(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002297
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】車載用制御装置
(51)【国際特許分類】
B60R 16/033 20060101AFI20241226BHJP
B60R 16/03 20060101ALI20241226BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B60R16/033 B
B60R16/03 A
H02J1/00 304E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102372
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝崎 将実
(72)【発明者】
【氏名】安則 裕通
【テーマコード(参考)】
5G165
【Fターム(参考)】
5G165AA01
5G165DA02
5G165EA02
5G165EA04
5G165GA09
5G165JA04
5G165JA07
5G165LA02
5G165NA05
(57)【要約】
【課題】車両の駐車状態において後付け電源からの電力供給が可能な場合に車載バッテリの電力消費を抑える。
【解決手段】車載用制御装置10は、切替部11と、制御部13と、導電路(例えば第2導電路22)と、を備える。切替部11は、車両に搭載される車載バッテリ2と負荷(例えば第1負荷3)との間に設けられ、車載バッテリ2から上記負荷への電力供給を許容する許容状態と遮断する遮断状態とに切り替わる。制御部13は、切替部11を制御する。上記導電路は、切替部11と上記負荷との間に設けられ、後付け電源40が電気的に接続され得る。制御部13は、車両の駐車状態において上記導電路に後付け電源40が電気的に接続された接続状態であるか否かを判定し、接続状態であると判定した場合に、切替部11を遮断状態に制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載バッテリと負荷との間に設けられる切替部と、
前記切替部を制御する制御部と、
前記切替部と前記負荷との間に設けられる導電路と、を備える車載用制御装置であって、
前記切替部は、前記車載バッテリから前記負荷への電力供給を許容する許容状態と遮断する遮断状態とに切り替わり、
前記導電路は、後付け電源が電気的に接続され得る構成をなし、
前記制御部は、前記車両の駐車状態において前記導電路に前記後付け電源が電気的に接続された接続状態であるか否かを判定し、前記接続状態であると判定した場合に、前記切替部を前記遮断状態に制御する
車載用制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記接続状態でないと判定した場合に、暗電流供給条件を満たすことを条件として前記切替部を前記許容状態に制御する
請求項1に記載の車載用制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記接続状態であると判定した場合に、ユーザが前記後付け電源の使用を希望するか否かを確認する確認処理を行い、希望することが確認された場合に、前記切替部を前記遮断状態に制御する
請求項1又は請求項2に記載の車載用制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記確認処理を行い、希望しないことが確認された場合に、暗電流供給条件を満たすことを条件として前記切替部を前記許容状態に制御する
請求項3に記載の車載用制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記車両が前記駐車状態でない始動状態である場合に、前記切替部を前記許容状態に制御する
請求項1又は請求項2に記載の車載用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される電気自動車は、停車状態で車内負荷装置への電力供給を開始する要求に応じて、バッテリからの電力を車内負荷装置へ供給可能か否かをバッテリの充電状態に基づいて判定し、バッテリからの電力を車内負荷装置へ供給できないと判定された場合、車内負荷装置への電力の供給を給電装置に依頼する。給電装置は、依頼に応じて、車内負荷装置との電気的な接続を行い、車内負荷装置への電力の供給を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、給電装置からの電力供給が可能であるか否かに関わらず、バッテリの充電状態によってはバッテリの電力が消費されてしまう。
【0005】
本開示は、車両の駐車状態において後付け電源からの電力供給が可能な場合に車載バッテリの電力消費を抑えやすい技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車載用制御装置は、
車両に搭載される車載バッテリと負荷との間に設けられる切替部と、
前記切替部を制御する制御部と、
前記切替部と前記負荷との間に設けられる導電路と、を備える車載用制御装置であって、
前記切替部は、前記車載バッテリから前記負荷への電力供給を許容する許容状態と遮断する遮断状態とに切り替わり、
前記導電路は、後付け電源が電気的に接続され得る構成をなし、
前記制御部は、前記車両の駐車状態において前記導電路に前記後付け電源が電気的に接続された接続状態であるか否かを判定し、前記接続状態であると判定した場合に、前記切替部を前記遮断状態に制御する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、車両の駐車状態において後付け電源からの電力供給が可能な場合に車載バッテリの電力消費を抑えやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の車載用制御装置を含む車載システムを概略的に示す構成図である。
【
図2】
図2は、表示装置に表示される確認画面の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、制御部が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、後付け電源から第1負荷に電力が供給される状態を概念的に示す説明図である。
【
図5】
図5は、車載バッテリから第1負荷に暗電流が供給される状態を概念的に示す説明図である。
【
図6】
図6は、非接続状態において車載バッテリから第1負荷に電力が供給される状態を概念的に示す説明図である。
【
図7】
図7は、車両の始動状態において車載バッテリから第1負荷に電力が供給される状態を概念的に示す説明図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の車載用制御装置を含む車載システムを概略的に示す構成図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態の車載用制御装置を含む車載システムを概略的に示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
〔1〕車両に搭載される車載バッテリと負荷との間に設けられる切替部と、
前記切替部を制御する制御部と、
前記切替部と前記負荷との間に設けられる導電路と、を備える車載用制御装置であって、
前記切替部は、前記車載バッテリから前記負荷への電力供給を許容する許容状態と遮断する遮断状態とに切り替わり、
前記導電路は、後付け電源が電気的に接続され得る構成をなし、
前記制御部は、前記車両の駐車状態において前記導電路に前記後付け電源が電気的に接続された接続状態であるか否かを判定し、前記接続状態であると判定した場合に、前記切替部を前記遮断状態に制御する
車載用制御装置。
【0011】
上記車載用制御装置は、車両の駐車状態において後付け電源が上記導電路に接続されている場合に、上記導電路を介して後付け電源側から負荷側に電力を供給することができる。上記車載用制御装置は、このような状況下において、切替部を遮断状態に切り替える。つまり、上記車載用制御装置は、車両の駐車状態において後付け電源からの電力供給が可能な場合に車載バッテリの電力消費を抑えやすい。
【0012】
〔2〕前記制御部は、前記接続状態でないと判定した場合に、暗電流供給条件を満たすことを条件として前記切替部を前記許容状態に制御する
〔1〕に記載の車載用制御装置。
【0013】
上記車載用制御装置は、後付け電源が上記導電路に接続されていない場合には、暗電流供給条件を満たすことを条件として車載バッテリから負荷へ暗電流を供給することができる。
【0014】
〔3〕前記制御部は、前記接続状態であると判定した場合に、ユーザが前記後付け電源の使用を希望するか否かを確認する確認処理を行い、希望することが確認された場合に、前記切替部を前記遮断状態に制御する
〔1〕又は〔2〕に記載の車載用制御装置。
【0015】
上記車載用制御装置は、ユーザが後付け電源の使用を希望することを確認した上で、車載バッテリから負荷への電力供給を遮断することができる。
【0016】
〔4〕前記制御部は、前記確認処理を行い、希望しないことが確認された場合に、暗電流供給条件を満たすことを条件として前記切替部を前記許容状態に制御する
〔3〕に記載の車載用制御装置。
【0017】
上記車載用制御装置は、後付け電源が上記導電路に接続されている場合であっても、ユーザが後付け電源の使用を希望しないときには、暗電流供給条件を満たすことを条件として車載バッテリから負荷へ暗電流を供給することができる。
【0018】
〔5〕前記制御部は、前記車両が前記駐車状態でない始動状態である場合に、前記切替部を前記許容状態に制御する
〔1〕又は〔2〕に記載の車載用制御装置。
【0019】
上記車載用制御装置は、始動状態において、車載バッテリからの電力を負荷に供給できる。しかも、上記車載用制御装置は、導電路に後付け電源が接続されている場合には、車載バッテリから供給される電力によって後付け電源を充電することができる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
<第1実施形態>
図1には、車載用制御装置10を含む車載システム1が開示されている。車載システム1は、車載バッテリ2と、第1負荷3と、第2負荷4と、車載用制御装置10と、を備える。
【0021】
車載バッテリ2は、車両に搭載されるバッテリである。車載バッテリ2は、第1負荷3及び第2負荷4に電力を供給する電力供給源である。バッテリは、リチウムイオンバッテリであってもよいし、鉛バッテリであってもよいし、その他のバッテリであってもよい。
【0022】
第1負荷3は、負荷の一例に相当する。第1負荷3は、車両の駐車状態において使用される可能性のある負荷である。第1負荷3は、例えばヘッドライト、室内灯、マルチメディアなどである。第1負荷3は、キャンプなど野外で利用可能な負荷(例えば、電灯、オーディオ機器など)を含む。第1負荷3は、文字や画像などの情報を表示する表示装置3Aを含む。表示装置3Aは、例えば、ディスプレイ装置、ナビゲーション装置などである。表示装置3Aは、文字や画像などの情報を表示する表示部と、入力操作を受け付ける操作部とを含む。表示装置3Aは、例えばタッチパネルを含んで構成される。
【0023】
第2負荷4は、車両の走行時に使用される負荷を含む。第2負荷4は、例えばパワートレイン、ブレーキ、ステアリング、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)などである。
【0024】
車載用制御装置10は、例えばヒューズボックスなどの電気接続箱として構成される。車載用制御装置10は、車載バッテリ2と第1負荷3との間に設けられ、車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を制御する。
【0025】
車載用制御装置10は、切替部11と、電圧検出部12と、制御部13と、第1導電路21と、第2導電路22と、第3導電路23と、分岐路24と、第1端子25と、第2端子26と、を備える。
【0026】
切替部11は、車載バッテリ2と第1負荷3との間に設けられる。切替部11は、車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を許容する許容状態と遮断する遮断状態とに切り替わる。切替部11は、複数のスイッチ部30を有する。複数のスイッチ部30は、車載バッテリ2と第1負荷3との間において互いに並列に配置される。各スイッチ部30は、本実施形態では、半導体スイッチによって構成される。各スイッチ部30は、本実施形態では、一対のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)31,32を互いに逆向きに接続した構成をなす。
【0027】
切替部11は、全てのスイッチ部30がオン状態である第1状態と、全てのスイッチ部30がオフ状態である第2状態と、一部のスイッチ部30のみがオン状態である第3状態と、に切り替わる。切替部11は、第1状態又は第3状態のときに許容状態となり、第2状態のときに遮断状態となる。切替部11は、第1状態のときに第3状態のときよりも大きい電流が流れることを許容する。切替部11は、許容状態のときに双方向の電流の流れを許容する。切替部11は、遮断状態のときに双方向の電流の流れを遮断する。
【0028】
第1導電路21は、切替部11と車載バッテリ2との間に設けられる。第2導電路22は、切替部11と第1負荷3との間に設けられる。第2導電路22は、導電路の一例に相当する。第2導電路22は、後付け電源40が電気的に接続され得る。第3導電路23は、第1導電路21と第2負荷4との間に設けられる。分岐路24は、第2導電路22から分岐する。第1端子25は、分岐路24に設けられる。第2端子26は、グラウンドに電気的に接続される。第1端子25及び第2端子26には、後付け電源40が電気的に接続される。
【0029】
後付け電源40は、車両に予め搭載されるものではなく、必要に応じて接続される電源である。後付け電源40は、バッテリとして構成される。後付け電源40は、例えば市販される携帯可能なバッテリである。後付け電源40の正極は、第1端子25に電気的に接続される。後付け電源40の正極は、第1端子25を介して、分岐路24、第2導電路22及び第1負荷3に電気的に接続される。後付け電源40の負極は、第2端子26に電気的に接続される。
【0030】
電圧検出部12は、後付け電源40が第2導電路22に電気的に接続された接続状態において、後付け電源40の出力電圧が印加される電気経路の電圧を検出する。後付け電源40の出力電圧は、分岐路24及び第2導電路22に印加される。後付け電源40の出力電圧は、車載バッテリ2の出力電圧よりも低い。電圧検出部12は、例えば公知の電圧検出回路として構成される。電圧検出部12は、検出値を示す信号を制御部13に向けて出力する。
【0031】
制御部13は、例えばマイクロコンピュータを含んで構成される。制御部13は、例えばCPU、メモリなどを含む。制御部13は、切替部11及び表示装置3Aを制御する。制御部13は、切替部11を収容するヒューズボックス内に配置されてもよいし、ヒューズボックス外に配置されてもよい。
【0032】
制御部13は、切替部11が有するスイッチ部30を駆動する駆動回路を含む。制御部13は、切替部11を第1状態、第2状態又は第3状態に制御する。制御部13は、切替部11を第3状態に制御する際、オン状態にするスイッチ部30の数も調整し得る。切替部11は、オン状態となるスイッチ部30の数が大きいほど、大きい電流が流れることを許容する。
【0033】
制御部13は、車両の駐車状態において切替部11と第1負荷3との間の第2導電路22に後付け電源40が接続された接続状態であるか否かを判定する。具体的には、制御部13は、車両の駐車状態で、且つ接続状態であるか否かを判定する。
【0034】
車両は、駐車状態と始動状態とに切り替わる。駐車状態は、車両の始動スイッチがオフ状態となっている状態である。始動状態は、車両の始動スイッチがオン状態となっている状態である。始動スイッチは、イグニッションスイッチやパワースイッチなどである。制御部13は、例えば始動スイッチのオンオフ状態を示すオンオフ信号を外部ECUから受信し、オンオフ信号に基づいて車両が駐車状態であるか始動状態であるかを判定する。具体的には、制御部13は、始動スイッチがオフ状態である場合に車両が駐車状態であると判定し、始動スイッチがオン状態である場合に車両が始動状態であると判定する。
【0035】
制御部13は、電圧検出部12から出力される信号に基づいて、接続状態において後付け電源40の出力電圧が印加される電気経路(本実施形態では、分岐路24)の電圧を検出する。制御部13は、分岐路24の電圧が閾値を超えるか否かを判定する。制御部13は、分岐路24の電圧が閾値を超えると判定した場合、接続状態であると判定する。制御部13は、分岐路24の電圧が閾値を超えていないと判定した場合、後付け電源40が第2導電路22に電気的に接続されていない非接続状態であると判定する。
【0036】
制御部13は、車両の駐車状態において接続状態であると判定した場合に、切替部11を遮断状態に制御する。これにより、車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給が遮断される。車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給が遮断された状態では、車載バッテリ2の出力電圧と後付け電源40の出力電圧との関係に関わらず、後付け電源40から第1負荷3に電力が供給される。
【0037】
また、制御部13は、車両の駐車状態において接続状態であると判定した場合に、ユーザが後付け電源40の使用を希望するか否かを確認する確認処理を行い、希望することが確認された場合に、切替部11を遮断状態に制御する。制御部13は、確認処理において、表示装置3Aに向けて確認指示信号を出力する。表示装置3Aは、確認指示信号が入力されると、ユーザが後付け電源40の使用を希望するか否かを確認する確認画面を自身の表示部に表示させる。確認画面には、
図2に示すように、「後付け電源を使用しますか?」という質問文と、「はい」及び「いいえ」という選択肢と、が表示される。表示装置3Aは、いずれかの選択肢が選択された場合に、選択結果を示す情報を制御部13に向けて出力する。制御部13は、表示装置3Aから出力された情報に基づいて、ユーザが後付け電源40の使用を希望するか否かを判定する。
【0038】
制御部13は、車両の駐車状態において接続状態でないと判定した場合に、暗電流供給条件を満たすことを条件として切替部11を許容状態(例えば、第3状態)に制御する。これにより、必要に応じて車載バッテリ2から第1負荷3に暗電流が供給される。暗電流供給条件は、周期的に成立する条件であってもよいし、第1負荷3の種類によって定まる条件であってもよいし、第1負荷3の作動条件であってもよい。制御部13は、上記確認処理を行い、希望しないことが確認された場合に、暗電流供給条件を満たすことを条件として切替部11を許容状態に制御する。
【0039】
なお、切替部11が遮断状態であるか許容状態であるかに関わらず、第2負荷4には、車載バッテリ2からの電力が供給される。
【0040】
制御部13は、車両が駐車状態であるか始動状態であるかに関わらず、
図3に示す処理を繰り返し行う。制御部13は、ステップS11にて、車両が駐車状態であるか否かを判定する。制御部13は、車両が駐車状態であると判定した場合、ステップS12にて、接続状態であるか否かを判定する。
【0041】
制御部13は、接続状態であると判定した場合、ステップS13にて、後付け電源40の使用が希望されているか否かを判定する。制御部13は、ユーザが後付け電源40の使用を希望するか否かを未確認である場合には、上述した確認処理を行い、ユーザが後付け電源40の使用を希望するか否かを判定する。制御部13は、前回以前に行った
図3に示す処理において、ユーザが後付け電源40の使用を希望するか否かを確認済みである場合、その確認結果に基づいて、後付け電源40の使用が希望されているか否かを判定する。
【0042】
制御部13は、ステップS13にて、後付け電源40の使用が希望されていると判定した場合、ステップS14にて、切替部11を遮断状態に制御する。これにより、
図4に示すように、車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給が遮断され、後付け電源40から第1負荷3に電力が供給される。また、車載バッテリ2から第2負荷4へ電力が供給される。その後、制御部13は、
図3に示す処理を終了する。
【0043】
制御部13は、ステップS13にて、後付け電源40の使用が希望されていないと判定した場合、ステップS15にて、暗電流供給条件を満たすか否かを判定する。制御部13は、暗電流供給条件を満たすと判定した場合に、ステップS16にて、切替部11を許容状態(例えば、第3状態)に制御する。これにより、
図5に示すように、車載バッテリ2から第1負荷3に暗電流が供給される。また、車載バッテリ2から第2負荷4へ電力が供給される。その後、制御部13は、
図3に示す処理を終了する。
【0044】
制御部13は、ステップS12にて、接続状態でないと判定した場合、ステップS15に移行する。制御部13は、ステップS15にて、暗電流供給条件を満たすか否かを判定する。制御部13は、暗電流供給条件を満たすと判定した場合に、ステップS16にて、切替部11を許容状態(例えば、第3状態)に制御する。これにより、
図6に示すように、車載バッテリ2から第1負荷3に暗電流が供給される。また、車載バッテリ2から第2負荷4へ電力が供給される。その後、制御部13は、
図3に示す処理を終了する。
【0045】
制御部13は、ステップS11にて、車両が駐車状態でないと判定した場合、ステップS17にて、切替部11を許容状態(例えば、第1状態)に制御する。これにより、
図7に示すように、車載バッテリ2から第1負荷3及び第2負荷4に電力が供給される。また、車載バッテリ2から後付け電源40に電力が供給され、後付け電源40が充電される。その後、制御部13は、
図3に示す処理を終了する。
【0046】
以下の説明は、車載用制御装置10の効果に関する。
車載用制御装置10は、車両の駐車状態において後付け電源40が第2導電路22に接続されている場合に、第2導電路22を介して後付け電源40側から第1負荷3側に電力を供給することができる。車載用制御装置10は、このような状況下において、切替部11を遮断状態に切り替える。つまり、車載用制御装置10は、車両の駐車状態において後付け電源40からの電力供給が可能な場合に車載バッテリ2の電力消費を抑えやすい。
【0047】
車載用制御装置10は、後付け電源40が第2導電路22に接続されていない場合には、暗電流供給条件を満たすことを条件として車載バッテリ2から第1負荷3へ暗電流を供給することができる。
【0048】
車載用制御装置10は、ユーザが後付け電源40の使用を希望することを確認した上で、車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を遮断することができる。
【0049】
車載用制御装置10は、後付け電源40が第2導電路22に接続されている場合であっても、ユーザが後付け電源40の使用を希望しないときには、暗電流供給条件を満たすことを条件として車載バッテリ2から第1負荷3へ暗電流を供給することができる。
【0050】
車載用制御装置10は、始動状態において、切替部11を介して車載バッテリ2から第1負荷3に電力を供給することができる。更に、車載用制御装置10は、第2導電路22に後付け電源40が接続されている場合には、切替部11を介して車載バッテリ2から後付け電源40に電力を供給し、後付け電源40を充電することができる。
【0051】
<第2実施形態>
第2実施形態では、切替部が第1切替部及び第2切替部を並列に接続した構成である例について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0052】
第2実施形態の車載システム201は、
図8に示すように、車載バッテリ2と、第1負荷3と、第2負荷4と、車載用制御装置210と、を備える。車載用制御装置210は、切替部50と、電圧検出部12と、制御部13と、第1導電路21と、第2導電路22と、第3導電路23と、分岐路24と、第1端子25と、第2端子26と、を備える。
【0053】
切替部50は、車載バッテリ2と第1負荷3との間に設けられる。切替部50は、車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を許容する許容状態と遮断する遮断状態とに切り替わる。切替部50は、第1切替部51と、第2切替部52と、を有する。第1切替部51及び第2切替部52は、車載バッテリ2と第1負荷3との間において、互いに並列に配置される。
【0054】
第1切替部51は、自身を介した車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を許容する第1許容状態と遮断する第1遮断状態とに切り替わる。第1切替部51は、第1実施形態で説明した切替部11と同じく、複数のスイッチ部30を有する。複数のスイッチ部30は、車載バッテリ2と第1負荷3との間において互いに並列に配置される。各スイッチ部30は、本実施形態では、半導体スイッチによって構成される。各スイッチ部30は、本実施形態では、一対のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)31,32を互いに逆向きに接続した構成をなす。各スイッチ部30を構成する半導体スイッチは、ノーマリオフであることが好ましい。
【0055】
第1切替部51は、全てのスイッチ部30がオン状態である第1状態と、全てのスイッチ部30がオフ状態である第2状態とに切り替わる。第1切替部51は、一部のスイッチ部30のみがオン状態である第3状態とはならない点で、第1実施形態で説明した切替部11とは異なる。第1切替部51は、第1状態のときに第1許容状態となり、第2状態のときに第1遮断状態となる。第1切替部51は、第1許容状態のときに自身を介した双方向の電流の流れを許容する。第1切替部51は、第1遮断状態のときに自身を介した双方向の電流の流れを遮断する。
【0056】
第2切替部52は、自身を介した車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を許容する第2許容状態と遮断する第2遮断状態とに切り替わる。第2切替部52は、1つのスイッチング素子によって構成される。第2切替部52を構成するスイッチング素子は、例えば接点を有する機械式のスイッチング素子である。第2切替部52を構成するスイッチング素子は、ノーマリオン(つまり、ノーマリクローズ)であることが好ましい。この構成によれば、切替部50に制御信号を与えなくとも、第2切替部52を介して車載バッテリ2から第1負荷3に暗電流を供給することができる。第2切替部52は、スイッチング素子がオン状態のときに第2許容状態となり、スイッチング素子がオフ状態のときに第2遮断状態となる。第2切替部52は、第2許容状態のときに自身を介した双方向の電流の流れを許容する。第2切替部52は、第2遮断状態のときに自身を介した双方向の電流の流れを遮断する。
【0057】
切替部50は、第1切替部51が第1許容状態である場合、又は第2切替部52が第2許容状態である場合に、許容状態となる。切替部50は、第1切替部51が第1許容状態で且つ第2切替部52が第2遮断状態である場合には、第1切替部51が第1遮断状態で且つ第2切替部52が第2許容状態である場合よりも、大きい電流が流れることを許容する。切替部50は、第1切替部51が第1遮断状態で、且つ第2切替部52が第2遮断状態である場合に、遮断状態となる。切替部50は、許容状態のときに双方向の電流の流れを許容する。切替部50は、遮断状態のときに双方向の電流の流れを遮断する。
【0058】
制御部13は、切替部50を制御する。制御部13は、第1実施形態で説明した切替部11と同様に、切替部50を許容状態又は遮断状態に制御する。制御部13は、例えば第1実施形態において切替部11を第1状態に制御するケースでは、第1切替部51を第1許容状態に制御するとともに、第2切替部52を第2遮断状態に制御してもよい。制御部13は、例えば第1実施形態において切替部11を第3状態に制御するケースでは、第1切替部51を第1遮断状態に制御するとともに、第2切替部52を第2許容状態に制御してもよい。
【0059】
第2実施形態の車載用制御装置210は、第1切替部51を第1許容状態に制御するか、第2切替部52を第2許容状態に制御するかによって、切替部50を流れる電流の許容度合いを切り替えることができる。
【0060】
<第3実施形態>
第3実施形態では、第2実施形態で説明した第1切替部を機械式のスイッチング素子によって構成した例について説明する。なお、第3実施形態では、第2実施形態と同じ構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0061】
第3実施形態の車載システム301は、
図9に示すように、車載バッテリ2と、第1負荷3と、第2負荷4と、車載用制御装置310と、を備える。車載用制御装置310は、切替部350と、電圧検出部12と、制御部13と、第1導電路21と、第2導電路22と、第3導電路23と、分岐路24と、第1端子25と、第2端子26と、を備える。
【0062】
切替部350は、車載バッテリ2と第1負荷3との間に設けられる。切替部350は、車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を許容する許容状態と遮断する遮断状態とに切り替わる。切替部350は、第1切替部351と、第2切替部52と、を有する。第1切替部351及び第2切替部52は、車載バッテリ2と第1負荷3との間において、互いに並列に配置される。
【0063】
第1切替部351は、自身を介した車載バッテリ2から第1負荷3への電力供給を許容する第1許容状態と遮断する第1遮断状態とに切り替わる。第1切替部351は、複数のスイッチ部330を有する。複数のスイッチ部330は、車載バッテリ2と第1負荷3との間において互いに並列に配置される。各スイッチ部330は、接点を有する機械式のスイッチング素子によって構成される。各スイッチ部330を構成するスイッチング素子は、ノーマリオフ(つまり、ノーマリオープン)であることが好ましい。第2切替部52を構成するスイッチング素子は、ノーマリオン(つまり、ノーマリクローズ)であることが好ましい。この構成によれば、切替部350に制御信号を与えなくとも、第2切替部52を介して車載バッテリ2から第1負荷3に暗電流を供給することができる。
【0064】
第1切替部351は、全てのスイッチ部330がオン状態である第1状態と、全てのスイッチ部330がオフ状態である第2状態とに切り替わる。第1切替部351は、一部のスイッチ部330のみがオン状態である第3状態とはならない。第1切替部351は、第1状態のときに第1許容状態となり、第2状態のときに第1遮断状態となる。第1切替部351は、第1許容状態のときに自身を介した双方向の電流の流れを許容する。第1切替部351は、第1遮断状態のときに自身を介した双方向の電流の流れを遮断する。
【0065】
切替部350は、第1切替部351が第1許容状態である場合、又は第2切替部52が第2許容状態である場合に、許容状態となる。切替部350は、第1切替部351が第1許容状態で且つ第2切替部52が第2遮断状態である場合には、第1切替部351が第1遮断状態で且つ第2切替部52が第2許容状態である場合よりも、大きい電流が流れることを許容する。切替部350は、第1切替部351が第1遮断状態で、且つ第2切替部52が第2遮断状態である場合に、遮断状態となる。切替部350は、許容状態のときに双方向の電流の流れを許容する。切替部350は、遮断状態のときに双方向の電流の流れを遮断する。
【0066】
制御部13は、切替部350を制御する。制御部13は、第1実施形態で説明した切替部11と同様に、切替部350を許容状態又は遮断状態に制御する。制御部13は、例えば第1実施形態において切替部11を第1状態に制御するケースでは、第1切替部351を第1許容状態に制御するとともに、第2切替部52を第2遮断状態に制御してもよい。制御部13は、例えば第1実施形態において切替部11を第3状態に制御するケースでは、第1切替部351を第1遮断状態に制御するとともに、第2切替部52を第2許容状態に制御してもよい。
【0067】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0068】
上述した実施形態では、ユーザが後付け電源40の使用を希望することが確認された場合に、制御部13が切替部11,50,350を遮断状態に切り替える構成であった。これに対し、制御部13が車両の駐車状態において接続状態であると判定した場合には、ユーザが後付け電源40の使用を希望するか否かを確認することなく、制御部13が切替部11,50,350を遮断状態に切り替える構成であってもよい。
【0069】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
1…車載システム
2…車載バッテリ
3…第1負荷(負荷)
3A…表示装置
4…第2負荷
10…車載用制御装置
11…切替部
12…電圧検出部
13…制御部
21…第1導電路
22…第2導電路(導電路)
23…第3導電路
24…分岐路
25…第1端子
26…第2端子
30…スイッチ部
40…後付け電源
50…切替部
51…第1切替部
52…第2切替部
201…車載システム
210…車載用制御装置
301…車載システム
310…車載用制御装置
330…スイッチ部
350…切替部
351…第1切替部