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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022506
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20250206BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20250206BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20250206BHJP
   F21V 7/22 20180101ALI20250206BHJP
   F21V 3/08 20180101ALI20250206BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20250206BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20250206BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20250206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250206BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V5/02 100
F21V5/02 300
F21V5/00 530
F21V7/22
F21V3/08
F21V3/00 530
F21V3/00 320
G02B5/02 C
G02F1/13357
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127155
(22)【出願日】2023-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 正雄
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA05
2H042BA14
2H042BA20
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB06
2H391AB34
2H391AC10
2H391AC13
2H391AC25
2H391CB13
2H391FA06
3K244AA01
3K244BA07
3K244BA23
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA13
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
3K244GA08
3K244GA11
3K244GB02
3K244GB03
3K244GB06
3K244GB13
3K244GC02
3K244GC06
3K244GC13
(57)【要約】
【課題】高輝度化を実現することができる面状照明装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の面状照明装置は、基板に配置された複数の光源と、前記光源の出射側に配置された第1光学シートと、前記第1光学シートの出射側に配置された第2光学シートと、前記第2光学シートの出射側に配置された第3光学シートとを備え、前記第1光学シートは、前記光源に近づく第1方向に突出した第1光学素子を複数有し、前記第2光学シートは、前記第1方向とは反対の第2方向に突出した第2光学素子を複数有し、前記第3光学シートは、前記第2方向に突出した第3光学素子を複数有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置された複数の光源と、
前記光源の出射側に配置された第1光学シートと、
前記第1光学シートの出射側に配置された第2光学シートと、
前記第2光学シートの出射側に配置された第3光学シートと、
を備え、
前記第1光学シートは、前記光源に近づく第1方向に突出した第1光学素子を複数有し、
前記第2光学シートは、前記第1方向とは反対の第2方向に突出した第2光学素子を複数有し、
前記第3光学シートは、前記第2方向に突出した第3光学素子を複数有する、
面状照明装置。
【請求項2】
前記第2光学素子は、前記第1方向に略直交する面内の第3方向に沿った直線状の稜線を有する三角プリズムであり、
前記第3光学素子は、前記第1方向に略直交する面内で前記第3方向に略直交する第4方向に沿った直線状の稜線を有する三角プリズムである、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記第1光学素子は、前記第4方向に沿った直線状の稜線を有する三角プリズムである、
請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記第1光学素子は、前記第3方向に沿って複数配置され、
前記第2光学素子は、前記第4方向に沿って複数配置され、
前記第3光学素子は、前記第3方向に沿って複数配置される、
請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記第1光学素子は、前記第4方向に略直交する断面形状が、前記第1光学素子の稜線を頂点とする二等辺三角形である、
請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記第1光学素子は、前記二等辺三角形の頂角が78~83度である、
請求項5に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記第1光学素子は、四角錐状プリズムである、
請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記第1光学素子は、前記第3方向に沿った第1底辺と、前記第4方向に沿った第2底辺とを含む底面を有する四角錐状プリズムである、
請求項7に記載の面状照明装置。
【請求項9】
前記第1光学素子は、前記第3方向及び前記第4方向に複数配置され、
前記第2光学素子は、前記第4方向に沿って複数配置され、
前記第3光学素子は、前記第3方向に沿って複数配置される、
請求項7に記載の面状照明装置。
【請求項10】
前記第1光学素子は、前記四角錐状プリズムを構成する4つの側面のうち、頂点を挟んで対向する2側面のなす角度が78~83度である、
請求項7に記載の面状照明装置。
【請求項11】
前記第1光学シートは、前記第2光学シートに垂直方向に入射する光より斜め方向に入射する光が多い輝度分布に配光する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項12】
第1光学シートは、入射した光の単峰性の輝度分布を二峰性の輝度分布に変換する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項13】
第1光学シートは、入射した光の単峰性の輝度分布を四峰性の輝度分布に変換する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項14】
基板に配置された複数の光源と、
前記光源の出射側に配置された第1光学シートと、
前記第1光学シートの出射側に配置された第2光学シートと、
前記第2光学シートの出射側に配置された第3光学シートと、
を備え、
前記第1光学シートは、前記光源から離れる第1方向に突出した四角錐状プリズムである第1光学素子を複数有し、
前記第2光学シートは、前記第1方向に突出した第2光学素子を複数有し、
前記第3光学シートは、前記第1方向に突出した第3光学素子を複数有する、
面状照明装置。
【請求項15】
前記第1光学素子は、前記第1方向に略直交する面内の第2方向に沿った第1底辺と、前記第1方向に略直交する面内で前記第2方向に略直交する第3方向に沿った第2底辺とを含む底面を有する四角錐状プリズムであり、
前記第2光学素子は、前記第2方向に沿った直線状の稜線を有する三角プリズムであり、
前記第3光学素子は、前記第3方向に沿った直線状の稜線を有する三角プリズムである、
請求項14に記載の面状照明装置。
【請求項16】
前記第1光学素子は、前記第2方向及び前記第3方向に複数配置され、
前記第2光学素子は、前記第3方向に沿って複数配置され、
前記第3光学素子は、前記第2方向に沿って複数配置される、
請求項15に記載の面状照明装置。
【請求項17】
前記第1光学素子は、前記四角錐状プリズムを構成する4つの側面のうち、頂点を挟んで対向する2側面のなす角度が144~157度である、
請求項14に記載の面状照明装置。
【請求項18】
第1光学シートは、入射した光の輝度分布の半値幅を狭めるように配光する、
請求項14に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ等のバックライトとして用いられる面状照明装置には、高輝度、高コントラスト、高輝度均一性、低消費電力、薄型、ローカルディミング対応といった性能・機能が要求される。これらの性能・機能を直下型のバックライトにて実現するため、各種の技術が提案されている。一例としては、輝度を向上させるため、出射方向に突出した三角プリズムを有する光学シート(輝度向上シート)が利用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-17428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特にバーチャルリアリティ(VR)用のバックライトとしては、例えば、液晶の高解像度化や接眼レンズの透過率低減により更なる高輝度化が求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高輝度化を実現することができる面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、基板に配置された複数の光源と、前記光源の出射側に配置された第1光学シートと、前記第1光学シートの出射側に配置された第2光学シートと、前記第2光学シートの出射側に配置された第3光学シートとを備え、前記第1光学シートは、前記光源に近づく第1方向に突出した第1光学素子を複数有し、前記第2光学シートは、前記第1方向とは反対の第2方向に突出した第2光学素子を複数有し、前記第3光学シートは、前記第2方向に突出した第3光学素子を複数有する。
【0007】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、高輝度化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る面状照明装置の正面図である。
図2図2は、実施形態に係る面状照明装置の図1におけるA-A断面図である。
図3図3は、実施形態に係る面状照明装置の図1におけるB-B断面図である。
図4図4は、面状照明装置の部分的な内部構造の斜視図である。
図5図5は、面状照明装置の図1におけるA-A断面図である。
図6図6は、面状照明装置の図1におけるB-B断面図である。
図7図7は、比較例に対する相対輝度の光学シミュレーション結果である。
図8A図8Aは、面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図8B図8Bは、面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図8C図8Cは、面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図9A図9Aは、面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図9B図9Bは、面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図9C図9Cは、面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る配光変換シートの作用を説明するための図である。
図11図11は、面状照明装置の図1におけるA-A断面図である。
図12図12は、面状照明装置の図1におけるB-B断面図である。
図13図13は、面状照明装置の部分的な内部構造の斜視図である。
図14A図14Aは、変形例1に係る面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図14B図14Bは、変形例1に係る面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図14C図14Cは、変形例1に係る面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図15図15は、面状照明装置の図1におけるA-A断面図である。
図16図16は、面状照明装置の図1におけるB-B断面図である。
図17A図17Aは、変形例2に係る面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図17B図17Bは、変形例2に係る面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図17C図17Cは、変形例2に係る面状照明装置における輝度分布を示す図である。
図18図18は、配光変換シートに四角錐状プリズムを用いた変形例の比較例に対する相対輝度の光学シミュレーション結果である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0010】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る面状照明装置10の正面図である。説明の便宜上、面状照明装置1の発光面がX-Y平面内に対応し、面状照明装置1の厚み方向がZ方向に対応する。
【0011】
図1において、面状照明装置10は、略長方形状の板状の外形を有しており、フレーム21の開口21aの内側に液晶パネル20を備える。なお、面状照明装置10の外形は図示のものに限られない。
【0012】
図2及び図3を用いて、面状照明装置10の断面構成について説明する。図2は、実施形態に係る面状照明装置10の図1におけるA-A断面図である。図3は、実施形態に係る面状照明装置10の図1におけるB-B断面図である。なお、以下では、図2及び図3におけるZ軸正方向を単に「上方向」又は「上向き」と記載し、図2及び図3におけるZ軸負方向を単に「下方向」又は「下向き」と記載する場合がある。
【0013】
図2及び図3において、面状照明装置10は、基板11、光源12、リフレクタ13、ダイクロイックシート14、波長変換シート15、拡散シート16、配光変換シート17、輝度向上シート18、輝度向上シート19、液晶パネル20、及びフレーム21を備える。なお、図2及び図3において、フレーム21は、断面ではなく、開口21a(図1)の端部が見える状態である。
【0014】
基板11は、例えば、放熱性に優れたアルミニウム等により形成される。基板11の上には、適宜に絶縁が施された上で、複数の光源12が格子状に2次元的に配置される。また、基板11の光源12が配置される出射側には、リフレクタ13が配置される。
【0015】
光源12は、例えば、青色光を発光するLED(Light Emitting Diode)である。個々の光源12は、個別に駆動が行われ、いわゆるローカルディミングに対応することができる。光源12の大きさは、例えば450μm×260μmであり、個々の光源12のピッチは、例えば1.5mm×1.2mmである。
【0016】
リフレクタ13は、複数の光源12の個々を囲む4つの反射面13aを有する。リフレクタ13の周縁は、反射面13aの高さよりも高い(厚い)枠状となっており、反射面13aの先端側には空間が設けられている。なお、反射面13aの先端側に空間を設けずに、後述するダイクロイックシート14に接するまで反射面13aが延在するように構成してもよい。リフレクタ13は、樹脂等により形成される。なお、リフレクタ13は、省略される場合もある。
【0017】
ダイクロイックシート14は、リフレクタ13の出射側に配置され、バンドパスフィルタ機能を有する光学シートである。例えば、ダイクロイックシート14は、光源12から発生した青色光を透過させ、後述する波長変換シート15からの黄色光(緑色光及び赤色光の混合光)を反射するフィルター機能を有する。
【0018】
波長変換シート15は、ダイクロイックシート14の出射側に配置され、光源12から出射した光(一次光)をより長波長の光(二次光)へ波長変換する光学シートである。例えば、波長変換シート15は、光源12からの青色光の一部を透過させるとともに、青色光の他の一部を吸収して黄色光(緑色光及び赤色光の混合光)を発光する。
【0019】
例えば、波長変換シート15は、透明性の高い樹脂(例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂)内に、量子ドット蛍光体が分散した状態で配合されたものである。量子ドット蛍光体は、本実施形態では、光源12からの青色光を吸収して励起し、約500nmから約570nmの波長領域内の緑色光を放出する緑色量子ドット蛍光体と、約600nmから約780nmの波長領域内の赤色光を放出する赤色量子ドット蛍光体とが所定の割合で配合されたものである。なお、波長変換材料は、所定の波長領域に含まれる一次光を異なる波長領域に含まれる二次光に波長変換可能な材料であれば、量子ドット蛍光体に限定されるものではない。例えば、他の波長変換材料としては、無機蛍光体、有機蛍光体等が適用可能である。
【0020】
拡散シート16は、波長変換シート15の出射側に配置され、波長変換シート15から出射した光を拡散させることにより、面内均一性を向上させる光学シートである。
【0021】
配光変換シート17は、拡散シート16の出射側に配置され、光源12に近づく方向(つまり、Z軸負方向)に突出した三角プリズムを複数有する光学シートである。例えば、配光変換シート17の三角プリズムは、Y軸方向に沿った直線状の稜線を有し、X軸方向に沿って複数配置される。この三角プリズムは、図2に示すX-Z平面(Y軸方向に略直交する面)における断面形状が、稜線を頂点とする二等辺三角形である。この二等辺三角形の頂角は、後述するように約80度が好適である。また、個々の三角プリズムのピッチは、例えば100μmである。なお、三角プリズムは、光学素子の一例である。
【0022】
輝度向上シート18は、配光変換シート17の出射側に配置され、光源12から離れる方向(つまり、Z軸方向)に突出した三角プリズムを複数有する光学シートである。例えば、輝度向上シート18の三角プリズムは、X軸方向に沿った直線状の稜線を有し、Y軸方向に沿って複数配置される。この三角プリズムは、図3に示すY-Z平面(X軸方向に略直交する面)における断面形状が、稜線を頂点とする二等辺三角形である。この二等辺三角形の頂角は、約90度である。また、個々の三角プリズムのピッチは、例えば25μmである。
【0023】
輝度向上シート19は、輝度向上シート18の出射側に配置され、光源12から離れる方向(つまり、Z軸方向)に突出した三角プリズムを複数有する光学シートである。例えば、輝度向上シート19の三角プリズムは、Y軸方向に沿った直線状の稜線を有し、X軸方向に沿って複数配置される。この三角プリズムは、図2に示すX-Z平面(Y軸方向に略直交する面)における断面形状が、稜線を頂点とする二等辺三角形である。この二等辺三角形の頂角は、約90度である。また、個々の三角プリズムのピッチは、例えば25μmである。すなわち、輝度向上シート19は、輝度向上シート18と同様の構成のプリズムシートを、プリズムの稜線の延びる方向が輝度向上シート18に対して直交するように配置したものである。
【0024】
なお、配光変換シート17、輝度向上シート18、及び輝度向上シート19に形成される複数の三角プリズムは、互いの三角プリズムの間に平坦(X-Y平面に平行)な部位が形成されないように連続的に配置される。
【0025】
液晶パネル20は、画像を表示する表示パネルである。液晶パネル20は、X-Y平面に沿って2次元的に配列された複数の液晶素子を有し、表示対象となる画像の模様に応じて各液晶素子を透過する光を制御することで、画像を表示させる。
【0026】
図4は、面状照明装置10の部分的な内部構造の斜視図である。図4において、拡散シート16、配光変換シート17、輝度向上シート18、及び輝度向上シート19は、順に積み重なる形で載置される。
【0027】
実施形態に係る配光変換シート17は、上向きの三角プリズムを有する輝度向上シート18及び輝度向上シート19とは異なり、下向きの三角プリズムを有する。また、配光変換シート17は、下向きの三角プリズムの稜線が、輝度向上シート19(一対の輝度向上シートのうち、出射側に配置される輝度向上シート)の三角プリズムの稜線と平行になるように配置される。この結果、実施形態に係る面状照明装置10は、高輝度化を実現することができる。
【0028】
ここで、実施形態に係る面状照明装置10の輝度向上効果を、比較例に係る面状照明装置30と対比して説明する。面状照明装置30の構成は、配光変換シート17に替えて拡散シート22が備えられる点を除き、面状照明装置10の構成と同様である。つまり、面状照明装置30の正面図は、図1に示した面状照明装置10の正面図と同様であるので、説明を省略する。
【0029】
図5及び図6を用いて、面状照明装置30の断面構成について説明する。図5は、面状照明装置30の図1におけるA-A断面図である。図6は、面状照明装置30の図1におけるB-B断面図である。なお、図5及び図6において、図2及び図3に示した構成と同様の構成については同一符号を付し、説明を省略するものとする。
【0030】
図5及び図6において、面状照明装置30は、基板11、光源12、リフレクタ13、ダイクロイックシート14、波長変換シート15、拡散シート16、拡散シート22、輝度向上シート18、輝度向上シート19、液晶パネル20、及びフレーム21を備える。ここで、拡散シート22の構成は、拡散シート16の構成と同様である。
【0031】
図7は、比較例に対する相対輝度の光学シミュレーション結果である。図7において、縦軸の「相対輝度」は、面状照明装置30のバックライト(BL)輝度に対する面状照明装置10のBL輝度の比率を示す。横軸の「頂角」は、配光変換シート17の三角プリズムの頂角の大きさを示す。「PC」は、配光変換シート17がポリカーボネート樹脂製である場合を示す。「PMMA」は、配光変換シート17がポリメタクリル酸メチル樹脂製である場合を示す。「上」は、配光変換シート17が上向きの三角プリズムを有する場合を示す。「下」は、配光変換シート17が下向きの三角プリズムを有する場合を示す。「0」は、配光変換シート17の三角プリズムの稜線及び輝度向上シート19の三角プリズムの稜線のX-Y平面における角度差が0度である場合を示す。「90」は、配光変換シート17の三角プリズムの稜線及び輝度向上シート19の三角プリズムの稜線のX-Y平面における角度差が90度である場合を示す。
【0032】
図7に示すように、「PMMA_下0」及び「PC_下0」の配光変換シート17の三角プリズムの頂角が78度~83度である場合に、良好な相対輝度の値が得られた。また、この頂角が約80度である場合に、特に良好な相対輝度の値が得られた。
【0033】
表1は、面状照明装置10及び面状照明装置30の輝度特性を実際に評価した評価結果である。
【0034】
【表1】
【0035】
表1において、BL輝度は、バックライトからの出射光の輝度(中心輝度)を表す。光学効率は、光源からの光がバックライトからの出射光としてどの程度効率よく利用されたかを示す。配光角度は、バックライトからの出射光の輝度分布の半値幅を示す。LCD輝度は、液晶パネルからの出射光の輝度を表す。
【0036】
表1の結果から、面状照明装置10は、面状照明装置30と比較して光学効率が上昇するとともに光源からの光を適切に集光できたことにより、BL輝度及びLCD輝度が上昇したことが示唆された。
【0037】
図8A図8B、及び図8Cは、面状照明装置30における(最大値を100とする相対)輝度分布を示す図である。図8Aは、面状照明装置30の拡散シート22から出射される光の輝度分布を示す図である。図8Bは、面状照明装置30の輝度向上シート18から出射される光の輝度分布を示す図である。図8Cは、面状照明装置30の輝度向上シート19から出射される光の輝度分布を示す図である。なお、輝度分布の円状グラフは、その中心が光源12の発光面の法線方向(仰角0度)で測定された輝度を示し、円状グラフの中心から離れるにしたがって、大きな仰角で測定された輝度を示している。なお、仰角の最小値は0度であり、仰角の最大値は90度である。円状グラフにおける0Lと180Lとを結ぶ方向はX軸方向に相当し、円状グラフにおける90Lと270Lとを結ぶ方向はY軸方向に相当し、円状グラフの法線方向はZ軸方向に相当する。
【0038】
図8Aにおいて、X軸方向及びY軸方向それぞれに均一に分散された単峰性の輝度分布が測定された。これは、拡散シート22が、拡散シート16からの光に対して等方的な拡散作用を付与したことを示す。
【0039】
図8Bにおいて、図8Aの輝度分布と比較して、Y軸方向に集光された単峰性の輝度分布が測定された。これは、X軸方向に沿った稜線を有する輝度向上シート18の三角プリズムが、拡散シート22からの光に対してY軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0040】
図8Cにおいて、図8Bの輝度分布と比較して、X軸方向に集光された単峰性の輝度分布が測定された。これは、Y軸方向に沿った稜線を有する輝度向上シート19の三角プリズムが、輝度向上シート18からの光に対してX軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0041】
図9A図9B、及び図9Cは、面状照明装置10における(最大値を100とする相対)輝度分布を示す図である。図9Aは、面状照明装置10の配光変換シート17から出射される光の輝度分布を示す図である。図9Bは、面状照明装置10の輝度向上シート18から出射される光の輝度分布を示す図である。図9Cは、面状照明装置10の輝度向上シート19から出射される光の輝度分布を示す図である。なお、輝度分布の円状グラフの描出方法は、図8A図8Cと同様である。
【0042】
図9Aにおいて、X軸方向に配光された二峰性の輝度分布が測定された。これは、配光変換シート17の、下向きでY軸方向に沿った稜線を有する三角プリズムが、拡散シート16からの単峰性の光に対して、X軸方向の配光作用を付与したことを示す。つまり、配光変換シート17は、入射した光の単峰性の輝度分布をX軸方向に対して二峰性の輝度分布に変換することを示す。
【0043】
図9Bにおいて、図9Aの輝度分布と比較して、Y軸方向に集光された二峰性の輝度分布が測定された。これは、輝度向上シート18の、上向きでX軸方向に沿った稜線を有する三角プリズムが、配光変換シート17からの光に対してY軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0044】
図9Cにおいて、図9Bの輝度分布と比較して、X軸方向に集光された単峰性の輝度分布が測定された。これは、輝度向上シート19の、上向きでY軸方向に沿った稜線を有する三角プリズムが、輝度向上シート18からの光に対してX軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0045】
ここで、図9Cの輝度分布は、図8Cの輝度分布と比較して半値幅が狭く、輝度ピークが高い(表1参照)。この結果から、面状照明装置10は、面状照明装置30と比較して光源からの光を適切に集光できたことにより、輝度が上昇したことが示唆された。
【0046】
図10は、実施形態に係る配光変換シート17の作用を説明するための図である。図10には、輝度向上シート18における光の屈折の様子を示す。なお、輝度向上シート19は、三角プリズムの配置方向が異なる点を除き、輝度向上シート18と同様であるので説明を省略する。
【0047】
図10に示すように、輝度向上シート18は、輝度向上シート18に上方向に入射する光を下方向に二重反射(再帰反射)させる一方で、斜め方向に入射する光を三角プリズムから屈折されて上方向に出射することにより、輝度を向上させることが知られている。実施形態に係る配光変換シート17は、輝度向上シート18に垂直方向(上方向)に入射する光より斜め方向に入射する光が多い輝度分布に配光する(あるいは、配光変換シート17は、垂直(上方向)に入射する光を、三角プリズムを構成する一対の傾斜面によって、一対の斜め方向に屈折させる)。これにより、実施形態に係る面状照明装置10は、輝度向上シート18によって下方向に二重反射される光より、屈折されて上方向に出射する光を増加させることで、輝度を向上させるものと考えられる。例えば、面状照明装置10は、VR用のバックライトの高輝度化を実現することができる。
【0048】
なお、実施形態に係る面状照明装置10は、VR用のバックライト以外にも、様々な用途のバックライトにも広く適用可能である。
【0049】
(変形例1)
上記の実施形態では、配光変換シート17が下方向に突出した三角プリズムを有する場合を説明したが、これに限定されるものではない。変形例1に係る面状照明装置40は、配光変換シート17に替えて、下方向に突出した四角錐状プリズムを有する配光変換シート23を備える。
【0050】
面状照明装置40の構成は、配光変換シート17に替えて配光変換シート23が備えられる点を除き、面状照明装置10の構成と同様である。つまり、面状照明装置40の正面図は、図1に示した面状照明装置10の正面図と同様であるので、説明を省略する。
【0051】
図11及び図12を用いて、面状照明装置40の断面構成について説明する。図11は、面状照明装置40の図1におけるA-A断面図である。図12は、面状照明装置40の図1におけるB-B断面図である。なお、図11及び図12において、図2及び図3に示した構成と同様の構成については同一符号を付し、説明を省略するものとする。
【0052】
図11及び図12において、面状照明装置40は、基板11、光源12、リフレクタ13、ダイクロイックシート14、波長変換シート15、拡散シート16、配光変換シート23、輝度向上シート18、輝度向上シート19、液晶パネル20、及びフレーム21を備える。
【0053】
配光変換シート23は、拡散シート16の出射側に配置され、光源12に近づく方向(つまり、Z軸負方向)に突出した四角錐状プリズムを複数有する光学シートである。例えば、配光変換シート23の四角錐状プリズムは、X軸方向に沿った底辺と、Y軸方向に沿った底辺とを含む底面を有する。この四角錐状プリズムは、X軸方向及びY軸方向に複数配置される。この四角錐状プリズムは、四角錐状プリズムを構成する4つの側面のうち、頂点を挟んで対向する2側面のなす角度が78度~83度であり、より好ましくは約80度である。配光変換シート23の四角錐状プリズムの好適な突出方向および角度については、根拠となるデータを用いて後述する。また、個々の四角錐状プリズムのピッチは、例えば100μm×100μmである。なお、四角錐状プリズムは、光学素子の一例である。
【0054】
図13は、面状照明装置40の部分的な内部構造の斜視図である。図13において、拡散シート16、配光変換シート23、輝度向上シート18、及び輝度向上シート19は、順に積み重なる形で載置される。すなわち、変形例1に係る配光変換シート23は、下向きの四角錐状プリズムを有する。この結果、変形例1に係る面状照明装置10は、高輝度化を実現することができる。
【0055】
図14A図14B、及び図14Cは、変形例1に係る面状照明装置40における(最大値を100とする相対)輝度分布を示す図である。図14Aは、面状照明装置40の配光変換シート23から出射される光の輝度分布を示す図である。図14Bは、面状照明装置40の輝度向上シート18から出射される光の輝度分布を示す図である。図14Cは、面状照明装置40の輝度向上シート19から出射される光の輝度分布を示す図である。なお、輝度分布の円状グラフの描出方法は、図8A図8Cと同様である。
【0056】
図14Aにおいて、X軸方向に配光された四峰性の輝度分布が測定された。これは、X軸方向及びY軸方向に沿って並ぶ配光変換シート23の四角錐状プリズムが、拡散シート16からの単峰性の光に対して、X軸方向及びY軸方向の配光作用を付与したことを示す。つまり、配光変換シート23は、入射した光の単峰性の輝度分布を四峰性(X軸方向およびY軸方向に対してそれぞれ二峰性)の輝度分布に変換することを示す。
【0057】
図14Bにおいて、図14Aの輝度分布と比較して、Y軸方向に集光された二峰性の輝度分布が測定された。これは、X軸方向に沿った稜線を有する輝度向上シート18の三角プリズムが、配光変換シート23からの光に対してY軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0058】
図14Cにおいて、図14Bの輝度分布と比較して、X軸方向に集光された単峰性の輝度分布が測定された。これは、Y軸方向に沿った稜線を有する輝度向上シート19の三角プリズムが、輝度向上シート18からの光に対してX軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0059】
ここで、図14Cの輝度分布は、図8Cの輝度分布と比較して半値幅が狭く、輝度ピークが高い。この結果から、面状照明装置40は、面状照明装置30と比較して光源からの光を適切に集光できたことにより、輝度が上昇したことが示唆された。なお、図14Cの輝度分布や図8Cの輝度分布の半値幅や輝度ピークに関する具体的なデータについては、後述する。
【0060】
(変形例2)
上記の変形例1では、配光変換シート23が下方向に突出した四角錐状プリズムを有する場合を説明したが、これに限定されるものではない。変形例2に係る面状照明装置50は、配光変換シート23に替えて、上方向に突出した四角錐状プリズムを有する配光変換シート24を備える。
【0061】
面状照明装置50の構成は、配光変換シート23に替えて配光変換シート24が備えられる点を除き、面状照明装置40の構成と同様である。つまり、面状照明装置50の正面図は、図1に示した面状照明装置10の正面図と同様であるので、説明を省略する。
【0062】
図15及び図16を用いて、面状照明装置50の断面構成について説明する。図15は、面状照明装置50の図1におけるA-A断面図である。図16は、面状照明装置50の図1におけるB-B断面図である。なお、図15及び図16において、図2及び図3に示した構成と同様の構成については同一符号を付し、説明を省略するものとする。
【0063】
図15及び図16において、面状照明装置50は、基板11、光源12、リフレクタ13、ダイクロイックシート14、波長変換シート15、拡散シート16、配光変換シート24、輝度向上シート18、輝度向上シート19、液晶パネル20、及びフレーム21を備える。
【0064】
配光変換シート24は、拡散シート16の出射側に配置され、光源12から離れる方向(つまり、Z軸方向)に突出した四角錐状プリズムを複数有する光学シートである。例えば、配光変換シート24の四角錐状プリズムは、X軸方向に沿った底辺と、Y軸方向に沿った底辺とを含む底面を有する。この四角錐状プリズムは、X軸方向及びY軸方向に複数配置される。この四角錐状プリズムは、四角錐状プリズムを構成する4つの側面のうち、頂点を挟んで対向する2側面のなす角度が144~157度であり、より好ましくは約147度である。配光変換シート24の四角錐状プリズムの好適な突出方向および角度については、根拠となるデータを用いて後述する。また、個々の四角錐状プリズムのピッチは、例えば100μm×100μmである。なお、四角錐状プリズムは、光学素子の一例である。
【0065】
すなわち、変形例2に係る面状照明装置50において、拡散シート16、配光変換シート24、輝度向上シート18、及び輝度向上シート19は、順に積み重なる形で載置される。変形例2に係る配光変換シート24は、上向きの四角錐状プリズムを有する。この結果、変形例2に係る面状照明装置50は、高輝度化を実現することができる。
【0066】
図17A図17B、及び図17Cは、変形例2に係る面状照明装置50における(最大値を100とする相対)輝度分布を示す図である。図17Aは、面状照明装置50の配光変換シート24から出射される光の輝度分布を示す図である。図17Bは、面状照明装置50の輝度向上シート18から出射される光の輝度分布を示す図である。図17Cは、面状照明装置50の輝度向上シート19から出射される光の輝度分布を示す図である。なお、輝度分布の円状グラフの描出方法は、図8A図8Cと同様である。
【0067】
図17Aにおいて、X軸方向及びY軸方向それぞれに集光された単峰性の輝度分布が測定された。これは、X軸方向及びY軸方向に沿って並ぶ配光変換シート24の四角錐状プリズムが、拡散シート16からの単峰性の光に対して、X軸方向及びY軸方向の集光作用を付与したことを示す。つまり、配光変換シート24は、輝度向上シート18へ入射する光の方向を垂直方向に近づけるように配光することを示す。また、配光変換シート24は、入射した光の輝度分布の半値幅を狭めるように配光することを示す。
【0068】
図17Bにおいて、図17Aの輝度分布と比較して、Y軸方向に集光された単峰性の輝度分布が測定された。これは、X軸方向に沿った稜線を有する輝度向上シート18の三角プリズムが、配光変換シート24からの光に対してY軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0069】
図17Cにおいて、図17Bの輝度分布と比較して、X軸方向に集光された単峰性の輝度分布が測定された。これは、Y軸方向に沿った稜線を有する輝度向上シート19の三角プリズムが、輝度向上シート18からの光に対してX軸方向における集光作用を付与したことを示す。
【0070】
ここで、図17Cの輝度分布は、図8Cの輝度分布と比較して半値幅が狭く、輝度ピークが高い。この結果から、変形例2に係る面状照明装置50は、面状照明装置30と比較して光源からの光を適切に集光できたことにより、輝度が上昇したことが示唆された。なお、図17Cの輝度分布や図8Cの輝度分布の半値幅や輝度ピークに関する具体的なデータについては、後述する。
【0071】
まず、図18を用いて、四角錐状プリズムの好適な突出方向および角度について説明する。図18は、配光変換シートに四角錐状プリズムを用いた変形例の比較例に対する相対輝度の光学シミュレーション結果である。図18において、縦軸の「相対輝度」は、比較例である面状照明装置30のバックライト(BL)輝度に対する、配光変換シートに四角錐状プリズムを用いた変形例の面状照明装置のBL輝度の比率を示す。横軸の「頂角」は、四角錐状プリズムを構成する4つの側面のうち、頂点を挟んで対向する2側面のなす角度を示す。「PC」は、配光変換シートがポリカーボネート樹脂製である場合を示す。「PMMA」は、配光変換シートがポリメタクリル酸メチル樹脂製である場合を示す。「上」は、配光変換シートが上向きの四角錐状プリズムを有する場合を示す。「下」は、配光変換シートが下向きの四角錐状プリズムを有する場合を示す。「0」は、配光変換シートの四角錐状プリズムの底面が、X軸方向に沿った底辺と、Y軸方向に沿った底辺とで形成される場合を示す。「45」は、配光変換シートの四角錐状プリズムの底面が、「0」である場合の底面をX-Y平面において45度回転させた配置となっている場合を示す。
【0072】
図18に示すように、「PMMA_下0」および「PC_下0」の配光変換シートの四角錐状プリズムを構成する4つの側面のうち、頂点を挟んで対向する2側面のなす角度が78度~83度である場合に、良好な相対輝度の値が得られた。また、この角度が約80度である場合に、特に良好な相対輝度の値が得られた。「PMMA_下0」または「PC_下0」で角度が約80度の四角錐状プリズムを有する配光変換シートが、上述した変形例1の面状照明装置40の配光変換シート23に対応する。
【0073】
また、図18に示すように、「PMMA_上0」、「PMMA_上45」、「PC_上0」、「PC_上45」の配光変換シートの四角錐状プリズムを構成する4つの側面のうち、頂点を挟んで対向する2側面のなす角度が144度~157度である場合に、良好な相対輝度の値が得られた。また、この角度が約147度である場合に、特に良好な相対輝度の値が得られた。すなわち、角度が144度~157度の上向きの四角錐状プリズムを有する配光変換シートでは、四角錐の回転角度が0度でも45度でも輝度の向上が確認できた。
【0074】
「PMMA_上0」または「PC_上0」で角度が約147度の四角錐状プリズムを有する配光変換シートが、上述した変形例2の面状照明装置50の配光変換シート24に対応する。ただし、「PMMA_上45」または「PC_上45」で角度が約147度の四角錐状プリズムを有する配光変換シートも、変形例2の面状照明装50の配光変換シート24として適用可能である。
【0075】
ここで、変形例2の配光変換シート24についてより詳細に説明すると、図18に示すように、PCよりPMMAの方が、若干、輝度改善効果が高い。PMMAでは、相対輝度が110%以上となる角度領域は144度~153度である。また、PCでは、相対輝度108%以上となる角度領域は147度~157度である。
【0076】
続いて、比較例に対する変形例1および変形例2の輝度分布の半値幅および輝度ピークについて、表2を用いて説明する。表2では、実施形態の輝度分布についても併せて示している。表2は、面状照明装置30(比較例)、面状照明装置10(実施形態)、面状照明装置40(変形例1)、面状照明装置50(変形例2)の輝度特性をシミュレーションにより評価した評価結果である。なお、実施形態については、表1は実測の結果であり、表2はシミュレーションの結果であるため、値が少し異なっている。
【0077】
【表2】
【0078】
表2において、相対輝度は、比較例のバックライトからの出射光の輝度(中心輝度)を100%とした場合の、実施形態、変形例1、変形例2それぞれのバックライトからの出射光の輝度(中心輝度)の相対値を示す。配光角度は、バックライトからの出射光の輝度分布の半値幅を示す。
【0079】
表2から、実施形態の輝度分布、変形例1の輝度分布、変形例2の輝度分布は、いずれも、比較例の輝度分布と比較して、半値幅が狭く、輝度ピークが高くなっていることがわかる。
【0080】
なお、上記の実施形態及び変形例において、「略直交」とは、寸分違わぬ角度で直交する状態に限定されるものではなく、各シートの機能を失わない範囲でずれた角度で交わる状態を包含する概念である。
【0081】
また、上記の実施形態及び変形例では拡散シートが設けられる場合を説明したが、要求される輝度特性を満たすのであれば、拡散シートが設けられない場合であってもよい。
【0082】
なお、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
10,30,40,50 面状照明装置、11 基板、12 光源、13 リフレクタ、14 ダイクロイックシート、15 波長変換シート、16,22 拡散シート、17,23,24 配光変換シート、18,19 輝度向上シート、20 液晶パネル、21 フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18