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特開2025-22580卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法
<図1>
  • 特開-卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法 図1
  • 特開-卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法 図2
  • 特開-卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法 図3
  • 特開-卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法 図4
  • 特開-卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法 図5
  • 特開-卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法 図6
  • 特開-卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022580
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 99/00 20090101AFI20250206BHJP
   G01N 33/08 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
B07C99/00
G01N33/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127286
(22)【出願日】2023-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(74)【代理人】
【識別番号】100231038
【弁理士】
【氏名又は名称】正村 智彦
(72)【発明者】
【氏名】才田 和輝
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079AC11
3F079CA29
3F079CA31
3F079CA41
3F079CB01
3F079CB12
3F079CB30
3F079CB34
3F079EA16
3F079EA19
(57)【要約】
【課題】処理部によって処理された卵の品質を向上させる。
【解決手段】卵Eを搬送する搬送部2と、搬送部2により搬送される卵Eを検査する検査部3と、検査部3の検査結果に基づいて、搬送部2により搬送される卵Eを処理する処理部4と、検査部3に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作の開始を不可とする制御装置5とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記卵を検査する検査部と、
前記検査部の検査結果に基づいて、前記搬送部により搬送される前記卵を処理する処理部と、
前記検査部に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作の開始を不可とする制御装置とを備える、卵処理装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記検査部に対する確認結果を受け付ける受付部と、
前記受付部により前記検査部の確認結果が受け付けられた場合に処理動作の開始を許可する動作許可部とを有する、請求項1に記載の卵処理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記受付部により受け付けた前記検査部の確認結果を格納する格納部と、
前記格納部に格納された前記検査部の確認結果を出力する出力部とをさらに備える、請求項2に記載の卵処理装置。
【請求項4】
卵を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記卵を検査する検査部と、前記検査部の検査結果に基づいて、前記搬送部により搬送される前記卵を処理する処理部とを備える卵処理装置の制御プログラムであって、
前記検査部に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作の開始を不可とする機能をコンピュータに備えさせる制御プログラム。
【請求項5】
卵を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記卵を検査する検査部と、前記検査部の検査結果に基づいて、前記搬送部により搬送される前記卵を処理する処理部とを備える卵処理装置の制御方法であって、
前記検査部に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作の開始を不可とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵処理装置、卵処理装置の制御プログラム、及び、卵処理装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPセンター(Grading and Packing Center)では、特許文献1に示すような選別装置を用いて卵を選別して容器に包装している。そして、この選別装置の稼働開始前に、例えば計量器の卵重チェック等のように各検査装置が正常に動作しているかを確認することが行われている。また、その確認作業を紙の帳票に記録している。多くのGPセンターでは、監査対応や検査品質の性能担保等のために上記の確認作業を毎日行うことがルール化されている。
【0003】
しかしながら、従来の選別装置では、各検査装置の確認作業がルール化されているとはいえ、それら確認作業を行うこと無く稼働することができてしまう。そのため、確認作業が行われること無く選別装置が稼働された場合には、生産された製品の品質が所定の基準を満たしていないものとなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-24641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、例えば卵を選別する選別部等の処理部によって処理された卵の品質を向上させることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係る卵処理装置は、卵を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記卵を検査する検査部と、前記検査部の検査結果に基づいて、前記搬送部により搬送される前記卵を処理する処理部と、前記検査部に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作の開始を不可とする制御装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
この卵処理装置であれば、卵選別装置や発育卵検査装置などの卵処理装置が備える検査部に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作を不可としているので、卵処理装置の確認作業を確実に行わせることができる。その結果、処理された卵の品質を向上することができる。
【0008】
制御装置が確認の完了を判断するためには、前記制御装置は、前記検査部に対する確認結果を受け付ける受付部と、前記受付部により前記検査部の確認結果が受け付けられた場合に処理動作の開始を許可する動作許可部とを有することが望ましい。
この構成であれば、作業者が確認結果を入力し、その入力を制御装置が受け付けなれければ、処理動作を開始できない。そのため、作業者に対して検査部の確認を行う動機付けを与えることができる。
【0009】
前記制御装置は、前記受付部により受け付けた前記検査部の確認結果を格納する格納部と、前記格納部に格納された前記検査部の確認結果を出力する出力部とをさらに備えることが望ましい。
この構成であれば、検査部の確認結果を格納し、出力することで、例えば自動的に帳票を作成することができる。その他、クラウドやサーバ、プリンタ、USBメモリ等に出力することで、各卵処理装置の確認結果を一元管理することもできる。
【0010】
また、本発明に係る卵処理装置の制御プログラムは、卵を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記卵を検査する検査部と、前記検査部の検査結果に基づいて、前記搬送部により搬送される前記卵を処理する処理部とを備える卵処理装置の制御プログラムであって、前記検査部に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作の開始を不可とする機能をコンピュータに備えさせることを特徴とする。
【0011】
なお、前記制御プログラムは、電子的に配信されるものであってもよいし、CD、DVD又はフラッシュメモリ等のプログラム記録媒体に記録されたものであってもよい。
【0012】
さらに、本発明に係る卵処理装置の制御方法は、卵を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記卵を検査する検査部と、前記検査部の検査結果に基づいて、前記搬送部により搬送される前記卵を処理する処理部とを備える卵処理装置の制御方法であって、前記検査部に対して所定の確認が完了していない状態では処理動作の開始を不可とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このように構成した本発明によれば、例えば卵を選別する選別部等の処理部によって処理された卵の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る卵処理装置の構成を模式的に示す平面図である。
図2】同実施形態の制御装置の機能ブロック図である。
図3】同実施形態のチェック入力画面(計量部用)の一例を示す図である。
図4】同実施形態のチェック入力画面(ひび卵検査部用)の一例を示す図である。
図5】同実施形態のチェック入力画面(汚卵検査部用)の一例を示す図である。
図6】同実施形態のチェック入力画面(異常卵検査部用)の一例を示す図である。
図7】同実施形態の選別装置の起動から選別動作終了までのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る卵処理装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0016】
<卵処理装置(選別装置)100の基本構成>
本実施形態の卵処理装置100は、図1に示すように、例えばGPセンターに設けられ、卵を選別して包装する選別装置である。
【0017】
この選別装置100は、図1に示すように、卵Eを搬送する搬送部2と、搬送部2により搬送される卵Eを検査する1又は複数の検査部3と、1又は複数の検査部3の検査結果に基づいて、搬送部2により搬送される卵Eを選別処理する処理部である選別部4と、搬送部2、検査部3及び選別部4等を制御して選別動作を行わせる制御装置5とを備えている。
【0018】
搬送部2は、複数の列状に卵Eを搬送する第1搬送部21と、当該第1搬送部21の下流端から卵Eを受け取り、1つの列状に卵Eを搬送する第2搬送部22とを有している。本実施形態では、第1搬送部21は、卵Eの長軸を水平にして6列で搬送するコンベヤにより構成されている。また、第2搬送部22は、卵Eの長軸を鉛直にして1列で搬送する、いわゆるバケットコンベヤにより構成されている。
【0019】
検査部3は、第1搬送部21に設けられた計量部3a、ひび卵検査部3b及び汚卵検査部3cと、第2搬送部22に設けられた異常卵検査部3dとを有している。なお、検査部3の種類は前述したものに限られず、種々のものを用いることができる。
【0020】
計量部3aは、第1搬送部21の下流端に設けられ、第1搬送部21によって搬送される卵Eの重量を計測するものである。第1搬送部21の下流端では、第2搬送部22への乗り移りが行われ、乗り移りの直前に計量部3aにおいて計量が行われる。具体的に計量部3aは、卵Eごとの重量を計測する装置であり、計測の結果得られた計量データは、卵Eのハンドリングに利用される制御データとして、搬送されている卵Eに同期させて制御装置5に入力される。
【0021】
ひび卵検査部3bは、第1搬送部21に設けられ、第1搬送部21によって搬送される卵Eにひびが入っているかを検出するものである。具体的にひび卵検査部3bは、第1搬送部21によって搬送されている卵Eを打診して卵殻のひびの有無を検査するものであり、検査の結果得られた振動データから、卵Eのハンドリングに利用される制御データ(例えば卵殻にひびなし/ひびあり等)を演算する演算部(図示せず)を有している。演算された制御データは、搬送されている卵Eに同期させて制御装置5に入力される。なお、ひび卵検査部3bからの制御データには、卵Eのハンドリングに利用される場合がある他の情報を含んでいてもよい。
【0022】
汚卵検査部3cは、第1搬送部21に設けられ、第1搬送部21によって搬送される卵Eに鶏糞等の異物が付着しているかを検出するものである。具体的に汚卵検査部3cは、第1搬送部21によって搬送されている卵Eに光を照射して、卵殻をカメラで撮像し、卵殻に付着した鶏糞などの汚れの有無を検査する装置であり、検査の結果得られた画像データから、卵Eのハンドリングに利用される制御データ(例えば卵殻表面に汚れなし/汚れあり等)を演算する演算部(図示せず)を有している。演算された制御データは、搬送されている卵Eに同期させて制御装置5に入力される。
【0023】
異常卵検査部3dは、第2搬送部22に設けられ、第2搬送部22によって搬送される卵Eの内部の異常を検出するものである。具体的に異常卵検査部3dは、卵Eに光を照射し、内部を透過した光から、卵内部の異常を検査する装置であり、検査の結果得られた卵Eの分光データから、卵Eのハンドリングに利用される制御データ(例えば卵内部に異常なし/異常あり等)を演算する演算部(図示せず)を有している。演算された制御データは、搬送されている卵Eに同期させて制御装置5に入力される。
【0024】
選別部4は、第2搬送部22において異常卵検査部3dよりも下流側に設けられて、卵Eをサイズ別に選別して容器Pに分配するものである。
【0025】
制御装置5は、図2に示すように、各搬送部21、22、各検査部3a~3d及び選別部4を制御して選別動作を行う選別モードと、選別動作前である選別装置100の稼働前に各検査部3a~3dのチェックを行うチェックモードとを有する。
【0026】
なお、制御装置5は、CPU、メモリ、入出力インターフェイス、AD変換器、ディスプレイ等の表示装置などを有するコンピュータにより構成されている。この制御装置5は、メモリに格納された制御プログラムに基づいて、選別モードとチェックモードとを実行する。なお、制御装置5は、物理的に一体のコンピュータにより構成されたものであっても良いし、それぞれ物理的に別体をなすコンピュータにより構成されたものであっても良い。
【0027】
そして、制御装置5は、選別モードを実行する選別モード制御部50を有しており、各搬送部21、22及び各検査部3a~3dを制御するとともに、各検査部3a~3dから得られる制御データに基づいて選別部4を制御し、卵Eをサイズ別に選別して容器Pに分配する。
【0028】
一方、制御装置5は、チェックモードを実行するチェックモード制御部51を有しており、ディスプレイに図3図6に示すチェック入力画面W1を表示する。このチェック入力画面W1には、各検査部3a~3dにおいて行われるチェック項目及びそのチェック項目を確認したことを示す確認ボタンが表示される。
【0029】
そして、制御装置5のチェックモード制御部51は、チェック入力画面W1に入力された各検査部3a~3dに対する確認結果を受け付ける受付部51aと、受付部51aにより各検査部3a~3dの確認結果が受け付けられた場合に選別動作の開始を許可する動作許可部と51bを有している。
【0030】
つまり、チェックモード制御部51は、各検査部3a~3dに対して所定の確認が完了していない状態では選別動作の開始を不可とし、選別モードに移行できないようにする。なお、ここで選別動作の開始を不可とすることには、搬送部2が動作しないこと、各検査部3a~3dが動作しないこと、又は、選別部4が動作しないこと等を含む。
【0031】
ここで、図3図6を参照して、チェック入力画面W1の表示及び各検査部3a~3dにおけるチェック項目の例を説明する。
【0032】
チェック入力画面W1は、例えば左上に表示されるタブ等によって、各検査部毎に表示を切り替えることができる。なお、図3図6では、計量部チェック用の表示に切り替える「計量」、ひび卵検査部チェック用の表示に切り替える「びび」、汚卵検査部チェック用の表示に切り替える「汚卵」、異常卵検査部チェック用の表示に切り替える「異常卵」を表示した例を示している。
【0033】
計量部チェック用の表示を図3に示している。計量部のチェック項目は、「0gチェック(ゼロ点の指示値)」、「50gチェック(50gの錘を計量した際の指示値)」、「100gチェック(100gの錘を計量した際の指示値)」である。この表示には、各列の計量部3aのチェック結果(指示値)を表示する表示欄がある。そして、各列の計量部3aに対してすべてのチェックが終了した後に、確認ボタンを押すと、計量部3aの確認結果が受付部51aに送信される。
【0034】
また、この表示には、作業者が次に行うべきチェック内容(例えば、「No.2計量器に50g分銅をおいてください。」)を表示することができる。なお、指示値が所定値を上回っている又は下回っている場合には、作業者が処置を行うことが考えられる。本実施形態では、この処置の内容(例えば、「No.2計量器ゼロ・スパン補正実施」等)を「処置」欄に入力することができる。
【0035】
ひび卵検査部チェック用の表示を図4に示している。テストモードをONにする「ONボタン」を押すと、ひび卵検査部3bは、テストモードとなる。この状態で、ひび卵検査部3bのチェックを行う。ひび卵検査部3bのチェック項目は、ひびが検出できたか否かの判定チェックである。例えば、「ひびLv3(ひびが少さい模擬卵で判定チェック)」、「ひびLv5(ひびが中くらいの模擬卵で判定チェック)」、「ひびLv7(ひびが大きい模擬卵で判定チェック)」である。また、ひび卵検査部3bのチェック項目には、目視確認も含まれており、例えば、マイクフィルタ汚損、ハンマー摩耗、ハンマー叩きタイミング、制御装置5への判定結果出力等が挙げられる。そして、各判定チェックにおいてひびが検出できた場合及び目視確認ができた場合に、確認ボタン(OKボタン)を押すと、ひび卵検査部3bの確認結果が受付部51aに送信される。
【0036】
汚卵検査部チェック用の表示を図5に示している。テストモードをONにする「ONボタン」を押すと、汚卵検査部3cは、テストモードとなる。この状態で、汚卵検査部3cのチェックを行う。汚卵検査部3cのチェック項目は、カメラチェック(例えば、「ホワイトバランスチェック」、「光量チェック」、「ピントチェック」等)、及び、汚れが検出できたか否かの判定チェックである。例えば、「黄汚れLv5(黄色の汚れがある模擬卵で判定チェック)」、「黒汚れLv5(黒色の汚れがある模擬卵で判定チェック)」、「白汚れLv5(白色の汚れがある模擬卵で判定チェック)」である。また、汚卵検査部3cのチェック項目には、目視確認も含まれており、例えば、カメラ異物付着なし、カメラ結露なし、制御装置5への判定結果出力等が挙げられる。そして、各判定チェックにおいて汚れが検出できた場合及び目視確認ができた場合に、確認ボタン(OKボタン)を押すと、汚卵検査部3cの確認結果が受付部51aに送信される。
【0037】
異常卵検査部チェック用の表示を図6に示している。テストモードをONにする「ONボタン」を押すと、異常卵検査部3dは、テストモードとなる。この状態で、異常卵検査部3dのチェックを行う。異常卵検査部3dのチェック項目は、光量チェック、及び、異常卵が検出できたか否かの判定チェックである。例えば、「みだれ(みだれ卵を模擬した模擬卵で判定チェック)」、「血玉(血卵を模擬した模擬卵で判定チェック)」、「無黄卵(無黄卵を模擬した模擬卵で判定チェック)」、「腐敗卵(腐敗卵を模擬した模擬卵で判定チェック)」である。また、異常卵検査部3dのチェック項目には、目視確認も含まれており、例えば、ヘッド部が正しくセットされているか、制御装置5への判定結果出力等が挙げられる。そして、各判定チェックにおいて異常卵が検出できた場合及び目視確認ができた場合に、確認ボタン(OKボタン)を押すと、異常卵検査部3dの確認結果が受付部51aに送信される。
【0038】
そして、動作許可部51bは、受付部51aにより各検査部3a~3dの確認結果が得られた場合に、処理動作(選別動作)の開始を許可する。ここで、選別装置100に設けられた全ての検査部3a~3dの確認結果を受け付けた場合に、選別動作の開始を許可するものであっても良いし、それらの一部の検査部3a~3dに対する確認結果を受け付けた場合に、選別動作の開始を許可するものであっても良い。
【0039】
さらに、制御装置5は、図2に示すように、受付部51aにより受け付けた各検査部3a~3dの確認結果を格納する格納部51cと、格納部51cに格納された各検査部3a~3dの確認結果を出力する出力部51dとをさらに備えていても良い。
【0040】
格納部51cは、受付部51aにより受け付けた各検査部3a~3dの確認結果を格納するものである。格納部51cには、各検査部3a~3dの確認結果に加えて、確認入力をした日時、確認者情報なども確認結果に紐付けて格納する。
【0041】
出力部51dは、例えばクラウドやサーバ、プリンタ、USBメモリ等に、格納部51cに格納された各検査部3a~3dの確認結果などを出力するものである。ここで、出力部51dは、作業者等からの出力要求を受け付けた場合に出力する構成であっても良いし、作業者等の出力要求に関わらず、所定のタイミングで自動的に出力する構成であっても良い。
【0042】
<選別装置のチェック作業>
図7に示すように、選別装置100を起動すると、制御装置5はチェックモードになり、ディスプレイ上にチェック入力画面W1を表示する(S1)。作業者は、チェック入力画面W1に表示されたチェック項目にしたがって各検査部3a~3dをチェックし、確認ボタンを押す。確認ボタンが押されると対応するチェック項目の確認結果が受付部51aに送信されて受け付けられる。
【0043】
そして、チェック入力画面W1に表示されたチェック項目全てに対して確認ボタンが押されると(S2)、動作許可部51bが、処理動作(選別動作)の開始を許可する(S3)。これにより、制御装置5は、選別モードに切り替わり、作業者等により入力される選別開始指令に基づいて、搬送部2、検査部3a~3d及び選別部4等を制御して選別動作を行う(S4)。その後、制御装置5は、作業者等により入力される選別終了指令に基づいて選別動作を終了する。
【0044】
<本実施形態の効果>
本実施形態の選別装置100によれば、各検査部3a~3dに対して所定の確認が完了していない状態では選別動作を不可としているので、選別された卵の品質を向上することができる。
【0045】
また、本実施形態では、各検査部3a~3dの確認結果を格納部51cに格納し、格納された各検査部3a~3dの確認結果を出力することができるので、例えば自動的に帳票を作成することができる。その他、クラウドやサーバ、プリンタ、USBメモリ等に出力することで、各卵処理装置の確認結果を一元管理することもできる。
【0046】
<本発明の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0047】
例えば、前記実施形態では、卵処理装置の例として選別装置を説明したが、例えば発育卵検査装置等のその他の卵処理装置であっても良い。
【0048】
また、チェック入力画面W1に表示する各検査部3a~3dのチェック項目は、任意に設定することができる。また、チェックタイミングは、各検査部3a~3dにおいて予め設定されている。例えば、計量部3aは毎日チェックする、ひび卵検査部3bや汚卵検査部3c等は、1週間に1回チェックする等である。各検査部3a~3dが異なる場合、チェック入力画面W1には、チェックタイミングにある検査部のチェック項目が表示される。
【0049】
さらに、チェック入力画面W1に表示する各検査部3a~3dのチェック項目は、卵処理装置100と通信可能に接続された上位管理装置等のサーバにより動的に設定変更できるように構成しても良い。この場合、サーバは、例えば日毎、週毎又は月毎等の所定期間毎に卵処理装置100の制御装置5に変更されたチェック項目を送信する。この変更されたチェック項目を受信した制御装置5は、当該変更されたチェック項目に基づいて、チェック入力画面W1の表示又は各検査部3a~3dにおけるチェック項目を更新する。
【0050】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
100・・・卵処理装置(卵選別装置)
E ・・・卵
2 ・・・搬送部
3a ・・・計量部
3b ・・・ひび卵検査部
3c ・・・汚卵検査部
3d ・・・異常卵検査部
4 ・・・処理部(選別部)
5 ・・・制御装置
51a・・・受付部
51b・・・動作許可部
51c・・・格納部
51d・・・出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7