力部109は、診断部106の診断結果などを出力する。なお、入力部108および出力部109は、タッチパネルのように一体で構成してもよい。さらに、記憶部110は、利用者管理情報111および家電管理情報112を記憶する。これらの情報については、利用者端末1の実装例の後に説明する。
【0023】
次に、利用者端末1の実装例について説明する。上述のように、利用者端末1は、スマートフォン、タブレット、携帯電話やPCといった各種コンピュータで実現できる。図3は、本実施形態における利用者端末1のハードウエア構成図である。図3において、利用者端末1は、カメラ121、マイク122、タッチパネル123、処理装置124、通信装置125および記憶装置126を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0024】
まず、カメラ121は、撮影部102の実装例であり、撮影機能を有する。マイク122は、収音部103の実装例であり、収音機能を有する。また、タッチパネル123は、図2の入力部108および出力部109を兼ねた構成であり、利用者の操作を受け付けたり、診断結果など各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル123は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。
【0025】
また、処理装置124は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置126に記憶されている家電保守支援プログラム127に従って演算を実行する。
【0026】
そして、家電保守支援プログラム127は、その機能ごとに、ログデータ収集モジュール128、不具合検出モジュール129、診断モジュール130およびログデータ収集条件設定モジュール131で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。さらに、家電保守支援プログラム127は、買い替え、操作等の機能も有する、家電群2を管理する統合管理アプリケーションの一機能として実現してもよい。
【0027】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図2に示す構成は、以下のとおりである。
ログデータ収集モジュール128:ログデータ収集部104
不具合検出モジュール129:不具合検出部105
診断モジュール130:診断部106
ログデータ収集条件設定モジュール131:ログデータ収集条件設定部107
このため、処理装置124は、家電保守支援プログラム127に従って、ログデータ収集部104、不具合検出部105、診断部106およびログデータ収集条件設定部107の処理を実行することになる。なお、家電保守支援プログラム127は、後述の記憶装置126やその他記憶媒体に記憶可能である。
【0028】
また、通信装置125は、図2の通信部101に該当し、ルータ5やネットワーク6を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、記憶装置126は、図2の記憶部110に該当し、上述の家電保守支援プログラム127、利用者管理情報111および家電管理情報112を記憶する。このため、記憶装置126は、メモリのような主記憶装置と、いわゆるストレージである副記憶装置(記憶媒体)で実現してもよい。なお、副記憶装置は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどで実現してもよい。
【0029】
ここで、利用者管理情報111および家電管理情報112について説明する。図4は、本実施形態で用いられる利用者管理情報111を示す図である。利用者管理情報111は、利用者端末1の利用者に関する情報である。このため、利用者管理情報111は、図4に示すように、利用者、住所、連絡先および保有家電の各項目を有する。ここで、利用者には、該当の利用者の氏名や会員番号のような利用者を識別する情報である。
【0030】
また、住所は、該当の利用者の住所を示す。また、連絡先は、該当の利用者の連絡先を示し、電話番号やメールアドレスなどを用いることができる。保有家電は、該当の利用者が利用する家電2Aを示す情報である。ここで、利用者管理情報111は、家電保守支援プログラム127における利用者を管理、認証するために用いるために利用できる。なお、利用者管理情報111については、省略してもよい。
【0031】
また、図5は、本実施形態で用いられる家電管理情報112を示す図である。家電管理情報112は、家電群2を管理するための情報である。このため、図5に示すように、家電管理情報112は、家電(2A)ごとに、家電ID、ログデータ、事象情報、不具合/発生条件および収集条件/種別の各項目を有する。
【0032】
まず、家電IDは、該当の家電2Aの個体識別を行う識別情報であるが、家電の項目に含めてもよい。ログデータは、該当の家電2A(例えば、電子レンジ21)の稼働状況を示すログデータである。本実施形態のログデータは、所定周期、稼働ごと等いった収集条件に従って収集される。
【0033】
また、事象情報は、不具合が発生した場合、事象検知部で検知される事象を示す。また、不具合/発生条件は、家電2Aで発生した不具合の内容とその発生した際の状況である発生条件を示す。不具合は、家電2Aのエラーコード等、ログデータから特定される。また、発生条件は、当該不具合が発生した際に、センサ等で検知されたものを用いることができる。収集条件/種別は、ログデータの収集条件を示し、例えば、その周期や気温や庫内温度などが用いられる。種別は、収集するログデータの種別を示すが、この種別は省略でき、全種別(データ)を対象としてもよい。なお、利用者管理情報111および家電管理情報112については、後述の利用者管理情報361や家電管理情報362を用いる場合、少なくとも一方を省略できる。以上で、利用者管理情報111および家電管理情報112を含む利用者端末1の説明を終わり、図1に戻り家電保守支援システムの説明を続ける。
【0034】
家電群2は、保守対象であり、家屋などで利用者により利用される複数の家電2Aである。図1では、家電2Aとして、電子レンジ21、冷蔵庫22、掃除機23、IH調理器24、空気清浄機25および洗濯機26が示されるが、家電2Aはこれらに限定されない。ここで、これら各家電2Aの情報処理上の構成について説明する。図6は、本実施形態における家電2Aの機能ブロック図である。家電群2における各家電2Aは、共通の情報処理を実行するため、まとめてその機能を説明する。
【0035】
家電2Aは、制御部201、通信部208、表示操作部209、稼働部210およびセンサ211を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。
【0036】
まず、制御部201は、調理、洗濯等の各家電2Aの機能を実現するための制御信号を作成して家電2Aの稼働を制御したり、その他情報処理を実行したりする。このために、制御部201は、制御信号作成部202、ログデータ収集部203、不具合検出部204、診断部205、ログデータ収集条件設定部206および記憶部207を有する。
【0037】
制御信号作成部202は、表示操作部209への利用者からの操作や利用者端末1からの制御指令に従った調理等の機能を実行するための制御信号を作成する。なお、図2図3ではその記載を省略したが、利用者端末1は制御指令を作成する機能を有することが望ましい。また、ログデータ収集部203、不具合検出部204、診断部205、ログデータ収集条件設定部206はそれぞれ、ログデータ収集部104、不具合検出部105、診断部106、ログデータ収集条件設定部107と同様の機能を有する。このため、これらの機能の説明は省略する。なお、ログデータ収集部203は、稼働部210やセンサ211からログデータを収集する。なお、ログデータには、稼働部210の稼働の状況やその際の温度など家電2Aの状況を含む。
【0038】
また、不具合検出部204、診断部205およびログデータ収集条件設定部206については、利用者端末1や家電保守支援装置3にこれらの機能を設けることができ、これらの内の少なくとも1つを省略できる。また、記憶部207は、取集されたログデータや収集条件を記憶する。なお、制御部201は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能である。このため、制御部201は、制御信号作成部202、ログデータ収集部203、不具合検出部204、診断部205およびログデータ収集条件設定部206の各部は専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。
【0039】
また、通信部208は、ルータ5やネットワーク6を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、通信部208は、利用者端末1や家電保守支援装置3にログデータを通知したり、利用者端末1から制御指令を受け付けたりする。
【0040】
また、表示操作部209は、利用者から家電2Aに対する操作を受け付けたり、家電2Aで発生した不具合(例えば、エラー)の内容を示すエラーメッセージを出力したりする。稼働部210は、制御信号作成部202で作成された制御信号に従って稼働する。さらに、センサ211は、稼働部210や稼働時間(日時)、稼働の際の気温、湿度を含む家電2Aの状況を計測する。さらに、センサ211は、家電2Aの庫内温度、消費電力、コンセントから電流値(入力値)、などの電源情報なども計測する。このため、センサ211は、計測対象ごとに複数用意することが望ましい。以上で、家電2Aの説明を終わり、続いて、家電保守支援装置3について図1を用いて説明する。
【0041】
図1において、家電保守支援装置3は、通信部31、ログデータ収集部32、不具合検出部33、診断部34、ログデータ収集条件設定部35および記憶部36を有する。
【0042】
まず、通信部31は、ネットワーク6を介して、家電群2や利用者端末1と接続する。ログデータ収集部32、不具合検出部33、診断部34、ログデータ収集条件設定部35はそれぞれ、ログデータ収集部104、不具合検出部105、診断部106、ログデータ収集条件設定部107と同様の機能を有する。このため、これらの機能の説明も省略する。
【0043】
また、記憶部36は、利用者管理情報361および家電管理情報362を記憶する。利用者管理情報361は、利用者管理情報111と同様の項目を有する情報である。但し、図4に利用者Aとして示される特定の利用者以外の情報も含まれる。つまり、利用者管理情報361は、複数の利用者についての情報である。また、家電管理情報362も、家電管理情報112と同様の項目を有する情報である。但し、図4に利用者Aとして示される特定の利用者以外が保有する家電の情報も含まれる。つまり、家電管理情報362は、複数の利用者の家電についての情報である。なお、利用者端末1が、利用者管理情報111や家電管理情報112を記憶する場合、これらの情報の少なくとも一方は省略できる。
【0044】
また、家電保守支援装置3は、オペレータやサービスマンが利用する保守支援端末4と接続する。保守支援端末4は、オペレータやサービスマンから操作指示を受け付けたり、これに応じた情報を表示したりする。このため、保守支援端末4は、スマートフォン、タブレット、PCといった情報処理装置(コンピュータ)で実現できる。そして、保守支援端末4は、利用者管理情報361や収集されたログデータを含む家電管理情報362を表示し、オペレータやサービスマンは家電2Aにおける不具合の状態を確認できる。なお、保守支援端末4は、ネットワーク6を介して、家電保守支援装置3と接続してもよいし、直接接続してもよい。また、保守支援端末4は省略してもよい。
【0045】
また、ルータ5は、利用者端末1や家電群2の通信を仲介する装置であるが、省略してもよい。ネットワーク6は、上述の各装置を接続するもので、インターネットなど広域ネットワークやこれとローカルなネットワークとの組合せで実現できる。
【0046】
次に、家電保守支援装置3の一実装例であるハードウエア構成について説明する。家電保守支援装置3は、サーバ、クラウドシステム等のコンピュータで実現できる。図7は、本実施形態における家電保守支援装置3のハードウエア構成図である。図7において、家電保守支援装置3は、処理装置301、通信装置302、メモリ303および副記憶装置304を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0047】
まず、処理装置301は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置304に記憶されている家電保守支援プログラム305に従って演算を実行する。また、通信装置302は、図1の通信部31に該当し、ネットワーク6と接続し、利用者端末1など他の装置との通信を行う。
【0048】
また、メモリ303および副記憶装置304が、図1の記憶部36に該当する。そして、メモリ303は、副記憶装置304に記憶されている家電保守支援プログラム305や処理装置301での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置304は、いわゆるストレージで実現できる。そして、副記憶装置304は、家電保守支援プログラム305、利用者管理情報361および家電管理情報362を記憶する。また、副記憶装置304は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現してもよいし、ファイルサーバのように家電保守支援装置3とは別装置で実現してもよい。
【0049】
ここで、家電保守支援プログラム305は、その機能ごとに、ログデータ収集モジュール306、不具合検出モジュール307、診断モジュール308およびログデータ収集条件設定モジュール309で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。さらに、家電保守支援プログラム305は、会員管理、買い替え、操作等の機能も有する、家電群2を管理する統合管理プログラムの一機能として実現してもよい。
【0050】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
ログデータ収集モジュール306:ログデータ収集部32
不具合検出モジュール307:不具合検出部33
診断モジュール308:診断部34
ログデータ収集条件設定モジュール309:ログデータ収集条件設定部35
このため、処理装置301は、家電保守支援プログラム305に従って、ログデータ収集部32、不具合検出部33、診断部34およびログデータ収集条件設定部35の処理を実行することになる。
【0051】
ここで、家電保守支援プログラム305は、利用者端末1の家電保守支援プログラム127と同様の処理を実行する。なお、家電保守支援プログラム305は、副記憶装置304やその他記憶媒体に記憶可能である。
【0052】
なお、家電保守支援装置3は、家電2Aを製造するメーカや販売業者により利用され、これら業者等は利用者を会員として管理し、また、各家電2Aについても管理している。このため、家電保守支援装置3は、家電を総合的に管理する家電管理装置として実現してもよい。
【0053】
以上で、本実施形態の構成の説明を終わり、処理フローについて説明する。図8Aおよび図8Bは、本実施形態における保守支援の処理フローを示すフローチャートである。以下では、利用者端末1の構成を図2に示す構成を用い、家電2Aの構成を図6に示す構成を用い、家電保守支援装置3の構成を図1に示す構成を用いて説明する。なお、家電2Aは、家電群2を代表する構成で、その数は単数でも複数でもよい。
【0054】
まず、図8AのステップS1において、家電2Aの稼働部210が稼働する。また、ステップS2において、ログデータ収集部203が、家電2Aのログデータを収集する。以上が定常時の処理であり、ステップS1およびステップS2が、適宜実行される。
【0055】
そして、家電群2のいずれかで不具合が発生すると、保守支援機能が起動し、ステップS3以降の処理が開始される。ステップS3において、不具合の発生を認識した利用者の操作に応じて、撮影部102や収音部103で代表される事象検知部が、家電2Aの事象の検知を開始する。なお、ステップS3については、家電2Aから通知される、家電2Aのログデータないしこれを用いて検出された不具合を条件に実行されてもよい。
【0056】
また、ステップS4において、事象検知部が、家電2Aで生じている事象を検知する。例えば、撮影部102が家電2Aの撮影を行ったり、収音部103が家電2Aの発する音の収音を行ったりする。なお、本ステップでの撮影は、動画でも静止画でも構わない。
【0057】
また、ステップS5において、ログデータ収集条件設定部107が、出力部109に、事象情報を表示する。このために、ログデータ収集条件設定部107は、複数の事象情報を作成する。この際、ログデータ収集条件設定部107は、事象検知部で検知された事象から事象情報を作成してもよいし、過去の履歴に基づき該当の家電2Aで発生しやすい不具合に関する事象情報を作成してもよい。そして、ログデータ収集条件設定部107は、出力部109に、作成された複数の事象情報を表示する。
【0058】
ここで、ステップS5における事象情報の表示画面について説明する。図9は、本実施形態における事象情報の表示画面1090を示す図である。表示画面1090は、利用者端末1の出力部109に表示される画面であり、事象情報の一例として(故障)症状を用いている。そして、表示画面1090では、利用者により症状が選択ないし指定できるよう表示される。このために、表示画面1090は、家電特定領域1091、症状選択領域1092、詳細入力領域1093、発生間隔入力領域1094およびコンテンツ入力領域1095を有する。
【0059】
家電特定領域1091は、不具合が発生した家電2Aを示す領域である。図9の例では、家電2Aとして、冷蔵庫22が示されている。また、症状選択領域1092は、事象情報としての故障症状が示され、利用者により選択できるように複数の症状が表示されている。図9の例では、故障症状として、症状1=冷気漏れおよび症状2=スイッチ無反応が表示されている。
【0060】
また、詳細入力領域1093は、利用者の操作に応じて入力部108からの症状を示すテキストの入力を受け付ける。なお、詳細入力領域1093への入力は、収音部103を介して入力される利用者の音声を用いてもよい。また、詳細入力領域1093への入力は、症状選択領域1092に該当の症状がない場合に限定的に実行してもよい。
【0061】
発生間隔入力領域1094は、症状が発生する間隔を入力する領域である。また、コンテンツ入力領域1095は、事象検知部で検知された事象を示すコンテンツ、例えば、撮影部102で撮影された画像や収音部103で収音された音を登録するための領域である。ここで、これらコンテンツをファイルとして扱うことでグラフィカルに登録できる。以上で、ステップS5の説明を終わる。
【0062】
また、ステップS6において、入力部108が、利用者から、表示された複数の事象情報に対する選択を受け付ける。図9の例では、症状1=冷気漏れおよび症状2=スイッチ無反応に対する選択を受け付けることになる。なお、この選択は、いずれか一方の選択以外にも、各選択肢(症状)を選択してもよいし、いずれも該当しないとして選択しないことも含まれる。
【0063】
なお、家電2Aとその症状については、以下のものが含まれる。
冷蔵庫:冷気漏れ、製氷機で氷ができない、氷が白くにごる、冷蔵庫のドアが勝手に開く、ドアが閉まらない
洗濯機:水漏れ、脱水不良、音異常(異音)、乾燥不具合
炊飯器:扉不良、音異常(異音)、水漏れ、温まらない
IH調理器、電子レンジ:音異常(異音)、温まらない
共通:電源が入らない、スイッチ無反応
そして、ステップS7において、ログデータ収集条件設定部107が、選択された事象情報に応じて、ログデータの収集条件を特定する。このために、例えば、利用者端末1は、事象情報と収集条件との対応関係を示す情報を保持し、これを用いてログデータの収集条件が特定される。なお、ステップS5およびステップS6の事象情報の表示や選択は省略し、ログデータ収集条件設定部107が収集条件を特定してもよい。
【0064】
また、ステップS8において、ログデータ収集条件設定部107が、通信部101を介して該当の家電2Aに、特定された収集条件を通知する。さらに、ステップS9において、ログデータ収集条件設定部107が、通信部101を介して家電保守支援装置3に、該当の家電2Aについての診断依頼を通知する。この診断依頼には、該当の家電2Aの家電IDや事象検知部で検知された事象ないしこの事象情報を含めることが望ましい。
【0065】
また、ステップS10において、家電2Aの通信部208が、ステップS8で通知された収集条件を受け付ける。そして、ステップS11において、ログデータ収集条件設定部206が、受け付けた収集条件を、当該家電2Aの収集条件として、記憶部207に設定する。
【0066】
また、ステップS12において、ログデータ収集部203が、記憶部207に収集済のログデータ(履歴ログデータ)に、設定された収集条件に該当するログデータが有るかを判定する。該当のログデータが有る場合、ステップS13に遷移する。無い場合、ステップS14に遷移する。
【0067】
そして、ステップS13において、ログデータ収集部203が、該当のログデータを、記憶部207から抽出する。また、ステップS14において、ログデータ収集部203が、設定された、つまり、変更された収集条件に従って、家電2Aにおける現状のログデータを収集する。
【0068】
これを受けて、ステップS15において、ログデータ収集部203が、通信部208を介して家電保守支援装置3に、ステップS13で抽出されたログデータやステップS14で収集されたログデータを通知する。ここで、本ステップは、利用者端末1を介して行ってもよい。この場合、利用者端末1のログデータ収集部104が、通信部101を用いて家電保守支援装置3に、家電2Aから通知されたログデータを転送する。また、家電2Aのログデータの収集が所定周期ごとに実行される場合、ステップS15も当該周期に合わせて実行されることが望ましい。また、ステップS15では、家電2Aの家電IDを含めることが望ましい。
【0069】
また、ステップS16において、家電保守支援装置3の通信部31が、ステップS9で通知された診断依頼を受け付ける。また、ステップS17において、通信部31が、ステップS15で通知されるログデータを受け付ける。なお、ステップS16とステップS17の順序は問わない。特に、ステップS15を、利用者端末1を介して実行する場合、利用者端末1からの診断依頼とログデータの通知をまとめて行ってもよい。
【0070】
続いて、図8Bを用いて、保守支援の処理フローの説明を続ける。ステップS18において、ログデータ収集部32が、ステップS12と同様に、家電管理情報112に、設定された収集条件に該当する履歴ログデータが有るかを判定する。該当の履歴ログデータが有る場合、ステップS19に遷移する。無い場合、ステップS20に遷移する。
【0071】
また、ステップS19において、ステップS13と同様に、ログデータ収集部32が、該当のログデータを家電管理情報112から抽出する。そして、ステップS20において、ログデータ収集部32が、ステップS17で受け付けたログデータおよびステップS19で抽出されたログデータをマージする。この処理は、ステップS21での診断処理の対象を特定することを意味する。また、ステップS12、ステップS14、ステップS18およびステップS19は省略し、ログデータの履歴の利用は省略してもよい。
【0072】
また、ステップS21において、診断部34が、対象となるログデータを用いて、家電2Aに対する診断処理を実行する。この際、診断依頼に含まれる事象情報をさらに用いることが望ましい。ここで、図10を用いて、ステップS21の診断処理の一例について説明する。図10は、本実施形態におけるステップS21の診断処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0073】
図10のステップS211において、診断部34が、マージしたログデータおよび事象情報の少なくとも一方を用いて、対象の家電における不具合の原因および発生条件を推定する。このために、診断部34は、不具合検出部33と連携してもよい。例えば、不具合検出部33が、ログデータや事象情報を用いて、家電2Aの不具合を検出する。そして、診断部34は、検出された不具合の原因および発生条件を推定する。
【0074】
また、ステップS212において、診断部34が、不具合が発生している家電2Aが複数であるかを判定する。この結果、複数である場合(YES)、ステップS213に遷移する。また、複数でなく単数の場合(NO)、ステップS215に遷移する。
【0075】
また、ステップS213において、診断部34が、推定された不具合の発生条件もしくは原因が複数の家電2Aで共通しているかを判定する。ここで、共通するとは、複数の家電2Aのうち全家電2Aが共通してもよいし、所定数ないし割合以上の家電2Aで共通してもよい。この結果、共通している場合(YES)、ステップS214に遷移する。また、共通していない場合(NO)、ステップS215に遷移する。
【0076】
また、ステップS214において、診断部34が、不具合の原因を環境条件と推定する。上述のように、環境条件とは、複数の家電2Aで共通するもので、家屋等の電気配線の不具合が含まれる。
【0077】
また、ステップS215において、診断部34が、ログデータ収集条件設定部206を用いて、ログデータの収集条件の再設定、つまり、変更が必要かを判定する。この際、ログデータ収集条件設定部206は、ステップS7で特定された収集条件とステップS211で推定された不具合の発生条件や原因との関係により、収集条件の再設定が必要かを判定する。すなわち、ステップS7で特定された収集条件では、推定された不具合についてのログデータが収集できるかが判定される。例えば、毎日7時台に発生する不具合について、夜中といった収集条件でログデータを収集しても、診断に有用な情報として用いることが困難となる。この結果、再設定が必要な場合(YES)、ステップS216に遷移する。また、再設定が必要でない場合(NO)、ステップS217に遷移する。
【0078】
また、ステップS216において、診断部34が、収集条件を再設定するための再設定指令を作成する。そして、ステップS217において、診断部34が、不具合の原因やログデータなどを含む診断情報を作成する。この際、診断情報には、ステップS216で作成された再設定指令を含めてもよい。以上で、図9の説明を終わり、図8Bに戻りステップS22以降の説明を続ける。
【0079】
また、ステップS22において、診断部34が、診断情報を出力する。すなわち、以下の(1)(2)の少なくとも一方を実行する。
(1)診断部34が、通信部31を用いて利用者端末1に、診断情報を通知する。
(2)診断部34が、保守支援端末4に、診断情報を表示させる。
【0080】
ここで、利用者で対処可能な不具合の場合、(1)のみを実行する構成としてもよい。また、(1)の診断情報と(2)の診断情報の内容を変更してもよい。例えば、(1)の診断情報を簡易版の情報や専門家以外でも理解できる表現とすることができる。また、(1)の診断情報に、サービスマンやオペレータの連絡先を含めてもよい。さらに、(2)により、サービスマンやオペレータがタイムリーに診断情報を確認でき、不具合に対して、より適切な対処が可能になる。例えば、リモートで利用者に対処したり、訪問対応の判断も適切に行ったりすることができる。
【0081】
また、ステップS23において、診断部34が、通信部31を用いて家電2Aに、ステップS216で作成された収集条件の再設定指令を通知する。また、ステップS24において、家電2Aの通信部208が、再設定指令を受け付ける。そして、ステップS25において、ログデータ収集条件設定部206が、再設定指令に応じた収集条件を、記憶部207に設定する。
【0082】
以上で、本実施形態の処理フローの説明を終わる。本実施形態によれば、不具合が発生した場合に、よりふさわしいログデータや事象情報を用いることができ、より適切な対処が可能となる。また、本発明は、上述の実施形態に限定されない。例えば、保守支援の処理フローの処理主体は、上述の例に限定されず、利用者端末1の処理の少なくとも一部を家電2Aや家電保守支援装置3で実行することができる。また、同様に、家電2Aや家電保守支援装置3の少なくとも一部の処理を、利用者端末1など他の装置で実行してもよい。また、コンピュータである利用者端末1や家電保守支援装置3を機能させる家電保守支援プログラム127や家電保守支援プログラム305も本発明の一態様である。
【符号の説明】
【0083】
1…利用者端末、101…通信部、102…撮影部、103…収音部、104…ログデータ収集部、105…不具合検出部、106…診断部、107…ログデータ収集条件設定部、108…入力部、109…出力部、110…記憶部、111…利用者管理情報、112…家電管理情報、2…家電群、2A…家電、201…制御部、202…制御信号作成部、203…ログデータ収集部、204…不具合検出部、205…診断部、206…ログデータ収集条件設定部、207…記憶部、208…通信部、209…表示操作部、210…稼働部、211…センサ、3…家電保守支援装置、31…通信部、32…ログデータ収集部、33…不具合検出部、34…診断部、35…ログデータ収集条件設定部、36…記憶部、361…利用者管理情報、362…家電管理情報、4…保守支援端末、5…ルータ、6…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10