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  • 特開-点灯回路 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022625
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】点灯回路
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20250206BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20250206BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20250206BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20250206BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/155
H05B45/10
H05B47/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127366
(22)【出願日】2023-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】那須 建次朗
(72)【発明者】
【氏名】高橋 まどか
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA07
3K273QA05
3K273QA07
3K273QA11
3K273QA30
3K273RA08
3K273RA13
3K273SA04
3K273SA05
3K273SA23
3K273SA39
3K273SA46
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA28
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】昼間時及び夜間時に照光させる照光部位の視認性の向上を図ること。
【解決手段】本開示の点灯回路は、同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源21及び第二光源22を備え、予め設定された第一点灯状況時に、第一光源21及び第二光源22を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、第一光源21を点灯して第二光源22を消灯する、ように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備え、
予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯する、ように構成されている、
点灯回路。
【請求項2】
請求項1に記載の点灯回路であって、
前記第一光源及び前記第二光源が1つのチップ内に集積されて構成されている、
点灯回路。
【請求項3】
請求項2に記載の点灯回路であって、
前記第一光源と前記第二光源とは、点灯時の光度が異なって構成されている、
点灯回路。
【請求項4】
請求項3に記載の点灯回路であって、
前記第一光源に対して前記第二光源の点灯時の光度が高く構成されている、
点灯回路。
【請求項5】
請求項1に記載の点灯回路であって、
前記第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源に電流が流れるよう構成されており、
前記第二点灯状況時に、前記第一光源に電流が流れると共に、前記第二光源に接続された特定の回路に電流を流すことで前記第二光源に電流が流れないように構成されている、
点灯回路。
【請求項6】
請求項1に記載の点灯回路であって、
前記第一点灯状況時は予め設定された昼間時と判定される状況時であり、前記第二点灯状況時は予め設定された夜間時と判定される状況時である、
点灯回路。
【請求項7】
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備えた点灯回路と、
前記照光部位と、
を備えた点灯装置であって、
前記点灯回路は、予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯させる、ように構成されている、
点灯装置。
【請求項8】
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備えた点灯回路による点灯方法であって、
予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯させる、
点灯方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯回路に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内には、車両の状態や装置の使用状態を表示する種々の表示灯が装備されている。このとき、表示灯の表示状態、特に輝度(明るさ)は、昼間用と夜間用とで変化するよう制御される。例えば、周囲が明るい昼間では、表示灯の点灯が容易に認識されるように夜間時よりも高い輝度で点灯するよう制御される。例えば、特許文献1では、LED(light-emitting diode)といった1つの光源に対して、減光回路を設けて昼間時と夜間時とで流れる電流を制御して、その輝度を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2807847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、1つの光源に対し流れる電流量により輝度を制御しており、その制御可能な幅には限界が存在するため昼間時と夜間時とで極端な輝度の差を出しにくい、という問題がある。このため、昼間時と夜間時との両方において照光させる照光部位に対する視認性の向上を図ることができない。
【0005】
本開示の目的は、昼間時及び夜間時に照光させる照光部位の視認性の向上を図ることができない、ことを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態である点灯回路は、
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備え、
予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯する、ように構成されている。
【0007】
また、本開示の一形態である点灯装置は、
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備えた点灯回路と、
前記照光部位と、
を備え、
前記点灯回路は、予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯させる、ように構成されている。
【0008】
また、本開示の一形態である点灯方法は、
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備えた点灯回路による点灯方法であって、
予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、以上のように構成されることにより、昼間時及び夜間時に照光させる照光部位の視認性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示にかかる照光装置の構成の概略を示すブロック図である。
図2】本開示にかかる照光回路の構成を示す図である。
図3】本開示にかかる照光回路の動作を示す図である。
図4】本開示にかかる照光回路の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
本開示について、図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態における照光装置は、車両内に搭載された表示灯T(照光部位)を照光するものである。表示灯Tは、例えば、車両の状態や装置の使用状態を表示するものであり、インストルメントパネルなど車両内の設備に設けられている。そして、照光装置は、昼間時と夜間時とのそれぞれにおいて、表示灯Tの輝度(明るさ)が変化するよう構成される。なお、昼間時(第一点灯状況時)とは、後述するように、予め設定された基準により車両内の明るさが明るいと判定される状況時であり、夜間時(第二点灯状況時)とは、予め設定された基準により車両内の明るさが暗いと判定される状況時である。
【0013】
具体的に、照光装置は、図1に示すように、表示灯Tと、表示灯を照光する点灯回路1と、点灯回路1による照光状態を制御する制御装置3と、を備えている。そして、点灯回路1には、表示灯Tを照光するよう点灯する光源であるLEDチップ2が設けられる。
【0014】
図2に、点灯回路1の具体的な回路構成の一例を示す。点灯回路1に設けられたLEDチップ2は、2つのLED21,22を備えており、いずれも電流が流れることで発光する発光ダイオードにて構成されている。つまり、2つのLED21,22は、1つのLEDチップ2内に集積されおり、相互に近接して配置されている。そして、1つのLEDチップ2は1つの表示灯Tに対応して設けられているため、2つのLED21,22は、それぞれ同一の表示灯Tを照光するよう構成されている。このとき、2つのLEDで1つの表示灯を照光する場合には、2つのLED間の距離の分だけ照光範囲がずれることで輝度ムラが生じたり、2つのLED間の距離により装置自体が大型化するといった課題が生じうるが、本実施形態のように、2つのLED21,22を1つのLEDチップ2内に集積して構成することで、上述した課題を解決することができる。つまり、本実施形態では、2つのLED間の距離が縮まることで輝度ムラを抑制し、装置自体を小型化することができる。但し、2つのLED21,22は、必ずしも1つのLEDチップ2内に集積されていることに限定されず、個々のLEDが点灯回路1内に設けられていてもよい。また、各LED21,22は、それぞれが1つのLEDで構成されることに限定されず、それぞれが複数のLEDからなるLED群にて構成されていてもよい。例えば、各LED21,22は、それぞれ直列に接続された同時点灯する複数のLEDからなるLED群にて構成されていてもよく、一例として、一方のLED21を構成するLED群回路と、他方のLED22を構成するLED群回路と、が並列に接続されて構成されていてもよい。また、2つのLED21,22は、発光ダイオードで構成されることに限定されず、いかなる構造で点灯する光源であってもよい。
【0015】
ここで、一方のLED21は、後述するように昼間時と夜間時の両方で点灯する昼夜用LED21(第一光源)であり、他方のLED22は、昼間時は点灯して夜間時は消灯する減光用LED22(第二光源)である。つまり、後述するように、昼間時には昼夜用LED21及び減光用LED22の2つのLED21,22が共に点灯し、夜間時には昼夜用LED21のみが点灯することとなる。
【0016】
また、昼夜用LED21(一方のLED)と減光用LED22(他方のLED)とは、点灯時の光度が異なるよう構成されており、特に、昼夜用LED21に対して減光用LED22の方が、点灯時の光度が高く構成されている。一例として、昼夜用LED21に対して減光用LED22の方が、点灯時の光度が5倍ほど高く構成され、この場合、昼夜用LED21と減光用LED22と両方が点灯する昼間時と、昼夜用LED21のみが点灯する夜間時と、における光度の比は、おおよそ6:1となる。但し、上述した昼夜用LED21と減光用LED22との点灯時の光度の差は一例であり、いかなる光度の差となるよう構成されていてもよい。また、昼夜用LED21と減光用LED22との点灯時の光度は同一に構成されてもよく、上記とは逆に、昼夜用LED21に対して減光用LED22の方が点灯時の光度が低く構成されてもよい。なお、本実施形態では、LED21,22そのものが発光する光の強さを光度と言い、LED21,22によって照光される表示灯Tの明るさを輝度と言うこととする。
【0017】
そして、昼夜用LED21と減光用LED22とは、図2に示すように、点灯回路内において電流源10に対して分岐して接続された並列回路11,12に接続されている。つまり、電流源10に接続された並列回路11,12のうち、一方の回路11に昼夜用LED21が接続され、他方の回路12に減光用LED22が接続されている。
【0018】
また、並列回路11,12のうちの減光用LED22が接続された他方の回路12には、電流源10に対して減光用LED22よりも下流側に、減光回路13が接続されている。具体的に、他方の回路12には、電流源10の下流に、減光用LED22、ダイオード、抵抗器、の順に電子部品が接続されており、ダイオードと抵抗器との間に、減光回路13が接続されている。そして、減光回路13には、他方の回路12との接続箇所から上流側に、ダイオードとスイッチ14とが接続されており、スイッチ14がオンとなった場合に、さらに上流側から電流が流れるよう構成されている。このため、減光回路13は、スイッチ14がオンとなって上流側から電流が流れると、かかる電流が他方の回路12との接続箇所及び当該他方の回路12の下流側に接続された抵抗器を通過して流れることとなる。その結果、減光回路13に電流が流れる際には、他方の回路12の減光用LED22には電流源10から電流が流れないこととなる。
【0019】
そして、減光回路13のスイッチ14は、制御装置3によってオン/オフが制御される。このとき、制御装置3は、例えば、車両にて取得できる情報に基づいて、昼間時あるいは夜間時のいずれかを判定し、昼間時と判定した場合にはスイッチ14をオフとし、夜間時と判定した場合にはスイッチ14をオンとするよう制御する。一例として、制御装置3は、車両に搭載された照度センサにて検出した照度が、予め設定された明るいと判定する基準値以上である場合には昼間時と判定し、基準値未満である場合には夜間時と判定する。また、他の例として、制御装置3は、車両のヘッドライトの点灯状態に基づいて昼間時と夜間時を判定してもよく、例えば、ヘッドライトがオフの時は昼間時、オンの時は夜間時と判定してもよい。さらに、制御装置3は、一例として現在の時刻から昼間時と夜間時を判定してもよく、いかなる情報から判定してもよい。
【0020】
ここで、図3及び図4を参照して、点灯回路の動作を説明する。図3は、制御装置3にて昼間時と判定されたときの点灯回路の様子を示している。昼間時はスイッチ14がオフとされるため、図3の矢印に示すように、点灯回路の電流源10に接続された並列回路11,12それぞれに電流が流れることとなる。つまり、昼間時には、昼夜用LED21と減光用LED22との両方に電流が流れて同時に点灯することとなる。これにより、表示灯Tは、昼夜用LED21と減光用LED22との両方によって照光されるため、周囲が明るい昼間であっても表示灯Tの点灯が容易に認識されるように後述する夜間時よりも高い輝度で点灯することとなる。
【0021】
また、図4は、制御装置3にて夜間時と判定されたときの点灯回路の様子を示している。
夜間時はスイッチ14がオンとされるため、図4の矢印に示すように、減光回路13に電流が流れることとなる。つまり、減光回路13の上流から並列回路12の他方の回路12の下流側に電流が流れることとなる。すると、点灯回路の電流源10に接続された並列回路11,12のうち、減光回路13に接続された他方の回路12には電流源10からの電流は流れず、一方の回路11にのみ電流源10からの電流が流れることとなる。つまり、夜間時には、昼夜用LED21にのみ電流が流れることとなり、昼夜用LED21は点灯し、減光用LED22は消灯した状態となる。これにより、表示灯Tは、昼夜用LED21のみによって照光されるため、昼間時よりも低い輝度で点灯することとなる。
【0022】
以上のように、本実施形態では、表示灯Tなどの同一の照光部位を照光する2つのLED21,22を設け、昼間時は2つのLED21,22を点灯させ、夜間時には1つのLED21のみを点灯させている。これにより、昼間時と夜間時とにおいて表示灯Tの輝度の差を出すことができ、昼間時と夜間時との両方においてユーザによる表示灯Tの視認性の向上を図ることができる。このとき、夜間時には消灯し、昼間時には点灯する減光用LED22の光度を、昼夜用LED21よりも高く構成することで、昼間時と夜間時とにおいてより照光される表示灯Tの輝度の差を出すことができ、さらなる視認性の向上を図ることができる。さらに、上述したように減光回路13を設けるといった簡易な回路で構成でき、低コストにて実現することができる。
【0023】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本開示における点灯回路、点灯装置、点灯方法の構成の概略を説明する。但し、本開示は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備え、
予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯する、ように構成されている、
点灯回路。
(付記2)
付記1に記載の点灯回路であって、
前記第一光源及び前記第二光源が1つのチップ内に集積されて構成されている、
点灯回路。
(付記3)
付記2に記載の点灯回路であって、
前記第一光源と前記第二光源とは、点灯時の光度が異なって構成されている、
点灯回路。
(付記4)
付記3に記載の点灯回路であって、
前記第一光源に対して前記第二光源の点灯時の光度が高く構成されている、
点灯回路。
(付記5)
付記1に記載の点灯回路であって、
前記第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源に電流が流れるよう構成されており、
前記第二点灯状況時に、前記第一光源に電流が流れると共に、前記第二光源に接続された特定の回路に電流を流すことで前記第二光源に電流が流れないように構成されている、
点灯回路。
(付記6)
付記1に記載の点灯回路であって、
前記第一点灯状況時は予め設定された昼間時と判定される状況時であり、前記第二点灯状況時は予め設定された夜間時と判定される状況時である、
点灯回路。
(付記7)
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備えた点灯回路と、
前記照光部位と、
を備えた点灯装置であって、
前記点灯回路は、予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯させる、ように構成されている、
点灯装置。
(付記8)
同一の照光部位を照光するよう点灯する第一光源及び第二光源を備えた点灯回路による点灯方法であって、
予め設定された第一点灯状況時に、前記第一光源及び前記第二光源を共に点灯し、予め設定された第二点灯状況時に、前記第一光源を点灯して前記第二光源を消灯させる、
点灯方法。
【符号の説明】
【0024】
1 点灯回路
11,12 並列回路
13 減光回路
14 スイッチ
2 LEDチップ
21 昼夜用LED(一方のLED)
22 減光用LED(他方のLED)
3 制御装置


図1
図2
図3
図4