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特開2025-22648プログラム、情報処理システム及び情報処理方法
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  • 特開-プログラム、情報処理システム及び情報処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022648
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20250206BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20250206BHJP
   G06F 16/338 20190101ALI20250206BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06Q50/18 310
G06F16/338
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130577
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2023127156の分割
【原出願日】2023-08-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】519363649
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥村 光平
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5L049CC33
5L050CC33
(57)【要約】
【課題】より有益な情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させる。受付ステップでは、第1の数値範囲を含む入力をユーザから受け付ける。出力ステップでは、入力と所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、
少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させ、
受付ステップでは、第1の数値範囲を含む入力をユーザから受け付け、
出力ステップでは、前記入力と所定のルールとに基づき、前記第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力する、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記受付ステップでは、第2の数値範囲をさらに含む前記入力を前記ユーザから受け付け、ここで、前記第2の数値範囲は、前記第1の数値範囲に内包される範囲であり、
前記出力ステップでは、前記第1の数値範囲と前記第2の数値範囲との間を段階的に縮小した、複数の前記特定範囲を含む前記所定文言を出力する、プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムにおいて、
さらに、特定ステップでは、前記第1の数値範囲及び前記第2の数値範囲の、それぞれにおける上限値と、それぞれにおける下限値とに基づき、前記特定範囲を算出するための算出式を特定し、
前記出力ステップでは、前記算出式に基づいて、複数の前記特定範囲を含む前記所定文言を出力する、プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムにおいて、
前記第1の数値範囲は、発明又は考案の効果が少なくとも認められる臨界的意義があると、前記ユーザによって把握されている範囲であり、
前記第2の数値範囲は、前記効果が前記第1の数値範囲よりも高く認められる前記臨界的意義があると、前記ユーザによって把握されている範囲である、プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記受付ステップでは、前記第1の数値範囲に含まれる数値のオーダをさらに受け付け、
さらに、生成ステップでは、前記オーダに応じて、前記第1の数値範囲に含まれる前記数値を離散的に列挙した数列を生成する、プログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記受付ステップでは、前記第1の数値範囲に含まれる数値のオーダをさらに受け付け、
さらに、生成ステップでは、前記入力と前記オーダとに基づき、評価マトリックスを生成し、ここで、
前記評価マトリックスは、縦方向の列と横方向の行とで識別される、複数のセルにより構成され、
前記列と前記行とには、何れも前記第1の数値範囲に含まれる前記数値が配置され、
前記複数のセルには、それぞれのセルにおける前記列の前記数値と、前記それぞれのセルにおける前記行の前記数値との間の個別範囲における評価が含まれ、
前記評価は、前記第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の前記特定範囲のうち、前記個別範囲がどの段階に相当するかを示す情報を含む、プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムにおいて、
前記評価マトリックスの前記列又は前記行には、さらに、前記第1の数値範囲の範囲外の数値が配置される、プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記所定文言は、特許出願又は実用新案出願のための、試験又は書面作成に用いられる、プログラム。
【請求項9】
情報処理システムであって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、請求項1~請求項8の何れか一つに記載のプログラムの各ステップがなされるように、前記プログラムを実行するように構成される、システム。
【請求項10】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項8の何れか一つに記載のプログラムの各ステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自然現象又は社会現象を継続的に観測して得られる数値列に対し、現在までに得られている数値を利用して、同種の数値の予測値の信頼区間を求める。目的とする現象の数値を継続的に観測して得られる数値列に対し、予測開始時点までに得られている数値を加工し、最新の統計理論のブートストラップ法を適用して、予め定められた信頼係数の回帰曲線の各時点における値の信頼区間の上限及び下限をそれぞれ結んでできる領域(信頼帯という)を作り、予測希望時を入力することによって、その時点の予測値の信頼区間を求めることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-107782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力することは関する先行技術は知られていない。本発明では上記事情に鑑み、より有益な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させる。受付ステップでは、第1の数値範囲を含む入力をユーザから受け付ける。出力ステップでは、入力と所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力する。
【0006】
本発明の一つによれば、より有益な情報処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
ここで、特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムの各ステップがなされるように、プログラムを実行するように構成される。情報処理システムは、複数の装置で構成されてもよいし、一つの装置で構成されてもよい。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが一つの装置で構成され場合、その装置の一例は情報処理装置1である。この場合、少なくとも一つのプロセッサは、情報処理装置1の制御部13である。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが複数の装置で構成される場合、複数の装置の一例は、複数の情報処理装置である。この場合、少なくとも一つのプロセッサは、複数の情報処理装置それぞれの制御部である。なお、以下では、情報処理装置1の単体が以下に示す処理を実行するものとして説明を行う。
【0012】
本実施形態の処理を実行する情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、入力部15とを備える。情報処理装置1のより具体的な一例としてはPC(Personal Computer)がある。
【0013】
1.情報処理装置1の機能構成
制御部13は、受付ステップと、出力ステップと、特定ステップと、管理ステップと、変更ステップとを実行するように構成される。特定ステップと、管理ステップと、変更ステップとは、省略してもよい。
【0014】
受付ステップは、第1の数値範囲を含む入力をユーザから受け付けるステップである。受付ステップは、第2の数値範囲をさらに含む入力をユーザから受け付けるステップである。受付ステップは、第1の数値範囲に含まれる数値のオーダをさらに受け付けるステップである。詳細は後述する。
【0015】
出力ステップは、受け付けた入力と所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力するステップである。出力ステップは、算出式に基づいて、複数の特定範囲を含む所定文言を出力するステップである。詳細は後述する。
【0016】
特定ステップは、第1の数値範囲及び第2の数値範囲の、それぞれにおける上限値と、それぞれにおける下限値とに基づき、特定範囲を算出するための算出式を特定するステップである。詳細は後述する。
【0017】
生成ステップは、数値のオーダに応じて、第1の数値範囲に含まれる数値を離散的に列挙した数列を生成するステップである。生成ステップは、受け付けた入力と数値のオーダとに基づき、評価マトリックスを生成するステップである。詳細は後述する。
【0018】
2.情報処理方法
本節では、情報処理装置1が実行する情報処理方法の流れについて説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、次の各ステップを備える。本実施形態のプログラムは、情報処理装置1に、次の各ステップを実行させるプログラムである。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0019】
2.1 条件例示
発明又は考案において、特定の数値範囲で顕著な効果を有する場合がある。このような場合に、出願書面の作成者は、特許又は実用新案の出願書面に特定の数値範囲を記載することとなる。この特定の数値範囲は、審査や審判、裁判の段階で縮小する場合がある。そこで、出願書面を作成する場合には、作成者は、特定の数値範囲の縮小に備えて、発明又は考案の詳細な説明等に、段階的に縮小した複数の数値範囲を記載しておくことが好ましい。
【0020】
本実施形態では、ユーザから受け付けた数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力する情報処理方法を説明する。ユーザは、例えば弁理士等である。所定文言は、特許出願又は実用新案出願のための、試験又は書面作成に用いられてもよい。このような態様によれば、弁理士等が特許又は実用新案の出願書面を作成する際に、依頼者に対してあったほうがよい特定範囲の追加試験を提案することや複数の特定範囲を記載した書面を作成することができる。
【0021】
2.2 流れの概要
【0022】
制御部13は、受付ステップとして、第1の数値範囲を含む入力をユーザから受け付ける。第1の数値範囲は、例えば、発明又は考案において効果があると、ユーザが把握している数値範囲である。制御部13は、ユーザからの入力を、表示部14にユーザが視認可能な態様で表示させた入力画面を介して受け付けてもよい。
【0023】
次に、制御部13は、受付ステップとして、第2の数値範囲をさらに含む入力をユーザから受け付ける。第2の数値範囲は、第1の数値範囲に内包される範囲である。第2の数値範囲は、例えば、発明又は考案において第1の数値範囲以上に効果があると、ユーザが把握している数値範囲である。
【0024】
ここで、第1の数値範囲は、発明又は考案の効果が少なくとも認められる臨界的意義があると、ユーザによって把握されている範囲であってもよく、第2の数値範囲は、効果が第1の数値範囲よりも高く認められる臨界的意義があると、ユーザによって把握されている範囲であってもよい。特許・実用新案の審査基準には、「請求項に係る発明と主引用発明との相違が数値限定の有無のみで、課題が共通する場合は、いわゆる数値限定の臨界的意義として、有利な効果の顕著性が認められるためには、その数値限定の内と外のそれぞれの効果について、量的に顕著な差異がなければならない」と記載されている。そこで、明細書に数値範囲を記載する際には臨界的意義がある数値範囲を記載しておくことが好ましい。
【0025】
なお、「効果が少なくとも認められる臨界的意義がある」について補足する。「効果が少なくとも認められる」とは、少なくともある程度の良好な結果や効果が認められることであり、「臨界的意義がある」とは、例えば、統計的な有意差が認められることである。
【0026】
次に、制御部13は、受付ステップとして、第1の数値範囲に含まれる数値のオーダをさらに受け付ける。数値のオーダは、例えば、第1の数値範囲に含まれる数値を列挙する場合の数値同士の間隔である。具体的には、数値のオーダは、第1の数値範囲の内の各数値において試験を計画する場合の、試験を行う数値の間隔等である。
【0027】
次に、制御部13は、生成ステップとして、オーダに応じて、第1の数値範囲に含まれる数値を離散的に列挙した数列を生成する。例えば、第1の数値範囲が、「10~70」であり、数値のオーダが「5」であった場合、第1の数値範囲に含まれる数値を離散的に列挙した数列は、「10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70」である。
【0028】
次に、制御部13は、特定ステップとして、第1の数値範囲及び第2の数値範囲の、それぞれにおける上限値と、それぞれにおける下限値とに基づき、特定範囲を算出するための算出式を特定する。例えば、制御部13は、数値が変化すると、それに応じて効果も直線的に変化するとして、算出式を特定してもよい。また、制御部13は、第1の数値範囲及び第2の数値範囲の、それぞれの上限値に基づき上限値の算出式を特定し、それぞれの下限値に基づき下限値の算出式を特定してもよい。
【0029】
次に、制御部13は、出力ステップとして、第1の数値範囲と第2の数値範囲との間を段階的に縮小した、複数の特定範囲を含む所定文言を出力する。例えば、制御部13は、所定の文言として、「数値範囲は、好ましくは10~70であり、より好ましくは20~65であり、さらに好ましくは30~65であり、特に好ましくは40~60である。」等と出力する。このような態様によれば、ユーザの入力と予め定められた所定のルールとに基づき、第1の数値範囲と第2の数値範囲との間を段階的に縮小した複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0030】
制御部13は、出力ステップとして、算出式に基づいて、複数の特定範囲を含む所定文言を出力してもよい。制御部13は、算出式に基づいて、複数の特定範囲を算出する場合に、ユーザから受け付けた数値のオーダに基づいて、算出された数値の丸め込みを行ってもよい。例えば、ユーザから受け付けた数値のオーダが「5」であり、算出式により算出されたより好ましいレベルの数値範囲が20~66.6である場合に、数値のオーダが「5」であることを考慮して、「より好ましくは、20~65であり」という所定文言を出力させてもよい。このような態様によれば、ユーザの入力に基づき、算出式が特定され、その算出式に基づいて算出された複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0031】
さらに、制御部13は、生成ステップとして、ユーザから受け付けた数値のオーダに応じて、第1の数値範囲に含まれる数値を離散的に列挙した数列を含む所定の文言を生成してもよい。この場合、制御部13は、所定の文言として、「具体的には例えば、10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。」等と出力してもよい。
【0032】
以上をまとめると、プログラムは、少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させる。制御部13は、受付ステップとして、第1の数値範囲を含む入力をユーザから受け付ける。制御部13は、出力ステップとして、受け付けた入力と所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力する。
【0033】
このような態様によれば、ユーザから受け付けた入力と予め定められた所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0034】
3.変形例
上記の実施形態に係る情報処理装置1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0035】
制御部13は、受付ステップとして、第1の数値範囲を含む入力と、第2の数値範囲をさらに含む入力とをユーザから受け付ける。次に、制御部13は、受付ステップとして、第1の数値範囲に含まれる数値のオーダをさらに受け付ける。
【0036】
制御部13は、生成ステップとして、ユーザから受け付けた入力と数値のオーダとに基づき、評価マトリックスを生成する。図1は、参考図である。
【0037】
評価マトリックスは、縦方向の列と横方向の行とで識別される、複数のセルにより構成される。列と行とには、何れも第1の数値範囲に含まれる数値が配置される。複数のセルには、それぞれのセルにおける列の数値と、それぞれのセルにおける行の数値との間の個別範囲における評価が含まれる。当該評価は、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲のうち、その個別範囲がどの段階に相当するかを示す情報を含む。
【0038】
例えば、図1では、「特に好ましくは」の範囲は「A」、「さらに好ましくは」の範囲は「B」、「より好ましくは」の範囲は「C」、「好ましくは」の範囲は「D」というように、A~Dの4段階の評価が付与されている。図1において、列の数値が10,行の数値が15のセルは、「D」の評価を含む。これは、10~15の数値範囲の評価は、「好ましくは」のレベルであることを示している。
【0039】
このような態様によれば、それぞれの個別範囲に対する評価を含む、評価マトリックスを生成することができる。もちろん、評価は、4段階に限られず、3段階でも5段階でもよいが、3~5段階が好ましい。
【0040】
評価マトリックスの列又は行には、さらに、第1の数値範囲の範囲外の数値が配置されてもよい。例えば、第1の数値範囲が10~70である場合に、「5」は第1の数値範囲の範囲外の数値であるが、制御部13は、図1において、列の数値として、「5」を配置してもよい。また、制御部13は、「効果がない」範囲については、「効果がない」という評価を付与してもよい。このような態様により、効果がない範囲が示されることにより、効果がある範囲がより明確になる。
【0041】
上記の実施形態では、制御部13は、第1の数値範囲及び第2の数値範囲の、それぞれにおける上限値と、それぞれにおける下限値とに基づき、特定範囲を算出するための算出式を特定し、算出式に基づいて、複数の特定範囲を含む所定文言を出力するとした。しかしながら、制御部13は、出力ステップとして、ユーザから受け付けた入力と所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力してもよい。所定のルールは、予め記憶部12に記憶されたものを用いてもよい。所定のルールは、例えば、第1の数値範囲の内で効果が正規分布すると仮定して予め作成された算出式を用いるものであってもよい。
【0042】
上記情報処理の態様はあくまで一例である。本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0043】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0044】
(1)プログラムであって、少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させ、受付ステップでは、第1の数値範囲を含む入力をユーザから受け付け、出力ステップでは、前記入力と所定のルールとに基づき、前記第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力する、プログラム。
【0045】
このような態様によれば、ユーザの入力と予め定められた所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0046】
(2)上記(1)に記載のプログラムにおいて、前記受付ステップでは、第2の数値範囲をさらに含む前記入力を前記ユーザから受け付け、ここで、前記第2の数値範囲は、前記第1の数値範囲に内包される範囲であり、前記出力ステップでは、前記第1の数値範囲と前記第2の数値範囲との間を段階的に縮小した、複数の前記特定範囲を含む前記所定文言を出力する、プログラム。
【0047】
このような態様によれば、ユーザの入力と予め定められた所定のルールとに基づき、第1の数値範囲と第2の数値範囲との間を段階的に縮小した複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0048】
(3)上記(2)に記載のプログラムにおいて、さらに、特定ステップでは、前記第1の数値範囲及び前記第2の数値範囲の、それぞれにおける上限値と、それぞれにおける下限値とに基づき、前記特定範囲を算出するための算出式を特定し、前記出力ステップでは、前記算出式に基づいて、複数の前記特定範囲を含む前記所定文言を出力する、プログラム。
【0049】
このような態様によれば、ユーザの入力に基づき、算出式が特定され、その算出式に基づいて算出された複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0050】
(4)上記(3)に記載のプログラムにおいて、前記第1の数値範囲は、発明又は考案の効果が少なくとも認められる臨界的意義があると、前記ユーザによって把握されている範囲であり、前記第2の数値範囲は、前記効果が前記第1の数値範囲よりも高く認められる前記臨界的意義があると、前記ユーザによって把握されている範囲である、プログラム。
【0051】
このような態様によれば、発明又は考案の効果が認められる臨界的意義のある数値範囲に基づき、算出式が特定され、その算出式に基づいて算出された特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0052】
(5)上記(1)~(4)の何れか一つに記載のプログラムにおいて、前記受付ステップでは、前記第1の数値範囲に含まれる数値のオーダをさらに受け付け、さらに、生成ステップでは、前記オーダに応じて、前記第1の数値範囲に含まれる前記数値を離散的に列挙した数列を生成する、プログラム。
【0053】
このような態様によれば、ユーザの入力に基づき、具体的な数値を列挙した数列を生成することができる。
【0054】
(6)上記(1)~(5)の何れか一つに記載のプログラムにおいて、前記受付ステップでは、前記第1の数値範囲に含まれる数値のオーダをさらに受け付け、さらに、生成ステップでは、前記入力と前記オーダとに基づき、評価マトリックスを生成し、ここで、前記評価マトリックスは、縦方向の列と横方向の行とで識別される、複数のセルにより構成され、前記列と前記行とには、何れも前記第1の数値範囲に含まれる前記数値が配置され、前記複数のセルには、それぞれのセルにおける前記列の前記数値と、前記それぞれのセルにおける前記行の前記数値との間の個別範囲における評価が含まれ、前記評価は、前記第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の前記特定範囲のうち、前記個別範囲がどの段階に相当するかを示す情報を含む、プログラム。
【0055】
このような態様によれば、それぞれの個別範囲に対する評価を含む、評価マトリックスを生成することができる。
【0056】
(7)上記(6)に記載のプログラムにおいて、前記評価マトリックスの前記列又は前記行には、さらに、前記第1の数値範囲の範囲外の数値が配置される、プログラム。
【0057】
このような態様によれば、評価マトリックスは、第1の数値範囲の範囲外の数値範囲の評価を含む評価マトリックスを生成することができる。このことにより、第1の数値範囲が、ユーザによって、発明又は考案の効果が少なくとも認められる臨界的意義があると把握されている範囲である場合には、効果の臨界的意義をより明確にすることができる。
【0058】
(8)上記(1)~(7)の何れか一つに記載のプログラムにおいて、前記所定文言は、特許出願又は実用新案出願のための、試験又は書面作成に用いられる、プログラム。
【0059】
このような態様によれば、特許又は実用新案の出願において、出願のための追加試験条件を提案することや複数の好ましい範囲を記載した書面を作成することができる。
【0060】
(9)情報処理システムであって、少なくとも一つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、上記(1)~(8)の何れか一つに記載のプログラムの各ステップがなされるように、前記プログラムを実行するように構成される、システム。
【0061】
このような態様によれば、ユーザが入力した第1の数値範囲と予め定められた所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
【0062】
(10)情報処理方法であって、上記(1)~(8)の何れか一つに記載のプログラムの各ステップを備える、方法。
【0063】
このような態様によれば、ユーザが入力した第1の数値範囲と予め定められた所定のルールとに基づき、第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定の範囲を含む所定の文言を出力することができる。
もちろん、この限りではない。
【0064】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、
少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させ、
受付ステップでは、第1の数値範囲と第2の数値範囲とを含む入力をユーザから受け付け、ここで、前記第2の数値範囲は、前記第1の数値範囲に内包される範囲であり、
特定ステップでは、前記第1の数値範囲及び前記第2の数値範囲の、それぞれにおける上限値と、それぞれにおける下限値とに基づき、特定範囲を算出するための算出式を特定し、
出力ステップでは、前記入力と前記算出式とに基づき、前記第1の数値範囲と前記第2の数値範囲との間を段階的に縮小した複数の前記特定範囲を含む所定文言を出力する、プログラム。
【請求項2】
請求項に記載のプログラムにおいて、
前記第1の数値範囲は、発明又は考案の効果が少なくとも認められる臨界的意義があると、前記ユーザによって把握されている範囲であり、
前記第2の数値範囲は、前記効果が前記第1の数値範囲よりも高く認められる前記臨界的意義があると、前記ユーザによって把握されている範囲である、プログラム。
【請求項3】
プログラムであって、
少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させ、
受付ステップでは、第1の数値範囲を含む入力と前記第1の数値範囲に含まれる数値のオーダとをユーザから受け付け、
生成ステップでは、前記オーダに応じて、前記第1の数値範囲に含まれる前記数値を離散的に列挙した数列を生成し、
出力ステップでは、前記入力と所定のルールとに基づき、前記第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲を含む所定文言を出力する、プログラム。
【請求項4】
プログラムであって、
少なくとも一つのコンピュータに、次の各ステップを実行させ、
受付ステップでは、第1の数値範囲を含む入力と前記第1の数値範囲に含まれる数値のオーダとをユーザから受け付け、
生成ステップでは、前記入力と前記オーダとに基づき、評価マトリックスを生成し、ここで、
前記評価マトリックスは、縦方向の列と横方向の行とで識別される、複数のセルにより構成され、
前記列と前記行とには、何れも前記第1の数値範囲に含まれる前記数値が配置され、
前記複数のセルには、それぞれのセルにおける前記列の前記数値と、前記それぞれのセルにおける前記行の前記数値との間の個別範囲における評価が含まれ、
前記評価は、前記第1の数値範囲を段階的に縮小した複数の特定範囲のうち、前記個別範囲がどの段階に相当するかを示す情報を含み、
出力ステップでは、前記入力と所定のルールとに基づき、前記第1の数値範囲を段階的に縮小した前記複数の特定範囲を含む所定文言を出力する、プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムにおいて、
前記評価マトリックスの前記列又は前記行には、さらに、前記第1の数値範囲の範囲外の数値が配置される、プログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記所定文言は、特許出願又は実用新案出願のための、試験又は書面作成に用いられる、プログラム。
【請求項7】
情報処理システムであって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、請求項1~請求項6の何れか一つに記載のプログラムの各ステップがなされるように、前記プログラムを実行するように構成される、システム。
【請求項8】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項6の何れか一つに記載のプログラムの各ステップを備える、方法。