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特開2025-22505情報処理装置、監視システム、判別方法及び判別プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022505
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、監視システム、判別方法及び判別プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0604 20220101AFI20250206BHJP
   H04L 41/069 20220101ALI20250206BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20250206BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20250206BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20250206BHJP
   G06F 11/32 20060101ALI20250206BHJP
   G07D 11/235 20190101ALI20250206BHJP
【FI】
H04L41/0604
H04L41/069
G07D11/26
G07F19/00
G06F11/07 160
G06F11/32 170
G06F11/07 181
G06F11/07 140H
G07D11/235
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127152
(22)【出願日】2023-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 洋一
【テーマコード(参考)】
3E141
5B042
【Fターム(参考)】
3E141BA07
3E141CA02
3E141CA07
3E141CB04
3E141DA10
5B042GA10
5B042GC16
5B042JJ02
5B042KK11
5B042MA08
5B042MA11
5B042MA13
5B042MA16
5B042MC17
5B042MC18
5B042MC19
5B042MC27
5B042MC35
(57)【要約】
【課題】収集されたメッセージから再起動に伴うメッセージを除外してエラー発生の重要メッセージを判別できる情報処理装置等を提供する。
【解決手段】金融取引装置と通信で接続して前記金融取引装置を監視する情報処理装置は、取得部と、記憶部と、特定部と、判別部とを有する。取得部は、前記金融取引装置から収集されたメッセージから前記金融取引装置の状態及び当該メッセージの発生日時を取得する。記憶部は、前記金融取引装置の再起動時間帯を事前に記憶している。特定部は、前記メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定する。判別部は、前記指定メッセージの発生日時を含む時間帯における前記他の金融取引装置のエラー発生の発生数と、前記再起動時間帯とに基づき、前記指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融取引装置と通信で接続して前記金融取引装置を監視する情報処理装置であって、
前記金融取引装置から収集されたメッセージから前記金融取引装置の状態及び当該メッセージの発生日時を取得する取得部と、
前記金融取引装置の再起動時間帯を事前に記憶した記憶部と、
前記メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定する特定部と、
前記指定メッセージの発生日時を含む時間帯における前記他の金融取引装置のエラー発生の発生数と、前記再起動時間帯とに基づき、前記指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する判別部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判別部は、
前記エラー発生の発生数が所定閾値を超え、かつ、前記指定メッセージの発生日時が前記再起動時間帯外の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージでないと判別することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判別部は、
前記エラー発生の発生数が所定閾値を超え、かつ、前記指定メッセージの発生日時が前記再起動時間帯内の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージであると判別することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判別部は、
前記金融取引装置が保守中ではなく、前記エラー発生の発生数が所定閾値を超え、かつ、前記指定メッセージの発生日時が前記再起動時間帯外の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージでないと判別することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記指定メッセージの発生日時を特定し、特定された発生日時から所定時間前までの確認時間帯を算出し、前記メッセージのうち、前記発生日時が前記確認時間帯内の前記他の金融取引装置のエラー発生に関わるキーワードを含むメッセージを検索し、当該キーワードに関わるメッセージの数で前記他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
金融取引装置と、複数の金融取引装置と通信で接続して前記金融取引装置を監視する情報処理装置と、を有する監視システムであって、
前記情報処理装置は、
前記金融取引装置から収集されたメッセージから前記金融取引装置の状態及び当該メッセージの発生日時を取得する取得部と、
前記金融取引装置の再起動時間帯を事前に記憶した記憶部と、
前記メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定する特定部と、
前記指定メッセージの発生日時を含む時間帯における前記他の金融取引装置のエラー発生の発生数と、前記再起動時間帯とに基づき、前記指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する判別部と、
を有することを特徴とする監視システム。
【請求項7】
金融取引装置と通信で接続して前記金融取引装置を監視する情報処理装置が、
前記金融取引装置の再起動時間帯を事前に記憶し、
前記金融取引装置から収集されたメッセージから前記金融取引装置の状態及び当該メッセージの発生日時を取得し、
前記メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定し、
前記指定メッセージの発生日時を含む時間帯における前記他の金融取引装置のエラー発生の発生数と、前記再起動時間帯とに基づき、前記指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する
処理を実行することを特徴とする判別方法。
【請求項8】
金融取引装置と通信で接続して前記金融取引装置を監視する情報処理装置のプロセッサに、
前記金融取引装置の再起動時間帯を事前に記憶し、
前記金融取引装置から収集されたメッセージから前記金融取引装置の状態及び当該メッセージの発生日時を取得し、
前記メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定し、
前記指定メッセージの発生日時を含む時間帯における前記他の金融取引装置のエラー発生の発生数と、前記再起動時間帯とに基づき、前記指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する
処理を前記プロセッサに実行させることを特徴とする判別プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、監視システム、判別方法及び判別プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、金融機関のATM(Automatic Teller Machine)等の金融取引装置を遠隔監視する監視システムが広く普及している。図14は、従来の監視システム200の一例を示す説明図である。図14に示す監視システム200は、ATM201と、監視サーバ202と、監視端末203とを有する。ATM201は、例えば、銀行、駅やコンビニ等の店舗に配置された紙幣等を入出金する監視対象のキャッシュディスペンサである。ATM201は、本体監視部201Aと、NW機器201Bと、警備機器201Cとを有する。本体監視部201Aは、ATM201の生死状態や紙幣詰まり等の状態を監視し、監視結果を示すメッセージを監視サーバ202に通知する。NW機器201Bは、ATM201と通信で接続するネットワークの状態を監視し、監視結果を示すメッセージを監視サーバ202に通知する機器である。警備機器201Cは、例えば、ATM201の保守扉の開閉等の保守警備に関する情報を監視し、監視結果を示すメッセージを監視サーバ202に通知する機器である。
【0003】
監視サーバ202は、複数のATM201から受信したメッセージに基づき、ATM201の状態を遠隔監視するサーバである。監視端末203は、監視サーバ202と通信して監視サーバ202から通知された各ATM201のメッセージを画面表示する、オペレータ側の操作端末である。
【0004】
監視サーバ202は、ATM201からエラー等のメッセージを受信した場合、受信メッセージの重要度及びキーワードを管理するフィルタ定義を参照し、受信メッセージの重要度を識別する。更に、監視サーバ202は、識別された重要度に基づき、受信メッセージを監視端末203に通知するか否かを判別することになる。監視サーバ202は、受信メッセージの判別結果に基づき、受信メッセージを監視端末203に通知する。そして、監視端末203は、監視サーバ202からの受信メッセージを監視画面に表示する。その結果、監視端末203のオペレータは、監視画面を見てATM201のエラー発生を認識できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-159474号公報
【特許文献2】特開2017-123001号公報
【特許文献3】特開2021-64277号公報
【特許文献4】特開2007-323198号公報
【特許文献5】特開2021-128664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
監視サーバ202は、メッセージの重要度に基づき、監視端末203に通知する通知対象のメッセージであるか否かを判定する。監視サーバ202は、通知対象のメッセージの場合、通知対象のメッセージを監視端末203に通知する。また、監視サーバ202は、通知対象外のメッセージの場合、通知対象外のメッセージを監視端末203に通知しない。
【0007】
監視システム200では、例えば、1日1回の深夜の時間帯にATM201のシステムアップデート等で再起動する運用が行われている。しかしながら、監視対象のATM201の台数は約1万台を超えている。
【0008】
また、NW機器201Bでは、例えば、NW機器201B自体のポートが物理的又は論理的に故障した場合にメッセージを監視サーバ202に通知している。しかしながら、再起動する運用においてATM201が再起動した場合でも、NW機器201Bは、再起動に伴ってNW機器201Bに接続されているポートに問題があるとの監視結果が生じるため、その監視結果を示すメッセージを監視サーバ202に通知している。つまり、ATM201内のNW機器201Bでは、ATM201の再起動に応じて、ATM201が正常であるにもかかわらず、再起動に伴うメッセージを監視サーバ202に通知することになる。
【0009】
しかも、監視サーバ202では、再起動対象のATM201が一斉に再起動を実行した場合、ATM201から大量のメッセージを一斉に受信することになる。従って、監視サーバ202は、NW機器201Bから障害発生でメッセージが通知されているのか、ATM201の再起動により間接的にメッセージが通知されているのか、フィルタ定義のみでは識別できないのが実情である。つまり、監視サーバ202では、再起動に関わる大量メッセージによって、実際に故障やアプリ障害等の重要なメッセージが埋もれてしまう。従って、監視サーバ202では、再起動に伴う大量のメッセージを除外して重要メッセージを識別する方法が求められている。
【0010】
一つの側面では、収集されたメッセージから再起動に伴うメッセージを除外してエラー発生の重要メッセージを判別できる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一つの態様の情報処理装置では、金融取引装置と通信で接続して前記金融取引装置を監視する。情報処理装置は、取得部と、記憶部と、特定部と、判別部とを有する。取得部は、前記金融取引装置から収集されたメッセージから前記金融取引装置の状態及び当該メッセージの発生日時を取得する。記憶部は、前記金融取引装置の再起動時間帯を事前に記憶している。特定部は、前記メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定する。判別部は、前記指定メッセージの発生日時を含む時間帯における前記他の金融取引装置のエラー発生の発生数と、前記再起動時間帯とに基づき、前記指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する。
【発明の効果】
【0012】
一つの側面として、収集されたメッセージから再起動に伴うメッセージを除外してエラー発生の重要メッセージを判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施例の監視システムの一例を示す説明図である。
図2図2は、ATMの一例を示す説明図である。
図3図3は、監視サーバの一例を示す説明図である。
図4図4は、動作定義メモリの一例を示す説明図である。
図5図5は、メッセージ管理テーブルの一例を示す説明図である。
図6図6は、判別処理に関わる監視サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、判別処理に関わる監視サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、登録処理に関わる監視サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、通知対象確認処理に関わる監視サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、保守中確認処理に関わる監視サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、他機器状況確認処理に関わる監視サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、再起動時間帯確認処理に関わる監視サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、判別プログラムを実行する情報処理装置の一例を示す説明図である。
図14図14は、従来の監視システムの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本願の開示する情報処理装置等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例0015】
図1は、本実施例の監視システム1の一例を示す説明図である。図1に示す監視システム1は、監視対象であるATM10と、監視サーバ20と、監視端末30と、を有する。尚、監視システム1では、数万台のATM10を有するものとする。
【0016】
ATM10は、例えば、銀行、駅やコンビニ等の店舗等の配置拠点2に配置された紙幣等を入出金する監視対象のキャッシュディスペンサ等の金融取引装置である。ATM10は、Webタイプを採用し、データセンタ内のサーバ群に主な制御アプリケーションを搭載し、提携銀行ホストとの間で電文制御、画面遷移や各種取引を実現している。
【0017】
監視サーバ20は、複数のATM10と通信し、ATM10の状態を遠隔監視する情報処理装置である。監視サーバ20は、例えば、データセンタ3に配置されているものとする。監視端末30は、監視サーバ20と通信し、監視サーバ20の監視結果を画面表示する、オペレータ側の操作端末である。監視端末30は、例えば、監視センタ等の運用拠点4に配置されているものとする。尚、説明の便宜上、監視サーバ20及び監視端末30は1台として説明するが、これに限定されるものではなく、複数台であっても良い。
【0018】
図2は、ATM10の一例を示す説明図である。図2に示すATM10は、本体監視部10Aと、NW機器11と、警備機器12と、通信IF(Interface)13と、タッチパネル14と、メモリ15と、ATMメカ機構16と、機構制御部17と、プロセッサ18とを有する。本体監視部10Aは、ATM10の生死状態や紙幣詰まり等の状態を監視し、監視結果を示すメッセージを監視サーバ20に通知する。NW機器11は、ATM10と通信で接続するネットワークの状態を監視し、監視結果を示すメッセージを監視サーバ20に通知する機器である。警備機器12は、例えば、ATM10の保守扉の開閉等の保守警備に関する情報を監視し、監視結果を示すメッセージを監視サーバ20に通知する機器である。
【0019】
メッセージは、発生日時と、機器情報と、メッセージ内容とを含む情報である。発生日時は、メッセージに関わる事象が発生した日時である。機器情報は、メッセージを発信した機器を識別する情報である。機器を識別する情報には、ATM10を識別する識別情報、NW機器11を識別する識別情報や警備機器12を識別する識別情報を含む文字列である。メッセージ内容は、”NETWOR ERROR”や”ATM OPEN”等のフィルタ定義でメッセージ内容が判別可能なキーワード等の文字列である。
【0020】
通信IF13は、監視サーバ20やネットワークと通信で接続するインタフェースである。タッチパネル14は、各種情報を表示すると共に、各種コマンドを入力する入出力インタフェースである。メモリ15は、ATM10に関わる各種情報を記憶するメモリである。ATMメカ機構16は、ATM10内の入出金等に使用するメカ機構である。機構制御部17は、ATMメカ機構16を駆動制御する。プロセッサ18は、ATM10全体を制御する。
【0021】
図3は、監視サーバ20の一例を示す説明図である。図3に示す監視サーバ20は、通信IF21と、記憶部22と、プロセッサ23とを有する。通信IF21は、ATM10と通信で接続すると共に、監視端末30と通信で接続するインタフェースである。記憶部22は、監視サーバ20に関わる情報を記憶するメモリである。プロセッサ23は、監視サーバ20全体を制御する。
【0022】
記憶部22は、例えば、ATM10の再起動時間帯等の各種情報を事前に記憶している。更に、記憶部22は、動作定義メモリ221と、定義フィルタ222と、メッセージ管理テーブル223とを有する。動作定義メモリ221は、後述する判別処理に使用する動作定義を設定記憶するメモリである。定義フィルタ222は、ATM10からのメッセージ内のメッセージの重要度やキーワード等の定義を記憶するメモリである。メッセージ管理テーブル223は、ATM10からのメッセージに関わる情報を管理するテーブルである。
【0023】
図4は、動作定義メモリ221の一例を示す説明図である。図4に示す動作定義メモリ221は、ATM再起動日時と、監視時間と、機器故障台数と、検証間隔とを有する。ATM再起動日時は、顧客運用で事前に取り決めたATM10の再起動曜日及び再起動時間帯を含む再起動日時である。ATM再起動日時は、例えば、システムアップデート等でATM10を再起動する曜日及び時間帯等の再起動時間帯である。ATM再起動日時は、後述する図12に示す再起動時間帯確認処理に使用する情報である。
【0024】
監視時間は、後述する第1の確認時間帯や第2の確認時間帯を算出する、例えば、発生日時を起点に設定する所定時間である。監視時間は、後述する図10に示す保守中確認処理や図11に示す他機器状況確認処理に使用する所定時間である。発生日時から60分前までの時間帯を確認時間帯とした場合、監視時間は60分とする。
【0025】
機器故障台数は、後述する図6に示す判別処理に使用し、指定メッセージのATM10以外の他のATM10のNW機器11のエラー発生数を判断するのに使用する閾値、例えば、10台である。
【0026】
検証間隔は、ATM10からの受信メッセージを確認するタイミング間隔である。検証間隔は、図7に示すステップS27の待機処理に使用する、例えば、1分間である。尚、ATM再起動日時、監視時間、機器故障台数及び検証間隔は、適宜変更可能である。
【0027】
図5は、メッセージ管理テーブル223の一例を示す説明図である。図5に示すメッセージ管理テーブル223は、格納番号223Aと、発生日時223Bと、機器情報223Cと、メッセージ223Dと、読取フラグ223Eと、保守中フラグ223Fと、NW機器エラー数223Gと、再起動時間帯フラグ223Hとを有する。
【0028】
格納番号223Aは、メッセージに関わる情報を格納するテーブルの格納領域を識別する番号である。発生日時223Bは、メッセージ内のエラー発生日時を格納する領域である。機器情報223Cは、メッセージ内の機器情報を格納する領域である。メッセージ223Dは、メッセージ内のメッセージ内容を格納する領域である。
【0029】
読取フラグ223Eは、メッセージが確認済みであるか否かを識別するフラグを格納する領域である。読取フラグ223Eは、図7に示す判別処理で設定される。確認済みの場合、読取フラグ223Eは“1”、未確認の場合、読取フラグ223Eは“0”である。
【0030】
保守中フラグ223Fは、メッセージの発生日時が保守中であるか否かを識別するフラグを格納する領域である。保守中フラグ223Fは、図10に示す保守中確認処理で設定される。保守中の場合、保守中フラグ223Fは“1”、保守中でない場合、保守中フラグ223Fは“0”である。
【0031】
NW機器エラー数223Gは、指定メッセージを発信したATM10以外の他のATM10のNW機器11で発生したエラー数を格納する領域である。NW機器エラー数223Gは、図11に示す他機器状況確認処理で設定される。
【0032】
再起動時間帯フラグ223Hは、メッセージの発生日時が再起動時間帯内であるか否かを識別するフラグを格納する領域である。再起動時間帯フラグ223Hは、図11に示す再起動時間帯確認処理で設定される。再起動時間帯内(時間内)の場合、再起動時間帯フラグ223Hは“1”、再起動時間帯外(時間外)の場合、再起動時間帯フラグ223Hは“0”である。
【0033】
プロセッサ23は、機能として、取得部23Aと、特定部23Bと、判別部23Cとを有する。取得部23Aは、ATM10から収集されたメッセージから発生日時、機器情報及びメッセージ内容を取得する。特定部23Bは、メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他のATM10のNW機器11に関わるエラー発生の発生数であるNW機器エラー数を特定する。特定部23Bは、図11に示す他機器状況確認処理を用いてNW機器エラー数を特定することになる。判別部23Cは、指定メッセージの発生日時を含む時間帯におけるNW機器エラー数と、再起動時間帯とに基づき、指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する。メッセージには、本体監視部10A、NW機器11及び警備機器12からのメッセージのうち、監視端末30のオペレータに通知すべき、エラー発生の重要メッセージがある。更に、メッセージには、重要メッセージの他に、ATM10が保守作業中のためにオペレータへの新たな通知が不要なメッセージや、オペレータへの通知が不要な再起動に伴うメッセージがある。ATM10が保守作業中のためにオペレータへの新たなメッセージの通知を不要とする理由は、保守作業者がATM10の設置個所に赴いて保守作業中であるため、新たな通知は不要としている。
【0034】
判別部23Cは、NW機器エラー数が所定閾値を超え、かつ、指定メッセージの発生日時が再起動時間帯外の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージでないと判別する。判別部23Cは、NW機器エラー数が所定閾値を超え、かつ、指定メッセージの発生日時が再起動時間帯内の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージであると判別する。判別部23Cは、ATM10が保守中ではなく、NW機器エラー数が所定閾値を超え、かつ、指定メッセージの発生日時が再起動時間帯外の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージでないと判別する。
【0035】
特定部23Bは、指定メッセージの発生日時を特定し、特定された発生日時から所定時間前までの第2の確認時間帯を算出する。特定部23Bは、メッセージのうち、発生日時が第2の確認時間帯内の他のATM10のNW機器11のエラー発生に関わるキーワードを含むメッセージを検索する。更に、特定部23Bは、当該キーワードに関わるメッセージの数でNW機器エラー数を特定する。
【0036】
監視端末30は、監視サーバ20からメッセージを受信した場合、メッセージに対応する監視結果画面を表示する。その結果、監視端末30のオペレータは、監視結果画面を見て、エンジニア等に調査や解決を依頼することになる。
【0037】
図6及び図7は、判別処理に関わる監視サーバ20の処理動作の一例を示すフローチャートである。監視サーバ20内のプロセッサ23は、動作定義メモリ221に記憶中の動作定義を設定する(ステップS11)。プロセッサ23は、動作定義メモリ221内のATM再起動日時、監視時間、機器故障台数の閾値、検証間隔を設定する。プロセッサ23は、動作定義を設定した後、図8に示す登録処理を実行する(ステップS12)。
【0038】
プロセッサ23は、登録処理を実行した後、未指定の受信メッセージを指定する(ステップS13)。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223の読取フラグ223Eを参照して、指定の受信メッセージの読取フラグ223Eが確認済であるか否かを判定する(ステップS14)。尚、確認済の読取フラグ223Eは、“1”である。
【0039】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージの読取フラグ223Eが確認済でない場合(ステップS14:No)、未確認と判断し、未確認のメッセージについて、図9に示す通知対象確認処理を実行する(ステップS15)。プロセッサ23は、通知対象確認処理を実行した後、指定の受信メッセージが通知対象であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0040】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージが通知対象の場合(ステップS16:Yes)、指定の受信メッセージの機器を判別する(ステップS17)。プロセッサ23は、受信メッセージの機器情報を参照して指定のメッセージを発信した機器を判別することになる。プロセッサ23は、指定の受信メッセージが受信メッセージを発信したATM10内蔵のNW機器11のメッセージであるか否かを判定する(ステップS18)。
【0041】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージが受信メッセージを発信したATM10内蔵のNW機器11のメッセージである場合(ステップS18:Yes)、図10に示す保守中確認処理を実行する(ステップS19)。
【0042】
プロセッサ23は、保守中確認処理を実行した後、メッセージ管理テーブル223内の保守中フラグ223Fを参照して、受信メッセージの発生日時がATM10の保守中であるか否かを判定する(ステップS20)。プロセッサ23は、保守中フラグ223Fが”1”の場合、発生日時が保守中であると判断し、保守中フラグ223Fが“0”の場合、発生日時が保守中でないと判断する。プロセッサ23は、受信メッセージの発生日時がATM10の保守中でない場合(ステップS20:No)、図11に示す他機器状況確認処理を実行する(ステップS21)。
【0043】
プロセッサ23は、他機器状況確認処理を実行した後、メッセージ管理テーブル223内のNW機器エラー数223Gを参照し、NW機器エラー数が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS22)。尚、閾値は、動作定義メモリ221で設定された機器故障台数の閾値である。プロセッサ23は、NW機器エラー数が閾値以上である場合(ステップS22:Yes)、図12に示す再起動時間帯確認処理を実行する(ステップS23)。
【0044】
プロセッサ23は、再起動時間帯確認処理を実行した後、メッセージ管理テーブル223内の再起動時間帯フラグ223Hを参照し、指定の受信メッセージの発生日時が再起動時間帯内であるか否かを判定する(ステップS24)。プロセッサ23は、再起動時間帯フラグ223Hが”1”の場合、発生日時が再起動時間帯内であると判断し、再起動時間帯フラグ223Hが“0”の場合、発生日時が再起動時間帯外であると判断する。
【0045】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージの発生日時が再起動時間帯内の場合(ステップS24:Yes)、再起動時間帯の時間内と判断し、受信メッセージの確認を完了する(ステップS26)。つまり、プロセッサ23は、指定の受信メッセージを確認済とすべく、受信メッセージに対応したメッセージ管理テーブル223内の読取フラグ223Eを“1”に設定する。
【0046】
そして、プロセッサ23は、受信メッセージの確認を完了した後、待機処理を実行する(ステップS27)。待機処理は、動作定義メモリ221で設定する検証間隔で待機する処理である。プロセッサ23は、待機処理を実行した後、終了割込みがあるか否かを判定する(ステップS28)。
【0047】
プロセッサ23は、終了割込みがある場合(ステップS28:Yes)、図7に示す処理動作を終了する。また、プロセッサ23は、終了割込みがない場合(ステップS28:No)、未指定の受信メッセージがあるか否かを判定する(ステップS29)。
【0048】
プロセッサ23は、未指定の受信メッセージがある場合(ステップS29:Yes)、未指定の受信メッセージを指定すべく、図6に示すステップS13の処理に移行する。また、プロセッサ23は、未指定の受信メッセージがない場合(ステップS29:No)、ステップS12の登録処理に移行する。
【0049】
図6においてプロセッサ23は、指定の受信メッセージの読取フラグ223Eが確認済である場合(ステップS14:Yes)、受信メッセージの確認完了とすべく、ステップS26の処理に移行する。
【0050】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージが通知対象でない場合(ステップS16:No)、通知対象外と判断し、受信メッセージの確認を完了すべく、ステップS26の処理に移行する。通知対象外は、監視端末30に通知する必要のないメッセージ、例えば、ATM10が保守中のためにオペレータへの通知が不要なメッセージや、オペレータへの通知が不要な再起動に伴うメッセージである。
【0051】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージが受信メッセージを発信したATM10内蔵のNW機器11のメッセージでない場合(ステップS18:No)、指定の受信メッセージが受信メッセージを発信したATM10以外のNW機器11のメッセージと判断する。そして、プロセッサ23は、メッセージを監視端末30に通知する通知処理を実行する(ステップS25)。
【0052】
また、プロセッサ23は、受信メッセージの発生日時がATM10の保守中の場合(ステップS20:Yes)、受信メッセージの確認を完了すべく、ステップS26の処理に移行する。
【0053】
プロセッサ23は、NW機器エラー数が閾値以上でない場合(ステップS22:No)、受信メッセージを監視端末30に通知すべく、ステップS25の処理に移行する。
【0054】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージの発生日時が再起動時間帯内でない場合(ステップS24:No)、再起動時間帯の時間外と判断し、受信メッセージを監視端末30に通知すべく、ステップS25の処理に移行する。
【0055】
図8は、登録処理に関わる監視サーバ20の処理動作の一例を示すフローチャートである。図8において監視サーバ20のプロセッサ23は、受信メッセージを一時記憶する(ステップS31)。プロセッサ23は、一時記憶中の受信メッセージ内に新規の受信メッセージがあるか否かを判定する(ステップS32)。
【0056】
プロセッサ23は、新規の受信メッセージがある場合(ステップS32:Yes)、未指定の受信メッセージを指定する(ステップS33)。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223内に、指定の受信メッセージを格納する空き格納領域を識別する格納番号があるか否かを判定する(ステップS34)。
【0057】
プロセッサ23は、空き格納領域の格納番号がある場合(ステップS34:Yes)、空きの格納番号の内、指定の受信メッセージを格納する格納番号を決定する(ステップS35)。プロセッサ23は、指定の受信メッセージから発生日時を取得して当該メッセージ管理テーブル223内の発生日時223Bの格納領域に登録する(ステップS36)。プロセッサ23は、指定の受信メッセージから機器情報を取得して当該メッセージ管理テーブル223内の機器情報223Cの格納領域に登録する(ステップS37)。更に、プロセッサ23は、指定の受信メッセージのメッセージ内容を当該メッセージ管理テーブル223内のメッセージ223Dの格納領域に登録する(ステップS38)。更に、プロセッサ23は、指定の受信メッセージを未確認として当該メッセージ管理テーブル223の読取フラグ223Eの格納領域に登録し(ステップS39)、指定の受信メッセージのメッセージ管理テーブル223への登録動作が完了する。
【0058】
そして、プロセッサ23は、一時記憶中の受信メッセージのうち、未指定の受信メッセージがあるか否かを判定する(ステップS40)。プロセッサ23は、未指定の受信メッセージがある場合(ステップS40:Yes)、未指定の受信メッセージを指定すべく、ステップS33の処理に移行する。
【0059】
プロセッサ23は、未指定の受信メッセージがない場合(ステップS40:No)、検証間隔の待機処理を実行する(ステップS41)。プロセッサ23は、検証間隔の待機処理を実行した後、終了割込みがあるか否かを判定する(ステップS42)。
【0060】
プロセッサ23は、終了割込みがある場合(ステップS42:Yes)、図8に示す処理動作を終了する。また、プロセッサ23は、終了割込みがない場合(ステップS42:No)、受信メッセージを一時記憶すべく、ステップS31の処理に移行する。
【0061】
また、プロセッサ23は、新規の受信メッセージがない場合(ステップS32:No)、検証間隔の待機処理を実行するステップS41の処理に移行する。また、プロセッサ23は、空き格納領域の格納番号がない場合(ステップS34:No)、検証間隔の待機処理を実行するステップS41の処理に移行する。
【0062】
登録処理を実行するプロセッサ23は、新規の受信メッセージ毎に発生日時、機器情報、メッセージ及び読取フラグをメッセージ管理テーブル223内に定期的に順次登録できる。
【0063】
図9は、通知対象確認処理に関わる監視サーバ20の処理動作の一例を示すフローチャートである。図9において監視サーバ20内のプロセッサ23は、フィルタリング定義と指定の受信メッセージとを比較する(ステップS51)。フィルタリング定義は、定義フィルタ222に記憶中のフィルタリング定義であって、メッセージ内のエラー発生に関わるキーワードや重要度の文字列である。プロセッサ23は、指定の受信メッセージがフィルタリング定義に該当するか否かを判定する(ステップS52)。
【0064】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージがフィルタリング定義に該当する場合(ステップS52:Yes)、指定の受信メッセージが通知対象に設定し(ステップS53)、図9に示す処理動作を終了する。通知対象のメッセージは、監視サーバ20が監視端末30に通知すべきメッセージである。
【0065】
また、プロセッサ23は、指定の受信メッセージがフィルタリング定義に該当しない場合(ステップS52:No)、指定の受信メッセージが通知対象外に設定し(ステップS54)、図9に示す処理動作を終了する。通知対象外のメッセージは、監視端末30への通知不要のメッセージである。
【0066】
通知対象処理を実行するプロセッサ23は、メッセージ毎に、フィルタリング定義とメッセージとを比較し、フィルタリング定義に該当する場合に当該メッセージを通知対象とし、フィルタリング定義に該当しない場合に当該メッセージを通知対象外とする。その結果、監視サーバ20は、指定メッセージが通知対象のメッセージであるか否かを自動的に認識できる。
【0067】
図10は、保守中確認処理に関わる監視サーバ20の処理動作の一例を示すフローチャートである。図10において監視サーバ20内のプロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの保守中フラグ223Fを初期化する(ステップS61)。尚、保守中フラグ223Fの初期化は、例えば、“0”に設定する、プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223から指定の受信メッセージの発生日時を取得する(ステップS62)。プロセッサ23は、発生日時から第1の時間前までの第1の確認時間帯を算出する(ステップS63)。尚、第1の時間は、動作定義メモリ221内の監視時間である。
【0068】
プロセッサ23は、第1の確認時間帯内にATM10の保守時間帯があるか否かを判定する(ステップS64)。尚、保守時間帯は、保守作業時に登録しておくものとする。プロセッサ23は、第1の確認時間帯内にATM10の保守時間帯がある場合(ステップS64:Yes)、保守時間内と判断する。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223内のメッセージ223D及び機器情報223Cを参照して、指定の受信メッセージの内容から保守に関するキーワードを検索する(ステップS65)。尚、保守に関するキーワードは、例えば、警備機器12等の識別情報や保守扉開等を示す文字列である。
【0069】
プロセッサ23は、検索結果に基づき、保守に関するキーワードがあるか否かを判定する(ステップS66)。プロセッサ23は、保守に関するキーワードがある場合(ステップS66:Yes)、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの保守中フラグ223Fを保守中に設定し(ステップS67)、図10に示す処理動作を終了する。保守中の保守中フラグ223Fは、“1”である。
【0070】
プロセッサ23は、保守に関するキーワードがない場合(ステップS66:No)、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの保守中フラグ223Fを保守なしに設定し(ステップS68)、図10に示す処理動作を終了する。保守なしの保守中フラグ223Fは、“0”である。
【0071】
また、プロセッサ23は、第1の確認時間帯内にATM10の保守時間帯がない場合(ステップS64:No)、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの保守中フラグ223Fを保守なしに設定するステップS68の処理動作に移行する。
【0072】
プロセッサ23は、第1の確認時間帯内にATM10の保守時間帯がある場合、メッセージ管理テーブル223内のメッセージ223D及び機器情報223Cを参照して、指定の受信メッセージの内容から保守に関するキーワードを検索する。プロセッサ23は、保守に関するキーワードがある場合、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの保守中フラグ223Fを保守中に設定する。プロセッサ23は、保守に関するキーワードがない場合、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの保守中フラグ223Fを保守なしに設定する。その結果、監視サーバ20は、指定メッセージが保守作業に伴うメッセージであるか否かを認識できる。
【0073】
尚、ステップS64の保守時間帯は保守作業時に登録する場合を例示したが、保守に関するキーワードでメッセージを検索し、保守に関するキーワードを含むメッセージの発生日時を保守時間帯としても良く、適宜変更可能である。
【0074】
図11は、他機器状況確認処理に関わる監視サーバ20の処理動作の一例を示すフローチャートである。図11において監視サーバ20内のプロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223内のNW機器エラー数223Gを初期化する(ステップS71)。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223から指定の受信メッセージの発生日時を取得する(ステップS72)。プロセッサ23は、発生日時から第2の時間前までの第2の確認時間帯を算出する(ステップS73)。尚、第2の時間は、動作定義メモリ221内の監視時間である。
【0075】
プロセッサ23は、指定の受信メッセージを発信したATM10のNW機器11を自NW機器として登録する(ステップS74)。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223を参照して、第2の確認時間帯内に自NW機器11以外の他のNW機器11の発生日時の未指定のメッセージがあるか否かを判定する(ステップS75)。
【0076】
プロセッサ23は、第2の確認時間帯内に他のNW機器11の発生日時の未指定のメッセージがある場合(ステップS75:Yes)、未指定のメッセージを指定する(ステップS76)。プロセッサ23は、指定メッセージ内に他のNW機器11のエラーに関するキーワードを検索する(ステップS77)。
【0077】
プロセッサ23は、指定メッセージの他のNW機器11のエラーに関するキーワードがあるか否かを判定する(ステップS78)。プロセッサ23は、指定メッセージの他のNW機器11のエラーに関するキーワードがある場合(ステップS78:Yes)、NW機器エラー数を+1インクリメントする(ステップS79)。プロセッサ23は、NW機器エラー数を+1インクリメントした後、第2の確認時間帯内に他のNW機器11の発生日時の未指定のメッセージがあるか否かを判定するステップS75の処理に移行する。
【0078】
また、プロセッサ23は、第2の確認時間帯内に他のNW機器11の発生日時の未指定のメッセージがない場合(ステップS75:No)、図11に示す処理動作を終了する。また、プロセッサ23は、指定メッセージの他のNW機器11のエラーに関するキーワードがない場合(ステップS78:No)、第2の確認時間帯内に他のNW機器11の発生日時の未指定のメッセージがあるか否かを判定するステップS75の処理に移行する。
【0079】
他機器状況確認処理を実行するプロセッサ23は、第2の確認時間帯内に他のNW機器11の発生日時の未指定のメッセージがある場合、未指定のメッセージを指定する。プロセッサ23は、指定メッセージ内に他のNW機器11のエラーに関するキーワードがある場合、NW機器エラー数を+1インクリメントする。その結果、監視サーバ20は、指定メッセージの自NW機器11以外の他のNW機器11のNW機器エラー数をカウントできる。
【0080】
図12は、再起動時間帯確認処理に関わる監視サーバ20の処理動作の一例を示すフローチャートである。図12において監視サーバ20内のプロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの再起動時間帯フラグ223Hを初期化する(ステップS81)。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223から指定の受信メッセージの発生日時を取得する(ステップS82)。プロセッサ23は、発生日時が再起動時間帯内であるか否かを判定する(ステップS83)。
【0081】
プロセッサ23は、発生日時が再起動時間帯内である場合(ステップS83:Yes)、発生日時が時間内と判断する。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの再起動時間帯フラグ223Hを時間内として設定し(ステップS84)、図12に示す処理動作を終了する。尚、時間内の再起動時間帯フラグ223Hは、“1”を設定する。
【0082】
プロセッサ23は、発生日時が再起動時間帯内でない場合(ステップS83:No)、発生日時が時間外と判断する。プロセッサ23は、メッセージ管理テーブル223内の指定の受信メッセージの再起動時間帯フラグ223Hを時間外として設定し(ステップS85)、図12に示す処理動作を終了する。尚、時間外の再起動時間帯フラグ223Hは、“0”を設定する。
【0083】
再起動時間帯確認処理を実行するプロセッサ23は、指定メッセージの発生日時が再起動時間帯内であるか否かを判定し、発生日時が再起動時間帯内の場合、指定メッセージの再起動時間帯フラグ223Hを“1”に設定する。プロセッサ23は、発生日時が再起動時間帯外の場合、指定メッセージの再起動時間帯フラグ223Hを“0”に設定する。その結果、監視サーバ20は、指定メッセージが再起動を伴うメッセージであるか否かを認識できる。
【0084】
本実施例の監視サーバ20は、メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む第2の確認時間帯における他のNW機器11のNW機器エラー数を特定する。監視サーバ20は、NW機器エラー数と、再起動時間帯とに基づき、指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する。監視サーバ20は、NW機器エラー数が所定閾値を超え、かつ、指定メッセージの発生日時が再起動時間帯外の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージではなく、重要メッセージであると判別する。その結果、監視サーバ20は、収集されたメッセージから再起動に伴うメッセージを除外することで、監視端末30のオペレータでは、エラー発生の重要メッセージを特定できる。
【0085】
監視サーバ20は、NW機器エラー数が所定閾値を超え、かつ、指定メッセージの発生日時が再起動時間帯内の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージであると判別する。その結果、監視サーバ20は、再起動に伴う不要なメッセージを監視端末30に通知することがないため、監視端末30のオペレータでは、重要メッセージが再起動に伴うメッセージに埋もれるような事態を回避できる。
【0086】
監視サーバ20は、保守中ではなく、NW機器エラー数が所定閾値を超え、かつ、指定メッセージの発生日時が再起動時間帯外の場合に当該指定メッセージが再起動に伴うメッセージではなく、エラー発生の重要メッセージであると判別する。その結果、監視サーバ20は、収集されたメッセージから再起動及び保守作業に伴うメッセージを除外することで、監視端末30のオペレータでは、エラー発生の重要メッセージを特定できる。
【0087】
監視サーバ20は、指定メッセージの発生日時を特定し、特定された発生日時から第2の時間前までの第2の確認時間帯を算出する。監視サーバ20は、メッセージのうち、発生日時が第2の確認時間帯内の他のNW機器11のエラー発生に関わるキーワードを含むメッセージを検索する。監視サーバ20は、当該キーワードに関わるメッセージの数でNW機器エラー数を特定する。その結果、監視サーバ20は、NW機器エラー数を特定できる。
【0088】
また、NW機器11では、NW機器11自体のポートが物理的又は論理的に故障した場合にメッセージを監視サーバ20に通知している。また、NW機器11では、ATM10本体やNW機器11自体の保守作業を実行した場合でも、例えば、ATM10とNW機器11との間を接続するLANケーブル等が抜線されたことでメッセージを監視サーバ20に通知している。しかも、ATM10が再起動した場合でも、NW機器11は、NW機器11に接続されているポートに問題があるとの監視結果が生じるため、その監視結果を示すメッセージを監視サーバ20に通知している。
【0089】
そして、監視サーバ20では、複数のATM10が一斉に再起動を実行した場合、各ATM10から大量のメッセージを一斉に受信することになる。しかしながら、本実施例の監視サーバ20では、大量のメッセージから、再起動や保守作業に関わるメッセージを通知対象から除外するため、監視端末30のオペレータでは、例えば、実際に故障やアプリ障害等の重要なメッセージを判別できる。
【0090】
尚、説明の便宜上、監視サーバ20は、情報処理装置で実現する場合を例示したが、クラウドに設けても良く、適宜変更可能である。
【0091】
監視対象としてATM10を例示したが、監視対象はこれに限定されるものではなく、金融機関システムに使用する機器であればよく、適宜変更可能である。
【0092】
第1の確認時間帯を算出する第1の時間及び第2の確認時間帯を算出する第2の時間を同一の監視時間を設定する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、異なる時間を設定しても良い。
【0093】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0094】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【0095】
ところで、本実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムを情報処理装置で実行することで実現できる。そこで、以下では、上記実施例と同様の機能を有するプログラムを実行する情報処理装置の一例を説明する。図13は、判別プログラムを実行する情報処理装置の一例を示す説明図である。
【0096】
図13に示す判別プログラムを実行する情報処理装置100では、通信部101と、HDD(Hard Disk Drive)102と、ROM(Read Only Memory)103と、RAM(Random Access Memory)104と、を有する。更に、情報処理装置100は、CPU105と、バス106とを有する。
【0097】
情報処理装置100は、金融取引装置と通信で接続して前記金融取引装置を監視するコンピュータである。HDD102は、前記金融取引装置の再起動時間帯を事前に記憶している。
【0098】
そして、ROM103には、上記実施例と同様の機能を発揮する判別プログラムが予め記憶されている。尚、ROM103ではなく、図示せぬドライブで読取可能な記録媒体に判別プログラムが記録されていても良い。また、記録媒体としては、例えば、CD-ROM、DVD、USBメモリ、SDカード等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等でも良い。判別プログラムとしては、図13に示すように、取得プログラム103A、特定プログラム103B及び判別プログラム103Cである。尚、取得プログラム103A、特定プログラム103B及び判別プログラム103Cについては、適宜統合又は分散しても良い。
【0099】
そして、CPU105は、これらのプログラム103A、103B及び103CをROM103から読み出し、これら読み出された各プログラムをRAM104上に展開して実行する。そして、CPU105は、図13に示すように、各プログラム103A、103B及び103CをRAM104上で実行することで、取得プロセス104A、特定プロセス104B及び判別プロセス104Cとして機能する。
【0100】
CPU105は、金融取引装置から収集されたメッセージから金融取引装置の状態及び当該メッセージの発生日時を取得する。CPU105は、メッセージのうち、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数を特定する。CPU105は、指定メッセージの発生日時を含む時間帯における他の金融取引装置のエラー発生の発生数と、再起動時間帯とに基づき、指定メッセージが再起動に伴うメッセージであるか否かを判別する。その結果、収集されたメッセージから再起動に伴うメッセージを除外してエラー発生の重要メッセージを判別できる。
【符号の説明】
【0101】
1 監視システム
10 ATM
10A 本体監視部
11 NW機器
12 警備機器
20 監視サーバ
23 プロセッサ
23A 取得部
23B 特定部
23C 判別部
30 監視端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14