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特開2025-2296情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002296
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20241226BHJP
   G01C 21/32 20060101ALI20241226BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20241226BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G01C21/32
G01C21/34
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102371
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直人
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HD16
2F129AA02
2F129AA03
2F129AA11
2F129BB03
2F129BB15
2F129DD29
2F129DD39
2F129EE52
2F129EE94
2F129GG17
2F129HH25
(57)【要約】
【課題】複数のサービスごとに適切に空間の各位置に関するフラグ情報を設定することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】環境情報取得部は、3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得する。領域情報生成部は、環境情報を用いて、環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する。領域情報は、環境の3次元空間を区分することにより環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する領域情報生成手段と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記領域情報生成手段は、前記移動体の前記領域それぞれにおける通行可能状況に関する通行可能状況レイヤについて、前記複数の領域ごとに、前記領域を前記移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記領域情報生成手段は、複数の前記通行可能状況レイヤのそれぞれについて、前記領域を前記移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記領域情報生成手段は、複数の前記通行可能状況レイヤに関する前記領域の位置が互いに重なる場合に、複数の前記通行可能状況レイヤに関する当該領域に関する前記フラグ情報それぞれに対し、一方の前記フラグ情報について、前記移動体が当該領域を通行することが可能であると決定し、他方の前記フラグ情報について、前記移動体が当該領域を通行することが不可であると決定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記領域情報生成手段は、前記環境を通行する複数の前記移動体の通行を管理する通行管理レイヤについて、複数の前記移動体のうちの少なくとも1つの移動体が前記領域を通行するか否かを示す通行情報に基づいて、前記領域に対応する前記フラグ情報を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記領域情報生成手段は、前記通行管理レイヤについて、少なくとも1つの前記移動体が前記領域を通行することを前記通行情報が示す場合に、当該移動体以外の移動体の通行を不可とするように、前記フラグ情報を決定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記領域情報生成手段は、第1の移動体に対して、当該第1の移動体の使用形態に応じて互いに異なる複数の前記レイヤそれぞれについて前記領域情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記複数のレイヤごとに生成された複数の前記領域情報における前記フラグ情報に基づいて、前記環境において前記移動体が移動する経路を生成するための処理を行う経路処理手段、
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得し、
前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する、
情報処理方法。
【請求項10】
3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得するステップと、
前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、運航管理システムを開示する。特許文献1にかかる運航管理システムは、空域情報に基づいて、移動体の運航計画と、運航計画で利用する空域の組み合わせとを対応付けて管理する。また、特許文献1にかかる運航管理システムは、空域情報と対応付けとに基づいて、複数の運航計画間における空域の競合または干渉を少なくとも検知し、検知結果に基づいて運航計画の承認または否認を行う。空域情報は、その空域の座標情報、利用可能かどうか、どの運航計画によって利用されるか、の情報を含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/012713号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体は、様々なサービスで利用され得る。これに対し、特許文献1にかかる空域情報は、単に、空域を利用可能かどうかを示すのみである。すなわち、特許文献1にかかる空域情報は、複数のサービスごとに、空域を利用可能か否かを示す情報が対応付けられていない。したがって、特許文献1にかかる技術では、複数のサービスごとに適切に空間の各位置の利用可又は利用不可を示すフラグ情報を設定することができないおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、複数のサービスごとに適切に空間の各位置に関するフラグ情報を設定することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる情報処理装置は、3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する領域情報生成手段と、を有する。
【0007】
本開示にかかる情報処理方法は、3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得し、前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する。
【0008】
本開示にかかるプログラムは、3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得するステップと、前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数のサービスごとに適切に空間の各位置に関するフラグ情報を設定することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示にかかる情報処理装置の構成を示す図である。
図2】本開示にかかる情報処理装置によって実行される情報処理方法を示すフローチャートである。
図3】本開示にかかるデータ構造を例示する図である。
図4】本開示にかかるデータ構造が環境に配置された状態を例示する図である。
図5】本開示にかかる移動体の運用例を説明するための図である。
図6】本開示にかかる管理システムの構成を示す図である。
図7】本開示にかかる情報処理装置の構成を示す図である。
図8】本開示にかかる情報処理装置によって実行される処理の例を示すフローチャートである。
図9】本開示にかかるデータ構造を用いたサービスの例について説明するための図である。
図10】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図11】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図12】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図13】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図14】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図15】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図16】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図17】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図18】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図19】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図20】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図21】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
図22】本開示にかかる具体例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、以下、図面を用いて説明するが、ある実施の形態の説明で使用される図面は、その実施の形態のみに適用されるわけではない。各図面は、全ての実施の形態に適用され得る。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本開示にかかる情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、環境情報取得部12と、領域情報生成部14とを有する。環境情報取得部12は、環境情報取得手段としての機能を有する。領域情報生成部14は、領域情報生成手段としての機能を有する。情報処理装置1は、これらの構成要素により、3次元空間の環境を移動する移動体を管理するための領域情報を生成する。
【0013】
情報処理装置1は、コンピュータによって実現され得る。情報処理装置1は、例えば、クラウドコンピューティングによって実現され得る。また、情報処理装置1は、例えば、互いに通信可能に接続された複数のコンピュータによって実現され得る。また、情報処理装置1の各構成要素が複数のコンピュータに分散されて実現されるようにしてもよい。つまり、環境情報取得部12を実現するコンピュータと、領域情報生成部14を実現するコンピュータとが、物理的に別個であってもよい。また、複数の構成要素それぞれの機能が、複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0014】
本開示において、環境は、実空間の環境であってもよいし、仮想空間の環境であってもよい。また、環境は、デジタルツイン等の技術によって実空間の環境が仮想空間に再現された環境であってもよい。
【0015】
本開示において、移動体は、3次元空間の環境を自律的に移動する物体であってもよい。また、移動体は、ユーザの操作によって3次元空間の環境を移動する物体であってもよい。また、移動体は、空中を飛行する飛行体であってもよい。また、移動体は、地上を走行する車両等であってもよい。また、移動体は、地上を移動するロボット等であってもよい。移動体は、例えば、ドローン、UGV(Unmanned Aerial Vehicle)、UAV(Unmanned Ground Vehicle)、又はROV(Remotely Operated Vehicle)であってもよい。また、移動体は、移動端末等の、人間が携帯することによって移動する物体であってもよい。
【0016】
図2は、本開示にかかる情報処理装置1によって実行される情報処理方法を示すフローチャートである。環境情報取得部12は、環境情報を取得する(ステップS10)。具体的には、環境情報取得部12は、3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得する。
【0017】
ここで、本開示において、環境情報は、例えば、環境における各位置に存在する物体を示してもよい。また、環境情報は、例えば、環境における各位置の状態を示してもよい。また、環境情報は、環境における各位置を移動体が通行することが許可されているか又は禁止されているかを示してもよい。
【0018】
また、環境情報は、例えば、スタティック情報であってもよいし、ダイナミック情報であってもよい。スタティック情報は、時間の経過とともに変化しない可能性が高い情報である。ダイナミック情報は、時間の経過とともに動的に変化する可能性がある情報である。スタティック情報は、例えば、3次元又は2次元の地図情報を含み得る。スタティック情報は、例えば、物体の配置を示す配置情報を含み得る。
【0019】
ダイナミック情報は、例えば、環境に配置された検出装置によって得られた検出情報を含み得る。また、ダイナミック情報は、例えば、環境を移動する移動体に備えられた検出装置によって得られた検出情報を含み得る。なお、検出装置は、例えば、センサ又はカメラ等であるが、これに限定されない。検出情報は、例えば、センサによって得られたセンサデータを含み得る。また、検出情報は、カメラによって撮影されて得られた画像データを含み得る。また、ダイナミック情報は、移動体の運行実績を示す運行実績情報を含み得る。運行実績情報は、移動体の移動軌跡を示し得る。つまり、運行実績情報は、移動体がいつどこを通行したかを示し得る。また、ダイナミック情報は、移動体の運行計画を示す運行計画情報を含み得る。運行計画情報は、移動体がいつどこを通行する予定であるかを示し得る。また、ダイナミック情報は、ウェブサイト上の情報であってもよい。また、ダイナミック情報は、環境に関する各種シミュレーション結果を含んでもよい。
【0020】
環境情報は、例えば、BIM(Building Information Modeling)情報又はCIM(Construction Information Modeling)情報を含み得る。また、環境情報は、例えば、CityGML(Generalized Markup Language)データを含み得る。また、環境情報は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)情報を含み得る。また、環境情報は、DIPS(Drone/UAS Information Platform System)情報を含み得る。また、環境情報は、気象情報等の、天候に関する情報を含み得る。また、環境情報は、空域情報等のように、ドローン等の通行禁止エリアを示す情報を含み得る。また、環境情報は、自動運転技術等で用いられるダイナミックマップを示す情報を含み得る。
【0021】
領域情報生成部14は、領域情報を生成する(ステップS12)。具体的には、領域情報生成部14は、環境情報を用いて、環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、領域情報を生成する。また、領域情報生成部14は、複数のレイヤそれぞれについて、複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する。
【0022】
本開示において、「領域情報」とは、環境における複数の領域それぞれに関する情報である。また、本開示において、「領域」とは、環境の3次元空間を区分することにより環境にメッシュ状に割り当てられた3次元の区画を意味する。つまり、領域は、環境にメッシュ状に割り当てられた3次元の区画に対応する。領域は、例えば、キューブ状であってもよいが、これに限定されない。領域は、環境の全体にわたって配置されてもよい。
【0023】
また、本開示において、「サービス」とは、移動体及び領域情報の活用目的に対応する。すなわち、サービスは、何らかの目的で、環境内で移動体を移動させることを含み得る。サービスは、活用目的に応じて異なり得る。また、サービスは、そのサービスで使用される移動体の種類に応じて異なり得る。また、サービスは、そのサービスで使用される移動体の使用形態に応じて異なり得る。サービスは、例えば、各領域における移動体の通行可能状況を提供するものであってもよい。また、サービスは、例えば、各領域における移動体による作業可能状況を提供するものであってもよい。また、サービスは、例えば、各領域の何らかの状況を提供するものであってもよい。また、サービスは、例えば、各領域における物体の配置状況を提供するものであってもよい。また、サービスは、例えば、各領域における設備を管理するためのものであってもよい。また、サービスは、各領域において複数の移動体の通行を管理するためのものであってもよい。また、サービスは、ユーザによって携帯される移動体を用いて、当該ユーザの移動を支援するものであってもよい。ユーザの移動を支援するサービスは、特に、視覚又は歩行機能等の身体機能の不自由なユーザに対するものであってもよい。
【0024】
また、本開示において、「レイヤ」は、サービスそれぞれに対応する階層構造に対応する。つまり、レイヤは、複数のサービスそれぞれごとに設けられ得る。また、各レイヤには、対応するサービスに関する複数の領域情報で構成されるデータ構造が設けられ得る。そして、同じ環境に、複数のレイヤが存在し得る。つまり、同じ環境で複数のサービスが提供され得るが、これらのサービスにそれぞれ対応する複数のレイヤが存在する。したがって、同じ環境に対して、複数のデータ構造が対応付けられ得る。
【0025】
また、領域情報は、各領域の位置を示す位置情報を含み得る。また、領域情報は、各領域の種類を示すフラグ情報を含み得る。領域情報生成部14は、環境情報を用いて、フラグ情報を決定する。また、領域情報は、各領域の属性を示す属性情報を含んでもよい。つまり、領域情報生成部14は、各領域の属性を示す属性情報を含む領域情報を示すデータ構造を生成してもよい。この場合、領域情報生成部14は、属性情報を用いて、フラグ情報を決定してもよい。また、領域情報は、各領域のサイズを示す情報を含んでもよい。
【0026】
ここで、「フラグ情報」は、各領域の種類を2値(0又は1)で示す情報である。フラグ情報は、各領域について、サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示す。例えば、フラグ情報は、「YES」又は「NO」を示してもよい。また、例えば、フラグ情報は、「OK」又は「NG」を示してもよい。また、例えば、フラグ情報は、「真」又は「偽」を示してもよい。また、例えば、フラグ情報は、「可」又は「不可」を示してもよい。また、例えば、フラグ情報は、「GO」又は「STOP」を示してもよい。また、例えば、フラグ情報は、「安全」又は「危険」を示してもよい。また、例えば、フラグ情報は、「有」又は「無」を示してもよい。
【0027】
また、本開示において、「属性情報」は、フラグ情報を決定するための根拠となる情報に対応する。属性情報は、対応する領域に関するフラグ情報を決定するために用いられる環境情報に対応する。また、属性情報は、フラグ情報に付随する付加情報に対応する。属性情報は、フラグ情報を決定するために用いられる環境情報を用いて生成されてもよい。また、属性情報は、フラグ情報を決定するために用いられる環境情報そのものであってもよい。属性情報が領域情報に含まれることによって、フラグ情報が決定された根拠を把握することができる。属性情報の例は後述する。
【0028】
また、本開示において、「データ構造」は、各領域に関する領域情報の集合に対応する。すなわち、データ構造は、複数の領域情報を含む。ここで、各領域は3次元空間に配置されているので、データ構造は、各領域の3次元空間の配置に対応させるように、複数の領域情報をそれぞれの位置に対応して仮想的に3次元に配置された構造であってもよい。
【0029】
図3は、本開示にかかるデータ構造を例示する図である。図3に例示するデータ構造50は、3次元空間であるXYZ座標系の仮想空間の環境に対して設けられている。データ構造50は、複数の領域情報52で構成されている。領域情報52は、環境における所定の範囲の3次元の区画である複数の領域それぞれについて、設けられている。そして、上述したように、環境において提供される複数のサービスそれぞれに対応する複数のレイヤごとに、図3に例示したデータ構造50が設けられる。なお、図3の例では、領域の形状は立方体(キューブ)であるが、領域の形状は、立方体に限定されない。領域の形状は、直方体であってもよいし、正四面体等の任意の多面体であってもよい。なお、説明の便宜上、図3に例示したデータ構造50は立体的に描かれているが、データ構造50を示すデータそのものは、実際には、仮想空間において図3に例示したような立体的な構造を再現できるようなデータであり得る。
【0030】
領域情報52は、識別情報と、位置情報と、領域サイズと、フラグ情報と、属性情報とを有する。識別情報は、識別子等の、対応する領域を識別するための情報である。位置情報は、絶対位置と、相対位置とを含む。絶対位置及び相対位置は、例えば、領域の中心の位置を示してもよい。なお、領域の中心は、例えば、領域の重心であってもよい。絶対位置は、例えば、領域の中心位置の緯度経度を示してもよい。絶対位置は、例えば、GPS(Global Positioning System)等による測位結果に対応する。相対位置は、領域の中心の、環境に設けられた基準点に対する相対的な位置を示す。相対位置は、例えば、領域の中心の、XYZ座標系の原点に対する相対的な位置、つまり、領域の中心の座標位置であってもよい。
【0031】
領域サイズは、領域のサイズを示す。領域サイズは、1つのレイヤに関するデータ構造50の全体において、同じであってもよいし、異なっていてもよい。領域サイズは、例えば、領域の各辺の長さを示してもよい。領域の形状が立方体(正六面体)である場合、領域サイズは、立方体の一辺の長さを示してもよい。また、領域サイズは、領域の容積を示してもよい。ここで、領域サイズは、サービスに応じて異なり得る。つまり、領域サイズは、レイヤごとに異なり得る。例えば、工場内で搬入された物品の位置及び積み上げ高さを提供するようなサービスでは、領域サイズは、1m程度であってもよい。また、例えば、上空の風の強さを提供するようなサービスでは、領域サイズは、100m~1km程度であってもよい。また、例えば、鉄道の架橋下を通行するための通行可能スペースを提供するようなサービスでは、領域サイズは、0.25m程度であってもよい。
【0032】
また、領域サイズは、サービスで使用される移動体に応じて異なり得る。例えば、移動体の大きさが大きいほど、その移動体が使用されるサービスにおける領域サイズは大きくてもよい。また、例えば、移動体としてドローンが使用されるサービスと、移動体として搬送用ロボットが使用されるサービスとでは、領域サイズは大きく異なり得る。すなわち、搬送用ロボットは細かく移動することが求められるため、搬送用ロボットが障害物まで接近できる距離は、比較的短い。一方、ドローンは細かく移動することが困難であり衝突時のリスクが高いため、ドローンが障害物まで接近できる距離は、比較的長い。したがって、移動体としてドローンが使用されるサービスと比較して、移動体として搬送用ロボットが使用されるサービスにおける領域サイズは小さくてもよい。例えば、搬送用ロボットが使用されるサービスでは、領域サイズは、20cm程度であってもよい。例えば、ドローンが使用されるサービスでは、領域サイズは、100m程度であってもよい。
【0033】
このように、サービスに応じて領域サイズが設定されることによって、サービスごとに適切に移動体の動作を管理することができる。また、領域サイズが大きくてもよいのに領域サイズを小さくすると、領域の数が無駄に多くなってしまい、コンピュータリソースを無駄に使用することになるおそれがある。これに対し、サービスに応じて領域サイズが設定されることによって、効率的にコンピュータリソースを使用することができる。
【0034】
属性情報は、複数の属性情報で構成され得る。図3の例では、領域情報52は、属性情報A、属性情報B、属性情報C、・・・、属性情報Zを含み得る。上述したように、属性情報は、フラグ情報を決定するための根拠となる情報に対応する。例えば、領域情報52が3つの属性情報A、属性情報B及び属性情報Cを含む場合、領域情報52のフラグ情報は、3つの属性情報A、属性情報B及び属性情報Cに基づいて、決定され得る。領域情報生成部14は、環境情報を用いて属性情報を生成してもよい。また、領域情報生成部14は、環境情報が変化した場合に属性情報を更新してもよい。
【0035】
また、上述したように、フラグ情報は、各領域について、サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示す、2値の情報である。フラグ情報は、「0」又は「1」の情報であってもよい。この場合、例えば、「0」がサービスごとに予め定められた事項を肯定することを示し、「1」がサービスごとに予め定められた事項を否定することを示してもよい。領域情報生成部14は、属性情報に応じてフラグ情報を決定してもよい。また、領域情報生成部14は、属性情報が更新されることに応じてフラグ情報を更新してもよい。
【0036】
ここで、領域情報及びデータ構造は、上述した地図情報のサブセットとして機能する。つまり、領域情報及びデータ構造は、地図情報の内容を補完するものであり得る。すなわち、地図情報はスタティック情報であるので、環境における変化を反映することが困難である。これに対し、領域情報に含まれるフラグ情報は、環境における変化に応じて更新され得る。したがって、地図情報に、領域情報で構成されるデータ構造を適用することによって、移動体の運行をより適切に支援することが可能となる。
【0037】
また、データ構造において、領域情報及びそれに関する領域は、この領域情報に対応するフラグ情報の値に応じて、2種類に分類できる。例えば、フラグ情報が「通行可能」又は「通行不可」と決定される場合、領域情報及びそれに関する領域は、そのフラグ情報が「通行可能」であるもの、又は、フラグ情報が「通行不可」であるものに分類され得る。したがって、フラグ情報は、対応する領域情報及びそれに関する領域の種類を規定するものであるといえる。したがって、データ構造は、2種類の領域情報で構成されているといえる。このような簡単な構造であるデータ構造を用いることで、効率的に、スタティックな地図情報を補完するダイナミックな情報を実現することが可能となる。
【0038】
また、移動体の運行を管理する際に、領域情報における2値の情報であるフラグ情報のみを参照すれば、各領域において移動体をどう運行すべきかを管理することができる。言い換えると、領域情報において、対応する領域に対して移動体がどう運行すべきかに関わるのは、2値の情報であるフラグ情報のみであり得る。このように、2値情報であるフラグ情報を用いて移動体の運行を管理することによって、計算負荷を削減することが可能となる。したがって、効率的に、移動体の運行を管理することが可能となる。さらに、フラグ情報を更新することによって、現在の環境の状況に応じて移動体を運行することができる。したがって、より精度よく移動体の運行を管理することが可能となる。
【0039】
図4は、本開示にかかるデータ構造が環境に配置された状態を例示する図である。図4の例では、データ構造50A,50B,50C,50Dが、実空間である環境に仮想的に配置されている。なお、データ構造50A,50B,50C,50Dは、同じ1つのレイヤに割り当てられていてもよい。この場合、データ構造50A,50B,50C,50Dは、1つのデータ構造50のうちの一部である。また、この場合、図4には環境の一部にデータ構造が配置されているように見えるが、実際には、データ構造は、環境の全体に配置され得る。
【0040】
例えば、データ構造50A,50B,50C,50Dは、ドローン等の飛行体である移動体の各領域の通行可能状況に関するサービスのレイヤに割り当てられ得る。この場合、データ構造50Aは、建物60Aの周囲に割り当てられている。データ構造50Aにおいて、破線で示された領域情報52AAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52ABは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52ABに対応する領域は、建物60Aが存在する領域であるか、あるいは、建物60Aの近傍の、移動体が建物60Aに接触するおそれがあるような領域である。一方、領域情報52AAに対応する領域は、移動体が建物60Aに接触する可能性が極めて低い領域である。
【0041】
データ構造50Bは、複数の建物60Bの周囲に割り当てられている。データ構造50Bにおいて、破線で示された領域情報52BAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52BBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52BBに対応する領域は、建物60Bが存在する領域であるか、あるいは、建物60Bの近傍の、移動体が建物60Bに接触するおそれがあるような領域である。一方、領域情報52BAに対応する領域は、移動体が建物60Bに接触する可能性が極めて低い領域である。
【0042】
データ構造50Cは、樹木60Cの周囲に割り当てられている。データ構造50Cにおいて、破線で示された領域情報52CAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52CBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52CBに対応する領域は、樹木60Cが存在する領域であるか、あるいは、樹木60Cの近傍の、移動体が樹木60Cに接触するおそれがあるような領域である。一方、領域情報52CAに対応する領域は、移動体が樹木60Cに接触する可能性が極めて低い領域である。
【0043】
データ構造50Dは、航空機60Dの周囲に割り当てられている。データ構造50Dにおいて、実線で示された領域情報52DBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52DBに対応する領域は、航空機60Dが存在する領域であるか、あるいは、航空機60Dの近傍の、移動体が航空機60Dの運行の妨げとなるおそれがあるような領域である。
【0044】
移動体は、図4に例示されたデータ構造50,50B,50C,50Dを用いて、安全に通行することができる。すなわち、移動体は、「通行可能」を示すフラグ情報を有する領域情報52に対応する領域を通行すれば、安全に通行することができる。言い換えると、移動体は、「通行不可」を示すフラグ情報を有する領域情報52に対応する領域を通行しないようにすればよい。あるいは、移動体が「通行不可」を示すフラグ情報を有する領域情報52に対応する領域を通行してしまった場合に、何らかの通知が出力されるようにすればよい。このようにして、本開示にかかる情報処理装置1は、移動体の運行を支援することができる。さらに、上述したように、環境の変化に応じてフラグ情報が更新されることによって、移動体が通行できる領域を、動的にデータ構造50に反映することができる。したがって、環境が変化しても、データ構造50を用いて移動体の運行を支援することができる。
【0045】
なお、データ構造50A,50B,50C,50Dは、互いに異なるレイヤに割り当てられていてもよい。この場合、仮想空間に配置されたデータ構造50A,50B,50C,50Dは、互いに重なり合っていてもよい。つまり、環境における各位置には、互いに異なるデータ構造50に含まれる領域情報52に対応する領域が配置され得る。例えば、データ構造50A及びデータ構造50Bが互いに重なり合っていてもよい。また、ある1つの移動体が、複数のレイヤに属してもよい。この場合、1つの移動体が、建物60Aの近傍ではデータ構造50Aに応じて運行し、建物60Bの近傍ではデータ構造50Bに応じて運行してもよい。
【0046】
図5は、本開示にかかる移動体の運用例を説明するための図である。図5には、データ構造50E,50Fが示されている。データ構造50Eは、ドローン等の飛行体である移動体40Xの通行可能状況に関するサービスのレイヤに割り当てられ得る。データ構造50Eにおいて、破線で示された領域情報52EAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52EBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52EBに対応する領域は、建物が存在する領域であるか、あるいは、建物の近傍の、移動体40Xが建物に接触するおそれがあるような領域である。一方、領域情報52EAに対応する領域は、移動体40Xが建物に接触する可能性が極めて低い領域である。
【0047】
データ構造50Fは、道路を通行する移動体40Yの通行可能状況に関するサービスのレイヤに割り当てられ得る。データ構造50Fにおいて、破線で示された領域情報52FAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52FBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52FBに対応する領域は、障害物が存在する領域であるか、あるいは、障害物の近傍の、移動体40Yが障害物に接触するおそれがあるような領域である。一方、領域情報52FAに対応する領域は、移動体40Yが障害物に接触する可能性が極めて低い領域である。
【0048】
この場合において、移動体40Xの移動経路が、図5に例示する経路PtXのように生成され得る。また、移動体40Yの移動経路が、図5に例示する経路PtYのように生成され得る。ここで、経路PtXは、領域情報52EAに対応する領域を通過している。また、経路PtYは、領域情報52FAに対応する領域を通過している。このようにして移動体の経路を生成することによって、移動体が安全に通行できる経路を生成することができる。
【0049】
また、図5のように、環境において複数のデータ構造50E,50Fが互いに重なり合っている場合、それぞれの領域情報52のフラグ情報を調整することで、移動体40Xと移動体40Yとが衝突することを抑制することができる。言い換えると、環境に対して複数のレイヤが設けられている場合、それぞれのデータ構造50の領域情報52のフラグ情報を調整することで、それぞれのレイヤに属する移動体が衝突することを抑制することができる。すなわち、データ構造50Fにおいて「通行可能」を示すフラグ情報を含む領域情報52Fに関する領域に対応する位置の領域について、データ構造50Eに含まれる領域情報52Eに含まれるフラグ情報が、「通行不可」を示すようにしてもよい。これにより、移動体40Xは、移動体40Yが通行可能な領域を通行できなくなり得る。したがって、移動体40Xが移動体40Yと衝突することが、抑制される。
【0050】
ここで、情報処理装置1は、フラグ情報に基づいて、環境において移動体が移動する経路を生成するための処理を行ってもよい。具体的には、情報処理装置1は、「通行可能」を示すフラグ情報を有する領域情報52に対応する領域を通行するように、移動体の移動経路を生成してもよい。言い換えると、情報処理装置1は、「通行不可」を示すフラグ情報を有する領域情報52に対応する領域を通行しないように、移動体の移動経路を生成してもよい。情報処理装置1は、上記のような機能を有する経路処理部を有してもよい。すなわち、経路処理部は、フラグ情報に基づいて、環境において移動体が移動する経路を生成するための処理を行う。
【0051】
また、経路処理部は、複数のレイヤごとに生成された複数の領域情報におけるフラグ情報に基づいて、環境において移動体が移動する経路を生成するための処理を行ってもよい。具体的には、あるレイヤに属する移動体の経路を生成する場合を考える。この場合、経路処理部は、そのレイヤに関する領域情報におけるフラグ情報が「通行可能」を示し、他のレイヤに関する領域情報におけるフラグ情報が「通行不可」を示すような領域を通行するような移動経路を生成してもよい。図5の例で経路PtXを生成する場合、経路処理部は、データ構造50Eにおける領域情報52のフラグ情報が「通行可能」を示し、データ構造50Fにおける領域情報52のフラグ情報が「通行不可」を示すような領域を通行するように、経路PtXを生成する。これにより、他の移動体との衝突が抑制された経路を生成することが可能となる。
【0052】
また、例えば、各領域における移動体の通行可能状況に関するサービスでは、フラグ情報は、「通行可能」又は「通行不可」を示し得る。つまり、領域情報生成部14は、移動体の領域それぞれにおける通行可能状況に関する通行可能状況レイヤについて、複数の領域ごとに、領域を移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定してもよい。通行可能状況レイヤに対応するサービスで使用される移動体は、「通行可能」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域を通行することが可能である。一方、通行可能状況レイヤに対応するサービスで使用される移動体は、「通行不可」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域を通行することができなくなり得る。
【0053】
ここで、ある環境において異種の移動体が移動することを想定する。この場合、それぞれの移動体が互いに異なる通行可能状況レイヤに属するとしてもよい。そして、領域情報生成部14は、複数の通行可能状況レイヤのそれぞれについて、領域を移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定してもよい。例えば、1つ以上の第1の移動体が第1の通行可能状況レイヤに属し、第1の移動体とは異なる1つ以上の第2の移動体が第2の通行可能状況レイヤに属するとする。この場合、領域情報生成部14は、第1の通行可能状況レイヤと第2の通行可能状況レイヤとのそれぞれについて、領域を移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定してもよい。
【0054】
また、複数の通行可能状況レイヤに関する領域の位置が互いに重なる場合に、領域情報生成部14は、以下のような処理を行ってもよい。すなわち、領域情報生成部14は、複数の通行可能状況レイヤに関する当該領域に関するフラグ情報それぞれに対し、一方のフラグ情報について、移動体が当該領域を通行することが可能であると決定してもよい。これに対し、領域情報生成部14は、他方のフラグ情報について、移動体が当該領域を通行することが不可であると決定してもよい。例えば、第1の通行可能状況レイヤに関する領域の位置と第2の通行可能状況レイヤに関する領域の位置とが重なるとする。この場合、領域情報生成部14は、第1の通行可能状況レイヤに関する当該領域のフラグ情報と第2の通行可能状況レイヤに関する当該領域のフラグ情報とのうちの一方を、「通行可能」を示すように決定してもよい。そして、領域情報生成部14は、上記のフラグ情報のうちの他方を、「通行不可」を示すように決定してもよい。
【0055】
図5の例において、データ構造50Eに関する領域の位置と、データ構造50Fに関する領域の位置とが重なるとする。この場合、領域情報生成部14は、データ構造50Eにおけるその位置に関する領域に対応するフラグ情報を「通行可能」と決定し、データ構造50Fにおけるその位置に関する領域に対応するフラグ情報を「通行不可」と決定してもよい。あるいは、領域情報生成部14は、データ構造50Eにおけるその位置に関する領域に対応するフラグ情報を「通行不可」と決定し、データ構造50Fにおけるその位置に関する領域に対応するフラグ情報を「通行可能」と決定してもよい。
【0056】
複数の通行可能状況レイヤに関する領域の位置が互いに重なる場合に、領域情報生成部14が上記のようにしてフラグ情報を決定することにより、異なる通行可能状況エリアに属する移動体同士が衝突することを抑制することができる。このように、複数のレイヤを連携することによって、より適切に、移動体を運用することが可能となる。
【0057】
また、例えば、各領域における移動体による作業可能状況に関するサービスでは、フラグ情報は、「作業可能」又は「作業不可」を示し得る。つまり、領域情報生成部14は、移動体の領域それぞれにおける作業可能状況に関する作業可能状況レイヤについて、複数の領域ごとに、移動体を用いて行われる作業が可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定してもよい。作業可能状況レイヤに対応するサービスで使用される移動体は、「作業可能」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域で作業を行うことが可能である。一方、作業可能状況レイヤに対応するサービスで使用される移動体は、「作業不可」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域で作業を行うことができなくなり得る。
【0058】
また、例えば、各領域における物体の配置状況に関するサービスでは、フラグ情報は、「設備有」又は「設備無」を示し得る。つまり、領域情報生成部14は、領域それぞれにおける設備の管理に関する設備管理レイヤについて、移動体が移動する環境における複数の領域ごとに、領域に設備が配置されているか又は配置されていないかを示すフラグ情報を決定してもよい。設備管理レイヤに対応するサービスについて、「設備有」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域には、そのサービスに関する設備が存在する。一方、設備管理レイヤに対応するサービスについて、「設備無」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域には、そのサービスに関する設備が存在しない。
【0059】
また、例えば、各領域における設備を管理するサービスでは、フラグ情報は、「点検済」又は「点検未」を示し得る。つまり、領域情報生成部14は、領域それぞれにおける設備の管理に関する設備管理レイヤについて、設備が点検済みであるか又は未だ点検されていないかを示すフラグ情報を決定してもよい。「点検済」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域に配置された設備は点検済みである。一方、「点検未」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域に配置された設備は未だ点検されていない。
【0060】
また、例えば、各領域において複数の移動体の通行を管理するサービスでは、フラグ情報は、「通行可能」又は「通行不可」を示し得る。つまり、領域情報生成部14は、環境を通行する複数の移動体の通行を管理する通行管理レイヤについて、複数の移動体のうちの任意の移動体が領域を通行するか否かを示す通行情報に基づいて、領域に対応するフラグ情報を決定してもよい。さらに、領域情報生成部14は、通行情報が任意の移動体が領域を通行することを示す場合に、当該移動体以外の移動体が当該領域を通行することを不可とするように、フラグ情報を決定してもよい。通行管理レイヤに対応するサービスで使用される移動体は、「通行可能」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域を通行することが可能である。一方、通行管理レイヤに対応するサービスで使用される移動体は、「通行不可」を示すフラグ情報を含む領域情報に関する領域を通行することができなくなり得る。これにより、通行管理レイヤにかかる領域情報に対応する領域において、複数の移動体が互いに衝突することを抑制することができる。したがって、移動体を円滑に管理することが可能となる。
【0061】
また、上述したように、1つの移動体が、複数のレイヤに属してもよい。この場合、領域情報生成部14は、第1の移動体に対して、当該第1の移動体の使用形態に応じて互いに異なる複数のレイヤそれぞれについて領域情報を生成してもよい。例えば、図4の例において、飛行体である第1の移動体が、データ構造50Aに関するレイヤと、データ構造50Dに関するレイヤとに属するとする。そして、データ構造50Aに関する第1のレイヤでは、通行可能状況に関するサービスが提供され、データ構造50Dに関する第2のレイヤでは、着陸可能状況に関するサービスが提供されるとする。この場合、第1の移動体は、第1のレイヤについてデータ構造50Aに応じて空中を通行可能な領域を通行してもよい。そして、第1の移動体は、第2のレイヤについてデータ構造50Dに応じて着陸可能な領域に着陸してもよい。このような構成により、1つの移動体を複数のサービスで使用する場合でも、適切に、それぞれのサービスで移動体を運用することが可能となる。
【0062】
また、領域情報生成部14は、ある移動体を運用する際に、他の移動体の移動経路計画を使用して、フラグ情報を決定してもよい。具体的には、環境情報取得部12は、環境において移動体が移動する経路の計画である移動経路計画を、環境情報として取得してもよい。そして、領域情報生成部14は、移動経路計画に基づいて、当該移動経路計画に関する移動体以外の移動体が領域を通行することが可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定してもよい。具体的には、図5の例で、環境情報取得部12は、移動体40Yの移動経路計画を取得してもよい。そして、領域情報生成部14は、移動体40Yの移動経路計画に基づいて、移動体40Xに関するフラグ情報を決定してもよい。例えば、移動経路計画が、移動体40Yが、ある時刻t1においてある位置P1を通行することを示しているとする。この場合、領域情報生成部14は、時刻t1では、移動体40Xに関するレイヤのデータ構造50Eにおける位置P1に対応する領域情報52のフラグ情報を、「通行不可」に決定してもよい。このような構成により、ある移動体の移動経路計画に基づいて、予め、その移動体が通行する位置を他の移動体が通行しないようにすることができる。したがって、移動体同士が衝突することを確実に抑制することができる。
【0063】
また、環境に配置される領域の数は、環境の大きさ及び領域サイズに応じて、膨大となる可能性がある。したがって、移動体を環境で運用しようとすると、計算負荷が膨大となるおそれがある。これに対し、本開示では、上述したように、データ構造50を構成する領域情報52が、2値のフラグ情報を含む。これにより、環境において移動体を運用する際に、領域情報52のフラグ情報に応じて、移動体の動作を管理すればよい。例えば、フラグ情報が「通行可能」又は「通行不可」を示す場合、「通行可能」を示すフラグ情報を含む領域情報52に対応する領域を移動体が通行するように、移動体を管理すればよい。これにより、計算負荷が増大することを抑制できる。
【0064】
また、本開示では、複数のサービスごとに、各領域に関するフラグ情報を含む領域情報で構成されるデータ構造が生成される。したがって、複数のサービスごとに適切に空間の各位置に関するフラグ情報を設定することが可能となる。
【0065】
さらに、本開示では、複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、異なる領域情報が生成される。したがって、複数のサービスごとに、各領域に異なるフラグ情報が設定される。これにより、複数のサービスを容易に連携することが可能となる。したがって、複数のサービスを連携して、より適切に移動体を運用及び管理することができる。
【0066】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。実施の形態2にかかるシステムは、上述した実施の形態1の具体例に対応する。
【0067】
図6は、本開示にかかる管理システム20の構成を示す図である。管理システム20は、主要なハードウェア構成として、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、インタフェース部28(IF;Interface)とを有する。制御部22、記憶部24、通信部26及びインタフェース部28は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0068】
制御部22は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部22は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。なお、制御部22は、複数のプロセッサを有してもよい。記憶部24は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部24は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部24は、制御部22によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。つまり、記憶部24(メモリ)は、1つ以上の命令を格納する。また、記憶部24は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部24は、データベースを含み得る。また、記憶部24は、複数のメモリを有してもよい。
【0069】
通信部26は、上記のハードウェア構成を有する装置が他の装置とネットワークを介して通信を行うために必要な処理を行う。通信部26は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部28(IF;Interface)は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部28は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部28は、例えばタッチスクリーン又はタッチパネルのように、入力装置と出力装置とが一体となるように構成されていてもよい。インタフェース部28は、オペレータ又は作業者等のユーザによるデータの入力の操作を受け付け、ユーザに対して情報を出力する。インタフェース部28は、移動体の管理に関する情報を出力してもよい。また、インタフェース部28は、データ構造50を示す情報を出力してもよい。
【0070】
また、管理システム20は、1つ以上の検出装置30と、1つ以上の移動体40と、情報処理装置100とを有する。検出装置30と、移動体40と、情報処理装置100とは、ネットワークを介して通信可能に接続されている。ネットワークは、例えば、無線ネットワークであってもよいし、有線ネットワークであってもよい。つまり、情報処理装置100は、検出装置30及び移動体40と、無線又は有線を介して接続されている。無線ネットワークは、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の通信回線規格を用いたネットワークであってもよいし、WiFi(登録商標)又はローカル5Gのような特定のエリアで用いるネットワークであってよい。有線ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)又は光ファイバ等であってもよい。
【0071】
情報処理装置100は、上述した情報処理装置1に対応する。検出装置30、移動体40及び情報処理装置100は、例えばコンピュータとしての機能を有する。したがって、検出装置30、移動体40及び情報処理装置100のそれぞれが、上述したハードウェア構成を有し得る。例えば、情報処理装置100が、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、インタフェース部28とを有し得る。また、後述する情報処理装置100の各構成要素は、上述したクラウドコンピューティング又は複数のコンピュータによって実現されてもよい。つまり、情報処理装置100は、複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0072】
検出装置30は、環境における様々な状態を検出する。検出装置30は、検出された状態を示す検出情報を、環境情報として、情報処理装置100に送信する。検出装置30は、例えば、環境に配置されていてもよい。また、例えば、検出装置30は、移動体40に設けられていてもよい。また、例えば、検出装置30は、インターネット等のネットワークを介して、ウェブサイトから、天候情報又は交通情報等の情報を検出してもよい。この場合、検出装置30は、検索エンジンを実現する装置であってもよい。また、検出装置30は、例えば、環境センサ等のセンサであってもよい。検出装置30は、例えば、カメラ等の撮像装置であってもよい。また、検出装置30は、LiDAR(Light Detection and Ranging)等の、周囲の物体までの距離を計測する測距機能を有してもよい。また、検出装置30は、GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球衛星航法システム)等の測位機能を有してもよい。検出装置30は、上述したダイナミック情報を、環境情報として検出してもよい。
【0073】
移動体40は、管理システム20によって管理され得る。言い換えると、管理システム20は、移動体40の運行を管理する。上述したように、移動体40は、環境を移動する物体である。上述したように、移動体40は、3次元空間の環境を自律的に移動する物体であってもよい。また、上述したように、移動体40は、ユーザの操作によって3次元空間の環境を移動する物体であってもよい。また、上述したように、移動体40は、空中を飛行する飛行体であってもよい。また、上述したように、移動体40は、地上を走行する車両等であってもよい。また、上述したように、移動体40は、地上を移動するロボット等であってもよい。また、上述したように、移動体40は、人間が携帯することによって移動する物体であってもよい。
【0074】
図7は、本開示にかかる情報処理装置100の構成を示す図である。図6の説明において上述したように、情報処理装置100は、ハードウェア構成として、図6に示した制御部22と、記憶部24と、通信部26と、インタフェース部28とを有してもよい。すなわち、図6では、管理システム20が、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、インタフェース部28とを有するように描かれているが、情報処理装置100が、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、インタフェース部28とを有してもよい。また、情報処理装置100は、構成要素として、環境情報取得部110と、領域情報生成部120と、領域情報格納部130と、管理部140と、経路処理部150と、情報出力部170とを有する。環境情報取得部110は、スタティック情報取得部112と、ダイナミック情報取得部114とを有する。領域情報生成部120は、領域設定部122と、領域情報構築部124と、属性情報生成部126と、フラグ情報決定部128とを有する。経路処理部150は、経路生成用データ変換部152と、経路生成用データ格納部154と、経路生成部160とを有する。情報処理装置100は、これらの構成要素により、複数のレイヤそれぞれについて、複数の領域情報を有するデータ構造を生成する。また、情報処理装置100は、これらの構成要素により、複数のレイヤに関するデータ構造を用いて、移動体40を管理する。また、情報処理装置100は、これらの構成要素により、複数のレイヤに関するデータ構造を用いて、移動体40の経路を生成する。
【0075】
なお、上述したように、情報処理装置100は、物理的に1つの装置で構成されている必要はない。この場合、上述した各構成要素は、物理的に別個の複数の装置によって実現されてもよい。
【0076】
環境情報取得部110は、環境情報取得手段としての機能を有する。スタティック情報取得部112は、スタティック情報取得手段としての機能を有する。ダイナミック情報取得部114は、ダイナミック情報取得手段としての機能を有する。領域情報生成部120は、領域情報生成手段としての機能を有する。領域設定部122は、領域設定手段としての機能を有する。領域情報構築部124は、領域情報構築手段としての機能を有する。属性情報生成部126は、属性情報生成手段としての機能を有する。フラグ情報決定部128は、フラグ情報決定手段としての機能を有する。領域情報格納部130は、領域情報格納手段としての機能を有する。管理部140は、管理手段としての機能を有する。経路処理部150は、経路処理手段としての機能を有する。経路生成用データ変換部152は、経路生成用データ変換手段としての機能を有する。経路生成用データ格納部154は、経路生成用データ格納手段としての機能を有する。経路生成部160は、経路生成手段としての機能を有する。情報出力部170は、情報出力手段としての機能を有する。
【0077】
なお、上述した各構成要素は、例えば、制御部22の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部24に格納されたプログラム(命令)を、制御部22が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。
【0078】
なお、図7に示した各構成要素は、クラウドコンピューティング又は複数のコンピュータによって実現されてもよい。この場合、クラウドコンピューティング又は複数のコンピュータによって実現される管理システム20によって、図7に示した各構成要素が実現されてもよい。
【0079】
環境情報取得部110は、上述した環境情報取得部12に対応する。環境情報取得部110は、上述したような、スタティック情報又はダイナミック情報である環境情報を取得する。環境情報取得部110は、通信部26によって実現されてもよい。
【0080】
スタティック情報取得部112は、上述したようなスタティック情報を、スタティック情報を提供する装置から取得する。スタティック情報取得部112は、検出装置30からスタティック情報を取得してもよい。スタティック情報取得部112は、例えば、3次元又は2次元の地図情報を、環境情報として取得してもよい。また、スタティック情報取得部112は、例えば、BIM情報、CIM情報又はCityGMLデータを、環境情報として取得してもよい。また、スタティック情報取得部112は、設備等の物体の配置を示す配置情報を、環境情報として取得してもよい。
【0081】
ダイナミック情報取得部114は、上述したようなダイナミック情報を、検出装置30から取得する。ダイナミック情報取得部114は、例えば、天候情報を、ダイナミック情報として取得してもよい。また、ダイナミック情報取得部114は、例えば、カメラ等である検出装置30から、環境が撮影された画像データを、ダイナミック情報として取得してもよい。また、ダイナミック情報取得部114は、例えば、センサ等である検出装置30から、センサデータを、ダイナミック情報として取得してもよい。また、ダイナミック情報取得部114は、例えば、移動体40の運行実績情報を、ダイナミック情報として取得してもよい。また、ダイナミック情報取得部114は、例えば、移動体40の移動経路計画(運行計画情報)を、ダイナミック情報として取得してもよい。
【0082】
領域情報生成部120は、上述した領域情報生成部14に対応する。領域情報生成部120は、領域情報生成部14と同様にして、環境情報を用いて、上述したような領域情報を生成する。つまり、領域情報生成部120は、環境情報を用いて、環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する。言い換えると、領域情報生成部120は、環境情報を用いて、複数のレイヤそれぞれについて、複数の領域それぞれの位置情報と、フラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する。また、領域情報生成部120は、環境情報の変化に応じて、フラグ情報を更新する。なお、領域情報生成部120は、上述したレイヤごとに、処理を行う。したがって、領域情報生成部120は、レイヤごとに、領域情報を生成する。また、領域情報生成部120は、レイヤごとに、フラグ情報を更新する。
【0083】
領域設定部122は、上述したような各サービスに適合するように、各サービスに対応するレイヤごとに、領域情報に関する設定を行う。領域設定部122は、例えば、ユーザがインタフェース部28を操作することによって、設定を行ってもよい。具体的には、領域設定部122は、データ構造の初期状態を設定する。また、領域設定部122は、各サービスに対応するレイヤを設定する。具体的には、領域設定部122は、各サービス及び各サービスで利用される移動体に応じて、レイヤを設定する。
【0084】
また、領域設定部122は、レイヤごとに、サービスに適した領域サイズを設定する。例えば、上述したように、比較的大きな移動体を用いたサービスについては、領域設定部122は、比較的大きな領域サイズを設定してもよい。また、例えば、上述したように、比較的大きな移動体を用いたサービスについては、領域設定部122は、比較的大きな領域サイズを設定してもよい。また、領域設定部122は、各領域の位置(絶対位置及び相対位置)を設定する。なお、領域設定部122は、地図情報等の環境情報を用いて、実環境における各位置に対応するように、各領域の位置(絶対位置及び相対位置)を設定してもよい。
【0085】
また、領域設定部122は、レイヤごとに、サービスに適したフラグ情報を設定する。つまり、領域設定部122は、レイヤごとに、フラグ情報の2値情報が何を示すのかを設定する。言い換えると、領域設定部122は、上述した、フラグ情報が肯定又は否定する事項を設定する。例えば、領域設定部122は、あるレイヤについては、フラグ情報が「YES」又は「NO」を示すと設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、あるレイヤについては、フラグ情報が「OK」又は「NG」を示すと設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、あるレイヤについては、フラグ情報が「真」又は「偽」を示すと設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、あるレイヤについては、フラグ情報が「可」又は「不可」を示すと設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、あるレイヤについては、フラグ情報が「GO」又は「STOP」を示すと設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、あるレイヤについては、フラグ情報が「安全」又は「危険」を示すと設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、あるレイヤについては、フラグ情報が「有」又は「無」を示すと設定してもよい。
【0086】
具体的には、領域設定部122は、上述した通行可能状況レイヤについては、フラグ情報が「通行可能」又は「通行不可」を示すと設定してもよい。また、領域設定部122は、上述した作業可能状況レイヤについては、フラグ情報が「作業可能」又は「作業不可」を示すと設定してもよい。また、領域設定部122は、上述した設備管理レイヤについては、フラグ情報が「設備有」又は「設備無」を示すと設定してもよい。また、領域設定部122は、ユーザの移動を支援するサービスに関するユーザ移動支援レイヤについて、フラグ情報が「移動容易」又は「移動困難」と設定してもよい。
【0087】
また、領域設定部122は、レイヤごとに、各領域それぞれに関するフラグ情報の値を決定するための属性情報を設定する。具体的には、領域設定部122は、レイヤごとに、どのような属性情報を領域情報に含めるかを設定する。例えば、領域設定部122は、道路を通行する移動体に関する通行可能状況レイヤについて、障害物情報、進入禁止情報、及び天候情報を、属性情報として設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、空中を飛行する移動体に関する通行可能状況レイヤについて、障害物情報、進入禁止情報、天候情報、及び空域情報を、属性情報として設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、海中を移動する移動体に関する通行可能状況レイヤについて、障害物情報、進入禁止情報、天候情報、及び海流情報を、属性情報として設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、ユーザ移動支援レイヤについて、障害物情報、進入禁止情報、音声情報、通路段差情報、及び通路勾配情報を、属性情報として設定してもよい。また、例えば、領域設定部122は、作業可能状況レイヤについて、物体情報、進入禁止情報、音声情報、通路段差情報、及び通路勾配情報を、属性情報として設定してもよい。
【0088】
なお、障害物情報は、環境に配置された、移動体又は移動体を携帯するユーザの移動を妨げ得る障害物の種類及びその障害物が配置された位置を示してもよい。つまり、障害物情報は、どこにどのような障害物があるかを示してもよい。障害物情報は、例えば、レイヤそれぞれについて、そのレイヤに属する移動体が進入できない建物に関する情報であってもよい。また、障害物情報は、例えば、建物における壁に関する情報であってもよい。また、障害物情報は、例えば、屋内に配置された机、椅子、植木、及び荷物等に関する情報であってもよい。また、障害物情報は、例えば、屋外において駐車中の自転車等に関する情報であってもよい。物体情報は、環境に配置された物体の種類及びその物体の位置を示してもよい。物体情報は、例えば、作業スペースに置かれた資材又は設備等に関する情報であってもよい。
【0089】
また、進入禁止情報は、移動体又は移動体を携帯するユーザが進入してはいけない場所を示してもよい。進入禁止情報は、例えば、工事中の場所、清掃中の場所、及び、鉄道の線路の近傍の場所等に関する情報であってもよい。進入禁止情報は、例えば、仮想的にジオフェンス(geofence)を配置する技術であるジオフェンシング(geofencing)に関する情報であってもよい。
【0090】
また、天候情報は、天候に関する様々な情報を示してもよい。天候情報は、例えば、雨、雪、風、気温、気圧、及び湿度等に関する情報であってもよい。また、空域情報は、飛行体である移動体の飛行を管制するための情報であってもよい。空域情報は、例えば、国土交通省等の行政機関によって公開された情報であってもよい。空域情報は、例えば、DIPS(ドローン情報基盤システム)情報に関する情報であってもよい。また、海流情報は、海流に関する様々な情報を示してもよい。海流情報は、例えば、海流及び潮流のシミュレーション結果に関する情報であってもよい。
【0091】
また、音声情報は、ユーザに提供される音声に関する情報であってもよい。音声情報は、例えば、視覚が不自由なユーザに提供される音声ガイドが出力されている場所、及び、音声ガイドの内容を示してもよい。また、通路段差情報は、通路に存在する段差に関する情報であってもよい。通路段差情報は、段差が存在する場所、及び段差の高低差を示してもよい。通路段差情報は、例えば、歩道等の道路の劣化による段差を示す情報であってもよい。また、通路勾配情報は、道路の勾配に関する情報であってもよい。通路勾配情報は、勾配が存在する場所、及び勾配の度合を示してもよい。通路勾配情報は、例えば、工事現場の仮設道、及び、積雪による路面変化に関する情報であってもよい。
【0092】
領域情報構築部124は、レイヤごとに、領域情報を構築する。これにより、領域情報構築部124は、レイヤごとに、複数の領域情報で構成されるデータ構造を構築する。具体的には、領域情報構築部124は、図3に例示したような、3次元のキューブ状等の領域に関するデータ構造を構築する。なお、領域情報構築部124は、データ構造の各領域情報の初期状態を設定してもよい。そして、フラグ情報の値は、後述するフラグ情報決定部128によって更新され得る。また、属性情報は、後述する属性情報生成部126によって更新され得る。
【0093】
属性情報生成部126は、環境情報取得部110によって取得された環境情報を用いて、領域情報に含まれる属性情報を生成する。属性情報生成部126は、スタティック情報取得部112によって取得されたスタティック情報、及び、ダイナミック情報取得部114によって取得されたダイナミック情報を用いて、上述したような属性情報を生成する。属性情報生成部126は、データ構造が設定される際に属性情報の初期状態を生成してもよい。属性情報生成部126は、環境情報が更新された場合に、属性情報を更新してもよい。属性情報生成部126は、レイヤごとに、属性情報を生成してもよい。属性情報生成部126は、例えば、環境情報を入力して属性情報を出力するように学習された学習済みモデルを用いて、属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、環境情報そのものを、属性情報としてもよい。
【0094】
属性情報生成部126は、例えば、BIM情報、CIM情報、及び検出情報等の、障害物を示し得る環境情報を用いて、障害物情報である属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、BIM情報、CIM情報、及び検出情報等の、進入禁止の場所を示し得る環境情報を用いて、進入禁止情報である属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、気象情報等の天候に関する環境情報を用いて、天候情報である属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、DIPS情報等の、空域に関する環境情報を用いて、空域情報である属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、海流及び潮流のシミュレーション結果等の、海流に関する環境情報を用いて、海流情報である属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、音声ガイドに関する環境情報を用いて、音声情報である属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、検出情報等の、通路の段差を示し得る環境情報を用いて、通路段差情報である属性情報を生成してもよい。また、属性情報生成部126は、例えば、検出情報等の、通路の勾配を示し得る環境情報を用いて、通路勾配情報である属性情報を生成してもよい。
【0095】
フラグ情報決定部128は、レイヤごとに、各領域に関する領域情報に含まれるフラグ情報を決定する。具体的には、フラグ情報決定部128は、各レイヤに対応するデータ構造に含まれる複数の領域情報それぞれにおけるフラグ情報の値を決定する。フラグ情報決定部128は、属性情報を用いて、フラグ情報の値を決定する。つまり、フラグ情報決定部128は、環境情報を用いて、フラグ情報を決定する。フラグ情報決定部128は、例えば、属性情報を入力してフラグ情報の値を出力するように学習された学習済みモデルを用いて、フラグ情報の値を決定してもよい。また、フラグ情報決定部128は、例えば、環境情報を入力してフラグ情報の値を出力するように学習された学習済みモデルを用いて、フラグ情報の値を決定してもよい。また、フラグ情報決定部128は、例えば、後述するようなフローチャートで例示される処理によって、フラグ情報の値を決定してもよい。
【0096】
また、フラグ情報決定部128は、同じ環境下であっても、レイヤごとに、同じ位置に関する領域情報に含まれるフラグ情報の値が異なるように、フラグ情報を決定してもよい。例えば、ある環境に、大型の飛行体である移動体と、小型の飛行体である移動体とが存在するとする。そして、大型の移動体と小型の移動体とでは、同じ風の強さであっても、飛行に対する影響度が異なり得る。例えば、小型の移動体が飛行不能となるような風の強さの位置Aにおいて、大型の移動体は、飛行可能である場合がある。このような場合、フラグ情報決定部128は、小型の移動体が属するレイヤでは、位置Aに対応する領域に関するフラグ情報を「通行不可」と決定してもよい。一方、フラグ情報決定部128は、大型の移動体が属するレイヤでは、位置Aに対応する領域に関するフラグ情報を「通行可能」と決定してもよい。このように、複数のレイヤそれぞれについてフラグ情報を決定することによって、複数のレイヤそれぞれに属する移動体を適切に運用することが可能となる。
【0097】
また、フラグ情報決定部128は、上述したように、複数のレイヤに関する複数のデータ構造を用いて、あるレイヤに関する領域情報に含まれるフラグ情報を決定してもよい。すなわち、複数の通行可能状況レイヤに関する複数の領域の位置が互いに重なるケースを考える。この場合、フラグ情報決定部128は、複数の通行可能状況レイヤに関する当該領域に関するフラグ情報それぞれに対し、一方のフラグ情報について、移動体が当該領域を通行することが可能であると決定してもよい。これに対し、フラグ情報決定部128は、他方のフラグ情報について、移動体が当該領域を通行することが不可であると決定してもよい。これにより、複数の移動体のうちのある移動体は、他の移動体が通行可能な領域を通行できなくなり得る。したがって、複数の移動体が互いに衝突することを抑制することができる。
【0098】
領域情報格納部130は、領域情報生成部120によって生成された領域情報を格納する。領域情報格納部130は、記憶部24によって実現されてもよい。領域情報格納部130は、レイヤごとに、複数の領域情報で構成されるデータ構造を格納する。
【0099】
管理部140は、領域情報格納部130に格納された領域情報を用いて、移動体を管理するための処理を行う。なお、管理部140は、領域情報格納部130に格納された領域情報を用いて、移動体をリアルタイムに管理するための処理を行ってもよい。具体的には、管理部140は、サービスを提供するために、そのサービスに関するレイヤに関するデータ構造を用いて、そのサービスで用いられる移動体を運用するための処理を行う。つまり、管理部140は、レイヤごとに、そのレイヤに関する領域情報を用いて、移動体を管理する。さらに具体的には、管理部140は、レイヤごとに、対応するデータ構造を構成する各領域情報に含まれるフラグ情報に従って、移動体の動作を制御するための処理を行う。例えば、管理部140は、移動体又は移動体を制御する装置に、その移動体に関するレイヤに対応する領域情報を送信してもよい。これにより、移動体は、領域情報に含まれるフラグ情報に従って、動作し得る。
【0100】
具体的には、管理部140は、上述した通行可能状況レイヤについて、移動体が「通行可能」を示すフラグ情報に関する領域を通行し、「通行不可」を示すフラグ情報に関する領域を通行しないようにするための、制御を行ってもよい。また、管理部140は、上述した作業可能状況レイヤについて、移動体が「作業可能」を示すフラグ情報に関する領域で作業し、「作業不可」を示すフラグ情報に関する領域で作業しないようにするための、制御を行ってもよい。また、管理部140は、上述した設備管理レイヤについて、移動体を用いて「設備無」を示すフラグ情報に関する領域に設備を設置するための制御を行ってもよい。また、管理部140は、上述した設備管理レイヤについて、移動体を用いて「点検未」を示すフラグ情報に関する領域の設備を点検するための制御を行ってもよい。
【0101】
また、管理部140は、上述したユーザ移動支援レイヤについて、移動体が「移動容易」を示すフラグ情報に関する領域に存在するときには移動が容易であることを示す情報を出力するように、制御を行ってもよい。また、管理部140は、上述したユーザ移動支援レイヤについて、移動体が「移動困難」を示すフラグ情報に関する領域に存在するときには移動が困難であることを示す情報を出力するように、制御を行ってもよい。例えば、管理部140は、移動体が「移動困難」を示すフラグ情報に関する領域に存在するときに、移動体が警告を出力するように、制御を行ってもよい。警告は、例えば、音声、表示、又は振動等によって出力されてもよい。
【0102】
また、管理部140は、あるレイヤに属する移動体についての制御を行う場合に、そのレイヤに関する領域情報だけでなく、他のレイヤに関する領域情報を用いてもよい。例えば、複数の通行可能状況レイヤに関する複数の領域の位置が互いに重なるケースを考える。この場合、管理部140は、ある通行可能状況レイヤに属する移動体が、他の通行可能状況レイヤに関するデータ構造において「通行可能」を示すフラグ情報に関する領域に対応する位置を通行しないように、制御を行ってもよい。これにより、複数の移動体のうちのある移動体は、他の移動体が通行可能な領域を通行できなくなり得る。したがって、複数の移動体が互いに衝突することを抑制することができる。
【0103】
経路処理部150は、上述したように、フラグ情報に基づいて、環境において移動体が移動する経路を生成するための処理を行う。なお、経路処理部150は、移動端末である移動体において当該移動体の移動経路が生成されるように、処理を行ってもよい。
【0104】
経路生成用データ変換部152は、レイヤごとに、データ構造を経路生成用データに変換する。つまり、経路生成用データ変換部152は、レイヤごとに、そのレイヤに関するデータ構造を用いて、経路生成用データを生成する。ここで、「経路生成用データ」は、経路を生成するための地図データに対応する。経路生成用データは、後述する経路生成部160において経路を生成するために使用される手法に適したデータである。なお、移動体が複数のレイヤに属する場合、経路生成用データ変換部152は、その移動体が属する複数のレイヤそれぞれのデータ構造を、経路生成用データに変換してもよい。なお、経路生成用データは、対応するデータ構造において「通行可能」を示すフラグ情報に関する領域に沿って通行可能な通路が示されたデータであってもよい。つまり、経路生成用データは、対応するデータ構造において「通行可能」を示すフラグ情報に関する領域の集合を通行可能な通路とするようなデータであってもよい。
【0105】
経路生成用データ格納部154は、経路生成用データ変換部152によって生成された経路生成用データを格納する。経路生成用データ格納部154は、レイヤごとに、対応する経路生成用データを格納する。
【0106】
経路生成部160は、経路生成用データを用いて、移動体が移動する経路を生成する。具体的には、経路生成部160は、経路生成用データを用いて、移動体が移動すべき最適な経路を検索してもよい。経路生成部160は、汎用の経路検索アルゴリズムを用いて経路検索を行ってもよい。経路生成部160は、例えば、ダイクストラ法、ベルマンフォード法、又はSPFA法(Shortest Path Faster Algorithm)等の手法を用いて経路を検索することによって、移動体の移動経路を生成してもよい。経路生成部160は、レイヤごとに、経路生成用データを用いて、そのレイヤに属する移動体の移動経路を生成してもよい。
【0107】
また、経路生成部160は、ある移動体の移動経路を生成する際に、複数の経路生成用データを用いて、移動経路を生成してもよい。具体的には、あるレイヤに属する移動体の経路を生成する場合を考える。この場合、経路生成部160は、そのレイヤに関する領域情報におけるフラグ情報が「通行可能」を示し、他のレイヤに関する領域情報におけるフラグ情報が「通行不可」を示すような領域に対応する位置を通行するような移動経路を生成してもよい。これにより、複数の移動体が互いに衝突することが抑制された移動経路を生成することが、可能となる。
【0108】
情報出力部170は、情報処理装置100で処理された情報を出力する。情報出力部170は、他の装置に情報を出力するための処理を行ってもよい。この場合、情報出力部170は、通信部26によって実現されてもよい。また、情報出力部170は、インタフェース部28に情報を出力するための処理を行ってもよい。情報出力部170は、領域情報生成部120によって生成された領域情報を出力してもよい。また、情報出力部170は、領域情報生成部120によって生成された複数の領域情報で構成されるデータ構造を示す情報を、出力してもよい。また、情報出力部170は、経路処理部150によって得られた移動経路、及び、移動経路を含む移動経路計画を、出力してもよい。
【0109】
図8は、本開示にかかる情報処理装置100によって実行される処理の例を示すフローチャートである。なお、図8は、本開示にかかる情報処理装置100によって実行される情報処理方法を示している。一方、図7に示した各構成要素がクラウドコンピューティング又は複数のコンピュータによって実現される場合、図8は、クラウドコンピューティング又は複数のコンピュータによって実現される情報処理装置100によって実行される。なお、図8に記載された処理は、あくまでも一例であることに留意されたい。これらのことは、他のフローチャートにおいても同様である。
【0110】
情報処理装置100は、領域情報を設定する(ステップS102)。具体的には、領域情報生成部120の領域設定部122は、上述したように、レイヤごとに、領域情報を設定する。また、情報処理装置100は、領域情報を構築する(ステップS104)。具体的には、領域情報生成部120の領域情報構築部124は、上述したように、レイヤごとに、領域情報を構築する。これにより、領域情報構築部124は、上述したように、複数の領域情報で構成されるデータ構造を構築する。
【0111】
情報処理装置100は、環境情報を取得する(ステップS106)。具体的には、環境情報取得部110は、上述したように、スタティック情報である環境情報、及び、ダイナミック情報である環境情報を取得する。また、情報処理装置100は、属性情報を生成する(ステップS108)。具体的には、領域情報生成部120の属性情報生成部126は、上述したように、環境情報を用いて、属性情報を生成する。また、情報処理装置100は、フラグ情報を決定する(ステップS110)。具体的には、領域情報生成部120のフラグ情報決定部128は、上述したように、各レイヤに対応するデータ構造に含まれる複数の領域情報それぞれにおけるフラグ情報の値を決定する。レイヤごとにフラグ情報の値を決定する方法の具体例については、後述する。
【0112】
情報処理装置100は、移動体を管理する(ステップS140)。具体的には、管理部140は、上述したように、領域情報を用いて、移動体を管理するための処理を行う。さらに具体的には、管理部140は、サービスを提供するために、そのサービスに関するレイヤに関するデータ構造を用いて、そのサービスで用いられる移動体を運用するための処理を行う。
【0113】
情報処理装置100は、フラグ情報が更新されるタイミングであるか否かを判定する(ステップS142)。具体的には、領域情報生成部120のフラグ情報決定部128は、環境情報が変化したときに、フラグ情報が更新されるタイミングであると判定してもよい。また、フラグ情報が定期的に更新される場合、フラグ情報決定部128は、フラグ情報を更新してから次に更新するまでの所定間隔の期間が満了した場合に、フラグ情報が更新されるタイミングであると判定してもよい。
【0114】
フラグ情報が更新されるタイミングであると判定された場合(S142のYES)、処理フローはS106に戻る。そして、S106~S110の処理が行われる。これにより、フラグ情報が更新され得る。一方、フラグ情報が更新されるタイミングであると判定されなかった場合(S142のNO)、情報処理装置100は、経路生成の要求があるか否かを判定する(ステップS144)。経路生成の要求がない場合(S144のNO)、処理フローはS140に戻り、情報処理装置100は、移動体を管理する(S140)。
【0115】
一方、経路生成の要求がある場合(S144のYES)、情報処理装置100は、経路処理を行う(ステップS150)。具体的には、経路処理部150は、上述したように、フラグ情報に基づいて、環境において移動体が移動する経路を生成するための処理を行う。
【0116】
<具体例>
図9は、本開示にかかるデータ構造を用いたサービスの例について説明するための図である。図9は、災害時に、UGV又はUAVである移動体を用いて物資を複数拠点へ搬送する例について示している。図9の例では、データ構造50G,50H,50I,50Jが、実空間である環境に仮想的に配置されている。なお、データ構造50G,50H,50I,50Jは、互いに異なるレイヤに関するデータ構造であってもよい。なお、図9では、データ構造50G,50H,50I,50Jは、それぞれ、環境の一部に配置されているように見えるが、環境の全体に配置されてもよい。
【0117】
データ構造50Gは、道路に関する通行可能状況レイヤに割り当てられ得る。この場合、データ構造50Gは、少なくとも、道路70Aに沿って割り当てられ得る。データ構造50Gに関する通行可能状況レイヤは、道路状況に関する道路状況レイヤであるともいえる。データ構造50Gにおいて、破線で示された領域情報52GAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52GBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52GBに対応する領域は、任意の車両といった、通行可能状況レイヤに属する移動体の通行を妨げるような物体が存在する領域であってもよい。また、領域情報52GBに対応する領域は、移動体の進入が禁止されている領域であってもよい。一方、領域情報52GAに対応する領域は、通行可能状況レイヤに属する移動体の通行を妨げるような物体が存在しない領域であってもよい。また、領域情報52GAに対応する領域は、移動体の進入が禁止されていない領域であってもよい。
【0118】
データ構造50Hは、着陸可能状況レイヤに割り当てられ得る。着陸可能状況レイヤには、ドローン等の、空中を飛行する移動体が属する。着陸可能状況レイヤは、地上の状況に応じた移動体の着陸可能状況に関するサービスに対応する。したがって、着陸可能状況レイヤは、地上状況レイヤであるともいえる。データ構造50Hは、少なくとも、移動体が着陸し得る地点70B,70Cに配置され得る。データ構造50Hにおいて、破線で示された領域情報52HAは、「着陸可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52HBは、「着陸不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52HBに対応する領域は、着陸可能状況レイヤに属する移動体の着陸を妨げるような物体が存在する領域であってもよい。また、領域情報52HBに対応する領域は、移動体の着陸が禁止されている領域であってもよい。一方、領域情報52HAに対応する領域は、着陸可能状況レイヤに属する移動体の着陸を妨げるような物体が存在せず、移動体が安全に着陸できる領域であってもよい。また、領域情報52HAに対応する領域は、移動体の着陸が禁止されていない領域であってもよい。
【0119】
データ構造50Iは、通行管理レイヤに割り当てられ得る。データ構造50Iは、少なくとも、複数の移動体の進路が互いに交差し得る場所である地点70Dに配置され得る。データ構造50Iにおいて、破線で示された領域情報52IAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52IBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52IBに対応する領域は、任意の移動体が通行中の領域であってもよい。一方、領域情報52IAに対応する領域は、任意の移動体が通行していない領域であってもよい。したがって、通行管理レイヤに関するデータ構造50Iは、仮想的な信号機のような機能を有する。
【0120】
データ構造50Jは、ドローン等の飛行体である移動体が属する通行可能状況レイヤに割り当てられ得る。したがって、データ構造50Jに関する通行可能状況レイヤは、飛行体の運行に関する飛行体運行レイヤであるともいえる。データ構造50Jは、少なくとも、建物70Eに沿って割り当てられ得る。データ構造50Jにおいて、破線で示された領域情報52JAは、「通行可能」を示すフラグ情報を有する。また、実線で示された領域情報52JBは、「通行不可」を示すフラグ情報を有する。領域情報52JBに対応する領域は、建物70Eが存在する領域であるか、あるいは、建物70Eの近傍の、移動体が建物70Eに接触するおそれがあるような領域であってもよい。一方、領域情報52JAに対応する領域は、移動体が建物70Eに接触する可能性が極めて低い領域であってもよい。
【0121】
図9において、飛行体である移動体40B及び移動体40Cを搭載した移動体40Aが、道路70Aに沿って走行する。その際に、移動体40Aは、データ構造50Gの各領域情報52におけるフラグ情報に従って走行する。つまり、移動体40Aは、データ構造50Gにおいて「通行不可」を示すフラグ情報に関する領域を通行しないように、道路70Aを通行する。
【0122】
また、移動体40Aが地点70Xに到達すると、物資を搭載した移動体40Bが、物資を搬送すべき地点70Bに向かって移動する。同様に、物資を搭載した移動体40Cが、物資を搬送すべき建物70Eに向かって移動する。また、地点70Yから、物資を搭載した飛行体である移動体40Dが、物資を搬送すべき地点70Cに向かって移動する。その際に、移動体40B,40C,40Dは、途中の空間に割り当てられた、通行可能状況レイヤに関するデータ構造50の各領域情報52におけるフラグ情報に従って、移動してもよい。
【0123】
また、移動体40Bが地点70Bに着陸する際に、移動体40Bは、データ構造50Hの各領域情報52におけるフラグ情報に従って着陸動作を行う。つまり、移動体40Bは、データ構造50Hにおいて「着陸不可」を示すフラグ情報に関する領域に着陸せずに、「着陸可能」を示すフラグ情報に関する領域に着陸するように、着陸動作を行う。これにより、移動体40Bは、適切に、地点70Bに着陸することができる。
【0124】
また、移動体40Cの進路と、移動体40Dの進路とが、地点70Dで交差し得る。この場合、移動体40C及び移動体40Dは、通行管理レイヤに関するデータ構造50Iの各領域情報52におけるフラグ情報に従って、地点70Dを通行する。ここで、移動体40C及び移動体40Dのうち、移動体40Cが地点70Dに先に到達するとする。この場合、移動体40Cが地点70Dに到達すると、データ構造50Iの地点70Dに対応する領域に対応する領域情報52のフラグ情報が、「通行不可」を示すように更新される。これにより、移動体40Dは、このフラグ情報に従って、移動体40Cが地点70Dに存在する間は、地点70Dに進入しない。そして、移動体40Cが地点70Dを通過して地点70Dに存在しなくなると、データ構造50Iの地点70Dに対応する領域に対応する領域情報52のフラグ情報が、「通行可能」を示すように更新される。これにより、移動体40Dは、このフラグ情報に従って、地点70Dに進入することができる。このようにして、通行管理レイヤに関するデータ構造50Iにより、地点70Dで移動体40Cと移動体40Dとが互いに衝突することを回避することができる。このように、通行管理レイヤは、交通整理を行うような仮想的な信号機の機能を提供するサービスに対応する。
【0125】
また、移動体40Cは、建物70Eの近傍に到達すると、データ構造50Jの各領域情報52におけるフラグ情報に従って移動する。つまり、移動体40Cは、データ構造50Jにおいて「通行不可」を示すフラグ情報に関する領域を通行せずに、「通行可能」を示すフラグ情報に関する領域を通行するように、移動する。これにより、移動体40Cは、建物70Eに衝突することを回避しつつ、建物70Eに到達することができる。
【0126】
また、移動体40Dが地点70Cに着陸する際に、移動体40Dは、データ構造50Hの各領域情報52におけるフラグ情報に従って着陸動作を行う。つまり、移動体40Dは、データ構造50Hにおいて「着陸不可」を示すフラグ情報に関する領域に着陸せずに、「着陸可能」を示すフラグ情報に関する領域に着陸するように、着陸動作を行う。これにより、移動体40Dは、適切に、地点70Cに着陸することができる。
【0127】
図10図22は、本開示にかかる具体例について説明するための図である。図10及び図11は、本開示にかかる通行可能状況レイヤについて説明するための図である。図10及び図11は、図9に例示したデータ構造50H,50Jに関する通行可能状況レイヤに対応し得る。
【0128】
図10は、通行可能状況レイヤにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する図である。矢印L1aで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報A」を示している。また、領域サイズは、「サイズA」を示している。また、フラグ情報は、「通行可能」を示している。また、属性情報は、障害物情報、天候情報、及び進入禁止情報を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L1aで示す領域情報52について、障害物情報、天候情報、及び進入禁止情報を用いて、フラグ情報を「通行可能」と決定する。
【0129】
また、矢印L1bで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報B」を示している。なお、位置情報Bは、位置情報Aとは異なる。また、領域サイズは、「サイズB」を示している。なお、サイズBは、サイズAと同じであってもよい。また、フラグ情報は、「通行不可」を示している。また、属性情報は、障害物情報、天候情報、及び進入禁止情報を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L1bで示す領域情報52について、障害物情報、天候情報、及び進入禁止情報を用いて、フラグ情報を「通行不可」と決定する。
【0130】
図11は、通行可能状況レイヤについて、本開示にかかるフラグ情報を決定する処理(S110)の例を示すフローチャートである。図11に例示した処理は、領域ごとに行われる。つまり、図11に例示した処理は、データ構造50の領域情報52ごとに行われる。また、図11には、属性情報からフラグ情報の値を判定する方法の例が示されているが、フラグ情報を決定する方法は、図11に例示した方法に限定されない。例えば、フラグ情報は、機械学習によって学習された学習済みモデルを用いて決定されてもよい。具体的には、フラグ情報決定部128は、属性情報を入力してフラグ情報の値を出力するように学習された学習済みモデルを用いて、フラグ情報の値を決定してもよい。これらのことは、後述する他のフローチャートにおいても同様である。
【0131】
フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、進入禁止情報が「進入禁止」を示すか否かを判定する(ステップS112A)。進入禁止情報が「進入禁止」を示す場合(S112AのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138A)。
【0132】
一方、進入禁止情報が「進入禁止」を示さない場合(S112AのNO)、フラグ情報決定部128は、障害物情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域に障害物があることを示すか否かを判定する(ステップS114A)。なお、例えば、障害物情報が、処理対象の領域に少しでも障害物が存在する場合に、フラグ情報決定部128は、障害物情報が、障害物があることを示すと判定してもよい。あるいは、障害物情報が、処理対象の領域の容積に占める障害物の体積の割合が所定の閾値以上である場合に、フラグ情報決定部128は、障害物情報が、障害物があることを示すと判定してもよい。なお、閾値は、領域ごと又は移動体40ごとに、異なっていてもよい。例えば、移動体40が大型の移動体である場合、閾値は小さくてもよい。また、処理対象の領域の高度が高い場合、つまり、処理対象の領域を移動体が飛行する場合、閾値は小さくてもよい。これらのことは、後述するフローチャートにおける同様の処理においても同様である。
【0133】
障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示す場合(S114AのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138A)。一方、障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示さない場合(S114AのNO)、フラグ情報決定部128は、天候情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域における天候が悪化していることを示すか否かを判定する(ステップS116A)。なお、例えば、天候情報が、風速が所定の閾値以上であることを示す場合、フラグ情報決定部128は、天候情報が、天候が悪化していることを示すと判定してもよい。なお、閾値は、領域ごと又は移動体40ごとに、異なっていてもよい。例えば、移動体40が小型の移動体である場合、閾値は小さくてもよい。また、処理対象の領域の高度が高い場合、つまり、処理対象の領域を移動体が飛行する場合、閾値は小さくてもよい。これらのことは、後述するフローチャートにおける同様の処理においても同様である。
【0134】
天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示す場合(S116AのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138A)。一方、天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示さない場合(S116AのNO)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行可能」と決定する(ステップS136A)。
【0135】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、通行可能状況レイヤについて、複数の領域ごとに、領域を移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定する。これにより、本開示にかかる情報処理装置100は、通行可能状況レイヤに属する移動体が、通行すべき領域を通行し、通行すべきでない領域を通行しないように、移動体を管理することができる。したがって、移動体が適切に移動することが可能となる。これにより、移動体を用いたサービスの運行を適切に行うことが可能となる。
【0136】
図12及び図13は、本開示にかかる通行可能状況レイヤについて説明するための図である。ここで、図12及び図13は、複数の通行可能状況レイヤが互いに重なり合っている場合について説明するための図である。つまり、図12及び図13の例では、仮想空間に配置された複数のデータ構造50が、ある位置において互いに重なり合っている。
【0137】
図12は、複数の通行可能状況レイヤそれぞれにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する図である。矢印L2aで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報A」を示している。また、矢印L2bで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報B」を示している。ここで、位置情報Aで示される位置と位置情報Bで示される位置とは、互いに同じ位置又は近接する位置であり得る。この場合、図12において、矢印Aで示すように、通行可能状況レイヤAに関するデータ構造50Kaと、通行可能状況レイヤBに関するデータ構造50Kbとが、互いに重なり得る。この場合、データ構造50Kaに対応する領域Araとデータ構造50Kbに対応する領域Arbとが、互いに重なっている。この場合、データ構造50Kaに関する通行可能状況レイヤAに属する移動体が領域Araに存在し、データ構造50Kbに関する通行可能状況レイヤBに属する移動体が領域Arbに存在し得る。この場合、通行可能状況レイヤAに属する移動体と、通行可能状況レイヤBに属する移動体とが、互いに衝突する可能性がある。
【0138】
したがって、図12に例示するように、各領域において、通行可能状況レイヤA及び通行可能状況レイヤBのいずれか一方を、優先レイヤとする。なお、図12の例では、通行可能状況レイヤAを優先レイヤとしている。しかしながら、別の領域では、通行可能状況レイヤBを優先レイヤとしてもよい。
【0139】
通行可能状況レイヤA及び通行可能状況レイヤBが倉庫を移動する移動体に関するサービスに対応する場合、通行可能状況レイヤAに属する移動体は、例えば、フォークリフトであってもよい。一方、通行可能状況レイヤBに属する移動体は、例えば、ピッキングロボットであってもよい。また、通行可能状況レイヤA及び通行可能状況レイヤBがドローン等の飛行体である移動体に関するサービスに対応する場合、通行可能状況レイヤAに属する移動体は、例えば、大型ドローンであってもよい。一方、通行可能状況レイヤBに属する移動体は、例えば、小型ドローンであってもよい。
【0140】
この場合において、フラグ情報決定部128は、矢印L2aで示すように、通行可能状況レイヤAに関する領域Araに関する領域情報52のフラグ情報を「通行可能」と決定してもよい。一方、フラグ情報決定部128は、矢印L2bで示すように、通行可能状況レイヤBに関する領域Arbに関する領域情報52のフラグ情報を「通行不可」と決定してもよい。
【0141】
図13は、複数の通行可能状況レイヤが互いに重なり合う場合について、本開示にかかるフラグ情報を決定する処理(S110)の例を示すフローチャートである。上述したように、図13に例示した処理は、領域ごとに行われる。フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、進入禁止情報が「進入禁止」を示すか否かを判定する(ステップS112B)。
【0142】
進入禁止情報が「進入禁止」を示す場合(S112BのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138B)。一方、進入禁止情報が「進入禁止」を示さない場合(S112BのNO)、フラグ情報決定部128は、障害物情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域に障害物があることを示すか否かを判定する(ステップS114B)。障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示す場合(S114BのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138B)。一方、障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示さない場合(S114BのNO)、フラグ情報決定部128は、天候情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域における天候が悪化していることを示すか否かを判定する(ステップS116B)。
【0143】
天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示す場合(S116BのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138B)。一方、天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示さない場合(S116BのNO)、フラグ情報決定部128は、優先レイヤおいてフラグ情報が、「通行可能」を示すか否かを判定する(ステップS118B)。つまり、フラグ情報決定部128は、優先レイヤに関する処理対象の領域に対応する領域情報52のフラグ情報が、「通行可能」を示すか否かを判定する(ステップS118B)。
【0144】
優先レイヤについてのフラグ情報が「通行可能」を示す場合(S118BのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138B)。図12の例では、優先レイヤである通行可能状況レイヤAに関する処理対象の領域に対応する領域情報52のフラグ情報が、「通行可能」を示している。したがって、フラグ情報決定部128は、通行可能状況レイヤBについての処理対象の領域について、フラグ情報を「通行不可」と決定する。一方、優先レイヤについてのフラグ情報が「通行可能」を示していない場合(S118BのNO)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行可能」と決定する(ステップS136B)。
【0145】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、複数の通行可能状況レイヤに関する領域の位置が互いに重なる場合に、複数の通行可能状況レイヤに関する当該領域に関するフラグ情報それぞれに対し、以下のように処理を行う。すなわち、領域情報生成部120は、一方のフラグ情報について、移動体が当該領域を通行することが可能であると決定し、他方の前記フラグ情報について、移動体が当該領域を通行することが不可であると決定する。これにより、本開示にかかる情報処理装置100は、複数の通行可能状況レイヤに関する領域の位置が互いに重なる場合に、その位置を通行可能な移動体を1つにすることができる。したがって、複数の移動体が互いに衝突することを抑制することができる。したがって、移動体を用いたサービスの運行を適切に行うことが可能となる。
【0146】
図14及び図15は、本開示にかかる通行可能状況レイヤについて説明するための図である。ここで、図14及び図15は、通行可能状況レイヤに関する領域を、複数の移動体が通行する可能性がある場合について説明するための図である。
【0147】
図14は、通行可能状況レイヤにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する図である。矢印L1a’で示す領域情報52において、位置情報は「位置情報A」を示している。また、領域サイズは、「サイズA」を示している。また、フラグ情報は、「通行可能」を示している。また、属性情報は、障害物情報、天候情報、進入禁止情報、及び移動経路計画を含む。移動経路計画は、領域情報52に対応する領域の位置を任意の移動体が通行する予定を示す。例えば、移動経路計画は、領域情報52に対応する領域の位置を任意の移動体が通行する時刻を示してもよい。フラグ情報決定部128は、矢印L1a’で示す領域情報52について、障害物情報、天候情報、進入禁止情報及び移動経路計画を用いて、フラグ情報を「通行可能」と決定する。
【0148】
また、矢印L1b’で示す領域情報52において、位置情報は「位置情報B」を示している。なお、位置情報Bは、位置情報Aとは異なり得る。また、領域サイズは、「サイズB」を示している。なお、サイズBは、サイズAと同じであってもよい。また、フラグ情報は、「通行不可」を示している。また、属性情報は、障害物情報、天候情報、進入禁止情報及び移動経路計画を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L1b’で示す領域情報52について、障害物情報、天候情報、進入禁止情報及び移動経路計画を用いて、フラグ情報を「通行不可」と決定する。
【0149】
図15は、通行可能状況レイヤについて、本開示にかかるフラグ情報を決定する処理(S110)の例を示すフローチャートである。図15に例示した処理は、領域ごとに行われる。フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、進入禁止情報が「進入禁止」を示すか否かを判定する(ステップS112C)。進入禁止情報が「進入禁止」を示す場合(S112CのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138C)。一方、進入禁止情報が「進入禁止」を示さない場合(S112CのNO)、フラグ情報決定部128は、障害物情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域に障害物があることを示すか否かを判定する(ステップS114C)。障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示す場合(S114CのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138C)。一方、障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示さない場合(S114CのNO)、フラグ情報決定部128は、天候情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域における天候が悪化していることを示すか否かを判定する(ステップS116C)。
【0150】
天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示す場合(S116CのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138C)。一方、天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示さない場合(S116CのNO)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域を他の移動体が通行予定であるか否かを判定する(ステップS118C)。つまり、フラグ情報決定部128は、移動経路計画が、処理対象の領域を他の移動体が通行予定であることを示すか否かを判定する。
【0151】
処理対象の領域を他の移動体が通行予定である場合(S118CのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行不可」と決定する(ステップS138C)。一方、処理対象の領域を他の移動体が通行予定でない場合(S118CのNO)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「通行可能」と決定する(ステップS136C)。
【0152】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、通行可能状況レイヤについて、移動経路計画を用いて、当該移動経路計画に関する移動体以外の移動体が領域を通行することが可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定する。これにより、本開示にかかる情報処理装置100は、ある領域をある移動体が通行する予定の場合に、その移動体以外の移動体がその領域を通行することを抑制することができる。したがって、複数の移動体が互いに衝突することを抑制することができる。したがって、移動体を用いたサービスの運行を適切に行うことが可能となる。
【0153】
図16及び図17は、本開示にかかる作業可能状況レイヤについて説明するための図である。なお、図16及び図17における作業可能状況レイヤは、屋外における作業の可能状況に関するサービスに対応する。図16は、作業可能状況レイヤにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する図である。矢印L3aで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報A」を示している。また、領域サイズは、「サイズA」を示している。また、フラグ情報は、「作業可能」を示している。また、属性情報は、物体情報、天候情報、及び進入禁止情報を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L3aで示す領域情報52について、物体情報、天候情報、及び進入禁止情報を用いて、フラグ情報を「作業可能」と決定する。
【0154】
また、矢印L3bで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報B」を示している。なお、位置情報Bは、位置情報Aとは異なる。また、領域サイズは、「サイズB」を示している。なお、サイズBは、サイズAと同じであってもよい。また、フラグ情報は、「作業不可」を示している。また、属性情報は、物体情報、天候情報、及び進入禁止情報を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L3bで示す領域情報52について、物体情報、天候情報、及び進入禁止情報を用いて、フラグ情報を「作業不可」と決定する。
【0155】
図17は、作業可能状況レイヤについて、本開示にかかるフラグ情報を決定する処理(S110)の例を示すフローチャートである。図17に例示した処理は、領域ごとに行われる。フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、進入禁止情報が「進入禁止」を示すか否かを判定する(ステップS112D)。
【0156】
進入禁止情報が「進入禁止」を示す場合(S112DのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「作業不可」と決定する(ステップS138D)。一方、進入禁止情報が「進入禁止」を示さない場合(S112DのNO)、フラグ情報決定部128は、物体情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域に物体があることを示すか否かを判定する(ステップS114D)。物体情報が、処理対象の領域に物体があることを示す場合(S114DのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「作業不可」と決定する(ステップS138D)。一方、物体情報が、処理対象の領域に物体があることを示さない場合(S114DのNO)、フラグ情報決定部128は、天候情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域における天候が悪化していることを示すか否かを判定する(ステップS116D)。
【0157】
天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示す場合(S116DのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「作業不可」と決定する(ステップS138D)。一方、天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示さない場合(S116DのNO)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「作業可能」と決定する(ステップS136D)。
【0158】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、作業可能状況レイヤについて、複数の領域ごとに、移動体を用いて行われる作業が可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定する。これにより、本開示にかかる情報処理装置100は、作業可能状況レイヤに属する移動体が、作業可能な領域で作業を行い、作業すべきでない領域で作業を行わないように、移動体を管理することができる。したがって、移動体が適切に作業を行うことが可能となる。これにより、移動体を用いたサービスの運行を適切に行うことが可能となる。
【0159】
図18は、本開示にかかる設備管理レイヤについて説明するための図である。図18は、設備管理レイヤにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する図である。設備管理レイヤでは、移動体を用いて、例えば通信設備、資材、又は道路整備等の設備を管理する。
【0160】
矢印L4aで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報A」を示している。また、領域サイズは、「サイズA」を示している。また、フラグ情報は、「設備有」を示している。また、属性情報は、設備名、設備設定情報、点検履歴、及び設備画像を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L4aで示す領域情報52について、設備名、設備設定情報、点検履歴、及び設備画像を用いて、フラグ情報を「設備有」と決定する。具体的には、フラグ情報決定部128は、設備名、設備設定情報、点検履歴、及び設備画像を用いて、処理対象の領域に設備が存在すると判定される場合に、フラグ情報を「設備有」と決定する。つまり、フラグ情報決定部128は、矢印L4aで示す領域情報52について、処理対象の領域に設備が配置されていることを示すフラグ情報を決定する。
【0161】
また、矢印L4bで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報B」を示している。なお、位置情報Bは、位置情報Aとは異なる。また、領域サイズは、「サイズB」を示している。なお、サイズBは、サイズAと同じであってもよい。また、フラグ情報は、「設備無」を示している。また、属性情報は、設備名、設備設定情報、点検履歴、及び設備画像を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L4bで示す領域情報52について、設備名、設備設定情報、点検履歴、及び設備画像を用いて、フラグ情報を「設備無」と決定する。具体的には、フラグ情報決定部128は、設備名、設備設定情報、点検履歴、及び設備画像を用いて、処理対象の領域に設備が存在しないと判定される場合に、フラグ情報を「設備無」と決定する。つまり、フラグ情報決定部128は、矢印L4bで示す領域情報52について、処理対象の領域に設備が配置されていないことを示すフラグ情報を決定する。
【0162】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、設備管理レイヤについて、複数の領域ごとに、領域に設備が配置されているか又は配置されていないかを示すフラグ情報を決定する。これにより、本開示にかかる情報処理装置100は、設備管理レイヤに属する移動体を、設備が配置されている領域に誘導するように、管理することができる。あるいは、本開示にかかる情報処理装置100は、設備管理レイヤに属する移動体が、設備が配置されていない領域に確実に設備を配置するように、移動体を管理することができる。したがって、移動体を用いて適切に設備を管理することが可能となる。これにより、移動体を用いたサービスの運行を適切に行うことが可能となる。
【0163】
さらに、図18において、領域設定部122は、フラグ情報を「点検済」又は「点検未」を示すように設定してもよい。この場合、フラグ情報決定部128は、設備名、設備設定情報、点検履歴、及び設備画像を用いて、処理対象の領域の設備が点検済みであるか否かを判定してもよい。そして、処理対象の領域の設備が点検済みである場合に、フラグ情報決定部128は、その領域についてのフラグ情報を「点検済」と決定してもよい。一方、処理対象の領域の設備が点検済みでない場合に、フラグ情報決定部128は、その領域についてのフラグ情報を「点検未」と決定してもよい。
【0164】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、設備管理レイヤについて、複数の領域ごとに、領域に設備が点検されたか又は点検されていないかを示すフラグ情報を決定してもよい。これにより、本開示にかかる情報処理装置100は、設備管理レイヤに属する移動体を用いて、点検されていない設備を確実にすることができるように、移動体を管理することができる。したがって、移動体を用いて適切に設備を管理することが可能となる。これにより、移動体を用いたサービスの運行を適切に行うことが可能となる。
【0165】
図19は、本開示にかかる通行管理レイヤについて説明するための図である。図19は、図9に例示したデータ構造50Iに関する通行管理レイヤに対応する。図19は、通行可能状況レイヤにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する図である。矢印L5aで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報A」を示している。図9の例では、位置情報Aは、地点70Dに対応する。また、領域サイズは、「サイズA」を示している。また、フラグ情報は、「通行不可」を示している。また、属性情報は、「通行有」を示す通行情報を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L5aで示す領域情報52について、通行情報を用いて、フラグ情報を「通行不可」と決定する。
【0166】
ここで、領域設定部122は、通行管理レイヤについて、通行情報を属性情報として設定する。通行情報は、対応する領域を任意の移動体40が通行するか否かを示す。属性情報生成部126は、移動体40から送信された運行実績情報を用いて、通行情報を生成することができる。具体的には、ある移動体40から送信された運行実績情報が、対応する領域を通行することを示す場合に、属性情報生成部126は、「通行有」を示す通行情報を生成してもよい。一方、移動体40から送信された運行実績情報が、対応する領域を通過してその領域から退去したことを示す場合に、属性情報生成部126は、「通行無」を示す通行情報を生成してもよい。また、全ての移動体40から送信された運行実績情報が、対応する領域を通行することを示さない場合に、属性情報生成部126は、「通行無」を示す通行情報を生成する。
【0167】
図9の例において、移動体40Cが位置情報Aに対応する領域を通行する場合、属性情報生成部126は、矢印L5aで示すように、領域情報52について、「通行有」を示す通行情報を生成する。そして、フラグ情報決定部128は、「通行有」を示す通行情報に従って、フラグ情報を「通行不可」と決定する。この場合、上述したように、移動体40Cとは異なる移動体である移動体40Dは、位置情報Aに対応する領域を通行することができなくなり得る。
【0168】
一方、移動体40Cが位置情報Aに対応する領域を通過してその領域から退去した場合、属性情報生成部126は、矢印L5bで示すように、領域情報52について、「通行無」を示す通行情報を生成する。そして、フラグ情報決定部128は、「通行無」を示す通行情報に従って、フラグ情報を「通行可能」と決定する。この場合、上述したように、移動体40Dは、位置情報Aに対応する領域を通行することができる。
【0169】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、通行管理レイヤにおいて、複数の移動体のうちの少なくとも1つの移動体が領域を通行するか否かを示す通行情報に基づいて、領域に対応するフラグ情報を決定する。そして、本開示にかかる領域情報生成部120は、少なくとも1つの移動体が領域を通行することを通行情報が示す場合に、当該移動体以外の移動体の通行を不可とするように、フラグ情報を決定する。これにより、通行管理レイヤにかかる領域情報に対応する領域において、複数の移動体が互いに衝突することを抑制することができる。したがって、移動体を円滑に管理することが可能となる。
【0170】
図20は、移動体が複数のレイヤに属する場合について説明するための図である。図20は、矢印L6aで示すように、通行可能状況レイヤにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する。また、図20は、矢印L6bで示すように、着陸可能状況レイヤにおけるデータ構造50の領域情報52を例示する。図20は、図9の例における移動体40B,40Dが属するレイヤに対応する。矢印L6bで示す着陸可能状況レイヤにおけるデータ構造50は、図9におけるデータ構造50Hに対応する。図20は、ある移動体が通行可能状況レイヤ及び着陸可能状況レイヤに属する場合について例示している。
【0171】
矢印L6aで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報A」を示している。また、領域サイズは、「サイズA」を示している。また、フラグ情報は、「通行可能」を示している。また、属性情報は、障害物情報、天候情報、及び進入禁止情報を含む。フラグ情報決定部128は、矢印L6aで示す領域情報52について、障害物情報、天候情報、及び進入禁止情報を用いて、フラグ情報を「通行可能」と決定する。これにより、移動体40B,40Dは、対応する領域を通行することができる。
【0172】
また、矢印L6bで示す領域情報52において、位置情報は「位置情報C」を示している。位置情報Cは、図9における地点70B,地点70Cに対応する。また、領域サイズは、「サイズC」を示している。また、フラグ情報は、「着陸可能」を示している。また、属性情報は、障害物情報、路面情報、天候情報、及び進入禁止情報を含む。なお、路面情報は、対応する領域の路面の状態を示す情報である。路面情報は、例えば、路面が濡れているか否かを示してもよい。路面情報は、例えば、路面状況が悪化しているか否かを示してもよい。属性情報生成部126は、例えば、路面の状態を検出可能な検出装置30によって得られた検出情報を用いて、路面情報を生成してもよい。フラグ情報決定部128は、矢印L6bで示す領域情報52について、障害物情報、路面情報、天候情報、及び進入禁止情報を用いて、フラグ情報を「着陸可能」と決定する。これにより、移動体40B,40Dは、対応する領域に着陸することができる。
【0173】
このように、移動体40B,40Dは、通行可能状況レイヤ及び着陸可能状況レイヤに属してもよい。この場合、本開示にかかる領域情報生成部120は、1つの移動体に対して、当該1つの移動体の使用形態に応じて互いに異なる複数のレイヤそれぞれについて領域情報を生成する。したがって、移動体40B,40Dは、飛行中は矢印L6aで示す通行可能状況レイヤに関するデータ構造50に従って飛行し、着陸する際は矢印L6bで示す着陸可能状況レイヤに関するデータ構造50に従って着陸動作を行う。このように、1つの移動体について、航空管制と地上管制とを行うことができる。このように、1つの移動体を複数のサービスで使用する場合でも、適切に、それぞれのサービスで移動体を運用することが可能となる。
【0174】
図21は、本開示にかかる着陸可能状況レイヤについて、本開示にかかるフラグ情報を決定する処理(S110)の例を示すフローチャートである。図21に例示した処理は、領域ごとに行われる。フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、進入禁止情報が「進入禁止」を示すか否かを判定する(ステップS112G)。
【0175】
進入禁止情報が「進入禁止」を示す場合(S112GのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「着陸不可」と決定する(ステップS138G)。一方、進入禁止情報が「進入禁止」を示さない場合(S112GのNO)、フラグ情報決定部128は、障害物情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域に障害物があることを示すか否かを判定する(ステップS114G)。障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示す場合(S114GのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「着陸不可」と決定する(ステップS138G)。一方、障害物情報が、処理対象の領域に障害物があることを示さない場合(S114GのNO)、フラグ情報決定部128は、天候情報が、処理対象の領域情報52に対応する領域における天候が悪化していることを示すか否かを判定する(ステップS116G)。
【0176】
天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示す場合(S116GのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「着陸不可」と決定する(ステップS138G)。一方、天候情報が、処理対象の領域の天候が悪化していることを示さない場合(S116GのNO)、フラグ情報決定部128は、路面情報が、処理対象の領域の路面の状態が悪化していることを示すか否かを判定する(ステップS118G)。路面情報が、処理対象の領域の路面の状態が悪化していることを示す場合(S118GのYES)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「着陸不可」と決定する(ステップS138G)。一方、路面情報が、処理対象の領域の路面の状態が悪化していることを示さない場合(S118GのNO)、フラグ情報決定部128は、処理対象の領域情報52について、フラグ情報を「着陸可能」と決定する(ステップS136G)。
【0177】
このように、本開示にかかる領域情報生成部120は、着陸可能状況レイヤについて、複数の領域ごとに、領域を移動体が着陸することが可能であるか又は不可であるかを示すフラグ情報を決定する。これにより、本開示にかかる情報処理装置100は、着陸可能状況レイヤに属する移動体が、着陸すべき領域に着陸し、着陸すべきでない領域に着陸しないように、移動体を管理することができる。したがって、移動体が適切に着陸動作を行うことが可能となる。これにより、移動体を用いたサービスの運行を適切に行うことが可能となる。
【0178】
図22は、本開示にかかる具体例について説明するための図である。図22に示す例では、無人地上車両(UGV)を使用するサービスに対応するレイヤについて、データ構造50における領域情報52において、フラグ情報が、「通行可能」又は「通行不可」と設定されている。また、この領域情報52において、属性情報が、「障害物情報」及び「進入禁止情報」と設定されている。これにより、本開示にかかる管理システム20は、「通行可能」を示すフラグ情報を有する領域情報52に関する領域を通行させるように、無人地上車両(UGV)を運用することができる。
【0179】
また、無人航空機(ドローン)を使用するサービスに対応するレイヤについて、データ構造50における領域情報52において、フラグ情報が、「安全空域」又は「危険空域」と設定されている。また、この領域情報52において、属性情報が、「障害物情報」、「天候情報」及び「空域情報」と設定されている。これにより、本開示にかかる管理システム20は、「安全空域」を示すフラグ情報を有する領域情報52に関する領域を通行させるように、無人航空機(ドローン)を運用することができる。
【0180】
また、水中ドローン(ROV)を使用するサービスに対応するレイヤについて、データ構造50における領域情報52において、フラグ情報が、「安全海域」又は「危険海域」と設定されている。また、この領域情報52において、属性情報が、「障害物情報」、「天候情報」及び「海流情報」と設定されている。これにより、本開示にかかる管理システム20は、「安全海域」を示すフラグ情報を有する領域情報52に関する領域を通行させるように、水中ドローン(ROV)を運用することができる。
【0181】
また、遠隔操作移動体を使用するサービスに対応するレイヤについて、データ構造50における領域情報52において、フラグ情報が、「通行可能」又は「通行不可」と設定されている。また、この領域情報52において、属性情報が、「障害物情報」及び「進入禁止情報」と設定されている。これにより、本開示にかかる管理システム20は、「通行可能」を示すフラグ情報を有する領域情報52に関する領域を通行させるように、遠隔操作移動体を運用することができる。
【0182】
また、視覚障がい者によって携帯される移動体を使用するサービスに対応するレイヤについて、データ構造50における領域情報52において、フラグ情報が、「安全通路」又は「危険通路」と設定されている。また、この領域情報52において、属性情報が、「進入禁止情報」及び「音声情報」と設定されている。これにより、本開示にかかる管理システム20は、視覚障がい者が「安全通路」を示すフラグ情報を有する領域情報52に関する領域を通行できるように、移動体を運用することができる。
【0183】
また、車いす利用者によって携帯される移動体を使用するサービスに対応するレイヤについて、データ構造50における領域情報52において、フラグ情報が、「移動難易度低」又は「移動難易度高」と設定されている。また、この領域情報52において、属性情報が、「段差情報」及び「通路勾配情報」と設定されている。これにより、本開示にかかる管理システム20は、車いす利用者が「移動難易度低」を示すフラグ情報を有する領域情報52に関する領域を通行できるように、移動体を運用することができる。
【0184】
本開示においては、移動体の使用目的(サービス)に応じた複数のレイヤが設けられている。そして、複数のレイヤごとに、データ構造50が設けられている。これにより、移動体の使用目的に応じて適切に移動体を運用することが可能となる。すなわち、上述したように、あるレイヤに属する移動体と別のレイヤに属する移動体とが衝突することを抑制することができる。さらに、レイヤを複数に分けることによって、それぞれのレイヤのサービスに必要ない情報が排除されたデータ構造50を構築することができる。したがって、データ構造50を簡素化することができるので、コンピュータリソース及び計算負荷を削減することが可能となる。
【0185】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートの各処理を、機械学習によって学習された学習済みモデルを用いて実現してもよい。つまり、上述した領域情報生成部は、機械学習によって学習された学習済みモデルを用いて、領域情報を生成する処理を行ってもよい。この場合、領域情報生成部は、環境情報又は属性情報を入力として、フラグ情報の値が出力されるように学習された学習済みモデルを用いて、上記の処理を行ってもよい。
【0186】
また、例えば、上述したフローチャートの各処理の順序は、適宜、変更可能である。また、上述したフローチャートの処理の1つ以上は、なくてもよい。例えば、図8のフローチャートにおいて、S140の処理は省略されてもよい。この場合、管理部140はなくてもよい。また、図8のフローチャートにおいて、S144~S150の処理は省略されてもよい。この場合、経路処理部150はなくてもよい。
【0187】
また、上述した実施の形態では、領域情報生成部は、環境情報を用いて属性情報を生成して、属性情報を用いてフラグ情報を決定するとしたが、このような構成に限られない。領域情報生成部は、属性情報を生成せずに、環境情報を用いてフラグ情報を決定してもよい。この場合、属性情報生成部126はなくてもよい。
【0188】
また、任意の1つの移動体は、任意の複数のレイヤに属してもよい。したがって、任意の1つの移動体が、本開示において例示した全てのレイヤに属してもよい。
【0189】
上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0190】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0191】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する領域情報生成手段と、
を有する、情報処理装置。
(付記2)
前記領域情報生成手段は、前記移動体の前記領域それぞれにおける通行可能状況に関する通行可能状況レイヤについて、前記複数の領域ごとに、前記領域を前記移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記領域情報生成手段は、複数の前記通行可能状況レイヤのそれぞれについて、前記領域を前記移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記領域情報生成手段は、複数の前記通行可能状況レイヤに関する前記領域の位置が互いに重なる場合に、複数の前記通行可能状況レイヤに関する当該領域に関する前記フラグ情報それぞれに対し、一方の前記フラグ情報について、前記移動体が当該領域を通行することが可能であると決定し、他方の前記フラグ情報について、前記移動体が当該領域を通行することが不可であると決定する、
付記3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記領域情報生成手段は、前記環境を通行する複数の前記移動体の通行を管理する通行管理レイヤについて、複数の前記移動体のうちの少なくとも1つの移動体が前記領域を通行するか否かを示す通行情報に基づいて、前記領域に対応する前記フラグ情報を決定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記領域情報生成手段は、前記通行管理レイヤについて、少なくとも1つの前記移動体が前記領域を通行することを前記通行情報が示す場合に、当該移動体以外の移動体の通行を不可とするように、前記フラグ情報を決定する、
付記5に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記領域情報生成手段は、第1の移動体に対して、当該第1の移動体の使用形態に応じて互いに異なる複数の前記レイヤそれぞれについて前記領域情報を生成する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記複数のレイヤごとに生成された複数の前記領域情報における前記フラグ情報に基づいて、前記環境において前記移動体が移動する経路を生成するための処理を行う経路処理手段、
をさらに有する付記1に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記領域情報生成手段は、前記移動体の前記領域それぞれにおける通行可能状況に関する通行可能状況レイヤについて、前記環境において前記移動体が移動する経路の計画である移動経路計画に基づいて、当該移動経路計画に関する前記移動体以外の移動体が前記領域を通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記領域情報生成手段は、前記領域それぞれにおける設備の管理に関する設備管理レイヤについて、前記複数の領域ごとに、前記領域に設備が配置されているか又は配置されていないかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記11)
前記領域情報生成手段は、前記移動体の前記領域それぞれにおける作業可能状況に関する作業可能状況レイヤについて、前記複数の領域ごとに、前記移動体を用いて行われる作業が可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記12)
前記領域情報生成手段は、前記領域の属性を示す属性情報を含む前記領域情報を示すデータ構造を生成する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記13)
前記領域情報生成手段は、前記環境情報に基づいて前記属性情報を生成し、前記属性情報に基づいて、前記フラグ情報を決定する、
付記12に記載の情報処理装置。
(付記14)
前記領域情報生成手段は、動的に変化する前記環境情報が変化することに応じて前記フラグ情報を更新する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記15)
3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得し、
前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成する、
情報処理方法。
(付記16)
前記移動体の前記領域それぞれにおける通行可能状況に関する通行可能状況レイヤについて、前記複数の領域ごとに、前記領域を前記移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記17)
複数の前記通行可能状況レイヤのそれぞれについて、前記領域を前記移動体が通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記16に記載の情報処理方法。
(付記18)
複数の前記通行可能状況レイヤに関する前記領域の位置が互いに重なる場合に、複数の前記通行可能状況レイヤに関する当該領域に関する前記フラグ情報それぞれに対し、一方の前記フラグ情報について、前記移動体が当該領域を通行することが可能であると決定し、他方の前記フラグ情報について、前記移動体が当該領域を通行することが不可であると決定する、
付記17に記載の情報処理方法。
(付記19)
前記環境を通行する複数の前記移動体の通行を管理する通行管理レイヤについて、複数の前記移動体のうちの少なくとも1つの移動体が前記領域を通行するか否かを示す通行情報に基づいて、前記領域に対応する前記フラグ情報を決定する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記20)
前記通行管理レイヤについて、少なくとも1つの前記移動体が前記領域を通行することを前記通行情報が示す場合に、当該移動体以外の移動体の通行を不可とするように、前記フラグ情報を決定する、
付記19に記載の情報処理方法。
(付記21)
第1の移動体に対して、当該第1の移動体の使用形態に応じて互いに異なる複数の前記レイヤそれぞれについて前記領域情報を生成する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記22)
前記複数のレイヤごとに生成された複数の前記領域情報における前記フラグ情報に基づいて、前記環境において前記移動体が移動する経路を生成するための処理を行う、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記23)
前記移動体の前記領域それぞれにおける通行可能状況に関する通行可能状況レイヤについて、前記環境において前記移動体が移動する経路の計画である移動経路計画に基づいて、当該移動経路計画に関する前記移動体以外の移動体が前記領域を通行することが可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記24)
前記領域それぞれにおける設備の管理に関する設備管理レイヤについて、前記複数の領域ごとに、前記領域に設備が配置されているか又は配置されていないかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記25)
前記移動体の前記領域それぞれにおける作業可能状況に関する作業可能状況レイヤについて、前記複数の領域ごとに、前記移動体を用いて行われる作業が可能であるか又は不可であるかを示す前記フラグ情報を決定する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記26)
前記領域の属性を示す属性情報を含む前記領域情報を示すデータ構造を生成する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記27)
前記環境情報に基づいて前記属性情報を生成し、前記属性情報に基づいて、前記フラグ情報を決定する、
付記26に記載の情報処理方法。
(付記28)
動的に変化する前記環境情報が変化することに応じて前記フラグ情報を更新する、
付記15に記載の情報処理方法。
(付記29)
3次元空間の環境における各位置に関する情報である少なくとも1つの環境情報を取得するステップと、
前記環境情報を用いて、前記環境を移動する少なくとも1つの移動体が使用される複数のサービスごとに規定された複数のレイヤそれぞれについて、前記環境の3次元空間を区分することにより前記環境に割り当てられた複数の領域それぞれの位置情報と、前記領域それぞれにおいて前記サービスごとに予め定められた事項を肯定又は否定することを示すフラグ情報と、を少なくとも含む複数の領域情報で構成されるデータ構造を生成するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0192】
1 情報処理装置
12 環境情報取得部
14 領域情報生成部
20 管理システム
22 制御部
24 記憶部
26 通信部
28 インタフェース部
30 検出装置
40 移動体
50 データ構造
52 領域情報
100 情報処理装置
110 環境情報取得部
112 スタティック情報取得部
114 ダイナミック情報取得部
120 領域情報生成部
122 領域設定部
124 領域情報構築部
126 属性情報生成部
128 フラグ情報決定部
130 領域情報格納部
140 管理部
150 経路処理部
152 経路生成用データ変換部
154 経路生成用データ格納部
160 経路生成部
170 情報出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22