(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022654
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】プラスグレル含有医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4365 20060101AFI20250206BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20250206BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20250206BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20250206BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20250206BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20250206BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20250206BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20250206BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20250206BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20250206BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
A61K31/4365
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/04
A61K47/02
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/48
A61K9/20
A61K9/28
A61P7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023134279
(22)【出願日】2023-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】306020438
【氏名又は名称】日本ジェネリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 直也
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA30
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA44
4C076AA53
4C076DD27
4C076DD29
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4C076GG01
4C086AA01
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4C086MA52
4C086NA03
4C086NA05
4C086ZA54
(57)【要約】
【課題】 プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び薬物凝集防止剤を含み、良好な溶出性を示す医薬組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び粒度分布の累積90%粒子径が5μm以上50μm以下である薬物凝集防止剤を含む医薬組成物を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び粒度分布の累積90%粒子径が5μm以上50μm以下である薬物凝集防止剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
薬物凝集防止剤が乳糖水和物、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される一または複数含まれる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
粒度分布の累積90%粒子径が、20μm以上40μm以下である薬物凝集防止剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
薬物凝集防止剤が、乳糖水和物である請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
薬物凝集防止剤が、D-マンニトールである請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、又は錠剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
錠剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
錠剤が、フィルムコーティング錠である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
錠剤が、口腔内崩壊錠である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
口腔内崩壊錠が、フィルムコーティング錠である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び粒度分布の累積90%粒子径が5μm以上50μm以下である薬物凝集防止剤を撹拌混合機により混合する工程を含む、医薬組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び薬物凝集抑制剤を含み、良好な溶出性を示す医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスグレルは、化学名2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジンであり、プラスグレル塩酸塩を有効成分とする錠剤は抗血小板剤であることが知られており、エフィエント錠及びエフィエントOD錠として販売されている(非特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、プラスグレル又はその薬理上許容される塩、及び粒度分布の累積90%粒子径が80μm~300μmであるマンニトール又は乳糖を含有する、含量均一性の優れた固形製剤に関する発明が記載されている。
【0004】
特許文献2には、撹拌羽根を有した容器固定型混合機を用いて、プラスグレル又はその薬理上許容される塩を含有する組成物を、機械的に応力をかけて混合する工程を含む、溶出性の優れた固形製剤の製造方法に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5289975号公報
【特許文献2】特許5433235号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】添付文書「エフィエント錠2.5mg/3.75mg/5mg,エフィエントOD錠20mg」、2021年12月改訂(第3版)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び薬物凝集抑制剤を含み、良好な溶出性を示す医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、プラスグレル又はその薬理学上許容される塩を含む医薬組成物において、粒度分布の累積90%粒子径が5μm以上50μm以下である薬物凝集防止剤を含むことで、良好な溶出性を有する、プラスグレル又はその薬理学上許容される塩を含む医薬組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び粒度分布の累積90%粒子径が5μm以上50μm以下である薬物凝集防止剤を含む医薬組成物、
(2)薬物凝集防止剤が乳糖水和物、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選択される一または複数含まれる、前記(1)に記載の医薬組成物、
(3)粒度分布の累積90%粒子径が、20μm以上40μm以下である薬物凝集防止剤を含む、前記(1)に記載の医薬組成物、
(4)薬物凝集防止剤が乳糖水和物である、前記(1)~(3)のいずれかに記載の医薬組成物、
(5)薬物凝集防止剤がD-マンニトールである、前記(1)~(3)のいずれかに記載の医薬組成物、
(6)散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、又は錠剤である、前記(1)~(3)のいずれかに記載の医薬組成物、
(7)錠剤である、前記(1)~(3)のいずれかに記載の医薬組成物、
(8)錠剤が、フィルムコーティング錠である、前記(7)に記載の医薬組成物、
(9)錠剤が、口腔内崩壊錠である、前記(7)に記載の医薬組成物、
(10)口腔内崩壊錠が、フィルムコーティング錠である、前記(9)に記載の医薬組成物、
(11)プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び粒度分布の累積90%粒子径が5μm以上50μm以下である薬物凝集防止剤を撹拌混合機により混合する工程を含む、医薬組成物の製造方法、
に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プラスグレル又はその薬理学上許容される塩、及び薬物凝集防止剤を含み、良好な溶出性を示す医薬組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1及び比較例1の溶出試験の測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書における「良好な溶出性」とは、市販製剤と同等もしくはそれ以上の溶出率を担保することを意味する。本明細書の医薬組成物からのプラスグレルの溶出性は、例えば、日本薬局方に記載されている溶出試験法により評価することができる。具体的には、例えば、パドル法毎分50回転で溶出試験を行うとき、pH4.0の薄めたMcIlvaine緩衝液900mLの溶出試験液中におけるプラスグレルの溶出率が、ある態様として溶出試験開始後15分で75%以上、ある態様として78%以上、ある態様として80%以上であり、ある態様として溶出試験開始後30分で85%以上、ある態様として88%以上、ある態様として90%以上である。
【0013】
本明細書における「累積90%粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定法等で測定した体積基準の粒子径をいい、d90とあらわすことができる。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その90%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0014】
本明細書における「累積50%粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定法等で測定した体積基準の粒子径をいい、d50とあらわすことができる。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0015】
本明細書における「累積10%粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定法等で測定した体積基準の粒子径をいい、d10とあらわすことができる。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その10%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0016】
本明細書における「撹拌混合物」とは、V型混合機等を使用した重力、遠心力に基づく粉粒体の混合とは異なり、重力、遠心力に加えて衝撃力や剪断力といった外力を用いて混合することで得られる混合物を意味する。
【0017】
本明細書における「撹拌混合機」とは、撹拌混合物を得られる製造機器を意味する。具体的には、例えば、粉砕機、整粒機、高速撹拌造粒機等が挙げられる。
【0018】
本明細書における「乾式製法」とは、水を使用しない造粒方法を意味する。具体的には、溶融造粒法、破砕造粒法、直接打錠法などが挙げられ、ある態様として直接打錠法である。
【0019】
【0020】
本明細書における「直接打錠法」とは、薬物及び/又は添加剤を混合した原料粉末を、直接圧縮成形することにより製剤化する方法を意味する。
【0021】
本明細書における「溶融造粒法」とは、薬物、低融点物質、必要に応じて他の添加剤を混合し、高温で溶融させることで得られる顆粒を用いて製剤化する方法を意味する。
【0022】
本明細書における「破砕造粒法」とは、薬物及び/又は添加剤を混合した原料粉末を、ローラー法やスラッグ法でシート状又はスラッグ状に圧縮成形し、適当な方法、具体的には、例えば、整粒機で破砕・分割することで得られる顆粒を用いて製剤化する方法を意味する。
【0023】
以下に、本発明のプラスグレル含有医薬組成物の製造方法に関して説明する。
【0024】
本発明に用いられるプラスグレルは、特許第2683479号に記載された方法に従って製造され得る。プラスグレルの薬理学上許容される塩は特許第4001199号に従って製造される。
【0025】
効能・効果は、「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患」及び「虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制」であり、用法・用量は、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患に対しては「通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。」であり、虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制に対しては「通常、成人には、プラスグレルとして3.75mgを1日1回経口投与する。」という薬剤である。
【0026】
プラスグレルの配合量は、医薬品製剤としての用量を構成する製剤中のプラスグレル量であれば、特に制限されない。例えば、1錠あたりの全重量に対し、ある態様として0.1~30重量%であり、ある態様として0.5~20重量%であり、ある態様として1~10重量%である。また、例えば、1錠あたりの素錠部に対し、ある態様として1~20重量%であり、ある態様として1.5~10重量%である。
【0027】
本発明に用いられるプラスグレルのd90は、製造適性の観点から、ある態様として1μm以上200μm以下であり、ある態様として5μm以上150μm以下であり、ある態様として10μm以上100μm以下である。
【0028】
本発明に用いられるプラスグレルのd50は、製造適性の観点から、ある態様として0.5μm以上150μm以下であり、ある態様として1μm以上100μm以下であり、ある態様として2μm以上50μm以下である。
【0029】
本発明に用いられるプラスグレルのd10は、製造適性の観点から、ある態様として0.1μm以上100μm以下であり、ある態様として0.2μm以上50μm以下であり、ある態様として0.3μm以上25μm以下である。
【0030】
本発明に用いられる薬物凝集防止剤としては、製薬学的に許容され、プラスグレル又はその薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物と撹拌混合機により混合されるとき、プラスグレルの溶出性が改善されるものであれば、特に制限されない。具体的には、例えば、乳糖水和物、無水乳糖、D-マンニトール、結晶セルロース、デンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、デキストリン、トレハロース、イソマル水和物、無水リン酸水素カルシウム、D-ソルビトール、白糖、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。ある態様として、例えば、乳糖水和物、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられる。薬物凝集防止剤は一種または二種以上組み合わせて配合することができる。なお、本発明に用いられる薬物凝集防止剤は、別途賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤など医薬品添加物としての機能も有する。また、薬物凝集防止剤の機能について、具体的に解明されてはいないが、薬物凝集防止剤とプラスグレル又はその薬理学上許容される塩を含む医薬組成物を撹拌混合機により混合すると、薬物凝集防止剤がプラスグレル又はその薬理学上許容される塩の凝集を解き、表面積が増大することでプラスグレル又はその薬理学上許容される塩の溶解性が改善され、本発明の医薬品組成物からのプラスグレルの溶出が達成されているものと、本発明の発明者らは考えている。
【0031】
乳糖水和物としては、具体的には、例えば、Lactohale(登録商標)210、220、230、300、Lactochem(登録商標)Microfine(DFEファーマ製)、InhaLac(登録商標)400、500、SorboLac(登録商標)400(メグレ製)が挙げられる。
【0032】
D-マンニトールとしては、具体的には、例えば、マンニットC(三菱商事ライフサイエンス製)が挙げられる。
【0033】
トウモロコシデンプンとしては、具体的には、例えば、局方コーンスターチホワイト(日本コーンスターチ製)、日食局方コーンスターチ(日本食品化工製)が挙げられる。
【0034】
軽質無水ケイ酸としては、具体的には、例えば、AEROSIL(登録商標)200(EVONIK製)、アドソリダー(登録商標)-101(フロイント産業製)が挙げられる。
【0035】
薬物凝集防止剤の累積90%粒子径は、ある態様として5μm以上50μm以下、ある態様として10μm以上45μm以下、ある態様として20μm以上40μm以下である。
【0036】
薬物凝集防止剤の配合量は、プラスグレルの良好な医薬品製剤からの良好な溶出性を達成できる量であれば、特に制限されない。具体的には、例えば、医薬組成物全量あたり、ある態様として1.0~95.0%であり、ある態様として10.0~90.0%である、ある態様として30.0~85.0%である。
【0037】
本発明に用いられる薬物凝集防止剤の累積90%粒子径、累積50%粒子径、累積10%粒子径及び平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定法で測定することができる。
【0038】
本発明の医薬組成物には、必要に応じて、医薬品添加物を配合することができる。具体的には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、コーティング剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤等が挙げられる。
【0039】
賦形剤としては、例えば、マルチトール、キシリトール、ショ糖脂肪酸エステル、沈降炭酸カルシウム、マルトース水和物、リン酸一水素カルシウムが挙げられる。
【0040】
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、マクロゴール6000、ステアリン酸ポリオキシル40等が挙げられる。
【0041】
崩壊剤としては、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等が挙げられる。
【0042】
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0043】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0044】
コーティング剤としては、例えば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
【0045】
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
【0046】
発泡剤としては、例えば、重曹等が挙げられる。
【0047】
甘味剤としては、例えば、スクラロース、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
【0048】
香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントール等が挙げられる。
【0049】
着色剤としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号等が挙げられる。
【0050】
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類等が挙げられる。
【0051】
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
【0052】
本発明の医薬組成物には、本発明の所望の効果が達成される範囲で更なる各種医薬品添加物が適宜使用される。
本発明の医薬組成物に配合される上記更なる各種医薬品添加物は、適宜組合せることができる。
【0053】
配合量は、本発明の所望の効果の達成に影響を与えない量であれば特に制限されない。
【0054】
本発明の医薬組成物は、錠剤を含む。錠剤には、素錠及びフィルムコーティング錠を含む。錠剤は、口腔内崩壊錠であってもよい。本発明の錠剤は、所定の方法で得た撹拌混合物を用い、通常の錠剤製造方法により製造することが可能である。より具体的には、例えば、プラスグレル塩酸塩、薬物凝集防止剤、必要に応じてその他の添加剤を高速撹拌造粒機に投入して、撹拌羽根のブレード回転速度(例えば、ある態様として10~1500rpm、ある態様として100~1000rpm、ある態様として300~900rpm)、及びクロススクリュー回転速度(例えば、ある態様として100~10000rpm、ある態様として5000~7500rpm、ある態様として1000~5000rpm)により、薬物凝集防止剤がプラスグレル塩酸塩の凝集を解消する程度の時間(例えば、ある態様として1~60分、ある態様として3~30分、ある態様として5~20分)で混合し、得られる撹拌混合物に、賦形剤、結合剤、崩壊剤を混合し、滑沢剤を混合することで打錠用末が得られる。
【0055】
またある態様では、プラスグレル塩酸塩、薬物凝集防止剤、結合剤必要に応じてその他の添加剤を整粒機で撹拌混合し、流動層造粒乾燥機に投入して、流動させながら加熱し結合剤を溶融させ、結合剤の融点以上に達してから、造粒が進行する程度の時間(例えば、ある態様として1~60分間、ある態様として2~20分間、ある態様として5分間)流動させ、排気温度が一定の温度(例えば、ある態様として45℃以下、ある態様として40℃以下、ある態様として35℃以下)となるまで冷却して造粒物を得る。造粒物を整粒機で整粒し、得られる整粒物に、崩壊剤、滑沢剤、必要に応じてその他の添加剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0056】
またある態様では、プラスグレル塩酸塩、薬物凝集防止剤、滑沢剤、必要に応じてその他の添加剤を整粒機で撹拌混合し、ローラー圧縮して造粒物を得る。造粒物を整粒機で整粒し、得られる整粒物に、崩壊剤、滑沢剤、必要に応じてその他の添加剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0057】
得られた打錠用末を打錠機で製錠し、素錠を得る。製錠の際に、外部滑沢装置を用いて滑沢剤を噴霧しながら打錠してもよい。必要に応じて、素錠にフィルムコーティング液を噴霧し、フィルムコーティングを行う。
本発明の医薬組成物は、各種医薬品包装材が使用され、包装体とされても良い。
【実施例0058】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
プラスグレル塩酸塩8.24g、乳糖水和物(メグレ製:SorboLac400)137.76g、結晶セルロース(旭化成製:セオラス(登録商標)UF-702)40gを高速撹拌造粒機(パウレック製:VG-01)で15分混合し、撹拌混合物を得た。
得られた撹拌混合物93gに、クロスポビドン(BASFジャパン製:Kollidon(登録商標)CL-F)5g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製:ステアリン酸マグネシウム(植物性))2gを加えて調製した打錠用末を打錠し、錠剤質量100mg、φ6.5mmの円形の素錠を得た。