(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022765
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】コンベヤベルト運転監視システム
(51)【国際特許分類】
B65G 43/08 20060101AFI20250206BHJP
B65G 43/02 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
B65G43/08 F
B65G43/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024106454
(22)【出願日】2024-07-01
(31)【優先権主張番号】18/364,624
(32)【優先日】2023-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514287694
【氏名又は名称】アシュワース ブロス.,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル アッカーマンス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター レムコ デ フリース
【テーマコード(参考)】
3F027
【Fターム(参考)】
3F027AA02
3F027DA19
3F027DA24
3F027EA01
3F027EA09
3F027FA01
(57)【要約】
【課題】状態を観察して、より重大なベルト運転不良を防止するために、ベルト運転状況に関するデータを収集するよう構成されているコンベヤベルト運転監視システムを提供する。
【解決手段】コンベヤベルト用のセンサアセンブリであって、当該アセンブリは、モジュール式のコンベヤベルトのリンク205に取り付け可能であって、かつ、ベルトの張力を測定するよう構成されたロードセル215と、ハウジング210とを含んでいる。ハウジング210は、ロードセル215の少なくとも一部を受け入れるよう構成された第1の空洞225と、1つまたはそれ以上の電子部品を受け入れるよう構成された第2の空洞230とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルト用のセンサアセンブリであって、
モジュール式のコンベヤベルトのリンクに取り付け可能であって、かつ、前記ベルトの張力を測定するよう構成された、ロードセルと、
前記ロードセルの少なくとも一部を受け入れるよう構成された、第1の空洞、および、1つまたはそれ以上の電子部品を受け入れるよう構成された、第2の空洞を有するハウジングとを備える、
センサアセンブリ。
【請求項2】
前記ロードセルは第1の端部および第2の端部を有しており、
前記第1の端部は、前記リンクの本体に前記ロードセルの当該第1の端部を取り付けるために、留め具を挿通できる開口を有しており、
前記ロードセルの前記第2の端部は、前記ベルトの連接棒を受け入れるよう構成された第2の開口を有している、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングの前記第2の空洞内に配置される、1つまたはそれ以上の電子部品をさらに含む、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記1つまたはそれ以上の電子部品は電源を含んでいる、請求項3に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記電源は少なくとも1つのキャパシタを含んでいる、請求項4に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記1つまたはそれ以上の電子部品は、前記電源の電磁誘導充電用に構成されている、請求項4に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
前記1つまたはそれ以上の電子部品は、当該センサアセンブリにより受信されたデータを記憶するよう構成された、メモリ装置を含んでいる、請求項3に記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
前記メモリ装置は、
位置データ、
ジャイロセンサデータ、および
加速度センサデータ
の少なくとも1つから選択されたデータを記憶するよう構成されている、請求項7に記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
コンベヤベルト用の張力感知システムであって、
前記コンベヤベルトの他のリンクに、回動可能に接続可能な第1のリンクと、
前記第1のリンクに取り付けられたセンサアセンブリであって、前記第1のリンクに取り付け可能であって、かつ前記ベルトの張力を測定するよう構成されたロードセル、および、前記ロードセルの少なくとも一部を受け入れるよう構成された第1の空洞を有するハウジングを含む、センサアセンブリとを備える、システム。
【請求項10】
前記ロードセルは第1の端部および第2の端部を有しており、
前記第1の端部は、前記第1のリンクの本体に前記ロードセルの当該第1の端部を取り付けるために、留め具を挿通できる開口を含んでいる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ハウジングの前記第2の空洞内に配置される、1つまたはそれ以上の電子部品をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つまたはそれ以上の電子部品は電源を含んでおり、
前記電源は少なくとも1つのキャパシタを含んでいる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つまたはそれ以上の電子部品は、前記電源の電磁誘導充電用に構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つまたはそれ以上の電子部品は、当該センサアセンブリにより受信されたデータを記憶するよう構成されたメモリ装置を含んでおり、
前記メモリ装置は、
位置データ、
ジャイロセンサデータ、および
加速度センサデータ
の少なくとも1つから選択されたデータを記憶するよう構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
コンベヤベルトであって、
複数の連接棒により接続され、かつ、少なくとも第1のリンクを含む、複数のリンクと、
前記第1のリンクに取り付けられたセンサアセンブリであって、前記第1のリンクに取り付け可能であって、かつ当該ベルトの張力を測定するよう構成されたロードセル、および、前記ロードセルの少なくとも一部を受け入れるよう構成された第1の空洞を有するハウジングを含む、センサアセンブリとを備える、コンベヤベルト。
【請求項16】
前記センサアセンブリの前記ハウジングは、1つまたはそれ以上の電子部品を受け入れるよう構成された、第2の空洞を含んでいる、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項17】
前記第1のリンクは実質的にU字形状とされており、第1の脚部、第2の脚部、および、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間を延びる接続部を含んでおり、
前記第1のリンクの前記第2の脚部は、前記ロードセルの一部を受け入れるよう構成された窪みを有する横方向の延長部を含んでいる、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項18】
前記横方向の延長部は、前記ロードセルを前記リンクの当該横方向の延長部に固着するよう構成された留め具用の受容部を含んでいる、請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項19】
前記ロードセルの第1の端部が、留め具により前記前記横方向の延長部に取り付けられており、前記ロードセルが、当該コンベヤベルトの張力ゆえに、前記リンクの前記第2の脚部の伸長を検知するよう構成されるように、前記連接棒の1つが通って延びる開口を、前記ロードセルの第2の端部が含んでいる、請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項20】
前記ハウジングは第2の空洞をさらに含んでおり、
前記センサアセンブリは、前記ハウジングの前記第2の空洞内に配置された、1つまたはそれ以上の電子部品をさらに含んでいる、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(以下、発明のことを「開示」ということがある)は、コンベヤベルト運転監視システムに関し、より詳しくは、1つまたはそれ以上のベルト一体型の内蔵のセンサと、少なくとも1つの外部のデータ受信モジュールとを有するコンベヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトは、高温および/もしくは低温、湿気、塵埃、および/または、がれきを含む厳しい条件で、しばしば運転される。くわえて、ベルト経路の複雑性も、運転の困難を増加させ得る。また、ベルト運転中の不具合の対応には、経費がかさみ、時間を奪い、かつ、全般に不都合となる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,884,723号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上述した問題の1つまたはそれ以上に取り組むためのシステムおよび方法に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のシステムは、傾向(trends)を観察して、より重大なベルト運転不良を防止するために、ベルト運転状況に関するデータを収集するよう構成されている。その目的のために、本システムは、1つまたはそれ以上のベルト一体型の内蔵センサと、少なくとも1つの外部のデータ受信モジュールとを含んでいる。例えば、開示のシステムは、張力センサ(ロードセル)と、3つの軸におけるベルト角度を検知するよう構成されたジャイロセンサと、同じ3つの軸に沿ってベルト加速度を検知するよう構成された加速度センサとを含むさまざまなセンサを含む、少なくとも1つの内蔵のセンサアセンブリを含んでいる。開示のシステムは、これらの内蔵のセンサでデータを収集するよう、かつ、次いで処理のために外部の制御器( offboard controller )にデータを送信するよう構成されている。異常を検知でき、かつ、手順を踏んで、異常を引き起こしている問題を軽減することができるよう、警戒/警報を発することができる。
【0006】
1つの局面において、本開示は、コンベヤベルト用のセンサアセンブリであって、モジュール式のコンベヤベルトのリンクに取り付け可能であって、かつ、ベルトの張力を測定するよう構成されたロードセルと、ハウジングとを備える、センサアセンブリに向けられている。ハウジングは、ロードセルの少なくとも一部を受け入れるよう構成された第1の空洞と、1つまたはそれ以上の電子部品を受け入れるよう構成された第2の空洞とを含んでいてもよい。
【0007】
別の局面において、本開示は、コンベヤベルト用の張力感知システムであって、コンベヤベルトの他のリンクに、回動可能に接続可能な第1のリンクと、第1のリンクに取り付けられたセンサアセンブリに向けられている。センサアセンブリは、第1のリンクに取り付け可能であって、かつベルトの張力を測定するよう構成されたロードセルと、ロードセルの少なくとも一部を受け入れるよう構成された第1の空洞を有するハウジングとを含んでいてもよい。
【0008】
別の局面において、本開示は、コンベヤベルトであって、複数の連接棒により接続され、かつ少なくとも第1のリンクを含む複数のリンクと、第1のリンクに取り付けられたセンサアセンブリであって、第1のリンクに取り付け可能であって、かつベルトの張力を測定するよう構成されたロードセル、および、ロードセルの少なくとも一部を受け入れるよう構成された第1の空洞を有するハウジングを含む、センサアセンブリとを備える、コンベヤベルトに向けられている。
【0009】
別の局面において、本開示は、コンベヤベルト用のセンサアセンブリであって、ベルトと一体となるよう、かつ、ベルト運転状況に関するデータを収集するよう構成された、1つまたはそれ以上のセンサと、デバイスプロセッサおよび非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体(non-transient computer readable medium)を含む、内蔵の制御器( onboard controller )とを備える、コンベヤベルト用のセンサアセンブリに向けられている。1つまたはそれ以上のセンサからデータを受信する、および、外部の制御器へデータを送信するという機能を果たすために、コンピュータ読み取り可能媒体はその中に、プロセッサにより実行可能な命令を記憶している。
【0010】
別の局面において、本開示は、コンベヤベルトデータ収集システム用の受信器モジュールであって、ベルトの外部に配置され、かつ、コンベヤベルトの近傍に配置されるよう構成されたハウジングと、デバイスプロセッサおよび非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体を含む外部の制御器を含むベルトインターフェースユニットとを備える、コンベヤベルトデータ収集システム用の受信器モジュールに向けられている。ベルトと一体とされた内蔵の制御器により送信されるベルト運転状況に関するデータを受信する、という機能を果たすために、コンピュータ読み取り可能媒体はその中に、プロセッサにより実行可能な命令を記憶している。
【0011】
別の局面において、本開示は、ベルトと一体とされるよう、かつ、ベルト運転状況に関するデータを収集するよう構成された、1つまたはそれ以上のセンサと、第1のデバイスプロセッサおよび第1の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体を含む内蔵の制御器とを備える、コンベヤベルト運転監視システムに向けられている。1つまたはそれ以上のセンサからデータを受信する、および外部の制御器へデータを送信する、という機能を果たすために、コンピュータ読み取り可能媒体はその中に、プロセッサにより実行可能な命令を記憶しており、少なくとも1つの受信モジュールはベルトインターフェースユニットを含み、ベルトインターフェースユニットは、第2のデバイスプロセッサと、第2の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、内蔵の制御器により送信されるデータを受信するという機能を果たすために、その中に、プロセッサにより実行可能な命令を記憶している、第2の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体とを含む、外部の制御器を含んでいる。
【0012】
本開示の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討することで、当業者に明らかとなるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴および利点すべてについて、この説明およびこの要約に含まれること、この開示の範囲内にあること、かつ、以下の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
【0013】
本発明は、以下の図面および説明を参照することで、より良く理解できる。図中の構成要素は必ずしも等尺でなく、むしろ、本発明の原理を説明するに際して強調されている。さらには、図中では、異なる図面を通じて、類似の参照番号が、対応する部品を示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態に係るらせん状コンベヤシステムの外観を示す模式図である。
【
図2】コンベヤベルト用の内蔵のセンサアセンブリを示す模式的な分解図である。
【
図3】
図2に示す内蔵のセンサアセンブリを示す第2の模式的な斜視図である。
【
図4】
図2に示すセンサアセンブリの電子機器ハウジングを示す模式的な斜視図である。
【
図5】
図4に示す電子機器ハウジングの第2の模式的な斜視図である。
【
図6】
図4に示す電子機器ハウジングの第3の模式的な斜視図である。
【
図7】
図2に示す内蔵のセンサアセンブリの電子機器ポッドの模式的な斜視図である。
【
図8】
図2に示す内蔵のセンサアセンブリのリンクおよびロードセルアセンブリ(link and load cell assembly)の模式的な分解図である。
【
図9】リンクおよびロードセルアセンブリを示す別の模式的な分解図である。
【
図10】
図2に示すアセンブリのリンク部分を示す模式的な斜視図である。
【
図14】
図2に示すセンサアセンブリのロードセルを示す模式的な斜視図である。
【
図16】実施の形態に係るデータ収集システムの内蔵の構成要素を示すブロック図である。
【
図17】データ収集システムの外部の構成要素を示すブロック図である。
【
図18】ベルト張力を監視する方法を説明するフローチャートである。
【
図19】ベルト角度を監視する方法を説明するフローチャートである。
【
図20】ベルト加速度を監視する方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
明瞭さのために、本明細書における詳細な説明では、特定の例示的な実施の形態を説明する。正駆動らせん状コンベヤシステム(positive drive spiral conveyor system)が示されている。しかし、この出願の開示は、任意の適切なコンベヤシステムに適用できる。すなわち、正駆動でないシステムおよび非らせん状のシステムで、開示されたセンサ配列/システムを実施してもよい。
【0016】
以下で検討するらせん状コンベヤシステムは一般に、正駆動システムとされており、そこでは、駆動要素がコンベヤベルトと直接接触して、コンベヤベルトを移動方向に推進する。以下で検討するシステムでは、中央の回転ドラムが、コンベヤベルトと係合するための駆動面を含む、駆動要素を含んでいる。駆動要素の駆動面は、駆動要素のドラムまたは表面から突出するリブなどの、駆動要素の輪郭を付けた表面(contoured surface)に隣接していてもよい。リブは、改善された形状を駆動面に与えてもよく、かつ、らせんを上下するコンベヤベルトの移動を、リブ自体がドラム表面上方でさまざまな高さを有するときに特に、円滑にしてもよい。コンベヤベルトは、駆動面とのより良い接触のために平坦面を有する突起またはつまみなどの、リブとの係合を強化する備えをも含んでいてもよい。
【0017】
図1は、輪郭を付けた少なくとも1つの駆動要素駆動システムを利用する、らせん状コンベヤシステム1の実施の形態を示している。らせん状コンベヤシステム1などのらせん状コンベヤシステムは、当該技術分野で周知である。らせん状コンベヤシステム1は、駆動ドラム10の周りでらせんカラム5を移動させるよう構成されているコンベヤベルト15を含んでいてもよい。いくつかの実施の形態では、駆動ドラム10は、正駆動システム用にコンベヤベルト15と係合する、1つまたはそれ以上の駆動要素20を含んでいてもよく、その際、コンベヤベルト15との駆動要素20の摩擦および/または形状係合(frictional and/or geometric engagement)は、コンベヤベルト15に前方への動きを付与する。いくつかの実施の形態では、駆動ドラム10とコンベヤベルト15の縁とが、互いに係合して輪転ドラムからコンベヤベルトへ駆動力を伝達する備えを含んでいてもよい。
【0018】
ドラム10は、さまざまなRPM(毎分回転数)で回転する(rotate)ように構成されていてもよいが、低いRPMで輪転する(turn)よう構成されていてもよい。正確な速さは、らせんカラム5の高さ、ベルト15の長さ、および、特定の調理、焼き上げまたは凍結時間を確立することなどのシステムの意図された使用などの因子に依存する場合がある。いくつかの実施の形態では、ドラム10は15RPM以下で輪転してもよい。いくつかの実施の形態では、ドラム10は10RPM以下で輪転してもよい。いくつかの実施の形態では、ドラム10は4RPM以下で輪転してもよい。いくつかの実施の形態では、ドラム10は0.1RPM~10RPMの間(両端を含む)の速度で輪転してもよい。
【0019】
ドラム10は、らせん状コンベヤシステム1の基部103の近傍に配置されたモータ(図示せず)など、当該技術分野で公知の任意の方法を使用して回転されてもよい。モータは、生成した力を、当該技術分野で公知の任意の機構を使用して、ドラム10に伝達してもよい。
【0020】
図1に示す実施の形態などの、いくつかの実施の形態では、モータからシャフト106への力の伝達を制御するためのチェーンおよびギアボックスなどの公知のシステムが設けられていてもよい。シャフト106は、ドラム中央軸3に沿って基部103かららせんカラム5の頂部へと延びる、長尺の金属柱などの、当該技術分野で公知の、任意の種類の駆動シャフトであってもよい。支柱109などの、1つまたはそれ以上の支柱が、シャフト106をドラム10に取り付けて、シャフト106の回転力をドラム10に伝達してもよい。ドラム10は、大略的に円筒状の形状とされていてもよく、かつ、いくつかの実施の形態では、円筒面を有していてもよい。円筒面は、板金で形成された、連続的な円筒状のドラム表面であってもよく、または、ドラムの中央軸回りに配置された円形の支持バンドの間を延びて、円形の支持バンドを接続する、個々の垂直駆動要素で形成された不連続面を有していてもよく、または、
図1に示すような、板金と垂直なバーとの組み合わせであってもよい。
【0021】
らせんカラム5を通ってベルト15の内縁を案内するために、適切な円筒面を設けるための、他の構造を考える。駆動要素20は、リブであって、
図1に示す実施の形態におけるようなドラムの板金面に取り付けられた、または、例えば当該リブがケージバーキャップの表面から延びているケージバーに取り付けられた、リブを備えていてもよい。駆動要素20は、輪郭を付けた表面を設けるため、かつ/または、摩耗特性改善のためなどに、キャップまたは被覆をも備えていてもよい。
【0022】
モータ、ギアボックスおよび/もしくはコンベヤフレーム内に、モータ、ギアボックスおよび/もしくはコンベヤフレーム上に、または、モータ、ギアボックスおよび/もしくはコンベヤフレームに関連して、底部ベアリング101を設けてもよい。当該技術分野で公知のように、底部ベアリング101を設けて、径および軸方向荷重を支えつつ、モータおよび/または基部103とシャフト106との間の回転摩擦を低減する。ベアリングおよびそれらの機能性については一般に、当該技術分野で公知であり、かつ理解されている。
【0023】
コンベヤベルト15は、モジュール式であっても、かつ、リンクおよび連接棒を含んでいてもよい。リンクおよび連接棒を実装する例示的なモジュール式のベルトが、上記特許文献1(Neely et al.、2018年2月6日発行、名称はSpiral Conveyor System)で記載および検討されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
コンベヤベルト15は、当該技術分野で公知の、いずれの種類の無端ベルトであってもよい。コンベヤベルト15は、金属、プラスチック、複合材料、セラミックス、これらの材料の組み合わせ、または、当該技術分野で公知の任意の他の種類のコンベヤベルト材料で形成されていてもよい。特定の材料を、温度暴露(焼き上げ、凍結、室内温度伝達)、必要な張力、ベルトの長さ、ベルトを浄化および/または殺菌する能力などの因子に基づき選択してもよい。
【0025】
図1に示す実施の形態などのいくつかの実施の形態では、ベルト15は、ベルト15が、らせんカラム5の底部64から、らせんカラム5の頂部63へと移動する、上昇ベルト(upgoing belt)であってもよい。他の実施の形態では、移動の方向は、ベルト15が頂部63から底部64へと移動する、下降であってもよい。頂部63および底部64でのベルト経路は、図示したように整列されていても、または、ドラム10の中央軸3周りに互いに対して角度を付けて配置されていてもよい。
【0026】
使用時に、コンベヤベルト15は、ドラム10の一端(通常は底部64)に進入する。コンベヤベルト15は、心棒に配置された2つのローラまたはスプロケットを出て、システム1へと供給されてもよい。コンベヤベルト15は、中央ドラム10の周りで、積層されたらせん形の段を通って移動する。次いでコンベヤベルト15は、ドラム10の他端(通常は頂部63付近)で退出する。コンベヤベルト15は無端ベルト15であってもよく、その場合、コンベヤベルト15は、ドラム10の他端で、心棒/スプロケットに供給し直される(例えば、一つの実施の形態では、ベルト15は、ドラム10の頂部63で退出したのち、ドラム10の底部64へと移動し直す。)しかし、いずれの実施の形態においても、システムは、上昇(底部から頂部への移動)であっても、または、下降(頂部から底部への移動)であってもよい。らせん5の進入および/または退出点でのベルト15のギア装備および選択的な重み付け(weighting)を、ベルト15がシステム1を通って動く際にベルト15における張力を制御するのを支援するよう構成してもよい。例えば、システム1は、らせんカラム5からベルト15を引き出すよう構成された、巻き取りスプロケット115を含んでいてもよい。巻き取りスプロケット115は、第1の終端ローラに、または第1の終端ローラのあとに、配置されていてもよい。巻き取りスプロケット115は、モータでなど、独立して駆動されてもよい。いくつかの実施の形態では、モータは、ベルト15の張力を所望の範囲で制御できるよう、定トルクモータとされていてもよい。
【0027】
いくつかの実施の形態では、重み付けされた巻き取りローラ117を設けて、戻り経路104に沿ってベルト張力を維持するのを支援しても、かつ、システムからベルト緩みを除去してもよい。ベルト15の適切な張力により、ドラム10に対するベルト15の滑り、ベルトの跳ね上がり、または、らせん形の積層体への、もしくはらせん形の積層体からのベルト15の供給困難などの運転上の問題を抑止してもよい。
【0028】
いくつかの実施の形態では、進入端(例えば底部64)におけるベルト15の第1の段80が、第1の大きめの径を有しており、出口端におけるベルト15の最後の段が、第2の小さめの径を有している。例えば、
図1は、リンクと、リンクを互いに接続する長尺の棒とで形成されたベルト15の、2つの異なる段(第1の段80および第2の段90)を示している。ドラム10は、第1の段80を支持する第1の径と、第2の段90を支持する第2の小さめの径とを有していてもよい。第1の径は、第2の径よりも、ドラム10の、より低い位置にあってもよい。ベルト15は、駆動要素20の外周の支持面との、ベルト15の外周の支持面の係合により、それぞれの径で保持されていてもよい。
【0029】
図1に示すように、らせんは、第1の柱111、第2の柱112および第3の柱113などの、一般的な支持柱を含んでいてもよい。らせんは、任意の適切な数の柱を有していてもよく、それらは、構造的に安定した構築のために、必要に応じて配置できる。
【0030】
くわえて、ベルトデータ収集システムの構成要素を、ベルト経路に組み込んでもよい。例えば、より詳細に以下で検討するように、張力データ、角度データ、加速度データなどのデータの収集を促進するために、1つまたはそれ以上のセンサ配列を、ベルトに組み込んでもよい。図示したように、ベルト15は、少なくとも1つのセンサアセンブリを含んでいてもよい。
図1に示すように、システムは、第1のセンサアセンブリ140、第2のセンサアセンブリ150および第3のセンサアセンブリ155を含んでいてもよい。ベルトが、単一のセンサアセンブリまたは複数のセンサアセンブリを含む、任意の所望の数のセンサアセンブリを含んでいてもよいことが、理解されるであろう。
【0031】
くわえて、1つまたはそれ以上の受信器モジュールが、ベルトシステムの経路に沿って配置されていてもよい。例えば、
図1は、第1の受信器モジュール120、第2の受信器モジュール125および第3の受信器モジュール130を含む、3つの受信器モジュールを示している。システムが、単一の受信器モジュールまたは複数の受信器モジュールを含む、任意の適切な数の受信器モジュールを有していてもよいことが、理解されるであろう。受信器モジュールの数は、ベルトシステムの全体の寸法、ベルトシステムの複雑性、収集されたデータの量などの、さまざまな因子に基づいて選ばれてもよい。いくつかの実施の形態では、複数の受信モジュールが、メッシュネットワークを形成していてもよい。システム中のセンサアセンブリおよび受信モジュールが多くなればなるほど、より多くのデータを、より頻繁に、より広い通信の範囲で、収集できる。
【0032】
各受信器モジュールは、ベルトインターフェースユニットを含んでいてもよい。例えば、第1の受信器モジュール120は、第1のベルトインターフェースユニット135を含んでいてもよい。くわえて、第2の受信器モジュール125は、第2のベルトインターフェースユニット145を含んでいてもよい。第3の受信器モジュール130は反対の方を向いており、それゆえに、第3のベルトインターフェースユニットは
図1に示されていない。
図1に描かれた受信器モジュールおよびベルトインターフェースユニットの構成および配置は、あくまで模式的であることが理解されるであろう。当業者であれば、これらの構成要素の適切な構成および配置を認識するであろう。
【0033】
センサアセンブリが第1のベルトインターフェースユニット135を通過する際に、システムはさまざまな機能を果たしてもよい。例えば、ベルトインターフェースユニットは、電磁誘導充電を介して、センサアセンブリ中の電源を充電してもよい。あるいは、または、くわえて、ベルトインターフェースユニットは、センサアセンブリにより送信されたデータを受信してもよい。1つの全てのベルトインターフェースユニットが、所与のシステム中で同じ機能を果たしてもよいことが理解されるであろう。例えば、ある場合、全てのベルトインターフェースユニットが電磁誘導充電機能を果たしてもよいが、単一のベルトインターフェースユニットのみがデータを収集してもよい。できるだけ多くの、または、できるだけ少ないベルトインターフェースユニットが、所望の充電および/またはデータ収集機能を果たしてもよいことが理解されるであろう。
【0034】
図2は、コンベヤベルト用の内蔵のセンサアセンブリの模式的な分解図である。
図2に示すように、センサアセンブリ200が、リンク205と、ハウジング210と、リンク205に(例えば留め具220で)取り付け可能で、かつ、ベルトの張力を測定するよう構成されたロードセル215とを含んでいてもよい。ハウジング210は、ロードセル215の少なくとも一部を受け入れるよう構成された第1の空洞225と、(
図2では電子機器ポッド235として示す)1つまたはそれ以上の電子部品を受け入れるよう構成された第2の空洞230とを含んでいる。センサアセンブリ200は、複数の留め具245(例えばネジ)を介して取り外し可能に取り付け可能な、電子機器空洞カバー240をも含んでいる。
【0035】
図3は、
図2に示す内蔵のセンサアセンブリの第2の模式的な斜視図である。
図3に示すように、センサアセンブリ200は、連接棒を介して、ベルトの他のリンクに、回動可能に取り付けられていてもよい。例えば、案内連接棒(leading connecting rod)300および従動連接棒(trailing connecting rod)305が示されている。案内連接棒300は案内棒軸310に沿って延びており、従動連接棒は従動棒軸315に沿って延びている。案内棒軸310および従動棒軸315は、センサアセンブリ200の水平軸320に、実質的に平行に延びている。しかしながら、ベルトが方向転換することを可能にするためにセンサアセンブリ構成要素の先端(leading end)の開口が楕円形/長孔とされているゆえに、軸310の角度がセンサアセンブリに対して変化してもよいことが理解されるであろう。
【0036】
図3に示すように、垂直軸325が水平軸320に垂直に延びており、長軸330が、前後方向に、(矢印335で示す)ベルト移動の方向に平行に、かつ、水平軸320および垂直軸325に垂直に延びている。
【0037】
したがって、本開示の発明に係るコンベヤベルトは、複数の連接棒により接続された複数のリンク、少なくとも第1のリンクを含む複数のリンク、および、第1のリンクに取り付けられたセンサアセンブリを含んでいてもよい。
【0038】
図3に示すように、ロードセルの第1の端部が、リンク205の横方向の延長部に、留め具220で取り付けられており、かつ、コンベヤベルトの張力によりロードセルがリンクの第2の脚部の伸長部を検知するよう構成されるように、連接棒の1つがそれを通って延びている開口を、ロードセルの第2の端部が含んでいる。
【0039】
図4は、
図2に示すセンサアセンブリの電子機器ハウジングの模式的な斜視図である。
図4に示すように、ハウジング210は、案内側(leading side)400および従動側405を含んでいる。くわえて、ハウジング210は、ロードセルを受け入れるよう構成された第1の部分410と、電子機器ポッドを受け入れるよう構成された第2の部分415とを含んでいる。
【0040】
図5は、
図4に示す電子機器ハウジングの第2の模式的な斜視図である。
図5に示すように、ハウジング210は、ロードセルと電子機器ポッドとの間に配線を収容するよう構成された貫通孔500を含んでいる。くわえて、ハウジング210の第1の部分410は、第1の案内棒開口505および第1の従動棒開口510を含んでいる。さらに、ハウジング210の第2の部分415は、第2の案内棒開口515および第2の従動棒開口520を含んでいる。これらの4つの開口は、連接棒を受け入れるよう構成されている(
図3参照)。
図5に示すように、第1の案内棒開口505および第2の案内棒開口515は、ベルトをターンカーブベルトとすることができるように、楕円形/長孔とされていてもよい。
【0041】
図6は、
図4に示す電子機器ハウジングの第3の模式的な斜視図である。
図6は、空洞225、貫通孔500、第1の案内棒開口505および第1の従動棒開口510を、より良く示している。
【0042】
図7は、
図2に示す内蔵のセンサアセンブリの電子機器ポッドの模式的な斜視図である。
図7に示すように、電子機器ポッド235は、ロードセルに関連付けられた電子機器、ジャイロ(角度)センサおよび/または加速度計などの、1つまたはそれ以上のセンサを収容する、センサパック700を含んでいてもよい。くわえて、電子機器ポッド235は、バッテリーまたはキャパシタ(コンデンサともいう)などの、少なくとも1つの電源を含んでいる。
図7に示すように、電子機器ポッド235は、第1のキャパシタ705および第2のキャパシタ710を含んでいる。
【0043】
キャパシタは、複数の理由で、バッテリーよりも有益である。第1に、キャパシタはバッテリーよりも速く充電できる。センサアセンブリは、受信モジュールを素早く通過するため、電磁誘導充電が起きる時間は限られている。ゆえに、キャパシタは、その短い期間に達成できる充電の量を最大化する。第2に、キャパシタは、低温において、バッテリーよりも放電量が少ない。開示したコンベヤは低温で利用できるので、低温でのキャパシタの格別の性能は有益である。同じことが、バッテリーよりもキャパシタの方がより安定する、高めの温度に当てはまる。ここでも、開示されたベルトシステムを高温環境で使用できるので、キャパシタはバッテリーに対して利点を有している。
【0044】
図8は、
図2に示す内蔵のセンサアセンブリのリンクおよびロードセルアセンブリ(link and load cell assembly)の模式的な分解図である。
図8に示すように、リンク205は、実質的にU字形状とされていてもよく、第1の脚部800、第2の脚部805、および、第1の脚部800と第2の脚部805との間を延びる接続部810を含んでいる。リンク205は第1の脚部800に、第1の案内棒開口815および第1の従動棒開口820をも含んでいる。またリンク205は、第1の案内棒開口815の反対側の第2の案内棒開口(図示せず)(
図10の第2の案内棒開口1005参照)と、第2の従動棒開口825とを含んでいる。
【0045】
図8にさらに示すように、リンク205は、ロードセル215の少なくとも一部を受け入れるよう構成された空洞または受容部835を有する、横方向の延長部830を含んでいる。くわえて、横方向の延長部830は、(ロードセル215の留め具開口845を通じて)留め具220を受け入れてロードセル215をリンク205に固定するよう構成された、ネジ孔(threading opening)840を含んでいる。
【0046】
図9は、リンクおよびロードセルアセンブリの別の模式的な分解図である。
図9に示すように、リンク205は、実質的にU字形状とされている。さらに
図9に示すように、ロードセル215は貫通孔900を含んでいる。
【0047】
図10は、
図2に示すアセンブリのリンク部分の模式的な斜視図である。
図10に示すように、リンク205は、連接棒を収容するよう構成された凹部1000を含んでいる。くわえて、
図10は、上述した第2の案内棒開口1005をも示している。図示したように、第2の案内棒開口1005は、ベルトをターンカーブベルトとすることができるように、楕円形/長孔とされていてもよい。
【0048】
図11は、リンクの第2の模式図である。
図11に示すように、リンク205の接続部810は、連接棒を収容するために、従動側に溝1100を含んでいる。溝1100は、ベルト動作中にアセンブリを安定させる。
【0049】
図12は、リンクの第3の模式図である。
図12では、凹部1000ならびに第1の従動棒開口820および受容部835がより良く見える。
図12に示すように、第1の従動棒開口820の一部と受容部835とが交差していてもよい。
【0050】
図13は、リンクの第4の模式図である。ここでも、リンク205のU字形状の構成を図示している。くわえて、
図13に示すように、横方向の延長部は、リンク205の全体の長さよりも短くてもよい。図示したように、リンク205の全体の長さ1300は、リンク205の先端1305および後端(trailing end)1310の間を延びている。横方向の延長部830の長さ1315は、全体の長さ1300よりもかなり短くされている。この配置により、案内連接棒はロードセルを通り抜けない。これにより、より安定したひずみ測定が提供される。
【0051】
ロードセルは第1の端部および第2の端部を有しており、そこでは、リンクの本体にロードセルの第1の端部を取り付けるために、第1の端部は、留め具を挿通できる開口を含んでおり、かつ、ロードセルの第2の端部は、ベルトの連接棒を受け入れるよう構成された第2の開口を有している。
【0052】
図14は、
図2に示すセンサアセンブリのロードセルの模式的な斜視図である。ロードセル215は、ロードセル215の先端の、先に論じた留め具開口845と、ロードセル215の後端の棒開口1400とを含んでいてもよい。(
図8および
図9も参照。)
図15は、ロードセルの別の模式図である。
図15は、ロードセル215を通る貫通孔900をより良く見せている。
【0053】
図16は、例示的な実施の形態に係るデータ収集システムの内蔵の構成要素を示すブロック図である。
図16に示すように、システムは、ベルト上の(on-belt)電子機器ポッド1600を含んでいてもよい。いくつかの実施の形態では、ポッド1600は、ロードセルに関係する張力センサ電子機器1630を含んでいてもよい。他の実施の形態では、生のロードセルデータが、電子機器ポッドにより単に受信されてもよい。くわえて、ポッド1600は、ベルト経路に沿ったセンサアセンブリの位置特定を促進するよう構成された、位置センサ1635または電子装置を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施の形態では、システムは、ベルトの速さおよび(例えば、センサアセンブリが最後に受信モジュールを通過してからの)経過時間を利用して、センサアセンブリが所与の時間にベルト経路に沿ってどれだけ進んだかを算定してもよい。
【0054】
くわえて、ポッド1600は、3つの軸におけるベルト角度を検知するよう構成された、ジャイロセンサ1640を含んでいる。例えば、センサアセンブリが長軸(ベルト移動の方向に沿って延びる前後軸)回りに非水平の角度(non-horizontal angle)で方位付けられていると検知された場合、このことはベルトが「跳ね上がっている」ことを示している可能性があり、その際、ベルトの一部が、その適切な水平位置から上方に跳ねている可能性がある。同様に、ポッド1600は、同じ3つの軸に沿ってベルト加速度を測定するよう構成された、加速度センサ1645を含んでいる。例えば、長軸に沿ったベルトの加速における変動を検知するということは、波打ち(surging)を示している可能性がある。さらに、3つの軸におけるベルト角度と3つの軸に沿ったベルト加速度とを検知することにより、ベルト運転の多くの他の局面を判定するために集合的に分析できる、6つの値が提供される。
【0055】
ポッド1600は、1つまたはそれ以上のキャパシタ1650をも含んでいる。キャパシタ1650は、第1のキャパシタ705および第2のキャパシタ710に関して上述した特徴のいずれを含んでいてもよい。
【0056】
くわえて、ポッド1600は、内蔵の制御器( onboard controller )1605を含んでいてもよい。制御器1605は、サーバ、回路構成、ディスプレイなどの、さまざまな計算および通信ハードウェアを含んでいてもよい。さらに、制御器1605は、デバイスプロセッサ1610と、データを受信および送信することなどの本明細書で検討する処理を行うための、デバイスプロセッサ1610により実行可能な命令を含む、持続性(非一時的な)コンピュータ読み取り可能媒体(non-transitory computer readable medium)1615とを含んでいる。
【0057】
内蔵の構成要素は、比較的低い電圧で作動するよう構成されている。このことにより、キャパシタの電荷が低いときに、システムが作動し続けることが可能となり、キャパシタの利用が最大化される。いくつかの実施の形態では、内蔵の制御器が、約0.1~約5.5ボルトの範囲の電力供給で機能するよう構成されている。いくつかの実施の形態では、内蔵の制御器は、約5.5ボルト未満の電力供給で機能するよう構成されている。
【0058】
持続性コンピュータ読み取り可能媒体は、メモリ(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、または、本技術で公知の任意の他の種類のメモリ)などの、任意の適切なコンピュータ読み取り可能媒体を含んでいてもよい。いくつかの実施の形態では、持続性コンピュータ読み取り可能媒体は例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁気記憶装置、半導体記憶装置、または、このような装置の任意の適切な組み合わせを含んでいてもよい。持続性コンピュータ読み取り可能媒体の、より詳しい例は、ポータブルコンピュータディスケット、フロッピーディスク、ハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、および、これらの例示的な媒体の任意の適切な組み合わせを含んでいてもよい。本明細書で使用する持続性コンピュータ読み取り可能媒体は、電波もしくは他の自由に伝播する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光パルス)、または、電線を通って送信される電気信号などの一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0059】
本発明の運転を実行するために持続性コンピュータ読み取り可能媒体に記憶された命令は、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、アセンブラ命令、機械命令、機械依存命令(machine dependent instruction)、マイクロコード、ファームウェア命令、集積回路用の構成データ(configuration data)、状態設定データ(state-setting data)、または、Smalltalk、C++もしくは適切な言語などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語とを含む、1つもしくはそれ以上のプログラミング言語のいずれかで書かれたソースコードもしくはオブジェクトコードであってもよい。
【0060】
本開示の局面を、方法、機器(システム)およびコンピュータ製品(computing products)のフローチャートおよび/またはブロック図を示す図と関連付けて説明する。フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックが、コンピュータ読み取り可能命令により実装されることが理解されるであろう。図中のフローチャートおよびブロック図は、開示されたさまざまな実施の形態の、考え得る実施態様の構成、機能性および運転を示している。したがって、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、モジュール、セグメント、または、命令の一部を示していてもよい。いくつかの実施態様では、図および請求項に説明された機能が、列記および/または図示されたものに代わる順序で起きてもよい。
【0061】
制御器1605は、LAN、WLANまたは他のネットワークなどのネットワークの他のノードと連係する(interface)よう構成されたネットワーキングハードウェアを含んでいてもよい。さらに、制御器1605は、複数の供給源からのデータを受信するよう、かつ、1つまたはそれ以上の外部の届け先に情報を通信するよう構成されていてもよい。したがって、制御器1605は、受信器1620および送信器1625を含んでいてもよい。(いくつかの実施の形態では受信器および送信器がトランシーバ内で組み合わされていてもよいことが、認識されるであろう。)
任意の適切な通信プラットフォームおよび/またはプロトコルを、制御器1605とシステムの他の構成要素との間の通信用に利用してもよい。情報のさまざまな供給源はそれぞれ、その独自のプラットフォームおよび/またはプロトコルを有していてもよいため、システムは、データを受信するために各プラットフォームおよび/またはプロトコルと連係するよう構成されていてもよい。
【0062】
いくつかの実施の形態では、制御器1605のコンピュータ読み取り可能媒体1615は、1つまたはそれ以上のセンサからデータを受信するため、かつ、外部の制御器( offboard controller )1700へデータを送信するために、プロセッサ1610により実行可能な命令を含んでいる。
【0063】
図17は、データ収集システムの外部の構成要素(すなわち、受信モジュール中に存在する、または、他の仕方で受信モジュールに関連付けられた構成要素)を示すブロック図である。内蔵の制御器1605に類似して、外部の制御器1700は、デバイスプロセッサ1705、持続性コンピュータ読み取り可能媒体1710、受信器1715、および、送信器1720を含んでいてもよい。制御器1700およびその構成要素の特徴および特性は、内蔵の制御器1605に関して上述したものと類似していてもよい。
【0064】
受信器モジュールが、ベルトが受信器モジュールを通過する際に、ベルトに内蔵された電源を電磁誘導充電するよう構成された装置をも含んでいてもよいことに気付くであろう。すなわち、受信器モジュールは、ベルトに内蔵された電子機器ポッド中のキャパシタを電磁誘導充電するよう構成された電磁誘導充電装置を含んでいる。
【0065】
図17に示すように、外部の制御器1700は、張力データ1725、位置データ1730、ジャイロデータ1735および/または加速度データ1740を受信するよう構成されていてもよく、これらすべては内蔵の制御器1605から来る。外部の制御器1700は、このデータを収集して、1つまたはそれ以上の処理ステップを行ってもよい。例えば、ある場合、外部の制御器は、収集されたデータの生の読み込み(live readings)1745、または、データに基づいて判定されたパラメータを生成するよう構成されていてもよい。そのような生の読み込みは、顧客および/またはシステム製造業者用に、スクリーンまたはグラフィカルユーザーインターフェースを介して生成されてもよい。
【0066】
あるいは、または、くわえて、外部の制御器1700は、データ(1750)の間で、1つまたはそれ以上の比較を行うよう構成されていてもよい。例えば、傾向を観察するために、現在のデータを、先に収集されたデータと比較することができる。このような傾向は、摩耗または他の不調を示している場合があり、不調のベルトが激甚な不具合に至る前に行動を取ることを可能にする。
【0067】
あるいは、または、くわえて、外部の制御器1700は、測定されたパラメータが所定の範囲外に当たる場合に、1つまたはそれ以上の警戒または警報(1755)を起動するよう構成されていてもよい。例えば、ベルト張力が所定の閾値よりも上であるのが検知された場合、システムを確認できるように警戒が発せられてもよい。同様に、ベルト角度および/またはベルト加速度が所定の範囲外に当たる場合に、警戒が発せられてもよい。
【0068】
運転データが、位置データと並んで収集されるため、閾値は、静的である代わりに動的である場合がある。例えば、らせん状システムの性質ゆえに、ベルトの張力は通常、ベルトがらせんを上昇するにつれて増加する。ゆえに、閾値は動的であってもよく、その際、らせんの底部付近で警戒を発動するのに、低めの張力が必要とされ、らせんの頂部付近で警戒を発するのに、高めの張力が必要とされる。同様の理由で、許容可能なベルト加速度の範囲も動的であってもよい。これは、ベルトが、ベルト経路の異なる位置において、異なる量で、かつ、異なる方向に加速すると予期されるためである。くわえて、ベルト角度に関し、ベルトは水平方向に移動するだけでなく、垂直方向にも、かつ、スロープに沿っても、(らせん内で)移動するため、および、ある場合、盛り上がってさえ(例えば、コーナーの周りを)移動するため、ベルトの予期される角度が、ベルト経路周りで変化する。ゆえに、測定されたベルト角度の許容度を考慮する際に、角度がどうあるべきかについての動的な予期(dynamic expectation)が使用される。
【0069】
さらに、ベルト経路についてデータを収集し、かつ、それぞれのデータが記憶される箇所を記録することにより、システムの「指紋」が、任意の所与の時間に生成されてもよい。ある場合、指紋全体を、先に記憶された指紋と比較してもよい。
【0070】
図18は、ベルト張力を監視する方法を説明するフローチャートである。検討される運転の順序が、いくらか変化してもよいことが理解されるであろう。
図18に示すように、位置データがステップ1800で収集される一方、ベルト張力はステップ1805で検知される。位置データはステップ1810で、外部の制御器にダウンロード/送信され、測定された張力はステップ1815で、外部の制御器にダウンロード/送信される。いくつかの実施の形態では、張力データは、外部に送信される前にバッファ格納されてもよい。これにより、データの収集全体について要求されるメモリの量が低減される。これにより、電子機器ポッドに要求されるサイズが低減され、それは実装に関して有益である。同様の理由で、システムは、他の種類のデータを送信前にバッファ格納するようにも構成されていてもよい。
【0071】
ステップ1820で、動的な張力閾値が選択され、かつ、ステップ1825で、測定された張力が、収集された位置データに基づき、対応する位置で、閾値を超えているかに関し、評価が行われる。はい、の場合、ステップ1830で警報が出され、システムはベルトの張力を監視し続ける。いいえ、の場合、システムは単にベルトの運転を監視し続ける。
【0072】
図19は、ベルト角度を監視する方法を説明するためのフローチャートである。上記
図18に類似して、位置データがステップ1900で収集されるのに対し、ベルト角度はステップ1905で検知される。次いで、位置データはステップ1910で外部にダウンロード/送信され、角度データはステップ1915で外部にダウンロード/送信される。動的な角度閾値(すなわち、角度値の許容範囲)が、位置データに基づいてステップ1920で判定され、かつ、検知された角度が許容範囲に入るかに関し、ステップ1925で評価が行われる。この評価が3つの軸すべてにおいて行われることが、理解されるであろう。ベルト角度が、3つの軸のいずれかにおいて、予期される範囲から外れる場合、ステップ1930で警戒が出される。
【0073】
図20は、ベルト加速度を監視する方法を説明するフローチャートである。位置データがステップ2000で収集されるのに対し、ベルト加速度はステップ2005で検知される。次いで、位置データはステップ2010で外部にダウンロード/送信され、角度データはステップ2015で外部にダウンロード/送信される。動的な加速度閾値(すなわち、加速度値の許容範囲)が、位置データに基づいてステップ2020で判定され、かつ、検知された加速度が許容範囲に入るかに関し、ステップ2025で評価が行われる。この評価が3つの軸すべてにおいて行われることが、理解されるであろう。ベルト加速度が、3つの軸のいずれかに沿って、予期される範囲から外れる場合、ステップ2030で警戒が出される。
【0074】
本明細書で検討された実施の形態は、開示のシステムの効率および効果性を向上させるために、人工知能において方法およびシステムを使用してもよい。本明細書で使用する際、「人工知能」は、機械学習および関係する分野で公知のいずれの方法を含んでいてもよい。例として、人工知能は、深層学習およびマシンビジョンで使用されるシステムおよび方法を含んでいてもよい。
【0075】
さまざまな実施の形態を説明したが、本説明は、限定的であることではなく例示的であることを意図しており、本実施の形態の範囲内にある、より多くの実施の形態および実施態様が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。特徴の考え得る組み合わせを多く、添付図面に示し、かつ、この詳細な説明で検討したが、開示された特徴の他の組み合わせも多く考え得る。具体的に規制されていない限り、任意の実施の形態の任意の特徴を、任意の他の実施の形態における任意の他の特徴または要素と、組み合わせて、または、置き換えて使用してもよい。ゆえに、本開示において示された、かつ/または、検討された特徴のいずれも、任意の適切な組み合わせで、ともに実施されてもよいことが理解されるであろう。したがって、本実施の形態は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物に照らしてのみ、規制される。また、さまざまな修正および変更を、添付の特許請求の範囲内で行うことができる。
【外国語明細書】