(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022759
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】焼結鉱の強度推定モデルの作成方法、焼結鉱の強度推定方法及び焼結鉱の製造方法
(51)【国際特許分類】
C22B 1/16 20060101AFI20250206BHJP
G06V 10/766 20220101ALI20250206BHJP
【FI】
C22B1/16 Q
C22B1/16 R
G06V10/766
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024102268
(22)【出願日】2024-06-25
(31)【優先権主張番号】P 2023125825
(32)【優先日】2023-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】河野 崇史
(72)【発明者】
【氏名】堀田 謙弥
(72)【発明者】
【氏名】樋口 隆英
【テーマコード(参考)】
4K001
5L096
【Fターム(参考)】
4K001AA10
4K001BA02
4K001CA40
5L096FA59
(57)【要約】
【課題】焼結鉱の強度を従来よりも精度よく推定できる焼結鉱の強度推定モデルの作成方法を提供する。
【解決手段】焼結鉱の強度を取得する強度取得工程と、前記焼結鉱の組織画像を複数のドメインに区分し、前記ドメインの面積分率をドメインの第一の組織ごとに算出するドメイン分率算出工程と、前記面積分率を説明変数とし、前記強度を目的変数として、焼結鉱の強度推定モデルを作成するモデル作成工程と、を有し、前記ドメインが、連続する前記第一の組織と、前記第一の組織中に分散する前記第一の組織以外の組織および空隙のうち一方又は両方とからなる領域として定義される、焼結鉱の強度推定モデルの作成方法。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結鉱の強度を取得する強度取得工程と、
前記焼結鉱の組織画像を複数のドメインに区分し、前記ドメインの面積分率をドメインの第一の組織ごとに算出するドメイン分率算出工程と、
前記面積分率を説明変数とし、前記強度を目的変数として、焼結鉱の強度推定モデルを作成するモデル作成工程と、を有し、
前記ドメインが、連続する前記第一の組織と、前記第一の組織中に分散する前記第一の組織以外の組織および空隙のうち一方又は両方とからなる領域として定義される、焼結鉱の強度推定モデルの作成方法。
【請求項2】
前記ドメインが、1次ヘマタイトを前記第一の組織とするドメイン、2次ヘマタイトを前記第一の組織とするドメイン、マグネタイトを前記第一の組織とするドメイン、及びカルシウムフェライトを前記第一の組織とするドメインからなる、請求項1に記載の焼結鉱の強度推定モデルの作成方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の焼結鉱の強度推定モデルの作成方法により作成された焼結鉱の強度推定モデルにより、焼結鉱の強度を推定する、焼結鉱の強度推定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の焼結鉱の強度推定方法により推定された焼結鉱の強度に基づいて焼結鉱の製造条件を変更する、焼結鉱の製造方法。
【請求項5】
前記製造条件の変更が、焼結鉱配合原料を構成する成分の比率の変更である、請求項4に記載の焼結鉱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結鉱の強度推定モデルの作成方法、焼結鉱の強度推定方法及び焼結鉱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼結鉱は、高炉操業における高炉装入物である。焼結鉱の原料は、複数銘柄の粉鉱石に、副原料粉、雑原料及び固体燃料を適量ずつ配合した焼結鉱配合原料である。前記焼結鉱配合原料に、バインダーとしての水を添加して混合及び造粒し、得られた造粒原料をドワイトロイド型(DL)焼結機などに装入して焼成することによって、焼結鉱を製造することができる。製造された焼結鉱は、排出され、クラッシャーによって粉砕されて、篩で整粒される(粉砕篩分け工程)。高炉において良好な通気性を保つために、製品焼結鉱はある程度粗いものとする必要があるため、篩下は返鉱として原料に戻され、篩上は製品焼結鉱として高炉に送られる。したがって、焼結鉱の製造に当たって、焼結鉱の生産量に対する製品焼結鉱の割合(製品焼結鉱の歩留)を増加させるためには、ある程度粗い焼結鉱の比率を増加させる必要があり、そのためには、製造された焼結鉱が高い強度を有する必要がある。
【0003】
一般的に、焼結鉱の強度は落下強度試験によって求められる落下強度指数を用いて評価することが可能である。落下強度指数は、焼結鉱に所定の落下衝撃を加えた後の篩粒度に対応する値である。しかしながら、落下強度指数を測定しても、強度を向上又は悪化させる原因が分からない場合が多い。つまり、歩留りの改善を効率的に行うためには、焼結鉱の強度を落下強度測定などの手法を用いて直接測定するだけでは不十分である。そこで、強度以外の指標を用いて、強度が変化する理由を説明できることが求められる。
【0004】
以上の議論を踏まえ、焼結鉱の強度をより精度良く推定することができるような指標、及び当該指標を用いた、精度の良い強度推定方法が検討されている。
【0005】
特許文献1には、鉱物相の相分率から焼結鉱の強度を求める強度推定方法が開示されている。具体的には、X線回折法によって得た回折パターンにリートベルト解析を適用して鉱物相の相分率を求める。そして、前記相分率の内、特にSFCA(Silico-ferrite of calcium and aluminum、Ca2(Fe,Ca)6(Fe,Al,Si)6O20)の相分率から強度を推定する方法が開示されている。
【0006】
一方、特許文献2では、焼結鉱の断面画像から、鉱物相により形成される複合組織の組織構成を推定する学習モデルが提案されている。ここで、複合組織の組織構成としては、ヘマタイト及びマグネタイトの何れか一方がカルシウムフェライトに取り囲まれた組織を第1複合組織、カルシウムフェライトとシリケートスラグとの複合組織を第2複合組織、ヘマタイト及びマグネタイトの何れか一方とカルシウムフェライトとの複合組織を第3複合組織、ヘマタイト及びマグネタイトの何れか一方とシリケートスラグとの複合組織を第4複合組織とする例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-179690号公報
【特許文献2】特開2021-166002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1で開示されている焼結鉱の強度評価方法は、精度が低いことが分かった。
【0009】
また、特許文献2に記載の手法も、焼結鉱の強度を精度よく推定するためには使用できなかった。
【0010】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたもので、焼結鉱の強度を従来よりも精度よく推定できる焼結鉱の強度推定モデルの作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより、上記目的が達成されることを見出した。
【0012】
1.焼結鉱の強度を取得する強度取得工程と、
前記焼結鉱の組織画像を複数のドメインに区分し、前記ドメインの面積分率をドメインの第一の組織ごとに算出するドメイン分率算出工程と、
前記面積分率を説明変数とし、前記強度を目的変数として、焼結鉱の強度推定モデルを作成するモデル作成工程と、を有し、
前記ドメインが、連続する前記第一の組織と、前記第一の組織中に分散する前記第一の組織以外の組織および空隙のうち一方又は両方とからなる領域として定義される、焼結鉱の強度推定モデルの作成方法。
【0013】
2.前記ドメインが、1次ヘマタイトを前記第一の組織とするドメイン、2次ヘマタイトを前記第一の組織とするドメイン、マグネタイトを前記第一の組織とするドメイン、及びカルシウムフェライトを前記第一の組織とするドメインからなる、上記1に記載の焼結鉱の強度推定モデルの作成方法。
【0014】
3.上記1または2に記載の焼結鉱の強度推定モデルの作成方法により作成された焼結鉱の強度推定モデルにより、焼結鉱の強度を推定する、焼結鉱の強度推定方法。
【0015】
4.上記3に記載の焼結鉱の強度推定方法により推定された焼結鉱の強度に基づいて焼結鉱の製造条件を変更する、焼結鉱の製造方法。
【0016】
5.前記製造条件の変更が、焼結鉱配合原料を構成する成分の比率の変更である、上記4に記載の焼結鉱の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、焼結鉱の強度を従来よりも精度よく推定できる焼結鉱の強度推定モデルの作成方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明者らは、鉱物相の相分率から焼結鉱の強度を精度よく求めることができない理由について詳細に検討し、以下の知見を得た。
【0019】
一般的に、焼結鉱は、ヘマタイト(Fe2O3)、マグネタイト(Fe3O4)、カルシウムフェライト(CaO・Fe2O3)及びシリケートスラグ(CaO・SiO2)の4つの鉱物相並びに空隙で主に構成されている。中でも、カルシウムフェライト相の量が、焼結鉱の落下強度に影響を与えることは、従来から知られている。さらに、カルシウムフェライト相は、組成及び結晶構造の違いから、主にSFCA相とSFCA-I相に分類され、SFCA相の相分率が、他のカルシウムフェライト相よりも、焼結鉱の強度と強い相関を示すと報告されている(特許文献1)。しかしながら、焼結鉱には複数の鉱物相がそれぞれ単一相として分布しているのではなく、鉱物相が複雑に混ざり合った混合相が多数形成されている。そのため、混合相を構成する鉱物相の種類及び量によって混合相の領域の強度が変化し、当該混合相が焼結鉱中に占める割合によって焼結鉱の強度も変化することが予想される。こういった理由から、焼結鉱の強度を単一相ごとの相分率から予測する方法を用いた場合に、焼結鉱の強度の予測精度が低くなる。
【0020】
そこで、混合相の領域に対応する概念として、連続する第一の組織を含む領域であるドメインを定義し、前記ドメインの分率を第一の組織ごとに求めることが重要である。
【0021】
以下に、本開示の一実施形態について説明する。
【0022】
本開示の一実施形態に係る焼結鉱の強度推定モデルの作成方法は、強度取得工程と、ドメイン分率算出工程と、モデル作成工程とを有する。
【0023】
(焼結鉱)
本実施形態に係る焼結鉱としては、任意の焼結鉱を用いることができる。例えば、前記焼結鉱は任意の方法で製造することができる。以下、焼結鉱の製造方法の例について説明する。
【0024】
本開示の一実施形態においては、焼結鉱配合原料に、バインダーとしての水を添加して混合・造粒し、得られた造粒原料を焼成することによって焼結鉱を製造することができる。
【0025】
焼結鉱は、焼結鉱配合原料を用いて製造される。焼結鉱配合原料を構成する成分としては、例えば、粉鉱石、副原料粉、雑原料及び固体燃料が挙げられる。粉鉱石としては、複数の銘柄の粉鉱石を用いてもよい。副原料粉には、例えば、石灰石、珪石及び蛇紋岩等が含まれる。雑原料には、例えば、ダスト、スケール及び返鉱等が含まれる。固体燃料には、例えば粉コークス等が含まれる。前記成分の比率は、適宜変更することができる。
【0026】
まず、前記焼結鉱配合原料を造粒した後、焼結装置を用いて焼成し、焼結ケーキを得る。焼結装置には、例えば、ドワイトロイド型焼結機及び焼結鍋等が含まれる。焼結鍋には、例えばグリナワルト型焼結機等が含まれる。
【0027】
次に、焼結鉱試料を焼結ケーキから採取する。その後、採取した焼結鉱試料を粉砕する。粉砕方法は、鉱物相に影響を与えなければ特に限定されない。具体的には、振動ミル、ボールミル、回転ミル、スタンプミル、クラッシャー等の粉砕装置を用いる方法が一般的である。また、2以上の手法により粉砕してもよく、例えば、クラッシャーで焼結ケーキを粗粉砕し、その後、回転ミルでさらに粉砕してもよい。
【0028】
また、焼結ケーキの粉砕前又は粉砕後において、焼結鉱を冷却することができる。例えば、実機の焼結装置から排出された焼結ケーキを用いる場合は、一般的に、得られた焼結ケーキをクラッシャーで粗粉砕した後にクーラーに導入して冷却する方法を用いることができる。一方、実験室スケールの焼結鍋を用いて焼結ケーキを得た場合には、焼結ケーキを冷却後に粉砕する方法を用いることもできる。
【0029】
本実施形態に係る焼結鉱の強度推定モデルの作成方法は、焼結鉱を採取する採取工程を有してもよい。また、前記採取工程は粉砕後の焼結鉱を採取する工程であってよい。焼結鉱を採取する方法は特に限定されないが、例えば専用の箱型のサンプラーを用いて採取する手法を用いることができる。また、ベルトコンベア上を流れている焼結鉱を採取する手法を用いてもよい。例えば、柄杓などを使って手動でベルトコンベア上から採取する手法を用いてもよく、ロボットアームを用いて、ベルトコンベア上を流れる焼結鉱の一部を連続的に採取する手法を用いてもよい。さらに、強度測定用に粒度を選別された試料が入れられた試料容器の中から焼結鉱を採取する手法を用いてもよい。例えば、アームを使って連続的に選別された試料を採取する手法を用いてもよく、オペレータが定期的、連続的に手で前記試料容器の中から採取する手法を用いてもよい。
【0030】
焼結鉱を採取する際に、組織のばらつきを評価する必要がある場合は、ばらつきの評価精度を向上させる観点から、同一ロットから複数個の試料を採取することが好ましい。また、焼結鉱の強度の推定精度をさらに向上させる観点からは、同一ロットの焼結ケーキの上層及び下層から複数個の焼結鉱試料を採取することがよい。具体的には、同一ロットの焼結ケーキの上層及び下層のそれぞれの層から少なくとも一個ずつ焼結鉱試料を採取することが好ましい。ここで、焼結ケーキの上層とは、焼結ケーキの高さの半分の位置よりも上方の層を指し、焼結ケーキの下層とは、焼結ケーキの高さの半分の位置よりも下方の層を指す。
【0031】
[強度取得工程]
強度取得工程では、焼結鉱の強度を取得する。強度を取得する方法は限定されないが、焼結鉱の強度を測定することが好ましい。
【0032】
前記強度としては、JIS M 8711に定められた落下強度指数SI(Shatter Index)を用いることが好ましい。また、JIS M 8712に定められた回転強度指数TI(Tumble index)を用いてもよい。さらには、上記いずれかの指標と相関のある指標を用いてもよい。
【0033】
[ドメイン分率算出工程]
ドメイン分率算出工程では、前記強度取得工程で強度を取得した焼結鉱の組織画像を複数のドメインで区分し、前記ドメインの面積分率をドメインの第一の組織ごとに算出する。ここで、算出されたドメインの面積分率をドメイン分率と呼称する。また、前記ドメインは、連続する第一の組織と、前記第一の組織中に分散する前記第一の組織以外の組織および空隙のうち一方又は両方からなる領域である。なお、前記強度取得工程と、ドメイン分率算出工程は、どちらの工程を先に実施してもよく、同時に実施してもよく、並行して実施してもよい。
【0034】
(焼結鉱の組織画像)
焼結鉱の組織画像は、焼結鉱の任意の面の組織画像とする。
【0035】
ここで、組織画像を取得する方法の一例について説明する。最初に、上述した方法により焼結鉱試料の粉砕を行い、粉砕後の焼結鉱について、例えば、研磨、カッター、又はレーザー等により、所望の面を観察面として出し、前記観察面を鏡面になるまで研磨する。このとき、焼結鉱は不定形で崩れやすいため、予め樹脂に焼結鉱を埋め込むことが好ましい。次に研磨した焼結鉱の前記観察面について、組織画像を取得する。
【0036】
前記組織画像は、例えば顕微鏡を用いて取得することができる。前記顕微鏡としては、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、実体顕微鏡などが挙げられる。ドメインの区分を行う際に画像の色味を基準として用いることができるという観点からは、光学顕微鏡又は実体顕微鏡を用いて取得することが好ましい。それに対し、走査型電子顕微鏡を用いて取得する場合、像の種類は限定されず、二次電子像又は反射電子像などの像を取得することができる。ドメインを区分する精度を向上させるという観点から、複数種類の像を取得してもよい。また、同様の観点から、走査型電子顕微鏡を用いる場合、EBSD(Electron Backscatter Diffraction)を用いて結晶方位等のマップを取得してもよく、EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)を用いて元素マップを取得してもよい。便宜上、結晶方位等のマップ及び元素マップについても、以降組織画像と呼称する。
【0037】
上記の手法以外にも、前記組織画像は、焼結鉱の所望の面に対してX線CT(Computed Tomography)を行うなど、非破壊の方法を用いて取得することもできる。
【0038】
前記組織画像の観察倍率の上限及び下限は特に限定されない。しかし、観察倍率を高くすることで、組織の識別がより容易になる。そのため、前記組織画像の観察倍率は50倍以上が好ましく、100倍以上がより好ましい。一方、観察倍率が過度に高いと、組織画像を取得する測定時間が長くなり、焼結鉱組織の代表性を確保するためには手間がかかる。そのため、測定効率の観点から、前記組織画像の観察倍率は200倍以下が好ましい。
【0039】
また、観察倍率は、後述するドメインの区分において、ドメインをどの程度細かく区分するかに影響を及ぼす。後述するように、ドメインは連続する組織を含んでいる。しかし、観察倍率を高くすることで、もともと1つの連続する組織が観察されていた領域が、複数の連続する組織を含む領域として観察される場合がある。そうすると、連続する組織の領域が細分化されるため、ドメインが細かく区分される。そこで、観察倍率を適宜設定することで、ドメインの区分の細かさを制御することができる。先述したように、混合相の領域ごとに強度が決定されるから、混合相とドメインとが対応するような細かさにドメインを区分することがよく、これによって強度の推定精度をさらに向上させることができる。以上のような観点からも、前記組織画像の観察倍率は200倍以下が好ましい。
【0040】
前記組織画像の観察領域の大きさの上限及び下限は特に限定されないが、焼結鉱組織の代表性を確保するために、前記組織画像の観察領域が前記観察面の全体であることが好ましい。また、同様の観点から、前記組織画像の観察領域の大きさを25mm2以上とすることが好ましく、100mm2以上とすることがより好ましい。前記組織画像の観察領域の大きさの上限は、例えば225mm2とすることができる。
【0041】
前記組織画像は、視野を連続的に変えながら撮影して取得することができる。より具体的には、前記組織画像が、前記顕微鏡の視野を連続的に変えながら画像を撮影し、撮影された前記画像を連結して取得した画像であることが好ましい。このように、視野を変えながら一つの組織画像を取得することで、高い観察倍率と広い観察領域を両立した組織画像を取得することが容易になる。
【0042】
(ドメイン)
本発明において、ドメインとは、連続する第一の組織と、前記第一の組織中に分散する前記第一の組織以外の組織および空隙のうち一方又は両方とからなる領域であると定義される。焼結鉱の組織画像を、このように定義されたドメインに区分することで、焼結鉱の混合相の状態を評価することができ、強度との相関が強い指標を求めることができる。例えば、特許文献2に記載されているような従来技術では、組織画像を当該ドメインに区分していなかったため、焼結鉱の強度の推定に適した指標を求めることができなかった。なお、前記組織画像の同じ位置が2以上のドメインに属するよう区分されることはないため、ドメインは重複して存在しない。
【0043】
焼結鉱の組織は、どのような組織からなるものとしてもよい。焼結鉱の組織としては、例えば1次ヘマタイト、2次ヘマタイト、マグネタイト、カルシウムフェライト及びシリケートスラグが挙げられるが、一般的に、焼結鉱の組織は上記5種類の組織を主としてなる。そのため、焼結鉱の組織が上記5種類の組織及びその他の組織からなるものとすることが好ましい。また、上記5種類の組織のうち1以上の組織をさらに細かく分類してもよい。また、ドメインは、任意の焼結鉱の組織を第一の組織とすることができるが、1次ヘマタイト、2次ヘマタイト、マグネタイト又はカルシウムフェライトを第一の組織とすることが好ましい。
【0044】
ドメインは、連続する第一の組織を含む領域である。上述したように、焼結鉱にはさまざまな種類の組織が複雑に混ざり合って分布しているが、当該組織のうち、組織画像のある部分において連続する組織を第一の組織とする。混合相が存在する部分に連続して存在する組織は、ドメインに相当する領域の焼結過程における溶融状態(焼結過程において溶融を経たか否か)を最もよく反映するため、焼結によって生成された混合相の性質を最もよく代表する。また、ドメインに含まれる組織の中では、第一の組織が当該ドメインに占める面積分率が最も高くなる。そういった観点からも、第一の組織は混合相の性質を代表する組織であると考えられる。
【0045】
なお、ドメインは、第一の組織の違いによって焼結過程で溶融を経たドメイン(溶融ドメインともいう)と溶融を経ていないドメイン(未溶融ドメインともいう)に分けられる。
【0046】
ドメインは第一の組織に加えて、第一の組織以外の組織及び空隙のうち一方又は両方からなることが重要である。ドメインが第一の組織以外のいずれの組織をも含まず、空隙を含まない領域として定義した場合、単一相ごとの相分率を評価することになるため、混合相の状態を評価できない。また、強度に影響すると考えられる空隙の量をドメイン分率の値に反映することができない。
【0047】
ここで、ドメインにおいて、第一の組織以外の組織及び空隙は、第一の組織中に分散している。すなわち、ある連続する組織に内包される、当該連続する組織以外の組織及び空隙の一方又は両方があれば、当該組織及び空隙の一方又は両方も連続する組織と合わせて一つのドメインを形成するものとする。また、ある組織又は空隙が2以上の連続する組織に挟まれた領域に存在する場合、当該組織又は空隙はいずれの連続する組織中に分散しているものとしてもよい。当該組織又は空隙がどの組織中に分散しているかについては、当該組織又は空隙と当該連続する組織との距離などの指標を用いて定めることができる。
【0048】
本発明において、前記ドメインは、1次ヘマタイトを第一の組織とするドメイン、2次ヘマタイトを第一の組織とするドメイン、マグネタイトを第一の組織とするドメイン、及びカルシウムフェライトを第一の組織とするドメインからなることが好ましい。ここでは、焼結鉱の組織が、1次ヘマタイト、2次ヘマタイト、マグネタイト、カルシウムフェライト、シリケートスラグ及びその他の組織からなるとしたうえで、上記4種類のドメインを定義する。
【0049】
(1)1次ヘマタイトを第一の組織とするドメイン
焼結過程において、元鉱ヘマタイト、酸化カルシウム及びSiO2が共存する位置に融液が生成する。しかし、元鉱ヘマタイトが未反応のまま1次ヘマタイトとして残存する領域がある。本ドメインは前記領域に対応し、未溶融ドメインに分類される。本ドメインはカルシウムフェライト及びシリケートスラグを含んでいてもよい。
【0050】
(2)2次ヘマタイトを第一の組織とするドメイン
焼結過程において、元鉱ヘマタイト、酸化カルシウム及びSiO2が共存する位置に融液が生成し、高酸素分圧下においてヘマタイト(2次ヘマタイト)が骸晶状に晶出する領域がある。本ドメインは前記領域に対応し、溶融ドメインに分類される。本ドメインはカルシウムフェライト及びシリケートスラグを含んでいてもよい。
【0051】
(3)マグネタイトを第一の組織とするドメイン
焼結過程において、元鉱ヘマタイトが還元されてマグネタイトが生成し、当該マグネタイトが周囲の融液と反応せずに残る領域がある。本ドメインは前記領域に対応し、未溶融ドメインに分類される。本ドメインはカルシウムフェライト及びシリケートスラグを含んでいてもよい。
【0052】
(4)カルシウムフェライトを第一の組織とするドメイン
焼結過程において、元鉱ヘマタイト、酸化カルシウム及びSiO2が共存する位置に融液が生成し、当該融液がカルシウムフェライト及びシリケートスラグとして晶出した領域がある。本ドメインは前記領域に対応し、溶融ドメインに分類される。本ドメインはシリケートスラグを含んでいてもよい。
【0053】
前述した(1)~(4)のドメインは、第一の組織以外の、焼結鉱配合原料が焼結反応せずに部分的に残っている組織を含んでいてもよく、例えばSiO2を含んでいてもよい。
【0054】
前述した(1)~(4)のドメイン以外に、焼結鉱に含まれる1次ヘマタイト、2次ヘマタイト、マグネタイト、カルシウムフェライト以外の組織を第一の組織とするドメインを設けることもできる。
【0055】
以下、組織画像をドメインに区分する方法について説明する。
【0056】
組織画像をドメインに区分するとは、組織画像の全ての地点についてどの組織が存在するのかを識別して、その結果を基に、組織画像の全ての地点についてどのドメインに属するか、又はいずれのドメインにも属しない地点であるかを決定することを指す。ここで、前記組織画像が電子データであれば、例えば前記地点としてピクセルを用いることができる。前記地点がいずれのドメインにも属しない場合の具体例としては、以下の2通りが挙げられる。
(A)前記地点にいずれの組織も存在せず、当該地点が前述したドメインの定義における空隙でもない場合
(B)前記地点に組織が存在するが、当該組織中に当該組織以外の組織及び空隙が分散せず、当該組織が他の組織中に分散するものでもない場合
前記地点に存在する組織が広い範囲に連続して存在する場合、当該組織に当該組織以外の組織及び空隙の一方又は両方が分散していることが多いため、通常は(B)に該当しない。一方、前記地点に存在する組織の占める範囲が狭い場合、当該地点の組織に他の組織及び空隙が分散していない可能性が高い。つまり、当該地点に存在する組織の占める範囲が狭く、かつ他の組織から離れて(孤立して)存在する場合、(B)に該当する可能性が高いと考えられる。
【0057】
組織画像をドメインに区分する方法は特に限定されない。しかし、例えば光学顕微鏡を用いて組織画像を取得し、当該組織画像を前記(1)~(4)のドメインに区分する場合、以下のように行うことができる。
【0058】
最初に、光学顕微鏡像の明度と色味で、焼結鉱組織である、ヘマタイト、マグネタイト及びカルシウムフェライトの識別を行う。ヘマタイトの領域は白く、マグネタイトの領域は赤みを帯びている。
【0059】
続いて、マグネタイトが連続する領域を、当該マグネタイト中に分散するマグネタイト以外の組織及び空隙の一方又は両方と合わせて、(3)マグネタイトを第一の組織とするドメインとする。
【0060】
次に、元鉱石の形状が残っていることが観察され、組織が丸みを帯びた粒状をしているヘマタイトを1次ヘマタイトとして識別する。そして、1次ヘマタイトが連続する領域を、当該1次ヘマタイト中に分散する1次ヘマタイト以外の組織及び空隙の一方又は両方と合わせて、(1)1次ヘマタイトを第一の組織とするドメインとする。
【0061】
続いて、ヘマタイトの中でも、1次ヘマタイト以外の角ばった形状のヘマタイトを2次ヘマタイトとして識別する。そして、2次ヘマタイトが連続する領域を、当該2次ヘマタイト中に分散する2次ヘマタイト以外の組織及び空隙の一方又は両方と合わせて、(2)2次ヘマタイトを第一の組織とするドメインとする。
【0062】
そして、上記(1)~(3)のいずれにも属さず、カルシウムフェライトが連続する領域を、当該カルシウムフェライト中に分散するその他の組織及び空隙の一方又は両方と合わせて、(4)カルシウムフェライトを第一の組織とするドメインとする。
【0063】
このようにすることで、各ドメインの定義に沿うようにドメインに区分することができる。また、全てのドメインについて、ドメインの第一の組織は当該ドメインに占める面積分率が最も高い組織となる。
【0064】
ここで、ドメインの区分には、作業を迅速かつ簡便に行い、さらに恣意性を排除する観点から、機械学習を用いることが好ましい。この時、教師画像として、焼結鉱の組織画像を複数のドメインによって区分した画像を用いる。前記機械学習には、ディープラーニング等の公知の手法が含まれる。具体的には、CNN(Convolutional Neural Network/畳み込みニューラルネットワーク)を応用したFCN(Fully Convolutional Network)の一つであるU-netを用いることが好ましい。U-netは画像のセグメンテーションに適したネットワークであり、画像の畳み込みにより特徴マップを抽出するといった性質、及び特徴マップを保持した上で逆畳み込み処理を行うといった性質がある。
【0065】
(ドメイン分率)
ドメイン分率算出工程では、上述した方法により組織画像をドメインに区分した後、ドメイン分率をドメインの第一の組織ごとに算出する。例えば、全てのドメインの面積の合計に対する、第一の組織をある組織とするドメインの合計面積の割合を前記面積分率として算出し、当該面積分率を、第一の組織を当該組織とするドメインのドメイン分率とすることができる。
【0066】
[モデル作成工程]
モデル作成工程では、前記ドメイン分率算出工程で算出したドメイン分率を説明変数とし、前記強度取得工程で取得した焼結鉱の強度を目的変数として、焼結鉱の強度推定モデルを作成する。以下、強度推定モデルを単にモデルということがある。
【0067】
モデルの作成方法としては限定されないが、例えば機械学習を行ってモデルを作成することができる。本発明の一実施態様においては、機械学習として、重回帰分析を行ってモデルを作成する。具体的には、強度を取得した焼結鉱試料について強度を目的変数とし、対応する焼結鉱試料のドメイン分率を説明変数として重回帰分析を行うことで、目的変数と説明変数との関係を回帰式として算出することができる。前記回帰式を強度推定モデルのモデル式とする。
【0068】
本発明に係る焼結鉱の強度推定方法は、前記焼結鉱の強度推定モデルの作成方法により作成された焼結鉱の強度推定モデルにより、焼結鉱の強度を推定する方法である。強度が未知の焼結鉱試料を対象として、前記焼結鉱試料から得られたドメイン分率を説明変数としてモデル式に代入し、目的変数である強度を算出する。前記強度推定方法によれば、高炉の操業中であっても、強度が未知の焼結鉱についてドメイン分率を算出し、当該ドメイン分率を予め作成した焼結鉱の強度推定モデルに代入するだけで焼結鉱の強度を精度よく推定でき、製品焼結鉱の歩留を予測することができる。
【0069】
本発明に係る焼結鉱の製造方法は、前記焼結鉱の強度推定方法により推定された焼結鉱の強度に基づいて焼結鉱の製造条件を変更する方法である。推定した強度に基づいて焼結鉱の製造条件の見直しを行うことで、製品焼結鉱の歩留を向上させることが可能となる。ここで、変更できる前記製造条件としては、特に限定されないが、気体燃料の量及び種類、焼結炉への酸素の吹き込みの有無、並びに負圧が挙げられる。例えば、推定された焼結鉱の強度によれば、マグネタイトを第一の組織とするドメインを減らすことがよいと判明した場合、焼結炉への酸素の吹き込みを行うことがよい。ここで、前記製造条件の変更は、焼結鉱配合原料を構成する成分の比率の変更であることが好ましい。焼結鉱配合原料を構成する成分としては、先述した通り、例えば、粉鉱石、副原料粉、雑原料及び固体燃料が挙げられる。例えば、推定された焼結鉱の強度によれば、カルシウムフェライトを第一の組織とするドメインを増やすことがよいと判明した場合、原料の塩基度(CaO/SiO2)を増加させることがよい。
【実施例0070】
以下では、実施例に基づいて、本開示の一実施形態に係る焼結鉱の強度推定モデルの作成方法及び焼結鉱の強度推定方法等を説明する。
【0071】
(実施例1)
以下のようにして、焼結鉱の強度推定モデルを作成した。
【0072】
まず、焼結鉱配合原料のうちコークス量を変更することで、異なる熱量で焼結された3種類の焼結ケーキを得た。焼結には実験室スケールの焼結鍋を用いた。次いで、各焼結ケーキから焼結鉱試料(No.1~3)を採取した。
【0073】
得られた焼結鉱試料を半分に割った後、樹脂に埋め込み、評価対象とする面(観察面)について鏡面研磨を行った。研磨は、#120から#400のSiCペーパー研磨の後に、9μm、3μm、1μm及び0.25μmのダイヤモンドによる研磨、並びにコロイダルシリカ研磨を実施した。
【0074】
研磨後の焼結鉱の観察面について、焼結鉱の組織画像を取得した。焼結鉱の組織画像は、撮像機能を備えた光学顕微鏡を用いて、50倍の倍率で、焼結鉱の観察面全体に対して、視野を連続的に変えながら撮影した後、得られた光学顕微鏡像を連結させることにより用意した。
【0075】
前記組織画像を、上述した方法を用いて上記(1)~(4)のドメインに区分したうえで、各焼結鉱試料のドメイン分率を算出した。また、各焼結鉱試料について、JIS M 8711に定められた落下強度指数を測定した。
【0076】
前記焼結鉱試料の測定された強度および算出されたドメイン分率を表1に示す。
【0077】
【0078】
表1に示した焼結鉱試料のドメイン分率を説明変数とし、強度を目的変数として、重回帰分析を行ってモデル式を導出することで、焼結鉱の強度推定モデルを作成した。そして、表1に示した焼結鉱試料のドメイン分率を前記モデル式に代入して焼結鉱の強度(以下、推定された焼結鉱の強度を「推定強度」という)を推定した。測定された焼結鉱の強度(以下、「実測強度」という)と前記推定強度を使って求められた決定係数は0.94である。このように、重回帰分析を行うことにより、焼結鉱の強度推定モデルを作成することができた。
【0079】
(実施例2)
次に、作成した強度推定モデルを用いて、焼結鉱の強度を推定した。
【0080】
まず、強度の推定に用いる3種類の焼結鉱試料(A、B及びC)を次のように準備した。初めに、焼結鉱配合原料のコークス量をそれぞれ4.0%、4.5%又は5.0%として実験室スケールの焼結鍋で焼結し、直径300mm、高さ600mmの焼結ケーキを得た。次いで、当該焼結ケーキを冷却後に落下させて粉砕し、直径が20mm程度のサイズの前記焼結鉱試料を採取した。
【0081】
得られた焼結鉱試料を半分に割った後、樹脂に埋め込み、評価対象とする面(観察面)について鏡面研磨を行った。研磨は、#120から#400のSiCペーパー研磨の後に、9μm、3μm、1μm及び0.25μmのダイヤモンドによる研磨、並びにコロイダルシリカ研磨を実施した。
【0082】
研磨後の焼結鉱の観察面について、焼結鉱の組織画像を取得した。焼結鉱の組織画像は、撮像機能を備えた光学顕微鏡を用いて、50倍の倍率で、焼結鉱の観察面全体に対して、視野を連続的に変えながら撮影した後、得られた光学顕微鏡像を連結させることにより用意した。
【0083】
その後、前記組織画像を、学習済みネットワーク(U-net)により上記(1)~(4)のドメインに区分し、各ドメインの面積分率をドメイン分率として算出した。前記学習済みネットワークの教師画像としては、上述した方法を用いて、焼結鉱の光学顕微鏡像を上記(1)~(4)のドメインに区分したものを用いた。
【0084】
次いで、実施例1で作成した焼結鉱の強度推定モデルに、各焼結鉱試料のドメイン分率を代入して焼結鉱試料の推定強度を求めた。また、JIS M 8711に定められた落下強度指数をそれぞれ測定して実測強度を求めた。各焼結鉱試料について、推定強度と実測強度との比較を行った。
【0085】
一方、比較例として、以下の方法で強度の推定を行った。最初に、焼結鉱試料A、B及びCとは別の焼結鉱試料に対し、特開2013-122403号公報に記載の方法を参考にしてXRD-リートベルト解析を行い、ヘマタイト、マグネタイト、カルシウムフェライト及びダイカルシウムシリケートの相分率を求めた。また、JIS M 8711に定められた落下強度指数を測定し、上記相分率と落下強度指数との回帰式を作成した。その後、焼結鉱試料A、B及びCについて、相分率を求め、上記回帰式に当該相分率を代入することで、強度の推定値を求めた。
【0086】
推定強度と実測強度の結果を表2に示す。比較例の方法により推定した強度に比べて、本発明に係る強度推定モデルにより推定した強度は、実測強度と極めて良く一致していた。決定係数は0.91となっており、回帰式のあてはまりが良いことが分かった。
【0087】
【0088】
以上述べたように、本発明によれば、予め焼結鉱の強度推定モデルを用意しておくことで、焼結鉱のドメイン分率を求めることにより、焼結鉱の強度を精度よく推定することが可能となる。すなわち、ドメイン分率は焼結鉱の強度を説明するための指標として優れている。さらに、推定された強度を基に、焼結鉱の製造条件の見直しを行うことで、製品焼結鉱の歩留を向上させることが可能となる。