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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025022959
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】分割可能なマルチウエルプレート
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
C12M1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024204918
(22)【出願日】2024-11-25
(62)【分割の表示】P 2021555589の分割
【原出願日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】62/818,669
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521421034
【氏名又は名称】アブジーン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】シムズ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】プライス ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ナジー ガボール
(57)【要約】
【課題】本開示のマルチウエルプレートを手動で分割することにより、滑らかな縁部を有するマルチウエルストリップまたはセグメントを生成し、それによって、負傷および手袋破断の発生を低減する。
【解決手段】本開示は、マルチウエルプレートを説明し、該マルチウエルプレートは、第1の材料で作製されたフレームであって、頂面に列状パターンで配設された複数の孔のアレイ、および複数の孔の列状パターンと交互している直線列状パターンで配設されたセグメント化された破断特徴のアレイを有する、フレームと、第2の材料で作製され、複数の孔に配置された複数のチューブ/ウエルと、を備え、マルチウエルプレートは、セグメント化された破断特徴に沿って、マルチウエル/チューブストリップの1つ以上の列に手動で分割可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチウエルプレートであって、
第1の材料で作製されたフレームであって、前記フレームが、平坦な頂面を有し、前記頂面には、列状パターンで配設された複数の孔のアレイを有し、前記フレームが、前記複数の孔の前記列状パターンと交互する列状パターンで配設された、セグメント化された破断特徴のアレイをさらに備える、フレームと、
第2の材料で作製された複数のウエルであって、前記ウエルが、前記フレームの前記頂面の複数の孔に配置される、複数のウエルと、を備え、
前記マルチウエルプレートが、前記セグメント化された破断特徴の中央に沿って、マルチウエルストリップの1つ以上の列に手動で分割可能である、マルチウエルプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広義に、排他的ではなく、ストリップに手動で分割することができるマルチウエルプレートに関する。本開示の手動で分割されるチューブストリップは、ユーザの負傷または手袋の破れを防止する、滑らかな縁部を有する。
【背景技術】
【0002】
生物学的および化学的方法のための試薬は、しばしば、ユーザに供給されて、96ウエルプレートなどのマルチウエルプレートにプレアリコートされる。しばしば、これらの試薬は、凍結乾燥製剤および/または凍結製剤として供給される。典型的なマルチウエルプレート構成では、凍結試薬の場合、ユーザは、マルチウエルプレート全体を解凍して、すべての試薬を一度に使用するか、またはプレートの未使用セクションを廃棄する。試薬は、代替的に、チューブのストリップ(8チューブストリップなど)にプレアリコートして供給することができるが、これは、ストリップチューブを自動充填機器に手動で装填して、キャップストリップによって手動で封止することを必要とするので、製造環境には適さない。他方では、マルチウエルプレートは、自動的に試薬を分注して封止するように標準化されている。
【0003】
いくつかの既存のマルチウエルプレートは、チューブストリップまたはセグメント化されたプレートに分割可能である。しかしながら、このプレートは、全体的にポリプロピレンまたは同様の軟質材料から製造され、これは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの温度変化が必要である反応には好適であるが、自動化システムおよび製造プロセスには好適ではない。材料の特徴のため、これらのチューブストリップまたはセグメント化されたプレートは、製造環境において人間または自動化システムによって取り扱うことが困難である。例えば、ポリプロピレンの軟質性は、プレートを自動ハンドラおよびロボット装置によって把持するのを困難にする。自動化システムによって使用されるグリッパは、ポリプロピレン材料の可撓性で半剛性な性質のため、プレートを反らせる、変形させる、または圧潰する場合がある。
【0004】
いくつかの既存のポリプロピレン製の分割可能なプレートは、セクションに分割するために、はさみ、カッター、または他の切断工具を必要とする。
【0005】
加えて、いくつかの既存の分割可能なマルチウエルプレートは、セグメント化されたプレートにのみ分割可能であり、すなわち、24ウエルまたは32ウエルのセグメントに分割可能であるが、単一の8チューブストリップには分割可能ではない。これもまた、未使用の試薬の浪費をもたらす。
【0006】
堅固な材料で作製したフレームおよび自動ハンドリングに好適である軟質材料で作製したウエルを有する、いくつかの分割可能なマルチウエルプレートが存在する。しかしながら、いくつかの場合では、そのようなマルチウエルプレートは、マルチウエルプレートをチューブストリップに破断するためのはさみまたはカッターなどの工具を必要とする。他の場合では、そのようなマルチウエルプレートは、手動で分割可能であるが、このプレートは、セグメント(32ウエルのブロックなど)にのみ分割可能であり、単一のストリップ(いずれかのチューブストリップなど)への分割には適さない。さらに他の場合では、単一のストリップに分割することができる、既存の手動で分割可能なマルチウエルプレートでは、分割するプロセスは、ユーザの負傷または手袋の破れを生じさせる、鋭い縁部を残す。
【0007】
したがって、上で説明した問題点のうちの少なくともいくつかに対処する、いかなる切断工具も使用することなく、単一のチューブストリップの形態に手動で分割可能であるマルチウエルプレートに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本開示の1つの態様は、製造環境内の人間または自動化システムによって、試薬分注と互換性があるウエルまたはチューブのストリップに手動で分割可能である、マルチウエルプレートを提供する。本開示の1つの態様は、チューブストリップまたはウエルストリップ(限定されないが、8ウエルストリップまたは8チューブストリップ)に、または少なくとも1つ以上のチューブストリップを備えるセグメント(16個、24個、32個、40個などのチューブを有するセグメントなどの、8チューブストリップまたは8ウエルストリップのセグメント)に手動で分割可能である、マルチウエルプレートを提供する。ウエルまたはチューブという用語は、本出願で代替的に使用される。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、マルチウエルプレートを提供し、該マルチウエルプレートは、第1の材料で作製されたフレーム部分であって、フレームが、平坦な頂面を有し、該頂面には、列状パターン(複数の孔の列状パターンを形成する)で配設された複数の孔のアレイを有し、フレームが、複数の孔の列状パターンと交互する列状パターン(破断特徴の列状パターンを形成する)で配設された破断特徴のアレイをさらに備える、フレーム部分と、フレームの頂面の複数の孔に配置された複数のチューブまたはウエルと、を備え、チューブまたはウエルは、第2の材料で作製され、マルチウエルプレートは、破断特徴の中央セクションに沿って、マルチウエルストリップの1つ以上の列に手動で分割可能である。いくつかの実施形態では、破断特徴は、セグメント化された破断特徴である。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、セグメント化された破断特徴の中央に沿って、マルチウエルストリップの複数の単一の列に手動で分割可能である。マルチウエルストリップは、少なくとも2列のマルチウエルストリップを備えるセグメントに分割することもできる。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートのセグメント化された破断特徴は、フレームの頂面からフレームの底面を通って延在する花弁形状の切れ目のアレイと、フレームの底面の一連のアンダーカットであって、花弁形状の切れ目と交互するように配設された、一連のアンダーカットと、を備える。いくつかの実施形態では、アンダーカットは、V字形状のアンダーカットである。
【0012】
本開示のマルチウエルプレートのいくつかの実施形態では、フレームの底面のアンダーカットと組み合わせたフレームの頂面の花弁形状の切れ目は、マルチウエルプレートの列の両側に8つの小さい破断セクションまたは破断特徴を作成する。各破断セクションの長さおよび厚さは、フレーム全体にわたって同じである。破断セクションのこのパターンは、セグメント化された破断パターンをもたらす。
【0013】
有利には、セグメント化された破断パターン/特徴は、いくつかの既存のマルチウエルプレートに存在する連続的な破断線とは対照的に、以下の改善点のうちの1つ以上を提供する:マルチウエルプレートを分割するための工具の必要性を排除すること、ならびに/またはストリップ/セグメントへのマルチウエルプレートを手動で切り離すことを可能にすること、ならびに/または花弁形状の半径および局所的な破断が、破断後の鋭い縁部を最小にすること、ならびに/または破断後の鋭いギザギザの縁部を低減させること、ならびに/または滑らかな縁部をもたらすこと、ならびに/または手袋の破れもしくはユーザの手および指の負傷を生じさせる可能性の低減をもたらすこと。
【0014】
本開示の破断可能な特徴の設計は、エンドユーザの手袋が破れることを防止し、ならびに/またはユーザの指および手の切り傷および引っかき傷などの負傷を防止する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、ストリップもしくはチューブもしくはウエルのセグメントに手動で分割されたときに、滑らかな縁部を提供もしくはもたらし、および/または鋭い縁部を最小にするかもしくは低減し、および/または鋭い縁部もしくはギザギザの縁部を低減する。いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートを手動で分割することは、鋭い縁部を有しない、マルチウエルストリップの1つ以上の列をもたらす。したがって、本開示のマルチウエルプレートは、ユーザに対する負傷を低減させたおよび/または負傷のないストリップまたはセグメントに分割することができる。本開示のマルチウエルプレートは、手袋の破れの発生を低減させたまたは発生のないストリップまたはセグメントに分割することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、第1の堅固な材料で作製されたフレームを備え、ウエルは、第2のより軟質の材料で作製される。いくつかの実施形態では、フレームを構成する第1の堅固な材料は、ポリカーボネート、または非晶質プラスチック、および部分結晶性の高充填プラスチック、ならびにそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、ウエルを構成する第2のより軟質の材料は、ポリプロピレン、シリコーン、LSR(液体シリコーンゴム)であるか、または軟質プラスチックおよび部分結晶性のプラスチック、ならびにそれらの組み合わせで作製される。いくつかの実施形態では、フレームを構成する第1の堅固な材料は、ポリカーボネートであり、ウエルを構成する第2のより軟質の材料は、ポリプロピレンである。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートのウエルまたはチューブは、形状ロック接続を利用して、フレームに直接成形される。例示的な実施形態では、フレームの下側の部分の成形および機械的インターロックは、ロック接続を形成して、ウエルまたはチューブをフレームに接合する。
【0018】
いくつかの実施形態では、マルチウエルプレートは、24個、48個、96個、384個、または1536個以上のウエルを備える。いくつかの実施形態では、マルチウエルプレートは、96個のウエルを備える。いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、8チューブストリップの1つ以上の列に、または8チューブストリップの少なくとも1つの列を備えるセグメントに手動で分割することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、自動化、製造プロセス、凍結乾燥手順、試薬の充填、試薬の冷凍、熱サイクル器具での使用、微生物プロセスでの使用、などが挙げられるが、これらに限定されない、のうちの1つ以上と互換性がある。
【0020】
本開示のマルチウエルプレートおよび対応する8チューブストリップおよび/または少なくとも2つ以上の8チューブストリップを備えるセグメントは、いくつかの商業的に入手可能なサーマルサイクラ器具と互換性がある。
【0021】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、封止して、試薬を封入することができる。シールは、限定されないが、剥離可能なフォイル、透明なシール、透明なキャップ、光学シール、光学キャップ、ドーム形のキャップ、平坦なキャップ、などのうちの1つ以上を含むことができる。本開示のマルチウエルプレートのフレーム、スカート、およびウエルは、様々な自動化装置と嵌合およびインターフェースする特徴を追加的に備えることができ、また、ロボットによる把持を可能にするための特徴を有することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、スカート特徴は、縁部からマルチウエルプレートのフレームに沿ってフレームの一部またはフレームの全長のいずれかに延在して位置している。いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、スカートの高さが標準高さである標準プロファイル設計であり、これは、標準高さのチューブ/ウエルがフレームに嵌合することを可能にする。そのような実施形態では、スカートは、スカートおよびプレートの外周全体を取り巻く、延在したリップ(当技術分野では、SBS(生体分子スクリーニング協会)リップと称されることもある)を有する。いくつかの実施形態では、そのようなプレートは、標準高さのマルチウエルチューブをフレームと関連付けることを可能にする。
【0023】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、低プロファイルの設計であり、スカートの高さは、標準高さよりも低く、これは、低プロファイルのチューブ/ウエルをフレームに嵌合することを可能にする。そのような実施形態では、スカートリップ(SBSリップと称される)が、マルチウエルプレートのスカートの4つの隅部にだけ提供される。
【0024】
本開示の標準プロファイルおよび低プロファイルのマルチウエルプレートの両方、ならびにそれらの分割可能なストリップおよびセグメントは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および定量PCR(qPCR)を行うために使用されるような、商業的に入手可能なサーモサイクラ器具に有用である。したがって、本開示のマルチウエルプレートの別の利点は、市場で入手可能な共通のサーモサイクラ器具と共に使用可能である、プレアリコートされた、凍結試薬または凍結乾燥試薬のいずれかを有する、消耗可能なマルチウエルプレートを供給することである。1つを超えるストリップを有する1つのストリップまたはセグメントを、異なるサーマルサイクラと共に様々に使用することができる。
【0025】
本教示のこれらのおよび他の特徴は、以下の項の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0026】
本開示の1つ以上の実施形態は、以下の図面の1つ以上を参照してより良好に理解され得る。当業者は、下で説明する図面が単に例示の目的であることを理解するであろう。図面は、いかようにも、本教示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】例示的な実施形態による、マルチウエルプレートのフレーム部分の斜視図を示す。
図2】点付きの円部分がフレームの底面のアンダーカットを表す、図1のフレームの正面図を示す。
図3】フレームの底面のアンダーカットを拡大した、図2の点付きの円部分の分解図を示す。
図4】点付きの円部分がフレームの縁部を表す、図1のフレームの上面斜視図を示す。
図5】フレームの縁部を説明する、図4の円部分の分解図を示す。
図6】点付きの円部分がフレームの破断特徴を表す、図1のフレームの底面図を示す。
図7】例示的な実施形態による、図1に示すフレーム部分およびその中に挿入されたチューブまたはウエルを示す、マルチウエルプレートの斜視図を示す。
図8】点付きの円部分がフレームの底面のアンダーカットを表す、図7のマルチウエルプレートの正面図を示す。
図9】フレームの底面のアンダーカットを説明する、図8の点付きの円部分の分解図を示す。
図10A】フレームにインターロックしているチューブ/ウエルの断面図を示し、チューブ/ウエルの一部分とインターロックしているフレームの一部分を表す。
図10B】フレームを伴わずに表したチューブ/ウエルの斜視図を示し、チムニーおよびラグを含むフレームインターロック部分を示す。
図10C】フレームを伴わずに表したチューブ/ウエルの断面図を示し、チムニーおよびラグを含むフレームインターロック部分を示す。
図11】円部分がそのフレーム部分の縁部を表す、図7のマルチウエルプレートの上面斜視図を示す。
図12】そのフレーム部分の縁部を説明する、図11の点付きの円部分の分解図を示す。
図13】その上に列状配設したセグメント化された破断特徴のアレイを表す、図7のマルチウエルプレートの底面図を示す。
図14】例示的な実施形態による、1つのチューブストリップまたはウエルストリップをそこから切り離した、図7に示すマルチウエルプレートの斜視図を示す。
図15】例示的な実施形態による、図7および図14に示すようにマルチウエルプレートから切り離したまたは分割した、1つのチューブストリップまたはウエルストリップの斜視図を表す。
図16A】例示的な実施形態による、図15のチューブストリップまたはウエルストリップの右側面図および左側面図をそれぞれ表す。
図16B】例示的な実施形態による、図15のチューブストリップまたはウエルストリップの右側面図および左側面図をそれぞれ表す。
図17A】例示的な実施形態による、図15のチューブストリップまたはウエルストリップの頂面図および底面図をそれぞれ表す。
図17B】例示的な実施形態による、図15のチューブストリップまたはウエルストリップの頂面図および底面図をそれぞれ表す。
図18】別の例示的な実施形態による、マルチウエルプレートのフレーム部分の斜視図を示す。
図19】点付きの円部分がフレームの底面のアンダーカットを表す、図18のフレームの正面図を示す。
図20】フレームの底面のアンダーカットを説明する、図19の点付きの円部分の分解図を示す。
図21】円部分がフレーム上の縁部を表す、図18のフレームの上面斜視図を示す。
図22】フレームの縁部を説明する、図21の点付きの円部分の分解図を示す。
図23】円部分がフレームの1つの破断特徴を表す、図18のフレームの底面図を示す。
図24】例示的な実施形態による、図18に示すフレーム部分およびその中に挿入されたチューブまたはウエルを示す、マルチウエルプレートの斜視図を示す。
図25】円部分がフレームの底面のアンダーカットを表す、図24のマルチウエルプレートの正面図を示す。
図26】フレームの底面のアンダーカットを説明する、図25の点付きの円部分の分解図を示す。
図27A】フレームにインターロックしているチューブ/ウエルの断面図を示し、チューブ/ウエルの一部分とインターロックしている一部分を表す。
図27B】チューブ/ウエルの斜視図を示し、フレームを伴わずに表され、チムニーおよびラグを含むフレームインターロック部分を示す。
図27C】チューブ/ウエルの断面図を示し、フレームを伴わずに表され、チムニーおよびラグを含むフレームインターロック部分を示す。
図28】点付きの円部分がそのフレーム部分の縁部を表す、図24のマルチウエルプレートの上面斜視図を示す。
図29】そのフレーム部分の縁部を表す、図28の点付きの円部分の分解図を示す。
図30】その上に列状配設したセグメント化された破断特徴のアレイを表す、図24のマルチウエルプレートの底面図を示す。
図31】例示的な実施形態による、1つのチューブストリップまたはウエルストリップをそこから切り離した、図24に示すマルチウエルプレートの斜視図を示す。
図32】例示的な実施形態による、図24または図31に示すマルチウエルプレートから切り離したまたは分割した、1つのチューブストリップまたはウエルストリップの場合の斜視図を表す。
図33A】例示的な実施形態による、図32のチューブストリップまたはウエルストリップの右側面図および左側面図をそれぞれ表す。
図33B】例示的な実施形態による、図32のチューブストリップまたはウエルストリップの右側面図および左側面図をそれぞれ表す。
図34A】例示的な実施形態による、図32のチューブストリップまたはウエルストリップの頂面図および底面図をそれぞれ表す。
図34B】例示的な実施形態による、図32のチューブストリップまたはウエルストリップの頂面図および底面図をそれぞれ表す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
上述の一般的な説明および以下の詳細な説明はどちらも、例示的かつ説明的なものに過ぎず、本教示の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。本出願では、別途具体的に提示されない限り、単数形の使用は、複数形を含む。また、「備える(comprise)」、「含有する(contain)」、および「含む(include)」、またはそれらの語根の修正例、例えば、限定されないが、「備える(comprises)」、「含有した(contained)」、および「含んでいる(including)」は、限定することを意図していない。特に明記しない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。「および/または」という用語は、前後の用語が、一緒にまたは別々に用いられ得ることを意味する。例示の目的であるが、限定するものではなく、「Xおよび/またはY」は、「X」もしくは「Y」、または「XおよびY」を意味し得る。
【0029】
本開示の1つの態様は、製造環境内の人間または自動化システムによって、試薬分注と互換性があるウエルまたはチューブのストリップに手動で分割可能である、マルチウエルプレートを提供する。いくつかの実施例では、本マルチウエルプレートは、様々な生物学的または化学的プロセスのためのキットを生成するのに有用であり、本開示のマルチウエルプレートに含まれるキット試薬は、高スループットな環境において生成することができ、かつ低スルーアウトの消費者/ユーザに販売することができる。したがって、開示のマルチウエルプレートは、有利なことに、高価な試薬の浪費の防止を可能にする。
【0030】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、自動化、製造プロセス、凍結乾燥手順、試薬の充填、試薬の冷凍、熱サイクル器具での使用、微生物プロセスでの使用、などが挙げられるが、これらに限定されない、のうちの1つ以上と互換性がある。
【0031】
本開示のマルチウエルプレートは、限定されないが、核酸増幅、核酸配列決定、核酸、タンパク質、炭水化物、とりわけ脂質を含む対象の生体分子を抽出するためのサンプル調製、微生物の栽培および培養などの、試薬の貯蔵および/または反応物の下流処理に使用することができる。
【0032】
本明細書で説明するいくつかの例示的な実施形態は、エンドユーザの必要に応じて、8チューブストリップに、または1つ、2つ、3つ以上8チューブストリップのセグメントに分割可能であり得る、分割可能なマルチウエルプレートを提供する。本開示のマルチウエルプレートならびに対応する8チューブストリップおよび/または少なくとも2つ以上の8チューブストリップを備えるセグメントは、互換性があり、したがって、いくつかの商業的に入手可能なサーマルサイクラ器具、核酸配列決定装置、サンプル調製装置、微生物インキュベータ、および他のバイオプロセス装置に機械的に嵌合およびインターフェースする。
【0033】
いくつかの実施形態では、本開示は、マルチウエルプレートを提供し、該マルチウエルプレートは、第1の材料で作製されたフレーム部分であって、フレーム部分が、平坦な頂面を有し、該頂面には、列状パターンで配設された複数の孔のアレイを有し、フレーム部分が、複数の孔の列状パターンと交互する列状パターンで配設されたセグメント化された破断特徴のアレイをさらに備える、フレーム部分と、第2の材料で作製された複数のウエルであって、ウエルが、フレームの頂面の複数の孔に配置される、複数のウエルと、を備え、マルチウエルプレートは、セグメント化された破断特徴の中央に沿って、マルチウエルストリップの1つ以上の列に手動で分割可能である。
【0034】
本開示のマルチウエルプレートは、セグメント化された破断特徴の中央に沿って、マルチウエルストリップの複数の単一の列に手動で分割可能である。マルチウエルストリップは、少なくとも2列のマルチウエルストリップを備えるセグメントに分割することもできる。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートのセグメント化された破断特徴は、フレーム部分の頂面からフレームの底面を通って延在する複数の花弁形状の切れ目と、フレーム部分の底面の複数のアンダーカットであって、花弁形状の切れ目と交互するように配設された、複数のアンダーカットと、を備える。いくつかの実施形態では、アンダーカットは、V字形状のアンダーカットである。
【0036】
本開示のマルチウエルプレートのいくつかの実施形態では、フレームの底部のアンダーカットと組み合わせたフレームの頂部デッキの花弁形状の切れ目は、マルチウエルプレートの列の両側に8つの小さい破断セクションまたは破断特徴を作成する。各破断セクションの長さおよび厚さは、フレーム全体にわたって同じである。破断セクションのこのパターンは、セグメント化された破断パターンをもたらす。
【0037】
有利には、セグメント化された破断パターン/特徴は、いくつかの既存のマルチウエルプレートに存在する連続的な破断線とは対照的に、以下の改善点のうちの1つ以上を提供する:マルチウエルプレートを分割するための工具の必要性を排除すること、ならびに/またはストリップ/セグメントへのマルチウエルプレートを手動で切り離すことを可能にすること、ならびに/または花弁形状の切れ目の半径および局所的な破断により、破断後の鋭い縁部を最小にすること、ならびに/または破断後の鋭いギザギザの縁部を低減させること、ならびに/または滑らかな縁部をもたらすこと、ならびに/または手袋の破れおよびユーザに対する負傷の発生の低減をもたらすこと。
【0038】
いくつかの実施形態では、スカート特徴は、縁部からマルチウエルプレートのフレームに沿ってフレームの一部またはフレームの全長のいずれかに延在して位置している。いくつかの実施形態では、スカートは、スカートおよびプレートのフレームの外周全体を取り巻く延在したリップをさらに有する。このリップはまた、マイクロウエルプレートのための、ANSI(米国規格協会)に従うSBS(生体分子スクリーニング協会)リップとして、またはSLAS(ラボラトリオートメーション・スクリーニング協会)リップとして、当技術分野で説明されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、低プロファイルのプレートであり、スカートは、より小さい容積のチューブ/ウエルを収容するためにより短い。いくつかの実施形態では、低プロファイルのチューブまたはウエルは、完全に充填したときに0.2mLの最大容積を有する。低プロファイルのチューブの典型的な高さは、約15.50±0.25mmである。いくつかの実施形態では、本開示の低プロファイルのマルチウエルプレートは、スカートリップを有し、これは、スカートの延長部であり、また、マルチウエルプレートのフレームの4つの隅部に位置する。
【0040】
他の実施形態では、本開示のマルチウエルプレートは、標準プロファイルのプレートであり、スカートの高さは、標準高さであり、これは、標準高さのチューブ/ウエルがフレームに嵌合することを可能にする。そのような実施形態では、スカートは、スカートおよびプレートの外周全体を取り巻く、延在したリップ(SBSまたはSLASリップ)を有する。いくつかの実施形態では、そのようなプレートは、標準高さのマルチウエルチューブをフレームと関連付けることを可能にする。標準高さまたは標準プロファイルのウエルまたはチューブは、接着剤およびヒートシールと共に使用したときに、0.3mLの最大ウエル容積を有する。標準プロファイルチューブまたはウエルの典型的な高さは、約20.70±0.25mmである。
【0041】
本開示の標準プロファイルおよび低プロファイルのマルチウエルプレートの両方、ならびにそれらの分割可能なストリップおよびセグメントは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および定量PCR(qPCR)を行うために使用されるような、商業的に入手可能なサーモサイクラ器具に有用である。非限定的な実施例では、現在の半スカート付きマルチウエルプレート、ならびにそこから分割したストリップおよびセグメントは、とりわけ、Applied Biosystems 7500、QuantStudio3、QuantStudio5、QuantStudio6、QuantStudio7、Applied Biosystems ProFlex、Veriti、SimpliAmpなどの、例示的なサーモサイクラ器具と機械的に嵌合およびインターフェースする。本開示のマルチウエルプレートはまた、ヒートシーラおよびアルミニウムサポートラックと嵌合およびインターフェースする。
【0042】
いくつかの実施形態では、本開示のマルチウエルプレートおよびストリップは、配列決定器具およびプラットフォーム、サンプル調製器具およびロボットプラットフォーム、などの他の器具と嵌合およびインターフェースすることができる。
【0043】
したがって、本開示のマルチウエルプレートの別の利点は、市場で入手可能な共通のサーモサイクラ器具、ならびに他の一般的に使用され器具および装置と共に使用可能である、プレアリコートされた、凍結試薬または凍結乾燥試薬の1つ以上を有するまたは有しない、消耗可能なマルチウエルプレートを供給することである。単一のストリップまたは1つを超えるストリップを含むセグメントは、異なるサーマルサイクラと共に様々に使用することができる。
【0044】
図面を参照しながら下で説明する実施形態は、例示的な実施形態である。図面中の同じ参照番号および記号は、同様の要素または同等物を指す。しかしながら、本開示は、単なる概念の例に過ぎない図面および特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。例えば、図面の大部分は、行および列に配設された8×12=96個のチューブ/ウエルを有する、96ウエルプレートを表しているが、当業者は、本開示の教示に照らして、これらの教示が、限定されないが、24個、48個、96個、384個、または1536個以上のウエル/チューブを有するマルチウエルプレートなどの、より多いまたはより少ないウエル/チューブを有するマルチウエルプレートに及ぶことを認識するであろう。
【0045】
図1は、例示的な実施形態による、マルチウエルプレートのフレーム部分10の斜視図を示す。フレーム10は、平坦な頂面12を備え、頂面12には、列状パターンで配設された複数の孔14のアレイを有する。孔14は、その中でチューブまたはウエル34(チューブ/ウエル34は、後に、例えば図7に表す)を受容するように構成されている。フレーム部分10は、複数の孔14の列状パターンと交互する列状パターンで配設された花弁形状特徴16のアレイをさらに備える。花弁形状特徴16は、以下の項でさらに詳細に説明する破断特徴30の一部であり、例えば図6を参照されたい。
【0046】
図1はまた、孔14および花弁形状特徴16のアレイの左側および左側に位置する2つの縁部18も示す。縁部18は、マーク孔またはラベル孔14にラベル付けする英数字を有することができ、該孔は、その中でチューブまたはウエル34を受容するように構成されている(チューブ34は、図7に表す)。1つの非限定的な実施例では、右縁部18は、A、B、C、D、E、F、G、Hなどのアルファベットの付番を有することができる。代替的に、数字のラベル付けも可能である。ラベル付けはまた、左縁部18にも行うことができる。
【0047】
図1はまた、複数のスカート20がそこから延在している、頂部平坦面12の頂部側17および底部側19も示す。複数の切れ目22は、頂部側17および底部側19に孔14を備える各列を分割する。切れ目22は、直線の花弁形状特徴16と整列される。同様に図1の頂部側17に英数字でラベル付けすることができる2つの切れ目22によって、複数の孔14を備える列が追加的に列の両端部に画定される。
【0048】
非限定的な実施例では、複数の切れ目22の間に形成された列は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12などの数字によって、フレーム10の頂部側17にラベル付けまたはマーク付けすることができる。これらの列は、直線的に配設された複数の孔14を備える。代替的に、これらの列には、アルファベットのラベル付けも可能である。ラベル付けはまた、底部側19上のドームであり得る。そのようなラベル付けは、チューブ/ウエルおよびその中での反応を識別するのを補助する。例えば、上記の非限定的なラベル付けの実施例では、フレーム1の右上側に挿入された第1のチューブ34は、ラベルA1によって識別することができる。
【0049】
図1はまた、スカートリップ42も表し、これは、この実施形態によれば、(切れ目22を除いて)フレームの外周全体を取り巻いている。図から分かるように、スカートリップ42は、スカート20から延在している。この実施形態では、スカート20は、(後で説明する別の実施形態と比較して)高さがより高く、標準サイズのチューブ/ウエルを収容する。そのため、標準高さのスカート部分を有するフレームを、標準プロファイルのマルチウエルプレートフレームとして説明する。図1の実施形態は、スカートリップ42が(切れ目22を除いて)プレートフレームの外周全体を取り巻いている、スカート付きフレームと称する。
【0050】
図2は、本開示のマルチウエルプレートのフレーム部分10の正面図を示し、円部分は、フレーム10の底面24に位置するアンダーカット26を表す。アンダーカット26および花弁形状特徴16はどちらも、破断特徴30内に備えられる(図6に示す)。破断特徴30は、セグメント化された破断特徴として配設される。
【0051】
図3は、フレーム10の底面24に位置するアンダーカット26を説明し、図2の点付きの円部分の分解図を示す。いくつかの実施形態では、アンダーカット26は、V字形状である。
【0052】
図4は、点付きの円部分がフレーム10の縁部28を表す、マルチウエルプレートのフレーム部分10の上面斜視図を示す。
【0053】
図5は、フレーム10の縁部28表すことを説明する、図4の点付きの円部分の分解図を示す。フレーム10の縁部28は、自動充填器具、PCR器具などを含む、マルチウエルプレートが使用される、器具内のプレートの配向に使用することができる。
【0054】
図6は、点付きの円部分フレームに形成された1つの破断特徴30を表す、図1のフレーム部分10の底面図を示す。上述のように、1つの破断特徴30は、花弁形状特徴16と、アンダーカット26と、を備える。複数の破断特徴30は、フレーム10の一方の端部(例えば、頂部側17)に位置する一方の切れ目22から始まり、フレーム10の反対側(例えば、底部側19)に位置する別方の切れ目22まで、直線経路に沿って延びるように形成されている。このパターンは、複数のセグメント化された破断特徴30を形成する。セグメント化された破断特徴30は、いかなるザラザラした縁部も有しない、またはザラザラしたもしくはギザギザの端部を大幅に低減させた、滑らかな縁部による手動の切り離しを可能にする。
【0055】
図7は、例示的な実施形態による、(図1に示す標準プロファイルの)フレーム部分10およびその上にある孔14に挿入されたチューブまたはウエル34を示す、マルチウエルプレート32の頂面12の斜視図を示す。
【0056】
図8は、点付きの円部分がフレームの底面24のアンダーカット26を表す、図7のマルチウエルプレートの正面図を示す。
【0057】
図9は、フレーム10の底面24のアンダーカット26を説明する、図8の点付きの円部分の分解図を示す。
【0058】
図10Aは、フレーム10にインターロックしているウエルまたはチューブ34の断面図を示し、チューブ/ウエル34の側部に位置するラグ39とインターロックしているフレーム10のチムニー37を表す。この図には、スカート20およびリップ42も示されている。
【0059】
図10Bは、フレーム10を伴わずに表したチューブ34の斜視図を示し、チムニー37およびラグ39を示す。
【0060】
図10Cは、フレーム10を伴わずに表したチューブ/ウエル34の断面図を示し、チムニー37およびラグ39を含むフレームインターロック部分を示す。
【0061】
図11は、点付きの円部分がそのフレーム部分10の縁部28を表す、図7のマルチウエルプレートの上面斜視図を示す。
【0062】
図12は、そのフレーム部分10の表現縁部28を説明する、図11の点付きの円部分の分解図を示す。
【0063】
図13は、孔14に挿入されたチューブ34を有し、底面24に直線列状配設したセグメント化された破断特徴30のアレイを表し、2つの切れ目22の間に延在する、図7のマルチウエルプレート32の底面図を示し、各切れ目22は、フレーム10の互いの対向側に位置する。
【0064】
図14は、例示的な実施形態による、1つのチューブストリップまたはウエルストリップ44をそこから切り離した、図7に示すマルチウエルプレート32の斜視図を示す。
【0065】
図15は、例示的な実施形態による、図7および図14に示すようにマルチウエルプレート32から切り離したまたは分割した、1つのチューブストリップ44(代替的に、本明細書では、ウエルストリップ44とも称される)の斜視図を表す。チューブストリップ44は、チューブ34の例示的な頂部分またはリム36を表す。38は、チューブ34の底部分および複数の切り離し縁部40を表す。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、滑らかな縁部である。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、ギザギザでない。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、ザラザラしていない。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、商業的に入手可能である他の分割可能または切り離し可能なプレートと比較して、鋭い縁部を大幅に低減させているか、またはギザギザの縁部を大幅に低減させている。スカート20およびスカートリップ42は、チューブストリップ44の側縁部に見られる。
【0066】
図16Aおよび図16Bは、例示的な実施形態による、図15のチューブストリップ44の右側面図および左側面図をそれぞれ表し、いくつかある特徴の中でも特に切り離し縁部40、スカートリップ42、およびスカート20を示す。
【0067】
図17Aおよび図17Bは、例示的な実施形態による、図15のチューブストリップまたはウエルストリップの頂面図および底面図をそれぞれ表す。
【0068】
図18は、別の例示的な実施形態による、マルチウエルプレート32のフレーム部分10の斜視図を示す。図18は、スカート部分20がより短いこと、およびスカートリップ部分42がプレート32の4つの隅部だけに位置することを除いて、図1と非常に類似している。スカート20がより短く、リップ42が隅部だけに位置する場合の実施形態は、それらが、例えば、図1および図7に示す標準プロファイルのプレートスカート20と比較して、より短いスカート20を有するので、低プロファイルのプレートとして説明する。低プロファイルのプレートは、標準プロファイルのプレートと比較して、より小さい容積のチューブを収容する。
【0069】
図19は、円部分がフレーム10の底面24のアンダーカット26を表す、図18の低プロファイルのマルチウエルプレート32のフレーム部分10の正面図を示す。
【0070】
図20は、フレーム10の底面24のアンダーカット26を説明する、図18の点付きの円部分の分解図を示す。
【0071】
図21は、点付きの円部分がフレームの縁部28を表す、図18のマルチウエルプレート32のフレーム部分10の上面斜視図を示す。縁部28は、器具内のプレートの配向に有用である。
【0072】
図22は、フレーム10の表現縁部28を説明する、図21の点付きの円部分の分解図を示す。
【0073】
図23は、点付きの円部分がフレーム10の1つの破断特徴30を表す、図18のマルチウエルプレート32のフレーム部分10の底面図を示す。
【0074】
図24は、1つの例示的な実施形態による、図18に示す低プロファイルのスカート20付きのフレーム部分10、およびプレートの頂面12に位置する孔14に挿入されたチューブまたはウエル34示す、マルチウエルプレートの斜視図を示す。
【0075】
図25は、点付きの円部分がフレーム10の底面24のアンダーカット26を表す、図24のマルチウエルプレート32の正面図を示す。
【0076】
図26は、フレーム10の底面24のアンダーカット26を説明する、図25の点付きの円部分の分解図を示す。
【0077】
図27Aは、フレーム10にインターロックしているチューブ/ウエル34を示す低プロファイルのマルチウエルプレートの断面図を示し、ラグ39と称されるチューブ/ウエルの一部分とインターロックしている、チムニー37と称されるフレームの一部分をさらに表す。
【0078】
図27Bは、フレーム10を伴わずに表したチューブ34の斜視図を示し、チムニー37およびラグ39を示す。
【0079】
図27Cは、フレーム10を伴わずに表したチューブ/ウエル34の断面図を示し、チムニー37およびラグ39を含むフレームインターロック部分を示す。
【0080】
図28は、点付きの円部分がそのフレーム部分10上の縁部28を表す、図24のマルチウエルプレート32の上面斜視図を示す。
【0081】
図29は、そのフレーム部分10上の縁部28を説明する、図28の点付きの円部分の分解図を示す。
【0082】
図30は、その上に直線列状配設したセグメント化された破断特徴30のアレイを表す、図24のマルチウエルプレート32の底面図を示す。
【0083】
図31は、例示的な実施形態による、1つのチューブストリップ44をそこから切り離した、図24に示すマルチウエルプレート32の斜視図を示す。
【0084】
図32は、例示的な実施形態による、図24および図31に示すマルチウエルプレート32から切り離したまたは分割した、1つのチューブストリップ44の斜視図を表す。このチューブストリップ44は、低プロファイルのチューブストリップであり、より短いスカート20を有し、また、プレートフレームの4つの隅部に位置するスカートリップ42だけを有する低プロファイルのマルチウエルプレートに由来するので、スカートリップ部分を含まない。
【0085】
図33Aおよび図33Bは、例示的な実施形態による、図32のチューブストリップまたはウエルストリップ44の右側面図および左側面図をそれぞれ表し、また、切り離し縁部40を表す。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、滑らかな縁部である。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、ギザギザでない。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、ザラザラしていない。いくつかの実施形態では、切り離し縁部40は、商業的に入手可能である他の分割可能または切り離し可能なプレートと比較して、鋭い縁部を大幅に低減させているか、またはギザギザの縁部を大幅に低減させている。
【0086】
図34Aおよび図34Bは、例示的な実施形態による、図32のチューブストリップまたはウエルストリップ44の頂面図および底面図をそれぞれ表す。
【0087】
広義に説明されている本発明の範囲から逸脱することなく、多数の変更および/または修正が、具体的な実施形態において示されるように、本発明に行われ得ることが、当業者によって認識されるであろう。例えば、リッドプレートの開口部のサイズおよび数は、必要性に従って変更され得る。本実施形態は、すべての点において、例示的なものであって限定的なものではないとみなされるべきである。
本発明のその他の実施態様を以下に記載する。
〔実施形態1〕
マルチウエルプレートであって、
第1の材料で作製されたフレームであって、前記フレームが、平坦な頂面を有し、前記頂面には、列状パターンで配設された複数の孔のアレイを有し、前記フレームが、前記複数の孔の前記列状パターンと交互する列状パターンで配設された、セグメント化された破断特徴のアレイをさらに備える、フレームと、
第2の材料で作製された複数のウエルであって、前記ウエルが、前記フレームの前記頂面の複数の孔に配置される、複数のウエルと、を備え、
前記マルチウエルプレートが、前記セグメント化された破断特徴の中央に沿って、マルチウエルストリップの1つ以上の列に手動で分割可能である、マルチウエルプレート。
〔実施形態2〕
前記マルチウエルプレートが、前記セグメント化された破断特徴の前記中央に沿って、マルチウエルストリップの複数の単一の列に手動で分割可能である、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態3〕
前記マルチウエルプレートを手動で分割することが、低減された鋭い縁部を有するマルチウエルストリップの1つ以上の列をもたらす、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態4〕
前記マルチウエルプレートを手動で分割することが、鋭い縁部を有しないマルチウエルストリップの1つ以上の列をもたらす、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態5〕
前記セグメント化された破断特徴が、前記フレームの前記頂面から前記フレームの底面を通って延在する花弁形状の切れ目のアレイと、前記フレーム部分の底面の一連のアンダーカットであって、前記花弁形状の切れ目と交互するように配設された、一連のアンダーカットと、を備える、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態6〕
前記アンダーカットが、V字形状のアンダーカットである、実施形態5に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態7〕
前記フレームに位置するチムニーが、前記ウエルの側面に位置するラグとインターロックする、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態8〕
前記第1の材料が、ポリカーボネートを含み、前記第2の材料が、ポリプロピレンを含む、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態9〕
前記ウエルが、形状ロック接続を利用して、前記フレームに直接成形される、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態10〕
前記フレームが、前記プレートの外周全体を取り巻くスカートをさらに備える、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態11〕
前記フレームが、前記プレートの4つの隅部に位置するスカートをさらに備える、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態12〕
24個、48個、96個、384個、または1536個のウエルを備える、実施形態1に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態13〕
96個のウエルを備える、実施形態11に記載のマルチウエルプレート。
〔実施形態14〕
前記プレートが、8チューブストリップの1つ以上の列に、または8チューブストリップの少なくとも1つの列を備えるセグメントに、手動で分割することができる、実施形態11に記載のマルチウエルプレート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図27C
図28
図29
図30
図31
図32
図33A
図33B
図34A
図34B