(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022850
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】弁および加圧流体装置
(51)【国際特許分類】
F16K 41/10 20060101AFI20250206BHJP
F16K 1/00 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
F16K41/10
F16K1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024127786
(22)【出願日】2024-08-02
(31)【優先権主張番号】2308433
(32)【優先日】2023-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】509003265
【氏名又は名称】エクセル インダストリーズ
【氏名又は名称原語表記】EXEL INDUSTRIES
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ドニ・ヴァンゼット
【テーマコード(参考)】
3H052
3H066
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA22
3H052BA35
3H052CD01
3H052EA16
3H066AA01
3H066BA15
3H066DA09
(57)【要約】
【課題】ダイアフラムが延命される新しい弁を提案すること。
【解決手段】本発明は、摺動するピストン(50)を収容する中心導管(33)を有する本体部(30)と、本体部をピストンに接続しピストンを囲むダイアフラム(80)とを備える弁(3)に関する。ダイアフラムは、中心導管を加圧流体チャンバ(25)から隔てるための環状膜(83)を含む。本体部(30)は、中心導管とダイアフラムの周辺環状リング(81)との間に半径方向に延在する、環状クレードル(43)を備える。ダイアフラムは、ピストンが遠位位置にあり、過圧力が発生していないときに、環状膜が環状クレードルから離れている、初期形状を取る。ダイアフラムは、加圧流体チャンバ内で発生する過圧力の効果の下で、環状膜が環状クレードルと接触し、嵌合する、伸張形状に弾性的に変形される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧流体装置のための弁(3)であって、
中心軸(X3)と同軸の中心導管(33)を有する本体部(30)であって、前記中心導管(33)は、前記本体部(30)に属する本体部遠位端(31)で開口する、本体部(30)と、
前記中心導管(33)内に収容され、前記本体部遠位端(31)において前記中心導管(33)から突出し、近位位置と遠位位置との間で前記中心軸(X3)に沿って前記本体部(30)に関して摺動するピストン(50)と、
ダイアフラム(80)であって、
周辺環状リング(81)であって、前記ダイアフラム(80)は、前記周辺環状リング(81)を通り前記本体部遠位端(31)に取り付けられ、前記ピストン(50)を囲む、周辺環状リング(81)と、
内部環状リング(82)であって、前記ダイアフラム(80)を前記ピストン(50)に取り付け、前記ピストン(50)を囲む、内部環状リング(82)と、
環状膜(83)であって、前記ピストン(50)の周りで、前記周辺環状リング(81)を前記内部環状リング(82)に接続し、それにより前記ダイアフラム(80)は、前記加圧流体装置に属し、前記ダイアフラム(80)を超えて区切られる加圧流体チャンバ(25)から前記中心導管(33)を隔てる、環状膜(83)とを備える、ダイアフラム(80)とを具備し、
前記本体部遠位端(31)において、前記本体部(30)は、前記中心導管(33)と前記周辺環状リング(81)との間に半径方向に延在する、環状クレードル(43)を備え、
前記ダイアフラム(80)は、
初期形状であって、前記環状膜(83)が前記環状クレードル(43)から離間しており、前記ダイアフラム(80)が前記ピストン(50)が前記遠位位置にあり、前記中心導管(33)に関して前記加圧流体チャンバ(25)内に過圧力が発生していない場合に前記初期形状を取る、初期形状と、
伸張形状であって、前記環状膜(83)が前記環状クレードル(43)と接触して嵌合し、前記ダイアフラム(80)が前記中心導管(33)に関して前記加圧流体チャンバ(25)内に過圧力が発生する効果の下で前記伸張形状の1つを取る、伸張形状と、
の間で弾性的に変形されるように構成されることを特徴とする、弁(3)。
【請求項2】
前記伸張形状は、前記ピストン(50)が前記近位位置にある間に取得される近位伸張形状を含む、請求項1に記載の弁(3)。
【請求項3】
前記伸張形状は、前記ピストン(50)が前記遠位位置にある間に取得される遠位伸張形状を含み、前記環状膜(83)の近位部分(86)は、前記環状クレードル(43)と接触して嵌合し、前記環状膜(83)の遠位部分(87)は、前記環状クレードル(43)と前記内部環状リング(82)との間に軸方向に延在する前記ピストン(50)の一部分(51)と接触して嵌合する、請求項1または2に記載の弁(3)。
【請求項4】
前記環状クレードル(43)は、前記環状膜(83)の方向に凹状であり、
前記環状膜(83)は、前記環状膜(83)が前記初期形状にあるときに前記環状クレードル(43)の方向に凸状である、請求項1または2に記載の弁(3)。
【請求項5】
前記ダイアフラム(80)および前記環状クレードル(43)は、前記ダイアフラム(80)が前記伸張形状の1つにあるときに、前記環状膜(83)のどの表面も前記環状膜(83)の任意の他の表面と接触することのないように構成される、請求項1または2に記載の弁(3)。
【請求項6】
前記本体部(30)は、前記本体部遠位端(31)に形成され、外部で前記環状クレードル(43)の境界となり、前記中心軸(X3)に平行に陥凹する、本体部溝(40)を備え、
前記周辺環状リング(81)は、前記本体部(30)上に位置決めされるように前記本体部溝(40)内に収容される、請求項1または2に記載の弁(3)。
【請求項7】
前記遠位位置において、前記ピストン(50)は、遠位方向(X50)に沿って前記近位位置からオフセットされ、前記遠位方向(X50)は前記中心軸(X3)に平行であり、
前記中心導管(33)は、前記中心導管(33)を終端し、前記本体部遠位端(31)で開口する、導管遠位端(36)を画成し、前記導管遠位端(36)は、内側から前記環状クレードル(43)の境界となるリムを形成し、
前記本体部溝(40)は、前記本体部溝(40)を区切る溝近位リム(41)および溝遠位リム(42)を備え、
前記導管遠位端(36)は、前記遠位方向(X50)で前記溝遠位リム(42)に関してオフセットされる、請求項6に記載の弁(3)。
【請求項8】
前記ピストン(50)は、
前記中心導管(33)内に収容される、前記ピストン(50)が前記中心軸(X3)に沿って前記本体部(30)によって摺動時に誘導される際に用いられる、ステム(52)であって、前記ステム(52)は、前記ステム(52)を囲み、前記中心軸(X3)に関して半径方向外向きに開いているピストン溝(58)を形成し、前記内部環状リング(82)は、前記ダイアフラム(80)を前記ピストン(50)に取り付けるように前記ピストン溝(58)内に収容される、ステム(52)と、
前記ステム(52)に属する、遠位ステム端部(59)に取り付けられ、前記ステム(52)を囲み、前記内部環状リング(82)を外部から覆うクラウン(93)を備える、ニードル(90)とを具備する、請求項1または2に記載の弁(3)。
【請求項9】
請求項1または2に記載の弁(3)を備える加圧流体装置であって、
前記加圧流体装置は、基部(2)を備え、前記基部(2)は、
前記本体部(30)が収容され、固定して取り付けられる、ボア(20)であって、前記加圧流体チャンバ(25)は前記ボア(20)および前記ダイアフラム(80)によって区切られる、ボア(20)と、
加圧流体導管(22)と、
前記加圧流体導管(22)が前記加圧流体チャンバ(25)内に開口する際に介する、遮断シート(27)であって、前記中心軸(X3)は前記遮断シート(27)を貫通する、遮断シート(27)と、
を形成し、
前記遠位位置において、前記ピストン(50)は、前記遮断シート(27)に当接して前記加圧流体導管(22)を遮断し、
前記近位位置において、前記ピストン(50)は、前記収縮シート(27)から引っ込められて前記加圧流体導管(22)を解放する、加圧流体装置。
【請求項10】
前記周辺環状リング(81)は、前記本体部(30)と前記ボア(20)との間に半径方向に挟装され、これにより前記加圧流体チャンバ(25)に対するシーリングを提供し、前記本体部(30)に取り付けられる、請求項9に記載の加圧流体装置。
【請求項11】
前記ボア(20)は、前記中心軸(X3)に沿って、前記周辺環状リング(81)に斜めに当接する内部円錐表面(29)を備える、請求項9に記載の加圧流体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁、特に加圧流体装置のための弁、およびそのような弁を備える加圧流体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、コーティング製品を噴霧するための噴霧器を説明しており、この噴霧器は、コーティング製品の入口導管および出口導管が開口する内部流路を有する基部を備える。出口流路の開口部のところで内部流路内にシートが形成される。弁が内部流路内に装着され、外側に関して閉じられ、それによりコーティング製品チャンバ(coating product chamber)は、弁および内部流路によって区切られ、この中に入口導管および出口導管が開いている。弁は、弁が基部に取り付けられる際に用いられる弁本体部、弁本体部内で並進運動可能なステム、およびステムの端部に取り付けられたニードルを備える。ステムの位置に応じて、ニードルは、シートを圧迫して出口流路を閉じ、シートから離れることで出口流路を閉じない。コーティング材料チャンバ内のコーティング材料がステムに沿って弁本体部を通り上昇するのを防ぐために、弁は、第1のトロイダルリングによって弁本体部に、また第2のトロイダルリングによってステムに固定された、ステムを囲む、ときにはダイアフラムと呼ばれる、膜を有し、弾性変形可能ウェブがリングの間に配備されている。
【0003】
そのようなタイプの弁はコーティング製品または他の加圧流体を扱うのに一般的に満足のいくものであるが、よくある故障は、ダイアフラムの劣化または破れであり、これは加圧流体がステムに沿って上昇することにつながる。このコーティング製品がコーティング製品であるときに、この製品は、乾燥時に硬化する限りにおいて弁に恒久的な損傷を与え得る。ダイアフラムのこのような劣化または破れは、次々に起こる変形および/または急激な圧力変化の効果の下でダイアフラムを形成する材料が疲労することによって引き起こされ得るが、それに加えて、加圧流体のタイプによっては、加圧流体が膜を化学的に浸食し、および/また乾燥時に膜上で硬化することも有り得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、ダイアフラムが延命される新しい弁を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、加圧流体装置のための弁に関し、弁は、中心軸と同軸の中心導管を有する本体部であって、中心導管は本体部に属する本体部遠位端のところで開口する、本体部と、中心導管内に収容され、本体部遠位端において中心導管から突出し、近位位置と遠位位置との間で中心軸に沿って本体部に関して摺動することができるピストンと、ダイアフラムとを備える。このダイアフラムは、周辺環状リングであって、ダイアフラムが本体部遠位端に取り付けられる際に使用され、ピストンを囲む、周辺環状リングと、内部環状リングであって、ダイアフラムをピストンに取り付け、ピストンを囲む、内部環状リングと、環状膜であって、ピストンの周りで、周辺環状リングを内部環状リングに接続し、それによりダイアフラムは加圧流体装置に属する加圧流体チャンバから中心導管を隔て、ダイアフラムを超えて区切られる、環状膜とを備える。
【0007】
本体部遠位端において、本体部は、中心導管と周辺環状リングとの間に半径方向に延在する、環状クレードルを備える。ダイアフラムは、初期形状であって、環状膜が環状クレードルから離れており、ダイアフラムはピストンが遠位位置にあり、中心導管に関して加圧流体チャンバ内に過圧力が発生していないときに初期形状を取る、初期形状と、伸張形状であって、環状膜が環状クレードルと接触して嵌合し、ダイアフラムは中心導管に関して加圧流体チャンバ内に過圧力が発生する効果の下で伸張形状の1つを取る、伸張形状との間で弾性的に変形されるように構成される。
【0008】
本発明を用いることで、ダイアフラムが伸張形状であるときに環状膜が環状クレードルに当接し、それにより、環状膜に比べて堅い、環状クレードルは、環状膜を支持するので、ダイアフラムの劣化または破れが生じるリスクが低減される。環状クレードルは、次いで、過圧力に関係する力を吸収し、それによって環状膜に印加される機械的応力を低減する。環状クレードルを環状膜が圧迫することでも、膜が伸張形状にあるときに膜が取る幾何学形状をより適切に制御することが可能になるが、それは、環状膜が環状クレードルと嵌合し、その形状が決定されるからである。優先的に、過剰な過圧力の効果の下で環状膜が偶然に同心状折り目を形成することを防止されるが、そのような同心状折り目の形成は、通常、環状膜が裂けるリスクを高める。
【0009】
本発明の他の有利な態様によれば、本発明は、個別に、または技術的に可能なすべての組合せに従って、次に示す特徴の1つまたは複数を実装する。
【0010】
優先的に、伸張形状は、ピストンが近位位置にある間に取得される近位伸張形状を含む。
【0011】
好ましくは、伸張形状は、ピストンが遠位位置にある間に取得される、遠位伸張形状を含み、環状膜の近位部分は、環状クレードルと接触して嵌合し、環状膜の遠位部分は、環状クレードルと内部環状リングとの間に軸方向に延在するピストンの一部と接触して嵌合する。
【0012】
好ましくは、環状クレードルは、環状膜の方向に沿って凹状になっている。好ましくは、環状膜は、環状膜が初期形状にあるときに環状クレードルの方向に沿って凸状になっている。
【0013】
好ましくは、ダイアフラムおよび環状クレードルは、ダイアフラムが伸張形状の1つにあるときに、環状膜のどの表面も環状膜の別の表面と接触することのないように構成される。
【0014】
好ましくは、本体部は、本体部遠位端に形成され、外部で環状クレードルの境界となり、中心軸に平行に陥凹する、本体部溝を備える。
【0015】
好ましくは、周辺環状リングは、本体部上に位置決めされるように本体部の溝に収容される。
【0016】
好ましくは、遠位位置において、ピストンは、近位位置から遠位方向にオフセットされ、遠位方向は中心軸に平行である。好ましくは、中心導管は、中心導管を終端し、本体部遠位端のところで開口する、導管の遠位端を画成し、導管の遠位端は、内側から環状クレードルの境界となる、優先的には円形である、リムを形成する。好ましくは、本体部溝は、本体部溝を区切る、溝近位リムおよび溝遠位リムを備える。好ましくは、導管の遠位端は、溝遠位リムに関して遠位方向に沿って配置構成される。
【0017】
好ましくは、ピストンは、中心導管内に収容される、ピストンが中心軸に沿って本体部によって摺動時に誘導される際に用いられる、ステムであって、ステムは、ステムを囲み、中心軸から半径方向外向きに開いている、ピストン溝を形成し、内部環状リングはダイアフラムがピストンに取り付けられるようにピストン溝内に収容される、ステムと、ステムに属する、遠位ステム端部に取り付けられ、ステムを囲み、内部環状リングを外部から覆うクラウンを備える、ニードルとを具備する。
【0018】
本発明はさらに、上で画成されたような弁を含む加圧流体装置に関する。加圧流体装置は、本体部が収容され、固定して取り付けられる、ボアであって、加圧流体チャンバはボアおよびダイアフラムによって区切られる、ボアと、加圧流体導管と、加圧流体導管が加圧流体チャンバ内に開口する際に通る、遮断シートであって、中心軸は遮断シートを通過する、遮断シートとを形成する、基部を備える。遠位位置において、ピストンは遮断シートに当接して加圧流体導管を閉じる。近位位置において、ピストンは遮断シートから引っ込められて加圧流体導管を開放する。
【0019】
好ましくは、周辺環状リングは、本体部とボアとの間に半径方向に挟装され、これにより加圧流体チャンバの加圧流体に対するシーリングを提供し、本体部に取り付けられる。
【0020】
好ましくは、ボアは、中心軸に沿って、周辺環状リングに斜めに当接する内部円錐表面を備える。
【0021】
本発明は、限定はしないが、一例としてのみ与えられた、図面を参照している、以下の説明を読んだ後に、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】遠位位置にあるピストンと初期形状のダイアフラムとを備えた弁を含む加圧流体装置の縦断面図である。
【
図2】ピストンが遠位位置にあり、ダイアフラムが遠位伸張形状である、
図1に類似する図である。
【
図4】ピストンが近位位置にあり、ダイアフラムが近位伸張形状である、
図1および
図2に類似する図である。
【
図5】弁に属するピストンダイアフラムアセンブリを製造する方法におけるステップを示す、
図1、
図2、および
図4の図面に類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から
図4は、コーティング製品を塗布するためのデバイスの一部分を示している。そのような装置は、たとえば、塗料、ニス、防食コーティング、または企図され得る他のタイプのコーティング製品用の噴霧器である。この装置は、少なくとも2つの加圧流体、すなわちコーティング製品またはコーティングの文脈において使用される他の製品、たとえば溶剤もしくはコーティング製品の成分、および制御流体、たとえば圧縮空気を使用する、特定のタイプの加圧流体装置である。コーティング製品は、装置内で、1から16バール、好ましくは2から10バールの範囲の圧力下で使用される点で加圧流体である。上記のことは、溶剤またはコーティング製品の成分の場合にも当てはまる。制御流体は、装置内で、1から10バール、好ましくは2から6バールの範囲の圧力下で使用される点で加圧流体である。
【0024】
この装置は弁3を備える。弁3は、特に本明細書において説明されているコーティング製品を塗布するための装置内に取り付けるのに適しているが、本明細書で説明されているもの以外の1つまたは複数の加圧流体を使用する、空気圧式または油圧式装置などの、他のタイプの加圧流体装置とともに使用され得る。本発明の例では、弁3は、コーティング製品である加圧流体の流れを選択的に遮断し、可能にすることを目的としている。弁3を適用する他の前述の場合において、特定の加圧流体は、別の流体で置き換えられ得る。
【0025】
装置または弁3に属する基部2は、コーティング製品用の入口導管21およびコーティング製品用の放出導管22を含む、ボア20および2つの加圧流体導管を形成する。導管21および22はボア20内へ開口している。ボア20は、装置の外側24に開口している、すなわち、有利にはこれは大気中に開いている。弁3は、ボア20を遮断することによってボア20内に固定され収容される。弁3およびボア20は、共通中心軸X3を画成する。中心軸X3は、ボア20の開口から底までボア20を通過する。本発明の場合、放出導管22は、軸X3上にセンタリングされる。遠位方向X50は、また、ボア20の底部に向かって、軸X3に平行に方向付けられ、画成される。特に断りのない限り、「遠位」、「近位」、「半径方向」、および「軸方向」などの語は、軸X3および方向X50を参照しつつ示される。
【0026】
導管21および22は、加圧流体チャンバ25を区切るボア20のゾーン、ここではコーティング製品内に開口する。遮断シート27は、ここでは軸X3と同軸上でチャンバ25内への導管22の開口のところに形成される。
図4に示されているように、ここではコーティング製品である、加圧流体流F21は、弁3が開構成にあるときに、シート27を介して、導管21、チャンバ25、および導管22を順次循環するように意図されている。
図1から
図3に示されているように、弁3が閉構成にあるときに、流れF21は、弁3によって遮断され、これはシート27を遮断する。
【0027】
制御流体導管(図示せず)は、チャンバ25と、ボア20から外側24への開口との間に延在する、「周辺制御チャンバ」と呼ばれる、チャンバ26とを区切るボア20のゾーン内に開口する。制御流体の流れが、制御流体導管と周辺制御チャンバ26との間で循環し、弁3を機械的に制御する。制御流体は、加圧空気であってもよい。
【0028】
弁3は、本体部30を備える。中心軸X3は、本体部30に関して固定されている。軸X3に沿って、本体部30は、「本体部遠位端」と呼ばれる遠位端31と、「本体部近位端」と呼ばれる近位端32とを有し、これらは対向し、軸X3によって横断される。
【0029】
弁3は、本体部30を用いてボア20内に収容され、取り付けられる。ボア20に取り付けられるように、本体部30は、有利には、ここでは軸X3上にセンタリングされた、雄ねじ34、または任意の他の適切な取り付け手段を備え、これは基部2に属する嵌る取り付け手段、ここでは、出口の近くのボア20の内側に形成される、雄ねじ34と嵌る雌ねじと協働する。例では、ねじ山34は近位端32の内側に配置構成される。
【0030】
これによってボア20内に収容されると、弁3は、弁3に関して遠位方向X50に沿って、ボア20の底部のところで加圧流体チャンバ25を、ボア20とともに区切る。
【0031】
本体部近位端32は、外側24に向かって、ボア20の出口のところに配置構成される。制御チャンバ26は、本体部30と基部2のボア20との間で半径方向に区切られる。好ましくは、「通気チャンバ」と呼ばれる、周辺チャンバ28は、本体部30と基部2のボア20との間で半径方向に区切られ、チャンバ25とチャンバ26との間で軸方向に区切られる。より詳細には、ねじ山34は、近位端32と制御チャンバ26との間に配置構成される。
【0032】
本体部30は、軸X3と同軸で、その長さ全体にわたって軸X3によって横断される中心導管33を形成する。導管33は、本体部30を一方の側から他方の側まで貫通する。中心導管33は、本体部遠位端31および本体部近位端32のところで開口する。
【0033】
本体部遠位端31において、中心導管33は、中心導管33を終端し、本体部遠位端31のところで開口する導管遠位端36を画成する。遠位方向X50とは反対方向で、導管遠位端36から始まって、軸X3に沿って連続的に走る、中心導管33は、有利には、本体部30の内側において、中間チャンバ37、制御チャンバ38、および近位チャンバ39を区切る。チャンバ37、38、および39は、軸X3によって横断されている。
【0034】
弁3は、ピストン50をさらに備える。
【0035】
ピストン50は、中心導管33内に収容され、軸X3に沿って本体部30に関して摺動するように構成されており、中心導管33によって、摺動するように誘導される。ピストン50は、
図1から
図3に示されている弁3の閉構成をそれによって取得するための、閉位置である遠位位置と、
図4に示されている弁3の開構成をそれによって取得するための、開位置である近位位置との間で摺動する。遠位位置では、ピストン50は、近位位置に関して方向X50にオフセットされる。前記位置において、ピストン50は、方向X50に沿って中心導管33から、導管遠位端36から、したがって本体部遠位端31から、チャンバ25内に突起する。
【0036】
弁3は、ダイアフラム80をさらに備える。ダイアフラム80は、剛体である、ピストン50および本体部30などの他の部品と異なり、弾性変形可能な部品である。
【0037】
ダイアフラム80は、ダイアフラム80を本体部遠位端31に取り付けるための、ピストン50を囲む、周辺リング81を備える。ダイアフラム80は、ダイアフラム80をピストン50に取り付け、ピストン50を囲む、内部環状リング82を備える。ダイアフラム80は、周辺環状リング81を内部環状リング82に半径方向に接続する環状膜83を含み、ピストン50の周囲全体に連続する表面を形成する。これによって、ダイアフラム80、特に膜83を用いるダイアフラム80は、加圧流体チャンバ25から中心導管33を隔て、方向X3に沿ってダイアフラム80に超えて区切られる。リング81および82は、優先的に両方とも軸X3上にセンタリングされる。各リング81および82は、優先的に軸X3の周りに円形の形状を有し、軸X3に垂直なそれぞれの平面内に延在する。リング82はピストン50に取り付けられることによってピストン50と同時に移動可能であるが、リング81は本体30に取り付けられることによって、ピストン50の位置に関係なく、固定される。膜83は、本体30に関するピストン50の位置に関係なく、リング81および82を常に連結するように弾性変形する。
【0038】
ダイアフラム80は、軸X3の周りを回転する幾何学的形状を有している、すなわち、有利には軸X3の周り全体にわたって類似または同一である半径方向セクションを有している。
【0039】
ダイアフラム80は、内部環状リング82を通って延在し、チャンバ25内に突起するピストン50によって横断される。ダイアフラム80およびボア20の底部は、一緒にチャンバ25を画成する。言い換えると、ダイアフラム80は、チャンバ25の境界となる。ダイアフラム80は、チャンバ25と本体部遠位端31との間、より詳細にはチャンバ25と中心導管33との間の、ピストン50の周囲の加圧流体に対して動的シーリングを提供する。好ましくは、これは、以下で詳細に説明されているように、外側24に対向する、本体部30の周りの、ボア20を閉じるダイアフラム80でもある。
【0040】
好ましくは、本体部遠位端31は環状クレードル43、および優先的に、本体部溝40を形成する。環状クレードル43は、導管遠位端36の周りに形成される。本体部溝40は、クレードル43の周りに形成され、したがって導管遠位端36の周りにも形成される。溝40は、軸X3に対して垂直な平面内で、軸X3の周りで本体部30の一面に広がる。溝40は、クレードル43の外周全体にわたってクレードル43の境界となり、クレードル43を区切る。好ましくは、本体部溝40は、外側に向かって開いている。
【0041】
有利には、周辺環状リング81は本体部溝40内に収容されるような設置がなされ、本体部30上に安全に位置決めされる。好ましくは、リング81は、中心軸X3に関して、本体部溝40がリング81を半径方向外向きに圧迫するという形で、本体部溝40によってわずかに変形した状態に保持される。リング81は、これにより、変形状態に保持され、リング81は、中心軸X3に関して、半径方向外向きに弾性的に伸張される。非変形状態では、リング81は、優先的に、円形の半径方向セクションを有する、すなわちトロイダル形状である。
図1から
図4に示されている変形状態において、リング81は、本体部溝40が半径方向外向きに当接する周辺環状リング81の一部に対して本体部溝40によって優先的にわずかに平らにされる。リング81は、これによって、特に本体部30がまだボア20内に収容されていない組み立て時に、溝40によって本体部に軽く保持される。
【0042】
好ましくは、コーティング製品に関して漏れ止めされるようにチャンバ25を区切りながら周辺環状リング81を本体部30に取り付けるために、周辺環状リング81は、本体部30とボア20との間に半径方向に挟装される。リング81は、これによって、チャンバ25をボア20の残り部分から隔て、ボア20によって溝40内に保持される。チャンバ25内に存在する加圧流体は、次いで、本体30に沿って外側24に漏れることが有り得ない。より詳細には、ボア20は、軸X3上にセンタリングされ、方向X50に沿って収束する、内部円錐表面29を備える。表面29は、周辺環状リング81に対して、方向X50とは反対方向に、軸X3に沿って、斜めに当接する。リング81は、これによって、チャンバ25をシールするように表面29と溝40との間に半径方向に挟装される。より詳細には、リング81は、チャンバ25を通気チャンバ28から流体的に隔てるが、これらは前記リング81に隣接している。リング81は、このようにして、チャンバ25から通気チャンバ28の方への、またはそれどころか、制御チャンバ26の方への、コーティング製品の漏れを防止する。一変更形態において、シーリングを確実にするのはリング81ではなく、本体部30とボア20との間に半径方向に挟装される、ダイアフラムとは明確に区別される固定シールであることが規定されている。
【0043】
好ましくは、リング81の本体部溝40内への装着を円滑にするために、本体部溝40は、外部に向かうだけでなく、遠位方向X50に沿っても開いている。それにも関わらず、リング81は、リング81に対するボア20の当接を用いて溝40内の適所に固定される。
【0044】
より詳細には、
図3を見るとより明確にわかるように、本体溝40は、本体溝40を区切る溝近位リム41および溝遠位リム42を備える。リム41は、軸X3に垂直な平面内で軸X3の周りに延在する円形突起縁を形成する。リム42は、リム41に関して方向X50に沿ってオフセットされる。リム42は、軸X3に垂直な平面内で軸X3の周りに延在する円形突起縁を形成する。リム42は、溝40と環状クレードル43との境界をマークする。リム41は、リム42よりも大きい直径を有し、リム42は、リム41に関して方向X50に沿って配置構成される。好ましくは、溝40は、リム42から始まり、まず軸X3に対して平行であるかまたはほぼ平行であり、次いでリム41まで外向きに回転する、半径方向の外形を有する。言い換えると、溝40は、遠位方向X50とは反対方向に陥凹しているが、半径方向内向きには陥凹していないか、またはわずかに陥凹しており、これは、リング81を遠位方向X50とは反対方向で溝40内に挿入することを円滑にする。
【0045】
制御チャンバ26を制御流体に関して漏れ止めされるように区切るために、弁3は、有利には、たとえばOリングである、固定シール72および固定シール73を含む。チャンバ26は、シール72および73によって軸方向に区切られ、シール72と73との間で軸方向に延在する。各シール72および73は、軸X3の周りで、その周辺全体にわたって本体部30を囲む。各シール72および73は、軸X3に関して半径方向に、本体部30とボア20との間に挟装される。より詳細には、シール72は、リング81とシール73との間で軸方向に配置構成される。チャンバ26および通気チャンバ28はシール72に隣接しており、シール72は、チャンバ26を通気チャンバ28から流体的に隔て、チャンバ26から来る制御流体が本体部30に沿って流れることによって通気チャンバ28に、またはそれどころか、チャンバ25に、漏れるのを防止する。シール73は、チャンバ26をボア20の開口から隔てている。シール73は、このようにして、チャンバ26からねじ山34の方への、またはそれどころか、外側24の方への、制御流体の漏れを防止する。
【0046】
本体部30の環状クレードル43は、中心導管33と周辺環状リング81との間、より詳細には本体部溝40と導管遠位端36との間で半径方向に延在する。より詳細には、クレードル43は、導管遠位端36によって内部的に、溝遠位リム42によって外部的に区切られる。環状クレードル43は、有利には、軸X3の周りで回転する形状を有する。好ましくは、環状クレードル43は、方向X50と反対方向に陥凹した、丸みのある半径方向セクションを有する。より正確には、丸みのある半径方向セクションは、起伏のない中空の湾曲を有する。より一般的に、図に示されているように、環状クレードル43は、環状膜83に向かって凹んでいる。好ましくは、内側からクレードル43の境界となる円形リムを形成する端部36は、外側からクレードル43の境界となるリム42に関して、方向X50に沿って配置構成される。リム42は、有利には、端部36よりも大きい直径を有する。丸みのある半径方向セクションは、端部36をリム42に接続する。
【0047】
ピストン50は、ステム52およびニードル90を備える。
【0048】
ステム52は、方向X50に対して平行に延在し、軸X3と同軸である。ステム52は、中心導管33内に収容される。より詳細には、ステム52は、チャンバ25内に突出し、次いで引き続き、導管遠位端36および中間チャンバ37を通って延在し、制御チャンバ38内に出現する。好ましくは、ピストン50は、中間チャンバ37の壁に沿ったステム52の半径方向摺動によって摺動の際に誘導される。言い換えると、ピストン50は、本体30の中心導管33によって、ステム52を用いて摺動する際に誘導される。
【0049】
ステム52は、方向X50に沿って相次いで、部分51、ピストン溝58、および遠位ステム端部59を含む。
【0050】
有利には、部分51は導管33と協働し、それによりステム52がピストン50の摺動を誘導するように設置される。
図1から
図3に示されているようなピストン50の遠位位置において、部分51は、方向X50に沿って導管33から突起する、すなわち端部31および端部36を超えて延在する。ピストン50の近位位置では、
図4に示されているように、部分51は、好ましくは全部、またはほとんど全部、導管33の内側に引っ込められる。
【0051】
ピストン溝58は、ピストン50の位置が何であろうと、中心導管33の外側にあるように配置構成される。ピストン溝58は、中心軸X3の周りの周辺全体にわたってステム52を囲み、中心軸X3に関して半径方向外向きに開いている。ピストン溝58は、有利には、軸X3に垂直な平面に沿って延在する。
【0052】
図3を見るとより明確にわかるように、ピストン溝58は、溝近位リム56および溝遠位リム57を含み、ピストン溝58はこれらの間で区切られる。リム57は、リム56に関して方向X50に沿ってオフセットされる。リム56は、有利には、軸X3に垂直な平面に沿って、軸X3の周りに延在する円形突出縁を形成する。リム56は、優先的に、鋭い縁を形成しないように丸みのあるフィレットを備える半径方向外形を有する。リム56は、溝58と部分51との境界をマークする。リム57は、リム56に関して方向X50に沿ってオフセットされる。リム57は、軸X3に垂直な平面内で軸X3の周りに延在する円形突起縁を形成する。リム57は、溝58と遠位ステム端部59との境界をマークする。好ましくは、ピストン溝58は、リム56からリム57まで、陥凹した、円の一部の形を取る半径方向断面を有する。言い換えると、溝58は、軸X3の周りのトロイダル形状部分を表している。
【0053】
ダイアフラム80がピストン50に取り付けられるためには、内部環状リング82は、ピストン溝58に収容される。好ましくは、リング82は、中心軸X3に関して、ピストン溝58がリング82を半径方向外向きに圧迫するという形で、ピストン溝58によってわずかに変形した状態に保持される。リング82は、これにより、変形状態に保持され、リング82は、中心軸X3に関して、半径方向外向きに弾性的に伸張される。非変形状態では、リング82は、優先的に、方向X50に沿って収束する、斜めの、楕円形の半径方向セクションを有する。
図1から
図4に示されている変形状態において、リング82は、溝58が半径方向外向きに当接する環状リング82の一部に対してピストン溝58によって優先的に丸みを付けられる。リング82は、これによって、特にニードル90がまだステム52内に取り付けられていない組み立て時に、溝58によってステム52に取り付けられる。
【0054】
有利には、溝近位リム56が溝遠位リム57よりも半径方向に広くなるような設置がなされ、これは、以下に説明されているように、遠位端59を介して、方向X50とは反対方向に嵌合することによって、ステム52に保持リング82を装着することを円滑にする。しかしながら、溝40とは異なり、有利には溝58が半径方向内向きに陥凹するような設置がなされ、それによりリング82は、ニードル90がまだ適所にないときでも、溝58によってステムに取り付けられる。
【0055】
膜83は、一定の厚さを有するか、またはリング81からリング82へのわずかな変化を示す。ダイアフラム80、特に膜83は、中心導管33に関する、ピストン50の現在の位置およびチャンバ25内の加圧流体の過圧力の発生に応じて弾性的に変形されるように構成される。好ましくは、膜83は、軸X3の周りで回転する形状を有する。
【0056】
「過圧力の発生」は、加圧流体がチャンバ25内に、特に中心導管33内の、ダイアフラム80の反対側に存在する、空気であってもよい、流体の圧力よりも高い値を有する圧力で存在することを意味する。そのような場合、チャンバ25内の加圧流体の圧力と導管33内の加圧流体の圧力との間の値の差は、無視できない、一定の圧力差閾値よりも大きい。チャンバ25内の加圧流体の圧力と導管33内の加圧流体の圧力との間の値の差が、ゼロに向かう傾向を有する、所与の圧力差閾値よりも小さいときに、過圧力はないと考えられる。
【0057】
より詳細には、中心導管33に関してチャンバ25内に過圧力が発生せず、ピストンが遠位位置にあるときに、ダイアフラム80は、
図1に示されている、初期形状を取る。この初期形状は、ダイアフラム80の静止位置と考えられてよく、ダイアフラムは、チャンバ25および導管33内の圧力が近いまたは同一の値であるときに弾性によって自然にそこへ向けて戻る。初期形状では、環状膜83は、好ましくは環状膜83の表面全体にわたって、クレードル43から離れている。好ましくは、環状膜83は、また、ステム52から、特にステム52の部分51から、離れている。適切な場合に、膜83は、リム56のところでのみステムと接触し、リム42のところでのみクレードル43と接触する。これによって、環状膜83とクレードル43との間、リム42とリム56との間に環状容積が設けられる。初期形状では、
図1に示されているように、膜83は、好ましくはいかなる起伏もなしに、適切ならば、クレードル43の方向に沿って、湾曲した、一般的にフレア状または円錐状の形状を有している。
【0058】
図2から
図4に示されているように、導管33に関してチャンバ25に過圧力が生じたときに、ダイアフラム80は、伸張形状に向かって弾性的に変形される。状況に応じて、特にピストン50の位置に応じて、伸張形状は異なり得る。取り得るすべての伸張形状において、環状膜83は、過圧力の効果の下で、環状クレードル43と接触し、嵌合し、これは環状膜83を環状クレードル43に押し付ける。クレードル43と嵌合することによって、膜83は、クレードルの形状に一致する形状を取る。伸張形状の1つを取るために、方向X50と反対方向に膜83が環状クレードル43に当接するまで膜83を弾性的に変形させる十分な強さの過圧力が必要である。これによって、クレードル43は膜83を方向X50とは反対方向に当接させるので、これは膜83を過圧力の効果に対抗して保持し、これにより膜83は過度に伸張されることはない。上記のことは、過剰な過圧力が生じた場合の膜の劣化を防ぐ。さらに、クレードル43の形状は、膜83がクレードル43と嵌合するので膜83はクレードル43によって与えられる所望の形状に従って正確に変形されることを確実にする。上記のことは、膜83の劣化のリスクをさらに低減する。
【0059】
ダイアフラム80は、チャンバ25に過圧力が生じたときだけでなく、ピストン50が遠位位置にあるときにも、「遠位伸張形状」と呼ばれる、特定の伸張形状に向かって弾性的に変形され得、これは
図2および
図3に示されている。遠位伸張形状では、膜83の近位部分86のみが、クレードル43と接触して嵌合するが、遠位部分87は、導管33の端部36から突起する部分51に対して、ステム52と接触して嵌合する。ピストン50の遠位位置が与えられた場合、部分51は、次いで、環状クレードル43、より詳細には端部36と、内部環状リング82、より詳細には溝58との間で軸方向に延在する。
【0060】
より詳細には、近位部分86は、環状形状を有し、リング81から遠位部分87まで延在する。遠位部分87は、環状形状を有し、近位部分からリング82まで延在する。好ましくは、遠位部分87および近位部分86は、各々、膜83の表面積の約半分を占める。好ましくは、遠位部分87のほぼ全体がステム52の部分51と接触している。好ましくは、近位部分86のほぼ全体がクレードル43と接触している。同様に、リム42から端部36までの、クレードル43のほぼ全体が、膜83と接触している。同様に、端部36からリム56までの、導管33から出現するステム52の部分51のほぼ全体が、膜83と接触している。適切な場合に、遠位部87と近位部86との間の境界に位置する膜83の一部は、端部36において、クレードル43またはステム52に押し付けられない。
【0061】
膜83が、上記の状況においてステム52の部分51およびクレードル43の両方と嵌合するという事実が、膜83の劣化のリスク低減をもたらす。
【0062】
ダイアフラム80は、チャンバ25に過圧力が生じたときだけでなく、ピストン50が近位位置にあるときにも、「近位伸張形状」と呼ばれる、特定の伸張形状に向かって弾性的に変形され得、これは
図4に示されている。そのような場合、ステム52の部分51は、導管33の内側に引っ込められる。好ましくは、そのような場合において、膜83のほぼ全体がクレードル43と接触している。同様に、リム42から端部36までの、クレードル43のほぼ全体が、膜83と接触している。より詳細には、近位部分86および遠位部分87は両方とも、優先的にほぼ全体がクレードル43と接触している。そのような状況下で、膜83がクレードル43とほぼ全体的に嵌合しているという事実は、膜83の劣化のリスク低減をもたらす。
【0063】
初期形状において、
図1に示されているように、環状膜83が環状クレードル43に向かって凸状であること、すなわち、裏面が環状クレードル43の方へ向き付けられている湾曲を有することが好ましい。この最初の湾曲は、過圧力が発生したときに膜83が上で説明されている他の形状を取ることを確実にする。有利には、ダイアフラム80が初期形状にあるときに、部分86および87のいずれも、クレードル43およびステム52と接触しないが、ただし適切な場合にリム42および56と接触することを除く。
【0064】
好ましくは、弁の使用中にダイアフラム80が取り得るすべての形状において、または少なくとも伸張形状において、有利には、環状膜83の表面が環状膜83の別の表面と接触することのないような設置がなされる。言い換えると、環状膜83は、それ自体に接触して当たるまで折り畳まれず、これは膜83の劣化のリスク低減をもたらすことを可能にする。より一般的に、特に伸張形状に対して膜83をクレードル43に押し付けることによって、上述の初期形状および伸張形状に起因して膜83の折り目が生じることのないような設置がなされ得、クレードル43の形状は特に膜83の鋭い折り畳みが生じるのを防止するように構成されている。
【0065】
過圧力が存在せず、ピストン50が近位位置にある間、膜83は、有利には、近位伸張形状と同じ形状を取る。しかしながら、膜83が異なる中間形状を取るような設置がなされ得、特に膜83はクレードル43に完全には接触しない。
【0066】
過圧力が発生し、ピストン50が遠位位置と近位位置との中間位置にあるときに、さらに他の伸張形状が取得され得る。さらに、いずれかの過圧力が低すぎる、またはピストン50が遠位位置にない、またはその両方の、すべての中間状況において、ダイアフラム80は、初期形状でも、上で説明されているような伸張形状のいずれでもない、それぞれの中間形状を取り得る。
【0067】
ピストン50が近位位置にあるかまたは遠位位置にあるかに関わらず、ニードル90は、好ましくは、中心導管33の外側の、チャンバ25内に全体が入るように配置構成され、これは本体遠位端31に関して遠位方向X50に沿ってオフセットされる。ニードル90は、遠位ステム端部59によってステム52に取り付けられている。ニードル90は、ステム52とは明確に区別できる部分であり、ステム52に直接取り付けられることによってステム52に取り付けられる。遠位ステム端部59は、ピストン溝58から始まり、方向X50に沿って配置され、有利には軸X3と同軸である。ピストン50の近位位置では、ニードル90は、シート27から離れており、流れF21が循環することを可能にし、ピストン50の遠位位置では、シート27に対して軸方向に当接して、導管22を遮断し、流れF21が循環するのを妨げる。
【0068】
より詳細には、ニードル90は、有利には、遮断遠位端部91、近位取り付け接触面92、およびクラウン93を備え、一緒になって有利には一体成型部品を形成する。
【0069】
ニードル90は、近位取り付け接触面92によって遠位ステム端部59に取り付けられている。好ましくは、近位取り付け接触面92は、軸X3上にセンタリングされた内部導管の形態を取り、遠位方向X50と反対方向に開口し、その中に遠位方向X50に沿ってスリーブされた遠位ステム端部59を収容する。好ましくは、取り付けは、ニードル90をステム52上に、より詳細には接触面92を遠位端59上に力ずくでスリーブすることによって得られる。図に示されているように、有利には、遠位端部59は、端部59の周辺に配置構成されている、接触面92内に半径方向に植え込まれニードル90を遠位方向X50とは反対方向に保持する爪を有するような設置がなされる。一変更形態において、ニードル90を遠位ステム端部59上にスリーブする代わりに、ニードル90を遠位ステム端部59にねじ込むようにすることも可能である。次いで、近位側取り付け接触面92は、雌ねじを有し、遠位ステム端部59は、雌ねじと一致する雄ねじを有し、これによりねじ込みが行える。
【0070】
遮断端部91は、接触面92および端部59から遠位方向に沿って延在する。遮断端部91は、優先的に、凸形状を有するか、または方向X50に沿ってプラグの形態を取る。ステム52が、
図1から
図3に示されているような遠位位置にあるときに、端部91は、遮断シート27に対して遠位方向X50に沿って当接し、これによって遮断シート27を遮断する。次いで、導管22は、チャンバ25から流体的に分離され、流れF21の確立を防ぐ。ステム52が、
図4に示されているような近位位置にあるときに、端部91は、方向X50とは反対方向に遮断シート27に関して後退し、それによって遮断シート27を解放する。次いで、導管22は、チャンバ25に流体的に接続され、それにより流体F21の流れは確立され得る。
【0071】
クラウン93は、ニードル90の近位端、すなわち遮断端91と軸方向に対向する位置に形成される。接触面92の内部導管の底は、クラウン93と端部91との間に配置構成される。クラウン93は、溝58のところで、その周辺全体にわたってステム52を囲み、内部環状リング82を外部から覆うが、内部環状リング82は、クラウン93と溝58との間に半径方向に挟装される。
【0072】
より詳細には、クラウン93は、基部94およびクラウンリム95を含む。好ましくは、クラウン93は、クラウン93の内側において、遠位方向X50とは反対方向に順に、
図3に示されているように、内部面取り面96、内部凹曲面97、そして内部円錐表面98を形成する。表面96、97、および98は一緒になって、ステム52を囲む連続フレア状内壁を形成する。
【0073】
基部94は、有利には、接触面92の近位端のところで始まる。言い換えると、クラウン93は、接触面92によって形成される内部導管から方向X50とは反対方向に延在する。基部94に関して遠位方向X50とは反対方向に配置構成される、クラウンリム95は、有利には、ニードル90およびクラウン93の近位端を形成する。
【0074】
基部94は、クラウン93を遮断遠位端91に接続し、接触面92の近位端のところで始まる。基部94は、ステム52を囲む環状形状を有する。方向X50とは反対方向において、基部94は、溝遠位リム57に隣接して始まり、方向X50とは反対方向にステム52から半径方向外向きにクラウンリム95まで延在し、これは、方向X50とは反対方向にクラウン93を終端し、ステム52から半径方向に離れている。好ましくは円形のクラウンリム95は、軸X3に直交する平面内で、ステム52の一面に広がる。クラウンリム95は、溝近位リム56の高さ、すなわち、軸X3に沿って溝近位リム56と同じレベル、またはそれどころか、方向X50とは反対方向に溝近位リム56を超えて配置構成される。これによって、クラウン93は、溝58を完全に覆い、これはクラウン93が遠位リム57に隣接する遠位リム57から始まり、溝58からある距離を置いて半径方向に延在する。
【0075】
内部面取り面96は、遠位方向X50に沿って収束し、溝遠位リム57に隣接する。面取り面96は、ニードル90とステム52との間の境界のところに鋭いリムが形成されるのを防ぎ、それによって使用中のリング82の劣化のリスクを回避する働きをする。
【0076】
丸みのある中空形状の内部凹曲面97は、基部94をクラウンリム95に接続する、より詳細には面取り面96を内部円錐表面98に接続する。面97は、面取り面96から始まり、これにより溝遠位リム57は表面97の始まりに関して方向X50に沿ってオフセットされる。内部凹曲面97は、遠位方向X50に沿って収束する。
【0077】
内部円錐表面98は、基部94をクラウンリム95に接続する、より詳細には内部凹曲面97をクラウンリム95に接続する。表面98は、遠位方向X50に沿って収束する。
【0078】
内部環状リング82は溝58内に収容されるので、内部環状リング82は、軸X3に関して半径方向に、クラウン93とステム52との間に挟装され、優先的に高さ全体にわたってまたは高さの大部分で、クラウン93と接触している。より詳細には、リング82は、表面97および98と接触している。クラウン93は、内部凹曲面97を介して内部環状リング82に対して遠位方向X50と反対方向で斜めに当接する。斜めに当接することは、保持リング82は溝58内にニードル90によって保持されることを可能にし、それにより保持リング82はステム52に取り付けられた状態に保持される。クラウン93は、ダイアフラム80に対して、より詳細にはリング82に対して、内部円錐表面98を介して、遠位方向X50とは反対方向に斜めに当接する。上記のことは、保持リング82を溝58内に保持することに役立っている。
【0079】
膜83が保持リング82に取り付けられる際に用いられる、膜83の遠位部分87は、クラウンリム95に接触することによって、軸X3に関して半径方向に、溝近位リム56とクラウンリム95との間に挟装される。より一般的に、ダイアフラム80は、溝近位リム56とクラウンリム95との間に半径方向に挟装され、クラウンリム95と接触している。
【0080】
言い換えると、ダイアフラム80は、特にクラウンリム95において、また適切であれば、リム57におけるリング82の遠位端から離間して、クラウン93とステム52との間に半径方向に挟装されるダイアフラム80の表面全体に対してクラウン93に当接する。優先的に、クラウンリム95は、ダイアフラム80が使用中に初期形状であるか、伸張形状のうちの1つの形状であるか、または他の形状であるかに関わらず、ダイアフラム80と接触した状態に保たれる。好ましくは、クラウンリム95は、ピストン50が遠位位置にあるか、近位位置にあるか、または他の任意の中間位置にあるかに関わらず、ダイアフラム80と接触した状態に保たれる。クラウンリム95とダイアフラム80との間の支持を、軸X3の周囲全体にわたって維持することで、ダイアフラム80とニードル90との間に環状隙間を開くことを防ぎ、これは、ダイアフラム80とクラウン93との間に残留物または他の物質が導入され蓄積するのを回避する。そのようなすべての状況においてクラウンリム95とダイアフラム80との接触を維持するために、ニードル90が取り付けられたときにクラウン93がダイアフラム80に押し付けられ、方向X50と反対方向に力を印加して、ダイアフラム80を方向X50と反対方向で圧縮する弾性変形構成に維持するような設置がなされる。より詳細には、リング82および膜83の部分87が、表面96および97ならびにリム95をリング82および膜83の部分87に斜めに当接させることによって弾性変形状態に維持されるような設置がなされる。
【0081】
好ましくは、ステム52は、部分51およびニードル90に対向する、ステム52の近位端にある、近位基部53およびカラーフランジ55を備える。一方では基部53とカラーフランジ55との間、他方では、部分51とニードル90との間で、ステム52は、中心導管33の中間チャンバ37および制御チャンバ38を貫通する。カラーフランジ55は、制御チャンバ38を近位チャンバ39から隔てる。ピストン50の近位端に形成されている、近位基部53は、ニードル90に対向している。近位基部53は、近位チャンバ39内に配置構成される。
【0082】
弁3は、有利には、本体部30を圧迫する、ここでは近位基部53を介して、ピストン50に弾性復帰力を印加するばね54を備える。この弾性復帰力は、ピストン50を、その近位位置からその遠位位置まで、方向X50に沿って移動させる傾向がある。好ましくは、ばね54は、本体30の内側に、ここではピストン50の周りの近位チャンバ39内に配置構成される。
【0083】
基部2によって区切られる、制御チャンバ26は、本体部30の内側に形成された制御チャンバ38に流体的に接続される。この目的のために、本体部30は、本体部30が基部2に装着されたときにチャンバ26および38を接続する、1つまたは複数の導管(図示せず)を形成する。したがって、制御流体は、制御チャンバ26および38内に浸透し、それによってチャンバ38を加圧することによってカラーフランジ55に圧力を印加し、ばね54によって発生する力に逆らって、ピストン50を遠位位置から近位位置へと移動させる傾向が生じる。制御流体を加圧することによって圧力を印加することで、ピストン50を近位位置にし、制御流体圧力を下げることによって圧力を解放することで、ばね54がピストン50を遠位位置に復帰させることを可能にする。これによって、弁3の開閉が制御され得る。
【0084】
周辺チャンバ28と同様に、中間チャンバ37も、通気チャンバを形成する。好ましくは、周辺チャンバ28は、本体部30内に形成された1つまたは複数の導管によって中間チャンバ37に流体的に接続され、これにより、チャンバ28および37は一緒になって通気チャンバを形成する。シールの1つまたはリング81に不具合が生じた場合、加圧流体または制御流体は、不具合のあるシールを通ってチャンバ28および37の方へ漏れ出て、弁3の残りの部分内への浸透を防ぐことができる。
【0085】
ピストン50およびダイアフラム80は、弁3に属するピストンダイアフラムアセンブリとして、グループ化して考えられ得る。弁3の製造時に、ピストンダイアフラムアセンブリは、優先的に、本体部30内に設置されるが、ピストンダイアフラムアセンブリにおいて、リング82はステム52の溝58内にすでに収容されており、ニードル90はステム52にすでに取り付けられている。上記では、ピストン50を中心導管33内に挿入し、次いでリング81を溝40内に取り付けることを伴う。次いで、本体部30は、基部2のボア20内に設置される。同様に、メンテナンスでは、ピストンダイアフラムアセンブリは全体が、摩耗したピストンダイアフラムアセンブリを本体部30から一体として取り外し、次いで修理済みのピストンダイアフラムアセンブリ、または新品のピストンダイアフラムアセンブリを本体30内に一体として再組み立てすることによって、交換され得る。
【0086】
ピストンダイアフラムアセンブリを製造するには、以下で説明されているいくつかのステップを含む製造方法が使用される。
【0087】
最初に、ステム52、ニードル90、およびダイアフラム80は、これらの部分が互いに離間された構成で提供される。
【0088】
次いで、
図5に示されているように、この方法は、有利には、遠位ステム端部59上に仮キャップ100を位置決めすることを含む。この段階で、ニードル90は、ステム52にまだ取り付けられておらず、ダイアフラム80の内部環状リング82は、ステム52にまだはめ込まれていない。
【0089】
仮キャップ100は、有利には、近位基部102を含み、この近位基部102を用いて、キャップ100は遠位ステム端部59に取り付けられる。好ましくは、近位基部102は、端部59を収容するために方向X50と反対方向に開口するボアを備える。近位基部102は、好ましくは全体的に、特に、端部59に、適切であれば、設けられた任意の爪を覆うことによって、端部59を覆う。好ましくは、基部102は、キャップ100が位置決めされたときに、溝58の遠位リム57のところまで延在する。外部では、基部102は、好ましくは、軸X3上にセンタリングされた、円形基部を有する円筒形状を有する。
【0090】
仮キャップ100は、有利には、軸X3上にセンタリングされた、遠位方向X50に沿って先細りの形状を有する遠位端101を備え、先端は有利には丸みを帯びている。好ましくは、端部101は、外部先細り表面103を形成し、ここでは円錐形である。表面103は、遠位方向X50に沿って収束する。端部101は、方向X50に沿って収束する。端部101は、途切れることなく基部102の外部形状に続くので、外部から見て、キャップ100は、全体的に、たとえば円筒形-円錐形の一般的形状で先細りになっている。
【0091】
方法は、次いで、内部環状リング82をステム52に嵌合することを含むが、ニードル90は、まだステム上に取り付けられておらず、キャップ100は、ステム52上の適所にある。内部環状リング82は、ダイアフラム80をステム52に取り付けるために、内部環状リング82がピストン溝58内に収容されるように遠位端59を介して嵌合される。キャップ100が設置されているので、内部環状リング82をステム52上に嵌合することは、仮キャップ100を用いて実行され、内部環状リング82は方向X50と反対方向に、仮キャップの外側先細り表面103に沿って摺動する。キャップ100の使用は、リング82を嵌合することを円滑にするが、それは、リング82が、仮キャップ100の尖っている端部によって容易に横断され、次いで、外側先細り表面103に沿ってそれが徐々に移動するとともに徐々に弾性的に離され得、最終的にキャップ100が通った後、よりきつい形状に弾性的に復帰し、溝58に収まるからである。キャップ100は、また、有利には、端部59によって支持された爪がリング82を損傷する可能性がないようにする。
【0092】
次いで、この方法は、内部環状リング82が溝58内に収容されている間に、またニードル90を遠位ステム端部59に取り付ける前に、仮キャップ100を取り外すことを含む。
【0093】
次いで、この方法は、内部環状リング82が溝58に収容されている間に、仮キャップ100が取り外された状態で、ニードル90を遠位ステム端部59に取り付けることを含む。この目的のために、ニードル90は、方向X50と反対方向に、近位取り付け接触面92をステム端部59上に力ずくでスリーブすることによって、ステム52上にスリーブされる。次いで、ステム端部59の爪は、設けられている場合に、ニードル90の引き込みを防ぐ。ニードル90は、クラウン93が内部環状リング82を外部から覆うことによってステム52を囲むような形で取り付けられ、これにより、基部94は、溝遠位リム57に隣接し、ダイアフラム80は、溝近位リム56とクラウンリム95との間に半径方向に挟装され、クラウンリム95と接触しており、前述の通りである。
【0094】
実施形態の1つまたは変更形態の1つについて上で説明されている特徴は、技術的に可能な限り、上で説明されている他の実施形態および変更形態に対しても使用され得る。
【符号の説明】
【0095】
F21 加圧流体流
X3 共通中心軸
X50 遠位方向
2 基部
3 弁
20 ボア
21 入口導管
22 放出導管、加圧流体導管
24 外側
25 加圧流体チャンバ
26 制御チャンバ
27 遮断シート
28 周辺チャンバ
29 内部円錐表面
30 本体部
31 本体部遠位端
32 近位端
33 中心導管
34 ねじ山
36 導管遠位端
37 中間チャンバ
38 制御チャンバ
39 近位チャンバ
40 本体部溝
41 溝近位リム
42 溝遠位リム
43 環状クレードル
50 ピストン
51 部分
52 ステム
53 近位基部
54 ばね
55 カラーフランジ
56 溝近位リム
57 溝遠位リム
58 ピストン溝
59 遠位ステム端部
72 固定シール
73 固定シール
80 ダイアフラム
81 周辺環状リング
82 内部環状リング
83 環状膜
86 近位部分
87 遠位部分
90 ニードル
91 遮断遠位端部
92 近位取り付け接触面
93 クラウン
94 基部
95 クラウンリム
96 内部面取り面
97 内部凹曲面
98 内部円錐表面
100 仮キャップ
101 遠位端
102 基部
103 外部先細り表面
【外国語明細書】