(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022242
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】シアノ複素環化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 213/84 20060101AFI20250206BHJP
C07D 213/74 20060101ALI20250206BHJP
C07D 213/81 20060101ALI20250206BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
C07D213/84 Z
C07D213/74
C07D213/81
C07D413/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126657
(22)【出願日】2023-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004086
【氏名又は名称】日本化薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 悠太郎
(72)【発明者】
【氏名】田窪 竜明
【テーマコード(参考)】
4C055
4C063
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA06
4C055BA30
4C055BA52
4C055BA53
4C055BA58
4C055BA59
4C055BB02
4C055BB10
4C055CA02
4C055CA03
4C055CA06
4C055CA08
4C055CA13
4C055CA16
4C055CA46
4C055CA47
4C055CB01
4C055CB02
4C055CB07
4C055DA01
4C055EA01
4C055FA01
4C055FA15
4C055FA31
4C063AA03
4C063BB02
4C063CC58
4C063DD12
4C063EE05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】有害生物防除活性を有する、含硫黄置換基を有する複素環化合物の製造において有用な合成中間体である、含硫黄置換基を有する複素環化合物のシアノ誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】式(1)で表される複素環化合物と、シアノ化剤(3)及びヨウ化物塩(4)を反応させることで、式(2)で表されるシアノ複素環化合物を製造する方法。本発明の方法により、目的物であるシアノ複素環化合物が高収率で製造できると共に、副生成物の生成を抑制することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される複素環化合物と、シアノ化剤(3)及びヨウ化物塩(4)を反応させることで、式(2)で表されるシアノ複素環化合物を製造する方法。
【化1】
[式(1)、及び式(2)において、
R
aは、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、及び置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基からなる群から選択される基を表し、
nは、0、1、又は2を表し、
X
1は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニルオキシ基、及び置換基を有していてもよいフェニルスルホニルオキシ基からなる群から選択される基を表し、
G
1は、窒素原子、又はC(R
1)を表し、
G
2は、窒素原子、又はC(R
2)を表し、
G
3は、窒素原子、又はC(R
3)を表し、
R
1、R
2、及びR
3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY
1Y
2基、C(O)NY
1Y
2基、C(=NY
2)Y
3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH
2基、及びSF
5基からなる群から選択される基を表し、
前記Y
1は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、及び置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基からなる群から選択される基を表し、
前記Y
2は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、シアノ基、及びヒドロキシ基からなる群から選択される基を表し、
前記Y
3は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、及びNY
1Y
2基からなる群から選択される基(Y
1及びY
2は前記と同義であり)、
を示す。]
【請求項2】
シアノ化剤(3)がHCN、LiCN、NaCN、KCN、BrCN、CuCN、Zn(CN)2、アセトンシアノヒドリン、トリメチルシリルシアニドからなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ヨウ化物塩(4)が、HI、LiI、NaI、KI、MgI2、NH4I、CsI、N(Y4)4Iからなる群から選択される1種以上の化合物
[Y4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、及び置換基を有していてもよい複素環基からなる群から選択される基である。]
である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
式(1)中、G1、G2及びG3が、それぞれ、C(R1)、C(R2)、及びC(R3)である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の方法で製造した式(2)で表されるシアノ複素環化合物
【化2】
[式(2)において、R
a、G
1、G
2、G
3、R
1、R
2、R
3、Y
1、Y
2、Y
3、及びnは前記と同義である。]
から式(5)で表されるアミド化合物
【化3】
[式(5)において、
R
a、G
1、G
2、G
3、R
1、R
2、R
3、Y
1、Y
2、Y
3、及びnは前記と同義であり、
R
bは、水素原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、及び置換基を有していてもよいフェニル基からなる群から選択される基を表し、
G
4は、窒素原子、又はC(R
4)を表し、
G
5は、窒素原子、又はC(R
5)を表し、
G
6は、窒素原子、又はC(R
6)を表し、
G
7は、窒素原子、又はC(R
7)を表し、
G
8は、窒素原子、又はC(R
8)を表し、
R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY
1Y
2基、C(O)NY
1Y
2基、C(=NY
2)Y
3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH
2基、及びSF
5基からなる群から選択される基(Y
1、Y
2、及びY
3は前記と同義であり)、
である。]
を製造する、アミド化合物の製造方法。
【請求項6】
請求項1~4の何れか一項に記載の方法で製造した式(2)で表されるシアノ複素環化合物
【化4】
[式(2)において、R
a、G
1、G
2、G
3、R
1、R
2、R
3、Y
1、Y
2、Y
3、及びnは前記と同義である。]
から式(6)で表されるアミジン化合物
【化5】
[(式(6)において、
R
a、G
1、G
2、G
3、R
1、R
2、R
3、Y
1、Y
2、Y
3、及びnは前記と同義であり、
R
bは、水素原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、及び置換基を有していてもよいフェニル基からなる群から選択される基を表し、
G
4は、窒素原子、又はC(R
4)を表し、
G
5は、窒素原子、又はC(R
5)を表し、
G
6は、窒素原子、又はC(R
6)を表し、
G
7は、窒素原子、又はC(R
7)を表し、
G
8は、窒素原子、又はC(R
8)を表し、
R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY
1Y
2基、C(O)NY
1Y
2基、C(=NY
2)Y
3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH
2基、及びSF
5基からなる群から選択される基(Y
1、Y
2、及びY
3は前記と同義であり)を表し、
R
cは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、及びNY
1Y
2基からなる群から選択される基(Y
1、及びY
2は前記と同義であり)
である。]
を製造する、アミジン化合物の製造方法。
【請求項7】
請求項1~4の何れか一項に記載の方法で製造した式(2)で表されるシアノ複素環化合物
【化6】
[式(2)において、R
a、G
1、G
2、G
3、R
1、R
2、R
3、Y
1、Y
2、Y
3、及びnは前記と同義である。]
から、式(7)で表される環状基連結複素環化合物
【化7】
[式(7)において、
R
a、G
1、G
2、G
3、R
1、R
2、R
3、Y
1、Y
2、Y
3、及びnは前記と同義であり、
G
4は、窒素原子、又はC(R
4)を表し、
G
5は、窒素原子、又はC(R
5)を表し、
G
6は、窒素原子、又はC(R
6)を表し、
G
7は、窒素原子、又はC(R
7)を表し、
G
8は、窒素原子、又はC(R
8)を表し、
R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
3~C
6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
2~C
6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY
1Y
2基、C(O)NY
1Y
2基、C(=NY
2)Y
3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH
2基、及びSF
5基からなる群から選択される基(Y
1、Y
2、及びY
3は前記と同義であり)を表し、
mは、0、1、又は2を表し、
J
1、J
2、J
3及びJ
4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C
1~C
6)アルコキシ基、ヒドロキシ基、若しくは、J
1及びJ
2、J
3及びJ
4の二つの結合が一緒になって、カルボニル基、チオカルボニル基からなる群から選択される基である。]
を製造する、環状基連結複素環化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアノ複素環化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有害節足動物の防除剤としての機能を有する硫黄含有置換基有する複素環化合物が知られている。例えば特許文献1~4に、含硫黄置換基を有する複素環基を有するアミジン化合物が開示されている。また特許文献5には、含硫黄置換基を有する複素環基を有するアミド化合物が開示されている。
これらアミジン化合物やアミド化合物の製造には、含硫黄置換基を有する複素環化合物のシアノ誘導体を用いることが挙げられ、その効率的な製造方法の確立が求められる。特許文献6には、2-シアノ-3-エチルスルホニルピリジン類の合成法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2020/054712号
【特許文献2】国際公開2021/177410号
【特許文献3】国際公開2022/259985号
【特許文献4】特開2023-031268号公報
【特許文献5】国際公開2014/021468号
【特許文献6】特開2015-196668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害生物防除活性を有する含硫黄置換基を有する複素環化合物の製造において有用な合成中間体である含硫黄置換基を有する複素環化合物のシアノ誘導体の製造方法を提供することを課題とする。具体的には、含硫黄置換基を有する複素環化合物からシアノ化剤によるシアノ化反応において、副生成物の生成を低減した製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の[1]~[7]に関する。
[1]
式(1)で表される複素環化合物と、シアノ化剤(3)及びヨウ化物塩(4)を反応させることで、式(2)で表されるシアノ複素環化合物を製造する方法。
【0006】
【0007】
[式(1)、及び式(2)において、
Raは、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、及び置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基からなる群から選択される基を表し、
nは、0、1、又は2を表し、
X1は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、及び置換基を有していてもよいフェニルスルホニルオキシ基からなる群から選択される基を表し、
G1は、窒素原子、又はC(R1)を表し、
G2は、窒素原子、又はC(R2)を表し、
G3は、窒素原子、又はC(R3)を表し、
R1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、
置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、C(=NY2)Y3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH2基、及びSF5基からなる群から選択される基を表し、
前記Y1は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、及び置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基からなる群から選択される基を表し、
前記Y2は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、シアノ基、及びヒドロキシ基からなる群から選択される基を表し、
前記Y3は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、及びNY1Y2基からなる群から選択される基(Y1及びY2は前記と同義であり)、
を示す。]
【0008】
[2]
シアノ化剤(3)がHCN、LiCN、NaCN、KCN、BrCN、CuCN、Zn(CN)2、アセトンシアノヒドリン、トリメチルシリルシアニドからなる群から選択される1種以上の化合物である、[1]に記載の製造方法。
[3]
ヨウ化物塩(4)が、HI、LiI、NaI、KI、MgI2、NH4I、CsI、N(Y4)4Iからなる群から選択される1種以上の化合物
[Y4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、及び置換基を有していてもよい複素環基からなる群から選択される基である。]
である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
式(1)中、G1、G2及びG3が、それぞれ、C(R1)、C(R2)、及びC(R3)である、[1]~[3]の何れか一項に記載の製造方法。
【0009】
[5]
[1]~[4]の何れか一項に記載の方法で製造した式(2)で表されるシアノ複素環化合物
【0010】
【0011】
[式(2)において、Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義である。]
から式(5)で表されるアミド化合物
【0012】
【0013】
[式(5)において、
Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義であり、
Rbは、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、及び置換基を有していてもよいフェニル基からなる群から選択される基を表し、
G4は、窒素原子、又はC(R4)を表し、
G5は、窒素原子、又はC(R5)を表し、
G6は、窒素原子、又はC(R6)を表し、
G7は、窒素原子、又はC(R7)を表し、
G8は、窒素原子、又はC(R8)を表し、
R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、C(=NY2)Y3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH2基、及びSF5基からなる群から選択される基(Y1、Y2、及びY3は前記と同義であり)、
である。]
を製造する、アミド化合物の製造方法。
【0014】
[6]
[1]~[4]の何れか一項に記載の方法で製造した式(2)で表されるシアノ複素環化合物
【0015】
【0016】
[式(2)において、Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義である。]
から式(6)で表されるアミジン化合物
【0017】
【0018】
[(式(6)において、
Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義であり、
Rbは、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、及び置換基を有していてもよいフェニル基からなる群から選択される基を表し、
G4は、窒素原子、又はC(R4)を表し、
G5は、窒素原子、又はC(R5)を表し、
G6は、窒素原子、又はC(R6)を表し、
G7は、窒素原子、又はC(R7)を表し、
G8は、窒素原子、又はC(R8)を表し、
R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、C(=NY2)Y3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH2基、及びSF5基からなる群から選択される基(Y1、Y2、及びY3は前記と同義であり)を表し、
Rcは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、及びNY1Y2基からなる群から選択される基(Y1、及びY2は前記と同義であり)
である。]
を製造する、アミジン化合物の製造方法。
【0019】
[7]
[1]~[4]の何れか一項に記載の方法で製造した式(2)で表されるシアノ複素環化合物
【0020】
【0021】
[式(2)において、Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義である。]
から、式(7)で表される環状基連結複素環化合物
【0022】
【0023】
[式(7)において、
Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義であり、
G4は、窒素原子、又はC(R4)を表し、
G5は、窒素原子、又はC(R5)を表し、
G6は、窒素原子、又はC(R6)を表し、
G7は、窒素原子、又はC(R7)を表し、
G8は、窒素原子、又はC(R8)を表し、
R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、C(=NY2)Y3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH2基、及びSF5基からなる群から選択される基(Y1、Y2、及びY3は前記と同義であり)を表し、
mは、0、1、又は2を表し、
J1、J2、J3及びJ4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、ヒドロキシ基、若しくは、J1及びJ2、J3及びJ4の二つの結合が一緒になって、カルボニル基、チオカルボニル基からなる群から選択される基である。]
を製造する、環状基連結複素環化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、式(2)で表されるシアノ複素環化合物を収率良く製造することができる。好ましくは、シアノ化反応工程において副生成物の生成を抑制した、高選択的なシアノ複素環化合物の製造を可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<式(1);複素環化合物から式(2);シアノ複素環化合物の製造方法>
本発明は、式(1)で表される複素環化合物と、シアノ化剤(3)及びヨウ化物塩(4)を反応させることで、式(2)で表されるシアノ複素環化合物を製造する方法に関する。
【0026】
【0027】
本発明の製造方法における、式(1)で表される複素環化合物および式(2)で表されるシアノ複素環化合物にについて説明する。
【0028】
式(1)で表される複素環化合物、及び式(2)で表されるシアノ複素環化合物において、Raは、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、及び置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基からなる群から選択される基である。
好ましくは、Raは、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基である。さらに好ましくは、エチル基である。
Ra基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、である。
【0029】
式(1)及び式(2)において、nは、0、1、又は2である。好ましくは、nは1、又は2である。さらに好ましくは、nは2であり、すなわち、S(O)nRa基の好ましい様態としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基である。
【0030】
式(1)において、X1は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、及び置換基を有していてもよいフェニルスルホニルオキシ基からなる群から選択される基を表す。
X1は好ましくは、ハロゲン原子、及びメチルスルホニルオキシ基、4-メチルベンゼンスルホニルオキシ基、及びトリフルオロメチルスルホニルオキシ基から選択される基を表す。さらに好ましくは、X1はハロゲン原子であり、ブロモ基又はヨウ素基が特に好ましい。
X1基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、及びニトロ基である。
【0031】
式(1)及び式(2)において、G1は窒素原子又はC(R1)を表し、G2は窒素原子又はC(R2)を表し、G3は窒素原子又はC(R3)を表す。
好ましくは、G1、G2、G3は、C(R1)、C(R2)、C(R3)である。すなわち、式(1)、及び式(2)の好ましい様態はピリジン化合物である。
【0032】
式(1)及び式(2)において、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、C(=NY2)Y3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH2基、及びSF5基からなる群から選択される基を表す。なお、前記Y1は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、及び置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基からなる群から選択される基を表し、
前記Y2は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、シアノ基、及びヒドロキシ基からなる群から選択される基を表し、
前記Y3は、複数存在する場合にはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、及びNY1Y2基からなる群から選択される基(Y1及びY2は前記と同義であり)、を表す。
【0033】
R1、R2、及びR3における「複素環基」としては、例えば、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、フラン-2-イル、フラン-3-イル、ピロ-ル-1-イル、ピロ-ル-2-イル、ピロ-ル-3-イル、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、オキサゾール-5-イル、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イル、イソオキサゾール-5-イル、イソオキサゾリン-3-イル、イソオキサゾリン-4-イル、イソオキサゾリン-5-イル、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、チアゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾ-ル-3-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-2-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3,4-テトラゾール-1-イル、1,2,3,4-テトラゾール-2-イル、1,2,3,4-テトラゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、1,3,5-トリアジン-2-イル、1,2,4-トリアジン-3-イル、1,2,4-トリアジン-5-イル、1,2,4-トリアジン-6-イル、ベンゾチオフェン-2-イル、ベンゾチオフェン-3-イル、ベンゾチオフェン-4-イル、ベンゾチオフェン-5-イル、ベンゾチオフェン-6-イル、ベンゾチオフェン-7-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-3-イル、ベンゾフラン-4-イル、ベンゾフラン-5-イル、ベンゾフラン-6-イル、ベンゾフラン-7-イル、インドール-1-イル、インドール-2-イル、インドール-3-イル、インドール-4-イル、インドール-5-イル、インドール-6-イル、インドール-7-イル、ベンゾチアゾール-2-イル、ベンゾチアゾール-4-イル、ベンゾチアゾール-5-イル、ベンゾチアゾール-6-イル、ベンゾチアゾール-7-イル、ベンゾイミダゾール-1-イル、ベンゾイミダゾール-2-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、ベンゾイミダゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-6-イル、ベンゾイミダゾール-7-イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、ベンゾイソオキサゾール-6-イル、ベンゾイソオキサゾール-7-イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイソチアゾール-6-イル、ベンゾイソチアゾール-7-イル、インダゾール-1-イル、インダゾール-3-イル、インダゾール-4-イル、インダゾール-5-イル、インダゾール-6-イル、インダゾール-7-イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾオキサゾール-4-イル、ベンゾオキサゾール-5-イル、ベンゾオキサゾール-6-イル、ベンゾオキサゾール-7-イル、キノリン-2-イル、キノリン-3-イル、キノリン-4-イル、キノリン-5-イル、キノリン-6-イル、キノリン-7-イル、キノリン-8-イル、イソキノリン-1-イル、イソキノリン-3-イル、イソキノリン-4-イル、イソキノリン-5-イル、イソキノリン-6-イル、イソキノリン-7-イル、イソキノリン-8-イル、キノキサリン-2-イル、キノキサリン-3-イル、キノキサリン-5-イル、キノキサリン-6-イル、キノキサリン-7-イル、キノキサリン-8-イル、フタラジン-1-イル、フタラジン-4-イル、フタラジン-5-イル、フタラジン-6-イル、フタラジン-7-イル、フタラジン-8-イル、シンノリン-3-イル、シンノリン-4-イル、シンノリン-5-イル、シンノリン-6-イル、シンノリン-7-イル、シンノリン-8-イル、キナゾリン-2-イル、キナゾリン-4-イル、キナゾリン-5-イル、キナゾリン-6-イル、キナゾリン-7-イル又はキナゾリン-8-イル等が具体例として挙げられる。
【0034】
R1基、R2基、及びR3基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基である。
なお、R1基、R2基及びR3基が置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基の場合の、有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、ハロ(C1~C6)アルキル基、(C3~C6)シクロアルキル基、ハロ(C3~C6)シクロアルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C3~C6)シクロアルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、ハロ(C1~C6)アルキルチオ基、(C1~C6)アルキルスルフィニル基、ハロ(C1~C6)アルキルスルフィニル基、(C1~C6)アルキルスルホニル基、ハロ(C1~C6)アルキルスルフィニル基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、ハロ(C1~C6)アルキル基、(C3~C6)シクロアルキル基、ハロ(C3~C6)シクロアルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C3~C6)シクロアルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、ハロ(C1~C6)アルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基である。
【0035】
好ましくは、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいフェニル基、及び置換基を有していてもよい複素環基からなる群から選択される基を表す。
より好ましくは、R1、及びR3は水素原子であり、R2は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、及び置換基を有していてもよい複素環基からなる群から選択される基である。
さらに好ましくは、R1、及びR3は水素原子であり、R2は、水素原子、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、及び置換基を有していてもよい複素環基からなる群から選択される基である。
R1、R2、及びR3における、置換基を有していてもよいフェニル基の好ましい様態としては、3-フルオロフェニル基、3-クロロフェニル基、3-ブロモフェニル基、3-ヨードフェニル基、3-シアノフェニル基、3-(トリフルオロメチル)フェニル基、3-(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4-フルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、4-ブロモフェニル基、4-ヨードフェニル基、4-シアノフェニル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4-シクロプロピルフェニル基、4-(1-シアノシクロプロピル)フェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2,4,6-トリフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0036】
式(1)に係る複素環化合物の好ましい態様としては、以下の化合物が挙げられる。
2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-フルオロピリジン、2-ブロモ-5-クロロ-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2,5-ジブロモ-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-ヨードピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(トリフルオロメトキシ)ピリジン、2-ブロモ-5-シクロプロピル-3-(エチルスルホニル)ピリジン、1-(6-ブロモ-5-(エチルスルホニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパン-1-カルボニトリル、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)ピリジン、2-ブロモ-5-(4-クロロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-ヨードフェニル)ピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン、2-ブロモ-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-ブロモ-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリジン、4-(6-ブロモ-5-(エチルスルホニル)ピリジン-3-イル)ベンゾニトリル、6’-ブロモ-5’-(エチルスルホニル)-2,3’-ビピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロピリジン、3-(エチルスルホニル)-2,5-ジフルオロピリジン、5-クロロ-3-(エチルスルホニル)-2-フルオロピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-ヨードピリジン、5-シクロプロピル-3-(エチルスルホニル)-2-フルオロピリジン、1-(5-(エチルスルホニル)-6-フルオロピリジン-3-イル)シクロプロパン-1-カルボニトリル、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)ピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-(4-フルオロフェニル)ピリジン、5-(4-クロロフェニル)-3-(エチルスルホニル)-2-フルオロピリジン、5-(4-ブロモフェニル)-3-(エチルスルホニル)-2-フルオロピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-(4-ヨードフェニル)ピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン、5-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)-2-フルオロピリジン、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロ-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリジン、5-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)-2-フルオロピリジン、4-(5-(エチルスルホニル)-6-フルオロピリジン-3-イル)ベンゾニトリル、5’-(エチルスルホニル)-6’-フルオロ-2,3-ビピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-フルオロピリジン、2,5-ジクロロ-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-ヨードピリジン、2-クロロ-5-シクロプロパン-3-(エチルスルホニル)ピリジン、1-(6-クロロ-5-(エチルスルホニル)ピリジン-3-イル)シクロプロパン-1-カルボニトリル、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-(トリフルオロメトキシ)ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-ピリジン、2-クロロ-5-(4-クロロフェニル)-3-(エチルスルホニル)-ピリジン、5-(4-ブロモフェニル)-2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-ヨードフェニル)ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン、2-クロロ-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピリジン、2-クロロ-3-(エチルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリジン、2-クロロ-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピリジン、4-(6-クロロ-5-(エチルスルホニル)ピリジン-3-イル)ベンゾニトリル、6’-クロロ-5’-(エチルスルホニル)-2,3’-ビピリジン。
【0037】
式(2)に係るシアノ複素環化合物(2)の好ましい態様としては、以下の化合物が挙げられる。
3-(エチルスルホニル)-5-フルオロピコリノニトリル、5-クロロ-3-(3-エチルスルホニル)ピコリノニトリル、5-ブロモ-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-ヨードピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-(トリフルオロメトキシ)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、5-シクロプロピル-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、5-(1-シアノシクロプロピル)-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)ピコリノニトリル、5-(4-クロロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、5-(4-ブロモフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-(4-ヨードフェニル)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリノニトリル、5-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、3-(エチルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピコリノニトリル、5-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、5-(4-シアノフェニル)-3-(エチルスルホニル)ピコリノニトリル、5’-(エチルスルホニル)-[2,3’-ビピリジン]-6’-カルボニトリル。
【0038】
本発明の製造方法におけるシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)、並びにそれらを用いた式(1)に係る複素環化合物から式(2)に係るシアノ複素環化合物の製造方法について説明する。
【0039】
シアノ化剤(3)としては、シアノ化リチウム、シアノ化ナトリウム、シアノ化カリウム等のシアノアルカリ金属塩、シアン化銅(CuCN)、シアン化亜鉛(Zn(CN)2)等のシアノ遷移金属塩、トリメチルシリルシアニド、アセトンシアノヒドリン等の有機シアノ化剤、臭化シアン、シアン化水素等が挙げられるがこの限りではない。
シアノ化剤(3)とは、好ましくは、シアン化銅(CuCN)、シアン化亜鉛(Zn(CN)2)であり、より好ましくはシアン化銅(CuCN)である。
シアノ化剤(3)の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常1~10モルであり、好ましくは1~5モルであり、より好ましくは1~2モルである。
【0040】
ヨウ化物塩(4)としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム等のアルカリ金属ヨウ化物塩、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム等のアルカリ土類金属ヨウ化物塩、ヨウ化アンモニウム及びテトラブチルアンモニウムヨージド等の第四級アンモニウムヨウ化物塩、ヨウ化水素等が挙げられるが、この限りではない。
ヨウ化物塩(4)としては、好ましくはアルカリ金属ヨウ化物であり、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム及びヨウ化セシウムである。さらに好ましくは、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムである。
ヨウ化物塩(4)の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常0.01~5モルであり、好ましくは0.1~2.0モルである。
【0041】
式(1)に係る複素環化合物とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応は、溶媒の存在下で行われてもよい。溶媒としては、水;ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン等の含ハロゲン脂肪族炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、ノルマルブタノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル、プロピルニトリル等のニトリル溶媒;ピリジン等の芳香族複素環溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル溶媒、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒としては、好ましくは、スルホキシド溶媒及びアミド溶媒であり、より好ましくはアミド溶媒であり、さらに好ましくはN,N-ジメチルアセトアミドである。
溶媒の使用量は、式(1)に係る複素環化合物1重量部に対して、通常1~100質量部であり、好ましくは1~20質量部である。通常、複素環化合物(1)とシアノ化剤(3)及びヨウ化物塩(4)とを混合することにより行われる。
【0042】
式(1)に係る複素環化合物(1)とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応の反応温度は、通常20~200℃であり、好ましくは50~150℃であり、より好ましくは50~130℃である。
反応は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
反応時間は、通常0.1~100時間であり、好ましくは0.1~24時間である。
【0043】
式(1)に係る複素環化合物とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応は、塩基の存在下で行われてもよい。塩基としては、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等のピリジン化合物;トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等の3級アミン化合物;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類等が挙げられるが、この限りではない。塩基としては、好ましくはピリジン化合物である。
塩基の使用量は、複素環化合物(1)1モルに対して通常1~10モルであり、好ましくは1~5モルである。
【0044】
式(1)に係る複素環化合物とシアノ化剤(2)およびヨウ化物塩(4)との反応は、遷移金属触媒の存在下で行われてもよい。遷移金属触媒としては、パラジウム、ロジウム、ニッケルなどが挙げられ、好ましくはパラジウムである。
遷移金属触媒の使用量は、複素環化合物(1)1モルに対して、通常0.01~10モル%であり、好ましくは0.1~5モル%である。
【0045】
式(1)に係る複素環化合物(1)とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応により式(2)に係るシアノ複素環化合物を得ることができる。その方法は、得られた反応混合物を、例えば濃縮することにより、シアノ複素環化合物(2)を取り出すことができる。もしくは、得られた反応混合物から抽出、洗浄してシアノ複素環化合物(2)を得る方法でも良い。単離したシアノ複素環化合物(2)を、洗浄、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製手段により精製してもよい。
【0046】
本発明において、式(1)に係る複素環化合物とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応によって得られた式(2)に係るシアノ複素環化合物は、式(5)で示されるアミド化合物、式(6)で示されるアミジン化合物、式(7)で示される環状基連結複素環化合物の反応基質となり得る。以下に、式(2)に係るシアノ複素環化合物を反応基質とする式(5)、式(6)、及び式(7)に係る化合物の製造方法について説明する。
【0047】
<式(2);シアノ複素環化合物から式(5);アミド化合物の製造方法>
本発明は、式(1);複素環化合物とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応によって得られた式(2);シアノ複素環化合物を反応基質とする、式(5)に係るアミド化合物の製造方法を包含する。その製造方法はシアノ化合物からアミド体の通常行われる製造方法にて調製することができる。
【0048】
本発明における式(5)で表されるアミド化合物は、Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義である、以下の化合物である。
【0049】
【0050】
式(5)において、Rbは、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、及び置換基を有していてもよいフェニル基からなる群から選択される基である。好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、であり、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基がより好ましい。
Rb基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、(C1~C6)アルコキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、(C1~C6)アルコキシ基、及びシアノ基である。
【0051】
式(5)において、G4は、窒素原子又はC(R4)を表し、G5は、窒素原子又はC(R5)を表し、G6は、窒素原子又はC(R6)を表し、G7は、窒素原子又はC(R7)を表し、G8は、窒素原子又はC(R8)を表す。好ましくは、G4が窒素原子であり、G5~G8はそれぞれ窒素原子又はC(R5)~C(R8)であることが好ましい。G4が窒素原子であり、G5~G8がC(R5)~C(R8)であることが好ましい。
【0052】
式(5)において、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、C(=NY2)Y3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH2基、及びSF5基からなる群から選択される基(Y1、Y2、及びY3は前記と同義であり)である。
【0053】
R4、R5、R6、R7、及びR8における「複素環基」としては、例えば、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、フラン-2-イル、フラン-3-イル、ピロ-ル-1-イル、ピロ-ル-2-イル、ピロ-ル-3-イル、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、オキサゾール-5-イル、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イル、イソオキサゾール-5-イル、イソオキサゾリン-3-イル、イソオキサゾリン-4-イル、イソオキサゾリン-5-イル、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、チアゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾ-ル-3-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-2-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3,4-テトラゾール-1-イル、1,2,3,4-テトラゾール-2-イル、1,2,3,4-テトラゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、1,3,5-トリアジン-2-イル、1,2,4-トリアジン-3-イル、1,2,4-トリアジン-5-イル、1,2,4-トリアジン-6-イル、ベンゾチオフェン-2-イル、ベンゾチオフェン-3-イル、ベンゾチオフェン-4-イル、ベンゾチオフェン-5-イル、ベンゾチオフェン-6-イル、ベンゾチオフェン-7-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-3-イル、ベンゾフラン-4-イル、ベンゾフラン-5-イル、ベンゾフラン-6-イル、ベンゾフラン-7-イル、インドール-1-イル、インドール-2-イル、インドール-3-イル、インドール-4-イル、インドール-5-イル、インドール-6-イル、インドール-7-イル、ベンゾチアゾール-2-イル、ベンゾチアゾール-4-イル、ベンゾチアゾール-5-イル、ベンゾチアゾール-6-イル、ベンゾチアゾール-7-イル、ベンゾイミダゾール-1-イル、ベンゾイミダゾール-2-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、ベンゾイミダゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-6-イル、ベンゾイミダゾール-7-イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、ベンゾイソオキサゾール-6-イル、ベンゾイソオキサゾール-7-イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイソチアゾール-6-イル、ベンゾイソチアゾール-7-イル、インダゾール-1-イル、インダゾール-3-イル、インダゾール-4-イル、インダゾール-5-イル、インダゾール-6-イル、インダゾール-7-イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾオキサゾール-4-イル、ベンゾオキサゾール-5-イル、ベンゾオキサゾール-6-イル、ベンゾオキサゾール-7-イル、キノリン-2-イル、キノリン-3-イル、キノリン-4-イル、キノリン-5-イル、キノリン-6-イル、キノリン-7-イル、キノリン-8-イル、イソキノリン-1-イル、イソキノリン-3-イル、イソキノリン-4-イル、イソキノリン-5-イル、イソキノリン-6-イル、イソキノリン-7-イル、イソキノリン-8-イル、キノキサリン-2-イル、キノキサリン-3-イル、キノキサリン-5-イル、キノキサリン-6-イル、キノキサリン-7-イル、キノキサリン-8-イル、フタラジン-1-イル、フタラジン-4-イル、フタラジン-5-イル、フタラジン-6-イル、フタラジン-7-イル、フタラジン-8-イル、シンノリン-3-イル、シンノリン-4-イル、シンノリン-5-イル、シンノリン-6-イル、シンノリン-7-イル、シンノリン-8-イル、キナゾリン-2-イル、キナゾリン-4-イル、キナゾリン-5-イル、キナゾリン-6-イル、キナゾリン-7-イル又はキナゾリン-8-イル等が具体例として挙げられる。
【0054】
R4基、R5基、R6基、R7基、及びR8基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基である。
なお、R4基、R5基、R6基、R7基、及びR8基が置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基の場合の、有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、ハロ(C1~C6)アルキル基、(C3~C6)シクロアルキル基、ハロ(C3~C6)シクロアルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C3~C6)シクロアルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、ハロ(C1~C6)アルキルチオ基、(C1~C6)アルキルスルフィニル基、ハロ(C1~C6)アルキルスルフィニル基、(C1~C6)アルキルスルホニル基、ハロ(C1~C6)アルキルスルフィニル基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、ハロ(C1~C6)アルキル基、(C3~C6)シクロアルキル基、ハロ(C3~C6)シクロアルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C3~C6)シクロアルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、ハロ(C1~C6)アルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基である。
【0055】
R4、R5、R6、R7及びR8は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基からなる群から選択される基である。より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基からなる群から選択される基である。
【0056】
式(2);シアノ複素環化合物から式(5)に係るアミド化合物の製造方法は、例えば、下記の工程a-1~a-4、又は工程b及び工程cに提示する方法によって製造することができる。
すなわち、式(2);シアノ複素環化合物から式(8)に係るカルボキシ複素環化合物を調製する工程(工程a-1)、式(8)に係るカルボキシ複素環化合物と、式(10)に係るアミノ化合物を反応させて、式(5)に係るアミド化合物を製造する工程(工程a-2)が挙げられる。もしくは、前記(工程a-1)の後、式(8)に係るカルボキシ複素環化合物から式(9)に係るカルボニル複素環化合物を調製する工程(工程a-3)、式(9)に係るカルボニル複素環化合物と、式(10)に係るアミノ化合物を反応させて、式(5)に係るアミド化合物を製造する工程(工程a-4)が挙げられる。
【0057】
〈式(5);アミド化合物製造工程a-1~a-4〉
【0058】
【0059】
〈工程a-1〉
式(2)で表されるシアノ複素環化合物と反応剤を、不活性溶媒と場合により塩基の存在下、反応させることにより式(8)で表されるカルボキシ複素環化合物を製造する。式中、Ra、G1、G2、及びG3は前記と同義であり、nは0~2である。
【0060】
工程a-1で使用できる反応剤は塩基を用いても良く、例えば、水酸化リチウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩類を挙げることができ、塩基の使用量は、式(2)で表される複素環化合物に対して通常約0.5倍モル~10倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0061】
工程a-1で使用できる反応剤は酸を用いても良く、硫酸や塩酸、硝酸等の無機酸類、酢酸やp-トシル酸などの有機酸類、トリメチルアルミニウムや塩化アルミニウム等のルイス酸類が挙げられる。本反応で使用できる酸の使用量は、式(2)で表される複素環化合物に対して通常約1倍モル~10倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0062】
工程a-1で使用できる溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒、H2O等を挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0063】
工程a-1の反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えば良く、反応時間は反応規模、反応温度等により適宜選択すれば良い。例えば、数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また本反応は、窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いても良い。
【0064】
〈工程a-2〉
式(8)で表されるカルボキシ複素環化合物と式(10)で表されるアミノ化合物、及び反応剤を、不活性溶媒中で、場合により塩基の存在下、反応させることにより式(5)で表されるアミド化合物を製造する。Ra、Rb、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、及びG8は前記と同義であり、nは0~2である。
【0065】
工程a-2で使用できる反応剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド・塩酸塩、HATU、PyBOP、向山試薬等の縮合剤が挙げられる。
反応促進剤の使用量は、式(8)又は(10)で表される化合物に対して通常約1倍モル~3倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0066】
工程a-2で使用できる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を挙げることができる。
塩基の使用量は、式(8)又は(10)で 表される化合物に対して通常約1倍モル~5倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0067】
工程a-2で使用できる不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒を挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0068】
工程a-2における反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えば良い。
反応時間は反応規模、反応温度等により適宜選択すれば良く、例えば数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また本工程は、例えば、窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行っても良い。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いても良い。
【0069】
〈工程a-3〉
式(8)で表されるカルボキシ複素環化合物と反応剤を、不活性溶媒中で、場合により塩基の存在下で反応させることにより式(9)で表されるカルボニル複素環化合物を製造する。Ra、Rb、G1、G2、及びG3並びに、n及びX2は前記と同義である。
【0070】
工程a-3で使用できる反応剤としては、例えば、塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、トリホスゲン等が挙げられる。
反応剤の使用量は、式(8)で表される化合物に対して通常約1倍モル~10倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
工程a-3で塩基を共存させても良い。塩基は、例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸 カリウム等のアルカリ金属塩類、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン及びピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類を挙げることができる。
その塩基の使用量は、式(8)で表される化合物に対して通常約1倍モル~5倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0071】
工程a-3で使用できる不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒等を挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0072】
工程a-3における反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えば良い。
反応時間は反応規模、反応温度等により適宜選択すれば良く、例えば数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また、窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いても良い。もしくは、単離せずにそのまま、次工程を行ってもよい。
【0073】
〈工程a-4〉
式(9)で表されるカルボニル複素環化合物と式(10)で表されるアミノ化合物を、任意の反応剤と不活性溶媒中で、場合により塩基の存在下、反応させることにより式(5)で表されるアミド化合物を製造することができる。Ra、Rb、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、並びに、n及びX2は前記と同義である。
【0074】
工程a-4で使用できる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩類、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類を挙げることができる。
その使用量は、式(9)又は(10)で表される化合物に対して通常約1倍モル~5倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0075】
工程a-4で使用できる不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒等を挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0076】
工程a-4における反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えば良い。
反応時間は反応規模、反応温度等により適宜選択すれば良く、例えば数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また本反応は、例えば窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いても良い。
【0077】
<式(2);シアノ複素環化合物から式(6);アミジン化合物を経由した式(5);アミド化合物の製造方法>
本発明は、式(1);複素環化合物とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応によって得られた式(2);シアノ複素環化合物を反応基質として、式(6)に係るアミジン化合物(6)を経由して式(5)に係るアミド化合物の製造方法を包含する。その製造方法は、シアノ化合物からアミジン化、引き続くアミド体の通常行われる製造方法にて調製することができる。
【0078】
本発明の式(5)に係るアミド化合物を製造方法は、後述する式(6)で表されるアミジン化合物を経由(工程b)して式(5)に係るアミド化合物を製造する方法(工程c)も挙げられる。
すなわち、式(2)に係るシアノ複素環化合物と、式(10)に係るアミノ化合物を反応させ式(6)に係るアミジン化合物を調製する工程(工程b)、式(6)に係るアミジン化合物から式(5)に係るアミド化合物を製造する工程(工程c)、が挙げられる。
工程bについては後述し、ここでは工程cについて説明する。
【0079】
〈式(5);アミド化合物製造工程b及び工程c〉
【0080】
【0081】
〈工程c〉
式(2)で表されるシアノ複素環化合物から、工程bにより式(6)で表されるアミジン化合物を調製し、これと反応剤を不活性溶媒中にて反応させることにより、式(5)で表されるアミド化合物を製造することができる。Ra、Rb、Rc、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、並びにn及びG8は前記と同義である。なお、工程bにより製造した式(6)で表されるアミジン化合物は、単離せずにそのまま反応系内で工程cを行っても良い。
【0082】
工程cで使用できる反応剤は塩基を用いても良く、例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩類、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類を挙げることができる。
塩基の使用量は、式(6)で表されるアミジン化合物に対して通常約1倍モル~5倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0083】
工程cで使用できる反応剤は酸を用いても良く、例えば、硫酸や塩酸、硝酸などの無機酸類、酢酸やp-トシル酸などの有機酸類、トリメチルアルミニウムや塩化アルミニウム等のルイス酸類が挙げられる。
本反応で使用できる反応剤の使用量は、式(6)で表されるアミジン化合物に対して通常約1倍モル~10倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
【0084】
工程cで使用できる不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒、H2O等を挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0085】
工程cにおける反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えば良い。
反応時間は反応規模、反応温度等により適宜選択すれば良く、例えば数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また本反応は、例えば窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いても良い。
【0086】
<式(2);シアノ複素環化合物から式(6);アミジン化合物の製造方法>
本発明は、式(1);複素環化合物とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応によって得られた式(2);シアノ複素環化合物を反応基質とする、式(6)に係るアミジン化合物の製造方法を包含する。その製造方法はシアノ化合物からアミジン体の通常行われる製造方法にて調製することができる。
【0087】
本発明における式(6)で表されるアミジン化合物は、Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、及びnは前記と同義である、以下の化合物である。
【0088】
【0089】
式(6)において、Rbは、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、及び置換基を有していてもよいフェニル基からなる群から選択される基である。好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基であり、水素原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基がより好ましい。
Rb基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、(C1~C6)アルコキシ基、及びシアノ基である。
【0090】
式(6)において、Rcは、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、及びNY1Y2基からなる群から選択される基(Y1、及びY2は前記と同義であり)である。好ましくは、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニルオキシ基からなる群から選択される基である。より好ましくは、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基からなる群から選択される基である。
Rc基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、及びニトロ基である。
【0091】
式(6)において、G4は、窒素原子又はC(R4)を表し、G5は、窒素原子又はC(R5)を表し、G6は、窒素原子又はC(R6)を表し、G7は、窒素原子又はC(R7)を表し、G8は、窒素原子又はC(R8)を表す。好ましくは、G4が窒素原子であり、G5~G8はそれぞれ窒素原子又はC(R5)~C(R8)であることが好ましい。G4が窒素原子であり、G5~G8がC(R5)~C(R8)であることが好ましい。
【0092】
式(6)において、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルケニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C2~C6)アルキニルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、C(=NY2)Y3基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、トリメチルシリル基、C(O)NH2基、及びSF5基からなる群から選択される基(Y1、Y2、及びY3は前記と同義であり)である。
R4基~R8基の有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基である。
なお、R4基、R5基、R6基、R7基、及びR8基が置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいピリジルオキシ基の場合の、有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、ハロ(C1~C6)アルキル基、(C3~C6)シクロアルキル基、ハロ(C3~C6)シクロアルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C3~C6)シクロアルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、ハロ(C1~C6)アルキルチオ基、(C1~C6)アルキルスルフィニル基、ハロ(C1~C6)アルキルスルフィニル基、(C1~C6)アルキルスルホニル基、ハロ(C1~C6)アルキルスルフィニル基、NY1Y2基、C(O)NY1Y2基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシ基、C(O)NH2基、トリメチルシリル基、及びSF5基(Y1及びY2は前記と同義である)が挙げられる。置換基が2個以上存在するとき、それぞれの置換基は互いに同一でも異なっても良い。好ましくは、ハロゲン原子、(C1~C6)アルキル基、ハロ(C1~C6)アルキル基、(C3~C6)シクロアルキル基、ハロ(C3~C6)シクロアルキル基、(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C1~C6)アルコキシ基、ハロ(C3~C6)シクロアルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、ハロ(C1~C6)アルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基である。
【0093】
R4、R5、R6、R7及びR8は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルチオ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基からなる群から選択される基である。より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C3~C6)シクロアルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、及びSF5基からなる群から選択される基である。
【0094】
式(2);シアノ複素環化合物から式(6)に係るアミジン化合物の製造方法は、例えば、下記の工程bに提示する方法によって製造することができる。
【0095】
本発明において、化合物(1)とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応によって得られた式(2)を反応基質とするアミジン化合物(6)を製造する方法では、工程bに提示する方法によって製造することができるが、この限りではない。
すなわち、式(2)に係るシアノ複素環化合物と、式(10)に係るアミノ化合物の反応により式(6)に係るアミジン化合物を製造する方法である。
【0096】
〈式(6);アミジン化合物製造工程b〉
【0097】
【0098】
〈工程b〉
式(2)で表されるシアノ複素環化合物と式(10)で表されるアミノ化合物を、不活性溶媒中で反応剤と、場合により塩基の存在下で反応させることにより、式(6)で表されるアミジン化合物を製造することができる。Ra、Rb、Rc、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、並びにn及びG8は前記と同義である。
【0099】
工程bで使用できる反応剤としては、例えば、トリメチルアルミニウム、塩化アルミニウム等のルイス酸類が挙げられる。
反応剤の使用量は式(10)又は(2)で表される化合物に対して通常1モル~10モルの範囲で使用される。
【0100】
工程bで使用できる塩基としては、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化アルカリ金属、ノルマルブチルリチウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド等の有機金属アミド類が挙げられる。
塩基の使用量は式(10)又は(2)で表される化合物に対して通常約1モル~10モルの範囲で使用される。
【0101】
工程bで使用できる不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒等を挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0102】
工程bにおける反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えば良い。
反応時間は反応規模、反応温度等により適宜選択すれば良く、例えば数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また本反応は、例えば窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いても良い。
【0103】
式(6)で表されるアミジン化合物は、前記式(5)に係るアミド化合物を経由して製造することもできる。ここで、式(5)に係るアミド化合物の製造方法は、前記工程aまたは工程cに従い製造することが挙げられる。
すなわち、式(2)に係るシアノ複素環化合物から式(5)に係るアミド化合物を製造する工程、その後、式(5)に係るアミド化合物と式(12)に係るアミン化合物を反応させて式(6)に係るアミジン化合物を製造する工程(工程d)、が挙げられる。
【0104】
〈式(6);アミジン化合物製造工程d〉
【0105】
【0106】
〈工程d〉
式(2)で表されるシアノ複素環化合物から前記〈工程a-1~a-4〉又は〈工程c〉に記載の方法により製造できる式(6)で表されるアミド化合物と、式(12)で表されるアミン化合物を、不活性溶媒中で反応させることにより、式(6)で表されるアミジン化合物を製造することができる。Ra、Rb、Rc、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、並びにn及びG8は前記と同義である。なお、式(12)で表されるアミン化合物は、任意の酸と塩を形成していてもよい。
【0107】
工程dで使用できる反応剤としては、例えば、トリメチルアルミニウム、塩化アルミニウム等のルイス酸類、オキシ塩化リン、五塩化リン、四塩化炭素-トリフェニルホスフィン等の塩素化剤が挙げられる。
反応剤の使用量は、式(5)で表される化合物に対して通常約1倍モル~10倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。また、オキシ塩化リン等の反応剤は過剰に加えることで、無溶媒で反応させることができる。
工程dで塩基を適用して良い。例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩類、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン及びピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類を挙げることができる。
塩基の使用量は、式(5)で表される化合物に対して通常約1倍モル~5倍モルの範囲で適宜選択すれば良い
【0108】
工程dで使用できる不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒、H2O等を挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0109】
工程dにおける反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えば良 い。
反応時間は反応規模、反応温度等により適宜選択すれば良く、例えば数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また本反応は、例えば窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いても良い。
【0110】
<式(2);シアノ複素環化合物から式(7);環状基連結複素環化合物の製造方法>
本発明は、式(1);複素環化合物とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応によって得られた式(2);シアノ複素環化合物を反応基質とする、式(7)に係る環状基連結複素環化合物の製造方法を包含する。その製造方法はシアノ化合物(2)からアミジン体(6)を経由し、環化体を製造する通常行われる製造方法にて調製することができる。
【0111】
本発明における式(7)で表される環状基連結複素環化合物は、Ra、G1、G2、G3、R1、R2、R3、Y1、Y2、Y3、n、G4、G5、G6、G7は前記と同義である、以下の化合物である。
【0112】
【0113】
式(7)において、mは0、1又は2である。mは0が好ましい。
【0114】
式(7)において、J1、J2、J3及びJ4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルキル基、置換基を有していてもよい(C1~C6)アルコキシ基、ヒドロキシ基、若しくは、J1及びJ2、J3及びJ4の二つの結合が一緒になって、カルボニル基、チオカルボニル基からなる群から選択される基である。J1及びJ2、J3及びJ4の二つの結合が一緒になって、カルボニル基、チオカルボニル基からなる群から選択される基であることが好ましい。
【0115】
式(2);シアノ複素環化合物から式(7)に係る環状基連結複素環化合物の製造方法は、例えば、下記の工程b、又は工程dに提示する方法によって製造することができる。
【0116】
本発明において、化合物(1)とシアノ化剤(3)およびヨウ化物塩(4)との反応によって得られた式(2)を反応基質とするアミジン化合物(6)を製造する方法では、工程eに提示する方法によって製造することができるが、この限りではない。
すなわち、式(2)に係るシアノ複素環化合物から式(6)に係るアミジン化合物を製造する工程(工程b又はd)、その後、式(6)に係るアミジン化合物から式(7)に係る環状基連結複素環化合物を製造する工程(工程e)、が挙げられる。
【0117】
〈式(7);環状基連結複素環化合物製造工程e〉
【0118】
【0119】
〈工程e〉
式(2)で表されるシアノ複素環化合物から前記〈工程b〉又は〈工程d〉に記載の方法により製造することができる式(6)で表されるアミジン化合物を、不活性溶媒中で反応剤と反応させることにより、式(7)で表される環状基連結複素環化合物を製造することができる。Ra、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、n、J1,J2,J3,J4及びmは前記と同義である。式(6)において、Rcはヒドロキシ基である。
【0120】
工程eで使用できる反応剤としては、例えば、1,1-カルボニルジイミダゾール、1,1-チオカルボニルジイミダゾール、メチルクロロホルメート、エチルクロロホルメート、フェニルクロロホルメート、4-ニトロフェニルクロロホルメート、ジブロモメタン、ブロモクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、クロロアセチルクロリド、ブロモアセチルクロリド等を挙げることができる。
反応剤の使用量は、式(6)で表されるアミジン化合物に対して通常約1倍モル~20倍モルの範囲で適宜選択すればよい。
工程eでは塩基を使用しても良い。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属塩類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン及びピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類を挙げることができる。
塩基の使用量は、式(6)で表されるアミジン化合物に対して通常約1倍モル~20倍モルの範囲で適宜選択すればよい。
【0121】
工程eで使用できる不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しないものであればよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリノン等の極性溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、H2Oを挙げることができる。これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0122】
工程eにおける反応温度は、通常約-78℃から使用する溶媒の沸点の範囲で行えばよい。
反応時間は反応規模、反応温度等により一定しないが、数分~48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
また本反応は、例えば窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
反応終了後、目的物を含む反応系から常法により目的物を単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。目的物を含む組成物を単離なしで次の工程で用いてもよい。
【実施例0123】
実施例1:2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジンの製造方法
2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン(250mg、0.61mmol)を、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc 1mL)に溶解し、そこにシアノ化剤および添加剤を加えた。反応系内を窒素置換した後、反応容器を封緘し、110℃で5時間撹拌した。
反応5時間後における反応液を高速液体クロマトグラフィーにて、反応系内の化合物を分析した。
シアノ化剤、添加剤、並びに反応液中の成分(面積比)を表1にまとめた。なお、表1における高速液体クロマトグラフィー分析条件を表2に記載した。
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
実施例9:ヨウ化物塩を用いる 3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリノニトリルの製造法
2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン(3g、7.31mmol)、シアン化銅(I)(760mg,8.49mmol)、ヨウ化ナトリウム (1.18g、7.87mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(12mL)に溶解し、反応系内を窒素置換した。110℃で6時間反応後、室温で終夜撹拌した。
減圧下、110℃で反応液を蒸留し、N,N-ジメチルアセトアミド(8mL)を留去した。そこにジクロロメタン(30mL)を加え、10% アンモニア水溶液 (20mL)で3回洗浄、分液し、10%塩化アンモニウム水溶液で2回洗浄、分液した。反応液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、2.56gの粗生成物を得た。
粗生成物の高速液体クロマトグラフィーの分析結果(面積比)は、目的物:96.3%、副生成物1:0.5%、副生成物2:0.2%であった。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより生成することで、目的物を得た(2.30g,6.45mmol, 収率88.2%)。
1H NMR(CDCl3) δ9.13(1H, d, J=2.1Hz), 8.58(1H, d, J=2.4Hz), 7.74-7.70(2H, m), 7.43(2H, d, J=7.43Hz), 3.52(2H, q, J=7.5Hz), 1.41(3H, t, J= 7.5Hz)
【0128】
比較例5:ヨウ化物塩を用いない3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリノニトリルの製造
2-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン(3g、7.31mmol)、シアン化銅(I)(760mg,8.49mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(12mL)に溶解し、反応系内を窒素置換した。110℃で6時間反応後、室温で終夜撹拌した。
減圧下、110℃で反応液を蒸留し、N,N-ジメチルアセトアミド(8mL)を留去した。そこにジクロロメタン(30mL)を加え、10%アンモニア水溶液(20mL)で3回洗浄、分液した後、10% 塩化アンモニウム水溶液で2回洗浄、分液した。反応液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、2.67gの粗生成物を得た。
粗生成物の高速液体クロマトグラフィーの分析結果(面積比)は、目的物:39.2%、副生成物1:45.6%、副生成物2:2.2%であった。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより生成することで、目的物を得た(1.13g,3.17mmol,収率43.4%)。
【0129】
実施例10-1:3-(エチルチオ)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンイミダミドの調製
【0130】
【0131】
5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(106mg、0.65mmol)をN,Ν-ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(含量55%、31mg、0.71mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。そこに3-エチルチオ-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリノニトリル(200mg、6.49mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。
その後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、ロータリーエバポレーターで減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、酢酸エチルとヘキサンの混合液に生成物を懸濁させ、ろ過し、目的物を得た。
1H NMR(CDCl3) δ10.07(1H, br), 8.65(1H, s), 8.55(1H, d, J=1.8Hz), 7.86(1H, dd, J=8.4Hz, 2.4Hz), 7.84(1H, d, J=2.1Hz), 7.78(2H, d, J=8.1H z), 7.72(2H, d, J=8.1Hz), 7.46 (1H, d, J=8.4Hz), 2.97(2H, q, J=7.5Hz), 1.46(3H, t, J=7.5Hz)
【0132】
実施例10-2:3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンイミダミドの調製
【0133】
【0134】
合成実施例10-1で調製した3-(エチルチオ)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンイミダミド(270mg、0.57mmol)をジクロロメタン(2.5mL)に溶解させ、3-クロロ過安息香酸(65%、0.31g、1.15mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。
炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、ロータリーエバポレーターで減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物(260mg、91.5%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ10.17(1H, br), 9.05(1H, d, J=2.1Hz), 8.71(1H, d, J=1.5Hz), 8.69(1H, s), 7.95-7.75(6H, m), 7.20(1H, d, J=2.4Hz), 4.05(2H, q, J=7.5Hz), 1.42(3H, t, J=7.5Hz)
【0135】
実施例11-1:3-(エチルチオ)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-ピコリン酸の調製
【0136】
【0137】
3-(エチルチオ)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピコリノニトリルの生成物(2.00g、6.17mmol)をエタノール(60mL)、ジオキサン(20mL)に溶解し、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液(50.0g、308mmol)を加え、還流下で5時間撹拌した。
室温まで冷却後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を水、1N塩酸によって希釈後、酢酸エチルで3度抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧濃縮後、得られた組成物を酢酸エチルとヘキサンの混合液に懸濁し、懸濁液を濾過することで濾物として目的物(2.18g、quant.)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ10.07(1H, br), 8.65(1H, s), 8.55(1H, d, J=1.8Hz), 7.86(1H, dd, J= 8.4Hz, 2.4Hz), 7.84(1H, d, J=2.1Hz), 7.78(2H, d, J=8.1Hz), 7.72(2H, d, J=8.1Hz), 7.46(1H, d, J=8.4Hz), 2.97(2H, q, J=7.5Hz), 1.46(3H, t, J=7.5Hz)
【0138】
実施例11-2:3-(エチルチオ)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンアミドの調製
【0139】
【0140】
実施例11-1の生成物(5.22g、15.2mmol)をジクロロメタン(140mL)に溶解し、そこにオキサリルクロリド(2.61mL、30.4mmol)、ジメチルホルムアミド(500μL)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をテトラヒドロフラン(120mL)に溶解した。そこに、2-アミノ-5-トリフルオロメチルピリジン(3.20g、19.7mmol)、トリエチルアミン(11mL、78.9mmol)を加え、室温にて4.5時間撹拌した。
反応液に、水、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3度抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。その後、濾液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで目的物(3.46g、46.7%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ10.17(1H, br), 9.05(1H, d, J=2.1Hz), 8.71(1H, d, J=1.5Hz), 8.69(1 H, s), 7.95-7.75(6H, m), 7.20(1H, d, J=2.4Hz), 4.05(2H, q, J=7.5Hz), 1.42(3H, t, J=7.5Hz)
【0141】
実施11-3:3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシフェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンアミドの調製
【0142】
【0143】
実施例11-2の生成物(190mg、0.390mmol)をジクロロメタン(7mL)に溶解し、そこに3-クロロ過安息香酸(65%、208mg、0.783mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。
反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。その後、濾液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで目的物(177mg、87.4%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ10.17(1H, broad), 9.05(1H, d, J=2.1Hz), 8.71(1H, d, J=1.5Hz), 8.6 9(1H, s), 7.95-7.75(6H, m), 7.20(1H, d, J=2.4Hz), 4.05(2H, q, J=7.5Hz), 1.42(3H, t, J=7.5Hz)
【0144】
実施例12:3-(エチルスルホニル)-N’-ヒドロキシ-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンイミダミドの調製
【0145】
【0146】
実施例11-3で調製した3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンアミド(218mg、0.42mmol)をアセトニトリル(7mL)に溶解させ、四塩化炭素(122μL、1.25mmol)、トリフェニルホスフィン(0.66g、2.52mmol)を加え、還流下、1時間撹拌した。室温に冷却後、50%ヒドロキシルアミン水溶液(1mL)を滴下し、室温にて終夜攪拌した。
反応液中のアセトニトリルの大部分を留去し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的物(185mg、87.7%)を得た。
1H NMR(CDCl3) δ8.97(1H, d, J=2.4Hz), 8.57(1H, d, J=2.1Hz), 8.14(1H, s), 7.76-7.6 9(2H, m), 7.65(1H, dd, J=8.7, 2.4Hz), 7.40(2H, d, J=8.1Hz), 6.63(1H, d, J=8.7Hz) , 3.60(2H, q, J=7.5Hz), 1.36(3H, t, J=7.5Hz)
【0147】
実施例13:N’-アセトキシ-3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンイミダミドの調製
【0148】
【0149】
実施例12で調製した3-(エチルスルホニル)-N’-ヒドロキシ-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピコリンイミダミド(80mg、0.15mmol)をピリジン(2mL)に溶解させ、無水酢酸(21μL、0.23mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液中のピリジンの大部分を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物(37mg、42.6%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ8.95(1H, d, J=2.1Hz), 8.58(1H, d, J=2.1Hz), 8.24(1H, d, J=4.8Hz), 7.72(2H, d, J=8.7Hz), 7.64(1H, dd, J=2.1, 8.7Hz), 7.41(2H, d, J=8.4Hz), 6.63(1H, d, J=8.7Hz), 3.81(2H, q, J=7.2Hz), 2.30(3H, s), 1.40(3H, t, J=7.2Hz)
【0150】
実施例14:3-(3-(エチルスルホニル)-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-(4H)-オン)の調製
【0151】
【0152】
実施例12で調製した3-(エチルスルホニル)-N’-ヒドロキシ-5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-N-(6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピコリンイミダミド(110mg、0.21mmol)をテトラヒドロフラン(13mL)に溶解させ、1,1’-カルボニルイミダゾール(52mg、0.31mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。
反応液中のテトラヒドロフランの大部分を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物(85mg、73.4%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ9.05(1H, d, J=2.1Hz), 8.58(1H, d, J=2.1Hz), 8.26(2H, d, J=9.3Hz), 8.08(1H, dd, J=2.4, 7.9Hz), 7.78-7.74(2H, m), 7.45(2H, d, J=7.8Hz), 3.51(2H, q, J=7.5Hz), 1.39(3H, t, J=7.5Hz)