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特開2025-22865縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022865
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   H10K 85/30 20230101AFI20250206BHJP
   H10K 50/12 20230101ALI20250206BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20250206BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20250206BHJP
   C07F 15/00 20060101ALI20250206BHJP
   H10K 101/10 20230101ALN20250206BHJP
   H10K 101/20 20230101ALN20250206BHJP
【FI】
H10K85/30
H10K50/12
H10K59/10
C09K11/06 660
C07F15/00 F CSP
H10K101:10
H10K101:20
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024128588
(22)【出願日】2024-08-02
(31)【優先権主張番号】202310972976.4
(32)【優先日】2023-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515126422
【氏名又は名称】浙江工▲業▼大学
(71)【出願人】
【識別番号】522181061
【氏名又は名称】浙江華顕光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG HUAXIAN PHOTOELECTRICITY TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】NO.58 Zhuangchi Middle Road, Ganyao Town, Jiashan County Jiaxing, Zhejiang 314107 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】李貴杰
(72)【発明者】
【氏名】儲青山
(72)【発明者】
【氏名】余遠斌
(72)【発明者】
【氏名】童▲しょう▼▲えい▼
(72)【発明者】
【氏名】陸韻▲き▼
(72)【発明者】
【氏名】高春吉
【テーマコード(参考)】
3K107
4H050
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA02
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB05
3K107CC04
3K107CC07
3K107CC21
3K107DD53
3K107DD66
3K107DD67
3K107DD68
3K107DD69
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB92
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンスの分野に属し、具体的には、縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体及びその使用に関する。本発明は、カルバゾールの5,6-位にベンゾフラン又はベンゾチオフェン等の5員複素環系を導入することによって、四座金属白金(II)錯体燐光材料を得る。
【効果】シクロ四座白金(II)錯体によって三重項中局在化状態(LE)が励起される成分比率を向上させ、それに低い肩ピークを持たせ、材料分子の発光色の純度を向上させる。さらに、デバイスの耐用年数を向上させる。本発明にて提供される材料は、いずれも良好な化学安定性及び熱安定性を有し、蒸着型OLEDデバイスを製造しやすい。本発明の化合物を発光層として製造した有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、電流効率及び耐用年数の両方が明らかに向上し、且つ、発光電圧を著しく低下させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される一般式構造を有する、ことを特徴とする縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体。
(式(I)中、Xは、O又はSから選択され、R~Rは、それぞれ独立して、モノ置換から最大量置換まで、又は無置換を表し、R~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、CN、C1~C30のアルキル基、C1~C30のハロアルキル基、C1~C30の重水素アルキル基、C6~C60アリール基、C6~C60アリールシラン及びその組合せからなる群から選択される。)
【請求項2】
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、CD、F、CF、CN、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-アミル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、フェニル基、ビフェニル、トリフェニルシラン及びその組合せからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体。
【請求項3】
、R、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、F、CN、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、フェニル基及びその組合せからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体。
【請求項4】
、R、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル基、tert-ブチル基、フェニル基及びその組合せからなる群から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体。
【請求項5】
下記の化学構造から選択されるいずれか1つであり、ここで、「D」は、重水素を示し、Phは、フェニル基を示す、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体。
【請求項6】
有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機集積回路、有機電界効果トランジスタ、有機薄膜トランジスタ、有機発光トランジスタ、有機太陽電池、有機光検出器、有機光受容器、有機電界クエンチングデバイス、発光電気化学セル又は有機レーザーダイオードのうちの1つ以上を含む電子デバイスにおける、請求項1~5のいずれか1項に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体の使用。
【請求項7】
カソードと、アノードと、両者の間に介在する、請求項1~5のいずれか1項に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する有機機能層とを含む、ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項8】
前記有機機能層が、請求項1~5のいずれか1項に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する発光層を含む、ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項9】
前記発光層には、さらにホウ素含有化合物である蛍光ドーパント材料を含有する、ことを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項10】
基板層と、前記基板上にある第1電極と、前記第1電極上にある、請求項1~5のいずれか1項に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する有機発光機能層と、前記有機発光機能層上にある第2電極と、を含む、ことを特徴とする有機光電デバイス。
【請求項11】
前記有機発光機能層にはホウ素含有化合物である蛍光ドーパント材料をさらに含有する、ことを特徴とする請求項10に記載の有機光電デバイス。
【請求項12】
請求項1~5のいずれか1項に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する、ことを特徴とする組成物。
【請求項13】
請求項1~5のいずれか1項に記載の縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する、ことを特徴とする製剤。
【請求項14】
請求項7~9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイスのうちの1つ以上を含んでいる、ことを特徴とするディスプレイ又は照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスの分野に属し、具体的には、縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、次世代のフルカラーディスプレイ及び照明技術である。応答速度が遅く、視野角が小さく、バックライトを必要とし、エネルギー消費が高いなどの液晶ディスプレイの欠点に比べ、OLEDは、自律発光デバイスとして、バックライトを必要とせず、エネルギーを節約し、駆動電圧が低く、応答速度が速く、解像度とコントラストが高く、視野角が広く、低温性能に優れ、OLEDのデバイスは、より薄くすることができ、且つ可撓性構造にすることができる。また、生産コストが低く、生産プロセスが簡単で、大面積生産が可能であるなどの利点も有する。したがって、OLEDが高級電子製品、航空宇宙の分野で広くて大きい応用の見通しを有し、投資の漸進的な増加、研究のさらなる進展、及び生産機器のアップグレードにつれて、OLEDsは、将来的に非常に広い応用シーンと開発展望を有する。
【0003】
OLED開発の中心は、発光材料の設計及び開発である。現在適用されているOLEDデバイスは、ほぼすべての発光層にホスト-ゲスト発光システムメカニズムが使用され、即ち、ホスト材料にゲスト発光材料をドープし、一般的に、エネルギーは、ホスト材料がゲスト発光材料より大きく、エネルギーはホスト材料からゲスト材料に伝達され、ゲスト材料が励起されて発光する。一般的に使用される有機燐光ゲスト材料は、一般に、イリジウム(III)、白金(II)、パラジウム(II)などの重金属原子である。一般的に使用される燐光有機材料mCBP(3,3´-bis(9-carbazolyl)-biphenyl)及び2,6-mCPy(2,6-bis(9-carbazolyl)-pyridine)は、高効率及び高い三重項エネルギー準位を有し、それを有機材料とする場合、三重項エネルギーを発光有機材料からゲスト燐光発光材料に効率的に移動させることができる。しかし、mCBPの正孔による伝送はしやすいが、電子の流動は難しいという特性のため、2,6-mCPy正孔による伝送が良くなく、それにより、発光層の電荷がバランスを取れず、結果、デバイスの電流効率が低下する。そして、現在適用されている重金属燐光有機錯体分子は、シクロメタレート型イリジウム(III)錯体分子であり、その数が限られている。地殻中の金属白金元素の含有量及び世界範囲での年間産量は、両方とも金属イリジウム元素の約10倍であり、イリジウム(III)錯体燐光材料を製造するためのIrCl・HOの値段も白金(II)錯体燐光材料を製造するためのPtClよりはるかに高い。また、イリジウム(III)錯体燐光材料を製造する時、イリジウム(III)二量体の含有、イリジウム(III)中間体リガンドの交換、mer-イリジウム(III)錯体の合成及びmer-からfac-イリジウム(III)錯体への異性体転換の4つのステップの反応に関し、全収率が大きく低下し、原料IrCl・HOの利用率を大幅に低下させ、イリジウム(III)錯体燐光材料の製造コストを向上させる。それに比べ、白金(II)錯体燐光材料の製造には、リガンドの金属化で白金塩の反応を設計する最後のステップしかなく、白金元素の利用率が高く、白金(II)錯体燐光材料の製造コストをさらに低下させることができる。上記をまとめると、白金(II)錯体燐光材料の製造コストは、イリジウム(III)錯体燐光材料よりはるかに低い。しかしながら、現在の白金錯体材料及びデバイスの開発には、依然として、いくつかの技術的難点があり、材料分子から発光される色純度を向上させるために、発光スペクトルの肩ピークの高さをどのように低減するかという問題は、青色及び濃い青色の発光材料に対して特に重要であり、それは、トップエミッションデバイスを商業的に適用する効率及びエネルギー利用率に大きな影響を与えるからである。そのため、新型燐光金属白金(II)錯体の開発が切望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の点に鑑み、本発明の目的は、縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体及びその使用を提供することである。本発明は、カルバゾールの5,6-位にベンゾフラン又はベンゾチオフェン等の5員複素環系を導入することにより、シクロ四座白金(II)錯体によって三重項中局在化状態(LE)が励起される成分比率を向上させることができ、それに低い肩ピークを持たせ、材料分子の発光色の純度を向上させる。提供される錯体を発光層として有機エレクトロルミネッセンスデバイスに製造すると、デバイスに優れた性能を持たせることができる。有機エレクトロルミネッセンスデバイスの電流効率を向上させ、デバイスの耐用年数を改善することができ、コンポーネントの操作電圧を低下させることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的目的を実現するための、本発明の技術的解決手段は、下記のとおりである。
【0006】
本発明は、式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を提供する。
(式(I)中、Xは、O又はSから選択され、R~Rは、それぞれ独立して、モノ置換から最大量置換まで、又は無置換を表し、R~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、CN、C1~C30のアルキル基、C1~C30のハロアルキル基、C1~C30の重水素アルキル基、C6~C60アリール基、C6~C60アリールシラン及びその組合せからなる群から選択される。)
【0007】
さらに、R~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、CD、F、CF、CN、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-アミル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、フェニル基、ビフェニル、トリフェニルシラン及びその組合せからなる群から選択される。
【0008】
さらに、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、F、CN、メチル基、tert-ブチル基、フェニル基及びその組合せからなる群から選択される。
【0009】
好ましくは、前記縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体は、下記の化学構造から選択されるいずれか1つであり、ここで、「D」は、重水素を示す。
【0010】
さらに、本発明は、上記のように式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体の電子デバイスにおける使用をさらに提供する。
【0011】
さらに、前記電子デバイスには、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光検出器、有機光受容器、有機電界クエンチングデバイス(O-FQD)、発光電気化学セル(LEC)及び有機レーザーダイオード(O-laser)が含まれる。
【0012】
別の態様では、本発明は、さらに、上記のように式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。
【0013】
さらに、前記有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、カソードと、アノードと、両者の間に介在する、上記のように式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する有機機能層とを含む。
【0014】
好ましくは、前記有機機能層は、上記のように式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する発光層を含む。
【0015】
さらに、前記発光層には、さらに蛍光ドーパント材料を含有し、前記蛍光ドーパント材料は、ホウ素含有有機分子発光材料であることが好ましい。
【0016】
別の態様では、本発明は、さらに、基板層と、前記基板上にある第1電極と、前記第1電極上にある、上記のように式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する有機発光機能層と、前記有機発光機能層上にある第2電極とを含む有機光電デバイスを提供する。例えば、白金(II)錯体は、発光材料として有機発光機能層に含まれてもよい。
【0017】
さらに、前記有機発光機能層は、いずれか1つ以上の蛍光ドーパント材料をさらに含み、前記蛍光ドーパント材料は、ホウ素含有有機分子発光材料であることが好ましく、燐光増感可能ホウ素含有化合物であることが好ましい。
【0018】
本発明において、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法等の方法を利用して金属又は導電性を有する酸化物及びそれらの合金を基板上に蒸着して、アノードを形成し、製造したアノード表面に、正孔注入層、正孔伝送層、発光層、空気バリア層及び電子伝送層を順番に蒸着し、その後、カソードを蒸着する方法により、有機光電デバイスを製造する。以上の方法以外に、カソード、有機物層、アノードを基板上に順番に蒸着して、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造する。前記有機物層は、正孔注入層、正孔伝送層、発光層、正孔バリア層及び電子伝送層等の多層構造を含んでもよい。本発明では、高分子材料を用いて、蒸着方法の代わりに溶剤工学(スピンコーティング(spin-coating)、テープキャスティング(tape-casting)、ドクターブレード法(doctor-blading)、スクリーン印刷法(Screen-Printing)、インクジェット印刷又はサーマルイメージング(Thermal-Imaging)等)にしたがって有機物層を製造し、デバイスの層数を減らすことができる。
【0019】
本発明は、さらに、上記のように式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体を含有する組成物を提供する。好ましくは、前記組成物は、蛍光ドーパント材料をさらに含有し、前記蛍光ドーパント材料は、ホウ素含有有機分子発光材料であることが好ましく、燐光増感可能ホウ素含有化合物であることが好ましい。
【0020】
本発明は、さらに、上記のように式(I)で表される構造を有する縮合環カルバゾール四座金属白金(II)錯体又は上記のような組成物、及び少なくとも1つの溶剤を含有する製剤を提供する。
【0021】
前記溶剤は、特に限定されるものではなく、当業者によく知られている、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n-ブチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素溶剤、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶剤、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶剤、安息香酸アルキル等のエステル系溶剤を使用することができる。
【0022】
本発明は、さらに、上記のような有機光電デバイスの1つ以上を含むディスプレイ又は照明装置を提供する。
【発明の効果】
【0023】
従来技術と比べ、本発明の有益な効果は次のとおりである。
本発明は、カルバゾールの5,6-位にベンゾフラン又はベンゾチオフェン等の5員複素環系を導入することにより、四座金属白金(II)錯体燐光材料を得る。シクロ四座白金(II)錯体によって三重項中局在化状態(LE)が励起される成分比率を向上させ、それに低い肩ピークを持たせ、材料分子の発光色の純度を向上させる。さらに、デバイスの耐用年数を向上させる。本発明にて提供される材料は、いずれも非常に良い化学的安定性及び熱安定性を有し、蒸着型OLEDデバイスの製造が容易になる。本発明の化合物を発光層として製造した有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、電流効率及び耐用年数が両方とも明らかに向上し、且つ発光電圧を著しく低下させる。蛍光ドーパント材料(ホウ素含有化合物)と組み合わせた後、正孔と電子との伝送のバランスが取れ、ホストとゲストとの間のエネルギー伝達がより効率的になり、且つデバイスの光色の純度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】R1及びPtO2のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図2】R1及びPtO6のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図3】R1及びPtS1のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図4】R1及びPtS2のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図5】R1及びPtS6のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図6】R1及びPtO37のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図7】R1及びPtO38のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図8】R1及びPtO107のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図9】R1及びPtO33のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図10】R1及びPtO34のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図11】R1及びPtO5のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図12】R1及びPtS5のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
図13】R1及びPtO109のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載の構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態又は具体例に基づくものである場合もあるが、本発明は、この実施形態又は具体例に限定されるものではない。
【0026】
本発明に使用される「置換される」という用語は、有機化合物のすべての許容可能な置換基を含有すると予期する。広義には、許容可能な置換基には、有機化合物の非環状及び環状、分岐及び非分岐、炭素環及び複素環、並びに芳香族及び非芳香族の置換基が含まれる。説明的な置換基には、例えば、以下に説明されるものが含まれる。適切な有機化合物にとって、許容可能な置換基は1つであっても、複数であっても、同じであっても、異なってもよい。本発明の目的にとって、本発明は、いかなる方式により有機化合物の許容可能な置換基で限定することを意図しない。同様に、「置換」又は「置換された」という用語には、このような置換が置換された原子及び当該置換基の許容可能な価結合に合致するということ、及び、当該置換によって安定な化合物(例えば、自発的に形質転換しない(例えば、再配列、環化、消去等により)化合物)が生じるという暗黙的な条件が含まれる。一部の態様では、反対ことが明確に指摘されていない限り、単独の置換基は、さらに任意選択で置換されたもの(すなわち、さらに、置換されたもの又は置換されていないもの)であると予期することもできる。
【0027】
様々な用語を定義する際に、本発明において、「R」~「R」は、様々な具体的な置換基を表すための一般的な符号として使用される。これらの符号は、本発明に開示されたものに限定されず、任意の置換基であってもよく、ある状況で一部の置換基に限定される場合、他の状況では、いくつの他の置換基に限定されることができる。本発明に使用される「R」、「R」…「R」(ここでnは整数)は、独立に、上に列挙した基の1つ以上を有することができる。例えば、Rが直鎖アルキル基であると、アルキル基の1つの水素原子が、任意選択でヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン等によって置換されている。第1基が第2基内に組み込まれるか、又は選択可能に、第1基が吊り下げる、即ち第2基に連結されることは、選択された基によって決定される。
【0028】
本発明に使用される「アルキル基」という用語は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、半基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基、テトラコシル基等の、分岐又は非分岐の1~60個の炭素原子の飽和炭化水素基である。当該アルキル基は、環状であっても、非環状であってもよい。当該アルキル基は、分岐のものであっても、非分岐のものであってもよい。当該アルキル基は、置換されたものであっても、置換されていないものであってもよい。例えば、当該アルキル基は、本発明に記載の任意選択で置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、シリル基、スルホ-オキソ(Sulfo-oxo)又はスルフヒドリル基を含むがこれらに限定されない1つ以上の基に置き換えされてもよい。
【0029】
本発明に使用される「アリール基」という用語は、5~60個の炭素原子の、いずれの炭素に基づく芳香族基を含有する基であり、前記炭素に基づく芳香族基には、フェニル基、ナフチル基、フェニル基、ビフェニル、フェノキシフェニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等が含まれるが、これらに限定されない。「アリール基」という用語には、芳香族基を含有する基として定義される「ヘテロアリール基」も含まれ、前記芳香族基は、芳香族基の環内に導入されたヘテロ原子を少なくとも1つ有する。ヘテロ原子の実例には、窒素、酸素、硫黄、及びリンが含まれるが、これらに限定されない。同様に、「非ヘテロアリール基」という用語(これは、「アリール基」という用語にも含まれる)は、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含有する基を定義する。アリール基は、置換されたものであっても、置換されていないものであってもよい。アリール基は、本発明に記載のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボニル基、アジド基、ニトロ基、シリル基、スルホ-オキソ(sulfo-oxo)又はスルフヒドリル基を含むが、これらに限定されない1つ以上の基に置き換えされてもよい。
【0030】
本明細書に開示された化合物は、所望の性質を示すことができ、且つ適切なリガンドの選択によって調節できる放出及び/又は吸収スペクトルを有する。別の態様では、本発明は、本明細書に具体的に記述されたいずれか1つ以上の化合物、構造又はその部分を排除してもよい。
【0031】
本発明の化合物は、本明細書にて提供される実施例に記載のものを含むが、これらに限定されない複数の方法を使用して製造することができる。
【0032】
なお、上記の一般的な説明及び以下の詳細説明は、いずれも例示的及び解釈的なものであり、限定的なものではない。以下の具体的な実施形態及びそれに含まれる実施例を参照することによって、本願をより容易に理解することができる。
【0033】
本発明の化合物、デバイス及び/又は方法を開示、説明する前に、それらは、当然ながら変化し得るので、具体的な合成方法(そうでなければ、別途に示す)又は具体的な試薬(そうでなければ、別途に示す)に限定されていないことを理解されたい。本発明に使用される用語は、限定することを意図せず、具体的な態様を説明する目的のためしか使用されないことも理解されたい。本発明に説明されているものと類似又は等価のいずれの方法及び材料は、いずれも当該実践又は試験に使用でき、以下に、例示的な方法及び材料について説明する。合成実施例の全ての原料及び溶剤は、特殊の説明がない限り、いずれも市販品を購入し、溶剤は、さらに処理せず、いずれも直接使用する。
【0034】
本発明の前記基板としては、典型的な有機光電デバイスに使用されるいずれの基板を選択できる。ガラス又は透明プラスチック基板であってもよいし、シリコン又はステンレス等の不透明材料の基板であってもよいし、可撓性PI膜であってもよい。異なる基板は、異なる機械的強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、防水性を有し、基板は、異なる性質に応じて、使用方向も異なる。正孔注入層、正孔伝送層、電子注入層の材料として、OLED装置に使用される既知の関連材料から任意の材料を選択して使用することができ、本発明では、具体的に限定しない。
(合成実施例)
【0035】
以下、化合物合成、成分、デバイス又は方法に関する例は、当該産業分野に提供される一般的な方法にすぎず、当該特許の保護範囲を限定するためのものではない。特許中に言及されたデータ(数、温度等)は、できるだけその正確性を保証するが、多少の誤差も存在する可能性がある。特に指摘しない限り、すべての秤量は別々に行われ、温度は℃であるか、又は常温であり、圧力は常圧に近い。
【0036】
以下の例で新規化合物の製造方法を提供するが、このタイプの化合物の製造は、この方法に限定されない。当専門技術分野において、本発明で保護される化合物は、修飾して製造しやすいため、その製造には、以下に列挙した方法又は他の方法を採用することができる。以下の例は、あくまでも実施例であるだけで、当該特許の保護範囲を限定するものではない。温度、触媒、濃度、反応物及び反応過程は、いずれも変更することができ、異なる反応物に、異なる条件を選択して前記化合物を製造するために用いられる。
【0037】
H NMR(500MHz)、H NMR(400MHz)、13C NMR(126MHz)スペクトルをANANCE3(500M)型核磁気気共鳴分光計上で測定し、特別な説明がない限り、核磁気では、いずれもDMSO-d又は0.1%のTMSを含有するCDClを用いて溶剤とし、ここで、H NMRスペクトルがCDClを溶剤とする場合、TMS(δ=0.00ppm)を内部標準とし、DMSO-dを溶剤とする場合、TMS(δ=0.00ppm)又は残留DMSOピーク(δ=2.50ppm)又は残留水ピーク(δ=3.33ppm)を内部標準とする。13C NMRスペクトルにおいて、CDCl(δ=77.00ppm)又はDMSO-d(δ=39.52ppm)を内部標準とする。HPLC-MSをAgilent 6210 TOF LC/MS型質量分析計上で測定し、HRMSスペクトルをAgilent 6210 TOF LC/MS型液体クロマトグラフィー-飛行時間質量分析計上で測定した。H NMRスペクトルデータにおいて、s=singlet、d=doublet、t=triplet、q=quartet、p=quintet、m=multiplet、br=broadであった。
(合成経路)
【0038】
中間体dPh-tBuNHの合成経路は、以下のとおりである。
中間体dBr-tBuNHの合成:反応用フラスコに4-tert-ブチルアニリン(15.0g、100mmoL、1.0当量)、ジクロロメタン(150mL)を加えて溶解し、N-ブロモスクシンイミド(37.7g、210mmoL、2.1当量)を加えて、室温で48時間反応させてから、反応を停止した。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして赤色液体を25.6g得、収率は84%であった。直接その後の反応に使用した。
【0039】
中間体dBr-tBuNOの合成:反応用フラスコにdBr-tBuNH(5g、16.3mmoL、1.0当量)を加えてN-メチルピロリドン(50mL)で溶解し、水素化ナトリウム(1.96g、49mmoL、3.0当量)を加え、o-フルオロニトロベンゼン(3.45g、24.5mmoL、1.5当量)を加え、室温で48時間反応させてから、反応を停止した。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして黄色の固体を5.08g得、収率は73%であった。直接その後の反応に使用した。
【0040】
中間体dBr-tBu2NHの合成:反応用フラスコにdBr-tBuNO(4.8g、11.2mmoL、1.0当量)、塩化第一スズ(10.1g、44.8mmoL、4.0当量)を加え、酢酸エチル(50mL)及びエタノール(50mL)を加えた。78℃の油浴槽中で24時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を3.43g得、収率は82%であった。直接その後の反応に使用した。
【0041】
中間体dPh-tBuNHの合成:反応用フラスコにdBr-tBu2NH(3.2g、8mmoL、1.0当量)、フェニルホウ酸(2.93g、24mmoL、3.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(185mg、0.16mmoL、0.02当量)、炭酸カリウム(2.8g、20mmoL、2.5当量)、ジオキサン(40mL)及び水(15mL)を加えた。90℃で24時間反応させた後、反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を2.66g得、収率は84%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.35 (s, 9H), 4.44 (s, 2H), 5.57 (s, 1H), 6.05 (dd, J=8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.12 (td, J=7.5, 1.5Hz, 1H), 6.25 (td, J=7.5, 1.5 Hz, 1H), 6.31 (dd, J=7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.16―7.20(m, 2H), 7.23 ―7.26 (m, 4H), 7.28 (s, 2H), 7.41 ―7.43 (m, 4H)。
【0042】
中間体dPh-5tBuNHの合成経路は下記のとおりである。
中間体dPh-5tBuNHの合成:反応用フラスコにdBr-tBu2NH(1.0g、2.5mmoL、1.0当量)、2-(3,5-ジ-TERT-ブチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(2.37g、7.5mmoL、3.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(87mg、0.075mmoL、3moL%)、炭酸カリウム(691mg、5mmoL、2.0当量)、ジオキサン(40mL)及び水(10mL)を加えた。90℃で24時間反応させた後、反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を1.54g得、収率は92%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.17 (s, 36H), 1.37 (s, 9H), 4.35 (s, 2H), 5.50 (s, 1H), 6.03 (dd, J=8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.14 (td, J=7.5, 1.5 Hz, 1H), 6.26 (td, J=7.0, 1.0 Hz, 1H), 6.34 (dd, J=7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.19 (t, J=1.5 Hz, 2H), 7.22 (d, J=2.0 Hz, 4H), 7.29 (s, 2H)。
【0043】
中間体dPh-NHの合成経路は下記のとおりである。
中間体dBr-NOの合成:反応用フラスコにdBr-NH(20g、80mmoL、1.0当量)、N-メチルピロリドン(150mL)を加えて溶解させ、水素化ナトリウム(9.6g、240mmoL、3.0当量)、o-フルオロニトロベンゼン(16.9g、120mmoL、1.5当量)を加え、室温で24時間反応させて反応を停止した。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして黄色の固体を21.6g得、収率は73%であった。直接その後の反応に使用した。
【0044】
中間体dBr-2NHの合成:反応用フラスコにdBr-NO(21.6g、58mmoL、1.0当量)、塩化第一スズ(52.4g、232mmoL、4.0当量)を加え、酢酸エチル(150mL)及びエタノール(150mL)を加えた。78℃で24時間反応させて、反応を停止した。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を18.2g得、収率は91%であった。直接その後の反応に使用した。
【0045】
中間体dPh-NHの合成:反応用フラスコにdBr-2NH(12g、35mmoL、1.0当量)、フェニルホウ酸(12.7g、105mmoL、3.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(809mg、0.75mmoL、0.02当量)、炭酸ナトリウム(12.1g、87.5mmoL、2.5当量)、ジオキサン(120mL)及び水(30mL)を加えた。90℃で24時間反応させ、反応を停止した。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を10.1g得、収率は86%であった。直接その後の反応に使用した。
【0046】
中間体dPh-4tBuNHの合成経路は下記のとおりである。
中間体dPh-4tBuNHの合成:反応用フラスコにdBr-2NH(9.92g、29mmoL、1.0当量)、2-(3,5-ジ-TERT-ブチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(27.5g、86.9mmoL、3.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0g、0.87mmoL、3moL%)、炭酸カリウム(10.0g、72.5mmoL、2.5当量)、ジオキサン(40mL)及び水(10mL)を加えた。90℃で24時間反応させた後、反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を14.8g得、収率は91%であった。直接その後の反応に使用した。
【0047】
(実施例1)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO6の合成経路は、下記のとおりである。
中間体4O-NOの合成:反応用フラスコにA-4O-B(OH)(5.8g、25.4mmoL、1.2当量)、B(4.5g、21.2mmoL、1.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(734g、0.64mmoL、3moL%)、炭酸カリウム(5.86g、85.2mmoL、2.0当量)、ジオキサン(40mL)及び水(10mL)を加えた。90℃で24時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして黄色の固体を4.5g得、収率は68%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 3.95 (s, 3H), 7.42 (td, J=7.5, 1.0 Hz, 1H), 7.47 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.49 ― 7.54 (m, 3H), 7.59 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J=8.65Hz, 1H), 7.71 (d, J=3.0 Hz, 1H), 8.18 (dd, J=6.5, 2.0 Hz, 2H)。
【0048】
中間体4O-NHの合成:反応用フラスコに4O-NO(4.5g、14.1mmoL、1.0当量)及びトリフェニルホスフィン(11.1g、42.3mmoL、3.0当量)を加え、O-ジクロロベンゼン(60mL)を加えた。110℃で24時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を2.61g得、収率は65%であった。直接その後の反応に使用した。
【0049】
中間体4O-OMeの合成:反応用フラスコに4O-NH(2.4g、8mmoL、1.0当量)、4-(tert-ブチル)-2-クロロピリジン(1.63g、9.6mmoL、1.2当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(220mg、0.24mmoL、3moL%)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(143mg、0.48mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(1.54g、16mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(50mL)を加えた。110℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を1.75g得、収率は74%であった。直接その後の反応に使用した。
【0050】
中間体4O-OHの合成:反応用フラスコに4O-OMe(1.05g、2.5mmoL、1.0当量)、ピリジン塩酸塩(4.5g、25mmoL、10.0当量)を加え、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(60mL)を加えた。180℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を862g得、収率は85%であった。直接その後の反応に使用した。
【0051】
中間体tBu-4O-Clの合成:反応用フラスコに4O-OH(500mg、1.23mmoL、1.0当量)、3-クロロ-5-ブロモ-tert-ブチルベンゼン(455mg、1.84mmoL、1.5当量)、2-ピコリン酸(30mg、0.25mmoL、20mmoL%)、ヨウ化銅(23mg、0.125mmoL、10mmoL%)及びリン酸カリウム(522mg、2.46mmoL、2.0当量)を加え、ジメチルスルホキシド(10mL)を加えた。110℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を540mg得、収率は70%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.24 (s, 9H) ,1.31 (s, 9H), 6.96 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.13 (t, J=1.5 Hz, 1H), 7.21 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.24 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.32 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.44 ― 7.47 (m, 1 H) , 7.51 ― 7.54 (m, 2H), 7.71 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.87 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.16 ― 8.19 (m, 2H), 8.44 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.62 (d, J=5.5 Hz, 1H)。
【0052】
中間体LNH-PtO6の合成:反応用フラスコにdPh-tBuNH(409mg、1.04mmoL、1.2当量)を加え、tBu-4O-Cl(500mg、0.87mmoL、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(24mg、0.03mmoL、3moL%)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(16mg、0.06mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(167mg、1.74mmoL、2.0当量)を加えた。トルエン(5mL)を加えた。85℃で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を460mg得、収率は57%であった。直接その後の反応に使用した。
【0053】
リガンドL-PtO6の合成:反応用フラスコにLNH-PtO6(370mg、0.4mmoL、1.0当量)を加えてから、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(130mg、0.8mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。80℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を287mg得、収率は66%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.30 (s, 9H), 1.31 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 6.88 (t, J=2.5 Hz, 1H), 6.97 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.11 ― 7.17 (m, 10H), 7.33 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.45 ― 7.59 (m, 8H), 7.70 ― 7.72 (m, 3H), 7.78 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.80 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.87 (d, J=7.5 Hz, 1H), 8.19 ― 8.22 (m, 2H), 8.52 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J=5.0 Hz, 1H), 10.26 (s, 1H)。
【0054】
PtO6の合成:反応用フラスコにL-PtO6(220mg、0.2mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(73mg、0.21mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(50mg、0.57mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を178mg得、収率は78%であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ1.23 (s, 9H), 1.43 (s, 18H), 6.64 (dd, J=6.4, 1.6 Hz, 2H), 6.95 ー7.05 (m, 5H), 7.16 (t, J=8.0 Hz, 2H), 7.28 ー7.37 (m, 5H), 7.46 ―7.60 (m, 6H), 7.77 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.91 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J=8.0 Hz, 2H), 8.13 (t, J=7.2 Hz, 2H), 8.27 (d, J=7.2 Hz, 1H), 8.35 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.95 (d, J=6.4 Hz, 1H)。
【0055】
(実施例2)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO2の合成経路は、下記のとおりである。
中間体LNH-PtO2の合成:反応用フラスコにdPh-NH(200mg、0.6mmoL、1.0当量)を加えてから、tBu-4O-Cl(361mg、0.63mmoL、1.05当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(16mg、0.02mmoL、3moL%)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(10mg、0.04mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(115mg、1.2mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。85℃で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を419mg得、収率は85%であった。直接その後の反応に使用した。
【0056】
リガンドL-PtO2の合成:反応用フラスコにLNH-PtO2(500mg、0.57mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(185mg、1.14mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。80℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を500mg得、収率は80%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.29 (s, 9H) ,1.31 (s, 9H), 6.92 (t, J=2.0 Hz, 1H), 6.95 (t, J=1.5 Hz, 1H), 6.95 (t, J=1.5 Hz, 1H), 7.11 ― 7.15 (m, 10H), 7.33 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.45 ー 7.51 (m, 4H), 7.52 ― 7.59 (m, 4H), 7.69 ― 7.70 (m, 1H), 7.75 ― 7.81 (m, 4H), 7.87 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.94 (t, J=8.0 Hz, 1H), 8.19 ― 8.22 (m, 2H), 8.52 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.64 (d, J=5.0 Hz, 1H), 10.33 (s, 1H)。
【0057】
Pt PtO2の合成:反応用フラスコにL-PtO2(450mg、0.44mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(160mg、0.46mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(108mg、1.32mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加え、30min窒素バブリングして酸素を除去した。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を368mg得、収率は78%であった。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 1.31 (s, 9H) ,1.47 (s, 9H), 6.24 (dd, J=6.5, 2.0 Hz, 2H), 6.75 ― 7.34 (m, 5H), 6.89 (d, J=7.5 Hz, 2H), 7.06 (t, J=8.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J=1.5 Hz, 2H), 7.41―7.54(m, 8H), 7.77 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.98 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.04―8.07(m, 2H), 8.10 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.18 (d, J=2.5 Hz, 1H), 8.21 (d, J=8.5 Hz, 1H), 9.02 (d, J=6.0 Hz, 1H)。
【0058】
(実施例3)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO5の合成経路は、下記のとおりである。
中間体LNH-PtO5の合成:反応用フラスコにdPh-tBuNH(502mg、1.28mmol、1.1当量)、4O-Cl(600mg、1.16mmol、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(32mg、0.035mmol、3mol%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(29mg、0.070mmol、6mol%)及びナトリウムtert-ブトキシド(223mg、2.32mmol、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃の油浴槽中で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして浅い緑色の固体を1.04g得、収率は96%であった。直接その後の反応に使用した。
【0059】
リガンドL-PtO5の合成:反応用フラスコにLNH-PtO5(1.04g、1.2mmol、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(391mg、2.4mmol、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を961mg得、収率は78%であった。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 1.42 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 6.66 (t, J=2.0 Hz, 1H), 6.95 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.05 ― 7.08(m, 2H), 7.10 ― 7.16 (m, 8H), 7.22 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.27 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.37 ― 7.44 (m, 3H), 7.46 ― 7.49 (m, 2H), 7.52 ― 7.55 (m, 2H), 7.59 (s, 2H), 7.64 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.68 ― 7.72 (m, 2H), 7.77 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.00 (t, J=7.5 Hz, 2H), 8.59 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.64 (d, J=5.5 Hz, 1H), 9.09 (s, 1H)。
【0060】
PtO5の合成:反応用フラスコにL-PtO5(890mg、0.86mmol、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(337mg、0.90mmol、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(212mg、2.58mmol、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を283mg得、収率は31%であった。H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 1.22 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 6.33 ― 7.09 (m, 11H), 7.23 ― 7.24 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.42 ― 7.53 (m, 7H), 7.79 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.00 ― 8.07 (m, 4H), 8.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 9.12 (d, J=6.5 Hz, 1H)。
【0061】
(実施例4)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO27の合成経路は、下記のとおりである。
実施例5における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照してPtO27を合成した。合成した目的生成物LNH-PtO27は、浅い緑色の泡状固体1.24gであり、収率が85%であった。目的生成物L-PtO27は、浅い緑色の泡状固体881mgであり、収率が78%であった。分子量[M]:1100.5であった。目的生成物PtO27は、黄色の固体425mgであり、収率が56%であった。分子量[M+H]:1294.5であった。
【0062】
(実施例5)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO33の合成経路は、下記のとおりである。
【0063】
中間体4O-Clの合成:反応用フラスコに4O-OH(200mg、0.49mmoL、1.0当量)、m-クロロブロモベンゼン(140mg、0.73mmoL、1.5当量)、2-ピコリン酸(12mg、0.098mmoL、20mmoL%)、ヨウ化銅(9mg、0.049mmoL、10mmoL%)及びリン酸カリウム(208mg、0.98mmoL、2.0当量)を加え、ジメチルスルホキシド(5mL)を加えた。100℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を164mg得、収率は65%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9H), 7.09―7.12(m, 1H) , 7.20 ―7.26 (m, 3H), 7.33 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.40―7.48 (m, 2H), 7.51―7.55(m, 2H), 7.74 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.80 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.18―8.20 (m, 2H), 8.45 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.64 (d, J=5.45Hz, 1H)。
【0064】
中間体LNH-PtO33の合成:反応用フラスコにdPh-4tBuNH(477mg、0.85mmoL、1.1当量)、4O-Cl(400mg、0.77mmoL、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(21mg、0.02mmoL、3moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(19mg、0.04mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(149mg、1.4mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を660mg得、収率は82%であった。直接その後の反応に使用した。
【0065】
リガンドL-PtO33の合成:反応用フラスコにLNH-PtO33(660mg、0.63mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(206mg、1.27mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を542mg得、収率は71%であった。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 0.92 (s, 36H), 1.34 (s, 9H), 6.55 (t, J=2.5 Hz, 1H), 6.68 (ddd, J=8.5, 2.5, 1.0 Hz, 1H), 6.91 (d, J=1.5 Hz, 4H), 7.14 (t, J=2.0 Hz, 2H), 7.32 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.46 ― 7.59 (m, 8H), 7.69 ― 7.73 (m, 2H), 7.75 (d, J=1.0 Hz, 1H), 7.79 ― 7.89 (m, 4H), 7.94 ― 7.97 (m, 1H), 8.19 ― 8.24 (m, 2H), 8.49 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.65 (dd, J=5.0, 0.5 Hz, 1H), 10.01 (s, 1H)。
【0066】
PtO33の合成:反応用フラスコにL-PtO33(500mg、0.42mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(156mg、0.42mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(103mg、1.25mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を108mg得、収率は34%であった。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 0.26 ー 1.19 (br, 36H), 1.32 (s, 9H), 6.53 ― 7.37 (m, 14H), 7.47 ― 7.61 (m, 5H), 7.90 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.15 ― 8.20 (m, 2H), 8.21 ― 8.30 (m, 3H), 9.04 (d, J=6.5 Hz, 1H)。
【0067】
(実施例6)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO34の合成経路は、下記のとおりである。
中間体LNH-PtO34の合成:反応用フラスコにdPh-4tBuNH(430mg、0.77mmol、1.1当量)、tBu-4O-Cl(400mg、0.70mmol、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(19mg、0.02mmol、3mol%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(17mg、0.04mmol、6mol%)及びナトリウムtert-ブトキシド(134mg、1.40mmol、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を591mg得、収率は78%であった。直接その後の反応に使用した。
【0068】
リガンドL-PtO34の合成:反応用フラスコにLNH-PtO34(591mg、0.54mmol、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(175mg、1.07mmol、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を415mg得、収率は61%であった。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 0.87 (s, 36H), 1.29 (s, 9H), 1.35 (s, 9H), 6.40 (t, J=2.0 Hz, 1H), 6.69 (t, J=2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J=2.0 Hz, 4H), 7.07 (t, J=1.5 Hz, 2H), 7.34 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.44 ― 7.59 (m, 8H), 7.68 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.74 (d, J=1.0 Hz, 1H), 7.77 ― 7.82 (m, 2H), 7.83 (s, 1H), 7.86 ― 7.89 (m, 1H), 7.93 ー 7.96 (m, 1H), 8.19 ― 8.24 (m, 2H), 8.49 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J=5.5 Hz, 1H), 10.07 (s, 1H)。
【0069】
PtO34の合成:反応用フラスコにL-PtO34(350mg、0.28mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(104mg、0.29mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(69mg、0.84mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を152mg得、収率は41%であった。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 0.75 (s, 36H), 1.32 (s, 9H), 1.40 (s, 9H), 6.64 (dd, J=6.0, 2.0 Hz, 1H), 6.80 ― 7.12 (m, 9H), 7.28 ― 7.33 (m, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.50 (t, J=7.5 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.5 Hz, 3H), 7.90 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.05 (d, J=8.0 Hz, 2H), 8.17 (s, 1H), 8.21 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.25 ― 8.28 (m, 2H), 9.00 (d, J=6.0 Hz, 1H)。
【0070】
(実施例7)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO37の合成経路は、下記のとおりである。
中間体LNH-PtO37の合成:反応用フラスコにdPh-5tBuNH(666mg、1.08mmoL、1.1当量)、4O-Cl(500mg、0.98mmoL、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(28mg、0.03mmoL、3moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(25mg、0.06mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(188mg、1.96mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を896mg得、収率は83%であった。直接その後の反応に使用した。
【0071】
リガンドL-PtO37の合成:反応用フラスコにLNH-PtO37(896mg、0.82mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(267mg、1.64mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を770mg得、収率は75%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 0.92 (s, 36H), 1.34 (s, 9H), 1.47 (s, 9H), 6.54 (s, 1H), 6.67 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.91 (s, 4H), 7.14 (s, 2H), 7.32 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.45 ― 7.57 (m, 8H), 7.68 ― 7.72 (m, 2H), 7.75 (s, 1H), 7.81 (d, J=7.5 Hz, 3H), 7.87 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.21 (t, J=8.5 Hz, 2H), 8.49 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J=5.5 Hz, 1H), 9.93 (s, 1H)。
【0072】
PtO37の合成:反応用フラスコにL-PtO37(700mg、0.56mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(221mg、0.59mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(138mg、1.68mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(5mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を124mg得、収率は17%であった。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 0.05 ― 1.18 (m, 36H), 1.20 (s, 9H), 1.40 (s, 9H), 6.45 (dd, J=6.5, 2.0Hz, 1H), 6.86 (d, J=8.0 Hz, 3H), 6.95 ― 7.05 (m, 4H), 7.20 (t, J=8.0 Hz, 3H), 7.37 ― 7.59 (m, 7H), 7.79 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 2H), 7.92 ― 8.00 (m, 3H), 8.05 (d, J=7.5 Hz, 1H), 8.25 (d, J=8.5 Hz, 1H), 9.25 (d, J=6.5 Hz, 1H)。
【0073】
(実施例8)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO38の合成経路は、下記のとおりである。
中間体LNH-PtO38の合成:反応用フラスコにdPh-5tBuNH(592mg、0.96mmoL、1.1当量)、tBu-4O-Cl(500mg、0.87mmoL、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(24mg、0.03mmoL、3moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(26mg、0.06mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(167mg、1.74mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を887mg得、収率は88%であった。直接その後の反応に使用した。
【0074】
リガンドL-PtO38の合成:反応用フラスコにLNH-PtO38(887mg、0.77mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(251mg、1.54mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を700mg得、収率は70%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 0.87 (s, 36H) ,1.28 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 6.38 (t, J=2.5 Hz, 1H), 6.70 (t, J=2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J=2.0 Hz, 4H), 7.06 (t, J=1.5 Hz, 2H), 7.34 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.42 ー 7.50 (m, 3H), 7.52 ― 7.58(m, 5H), 7.67 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.74 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.78 ― 7.80 (m, 3H), 7.86 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.21 (t, J=9.0 Hz, 2H), 8.49 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.65 (d, J=5.5 Hz, 1H), 10.00 (s, 1H)。
【0075】
PtO38の合成:反応用フラスコにL-PtO38(622mg、0.48mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(189mg、0.54mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(118mg、1.44mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(5mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を400mg得、収率は61%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.23 (s, 45H), 1.40 (s, 18H), 6.68 (d, J=8.0 Hz, 2H), 6.83 ― 6.97 (m, 4H), 7.08 (t, J=7.5 Hz, 3H), 7.24 ― 7.35 (m, 3H), 7.43 ― 7.60 (m, 5H), 7.87(d, J=8.5 Hz, 1H), 7.91(d, J=8.0 Hz, 1H),8.01 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.07 (dd, J=11.5, 8.0 Hz, 2H), 8.24 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.28 (d, J=8.5 Hz, 1H), 9.09 (d, J=6.5 Hz, 1H)。
【0076】
(実施例9)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO93の合成経路は、下記のとおりである。
実施例12における化合物PtS6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtS93を合成した。合成した目的生成物LNH-PtO93は、浅い緑色の泡状固体1.19gであり、収率が77%であった。合成した目的生成物L-PtO93は、浅い緑色の泡状固体891mgであり、収率が78%であった。分子量[M]:881.2であった。目的生成物PtO93は、黄色の固体325mgであり、収率が36%であった。分子量[M+H]:1072.2であった。
【0077】
(実施例10)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO107の合成経路は、下記のとおりである。

中間体dtBu-Me-4O-OMeの合成:反応用フラスコに4O-NH(1.0g、3.5mmoL、1.0当量)、dtBu-Me-Cl(1.34g、4.2mmoL、1.2当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(128mg、0.14mmoL、4moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(115mg、0.28mmoL、8moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(673mg、7mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を1.92g得、収率は95%であった。直接その後の反応に使用した。
【0078】
中間体dtBu-Me-4O-OHの合成:反応用フラスコにdtBu-Me-4O-OMe(1.84g、3.2mmoL、1.0当量)、臭化水素(2.59g、32mmoL、10.0当量)を加えた。120℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を1.58g得、収率は89%であった。直接その後の反応に使用した。
【0079】
中間体dtBu-Me-4O-Clの合成:反応用フラスコにdtBu-Me-4O-OH(600mg、1.09mmoL、1.0当量)、m-クロロブロモベンゼン(314mg、1.64mmoL、1.5当量)、2-ピコリン酸(134mg、1.10mmoL、100mmoL%)、ヨウ化銅(105mg、0.55mmoL、10mmoL%)及びリン酸カリウム(463mg、2.18mmoL、2.0当量)を加え、ジメチルスルホキシド(10mL)を加えた。110℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を566mg得、収率は78%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.36 (s, 18H), 2.44 (s, 3H), 7.04 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.13 (t, J=2.5 Hz, 1H), 7.18 ― 7.23 (m, 2H), 7.35 (d, J=2.0 Hz, 2H), 7.41 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.45 ー 7.49 (m, 2H), 7.51 ― 7.55 (m, 1H), 7.63 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.88(t, J=9.0 Hz, 1H), 8.21 (d, J=11.0 Hz, 2H), 8.46 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.57 (s, 1H)。
【0080】
中間体LNH-PtO107の合成:反応用フラスコにdPh-tBuNH(341mg、0.87mmoL、1.1当量)、dtBu-Me-4O -Cl(524mg、0.79mmoL、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(22mg、0.024mmoL、3moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(20mg、0.048mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(152mg、1.58mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を687mg得、収率は85%であった。直接その後の反応に使用した。
【0081】
リガンドL-PtO107の合成:反応用フラスコにLNH-PtO107(687mg、0.67mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(218mg、1.34mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を755mg得、収率は96%であった。直接その後の反応に使用した。
【0082】
PtO107の合成:反応用フラスコにL-PtO107(675mg、0.57mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(224mg、0.60mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(140mg、1.71mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(5mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を183mg得、収率は26%であった。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 1.17 (s, 18H), 1.55 (s, 9H), 2.05 (s, 3H), 6.05 (t, J=8.5 Hz, 2H), 6.43 (tt, J=8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.50 (s, 2H), 6.73 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.78 (d, J=2.0 Hz, 2H), 6.87 ― 6.96 (m, 4H), 7.05 ― 7.10 (m, 2H), 7.16 ― 7.25 (m, 4H), 7.39 ―7.54 (m, 6H), 7.80 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.95 ― 7.97 (m, 2H), 8.02 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.06 ― 8.09 (m, 2H), 8.27 (d, J=8.0 Hz, 1H), 9.19 (s, 1H)。
【0083】
(実施例11)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtO109の合成経路は、下記のとおりである。
中間体PhF-Me-NHの合成:反応用フラスコにp-フルオロベンゼンホウ酸(2.7g、19.2mmoL、1.2当量)、Br-Me-NH(3.0g、16mmoL、1.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(371mg、0.32mmoL、2moL%)、炭酸カリウム(4.4g、32mmoL、2.0当量)、ジオキサン(160mL)及び水(40mL)を加えた。90℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして黄色の固体を3.1g得、収率は95%であった。直接その後の反応に使用した。
【0084】
中間体PhF-Me-Clの合成:反応用フラスコにPhF-Me-NH(3.1g、15.3mmoL、1.0当量)、亜硝酸tert-ブチル(15.7g、69mmoL、5.0当量)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(7.9g、76.6mmoL、4.5当量)ジクロロメタン(100mL)及び水(40mL)を加えた。室温で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして黄色の固体を3.1g得、収率は60%であった。直接その後の反応に使用した。
【0085】
中間体PhF-Me-4O-OMeの合成:反応用フラスコに4O-NH(1.0g、3.5mmoL、1.0当量)、PhF-Me-Cl(931g、3.5mmoL、1.2当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(128mg、0.14mmoL、4moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(115mg、0.28mmoL、8moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(673mg、7mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を1.42g得、収率は86%であった。直接その後の反応に使用した。
【0086】
中間体PhF-Me-4O-OHの合成:反応用フラスコにPhF-Me-4O-OMe(1.42g、3.2mmoL、1.0当量)、臭化水素(2.59g、32mmoL、10.0当量)を加えた。120℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を1.21g得、収率は85%であった。直接その後の反応に使用した。
【0087】
中間体PhF-Me-4O-Clの合成:反応用フラスコにPhF-Me-4O-OH(3.0g、6.5mmoL、1.0当量)、m-クロロブロモベンゼン(1.88g、9.8mmoL、1.5当量)、2-ピコリン酸(800mg、6.5mmoL、100mmoL%)、ヨウ化銅(619mg、3.3mmoL、50mmoL%)及びリン酸カリウム(2.7g、13mmoL、2.0当量)を加え、ジメチルスルホキシド(20mL)を加えた。120℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を644mg得、収率は49%であった。直接その後の反応に使用した。
【0088】
中間体LNH-PtO109の合成:反応用フラスコにdPh-4tBuNH(470mg、1.2mmoL、1.2当量)、PhF-Me-4O-Cl(620mg、1.09mmoL、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(30mg、0.03mmoL、3moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(27mg、0.06mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(210mg、2.18mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(8mL)を加えた。110℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を925mg得、収率は92%であった。直接その後の反応に使用した。
【0089】
リガンドL-PtO109の合成:反応用フラスコにLNH-PtO109(925mg、1mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(326mg、2mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を629mg得、収率は58%であった。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 1.43 (s, 9H), 2.42 (s, 3H), 6.97 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.11 ― 7.17 (m, 11H), 7.32 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.36 ― 7.43 (m, 3H), 7.45 ― 7.51 (m, 2H), 7.52 ― 7.61 (m, 5H), 7.70 ― 7.78 (m, 5H), 7.87 ― 7.93 (m, 3H), 8.21 ― 8.26 (m, 2H), 8.53 ― 8.56 (m, 2H), 10.26 (s, 1H)。
【0090】
PtO109の合成:反応用フラスコにL-PtO109(591mg、0.55mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(205mg、0.58mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(135mg、1.64mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(5mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を254mg得、収率は41%であった。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 1.48 (s, 9H), 2.22 (s, 3H), 6.10 (t, J=7.5 Hz, 2H), 6.47 (t, J=7.5 Hz, 1H), 6.52 (d, J=7.5 Hz, 2H), 6.79 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.83 (t, J=9.0 Hz, 2H), 6.94 (dd, J=8.0, 1.0 Hz, 1H), 7.05 ― 7.13 (m, 4H), 7.16 ― 7.32 (m, 8H), 7.40 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.52 (td, J=7.5, 1.0 Hz, 1H), 7.59 (ddd, J=8.0, 7.0, 1.5 Hz, 1H), 7.64 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.92 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.06 ― 8.10 (m, 2H), 8.17 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.22 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.29 (dd, J=7.5, 1.5 Hz, 1H), 8.37 (d, J=8.5 Hz, 1H), 9.05 (s, 1H)。
【0091】
(実施例12)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS6の合成経路は、下記のとおりである。
中間体4S-NOの合成:反応用フラスコにA-4S-B(OH)(8.76g、38.4mmoL、1.2当量)、B(6g、32mmoL、1.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.11g、0.96mmoL、3moL%)、及び炭酸カリウム(8.86g、64mmoL、2.0当量)を加え、ジオキサン(80mL)及び水(20mL)を加えた。90℃で24時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして黄色の固体を9.23g得、収率は80%であった。直接その後の反応に使用した。
【0092】
中間体4S-NHの合成:反応用フラスコに4S-NO(6g、17.9mmoL、1.0当量)及びトリフェニルホスフィン(14.08g、53.7mmoL、3.0当量)を加え、O-ジクロロベンゼン(60mL)を加えた。110℃で24時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を4.45g得、収率は82%であった。直接その後の反応に使用した。
【0093】
中間体4S-OMeの合成:反応用フラスコに4S-NH(3g、10mmoL、1.0当量)、4-(tert-ブチル)-2-クロロピリジン(2.04g、12mmoL、1.2当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(275mg、0.3mmoL、3moL%)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(179mg、0.6mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(1.92g、20mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(50mL)を加えた。110℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を3.12g得、収率は73%であった。直接その後の反応に使用した。
【0094】
中間体4S-OHの合成:反応用フラスコに4S-OMe(3.12g、7.1mmoL、1.0当量)、ピリジン塩酸塩(8.53g、71mmoL、10.0当量)を加え、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(60mL)を加えた。180℃で48時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして褐色の固体を2.68g得、収率は87%であった。直接その後の反応に使用した。
【0095】
中間体tBu-4S-Clの合成:反応用フラスコに4S-OH(1g、2.4mmoL、1.0当量)、3-クロロ-5-ブロモ-tert-ブチルベンゼン(1.78g、3.12mmoL、1.3当量)、2-ピコリン酸(60mg、0.48mmoL、20mmoL%)、ヨウ化銅(46mg、0.24mmoL、10mmoL%)及びリン酸カリウム(1.02g、4.8mmoL、2.0当量)を加え、ジメチルスルホキシド(10mL)を加えた。110℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を1.05g得、収率は75%であった。 H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.24 (s, 9H), 1.32 (s, 9H), 6.95 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.14 (t, J=2.5 Hz, 1H), 7.21 (t, J=1.5 Hz, 1H), 7.28 (dd, J=11.0, 2.5 Hz, 1H), 7.38 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.52 ― 7.60 (m, 3H), 7.72 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.91 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.17 (d, J=6.5 Hz, 1H), 8.23 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.42 ― 8.45 (m, 2H), 8.63 (d, J=5.5 Hz, 1H)。
【0096】
中間体LNH-PtS6の合成:反応用フラスコにdPh-tBuNH(125mg、0.32mmoL、1.0当量)を加えてから、tBu-4O-Cl(200mg、0.34mmoL、1.05当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(9mg、0.001mmoL、3moL%)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(6mg、0.002mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(61mg、0.64mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を187mg得、収率は67%であった。直接その後の反応に使用した。
【0097】
リガンドL-PtS6の合成:反応用フラスコにLNH-PtS6(228mg、0.24mmoL、1.0当量)を加えてから、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(31mg、0.48mmoL、2.0当量)、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。80℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を184mg得、収率は74%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.30 (s, 9H), 1.31 (s, 9H), 1.42 (s, 9H), 6.86 (t, J=2.0 Hz, 1H), 6.97 (t, J=1.5 Hz, 1H), 7.10 ―7.16(m, 10H), 7.37 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.47ー7.60(m, 8H), 7.70 ―7.71(m, 3H), 7.78 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.93 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.18 (d, J=7.0 Hz, 1H), 8.31 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.44 (d, J=7.0 Hz, 1H), 8.48 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J=5.5 Hz, 1H), 10.26 (s, 1H)。
【0098】
PtS6の合成:反応用フラスコにPtS6(140mg、0.13mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(48mg、0.14mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(32mg、0.39mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を97mg得、収率は65%であった。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 1.22 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1.47 (s, 9H), 6.33 (dd, J=6.0 , 2.0 Hz, 2H), 6.67 ー7.18(m, 10H), 7.36―7.68(m, 9H), 7.95―8.01(m, 3H), 8.05 (dd, J=8.5, 3.5 Hz, 2H), 8.29 (dd, J=8.5, 5.0 Hz, 2H), 9.09 (d, J=6.0 Hz, 1H)。
【0099】
(実施例13)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS2の合成経路は、下記のとおりである。
中間体LNH-PtS2の合成:反応用フラスコにdPh-NH(200mg、0.6mmoL、1.0当量)を加えてから、tBu-4S-Cl(371mg、0.63mmoL、1.05当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(34mg、0.04mmoL、3moL%)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(22mg、0.08mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(115mg、1.2mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。85℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を374mg得、収率は65%であった。直接その後の反応に使用した。
【0100】
リガンドL-PtS2の合成:反応用フラスコにLNH-2(374mg、0.42mmoL、1.0当量)を加えてから、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(137mg、0.84mmoL、2.0当量)、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。80℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を372mg得、収率は83%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.30 (s, 9H), 1.32 (s, 9H), 6.91 (t, J=2.0 Hz, 1H), 6.97 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.12 ― 7.15 (m, 9H), 7.38 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.47―7.49 (m, 1H), 7.52―7.61(m, 7H), 7.70―7.72(m, 1H), 7.76 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.79 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.92―7.96(m, 2H), 8.18 (d, J=7.0 Hz, 1H), 8.31 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.44 (d, J=7.0 Hz, 1H), 8.49 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.65 (d, J=5.5 Hz, 1H), 10.34 (s, 1H)。
【0101】
PtS2の合成:反応用フラスコにL-PtS2(250mg、0.24mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(87mg、0.25mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(60mg、0.72mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加え、120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を136mg得、収率は52%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.33 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 6.25―6.90 (m, 6H), 6.97ー7.51 (m, 10H), 7.53―7.90 (m, 7H), 8.15 (d, J=8.5 Hz, 2H), 8.21 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.54 (dd, J=8.0, 4.0 Hz, 2H), 8.61 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.84 (d, J=6.0 Hz, 1H)。
【0102】
(実施例14)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS1の合成経路は、下記のとおりである。
中間体4S-Clの合成:反応用フラスコに4S-OH(1.0g、2.4mmoL、1.0当量)、m-クロロブロモベンゼン(689mg、3.6mmoL、1.5当量)、2-ピコリン酸(60mg、0.48mmoL、20mmoL%)、ヨウ化銅(45mg、0.24mmoL、10mmoL%)及びリン酸カリウム(1.02g、4.8mmoL、2.0当量)を加え、ジメチルスルホキシド(10mL)を加えた。110℃で12時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を868mg得、収率は71%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9H), 7.08 ―7.10 (m, 2H), 7.19―7.24(m, 2H), 7.29 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.39 ―7.44(m, 2H), 7.52―7.60(m, 3H), 7.74 (d, J=1.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.16―8.18 (m, 1H), 8.23 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.42 ―8.46(m, 2H), 8.64 ―8.65 (m, 1H)。
【0103】
中間体LNH-PtS1の合成:反応用フラスコにdPh-NH(242mg、0.72mmoL、1.0当量)、4S-Cl(400mg、0.75mmoL、1.03当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(66mg、0.072mmoL、3moL%)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(43mg、0.14mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(119mg、1.44mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。85℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を505mg得、収率は78%であった。直接その後の反応に使用した。
【0104】
リガンドL-PtS1の合成:反応用フラスコにLNH-PtS1(505mg、0.61mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(199mg、1.22mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。80℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を416mg得、収率は63%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9H), 7.04 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.10 ー7.18(m, 11H), 7.37 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.44ー7.48(m, 2H), 7.53ー7.61(m, 6H), 7.71ー7.77(m, 4H), 7.80 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.93ー7.96(m, 2H), 8.18 (d, J=7.0 Hz, 1H), 8.32 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.43ー8.50(m, 2H), 8.66 (d, J=6.0 Hz, 1H), 10.35 (s, 1H)。
【0105】
PtS1の合成:反応用フラスコにL-PtS1(310mg、0.31mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(115mg、0.33mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(76mg、0.93mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を108mg得、収率は34%であった。H NMR (500 MHz, CDCl) δ 1.31 (s, 9H), 6.25 (dd, J=6.0, 1.5 Hz, 1H), 6.30 ー 6.97 (m, 8H), 6.99 ー 7.15 (m, 4H), 7.18 ー 7.24 (m, 1H), 7.26 ー 7.31 (m, 2H), 7.47 ー 7.57 (m, 7H), 7.96 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.00 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.04 (d, J=8.0Hz, 1H), 8.17 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.23 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.29 ー 8.31(m, 2H), 9.04 (d, J=6.0 Hz, 1H)。
【0106】
(実施例15)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS5の合成経路は、下記のとおりである。
中間体LNH-PtS5の合成:反応用フラスコにdPh-NH(281mg、0.72mmoL、1.1当量)、4S-Cl(344mg、0.65mmoL、1.0当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(24mg、0.03mmoL、3moL%)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル(21mg、0.06mmoL、6moL%)及びナトリウムtert-ブトキシド(125mg、1.30mmoL、2.0当量)を加え、トルエン(5mL)を加えた。110℃の油浴槽中で3時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を480mg得、収率は83%であった。直接その後の反応に使用した。
【0107】
リガンドL-PtS5の合成:反応用フラスコにLNH-PtS5(480mg、0.54mmoL、1.0当量)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(176mg、1.08mmoL、2.0当量)を加え、オルトギ酸トリエチル(5mL)を加えた。70℃で2時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして白色の固体を187mg得、収率は33%であった。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 7.01 (t, J=2.0 Hz, 1H), 7.05 ー 7.2 1 (m, 11H), 7.37 (dd, J=8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.42 ー 7.48 (m, 2H), 7.51 ー 7.61 (m, 6H), 7.68 ー 7.77 (m, 4H), 7.80 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.18 (d, J=7.5 Hz, 1H), 8.32 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.44 (d, J=6.5 Hz, 1H), 8.49 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.66 (d, J=6.0 Hz, 1H), 10.27 (s, 1H)。
【0108】
PtS5の合成:反応用フラスコにL-PtS5(168mg、0.16mmoL、1.0当量)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II)(58mg、0.17mmoL、1.05当量)及び酢酸ナトリウム(39mg、0.48mmoL、3.0当量)を加え、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)を加えた。120℃で72時間反応させて反応を停止し、室温に冷却し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーして薄い黄色の固体を44mg得、収率は25%であった。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 1.22 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 6.34 (dd, J=6.5, 2.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.0 Hz, 7H), 7.04 ー 7.09 (m, 4H), 7.24 (d, J=7.5 Hz, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.46 ー 7.57 (m, 7H), 7.99 ー 8.01 (m, 3H), 8.05 (d, J=8.5 Hz, 2H), 8.28 ー 8.31 (m, 2H), 9.11 (d, J=5.0 Hz, 1H)。
【0109】
(実施例16)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS27の合成経路は、下記のとおりである。
実施例12における化合物PtS06の合成ステップ及び反応条件を参照してPtS27を合成した。合成した目的生成物LNH-PtS27は、浅い緑色の泡状固体1.07gであり、収率が71%であった。目的生成物L-PtS27は、浅い緑色の泡状固体861mgであり、収率が75%であった。分子量[M]:1116.5であった。目的生成物PtS27は、黄色の固体325mgであり、収率が66%であった。分子量[M+H]:1310.7であった。
【0110】
(実施例17)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS28の合成経路は、下記のとおりである。
実施例12における化合物PtS06の合成ステップ及び反応条件を参照してPtS28を合成した。合成した目的生成物LNH-PtS28は、浅い緑色の泡状固体1.19gであり、収率が78%であった。目的生成物L-PtS28は、浅い緑色の泡状固体841mgであり、収率が74%であった。分子量[M]:1145.6であった。目的生成物PtS28は、黄色の固体385mgであり、収率が46%であった。分子量[M+H]:1338.7であった。
【0111】
(実施例18)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS13の合成経路は、下記のとおりである。
実施例12における化合物PtS06の合成ステップ及び反応条件を参照してPtS13を合成した。合成した目的生成物LNH-PtS13は、浅い緑色の泡状固体1.19gであり、収率が76%であった。目的生成物L-PtS13は、浅い緑色の泡状固体891mgであり、収率が78%であった。分子量[M]:929.2であった。目的生成物PtS28は、黄色の固体325mgであり、収率が36%であった。分子量[M+H]:1122.3であった。
【0112】
(実施例19)
四座金属白金(II)錯体燐光発光材料PtS17の合成経路は、下記のとおりである。
実施例12における化合物PtS06の合成ステップ及び反応条件を参照してPtS17を合成した。合成した目的生成物LNH-PtS17は、浅い緑色の泡状固体1.19gであり、収率が77%であった。目的生成物L-PtS17は、浅い緑色の泡状固体891mgであり、収率が78%であった。分子量[M]:1041.5であった。目的生成物PtS17は、黄色の固体325mgであり、収率が36%であった。分子量[M+H]:1232.5であった。
【0113】
(実施例20)
PtO52の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO52を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体562mgであり、収率が35%であった。分子量[M+H]:1472.6であった。
【0114】
(実施例21)
PtO74の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO74を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体604mgであり、収率が58%であった。分子量[M+H]:1362.6であった。
【0115】
(実施例22)
PtO88の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO88を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体624mgであり、収率が58%であった。分子量[M+H]:1474.7であった。
【0116】
(実施例23)
PtO89の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO89を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体661mgであり、収率が72%であった。分子量[M+H]:1316.5であった。
【0117】
(実施例24)
PtO140の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO140を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体455mgであり、収率が69%であった。分子量[M+H]:1236.5であった。
【0118】
(実施例25)
PtO144の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO144を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体471mgであり、収率が80%であった。分子量[M+H]:1280.5であった。
【0119】
(実施例26)
PtO150の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO150を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体596mgであり、収率が56%であった。分子量[M+H]:1187.4であった。
【0120】
(実施例27)
PtO158の合成
実施例1における化合物PtO6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtO158を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体369mgであり、収率が58%であった。分子量[M+H]:1205.4であった。
【0121】
(実施例28)
PtS47の合成
実施例12における化合物PtS6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtS47を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体492mgであり、収率が82%であった。分子量[M+H]:1369.6であった。
【0122】
(実施例29)
PtS87の合成
実施例12における化合物PtS6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtS87を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体596mgであり、収率が74%であった。分子量[M+H]:1518.7であった。
【0123】
(実施例30)
PtS93の合成
実施例12における化合物PtS6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtS93を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体615mgであり、収率が68%であった。分子量[M+H]:1088.4であった。
【0124】
(実施例31)
PtS135の合成
実施例12における化合物PtS6の合成ステップ及び反応条件を参照して、PtS135を合成した。得られた目的生成物は、黄色の固体582mgであり、収率が66%であった。分子量[M+H]:1279.6であった。
【0125】
理論的計算により、密度汎関数理論(DFT)を利用して基底状態(S)分子の幾何学構造を最適化することを説明した。B3LYP汎関数を使用してDFT計算を行い、ここで、C、H、O及びN原子は、6-31G(d)ベースセットを使用し、Pt原子は、LANL2DZベースセットを使用する。
【0126】
表1の計算データから、カルバゾールの異なる位置に縮合環を導入することにより、共役系が拡大し、局所励起状態の分布が増加し、それにより、放出の肩ピークが低くなり、半ピーク幅が狭くなり、より高い色純度を有し、青色材料の要求を満たすことができることが分かる。
【0127】
光物理的性質
【0128】
図1図13は、それぞれ、R1及び本発明の一部の化合物のジクロロメタン溶液中での室温発光スペクトル図である。図1図13、表2から分かるように、本発明にて提供される錯体は、カルバゾールの異なる位置に縮合環を導入することにより、共役系が拡大し、局所励起状態の分布が増加し、それにより、放出肩ピークが著しく低くなり、半ピーク幅が狭くなり、より高い色純度を有する。
【0129】
OLEDデバイスの製造
本発明は、デバイスの実施例の参照製造方式として、発光面積が2mm×2mmであるITOガラスの表面又はアノード上にpドーパント材料を蒸着するか、又はpドーパント材料を1%~50%濃度で正孔注入材料と共蒸着して5~100nmの正孔注入層(HIL)、5~200nmの正孔伝送層(HTL)を形成し、続いて、正孔伝送層上に10~100nmの発光層(EML)(本発明に記載の化合物を含有可能)を形成し、電子伝送層(ETL)20~200nm及びカソード50~200nmを形成し、必要がある場合、HTLとEML層との間に電子バリア層(EBL)を追加し、ETLとカソードとの間に電子注入層(EIL)を追加して、OLEDデバイスを製造する。標準方法により、前記OLEDをテストする。本発明に係るデバイス材料は、特に説明しない限り、いずれも既知の合成方法により取得することができる。
【0130】
好ましい具体的な実施例において、本発明にて提供されるデバイス例1の構造は、ITO/P-4(10nm)/NPD(60nm)/HTH-85(5nm)/白金(II)錯体:HTH-85:ETH-45(25nm)(PtO6:HTH-85:ETH-45質量比は10:60:30)/ETH-5(5nm)/ET-14(40nm)/LiQ1nm)/Al(100nm)である。
【0131】
デバイス例1に類似する構造を用いて、デバイス例2~デバイス例31及び比較例1をそれぞれ製造し、唯一の区別点は、それぞれPtO2、PtO5、PtO27、PtO33、PtO34、PtO37、PtO38、PtO93、PtO107、PtO109、PtS6、PtS2、PtS1、PtS5、PtS27、PtS28、PtS13、PtS17、PtO52、PtO74、PtO88、PtO89、PO140、PtO144、PtO150、PtO158、PtS47、PtS87、PtS93、PtS135、R1を用いてデバイス例1のPO6を代替したことである。上記の製造された比較例及び各デバイス例の発光特性を標準方法によりテストし、データを表3に示した。係るデバイスの構造式は、下記のとおりであり、ここで、P-4はHATCNであり、ET-14はBPyTPである。
【0132】
【0133】
表3から分かるように、比較例1に比べ、本願で製造したデバイス例1~デバイス例31は、駆動電圧、電流効率及びデバイスの耐用年数のいずれについても、良好なデバイス性能を示し、また、デバイスの色純度も大きく向上した。各デバイス例の性能は、本発明の特定の化合物材料が、小さい放出の肩ピークを有するとともに、より良い電子伝送能力を有することに基づいて、向上した。これから分かるように、それを発光層材料として電子デバイスに製造すると、駆動電圧を低下させるとともに、より高い電流効率、デバイスの耐用年数及び色純度を有する。本発明にて提供される化合物は、一定の商業的に利用価値を有することを表す。また、本発明で製造されるデバイスは、いずれも濃い青色デバイスである。
【0134】
好まし具体的な実施例において、本発明にて提供されるデバイス例32の構造は、ITO/P-4(10nm)/NPD(60nm)/HTH-85(5nm)/白金(II)錯体:ホウ素含有化合物:HTH-85:ETH-45(25nm)(PtO6:BN1-8:HTH-85:ETH-45質量比は10:1:59:30)/ETH-5(5nm)/ET-14(40nm)/LiQ(1nm)/Al(100nm)である。
【0135】
デバイス例32に類似する構造を用いて、デバイス例33~デバイス例39をそれぞれ製造し、唯一の区別点は、表4に列挙された化合物をそれぞれ用いてデバイス例32の白金(II)錯体及びホウ素含有化合物を代替したことである。係るデバイスの構造式は、下記のとおりであり、デバイスの構造及び発光特性のデータは、表4を参照できる。
【0136】
【0137】
表4から分かるように、本発明の化合物を増感材料として、ホウ素含有化合物と共に発光材料としてデバイスに適用した場合も、各デバイスの性能が著しく向上した。本発明にて提供される化合物は、一定の商業的に利用価値を有することをさらに表す。ホウ素含有化合物を加えた後、デバイス構造を増感させることにより、CIEy値をより小さくし、デバイスの発光色の純度を向上させることができる。
【0138】
PtO37のトップエミッションデバイスD1も製造して、PtON-TBBIと比較した。デバイス構造は、ITO/HT-1:P-5(97:3)/HT-1(126nm)/p-host(5nm)/p-host:ETH-45:PtO37(60:32:8、350nm)/mSiTRz(5nm)/ET-1:Liq(50:50、30nm)/Yb(1nm)/Ag(14nm)/CPL(60nm)であり、比較デバイスD-R1は、PtON-TBBIでデバイスD1中のPtO37を置換したものであり、データを表5に示した。係るデバイス材料の構造式は、下記のとおりである。
【0139】
【0140】
表5から分かるように、本発明の化合物PtO37を濃い青色の発光材料として、PtON-TBBIと共に発光材料としてデバイスに適用し、発光スペクトルの半ピーク幅、色純度、外部量子効率、青色指数及び耐用年数がいずれも著しく向上し、同時に、高輝度1000cd/mでの駆動電圧も著しく低下した。上記のデータから分かるように、本発明の濃い青色の発光材料の応用の見通しが大きい。
【0141】
出願人は、以上の説明は、本発明の具体的な実施形態にすぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されないことを主張し、当業者であれば、本発明に開示された技術的範囲内で当業者が容易に想到できる変化又は置換は、いずれも本発明の保護範囲及び開示範囲内に入ることが分かるだろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13