(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022698
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】発電装置、および制御装置
(51)【国際特許分類】
H02N 2/18 20060101AFI20250206BHJP
H10N 35/00 20230101ALI20250206BHJP
H10N 35/01 20230101ALI20250206BHJP
【FI】
H02N2/18
H10N35/00
H10N35/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024018990
(22)【出願日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2023125704
(32)【優先日】2023-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 義和
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 翔
(72)【発明者】
【氏名】酒井 正憲
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681AA19
5H681BB08
5H681DD15
5H681DD30
5H681FF06
(57)【要約】
【課題】大型化することを抑制する。
【解決手段】非磁性材料を含むように形成されるフレームと、前記フレームに取り付けられる磁歪部材と、第1方向に揺動可能に前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つを支持する第1ヨーク部、および、前記第1ヨーク部に繋がり、前記第1方向とは異なる第2方向に前記磁歪部材と並んで配置される第2ヨーク部を有し、磁性材料を含むように形成されるヨークと、前記ヨーク、前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つに巻かれるコイルと、を備える、発電装置を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性材料を含むように形成されるフレームと、
前記フレームに取り付けられる磁歪部材と、
第1方向に揺動可能に前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つを支持する第1ヨーク部、および、前記第1ヨーク部に繋がり、前記第1方向とは異なる第2方向に前記磁歪部材と並んで配置される第2ヨーク部を有し、磁性材料を含むように形成されるヨークと、
前記ヨーク、前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つに巻かれるコイルと、を備える、発電装置。
【請求項2】
前記第1ヨーク部は、前記第2ヨーク部と一体に形成される、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記第1ヨーク部は、前記第2ヨーク部に繋がる連結部と、前記連結部から前記第2方向に離れて配置され、前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つを支持する支持部と、を有する、請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記コイルは、前記磁歪部材に巻かれる、請求項1に記載の発電装置。
【請求項5】
前記コイルは、前記フレームおよび前記磁歪部材の両方に巻かれる、請求項4に記載の発電装置。
【請求項6】
前記コイルは、前記フレームに対向する第1コイル部と、前記第1コイル部と一体に形成され、前記磁歪部材に対向する第2コイル部と、を有し、
前記フレームおよび前記磁歪部材は、前記第1コイル部および前記第2コイル部によって定義される内部空間に配置される、請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記磁歪部材は、前記第1方向および前記第2方向と異なる第3方向に延びる第1延設部を有し、
前記フレームは、前記第3方向に延びる第2延設部を有し、
前記第1延設部は、前記第1方向に前記第2延設部と少なくとも部分的に重なっている、請求項1に記載の発電装置。
【請求項8】
前記第1延設部は、前記ヨークに接触する第1端部と、前記第1端部から前記第3方向に離れて配置される第2端部と、を有し、
前記第2延設部は、前記ヨークに接触する第3端部と、前記第3端部から前記第3方向に離れて配置される第4端部と、を有し、
前記第2端部は、前記第1方向から見て、前記第4端部と重なっている、請求項7に記載の発電装置。
【請求項9】
前記第1延設部は、前記ヨークに接触する第1端部と、前記第1端部から前記第3方向に離れて配置される第2端部と、を有し、
前記第2延設部は、前記ヨークに接触する第3端部と、前記第3端部から前記第3方向に離れて配置される第4端部と、を有し、
前記第2端部と前記第1端部との間の第1距離は、前記第4端部と前記第1端部との間の第2距離よりも小さい、請求項7に記載の発電装置。
【請求項10】
前記ヨークが、前記第1方向に積層される複数のヨーク板を有する、請求項1に記載の発電装置。
【請求項11】
磁歪部材と、
前記磁歪部材を第1方向に揺動可能に支持し、磁性材料を含むように形成されるヨークであって、前記第1方向に積層される複数のヨーク板を有するヨークと、
前記ヨークおよび前記磁歪部材の少なくとも1つに巻かれるコイルと、を備える、発電装置。
【請求項12】
複数の前記ヨーク板は、少なくとも1つの第1ヨーク板および少なくとも1つの第2ヨーク板を有し、
前記磁歪部材は、前記第1方向において少なくとも1つの前記第1ヨーク板および少なくとも1つの前記第2ヨーク板の間に位置する、請求項11に記載の発電装置。
【請求項13】
前記磁歪部材を通る磁束を形成する磁束形成部材をさらに備える、請求項1に記載の発電装置。
【請求項14】
前記磁束形成部材は、前記ヨークと前記磁歪部材との間に配置される、請求項13に記載の発電装置。
【請求項15】
非磁性材料を含むように形成されるフレームと、
前記フレームに取り付けられる磁歪部材と、
第1方向に揺動可能に前記フレームおよび前記磁歪部材を支持する第1ヨーク部、および、前記第1ヨーク部に繋がり、前記第1方向に前記磁歪部材と並んで配置される第2ヨーク部を有し、磁性材料を含むように形成されるヨークと、
前記第1方向において、前記フレームおよび前記磁歪部材に対して前記第1ヨーク部と反対側に配置され、前記第1ヨーク部とともに前記フレームおよび前記磁歪部材を支持する支持部材と、
前記ヨーク、前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つに巻かれるコイルと、を備え、
前記第1方向から見て、前記支持部材は、前記フレーム、前記磁歪部材および前記第1ヨーク部と重なる、発電装置。
【請求項16】
前記第1ヨーク部は、前記第1方向に直線状に延びる、請求項15に記載の発電装置。
【請求項17】
前記支持部材は、非磁性材料を含むように形成される、請求項15に記載の発電装置。
【請求項18】
前記フレームおよび前記磁歪部材のそれぞれは、前記第1方向と異なる第3方向に延び、
前記フレームは、第1フレーム端部と、前記第3方向において前記支持部材に対して前記第1フレーム端部よりも離れて配置される第2フレーム端部と、を有し、
前記磁歪部材は、第1端部と、前記第3方向において前記支持部材に対して前記第1端部よりも離れて配置される第2端部と、を有し、
前記第1方向から見て、前記支持部材は、前記第1フレーム端部および前記第1端部のそれぞれと重なる、請求項15に記載の発電装置。
【請求項19】
前記支持部材を前記第1ヨーク部に固定する固定部材をさらに備える、請求項15に記載の発電装置。
【請求項20】
前記第1ヨーク部は、前記第2ヨーク部と一体に形成される、請求項15に記載の発電装置。
【請求項21】
前記コイルは、前記磁歪部材に巻かれる、請求項15に記載の発電装置。
【請求項22】
前記コイルは、前記フレームおよび前記磁歪部材の両方に巻かれる、請求項21に記載の発電装置。
【請求項23】
前記コイルは、前記フレームに対向する第1コイル部と、前記第1コイル部と一体に形成され、前記磁歪部材に対向する第2コイル部と、を有し、
前記フレームおよび前記磁歪部材は、前記第1コイル部および前記第2コイル部によって定義される内部空間に配置される、請求項22に記載の発電装置。
【請求項24】
前記磁歪部材を通る磁束を形成する磁束形成部材をさらに備える、請求項15に記載の発電装置。
【請求項25】
前記磁束形成部材は、前記ヨークと前記磁歪部材との間に配置される、請求項24に記載の発電装置。
【請求項26】
ユーザによって操作されるように構成される操作部材をさらに備え、
前記磁歪部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向に揺動するように構成される、請求項1から25のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項27】
ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記磁歪部材を前記第1方向に揺動させるように構成される揺動誘起部材をさらに備える、請求項26に記載の発電装置。
【請求項28】
前記揺動誘起部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向に直線的に移動するように構成される、請求項27に記載の発電装置。
【請求項29】
前記揺動誘起部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向と異なる第4方向に延びる回転軸線を中心として回転するように構成される、請求項27に記載の発電装置。
【請求項30】
被駆動装置の動作を制御する制御装置であって、
請求項26に記載の前記発電装置と、
前記コイルと電気的に接続される回路部材と、を備える、制御装置。
【請求項31】
前記回路部材は、前記コイルにおいて発生された電圧に関する情報に基づいて指令信号を生成するように構成される制御部と、前記指令信号を前記被駆動装置に送信するように構成される通信部と、を有する、請求項30に記載の制御装置。
【請求項32】
前記操作部材の操作を検出するように構成される検出部材をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部材から送信される検出信号に基づいて前記指令信号を生成するように構成される、請求項31に記載の制御装置。
【請求項33】
前記検出部材は、前記操作部材の操作に応じて押下されるように構成されるタクトスイッチを有する、請求項32に記載の制御装置。
【請求項34】
非磁性材料を含むように形成され、前記発電装置および前記回路部材を内部に収容するハウジングをさらに備える、請求項31に記載の制御装置。
【請求項35】
前記通信部は、前記被駆動装置に前記指令信号を無線送信するように構成される無線通信部を有する、請求項31に記載の制御装置。
【請求項36】
前記操作部材は、ユーザによって押下されるように構成される押下部を有し、
前記コイルは、前記押下部に対する押下に応じて第1電圧を発生させるように構成されており、
前記第1電圧は、前記押下部に対する押下力の大きさに応じて大きくなる、請求項30に記載の制御装置。
【請求項37】
前記制御装置および前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられるように構成され、
前記被駆動装置は、アクチュエータを有する、請求項30に記載の制御装置。
【請求項38】
前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つを含む、請求項30に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置、および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石の磁束の変化を利用した発電方法として、磁歪式発電素子を用いた発電方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の磁歪式発電素子においては、コイルが磁歪板に巻き掛けられた状態で固定され、磁歪板の振動方向にフレームヨークの一部が配置されている。よって、磁歪板と共に振動するコイルとフレームヨークとの接触を防止するため、コイルとフレームヨークとの間の間隔が大きくなり易かった。また、磁歪式発電素子の発電効率を高めるためにはコイルの巻き数を増大する必要があるため、コイルの寸法は大きくなり易い。これらにより、上記の磁歪式発電素子は、大型化し易い構成であるため、磁歪式発電素子を狭い空間に組み込んで使用しづらかった。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、大型化することを抑制できる発電装置および制御装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決する本発明の一態様は、非磁性材料を含むように形成されるフレームと、前記フレームに取り付けられる磁歪部材と、第1方向に揺動可能に前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つを支持する第1ヨーク部、および、前記第1ヨーク部に繋がり、前記第1方向とは異なる第2方向に前記磁歪部材と並んで配置される第2ヨーク部を有し、磁性材料を含むように形成されるヨークと、前記ヨーク、前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つに巻かれるコイルと、を備える、発電装置である。
【0007】
上記構成によれば、磁歪部材およびフレームが揺動する第1方向にヨークが配置される場合と比較して、発電装置が第1方向に大型化することを抑制できる。これにより、発電装置が大型化することを抑制できる。したがって、発電装置を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0008】
(2)本発明の一態様は、(1)に記載の発電装置であって、前記第1ヨーク部は、前記第2ヨーク部と一体に形成されてもよい。
【0009】
上記構成によれば、第1ヨーク部と第2ヨーク部とが互いに異なる部材である場合と比較して、発電装置の部品点数が増大することを抑制できる。
【0010】
(3)本発明の一態様は、(1)または(2)に記載の発電装置であって、前記第1ヨーク部は、前記第2ヨーク部に繋がる連結部と、前記連結部から前記第2方向に離れて配置され、前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つを支持する支持部と、を有してもよい。
【0011】
上記構成によれば、第1ヨーク部の支持部に磁歪部材を取り付ける簡易な作業のみによって、第1ヨーク部を介して、磁歪部材と第2ヨーク部とを第2方向に並んで配置できる。したがって、発電装置の製造工数が増大することを抑制できる。
【0012】
(4)本発明の一態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の発電装置であって、前記コイルは、前記磁歪部材に巻かれてもよい。
【0013】
上記構成によれば、コイルの内部に閉磁気回路の一部を形成できるため、磁歪部材を第1方向に揺動させることによって、コイルに発電電圧を安定して発生させることができる。したがって、発電装置の発電電圧を安定的に高めることができる。
【0014】
(5)本発明の一態様は、(4)に記載の発電装置であって、前記コイルは、前記フレームおよび前記磁歪部材の両方に巻かれてもよい。
【0015】
上記構成によれば、磁歪部材を囲むコイルを容易に形成できるため、発電装置の製造工数が増大することを抑制できる。
【0016】
(6)本発明の一態様は、(5)に記載の発電装置であって、前記コイルは、前記フレームに対向する第1コイル部と、前記第1コイル部と一体に形成され、前記磁歪部材に対向する第2コイル部と、を有し、前記フレームおよび前記磁歪部材は、前記第1コイル部および前記第2コイル部によって定義される内部空間に配置されてもよい。
【0017】
上記構成によれば、コイルの内部空間に閉磁気回路の一部を安定して形成できるため、コイルに発電電圧を安定して発生させることができる。
【0018】
(7)本発明の一態様は、(1)から(6)のいずれかに記載の発電装置であって、前記磁歪部材は、前記第1方向および前記第2方向と異なる第3方向に延びる第1延設部を有し、前記フレームは、前記第3方向に延びる第2延設部を有し、前記第1延設部は、前記第1方向に前記第2延設部と少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0019】
上記構成によれば、第1延設部を第2延設部に直接的に取り付けることができるため、第1延設部と第2延設部とが、別個の部材を介して間接的に取り付けられる構成と比較して、発電装置の部品点数が増大することを抑制できる。
【0020】
(8)本発明の一態様は、(7)に記載の発電装置であって、前記第1延設部は、前記ヨークに接触する第1端部と、前記第1端部から前記第3方向に離れて配置される第2端部と、を有し、前記第2延設部は、前記ヨークに接触する第3端部と、前記第3端部から前記第3方向に離れて配置される第4端部と、を有し、前記第2端部は、前記第1方向から見て、前記第4端部と重なっていてもよい。
【0021】
上記構成によれば、第2端部が第4端部よりも第3方向の一方側に位置する場合と比較して、第1延設部の第3方向の寸法を小さくし易いため、発電装置が第3方向に大型化することを抑制し易い。これにより、発電装置が大型化することを抑制できる。
【0022】
(9)本発明の一態様は、(7)に記載の発電装置であって、前記第1延設部は、前記ヨークに接触する第1端部と、前記第1端部から前記第3方向に離れて配置される第2端部と、を有し、前記第2延設部は、前記ヨークに接触する第3端部と、前記第3端部から前記第3方向に離れて配置される第4端部と、を有し、前記第2端部と前記第1端部との間の第1距離は、前記第4端部と前記第1端部との間の第2距離よりも小さくてもよい。
【0023】
上記構成によれば、磁歪部材の第3方向の寸法を小さくし易いため、磁歪部材の体積を小さくし易い。したがって、磁歪部材の材料コストが増大することを抑制できるため、発電装置の製造コストが増大することを抑制できる。
【0024】
(10)本発明の一態様は、(1)から(9)のいずれかに記載の発電装置であって、前記ヨークが、前記第1方向に積層される複数のヨーク板を有してもよい。
【0025】
上記構成によれば、ヨーク板の積層枚数を調整することによって、第1方向における発電装置の大きさを調整できるため、発電装置が第1方向に大型化することを抑制し易い。これにより、発電装置が大型化することを抑制できる。したがって、発電装置を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0026】
(11)本発明の一態様は、磁歪部材と、前記磁歪部材を第1方向に揺動可能に支持し、磁性材料を含むように形成されるヨークであって、前記第1方向に積層される複数のヨーク板を有するヨークと、前記ヨークおよび前記磁歪部材の少なくとも1つに巻かれるコイルと、を備える、発電装置である。
【0027】
上記構成によれば、ヨーク全体が一体的に成形される構成と比較して、ヨークの製造コストを低減できる。したがって、発電装置の製造コストが増大することを抑制できる。
【0028】
(12)本発明の一態様は、(11)に記載の発電装置であって、複数の前記ヨーク板は、少なくとも1つの第1ヨーク板および少なくとも1つの第2ヨーク板を有し、前記磁歪部材は、前記第1方向において少なくとも1つの前記第1ヨーク板および少なくとも1つの前記第2ヨーク板の間に位置してもよい。
【0029】
上記構成によれば、磁歪部材が第1方向に揺動する際に、磁歪部材とヨークとの間の距離が変動することを抑制し易い。したがって、磁歪部材が第1方向に揺動する際に、磁歪部材を通る磁束の磁束密度が低下することを抑制し易いため、コイルに発生する発電電圧を安定させることができる。
【0030】
(13)本発明の一態様は、(1)から(12)のいずれかに記載の発電装置であって、前記磁歪部材を通る磁束を形成する磁束形成部材をさらに備えてもよい。
【0031】
上記構成によれば、磁歪部材を通る磁束の磁束密度を高めることができるため、発電装置の発電電圧を高めることができる。
【0032】
(14)本発明の一態様は、(13)に記載の発電装置であって、前記磁束形成部材は、前記ヨークと前記磁歪部材との間に配置されてもよい。
【0033】
上記構成によれば、磁束形成部材、ヨーク、および磁歪部材のそれぞれを通る閉磁気回路の磁束密度をより安定的に高めることができる。したがって、発電装置の発電電圧をより安定的に高めることができる。
【0034】
(15)本発明の一態様は、非磁性材料を含むように形成されるフレームと、前記フレームに取り付けられる磁歪部材と、第1方向に揺動可能に前記フレームおよび前記磁歪部材を支持する第1ヨーク部、および、前記第1ヨーク部に繋がり、前記第1方向に前記磁歪部材と並んで配置される第2ヨーク部を有し、磁性材料を含むように形成されるヨークと、前記第1方向において、前記フレームおよび前記磁歪部材に対して前記第1ヨーク部と反対側に配置され、前記第1ヨーク部とともに前記フレームおよび前記磁歪部材を支持する支持部材と、前記ヨーク、前記フレームおよび前記磁歪部材の少なくとも1つに巻かれるコイルと、を備え、前記第1方向から見て、前記支持部材は、前記フレーム、前記磁歪部材および前記第1ヨーク部と重なる、発電装置である。
【0035】
上記構成によれば、第2ヨーク部が、磁歪部材と第2方向に並んで配置される場合と比較して、発電装置が第2方向に大型化することを抑制できる。これにより、発電装置が大型化することを抑制できる。したがって、発電装置を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0036】
(16)本発明の一態様は、(15)に記載の発電装置であって、前記第1ヨーク部は、前記第1方向に直線状に延びてもよい。
【0037】
上記構成によれば、第1ヨーク部の第1方向の剛性を高めることができるため、第1ヨーク部によって、第1方向に揺動するフレームおよび磁歪部材を第1方向D1により安定的に支持できる。これにより、フレームおよび磁歪部材のそれぞれを第1方向により安定的に揺動させることができるため、発電電圧をより好適に高めることができる。
【0038】
(17)本発明の一態様は、(15)または(16)に記載の発電装置であって、前記支持部材は、非磁性材料を含むように形成されてもよい。
【0039】
上記構成によれば、支持部材を介して、閉磁気回路からハウジングに磁束が漏れ出ることを抑制できる。よって、閉磁気回路を通る磁束の磁束密度が低下することを抑制できる。したがって、発電装置の発電電圧が低下することを抑制できるとともに、発電装置の発電効率が低下することを抑制できる。
【0040】
(18)本発明の一態様は、(15)から(17)のいずれかに記載の発電装置であって、前記フレームおよび前記磁歪部材のそれぞれは、前記第1方向と異なる第3方向に延び、前記フレームは、第1フレーム端部と、前記第3方向において前記支持部材に対して前記第1フレーム端部よりも離れて配置される第2フレーム端部と、を有し、前記磁歪部材は、第1端部と、前記第3方向において前記支持部材に対して前記第1端部よりも離れて配置される第2端部と、を有し、前記第1方向から見て、前記支持部材は、前記第1フレーム端部および前記第1端部のそれぞれと重なってもよい。
【0041】
上記構成によれば、フレームおよび磁歪部材のうち支持部材よりも第3方向の一方側に配置される部分の第3方向の寸法を大きくし易い。これにより、フレームおよび磁歪部材それぞれの第1方向D1の振幅を大きくし易いため、磁歪部材の機械的な歪みを大きくし易い。したがって、閉磁気回路を通る磁束の変動量を大きくし易いため、発電装置の発電電圧をより好適に高めることができる。
【0042】
(19)本発明の一態様は、(15)から(18)のいずれかに記載の発電装置であって、前記支持部材を前記第1ヨーク部に固定する固定部材をさらに備えてもよい。
【0043】
上記構成によれば、支持部材および第1ヨーク部によって、フレームおよび磁歪部材のそれぞれを第1方向により安定して支持できるため、フレームおよび磁歪部材のそれぞれを第1方向により安定的に揺動させることができる。したがって、閉磁気回路を通る磁束の変動量をより安定的に高めることができるため、発電装置の発電電圧をより好適に高めることができる。
【0044】
(20)本発明の一態様は、(15)から(19)のいずれかに記載の発電装置であって、前記第1ヨーク部は、前記第2ヨーク部と一体に形成されてもよい。
【0045】
上記構成によれば、第1ヨーク部と第2ヨーク部とが互いに異なる部材である場合と比較して、発電装置の部品点数が増大することを抑制できる。
【0046】
(21)本発明の一態様は、(15)から(20)のいずれかに記載の発電装置であって、前記コイルは、前記磁歪部材に巻かれてもよい。
【0047】
上記構成によれば、コイルの内部に閉磁気回路の一部を形成できるため、磁歪部材を第1方向に揺動させることによって、コイルに発電電圧を安定して発生させることができる。したがって、発電装置の発電電圧を安定的に高めることができる。
【0048】
(22)本発明の一態様は、(21)に記載の発電装置であって、前記コイルは、前記フレームおよび前記磁歪部材の両方に巻かれてもよい。
【0049】
上記構成によれば、磁歪部材を囲むコイルを容易に形成できるため、発電装置の製造工数が増大することを抑制できる。
【0050】
(23)本発明の一態様は、(22)に記載の発電装置であって、前記コイルは、前記フレームに対向する第1コイル部と、前記第1コイル部と一体に形成され、前記磁歪部材に対向する第2コイル部と、を有し、前記フレームおよび前記磁歪部材は、前記第1コイル部および前記第2コイル部によって定義される内部空間に配置されてもよい。
【0051】
上記構成によれば、コイルの内部空間に閉磁気回路の一部を安定して形成できるため、コイルに発電電圧を安定して発生させることができる。
【0052】
(24)本発明の一態様は、(15)から(23)のいずれかに記載の発電装置であって、前記磁歪部材を通る磁束を形成する磁束形成部材をさらに備えてもよい。
【0053】
上記構成によれば、磁歪部材を通る磁束の磁束密度を高めることができるため、発電装置の発電電圧を高めることができる。
【0054】
(25)本発明の一態様は、(24)に記載の発電装置であって、前記磁束形成部材は、前記ヨークと前記磁歪部材との間に配置されてもよい。
【0055】
上記構成によれば、磁束形成部材、ヨーク、および磁歪部材のそれぞれを通る閉磁気回路の磁束密度をより安定的に高めることができる。したがって、発電装置の発電電圧をより安定的に高めることができる。
【0056】
(26)本発明の一態様は、(1)から(25)のいずれかに記載の発電装置であって、ユーザによって操作されるように構成される操作部材をさらに備え、前記磁歪部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向に揺動するように構成されてもよい。
【0057】
上記構成によれば、ユーザが操作部材を操作することによって、コイルに発電電圧を発生させることができる。したがって、容易に発電電圧を発生させることができるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0058】
(27)本発明の一態様は、(26)に記載の発電装置であって、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記磁歪部材を前記第1方向に揺動させるように構成される揺動誘起部材をさらに備えてもよい。
【0059】
上記構成によれば、ユーザが操作部材を操作することによって、コイルに発電電圧を発生させることができる。したがって、容易に発電電圧を発生させることができるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0060】
(28)本発明の一態様は、(27)に記載の発電装置であって、前記揺動誘起部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向に直線的に移動するように構成されてもよい。
【0061】
上記構成によれば、ユーザが操作部材を第1方向に押圧する簡易な操作によって、コイルに発電電圧を発生させることができるため、発電装置の利便性の向上を図ることができる。
【0062】
(29)本発明の一態様は、(27)に記載の発電装置であって、前記揺動誘起部材は、ユーザによる前記操作部材の操作に応じて、前記第1方向と異なる第4方向に延びる回転軸線を中心として回転するように構成されてもよい。
【0063】
上記構成によれば、揺動誘起部材が、第1方向に揺動する第2延設部または磁歪部材と干渉することを抑制できる。したがって、第2延設部および磁歪部材を安定して第1方向に揺動できるため、発電装置の発電電圧を安定的に高めることができる。
【0064】
(30)本発明の一態様は、被駆動装置の動作を制御する制御装置であって、(26)から(29)のいずれかに記載の前記発電装置と、前記コイルと電気的に接続される回路部材と、を備える、制御装置である。
【0065】
上記構成によれば、回路部材を駆動する、例えば、電池等の電源を備える構成の制御装置と比較して、制御装置の使用時間に伴って電源の起電力が低下することを抑制できる。したがって、電源を交換する作業または電源を充電する作業が不要になるとともに、制御装置の使用時に回路部材の駆動が停止することを抑制できる。よって、制御装置の利便性の向上を図ることができる。
【0066】
(31)本発明の一態様は、(30)に記載の制御装置であって、前記回路部材は、前記コイルにおいて発生された電圧に関する情報に基づいて指令信号を生成するように構成される制御部と、前記指令信号を前記被駆動装置に送信するように構成される通信部と、を有してもよい。
【0067】
上記構成によれば、ユーザは操作部材を押下する簡易な操作のみを行うことによって、被駆動装置に所望の動作を実行させることができるため、制御装置および被駆動装置の利便性の向上を図ることができる。
【0068】
(32)本発明の一態様は、(31)に記載の制御装置であって、前記操作部材の操作を検出するように構成される検出部材をさらに備え、前記制御部は、前記検出部材から送信される検出信号に基づいて前記指令信号を生成するように構成されてもよい。
【0069】
上記構成によれば、制御部は、検出信号によって、ユーザが操作部材を押下したタイミング、および押下時間をより精度よく検知できる。したがって、制御部は、ユーザが行った操作内容をより精度よく判断できるため、被駆動装置に所望の動作をより確実に実行させることができる。
【0070】
(33)本発明の一態様は、(32)に記載の制御装置であって、前記検出部材は、前記操作部材の操作に応じて押下されるように構成されるタクトスイッチを有してもよい。
【0071】
上記構成によれば、ユーザが操作部材を操作した際に、ユーザにクリック感を実感させることができる。したがって、ユーザが操作部材を操作できたことを認識し易くなるため、制御装置の操作性を高めることができる。
【0072】
(34)本発明の一態様は、(31)から(33)のいずれかに記載の制御装置であって、非磁性材料を含むように形成され、前記発電装置および前記回路部材を内部に収容するハウジングをさらに備えてもよい。
【0073】
上記構成によれば、発電装置および回路部材が制御装置の周りに配置される導電性を有する部材と接触して短絡する等の不具合が発生することを抑制できるため、発電装置および回路部材の動作を安定させることができる。
【0074】
(35)本発明の一態様は、(31)から(34)のいずれかに記載の制御装置であって、前記通信部は、前記被駆動装置に前記指令信号を無線送信するように構成される無線通信部を有してもよい。
【0075】
上記構成によれば、無線通信部から被駆動装置に発信される無線信号が、ハウジングによって磁気遮蔽されることを抑制できる。したがって、通信部から被駆動装置に安定して指令信号を送信できるため、被駆動装置に所望の動作をより確実に実行させることができる。
【0076】
(36)本発明の一態様は、(30)から(35)のいずれかに記載の制御装置であって、前記操作部材は、ユーザによって押下されるように構成される押下部を有し、前記コイルは、前記押下部に対する押下に応じて第1電圧を発生させるように構成されており、前記第1電圧は、前記押下部に対する押下力の大きさに応じて大きくなってもよい。
【0077】
上記構成によれば、ユーザは操作部材を操作する際の押下力を適宜変えることによって、被駆動装置に異なる動作を実行させることができるため、制御装置および被駆動装置の利便性をさらに高めることができる。
【0078】
(37)本発明の一態様は、(30)から(36)のいずれかに記載の制御装置であって、前記制御装置および前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられるように構成され、前記被駆動装置は、アクチュエータを有してもよい。
【0079】
上記構成によれば、ユーザは操作部材を押下する簡易な操作によって、被駆動装置に所望の動作を実行させることができる。したがって、人力駆動車の利便性の向上を図ることができる。
【0080】
(38)本発明の一態様は、(30)から(37)のいずれかに記載の制御装置であって、前記被駆動装置は、人力駆動車に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つを含んでもよい。
【0081】
上記構成によれば、ユーザは操作部材を押下する簡易な操作によって、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つに所望の動作を実行させることができる。したがって、人力駆動車の利便性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0082】
本発明によれば、大型化することを抑制できるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図1】第1実施形態の制御装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の制御装置の構成例を第1方向の他方側から見た図である。
【
図3】第1実施形態の制御装置の構成例を示す断面図であって、
図2のIII-III断面図である。
【
図4】第1実施形態の発電装置の構成例の一部を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態の発電装置の構成例の一部を示す分解斜視図である。
【
図6】第1実施形態の制御装置の構成例の操作部材を操作した際の断面図である。
【
図7】第1実施形態の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図8】第1実施形態の制御装置の構成例の発電電圧の波形を示す第1の図である。
【
図9】第1実施形態の制御装置の構成例の発電電圧の波形を示す第2の図である。
【
図10】第1実施形態の制御装置の構成例の発電電圧の波形を示す第3の図である。
【
図11】第1実施形態の制御装置の使用例を示す図である。
【
図12】第1実施形態の第1変形例の制御装置の構成例を第1方向の他方側から見た図である。
【
図13】第1実施形態の第2変形例の制御装置の構成例を第1方向の他方側から見た図である。
【
図14】第1実施形態の第2変形例の制御装置の構成例を示す断面図であって、
図13のXIV-XIV断面図である。
【
図15】第1実施形態の第2変形例の制御装置の構成例の操作部材を操作した際の断面図である。
【
図16】第2実施形態の制御装置の構成例を第1方向の他方側から見た図である。
【
図17】第2実施形態の制御装置の構成例を示す断面図であって、
図16のXVII-XVII断面図である。
【
図18】第2実施形態の変形例の制御装置の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
以下の説明において、各図には適宜、第1方向D1を示す。第1方向D1は、以下に示す実施形態の磁歪部材が揺動する方向である。以下の説明では、第1方向D1の矢印が向く側(+D1側)を「第1方向D1の一方側」と呼び、第1方向D1の矢印が向く側と反対側(-D1側)を「第1方向D1の他方側」と呼ぶ。
【0085】
各図には適宜、第2方向D2を示す。第2方向D2は、第1方向D1とは異なる方向である。以下に示す実施形態において、第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。以下の説明では、第2方向D2の矢印が向く側(+D2側)を「第2方向D2の一方側」と呼び、第2方向D2の矢印が向く側と反対側(-D2側)を「第2方向D2の他方側」と呼ぶ。
【0086】
各図には適宜、第3方向D3を示す。第3方向D3は、以下に示す実施形態の磁歪部材の第2延設部が延びる方向である。第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2と異なる方向である。本実施形態において、第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2の両方と直交する方向である。以下の説明では、第3方向D3の矢印が向く側(+D3側)を「第3方向D3の一方側」と呼び、第3方向D3の矢印が向く側と反対側(-D3側)を「第3方向D3の他方側」と呼ぶ。
【0087】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の制御装置10の構成例を示す斜視図である。
図2は、本実施形態の制御装置10の構成例を第1方向D1の他方側(-D1側)から見た図である。なお、
図2では、後述する蓋部17を取り外した制御装置10を示している。
図3は、本実施形態の制御装置10の構成例を示す断面図であって、
図2のIII-III断面図である。
【0088】
図1に示す本実施形態の制御装置10は、図示しない自転車等の人力駆動車80に取り付けられ、人力駆動車80に取り付けられる被駆動装置81の動作を制御する(
図7参照)。被駆動装置81は、アクチュエータを有している。被駆動装置81は、人力駆動車80に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つを含む。変速装置には、外装変速装置および内装変速装置が含まれる。また、外装変速機は、リアディレーラおよびフロントディレーラを含む。ドライブユニットは、人力駆動車80の推進をアシストするユニットである。
図3に示すように、制御装置10は、ハウジング15と、発電装置20と、検出部材40と、回路部材60と、を備える。
【0089】
図1に示すように、ハウジング15は、略直方体の箱状を有する。ハウジング15は、円筒状等の他の形状であってもよい。
図3に示すように、ハウジング15は、発電装置20、検出部材40、および回路部材60を内部に収容する。ハウジング15は、非磁性材料を含むように形成されている。言い換えると、ハウジング15は、少なくとも部分的に非磁性材料によって形成される。本実施形態において、ハウジング15は、磁性材料から形成される。本実施形態では、ハウジング15の全体が非磁性材料によって形成される。例えば、ハウジング15は、アルミニウムおよびステンレス等の非磁性金属、および樹脂等によって形成される。なお、ハウジング15は、磁性材料を含んでいてもよい。この場合、ハウジング15は全体として非磁性の特性を有していればよい。本実施形態において、ハウジング15は樹脂製である。ハウジング15は、ハウジング本体部16と、蓋部17と、隔壁板18と、を有する。
【0090】
ハウジング本体部16は、第1方向D1の他方側(-D1側)に開口する四角筒状を有する。ハウジング本体部16は、側壁部16aと、底壁部16bと、を有する。
【0091】
図1に示すように、側壁部16aは、第1方向D1に延びる四角筒状を有する。
図2に示すように、第1方向D1から見て、側壁部16aの長辺は第3方向D3に延び、側壁部16aの短辺は第2方向D2に延びる。
図3に示すように、側壁部16aは、発電装置20、検出部材40、および回路部材60を囲む。底壁部16bは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。底壁部16bの外縁は、側壁部16aと繋がる。
【0092】
図1に示すように、蓋部17は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。蓋部17は、ハウジング本体部16に固定される。蓋部17は、ハウジング本体部16の開口を塞ぐ。蓋部17には、挿通孔17aが設けられる。
【0093】
挿通孔17aは、蓋部17を第1方向D1に貫通する略正方形状の孔である。挿通孔17aは、円形状等の他の形状であってもよい。挿通孔17aは、蓋部17の第2方向D2の中央近傍、且つ、第3方向D3の一方側(+D3側)の縁部に設けられる。
【0094】
図3に示すように、隔壁板18は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。
図2および
図3に示すように、隔壁板18は、側壁部16aの内面に固定される。隔壁板18は、部分的に側壁部16aに固定される。
図3に示すように、隔壁板18と側壁部16aとの間には空間が形成されている。隔壁板18には、少なくとも1個の貫通孔18aが設けられる。本実施形態において、隔壁板18には、2個の貫通孔18aが設けられる。
【0095】
2個の貫通孔18aは、隔壁板18を第1方向D1に貫通する孔である。2個の貫通孔18aは、隔壁板18の第3方向D3の中央よりも第3方向D3の他方側(-D3側)に位置する。
【0096】
図4は、本実施形態の発電装置20の構成例の一部を示す斜視図である。
図5は、本実施形態の発電装置20の構成例の一部を示す分解斜視図である。
図3に示すように、発電装置20は、ハウジング15の内部に収容される。発電装置20は、逆磁歪方式の発電装置である。
図4に示すように、発電装置20は、ヨーク21と、磁歪部材23と、フレーム24と、コイル26と、磁束形成部材27と、加締めピン29と、を備える。また、
図3に示すように、発電装置20は、操作部30を備える。
【0097】
第1方向D1において、ヨーク21は、蓋部17と隔壁板18との間に配置される。ヨーク21は、蓋部17および隔壁板18と、第1方向D1に間隔をあけて配置される。
図2に示すように、第1方向D1から見て、ヨーク21は、略L字形状を有する。ヨーク21は、磁性材料を含むように形成される。言い換えると、ヨーク21は、少なくとも部分的に磁性材料によって形成される。本実施形態において、ヨーク21は、磁性材料から形成される。本実施形態において、ヨーク21の全体が磁性材料によって形成される。ヨーク21の材質は特に限定されず、例えば、軟磁性の鉄鋼によって形成されている。ヨーク21は、例えば、軟磁性の鉄鋼の1つであるSS400によって形成されていてもよい。なお、ヨーク21は、磁性材料と非磁性材料の両方を含んでいてもよい。ヨーク21は、第1ヨーク部21aと、第1ヨーク部21aに繋がる第2ヨーク部21bと、を有する。
【0098】
第1ヨーク部21aは、第2方向D2に延びる略直方体状を有する。第1ヨーク部21aは、第1ヨーク端部21pと第2ヨーク端部21qとを有する。第2ヨーク端部21qは、第2方向D2における第1ヨーク端部21pとは反対側の端部である。第2ヨーク端部21qは、第1ヨーク端部21pよりも第2方向D2の他方側に位置する。第1ヨーク部21aは、コイル26よりも第3方向D3の他方側(-D3側)に配置される。第1ヨーク部21aは、側壁部16aに固定されている。第1ヨーク部21aは、連結部21a1と、支持部21a2と、を有する。
【0099】
連結部21a1は、第1ヨーク部21aのうち第2ヨーク部21bに繋がる部分である。連結部21a1は、第1ヨーク部21aの第2方向D2の一方側(+D2側)の部分である。第3方向D3から見て、連結部21a1は、第2ヨーク部21bと重なる。支持部21a2は、第1ヨーク部21aのうちフレーム24および磁歪部材23を支持する部分である。本実施形態において、支持部21a2は、第1方向D1から見て、磁歪部材23と重なる部分である。支持部21a2は、連結部21a1よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。支持部21a2は、連結部21a1から第2方向D2に離れて配置される。
【0100】
第2ヨーク部21bは、第3方向D3に延びる略直方体状を有する。第2ヨーク部21bは、第3ヨーク端部21rと第4ヨーク端部21sとを有する。第4ヨーク端部21sは、第3方向D3における第3ヨーク端部21rとは反対側の端部である。第4ヨーク端部21sは、第3ヨーク端部21rよりも第3方向D3の他方側に位置する。第2ヨーク部21bは、磁歪部材23およびコイル26よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。第2ヨーク部21bは、磁歪部材23およびコイル26と第2方向D2に間隔をあけて対向する。第2ヨーク部21bは、第2方向D2に磁歪部材23と並んで配置される。なお、本発明において「第2方向D2に並んで配置される」は、厳密に第2方向D2に並んで配置される場合のみを含む概念ではなく、第2方向D2から第1方向D1に傾いた方向に並んで配置される場合も含む概念である。すなわち、「第2方向D2に並んで配置される」は、第1方向D1に重なって配置される以外の配置を含む概念である。
【0101】
第2ヨーク部21bの第4ヨーク端部21sは、連結部21a1と繋がる。第1ヨーク部21aの第1ヨーク端部21pは、第2ヨーク部の第4ヨーク端部21sと繋がっていてもよい。第1ヨーク部21aの第2ヨーク端部21qが、第2ヨーク部の第3ヨーク端部21rと繋がっている必要はない。第1ヨーク部21aの第1ヨーク端部21pが、第2ヨーク部の第4ヨーク端部21s以外の部分と繋がっていてもよい。第1ヨーク部の第1ヨーク端部21p以外の部分が、第2ヨーク部の第4ヨーク端部21sと繋がっていてもよい。本実施形態において、第1ヨーク部21aは、第2ヨーク部21bと一体に形成される。第1ヨーク部21aは、第2ヨーク部21bとともに一体の単一部材を形成する。第2ヨーク部21bは、側壁部16aの第2方向D2の他方側(-D2側)を向く面に固定されている。
【0102】
図5に示すように、ヨーク21は、複数のヨーク板21d、中間ヨーク板21g、および環状板21iを含む。
図4に示すように、複数のヨーク板21d、中間ヨーク板21g、および環状板21iは、加締めピン29によって互いに固定される。
【0103】
図5に示すように、ヨーク板21dは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1方向D1から見て、ヨーク板21dは、略L字状を有する。ヨーク板21dの第2方向D2に延びる部分である第1部分21kは、第1ヨーク部21aを構成する。ヨーク板21dの第3方向D3に延びる部分である第2部分21mは、第2ヨーク部21bを構成する。複数のヨーク板21dは、第1ヨーク板21eと、第2ヨーク板21fと、を有する。
【0104】
第1ヨーク板21eは、中間ヨーク板21gよりも第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。本実施形態において、複数のヨーク板21dは、3つの第1ヨーク板21eを有する。すなわち、複数のヨーク板21dは、少なくとも1つの第1ヨーク板21eを有する。複数のヨーク板21dが有する第1ヨーク板21eの個数は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。第1ヨーク板21eは、第1方向D1に積層される。すなわち、ヨーク21は、第1方向D1に積層される複数のヨーク板21dを有する。
【0105】
第2ヨーク板21fは、中間ヨーク板21gよりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。本実施形態において、複数のヨーク板21dは、3つの第2ヨーク板21fを有する。すなわち、複数のヨーク板21dは、少なくとも1つの第2ヨーク板21fを有する。複数のヨーク板21dが有する第2ヨーク板21fの個数は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。第2ヨーク板21fは、第1方向D1に積層される。すなわち、ヨーク21は、第1方向D1に積層される複数のヨーク板21dを有する。
【0106】
中間ヨーク板21gは、略L字状の板状を有する。中間ヨーク板21gの板厚方向は、第1方向D1である。中間ヨーク板21gは、第1ヨーク板21eと第2ヨーク板21fとの間に配置される。中間ヨーク板21gは、第1中間ヨーク端部21tと第2中間ヨーク端部21uとを有する。第2中間ヨーク端部21uは、第2方向D2における第1中間ヨーク端部21tとは反対側の端部である。第2中間ヨーク端部21uは、第1中間ヨーク端部21tよりも第2方向D2の他方側に位置する。
図4に示すように、中間ヨーク板21gは、第1ヨーク板21eと第1方向D1に接触する。中間ヨーク板21gは、フレーム24を介して、第2ヨーク板21fと第1方向D1に接触する。
図5に示すように、中間ヨーク板21gは、磁歪部材23よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に位置する。
【0107】
環状板21iは、円環状の板状を有する。環状板21iの板厚方向は、第1方向D1である。環状板21iは、第2方向D2に磁歪部材23を挟んで中間ヨーク板21gと対向して配置される。環状板21iは、第1ヨーク板21eと第2ヨーク板21fとの間に配置される。
図4に示すように、環状板21iは、第1ヨーク板21eと第1方向D1に接触する。環状板21iは、フレーム24を介して、第2ヨーク板21fと第1方向D1に接触する。
【0108】
フレーム24は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。第1方向D1において、フレーム24は、中間ヨーク板21gと第2ヨーク板21fとの間に配置される。フレーム24は、非磁性材料を含むように形成されている。言い換えると、フレーム24は、少なくとも部分的に非磁性材料によって形成される。本実施形態において、フレーム24は、非磁性材料から形成される。本実施形態では、フレーム24の全体が非磁性材料によって形成される。例えば、フレーム24は、ステンレスによって形成される。なお、フレーム24は、磁性材料を含んでいてもよい。この場合、フレーム24は全体として非磁性の特性を有していればよい。フレーム24は、第1フレーム部24aと、第2フレーム部24bと、第2延設部24cと、を有する。
【0109】
第1フレーム部24aは、第2方向D2に延びる板状を有する。第1方向D1から見て、第1フレーム部24aは、第1ヨーク部21aと重なる。
図4および
図5に示すように、第1フレーム部24aは、中間ヨーク板21gおよび環状板21iを介して、第1ヨーク板21eと接触する。第1フレーム部24a第2ヨーク板21fと接触する。第1フレーム部24aは、加締めピン29によって、ヨーク21に固定される。
【0110】
第2フレーム部24bは、第3方向D3に延びる板状を有する。第2フレーム部24bは、第1フレーム部24aと繋がる。第1方向D1から見て、第2フレーム部24bは、第2ヨーク部21bと重なる。第2フレーム部24bは、中間ヨーク板21gを介して、第1ヨーク板21eと接触する。第2フレーム部24bは、第2ヨーク板21fと接触する。第2フレーム部24bは、加締めピン29によって、ヨーク21に固定される。
【0111】
第2延設部24cは、第3方向D3に延びる。より詳細には、第2延設部24cは、第1フレーム部24aから第3方向D3の一方側(+D3側)に延びる。第1方向D1から見て、第2延設部24cは、略矩形状を有する。
図2に示すように、第2延設部24cは、第1ヨーク部21aよりも第3方向D3の一方側、且つ、第2ヨーク部21bよりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。第2延設部24cは、第1フレーム部24aを介して、第1方向D1に揺動可能に第1ヨーク部21aに支持される。すなわち、第1ヨーク部21aは、第1方向D1に揺動可能にフレーム24を支持する。
図3に示すように、第2延設部24cは、第3端部24eと、第4端部24fと、を有する。
【0112】
第3端部24eは、第2延設部24cの第3方向D3の他方側(-D3側)の端部である。第3端部24eは、第1フレーム部24aと繋がる。第3端部24eは、ヨーク21に接触する。第4端部24fは、第2延設部24cの第3方向D3の一方側(+D3)側の端部である。第4端部24fは、第3端部24eから第3方向D3に離れて配置される。
【0113】
図5に示すように、磁歪部材23は、第3方向D3に延びる板状を有する。磁歪部材23の板厚方向は、第1方向D1である。第1方向D1から見て、磁歪部材23は、略矩形状を有する。第1方向D1から見て、磁歪部材23は、第2延設部24cと重なる。磁歪部材23は、第2延設部24cに取り付けられる。すなわち、磁歪部材23は、フレーム24に取り付けられる。第2方向D2から見て、磁歪部材23は、中間ヨーク板21gと重なる。第1方向D1において、磁歪部材23は、第1ヨーク板21eおよび第2ヨーク板21fの間に位置する。磁歪部材23は、磁歪材料によって形成される。磁歪部材23は、例えば、Fe-Ga合金によって形成される。磁歪部材23は、機械的歪みによって透磁率が変化する。また、磁歪部材23は、機械的歪みによって磁化方向が変化する。磁歪部材23は、第1延設部23aを有する。
【0114】
第1延設部23aは、磁歪部材23のうち、第3方向D3に延びる部分である。本実施形態において、磁歪部材23は、第1延設部23aのみによって構成される。第1方向D1から見て、第1延設部23aは、第2延設部24cと重なる。すなわち、第1延設部23aは、第1方向D1に第2延設部24cと少なくとも部分的に重なっている。なお、第1方向D1から見て、第1延設部23aの一部は、第2延設部24cと重なっていなくてもよい。第1延設部23aは、第2延設部24cに取り付けられている。これにより、第1延設部23aは、第2延設部24cと共に第1方向D1に揺動可能である。
図3に示すように、第1延設部23aは、第1端部23cと、第2端部23dと、を有する。
【0115】
第1端部23cは、第1延設部23aの第3方向D3の他方側(-D3側)の端部である。第1端部23cは、第1ヨーク部21aに接触する。これにより、磁歪部材23は、第1方向D1に揺動可能に第1ヨーク部21aに支持される。すなわち、第1ヨーク部21aは、第1方向D1に揺動可能に磁歪部材23を支持する。つまり、第1ヨーク部21aは、第1方向D1に揺動可能にフレーム24および磁歪部材23の少なくとも1つを支持する。第2端部23dは、第1延設部23aの第3方向D3の一方側(+D3)側の端部である。第2端部23dは、第1端部23cから第3方向D3に離れて配置される。本実施形態において、第2端部23dは、第1方向D1から見て、第4端部24fと重なっている。
【0116】
図4に示すように、本実施形態において、コイル26は、第2延設部24cおよび磁歪部材23の両方に巻かれる。すなわち、コイル26は、フレーム24および磁歪部材23の両方に巻かれる。つまり、コイル26は、磁歪部材23に巻かれる。コイル26は、ヨーク21、フレーム24および磁歪部材23の少なくとも1つに巻かれる。なお、コイル26は、磁歪部材23およびヨーク21の両方に巻かれてもよい。
図2に示すように、コイル26は、第1ヨーク部21aよりも第3方向D3の一方側(+D3側)、且つ、第2ヨーク部21bよりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。コイル26は、第1ヨーク部21aおよび第2ヨーク部21bの両方と対向する。コイル26は、第1コイル端部26gと第2コイル端部26hとを有する。第2コイル端部26hは、第3方向D3における第1コイル端部26gとは反対側の端部である。第2コイル端部26hは、第1コイル端部26gよりも第3方向D3の他方側に位置する。コイル26の第1コイル端部26gは、第2延設部24cの第4端部24fおよび第1延設部23aの第2端部23dよりも第3方向D3の他方側(-D3側)に位置する。
図3に示すように、コイル26は、隔壁板18よりも第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。コイル26は、第1コイル部26aと、第2コイル部26bと、を有する。コイル26からは2本のコイル引出線26e,26fが引き出される。
【0117】
第1コイル部26aは、コイル26の第1方向D1の一方側(+D1側)の部分である。第1コイル部26aは、第2延設部24cに対向する。すなわち、第1コイル部26aは、フレーム24に対向する。第2コイル部26bは、コイル26の第1方向D1の他方側(+D1側)の部分である。第2コイル部26bは、第1コイル部26aと一体に形成される。第2コイル部26bは、磁歪部材23に対向する。
図4に示すように、第1コイル部26aと第2コイル部26bとの間には内部空間26cが形成される。内部空間26cは、第1コイル部26aおよび第2コイル部26bによって定義される空間である。磁歪部材23は、内部空間26cに配置される。フレーム24の第2延設部24cは、内部空間26cに配置される。
【0118】
図3に示すように、コイル引出線26eは、コイル26の一端と繋がる。コイル引出線26fは、コイル26の他端と繋がる。コイル引出線26e,26fは、互いに異なる貫通孔18aを第1方向D1に通され、回路部材60と接続される。これにより、コイル26は、コイル引出線26e,26fを介して、回路部材60と電気的に接続される。コイル26において発生した誘導電流は、コイル引出線26e,26fを介して、回路部材60に供給される。なお、隔壁板18に設けられる貫通孔18aの個数が1個のみの場合、コイル引出線26e,26fは、同じ貫通孔18aを第1方向D1に通され、回路部材60と接続される。
【0119】
図4に示すように、磁束形成部材27は、第2ヨーク部21bの第2方向D2の他方側(-D2側)を向く面に固定されている。
図2に示すように、磁束形成部材27は、コイル26よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。磁束形成部材27は、磁歪部材23および第2ヨーク部21bと第2方向D2に並んで配置される。磁束形成部材27は、ヨーク21と磁歪部材23との間に配置される。磁束形成部材27は、磁歪部材23と第2方向D2に隙間をあけて対向して配置される。磁束形成部材27は、一対の磁極を有する。磁束形成部材27の第3方向D3を向く一方の面にはN極が形成されている。磁束形成部材27の第3方向D3を向く他方の面にはS極が形成されている。磁束形成部材27は、磁歪部材23を通る磁束を形成する。これにより、磁束形成部材27、磁歪部材23、およびヨーク21を通る閉磁気回路Mcが形成される。
【0120】
上述のように、磁歪部材23は磁歪材料を含むように形成される。よって、磁歪部材23は、第2延設部24cと共に第1方向D1に揺動すると、機械的に歪む。磁歪部材23が機械的に歪むことによって、磁歪部材23の透磁率が変動する。これにより、磁歪部材23を通る磁束が変動する。磁歪部材23が第1方向D1に揺動すると、閉磁気回路Mcを通る磁束、すなわちコイル26の内部空間26cを通る磁束が変動する。コイル26の内部を通る磁束の変動によって、コイル26に誘導電流が発生する。これにより、コイル26に発電電圧Vgを発生させることができる。つまり、発電装置20は、磁歪部材23が第1方向D1に揺動することによって発電する。
【0121】
操作部30は、ユーザによって操作されると、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させる。
図3に示すように、操作部30は、磁歪部材23よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。操作部30は、操作部材31と、揺動誘起部材32と、弾性部材33と、検出部材保持部34と、を備える。
【0122】
操作部材31は、第1方向D1に延びる。操作部材31は、蓋部17の挿通孔17aを第1方向D1に通される。操作部材31は、第1方向D1に移動可能である。よって、ユーザが操作部材31を第1方向D1の一方側(+D1側)に押下すると、操作部材31は第1方向D1に移動可能である。ユーザが操作部材31を第1方向D1の一方側押下すると、操作部材31は第1方向D1に移動するように構成されている。以下の説明では、「操作部材31を第1方向D1の一方側に押下する操作」を、単に、「操作」と呼ぶ場合がある。操作部材31は、ユーザによって操作されるように構成される。なお、以下の説明では、ユーザが操作部材31を押下する力を押下力Fdと呼ぶ。押下力Fdは、第1方向D1の一方側を向く力である。操作部材31は、本体部31aと、接続部31bと、押下部31cと、押圧部31dと、を有する。
【0123】
図2および
図3に示すように、本体部31aは、第1方向D1に延びる略直方体状である。
図2に示すように、第1方向D1から見て、本体部31aは、長辺が第2方向D2に延びる略矩形状を有する。本体部31aは、第1方向D1に延びる円柱状等の他の形状であってもよい。
【0124】
図2および
図3に示すように、接続部31bは、本体部31aから第1方向D1の他方側(-D1側)に突出する略直方体状を有する。
図2に示すように、第1方向D1から見て、接続部31bは、略正方形状を有する。接続部31bは、挿通孔17aの内部を第1方向D1に移動可能である。
【0125】
図2および
図3に示すように、押下部31cは、接続部31bから第1方向D1の他方側(-D1側)に突出する略円柱状を有する。押下部31cは、角柱状等の他の形状であってもよい。
図3に示すように、押下部31cの第1方向D1の他方側(-D1側)の部分は、ハウジング15の外部に位置する。押下部31cは、ユーザによって第1方向D1に押下されるように構成される。ユーザが押下部31cを押下すると、操作部材31は、第1方向D1の一方側(+D1側)に移動する。なお、押下部31cは、ユーザによって直接的に押下される構成であってもよいし、他の部材を介して間接的に押下される構成であってもよい。以下の説明では、
図3に示すように、ユーザが操作部材31を操作していない場合の操作部30の位置を第1位置と呼ぶ。
【0126】
図6は、本実施形態の制御装置10の構成例の操作部材31を操作した際の断面図である。
図3に示すように、押圧部31dは、本体部31aから第1方向D1の一方側(+D1側)に突出する略円柱状を有する。第1位置において、押圧部31dは検出部材40と第1方向D1に間隔をあけて配置される。
図6に示すように、ユーザが操作部材31を操作すると、押圧部31dは、検出部材40と第1方向D1に接触する。以下の説明では、
図6に示すように、ユーザが操作部材31を操作している際の操作部30の位置を第2位置と呼ぶ。
【0127】
揺動誘起部材32は、操作部材31が第1方向D1に移動する際に、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させる。
図3に示すように、揺動誘起部材32は、本体部31aの第3方向D3の他方側(-D3側)を向く面から第3方向D3の他方側に突出する。なお、揺動誘起部材32は、操作部材31と同一の単一部材であってもよい。揺動誘起部材32は、操作部材31と別個の部材であってもよい。揺動誘起部材32は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、第1方向D1に直線的に移動するように構成される。第1方向D1から見て、揺動誘起部材32は、磁歪部材23および第2延設部24cと重なる。第1位置において、揺動誘起部材32は磁歪部材23よりも第1方向D1の他方側(-D1側)に位置する。
図6に示すように、第2位置において、揺動誘起部材32は、第2延設部24cよりも第1方向D1の一方側(+D1側)に位置する。
【0128】
上述のように、ユーザが操作部材31を操作すると、操作部材31は第1方向D1の一方側(+D1側)に移動する。つまり、操作部材31は
図3に示す第1位置から
図6に示す第2位置に移動する。以下の説明では、操作部材31が第1位置から第2位置に移動する動作を第1動作と呼ぶ場合がある。第1動作において、揺動誘起部材32は、磁歪部材23を第1方向D1の一方側に押圧して、第2延設部24cおよび磁歪部材23を第1方向D1の一方側に弾性変形させる。操作部材31がさらに第1方向D1の一方側に移動すると、
図6に示すように、揺動誘起部材32は、第2延設部24cよりも第1方向D1の一方側に移動する。これにより、第2延設部24cの復元力によって、磁歪部材23および第2延設部24cは第1方向D1に揺動する。すなわち、揺動誘起部材32は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させるように構成される。また、磁歪部材23は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、第1方向D1に揺動するように構成される。上述のように、磁歪部材23が第1方向D1に揺動すると、コイル26の内部空間26cを通る磁束が変動するため、コイル26に発電電圧Vgが発生する。なお、以下の説明では、ユーザが操作部材31を操作することによって、操作部材31が第1方向D1の一方側に移動する際の発電装置20の発電を第1発電と呼び、第1発電の起電力を第1電圧V1と呼ぶ。つまり、コイル26は、ユーザによる押下部31cに対する押下に応じて第1電圧V1を発生させるように構成されている。
【0129】
また、ユーザが操作部材31の操作を解除した後、すなわち押下部31cの押下を解除した後において、操作部材31は、後述する弾性部材33から操作部材31に加わる弾性力Feによって、第1方向D1の他方側(-D1側)に移動する。つまり、操作部材31は第2位置から第1位置に移動する。以下の説明では、操作部材31が第2位置から第1位置に移動する動作を第2動作と呼ぶ場合がある。第2動作において、揺動誘起部材32は第2延設部24cを第1方向D1の他方側に押圧することにより、第2延設部24cおよび磁歪部材23を第1方向D1の他方側に弾性変形させる。操作部材31がさらに第1方向D1の他方側に移動すると、
図3に示すように、揺動誘起部材32は、磁歪部材23よりも第1方向D1の他方側に移動する。このとき、第2延設部24cの復元力によって、磁歪部材23および第2延設部24cは第1方向D1に揺動する。これにより、コイル26に発電電圧Vgが発生する。なお、以下の説明では、押下部31cに対する押下の解除によって、操作部材31が第1方向D1の他方側に移動する際の発電装置20の発電を第2発電と呼び、第2発電の起電力を第2電圧V2と呼ぶ。つまり、第2電圧V2は、ユーザによる押下部31cに対する押下の解除に応じてコイル26に発生される電圧である。
【0130】
検出部材保持部34は、検出部材40を保持する。検出部材保持部34は、操作部材31よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。検出部材保持部34は、底板部34aと、筒状部34bと、を有する。
【0131】
底板部34aは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。底板部34aは、ハウジング15の底壁部16bに固定される。筒状部34bは、底板部34aから第1方向D1の他方側に突出する略円筒状を有する。筒状部34bは、第1方向D1の一方側(+D1側)に開口する。
【0132】
弾性部材33は、操作部材31と検出部材保持部34との間に配置される。本実施形態において、弾性部材33は、圧縮コイルばねである。弾性部材33は、第1方向D1に伸縮する。弾性部材33は、筒状部34bに支持される。弾性部材33は、第1弾性部材端部33aと第2弾性部材端部33bとを有する。第2弾性部材端部33bは、第1方向D1における第1弾性部材端部33aとは反対側の端部である。第2弾性部材端部33bは、第1弾性部材端部33aよりも第1方向D1の他方側に位置する。弾性部材33の第2弾性部材端部33bは、本体部31aと第1方向D1に接触する。これにより、弾性部材33は、操作部材31に第1方向D1の他方側を向く弾性力Feを加える。弾性部材33は、操作部材31を第1方向D1の一方側に向けて付勢する。これにより、操作部材31は、第1位置に向けて移動する。したがって、
図6に示すように、ユーザが押下部31cに対する押下を解除すると、操作部材31は、弾性力Feによって第1方向D1の他方側に移動し、
図3に示す第1位置に戻る。
【0133】
検出部材40は、操作部材31よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。検出部材40は、筒状部34bの内周面に保持される。第1位置において、検出部材40は、押圧部31dと第1方向D1に間隔をあけて配置される。
図6に示すように、第2位置において、検出部材40は、押圧部31dと接触する。これにより、検出部材40は、ユーザが操作部材31を操作したことを検出可能である。すなわち、検出部材40は、ユーザによる操作部材31の操作を検出するように構成される。本実施形態において、検出部材40は、タクトスイッチ40aを有する。タクトスイッチ40aは、ユーザによる操作部材31の操作に応じて押下されるように構成される。なお、検出部材40の構成は本実施形態の構成に限定されず、操作部材31の第1方向D1の移動を検出可能な光学式センサ等のセンサであってもよい。検出部材40は、接続線41を有する。
【0134】
図7は、本実施形態の制御装置10の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、接続線41は、検出部材40と、回路部材60とを接続する。これにより、検出部材40は、回路部材60と電気的に接続される。検出部材40は、操作部材31が操作されたことを検出すると、回路部材60に検出信号S1を送信する。なお、本実施形態において、検出部材40は、発電装置20において発電した電力によって駆動される。
【0135】
図3に示すように、回路部材60は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。回路部材60は、隔壁板18の第1方向D1の一方側を向く面に固定される。回路部材60は、制御部61と、通信部71と、を有する。
【0136】
制御部61は、回路部材60に実装される。
図7に示すように、制御部61は、コイル引出線26e,26fを介して、発電装置20のコイル26と電気的に接続される。つまり、回路部材60は、コイル26と電気的に接続される。よって、コイル26が発電すると、制御部61にはコイル26において発生された電圧である発電電圧Vgが印可される。したがって、本実施形態の制御装置10では、発電装置20において発電した電力によって、制御部61を駆動できる。また、制御部61は、発電電圧Vgに関する情報を検知できる。本実施形態において、発電電圧Vgの情報は、発電電圧Vgの電圧値、および回路部材60に供給される電流値の少なくとも一つを含む。
【0137】
上述のように、制御部61は、接続線41を介して、検出部材40と電気的に接続される。これにより、制御部61は、検出部材40が送信する検出信号S1を検知できる。制御部61は、発電電圧Vgに関する情報および検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成する。すなわち、制御部61は、発電電圧Vg、すなわちコイル26において発生された電圧に関する情報に基づいて指令信号Scを生成するように構成される。また、制御部61は、検出部材40から送信される検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成するように構成される。
【0138】
なお、制御部61は、発電電圧Vgに関する情報および検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成し、指令信号Scを通信部71に送信するコンピュータである。制御部61には、制御部61が実行する制御プログラムがインストールされている。制御部61の機能の少なくとも一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、図示しない記憶部に記憶された制御プログラム、すなわちソフトウェアを実行することで実現される。
【0139】
なお、制御部61の機能の少なくとも一部は、例えば、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、およびGPU(Graphics Processing Unit)などの回路部を含むハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されていてもよい。制御部61は、図示しない記憶部を備えてもよい。この場合、図示しない記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(hard disk drive)、およびフラッシュメモリなどの記憶媒体によって実現される。
【0140】
図3に示すように、通信部71は、回路部材60の第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面に実装される。
図7に示すように、通信部71は、制御部61から送信された指令信号Scを被駆動装置81に送信するように構成される。通信部71は、無線通信部71aを有する。
【0141】
無線通信部71aは、被駆動装置81に指令信号Scを無線送信するように構成される無線装置である。つまり、無線通信部71aによって、被駆動装置81にユーザの操作に基づいて作成された指令信号Scを送信できる。これにより、ユーザは操作部材31を操作することによって、被駆動装置81を動作させることができる。なお、通信部71と被駆動装置81との間の通信方式は特に限定されず、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)、NFC(Near Field Communication)、およびANT等のような近距離無線通信であってよい。
【0142】
図8は、本実施形態の制御装置10の構成例の発電電圧Vgの波形を示す第1の図である。
図9は、本実施形態の制御装置10の構成例の発電電圧Vgの波形を示す第2の図である。
図10は、本実施形態の制御装置10の構成例の発電電圧Vgの波形を示す第3の図である。
【0143】
次に、ユーザが操作部材31の押下部31cを押下する力である押下力Fdと、発電電圧Vgとの関係を説明する。
図8には、押下力Fdが大きい場合の発電電圧Vgを示す。
図9には、押下力Fdが小さい場合の発電電圧Vgを示す。なお、
図8および
図9には、ユーザが操作部材31の操作を行ってから操作を解除するまでの時間である押下時間Tdが短い場合の発電電圧Vgを示す。
図8および
図9の横軸は、時間T[msec]である。
図8および
図9の縦軸は、発電電圧Vg[V]である。なお、本実施形態の制御部61は、少なくとも、第1電圧V1のピーク電圧V1p、第2電圧V2のピーク電圧V2p、ピーク電圧V1pとピーク電圧V2pとの間の時間であるピーク間時間Tiを検知可能である。
【0144】
本実施形態の発電装置20では、押下力Fdが大きいほど、操作部材31が第1方向D1の一方側(+D1側)に移動する際に揺動誘起部材32が磁歪部材23を押圧する力が大きくなるため、第2延設部24cおよび磁歪部材23の第1方向D1の揺動の振幅は大きくなる。よって、押下力Fdが大きいほど、磁歪部材23の機械的な歪みが大きくなるため、磁歪部材23の透磁率の変動は大きくなる。したがって、押下力Fdが大きいほど、
図3に示す閉磁気回路Mcを通る磁束の変動量が大きくなるため、第1電圧V1は、押下部31cに対する押下力Fdの大きさに応じて大きくなる。よって、
図8に示すように、本実施形態において、押下力Fdが大きい場合の第1電圧V1のピーク電圧V1pは55[V]程度であるのに対して、
図9に示すように、押下力Fdが小さい場合のピーク電圧V1pは28V程度と小さい電圧になる。
【0145】
したがって、制御部61は、第1電圧V1のピーク電圧V1pによって、ユーザが大きな押下力Fdで操作部材31を操作したこと、およびユーザが小さな押下力Fdで操作部材31を操作したことを判断できる。例えば、制御部61は、ピーク電圧V1pが所定電圧以上の場合、押下力Fdが大きいと判断でき、ピーク電圧V1pが所定電圧未満の場合、押下力Fdが小さいと判断できる。
【0146】
図8および
図9に示すように、第2電圧V2のピーク電圧V2pは、押下力Fdによらず略同じ電圧である。これは、操作部材31を第1方向D1の他方側(-D1)に移動させる力である弾性力Feは、押下力Fdによらず略一定であるため、操作部材31が第1方向D1の他方側する際に、揺動誘起部材32が第2延設部24cを第1方向D1の他方側に押圧する力が略一定であることに起因する。
【0147】
次に、ユーザが操作部材31の操作を行ってから操作を解除するまでの時間である押下時間Tdと、発電電圧Vgとの関係を説明する。上述のように、
図8には、押下時間Tdが短い場合の発電電圧Vgを示す。
図10には、押下時間Tdが長い場合、すなわちユーザが押下部31cを長押しした場合の発電電圧Vgを示す。
図10の横軸は、時間T[msec]である。
図10縦軸は、発電電圧Vg[V]である。なお、
図10には、押下力Fdが大きい場合の発電電圧Vgを示す。
【0148】
図8に示すように、本実施形態において、押下時間Tdが短い場合のピーク間時間Tiは、500[msec]程度であるのに対して、
図10に示すように、押下時間Tdが長い場合のピーク間時間Tiは850[msec]程度である。したがって、制御部61は、ピーク間時間Tiによって、押下時間Tdを検知できる。例えば、制御部61は、ピーク間時間Tiが所定時間未満の場合、押下時間Tdが短いと判断し、ピーク間時間Tiが所定時間以上の場合、押下時間Tdが長いと判断してもよい。
【0149】
図11は、本実施形態の制御装置10の使用例を示す図である。例えば、制御部61は、発電電圧Vgに関する情報から、ユーザが操作部材31を操作する際の押下力Fdが大きく、且つ、押下時間Tdが短いと判断した場合、制御部61は、通信部71を介して、第1指令信号Sc1を被駆動装置81に送信する。また、制御部61は、発電電圧Vgの情報から、ユーザが操作部材31を操作する際の押下力Fdが小さく、且つ、押下時間Tdが短いと判断した場合は、第2指令信号Sc2を被駆動装置81に送信する。さらに、制御部61は、ユーザが操作部材31を操作する際の押下時間Tdが長いと判断した場合は、第3指令信号Sc3を被駆動装置81に送信する。したがって、被駆動装置81は、上記の3種類の指令信号Scに応じて異なる動作を行うことができる。つまり、制御装置10は、被駆動装置81に異なる動作を実行させることができる。
【0150】
図11に示す、使用例の例1は、被駆動装置81が人力駆動車80に取り付けられる図示しない変速装置である場合の使用例を示す。例えば、被駆動装置81は、第1指令信号Sc1を受信した場合、段数を1段変更する。被駆動装置81は、第2指令信号Sc2を受信した場合、段数を2段変更する。被駆動装置81は、第3指令信号Sc3を受信した場合、段数を押下時間Tdに応じて連続的に変更する。これにより、ユーザは操作部材31を操作する際の押下力Fdおよび押下時間Tdのそれぞれを適宜変えることによって、変速装置に異なる動作を実行させることができる。
【0151】
図11に示す、使用例の例2は、被駆動装置81が人力駆動車80に取り付けられる図示しないランプである場合の使用例を示す。例えば、被駆動装置81は、第1指令信号Sc1を受信した場合、点灯する。被駆動装置81は、第2指令信号Sc2を受信した場合、消灯する。これにより、ユーザは操作部材31を押下する際の押下力Fdを適宜変えることによって、ランプに異なる動作を実行させることができる。
【0152】
また、制御部61は、検出部材40から送信される検出信号S1に基づいて、ユーザが操作部材31を操作したことを検知してもよい。また、制御部61は、検出信号S1によって検知対象の電圧が第1電圧V1か第2電圧V2のいずれであるかを判断できる。また、制御部61は、検出信号S1を継続して受信する時間によって、押下時間Tdを判断することもできる。
【0153】
本実施形態によれば、発電装置20は、非磁性材料を含むように形成されるフレーム24と、フレーム24に取り付けられる磁歪部材23と、第1方向D1に揺動可能にフレーム24および磁歪部材23の少なくとも1つを支持する第1ヨーク部21a、および、第1ヨーク部21aに繋がり、第1方向D1とは異なる第2方向D2に磁歪部材23と並んで配置される第2ヨーク部21bを有し、磁性材料を含むように形成されるヨーク21と、ヨーク21、フレーム24および磁歪部材23の少なくとも1つに巻かれるコイル26と、を備える。よって、磁歪部材23およびフレーム24が揺動する第1方向D1にヨーク21が配置される場合と比較して、発電装置20が第1方向D1、すなわち磁歪部材23が揺動する方向に大型化することを抑制できる。これにより、発電装置20が大型化することを抑制できる。したがって、発電装置20を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置20の利便性の向上を図ることができる。
【0154】
また、本実施形態では、フレーム24の第2延設部24cが非磁性材料を含むように形成されるため、第2延設部24cを通る磁束の磁束密度が増大することを抑制できる。よって、磁歪部材23を通る磁束の磁束密度を相対的に高めることができるため、発電電圧Vgを高めることができ、発電装置20の発電効率を高めることができる。
【0155】
また、本実施形態では、ヨーク21は、磁歪部材23を支持する機能と閉磁気回路Mcの一部を形成する機能の2つの機能を担う。そのため、例えば、ヨーク21とは別個の部材によって磁歪部材23を支持する構成と比較して、発電装置20の部品点数が増大することを抑制できる。したがって、発電装置20の製造コストおよび製造工数が増大することを抑制できる。
【0156】
本実施形態によれば、第1ヨーク部21aは、第2ヨーク部21bと一体に形成される。したがって、第1ヨーク部21aと第2ヨーク部21bとが互いに異なる部材である場合と比較して、発電装置20の部品点数が増大することを抑制できる。したがって、発電装置20の製造コストおよび製造工数が増大することを抑制できる。
【0157】
本実施形態によれば、第1ヨーク部21aは、第2ヨーク部21bに繋がる連結部21a1と、連結部21a1から第2方向D2に離れて配置され、フレーム24および磁歪部材23を支持する支持部21a2と、を有する。そのため、第1ヨーク部21aの支持部21a2にフレーム24および磁歪部材23を取り付ける簡易な作業によって、第1ヨーク部21aを介して、磁歪部材23と第2ヨーク部21bとを第2方向D2に並んで配置できる。したがって、発電装置20の製造工数が増大することを抑制できる。
【0158】
本実施形態によれば、コイル26は、磁歪部材23に巻かれる。よって、コイル26の内部に閉磁気回路Mcの一部を形成できるため、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させることによって、コイル26に発電電圧Vgを安定して発生させることができる。したがって、発電装置20の発電電圧Vgを安定的に高めることができる。
【0159】
本実施形態によれば、コイル26は、フレーム24および磁歪部材23の両方に巻かれる。よって、発電装置20の製造工程において、磁歪部材23をフレーム24に取り付けた後に、磁歪部材23およびフレーム24の両方にコイル線を巻き掛けることによってコイル26を形成できる。したがって、磁歪部材23を囲むコイル26を容易に形成できるため、発電装置20の製造工数が増大することを抑制できる。
【0160】
本実施形態によれば、コイル26は、フレーム24に対向する第1コイル部26aと、第1コイル部26aと一体に形成され、磁歪部材23に対向する第2コイル部26bと、を有し、フレーム24および磁歪部材23は、第1コイル部26aおよび第2コイル部26bによって定義される内部空間26cに配置される。よって、コイル26の内部空間26cに閉磁気回路Mcの一部を形成できるため、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させることによって、コイル26に発電電圧Vgを安定して発生させることができる。したがって、発電装置20の発電電圧Vgを安定的に高めることができる。
【0161】
本実施形態によれば、磁歪部材23は、第1方向D1および第2方向D2と異なる第3方向D3に延びる第1延設部23aを有し、フレーム24は、第3方向D3に延びる第2延設部24cを有し、第1延設部23aは、第1方向D1に第2延設部24cと少なくとも部分的に重なっている。よって、第1延設部23aと第2延設部24cとを第1方向D1に重ねつつ、第1延設部23aを第2延設部24cに直接的に取り付けることができる。したがって、第1延設部23aと第2延設部24cとが、別個の部材を介して間接的に取り付けられる構成と比較して、発電装置20の部品点数が増大することを抑制できる。
【0162】
本実施形態によれば、第1延設部23aは、ヨーク21に接触する第1端部23cと、第1端部23cから第3方向D3に離れて配置される第2端部23dと、を有し、第2延設部24cは、ヨーク21に接触する第3端部24eと、第3端部24eから第3方向D3に離れて配置される第4端部24fと、を有し、第2端部23dは、第1方向D1から見て、第4端部24fと重なっている。よって、第2端部23dが、第4端部24fよりも第3方向D3の一方側(+D3側)に位置する場合と比較して、第1延設部23aの第3方向D3の寸法を小さくし易いため、発電装置20が第3方向D3に大型化することを抑制し易い。これにより、発電装置が大型化することを抑制できる。また、第2端部23dが、第4端部24fよりも第3方向D3の他方側(-D3側)に位置する場合と比較して、第1延設部23aと第2延設部24cとの接触面積を大きくできる。したがって、より強固に磁歪部材23をフレーム24に取り付けることができるため、発電装置20をより安定的に動作させ易い。
【0163】
本実施形態によれば、ヨーク21が、第1方向D1に積層される複数のヨーク板21dを有する。よって、ヨーク板21dの積層枚数を調整することによって、第1方向D1における発電装置20の大きさを調整できるため、発電装置20が第1方向D1に大型化することを抑制できる。これにより、発電装置20が大型化することを抑制できる。したがって、発電装置20を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置20の利便性の向上を図ることができる。
【0164】
また、一般的に板状の磁性板は、流通量が多く、且つ、製造コストが安価である。そのため、ヨーク21全体が一体的に成形される構成と比較して、ヨーク21の製造コストを低減できる。したがって、発電装置20の製造コストが増大することを抑制できる。
【0165】
本実施形態によれば、発電装置20は、磁歪部材23と、磁歪部材23を第1方向D1に揺動可能に支持し、磁性材料を含むように形成されるヨーク21であって、第1方向D1に積層される複数のヨーク板21dを有するヨーク21と、ヨーク21および磁歪部材23の少なくとも1つに巻かれるコイル26と、を備える。よって、ヨーク21が複数のヨーク板21dによって構成されるため、上述のように、ヨーク21全体が一体的に成形される構成と比較して、ヨーク21の製造コストを低減できる。したがって、発電装置20の製造コストが増大することを抑制できる。
【0166】
本実施形態によれば、複数のヨーク板21dは、少なくとも1つの第1ヨーク板21eおよび少なくとも1つの第2ヨーク板21fを有し、磁歪部材23は、第1方向D1において少なくとも1つの第1ヨーク板21eおよび少なくとも1つの第2ヨーク板21fの間に位置する。よって、磁歪部材23が第1方向D1に揺動する際に、磁歪部材23とヨーク21との間の距離が変動することを抑制し易い。したがって、磁歪部材23が第1方向D1に揺動する際に、磁歪部材23を通る磁束の磁束密度が低下することを抑制し易いため、発電電圧Vgを安定させることができる。
【0167】
本実施形態によれば、磁歪部材23を通る磁束を形成する磁束形成部材27をさらに備える。よって、磁歪部材23を通る磁束の磁束密度を高めることができるため、発電装置20の発電電圧Vgを高めることができる。
【0168】
本実施形態によれば、磁束形成部材27は、ヨーク21と磁歪部材23との間に配置される。よって、磁束形成部材27、ヨーク21、および磁歪部材23の間のそれぞれを通る閉磁気回路Mcの磁束密度をより安定的に高めることができる。したがって、発電装置20の発電電圧Vgをより安定的に高めることができる。
【0169】
また、本実施形態では、磁束形成部材27は、磁歪部材23と第2方向D2に並んで配置されるため、磁歪部材23が第1方向D1に揺動する際に、磁歪部材23と磁束形成部材27との間の距離が変動することを抑制し易い。したがって、磁歪部材23が第1方向D1に揺動する際に、磁歪部材23を通る磁束の磁束密度が低下することを抑制し易いため、発電電圧Vgを安定させることができる。
【0170】
本実施形態によれば、ユーザによって操作されるように構成される操作部材31をさらに備え、磁歪部材23は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、第1方向D1に揺動するように構成される。よって、ユーザが操作部材31を押下する簡易な操作のみによって、コイル26に発電電圧Vgを発生させることができる。したがって、発電装置20の利便性の向上を図ることができる。
【0171】
本実施形態によれば、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させるように構成される揺動誘起部材32をさらに備える。よって、ユーザが操作部材31を押下する簡易な操作のみによって、コイル26に発電電圧Vgを発生させることができる。したがって、発電装置20の利便性の向上を図ることができる。
【0172】
本実施形態によれば、揺動誘起部材32は、ユーザによる操作部材31の操作に応じて、第1方向D1に直線的に移動するように構成される。よって、第1方向D1に直線的に移動する揺動誘起部材32によって、上述のように、第2延設部24cを第1方向D1の一方側に押圧できる。これにより、磁歪部材23および第2延設部24cを第1方向D1に揺動できるため、コイル26に発電電圧Vgを発生させることができる。したがって、ユーザが操作部材31を第1方向D1に押圧する簡易な操作よって、発電装置20を発電できるため、発電装置20の利便性の向上を図ることができる。
【0173】
本実施形態によれば、制御装置10は、発電装置20と、コイル26と電気的に接続される回路部材60と、を備える。よって、回路部材60がコイル26と電気的に接続されるため、発電装置20を電源として、回路部材60を駆動できる。したがって、回路部材60を駆動する、例えば、電池等の電源を備える構成の制御装置と比較して、制御装置10の使用時間に伴って電源の起電力が低下することを抑制できるため、電源を交換する作業または電源を充電する作業が不要になるとともに、制御装置10の使用時に回路部材60の駆動が停止することを抑制できる。よって、制御装置10の利便性の向上を図ることができる。
【0174】
また、本実施形態では、上述のように、発電装置20が磁歪部材23の揺動方向である第1方向D1に大型化することを抑制できるため、制御装置10が第1方向D1に大型化することを抑制できる。これにより、制御装置10が大型化することを抑制できる。したがって、制御装置10を狭い空間に組み込み易くなるため、制御装置10の利便性をさらに高めることができる。
【0175】
本実施形態によれば、回路部材60は、発電電圧Vg、すなわちコイル26において発生された電圧に関する情報に基づいて指令信号Scを生成するように構成される制御部61と、指令信号Scを被駆動装置81に送信するように構成される通信部71と、を有する。よって、ユーザによる操作部材31の操作によって発生した発電電圧Vgに関する情報に基づいて生成された指令信号Scを被駆動装置81に送信できるため、被駆動装置81にユーザの操作に基づいた動作を実行させることができる。したがって、ユーザは操作部材31を押下する簡易な操作を行うことによって、被駆動装置81に所望の動作を実行させることができるため、制御装置10および被駆動装置81の利便性の向上を図ることができる。
【0176】
本実施形態によれば、操作部材31の操作を検出するように構成される検出部材40をさらに備え、制御部61は、検出部材40から送信される検出信号S1に基づいて指令信号Scを生成するように構成される。よって、上述のように、制御部61は、検出信号S1によって、ユーザが操作部材31を操作したタイミング、およびユーザが操作部材31の操作を行ってから操作を解除するまでの時間である押下時間Tdをより精度よく検知できる。したがって、制御部61は、ユーザが行った操作内容をより精度よく判断できるため、被駆動装置81に所望の動作をより確実に実行させることができる。よって、制御装置10および被駆動装置81の利便性をより高めることができる。
【0177】
本実施形態によれば、検出部材40は、操作部材31の操作に応じて押下されるように構成されるタクトスイッチ40aを有する。そのため、ユーザによる操作部材31の操作によって押圧部31dがタクトスイッチ40aを押圧する際に、ユーザにクリック感を実感させることができる。したがって、ユーザが操作部材31を確実に操作できたことを認識し易くなるため、制御装置10の操作性を高めることができる。
【0178】
本実施形態によれば、非磁性材料を含むように形成され、発電装置20および回路部材60を内部に収容するハウジング15をさらに備える。よって、発電装置20および回路部材60が制御装置10の外部に露出することを抑制できる。したがって、発電装置20および回路部材60が制御装置10の周りに配置される導電性を有する部材と接触して短絡する等の不具合が発生することを抑制できる。また、発電装置20および回路部材60に埃や水分などが付着することを抑制できるため、発電装置20および回路部材60の動作を安定させることができる。
【0179】
本実施形態によれば、通信部71は、被駆動装置81に指令信号Scを無線送信するように構成される無線通信部71aを有する。よって、無線通信部71aから被駆動装置81に発信される無線信号が、ハウジング15によって磁気遮蔽されることを抑制できる。したがって、通信部71から被駆動装置81に安定して指令信号Scを送信できるため、被駆動装置に所望の動作をより確実に実行させることができる。よって、制御装置10および被駆動装置81の利便性をより好適に高めることができる。
【0180】
また、本実施形態では、ハウジング15は樹脂製であるため、ハウジング15が非磁性金属製の場合と比較して、ハウジング15の軽量化を図ることができる。したがって、制御装置10の軽量化を図ることができるため、制御装置10の利便性の向上を図ることができる。
【0181】
また、本実施形態では、ハウジング15が非磁性材料からなるため、ヨーク21、磁束形成部材27、および磁歪部材23との間で形成される閉磁気回路Mcからハウジング15に磁束が漏れ出ることを抑制できる。よって、閉磁気回路Mcを通る磁束の磁束密度が低下することを抑制できるため、発電電圧Vgが低下することを抑制できるとともに、発電装置20の発電効率が低下することを抑制できる。
【0182】
また、本実施形態では、上述のように、閉磁気回路Mcからハウジング15に磁束が漏れ出ることを抑制できるため、ハウジング15と、ヨーク21および磁歪部材23それぞれとの間に設けられる隙間を小さくできる。したがって、ハウジング15が大型化することを抑制できるため、制御装置10が大型化することを抑制できる。
【0183】
本実施形態によれば、操作部材31は、ユーザによって押下されるように構成される押下部31cを有し、コイル26は、押下部31cに対する押下に応じて第1電圧V1を発生させるように構成されており、第1電圧V1は、押下部31cに対する押下力Fdの大きさに応じて大きくなる。よって、制御部61は、例えば、第1電圧V1のピーク電圧V1pの大きさによって、ユーザが操作部材31に加えた押下力Fdを検知できるため、押下力Fdに応じて異なる指令信号Scを被駆動装置81に送信できる。これにより、ユーザは操作部材31を操作する際の押下力Fdを適宜変えることによって、被駆動装置81に異なる動作を実行させることができるため、制御装置10および被駆動装置81の利便性をさらに高めることができる。
【0184】
本実施形態によれば、制御装置10および被駆動装置81は、人力駆動車80に取り付けられるように構成され、被駆動装置81は、アクチュエータを有する。よって、ユーザは操作部材31を押下する簡易な操作によって、被駆動装置81に所望の動作を実行させることができる。したがって、人力駆動車80の利便性の向上を図ることができる。
【0185】
本実施形態によれば、被駆動装置81は、人力駆動車80に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つを含む。よって、ユーザは操作部材31を押下する簡易な操作によって、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ドライブユニット、およびランプの少なくとも1つに所望の動作を実行させることができる。したがって、人力駆動車80の利便性の向上を図ることができる。
【0186】
<第1実施形態の第1変形例>
図12は、第1実施形態の第1変形例の制御装置110の構成例を第1方向D1の他方側(-D1側)から見た図である。なお、
図12では、蓋部17を取り外した制御装置110を示している。
図12に示すように、本変形例の発電装置120において、コイル126は、ヨーク21に巻かれる。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0187】
上述のように、本変形例のコイル126は、ヨーク21に巻かれる。より詳細には、コイル126は、第2ヨーク部21bに巻かれる。上述の第1実施形態の発電装置20と同様に、閉磁気回路Mcは、磁束形成部材27、磁歪部材23、ヨーク21を通る。よって、閉磁気回路Mcは、コイル126の内部を通る。したがって、磁歪部材23が第1方向D1に揺動すると、磁歪部材23の透磁率が変動するため、第2ヨーク部21bを通る磁束が変動し、コイル126に誘導電流が発生する。つまり、磁歪部材23が第1方向D1に揺動することによって、コイル126には発電電圧Vgが発生する。なお、図示は省略するが、コイル126から引き出される2つのコイル引出線26e,26fは、回路部材60と接続される。コイル126のその他の構成等は、上述の第1実施形態のコイル26のその他の構成等と同一である。
【0188】
本変形例では、上述のように、コイル126は、ヨーク21に巻かれるため、回路部材60に対するコイル126の位置は変動しない。よって、コイル126が磁歪部材23に巻かれ、磁歪部材23とともに第1方向D1に揺動する構成と比較して、回路部材60に接続されるコイル引出線26e,26fに加わる負荷を低減できる。したがって、コイル引出線26e,26fが断線することを抑制し易いため、発電装置120を安定して動作させることができる。
【0189】
また、本変形例では、上述のように、コイル引出線26e,26fが断線することを抑制し易いため、線径が小さいコイル線を利用し易い。よって、コイル126の小型化を図り易いため、発電装置120を小型化し易い。したがって、発電装置120および制御装置110を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置120および制御装置110の利便性の向上を図ることができる。
【0190】
<第1実施形態の第2変形例>
図13は、本変形の制御装置210の構成例を第1方向D1の他方側(-D1側)から見た図である。なお、
図13では、蓋部17を取り外した制御装置210を示している。
図14は、本変形例の制御装置210の構成例を示す断面図であって、
図13のXIV-XIV断面図である。
図15は、本変形例の制御装置210の構成例の操作部材231を操作した際の断面図である。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0191】
図13に示すように、本変形例の発電装置220の磁歪部材223の第1延設部223aが有する第2端部223dは、フレーム24の第2延設部24cの第4端部24fよりも、第3方向D3の他方側(-D3側)に位置する。
図14に示すように、第2端部223dと第1端部23cとの間の第1距離L1は、第4端部24fと第1端部23cとの間の第2距離L2よりも小さい。本変形例の磁歪部材223のその他の構成等は、上述の第1実施形態の磁歪部材23のその他の構成等と同一である。
【0192】
操作部230は、ユーザによって操作されると、磁歪部材223を第1方向D1に揺動する。操作部230は、磁歪部材223よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。操作部230は、操作部材231と、回転部材235と、軸部支持部材237と、を有する。
【0193】
図14に示すように、操作部材231は、第1方向D1に延びる。操作部材231は、蓋部17の挿通孔17aを第1方向D1に通される。操作部材231は、ユーザが第1方向D1の一方側(+D1側)に押下することによって第1方向D1に移動可能である。操作部材231は、本体部231aと、押下部231cと、を有する。
【0194】
図13および
図14に示すように、本体部231aは、第1方向D1に延びる略直方体状を有する。
図13に示すように、第1方向D1から見て、本体部231aは、略正方形状を有する。本体部231aは、第1方向D1に延びる円柱状等の他の形状を有してもよい。
【0195】
図13および
図14に示すように、押下部231cは、本体部231aから第1方向D1の他方側(-D1側)に突出する略円柱状を有する。押下部231cは、角柱状等の他の形状であってもよい。
図14に示すように、ユーザが押下部231cを押下していない場合、押下部231cはハウジング15の外部に位置する。以下の説明では、ユーザが操作部材231を押下していない場合の操作部230の位置を第1位置と呼ぶ。また、
図15に示すように、ユーザが押下部231cを押下している場合の操作部230の位置を第2位置と呼ぶ。
【0196】
図13に示す回転軸線Aは、第1方向D1と異なる方向に延びる第4方向D4に延びる仮想軸線である。本変形例において、第4方向D4は、第2方向D2と平行な方向である。よって、回転軸線Aは、第2方向D2と平行な方向に延びる。第1方向D1から見て、回転軸線Aは、操作部材231と磁歪部材223との間を通る。
図14に示すように、回転軸線Aの第1方向D1の位置は、第2延設部24cの第1方向D1の位置と、略同じ位置である。以下の説明では、回転軸線Aを中心とする周方向を単に周方向と呼ぶ。周方向は、
図14および
図15において矢印θで示されている。周方向のうち矢印θが向く側(+θ側)を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と反対側(-θ側)を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、第2方向D2の他方側(-D2側)から見て回転軸線A回りに時計回りに進む側である。周方向他方側は、第2方向D2の他方側から見て回転軸線A回りに反時計回りに進む側である。
【0197】
図13に示すように、軸部支持部材237は、回転軸線Aを中心として第2方向D2に延びる円柱状を有する。軸部支持部材237の第2方向D2の両端は、側壁部16aに固定される。
図14に示すように、第3方向D3において、軸部支持部材237は、操作部材231と第2延設部24cとの間に配置される。
【0198】
回転部材235は、操作部材231が第1方向D1に移動する際に、磁歪部材223を第1方向D1に揺動させる。回転部材235は、軸部235aと、接続部235bと、接触部235cと、揺動誘起部材235eと、を有する。
【0199】
軸部235aは、回転軸線Aを中心として第2方向D2に延びる円環状を有する。軸部235aの内部には、軸部支持部材237が通される。軸部235aは、軸部支持部材237によって、回転軸線A回りに回転可能に支持される。本変形例において軸部235aは、ねじりコイルばねである。図示は省略するが、軸部235aの一方の腕部は、ハウジング15に固定されている。軸部235aの他方の腕部は、接続部235bに固定されている。
【0200】
図13に示すように、接続部235bは、軸部235aから突出する四角柱状を有する。第1方向D1から見て、接続部235bは、操作部材231よりも第2方向D2の他方側に配置される。
【0201】
図13および
図14に示すように、接触部235cは、接続部235bから第2方向D2の一方側(+D2側)に延びる円柱状を有する。接触部235cは、操作部材231よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。
図14および
図15に示すように、第1位置および第2位置において、接触部235cは、操作部材231と第1方向D1に接触する。また、接触部235cは、操作部材231が第1方向D1に移動する際に操作部材231と接触する。
【0202】
揺動誘起部材235eは、磁歪部材223を第1方向D1に揺動させる。
図14に示すように、第1位置において、揺動誘起部材235eは、軸部235aから第1方向D1の一方側(+D1側)と第3方向D3の他方側(-D3側)との間を向く方向に突出する。
図15に示すように、第2位置において、揺動誘起部材235eは、軸部235aから第1方向D1の他方側(-D1側)と第3方向D3の他方側との間を向く方向に突出する。揺動誘起部材235eの先端と回転軸線Aとの間の距離は、第2延設部24cの第4端部24fと回転軸線Aとの間の距離よりも長い。よって、回転部材235が回転軸線A回りに回転すると、揺動誘起部材235eは、第2延設部24cを第1方向D1に押圧する。
【0203】
図14に示すように、押下部231cがユーザに押下されて、操作部材231が第1方向D1の一方側(+D1側)に移動すると、接触部235cは操作部材231と共に第1方向D1の一方側に移動する。これにより、軸部235aおよび揺動誘起部材235eは、回転軸線Aを中心として周方向一方側(+θ側)に回転する。すなわち、揺動誘起部材235eは、ユーザによる操作部材231の操作に応じて、回転軸線Aを中心として回転するように構成される。このとき、揺動誘起部材235eは、第2延設部24cを第1方向D1の他方側(-D1側)に押圧するため、第2延設部24cおよび磁歪部材223は、第1方向D1の他方側に弾性変形する。操作部材231がさらに第1方向D1の一方側に移動すると、
図15に示すように、揺動誘起部材235eは、第2延設部24cよりも第1方向D1の他方側に移動する。このとき、第2延設部24cの復元力によって、磁歪部材223および第2延設部24cは第1方向D1に揺動する。つまり、揺動誘起部材235eは、ユーザによる操作部材231の操作に応じて、磁歪部材223を第1方向D1に揺動させるように構成される。磁歪部材223が第1方向D1に揺動すると、コイル26に誘導電流が発生し、発電装置220は発電する。
【0204】
本変形例において、
図15に示す第2位置において、軸部235aの図示しない他方の腕部の弾性力によって、回転部材235は、回転軸線Aを中心として周方向他方側(-θ側)に回転する。よって、ユーザが操作部材231の操作を解除した後は、接続部235bおよび接触部235cを介して操作部材231に加わる第1方向D1の他方側(-D1側)を向く弾性力Feによって、操作部材231は第1方向D1の他方側に移動する。このとき、揺動誘起部材235eは、第2延設部24cを第1方向D1の一方側(+D1側)に押圧するため、第2延設部24cおよび磁歪部材223は、第1方向D1の一方側に弾性変形する。操作部材231がさらに第1方向D1の他方側に移動すると、
図14に示すように、揺動誘起部材235eは、第2延設部24cよりも第1方向D1の一方側に移動する。このとき、第2延設部24cの復元力によって、磁歪部材223および第2延設部24cは第1方向D1に揺動する。これにより、コイル26に誘導電流が発生し、発電装置220は発電する。
【0205】
本変形例によれば、第1延設部223aは、ヨーク21に接触する第1端部23cと、第1端部23cから第3方向D3に離れて配置される第2端部223dと、を有し、第2延設部24cは、ヨーク21に接触する第3端部24eと、第3端部24eから第3方向D3に離れて配置される第4端部24fと、を有し、第2端部223dと第1端部23cとの間の第1距離L1は、第4端部24fと第1端部23cとの間の第2距離L2よりも小さい。よって、磁歪部材223の第3方向D3の寸法を小さくし易いため、磁歪部材223の体積を小さくし易い。したがって、磁歪部材223の材料コストが増大することを抑制できる。また、磁束形成部材27から磁歪部材223に入り込む磁束密度は、磁束形成部材27の第3方向D3の両端側に向かうにしたがって小さくなる。
図13に示すように、本変形例の磁歪部材223の第2端部223dは、磁束形成部材27の第3方向D3の中央と第3方向D3の一方側(+D3側)の端部との間に配置される。したがって、磁束形成部材27から磁歪部材223に入り込む磁束が大きく低下することを抑制できるため、閉磁気回路Mcを通る磁束密度が大きく低下することを抑制できる。これらにより、発電装置20の発電電圧Vgが大きく低下することを抑制しつつ、発電装置20の製造コストが増大することを抑制できる。
【0206】
本変形例によれば、揺動誘起部材235eは、ユーザによる操作部材231の操作に応じて、第1方向D1と異なる第4方向D4に延びる回転軸線Aを中心として回転するように構成される。よって、上述のように、操作部材231が第1方向D1に移動すると、揺動誘起部材235eは回転軸線Aを中心として回転しつつ、第2延設部24cを第1方向D1に押圧する。また、揺動誘起部材235eは回転軸線Aを中心として回転するため、第2延設部24cおよび磁歪部材223を第1方向D1に弾性変形させた後の揺動誘起部材235eは、第2延設部24cから第3方向D3に離れる向きに移動する。よって、第1方向D1に揺動する第2延設部24cまたは磁歪部材223と揺動誘起部材235eとが干渉することを抑制できる。したがって、第2延設部24cおよび磁歪部材223を安定して第1方向D1に揺動できるため、発電装置220の発電電圧Vgを安定的に高めることができる。
【0207】
<第2実施形態>
図16は、本実施形態の制御装置310の構成例を第1方向D1の他方側(-D1側)から見た図である。なお、
図16では、蓋部17を取り外した制御装置310を示している。
図17は、本実施形態の制御装置310の構成例を示す断面図であって、
図16のXVII-XVII断面図である。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0208】
図17に示すように、本実施形態の制御装置310は、ハウジング15と、発電装置320と、検出部材40と、回路部材60と、を備える。本実施形態のハウジング15、検出部材40、および回路部材60のそれぞれは、上述の第1実施形態のハウジング15、検出部材40、および回路部材60のそれぞれと同様である。
【0209】
発電装置320は、ハウジング15の内部に収容される。発電装置320は、逆磁歪方式の発電装置である。発電装置320は、ヨーク321と、磁歪部材23と、フレーム324と、コイル26と、磁束形成部材327と、支持部材351と、固定部材329と、操作部30と、を備える。本実施形態の磁歪部材23、コイル26、および操作部30のそれぞれは、上述の第1実施形態の磁歪部材23、コイル26、および操作部30のそれぞれと同様である。
【0210】
ヨーク321は、蓋部17と隔壁板18との間に配置される。第2方向D2から見て、ヨーク321は、略L字形状を有する。ヨーク321は、磁性材料を含むように形成される。本実施形態において、ヨーク321の全体が磁性材料によって形成される。ヨーク321は、第1ヨーク部321a、および第2ヨーク部321bを有する。
【0211】
第1ヨーク部321aは、第1方向D1に直線状に延びる略直方体状を有する。第1ヨーク部321aは、側壁部16aに固定されている。図示は省略するが、第1ヨーク部321aの第2方向D2の一方側(+D2側)の端部は、磁歪部材23およびフレーム324よりも第2方向D2の一方側に位置し、第1ヨーク部321aの第2方向D2の他方側(-D2側)の端部は、磁歪部材23およびフレーム324よりも第2方向D2の他方側に位置する。第1ヨーク部321aは、コイル26よりも第3方向D3の他方側(-D3側)に配置される。第1ヨーク部321aには、ヨーク穴321vが設けられる。ヨーク穴321vは、第1ヨーク部321aの第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面から第1方向D1の一方側(+D1側)に窪む雌ねじ穴である。ヨーク穴321vは、複数設けられていてもよい。本実施形態において、第1ヨーク部321aには、2個のヨーク穴321vが設けられる。図示は省略するが、一方のヨーク穴321vは、磁歪部材23およびフレーム324よりも第2方向D2の一方側に設けられ、他方のヨーク穴321vは、磁歪部材23およびフレーム324よりも第2方向D2の他方側に設けられる。第1ヨーク部321aは、フレーム324および磁歪部材23を第1方向D1の一方側から支持する。これにより、第1ヨーク部321aは、第1方向D1に揺動可能にフレーム324および磁歪部材23を支持する。
【0212】
第2ヨーク部321bは、第3方向D3に延びる略直方体状を有する。第2ヨーク部321bは、隔壁板18に固定されている。第2ヨーク部321bは、第1ヨーク部321aの第1方向D1の一方側(+D1側)の部分から第3方向D3に延びる。第2ヨーク部321bは、第1ヨーク部321aに繋がる。これにより、第1ヨーク部321aは、第2ヨーク部321bと一体に形成される。第1ヨーク部321aは、第2ヨーク部321bとともに一体の単一部材を形成する。第2ヨーク部321bは、磁歪部材23およびフレーム324よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。第2ヨーク部321bは、磁歪部材23およびコイル26と第1方向D1に間隔をあけて対向する。
図16に示すように、第2ヨーク部321bは、第1方向D1に磁歪部材23と並んで配置される。なお、本発明において「第1方向D1に並んで配置される」は、厳密に第1方向D1に並んで配置される場合のみを含む概念ではなく、第1方向D1から第2方向D2に傾いた方向に並んで配置される場合も含む概念である。すなわち、「第1方向D1に並んで配置される」は、第2方向D2に重なって配置される以外の配置を含む概念である。本実施形態のヨーク321のその他の構成等は、上述の第1実施形態のヨーク21のその他の構成等と同様である。
【0213】
支持部材351は、第2方向D2に延びる略直方体状を有する。支持部材351の第2方向D2の一方側(+D2側)の端部は、磁歪部材23およびフレーム324よりも第2方向D2の一方側に位置し、支持部材351の第2方向D2の他方側(-D2側)の端部は、磁歪部材23およびフレーム324よりも第2方向D2の他方側に位置する。支持部材351は、コイル26よりも第3方向D3の他方側(-D3側)に配置される。
図17に示すように、支持部材351は、フレーム324および磁歪部材23よりも第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。支持部材351は、第1方向D1において、フレーム324および磁歪部材23に対して第1ヨーク部321aと反対側に配置される。第1方向D1から見て、支持部材351は、フレーム324、磁歪部材23および第1ヨーク部321aと重なる。支持部材351は、第1方向D1の他方側(-D1側)からフレーム324および磁歪部材23を支持する。これにより、支持部材351は、第1ヨーク部321aとともにフレーム324および磁歪部材23を第1方向D1に支持する。
【0214】
本実施形態において、支持部材351は、非磁性材料を含むように形成されている。言い換えると、支持部材351は、少なくとも部分的に非磁性材料によって形成される。本実施形態において、支持部材351は、非磁性材料から形成される。本実施形態では、支持部材351の全体が非磁性材料によって形成される。例えば、支持部材351は、ステンレスによって形成される。なお、支持部材351は、磁性材料を含んでいてもよい。この場合、支持部材351は全体として非磁性の特性を有していればよい。
【0215】
支持部材351には、孔部351aが設けられる。孔部351aは、支持部材351を第1方向D1に貫通する孔である。本実施形態において、支持部材351には、2個の孔部351aが設けられる。図示は省略するが、各孔部351aは、互いに異なるヨーク穴321vと第1方向D1に重なる。固定部材329は、第1方向D1に延びる雄ねじである。固定部材329が各孔部351aに通され、各ヨーク穴321vに締め込まれると、支持部材351は、第1ヨーク部321aに固定される。固定部材329は、支持部材351を第1ヨーク部321aに固定する。
【0216】
フレーム324は、第1方向D1と直交する方向に広がる板状を有する。フレーム324は、第3方向D3に延びる。
図16に示すように、本実施形態において、フレーム324は、長辺が第3方向D3に延びる略矩形状である。
図17に示すように、第1方向D1において、フレーム324は、支持部材351と第1ヨーク部321aとの間に配置される。フレーム324は、非磁性材料を含むように形成されている。フレーム324は、第1フレーム端部324hと、第2フレーム端部324iと、を有する。第1フレーム端部324hは、フレーム324の第3方向D3の他方側(-D3側)の端部である。第2フレーム端部324iは、フレーム324の第3方向D3の一方側(+D3側)の端部である。第2フレーム端部324iは、第3方向D3において支持部材351に対して第1フレーム端部324hよりも離れて配置される。フレーム324のその他の構成等は、上述の第1実施形態のフレーム24のその他の構成等と同様である。
【0217】
磁歪部材23は、第3方向D3に延びる板状を有する。磁歪部材23は、フレーム324に取り付けられる。本実施形態において、磁歪部材23は、フレーム324の第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面に取り付けられる。上述のように、磁歪部材23は、第1端部23cおよび第2端部23dを有する。第2端部23dは、第3方向D3において支持部材351に対して第1端部23cよりも離れて配置される。第1方向D1から見て、支持部材351は、第1フレーム端部324hおよび第1端部23cのそれぞれと重なる。
【0218】
上述の第1実施形態と同様に、本実施形態のコイル26は、フレーム324および磁歪部材23の両方に巻かれる。つまり、コイル26は、磁歪部材23に巻かれる。コイル26は、ヨーク321、フレーム324、および磁歪部材23の少なくとも1つに巻かれる。なお、コイル26は、磁歪部材23およびヨーク321の両方に巻かれてもよい。コイル26は、フレーム324に対向する第1コイル部26aと、第1コイル部26aと一体に形成され、磁歪部材23に対向する第2コイル部26bと、を有する。フレーム324および磁歪部材23は、第1コイル部26aおよび第2コイル部26bによって定義される内部空間26cに配置される。
【0219】
磁束形成部材327は、第2ヨーク部321bの第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面に固定されている。磁束形成部材327は、フレーム324と第1方向D1に隙間をあけて対向して配置される。第1方向D1において、磁束形成部材327は、ヨーク321と磁歪部材23との間に配置される。磁束形成部材327は、フレーム324および磁歪部材23よりも第1方向D1の一方側(+D1側)に配置される。磁束形成部材327は、磁歪部材23および第2ヨーク部321bと第1方向D1に並んで配置される。磁束形成部材327は、コイル26よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される。磁束形成部材327は、一対の磁極を有する。磁束形成部材327の第1方向D1を向く一方の面にはN極が形成されている。磁束形成部材327の第1方向D1を向く他方の面にはS極が形成されている。磁束形成部材327は、磁歪部材23を通る磁束を形成する。これにより、磁束形成部材327、磁歪部材23、およびヨーク321を通る閉磁気回路Mcが形成される。上述の第1実施形態と同様に、磁歪部材23が第1方向D1に揺動すると、磁歪部材23が機械的に歪むことによって、磁歪部材23の透磁率が変動する。これにより、閉磁気回路Mcを通る磁束、すなわちコイル26の内部空間26cを通る磁束が変動するため、コイル26に発電電圧Vgを発生させることができる。磁束形成部材327のその他の構成等は、上述の第1実施形態の磁束形成部材27のその他の構成等と同様である。
【0220】
本実施形態によれば、発電装置320は、非磁性材料を含むように形成されるフレーム324と、フレーム324に取り付けられる磁歪部材23と、第1方向D1に揺動可能にフレーム324および磁歪部材23を支持する第1ヨーク部321aおよび第1ヨーク部321aに繋がり、第1方向D1に磁歪部材23と並んで配置される第2ヨーク部321bを有し、磁性材料を含むように形成されるヨーク321と、第1方向D1において、フレーム324および磁歪部材23に対して第1ヨーク部321aと反対側に配置され、第1ヨーク部321aとともにフレーム324および磁歪部材23を支持する支持部材351と、ヨーク321、フレーム324および磁歪部材23の少なくとも1つに巻かれるコイル26と、を備える。第1方向D1から見て、支持部材351は、フレーム324、磁歪部材23および第1ヨーク部321aと重なる。よって、第2ヨーク部321bが、磁歪部材23と第2方向D2に並んで配置される場合と比較して、発電装置320が第2方向D2に大型化することを抑制できる。これにより、発電装置320が大型化することを抑制できる。したがって、発電装置320を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置320の利便性の向上を図ることができる。
【0221】
また、本実施形態では、第1ヨーク部321aおよび支持部材351によって、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれを第1方向D1の両側から支持できる。これにより、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれは、第1方向D1に安定的に支持されるため、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれを第1方向D1に安定的に揺動させることができる。したがって、閉磁気回路Mcを通る磁束の変動量を安定的に高めることができるため、発電装置320の発電電圧Vgを高めることができる。
【0222】
本実施形態によれば、第1ヨーク部321aは、第1方向D1に直線状に延びる。よって、第1ヨーク部321aの第1方向D1の剛性を高めることができる。そのため、第1ヨーク部321aによって、第1方向D1に揺動するフレーム324および磁歪部材23を第1方向D1により安定的に支持できる。これにより、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれを第1方向D1により安定的に揺動させることができる。したがって、閉磁気回路Mcを通る磁束の変動量をより安定的に高めることができるため、発電電圧Vgをより好適に高めることができる。
【0223】
本実施形態によれば、支持部材351は、非磁性材料を含むように形成される。よって、ヨーク321、磁束形成部材327、および磁歪部材23との間で形成される閉磁気回路Mcから支持部材351に磁束が漏れ出ることを抑制できる。これにより、支持部材351を介して、閉磁気回路Mcからハウジング15に磁束が漏れ出ることを抑制できる。よって、閉磁気回路Mcを通る磁束の磁束密度が低下することを抑制できるため、発電装置320の発電電圧Vgが低下することを抑制できるとともに、発電装置320の発電効率が低下することを抑制できる。
【0224】
本実施形態によれば、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれは、第1方向D1と異なる第3方向D3に延び、フレーム324は、第1フレーム端部324hと、第3方向D3において支持部材351に対して第1フレーム端部324hよりも離れて配置される第2フレーム端部324iと、を有し、磁歪部材23は、第1端部23cと、第3方向D3において支持部材351に対して第1端部23cよりも離れて配置される第2端部23dと、を有し、第1方向D1から見て、支持部材351は、第1フレーム端部324hおよび第1端部23cのそれぞれと重なる。よって、フレーム324の第1フレーム端部324hおよび磁歪部材23の第1端部23cのそれぞれが、支持部材351よりも第3方向D3の他方側(-D3側)に配置される場合と比較して、フレーム324および磁歪部材23のうち支持部材351よりも第3方向D3の一方側(+D3側)に配置される部分の第3方向D3の寸法を大きくし易い。これにより、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれが第1方向D1に揺動する際の第1方向D1の振幅を大きくし易いため、磁歪部材23の機械的な歪みを大きくし易い。したがって、閉磁気回路Mcを通る磁束の変動量を大きくし易いため、発電装置320の発電電圧Vgをより好適に高めることができる。
【0225】
本実施形態によれば、発電装置320は、支持部材351を第1ヨーク部321aに固定する固定部材329をさらに備える。よって、支持部材351および第1ヨーク部321aによって、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれを第1方向D1により安定的に支持できるため、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれを第1方向D1により安定的に揺動させることができる。したがって、閉磁気回路Mcを通る磁束の変動量をより安定的に高めることができるため、発電装置320の発電電圧Vgをより好適に高めることができる。
【0226】
本実施形態によれば、第1ヨーク部321aは、第2ヨーク部321bと一体に形成される。したがって、第1ヨーク部321aと第2ヨーク部321bとが互いに異なる部材である場合と比較して、発電装置320の部品点数が増大することを抑制できる。したがって、発電装置320の製造コストおよび製造工数が増大することを抑制できる。
【0227】
本実施形態によれば、コイル26は、磁歪部材23に巻かれる。よって、コイル26の内部に閉磁気回路Mcの一部を形成できるため、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させることによって、コイル26に発電電圧Vgを安定して発生させることができる。したがって、発電装置320の発電電圧Vgを安定的に高めることができる。
【0228】
本実施形態によれば、コイル26は、フレーム324および磁歪部材23の両方に巻かれる。よって、発電装置320の製造工程において、磁歪部材23をフレーム324に取り付けた後に、磁歪部材23およびフレーム324の両方にコイル線を巻き掛けることによってコイル26を形成できる。したがって、磁歪部材23を囲むコイル26を容易に形成できるため、発電装置320の製造工数が増大することを抑制できる。
【0229】
本実施形態によれば、コイル26は、フレーム324に対向する第1コイル部26aと、第1コイル部26aと一体に形成され、磁歪部材23に対向する第2コイル部26bと、を有し、フレーム324および磁歪部材23は、第1コイル部26aおよび第2コイル部26bによって定義される内部空間26cに配置される。よって、コイル26の内部空間26cに閉磁気回路Mcの一部を形成できるため、磁歪部材23を第1方向D1に揺動させることによって、コイル26に発電電圧Vgを安定して発生させることができる。したがって、発電装置320の発電電圧Vgを安定的に高めることができる。
【0230】
発電装置320は、磁歪部材23を通る磁束を形成する磁束形成部材327をさらに備える。よって、磁歪部材23を通る磁束の磁束密度を高めることができるため、発電装置320の発電電圧Vgを高めることができる。
【0231】
磁束形成部材327は、ヨーク321と磁歪部材23との間に配置される。よって、磁束形成部材327、ヨーク321、および磁歪部材23の間のそれぞれを通る閉磁気回路Mcの磁束密度をより安定的に高めることができる。したがって、発電装置320の発電電圧Vgをより安定的に高めることができる。
【0232】
本実施形態では、磁歪部材23は、フレーム324の第1方向D1の他方側(-D1側)を向く面に取り付けられる。これにより、磁歪部材23が第1方向D1の一方側(+D1側)に揺動すると、磁歪部材23は延びるため磁歪部材23を通る磁束が増大する。したがって、磁歪部材23がフレーム324の第1方向D1の他方側を向く面に取り付けられる場合と比較して、閉磁気回路Mcを通る磁束の変動量をより好適に高めることができるため、発電装置320の発電電圧Vgをより好適に高めることができる。
【0233】
<第2実施形態の変形例>
図18は、本変形例の制御装置410の構成例を示す断面図である。以下の説明において、上述の第2実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0234】
本変形例において、磁歪部材23は、フレーム324の第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面に取り付けられる。第2ヨーク部321bは、第1方向D1に磁歪部材23と並んで配置される。第1方向D1から見て、支持部材351は、フレーム324、磁歪部材23および第1ヨーク部321aと重なる。フレーム324および磁歪部材23のそれぞれは、第1ヨーク部321aおよび支持部材351によって、第1方向D1の両側から支持される。コイル26は、フレーム324および磁歪部材23の両方に巻かれる。本変形例では、上述の第2実施形態と同様に、磁歪部材23が第1方向D1に揺動すると、磁歪部材23が機械的に歪むことによって、磁歪部材23の透磁率が変動する。これにより、閉磁気回路Mcを通る磁束、すなわちコイル26の内部空間26cを通る磁束が変動するため、コイル26に発電電圧Vgを発生させることができる。
【0235】
本変形例によれば、フレーム324に取り付けられる磁歪部材23と、第1方向D1に磁歪部材23と並んで配置される第2ヨーク部321bを有するヨーク321と、第1方向D1において、フレーム324および磁歪部材23に対して第1ヨーク部321aと反対側に配置され、第1ヨーク部321aとともにフレーム324および磁歪部材23を支持する支持部材351と、を備える。第1方向D1から見て、支持部材351は、フレーム324、磁歪部材23および第1ヨーク部321aと重なる。よって、第2ヨーク部321bが、磁歪部材23と第2方向D2に並んで配置される場合と比較して、発電装置420が第2方向D2に大型化することを抑制できる。これにより、発電装置420が大型化することを抑制できる。したがって、発電装置420を狭い空間に組み込み易くなるため、発電装置420の利便性の向上を図ることができる。
【0236】
また、本変形例では、第1ヨーク部321aおよび支持部材351によって、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれを第1方向D1の両側から支持できる。これにより、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれは、第1方向D1に安定的に支持されるため、フレーム324および磁歪部材23のそれぞれを第1方向D1に安定的に揺動させることができる。したがって、閉磁気回路Mcを通る磁束の変動量を安定的に高めることができるため、発電装置420の発電電圧Vgを高めることができる。
【0237】
また、本変形例では、上述のように、磁歪部材23は、フレーム324の第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面に取り付けられる。そのため、操作部材31が第1位置から第2位置に移動する第1動作において、揺動誘起部材32は、フレーム324を第1方向D1の一方側に押圧して、フレーム324および磁歪部材23を第1方向D1の一方側に弾性変形させる。これにより、第1動作において、揺動誘起部材32と磁歪部材23とが接触することを抑制できるため、磁歪部材23が摩耗することを抑制できる。したがって、発電装置420の耐久性能を高めることができる。
【0238】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。例えば、制御装置が備える操作部材および検出部材それぞれの個数は1個に限定されず、操作部材および検出部材それぞれの個数は2個以上であってもよい。この場合、各検出部材を介して、制御部はユーザが異なる操作部材を押下したことを検知できるため、ユーザは被駆動装置により多くの異なる動作を実行させることができる。
【0239】
また、制御装置は、検出部材を備えていなくてもよい。この場合、制御部は発電電圧のピーク電圧等を検知することによって、ユーザが操作部材を操作したタイミング、および押下時間を検出できる。
【0240】
また、発電装置は、磁束形成部材を備えていなくてもよい。この場合、磁歪部材の機械的な歪みにより磁歪部材が磁化されることによって発生する磁束を用いて、コイルに誘導電流を発生させることができる。
【0241】
また、制御装置は、操作部材を備えていなくてもよい。この場合、人力駆動車の走行時に磁歪部材に加わる振動によって、磁歪部材を第1方向に揺動できる。また、第2延設部および磁歪部材の少なくとも一方の第2方向の一方側の端部に錘を取り付けることによって、磁歪部材をより容易に第1方向に揺動させることができる。
【0242】
また、磁歪部材の構成は本実施形態の構成等に限定されず、例えば、磁歪部材は、第3方向に延びる棒状等の他の形状であってもよい。また、発電装置は、2個以上の磁歪部材を有してもよい。この場合、発電装置の発電電圧をより高めることができる。この場合、発電装置は、2個以上の磁束形成部材を有してもよい。
【0243】
また、発電装置は、加速度センサ、振動センサ、およびモーションセンサ等の各種センサを含んでいてもよく、発電装置は、例えば、パワーメータであってもよい。この場合、発電装置において発電した電力を各種センサの動作に用いることできる。さらに、各種センサから取得した情報を、例えば、人力駆動車に取り付けられる変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、ランプ、制動装置、およびドライブユニット等の被駆動装置の少なくとも1つに送信してもよい。
【符号の説明】
【0244】
10,110,210,310,410 制御装置、15 ハウジング、20,120,220,320,420 発電装置、21,321 ヨーク、21a,321a 第1ヨーク部、21a1 連結部、21a2 支持部、21b,321b 第2ヨーク部、21d ヨーク板、21e 第1ヨーク板、21f 第2ヨーク板、23,223 磁歪部材、23a,223a 第1延設部、23c 第1端部、23d,223d 第2端部、24,324 フレーム、24c 第2延設部、24e 第3端部、24f 第4端部、26,126 コイル、26a 第1コイル部、26b 第2コイル部、26c 内部空間、27,327 磁束形成部材、31,231 操作部材、31c,231c 押下部、32,235e 揺動誘起部材、40 検出部材、40a タクトスイッチ、60 回路部材、61 制御部、71 通信部、71a 無線通信部、80 人力駆動車、81 被駆動装置、324h 第1フレーム端部、324i 第2フレーム端部、329 固定部材、351 支持部材、D1 第1方向、D2 第2方向、D3 第3方向、D4 第4方向、Fd 押下力、A 回転軸線、S1 検出信号、Sc 指令信号、V1 第1電圧、V2 第2電圧