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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022177
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】電子決済サービス管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250206BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126516
(22)【出願日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木川 真孝
(72)【発明者】
【氏名】山本 美沙
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 翔
(72)【発明者】
【氏名】井上 潤
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザ本人が属する世帯全体におけるライフイベントを考慮して、電子決済サービスの所定期間における利用額を推定する。
【解決手段】処理装置11は、予測部113と、推定部115と、通知部116とを備えている。予測部113は、管理部111によって管理される過去の本人利用情報に基づいて、所定期間における電子決済サービスの利用額を予測する。推定部115は、世帯情報FI1に基づいて、現在から所定期間の終期までの期間における世帯のイベントに関する出費額を推定する。世帯情報FI1は、本人が属する世帯に関する情報である。通知部116は、予測された電子決済サービスの利用額と、推定された出費額とを、ユーザU1本人が使用する端末装置20-1に通知する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本人が利用する電子決済サービスについて利用額及び利用明細を示す本人利用情報を管理する管理部と、
所定期間における前記電子決済サービスの利用額が所定額を上回る場合に、前記本人に特典を付与する付与部と、
前記管理部によって管理される過去の本人利用情報に基づいて、前記所定期間における前記電子決済サービスの利用額を予測する予測部と、
前記本人が属する世帯に関する世帯情報に基づいて、現在から前記所定期間の終期までの期間における前記世帯のイベントに関する出費額を推定する推定部と、
前記予測部によって予測された前記電子決済サービスの利用額と前記推定部によって推定された前記出費額とを、前記本人が使用する端末装置に通知する通知部と、
を備える電子決済サービス管理装置。
【請求項2】
前記世帯情報に基づいて、現在から前記所定期間の終期までの期間において前記世帯のイベントが発生するか否かを判定する判定部を備え、
前記推定部は、前記判定部の判定結果が肯定の場合、前記イベントの内容と前記世帯情報とに基づいて、前記世帯のイベントに関する出費額を推定する、
請求項1に記載の電子決済サービス管理装置。
【請求項3】
前記電子決済サービスは、クレジットカードを用いたサービスであり、
前記本人には、前記クレジットカードとして本人カードが発行され、前記本人の家族には、前記クレジットカードとして家族カードが発行され、
前記管理部は、前記本人の家族が使用する家族カードについて利用額及び利用明細を示す家族利用情報を管理し、
前記世帯情報は、前記本人利用情報及び前記家族利用情報を含む、
請求項1に記載の電子決済サービス管理装置。
【請求項4】
前記電子決済サービスは、クレジットカードを用いたサービスであり、
前記本人には、前記クレジットカードとして本人カードが発行され、前記本人の家族には、前記クレジットカードとして家族カードが発行され、
前記管理部は、前記本人の属性に関する本人属性情報、前記本人の家族が使用する家族カードについて利用額及び利用明細を示す家族利用情報、及び前記家族の属性に関する家族属性情報を管理し、
前記世帯情報は、前記本人属性情報及び前記家族属性情報を含む、
請求項1に記載の電子決済サービス管理装置。
【請求項5】
前記世帯情報は、前記本人の家族の年齢を示す年齢情報を含み、
前記推定部は、
前記年齢情報に基づいて、前記イベントの内容を推定する第1推定部と、
前記推定されたイベントの内容に要する出費額を推定する第2推定部と、を備える、
請求項1に記載の電子決済サービス管理装置。
【請求項6】
前記第2推定部は、前記イベントの内容及び前記本人利用情報と、前記出費額との関係を学習済みの学習モデルに、前記第1推定部によって推定された前記イベントの内容及び前記本人利用情報を入力することによって前記出費額を推定する、
請求項5に記載の電子決済サービス管理装置。
【請求項7】
前記電子決済サービスは、第1の電子決済サービスであり、
前記本人利用情報は、第1の本人利用情報であり、
前記管理部は、前記本人が利用する第2の電子決済サービスについて利用額及び利用明細を示す第2の本人利用情報を管理し、
前記予測部は、前記管理部によって管理される過去の第1の本人利用情報に基づいて、前記所定期間における前記第1の電子決済サービスの利用額である第1の利用額を予測し、
前記予測部は、前記管理部によって管理される過去の第2の本人利用情報に基づいて、現在から前記所定期間の終期における前記第2の電子決済サービスの利用額である第2の利用額を予測し、
前記通知部は、前記第1の利用額が前記所定額未満である場合に、前記第2の利用額を前記本人が使用する端末装置に更に通知する、
請求項1に記載の電子決済サービス管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子決済サービス管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード等の電子決済サービスでは、年間の利用額が所定額を上回る場合に、利用者に対して、キャッシュバック等の特典を付与することがある。特許文献1には、電子決済サービスにおいて、年間のサービス利用額を推定するシステムが開示されている。同システムは、ユーザごとのサービス利用情報に基づいて、ユーザごとの決済サービスの利用額を推定するための利用額推定モデルを生成し、生成された利用額推定モデルを用いて、あるユーザの決済サービスの利用額を推定する。即ち、従来のシステムは、ユーザ本人のサービス利用情報に基づいて、年間の利用額を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-204327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、年間の利用額は、ユーザ本人が属する世帯のライフイベントの影響を受ける。このようなライフイベントとしては、例えば、子供の進学、家族が所有する自動車の買い替え等が該当する。従来のシステムでは、単に、ユーザ本人のサービス利用情報に基づいて、年間の利用額を推定するので、世帯全体におけるライフイベントを考慮して、年間の利用額を推定できないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、ユーザ本人が属する世帯全体におけるライフイベントを考慮して、電子決済サービスの所定期間における利用額を推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好適な態様に係る電子決済サービス管理装置は、本人が利用する電子決済サービスについて利用額及び利用明細を示す本人利用情報を管理する管理部と、所定期間における前記電子決済サービスの利用額が所定額を上回る場合に、前記本人に特典を付与する付与部と、前記管理部によって管理される過去の本人利用情報に基づいて、前記所定期間における前記電子決済サービスの利用額を予測する予測部と、前記本人が属する世帯に関する世帯情報に基づいて、現在から前記所定期間の終期までの期間における前記世帯のイベントに関する出費額を推定する推定部と、前記予測部によって予測された前記電子決済サービスの利用額と前記推定部によって推定された前記出費額とを、前記本人が使用する端末装置に通知する通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電子決済サービス管理装置によれば、ユーザ本人が属する世帯全体におけるライフイベントを考慮して、電子決済サービスの所定期間における利用額を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る電子決済サービス管理装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2図1のサーバの構成例を示すブロック図である。
図3図1の端末装置の構成例を示すブロック図である。
図4図2の処理装置の第1の動作を示すフローチャートである。
図5図2の処理装置の第2の動作を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る電子決済サービス管理装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
図7図6のサーバの構成例を示すブロック図である。
図8】第2実施形態に係る学習モデルに適用されるニューラルネットワークモデルの一例を示す概略図である。
図9図7の処理装置の第1の動作を示すフローチャートである。
図10図7の処理装置の第2の動作を示すフローチャートである。
図11】第3実施形態に係る電子決済サービス管理装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
図12図11の第1のサーバの構成例を示すブロック図である。
図13図11の第2のサーバの構成例を示すブロック図である。
図14図12の処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.第1実施形態
以下、図1図5を参照することにより、本発明の第1実施形態に係る電子決済サービス管理装置の構成について説明する。
【0010】
1.1.第1実施形態の構成
1.1.1.全体構成
図1は、第1実施形態に係る電子決済サービス管理装置を含む情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、サーバ10、端末装置20、及び通信網NETを備えている。図1には、3つの端末装置20-1、20-2、及び20-3が示されている。
【0011】
情報処理システム1は、端末装置20を所持しているユーザに対して、電子決済サービスを提供するシステムである。ユーザU1、U2、及びU3がそれぞれ端末装置20-1、20-2、及び20-3を所持している。
【0012】
情報処理システム1において、サーバ10、端末装置20-1、端末装置20-2、及び端末装置20-3は、通信網NETを介して互いに通信可能に接続されている。また、なお、図1において、3つの端末装置20-1、20-2、及び20-3が例示されているが、当該数はあくまで一例であって、情報処理システム1は、任意の数の端末装置20を備えることが可能である。
【0013】
サーバ10は、電子決済サービスを管理するサーバである。サーバ10は、通信網NETを介して、端末装置20に電子決済サービスに関する各種情報を送信することにより、各ユーザに対し、各種情報を提供する。
【0014】
即ち、情報処理システム1は、端末装置20を使用する任意のユーザに対して、電子決済サービスを提供するシステムである。
【0015】
1.1.2.サーバの構成
図2は、図1のサーバ10の構成例を示すブロック図である。図2に示したように、サーバ10は、電子決済サービス管理装置としての処理装置11、記憶装置12、通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15を備えている。サーバ10が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0016】
処理装置11は、サーバ10の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成されている。なお、処理装置11が備えている機能の一部又は全部は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0017】
記憶装置12は、処理装置11により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置12は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0018】
記憶装置12は、処理装置11が実行するための制御プログラムPR1を含む複数のプログラム、世帯情報FI1、及びキーワード群KW1を記憶している。また、記憶装置12は、処理装置11のワークエリアとして機能する。
【0019】
通信装置13は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置13は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0020】
ディスプレイ14は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ14は、処理装置11による制御に基づいて各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ14として好適に利用される。
【0021】
入力装置15は、情報処理システム1の管理者による操作を受け付ける機器である。例えば、入力装置15は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置15は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ14を兼ねてもよい。とりわけ、情報処理システム1の管理者は、入力装置15を用いることにより、制御プログラムPR1を修正することが可能である。
【0022】
処理装置11は、例えば、記憶装置12から制御プログラムPR1を読み出して実行することにより、管理部111、付与部112、予測部113、判定部114、推定部115、及び通知部116として機能する。処理装置11は、電子決済サービス管理装置の一例である。
【0023】
管理部111は、世帯情報FI1を管理する。世帯情報FI1は、ユーザ本人が属する世帯に関する情報である。より具体的に述べると、世帯情報FI1は、本人利用情報及び家族利用情報を含む。
【0024】
本人利用情報は、ユーザ本人が利用する電子決済サービスについて利用額及び利用明細を示す情報である。ユーザ本人は、例えば、端末装置20-1を使用するユーザU1である。本人利用情報には、電子決済サービスの利用日、利用額、利用店名、購入商品名等が含まれる。本実施形態において、ユーザU1は世帯主であり、ユーザU1が属する世帯は、ユーザU1本人、ユーザU1の配偶者、ユーザU1の長男、及びユーザU1の長女の4人で構成されるとする。この家族構成はあくまで一例であって、電子決済サービスを利用するユーザの家族構成はこの例示に限定されない。
【0025】
電子決済サービスは、クレジットカードを用いたサービス及びQRコード(登録商標)を用いたサービスを含む。本実施形態では、以下、クレジットカードを用いたサービスが電子決済サービスとして利用される。
【0026】
クレジットカードを用いたサービスでは、ユーザU1本人には、クレジットカードとして本人カードが発行される。ユーザU1の家族には、クレジットカードとして家族カードが発行される。ここで、ユーザU1の家族とは、ユーザU1本人を除くユーザU1が属する世帯の構成員、即ち、ユーザU1の配偶者、ユーザU1の長男、及びユーザU1の長女である。具体的には、例えば、ユーザU1の家族のうち18歳以上の希望者には、クレジットカードとして家族カードが発行される。
【0027】
家族利用情報は、ユーザU1の家族が使用する家族カードについて利用額及び利用明細を示す情報である。本人利用情報及び家族利用情報は、本人カードの利用ごと及び家族カードの利用ごとに管理部111が管理する世帯情報FI1に反映される。
【0028】
付与部112は、所定期間における電子決済サービスの利用額が所定額を上回る場合に、ユーザU1本人に特典を付与する。所定期間は、例えば、年初の1月1日から年末の12月31日までの1年間である。特典は、ポイント付与、キャッシュバック、及び割引クーポンを含んでいる。なお、所定期間は、4月1日から翌年の3月31日までの1年間であってもよいし、ユーザU1の入会日に応じて設定されてもよい。また、所定期間は必ずしも1年間に限られない。所定額は、電子決済サービスを提供する事業者によって予め定められた額である。
【0029】
予測部113は、過去の本人利用情報に基づいて、所定期間における電子決済サービスの利用額を予測する。過去の本人利用情報は、所定期間よりも前の期間における本人利用情報である。従って、当該電子決済サービスを利用している期間が長いほど、所定期間における電子決済サービスの利用額の予測精度が高まる傾向がある。なお、過去の本人利用情報は、所定期間の直前の特定期間における本人利用情報に制限されてもよい。特定期間は、例えば、5年間、10年間等の期間である。
【0030】
より具体的に述べると、予測部113は、過去の本人利用情報から過去の各年の利用額の変化を関数として求め、求められた関数に基づいて、所定期間における電子決済サービスの利用額を予測する。なお、予測部113は、過去の本人利用情報から過去の各年の利用額を平均し、平均された利用額を所定期間における電子決済サービスの利用額として予測してもよい。
【0031】
判定部114は、世帯情報FI1に基づいて、残期間において世帯のイベントが発生するか否かを判定する。残期間は、現在から所定期間の終期までの期間である。判定部114は、例えば、過去から現在までの家族利用情報に基づいて、月ごとの利用額を分析し、他の月と比較して利用額の多い月は世帯のイベントが発生する月であると判定する。従って、判定部114は、残期間において世帯のイベントが発生する月が含まれるか否かを判定する。
【0032】
世帯のイベントは、家族旅行、帰省、ユーザU1本人の退職、長男又は長女の進学、成人、就職、結婚等を含む。
【0033】
推定部115は、世帯情報FI1に基づいて、残期間における世帯のイベントに関する出費額を推定する。推定部115は、例えば、判定部114により判定された世帯のイベントが発生する月における家族カードの利用明細から、当該月のイベントの内容を推定することができる。より具体的には、推定部115は、例えば、購入商品名と、記憶装置12に予め記憶されているキーワード群KW1とを比較することにより、当該月のイベントの内容を推定することができる。
【0034】
記憶装置12に予め記憶されているキーワード群KW1は、イベントの内容ごとにグループ分けされている。推定部115は、購入商品名と、キーワード群KW1中の各キーワードとの類似度が所定度数を超えた場合、当該キーワードが属するイベントの内容を、世帯の当該月のイベントの内容として推定する。
【0035】
推定部115は、推定されたイベントの内容に関連する利用額から、世帯のイベントに関する出費額を推定する。言い換えると、推定部115は、判定部114の判定結果が肯定の場合、イベントの内容と世帯情報FI1とに基づいて、世帯のイベントに関する出費額を推定する。
【0036】
推定部115は、所定期間における電子決済サービスの利用額の予測から、例えば、所定期間における総獲得ポイント及び翌期間のステージのランクが予想される。電子決済サービスでは、一般的に、前年度の利用額に応じてステージのランクが決定され、ステージのランクが高いほど、ポイント還元率が高くなる等の優遇措置が設けられている。
【0037】
通知部116は、予測部113によって予測された電子決済サービスの利用額と、推定部115によって推定された出費額とを、ユーザU1本人が使用する端末装置20-1に通知する。これにより、ユーザU1本人は、所定期間における電子決済サービスの利用額と残期間における出費額とを認識できる。
【0038】
1.1.3.端末装置の構成
図3は、図1の端末装置20の構成例を示すブロック図である。図3に示したように、端末装置20は、処理装置21、記憶装置22、通信装置23、ディスプレイ24、及び入力装置25を備えている。端末装置20が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0039】
処理装置21は、端末装置20の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置21が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0040】
記憶装置22は、処理装置21により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置22は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0041】
記憶装置22は、処理装置21が実行するための制御プログラムPR2を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置22は、処理装置21のワークエリアとして機能する。
【0042】
通信装置23は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置23は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置23は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置23は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0043】
ディスプレイ24は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ24は、処理装置21による制御に基づいて各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル及び有機ELパネル等の各種の表示パネルがディスプレイ24として好適に利用される。
【0044】
入力装置25は、ユーザU1からの操作を受け付ける。例えば、入力装置25は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置25は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ24を兼ねていてもよい。
【0045】
処理装置21は、例えば、記憶装置22から制御プログラムPR2を読み出して実行することによって、取得部211、出力部212、及び表示制御部213として機能する。
【0046】
取得部211は、サーバ10から送信される各種情報を取得する。
【0047】
出力部212は、入力装置25を用いてユーザU1が入力する情報を、通信装置23を介してサーバ10に出力する。ユーザU1が入力する情報には、例えば、世帯情報が含まれる。
【0048】
表示制御部213は、取得部211により取得された各種情報に基づいて、ディスプレイ24に対して、各種情報を表示させる。
【0049】
1.2.第1実施形態に係る電子決済サービス管理装置の動作
1.2.1.処理装置11の第1の動作
図4は、図2の処理装置11の第1の動作を示すフローチャートである。以下、図4を参照することにより、処理装置11の第1の動作について説明する。図4のルーチンは、例えば、処理装置11が起動されることにより開始され、一定の時間が経過するごとに実行されるようになっている。
【0050】
ステップS11において、処理装置11は、予測部113として機能することにより、所定期間における電子決済サービスの利用額を予測する。予測部113は、所定期間における電子決済サービスの利用額の予測から、例えば、所定期間における総獲得ポイント及び翌期間のステージのランクを予想する。
【0051】
ステップS12において、処理装置11は、判定部114として機能することにより、利用額が所定額を上回るか否かを判定する。
【0052】
ステップS12において、処理装置11が、利用額が所定額を上回ると判定した場合、即ち、ステップS12における判定結果が肯定であった場合、処理装置11は、ステップS13の処理を実行する。この場合、ステップS13において、処理装置11は、付与部112として機能することにより、ユーザU1本人に特典を付与し、本ルーチンを一旦終了する。
【0053】
一方、ステップS12において、処理装置11が、利用額が所定額以下であると判定した場合、即ち、ステップS12における判定結果が否定であった場合、処理装置11は、本ルーチンを一旦終了する。つまり、ステップS12における判定結果が否定であった場合、処理装置11は、ユーザU1本人に特典を付与しない。
【0054】
1.2.2.処理装置11の第2の動作
図5は、図2の処理装置11の第2の動作を示すフローチャートである。以下、図5を参照することにより、処理装置11の第2の動作について説明する。図5のルーチンは、例えば、処理装置11が起動されることにより開始され、一定の時間が経過するごとに実行されるようになっている。
【0055】
ステップS21において、処理装置11は、予測部113として機能することにより、過去の本人利用情報に基づいて、所定期間における電子決済サービスの利用額を予測する。
【0056】
ステップS22において、処理装置11は、判定部114として機能することにより、残期間において、世帯の1以上のイベントが発生するか否かを判定する。
【0057】
ステップS22において、処理装置11が、残期間において世帯の1以上のイベントが発生すると判定した場合、即ち、ステップS22における判定結果が肯定であった場合、処理装置11は、ステップS23の処理を実行する。この場合、ステップS23において、処理装置11は、推定部115として機能することにより、1以上のイベントの各々に係る出費額を推定する。
【0058】
ステップS24において、処理装置11は、通知部116として機能することにより、所定期間における電子決済サービスの利用額と、残期間における出費額とを端末装置20-1に通知し、本ルーチンを一旦終了する。これにより、端末装置20-1を使用しているユーザU1は、所定期間における電子決済サービスの利用額と、残期間における出費額とを認識することができる。
【0059】
一方、ステップS22において、処理装置11が、残期間において世帯のイベントが発生しないと判定した場合、即ち、ステップS22における判定結果が否定であった場合、処理装置11は、ステップS25の処理を実行する。この場合、ステップS25において、処理装置11は、通知部116として機能することにより、所定期間における電子決済サービスの利用額を端末装置20-1に通知し、本ルーチンを一旦終了する。これにより、端末装置20-1を使用しているユーザU1は、所定期間における電子決済サービスの利用額を認識することができる。
【0060】
1.3.第1実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第1実施形態に係る電子決済サービス管理装置としての処理装置11は、管理部111と、付与部112と、予測部113と、推定部115と、通知部116と、を備える。管理部111は、本人利用情報を管理する。本人利用情報は、本人が利用する電子決済サービスについて利用額及び利用明細を示す情報である。付与部112は、所定期間における電子決済サービスの利用額が所定額を上回る場合に、本人に特典を付与する。
【0061】
予測部113は、管理部111によって管理される過去の本人利用情報に基づいて、所定期間における電子決済サービスの利用額を予測する。推定部115は、世帯情報FI1に基づいて、現在から所定期間の終期までの期間における世帯のイベントに関する出費額を推定する。世帯情報FI1は、本人が属する世帯に関する情報である。通知部116は、予測部113によって予測された電子決済サービスの利用額と、推定部115によって推定された出費額とを、ユーザU1本人が使用する端末装置20-1に通知する。
【0062】
世帯のイベントに係る出費は稀であるため、通常の電子決済サービスの利用額から予想することは困難である。しかし、この態様によれば、世帯情報FI1に基づいて推定したイベントに関する出費額を通常の電子決済サービスの利用額と併せて本人に通知する。従って、本人は、ライフイベントに関する出費額を電子決済サービスにより決済した場合、所定期間の利用額を知ることができる。
【0063】
また、処理装置11は、判定部114を備える。判定部114は、世帯情報FI1に基づいて、現在から所定期間の終期までの期間において世帯のイベントが発生するか否かを判定する。推定部115は、判定部114の判定結果が肯定の場合、イベントの内容と世帯情報FI1とに基づいて、世帯のイベントに関する出費額を推定する。
【0064】
この態様によれば、現在から所定期間の終期までの期間において世帯のイベントが発生しない場合、推定部は出費額を推定しないので、推定部115の処理負荷が軽減される。
【0065】
また、電子決済サービスは、クレジットカードを用いたサービスである。本人には、クレジットカードとして本人カードが発行され、本人の家族には、クレジットカードとして家族カードが発行される。管理部111は、家族利用情報を管理する。家族利用情報は、本人の家族が使用する家族カードについて利用額及び利用明細を示す情報である。世帯情報FI1は、本人利用情報及び家族利用情報を含む。
【0066】
この態様によれば、本人利用情報のみならず家族利用情報を用いて世帯のイベントに関する出費額が推定されるので、世帯のイベントに関する出費額の推定精度を向上できる。
【0067】
2.第2実施形態
以下、図6図10を参照することにより、本発明の第2実施形態に係る電子決済サービス管理装置の構成について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、第1実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の符号を用いると共に、その機能の説明を省略することがある。また、以下の説明では、説明の簡略化のため、主として、第2実施形態が、第1実施形態に比較して相違する点について説明する。
【0068】
2.1.第2実施形態の構成
2.1.1.全体構成
図6は、第2実施形態に係る電子決済サービス管理装置を含む情報処理システム1Aの全体構成を示す図である。図6に示したように、情報処理システム1Aは、第1実施形態に係る情報処理システム1と比較して、サーバ10に代えてサーバ10Aを備えている点において異なっている。
【0069】
2.1.2.サーバの構成
図7は、図6のサーバ10Aの構成例を示すブロック図である。図7に示したように、サーバ10Aは、第1実施形態に係るサーバ10と比較して、処理装置11に代えて処理装置11Aを備えている点及び記憶装置12に代えて記憶装置12Aを備えている点において異なっている。
【0070】
処理装置11Aは、サーバ10Aの全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置11Aは、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置11Aが備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置11Aは、各種の処理を並列又は逐次的に実行する。
【0071】
記憶装置12Aは、処理装置11Aにより読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置12Aは、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0072】
記憶装置12Aは、処理装置11Aが実行するための制御プログラムPR3を含む複数のプログラム、世帯情報FI2、複数の教師データTD1、及び学習モデルLM1を記憶している。また、記憶装置12Aは、処理装置11Aのワークエリアとして機能する。
【0073】
通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15は、第1実施形態の通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15と同様の装置であるため、説明は省略される。
【0074】
処理装置11Aは、記憶装置12Aから制御プログラムPR3を読み出して実行することにより、管理部111A、付与部112、予測部113、判定部114、推定部115A、通知部116、及び学習部117として機能する。
【0075】
管理部111Aは、世帯情報FI2を管理する。世帯情報FI2は、世帯情報FI1、即ち、本人利用情報及び家族利用情報に加え、本人属性情報及び家族属性情報を含む。
【0076】
本人属性情報は、ユーザU1本人の属性に関する情報である。本人属性情報は、例えば、クレジットカードへの入会時に、ユーザU1により提供されるユーザU1本人の生年月日、性別、趣味、興味等についての情報である。
【0077】
家族属性情報は、ユーザU1の家族の属性に関する情報である。家族属性情報は、例えば、クレジットカードサービスへの入会時に、ユーザU1により提供されるユーザU1の家族のそれぞれの生年月日、性別、趣味、興味等についての情報である。家族属性情報は、ユーザU1の家族のそれぞれの年齢情報を含む。年齢情報は、ユーザU1の家族の年齢を示す情報であり、ユーザU1により提供された家族のそれぞれの生年月日に基づく情報である。従って、世帯情報は、年齢情報を含んでいる。
【0078】
なお、本人属性情報及び家族属性情報は、クレジットカードサービスへの入会時に限らず、ユーザU1によって、適宜修正及び変更が可能である。
【0079】
推定部115Aは、第1推定部115a及び第2推定部115bを備えている。第1推定部115aは、年齢情報に基づいて、イベントの内容を推定する。イベントの内容は、年齢情報とイベントの内容との相関関係を予め規定したルックアップテーブルに年齢情報を入力することにより推定される。また、年齢情報とイベントの内容との相関関係を予め規定したルックアップテーブルは、性別ごとに設けられてもよい。
【0080】
第2推定部115bは、推定されたイベントの内容に要する出費額を推定する。例えば、第1推定部115aにより、イベントの内容として「長女の成人」が推定された場合、第2推定部115bは、長女の成人に関する出費額を推定する。第2推定部115bは、以下で詳細に述べる学習モデルLM1を用いて、長女の成人に関する出費額を推定する。
【0081】
学習部117は、取得部117a及び生成部117bを有している。取得部117aは、複数の教師データTD1を準備し、準備した複数の教師データTD1を記憶装置12Aに記憶させる。複数の教師データTD1は、入力データ及び出力データが対応付けられて構成されている。取得部117aは、学習前の学習モデルLM1を準備する。取得部117aは、機械学習時において、複数の教師データTD1から、例えば、ランダムに1組の教師データを記憶装置12Aから取得する。
【0082】
生成部117bは、複数の教師データTD1を学習モデルLM1に機械学習させることによって、学習済みの学習モデルLM1を生成する。より具体的に述べると、生成部117bは、記憶装置12Aに記憶された複数の教師データTD1を用いて機械学習を実施する。即ち、生成部117bは、学習モデルLM1に複数の教師データTD1を入力することにより、複数の教師データTD1を構成する入力データと出力データとの相関関係を学習モデルLM1に機械学習させ、学習済みの学習モデルLM1を生成する。
【0083】
複数の教師データTD1は、複数組のデータセットを含んでいる。1組のデータセットは、イベントの内容及び本人利用情報を含む入力データと、出費額を含む出力データとのセットにより構成されている。出力データは、教師あり学習において、例えば、正解ラベルと呼ばれるものである。このように、入力データに含まれるイベントの内容及び本人利用情報に対して、出力データとして、出費額が対応付けられている。
【0084】
2.1.3.学習モデルの構成
図8は、第2実施形態に係る学習モデルLM1に適用されるニューラルネットワークモデルの一例を示す概略図である。ニューラルネットワークモデル90は、入力層91、中間層92、及び出力層93を備えている。
【0085】
入力層91は、入力データとしてのイベントの内容及び本人利用情報に対応する数のニューロンを有し、イベントの内容及び本人利用情報が各ニューロンにそれぞれ入力される。
【0086】
中間層92は、例えば、畳み込みニューラルネットワークにより構成される。中間層92は、入力層91を介して入力されたイベントの内容及び本人利用情報から抽出された特徴量を活性化関数によって変換し、一次元配列の特徴ベクトルとして出力する。
【0087】
出力層93は、中間層92から出力された特徴ベクトルに基づいて、出費額を含む出力データを出力する。
【0088】
ニューラルネットワークモデル90の各相の間には、層間のニューロンをそれぞれ接続するシナプスが張られている。
【0089】
生成部117bは、複数の教師データTD1をニューラルネットワークモデル90に入力し、入力データであるイベントの内容及び本人利用情報と、出力データである出費額との相関関係をニューラルネットワークモデル90に機械学習させる。より具体的に述べると、生成部117bは、先ず、複数の教師データTD1の中から1組のデータセットを選択し、1組のデータセットを構成するイベントの内容及び本人利用情報を入力データとして、ニューラルネットワークモデル90の入力層91に入力する。
【0090】
生成部117bは、出力層93から推論結果として出力された出力データ、即ち、出費額と、当該1組のデータセットを構成する出力データ、即ち、出費額の正解ラベルとを比較する評価関数を用いて、評価関数の値が小さくなるように、各シナプスに対応付けられた重みを調整する。ここで、各シナプスに対応付けられた重みを調整することは、バックプロパゲーションと呼ばれる。
【0091】
生成部117bは、複数の教師データTD1中の複数組のデータセットのそれぞれについて、当該データセットを構成するイベントの内容及び本人利用情報を入力データとして、順次ニューラルネットワークモデル90の入力層91に入力する。生成部117bは、各入力データと、各入力データに対応する出力データとを比較し、評価関数の値が小さくなるように、各シナプスに対応付けられた重みを調整することを反復する。
【0092】
生成部117bは、所定の学習終了条件が満たされたと判定した場合、機械学習を終了し、その時点におけるニューラルネットワークモデル90を、学習済みの学習モデルLM1として記憶装置12Aに格納する。所定の学習終了条件は、例えば、上記一連の学習の処理の反復回数が所定の回数に達すること、及び評価関数の値が許容値よりも小さくなることである。
【0093】
2.2.第2実施形態に係る電子決済サービス管理装置の動作
2.2.1.処理装置11Aの第1の動作
図9は、図7の処理装置11Aの第1の動作を示すフローチャートである。以下、図9を参照することにより、処理装置11Aの第1の動作について説明する。第1の動作は、学習部117による機械学習方法に係る動作である。図9のルーチンは、例えば、処理装置11Aが起動されることにより開始され、一定の時間が経過するごとに実行されるようになっている。
【0094】
ステップS31において、処理装置11Aは、取得部117aとして機能することにより、機械学習を開始するための事前準備として、複数の教師データTD1を準備し、準備した複数の教師データTD1を記憶装置12Aに記憶させる。ここで準備する教師データの数は、最終的に得られる学習モデルLM1に要求される推論精度を考慮して設定すればよい。
【0095】
次いで、ステップS32において、処理装置11Aは、取得部117aとして機能することにより、機械学習を開始するため、学習前の学習モデルLM1を準備する。ここで準備する学習前の学習モデルLM1は、図8に示したニューラルネットワークモデルを採用したものであり、各シナプスの重みが初期値に設定されている。入力層91の各ニューロンには、複数の教師データTD1を構成する入力データとしてのイベントの内容及び本人利用情報が対応付けられる。出力層93の各ニューロンには、複数の教師データTD1を構成する出力データとしての出費額が対応付けられる。
【0096】
次いで、ステップS33において、処理装置11Aは、取得部117aとして機能することにより、記憶装置12Aに記憶された複数の教師データTD1から、例えば、ランダムに1組のデータセットを取得する。
【0097】
次いで、ステップS34において、処理装置11Aは、生成部117bとして機能することにより、1組のデータセットに含まれる入力データを、準備した学習前又は学習中の学習モデルLM1の入力層91に入力する。その結果、学習モデルLM1の出力層93から推論結果として出力データが出力される。しかし、当該出力データは、学習前又は学習中の学習モデルLM1によって生成されたものである。そのため、学習前又は学習中の状態においては、推論結果として出力されたデータは、当該1組のデータセットに含まれる出力データ、即ち、正解ラベルとは異なる情報を示す。
【0098】
次いで、ステップS35において、処理装置11Aは、生成部117bとして機能することにより、ステップS33において取得された1組のデータセットに含まれる出力データ、即ち、正解ラベルと、ステップS34において出力層93から推論結果として出力された出力データとを比較し、各シナプスの重みを調整することにより、機械学習を実施する。これにより、生成部117bは、入力データと出力データとの相関関係を学習モデルLM1に学習させる。
【0099】
次いで、ステップS36において、処理装置11Aは、生成部117bとして機能することにより、所定の学習終了条件が満たされたか否かを、推論結果と、1組のデータセットに含まれる出力データ、即ち、正解ラベルとに基づく評価関数の値に基づいて判定する。なお、生成部117bは、所定の学習終了条件が満たされたか否かを、推論結果と、記憶装置12A内に記憶された未学習のデータセットの残数に基づいて判定してもよい。
【0100】
ステップS36において、生成部117bが、学習終了条件が満たされておらず、機械学習を継続すると判定した場合、即ち、ステップS36における判定結果が否定であった場合、処理装置11Aは、生成部117bとして機能することにより、学習中の学習モデルLM1に対して、ステップS33からステップS35までの処理を未学習のデータセットを用いて複数回実施する。
【0101】
一方、ステップS36において、生成部117bが、学習終了条件が満たされたと判定した場合、即ち、ステップS36における判定結果が肯定であった場合、処理装置11Aは、生成部117bとして機能することにより、ステップS37において、各シナプスに対応付けられた重みを調整することにより、機械学習させた学習済みの学習モデルLM1、即ち、調整済みの重みパラメータ群を記憶装置12Aに記憶し、本ルーチンを一旦終了する。
【0102】
なお、図9の機械学習方法では、重みを調整する手法として、オンライン学習を採用した場合について説明したが、バッチ学習やミニバッチ学習等が採用されてもよい。さらに、所定の学習終了条件が満たされたか否かは、誤判定率に基づいて判定されてもよい。
【0103】
2.2.2.処理装置11Aの第2の動作
図10は、図7の処理装置11Aの第2の動作を示すフローチャートである。以下、図10を参照することにより、処理装置11Aの第2の動作について説明する。図10のルーチンは、例えば、処理装置11Aが起動されることにより開始され、一定の時間が経過するごとに実行されるようになっている。
【0104】
ステップS41において、処理装置11Aは、第1推定部115aとして機能することにより、年齢情報に基づいて、イベントの内容を推定する。
【0105】
ステップS42において、処理装置11Aは、判定部114として機能することにより、年齢情報に基づいて推定されたイベントの内容に基づいて、残期間において、世帯の1以上のイベントが発生するか否かを判定する。
【0106】
ステップS42において、処理装置11Aが、残期間において世帯の1以上のイベントが発生すると判定した場合、即ち、ステップS42における判定結果が肯定であった場合、処理装置11Aは、ステップS43の処理を実行する。この場合、ステップS43において、処理装置11Aは、第2推定部115bとして機能することにより、1以上のイベントの各々に係る出費額を推定する。
【0107】
ステップS44において、処理装置11Aは、通知部116として機能することにより、所定期間における電子決済サービスの利用額と、残期間における出費額とを端末装置20-1に通知し、本ルーチンを一旦終了する。これにより、端末装置20-1を使用しているユーザU1は、所定期間における電子決済サービスの利用額と、残期間における出費額とを認識する。
【0108】
一方、ステップS42において、処理装置11Aが、残期間において世帯のイベントが発生しないと判定した場合、即ち、ステップS42における判定結果が否定であった場合、処理装置11Aは、ステップS45の処理を実行する。この場合、ステップS45において、処理装置11Aは、通知部116として機能することにより、所定期間における電子決済サービスの利用額を端末装置20-1に通知し、本ルーチンを一旦終了する。これにより、端末装置20-1を使用しているユーザU1は、所定期間における電子決済サービスの利用額を認識する。
【0109】
2.3.第2実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、電子決済サービスは、クレジットカードを用いたサービスである。ユーザU1本人には、クレジットカードとして本人カードが発行され、ユーザU1の家族には、クレジットカードとして家族カードが発行される。第2実施形態に係る電子決済サービス管理装置としての処理装置11Aの管理部111Aは、本人属性情報、家族利用情報、及び家族属性情報を管理する。本人属性情報は、ユーザU1本人の属性に関する情報である。家族利用情報は、ユーザU1の家族が使用する家族カードについて利用額及び利用明細を示す情報である。家族属性情報は、家族の属性に関する情報である。世帯情報は、本人属性情報及び家族属性情報を含む。
【0110】
この態様によれば、本人属性情報のみならず家族属性情報を用いて世帯のイベントに関する出費額が推定されるので、世帯のイベントに関する出費額の推定精度を向上できる。
【0111】
また、世帯情報は、ユーザU1の家族の年齢を示す年齢情報を含む。推定部115Aは、第1推定部115aと第2推定部115bとを備える。第1推定部115aは、年齢情報に基づいて、イベントの内容を推定する。第2推定部115bは、推定されたイベントの内容に要する出費額を推定する。
【0112】
この態様によれば、ユーザU1の家族の年齢に基づいて家族のイベントの出費額を推定するので、ユーザU1本人の退職、子供の就職、子供の成人といったイベントの内容と、当該内容に応じた出費額とを推定できる。
【0113】
第2推定部115bは、イベントの内容及び本人利用情報と、出費額との関係を学習済みの学習モデルLM1に、第1推定部115aによって推定されたイベントの内容及び本人利用情報を入力することによって出費額を推定する。
【0114】
この態様によれば、学習モデルLM1は、イベントの内容と出費額との関係のみならず本人利用情報と出費額との関係を学習済みであるので、ユーザU1本人の利用額の大きさを考慮して出費額を推定できる。
【0115】
3.第3実施形態
以下、図11図14を参照することにより、本発明の第3実施形態に係る電子決済サービス管理装置の構成について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の符号を用いると共に、その機能の説明を省略することがある。また、以下の説明では、説明の簡略化のため、主として、第3実施形態が、第1実施形態に比較して相違する点について説明する。
【0116】
3.1.第3実施形態の構成
3.1.1.全体構成
図11は、第3実施形態に係る電子決済サービス管理装置を含む情報処理システム1Bの全体構成を示す図である。図11に示したように、情報処理システム1Bは、第1実施形態に係る情報処理システム1と比較して、サーバ10に代えて第1のサーバ10Bを備えている点及び第1のサーバ10Bに加えて第2のサーバ30を備えている点において異なっている。
【0117】
第1のサーバ10Bは、主に第1の電子決済サービスを管理するサーバである。第1のサーバ10Bは、通信網NETを介して、端末装置20に第1の電子決済サービスに関する各種情報を送信することにより、各ユーザに対し、各種情報を提供する。第2のサーバ30は、主に第2の電子決済サービスを管理するサーバである。第2のサーバ30は、通信網NETを介して、端末装置20に第2の電子決済サービスに関する各種情報を送信することにより、各ユーザに対し、各種情報を提供する。第1のサーバ10Bと第2のサーバ30とは、通信網NETを介して、互いに情報を送受可能である。
【0118】
第1の電子決済サービスは、第1実施形態に係る電子決済サービスに相当する。第2の電子決済サービスは、第1の電子決済サービスとは異なるサービスである。第1の本人利用情報は、第1実施形態に係る本人利用情報に相当する。
【0119】
3.1.2.第1のサーバの構成
図12は、図11の第1のサーバ10Bの構成例を示すブロック図である。図12に示したように、第1のサーバ10Bは、電子決済サービス管理装置としての処理装置11B、記憶装置12B、通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15を備えている。第1のサーバ10Bが備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0120】
処理装置11Bは、第1のサーバ10Bの全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置11Bは、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置11Bが備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置11Bは、各種の処理を並列又は逐次的に実行する。
【0121】
記憶装置12Bは、処理装置11Bにより読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置12Bは、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0122】
記憶装置12Bは、処理装置11Bが実行するための制御プログラムPR4を含む複数のプログラム、世帯情報FI1、及びキーワード群KW1を記憶している。また、記憶装置12Bは、処理装置11Bのワークエリアとして機能する。
【0123】
通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15は、第1実施形態の通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15と同様の装置であるため、説明は省略される。
【0124】
処理装置11Bは、記憶装置12Bから制御プログラムPR4を読み出して実行することにより、管理部111B、付与部112、予測部113A、判定部114、推定部115、及び通知部116Aとして機能する。
【0125】
管理部111Bは、第1の本人利用情報及び第2の本人利用情報を管理する。第1の本人利用情報は、ユーザU1本人による第1の電子決済サービスの利用に関する情報である。第1の本人利用情報は、記憶装置12Bに記憶されている世帯情報FI1に含まれる。第2の本人利用情報は、ユーザU1本人による第2の電子決済サービスの利用に関する情報である。第2の本人利用情報は、記憶装置32に記憶されている世帯情報FI3に含まれる。
【0126】
予測部113Aは、管理部111Bによって管理される過去の第1の本人利用情報に基づいて、第1の利用額を予測する。第1の利用額は、所定期間における第1の電子決済サービスの利用額である。例えば、所定期間が今年の1月1日から12月31日までの期間であるなら、過去の第1の本人利用情報は、昨年の12月31日以前における第1の電子決済サービスについての本人利用情報である。
【0127】
より具体的に述べると、予測部113Aは、過去の第1の本人利用情報から過去の各年の利用額の変化を関数として求め、求められた関数に基づいて、所定期間における第1の電子決済サービスの利用額を予測する。なお、予測部113Aは、過去の第1の本人利用情報から過去の各年の利用額を平均し、平均された利用額を所定期間における第1の電子決済サービスの利用額として予測してもよい。
【0128】
予測部113Aは、管理部111Bによって管理される過去の第2の本人利用情報に基づいて、第2の利用額を予測する。第2の利用額は、残期間における第2の電子決済サービスの利用額である。残期間は、現在から所定期間の終期までの期間である。例えば、所定期間が今年の1月1日から12月31日までの期間であるなら、過去の第2の本人利用情報は、昨年の12月31日以前における第2の電子決済サービスについての本人利用情報である。
【0129】
より具体的に述べると、予測部113Aは、過去の第2の本人利用情報から過去の各年の利用額の変化を関数として求め、求められた関数に基づいて、残期間における第2の電子決済サービスの利用額を予測する。なお、予測部113Aは、過去の第2の本人利用情報から過去の各年の利用額を平均し、平均された利用額から残期間における第2の電子決済サービスの利用額を予測してもよい。
【0130】
判定部114Aは、第1の利用額が所定額未満であるか否かを判定する。所定額は、第1の電子決済サービスを提供する事業者によって予め定められた額である。第1の利用額が所定額を上回る場合、付与部112は、ユーザU1本人に特典を付与する。
【0131】
通知部116Aは、第1の利用額が所定額未満である場合に、第2の利用額をユーザU1本人が使用する端末装置20-1に通知する。一方、通知部116Aは、第1の利用額が所定額以上である場合、第2の利用額を端末装置20-1に通知しない。
【0132】
3.1.3.第2のサーバの構成
図13は、図11の第2のサーバ30の構成例を示すブロック図である。図13に示したように、第2のサーバ30は、処理装置31、記憶装置32、通信装置33、ディスプレイ34、及び入力装置35を備えている。第2のサーバ30が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0133】
処理装置31は、第2のサーバ30の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置31は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置31が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置31は、各種の処理を並列又は逐次的に実行する。
【0134】
記憶装置32は、処理装置31により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置32は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0135】
記憶装置32は、処理装置31が実行するための制御プログラムPR5を含む複数のプログラム及び世帯情報FI3を記憶している。また、記憶装置32は、処理装置31のワークエリアとして機能する。
【0136】
通信装置33、ディスプレイ34、及び入力装置35は、第1実施形態の通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15と同様の装置であるため、説明は省略される。
【0137】
処理装置31は、記憶装置32から制御プログラムPR5を読み出して実行することにより、管理部311、付与部312、及び通知部316として機能する。
【0138】
管理部311は、世帯情報FI3を管理する。世帯情報FI3は、少なくとも第2の本人利用情報を含む。言い換えると、管理部311は、第2の本人利用情報を管理する。
【0139】
付与部312は、所定期間における第2の電子決済サービスの利用額が所定額を上回る場合に、ユーザU1本人に特典を付与する。所定期間は、例えば、年初の1月1日から年末の12月31日までの1年間であってもよいし、別途定められた期間であってもよい。特典は、ポイント付与、キャッシュバック、及び割引クーポンを含んでいる。所定額は、第2の電子決済サービスを提供する事業者によって予め定められた金額である。
【0140】
通知部316は、付与部312によって付与された特典に関する情報を、ユーザU1本人が使用する端末装置20-1に通知する。これにより、ユーザU1本人は、所定期間の利用により付与された特典を認識できる。
【0141】
このように、情報処理システム1Bは、端末装置20を使用する任意のユーザに対して、第1電子決済サービス及び第2電子決済サービスを提供するシステムである。
【0142】
3.2.第3実施形態に係る電子決済サービス管理装置の動作
3.2.1.処理装置11Bの動作
図14は、図12の処理装置11Bの動作を示すフローチャートである。以下、図14を参照することにより、処理装置11Bの動作について説明する。図14のルーチンは、例えば、処理装置11Bが起動されることにより開始され、一定の時間が経過するごとに実行されるようになっている。
【0143】
ステップS51において、処理装置11Bは、予測部113Aとして機能することにより、過去の第1の本人利用情報に基づいて、第1の利用額を予測する。
【0144】
次いで、ステップS52において、処理装置11Bは、予測部113Aとして機能することにより、過去の第2の本人利用情報に基づいて、第2の利用額を予測する。
【0145】
次いで、ステップS53において、処理装置11Bは、判定部114Aとして機能することにより、第1の利用額が所定額未満であるか否かを判定する。
【0146】
ステップS53において、処理装置11Bが、第1の利用額が所定額未満であると判定した場合、即ち、ステップS53における判定結果が肯定であった場合、処理装置11Bは、ステップS54の処理を実行して本ルーチンを一旦終了する。この場合、ステップS54において、処理装置11Bは、通知部116Aとして機能することにより、第2の利用額を端末装置20-1に通知する。
【0147】
これにより、端末装置20-1を使用しているユーザU1は、現在から所定期間の終期までの期間における第2の電子決済サービスの利用額の予測値を認識できる。また、ユーザU1は、第1の利用額が所定額未満であることから、現在において、第1の電子決済サービスの特典が付与されるための条件が満たされていないことを認識できる。
【0148】
一方、ステップS53において、処理装置11Bが、第1の利用額が所定額を上回っていると判定した場合、即ち、ステップS53における判定結果が否定であった場合、処理装置11Bは、本ルーチンを一旦終了する。即ち、この場合、処理装置11Bは、第2の利用額を端末装置20-1に通知しない。
【0149】
このように、第1の利用額が所定額未満であると判定した場合に、第2の利用額が端末装置20-1に通知される。このため、ユーザU1が、第1の電子決済サービスの特典が付与される条件を満たすため、今後の第2の電子決済サービスの利用を控え、第1の電子決済サービスの利用を促進させることが期待される。
【0150】
3.3.第3実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第1実施形態に係る電子決済サービスは、本実施形態に係る第1の電子決済サービスである。第1実施形態に係る本人利用情報は、本実施形態に係る第1の本人利用情報である。管理部111Bは、第2の本人利用情報を管理する。第2の本人利用情報は、ユーザU1本人が利用する第2の電子決済サービスについての利用額及び利用明細を示す情報である。
【0151】
予測部113Aは、過去の第1の本人利用情報に基づいて、第1の利用額を予測する。過去の第1の本人利用情報は、管理部111Bによって管理される情報である。第1の利用額は、所定期間における第1の電子決済サービスの利用額である。予測部113Aは、過去の第2の本人利用情報に基づいて、第2の利用額を予測する。過去の第2の本人利用情報は、管理部111Bによって管理される情報である。第2の利用額は、現在から所定期間の終期、即ち、残期間における第2の電子決済サービスの利用額である。通知部116Aは、第1の利用額が所定額未満である場合に、第2の利用額をユーザU1本人が使用する端末装置20-1に更に通知する。
【0152】
この態様によれば、ユーザU1は、第2の利用額に相当する額を今後第2の電子決済サービスにおいて利用する代わりに、第1の電子決済サービスにおいて利用することによって、第1の電子決済サービスの特典が得られることを知ることができる。従って、この態様によれば、ユーザU1の利便性を向上させることができる。
【0153】
4.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を組み合わせてもよい。また、上記実施形態の態様及び以下の変形の態様は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせることができる。
【0154】
4.1.変形例1
上記各実施形態では、クレジットカードを用いたサービスが電子決済サービスとして利用されたが、QRコードを用いたサービスが電子決済サービスとして利用されてもよい。
【0155】
QRコードを用いたサービスでは、例えば、ユーザU1本人が所持する端末装置20-1に記録されているQRコードと、クレジットカードとして発行された本人カードのカード番号とを紐付けることができる。また、ユーザU1の家族のそれぞれが所持する各端末装置に記録されているQRコードと、クレジットカードとして発行された家族カードのカード番号とを紐付けることができる。
【0156】
この例では、本人利用情報は、ユーザU1本人が端末装置20-1を用いてQRコードにより決済した利用額及び利用明細を示す情報である。家族利用情報は、ユーザU1本人の家族のそれぞれが、各自が所持する端末装置を用いてQRコードにより決済した利用額及び利用明細を示す情報である。
【0157】
また、QRコードを用いたサービスでは、例えば、ユーザU1本人が所持する端末装置20-1からユーザU1の家族のそれぞれが所持する端末装置20に送金することができる。ユーザU1の家族のそれぞれは、ユーザU1から送金された金額の範囲内においてQRコードによる決済を利用することができる。
【0158】
この例では、家族利用情報は本人利用情報に含まれる。即ち、家族利用情報は、ユーザU1本人及びユーザU1本人の家族のそれぞれが、各自が所持する端末装置20を用いてQRコードにより決済した利用額及び利用明細を示す情報である。
【0159】
4.2.変形例2
第2実施形態において、第1推定部115aは、年齢情報とイベントの内容との相関関係を予め規定したルックアップテーブルに年齢情報を入力することにより、イベントの内容を推定したが、イベント内容の推定方法は、特に限定されない。例えば、第1推定部115aは、年齢情報とイベントの内容との相関関係が学習された学習モデルに年齢情報を入力することにより、イベントの内容を推定してもよい。
【0160】
4.3.変形例3
第3実施形態において、情報処理システム1Bは、2つのサーバ、即ち、第1のサーバ10B及び第2のサーバ30を備えていたが、この構成はあくまで例示であり、情報処理システム1Bは3以上のサーバを備えていてもよい。言い換えると、第3実施形態において、情報処理システム1Bでは、2種類の電子決済サービスが管理されていたが、3種類以上の電子決済サービスが管理されていてもよい。
【0161】
5.その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置12、記憶装置12A、記憶装置12B、記憶装置22、及び記憶装置32は、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NETから送信されてもよい。
【0162】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0163】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0164】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0165】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0166】
(6)図1図14に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0167】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0168】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0169】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0170】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0171】
(10)上述した実施形態において、サーバ10、サーバ10A、第1のサーバ10B及び第2のサーバ30は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0172】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0173】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0174】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0175】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0176】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0177】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0178】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0179】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0180】
1,1A,1B…情報処理システム、10,10A…サーバ、10B…第1のサーバ、20…端末装置、30…第2のサーバ、90…機械学習装置、111,111A,111B,311…管理部、112,312…付与部、113,113A…予測部、114,114A…判定部、115,115A…推定部、115a…第1推定部、115b…第2推定部、116,116A,316…通知部、FI1,FI2,FI3…世帯情報、LM1…学習モデル、U1…ユーザ本人
図1
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