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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022467
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】衣類乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/38 20200101AFI20250206BHJP
   D06F 33/52 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 33/54 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 33/62 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 33/72 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 33/74 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 33/70 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 33/63 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 33/68 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 34/00 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 34/28 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 34/30 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 34/32 20200101ALI20250206BHJP
   D06F 103/34 20200101ALN20250206BHJP
   D06F 105/26 20200101ALN20250206BHJP
   D06F 105/30 20200101ALN20250206BHJP
   D06F 105/32 20200101ALN20250206BHJP
   D06F 105/36 20200101ALN20250206BHJP
【FI】
D06F58/38
D06F33/52
D06F33/54
D06F33/62
D06F33/72
D06F33/74
D06F33/70
D06F33/63
D06F33/68
D06F34/00
D06F34/28
D06F34/30
D06F34/32
D06F103:34
D06F105:26
D06F105:30
D06F105:32
D06F105:36
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127080
(22)【出願日】2023-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】堀田 宗佑
(72)【発明者】
【氏名】白上 守
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA04
3B167AB23
3B167AB30
3B167AB32
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167AE11
3B167BA43
3B167BA55
3B167BA62
3B167JA41
3B167JC22
3B167KA32
3B167KA36
3B167LA23
3B167LA24
3B167LA32
3B167LA36
3B167LA38
3B167LC02
3B167LD20
3B167LE06
3B167LE07
3B167LE10
3B167LF02
3B167LF22
3B167LG04
(57)【要約】
【課題】本実施形態は、仮に湿度センサが「異常状態」となってしまった場合であっても、正常な湿度値が出力される状態を形成できるようにした衣類乾燥装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る衣類乾燥装置は、衣類が収容される衣類収容槽と、前記衣類収容槽内の衣類を乾燥する乾燥風を生成する乾燥風生成部と、前記乾燥風の湿度を検知する湿度検知部と、前記湿度検知部が異常状態である場合に当該湿度検知部を正常状態に復帰させる復帰処理を実行する復帰処理部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類が収容される衣類収容槽と、
前記衣類収容槽内の衣類を乾燥する乾燥風を生成する乾燥風生成部と、
前記乾燥風の湿度を検知する湿度検知部と、
前記湿度検知部が異常状態である場合に当該湿度検知部を正常状態に復帰させる復帰処理を実行する復帰処理部と、
を備える衣類乾燥装置。
【請求項2】
前記湿度検知部は、発熱部を備え、
前記復帰処理部は、前記復帰処理において、前記発熱部から熱を発生する請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項3】
前記湿度検知部の周辺の温度を検知する温度検知部をさらに備え、
前記復帰処理部は、前記温度検知部により検知される温度値に基づいて前記発熱部の動作を制御する請求項2に記載の衣類乾燥装置。
【請求項4】
前記湿度検知部の周辺の温度を検知する温度検知部をさらに備え、
前記復帰処理部は、前記温度検知部により検知される温度値が所定値以下に下降するまで、前記湿度検知部により検知される湿度値を使用不可とする請求項2に記載の衣類乾燥装置。
【請求項5】
前記復帰処理部は、前記復帰処理において、前記乾燥風生成部を動作させる請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項6】
前記復帰処理部は、前記湿度検知部が正常状態であれば当該湿度検知部により検知される湿度値が変動する動作を行うことにより、前記湿度検知部が異常状態であるか否かを判定する請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項7】
前記復帰処理部は、前記復帰処理の完了後に前記湿度検知部が異常状態であるか否かを判定し、前記湿度検知部が異常状態であると判定した場合には、前記湿度検知部により検知される湿度値を使用不可とする請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項8】
前記復帰処理部は、前記衣類収容槽内の衣類を乾燥する乾燥運転の運転履歴に基づいて、前記復帰処理の実行時間を調整する請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されている洗濯乾燥機は、衣類を乾燥する衣類乾燥装置の一例であり、槽内の衣類を乾燥する乾燥風の湿度を検知する湿度センサを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-79926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような湿度センサを備える衣類乾燥装置によれば、湿度センサにより検知される湿度値に基づいて衣類の乾燥度合いを把握することができ、衣類の乾燥度合いに応じて乾燥運転の内容を調整することができる。しかしながら、この種の衣類乾燥装置においては、湿度を感知する感湿部が露出している構成の湿度センサを使用する場合が多く、このような構成の湿度センサでは、感湿部に異物が付着しやすく、湿度センサが「異常状態」となってしまう場合がある。
【0005】
本実施形態は、仮に湿度センサが「異常状態」となってしまった場合であっても、正常な湿度値が出力される状態を形成できるようにした衣類乾燥装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る衣類乾燥装置は、衣類が収容される衣類収容槽と、前記衣類収容槽内の衣類を乾燥する乾燥風を生成する乾燥風生成部と、前記乾燥風の湿度を検知する湿度検知部と、前記湿度検知部が異常状態である場合に当該湿度検知部を正常状態に復帰させる復帰処理を実行する復帰処理部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る洗濯乾燥機の構成例を概略的に示す縦断側面図
図2】本実施形態に係る循環風路の構成例を概略的に示す図
図3】本実施形態に係る洗濯乾燥機の制御系の構成例を概略的に示すブロック図
図4】本実施形態に係る湿度センサの構成例を概略的に示すブロック図
図5】本実施形態に係る「正常状態」である湿度センサにより検知される湿度値の挙動について一例を概略的に示す図
図6】本実施形態に係る「異常状態」である湿度センサにより検知される湿度値の挙動について複数の例を概略的に示す図
図7】本実施形態に係る運転履歴の内容について複数の例を概略的に示す図
図8】本実施形態に係る復帰処理における通常時間と変更後時間の一例および復帰処理におけるヒータの通常温度と変更後温度の一例を概略的に示す図
図9】本実施形態に係る洗濯乾燥機による制御例を概略的に示すフローチャート(その1)
図10】本実施形態に係る洗濯乾燥機による制御例を概略的に示すフローチャート(その2)
図11】本実施形態に係る洗濯乾燥機による制御例を概略的に示すフローチャート(その3)
図12】本実施形態に係る洗濯乾燥機による制御例を概略的に示すフローチャート(その4)
図13】本実施形態に係る洗濯乾燥機による制御例を概略的に示すフローチャート(その5)
図14】本実施形態に係る洗濯乾燥機による制御例を概略的に示すフローチャート(その6)
図15】本実施形態に係る洗濯乾燥機による制御例を概略的に示すフローチャート(その7)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、衣類乾燥装置に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する洗濯乾燥機1は、衣類に所定の処理、この場合、少なくとも、衣類を洗う洗い処理、衣類をすすぐすすぎ処理、衣類を脱水する脱水処理を施すことが可能な衣類処理装置の一例である。洗濯乾燥機1は、回転槽の回転中心軸が水平方向あるいは水平方向に対して傾斜する方向に延びる、いわゆる横軸型のドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機1は、衣類を乾燥する乾燥処理を施すことが可能な衣類乾燥装置の一例でもある。
【0009】
洗濯乾燥機1は、その外郭を構成する矩形箱状の外箱2の内部に衣類処理槽3を備えている。衣類処理槽3は、水槽3sおよびドラム3dを備えている。水槽3sは、図示しないサスペンションにより弾性的に支持されている。水槽3sは、円筒状をなし、その背面が閉塞されており、内部に水を溜めることが可能である。ドラム3dは、水槽3s内において回転可能に設けられている。ドラム3dは、円筒状をなし、その背面が閉塞されている。ドラム3dは、例えば洗い処理、すすぎ処理、脱水処理、乾燥処理などといった各種の処理の対象である図示しない衣類を収容可能である。ドラム3dの周壁面および背面には通気および通水が可能な図示しない多数の小孔が設けられている。ドラム3dの内周面には、衣類をかき上げるための図示しないバッフルが設けられている。ドラム3dの回転中心軸は、水平方向あるいは水平方向に対して傾斜する方向に延びている。衣類処理槽3は、衣類が収容される衣類収容槽の一例として機能する。
【0010】
衣類処理槽3の背面には、ドラムモータ3mが設けられている。ドラムモータ3mは、水槽3s内のドラム3dを正転方向および逆転方向に回転させる。水槽3sの前面開口部3cは、外箱2の前面に設けられているドア4によって開閉可能に構成されている。使用者は、ドア4を開くことにより、前面開口部3cを通して水槽3s内、より詳細には、ドラム3d内に衣類を出し入れすることができる。
【0011】
洗濯乾燥機1は、衣類処理槽3内に水を供給するための給水部5、および、衣類処理槽3内の水を機外に排出するための排水部6を備えている。給水部5は、例えば水道などといった図示しない水源から衣類処理槽3に延びる給水経路7の途中に、周知の給水弁8や注水ケース9などを備えた構成である。排水部6は、衣類処理槽3の底部から機外に延びる排水経路10の途中に、周知の排水弁11などを備えた構成である。排水弁11が閉じられた状態で給水部5から衣類処理槽3内に水が供給されることにより、衣類処理槽3内に所定量の水が溜められる。排水弁11が開かれることにより、衣類処理槽3内の水が排水経路10を介して機外に排出される。
【0012】
排水経路10の途中には、排水弁11よりも上流側に周知の排水フィルター12が設けられている。排水フィルター12は、排水部6において衣類処理槽3内から排水経路10を介して機外に排出される水に含まれている異物を捕獲する。異物は、例えば衣類から発生した糸くずや塵埃などである。
【0013】
洗濯乾燥機1は、循環風路14を備えている。循環風路14は、衣類処理槽3の外部において、衣類処理槽3の空気流出口3aと空気流入口3bとの間を接続している。この場合、空気流出口3aは、衣類処理槽3の上面の前部に設けられている。また、空気流入口3bは、衣類処理槽3の背面の上部に設けられている。
【0014】
循環風路14の途中には、熱交換ダクト15が設けられている。熱交換ダクト15は、外箱2内の下部の後部において、当該外箱2の左右方向に沿うように設けられている。循環風路14の途中には、熱交換ダクト15よりも風上側に乾燥フィルター16が設けられている。循環風路14の途中部には乾燥フィルター収容部17が設けられている。乾燥フィルター16は、この乾燥フィルター収容部17内に着脱可能に設けられている。循環風路14の乾燥フィルター収容部17内に取り付けられた状態の乾燥フィルター16は、衣類処理槽3内の衣類を乾燥する乾燥運転時において、循環風路14内を流れる空気つまり乾燥風に含まれている異物を捕獲する。異物は、例えば衣類から発生した糸くずや塵埃などである。
【0015】
図2に例示するように、洗濯乾燥機1は、ヒートポンプ機構20を備えている。ヒートポンプ機構20は、圧縮機21、凝縮器22、絞り器23、蒸発器24を冷媒管25によりサイクル接続した冷凍サイクルを構成している。このうち、熱交換器を構成する凝縮器22および蒸発器24は、循環風路14の一部を構成する熱交換ダクト15の内部に配置されている。
【0016】
循環風路14には、循環送風機26が備えられている。循環送風機26は、衣類処理槽3内の空気を、循環風路14を通して循環させるものである。この循環送風機26が駆動されることにより、図2に矢印Wで例示するように、衣類処理槽3内の空気は、空気流出口3aから循環風路14内に導入されて、空気流出口3a側である風上側から空気流入口3b側である風下側に向かって流れて、空気流入口3bから衣類処理槽3内に戻されるようになっている。即ち、循環送風機26が駆動されることにより、衣類処理槽3内の空気は、循環風路14を介して循環される。
【0017】
蒸発器24は、熱交換ダクト15内において、衣類処理槽3の空気流出口3a側、つまり、循環風路14内の風上側に配置されている。一方、凝縮器22は、熱交換ダクト15内において、衣類処理槽3の空気流入口3b側、つまり、循環風路14内の風下側に配置されている。即ち、循環風路14内、より詳細には熱交換ダクト15内において、蒸発器24は、凝縮器22よりも風上側つまり風が流れる方向における上流側に配置されている。換言すれば、循環風路14内、より詳細には熱交換ダクト15内において、凝縮器22は、蒸発器24よりも風下側つまり風が流れる方向における下流側に配置されている。
【0018】
蒸発器24は、除湿部の一例であり、循環風路14内を空気流出口3a側から空気流入口3b側、つまり、風上側から風下側に向かって流れる空気を冷却して除湿する除湿手段として機能する。一方、凝縮器22は、加熱部の一例であり、循環風路14内を空気流出口3a側から空気流入口3b側、つまり、風上側から風下側に向かって流れる空気を加熱する加熱手段として機能する。
【0019】
これら蒸発器24および凝縮器22が循環風路14内に設けられていることにより、循環風路14内を風上側から風下側に向かって流れる空気は、蒸発器24によって除湿され、且つ、凝縮器22によって加熱され、所定温度の温風として衣類処理槽3内に戻される。これにより、衣類処理槽3内に収容されている衣類を温風によって乾燥することができる。
【0020】
洗濯乾燥機1は、循環風路14内を流れる空気の一部を外部に排出する排気口14wを備えている。また、洗濯乾燥機1は、この排気口14wを開閉する排気ダンパ14dを備えている。洗濯乾燥機1は、排気ダンパ14dが排気口14wを閉塞した閉状態では、循環風路14内を流れる空気を排気口14wから外部に排出不能である。洗濯乾燥機1は、排気ダンパ14dが排気口14wを開放した開状態では、循環風路14内を流れる空気を排気口14wから外部に排出可能である。
【0021】
洗濯乾燥機1は、湿度センサ31を備えている。この場合、湿度センサ31は、循環風路14のうち乾燥フィルター16よりも下流側であって、且つ、排気口14wよりも下流側の部分に配置されている。湿度センサ31は、湿度検知部の一例であり、衣類処理槽3内の衣類を乾燥する乾燥風の湿度を検知可能である。即ち、湿度センサ31は、衣類処理槽3内から循環風路14内に流出した空気つまり乾燥風の湿度を検知することにより、衣類処理槽3内の衣類の乾燥度合いを間接的に検知することが可能となっている。
【0022】
洗濯乾燥機1は、温度センサ32を備えている。この場合、温度センサ32は、循環風路14のうち乾燥フィルター16よりも下流側であって、且つ、排気口14wよりも下流側の部分に配置されている。温度センサ32は、温度検知部の一例であり、衣類処理槽3内の温度を検知可能である。即ち、温度センサ32は、衣類処理槽3内から循環風路14内に流出した空気の温度を検知することにより、衣類処理槽3内の空気の温度を間接的に検知することが可能となっている。また、温度センサ32は、湿度センサ31の周辺の温度を検知可能である。
【0023】
次に、洗濯乾燥機1の制御系の構成例について詳細に説明する。図3に例示する制御装置40は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムや各種の設定情報などに基づいて洗濯乾燥機1の動作全般を制御可能である。制御装置40には、上述した給水弁8、排水弁11、圧縮機21、循環送風機26などが接続されている。制御装置40には、上述したドラムモータ3mや排気ダンパ14dも接続されている。制御装置40は、これら駆動系の構成要素の動作を制御することにより、洗濯乾燥機1の動作全般を制御して各種の運転を実行することが可能である。制御装置40は、この場合、周知のベクトル制御によりドラムモータ3mの回転を制御するように構成されている。制御装置40には、上述した湿度センサ31や温度センサ32などといった各種のセンサ類も接続されている。
【0024】
本実施形態では、制御装置40は、乾燥運転の開始から終了までの期間にわたって、湿度センサ31による湿度の検知処理を継続して実行するように設定されている。なお、制御装置40は、乾燥運転の開始から終了までの期間内に湿度センサ31による湿度の検知処理を実行しない期間を設け、湿度センサ31による湿度の検知処理を断続的に実行するように設定されていてもよい。
【0025】
また、制御装置40には、例えば不揮発性メモリなどにより構成されている記憶部33が接続されている。制御装置40は、実行した運転コースの設定内容や動作内容などを含む運転履歴情報を記憶部33に記憶可能である。運転履歴情報には、例えば、直近における乾燥運転の実行回数を示す乾燥運転頻度情報、前回の乾燥運転からの経過期間を示す乾燥運転期間情報、前回の乾燥運転の実行時間を示す乾燥運転時間情報、前回の運転コースにおける洗剤の投入量を示す洗剤投入量情報、前回の運転コースにおける柔軟剤の投入量を示す柔軟剤投入量情報、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数を示す乾燥運転回数情報などといった各種の情報、つまり、過去に実行された運転コース、乾燥運転、復帰処理などに関する様々な情報を含むことができる。なお、復帰処理の詳細については後述する。
【0026】
図4に例示するように、湿度センサ31は、センサ基板101に湿度検知モジュール102、温度検知モジュール103、A/Dコンバータ104、デジタルインターフェイス105、ヒータ106を実装した構成である。
【0027】
湿度検知モジュール102は、湿度を感知する感湿部を備えており、この感湿部により湿度センサ31周辺の湿度を検知可能である。感湿部は、湿度センサ31の外部に露出している。温度検知モジュール103は、温度を感知する感温部を備えており、この感温部により湿度センサ31内の温度を検知可能である。感温部は、湿度センサ31の内部に配置されている。
【0028】
A/Dコンバータ104は、湿度検知モジュール102が出力するアナログ信号および温度検知モジュール103が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換して、デジタルインターフェイス105に出力する。デジタルインターフェイス105は、A/Dコンバータ104から取得したデジタル信号を制御装置40に出力する。これにより、制御装置40は、デジタルインターフェイス105から取得したデジタル信号により、湿度検知モジュール102により検知された湿度値および温度検知モジュール103により検知された温度値を特定することができる。
【0029】
ヒータ106は、発熱部の一例である。ヒータ106は、その全体が湿度センサ31内に内蔵されている。制御装置40は、デジタルインターフェイス105を介してヒータ106の動作を制御可能である。なお、ヒータ106は、例えば、湿度センサ31の外部に外付けされた構成であってもよい。また、ヒータ106は、湿度センサ31の外部において、湿度検知モジュール102の感湿部に対向する位置に配置されていてもよい。
【0030】
また、図3および図4に例示するように、制御装置40は、制御プログラムを実行することにより、復帰処理部41をソフトウェアにより仮想的に実現している。復帰処理部41は、ハードウェアにより構成されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成されていてもよい。
【0031】
復帰処理部41は、湿度センサ31が「異常状態」である場合に当該湿度センサ31を「正常状態」に復帰させるための復帰処理を実行可能である。湿度センサ31は、湿度検知モジュール102の感湿部が露出している構成であり、例えば、この感湿部に異物が付着したり、感湿部が経年劣化したりすると、様々な異常な挙動を示すようになる。異常な挙動は、例えば、湿度検知モジュール102により検知される湿度値が変化しなくなったり、湿度検知モジュール102により検知される湿度値のオフセット幅つまり誤差幅に変動が生じたり、湿度検知モジュール102により検知される湿度値の傾きつまり感度が変動したりするといった挙動である。
【0032】
より詳細に説明すると、図5に例示するように、湿度センサ31は、「正常状態」であれば、実際の湿度値を精度良く検知することができる。しかしながら、湿度センサ31は、「異常状態」になってしまうと、実際の湿度値を精度良く検知することができなくなる。即ち、図6に例示する「異常パターンA」では、湿度センサ31により検知される湿度値が実際の湿度値の大きさに関わらず一定であり変化しなくなっている。また、図6に例示する「異常パターンB」では、湿度センサ31により検知される湿度値のオフセット幅Hに変動が生じており、湿度センサ31により検知される湿度値が不安定となっている。また、図6に例示する「異常パターンC」では、湿度センサ31により検知される湿度値の傾きに変動が生じており、湿度センサ31により検知される湿度値が不安定となっている。
【0033】
本実施形態では、図6に例示するような状態、つまり、湿度センサ31により検知される湿度値が変化しなくなったり、湿度値のオフセット幅に変動が生じたり、湿度値の感度が変動したりする状態を「異常状態」と定義している。一方、湿度センサ31が「正常状態」である場合には、当該湿度センサ31により検知される湿度値が実際の湿度値に応じて適宜変化する状態、湿度値のオフセット幅が安定化した状態、湿度値の感度が安定化した状態となる。なお、湿度センサ31の「異常状態」は、上述したような挙動が示される状態に限られず、要するに、湿度センサ31により検知される湿度値の信頼性が低下するような状態を含む概念である。
【0034】
復帰処理部41は、湿度センサ31が「正常状態」であれば当該湿度センサ31により検知される湿度値が変動するはずである各種の動作を行うことにより、湿度センサ31が「異常状態」であるか否かを判定する。即ち、湿度センサ31が「正常状態」であれば、例えば、圧縮機21の駆動周波数、循環送風機26の回転速度、ドラムモータ3mの回転速度などを変化させると湿度センサ31周辺の湿度も変化するため、湿度センサ31により検知される湿度値も変動するはずである。
【0035】
そのため、復帰処理部41は、例えば、圧縮機21の駆動周波数、循環送風機26の回転速度、ドラムモータ3mの回転速度などを変化させ、これに応じて湿度センサ31により検知される湿度値が変動すれば、当該湿度センサ31が「正常状態」であると判定する。一方、復帰処理部41は、例えば、圧縮機21の駆動周波数、循環送風機26の回転速度、ドラムモータ3mの回転速度などを変化させることに応じて湿度センサ31により検知される湿度値が変動しなければ、当該湿度センサ31が「異常状態」であると判定する。
【0036】
なお、湿度センサ31が「正常状態」であれば当該湿度センサ31により検知される湿度値が変動するはずである動作は、圧縮機21の駆動周波数を変化させる動作、循環送風機26の回転速度を変化させる動作、ドラムモータ3mの回転速度を変化させる動作に限られるものではなく、湿度センサ31により検知される湿度値が変動する動作であれば、その他の動作であってもよい。
【0037】
復帰処理部41は、復帰処理の完了後に湿度センサ31が「異常状態」であるか否かを判定する。そして、復帰処理部41は、復帰処理の完了後に湿度センサ31が「異常状態」であると判定した場合には、湿度センサ31により検知される湿度値を使用不可とする。そのため、制御装置40は、湿度センサ31により検知される湿度値に応じて乾燥運転の内容を調整することができない。一方、復帰処理部41は、復帰処理の完了後に湿度センサ31が「正常状態」であると判定した場合には、湿度センサ31により検知される湿度値を使用可能とする。これにより、制御装置40は、湿度センサ31により検知される湿度値に応じて乾燥運転の内容を調整することが可能となる。
【0038】
乾燥運転の内容の調整は、例えば、乾燥運転の運転時間の延長や短縮、乾燥運転における乾燥風の温度や風速の調整などである。また、湿度センサ31により検知される湿度値を使用不可にするとは、例えば、湿度センサ31から取得した湿度値を破棄すること、湿度センサ31から取得した湿度値を無効値に差し換えること、湿度センサ31から取得した湿度値を無視することなどを含み、また、そもそも湿度センサ31による湿度の検知動作を停止することも含む。
【0039】
復帰処理部41は、復帰処理において、ヒータ106から熱を発生することが可能である。これにより、湿度検知モジュール102の感湿部に付着した異物、特に、揮発性の異物や結露などを熱により揮発あるいは蒸発させて除去することができ、「異常状態」になってしまった湿度検知モジュール102を「正常状態」に復帰させることができる。
【0040】
復帰処理部41は、復帰処理においてヒータ106から熱を発生する場合には、温度センサ32により検知される温度値つまり湿度センサ31周辺の温度値に基づいてヒータ106の動作、具体的には、ヒータ106のオン/オフの切り換えを制御するようにするとよい。具体的には、復帰処理部41は、温度センサ32により検知される温度値が所定値よりも低くなるとヒータ106をオンし、温度センサ32により検知される温度値が所定値よりも高くなるとヒータ106をオフするようにするとよい。
【0041】
復帰処理部41は、復帰処理においてヒータ106から熱を発生した場合には、復帰処理の完了後において温度センサ32により検知される温度値つまり湿度センサ31周辺の温度値が所定値以下に下降するまで、湿度センサ31により検知される湿度値を使用不可とするとよい。そして、復帰処理部41は、温度センサ32により検知される温度値が所定値以下に下降すると、湿度センサ31により検知される湿度値を使用可能とするとよい。
【0042】
復帰処理部41は、復帰処理において、圧縮機21、循環送風機26、ドラムモータ3mのうち少なくとも何れか1つの構成要素を動作させるようにしてもよい。
【0043】
復帰処理において圧縮機21および循環送風機26が動作することにより、湿度検知モジュール102の感湿部に温風を当てることができる。これにより、湿度検知モジュール102の感湿部に付着した異物、特に、揮発性の異物や結露などを温風により除去することができ、「異常状態」になってしまった湿度検知モジュール102を「正常状態」に復帰させることができる。
【0044】
また、復帰処理において圧縮機21が動作しなくとも循環送風機26が動作することにより、湿度検知モジュール102の感湿部に常温の風を当てることができる。これにより、湿度検知モジュール102の感湿部に付着した異物を風圧により除去することができ、「異常状態」になってしまった湿度検知モジュール102を「正常状態」に復帰させることができる。
【0045】
また、復帰処理において循環送風機26だけでなくドラムモータ3mも動作することにより、循環送風機26が生成する風の風速をドラムモータ3mの回転により高めて湿度検知モジュール102の感湿部に当てることができる。これにより、湿度検知モジュール102の感湿部に付着した異物を高速の風により除去することができ、「異常状態」になってしまった湿度検知モジュール102を「正常状態」に復帰させることができる。
【0046】
圧縮機21、循環送風機26、ドラムモータ3mは、衣類処理槽3内の衣類を乾燥する乾燥風を生成する乾燥風生成部の一例として定義することができる。復帰処理部41は、復帰処理において、これら乾燥風生成部を適宜動作させることにより、「異常状態」になってしまった湿度検知モジュール102を「正常状態」に復帰させることができる。
【0047】
また、復帰処理部41は、衣類処理槽3内の衣類を乾燥する乾燥運転の運転履歴に基づいて、復帰処理の実行時間や復帰処理におけるヒータ106の温度を調整するようにしてもよい。
【0048】
即ち、図7に例示するように、復帰処理部41は、例えば、直近に実行された複数回の運転コースにおいて乾燥運転が実行されていない場合には、復帰処理の実行時間を通常時間よりも所定時間長くするとよい。また、復帰処理におけるヒータ106の温度を通常温度よりも所定温度高くするとよい。
【0049】
また、復帰処理部41は、例えば、過去の所定期間以内に実行された運転コースにおいて乾燥運転が実行されていない場合には、復帰処理の実行時間を通常時間よりも所定時間長くするとよい。また、復帰処理におけるヒータ106の温度を通常温度よりも所定温度高くするとよい。
【0050】
また、復帰処理部41は、例えば、前回の運転コースにおいて乾燥運転の実行時間が通常時間よりも短い時間に設定されていた場合には、復帰処理の実行時間を通常時間よりも所定時間長くするとよい。また、復帰処理におけるヒータ106の温度を通常温度よりも所定温度高くするとよい。
【0051】
また、復帰処理部41は、例えば、前回の運転コースにおいて洗剤の投入量が通常よりも多く設定されていた場合には、復帰処理の実行時間を通常時間よりも所定時間長くするとよい。また、復帰処理におけるヒータ106の温度を通常温度よりも所定温度高くするとよい。
【0052】
また、復帰処理部41は、例えば、前回の運転コースにおいて柔軟剤の投入量が通常よりも多く設定されていた場合には、復帰処理の実行時間を通常時間よりも所定時間長くするとよい。また、復帰処理におけるヒータ106の温度を通常温度よりも所定温度高くするとよい。
【0053】
なお、洗剤の投入量が通常よりも多く設定されていた場合とは、例えば、衣類処理槽3の定格容量が「10kg」である場合に、その80パーセントである「8kg」の衣類が投入されて洗剤の投入量が「多め」に設定された場合、衣類の投入量が「8kg」未満であっても手動操作などにより洗剤の投入量が「多め」に設定された場合、二度洗いコースなどといった洗剤の投入量が多い運転コースが設定された場合などを含む。
【0054】
また、柔軟剤の投入量が通常よりも多く設定されていた場合とは、例えば、衣類処理槽3の定格容量が「10kg」である場合に、その80パーセントである「8kg」の衣類が投入されて柔軟剤の投入量が「多め」に設定された場合、衣類の投入量が「8kg」未満であっても手動操作などにより柔軟剤の投入量が「多め」に設定された場合、香りコースなどといった柔軟剤の投入量が多い運転コースが設定された場合などを含む。
【0055】
また、復帰処理の実行時間や復帰処理におけるヒータ106の温度を変更する場合は、図7に例示した場合に限られず、その他の場合であってもよい。
【0056】
図8に例示するように、本実施形態では、復帰処理の通常時間は例えば「1分」であり、復帰処理の実行時間を長くする場合には例えば「3分」に変更する。また、復帰処理におけるヒータ106の通常温度は例えば「70℃」であり、復帰処理におけるヒータ106の温度を高くする場合には例えば「90℃」に変更する。
【0057】
次に、洗濯乾燥機1の動作例について説明する。図9に例示するように、制御装置40は、乾燥運転を開始すると(ステップA1)、記憶部33から運転履歴情報を読み出し(ステップA2)、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えているか否かを判定する(ステップA3)。この所定回数は、適宜変更して設定することができるが、この場合、「10回」が設定されている。
【0058】
制御装置40は、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えている場合(ステップA3:YES)には、復帰処理を実行し(ステップA4)、その後、湿度センサ31による湿度値の取得を開始して(ステップA5)、次の行程に移行する(ステップA6)。一方、制御装置40は、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えていない場合(ステップA3:NO)には、復帰処理(ステップA4)を実行することなく、湿度センサ31による湿度値の取得を開始して(ステップA5)、次の行程に移行する(ステップA6)。
【0059】
また、図10に例示する他の制御例では、制御装置40は、乾燥運転を開始すると(ステップB1)、湿度センサ31による湿度値の取得を開始する(ステップB2)。そして、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があったか否かを確認する(ステップB3)。この所定期間は、適宜変更して設定することができる。制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化がなかった場合(ステップB3:NO)には、復帰処理を実行して(ステップB4)、次の行程に移行する(ステップB5)。一方、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があった場合(ステップB3:YES)には、復帰処理(ステップB4)を実行することなく次の行程に移行する(ステップB5)。
【0060】
また、図11に例示する他の制御例では、制御装置40は、乾燥運転を開始すると(ステップC1)、記憶部33から運転履歴情報を読み出し(ステップC2)、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えているか否かを判定する(ステップC3)。この所定回数も適宜変更して設定することができ、この場合、「10回」が設定されている。制御装置40は、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えている場合(ステップC3:YES)には、ヒータ106をオンする(ステップC4)。即ち、制御装置40は、ヒータ106を動作させることによる復帰処理を開始する。
【0061】
制御装置40は、ヒータ106をオンすると、湿度センサ31の温度が所定温度以下であるか否かを確認する(ステップC5)。この所定温度は、適宜変更して設定することができるが、この場合、「100℃」が設定されている。制御装置40は、湿度センサ31の温度が所定温度以下である場合(ステップC5:YES)には、所定時間が経過したか否かを確認する(ステップC6)。この所定時間は、適宜変更して設定することができる。制御装置40は、所定時間が経過していない場合(ステップC6:NO)には、ステップC5に移行する。一方、制御装置40は、所定時間が経過した場合(ステップC6:YES)には、ヒータ106をオフつまりヒータ106を動作させることによる復帰処理を終了して(ステップC7)、次の行程に移行する(ステップC8)。
【0062】
なお、制御装置40は、湿度センサ31の温度が所定温度を超えた場合(ステップC5:NO)には、所定時間の経過を待つことなくヒータ106をオフつまりヒータ106を動作させることによる復帰処理を終了して(ステップC7)、次の行程に移行する(ステップC8)。また、制御装置40は、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えていない場合(ステップC3:NO)には、ヒータ106を動作させることによる復帰処理を実行することなく次の行程に移行する(ステップC8)。
【0063】
また、図12に例示する他の制御例では、制御装置40は、乾燥運転を開始すると(ステップD1)、湿度センサ31による湿度値の取得を開始する(ステップD2)。そして、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があったか否かを確認する(ステップD3)。この所定期間も適宜変更して設定することができる。
【0064】
制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化がなかった場合(ステップD3:NO)には、循環送風機26を起動する(ステップD4)。即ち、制御装置40は、循環送風機26を動作させることによる復帰処理を開始する。そして、制御装置40は、湿度センサ31による湿度値に変化があったか否かを確認する(ステップD5)。
【0065】
制御装置40は、湿度センサ31による湿度値に変化があった場合(ステップD5:YES)には、循環送風機26を停止つまり循環送風機26を動作させることによる復帰処理を終了して(ステップD6)、次の行程に移行する(ステップD7)。なお、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があった場合(ステップD3:YES)には、循環送風機26を動作させることによる復帰処理を実行することなく次の行程に移行する(ステップD7)。
【0066】
また、図13に例示する他の制御例では、制御装置40は、乾燥運転を開始すると(ステップE1)、湿度センサ31による湿度値の取得を開始する(ステップE2)。そして、制御装置40は、循環送風機26を起動する(ステップE3)。即ち、制御装置40は、湿度センサ31が「正常状態」であれば湿度値が変化するはずである動作を開始する。そして、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があったか否かを確認する(ステップE4)。
【0067】
制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化がなかった場合(ステップE4:NO)には、循環送風機26を停止する(ステップE5)。即ち、制御装置40は、湿度センサ31が「正常状態」であれば湿度値が変化するはずである動作を終了する。そして、制御装置40は、ヒータ106をオンする(ステップE6)。即ち、制御装置40は、ヒータ106を動作させることによる復帰処理を開始する。
【0068】
制御装置40は、ヒータ106をオンすると、湿度センサ31の温度が所定温度以下であるか否かを確認する(ステップE7)。この所定温度も適宜変更して設定することができ、この場合、「100℃」が設定されている。制御装置40は、湿度センサ31の温度が所定温度以下である場合(ステップE7:YES)には、所定時間が経過したか否かを確認する(ステップE8)。この所定時間も適宜変更して設定することができる。
【0069】
制御装置40は、所定時間が経過していない場合(ステップE8:NO)には、ステップE7に移行する。一方、制御装置40は、所定時間が経過した場合(ステップE8:YES)には、ヒータ106をオフつまりヒータ106を動作させることによる復帰処理を終了して(ステップE9)、次の行程に移行する(ステップE10)。なお、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があった場合(ステップE4:YES)には、循環送風機26を停止つまり湿度センサ31が「正常状態」であれば湿度値が変化するはずである動作を終了して(ステップE11)、次の行程に移行する(ステップE10)。
【0070】
また、図14に例示する他の制御例では、制御装置40は、乾燥運転を開始すると(ステップF1)、湿度センサ31による湿度値の取得を開始する(ステップF2)。そして、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があったか否かを確認する(ステップF3)。この所定期間も適宜変更して設定することができる。
【0071】
制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化がなかった場合(ステップF3:NO)には、復帰処理を実行する(ステップF4)。そして、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があったか否かを確認する(ステップF5)。
【0072】
制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化がなかった場合(ステップF5:NO)には、エラー報知処理を実行して(ステップF6)、次の行程に移行する(ステップF7)。一方、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があった場合(ステップF5:YES)には、エラー報知処理(ステップF6)を実行することなく次の行程に移行する(ステップF7)。
【0073】
なお、制御装置40は、所定期間内に湿度センサ31による湿度値に変化があった場合(ステップF3:YES)には、復帰処理(ステップF4)やエラー報知処理(ステップF6)を実行することなく次に行程に移行する(ステップF7)。また、エラー報知処理は、例えば、洗濯乾燥機1が備えている図示しない操作パネルの表示画面により視覚的情報として報知する処理であってもよいし、洗濯乾燥機1が備えている図示しないスピーカにより聴覚的情報として報知する処理であってもよいし、視覚的情報と聴覚的情報を組み合わせて報知する処理であってもよい。
【0074】
また、図15に例示する他の制御例では、制御装置40は、乾燥運転を開始すると(ステップG1)、記憶部33から運転履歴情報を読み出し(ステップG2)、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えているか否かを判定する(ステップG3)。この所定回数も適宜変更して設定することができ、この場合、「10回」が設定されている。制御装置40は、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えている場合(ステップG3:YES)には、ヒータ106をオンする(ステップG4)。即ち、制御装置40は、ヒータ106を動作させることによる復帰処理を開始する。
【0075】
制御装置40は、ヒータ106をオンすると、湿度センサ31の温度が所定温度以下であるか否かを確認する(ステップG5)。この所定温度も適宜変更して設定することができ、この場合、「100℃」が設定されている。制御装置40は、湿度センサ31の温度が所定温度以下である場合(ステップG5:YES)には、所定時間が経過したか否かを確認する(ステップG6)。この所定時間も適宜変更して設定することができる。
【0076】
制御装置40は、所定時間が経過していない場合(ステップG6:NO)には、ステップG5に移行する。一方、制御装置40は、所定時間が経過した場合(ステップG6:YES)には、ヒータ106をオフつまりヒータ106を動作させることによる復帰処理を終了する(ステップG7)。そして、制御装置40は、湿度センサ31内の温度が湿度センサ31周辺の温度と等しくなったか否かを確認する(ステップG8)。湿度センサ31内の温度は、温度検知モジュール103により検知することができ、湿度センサ31周辺の温度は、温度センサ32により検知することができる。そして、制御装置40は、湿度センサ31内の温度が湿度センサ31周辺の温度と等しくなると(ステップG8:YES)、湿度センサ31による湿度値の取得を開始して(ステップG9)、次の行程に移行する(ステップG10)。即ち、制御装置40は、ヒータ106により加熱された湿度センサ31の温度が所定温度以下に下降するまで待ってから、湿度センサ31による湿度値の取得を開始する。なお、制御装置40は、ステップG8において、湿度センサ31内の温度と湿度センサ31周辺の温度との温度差が所定温度差以内になった場合にステップG9に移行するようにしてもよい。
【0077】
なお、制御装置40は、湿度センサ31の温度が所定温度を超えた場合(ステップG5:NO)には、ヒータ106をオフつまりヒータ106を動作させることによる復帰処理を終了して(ステップG7)、ステップG8に移行する。また、制御装置40は、前回の復帰処理後に実行された乾燥運転の実行回数が所定回数を超えていない場合(ステップG3:NO)には、ヒータ106を動作させることによる復帰処理を実行することなくステップG9に移行する。
【0078】
以上に例示した洗濯乾燥機1によれば、制御装置40は、湿度センサ31が「異常状態」である場合には、復帰処理部41により、湿度センサ31を「正常状態」に復帰させる復帰処理を実行する。この構成例によれば、仮に湿度センサ31が「異常状態」となってしまった場合であっても、当該湿度センサ31を「正常状態」に復帰させることができ、正常な湿度値が出力される状態を形成することができる。
【0079】
復帰処理部41は、復帰処理において、ヒータ106から熱を発生する。この構成例によれば、湿度センサ31に付着した異物、特に、揮発性の異物や結露などを熱により除去することができ、「異常状態」になってしまった湿度センサ31を「正常状態」に復帰させることができる。
【0080】
復帰処理部41は、温度センサ32により検知される温度値に基づいてヒータ106の動作を制御する。この構成例によれば、湿度センサ31周辺の温度に応じてヒータ106のオン/オフの切り換えを制御することができ、ヒータ106からの発熱により湿度センサ31が過熱状態となってしまうことを抑制することができる。
【0081】
復帰処理部41は、温度センサ32により検知される温度値が所定値以下に下降するまで、湿度センサ31により検知される湿度値を使用不可とする。即ち、復帰処理においてヒータ106から熱を発生した場合には、復帰処理の完了後において湿度センサ31が高温の状態となっており、湿度センサ31により検知される湿度値が安定しないおそれがある。そのため、復帰処理の完了後において湿度センサ31周辺の温度値が低下するまで待ってから湿度センサ31により検知される湿度値を使用可能とすることにより、不安定な状態で検知された湿度値が使用されてしまうことを回避することができる。
【0082】
復帰処理部41は、復帰処理において、乾燥風生成部を構成する要素、この場合、圧縮機21、循環送風機26、ドラムモータ3mのうち少なくとも何れか1つの構成要素を動作させる。この構成例によれば、生成される乾燥風により湿度センサ31から異物を吹き飛ばすようにして除去することができ、「異常状態」になってしまった湿度センサ31を「正常状態」に復帰させることができる。
【0083】
復帰処理部41は、湿度センサ31が「正常状態」であれば当該湿度センサ31により検知される湿度値が変動する動作を行うことにより、湿度センサ31が「異常状態」であるか否かを判定する。この構成例によれば、湿度センサ31が「正常状態」であれば当該湿度センサ31により検知される湿度値が変動する動作を適宜行うことにより、湿度センサ31が「異常状態」であるか否かを容易に判定することができる。
【0084】
復帰処理部41は、復帰処理の完了後に湿度センサ31が「異常状態」であるか否かを判定し、湿度センサ31が「異常状態」であると判定した場合には、湿度センサ31により検知される湿度値を使用不可とする。この構成例によれば、復帰処理が実行されたにも関わらず「正常状態」に復帰しなかった湿度センサ31が検知する湿度値に基づいて乾燥運転の内容が調整されてしまうことを回避することができる。また、復帰処理によって湿度センサ31が「正常状態」に復帰しなかった場合には、例えば、他の湿度センサにより代用したり、エラー報知処理を行ったりといた対処を行うことができる。
【0085】
復帰処理部41は、衣類処理槽3内の衣類を乾燥する乾燥運転の運転履歴に基づいて、復帰処理の実行時間を調整する。即ち、例えば、乾燥運転が定期的に、あるいは、頻繁に行われているのであれば、湿度センサ31に乾燥風が接触する機会も多くなり、湿度センサ31への異物の付着を抑制することができ、また、仮に湿度センサ31に異物が付着したとしても、その異物を乾燥風により吹き飛ばすことができる。しかしながら、乾燥運転が定期的に、あるいは、頻繁に行われていないのであれば、湿度センサ31に異物が付着しやすく、また、付着した異物を引き飛ばす機会も少なくなる。そのため、乾燥運転の運転履歴に基づいて、例えば、乾燥運転が定期的に、あるいは、頻繁に行われていないのであれば、復帰処理の実行時間を標準よりも長く調整することにより、湿度センサ31に付着している異物を除去しやすくでき、「異常状態」になってしまった湿度センサ31を「正常状態」に復帰しやすくすることができる。
【0086】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や拡張を行うことができる。
【0087】
例えば、本実施形態は、回転槽の回転軸が水平方向または傾斜方向に延びるいわゆる横軸型のドラム式の洗濯乾燥機に限られるものではなく、回転槽の回転軸が垂直方向に延びる洗濯乾燥機、いわゆる縦軸型の洗濯乾燥機にも適用することができる。
【0088】
本実施形態は、あくまでも一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
図面において、1は洗濯乾燥機(衣類乾燥装置)、3は衣類処理槽(衣類収容槽)、3mはドラムモータ(乾燥風生成部)、21は圧縮機(乾燥風生成部)、26は循環送風機(乾燥風生成部)、31は湿度センサ(湿度検知部)、32は温度センサ(温度検知部)、41は復帰処理部、106はヒータ(発熱部)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15