IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 巨鎧精密工業股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図1
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図2
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図3
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図4
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図5
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図6
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図7
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図8
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図9
  • 特開-一体型二色車用照明装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022733
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】一体型二色車用照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/125 20180101AFI20250206BHJP
   F21S 41/25 20180101ALI20250206BHJP
   F21S 41/32 20180101ALI20250206BHJP
   F21S 41/148 20180101ALN20250206BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20250206BHJP
【FI】
F21S41/125
F21S41/25
F21S41/32
F21S41/148
F21W102:00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064579
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】112128970
(32)【優先日】2023-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514008468
【氏名又は名称】巨鎧精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉柏樺
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、車用照明モジュール及び車用照明組立体を含む一体型二色車用照明装置を提供する。
【解決手段】車用照明モジュールは、基板及び複数の発光ユニットを含む。複数の発光ユニットは、基板上に互いに間隔を空けて設置される。各発光ユニットは、光出射面を有する。任意の2つの隣接する発光ユニットの光出射面の間には、0.3μmを超えない最小離間距離が存在する。複数の発光ユニットは、共同で第1の光源及び第2の光源を発出し、且つ第1の光源の色度は第2の光源の色度とは異なる。第1の光源及び第2の光源を反射又は屈折させる車用照明組立体によって、第1の光源及び第2の光源がそれぞれ第1の光路領域及び第2の光路領域を生成できる。第1の光路領域は、第2の光路領域と少なくとも70%以上重なる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車用照明モジュール及び車用照明組立体を具備する、一体型二色車用照明装置であって、
前記車用照明モジュールは、基板、及び複数の発光ユニットを含み、
前記複数の発光ユニットは、前記基板に互いに間隔を空けて設置され、前記発光ユニットは光出射面を有し、且つ任意の2つの隣接する前記発光ユニットの前記光出射面の間には、0.3μmを超えない最小離間距離が存在し、複数の前記発光ユニットの一部分は共同で第1の光源を発出し、複数の前記発光ユニットの他部分は共同で第2の光源を発出し、
前記第1の光源の色度は前記第2の光源の色度と異なり、前記第1の光源の色度はCIE-xy色度図中で第1の色度領域範囲内に位置し、前記第1色度領域範囲は複数の関係式X=0.31、Y=0.44、X=0.5、Y=0.38、Y=0.15+0.64X、Y=0.05+0.75Xの直線によって囲まれる範囲であり、前記第2の光源の色度はCIE-xy色度図中で第2の色度領域範囲内に位置し、前記第2色度領域範囲は複数の関係式Y=1.290X-0.1、Y=0.138+0.58X、Y=0.44、Y=0.94-Xの直線によって囲まれる範囲であり、
前記車用照明組立体が、前記車用照明モジュールの一方側に設置され、前記車用照明組立体は、前記発光ユニットの前記第1及び第2の光源を反射または屈折させ、前記第1及び第2の光源が前記車用照明組立体を通過して、それぞれ第1の光路領域及び第2の光路領域を生成できるようにし、且つ前記第1の光路領域は前記第2の光路領域と少なくとも70%以上重なる、
ことを特徴とする一体型二色車用照明装置。
【請求項2】
複数の前記発光ユニットの一部分はそれぞれ、第1の光線を発する第1の発光ユニットとして定義され、前記第1の発光ユニットの頂面が前記光出射面となり、前記第1の発光ユニットは、前記光出射面を通じて前記第1の光線を発し、複数の前記第1の光線は白光に限定され、共同で前記第1の光源を形成し、複数の前記発光ユニットの他部分はそれぞれ、第2の光線を発する第2の発光ユニットとして定義され、前記第2の発光ユニットの頂面が前記光出射面となり、前記第2の発光ユニットは、前記光出射面を通じて前記第2の光線を発し、複数の前記第2の光線は黄光に限定され、共同で前記第2の光源を形成する、請求項1に記載の一体型二色車用照明装置。
【請求項3】
複数の前記発光ユニットの一部分はそれぞれ、第1の光線を発する第1の発光ユニットとして定義され、前記第1の発光ユニットの頂面が前記光出射面となり、前記第1の発光ユニットは、前記光出射面を通じて前記第1の光線を発し、複数の前記第1の光線は白光に限定され、前記第1の光線の一部分が共同で前記第1の光源を形成し、複数の前記発光ユニットの他部分はそれぞれ、第2の光線を発する第2の発光ユニットとして定義され、前記第2の発光ユニットの頂面が前記光出射面となり、前記第2の発光ユニットは、前記光出射面を通じて前記第2の光線を発し、複数の前記第2の光線は黄光に限定され、少なくとも1つの前記第1の光線と共同で前記第2の光源を形成する、請求項1に記載の一体型二色車用照明装置。
【請求項4】
前記車用照明組立体が長さ方向及び前記長さ方向に垂直な幅方向を有し、複数の前記第1の発光ユニットは前記幅方向に沿って前記基板の一方側に配列され、複数の前記第2の発光ユニットは前記幅方向に沿って前記基板の他方側に配列される、請求項2または3に記載の一体型二色車用照明装置。
【請求項5】
前記第1の発光ユニットが前記第1の光出射面を通じて発した光線の出光角度の臨界値が80度から150度の間であり、前記第2の発光ユニットが前記第2の光出射面を通じて発した光線の出光角度の臨界値が80度から150度の間である、請求項2または3に記載の一体型二色車用照明装置。
【請求項6】
前記車用照明組立体は、リフレクター、ライトパターンアジャスター及びコリメータレンズを有し、
前記リフレクターは前記基板に面する曲面を有し、前記基板に前記曲面が正投影した領域は、複数の前記発光ユニットの投影された領域をカバーし、前記第1の光源及び前記第2の光源が前記リフレクターによって反射され、
前記ライトパターンアジャスターは、前記基板の一方側に設置され、前記ライトパターンアジャスターの局部は、前記曲面が前記基板に正投影した領域に覆われ、前記ライトパターンアジャスターは、前記リフレクターによって反射される前記第1の光源及び前記第2の光源の一部を遮ることができ、
前記コリメータレンズは、前記ライトパターンアジャスターから離れた側、即ち前記車用照明モジュールから離れた側に位置し、前記コリメータレンズは前記リフレクターの正投影のパスに沿って前記ライトパターンアジャスター及び前記車用照明モジュールを覆い、かつ前記コリメータレンズは、前記リフレクターによって反射される前記第1の光源及び前記第2の光源を屈折させることができる、
請求項1に記載の一体型二色車用照明装置。
【請求項7】
前記ライトパターンアジャスターの断面がC字状であり、曲率中心を有しており、前記曲率中心は、前記ライトパターンアジャスターにおける前記コリメータレンズに面するに側に位置する、請求項6に記載の一体型二色車用照明装置。
【請求項8】
各前記第1の光源及び前記曲面との間には、75度を超えない入射角が存在し、各前記第2の光源及び前記曲面との間にも、75度を超えない入射角が存在する、請求項6に記載の一体型二色車用照明装置。
【請求項9】
前記リフレクターは、前記曲面に鍍アルミニウム層を有し、前記鍍アルミニウム層の反射率は80%から90%の間であり、前記コリメータレンズの透過率は85%から95%の間であり、前記コリメータレンズの屈折率は1.3から1.6の間である、請求項6に記載の一体型二色車用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車用照明装置に関し、特に一体型二色車用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる天候下で運転者が良好な視界を確保できるようにするため、車両には通常の天候に適した白色光の車用照明と、悪天候に適した黄色光の車用照明が装備されている。しかし、既存の車用照明装置は単一の色度の光しか発しないため、車両には白色光の照明装置と黄色光の照明装置をそれぞれ設置し、二色の照明を切り替える機能を備えていなければならない。さらに、車用照明を設置するための車両の空間は限られており、車両に白色光の照明装置と黄色光の照明装置を同時に設置すると、白色または黄色の光が車両から照射される最大明るさが、二つの白色光照明装置または二つの黄色光照明装置を設置した場合の最大明るさよりも明らかに低下し、これが運転の安全性に影響を与える。
【0003】
そこで、発明者は上述の不具合が改善可能であると考え、科学原理の適用を伴う研究を重ねた結果、上述の不具合を合理的かつ効果的に改善する本発明を提案した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、既存技術の不足を補う一体型二色車用照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、一体型二色車用照明装置を公開し、一体型二色車用照明装置には車用照明モジュール及びが車用照明組立体含まれる。車用照明モジュールは、基板、及び複数の発光ユニットを含む。前記複数の発光ユニットは、前記基板上に互いに間隔を空けて設置される。前記発光ユニットは光出射面を有し、且つ任意の2つの隣接する前記発光ユニットの前記光出射面の間には、0.3μmを超えない最小離間距離が存在する。複数の前記発光ユニットの一部分は共同で第1の光源を発出し、複数の前記発光ユニットの他部分は共同で第2の光源を発出する。ここで、前記第1の光源の色度は前記第2の光源の色度と異なり、前記第1の光源の色度はCIE-xy色度図中で第1の色度領域範囲内に位置し、前記第1色度領域範囲は以下の直線の複数の関係式によって囲まれる範囲である:X=0.31、Y=0.44、X=0.5、Y=0.38、Y=0.15+0.64X、Y=0.05+0.75X;前記第2の光源の色度はCIE-xy色度図中で第2の色度領域範囲内に位置し、前記第2色度領域範囲は以下の直線の複数の関係式によって囲まれる範囲である:Y=1.290X-0.1、Y=0.138+0.58X、Y=0.44、Y=0.94-X;前記車用照明組立体が、前記車用照明モジュールの一方側に設置され、前記車用照明組立体は、前記発光ユニットの前記第1及び第2の光源を反射または屈折させ、前記第1及び第2の光源が前記車用照明組立体を通過して、それぞれ第1の光路領域及び第2の光路領域を生成できるようにし、且つ前記第1の光路領域は前記第2の光路領域と少なくとも70%以上重なる。
【0006】
総括すると、本発明の実施形態で公開されている一体型二色車用照明装置は、「任意の二つの隣接する前記発光ユニットの前記光出射面の間には、0.3μmを超えない最小離間距離が存在する」、「前記第1の光源の色度がCIE-xy色度図中で第1の色度領域範囲内に位置し、且つ前記第2の光源の色度がCIE-xy色度図中で第2の色度領域範囲内に位置する」及び「前記第1及び第2の光源が前記車用照明組立体を通じて、それぞれ第1の光路領域及び第2の光路領域を生成し、且つ前記第1の光路領域が前記第2の光路領域と少なくとも70%以上重なる」という設計により、本一体型二色車用照明装置は、安全法規に適合する二つの異なる色度の光(即ち、白光及び黄光)を選択的に発することができ、また、任意の色度の光が車両で実現可能な最大照射明るさを確保できる。
【0007】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一体型二色車用照明装置を示す立体模式図である。
図2】本発明の一体型二色車用照明装置を示す別の立体模式図である。
図3図1のIII-IIIに沿った断面模式図である。
図4】本発明の車用照明モジュールを示す俯瞰模式図である。
図5】本発明の第1の発光ユニットを示す光路模式図である。
図6】本発明の第2の発光ユニットを示す光路模式図である。
図7】本発明の第1の光源による第1の色度領域範囲と第2の光源による第2の色度領域範囲がCIE-xy色度図中で示される模式図である。
図8】本発明の第1の光源による第1の色度領域範囲がCIE-xy色度図中で示される模式図である。
図9】本発明の第2の光源による第2の色度領域範囲がCIE-xy色度図中で示される模式図である。
図10】本発明の第1の発光ユニットまたは第2の発光ユニットの出光角度を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記より、本発明が開示する「一体型二色車用照明装置」の実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
【0010】
本明細書を通じて、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語が様々なコンポーネントや信号を説明するために使用されることがあるが、これらのコンポーネントや信号は、これらの用語によって制限されるべきではないことは理解されたい。これらの用語は、主にあるコンポーネントと別のコンポーネント、またはある信号と別の信号を区別するために使用される。さらに、本明細書で使用される用語「または」は、関連する列挙された項目のいずれか1つまたは組み合わせを適宜含むことができる。
【0011】
さらに、以下の説明では、特定の図に言及したり、特定の図のように示した場合、それは後続の説明で述べる関連内容がその特定の図に主に示されていることを強調するためのものであり、後続の説明がその特定の図にのみ参照可能であることを意味するものではない。
【0012】
図1から図10を参照されたい。本実施形態は、一体型二色車用照明装置100を提供する。図1から図3に示されているように、前記一体型二色車用照明装置100は、一つの車用照明モジュール1及び前記車用照明モジュール1の側に設置された車用照明組立体2を含む。ここで、前記一体型二色車用照明装置100は、前記車用照明モジュール1を通じて、異なる色度の第1の光源及び第2の光源を選択的に発し、前記第1及び第2の光源を前記車用照明組立体2を通じて予定方向に照射することができる。これにより、運転者(または車載コンピュータ)は、天候状況に基づいて、前記第1の光源または前記第2の光源を車両の走行光源として選択することができる。
【0013】
つまり、「一つの車用照明モジュール1が二つの異なる色度の光源を発することができる」以外の車用照明装置は、本発明が指し示す一体型二色車用照明装置100ではない。次に、前記一体型二色車用照明装置100の各部品及びその接続関係について説明する。
【0014】
図1から図3に示されているように、前記車用照明モジュール1は、基板11、及び前記基板11に設置された複数の発光ユニット(即ち、図4における12A、12B)を含む。ここで、前記基板11は、本実施形態において、そのインターフェースを通じて接続線(図示されていない)に接続され、複数の前記発光ユニットが電源及び制御信号を受け取り、制御されることができる。
【0015】
図4及び図10に示されているように、本実施形態における複数の前記発光ユニットは、天面から光を出す発光ダイオードを選択し、前記基板11上に互いに間隔を空けて設置されており、すなわち、各前記発光ユニットの天面には光出射面(即ち、図4におけるSA、SB)がある。さらに、任意の二つの隣接する前記発光ユニットの前記光出射面の間には、0.3μmを超えない最小離間距離DLがあり、そのうちの一部の複数の前記発光ユニットは共同で前記第1の光源を発し、別の部分の複数の前記発光ユニットは共同で前記第2の光源を発することができ、前記第1及び第2の光源の光出射位置が一致するようになっている。
【0016】
また、前記一体型二色車用照明装置100の前記第1の光源の色度は、前記第2の光源の色度とは異なる必要があり、本実施形態において、前記第1及び第2の光源はそれぞれ白光及び黄光として説明されている。したがって、複数の前記発光ユニットのうちの一部は白光ダイオードを選択し、第1の発光ユニット12Aとして定義され、前記第1の発光ユニット12Aはその光出射面から白光の第1の光線WLを発することができる(図5に示されているように)。また、複数の前記発光ユニットの別の部分は黄光ダイオードを選択し、第2の発光ユニット12Bとして定義され、前記第2の発光ユニット12Bはその光出射面から黄光の第2の光線YLを発することができる(図6に示されているように)。
【0017】
実際の応用例において、複数の前記第1の発光ユニット12Aが発する複数の前記第1の光線WLは共同で前記第1の光源を形成することができ、即ち、前記第1の光源は色度が近い、または等しい白色光線によって構成される。次に、複数の前記第2の発光ユニット12Bが発する複数の前記第2の光線YLは共同で前記第2の光源を形成することができ、即ち、前記第2の光源は色度が近い、または等しい黄色光線によって構成されるが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
例えば、複数の前記第2の発光ユニット12Bが発する複数の前記第2の光線YLは、少なくとも一つの前記第1の発光ユニット12Aが発する前記第1の光線WLと共同で前記第2の光源を形成することも可能で、即ち、前記第2の光源は光混合の方式により色度差が大きい黄色光線及び白色光線によって構成される。
【0019】
図7から図9に示されているように、前記第1の光源の色度は、CIE-xy色度図中で第1の色度領域範囲G1内に位置し、前記第1色度領域範囲G1は、以下の直線の複数の関係式によって囲まれた領域である:X=0.31、Y=0.44、X=0.5、Y=0.38、Y=0.15+0.64X、Y=0.05+0.75X、即ち、前記第1色度領域範囲G1は、六つの直線によって囲まれた六角形領域である(図7及び図8に示されているように)。また、前記第2の光源の色度は、CIE-xy色度図中で第2の色度領域範囲G2内に位置し、前記第2色度領域範囲G2は、以下の直線の複数の関係式によって囲まれた領域である:Y=1.290X-0.1、Y=0.138+0.58X、Y=0.44、Y=0.94-X、即ち、前記第2色度領域範囲G2は、四つの直線によって囲まれた四角形領域である(図7及び図9に示されているように)。
【0020】
再度図4から図6を参照されたい。前記車用照明組立体2は、前記車用照明モジュール1の側に設置され、前記車用照明組立体2は、前記発光ユニットの前記第1及び第2の光源を反射または屈折させ、前記第1及び第2の光源が前記車用照明組立体2を通じて、それぞれ第1の光路領域及び第2の光路領域を生成し、かつ、前記第1の光路領域が前記第2の光路領域と少なくとも70%以上重なるようにする。
【0021】
後続の説明を容易にするため、前記車用照明組立体2は、長さ方向AX、前記長さ方向AXに垂直な幅方向AY、および前記長さ方向AXと前記幅方向AYに垂直な高さ方向AZを有していると定義される。ここで、前記長さ方向AXは、本実施形態においては図3に示された両側方向であり、前記第1の光源および前記第2の光源の光出射路徑に大体平行である。次に、前記車用照明組立体2の各部品およびその接続関係について説明する。
【0022】
再度図1から図3に示されるように、本実施形態における前記車用照明組立体2は、リフレクター21、ライトパターンアジャスター22、およびコリメータレンズ23を含む。ここで、前記リフレクター21は、曲面CSを有し、前記曲面CSは前記基板11に面しており、かつ前記曲面CS(前記高さ方向AZに沿って)が前記基板11に対して正投影した領域において、複数の前記発光ユニットが前記基板11の領域に投影された領域を覆うようになっており、前記第1の光源および前記第2の光源が前記リフレクター21によって反射されるようにする。つまり、前記曲面CSの一部分が前記車用照明モジュール1を覆って反射光を処理する。
【0023】
前記ライトパターンアジャスター22は、前記基板11の側に設置され、前記ライトパターンアジャスター22の一部は、前記曲面CS(前記高さ方向AZに沿って)が前記基板11に対して正投影した領域に覆われて、かつ前記ライトパターンアジャスター22は、前記リフレクター21によって反射された前記第1の光源および前記第2の光源の一部を遮ることができる。言い換えれば、前記曲面CSの別の部分は、前記ライトパターンアジャスター22をも覆っている。
【0024】
好ましくは、前記ライトパターンアジャスター22は、前記幅方向AYに沿った断面がC字型であり、曲率中心(図示しない)を有し、前記曲率中心は、前記ライトパターンアジャスター22が前記コリメータレンズ23側に面する側に位置する。これにより、前記ライトパターンアジャスター22は、曲率中心を前記高さ方向AZおよび前記長さ方向AXにおける位置を変えることによって揺動させることができ、それにより前記第1の光源の一部および前記第2の光源の一部を遮り、前記コリメータレンズ23の光型を修正するために用いることができる。
【0025】
図5および図6に示されているように、前記コリメータレンズ23は、前記ライトパターンアジャスター22(前記長さ方向AXに沿って)から前記車用照明モジュール1から離れた側に位置し、かつ前記リフレクター21が前記高さ方向AZに沿った正投影内には位置しない。前記コリメータレンズ23は、前記リフレクター21によって反射される前記第1の光源および前記第2の光源を屈折させ、前記第1の光源および前記第2の光源が最終的に所定の領域に照射されるように、前記ライトパターンアジャスター22および前記車用照明モジュール1に向かう経路を覆う。
【0026】
その中で、前記第1の光源および前記第2の光源が最終的に所定の領域に照明された際に、色度が前記第1の色度領域範囲G1および前記第2の色度領域範囲G2内に保たれるように、前記リフレクター21には、前記曲面CS上にアルミ層(図示しない)が設置されており、かつ前記アルミ層の反射率は80%から90%の間が望ましい。また、前記コリメータレンズ23の透過率は85%から95%の間が望ましく、かつ前記コリメータレンズ23の屈折率は1.3から1.6の間である。
【0027】
特に強調すべきは、実際には、黄色光線と白色光線を発する複数の前記発光ユニット間で完全に同一の光路を重ね合わせることは不可能である。さらに、黄色光線と白色光線が前記車用照明組立体2を通じて反射、屈折、または光型調整を行う際、最終的に道路上に照明される光源(即ち、前記第1の光源または前記第2の光源)のエネルギーが影響を受け、結果として光源の色度が安全基準を満たさなくなる可能性がある。
【0028】
従って、本発明の複数の前記発光ユニット間の最小離間距離DLは、0.3μmを超えないように設計されており、複数の前記発光ユニットから発される前記第1の光源および前記第2の光源が密接または集中することができ、かつ前記第1の光源および前記第2の光源が前記車用照明組立体2を通じて、それぞれ前記第1の光路領域および前記第2の光路領域を生成し、その間には少なくとも70%以上の重複範囲が存在する。さらに、上述の前記第1の光源および前記第2の光源の「最小離間距離DL」と「前記第1の光路領域および前記第2の光路領域に少なくとも70%以上の重複範囲が存在する」の設計により、前記第1の光源の色度と前記第2の光源の色度はさらに、第1の色度領域範囲および前記第2の色度領域範囲内に限定されて設計され、エネルギーが影響を受けた前記第1の光源および前記第2の光源が最終的に前記車用照明組立体2を離れる際には、各色度が安全基準を満たすようになっている。
【0029】
好ましくは、前記第1の光源及び前記第2の光源が安全基準により近づくことを確保するために、複数の前記第1の発光ユニット12Aは、前記基板11において前記幅方向AYに沿って前記コリメータレンズ23に近い側に配列され、複数の前記第2の発光ユニット12Bは、前記基板11において前記幅方向AYに沿って前記コリメータレンズ23から遠い側に配列される。言い換えれば、図4に示されるように、複数の前記第1の発光ユニット12Aと複数の前記第2の発光ユニット12Bは、行列方式で配列される(例えば、3×2の行列)、複数の前記第1の発光ユニット12Aは第1の行に位置する(例えば、複数の前記第1の発光ユニット12AはM11、M12、M13に位置する)、複数の前記第2の発光ユニット12Bは第2の行に位置する(例えば、複数の前記第2の発光ユニットはM21、M22、M23に位置する)、しかし本発明はこれに限定されない。例えば、他の図示されていない実施形態においては、複数の前記第1の発光ユニット12Aと複数の前記第2の発光ユニット12Bもまた、交錯配置されることがある(例えば、複数の前記第1の発光ユニット12AはM11、M22、M13に、複数の前記第2の発光ユニット12BはM21、M12、M23に位置する)。
【0030】
また、図5図6、および図10に示されるように、前記リフレクター21、前記ライトパターンアジャスター22、および前記コリメータレンズ23の相対的な位置関係に合わせて、各前記第1の発光ユニット12Aが前記第1の光出射面SAから発する光線の出光角度の臨界値θ1、θ2は80度から150度の間であり、各前記第2の発光ユニット12Bが前記第2の光出射面SBから発する光線の出光角度の臨界値θ1、θ2もまた80度から150度の間である。ここで、θ1は最小の出光角度の臨界値であり、θ2は最大の出光角度の臨界値である。さらに、各前記第1の光源と前記曲面CSとの間には、出光角度の1/2を超えない入射角(すなわち、75度)があり、各前記第2の光源と前記曲面CSとの間にも、出光角度の1/2を超えない入射角(すなわち、75度)がある。
【0031】
[本発明の実施形態による有益な効果]
総じて、本発明の実施形態で公開されている一体型二色車用照明装置は、「任意の二つの隣接する前記発光ユニットの前記光出射面の間に0.3μmを超えない最小離間距離がある」、「前記第1の光源の色度がCIE-xy色度図中で第1の色度領域範囲内に位置し、かつ前記第2の光源の色度がCIE-xy色度図中で第2の色度領域範囲内に位置する」及び「前記第1の光源と前記第2の光源が前記車用照明組立体を通じてそれぞれ第1の光路領域および第2の光路領域を生成し、かつ前記第1の光路領域が前記第2の光路領域と少なくとも70%以上重なる」の設計により、安全基準に合致する二つの異なる色度の光(即ち、白光と黄光)を選択的に発光することができ、また、どちらの色度の光でも車両で実現可能な最大照射明るさを確保できる。
【0032】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0033】
100 一体型二色車用照明装置
1 車用照明モジュール
11 基板
12A 第1の発光ユニット
SA 第2の光出射面
12B 第2の発光ユニット
SB 第2の光出射面
2 車用照明組立体
21 リフレクター
22 ライトパターンアジャスター
23 コリメータレンズ
DL 最小離間距離
G1 第1の色度領域範囲
G2 第2の色度領域範囲
AX 長さ方向
AY 幅方向
AZ 高さ方向
CS 曲面
WL 第1の光線
YL 第2の光線
θ1、θ2 光出力角度しきい値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10