(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022783
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】搬送流から金属物を取り除くための装置ならびに方法
(51)【国際特許分類】
B07C 5/36 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
B07C5/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024117507
(22)【出願日】2024-07-23
(31)【優先権主張番号】10 2023 120 558.7
(32)【優先日】2023-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517166125
【氏名又は名称】ミネベア インテック アーヘン ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ライナース
(72)【発明者】
【氏名】エルマー オーバードュルファー
(72)【発明者】
【氏名】ディルク ヴェーバー
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079AB00
3F079AC13
3F079CA36
3F079CA44
3F079CB09
3F079CC06
3F079DA06
3F079DA21
3F079EA02
3F079EA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】搬送流から金属物を取り除くための装置を提供する。
【解決手段】バルク材料の搬送流12から金属物を取り除くための装置10は、搬送管14に配置されている金属検出器20と、金属物を搬送管から排出する除去装置22とを有している。除去装置は、排出管28を備えるハウジング24と、搬送流を排出管の中に迂回させるために除去プロセス中に搬送流内に旋回可能である旋回フラップ26と、モーター駆動式の励起ユニット42を有し、励起ユニットはハウジングに配置され、励起ユニットが作動しているときに、除去装置のハウジングを振動させる。励起ユニットは金属物が搬送流内で検出されると作動する。旋回フラップが搬送流の中に旋回すると、搬送流は排出管を通って排出され、その後、旋回フラップが復帰旋回して励起ユニットが作動解除される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送管(14)と、該搬送管(14)に配置されている金属検出器(20)と、金属物を前記搬送管(14)から排出する除去装置(22)とを有する、バルク材料の搬送流(12)から前記金属物を取り除くための装置(10)において、前記バルク材料は、前記搬送管(14)を流れ、前記金属検出器(20)は、搬送区間(16)に沿って、前記搬送流(12)の流れ方向における前記除去装置(22)の上流に配置されており、前記除去装置(22)は、排出管(28)を備えるハウジング(24)と、前記搬送流(12)を前記排出管(28)の中に迂回させるために除去プロセス中に前記搬送流(12)内に旋回可能である旋回フラップ(26)と、を有しており、前記除去装置(22)は、前記旋回フラップ(26)を動かすアクチュエータ(32)とは別に、モーター駆動式の励起ユニット(42)を有し、該励起ユニット(42)は、前記ハウジング(24)に配置され、前記励起ユニット(42)が作動しているときに、前記除去装置(22)の前記ハウジング(24)を振動させる、装置(10)。
【請求項2】
前記金属検出器(20)と前記除去装置(22)が制御ユニット(38)に接続されており、前記制御ユニット(38)は、除去プロセス中に前記励起ユニット(42)を作動させるように設計されている、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記励起ユニット(42)は、前記除去装置(22)の前記ハウジング(24)の外側(46)に作用する可動要素(44)と、該可動要素(44)を動かす駆動装置(45)と、を含んでいる、請求項1又は2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記励起ユニット(42)には、ハンマー機構、打撃機構又はバイブレータが含まれている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記励起ユニット(42)は、0.5Hzから最大50Hz、特に最大20Hzの範囲の周波数で前記ハウジング(24)に作用する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記励起ユニット(42)は、前記除去装置(22)の前記ハウジング(24)上に置かれ、そこで固定されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記励起ユニット(42)は、前記排出管(28)の外側に置かれている、請求項6に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記励起ユニット(42)は、前記排出管(28)の上側に配置されている、請求項7に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記制御ユニット(38)は、除去プロセスの終了後に前記励起ユニット(42)のためのアフターランタイムをあらかじめ設定するように設計されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記制御ユニット(38)は、前記旋回フラップ(26)が前記搬送流(12)の中に旋回する前又はそれと同時に前記励起ユニット(42)を作動させるように設計されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記搬送区間(16)は、前記搬送管(14)の自由落下セクション(18)内にある、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置(10)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(10)においてバルク材料の搬送流(12)から金属物を取り除くための方法であって、
-前記搬送流(12)内の金属物を検出する工程と、
-前記励起ユニット(42)を作動する工程と、
-前記旋回フラップ(26)を前記搬送流(12)の中に旋回させる工程と、
-前記排出管(28)から前記搬送流(12)を排出する工程と、
-前記旋回フラップ(26)を復帰旋回する工程と、
-前記励起ユニット(42)を作動解除する工程と、
を有する方法。
【請求項13】
前記励起ユニット(42)は、前記旋回フラップ(26)が前記搬送流(12)の中に旋回する前又はそれと同時に作動する、及び/又は前記旋回フラップ(26)が前記搬送流(12)から旋回して復帰した後に作動解除される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記励起ユニット(42)は、前記金属検出器(20)の反応後直ぐに作動する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記励起ユニット(42)は、除去プロセスの終了後、あらかじめ設定されたアフターランタイム後に作動解除される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記除去装置(22)を洗浄するために、前記金属検出器(20)の反応とは無関係に、あらかじめ設定された時点で前記励起ユニット(42)が作動する、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記励起ユニット(42)は、前記排出管(28)が閉じており、前記搬送流(12)が流れている間、一時的に、特に周期的な時間間隔でスイッチがオンにされることを特徴とする、請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送流から金属物を取り除くための装置ならびに方法に関する。
【0002】
例えば食品製造における搬送流システムでは、金属検出機が、バルク材料の搬送流内の望ましくない金属異物を検出するために使用される。このとき、連続的な搬送流は、金属混入物、特に金属片又は粒子、ワイヤ、ネジ又はナット、工具又はその他の異物について検査される。検出された場合、次に、搬送流システムの連続運転中に金属異物は除去装置によって搬送流から取り除かれる。
【0003】
いわゆる自由落下システムでは、搬送管の少なくとも1つの自由落下セクションで、搬送流が垂直に、すなわち重力加速度の方向に対してほぼ平行にガイドされ、このとき、バルク材料は、重力によってより高い位置エネルギー準位からより低い位置エネルギー準位へと落下する。
【0004】
自由落下システムにおいて、金属検出器は、周知のように、自由落下セクションの領域に配置されており、このとき、搬送流から異物を除去する除去装置は、搬送流の流れ方向において金属検出器の直後にある。
【0005】
従来から使用されている除去装置はフラップ式ディストリビュータであり、このディストリビュータでは、フラップが旋回して自由落下セクションの中に入り、搬送流を側面で搬送管から送り出す排出管の中に迂回させる。排出管は斜めに傾いているが、垂直に通っていないので、特に搬送管から排出管への移行部において、望ましくない材料堆積物が生じる可能性がある。
【0006】
本発明の課題は、高い信頼性と低コストによって除去装置の領域における材料堆積物を軽減することである。
【0007】
この課題は、搬送管と、この搬送管に配置されている金属検出器と、金属物を搬送管から排出する除去装置とを有する、バルク材料の搬送流から金属物を取り除くための装置によって解決され、バルク材料は搬送管を流れ、金属検出器は、搬送区間に沿って、搬送流の流れ方向における除去装置の上流に配置されている。除去装置は、排出管を備えるハウジングと、搬送流を排出管の中に迂回させるために除去プロセス中に搬送流内に旋回可能である旋回フラップを有しており、除去装置は、旋回フラップを動かすアクチュエータとは別に、モーター駆動式の励起ユニットを有し、この励起ユニットはハウジングに配置され、励起ユニットが作動しているときに、除去装置のハウジングを振動させる。
【0008】
励起ユニットによって引き起こされる振動はハウジングを揺らし、ハウジングの壁と、特に排出管の壁を動かす。この運動により、一方では、ハウジング内側に付着しているバルク材料が振るい落とされる。他方では、剥がれたバルク材料はハウジング内に留まらずに、ハウジング壁の振動によってハウジングを通って移動し、ハウジングの内側に集まって付着することはない。このとき、バルク材料は、取り除かれた金属物を押し流すため、これらの金属物はバルク材料と一緒に確実に排出管の中に運ばれ、装置から送り出される。
【0009】
さらに、このようにして、付着しているバルク材料は、それぞれの除去プロセス時に、ハウジングの内側から、特に排出管の内側と旋回フラップから剥がされ、排出管を通って運び出されるので、ハウジング内部におけるバルク材料の蓄積が防止される。
【0010】
旋回フラップは、特に初期位置と排出位置との間で旋回することができる。システム及び装置の通常運転中、旋回フラップは初期位置にあり、この位置で旋回フラップは排出管を閉じ、その一方で搬送流全体は、旋回フラップによって妨げられることなく、この旋回フラップを通り過ぎて落下する。除去プロセス中、旋回フラップは搬送流の中に入って排出位置に旋回し、搬送管を閉じるので、搬送流全体が排出管の中に迂回する。
【0011】
ここで、除去プロセスには、旋回フラップが初期位置から排出位置に移動し始めてから、金属物が正常に排出された後に旋回フラップが復帰旋回して再び開始位置に到達するまでの時間幅が含まれる。
【0012】
好ましくは、金属検出器と除去装置が制御ユニットに接続されており、この制御ユニットは、除去プロセス中に励起ユニットを作動させるように設計されている。このようにして、励起ユニットは、混入物の検出と同期することによって、必要なときだけ動作することが可能である。それ以外の場合は、励起ユニットを作動解除しておくことができ(場合により、後述する例外を除く)、これによって電気が節約され、騒音発生が軽減される。通常、金属検出器が反応する場合、除去プロセスが実行され、その際には原則的に励起ユニットも作動する。
【0013】
通常、励起ユニットは、除去装置のハウジングの外側に作用する可動要素と、この可動要素を動かす駆動装置とを含む。励起ユニットの駆動装置は、特に制御ユニットによってコントロールされる。例えば、励起ユニットの駆動装置は、電気モーター式又は空気圧式の駆動装置である。この駆動装置のタスクは、ハウジング壁の振動が適切に発生するように可動要素を動かすことであり、振動の振幅は、ハウジングの内側に付着しているバルク材料が振るい落とされるほどの大きさである。
【0014】
励起ユニットの駆動装置は、旋回フラップのアクチュエータとは別の構成部品であり、空間的にこのアクチュエータとは切り離されてハウジングに配置されている。
【0015】
騒音の発生を軽減し、かつ摩耗を最小化するため、好ましくは、可動要素がハウジング壁に直接衝突しないようになっており、ハウジングの外側と可動要素との間に減衰要素が配置されている。この減衰要素は、例えばラバーバッファ又はその他の適切な弾性構成部品であってよい。
【0016】
励起ユニットには、例えばハンマー機構、打撃機構又はバイブレータが含まれている。ハンマー機構の場合、可動要素は、特に旋回可能に支持された打ち棒(Kloppel)であり、打撃機構の場合、それは直線的に動くプランジャーによって実現される。両方の場合において、可動要素はハウジング壁に個々の打撃を与える。この場合、可動要素は、比較的低い周波数で動く。励起ユニットがバイブレータの場合、可動要素は、例えば、偏心駆動装置のアンバランスであり、このことがより高い周波数でハウジング壁の連続振動を発生させる。
【0017】
一般に、ハウジング壁が励起される周波数は、約0.5Hz~50Hzの範囲にあり、特に好ましくは約20Hzである。
【0018】
ハウジング壁の固有振動が励起されるように周波数を選択する、すなわち、ハウジングの共振周波数に従って励起周波数を選択し、それにより、より低いエネルギー要求でより高い振動振幅を得ることが考えられる。
【0019】
好ましいバリエーションでは、励起ユニットが除去装置のハウジング上に置かれ、そこで固定されている。励起ユニットは、ハウジングの内部に接触しないように、また可動要素もバルク材料に接触しないように取り付ける必要があるだろう。例えば、励起ユニットは、外からハウジングに溶接される固定ボルトによって固定されている。このようにして、励起ユニットは、交換又はメンテナンスのために簡単にアクセスすることができ、一方、ハウジングの内側は、励起ユニットの領域が好ましくは平坦かつ滑らかに実施されており、それによってバルク材料が付着しにくいようになっている。
【0020】
励起ユニットは、好ましくは、排出管の外側に置かれている。励起ユニットは、例えば、搬送流が通過するハウジング領域において、排出管の合流領域に配置されている。
【0021】
特に、励起ユニットは排出管の上側に配置されていてよい。この領域では、通常、周知のフラップ式ディストリビュータが、十分かつ容易にアクセスできる取付けスペースを提供する。
【0022】
制御ユニットは、オプションとして、除去プロセスの終了後に励起ユニットのためのアフターランタイムをあらかじめ設定するように設計されている。この場合、励起ユニットは、旋回フラップが再びその初期位置に達した後も、なおしばらくの間作動を継続する。このアフターランタイムは、特にバルク材料の種類によって異なり、堆積物の大部分が旋回フラップと、排出管の内側を含むハウジングの内側とから振るい落とされるように決定されている。アフターランタイムは、例えば、除去プロセスの約1~10倍の長さが選択されている。
【0023】
制御ユニットは、旋回フラップが搬送流の中に旋回する前又はそれと同時に励起ユニットを作動させるように設計されていてよい。特に、制御ユニットによる励起ユニットの作動は、金属検出器が金属物の存在に反応し、制御ユニットが金属検出器から検知信号を受信するとすぐに行うことができる。励起ユニットの作動は、例えば、旋回フラップが排出位置に完全に旋回する約100ミリ秒前に行われる。
【0024】
好適に、除去装置は、搬送管の自由落下セクション内にあるので、通常の運転では、バルク材料が、ハウジングの内側を通って送られることなく、自由落下でハウジングを通過する。旋回フラップが排出位置に旋回すると、搬送流全体が斜め下方の排出管の中に迂回する。自由落下区間の長さは、周知のシステムの場合と同様に、数メートルまであってよい。
【0025】
上記の課題は、前述した装置においてバルク材料の搬送流から金属物を取り除くための方法によっても解決される。そのために、以下の工程、すなわち、
-搬送流内の金属物を検出する工程と、
-励起ユニットを作動する工程と、
-旋回フラップを搬送流の中に旋回させる工程と、
-排出管から搬送流を排出する工程と、
-旋回フラップを復帰旋回する工程と、
-励起ユニットを作動解除する工程と
が実行される。
【0026】
励起ユニットは、好ましくは、旋回フラップが搬送流の中に旋回する前又はそれと同時に作動する、及び/又は旋回フラップが搬送流から旋回して復帰した後に作動解除される。従って、励磁ユニットは、除去プロセス中にできる限り長い時間動かされており、このとき、ハウジングの内側におけるバルク材料の付着はハウジングの振動運動によって回避される、又は形成される付着は直ぐに再び振るい落とされる。とはいえ、励起ユニットは、それぞれ除去プロセスの比較的短い時間だけ動かしていればよく、大部分のシステムの運転では励起ユニットを作動解除のままにしておくことができる。
【0027】
好ましくは、励起ユニットは、金属検出器の反応後直ぐに作動する。上述のように、これにより、旋回フラップがその排出位置に達する前に、励起ユニットはすでに約100ミリ秒作動しているということが可能になる。
【0028】
必要に応じて、励起ユニットは、すでに上で説明したように、除去プロセスの終了後、あらかじめ設定されたアフターランタイム後に作動解除される。
【0029】
各除去プロセス中の作動に加えて、除去装置を洗浄するために、金属検出器の反応とは無関係に、あらかじめ設定された時点で励起ユニットを作動させることも可能である。この場合に励起ユニットが作動している時間は、例えばそれぞれ数秒であり、特にバルク材料の種類によって異なる。また、この種の清掃プロセスは、制御ユニットによって監視されるので、自動的に開始及び終了させることができる。
【0030】
そのような清掃プロセスでは、好ましくは、排出管が閉じている間、すなわち旋回フラップが初期位置にあり、搬送流が通常運転で流れている間に、励起ユニットのスイッチがオンにされる。このとき、運転中に旋回フラップの搬送流側の側面ならびにハウジングの内側に溜まったバルク材料が振るい落とされ、搬送流とともに運び出される。除去プロセス中に場合によっては旋回フラップの搬送流側の側面ならびにハウジングの内側から離れなかった付着物も、このときに剥がされるので、それらも排出管を通って運び出される。
【0031】
例えば、励起ユニットは、周期的な時間間隔で、及び/又はあらかじめ設定したバルク材料の量が通過した後で作動する。
【0032】
以下では、添付の図面を参照しながら、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】金属物を取り除くための本発明に基づく装置の分解図である。
【
図2】金属物を取り除くための本発明に基づく方法のフローチャートである。
【0034】
図1には、搬送管14、ここでは自由落下システム内のバルク材料の搬送流12から金属物を取り除くための装置10が示されている。
【0035】
運転中、バルク材料、例えば粒状又は粉末状の乾燥製品(プラスチック顆粒、小麦粉又はコーヒー粉など)は、搬送管14を通って所定の搬送区間16を自由落下セクション18に沿って流れ、このとき、バルク材料は、主に位置エネルギーから運動エネルギーへの変換に基づいて、自由落下セクション18を通って移動する。これにより、ここでは、主に重力加速度方向の垂直方向Vに従う流れ方向が生じる。
【0036】
自由落下セクション18には、ここでは搬送管14を少なくとも部分的に取り囲む金属検出器20が配置されている。金属検出器20は、搬送流12内の金属混入物、すなわち金属の異物を検出するために用いられる。
【0037】
装置10には、搬送流12の流れ方向及び垂直方向Vにおいて金属検出器20の下方にある除去装置22が含まれる。
【0038】
この場合、除去装置22は、フラップ式ディストリビュータであり、また旋回フラップ26が旋回可能に配置されているハウジング24を含んでいる。ハウジング24には、排出管28が形成されており、この排出管28は、搬送方向及び搬送管14から下方へ鋭角をなして離れている。
【0039】
旋回フラップ26は、旋回軸30を中心として、旋回フラップ26が排出管28を完全に閉鎖する初期位置と、旋回フラップが搬送流12の中に突き出して、搬送管14を完全に閉鎖する排出位置との間で調整することができる。旋回フラップ26の初期位置は、
図1において破線で示されており、排出位置は実線で示されている。
【0040】
旋回フラップ26の搬送流12の中への旋回、また搬送流12から外への旋回を可能にするため、旋回フラップ26に連結されているアクチュエータ32が設けられている。アクチュエータ32は、特に、旋回フラップ26ができる限り迅速かつ均等に移動するように、ハウジング24に伝達される特別大きな振動を発生させないように設計されている。
【0041】
旋回フラップ26が排出位置にある場合、すべての搬送流12は排出管28の中に方向転換する。そのようにして、旋回フラップ26は、搬送流12を搬送管14から排出管28を介して、例えば収集容器(図示されていない)の中に短時間送ることができる。
【0042】
排出管28を含むハウジング24は、ステンレス鋼などから製造された剛性の高い構成部品である。さらに先に行くと、排出管28はハウジング24から離れて、任意にフレキシブルホースに移行する。
【0043】
除去装置22は、上流の入口側34と下流の出口側36とともに搬送管14の中に挿入されているので、旋回フラップ26が初期位置にある場合、搬送流12は、抵抗を受けることなく、かつ旋回フラップ26及び排出管28と接触することなく、除去装置22を通過する。
【0044】
金属検出器20と除去装置22は、制御ユニット38に接続されている。
【0045】
制御ユニット38は、金属検出器20から送られた信号を評価し、搬送流12の中に混入物が検出されると、旋回フラップ26のアクチュエータ32を作動させて、この旋回フラップ26を搬送流12の中に旋回させて排出位置にするので、検出された金属物は搬送流12と一緒に排出管28の中に送り出される。
【0046】
排出管28内ではバルク材料が滑り運動を行い、一部は排出管28の内側40に接触している。
【0047】
金属物が排出管28の中に迂回したことが確認されるとすぐに、例えば所定の不感時間後に、旋回フラップ26は再び搬送流12から出てその初期位置に復帰旋回するので、搬送流12は、再び搬送管14内のみを流れ、排出管28を完全に通過する。この手順を、ここでは除去プロセスと呼ぶ。
【0048】
さらに除去装置22は、ハウジング24を振動させるように設計されているモーター駆動式の励起ユニット42を含み、これにより、バルク材料がハウジング24の内部に堆積するのを防止する。
【0049】
ハウジング24の壁の振動運動により、付着しているバルク材料は内側40から振るい落とされ、動いているバルク材料は下方へ排出管28の中に運ばれる。このような種類の蓄積したバルク材料中に含まれる金属物は、振動によって引き起こされる揺動により、バルク材料と一緒に排出管28の中に移動する。
【0050】
励起ユニット42は、適切な駆動装置45によって動かされ、その動きの中でハウジング24の外側46に作用する可動要素44を含んでいる。
【0051】
励起ユニット42の駆動装置45は、例えば電気モーターとすることができるが、空圧式で駆動することもできる。いずれにしても、励起ユニット42の駆動装置45は、旋回フラップ26を動かすアクチュエータ32とは構造的に異なり、アクチュエータ32から空間的に離されている。
【0052】
可動要素44は、例えばハンマー機構、打撃機構又はバイブレータの一部である。可動要素44の種類及び駆動装置45に応じて、励起ユニット42は、個々の打撃又は一定の時間間隔で連続して発生するパルスをハウジング24に作用させる。例えば、約0.5Hzから最大50Hz、特に最大20Hzの周波数で励起を行うことができる。
【0053】
オプションでは、ハウジング24の共振周波数が励起されるように、周波数が選択されている。
【0054】
一般に、周波数ならびに励起ユニット42の種類は、搬送流12の中に含まれているバルク材料とその特性に応じて選択されている。例えば、ココア又はコーヒーの粉のような付着性の強いバルク材料に対しては、ハンマー機構又は打撃機構を使用するのが有利であると証明されており、それによって、個々の強いパルスで付着物を剥がし、一方、例えばプラスチック顆粒のような、付着性のあまり強くないバルク材料に対しては、バイブレータを使用するのが有利であることが分かっており、それによって、例えば約20Hzの周期的振動によってバルク材料をハウジング24から排出管28に移動させる。
【0055】
可動要素44とハウジング24の外側46との間には、好ましくはラバーバッファなどの減衰要素(図示されていない)が配置されており、それによって、可動要素44とハウジング24の外側46とが直接接触するのを防止する。しかし、可動要素44によって伝達されるパルスは、常に、それによってハウジング24の壁が十分な振幅で振動するような大きさでなければならない。
【0056】
同様に励起ユニット42も制御ユニット38に接続されており、その駆動装置45は制御ユニット38によって制御されるので、制御ユニット38は励起ユニット42を作動させ、作動解除することができる。
【0057】
この例では、励起ユニット42がハウジング24とは別の構成部品として製造されている。励起ユニット42は、ハウジング24の外側46に配置されている。このために、ここでは、複数の固定ボルト48、例えばスタッドボルトが外側46に溶接されており、励起ユニット42はこれらのスタッドボルト48に取り付けられている。固定ボルト48は、ハウジング24の壁を貫通してないので、ハウジング24の内側40は、励起ユニット42の領域でも平坦かつ滑らかである。
【0058】
図示されているバリエーションでは、励起ユニット42が、ハウジング24内部の搬送区間16への排出管28の合流部50付近において、排出管28のハウジング24の上側49に配置されている。
【0059】
図2は、説明した装置10において搬送流12から金属物を取り除くための方法の可能な手順を示している。
【0060】
本方法は、金属検出器20が金属物を検知し、該当する検知信号が制御ユニット38に伝達されると、第1の工程100によって開始される。
【0061】
工程102では、制御ユニット38が励起ユニット42を作動させ、すなわち可動要素44を動かす励起ユニット42の駆動装置45をオンにする。この時点において、励起ユニット42は、ハウジング24の壁を振動させ始める。この場合、励起の種類と周波数は、励起ユニット42の種類ならびにあらかじめ設定されている周波数によって決められている。
【0062】
さらに、制御ユニット38は、除去プロセスを開始し、そのために振動フラップ26のアクチュエータ32を作動させ、それによって、旋回フラップ26は、初期位置から排出位置に移動し始める(工程104)。
【0063】
ここで、制御ユニット38は、金属検出器20が反応した直後、さらに正確に言えば金属検出器20から検知信号を受信した直後に、励起ユニット42を作動させる。
【0064】
この場合、1つのバリエーションでは、励起ユニット42の作動が、旋回フラップ26が旋回し始める前にすでに行われる。別のバリエーションでは、励起ユニット42の作動は、少なくとも旋回フラップ26がその排出位置に達する前、例えば排出位置到達の約100ミリ秒前に行われる。このことは、特に、自由落下区間が数メートルの長さを有している場合に可能である。自由落下区間が短い場合、バルク材料が金属検出器20から除去装置22までに必要とする時間が短くなることから、この時間幅は短縮される。
【0065】
旋回フラップ26が排出位置になると、すべての搬送流12は搬送区間16から離れて排出管28の中に迂回する。このとき、検出された金属物も排出管28から排出される(工程106)。
【0066】
金属物を含むバルク材料の該当する量が排出管28に迂回すると、工程108において旋回フラップ26は初期位置に復帰旋回し、励起ユニット42はオフにされる(工程110)。
【0067】
この例において、励起ユニット42は、少なくとも全除去プロセスの間、すなわち旋回フラップ26が初期位置から旋回する直前又はそれ以降から、少なくとも旋回フラップ26が初期位置に復帰旋回するまで作動する。
【0068】
さらに、ここにおいて、励起ユニット42は、旋回フラップ26が再び初期位置に達した後の時点を超え、アフターランタイムの間も作動する。旋回フラップ26によってバルク材料の迂回量が排出された後、場合によっては除去装置22、特に旋回フラップ26及び排出管28に残っている付着物は、このとき直接剥がされ、排出管28から運び出される。
【0069】
通常、アフターランタイムは、使用しているバルク材料ならびに装置10に応じて全体として決定され、例えば除去プロセスの所要時間の1~10倍とすることができる。
【0070】
ここでは、励起ユニット42が除去プロセス時に毎回作動する。
【0071】
除去プロセスの終了後、場合によってはアフターランタイムを考慮して、制御ユニットは励起ユニット42を再び作動解除する。従って、ハウジング24の振動励起は、必要に応じて行われる。励起ユニット42は、装置10の作動時間の大部分にわたり作動解除されている。
【0072】
ここでは、除去プロセス中の作動に加えて、運転中、すなわち搬送流12が流れている時に金属検出器20の反応とは関係なくあらかじめ設定された時点に励起ユニット42が作動し、このとき、除去装置22の清掃プロセスが実行される。
【0073】
この場合、旋回フラップ26は、その初期位置に留まっているため、排出管28は搬送流12から完全に切り離されている。励起ユニット42は、あらかじめ設定された時間、例えば数秒間、制御ユニット38によって作動する。このとき、ハウジング24の内側40にバルク材料の付着物がある場合は、それらが剥がれる。排出管28の内側ならびに旋回フラップ26の排出管側の側面から剥がれたバルク材料は、ハウジング24の振動によって、排出管28を通って運び出される。旋回フラップ26の搬送流側の側面ならびに搬送流12の領域にあるハウジング24の内側40から剥がれたバルク材料は、搬送流12と一緒に運び出される。
【0074】
このような清掃プロセスは、例えば、あらかじめ設定された時間幅の後又はあらかじめ設定された量のバルク材料の通過後、それぞれ周期的に制御ユニット38によって自動的に実行することができる。
【0075】
さらに、搬送管14に試験部品投入口を設けることもでき、そこから試験部品を搬送流12の中に入れ、金属検出器20の機能を点検することができる。試験部品投入口51は挿入ピース52からなり、これを介して、搬送管14の外から試験部品を搬送流12の中に入れることができる。この場合、挿入ピース52は閉鎖要素53を備えており、この閉鎖要素53は回転させることによって開閉することができる。このとき、閉鎖要素53は、搬送管14の内側40まで達するように設計されており、それによって、搬送流12からの堆積物が入り込めないデッドスペースのない挿入ピース52を提供する。好ましくは、閉鎖要素53には、公差を補正し、かつ挿入ピース52を密閉する少なくとも1つのシールがあってもよい。
【0076】
好ましくは、試験部品のガイド及び位置決めは、挿入ピース52のねじ山と、それに対応する閉鎖要素53のねじ山とによってのみ行うことができる。そのために、閉鎖要素53内に試験部品のための挿入補助を取り付けるか、又は試験部品のための挿入補助を備えたさらなる閉鎖要素53を使用して、試験部品を保持することができる。閉鎖要素53が挿入ピース52の中に挿入され、閉鎖要素53が開位置から閉位置に回されるとすぐに、試験部品は搬送流12の中に入れられる。
【符号の説明】
【0077】
10 装置
12 搬送流
14 搬送管
16 搬送区間
18 自由落下セクション
20 金属検出器
22 除去装置
24 ハウジング
26 旋回フラップ
28 排出管
30 旋回軸
32 アクチュエータ
34 入口側
36 出口側
38 制御ユニット
40 内側
42 励起ユニット
44 可動要素
45 駆動装置
46 外側
48 固定ボルト
49 上側
50 合流部
51 試験部品投入口
52 挿入ピース
53 閉鎖要素
100 工程
102 工程
104 工程
106 工程
108 工程
110 工程
【外国語明細書】