(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022593
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】マルチコアファイバの光接続器
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20250206BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20250206BHJP
G02B 6/02 20060101ALN20250206BHJP
【FI】
G02B6/26 301
G02B6/32
G02B6/02 461
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127312
(22)【出願日】2023-08-03
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人情報通信研究機構、「Beyond 5G超大容量無線通信を支える空間多重光ネットワーク・ノード技術の研究開発研究開発項目2 SDM光ネットワークシステム技術 副題:経済性と転送性能に優れた空間多重光ネットワークの研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相馬 大樹
(72)【発明者】
【氏名】若山 雄太
(72)【発明者】
【氏名】別府 翔平
【テーマコード(参考)】
2H137
2H250
【Fターム(参考)】
2H137AB01
2H137BA18
2H137BC05
2H137BC12
2H137BC51
2H250AC64
2H250AC83
2H250AC94
2H250AC95
(57)【要約】
【課題】マルチコア光ファイバの同じ種別の端面同士の接続数が奇数となった場合に生じる光送信機と光受信機との誤接続を解消させる光接続器を提供する。
【解決手段】光接続器は、第1面と、前記第1面に入力された複数の光信号が出力される第2面と、前記複数の光信号の伝搬方向に向いて見たとき、前記第2面から出力される前記複数の光信号が、前記第1面に入力された前記複数の光信号に対して鏡面対象の関係になる様に前記複数の光信号の前記第2面からの出力位置を調整する調整手段と、を備えている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、
前記第1面に入力された複数の光信号が出力される第2面と、
前記複数の光信号の伝搬方向に向いて見たとき、前記第2面から出力される前記複数の光信号が、前記第1面に入力された前記複数の光信号に対して鏡面対象の関係になる様に前記複数の光信号の前記第2面からの出力位置を調整する調整手段と、
を備えている光接続器。
【請求項2】
前記調整手段は、前記第1面に入力された前記複数の光信号を反射する反射手段を有する、請求項1に記載の光接続器。
【請求項3】
前記反射手段は、前記第1面に入力された前記複数の光信号を90度だけ偏向する、請求項2に記載の光接続器。
【請求項4】
前記調整手段は、2つのシリンドリカルレンズを有する、請求項1に記載の光接続器。
【請求項5】
前記2つのシリンドリカルレンズそれぞれの平面側が互いに対向して配置される、請求項4に記載の光接続器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチコアファイバの光接続器に関する。
【背景技術】
【0002】
伝送容量を拡大するために、マルチコア光ファイバ(MCF)を用いた光通信システム(以下、MCF光通信システム)が注目されている。MCFは、複数のコアを有する光ファイバであり、複数のコアは、例えば、MCFの中心から等距離の位置に等間隔で配置される。MCFの各コアにはコア番号が割り当てられ、コア番号は、MCFに設けたマーカに基づき特定される。
【0003】
2つのMCFを接続する場合、同じコア番号同士が接続される様に2つのMCFの相対的な回転位相を調整した後に融着処理が行われる。しかしながら、作業ミス等により2つのMCFの相対的な回転位相がズレた状態で2つのMCFが接続され得る。特許文献1は、この様な場合に回転位相のズレを補正するための光接続器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1(A)は、4コアのMCF50の側面図であり、
図1(A)の左右方向は、MCF50の長手方向に対応する。MCF50は、A端面とB端面の2つの種別の端面を有する。
図1(B)はA端面に向かってMCF50を見た状態を示し、
図1(C)はB端面に向かってMCF50を見た状態を示している。
図1(B)及び
図1(C)に示す様に、MCF50にはマーカ53が設けられ、マーカ53に最も近いコアのコア番号が#1である。A端面において、コア番号は時計回り方向に増加する。一方、B端面において、コア番号は反時計回り方向に増加する。以下の説明において、コア番号が#n(本例において、nは1~4までの整数)のコアをコア#nと表記する。A端面とB端面は、マーカ53と、マーカ53に最も近い基準コアとの位置関係により判定される。つまり、マーカ53が、基準コアと、基準コアと時計回り方向において隣接するコアとの間にある端面はA端面であり、マーカ53が、基準コアと、基準コアと反時計回り方向において隣接するコアとの間にある端面はB端面である。
【0006】
図2は、MCF50を用いたMCF光通信システムの例を示している。光送信機(TX)#n(nは1~4までの整数)が送信する光信号#nをMCF50のコア#nに入力するために、ファンイン・ファンアウト(FIFO)と呼ばれる光デバイスが使用される。同様に、MCF50のコア#nからの光信号#nを光受信機(RX)#nに入力するためにFIFOが使用される。送信側で使用されるFIFO#1のMCF50と接続する側の端面はB端面であり、受信側で使用されるFIFO#2のMCF50と接続する側の端面はA端面である。
図2に示す様に、MCF光通信システムにおける光伝送路は、一般的に、複数のMCF50(
図2では3つ)を直列に接続することで構成される。
図2によると、MCF50-1のB端面とMCF50-2のA端面が接続され、MCF50-2のB端面とMCF50-3のA端面が接続されている。そして、MCF50-1のA端面がB端面を有するFIFO#1に接続され、MCF50-3のB端面がA端面を有するFIFO#2に接続されている。
図2の様に接続することで、TX#nが送信した光信号#nは、各MCF50-1~50-3のコア#nを介してRX#nに届くことになる。
【0007】
ここで、通信局舎間においてMCF50は単独で敷設されるのではなく、複数のMCF50を収容する光ケーブルの形態で敷設される。
図3は、光ケーブル70に収容されている複数のMCF50を示している。なお、
図3においては、網掛の長方形がMCF50である。
図3に示す様に、一般的に、光ケーブル70の端面において、当該光ケーブルに収容されている複数のMCF50の端面の種別は同じではなく、A端面とB端面が混在する。これは、異なる光ケーブルに収容されている2つのMCF50を接続する際、A端面とA端面や、B端面とB端面といった、同じ種別の端面同士を接続しなければならないといった状況が生じることを意味する。
【0008】
図4は、
図2と同様の図であるが、MCF50-1のB端面がMCF50-2のB端面と接続され、MCF50-2のA端面がMCF50-3のB端面と接続され、受信側にはA端面を有するFIFO#2ではなく、B端面を有するFIFO#1が使用され、MCF50-3のA端面と接続されている点で
図2と相違する。なお、MCF50-1のB端面とMCF50-2のB端面との接続箇所においては、MCF50-1のコア#1とMCF50-2のコア#1が接続されているものとする。したがって、MCF50-1のコア#2とMCF50-2のコア#4が接続され、MCF50-1のコア#3とMCF50-2のコア#3が接続され、MCF50-1のコア#4とMCF50-2のコア#2が接続されている。よって、TX#1が送信した光信号#1はRX#1に届き、TX#3が送信した光信号#3はRX#3に届くが、TX#2が送信した光信号#2はRX#2ではなくRX#4に届き、TX#4が送信した光信号#4はRX#4ではなくRX#2に届くことになる。
【0009】
図5は、
図2と同様の図であるが、MCF50-1のB端面がMCF50-2のB端面と接続され、MCF50-2のA端面がMCF50-3のA端面と接続されている点で
図2と相違する。なお、MCF50-1のB端面とMCF50-2のB端面との接続箇所においては、MCF50-1のコア#1とMCF50-2のコア#1が接続され、MCF50-2のA端面とMCF50-3のA端面との接続箇所においては、MCF50-2のコア#1とMCF50-3のコア#1が接続されているものとする。したがって、MCF50-1のコア#2とMCF50-2のコア#4が接続され、MCF50-2のコア#4とMCF50-3のコア#2が接続される。また、MCF50-1のコア#3とMCF50-2のコア#3が接続され、MCF50-2のコア#3とMCF50-3のコア#3が接続される。さらに、MCF50-1のコア#4とMCF50-2のコア#2が接続され、MCF50-2のコア#2とMCF50-3のコア#4が接続される。したがって、TX#nが送信した光信号#nはRX#nに届くことになる。
【0010】
図4及び
図5の説明から明らかな様に、A端面とA端面との接続や、B端面とB端面との接続といった、同じ種別の端面同士の接続箇所の数が偶数又は0の場合、TX#nが送信した光信号#nはRX#nに届くことになる。なお、
図5では、MCF50-1のB端面とMCF50-2のB端面との接続箇所においては、MCF50-1のコア#1とMCF50-2のコア#1が接続され、MCF50-2のA端面とMCF50-3のA端面との接続箇所においては、MCF50-2のコア#1とMCF50-3のコア#1が接続されているものとしたが、相対的な回転位相のズレにより、その様な接続にならない場合も生じ得る。しかしながら、その様な場合には、例えば、特許文献1が開示する光接続器により誤接続を解消させることができる。
【0011】
一方、同じ種別の端面同士の接続箇所の数が奇数の場合、一部のTXが送信した光信号は、目的とするRXに届かないことになる。つまり、同じ種別の端面同士の接続箇所の数が奇数の場合、MCF光通信システムを使用する光送信機と光受信機との誤接続が生じる。この様な誤接続は、特許文献1が開示する光接続器によっても解消させることができない。
【0012】
本開示は、MCFの同じ種別の端面同士の接続数が奇数となった場合に生じる光送信機と光受信機との誤接続を解消させる光接続器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一態様によると、光接続器は、第1面と、前記第1面に入力された複数の光信号が出力される第2面と、前記複数の光信号の伝搬方向に向いて見たとき、前記第2面から出力される前記複数の光信号が、前記第1面に入力された前記複数の光信号に対して鏡面対象の関係になる様に前記複数の光信号の前記第2面からの出力位置を調整する調整手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0014】
本開示によると、MCFの同じ種別の端面同士の接続数が奇数となった場合に生じる光送信機と光受信機との誤接続を解消させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】光ケーブルに収容されるMCFの例を示す図。
【
図4】同じ種別の端面同士の接続箇所が奇数の場合に誤接続が生じることの説明図。
【
図5】同じ種別の端面同士の接続箇所が偶数の場合に誤接続が生じないことの説明図。
【
図6】実施形態による光接続器を使用したMCF光通信システムの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
図6は、本開示による光接続器100を使用したMCF光通信システムを示している。
図6は、
図4で説明した誤接続を解消させるためにB端面とB端面との接続箇所において光接続器100を使用している。
図7及び
図8は、本実施形態による光接続器100の説明図である。なお、
図7及び
図8では、光接続器100を直方体として示しているが光接続器100の形状は直方体に限定されず任意の形状とされ得る。光接続器100は、MCF50に接続される2つの面101及び102を有する。以下の説明では、光信号の伝搬方向、つまり、
図7では面101と面102とを結ぶ方向をZ方向とし、Z方向に直交する面内の1つの方向をX方向とし、Z方向及びX方向の両方に直交する方向をY方向とする。一例として、面101は、MCF50-1のB端面に接続され、面102は、MCF50-2のB端面に接続される。面101から面102への複数の光信号の伝搬経路上には、面102から出力される光信号の位置を調整するための図示しない調整部が設けられる。以下、調整部が行う処理について説明する。
【0018】
図8(A)は、MCF50-1のB端面のコア#1~コア#4からの光信号#1~光信号#4が入力される面101の領域を示している。
図8(A)の#1~#4は、光信号#1~光信号#4を示している。なお、
図8(A)は、Z方向に向いて見たときのもの、つまり、光接続器100の外部から面101を見た状態を示している。
図8(B)は、光信号#1~光信号#4が出力される面102の領域を示している。
図8(B)の#1~#4は、光信号#1~光信号#4を示している。なお、
図8(B)は、Z方向に向いて見たときのもの、つまり、光接続器100の内部から面102を見た状態を示している。また、
図8(A)及び
図8(B)において、黒丸はMCFの中心に接続される面101及び面102の位置を示し、点線は、当該中心を通るY方向の線であり、以下では"基準線"と表記する。
【0019】
図8(A)及び
図8(B)に示す様に、光接続器100は、面101に入射した光信号を、面102では、面101に入射した光信号の鏡面対象となる様に変換して出力する。つまり、光接続器100は、光信号#1及び光信号#3については、面101への入射位置と同じ面102の位置から出力する。一方、光接続器100は、光信号#2については、面101への入射位置と基準線とのX方向の距離が同じであるが、基準線に対して面101への光信号#2の入射位置とはX方向において反対側の位置から光信号#2を出力する。光信号#4についても、光信号#2と同様である。
【0020】
したがって、MCF50-1のコア#2から出力された光信号#2は、MCF50-2のコア#2に入力され、MCF50-1のコア#4から出力された光信号#4は、MCF50-2のコア#4に入力され、誤接続が解消される。
【0021】
図9(A)及び
図9(B)は、それぞれ、MCF50のA端面及びB端面を示している。なお、
図9(A)は、
図1(B)のA端面を45度だけ反時計回り方向に回転させた状態を示し、
図9(B)は、
図1(C)のB端面を45度だけ時計回り方向に回転させた状態を示している。
図4の説明では、MCF50-1のB端面とMCF50-2のB端面との接続箇所においては、MCF50-1のコア#1とMCF50-2のコア#1が接続されているものとした。例えば、MCF50-1のB端面とMCF50-2のB端面との接続箇所においては、MCF50-1のコア#1、コア#2、コア#3、コア#4が、MCF50-2のコア#2、コア#1、コア#4、コア#3に接続されたものとする。この場合も、
図8(C)及び
図8(D)に示す様に、光接続器100により誤接続を解消させることでできる。
【0022】
図8(C)は、上記の様に接続された場合に、MCF50-1のB端面のコア#1~コア#4からの光信号#1~光信号#4が入力される面101の領域を示している。
図8(C)の#1~#4は、光信号#1~光信号#4を示している。なお、
図8(C)は、Z方向に向いて見たときのもの、つまり、光接続器100の外部から面101を見た状態を示している。
図8(D)は、光信号#1~光信号#4が出力される面102の領域を示している。
図8(D)の#1~#4は、光信号#1~光信号#4を示している。なお、
図8(D)は、Z方向に向いて見たときのもの、つまり、光接続器100の内部から面102を見た状態を示している。また、
図8(C)及び
図8(D)において、黒丸はMCFの中心に接続される面101及び面102の位置を示し、点線は、当該中心を通るY方向の線であり、以下では"基準線"と表記する。
【0023】
図8(C)及び
図8(D)に示す様に、光接続器100は、面101に入射した光信号を、面102では、面101に入射した光信号の鏡面対象となる様にして出力する。つまり、光接続器100は、面101への入射位置における光信号#1及び光信号#2の位置関係を、面102では基準線に対して反転させて出力する。同様に、光接続器100は、面101への入射位置における光信号#3及び光信号#4の位置関係を、面102では基準線に対して反転させて出力する。
【0024】
したがって、MCF50-1のコア#nから出力された光信号#nは、MCF50-2のコア#nに入力され、誤接続が解消される。
【0025】
なお、
図6では、同じ種別の端面同士を接続する位置に光接続器100を使用していたが、光接続器100を使用する位置は、他の接続点、つまり、FIFO#1とMCF5-1との接続点、MCF50-2とMCF50-3との接続点、或いは、MCF50-3とFIFO#1との接続点であっても良い。さらに、同じ種別の端面同士の接続数が奇数の場合に用いる光接続器100の数は1つであり、同じ種別の端面同士の接続数と同じ数の光接続器100を使用する必要はない。
【0026】
図10は、光接続器100の調整部の構成例を示している。
図10(A)は、2つのシリンドリカルレンズ103の平面側を対向させた構成を調整部としている。面101は、2つのシリンドリカルレンズ103の内の一方のシリンドリカルレンズ103の凸面側と対向し、面102は、2つのシリンドリカルレンズ103の内の他方のシリンドリカルレンズ103の凸面側と対向する。この構成により、面101に入射した複数の光信号とは鏡面対象になる光信号を面102から出力することができる。
図10(B)は、光を反射するミラー104を調整部としたものである。
図10(B)では、ミラー104によって光を90度だけ偏向している。ミラー104で光を反射することで、面101に入射した複数の光信号とは鏡面対象になる光信号を面102から出力することができる。
図10(B)に示す様に、光接続器100における光の伝搬方向(
図7のZ方向)は調整部内において変化する形態であっても良い。
【0027】
以上、本実施形態による光接続器100により、MCFの同じ種別の端面同士の接続数が奇数となった場合に生じる光送信機と光受信機との誤接続を解消させることができる。また、本実施形態による光接続器100により、各局舎に配備するFIFOの種類も1つとすることができる。つまり、
図2に示す様に、接続するMCF50の端面の種類に応じて、使用するFIFOは、FIFO#1又はFIFO#2となるが、光ケーブルに収容されるMCF50の端面が揃っていないため、使用するFIFOの種別は、接続の直前に確定することが生じる。したがって、どちらの端面であっても対処できる様に、FIFO#1とFIFO#2の2つのFIFOを事前に用意しておく必要があった。しかしながら、光接続器100により誤接続を解消できるため、各局舎にFIFO#1とFIFO#2の内のいずれか一方のみを用意しておくだけで、光送信機と光受信機を適切に接続することができる。
【0028】
なお、
図8(B)は、Z方向に向いて見たときのもの、つまり、光接続器100の内部から面102を見た状態を示しているが、面102を光信号の伝搬方向とは逆方向、つまり、光接続器100の外部から面102を見ると、面102から出力される各光信号の位置は、
図8(A)と同様になる。これは、
図8(C)についても同様である。したがって、光接続器100は、面102に向かって見たときの面102からの各光信号の出力位置を、面101に向かって見たときの面101への各光信号の入力位置と同じ様にするデバイスということもできる。
【0029】
なお、4コアのMCF50を例にして実施形態の説明を行ったが、本発明は、任意のコア数のMCF50に対して適用できる。なお、同じ種別の端面同士の接続において、2つのMCF50の総てのコア同士が1:1で接続されるのは、A端面に向かって見たときのコア配置が、B端面に向かって見たときのコア配置の鏡面対象となっている場合である。したがって、より詳しくは、本発明は、2つの種別のコア配置が鏡面対象となっているMCF50である限り、任意のコア数のMCF50に対して適用できる。そして、光接続器100は、面101の第1位置に入射した光信号を、面102の第2位置から出力する。ここで、当該光信号の伝搬方向に向いて見たとき、第2位置と基準線とのX方向の距離と、第1位置と基準線とのX方向の距離は同じであるが、第2位置は、基準線に対して第1位置とはX方向において反対側の位置となる。なお、第1位置と第2位置のY方向における位置は同じである。
【0030】
以上の構成により、MCFの同じ種別の端面同士の接続数が奇数となった場合に生じる光送信機と光受信機との誤接続を解消させることができる。したがって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0031】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
101、102:面、103:シリンドリカルレンズ、104:ミラー