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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022768
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】バルブ部材に用いる双方向駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/18 20060101AFI20250206BHJP
   F16K 3/02 20060101ALI20250206BHJP
   F16K 31/122 20060101ALI20250206BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
F16K3/18 B
F16K3/02 C
F16K31/122
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108158
(22)【出願日】2024-07-04
(31)【優先権主張番号】112128959
(32)【優先日】2023-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】513311620
【氏名又は名称】新▲莱▼應材科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林正祺
【テーマコード(参考)】
3H053
3H056
5F131
【Fターム(参考)】
3H053AA03
3H053AA26
3H053BA04
3H053BA05
3H053DA01
3H053DA09
3H056AA05
3H056BB24
3H056BB33
3H056CA01
3H056CB05
3H056CD04
3H056DD03
3H056GG03
3H056GG14
5F131HA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バルブに用いる双方向駆動装置を提供する。
【解決手段】エアシャフトスリーブ21は本体11内に上昇したり降下したりできるように配置される。軸31はエアシャフトスリーブ21内に前後に移動可能に配置される。一つ以上の横ピストンは軸31に連結され、かつ前後に移動可能に装着される。バルブ部材に用いる双方向駆動装置が稼働する際、第一気体流路から流入した気体によってエアシャフトスリーブ21を上昇させ、そののち第二気体流路から流入した気体によって横ピストンを前に移動させるとともに軸31の上昇および水平方向の前進を促す。続いて第三気体流路から流入した気体によって横ピストンを後に移動させ、そののち第四気体流路から流入した気体によってエアシャフトスリーブ21を降下させるとともに軸31の水平方向の後退および降下を促す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、エアシャフトスリーブ、軸、水平移動ブロック、第一気体流路、第二気体流路、第三気体流路、第四気体流路およびリリーフ弁を備え、
前記本体は上下に伸びていく縦通路、一つ以上の前後に伸びていく横ピストン室および一つ以上の上下に伸びていく補助ピストン室を有し、前記縦通路は周りが壁面であり、一つ以上の前記横ピストン室は内部に前進位置と後退位置との間を移動できる横ピストンを有し、
前記本体はさらに前後に伸びていくサブ通路、サブシールリング、サブピストンおよび下端シールリングを有し、前記サブ通路は一つ以上の前記横ピストン室に繋がるように配置され、前記サブシールリングは前記サブ通路の内部に配置され、前記サブピストンは前記横ピストンに配置され、かつ前記サブ通路の後端から入って前記サブシールリングに嵌合したうえで前記サブ通路をスライドし、前記下端シールリングは前記縦通路の前記壁面に配置され、
前記エアシャフトスリーブは前記縦通路の中に前記下端シールリングに嵌合し、かつスライドできるように配置され、
前記エアシャフトスリーブは中空の細長い構造であり、最高位置と最低位置との間を移動し、かつ前記縦通路の前記壁面との間に気体を流入させるための隙間を有し、
前記エアシャフトスリーブは中間シールリングおよび一つ以上の補助ピストンを有し、前記中間シールリングは前記エアシャフトスリーブに環状に配置され、同時に前記縦通路の前記壁面に当接し、前記中間シールリングは前記下端シールリングより高く、一つ以上の前記補助ピストンはそれぞれ下から上の前記補助ピストン室に入り込むように配置され、
前記軸は一部分が前記エアシャフトスリーブ内に前後に移動できるように据えられ、かつ前記エアシャフトスリーブに伴って上昇したり降下したりでき、
前記軸は前記エアシャフトスリーブおよび前記本体の上方に突出した露出部位を有し、
前記水平移動ブロックは一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンに装着され、かつ前記横ピストンとともに前記本体の内部を前後に移動し、
前記軸は前記水平移動ブロックを貫通して上下に移動できると同時に前記水平移動ブロックとともに前後に移動でき、
前記第一気体流路は前記本体に配置され、一端が前記本体の外部に繋がる外端部となり、別の一端が前記縦通路に繋がる内端部となり、
前記エアシャフトスリーブが前記最低位置に据えられる際、前記第一気体流路の前記内端部は前記中間シールリングより低く、
前記第二気体流路は前記本体に配置され、一端が前記縦通路に繋がる下端部となり、別の一端が一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンの後方と前記本体との間の空間に繋がる上端部となり、前記第二気体流路の前記下端部は前記下端シールリングより低く、
前記第三気体流路は前記本体に配置され、一端が一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンの前方と前記本体との間の空間に繋がる前端部となり、別の一端が前記本体の外部に繋がる外端部となり、
前記第四気体流路は前記本体に配置され、一端が前記サブ通路の前端に繋がる上端部となり、別の一端が一つ以上の前記補助ピストン室に繋がる下端部となり、
前記エアシャフトスリーブが前記最高位置に据えられる際、前記第四気体流路の前記下端部は一つ以上の前記補助ピストンより高く、
前記リリーフ弁は前記本体に配置され、前記第二気体流路および前記本体の外部に繋がり、
前記エアシャフトスリーブは外側に凹んで形成された触発溝を有し、
前記エアシャフトスリーブが前記最高位置に据えられる際、前記触発溝は前記下端シールリングの上方の前記隙間と前記下端シールリングの下方の空間を繋げることで前記第二気体流路の前記下端部に繋がり、
前記サブピストンは外側に凹んで形成されたサブ触発溝を有し、
一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンが前記後退位置に据えられる際、前記サブ触発溝は前記サブシールリングの後方の一つ以上の前記横ピストン室と前記第四気体流路の前記上端部を繋げることを特徴とするバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項2】
前記縦通路は前記壁面に上肩部および底部シールリングを有し、前記上肩部は前記壁面の内側に突出して形成され、前記底部シールリングは前記下端シールリングの下方に位置し、
前記エアシャフトスリーブは上方当接部を有し、前記上方当接部は前記隙間の中かつ前記エアシャフトスリーブの外側に突出して形成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項3】
前記エアシャフトスリーブが前記最低位置に据えられる際、前記第一気体流路の前記内端部は前記中間シールリングより低く、前記下端シールリングより高いことを特徴とする請求項2に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項4】
前記第二気体流路の前記下端部は前記下端シールリングより低く、前記底部シールリングより高いことを特徴とする請求項2に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項5】
前記エアシャフトスリーブは内部に位置制限ロッドを有し、前記位置制限ロッドは前記軸を作動可能に貫通し、
前記軸は前記エアシャフトスリーブの中に前記位置制限ロッドに沿って前後に移動し、同時に前記位置制限ロッドの作動によって前記エアシャフトスリーブとともに上昇したり降下したりすることを特徴とする請求項1に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項6】
前記横ピストン室は二つであり、二つの前記横ピストン室は前記軸の両側に配置され、それぞれ内部に前記横ピストンを有し、
前記第二気体流路および前記第三気体流路は分岐して二つの前記横ピストン室に繋がることを特徴とする請求項1に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項7】
二つの前記横ピストン室のうちの一つは前記サブ通路を有し、二つの前記横ピストンのうちの一つは前記サブピストンを有することを特徴とする請求項6に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項8】
前記リリーフ弁は触発部材を有し、前記触発部材は一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンに連結されて前記横ピストンとともに前後に移動し、
前記横ピストンが前記前進位置に据えられる際、前記触発部材は前記リリーフ弁にタッチせず、前記リリーフ弁を閉鎖することによって前記第二気体流路と前記本体の外部との連絡を遮断し、
前記横ピストンが前記後退位置に据えられる際、前記触発部材は前記リリーフ弁にタッチし、前記リリーフ弁を開放し、前記リリーフ弁が開放されると前記第二気体流路が前記本体の外部に繋がることを特徴とする請求項1に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項9】
本体、エアシャフトスリーブ、軸、水平移動ブロック、第一気体流路、第二気体流路、第三気体流路、第四気体流路およびリリーフ弁を備え、
前記本体は上下に伸びていく縦通路および一つ以上の前後に伸びていく横ピストン室を有し、前記縦通路は周りが壁面であり、一つ以上の前記横ピストン室は内部に前進位置と後退位置との間を移動できる横ピストンを有し、
前記本体はさらに前後に伸びていくサブ通路、サブシールリング、サブピストンおよび下端シールリングを有し、前記サブ通路は一つ以上の前記横ピストン室に繋がるように配置され、前記サブシールリングは前記サブ通路の内部に配置され、前記サブピストンは前記横ピストンに配置され、かつ前記サブ通路の前端から入って前記サブシールリングに嵌合したうえで前記サブ通路をスライドし、前記下端シールリングは前記縦通路の前記壁面に配置され、
前記エアシャフトスリーブは前記縦通路の中に前記下端シールリングに嵌合し、かつスライドできるように配置され、
前記エアシャフトスリーブは中空の細長い構造であり、最高位置と最低位置との間を移動し、かつ前記縦通路の前記壁面との間に気体を流入させるための隙間を有し、
前記エアシャフトスリーブは中間シールリングを有し、前記中間シールリングは前記エアシャフトスリーブに環状に配置され、同時に前記縦通路の前記壁面に当接し、前記中間シールリングは前記下端シールリングより高く、
前記軸は一部分が前記エアシャフトスリーブ内に前後に移動できるように据えられ、かつ前記エアシャフトスリーブに伴って上昇したり降下したりでき、
前記軸は前記エアシャフトスリーブおよび前記本体の上方に突出した露出部位を有し、
前記水平移動ブロックは一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンに装着され、かつ前記横ピストンとともに前記本体の内部を前後に移動し、
前記軸は前記水平移動ブロックを貫通して上下に移動できると同時に前記水平移動ブロックとともに前後に移動でき、
前記第一気体流路は前記本体に配置され、一端が前記本体の外部に繋がる外端部となり、別の一端が前記縦通路に繋がる内端部となり、
前記エアシャフトスリーブが前記最低位置に据えられる際、前記第一気体流路の前記内端部は前記中間シールリングより低く、
前記第二気体流路は前記本体に配置され、一端が前記縦通路に繋がる下端部となり、別の一端が一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンの後方と前記本体との間の空間に繋がる上端部となり、前記第二気体流路の前記下端部は前記下端シールリングより低く、
前記第三気体流路は前記本体に配置され、一端が一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンの前方と前記本体との間の空間に繋がる前端部となり、別の一端が前記本体の外部に繋がる外端部となり、
前記第四気体流路は前記本体に配置され、一端が前記サブ通路の前端に繋がる上端部となり、別の一端が前記縦通路に繋がる下端部となり、
前記エアシャフトスリーブが前記最高位置に据えられる際、前記第四気体流路の前記下端部は前記中間シールリングより高く、
前記リリーフ弁は前記本体に配置され、前記第二気体流路および前記本体の外部に繋がり、
前記エアシャフトスリーブは外側に凹んで形成された触発溝を有し、
前記エアシャフトスリーブが前記最高位置に据えられる際、前記触発溝は前記下端シールリングの上方の前記隙間と前記下端シールリングの下方の空間を繋げることで前記第二気体流路の前記下端部に繋がり、
前記サブピストンは外側に凹んで形成されたサブ触発溝を有し、
一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンが前記前進位置に据えられる際、前記サブ触発溝は前記サブシールリングの後方の一つ以上の前記横ピストン室と前記第四気体流路の前記上端部を繋げることを特徴とするバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項10】
前記縦通路は前記壁面に上肩部、下肩部、上端シールリングおよび底部シールリングを有し、前記上肩部は前記壁面の内側に突出して形成され、前記下肩部は前記上肩部の下方に位置し、前記上端シールリングは前記上肩部の上方に位置し、前記底部シールリングは前記下端シールリングの下方に位置し、前記下端シールリングは前記下肩部の下方に位置し、前記上端シールリングおよび前記底部シールリングは前記隙間内の空気を前記本体の外部へ漏出させないように保ち、
前記エアシャフトスリーブは上方当接部および下方当接部を有し、前記上方当接部および下方当接部は前記隙間の中かつ前記エアシャフトスリーブの外側に突出して形成されることを特徴とする請求項9に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項11】
前記エアシャフトスリーブが前記最低位置に据えられる際、前記第一気体流路の前記内端部は前記中間シールリングより低く、前記下端シールリングより高いことを特徴とする請求項10に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項12】
前記第二気体流路の前記下端部は前記下端シールリングより低く、前記底部シールリングより高いことを特徴とする請求項10に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項13】
前記エアシャフトスリーブが前記最高位置に据えられる際、前記第四気体流路の前記下端部は前記中間シールリングより高く、前記上端シールリングより低いことを特徴とする請求項10に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項14】
前記エアシャフトスリーブは内部に位置制限ロッドを有し、前記位置制限ロッドは前記軸を作動可能に貫通し、
前記軸は前記エアシャフトスリーブの中に前記位置制限ロッドに沿って前後に移動し、同時に前記位置制限ロッドの作動によって前記エアシャフトスリーブとともに上昇したり降下したりすることを特徴とする請求項9に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項15】
前記横ピストン室は二つであり、二つの前記横ピストン室は前記軸の両側に配置され、それぞれ内部に前記横ピストンを有し、
前記第二気体流路および前記第三気体流路は分岐して二つの前記横ピストン室に繋がることを特徴とする請求項9に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項16】
二つの前記横ピストン室のうちの一つは前記サブ通路を有し、二つの前記横ピストンのうちの一つは前記サブピストンを有することを特徴とする請求項15に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【請求項17】
前記リリーフ弁は触発部材を有し、前記触発部材は一つ以上の前記横ピストン室内の前記横ピストンに連結されて前記横ピストンとともに前後に移動し、
前記横ピストンが前記前進位置に据えられる際、前記触発部材は前記リリーフ弁にタッチせず、前記リリーフ弁を閉鎖することによって前記第二気体流路と前記本体の外部との連絡を遮断し、
前記横ピストンが前記後退位置に据えられる際、前記触発部材は前記リリーフ弁にタッチし、前記リリーフ弁を開放し、前記リリーフ弁が開放されると前記第二気体流路が前記本体の外部に繋がることを特徴とする請求項9に記載のバルブ部材に用いる双方向駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートバルブに関し、詳しくはバルブ部材に用いる双方向駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された双方向バルブは、第一駆動ユニットで第一作動体を動かし、第二駆動ユニットで第二作動体を動かすことによってモジュールを左または右に移動させ、同時に第一密封プレートまたは第二密封プレートに二つの入口に対して選択的に密封させる。
【0003】
しかし、特許文献1の双方向バルブは構造が複雑で、部品が多く、組立が難しいだけでなく、作動精度にも問題がある。
【0004】
特許文献2に開示された双方向移動弁駆動装置は、二つの流路中の二つのピストンロッドを前進させたり後退させたりすると同時に二つのガイドロッドおよびシリンダピストンロッドによって双方向移動を実現させる。
【0005】
特許文献2に開示された双方向移動弁駆動装置は、構造が簡素であるが、二つの流路を前進または後退する動作が引っかかり、スムーズにならない場合があるため、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許I503914号公報
【特許文献2】台湾特許I730808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はバルブ部材に用いられ、バルブ部材に双方向作動を確実に達成させることで作動が引っ掛かるという問題を排除する、双方向駆動装置を提供することを主な目的とする。
【0008】
本発明はバルブ部材に用いられ、バルブ部材を推進する即ちバルブ部材を上昇させてから水平方向に前進させる手順と、バルブ部材を後退させる即ちバルブ部材を水平方向に後退させてから降下させる手順とが確実に実現できる双方向駆動装置を提供することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、バルブ部材に用いる双方向駆動装置は、本体、エアシャフトスリーブ、軸、水平移動ブロック、第一気体流路、第二気体流路、第三気体流路、第四気体流路およびリリーフ弁を備える。
本体は、縦通路、一つ以上の前後に伸びていく横ピストン室および一つ以上の上下に伸びていく補助ピストン室を有する。
縦通路は、周りが壁面である。
一つ以上の横ピストン室は、内部に前進位置と後退位置との間を移動できる横ピストンを有する。
本体は、さらに前後に伸びていくサブ通路、サブシールリング、サブピストンおよび下端シールリングを有する。
サブ通路は、一つ以上の横ピストン室に繋がるように配置される。
サブシールリングは、サブ通路の内部に配置される。
サブピストンは、横ピストンに配置され、かつサブ通路の後端から入ってサブシールリングに嵌合したうえでサブ通路をスライドする。
下端シールリングは、縦通路の壁面に配置される。
エアシャフトスリーブは、縦通路の中に下端シールリングに嵌合し、かつスライドできるように配置される。
エアシャフトスリーブは、中空の細長い構造であり、最高位置と最低位置との間を移動し、かつ縦通路の壁面との間に気体を流入させるための隙間を有する。
エアシャフトスリーブは、中間シールリングおよび一つ以上の補助ピストンを有する。
中間シールリングは、エアシャフトスリーブに環状に配置され、同時に縦通路の壁面に当接する。
中間シールリングは、下端シールリングより高い。
一つ以上の補助ピストンは、それぞれ下から上の補助ピストン室に入り込むように配置される。
軸は、一部分がエアシャフトスリーブ内に前後に移動できるように据えられ、同時にエアシャフトスリーブに伴って上昇したり降下したりできる。
軸は、エアシャフトスリーブおよび本体の上方に突出した露出部位を有する。
水平移動ブロックは、一つ以上の横ピストン室内の横ピストンに装着され、かつ横ピストンとともに本体の内部を前後に移動する。
軸は、水平移動ブロックを貫通して上下に移動することができると同時に水平移動ブロックとともに前後に移動することができる。
第一気体流路は、本体に配置され、一端が本体の外部に繋がる外端部となり、別の一端が縦通路に繋がる内端部となる。
エアシャフトスリーブが最低位置に据えられる際、第一気体流路の内端部は、中間シールリングより低い。
第二気体流路は、本体に配置され、一端が縦通路に繋がる下端部となり、別の一端が一つ以上の横ピストン室内の横ピストンの後方と本体との間の空間に繋がる上端部となる。
第二気体流路の下端部は、下端シールリングより低い。
第三気体流路は、本体に配置され、一端が一つ以上の横ピストン室内の横ピストンの前方と本体との間の空間に繋がる前端部となり、別の一端が本体の外部に繋がる外端部となる。
第四気体流路は、本体に配置され、一端がサブ通路の前端に繋がる上端部となり、別の一端が一つ以上の補助ピストン室に繋がる下端部となる。
エアシャフトスリーブが最高位置に据えられる際、第四気体流路の下端部は、一つ以上の補助ピストンより高い。
リリーフ弁は、本体に配置され、第二気体流路および本体の外部を繋げる。
エアシャフトスリーブは、外側に凹んで形成された触発溝を有する。
エアシャフトスリーブが最高位置に据えられる際、触発溝は、下端シールリングの上方の隙間と下端シールリングの下方の空間を繋げることで第二気体流路の下端部に繋がる。
サブピストンは、外側に凹んで形成されたサブ触発溝を有する。
一つ以上の横ピストン室内の横ピストンが後退位置に据えられる際、サブ触発溝は、サブシールリングの後方の一つ以上の横ピストン室と第四気体流路の上端部を繋げる。
【0010】
上述した技術特徴により、本発明は、バルブ部材に双方向作動を確実に達成させることで作動が引っ掛かるという問題を排除することができる。
また本発明は、バルブ部材を推進する、即ちバルブ部材を上昇させてから水平方向に前進させる手順と、バルブ部材を後退させる、即ちバルブ部材を水平方向に後退させてから降下させる手順とが確実に実現できる。
【0011】
本発明は、上述した技術内容に限定されず、一つ以上の補助ピストン室および一つ以上の補助ピストンを配置せず、第四気体流路の下端部と縦通路を繋げる方式を採用することもできる。エアシャフトスリーブが最高位置に据えられる際、第四気体流路の下端部は、中間シールリングより高い。つまり、前述した効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置を示す透視図である。
図3図1中の3-3線に沿った断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置の第一気体流路を示す透視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置の第二気体流路を示す透視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置の第三気体流路を示す透視図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置の第四気体流路を示す透視図である。
図8図1中の8-8線に沿った断面図である。
図9図1中の9-9線に沿った断面図である。
図10】本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置の作動状態を示す模式図である。
図11図10中の11-11線に沿った断面図である。
図12図10中の12-12線に沿った断面図である。
図13図10中の13-13線に沿った断面図である。
図14図12に示した各部品の作動状態を示す断面図である。
図15図13に示した各部品の作動状態を示す断面図である。
図16図3中の16―16線に沿った断面図である。
図17図16に示した各部品の作動状態を示す断面図である。
図18】本発明の第2実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置を示す断面図である。
図19図18中の19-19線に沿った断面図である。
図20】本発明の第2実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置の作動状態を示す断面図である。
図21】本発明の第2実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置の一部分(図11参照)を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1から図17に示すように、本発明の第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置10は、本体11、エアシャフトスリーブ21、軸31、水平移動ブロック41、第一気体流路51、第二気体流路52、第三気体流路53、第四気体流路54およびリリーフ弁61から構成される。
【0015】
図2は第一気体流路51、第一気体流路51、第二気体流路52、第三気体流路53、第四気体流路54を詳細に描いた透視図である。
図4図5図6および図7は第一気体流路51、第一気体流路51、第二気体流路52、第三気体流路53、第四気体流路54を別々に描いた透視図である。
【0016】
本体11は、上下に伸びていく縦通路12、二つの前後に伸びていく横ピストン室14および二つの上下に伸びていく補助ピストン室16を有する。
縦通路12は、周りが壁面121である。
それぞれの横ピストン室14は、内部に前進位置FPと後退位置BPとの間に移動できる横ピストン15を有する。
本体11は、さらに二つの前後に伸びていくサブ通路141、二つのサブシールリング142、二つのサブピストン151および下端シールリング191を有する。
それぞれのサブ通路141は、横ピストン室14に繋がるように配置される。
それぞれのサブシールリング142は、サブ通路141の内部に配置される。
それぞれのサブピストン151は、横ピストン15に配置され、かつサブ通路141の後端から入ってサブシールリング142に嵌合したうえで気密を保ちながらサブ通路141をスライドする。
下端シールリング191は、縦通路12の壁面121に配置される。
第1実施形態において、縦通路12は、壁面121に上肩部123および底部シールリング192を有する。
上肩部123は、上方のストッパーとして壁面121の内側に突出して形成される。
底部シールリング192は、下端シールリング191の下方に位置する。
【0017】
エアシャフトスリーブ21は、縦通路12の中に下端シールリング191および底部シールリング192に嵌合し、かつスライドできるように配置される。
エアシャフトスリーブ21は、中空の細長い構造であり、最高位置HPと最低位置LPとの間を移動し、かつ縦通路12の壁面121との間に気体を流入させるための隙間22を有する。
エアシャフトスリーブ21は、中間シールリング24および二つの補助ピストン26を有する。
中間シールリング24は、エアシャフトスリーブ21に環状に配置され、同時に縦通路12の壁面121に当接する。
中間シールリング24は、下端シールリング191より高い。
それぞれの補助ピストン26は、下から上の補助ピストン室16に入り込むように配置され、かつエアシャフトスリーブ21に連結されてエアシャフトスリーブ21とともに上昇する。
第1実施形態において、エアシャフトスリーブ21は、上方当接部291を有する。
上方当接部291は、隙間22内かつエアシャフトスリーブ21の外側に突出して形成される。
エアシャフトスリーブ21が上昇し、最高位置HPに据えられる際、上方当接部291は、上肩部123に当接する。
エアシャフトスリーブ21が最低位置LPまで降下すると本体11の底部に当たる。
最高位置HPおよび最低位置LPにエアシャフトスリーブ21を止める方式は、例として挙げられる、即ち本発明の請求範囲を限定するものではない。
【0018】
軸31は、一部分がエアシャフトスリーブ21内に前後に移動できるように据えられ、同時にエアシャフトスリーブ21に伴って上昇したり降下したりできる。
軸31は、エアシャフトスリーブ21および本体11の上方に突出した露出部位32を有する。
第1実施形態において、技術特徴の一つは下記のとおりである。
エアシャフトスリーブ21は、内部に位置制限ロッド28が配置してある。
位置制限ロッド28は、軸31を自由自在に貫通する。
軸31は、エアシャフトスリーブ21の中に位置制限ロッド28に沿って前後に移動し、同時に位置制限ロッド28の作動によってエアシャフトスリーブ21とともに上昇したり降下したりする。
二つの横ピストン15は、シャフト31の両側に相対的に配置される。
シャフト31の露出部位32は、先端部がバルブプラグ(図中未表示)に連結される。
バルブプラグは、バルブポート(図中未表示)の遮蔽または、開放に用いられる。
バルブプラグおよびバルブポートは、先行技術から理解されるため、本実施形態の図面に反映されない。
【0019】
水平移動ブロック41は、二つの横ピストン室14内の横ピストン15に装着され、かつ横ピストン15とともに本体11の内部を前後に移動する。
軸31は、水平移動ブロック41を自由自在に貫通して上下に移動し、同時に水平移動ブロック41とともに前後に移動することができる。
【0020】
第一気体流路51は、本体11に配置され、一端が本体11の外部に繋がる外端部511となり、別の一端が縦通路12に繋がる内端部512となる。
エアシャフトスリーブ21が最低位置LPに据えられる際、第一気体流路51の内端部512は、中間シールリング24より低く、下端シールリング191より高い。
第1実施形態において、第一気体流路51の外端部511は、気体を提供する第一気体源91に連結される。
【0021】
第二気体流路52は、本体11に配置され、一端が縦通路12に繋がる下端部521となり、別の一端が分岐して二つの上端部522に分かれる。
第二気体流路52の下端部521は、下端シールリング191より低く、底部シールリング192より高い。
二つの上端部522は、二つの横ピストン室14内の横ピストン15の後方と本体11との間の空間に繋がる。
【0022】
第三気体流路53は、本体11に配置され、一端が分岐して二つの前端部531に分かれ、別の一端が本体11の外部に繋がる外端部532となる。
二つの前端部531は、二つの横ピストン室14内の横ピストン15の前方と本体11との間の空間に繋がる。
第1実施形態において、第三気体流路53の外端部532は、気体を提供するか気体を集める第二気体源92に連結される。
【0023】
第四気体流路54は、本体11に配置され、二つの部位に分割される。
二つの部位は、一端が二つのサブ通路141の前端に繋がる上端部541となり、別の一端が二つの補助ピストン室16に繋がる下端部542となる。
エアシャフトスリーブ21が最高位置HPに据えられる際、第四気体流路54の下端部542は、二つの補助ピストン26より高い。
【0024】
リリーフ弁61は、本体11に配置され、第二気体流路52および本体11の外部を繋げる。
第1実施形態において、リリーフ弁61は、触発部材62を有する。
触発部材62は、横ピストン15に連結されて横ピストン15とともに前後に移動する。
横ピストン15が前進位置FPに据えられる際、触発部材62は、リリーフ弁61にタッチせず、リリーフ弁61を閉鎖することによって第二気体流路52を本体11の外部に接触させない。
横ピストン15が後退位置BPに据えられる際、触発部材62は、リリーフ弁61にタッチし、リリーフ弁61を開放する。
リリーフ弁61が開放されると第二気体流路52が本体11の外部に繋がる。
【0025】
エアシャフトスリーブ21は、外側に凹んで形成された触発溝211を有する。
エアシャフトスリーブ21が最高位置HPに据えられる際、触発溝211は、下端シールリング191の上方の隙間22と下端シールリング191の下方の空間を繋げることで第二気体流路52の下端部521に繋がる。
エアシャフトスリーブ21が最低位置LPに据えられる際、触発溝211は、下端シールリング191より低い。
【0026】
それぞれのサブピストン151は、外側に凹んで形成されたサブ触発溝152を有する。
二つの横ピストン室14内の横ピストン15が後退位置BPに据えられる際、サブ触発溝152は、サブシールリング142の後方の横ピストン室14と第四気体流路54の上端部541を繋げる。
【0027】
第1実施形態において、補助ピストン26および横ピストン15は、二つであるが、これに限定されず、増減するか、体積または、推力などの条件に応じて数を決めてもよい。
つまり、補助ピストン26および横ピストン15の数が一つであれば気体によって前進する効果を達成することができる。
一つの補助ピストン26および一つの横ピストン15によって生じる効果は、本発明の図面を参考に理解することができるため、図面に反映されない。
【0028】
以上は第1位実施形態の構造についての説明である。
続いて、第1実施形態の作動状態について解明する。
【0029】
図3および図12に示すように、作動の前にエアシャフトスリーブ21は、最低位置LPに据えられる。二つの横ピストン15は、後退位置BPに据えられる。
【0030】
図4に示すように、閉鎖作業を進める、即ち軸31に装着されたバルブプラグ(図中未表示)をバルブポート(図中未表示)に詰め込む際、第一気体源91(図1参照)は、第一気体流路51に気体(図中未表示)を送り込む。
図8に示すように、第一気体流路51から流入した気体は、隙間22に流れ込んで図10に示すように軸31および二つの補助ピストン26をエアシャフトスリーブ21とともに最高位置HPまで上昇させる。
図11に示すように、エアシャフトスリーブ21が最高位置HPに据えられる際、触発溝211は、下端シールリング191の上方の隙間22と下端シールリング191の下方の空間を繋げるため、気体は、第一気体流路51から第二気体流路52に流れ込む。
図9図11図12および図13に示すように、気体は、第二気体流路52を通ってリリーフ弁61および二つの横ピストン室14内の二つの横ピストン15の後方と本体11との間の空間に流れ込んで二つの横ピストン15を押して前進させる。
気体がリリーフ弁61から外部に漏れることがあっても、流れ込んだ気体の量が漏れた気体の量より大きければ二つの横ピストン15を押して前進させることができる。
このとき二つの横ピストン15の前方と本体11との間の空気は、第三気体流路53を通って第二気体源92に流れ込む。
図14および図15に示すように、二つの横ピストン15は、前進位置HPまで後押しされた後、前進せず止まる。
水平移動ブロック41と軸31は、二つの横ピストン15とともに前進できなくなる位置まで前進する。
このとき軸31を上昇させた後、前に移動させる双方向の作動が完了するとともに軸31に装着されたバルブプラグ(図中未表示)は、バルブポート(図中未表示)を塞げて閉鎖する。
二つの補助ピストン26内の空気は、二つの補助ピストン26の上昇に伴って押し込められ、第四気体流路54に進み、続いて二つのサブ通路141を通って二つの横ピストン室14に流れ込む。
【0031】
図16に示すように、開放作業を行う際、第二気体源92(図1参照)からの気体は、第三気体流路53に進み、続いて二つの横ピストン室14に流れ込んで二つの横ピストン15を後に押す。
二つの横ピストン15は、前進位置FPから後退するとともに二つのサブピストン151を後退させる。
図17に示すように、二つの横ピストン15が後退位置BPまで後退する際、二つのサブピストン151のそれぞれのサブ触発溝152は、サブシールリング142を通過するため、気体は、サブ触発溝152を流れて第四気体流路54に流れ込む。
図3に示すように、第四気体流路54内の気体は、二つの補助ピストン室16に流れ込んで二つの補助ピストン26を下に押すとともにエアシャフトスリーブ21および軸31を最低位置LPまで降下させる。
二つの横ピストン15が後退位置BPまで後退する際、触発部材62は、リリーフ弁61にタッチし、リリーフ弁61を開放する。
二つの横ピストン15の後方と本体11との間の気体は、第二気体流路52を流れてリリーフ弁61から外部へ放散する。
このとき軸31を後退させた後、降下させる双方向の作動が完了するとともに軸31に装着されたバルブプラグ(図中未表示)は、バルブポートから離れてバルブポートを開放する。
【0032】
以上をまとめると、本発明は、バルブ部材に双方向作動を確実に達成させるだけでなく、エアシャフトスリーブ21の触発溝211および二つのサブピストン151のサブ触発溝152によって気体を対応する流路へ誘導するため、閉鎖および開放を行う際、作動が引っ掛かるという問題を排除することができる。
また閉鎖を行う時に軸31を上昇させてから水平方向に前進させる手順と、開放を行う時に軸31を水平方向に後退させてから降下させる手順とが確実に実現できる。
【0033】
(第2実施形態)
図18から図21は、本発明の第2実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置10’を示す模式図である。
第1実施形態に係るバルブ部材に用いる双方向駆動装置10’との違いは、下記のとおりである。
【0034】
第2実施形態において、縦通路12’は、壁面121’にさらに下肩部125’および上端シールリング193’を有する。
上端シールリング193’は、上肩部123’の上方に位置する。
下端シールリング191’は、下肩部125’の下方に位置する。上端シールリング193’および底部シールリング192’は、隙間22’内の空気を本体11の外部へ漏出させないように保つ。
エアシャフトスリーブ21’は、さらに外側に突出して形成された下方当接部292’を有する。エアシャフトスリーブ21’が最低位置LP’に据えられる際、下方当接部292’は、下肩部125’に当接する。
【0035】
第2実施形態は、二つの補助ピストン室および二つの補助ピストンを配置せず、第四気体流路54’の下端部542’と縦通路12’を繋げるため、エアシャフトスリーブ21’が最高位置HP’に据えられる際、第四気体流路54’の下端部542’は、中間シールリング24’より高い。
上述した構造特徴により、開放過程において二つの横ピストン15’が後退位置BP’まで後退した後、第四気体流路54’内の気体は、隙間22’に流れ込んでエアシャフトスリーブ21’を押して最低位置LP’まで降下させる。
エアシャフトスリーブ21’が最高位置HP’に据えられる際、第四気体流路54’の下端部542’は、中間シールリング24’より高く、下端シールリング191’より低い。
【0036】
第2実施形態は、一つのサブ通路141’だけ配置し、一つのサブ通路141’と横ピストン室14’を繋げ、二つの横ピストン室14’のうちの一つにサブピストン151’を配置する。
上述した構造特徴により、開放過程において第三気体流路(第1実施形態の図6参照)の気体が二つの横ピストン室14’に流れ込んだ後、横ピストン室14’のサブ通路141’とサブピストン151’を組み合わせる、即ち第1実施形態に類似した方式によって横ピストン15’は、後の後退位置BP’まで移動する。
第三気体流路内の気体は、横ピストン室14’のサブ通路141’を通って第四気体流路54’に進み、隙間22’に流れ込んでエアシャフトスリーブ21’を下に押して最低位置LP’まで降下させる。
【0037】
第2実施形態のほかの構造および達成した効果は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0038】
10:バルブ部材に用いる双方向駆動装置
11:本体
12:縦通路
121:壁面
123:上肩部
14:横ピストン室
141:サブ通路
142:サブシールリング
15:横ピストン
151:サブピストン
152:サブ触発溝
16:補助ピストン室
191:下端シールリング
192:底部シールリング
21:エアシャフトスリーブ
211:触発溝
22:隙間
24:中間シールリング
26:補助ピストン
28:位置制限ロッド
291:上方当接部
31:軸
32:露出部位
41:水平移動ブロック
51:第一気体流路
511:外端部
512:内端部
52:第二気体流路
521:下端部
522:上端部
53:第三気体流路
531:前端部
532:外端部
54:第四気体流路
541:上端部
542:下端部
61:リリーフ弁
62:触発部材
91:第一気体源
92:第二気体源
BP:後退位置
FP:前進位置
HP:最高位置
LP:最低位置
10’:バルブ部材に用いる双方向駆動装置
11’:本体
12’:縦通路
121’:壁面
123’:上肩部
125’:下肩部
14’:横ピストン室
141’:サブ通路
15’:横ピストン
151’:サブピストン
191’:下端シールリング
192’:底部シールリング
193’:上端シールリング
21’:エアシャフトスリーブ
22’:隙間
24’:中間シールリング
292’:下方当接部
54’:第四気体流路
542’:下端部
BP’:後退位置
HP’:最高位置
LP’:最低位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21