(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022672
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】使い捨て着用物品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/496 20060101AFI20250206BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20250206BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20250206BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20250206BHJP
A61F 13/62 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
A61F13/496 200
A61F13/496 100
A61F13/49 313Z
A61F13/49 311Z
A61F13/49 312Z
A61F13/15 353
A61F13/15 355C
A61F13/15 355A
A61F13/15 390
A61F13/56 210
A61F13/62 100
A61F13/56 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023202271
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2023127355
(32)【優先日】2023-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100114502
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 俊則
(72)【発明者】
【氏名】島田 崇博
(72)【発明者】
【氏名】腰島 美和
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA16
3B200BA20
3B200BB20
3B200CA02
3B200CA05
3B200CA06
3B200CA07
3B200CA11
3B200DE01
3B200DE05
3B200DE14
3B200DE16
3B200EA21
3B200EA23
3B200EA27
(57)【要約】
【課題】破断誘導線に沿って確実に破断できる使い捨て着用物品を提供する。
【解決手段】前身頃12と、後身頃14と、前身頃12と後身頃14とに結合されたクロッチ部16と、前身頃12と後身頃14の両端部12a,12b;14a,14b同士を接合する一対の第1接合部20a,20bと、前身頃12の一方主面12sに沿って配置され、前身頃12の一方主面12sに再締結可能である一対のフラップ部材18a,18bと、フラップ部材18a,18bと前身頃12とを互いに接合する一対の第2接合部22a,22bと、前身頃12に形成された一対の破断誘導線24a,24bと、を備える。破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、破断誘導線24a,24bが形成されていない部分の前身頃12の引き裂き強度よりも弱く、かつ、第2接合部22a,22bの引き裂き強度よりも弱い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用時に着用者の腹側に配置される前身頃と、
着用時に着用者の背側に配置される後身頃と、
前記前身頃と前記後身頃とに結合されたクロッチ部と、
前記前身頃と前記後身頃それぞれの両端部同士を互いに接合する一対の第1接合部と、
第1部分と第2部分とを有し、前記第2部分同士が互いに対向し、前記第1部分が前記前身頃の前記両端部のいずれか一方と隣り合うように、前記前身頃の前記後身頃とは反対側の一方主面に沿って配置され、前記第2部分が、前記前身頃の前記一方主面に解除可能に締結できるように構成された締結部を有する、一対のフラップ部材と、
前記フラップ部材それぞれの前記第1部分と前記前身頃とを互いに接合する一対の第2接合部と、
前記前身頃の上縁と下縁との間に延在し前記フラップ部材それぞれの前記第2接合部と前記締結部との間を通るように前記前身頃に形成された一対の破断誘導線と、
を備え、
前記破断誘導線の引き裂き強度が、前記破断誘導線が形成されていない部分の前記前身頃の引き裂き強度よりも弱く、かつ、前記第2接合部の引き裂き強度よりも弱い、使い捨て着用物品。
【請求項2】
前記破断誘導線の引き裂き強度が、前記第1接合部の引き裂き強度よりも弱い、請求項1に記載の使い捨て着用物品。
【請求項3】
前記前身頃の前記一方主面に垂直な方向から見ると、前記第1接合部と前記第2接合部とが重なり合う、請求項1又は2に記載の使い捨て着用物品。
【請求項4】
前記破断誘導線は、前記前身頃の前記一方主面と他方主面との間を貫通する複数の貫通部分を有するミシン目である、請求項1ないし3のいずれか一つに記載の使い捨て着用物品。
【請求項5】
前記締結部は、面ファスナのフック部材である、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の使い捨て着用物品。
【請求項6】
第1及び第2破断誘導線が形成された前身頃と、後身頃と、前記前身頃と前記後身頃とに結合されたクロッチ部とを含む個片になる予定の部分が繋がっている本体連続体を形成し、前記前身頃になる予定の部分が繋がっている前身頃連続部と、前記後身頃になる予定の部分が繋がっている後身頃連続部とが互いに離れている状態で搬送する第1工程と、
第1及び第2フラップ部材を形成するための基材連続体と、フック部材を形成するためのフック連続体とを搬送しながら互いに接合し所定形状に切断して、それぞれ前記フック部材を有する前記第1及び第2フラップ部材を形成する第2工程と、
前記第1及び第2フラップ部材を、前記本体連続体の前記前身頃連続部の一方主面に重ね、前記第1及び第2フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部とを互いに接合して、第2接合部を形成する第3工程と、
前記本体連続体の前記前身頃連続部の他方主面に前記後身頃連続部を重ね、前記本体連続体の重ね合わせた前記前身頃連続部と前記後身頃連続部とを互いに接合して、第1接合部を形成する第4工程と、
一対の前記第1接合部が前記前身頃と前記後身頃それぞれの両端部同士を互いに結合し一対の前記第2接合部が前記前身頃と前記第1及び第2フラップ部材とを互いに接合する前記個片を形成するように、前記本体連続体を切断する第5工程と、
を備え、
前記第1工程において、前記第1及び第2破断誘導線は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第1及び第2破断誘導線が形成されていない部分の前記前身頃連続部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成し、
前記第3工程において、前記第2接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第2接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する、使い捨て着用物品の製造方法。
【請求項7】
前記第1接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第1接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する、請求項6に記載の使い捨て着用物品の製造方法。
【請求項8】
前記第1及び第2フラップ部材を、前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねると、前記第1及び第2フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部との間に、接着剤塗布部が配置されるように、前記本体連続体の前記前身頃連続部、前記基材連続体、又は、前記第1及び第2フラップ部材に接着剤を塗布して、前記接着剤塗布部を形成し、
前記第3工程において、前記第1及び第2フラップ部材を、前記接着剤塗布部を介して前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねて仮固定して、前記第2接合部を形成する、請求項6又は7に記載の使い捨て着用物品の製造方法。
【請求項9】
第1及び第2の破断誘導線が形成された前身頃と、後身頃と、前記前身頃と前記後身頃とに結合されたクロッチ部とを含む個片になる予定の部分が繋がっている本体連続体を形成し、前記前身頃になる予定の部分が繋がっている前身頃連続部と、前記後身頃になる予定の部分が繋がっている後身頃連続部とが互いに離れている状態で搬送する第1工程と、
第1及び第2フラップ部材を形成するための基材連続体と、フック部材を形成するためのフック連続体とを搬送しながら互いに接合し所定形状に切断して、それぞれ前記フック部材を有する前記第1及び第2フラップ部材が繋がっている分割前フラップ部材を形成する第2工程と、
前記分割前フラップ部材を前記本体連続体の前記前身頃連続部の一方主面に重ねるとともに、前記本体連続体の前記前身頃連続部の他方主面に前記本体連続体の前記後身頃連続部を重ね、前記分割前フラップ部材と前記本体連続体の重ね合わせた前記前身頃連続部及び前記後身頃連続部とを互いに接合して、前記本体連続体の前記前身頃連続部と前記後身頃連続部とを互いに接合する第1接合部と、前記分割前フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部とを互いに接合する第2接合部とを形成する第3工程と、
一対の前記第1接合部が前記前身頃と前記後身頃それぞれの両端部同士を互いに結合し一対の前記第2接合部が前記前身頃と前記フラップ部材とを互いに接合する前記個片を形成するように、互いに接合された前記分割前フラップ部材及び前記本体連続体を切断する第4工程と、
を備え、
前記第1工程において、前記第1及び第2破断誘導線は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第1及び第2破断誘導線が形成されていない部分の前記前身頃連続部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成し、
前記第3工程において、前記第2接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が前記第2接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する、使い捨て着用物品の製造方法。
【請求項10】
前記第1接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が前記第1接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する、請求項9に記載の使い捨て着用物品の製造方法。
【請求項11】
前記分割前フラップ部材を、前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねると、前記分割前フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部との間に、接着剤塗布部が配置されるように、前記本体連続体の前記前身頃連続部、前記基材連続体、又は前記分割前フラップ部材に接着剤を塗布して、前記接着剤塗布部を形成し、
前記第3工程において、前記分割前フラップ部材を、前記接着剤塗布部を介して前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねて仮固定して、前記第1接合部及び前記第2接合部を形成する、請求項9又は10に記載の使い捨て着用物品の製造方法。
【請求項12】
前記第2工程において、
前記基材連続体と前記フック連続体とを搬送し、
前記フック連続体を分割して第1及び第2フック連続体を形成し、
前記第1及び第2フック連続体を切断して前記フック部材の対を形成し、
前記フック部材の対を搬送方向に互いに間隔を設けて前記基材連続体に接合してフック連続体を形成し、
前記フック連続体を、互いに隣り合う前記フック部材の対の間で切断して前記分割前フラップ部材を形成する、請求項9又は10に記載の使い捨て着用物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て着用物品及びその製造方法に関し、詳しくは、引き裂いた後に再締結して着用できるパンツ型使い捨て着用物品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引き裂いた後に再締結して着用できるパンツ型使い捨て着用物品が提案されている。
図12は、このような使い捨て着用物品の立面図である。
【0003】
図12に示すように、このパンツ型使い捨て着用物品150は、前身頃152と後身頃157の両端同士が接合部162で互いに接合され、クロッチ部160の両端部が前身頃152と後身頃157とに取り付けられている。前身頃152の両端部に、胴回り開口165から脚回り開口164に至る一対の破断誘導線132,134が形成されており、それぞれの破断誘導線132,134を跨ぐように一対のフラップ部材166,168が取り付けられている。
【0004】
フラップ部材166,168の基端部143は、前身頃152に接合されており、先端部149に締結要素が設けられ、先端部149の締結要素が、前身頃152の締結領域140に対して離接可能となっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0148557号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような使い捨て着用物品150は、着用前に破断誘導線132,134に沿って前身頃152を引き裂いた後、着用者の脚回りに巻き付け、フラップ部材166,168を再締結し、着用者の脚が脚回り開口164を通る状態にして、着用することがある。このような着用を行う際に、破断誘導線132,134に沿って確実に前身頃152を引き裂く必要がある。
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、破断誘導線に沿って確実に引き裂いくことができる使い捨て着用物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した使い捨て着用物品を提供する。
【0009】
使い捨て着用物品は、(a)着用時に着用者の腹側に配置される前身頃と、(b)着用時に着用者の背側に配置される後身頃と、(c)前記前身頃と前記後身頃とに結合されたクロッチ部と、(d)前記前身頃と前記後身頃それぞれの両端部同士を互いに接合する一対の第1接合部と、(e)第1部分と第2部分とを有し、前記第2部分同士が互いに対向し、前記第1部分が前記前身頃の前記両端部のいずれか一方と隣り合うように、前記前身頃の前記後身頃とは反対側の一方主面に沿って配置され、前記第2部分が、前記前身頃の前記一方主面に解除可能に締結できるように構成された締結部を有する、一対のフラップ部材と、(f)前記フラップ部材それぞれの前記第1部分と前記前身頃とを互いに接合する一対の第2接合部と、(g)前記前身頃の上縁と下縁との間に延在し前記フラップ部材それぞれの前記第2接合部と前記締結部との間を通るように前記前身頃に形成された一対の破断誘導線と、を備え、(i)前記破断誘導線の引き裂き強度が、前記破断誘導線が形成されていない部分の前記前身頃の引き裂き強度よりも弱く、かつ、前記第2接合部の引き裂き強度よりも弱い。
【0010】
上記構成によれば、破断誘導線は第2接合部より引き裂かれやすいため、前身頃の一対の破断誘導線の間の部分と、いずれか一方のフラップ部材とを互いに離れる方向に引っ張ると、フラップ部材が前身頃から剥がれなることなく、前身頃を破断誘導線に沿って確実に引き裂くことができる。
【0011】
好ましくは、前記破断誘導線の引き裂き強度は、前記第1接合部の引き裂き強度よりも弱い。
【0012】
この場合、破断誘導線は第1接合部より引き裂かれやすいため、前身頃の一対の破断誘導線の間の部分と、後身頃とを互いに離れる方向に引っ張ると、前身頃と後身頃とが第1接合部で剥がれなることなく、前身頃を破断誘導線に沿って確実に引き裂くことができる。
【0013】
好ましくは、前記前身頃の前記一方主面に垂直な方向から見ると、前記第1接合部と前記第2接合部が重なり合う。
【0014】
この場合、第1接合部と第2接合部と同時に形成できるので、使い捨て着用物品の製造工程を簡略化できる。
【0015】
好ましくは、前記破断誘導線は、前記前身頃の前記一方主面と他方主面との間を貫通する複数の貫通部分を有するミシン目である。
【0016】
この場合、破断誘導線を容易に形成できる。
【0017】
好ましくは、前記締結部は、面ファスナのフック部材である。
【0018】
この場合、フック部材は、前身頃との着脱が容易であり、着脱を繰り返しても締結が安定する。
【0019】
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した使い捨て着用物品の製造方法を提供する。
【0020】
使い捨て着用物品の製造方法は、(i)第1及び第2破断誘導線が形成された前身頃と、後身頃と、前記前身頃と前記後身頃とに結合されたクロッチ部とを含む個片になる予定の部分が繋がっている本体連続体を形成し、前記前身頃になる予定の部分が繋がっている前身頃連続部と、前記後身頃になる予定の部分が繋がっている後身頃連続部とが互いに離れている状態で搬送する第1工程と、(ii)第1及び第2フラップ部材を形成するための基材連続体と、フック部材を形成するためのフック連続体とを搬送しながら互いに接合し所定形状に切断して、それぞれ前記フック部材を有する前記第1及び第2フラップ部材を形成する第2工程と、(iii)前記第1及び第2フラップ部材を、前記本体連続体の前記前身頃連続部の一方主面に重ね、前記第1及び第2フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部とを互いに接合して、第2接合部を形成する第3工程と、(iv)前記本体連続体の前記前身頃連続部の他方主面に前記後身頃連続部を重ね、前記本体連続体の前記前身頃連続部と前記後身頃連続部とを互いに接合して、第1接合部を形成する第4工程と、(v)一対の前記第1接合部が前記前身頃と前記後身頃それぞれの両端部同士を互いに結合し一対の前記第2接合部が前記前身頃と前記第1及び第2フラップ部材とを互いに接合する前記個片を形成するように、前記本体連続体を切断する第5工程と、を備え、(a)前記第1工程において、前記第1及び第2破断誘導線は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第1及び第2破断誘導線が形成されていない部分の前記前身頃連続部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成し、(b)前記第3の工程において、前記第2接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第2接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0021】
この場合、破断誘導線に沿って確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品を製造できる。
【0022】
好ましくは、前記第1接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第1接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0023】
この場合、第1接合部で前身頃と後身頃とが剥がれることなく、破断誘導線に沿って前身頃を確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品を製造できる。
【0024】
好ましくは、(a)前記第1及び第2フラップ部材を、前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねると、前記第1及び第2フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部との間に、接着剤塗布部が配置されるように、前記本体連続体の前記前身頃連続部、前記基材連続体、又は、前記第1及び第2フラップ部材に接着剤を塗布して、前記接着剤塗布部を形成し、(b)前記第3の工程において、前記第1及び第2フラップ部材を、前記接着剤塗布部を介して前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねて仮固定して、前記第2接合部を形成する。
【0025】
この場合、第1及び第2フラップ部材を仮固定することにより、前記接着剤塗布部を形成しない場合よりも製造ラインの搬送速度をより速くでき、単位時間あたりの製造個数を増やすことが容易である。
【0026】
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した使い捨て着用物品の製造方法を提供する。
【0027】
使い捨て着用物品の製造方法は、(i)第1及び第2の破断誘導線が形成された前身頃と、後身頃と、前記前身頃と前記後身頃とに結合されたクロッチ部とを含む個片になる予定の部分が繋がっている本体連続体を形成し、前記前身頃になる予定の部分が繋がっている前身頃連続部と、前記後身頃になる予定の部分が繋がっている後身頃連続部とが互いに離れている状態で搬送する第1工程と、(ii)第1及び第2フラップ部材を形成するための基材連続体と、フック部材を形成するためのフック連続体とを搬送しながら互いに接合し所定形状に切断して、それぞれ前記フック部材を有する前記第1及び第2フラップ部材が繋がっている分割前フラップ部材を形成する第2工程と、(iii)前記分割前フラップ部材を前記本体連続体の前記前身頃連続部の一方主面に重ねるとともに、前記本体連続体の前記前身頃連続部の他方主面に前記本体連続体の前記後身頃連続部を重ね、前記分割前フラップ部材と前記本体連続体の重ね合わせた前記前身頃連続部及び前記後身頃連続部とを互いに接合して、前記本体連続体の前記前身頃連続部と前記後身頃連続部とを互いに接合する第1接合部と、前記分割前フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部とを互いに接合する第2接合部とを形成する第3工程と、(iv)一対の前記第1接合部が前記前身頃と前記後身頃それぞれの両端部同士を互いに結合し一対の前記第2接合部が前記前身頃と前記フラップ部材とを互いに接合する前記個片を形成するように、互いに接合された前記分割前フラップ部材及び前記本体連続体を切断する第4工程と、を備え、(a)前記第1工程において、前記第1及び第2破断誘導線は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が、前記第1及び第2破断誘導線が形成されていない部分の前記前身頃連続部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成し、(b)前記第3工程において、前記第2接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が前記第2接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0028】
この場合、破断誘導線に沿って確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品を製造できる。前身頃と後身頃を互いに接合する第1接合部と、前身頃とフラップ部材とを互いに接合する第2接合部とを同時に形成でき、製造工程を簡略化できる。
【0029】
好ましくは、前記第1接合部は、前記第1及び第2破断誘導線の引き裂き強度が前記第1接合部の引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0030】
この場合、第1接合部で前身頃と後身頃とが剥がれることなく、破断誘導線に沿って前身頃を確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品を製造できる。
【0031】
好ましくは、(a)前記分割前フラップ部材を、前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねると、前記分割前フラップ部材と前記本体連続体の前記前身頃連続部との間に、接着剤塗布部が配置されるように、前記本体連続体の前記前身頃連続部、前記基材連続体、又は前記分割前フラップ部材に接着剤を塗布して、前記接着剤塗布部を形成し、(b)前記第3工程において、前記分割前フラップ部材を、前記接着剤塗布部を介して前記本体連続体の前記前身頃連続部の前記一方主面に重ねて仮固定して、前記第1接合部及び前記第2接合部を形成する。
【0032】
この場合、分割前フラップ部材を仮固定することにより、前記接着剤塗布部を形成しない場合よりも製造ラインの搬送速度をより速くでき、単位時間あたりの製造個数を増やすことが容易である。
【0033】
好ましくは、前記第2工程において、前記基材連続体と前記フック連続体とを搬送し、前記フック連続体を分割して第1及び第2フック連続体を形成し、前記第1及び第2フック連続体を切断して前記フック部材の対を形成し、前記フック部材の対を搬送方向に互いに間隔を設けて前記基材連続体に接合してフック連続体を形成し、前記フック連続体を、互いに隣り合う前記フック部材の対の間で切断して前記分割前フラップ部材を形成する。
【0034】
この場合、第1及び第2フック連続体と基材連続体とを、別々の装置を用いて効率よく切断でき、生産効率の向上が容易である。また、切断に用いる切刃の摩耗を抑制し、生産ラインの効率的な運用を図ることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、破断誘導線に沿って確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1(a)は使い捨て着用物品の正面略図であり、
図1(b)は裏面略図である。(実施例1)
【
図2】
図2は
図1(a)の線A-Aに沿って切断した断面略図である。(実施例1)
【
図3】
図3は着用物品の要部透視図である。(実施例1)
【
図4】
図4は使い捨て着用物品の製造工程の略図である。(実施例1)
【
図5】
図5(a)は使い捨て着用物品の正面略図であり、
図5(b)は裏面略図である。(実施例2)
【
図6】
図6は使い捨て着用物品の製造工程の略図である。(実施例2)
【
図7】
図7は
図5(a)の線B-Bに沿って切断した断面略図である。(実施例2)
【
図8】
図8は使い捨て着用物品の要部拡大略図である(変形例1)
【
図9】
図9は使い捨て着用物品の製造工程の略図である。(変形例2)
【
図10】
図10は使い捨て着用物品の製造工程の略図である。(変形例2)
【
図11】
図11は使い捨て着用物品の製造工程の略図である。(変形例3)
【
図12】
図12は使い捨て着用物品の立面図である。(従来例1)
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0038】
<実施例1> 実施例1の使い捨て着用物品10及びその製造方法について、
図1~
図4を参照しながら説明する。
【0039】
図1(a)は、実施例1の使い捨て着用物品10の正面略図であり、
図1(b)は裏面略図である。
図2は、
図1(a)の線A-Aに沿って切断した断面略図である。
図3は、着用物品10の要部透視図である。
【0040】
図1(a)、
図1(b)、
図2及び
図3に示すように、使い捨て着用物品10は、前身頃12と後身頃14それぞれの両端部12a,12b;14a,14b同士が一対の第1接合部20a,20bを介して互いに接合され、クロッチ部16の両端部が前身頃12と後身頃14とに結合され、クロッチ部16は、中間位置17で折り返されている。
【0041】
前身頃12及び後身頃14は、伸縮性がないように構成しても構わないが、例えば、不織布シートの間に弾性部材が配置され適宜箇所で不織布シートと弾性部材が互いに接合された伸縮複合シートを用いて、伸縮性を有するように構成する。使い捨て着用物品10は、
図1(a)及び
図1(b)に示した状態、あるいは、さらに折り畳んだ状態で包装され、消費者に提供される。
【0042】
前身頃12は着用時に着用者の腹側に配置され、後身頃14は着用時に着用者の背側に配置される。前身頃12と後身頃14との間に空間を設けると、前身頃12の上縁12pと後身頃14の上縁14pとに沿って胴回り開口が形成され、クロッチ部16の両側に一対の脚回り開口が形成される。
【0043】
第1接合部20a,20bは、例えば
図3に示すように、前身頃12と後身頃14とを間欠的にヒートシールすることにより形成され、前身頃12の上縁12p及び下縁12qに対して斜めに延在する複数のヒートシール部分20sが互いに間隔を設けて並ぶ。
【0044】
前身頃12には、第1接合部20a,20bとの間に間隔を設けて一対の破断誘導線24a,24bが形成され、破断誘導線24a,24bを跨ぐように一対のフラップ部材18a,18bが配置されている。
【0045】
一対のフラップ部材18a,18bは、基端側の第1部分18pと先端側の第2部分18qとを有し、第2部分18q同士が互いに対向するように配置され、第1部分18pと前身頃12とが第2接合部22a,22bを介して互いに接合されている。第2接合部22a,22bは、例えば
図3に示すように、互いに隣り合う第1接合部20a,20bと破断誘導線24a,24bとの間において連続的に延在するように、ヒートシール、超音波接合等によって形成される。
【0046】
フラップ部材18a,18bの第2部分18qは、前身頃12の一方主面12sに解除可能に締結できるように構成された締結部を有する。例えば、締結部は、前身頃12の一方主面12sに対向するようにフラップ部材18a,18bの第2部分18qに取り付けられた面ファスナのフック部材19a,19bであり、フック部材19a,19bのフック面19sが前身頃12の一方主面12sに係合することによって、前身頃12の一方主面12sに解除可能に締結できるように構成されている。締結部は、粘着シート、フック、ボタン等を用いて構成しても構わない。
【0047】
一対の破断誘導線24a,24bは、前身頃12の上縁12pと下縁12qとの間に延在し、フラップ部材18a,18bそれぞれの第2接合部22a,22bとフック部材19a,19bとの間を通るように形成されている。
【0048】
破断誘導線24a,24bは、破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、破断誘導線24a,24bが形成されていない部分の前身頃12の引き裂き強度よりも弱くなるように形成された部分である。これにより、前身頃12の破断誘導線24a,24bの両側を互いに反対方向に引っ張ると、破断誘導線24a,24bに沿って前身頃12が引き裂かれ、破断誘導線24a,24bが形成されていない部分では引き裂かれないように構成されている。
【0049】
破断誘導線24a,24bは、例えば
図3に示すように、前身頃12の一方主面12sと他方主面12tとの間を貫通する複数の貫通部分24sを有するミシン目である。ミシン目の破断誘導線24a,24bは容易に形成できるが、前身頃12に非貫通のスリットを形成する、前身頃12の素材の一部分を除去する等によって、破断誘導線24a,24bを形成してもよい。
【0050】
破断誘導線24a,24bと第2接合部22a,22bとは、破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、第2接合部22a,22bの引き裂き強度よりも弱くなるように形成されている。これにより、前身頃12の一対の破断誘導線24a,24bの間の部分と、いずれか一方のフラップ部材18a,18bとを互いに離れる方向に引っ張ると、フラップ部材18a,18bが前身頃12から剥がれることなく、前身頃12を破断誘導線24a,24bに沿って確実に引き裂くことができるように構成されている。
【0051】
さらに、破断誘導線24a,24bと第1接合部20a,20bとは、破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、前身頃12と後身頃14とを接合する第1接合部20a,20bの引き裂き強度よりも弱くなるように形成することが好ましい。これにより、前身頃12の一対の破断誘導線24a,24bの間の部分と、後身頃14とを互いに離れる方向に引っ張ると、前身頃12と後身頃14とが第1接合部20a,20bで剥がれなることなく、破断誘導線24a,24bに沿って確実に前身頃12が引き裂かれるように構成できる。
【0052】
つまり、破断誘導線24a,24bの引き裂き強度をFf、破断誘導線24a,24bが形成されていな部分の前身頃の引き裂き強度をF0、第1接合部20a,20bの引き裂き強度F1、第2接合部22a,22bの引き裂き強度F2とすると、次の式1及び式2を満たすように構成し、好ましくは、さらに式3を満たすように構成する。
Ff<F0 (式1)
Ff<F2 (式2)
Ff<F1 (式3)
【0053】
引き裂き強度は、JIS L 1096 C法(トラペゾイド法)に準拠して計測する。
【0054】
破断誘導線24a,24bの引き裂き強度は、破断誘導線24a,24bが試料の長手方向中央に位置するように、所定寸法の前身頃12の試料を作成し、試験装置の固定側つかみと移動側つかみとの間に破断誘導線24a,24bが配置された状態とし、所定の条件(所定のつかみ間隔、所定の引張速度)で引裂試験を行い、引き裂く時に示す最大強さ[Kgf(N)]を測定し、3回の平均値で表す。
【0055】
例えば、ミシン目を形成する刃の幅をW(mm)、隣り合うミシン目の間の隙間寸法をD(mm)とすると、破断誘導線24a,24bの引き裂き強度は、次の表1のようになる。
【表1】
【0056】
破断誘導線24a,24bが形成されていな部分の前身頃の引き裂き強度は、破断誘導線24a,24bを含まない所定寸法の前身頃12の試料を作成し、試験装置の固定側つかみと移動側つかみで試料をつかんだ状態とし、所定の条件で引裂試験を行い、引き裂く時に示す最大強さを測定し、3回の平均値で表す。
【0057】
第1接合部20a,20bの引き裂き強度は、第1接合部20a,20bが試料の長手方向中央に位置し、その両側に前身頃12と後身頃14が配置された所定寸法の試料を作成し、試験装置の固定側つかみと移動側つかみとの間に第1接合部20a,20bが配置され、固定側つかみと移動側つかみとのいずれか一方が試料の前身頃12をつかみ、他方が試料の後身頃14をつかむ状態とし、所定の条件で引裂試験を行い、引き裂く時に示す最大強さを測定し、3回の平均値で表す。
【0058】
第2接合部22a,22bの引き裂き強度は、第2接合部22a,22bが試料の長手方向中央に位置し、その両側に前身頃12とフラップ部材18a,18bとが配置された所定寸法の試料を作成し、試験装置の固定側つかみと移動側つかみとの間に第2接合部22a,22bが配置され、固定側つかみと移動側つかみとのいずれか一方が試料の前身頃12をつかみ、他方が試料のフラップ部材18a,18bをつかむ状態とし、所定の条件で引裂試験を行い、引き裂く時に示す最大強さを測定し、3回の平均値で表す。
【0059】
例えば、
図3に示すヒートシール部分20sのシール幅をW(mm)とすると、第1接合部20a,20bの引き裂き強度は、次の表2のようになる。
【表2】
【0060】
次に、使い捨て着用物品10の製造方法について、
図4を参照しながら説明する。図は、使い捨て着用物品10の製造工程の略図である。
【0061】
使い捨て着用物品10の製造方法は、次の第1ないし第5の工程を備える。
【0062】
(i)第1及び第2破断誘導線24a,24bが形成された前身頃12と、後身頃14と、前記前身頃12と前記後身頃14とに結合されたクロッチ部16とを含む個片になる予定の部分11kが繋がっている本体連続体11を形成し、前記前身頃12になる予定の部分が繋がっている前身頃連続部12kと、前記後身頃14になる予定の部分が繋がっている後身頃連続部14kとが互いに離れている状態で搬送する。これは、第1工程である。
【0063】
本体連続体11は公知の方法で形成でき、例えば、前身頃連続部12k及び後身頃連続部14kは、不織布等のシートの間に複数本の弾性部材12i,14iが配置され、適宜箇所で不織布等のシートと弾性部材12i,14iとが互いに接合され、弾性部材12i,14iが伸張した状態で搬送される。本体連続体11に、経血及び/又は尿等の液体を吸収し保持するための吸収体18が予め配置されていても、配置されていなくても構わない。
【0064】
(ii)また、第1及び第2フラップ部材18a,18bを形成するための基材連続体30と、フック部材19a,19bを形成するためのフック連続体32,34とを搬送しながら互いに接合し所定形状に切断して、それぞれ前記フック部材19a,19bを有する前記第1及び第2フラップ部材18a,18bを形成する。これは、第2工程である。
【0065】
第1及び第2フラップ部材18a,18bは、種々の態様で形成することができる。
【0066】
例えば、基材連続体30と、面ファスナの第1及び第2フック部材19a,19bを形成するための第1及び第2フック連続体32,34とを、それぞれが連続する方向に搬送する。
【0067】
次いで、基材連続体30に、基材連続体30の一対の側縁30m,30nに沿って、第1及び第2フック連続体32,34を互いに間隔を設けて接合して、第1連続体30aを形成する。このとき、第1及び第2フック連続体32,34は、フック面が露出するように、接着、ヒートシール、超音波接合、縫合等の適宜な手段で基材連続体30に接合する。
【0068】
次いで、第1連続体30aを、基材連続体30の一対の側縁30m,30nに沿って、破線で示す所定形状のトリミング部分30p,30qを切除して、第1及び第2フック連続体32,34が切断されて形成されたフック部材19a,19bを有する第2連続体30bを形成する。
【0069】
次いで、第2連続体30bを、互いに対向するフック部材19a,19bの間で分割し、分割により形成された外縁31m,31nを有する一対の第3連続体31a,31bを形成する。
【0070】
次いで、一対の第3連続体31a,31bを、鎖線で示す所定位置31xで切断して、フック部材19a,19bを有する第1及び第2フラップ部材18a,18bを形成し、第1及び第2フラップ部材18a,18bを対にした後、矢印31uで示すように、搬送方向に対する向きを変える。
【0071】
なお、第1及び第2フラップ部材18a,18bは、後述する変形例2のように、搬送方向に対する向きを変える必要がないように形成してもよい。
【0072】
(iii)次いで、前記第1及び第2フラップ部材18a,18bを、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの一方主面12sに重ね、前記第1及び第2フラップ部材18a,18bと前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kとを互いに接合して、第2接合部22a,22bを形成する。これは、第3工程である。
【0073】
このとき、一対のフラップ部材18a,18bそれぞれの第2接合部22a,22bとフック部材19a,19bとの間に、第1及び第2破断誘導線24a,24bのいずれ一方が配置され、フラップ部材18a,18bが、第1及び第2破断誘導線24a,24bのいずれ一方を跨ぐようにする。第2接合部22a,22bは、ヒートシール、超音波接合等により形成する。
【0074】
(iv)次いで、矢印11xで示すように前記本体連続体11を折り返し、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの他方主面12tに、前記本体連続体11の前記後身頃連続部14kを重ね、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kと前記後身頃連続部14kとを互いに接合して、第1接合部20a,20bを形成する。これは、第4工程である。
【0075】
第1接合部20a,20bは、本体連続体11の個片になる予定の部分11kの境界線の両側に、ヒートシール、超音波接合等により形成する。第1接合部20a,20bが繋がり、個片になる予定の部分11kの境界線を跨ぐように、前身頃連続部12kと後身頃連続部14kとを互いに接合しても構わない。
【0076】
(v)次いで、一対の前記第1接合部20a,20bが前記前身頃12と前記後身頃14それぞれの両端部12a,12b;14a,14b同士を互いに結合し一対の前記第2接合部22a,22bが前記前身頃12と前記第1及び第2フラップ部材18a,18bとを互いに接合する前記個片を形成するように、前記本体連続体11を切断する。これは、第5工程である。
【0077】
上記(i)の第1工程において、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bは、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bが形成されていない部分の前記前身頃連続部12kの引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0078】
また、上記(iii)の第3工程において、前記第2接合部22a,22bは、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、前記第2接合部22a,22bの引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0079】
以上により、破断誘導線24a,24bに沿って確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品10を、連続的に効率よく製造できる。
【0080】
なお、前身頃連続部12k及び後身頃連続部14kの弾性部材12i,14iは、切断によって伸張状態が解除されるので、切断後の着用物品10の前身頃12及び後身頃14は、収縮した状態になる。
【0081】
上記(iv)の第4工程において、前記第1接合部20a,20bは、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、前記第1接合部20a,20bの引き裂き強度よりも弱くなるように形成してもよい。
【0082】
この場合、第1接合部20a,20bで前身頃12と後身頃14とが剥がれることなく、破断誘導線24a,24bに沿って前身頃12を確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品10を製造できる。
【0083】
また、上記(iii)の第3工程において、第1及び第2フラップ部材18a,18bを本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねて仮固定してもよい。
【0084】
この場合、(a)前記第1及び第2フラップ部材18a,18bを、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねると、前記第1及び第2フラップ部材18a,18bと前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kとの間に、接着剤塗布部36a,36bが配置されるように、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12k、前記基材連続体30、又は、前記第1及び第2フラップ部材18a,18bに接着剤を塗布して、前記接着剤塗布部36a,36bを形成し、(b)前記第3工程において、前記第1及び第2フラップ部材18a,18bを、前記接着剤塗布部36a,36bを介して前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねて仮固定して、前記第2接合部22a,22bを形成する。
【0085】
例えば、
図4に示すように、一対の第3連続体31a,31bの第1及び第2フック部材19a,19bと同じ側の主面に、外縁31m,31nに沿ってホットメル等の接着剤を塗布して接着剤塗布部36a,36bを形成し、接着剤塗布部36a,36bとフック部材19a,19bとの間に破断誘導線24a,24bが配置されるように、第1及び第2フラップ部材18a,18bを本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねて仮固する。
【0086】
一対の第3連続体31a,31bの代わりに、本体連続体11の前身頃連続部12k、基材連続体30、第1連続部30a、第2連続部30b、又は切断された一対のフラップ部材18a,18bの適宜箇所にホットメル等の接着剤を塗布して、接着剤塗布部36a,36bを形成してもよい。
【0087】
第1及び第2フラップ部材18a,18bを仮固定することにより、仮固定しない場合よりも製造ラインの搬送速度をより速くでき、単位時間あたりの製造個数を増やすことが容易である。
【0088】
<実施例2> 前身頃12の主面12sに垂直な方向から見ると、第1接合部20p,20qと第2接合部22p,22qとが重なり合う実施例2の使い捨て着用物品10a及びその製造方法について、
図5~
図7を参照しながら説明する。実施例2は、実施例1と略同様の構成であり、以下では、実施例1と同じ構成部分には実施例1と同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0089】
図5(a)は、実施例2の使い捨て着用物品10aの正面略図であり、
図5(b)は裏面略図である。
図7は、
図5(a)の線B-Bに沿って切断した断面略図である。
【0090】
図5(a)、
図5(b)及び
図7に示すように、実施例2の使い捨て着用物品10aは、実施例1と同様に、前身頃12に形成された破断誘導線24a,24bを跨ぐように、フラップ部材18a,18bが前身頃12に取り付けられている。
【0091】
前身頃12の主面12sに垂直な方向から見ると、前身頃12と後身頃14とを互いに接合する第1接合部20p,20qと、フラップ部材18a,18bと前身頃12とを互いに接合する第2接合部22p,22qとが重なり合っている。第1接合部20p,20qと第2接合部22p,22qとが重なっているので、第1接合部20p,20qと第2接合部22p,22qとを同時に形成できる。
【0092】
次に、使い捨て着用物品10aの製造方法について、
図6を参照しながら、説明する。
図6は、使い捨て着用物品10aの製造工程の略図である。
【0093】
使い捨て着用物品10aの製造方法は、次の第1ないし第4工程を備える。
【0094】
(i)
図6に示すように、本体連続体11を形成し、矢印で示す方向に搬送する。詳しくは、第1及び第2の破断誘導線24a,24bが形成された前身頃12と、後身頃14と、前記前身頃12と前記後身頃14とに結合されたクロッチ部16とを含む個片になる予定の部分11kが繋がっている本体連続体11を形成し、前記前身頃12になる予定の部分が繋がっている前身頃連続部12kと、前記後身頃14になる予定の部分が繋がっている後身頃連続部14kとが互いに離れている状態で搬送する。これは、第1工程である。
【0095】
(ii)また、基材連続体30とフック連続体35とを用いて、分割前フラップ部材18cを形成する。すなわち、第1及び第2フラップ部材18a,18bを形成するための基材連続体30と、フック部材19a,19bを形成するためのフック連続体32,34とを搬送しながら互いに接合し所定形状に切断して、それぞれ前記フック部材19a,19bを有する前記第1及び第2フラップ部材18a,18bが繋がっている分割前フラップ部材18cを形成する。これは、第2工程である。
【0096】
詳しくは、基材連続体30と、フック連続体35とを、矢印で示す方向に搬送する。
【0097】
次いで、フック連続体35の幅方向中間位置に、スリット装置80を用いてスリットを形成して、第1及び第2フック連続体32,34を形成する。
【0098】
次いで、カット・アンド・スリップ装置82を用いて、第1及び第2フック連続体32,34を所定長さに切断してフック部材19a,19bの対を順次、形成し、フック部材19a,19bの対を、搬送方向に互いに間隔を設けて、基材連続体30の一方主面30sに貼り付けて、フラップ連続体31を形成する。このとき、フック部材19a,19bのフック面とは反対側の面を、基材連続体30の側縁30m,30nに沿って基材連続体30の一方主面30sに貼り付ける。図示していないが、フック部材19a,19bを貼り付ける前に、例えば、基材連続体30及び/又はフック部材19a,19bの所定箇所に接着剤を塗布する。
【0099】
次いで、ピンエンボス加工装置84を用いて、フラップ連続体31の基材連続体30とフック部材19a,19bとの接合を強化する。
【0100】
次いで、フラップ連続体31を、カット・アンド・ターン装置88を用いて、搬送方向に互いに隣り合うフック部材19a,19bの間の所定位置で切断して、分割前フラップ部材18cを形成し、次いで、分割前フラップ部材18cを搬送しながら、搬送方向に対する向きを90°回転する。カット・アンド・ターン装置88は、フラップ連続体31の基材連続体30の他方主面を支持しながら搬送する。
【0101】
分割前フラップ部材18cは、他の方法でも形成できる。例えば、
図4に示した実施例1と同様に、基材連続体30と、第1及び第2フック連続体32,34とを互いに接合し加工して、フック部材19a,19bを有する第2連続体30bを形成する。次いで、実施例1と異なり、第2連続体30bを一対の第3連続体31a,31bに分割せずに、第2連続体30bを所定位置で切断して、分割前フラップ部材18cを形成した後、分割前フラップ部材18cの向きを変える。分割前フラップ部材18cは、互いに対向する第1及び第2フック部材19a,19bを有し、第1及び第2フラップ部材18a,18bの第1部分18p同士が繋がるように形成する。
【0102】
この場合、分割前フラップ部材18cを形成するときに、第2連続体30bの第1及び第2フック連続体32,34と基材連続体30との両方を同時に切断するため、切断に用いる切刃が摩耗しやすい。
【0103】
これに対し、
図6に示したように、第1及び第2フック連続体32,34と、フック連続体31の基材連続体30とを、別々の装置82,88を用いて切断すると、両方を同時に切断する場合に比べ、効率よく切断でき、搬送速度を高速化して生産効率を向上することが容易である。また、切断に用いる切刃の摩耗を抑制し、生産ラインの効率的な運用を図ることができる。
【0104】
(iii)次いで、前記分割前フラップ部材18cを前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねるとともに、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの他方主面12tに前記本体連続体11の前記後身頃連続部14kを重ね、前記分割前フラップ部材18cと前記本体連続体11の重ね合わせた前記前身頃連続部12k及び前記後身頃連続部14kとを互いに接合して、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kと前記後身頃連続部14kとを互いに接合する第1接合部20p,20qと、前記分割前フラップ部材18cと前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kとを互いに接合する第2接合部22p,22qとを形成する。これは、第3工程である。
【0105】
このとき、分割前フラップ部材18cの互いに対向する一対の第1及び第2フック部材19a,19bの間の境界線18kと、本体連続体11の個片になる予定の部分11kの境界線とが重なるように、分割前フラップ部材18cを本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ね、分割前フラップ部材18cのフック部材19a,19bの間に、本体連続体11の前身頃連続部12kに形成された一対の第1及び第2破断誘導線24a,24bが配置されるようにする。
【0106】
第3工程において、分割前フラップ部材18cを本体連続体11の前記前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねる第1サブステップは、本体連続体11の前身頃連続部12kの他方主面12tに本体連続体11の後身頃連続部14kを重ねる第2サブステップの前に実行しても、第2サブステップの後に実行しても、第2サブステップと同時に実行してもよい。
【0107】
(iv)次いで、一対の前記第1接合部20p,20qが前記前身頃12と前記後身頃14それぞれの両端部12a,12b;14a,14b同士を互いに結合し一対の前記第2接合部22p,22qが前記前身頃12と前記フラップ部材18a,18bとを互いに接合する前記個片を形成するように、互いに接合された前記分割前フラップ部材18c及び前記本体連続体11を切断する。これは、第4工程である。
【0108】
上記(i)の第1工程において、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bは、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bが形成されていない部分の前記前身頃連続部12kの引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0109】
上記(iii)の第3工程において、前記第2接合部22p,22qは、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が前記第2接合部22p,22qの引き裂き強度よりも弱くなるように形成する。
【0110】
以上により、破断誘導線24a,24bに沿って確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品10aを、連続的に効率よく製造できる。前身頃12と後身頃14を互いに接合する第1接合部20p,20qと、前身頃12とフラップ部材18a,18bとを互いに接合する第2接合部22p,22qとを同時に形成でき、製造工程を簡略化できる。
【0111】
上記(iii)の第3工程において、前記第1接合部20p,20qは、前記第1及び第2破断誘導線24a,24bの引き裂き強度が、前記第1接合部20p,20qの引き裂き強度よりも弱くなるように形成してもよい。
【0112】
この場合、第1接合部20p,20qで前身頃12と後身頃14とが剥がれることなく、破断誘導線24a,24bに沿って前身頃12を確実に引き裂くことができる使い捨て着用物品10aを製造できる。
【0113】
また、上記(iii)の第3工程において、分割前フラップ部材18cを本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねて仮固定してもよい。
【0114】
この場合、(a)前記分割前フラップ部材18cを、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの前記一方主面12sに重ねると、前記分割前フラップ部材18cと前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kとの間に、接着剤塗布部が配置されるように、前記本体連続体11の前記前身頃連続部12k、前記基材連続体30、又は前記分割前フラップ部材18cに接着剤を塗布して、前記接着剤塗布部を形成し、(b)前記第3工程において、前記分割前フラップ部材18cを、前記接着剤塗布部を介して前記本体連続体11の前記前身頃連続部12kの前記一方主面12sに重ねて仮固定して、前記第2接合部22a,22bを形成する。
【0115】
分割前フラップ部材18cを仮固定することにより、仮固定しない場合よりも製造ラインの搬送速度をより速くでき、単位時間あたりの製造個数を増やすことが容易である。
【0116】
<変形例1>
図8は、変形例1の使い捨て着用物品の要部拡大略図である。
図8に示すように、前身頃12に、糸ゴム等の複数本の弾性部材13が配置されている。破断誘導線24を構成するミシン目の、前身頃12の主面12s,12t間を貫通する貫通部分24sと交差する弾性部材13xは、貫通部分24sを形成する時に切断されるが、隣り合う貫通部分24sの間の非貫通部分24xと交差する弾性部材13a,13bは切断されない。このような切断されない弾性部材13a,13bは、破断誘導線24に沿って前身頃12を引き裂いても切断されないため、使い捨て着用物品を着用するには、引きちぎる必要がある。
【0117】
このような切断されない弾性部材13a,13bが残らないようにするため、破断誘導線24の近傍領域に、補助カットライン25を用意する。
【0118】
補助カットライン25は、前身頃12が補助カットライン25に沿って引き裂かれることなく破断誘導線24に沿って引き裂かれるように、破断誘導線24のミシン目よりも小さいピッチで形成する。例えば、破断誘導線24のミシン目よりも刃先のピッチを小さく設定されたカッターを用いて、破断誘導線24の近傍領域で弾性部材13を切断し、このとき、前身頃12の不織布が実質的に切れないようにする。
【0119】
補助カットライン25を形成するために、破断誘導線24のミシン目を形成するためのアンビルと同じアンビルを用いても、別装置を用いてもよい。
【0120】
補助カットライン25は、弾性部材13を溶断する等の方法で形成してもよい。
【0121】
補助カットライン25によって、破断誘導線24a,24bを形成する前に、又は、破断誘導線24a,24bを形成すると同時に、又は、破断誘導線24a,24bを形成した後に、少なくとも、補助カットライン25がなければ破断誘導線24a,24bを形成するときに切断されない弾性部材13a,13bを切断すればよい。
【0122】
<変形例2> 変形例2の使い捨て着用物品を製造する方法について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
図9及び
図10は、使い捨て着用物品の製造工程の略図である。変形例2では、基材連続体30i,30j及びフック連続体32,34を用いて形成したフラップ部材18a,18bを、搬送方向に対する向きを変えることなく、本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ねることができる。
【0123】
図9に示すように、フラップ部材18a,18bを形成するための基材連続体30i,30jと、フック部材19a,19bを形成するための第1及び第2フック連続体32,34とを、それぞれが連続する方向に搬送し、第1及び第2フック連続体32,34を所定幅で切断して、未加工フック部材32k,34kを形成する。
【0124】
次いで、基材連続体30i,30jに、未加工フック部材32k,34kを、互いに間隔を設けて所定ピッチで配置し、接着、ヒートシール、超音波接合等によって、未加工フック部材32k,34kを基材連続体30i,30jに接合して、一対の第1連続体37a,37bを形成する。
【0125】
次いで、一対の第1連続体37a,37bの所定位置に、ホットメルト等の接着剤を塗布して、接着剤塗布部36a,36bが形成された一対の第2連続体37u,37vを形成する。このとき、接着剤塗布部36a,36bと未加工フック部材32k,34kとは、基材連続体30i,30jの同じ面に互いに間隔を設けて配置されるようにする。
【0126】
次いで、破線で示す所定形状のトリミング部分37p,37qを切除して、未加工フック部材32k,34kが切断されて形成されたフック部材19a,19bと接着剤塗布部36a,36bとを有するフラップ部材18a,18bを形成する。
【0127】
次いで、フラップ部材18a,18bを対にして所定間隔を設けて並べる。
【0128】
ここまでの工程と並行して、
図10に示すように、実施例1及び実施例2と同様に、本体連続体11を、前身頃連続部12kと後身頃連続部14kとが互いに離れている状態で、個片になる予定の部分11kが連続している方向に搬送する。
【0129】
次いで、対にしたフラップ部材18a,18bを、フラップ部材18a,18bのフック部材19a,19b及び接着剤塗布部36a,36bが本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面に対向するように、本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ね、接着剤塗布部36a,36bを介して、一対のフラップ部材18a,18bを本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに仮固定する。
【0130】
このとき、本体連続体11の個片になる予定の部分11kの境界線の両側に、一対のフラップ部材18a,18bが配置され、一対のフラップ部材18a,18bそれぞれのフック部材19a,19bと接着剤塗布部36a,36bとの間に、一対の破断誘導線24a,24bのいずれか一方が配置されるようにする。
【0131】
次いで、本体連続体11の前身頃連続部12kに仮固定した一対のフラップ部材18a,18bと、本体連続体11の前身頃連続部12kとを、ヒートシール、超音波接合等によって互いに接合して、第2接合部22a,22bを形成する。
【0132】
次いで、矢印11xで示すように本体連続体11を折り返し、本体連続体11の前身頃連続部12kの他方主面12tに、本体連続体11の後身頃連続部14kを重ねる。
【0133】
次いで、本体連続体11の重ね合わせた前身頃連続部12kと後身頃連続部14kとを、一対のフラップ部材18a,18bの間の所定位置で、ヒートシール、超音波接合等により互いに接合して、第1接合部20a,20bを形成する。
【0134】
次いで、鎖線で示す切断位置10xで本体連続体11を切断して、個片を形成する。
【0135】
なお、接着剤塗布部36a,36bを形成せずに、フラップ部材18a,18bを本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ね、フラップ部材18a,18bを適宜な部材で押さえながら、フラップ部材18a,18bと本体連続体11の前身頃連続部12kとを互いに接合しもてよい。
【0136】
また、フラップ部材18a,18bを仮固定せず、本体連続体11の前身頃連続部12kに配置したら、直ちに固定してもよい。
【0137】
また、フラップ部材18a,18bを対にすることなく、本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに重ね、フラップ部材18a,18bと本体連続体11の前身頃連続部12kとを互いに接合してもよい。
【0138】
<変形例3> 変形例3の使い捨て着用物品の製造工程について、
図11を参照しながら説明する。
図11は使い捨て着用物品の製造工程の略図である。変形例3では、基材連続体30及びフック連続体33からトリミング部分を切除することなく、第1及び第2フラップ部材18a,18bを製造する。
【0139】
図11に示すように、第1及び第2フラップ部材18a,18bを形成するための基材連続体30と、第1及び第2フック部材19a,19bを形成するためのフック連続体33とを搬送する。
【0140】
次いで、基材連続体30の幅方向中間位置にフック連続体33を配置して、ヒートシール、超音波接合等によって、フック連続体33を基材連続体30に固定して、第1連続体30cを形成する。
【0141】
次いで、内側切断線39c及び外側切断線39a,39bに沿って、第1連続体30cを適宜な順序で切断して、第1及び第2フック部材19a,19bのいずれか一方を有する第1及び第2フラップ部材18a,18bを形成する。
【0142】
内側切断線39cは、第1連続体30cの幅方向中間位置において波状に延在し、第1連続体30cを、基材連続体30の一方の側縁30m側の部分と他方の側縁30n側の部分とに分割するとともに、フック連続体33を切断して、フック部材19a,19bを形成する。外側切断線39a,39bは、基材連続体30の側縁30m,30nと内側切断線39cとの間に延在し、内側切断線39cによって切断される第1連続体30cの一方側と他方側とを切断する。
【0143】
図示していないが、必要に応じて適宜なタイミングで、基材連続体30、第1連続体30c、第1及び第2フラップ部材18a,18bにホットメルト等の接着剤を塗布して、本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに仮固定するため接着剤塗布部を形成してもよい。
【0144】
<変形例4> 基材連続体とフック連続体を用いて形成したフラップ部材18a,18bは、対にすることなく、それぞれを適宜なタイミングで本体連続体11の前身頃連続部12kの一方主面12sに配置してもよい。
【0145】
<まとめ> 以上に説明したように、破断誘導線に沿って前身頃を確実に引き裂くことができ、引き裂いた後に脚に巻き付け、フラップ部材を用いて再締結できる使い捨て着用物品を提供できる。
【0146】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【0147】
例えば、実施例1又は実施例2に、変形例1~4の一つ又は複数を適宜に組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0148】
10,10a 使い捨て着用物品
11 本体連続体
11k 個片になる予定の部分
12 前身頃
12a,12b 両端部
12p 上縁
12q 下縁
12s 一方主面
12t 他方主面
12k 前身頃連続部
14 後身頃
14a,14b 両端部
14k 後身頃連続体
16 クロッチ部
18a,18b フラップ部材
18c 分割前フラップ部材
18p 第1部分
18q 第2部分
19a,19b フック部材(締結部)
20a,20b,20p,20q 第1接合部
22a,22b,22p,22q 第2接合部
24,24a,24b 破断誘導線(ミシン目)
24s 貫通部分
30,30i,30j 基材連続体
32,33,34,35 フック連続体
36a,36b 接着剤塗布部