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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022821
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】流体動力生成ポンプの制御
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/06 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
F04B49/06 321B
F04B49/06 341H
F04B49/06 341E
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024125582
(22)【出願日】2024-08-01
(31)【優先権主張番号】63/517,180
(32)【優先日】2023-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/784,464
(32)【優先日】2024-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ポール リンダール
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ヘネン
(72)【発明者】
【氏名】スコット ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】クルト クビストベルク
(57)【要約】
【課題】流体動力ユニット及び流体動力ユニットを動作させる方法の提供。
【解決手段】流体動力ユニットは、作動流体を収容するリザーバと、主出力部と、圧力センサと、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプと、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプとを備える。作動流体の主流は、主出力部を通して吐出される。圧力センサは、主流の圧力を示す圧力信号を含む。各能動弁油圧ポンプは、圧力信号が第1の圧力設定点を下回るときに、リザーバから主出力部への主流の第1の流れ部分を駆動するように構成される。各受動弁油圧ポンプは、圧力信号が第2の圧力設定点を下回るときに、リザーバから主出力部への主流の第2の流れ部分を駆動するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体動力ユニットであって、
作動流体を収容するリザーバと、
主出力部であって、前記作動流体の主流が前記主出力部を通って吐出される、主出力部と、
前記主流の圧力を示す圧力信号を有する圧力センサと、
可変の押しのけ容積を有する少なくとも1つの能動弁油圧ポンプであって、それぞれが、前記圧力信号が第1の圧力設定点を下回るときに、前記リザーバから前記主出力部への前記主流の第1の流れ部分を駆動するように構成された、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプと、
可変の押しのけ容積を有する少なくとも1つの受動弁油圧ポンプであって、それぞれが、前記圧力信号が第2の圧力設定点を下回るときに、前記リザーバから前記主出力部への前記主流の第2の流れ部分を駆動するように構成された、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプと、
前記リザーバと、前記少なくとも1つの能動弁油圧ポンプと、前記少なくとも1つの受動弁油圧ポンプとを収容するハウジングと、
を備える、流体動力ユニット。
【請求項2】
前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも低く、1つの実施形態では、前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも約1%~5%低い、又は、
前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも高く、1つの実施形態では、前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも約1%~5%高い、又は、
前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点に等しい、
請求項1に記載の流体動力ユニット。
【請求項3】
前記第1の圧力設定点及び前記第2の圧力設定点を設定するように構成された少なくとも1つのコントローラーを更に備える、請求項1又は2に記載の流体動力ユニット。
【請求項4】
前記少なくとも1つの受動弁油圧ポンプは、複数の前記受動弁油圧ポンプを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の流体動力ユニット。
【請求項5】
前記少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の前記能動弁油圧ポンプを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の流体動力ユニット。
【請求項6】
各能動弁油圧ポンプは、
前記流体リザーバに接続された低圧ポートと、
前記主出力部に接続された高圧ポートと、
複数のピストンポンプと、
各ピストンポンプの作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターと、
複数の能動弁であって、それぞれが、前記ピストンポンプのうちの1つに対応し、かつ、前記ピストンポンプを、前記作動容積に対する前記周期的な変化が前記作動容積から前記高圧ポートを通し作動流体の前記第1の流れ部分を駆動する作動状態と、前記作動容積と前記リザーバ又は前記低圧ポートとの間に流体経路が形成される停止状態とに設定するように構成された、複数の能動弁と、
前記能動弁のそれぞれを制御して、前記ピストンポンプを個別に前記作動状態又は前記停止状態に設定するように構成されたポンプコントローラーと、
を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の流体動力ユニット。
【請求項7】
各受動弁油圧ポンプは、
前記流体リザーバに接続された低圧ポートと、
前記主出力部に接続された高圧ポートと、
複数のピストンポンプであって、それぞれが、前記低圧ポートを通し調整可能な作動容積内に作動流体を引き込んで前記調整可能な作動容積から前記高圧ポートを通し作動流体の前記第2の流れ部分を駆動するように構成された、複数のピストンポンプと、
各ピストンポンプの前記調整可能な作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターと、
を備える、請求項6に記載の流体動力ユニット。
【請求項8】
流体動力ユニットを動作させる方法であって、前記流体動力ユニットは、
作動流体を収容するリザーバと、
主出力部であって、前記リザーバからの前記作動流体の主流が前記主出力部を通って吐出される、主出力部と、
前記主流の圧力を示す圧力信号を有する圧力センサと、
可変の押しのけ容積を有する少なくとも1つの能動弁油圧ポンプと、
可変の押しのけ容積を有する少なくとも1つの受動弁油圧ポンプと、
前記リザーバと、前記少なくとも1つの能動弁油圧ポンプと、前記少なくとも1つの受動弁油圧ポンプとを収容するハウジングと、
を備えており、
前記方法は、
前記主流の前記圧力が第1の圧力設定点を下回ることを前記圧力信号が示すときに、前記少なくとも1つの能動弁油圧ポンプのうちの1つ以上を使用して、前記主流の第1の流れ部分を駆動することと、
前記主流の前記圧力が前記第1の圧力設定点を上回ることを前記圧力信号が示すときに、前記少なくとも1つの能動弁油圧ポンプを停止させることと、
前記主流の前記圧力が第2の圧力設定点を下回ることを前記圧力信号が示すときに、前記少なくとも1つの受動油圧ポンプのうちの1つ以上を使用して、前記主流の第2の流れ部分を駆動することと、
前記主流の前記圧力が前記第2の圧力設定点を上回ることを前記圧力信号が示すときに、前記少なくとも1つの受動弁油圧ポンプを停止させることと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも低く、1つの実施形態では、前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも約1%~5%低い、又は、
前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも高く、1つの実施形態では、前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点よりも約1%~5%高く、又は、
前記第1の圧力設定点は、前記第2の圧力設定点に等しい、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの受動弁油圧ポンプは、複数の前記受動弁油圧ポンプを含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の前記能動弁油圧ポンプを含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各能動弁油圧ポンプは、
前記流体リザーバに接続された低圧ポートと、
前記主出力部に接続された高圧ポートと、
複数の第1のピストンポンプと、
各第1のピストンポンプの作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターと、
複数の能動弁であって、それぞれが、前記第1のピストンポンプのうちの1つを、前記作動容積に対する前記周期的な変化が前記高圧ポートを通し前記第1の流れ部分の一部を駆動する作動状態と、前記作動容積と前記リザーバ又は前記低圧ポートとの間に流体経路が形成される停止状態とに設定するように構成された、複数の能動弁と、
前記能動弁のそれぞれを制御して、前記第1のピストンポンプを個別に前記作動状態又は前記停止状態に設定するように構成されたポンプコントローラーと、
を備えており、
各受動弁油圧ポンプは、
前記流体リザーバに接続された低圧ポートと、
前記主出力部に接続された高圧ポートと、
複数の第2のピストンポンプであって、それぞれが、前記低圧ポートを通し調整可能な作動容積内に作動流体を引き込んで前記調整可能な作動容積から前記高圧ポートを通し作動流体の前記第2の流れ部分の一部を駆動するように構成された、複数の第2のピストンポンプと、
前記第2のピストンポンプのそれぞれの前記調整可能な作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターと、
を備えている、請求項8~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
流体動力システムであって、
少なくとも1つの第1の流体動力ユニットであって、それぞれが、
作動流体を収容する第1のリザーバと、
第1の主出力部であって、前記作動流体の第1の主流が前記第1の主出力部を通って吐出される、第1の主出力部と、
前記第1の主流の第1の圧力を示す第1の圧力信号を有する第1の圧力センサと、
少なくとも1つの能動弁油圧ポンプであって、それぞれが、前記第1の圧力が第1の圧力設定点を下回ることを前記第1の圧力信号が示すときに、前記第1のリザーバから前記第1の主出力部への前記第1の主流の流れ部分を駆動するように構成された、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプと、
前記第1のリザーバ及び前記少なくとも1つの能動弁油圧ポンプを収容する第1のハウジングと、
を備える、少なくとも1つの第1の流体動力ユニットと、
少なくとも1つの第2の流体動力ユニットであって、それぞれが、
作動流体を収容する第2のリザーバと、
第2の主出力部であって、前記作動流体の第2の主流が前記第2の主出力部を通って吐出される、第2の主出力部と、
前記第2の主流の第2の圧力を示す第2の圧力信号を有する第2の圧力センサと、
少なくとも1つの受動弁油圧ポンプであって、それぞれが、前記第2の圧力が第2の圧力設定点を下回ることを前記第2の圧力信号が示すときに、前記第2のリザーバから前記第2の主出力部への前記第2の主流の流れ部分を駆動するように構成された、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプと、
前記第2のリザーバ及び前記少なくとも1つの受動弁油圧ポンプを収容する第2のハウジングと、
を備える、少なくとも1つの第2の流体動力ユニットと、
前記第1の主流と前記第2の主流とを結合主流に結合するように構成されたフローアグリゲータと、
を備える、流体動力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「Hydraulic Power Generation Pump Control」と題する2023年8月2日に出願された米国仮特許出願第63/517,180号からの優先権の利益を主張するものであり、その内容は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示の実施形態は、概して、流体動力の生成に関し、より具体的には、2つの異なるタイプの油圧ポンプを使用した流体動力の生成に関する。
【背景技術】
【0003】
MTS Systems Corporation社によって開発された動的試験システム等の動的試験システムは、油圧アクチュエータを使用して試験対象に負荷及び変位を加えることによって様々な試験を行う試験ステーションを備える。試験ステーションは、例えば、シミュレートされた運転状況を移動車両に適用する車両試験ステーション、又はシミュレートされた地震活動を建物に適用する建物試験ステーションを含み得る。
【0004】
試験ステーションの油圧アクチュエータは、流体動力ユニットによって生成される作動流体流によって駆動される。従来の流体動力ユニットは、可変の押しのけ容積を有する複数の受動弁油圧ポンプを備える。そのような受動弁油圧ポンプは、例えば、吐出される作動流体流を変化させるための調整可能な作動容積を有する複数のピストンポンプ(例えば、ピストン及びシリンダーアセンブリ)を有する油圧ピストンポンプを含む。作動容積に出入りする作動流体流は、受動(例えば、圧力で作動する)弁を使用して制御される。流体動力ユニットに使用される1つの一般的なタイプの受動弁油圧ポンプは、斜板を利用してピストンポンプの作動容積を変化させる可変容量形アキシャルピストンポンプである。
【0005】
可変の押しのけ容積を有する受動弁油圧ポンプは、大きな体積の作動流体流を効率的に提供するのに効果的であり得るが、それらは、一般に、流体流についての要求の変化に迅速に応答することができない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施の形態は、動的試験システムのための流体動力の生成に関し、流体動力ユニット及び流体動力ユニットを動作させる方法、流体動力システム、及び流体動力システムを動作させる方法を含む。
【0007】
流体動力ユニット(HPU)の1つの実施の形態は、作動流体を収容するリザーバと、主出力部と、圧力センサと、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプと、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプとを備える。ハウジングは、リザーバと、少なくとも1つの能動油圧ポンプと、少なくとも1つの受動油圧ポンプとを収容する。作動流体の主流は、主出力部を通して吐出される。圧力センサは、主流の圧力を示す圧力信号を含む。各能動弁油圧ポンプは、圧力信号が第1の圧力設定点を下回るときに、リザーバから主出力部への主流の第1の流れ部分を駆動するように構成される。各受動弁油圧ポンプは、圧力信号が第2の圧力設定点を下回るときに、リザーバから主出力部への主流の第2の流れ部分を駆動するように構成される。
【0008】
本HPUのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は第2の圧力設定点よりも低いか、又は第1の圧力設定点は第2の圧力設定点よりも高い。
【0009】
本HPUのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%低い。
【0010】
本HPUのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%高い。
【0011】
本HPUのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点に等しい。
【0012】
いくつかの実施の形態では、流体動力ユニットは、第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点を設定するように構成された少なくとも1つのコントローラーを備える。
【0013】
本HPUのいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプは、複数の受動弁油圧ポンプを含む。
【0014】
本HPUのいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の能動弁油圧ポンプを含む。
【0015】
本HPUのいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の能動弁油圧ポンプを含む。
【0016】
本HPUのいくつかの実施の形態では、各能動弁油圧ポンプは、流体リザーバに接続された低圧ポートと、主出力部に接続された高圧ポートと、複数のピストンポンプと、各ピストンポンプの作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターと、複数の能動弁であって、それぞれが、ピストンポンプのうちの1つに対応し、ピストンポンプを、作動容積に対する周期的な変化が作動容積から高圧ポートを通して作動流体の第1の流れ部分を駆動する作動状態と、作動容積とリザーバ又は低圧ポートとの間に流体経路が形成される停止状態とに設定するように構成された、複数の能動弁と、能動弁のそれぞれを制御して、ピストンポンプを個別に作動状態又は停止状態に設定するように構成されたポンプコントローラーとを備える。
【0017】
本HPUのいくつかの実施の形態では、各受動弁油圧ポンプは、流体リザーバに接続された低圧ポートと、主出力部に接続された高圧ポートと、複数のピストンポンプであって、それぞれが、低圧ポートを通して調整可能な作動容積内に作動流体を引き込み、調整可能な作動容積から高圧ポートを通して作動流体の第2の流れ部分を駆動するように構成された、複数のピストンポンプと、各ピストンポンプの調整可能な作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターとを備える。
【0018】
流体動力ユニットを動作させる方法の1つの例では、圧力信号が、主流の圧力が第1の圧力設定点を下回ることを示すときに、主流の第1の流れ部分は、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプのうちの1つ以上を使用して駆動される。少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、圧力信号が、主流の圧力が第1の圧力設定点を上回ることを示すときに停止される。圧力信号が、主流の圧力が第2の圧力設定点を下回ることを示すときに、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプのうちの1つ以上を使用して、主流の第2の流れ部分が駆動される。少なくとも1つの受動弁油圧ポンプは、圧力信号が、主流の圧力が第2の圧力設定点を上回ることを示すときに停止される。
【0019】
本方法のいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも低いか、又は、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも高い。
【0020】
本方法のいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%低い。
【0021】
本方法のいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%高い。
【0022】
本方法のいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点に等しい。
【0023】
本方法のいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプは、複数の受動弁油圧ポンプを含む。
【0024】
本方法のいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の能動弁油圧ポンプを含む。
【0025】
本方法のいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の能動弁油圧ポンプを含む。
【0026】
本方法のいくつかの実施の形態では、各能動弁油圧ポンプは、流体リザーバに接続された低圧ポートと、主出力部に接続された高圧ポートと、複数の第1のピストンポンプと、各第1のピストンポンプの作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターと、複数の能動弁であって、それぞれが、第1のピストンポンプのうちの1つを、作動容積に対する周期的な変化が高圧ポートを通して作動流体の第1の流れ部分の一部を駆動する作動状態と、作動容積とリザーバ又は低圧ポートとの間に流体経路が形成される停止状態とに設定するように構成された、複数の能動弁と、能動弁のそれぞれを制御して、第1のピストンポンプを個別に作動状態又は停止状態に設定するように構成されたポンプコントローラーとを備え、各受動弁油圧ポンプは、流体リザーバに接続された低圧ポートと、主出力部に接続された高圧ポートと、複数の第2のピストンポンプであって、それぞれが、低圧ポートを通して調整可能な作動容積内に作動流体を引き込み、調整可能な作動容積から高圧ポートを通して作動流体の第2の流れ部分の一部を駆動するように構成された、複数の第2のピストンポンプと、第2のピストンポンプのそれぞれの調整可能な作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターとを備える。
【0027】
流体動力システムの1つの実施の形態は、少なくとも1つの第1の流体動力ユニットと、少なくとも1つの第2の流体動力ユニットと、フローアグリゲータとを備える。第1の流体動力ユニットのそれぞれは、作動流体を含む第1のリザーバと、作動流体の第1の主流が吐出される第1の主出力部と、第1の主流の第1の圧力を示す第1の圧力信号を有する第1の圧力センサと、第1の圧力が第1の圧力設定点を下回ることを第1の圧力信号が示すときに、第1のリザーバから第1の主出力部への第1の主流の流れ部分を駆動するように構成された少なくとも1つの能動弁油圧ポンプとを備える。各第2の流体動力ユニットは、作動流体を含む第2のリザーバと、作動流体の第2の主流が吐出される第2の主出力部と、第2の主流の第2の圧力を示す第2の圧力信号を有する第2の圧力センサと、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプであって、それぞれが、第2の圧力が第2の圧力設定点を下回ることを第2の圧力信号が示すときに、第2のリザーバから第2の主出力部への第2の主流の流れ部分を駆動するように構成された、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプとを備える。フローアグリゲータは、第1の主流と第2の主流とを結合して結合主流にするように構成される。
【0028】
本システムのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも低いか、又は、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも高い。
【0029】
本システムのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%低い。
【0030】
本システムのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%高い。
【0031】
本システムのいくつかの実施の形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点に等しい。
【0032】
いくつかの実施の形態では、本システムは、第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点を設定するように構成された少なくとも1つのコントローラーを備える。
【0033】
本システムのいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプは、複数の受動弁油圧ポンプを含む。
【0034】
本システムのいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の能動弁油圧ポンプを含む。
【0035】
本システムのいくつかの実施の形態では、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、複数の能動弁油圧ポンプを含む。
【0036】
本システムのいくつかの実施の形態では、各能動弁油圧ポンプは、流体リザーバに接続された低圧ポートと、主出力部に接続された高圧ポートと、複数の第1のピストンポンプと、各第1のピストンポンプの作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターと、複数の能動弁であって、それぞれが、第1のピストンポンプのうちの1つを、作動容積に対する周期的な変化が作動容積から高圧ポートを通して第1の主流の一部を駆動する作動状態と、作動容積とリザーバ又は低圧ポートとの間に流体経路が形成される停止状態とに設定するように構成された、複数の能動弁と、能動弁のそれぞれを制御して、第1のピストンポンプを個別に作動状態又は停止状態に設定するように構成されたポンプコントローラーとを備え、各受動弁油圧ポンプは、流体リザーバに接続された低圧ポートと、主出力部に接続された高圧ポートと、複数の第2のピストンポンプであって、それぞれが、低圧ポートを通して調整可能な作動容積内に作動流体を引き込み、調整可能な作動容積から高圧ポートを通して第2の主流の一部を駆動するように構成された、複数の第2のピストンポンプと、第2のピストンポンプのそれぞれの調整可能な作動容積に対する周期的な変化を駆動するように構成されたモーターとを備える。
【0037】
いくつかの実施の形態では、上述の1つ以上のセンサはそれぞれ、圧力ではなく対応する流体流の流量を示す流量信号を有する流量センサに置き換えられ、ポンプは流量センサからの流量信号に基づいて制御される。
【0038】
本明細書におけるこの概要は、詳細な説明において下記に更に説明される選り抜きの概念を、簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、請求される主題の重要となる特徴又は不可欠な特徴を識別することを意図せず、請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。請求される主題は、背景技術に記載される任意又は全ての欠点を解決する実装に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本開示の実施形態による、動的試験システムの一例の簡略図である。
【0040】
図2】本開示の実施形態による、流体動力ユニットの一例の簡略図である。
【0041】
図3】本開示の実施形態による、流体動力システムの一例の簡略図である。
【0042】
図4】本開示の実施形態による、受動弁油圧ポンプの一例の簡略図である。
【0043】
図5】本開示の実施形態による、可変容量形アキシャルポンプの一例の簡略化された側面断面図である。
【0044】
図6】本開示の実施形態による、能動弁油圧ポンプの一例の簡略図である。
【0045】
図7A】本開示の実施形態による、図6の能動弁油圧ポンプのピストンポンプのうちの1つの異なる動作モードを示す簡略図である。
図7B】本開示の実施形態による、図6の能動弁油圧ポンプのピストンポンプのうちの1つの異なる動作モードを示す簡略図である。
図7C】本開示の実施形態による、図6の能動弁油圧ポンプのピストンポンプのうちの1つの異なる動作モードを示す簡略図である。
【0046】
図8】本開示の実施形態による、コントローラーの簡略図である。
【0047】
図9】本開示の実施形態による、流体動力ユニットの一例示の動作を示すチャートである。
【0048】
図10】本開示の実施形態による、流体動力ユニットの一例示の動作を示すチャートである。
【0049】
図11】本開示の実施形態による、流体動力ユニットを動作させる方法の一例を示すフローチャートである。
【0050】
図12】本開示の実施形態による、流体動力システムを動作させる方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本開示の実施形態は、添付図面を参照して以降でより完全に述べられる。同じ又は同様の参照符号を使用して識別される要素は、同じ又は同様の要素を指す。しかし、本開示の種々の実施形態は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと見なされるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であるように提供され、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるであろう。
【0052】
図1は、本開示の実施形態による、動的試験システム100の一例の簡略図である。試験システム100は、1つ以上の試験ステーション102を備えることができ、試験ステーション102のそれぞれは、油圧アクチュエータ104を使用して、試験対象103(例えば、自動車、建物等)に力及び/又は変位を加えることによって試験又は状況シミュレーションを行うように構成することができる。
【0053】
油圧アクチュエータ104は、1つ以上の流体動力ユニット(HPU)110によって生成される作動流体の流れ106によって駆動される。流れ106を結合することにより、試験ステーション102によって要求される所望の流れを提供することができる。
【0054】
また、システム100は、1つ以上の流体動力システム(HPS)114を備えることができる。各HPS114は、HPU110A及びHPU110B等の2つ以上のHPU110を組み合わせたものを備える。HPU110のそれぞれによって出力される作動流体流106は、以下で論じるように、所望の結合された作動流体流を生成するように制御される。
【0055】
システム100は、HPU110及び/又はHPS114から受け取った加圧作動流体を貯蔵するアキュムレータ116を備えることができる。アキュムレータ116は、試験ステーション102に供給され得る作動流体流118を吐出することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、システム100は、HPU110、HPS114、及び/又はアキュムレータ116から作動流体流を受け取り、矢印122によって示されるように作動流体の流れを試験ステーション102に分配する、分配器120を備えることができる。他の構成を使用してシステム100を形成することもできる。
【0057】
システム100は、例えば、試験ステーション102によって使用された低圧の作動流体流124が油圧分配システム120等を通してHPU110に戻される、閉鎖システムとすることができる。
【0058】
システムコントローラー126は、HPU110、HPS114、弁機構(例えば、アキュムレータ及び/又は分配器の弁機構)の機能を含むシステム100の様々な態様、及び/又は要求される作動流体流122を試験ステーション102に供給するためのシステム100の他の態様を制御するように動作することができる。
【0059】
図2は、本開示の実施形態による、HPU110の一例の簡略図である。いくつかの実施形態では、各HPU110は、例えば、最大約200ガロン/分以上等、50ガロン/分以上の流量を有し得る主作動流体流106を生成するように構成される。
【0060】
各HPU110は、所望の作動流体流106を生成するためにHPU110の動作を制御するHPUコントローラー128を備えることができる。いくつかの実施形態では、HPU110は、2つ以上のポンプ130を備え、ポンプ130のそれぞれは、主流106の少なくとも一部を形成する作動流体の流れ132を駆動するように構成され、主流106は、主出力部133を通して吐出される。ポンプ130のそれぞれは、例えば、アキシャルピストンポンプ、ラジアルピストンポンプ、斜軸式ピストンポンプ、ロータリーベーンポンプ等の可変容量形油圧ポンプ、及び/又はシステム100での使用に好適な他のタイプの可変容量形油圧ポンプの形態をとることができる。
【0061】
各ポンプ130は、好適な歯車構成を介する等してポンプ130を駆動するための電気モーター134を備える。モーター134は、例えば、45キロワット又は60馬力のモーターとすることができる。モーター134及びHPU110の他の構成要素を冷却するために、冷却システム(図示せず)をHPU110に採用することができる。
【0062】
1つの実施形態では、システム100のHPU110のうちの1つ以上のポンプ130は、第1のタイプの1つ以上の第1のポンプ130Aと、第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つ以上の第2のポンプ130Bとを含む。例えば、HPU110は、1個又は2個のポンプ130A及び2個~5個のポンプ130B等、1個~5個のポンプ130A及び1個~5個のポンプ130Bを備えることができる。以下で論じるように、ポンプ130A及び130Bは、それぞれ、他方を補完して、単一のタイプのポンプを利用する従来のHPU110よりも改善された性能を提供する能力を有することができる。
【0063】
1つの実施形態では、ポンプ130Aのそれぞれは、可変の押しのけ容積を有する能動弁油圧ポンプであり、ポンプ130Bのそれぞれは、可変の押しのけ容積を有する受動弁油圧ポンプである。ポンプ130A及び130Bの例については、以下でより詳細に説明する。
【0064】
いくつかの実施形態では、システム100は、ポンプ130Aのみを有する1つ以上のHPU110、及び/又はポンプ130Bのみを有する1つ以上のHPU110を備えることができる。また、システム100は、以下で論じるように、ポンプ130Aを有する少なくとも1つのHPU110と、ポンプ130Bのみを有する少なくとも1つのHPU110との組合せを含む1つ以上のHPS114を利用することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、HPU110は、作動流体のリザーバ136を備え、図2に示すように、その中にポンプ130のそれぞれが沈められ得る。低圧の作動流体124は、戻りポート138を通してリザーバ136に戻すことができる。あるいは、ポンプ130をリザーバ136の作動流体の外部に配置し、例えば、リザーバ136から作動流体を引き込むために過給機を使用してもよい。
【0066】
ハウジング139は、図2に示すように、リザーバ136及びポンプ130を囲むことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、各HPU110は、主出力部133における作動流体流106の圧力を感知し、感知した圧力を示す圧力信号142を生成するように構成された圧力センサ140(図2)を備える。HPU110のポンプ130を制御するために圧力信号142を使用することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、各HPUは、主流106の圧力を示す圧力信号142A及び142Bをそれぞれ生成するセンサ140A及び140B等、余剰の圧力センサ140を備える。余剰の圧力信号142A及び142Bは、圧力センサ140のうちの一方が故障した場合にHPU110の動作を継続することを確実にするために使用することができる。加えて、余剰の圧力センサ140によって生成される圧力信号142は、以下で論じるように、異常を検出するために使用することができる。
【0069】
図3は、本開示の実施形態による、HPS114の一例の簡略図である。上述のように、各HPS114は、本明細書に記載の実施形態に従ってそれぞれ形成されたHPU110のうちの2つ以上を備える。したがって、図3の例示のHPS114は2つのHPU110A及び110Bを組み合わせたものを示しているが、HPS114は3つ以上のHPU110を備え得ることが理解される。
【0070】
HPU110は、フローアグリゲータ148によって結合された主流106(例えば、流れ106A及び106B)を生成して、試験ステーション102(図1)の作動流体流の要求の少なくとも一部を満たすために使用される所望の結合主流150を生成するように、システムコントローラー126、HPUコントローラー128、及び/又はHPSコントローラー146等の少なくとも1つのコントローラーによって制御することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、HPS114は、第1のタイプの1つ以上のポンプ130Aを有するHPU110Aと、第2のタイプのポンプ130Bのみを有するHPU110Bとを備える。これにより、HPS114は、結合主流150の生成において、各タイプのポンプの利点を利用することができる。
【0072】
HPS114は、図3に示すように、アグリゲータ148を通して吐出された結合主流150の圧力を測定するために、圧力センサ140のうちの1つ以上を利用することができる。1つの例では、圧力センサ140は、対応する主出力部133における圧力を測定する、各HPU110の1つ以上の圧力センサ140の形態をとることができる。あるいは、HPS114は、例えば、図3に示すように、アグリゲータ148の出力部等、主出力部の下流に1つ以上の圧力センサ140を備えてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、ポンプ130Bのそれぞれは、動的試験システムの従来のHPUで使用されるもの等の、調整可能な作動容積を有する受動弁可変容量形油圧ポンプ(例えば、可変容量形アナログポンプ)の形態である。これらは、従来の可変容量形ラジアルポンプ、可変容量形ベーンポンプ、可変容量形アキシャルポンプ、又は別の好適な従来の可変容量形ポンプを含むことができる。
【0074】
図4は、本開示の実施形態による、ポンプ130Bの一例の簡略図である。ポンプ130Bは、複数のピストンポンプ160を含むことができ、複数のピストンポンプ160は、それぞれ、シリンダー164内に収容されたピストン162を備える。各ピストン162は、モーター134を使用する周期駆動部166によって、そのシリンダー164内で周期的な又は往復する態様で駆動される。モーター134は、従来の可変容量形油圧ポンプと同様に、周期駆動部166とピストンポンプ160との間の相対的な動きを駆動する。
【0075】
弁機構168は、各ピストンポンプ160の作動容積170を、主出力部133に接続された高圧ポート172と、リザーバ136に接続された低圧ポート174とに接続する。各ピストンポンプ160の作動容積170は、ピストン162のストロークサイクル中に、シリンダー164内にそのポート176を通して引き込まれるか又はそこから吐出され得る作動流体の最大容積である。
【0076】
ポンプ130Bは、従来の方法でピストンポンプ160のそれぞれの作動容積170を調整するように動作する従来の作動容積調整器178を備える。これにより、ポンプ130Bは、モーター134がピストンポンプ160と周期駆動部166との間の相対的な動きを駆動している間、ポンプ130Bが高圧ポート172を通る作動流体流132Bを、もしあるとしても、ほとんど駆動しないゼロ又は略ゼロの押しのけ容積モード(例えば、アイドルモード)から、ポンプ130Bが高圧ポート172を通る最大作動流体流132Bを駆動する最大押しのけ容積モードに移行することができる。
【0077】
弁機構168は、例えば、ピストン162の動きに応じて各ピストンポンプ160の作動容積170の内外に作動流体が流れることを可能にするポペット逆止弁等の受動弁を備える従来の弁機構とすることができる。例えば、周期駆動部166が、矢印180によって示されるように、ピストン160をそのポート176に向かって動かすとき、作動流体の流れは、ポート176を通るように駆動される。弁機構168は、図4に示すように、流れが低圧ポート174に送達されることを阻止しながら、流れが高圧ポート172に送達されることを可能にする。周期駆動部166が、矢印182によって示されるように、ピストン162をそのポート176から離れるように動かすと、作動流体の流れが、リザーバ136から低圧ポート174及びポート176を通してシリンダー164内に引き込まれる。したがって、このようにして、ピストン162の周期的な動きは、図2に示すように、リザーバ136から受け取った作動流体の流れ132Bを、高圧ポート172を通して主出力部133へと駆動して、主流106を形成することができる。
【0078】
周期駆動部166及び作動容積調整器178は、任意の好適な形態をとることができる。ポンプ130Bが従来の可変容量形ラジアルポンプの形態である場合、周期駆動部166はカムの形態をとることができ、作動容積調整器178は、例えば、カムに対するピストンポンプ160の回転軸又はピストンポンプ160に対するカムの回転軸の偏心を調整して、作動容積を調整することができる。ポンプ130Bが従来の可変容量形ベーンポンプの形態をとる場合、周期駆動部166は、ピストンポンプ160がカムリングに対して回転する間にピストン162のベーンと係合するカムリングの形態をとることができる。ここで、作動容積調整器178は、例えば、カムリングに対するピストンポンプ160の回転軸の偏心の形態をとることができる。
【0079】
また、ポンプ130Bは、従来の可変容量形アキシャルポンプの形態をとることができ、その例の簡略化された側面断面図が、図5に提供される。ここで、モーター134は、ピストンポンプ160が取り付けられたシャフト184を、周期駆動部166として動作する斜板186に対して回転させることができる。斜板186は、斜板186に対するピストンポンプ160の動きに応答して、ピストンポンプ160の作動容積170内に作動流体を引き込むか又はそこから作動流体を駆動するかのいずれかのために、ピストン162の周期的な動きを駆動する。シャフト184の軸189に対する斜板186の角度188は、ピストンポンプ160のそれぞれの作動容積170を決定する。作動容積調整器178は、角度188を、例えば、ポンプ130Bがそのアイドルモードにある90度から、ピストンポンプの作動容積170を最大化する角度188に調整することができる。
【0080】
図6は、本開示の実施形態による能動弁油圧ポンプ130Aの簡略図である。いくつかの実施形態では、ポンプ130Aは、一般に合成整流形油圧ポンプ(synthetically commutated hydraulic pump)又はデジタル容量形油圧ポンプ(digital displacement hydraulic pump)と呼ばれる、従来の能動弁可変容量形油圧ポンプの形態である。ポンプ130Aのいくつかの態様は、ポンプ130Bと同様であり、同様の符号が付されている。したがって、ポンプ130Aの周期駆動部166及びピストンポンプ160は、ポンプ130Bと同様のものとすることができる。加えて、ポンプ130Aは、可変容量形ラジアルポンプ、可変容量形ベーンポンプ、又は米国特許第5,190,446号に開示されているような可変容量形アキシャルポンプの形態をとることができる。
【0081】
ポンプ130Aは、固定の作動容積190を有することができる。その結果、ポンプ130Aには、ポンプ130Bの作動容積調整器178がない。代わりに、ポンプ130Aによって生成された作動流体132Aの流れの可変の吐出量は、ポンプコントローラー193によって能動弁機構192を制御することにより、制御される。
【0082】
図7A図7Cは、能動弁機構192によって可能になるポンプ130Aのピストンポンプ160のうちの1つの異なる動作モードを示す簡略図である。能動弁機構192は、図7Aに示すように、ポペット弁196がピストンポンプ160のポート176と整列して作動容積190から低圧ポート174への作動流体の流れを遮断する第1の状態を有する、各ピストンポンプ160用のソレノイド作動ポペット弁194を備えることができる。また、弁194は、図7Cに示すように、流路198がピストンポンプ160のポート176と低圧ポート174との間で開いている第2の状態を含む。弁194の第2の状態は、典型的には、そのデフォルト(非通電)状態である。また、能動弁機構192は、図7Bに示すように、圧力閾値に達したときにピストンポンプ160のポート176から高圧ポート172への作動流体の流れを可能にする受動弁199(例えば、ポペット逆止弁)を備えることができる。
【0083】
弁194が第1の状態にあり、周期駆動部166がピストン162をポート176から離れるように動かすと、図7Aに示すように、作動流体は、リザーバ136から低圧ポート174を通してピストンポンプ160の作動容積190内に引き込まれる。弁194が第1の状態にあり、周期駆動部166がピストン162をポート176に向かって動かすと、作動流体は、作動容積190からポート176を通るように駆動される。ポペット弁196は、流体流が低圧ポート174に移動するのを阻止するように位置決めされているので、図7Bに示すように、ピストン162が動くことにより、作動流体が加圧され、受動弁199が開かれ、作動流体流が高圧ポート172に移動することが可能となる。その結果、能動弁194が第1の状態にあるとき、ポンプ130Aのピストンポンプ160は、ポンプ130B(図4)のピストンポンプ160と同様に動作する。
【0084】
弁194が第2の状態にあるとき、図7Cに示すように、流体経路198は、低圧ポート174とピストンポンプ160のポート176との間で開いている。周期駆動部166によって駆動されてピストン162がポート176に向かって動くことにより、作動流体が作動容積190から吐出されることとなる。吐出された作動流体は、受動弁199の閾値圧力に打ち勝つほど十分に加圧されていないので、作動流体は、流体経路198を通して低圧ポート174に移動する。同様に、作動流体は、ピストン162が周期駆動部166によってポート176から離れるように動くにつれて、流体経路198を通して低圧ポート176から作動容積190内に引き込まれ得る。したがって、能動弁194が第2の状態にあるとき、ポンプ130Aは、モーター134がピストンポンプ160と周期駆動部166との間の相対的な動きを駆動する間、ポンプ130Aが主出力部133への作動流体の流れ132Aを駆動しないアイドル状態となり得る。
【0085】
したがって、ポンプ130Aによって主ポート133に吐出される作動流体の流れ132Aは、当業者によって理解されるように、能動弁194を第1の状態に設定することにより「作動」させられるピストンポンプ160の数、及びピストンポンプ160の作動のタイミングに基づいて制御することができる。
【0086】
システムコントローラー126、HPUコントローラー128、HPSコントローラー146、及びポンプコントローラー193等のシステムのコントローラーは、図8の簡略図に示される例示のコントローラー200のもの等、本明細書に記載の様々な機能を制御するための任意の好適な形態をとることができる。コントローラー200は、1つ以上のプロセッサ202とメモリ204とを備えることができる。1つ以上のプロセッサ202は、メモリ204に格納された命令の実行に応答して、本明細書に記載の様々な機能を実行するように構成される。
【0087】
1つ以上のプロセッサ202は、1つ以上のコンピュータベースのシステムの構成要素とすることができ、1つ以上の制御回路、マイクロプロセッサベースのエンジン制御システム、及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の1つ以上のプログラマブルハードウェア構成要素を含むことができる。メモリ204は、ローカル及び/又はリモートのメモリ又はコンピュータ可読媒体を表す。そのようなメモリ204は、任意の好適な、特許の主題として適格なコンピュータ可読媒体を備え、一時的な波又は信号を含まない。メモリ204の例としては、ハードディスク、CD-ROM、光学記憶装置、磁気記憶装置、及び/又は他の好適なデータ記憶装置等の従来のデータ記憶装置が含まれる。コントローラー200は、例えば1つ以上のプロセッサ202がメモリ204に記憶された命令を実行することに応答して、入力信号208(例えば、センサ信号100)を受信する、制御信号210(例えば、ポンプを制御するための信号、能動弁機構を作動させるための信号等)を発信する、及び/又はデータ212を通信するように、1つ以上のプロセッサ202によって使用される回路部206を備えることができる。
【0088】
本開示のいくつかの実施形態は、ポンプ130A及び130Bを組み合わせたものを有するHPU110の動作に関するものであり、各タイプのポンプ130は、その特定の属性に基づいて利用されて、作動流体の要求される流れを効率的に供給しながら、試験ステーション102による作動流体の流れに対する要求の変化に対する改善された応答性を提供し得る。一般に、能動弁油圧ポンプ130Aは、受動弁油圧ポンプ130Bよりもはるかに迅速に作動流体の出力流132Aを調整する能力を有する。例えば、ポンプ130Aは、能動弁194の状態を制御することによって作動するピストンポンプ160の数を調整すること、及び作動のタイミングを調整することによって、作動流体の出力流132Aを調整することができる。しかしながら、ポンプ130Bは、作動流体の出力流132Bを調整するために、作動容積調整器178を使用しなければならない。これは、ポンプ130Aによって出力流132Aに同様の変化をもたらすのに必要な時間に対して、出力流132Bに所与の変化をもたらすのにかなり長い時間を要する。例えば、ポンプ130Aは、ポンプ130Bの応答時間(例えば、2秒~4秒)よりも約10倍速い応答時間(例えば、50ミリ秒)を有することができる。
【0089】
受動弁油圧ポンプ130Bは、一般に、アイドルで動作するときに、ポンプ130Aよりも高い熱損失を被り、低い容積エネルギー効率を有する。しかしながら、ポンプ130Bは、圧力がかかりそれらの出口流容量の約70%以上で動作するときには、高い容積効率を有する。
【0090】
本開示のいくつかの実施形態では、受動弁油圧ポンプ130Bは、概して、主出力部133において要求される(例えば、定常状態の)油圧流106の大部分を満たす流れ132Bを提供するために使用され、能動弁油圧ポンプ130Aは、要求される流れ106の増加又は減少に対処するために作動流体の必要な流れ132Aを迅速に提供するために使用される。したがって、ポンプ130A及び130Bを組み合わせて使用することにより、HPU110は、ポンプ130Bを使用して、定常状態の状況等における流れの要求の大部分を効率的に満たすことができ、ポンプ130Aを使用することにより、流れの要求の変化に対して従来のHPUよりもはるかに速い応答を提供することができる。
【0091】
試験ステーション102のうちの1つ以上によって行われる試験で、作動流体の流れ106の増加が要求されると、主出力部133における圧力は降下する。同様に、試験ステーション102によって要求される流れ106が減少すると、主出力部133における圧力が増加することとなる。これらの圧力変化は、例えば、センサ140からの圧力信号142を使用してHPUコントローラー128によって検出される。したがって、ポンプ130A及び130Bからの出力流132A及び132Bは、主出力部133において感知された圧力に基づいて制御することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上は、圧力信号142によって示される圧力が第1の圧力設定点を下回って降下すると、対応する流れ132Aを生成するように作動し、受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上は、圧力信号142によって示される圧力が第2の圧力設定点を下回って降下すると、対応する流れ132Bを生成するように作動する。加えて、ポンプ130は、主出力部における圧力が第1の圧力設定点を上回って上昇すると、例えば、能動弁油圧ポンプ130Aのピストンポンプ160のうちの1つ以上を停止させ、作動容積調整器178を使用して受動弁油圧ポンプ130Bのピストンポンプ160の作動容積170を調整すること等によって、作動流体の生成された流れ132を減少させるように制御される。
【0093】
HPUコントローラー128又は別のコントローラーは、所望の第1の圧力設定点をそのメモリ204に記憶し、制御信号210をポンプ130Aのポンプコントローラー193に発信して、ポンプ130Aが上述のように動作するようにすることができる。第2の圧力設定点は、手動で(例えば、圧力制御弁)、又はHPUコントローラー128若しくはシステム100の別のコントローラーによって発信される信号を通して制御することができる。1つの例では、各ポンプ130Bは、1つ以上の遠隔圧力制御弁を備えることができ、遠隔圧力制御弁のそれぞれは、HPUコントローラー128又はシステム100の別のコントローラーによって発信される制御信号210に応答して、第2の圧力設定点を制御する。
【0094】
1つの実施形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも低い。1つの例では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%低く、例えば2%~3%低い。その結果、主出力部133における圧力が第2の圧力設定点よりも低いが第1の圧力設定点よりも高い間、受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上は、作動容積調整器178を使用してピストンポンプ160の作動容積170を調整することによって、要求される流れ212を実質的に満たそうとする。ポンプ130Bが流れを増加させる要求に反応するのが遅い場合、又は既にそれらの最大容量で動作している場合、主出力部133における圧力は第1の圧力設定点を下回って降下し、したがって、能動弁油圧ポンプ130Aのピストンポンプ160のうちの1つ以上の作動及び流れ132Aの生成がトリガーされる。この結果、主流106(線212)が急速に増加し、要求される流れ210を満たす。主出力部133における圧力が第1の圧力設定点を上回って上昇すると、ポンプ130Bが主出力部133を通る流れ106(線212)の大部分を引き継いで生成することができるので、1つ以上のポンプ130Aからの出力流132Aは減少する。
【0095】
このプロセスは、図9のチャートに示される。線210は、試験ステーション102等による、主出力部133を通る作動流体の流れ106の要求を示し、灰色の線212は、主出力部133を通して吐出され、ポンプ130A及び130Bの流れ132A及び132Bによって生成される作動流体の主流106を示し、線214は、ポンプ130Bによって生成される作動流体の流れ132Bを示し、破線216は、ポンプ130Aによって生成される作動流体の流れ132Aを示す。
【0096】
時間tからtまでの間、線212によって示される要求は、連続的で安定しており、HPU110のポンプ130Bの最大容量よりも低い。したがって、HPU110は、ポンプ130Bによって生成される流れ132Bを使用して、主出力部133における作動流体の要求される流れ212を提供する。ここで、主出力部133における圧力は、第2の圧力設定点又はその付近で安定する。圧力が第1の圧力設定点を上回っているため、ポンプ130Aは、実質的に又は完全に停止されており、したがって、作動流体の有意な流れ132Aは生成されない。
【0097】
時間tにおいて、線210によって示されるように、作動流体の流れの急激な増加が要求される。最初に、主出力部133における圧力は、第2の圧力設定点を下回って降下し、したがって、作動容積調整器178を使用してピストンポンプ160の作動容積170を変化させること等によって、ポンプ130Bをトリガーして、それらの作動流体の出力流132Bを増加させる。しかしながら、ポンプ130Bは要求される流量を迅速に満たすことができないので、主出力部133における圧力は降下し続け、第1の圧力設定点を下回る。これにより、ポンプ130Aのうちの1つ以上の作動がトリガーされて、作動流体の出力流132Aが迅速に生成され、出力流132Aがポンプ130Bからの出力流132Bと結合されると、要求される流れ210に一致する結合出力流106(線212)が主出力部133において生成される。
【0098】
時間tからtまでの間、ポンプ130Bから出力される作動流体流132Bが増加することにより、結合流106(線212)に対してより有意な寄与が提供され、ポンプ130Aからの出力流132Aは、それに応じて減少する。この期間の間、主出力部133における圧力は、第1の圧力設定点付近で変動する。
【0099】
時間tの後、ポンプ130Bからの出力流132Bは安定し、要求される流れ106の大部分を生成する。図示の例では、要求される流れは、ポンプ130Bの最大出力流132Bの結合よりも大きい。したがって、ポンプ130Bが要求される流れ210を生成することができ、それによってポンプ130Aを停止させることができる時間tからtまでの期間とは異なり、ポンプ130Aは、時間tの後、第1の圧力設定点付近で変動する主出力部133における圧力に応答して、要求される流れ210の一部を生成するために使用される。
【0100】
1つの実施形態では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも高い。1つの例では、第1の圧力設定点は、第2の圧力設定点よりも約1%~5%高く、例えば2%~3%高い。主出力部133における圧力が、第1の圧力設定点よりも低いが第2の圧力設定点よりも高い場合、能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上は、ピストンポンプ160のうちの1つ以上を作動させることによって、要求される流れ106を実質的に満たそうとする。ポンプ130Aが流れを増加させる要求を満たすことができない場合、又は既にそれらの最大容量で動作している場合、主出力部133の圧力は第2の圧力設定点を下回って降下し、したがって、受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上の作動及び流れ132Bの生成がトリガーされる。この結果、主流106が増加する。主出力部133における圧力が第2の圧力設定点を上回って上昇すると、ポンプ130Aが主出力部133を通る流れ106の大部分を引き継いで生成するので、1つ以上のポンプ130Bからの出力流132Bは減少する。
【0101】
このプロセスは、図10のチャートに示されている。線210は、試験ステーション102等による、主出力部133を通る作動流体の流れ106の要求を示し、灰色の線212は、主出力部133を通して吐出され、ポンプ130A及び130Bの流れ132A及び132Bによって生成される作動流体の主流106を示し、線214は、ポンプ130Bによって生成される作動流体の流れ132Bを示し、破線216は、ポンプ130Aによって生成される作動流体の流れ132Aを示す。
【0102】
時間tからtまでの間、線212によって示される要求は、連続的で安定しており、HPU110のポンプ130Aの最大容量よりも低い。したがって、HPU110は、ポンプ130Aによって生成される流れ132Aを使用して、主出力部133における作動流体の要求される流れ106を提供する。ここで、主出力部133における圧力は、第1の圧力設定点又はその付近で安定する。圧力が第2の圧力設定点を上回っているため、ポンプ130Bは、実質的に又は完全に停止されており、したがって、作動流体の有意な流れ132Bは生成されない。
【0103】
時間tにおいて、線210によって示されるように、作動流体の流れの急激な増加が要求される。最初に、主出力部133における圧力は、第1の圧力設定点を下回って降下し、したがって、ピストンポンプ160のうちの1つ以上を作動させること等によって、ポンプ130Aをトリガーして、それらの作動流体の出力流132Aを増加させる。しかしながら、ポンプ130Aが要求される流れを迅速に満たすことができない場合には、主出力部133における圧力は降下し続け、第2の圧力設定点を下回る。これにより、ポンプ130Bのうちの1つ以上の作動がトリガーされて、作動容積調整器178を使用してピストンポンプ160の作動容積170を変化させること等によって、作動流体の増加した出力流132Bが生成される。出力流132Bがポンプ130Aからの出力流132Aと結合されると、要求される流れ210に一致する結合出力流106(線212)が主出力部133において生成される。
【0104】
時間tからtまでの間、ポンプ130Aから出力される作動流体流132Aが増加することにより、結合流106(線212)に対してより有意な寄与が提供され、ポンプ130Bからの出力流132Bは、それに応じて減少する。この期間の間、主出力部133における圧力は、第2の圧力設定点付近で変動する。
【0105】
時間tの後、ポンプ130Aからの出力流132Aは安定し、要求される流れ106(線210)の大部分を生成する。図示の例では、要求される流れは、ポンプ130Aの最大出力流132Aの結合よりも小さい。したがって、ポンプ130Aは、時間tの後、第2の圧力設定点付近で変動する主出力部133における圧力に応答して、要求される流れ106(線210)を生成するために主に使用される。
【0106】
更に別の実施形態では、第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点は、実質的に同じ圧力(例えば、±0.8%)に設定される。したがって、能動弁油圧ポンプ130A及び受動弁油圧ポンプ130Bからの流れ132A及び132Bは、主出力部133における圧力が第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点付近で変動するときに生成される。要求される流れが急激に増加し、主出力部133における圧力の降下を引き起こすと、流れ132A及び132Bは、要求を満たすように増加し、流れ132Aは、概して、流れ132Bよりも急速に増加する。同様に、要求される流れが減少するにつれて、主出力部133における圧力が増加し、圧力が第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点付近で安定するまで、ポンプ130A及び132Bがそれらの流れ132A及び132Bを減少させる。
【0107】
追加の実施形態は、HPUコントローラー128を使用すること等、HPU110を動作させる方法に関する。HPU110は、本明細書に記載の実施形態に従って形成することができる。したがって、図2に示すように、HPU110は、例えば、リザーバ136と、主出力部133と、圧力センサ140と、圧力信号142によって示される主流106の圧力が第1の圧力設定点を下回るときに主流106の第1の流れ部分132Aが主出力部133を通るように駆動するように構成された少なくとも1つの能動弁油圧ポンプ130Aと、圧力が第2の圧力設定点を下回ることを圧力信号142が示すときに主流106の第2の流れ部分132Bが主出力部133を通るように駆動するように構成された少なくとも1つの受動弁油圧ポンプ130Bとを備えることができる。
【0108】
図11は、本開示の実施形態による、HPUを動作させる方法の一例を示すフローチャートである。方法の220において、圧力信号142が、主出力部133における圧力が第1の圧力設定点を下回ることを示すときに、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上を使用して、主流106の一部が駆動される。222において、圧力信号142が、主出力部133における圧力が第1の圧力設定点を上回ることを示すときに、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプ130Aが停止される。
【0109】
同様に、方法の224において、圧力信号142が、主出力部133における圧力が第2の圧力設定点を下回ることを示すときに、主流106の一部は、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上を使用して駆動される。226において、圧力信号142が、主出力部133における圧力が第2の圧力設定点を上回ることを示すときに、少なくとも1つの受動弁油圧ポンプ130Bが停止される。
【0110】
第2の圧力設定点が第1の圧力設定点よりも高い(例えば、1%~5%)場合、HPU110は、図9のチャートを参照して上述したように動作する。例えば、受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上は、ステップ220の間、主流106を駆動するためにポンプ130Aと組み合わせて使用され、受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上のみが、主出力部133における圧力がステップ224において第1の圧力設定点を上回るときに主流106を駆動するために使用される。
【0111】
第1の圧力設定点が第2の圧力設定点よりも高い(例えば、1%~5%)場合、HPU110は、図10のチャートを参照して上述したように動作する。例えば、能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上は、ステップ224の間、主流106を駆動するために受動弁油圧ポンプ130Bと組み合わせて使用され、能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上のみが、主出力部133における圧力がステップ224において第2の圧力設定点を上回るときに主流106を駆動するために使用される。
【0112】
また、本開示の実施形態は、HPU110を動作させる方法と同様である、HPS114(図3)を動作させる方法に関する。図12は、例えば、HPSコントローラー146を使用して実装され得る、本開示の実施形態による、HPS114を動作させる方法の1つの例を示すフローチャートである。HPS114は、本明細書に記載の実施形態に従って形成され得る。したがって、HPS114は、例えば、リザーバ136と、主出力部133と、圧力センサ140からの圧力信号142によって示される圧力が第1の圧力設定点を下回るときに第1の主流106Aの流れ部分132Aが主出力部133を通るように駆動するように構成された少なくとも1つの能動弁油圧ポンプ130Aとを備える第1のHPU110Aと、主出力部133と、圧力センサ140の圧力信号142によって示される圧力が第2の圧力設定点を下回るときに第2の主流106Bの流れ部分132Bが主出力部133を通るように駆動するように構成された少なくとも1つの受動弁油圧ポンプ130Bとを備える第2のHPU110Bとを備えることができる。加えて、HPS114は、第1の主流106Aと第2の主流106Bとを結合させて結合流150にするように構成されたフローアグリゲータ148を備えることができる。
【0113】
方法の230において、第1の主流106Aは、主出力部133における圧力が第1の圧力設定点を下回るときに、第1のHPU110Aの少なくとも1つの能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上を使用して駆動される。232において、HPU110Aの少なくとも1つの能動弁油圧ポンプ130Aは、主出力部133における圧力が第1の圧力設定点を上回るときに停止される。同様に、方法の234において、第2の主流106Bは、主出力部133における圧力が第2の圧力設定点を下回るときに、第2のHPU110Bの少なくとも1つの受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上を使用して駆動される。236において、HPU110Bの少なくとも1つの受動弁油圧ポンプ130Bは、主出力部133における圧力が第2の圧力設定点を上回るときに停止される。このようにして、HPU110A及び110Bを使用して、要求される結合流150を提供することができる。
【0114】
第2の圧力設定点が第1の圧力設定点よりも高い(例えば、1%~5%)場合、HPU110Bの受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上は、ステップ230の間、HPU110Aのポンプ130Aと組み合わせて結合流150を生成するために使用され、HPU110Bの受動弁油圧ポンプ130Bのうちの1つ以上のみが、主出力部133における圧力がステップ236において第1の圧力設定点を上回るときに、結合流150を生成するために使用される。
【0115】
第1の圧力設定点が第2の圧力設定点よりも高い(例えば、1%~5%)場合、HPU110Aの能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上は、ステップ234の間、結合流150を生成するためにHPU110Bの受動弁油圧ポンプ130Bと組み合わせて使用され、HPU110Aの能動弁油圧ポンプ130Aのうちの1つ以上のみが、主出力部133における圧力がステップ230において第2の圧力設定点を上回るときに、結合流150を生成するために使用される。
【0116】
本開示の追加の実施形態は、図2に示すように、主出力部133における主流106の圧力を測定するためのHPU110による2つ以上の圧力センサ140の使用、及び/又は図3に示すように、HPU110A及び110Bの一方又は両方のアグリゲータ148又は主出力部133等の結合主流150の圧力を測定するためのHPSによる2つ以上の圧力センサ140の使用に関する。1つの実施形態では、HPUコントローラー128又はHPSコントローラー146等の、圧力センサ140からの圧力信号142を監視するコントローラーは、信号142に関連付けられた値を、コントローラーのメモリ204に記憶され得る、予想される有効値に対応する値の基準範囲と比較する。信号値のうちの1つが基準範囲外にある場合、それは破棄されてもよく、基準範囲内にある他の信号値は、上記で説明されたポンプ制御機能を促進するために使用されてもよい。コントローラーは、回路部206を使用して、圧力センサのうちの1つに関する異常な状況の通知をシステムのオペレータ又は管理者に発信してもよい。
【0117】
両方の信号値が基準範囲外にある場合、これは、深刻な異常な状況(例えば、電力損失、流体漏れ等)を示し得て、コントローラーは、システムのオペレータ又は管理者に異常な状況を示す通知を発信することができる。
【0118】
1つの実施形態では、コントローラーは、信号値を互いに比較する。信号値が実質的に一致するとき(例えば、±10%)、HPU110又はHPS114のセンサ140が適切に動作していると推定される。信号値が実質的に一致しない場合、コントローラーは、圧力センサ140のうちの1つに関する問題、センサ信号の損失、又は不一致の圧力信号142によって示される別の異常な状況の形態で、異常な状況を示す通知をシステムのオペレータ又は管理者に発信してもよい。
【0119】
コントローラーによって発信される通知は、任意の好適な形態をとることができ、図8のデータ212によって表すことができる。通知の例としては、システムのオペレータ又は管理者への可聴及び/又は可視アラーム、及び/又は電子メッセージ(制御パネルメッセージ、電子メール、テキストメッセージ等)が含まれる。
【0120】
任意選択で、上述した実施形態は、1つ以上の圧力センサ140のそれぞれの代わりに1つ以上の流量センサを使用することによって変更されてもよい。各流量センサは、感知された流体流の流量を示す流量信号を生成し、ポンプ130を制御するために、圧力センサ140のうちの1つからの圧力信号142によって示される圧力と同様に使用されてもよい。したがって、図面に示される1つ以上の圧力センサ140のそれぞれは、対応する流量センサを表すことができ、示される圧力信号142のそれぞれは、流量信号を表すことができる。
【0121】
したがって、図11の方法は、ポンプを制御するために、感知された圧力ではなく感知された流量を利用するように変更されてもよい。例えば、図11の方法のステップ220は、対応する流量センサによって示される流量が第1の流量設定点を下回るときに、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプのうちの1つ以上を使用して主流の一部が駆動されるように調整される。222において、少なくとも1つの能動弁油圧ポンプは、流量が第1の流量設定点を上回るときに停止される。224において、流量が第2の流量設定点を下回るときに、少なくとも1つの受動油圧ポンプのうちの1つ以上を使用して、主流の一部が駆動される。226において、少なくとも1つの受動油圧ポンプは、流量が第2の流量設定点を上回るときに停止される。
【0122】
本開示の実施形態は、好ましい実施形態を参照して説明されているが、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において変更が行われ得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】