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特開2025-2300知的財産情報管理システム、知的財産情報管理サーバ、知的財産情報管理方法、および知的財産情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002300
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】知的財産情報管理システム、知的財産情報管理サーバ、知的財産情報管理方法、および知的財産情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102377
(22)【出願日】2023-06-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】520355334
【氏名又は名称】株式会社ジムウイン
(74)【代理人】
【識別番号】100210815
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 聡子
(72)【発明者】
【氏名】望月 俊一
(72)【発明者】
【氏名】西田 聡子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC33
5L050CC33
(57)【要約】
【課題】知的財産に関する案件情報の管理を容易にするシステムを提供する。
【解決手段】
知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末と、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、代理人および依頼人の端末と接続されるサーバと、を備えるシステムであって、サーバは、案件情報と、案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、案件情報を、管理情報に基づいて、代理人または依頼人の端末に提供する提供部と、代理人または依頼人の端末からの所定の指示を取得する取得部と、所定の指示に応じて、記憶部が記憶する管理情報に基づき、案件情報と代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または案件情報と依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するデータ生成部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末と、
前記案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、
前記代理人端末および前記依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、
を備えるシステムであって、
前記サーバは、
前記案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、
前記案件情報を、前記管理情報に基づいて、前記代理人端末または前記依頼人端末に提供する提供部と、
前記代理人端末または前記依頼人端末からの所定の指示を取得する取得部と、
前記所定の指示に応じて、前記記憶部が記憶する管理情報に基づき、前記案件情報と当該案件情報に係る前記代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または前記案件情報と当該案件情報に係る前記依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するデータ生成部と、を有する、知的財産情報管理システム。
【請求項2】
前記データ生成部は、前記依頼人管理情報を生成した後、前記管理情報の案件情報に対し、前記依頼人識別情報との関連付けを解消し、
前記提供部は、
前記代理人端末からの閲覧要求に応じて、前記管理情報に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報を提供し、
前記依頼人端末からの閲覧要求に応じて、前記依頼人管理情報に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報を提供する、請求項1に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項3】
前記データ生成部は、前記代理人管理情報を生成した後、前記管理情報の案件情報に対し、前記代理人識別情報との関連付けを解消し、
前記提供部は、
前記代理人端末からの閲覧要求に応じて、前記代理人管理情報に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報を提供し、
前記依頼人端末からの閲覧要求に応じて、前記管理情報に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報を提供する、請求項1に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項4】
前記データ生成部は、前記所定の指示を受信したことに応じて、当該所定の指示に係る前記代理人端末に関連付けられた前記案件情報のデータサイズに基づいて課金額を算出して、前記依頼人端末に送信し、
前記データ生成部は、前記依頼人端末からの前記課金額の支払いが完了したことに応じて、前記代理人管理情報および前記依頼人管理情報を生成する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、複数の代理人識別情報、および少なくとも一つの依頼人識別情報と、前記案件情報とが関連付けられた前記管理情報を記憶し、
前記データ生成部は、
前記複数の代理人識別情報のうち、所定の代理人を識別する各代理人識別情報と、案件情報とがそれぞれ関連付けられた代理人管理情報を生成し、
前記管理情報の案件情報に対し、前記所定の代理人を識別する前記各代理人識別情報との関連付けを解消する、請求項1に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記案件情報に対する編集権限を、一の案件情報につき、少なくとも一の代理人に付与する権限管理部をさらに有し、
前記データ生成部が、前記管理情報の案件情報に対し、前記編集権限を有する代理人を識別する前記代理人識別情報との関連付けを解消したことに応じて、前記権限管理部は、当該管理情報の案件情報に関連付けられており、前記編集権限を有していない代理人に対し、当該管理情報の案件情報の編集権限を新たに付与する、請求項5に記載の知的財産情報管理システム。
【請求項7】
知的財産に関する案件情報を、前記案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末および当該案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末に、ネットワークを介して提供するサーバであって、
前記案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、
前記案件情報を、前記管理情報に基づいて、前記代理人端末または前記依頼人端末に提供する提供部と、
前記代理人端末または前記依頼人端末からの所定の指示を取得する取得部と、
前記所定の指示に応じて、前記記憶部が記憶する管理情報に基づき、前記案件情報と当該案件情報に係る前記代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または前記案件情報と当該案件情報に係る前記依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するデータ生成部と、を有する、知的財産情報管理サーバ。
【請求項8】
知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末と、
前記案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、
前記代理人端末および前記依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、
を備えるシステムにおける方法であって、
前記サーバは、
前記案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、
前記案件情報を、前記管理情報に基づいて、前記代理人端末または前記依頼人端末に提供するステップと、
前記代理人端末または前記依頼人端末からの所定の指示を取得するステップと、
前記所定の指示に応じて、前記記憶するステップにおいて記憶した管理情報に基づき、前記案件情報と当該案件情報に係る前記代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または前記案件情報と当該案件情報に係る前記依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するステップと、を実行する、知的財産情報管理方法。
【請求項9】
知的財産に関する案件情報を、前記案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末および当該案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末に、ネットワークを介して提供するサーバにおいて実行されるプログラムであって、
前記サーバは、制御部と、記憶部とを備え、
前記記憶部が、前記案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、
前記制御部が、前記案件情報を、前記管理情報に基づいて、前記代理人端末または前記依頼人端末に提供するステップと、
前記制御部が、前記代理人端末または前記依頼人端末からの所定の指示を取得するステップと、
前記制御部が、前記所定の指示に応じて、前記記憶部が記憶する管理情報に基づき、前記案件情報と当該案件情報に係る前記代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または前記案件情報と当該案件情報に係る前記依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するステップと、を備える知的財産情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、知的財産情報管理システム、知的財産情報管理サーバ、知的財産情報管理方法、および知的財産情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
知的財産に関する手続きは、複雑な作業や高度な知識を必要とするため、知的財産の専門家である弁理士などの代理人によって行われることが多い。代理人は、例えば、特許庁などに対する手続きが完了すると、知的財産に関する専用の管理システムに手続き内容を入力するとともに、依頼人に対し手続きに関する通知を行う。依頼人は、代理人からの通知等に基づき、知的財産の管理を行うことになるが、中小企業や個人の依頼人にとっては、専用の管理システムを導入することは、負担が大きい。
【0003】
そこで、依頼人の負担を軽減すべく、例えば、特許文献1では、代理人等に手続きの代理や管理を依頼している依頼人自身が、独自の管理システムを導入することなく、簡単に自己の案件の状況を確認することができる手続管理システムが開示されている。このシステムによれば、依頼人は、ネットワークを介して、代理人が手続管理システムに入力した案件の情報について閲覧や指示をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-47993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
知的財産に関する手続きにおいては、代理人の辞任、解任等により、案件情報の管理者を途中で変更する場合がある。このように、案件情報を管理する代理人を変更する場合、特許文献1に記載のシステムでは、代理人が手続管理システムに入力した案件の情報を依頼人が閲覧することができなくなるため、依頼人は、案件の情報を自ら再度取得して、管理する負担が発生するという課題があった。
【0006】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、知的財産に関する案件情報の管理を容易にする知的財産情報管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理システムは、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、代理人端末および依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備え、サーバは、案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、案件情報を、管理情報に基づいて、代理人端末または依頼人端末に提供する提供部と、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示を取得する取得部と、所定の指示に応じて、記憶部が記憶する管理情報に基づき、案件情報と当該案件情報に係る代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または案件情報と当該案件情報に係る依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するデータ生成部と、を有する。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理サーバは、知的財産に関する案件情報を、案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末および当該案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末に、ネットワークを介して提供するサーバであって、案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶する記憶部と、案件情報を、管理情報に基づいて、代理人端末または依頼人端末に提供する提供部と、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示を取得する取得部と、所定の指示に応じて、記憶部が記憶する管理情報に基づき、案件情報と当該案件情報に係る代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または案件情報と当該案件情報に係る依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するデータ生成部と、を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理方法は、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末と、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末と、代理人端末および依頼人端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備えるシステムにおける方法であって、サーバは、案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、案件情報を、管理情報に基づいて、代理人端末または依頼人端末に提供するステップと、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示を取得するステップと、所定の指示に応じて、記憶するステップにおいて記憶した管理情報に基づき、案件情報と当該案件情報に係る代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または案件情報と当該案件情報に係る依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するステップと、を実行する。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る知的財産情報管理プログラムは、知的財産に関する案件情報を、案件情報を管理する代理人が用いる代理人端末および当該案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる依頼人端末に、ネットワークを介して提供するサーバにおいて実行されるプログラムであって、サーバは、制御部と、記憶部とを備え、記憶部が、案件情報と、当該案件情報に係る代理人を識別する代理人識別情報および依頼人を識別する依頼人識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するステップと、制御部が、案件情報を、管理情報に基づいて、代理人端末または依頼人端末に提供するステップと、制御部が、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示を取得するステップと、制御部が、所定の指示に応じて、記憶部が記憶する管理情報に基づき、案件情報と当該案件情報に係る代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または案件情報と当該案件情報に係る依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、知的財産に関する案件情報の管理を容易にする知的財産情報管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る知的財産情報管理システム1の構成を示す図である。
図2】代理人端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】新規登録する案件情報を入力する画面の一例を示す図である。
図4】代理人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。
図5】知的財産情報管理サーバ200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6】依頼人端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図7】知的財産情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。
図8】依頼人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。
図9】知的財産情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。
図10】知的財産情報管理サーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。
図11】本実施形態に係る知的財産情報管理システム2の構成を示す図である。
図12】案件情報に対する権限管理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
<実施形態1>
【0014】
本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、知的財産に関する案件情報を管理する代理人と、当該案件情報の管理を依頼した依頼人とが、ネットワークを介して知的財産情報管理サーバに記憶された案件情報を共有し、依頼人が、案件情報を閲覧することができるシステムである。本システムに係る知的財産情報管理サーバは、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示に応じて、当該サーバが記憶する管理情報に基づいて、依頼人管理情報、または代理人管理情報のうちの少なくとも一つを生成する。依頼人が代理人に案件情報の管理を依頼している場合は、代理人の案件情報を依頼人と共有していたが、代理人が辞任等した場合には、もはや案件情報を共有する必要はなく、案件情報の関連付けを解消する。その一方で、これまで共有していた案件情報は、依頼人と代理人とが個別にアクセスできるように、案件情報を複製する。これにより、依頼人は、共有していた案件情報を別途入力して管理しなおす手間を省くことができる。
【0015】
ここで、案件情報とは、代理人が受任した知的財産に関する案件の経過情報や、案件に関する所定の情報である。例えば、案件が特許出願の場合、案件の整理番号(代理人管理用、依頼人管理用など)、出願対象国、依頼人の氏名または名称、発明の名称、出願番号、出願日、出願公開番号、公開日、審査請求日、登録番号、登録日などが含まれる。また、審判情報や、年金情報として年金納付日と納付年分などが含まれる。また、特許庁に提出した書類や、特許庁からの発送書類の情報が含まれてもよい。また、出願前に、依頼人とやり取りする発明資料等を含んでもよい。なお、案件情報は、代理人と依頼人とが共有する情報である。依頼人と共有する目的ではなく、代理人自身のために入力した備忘録などのメモ等は含まれない。
(知的財産情報管理システム1の構成)
【0016】
図1は、本実施形態に係る知的財産情報管理システム1の構成を示す図である。図1を参照して、実施形態1に係る知的財産情報管理システム1の構成について説明する。
【0017】
知的財産情報管理システム1は、代理人端末100-1,100-2,100-3と、知的財産情報管理サーバ200と、依頼人端末300-1,300-2と、を備える。図1において、代理人端末100-1,100-2,100-3と、知的財産情報管理サーバ200と、依頼人端末300-1,300-2とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、光回線網、イントラネット等であるが、任意のネットワークから構成されてもよい。
【0018】
以下の説明では、代理人端末100-1,100-2,100-3は、特に区別する必要のない限り、代理人端末100と記載する。なお、本実施形態においては、代理人端末100は、説明を簡単にするため、代理人端末100-1,100-2,100-3の3台であるが、台数に制限はなく、1台であっても、複数台であってもよい。同様に、依頼人端末についても、特に区別する必要のない限り、依頼人端末300と記載する。依頼人端末300についても、台数に制限はなく、1台であっても、複数台であってもよい。
【0019】
代理人端末100は、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる情報処理端末である。代理人端末100は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末である。代理人は、例えば、案件情報を管理する弁理士や弁護士であるが、年金納付の管理を行う年金管理会社などであってもよい。図1において、代理人端末100-1,100-2,100-3は、依頼人が案件情報の管理を依頼した、異なる代理人(特許事務所など)がそれぞれ用いる情報処理端末である。これらの代理人は、例えば、異なる技術分野や法域を専門とする弁理士や弁護士である。
【0020】
知的財産情報管理サーバ200は、ネットワークNWを介して、例えば、代理人端末100から案件情報を取得し、記憶する案件管理データベースである。また、知的財産情報管理サーバ200は、代理人端末100や依頼人端末300から、案件情報に対する閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係る案件情報を提供する。
【0021】
依頼人端末300は、案件情報の管理を依頼した依頼人が用いる情報処理端末である。依頼人端末300は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末である。依頼人は、例えば、特許等の出願人または権利者等としての企業や個人である。依頼人端末300-1と、依頼人端末300-2とは、異なる依頼人がそれぞれ用いる情報処理端末である。例えば、それぞれ異なる代理人に案件情報の管理を依頼している依頼人であってもよいし、ある案件について特定の代理人に管理を依頼している共同出願人であってもよい。
【0022】
知的財産情報管理システム1において、案件情報の入出力は、ウェブサイトを用いて行われてもよい。例えば、代理人は、代理人端末100を介して、本システムのウェブサイトへ接続し、ウェブページ上で案件情報を入力してもよい。また、依頼人は、依頼人端末300を介して、本システムのウェブサイトへ接続し、利用登録等を行って、代理人が入力した案件情報を閲覧してもよい。ウェブサイトを介した情報の共有により、依頼人は専用の管理システムを導入することなく、案件情報を容易に閲覧することができる。
【0023】
以下、上述した知的財産情報管理システム1を構成する端末やサーバの機能構成、処理について説明する。なお、各機能構成を示す機能ブロックや処理ブロックは、1つ、または複数の装置、コンピュータプロセッサ、コンピュータプロセッサの分散グループによって実現されてもよい。
(代理人端末100の機能構成)
図2は、代理人端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図2を参照して、代理人端末100の機能構成の一例について説明する。
【0024】
代理人端末100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130と、入力部140と、出力部150と、を備える。代理人端末100は、上述したように、例えば、知的財産に関する案件情報を管理する代理人が用いる端末であるが、当該代理人が所属する組織(特許事務所等)で用いられる端末であってもよい。
【0025】
制御部110は、代理人端末100の各機能を制御し、予め記憶部130に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部110は、入力部140により入力された案件情報を、通信部120を介して知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0026】
通信部120は、代理人端末100がネットワークNWを介してサーバ等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インタフェース回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。通信部120は、受信したデータを制御部110に送り、また、制御部110から受け取ったデータを、ネットワークNWを介してサーバ等に送信するが、通信部120は、代理人端末100内の制御部110以外の機能ブロックとデータのやり取りを行ってもよい。なお、通信部120は、ネットワークNWを介したサーバ等と、セキュリティが確保されたセキュアな通信チャンネルでデータを送受信する。セキュアな通信チャンネルの構築、通信方法は、共通鍵(セッション鍵など)や公開鍵等を用いた周知の技術であるため、説明を省略する。
【0027】
記憶部130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶部130は、代理人端末100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル、鍵等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部130にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。コンピュータプログラムは、所定のサーバ等からインストールされてもよい。
【0028】
入力部140は、代理人端末100のユーザ入力を受け付けるインタフェースである。入力部140は、例えば、キーボードや、タッチパネル、音声入力を検出するマイクであるが、これらに限られない。代理人は、入力部140を介して、案件情報を入力することができる。通信部120は、入力された案件情報を、知的財産情報管理サーバ200に送信する。また、代理人は、入力部140を介して、案件情報の複製や削除等、データ管理のための指示を入力してもよい。
【0029】
出力部150は、情報を出力してユーザに通知するインタフェースである。出力部150は、例えば、ディスプレイや、音声出力するスピーカであるが、これらに限られない。出力部150は、案件情報を、ディスプレイに表示する等してユーザ(代理人)に提供する。
図3は、新規登録する案件情報を入力する画面の一例を示す図である。図3を参照して、代理人端末100から案件情報を入力する画面例について説明する。
【0030】
図3に示す画面1000は、例えば、代理人端末100から知的財産情報管理サーバ200にアクセスし、案件情報の新規登録を要求した際に、出力部150に表示される画面である。図3の例では、案件情報の新規登録の入力項目として、代理人の管理用の番号である「整理番号」、依頼人の管理用の番号である「顧客番号」、出願の対象国である「対象国」、出願する案件の種別(普通出願、分割出願、変更出願など。)を示す「案件種別」、案件の依頼人である「依頼人」、および発明の名称等を示す「発明の名称」が示されている。これらの項目は、案件情報を新規登録する際の必須項目としてよい。なお、「出願番号」、「出願日」、「公開番号」、「公開日」、「登録番号」、「登録日」、「放棄指示日」、「備考」は、任意項目としてよい。例えば、中途受任した場合などに入力するのに用いられる。また、「備考」の内容は、代理人自身のために入力する備忘録などのメモであって、依頼人とは共有しない情報である。
【0031】
これらの入力項目は、キーボード等の入力部140を介して、入力される。対象国や案件種別は、予めシステム側で選択肢を設定しておき、プルダウンなどで、選択できるようにしておいてもよい。なお、案件情報を新規登録する際の入力項目は、一例であって、これらに限られない。また、案件情報の新規登録時に入力する項目は、代理人が予め設定しておいてもよい。登録ボタン1010をクリック等して登録する情報を確定することで、知的財産情報管理サーバ200において、案件情報と代理人識別情報とが関連付けられ、管理情報として記憶される。管理情報については、図5において詳述する。
図4は、代理人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。図4を参照して、代理人端末100から案件情報を閲覧する画面例について説明する。
【0032】
図4に示す画面1100は、例えば、代理人端末100から知的財産情報管理サーバ200にアクセスし、案件情報の閲覧要求をした際に、出力部150に表示される画面である。画面1100において、例えば、案件の受任時が出願前であった場合は、「出願番号」、「出願日」、「公開番号」、「公開日」、「登録番号」、「登録日」という項目欄は、空欄である。案件について手続きが進み、これらの項目に情報を入力する必要が出てきた場合は、入力ボタン1110をクリック等で確定することで、入力モードに切り替えるようにしてもよい。入力モードにおいて、「出願番号」などの情報を入力し、登録することで、知的財産情報管理サーバ200において案件情報が更新される。
【0033】
なお、案件情報として表示される項目は、これらに限られず、上述したように、審判に関する情報、年金納付等に関する情報、関連する出願に関する情報、および特許庁との送受信書類の情報が項目として表示されてもよい。
(知的財産情報管理サーバ200の機能構成)
【0034】
図5は、知的財産情報管理サーバ200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図5を参照して、知的財産情報管理サーバ200の機能構成の一例について説明する。
【0035】
知的財産情報管理サーバ200は、制御部210と、通信部220と、記憶部230と、を備える。なお、知的財産情報管理サーバ200は、入力部および出力部(不図示)を備えてもよいし、ネットワークを介して、またはローカルに接続された端末装置により入出力が行われるようにしてもよい。
【0036】
制御部210は、知的財産情報管理サーバ200の各機能を制御し、予め記憶部230に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
【0037】
制御部210は、代理人端末100または依頼人端末300からの所定の指示に応じて、記憶部230が記憶する管理情報2300(後述)に基づいて、案件情報2302と当該案件情報2302に係る代理人の識別情報2301が関連付けられた管理情報2310と、案件情報2302と当該案件情報に係る依頼人の識別情報2303とが関連付けられた依頼人管理情報2320とを生成する。所定の指示は、例えば、代理人の辞任、解任を示す指示や、管理不要の指示など、代理人と依頼人とで案件情報を共有する必要がなくなった旨を示す指示である。なお、代理人管理情報2310に係る案件情報2312、および依頼人管理情報2320に係る案件情報2321は、管理情報2300の案件情報2302を複製して生成される。
【0038】
また、制御部210は、管理情報2310および2320を生成した場合は、記憶部230から管理情報2300を削除するようにしてもよい。
【0039】
また、制御部210は、代理人管理情報2310および依頼人管理情報2320の両方を生成する代わりに、代理人管理情報2310または依頼人管理情報2320のうちのどちらか一つを生成するようにしてもよい。制御部210は、依頼人管理情報2320を生成した後、管理情報2300の案件情報2302に対し、依頼人識別情報2303との関連付けを解消(削除)する。一方、制御部210は、代理人管理情報2310を生成した後、管理情報2300の案件情報2302に対し、代理人識別情報2301との関連付けを解消(削除)する
【0040】
なお、制御部210は、所定の指示を受信したことに応じて、所定の指示に係る代理人端末に関連付けられた案件情報のデータサイズに基づいて課金額を算出してもよい。制御部210は、通信部220を介して、算出した課金額を依頼人端末に送信し、依頼人端末からの課金額の支払いが完了したことに応じて、代理人管理情報および依頼人管理情報を生成するようにしてもよい。この際、依頼人端末300において、課金額の支払いを完了した後に依頼人管理情報を生成することが好ましいが、依頼人による課金額の了承に応じて依頼人管理情報を生成するようにしてもよい。また、生成する依頼人管理情報に含ませる案件情報を選択させ、課金額を算出するようにしてもよい。
また、制御部210は、データサイズに基づいた課金額を提示する代わりに、月額定額利用を提示してもよい。
【0041】
上述のように、制御部210は、代理人端末100または依頼人端末300から所定の指示を取得する「取得部」として機能する。また、制御部210は、代理人管理情報または依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成する「データ生成部」としても機能する。
【0042】
通信部220は、知的財産情報管理サーバ200がネットワークNWを介して端末等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インタフェース回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。通信部220は、受信したデータを制御部210に送り、また、制御部210から受け取ったデータを、ネットワークNWを介して端末等に送信するが、通信部220は、知的財産情報管理サーバ200内の制御部210以外の機能ブロックとデータのやり取りを行ってもよい。なお、通信部220は、ネットワークNWを介して接続される端末等と、セキュリティが確保されたセキュアな通信チャンネルでデータを送受信する。セキュアな通信チャンネルの構築、通信方法は、共通鍵(セッション鍵など)や公開鍵等を用いた周知の技術であるため、説明を省略する。
【0043】
通信部220は、例えば、通信部220は、代理人端末100から案件情報を取得し、制御部210へ送る。制御部210は、案件情報と、案件情報に係る代理人および依頼人を識別する識別情報と、を関連付け、管理情報として記憶するように記憶部230を制御する。案件情報と代理人および依頼人を識別する識別情報とを関連付ける処理については、図7において詳述する。
【0044】
また、通信部220は、案件情報を、管理情報に基づいて、代理人端末または依頼人端末に提供する「提供部」としての機能を有する。例えば、通信部220は、代理人端末100から、案件情報に対する閲覧要求を受け付け、制御部210に閲覧要求を送る。制御部210は、例えば、記憶部230で記憶される管理情報2300のうち、閲覧要求を送信した代理人端末100を用いる代理人の識別情報が関連付けられている管理情報を検索し、閲覧要求に係る案件情報を記憶部230から読み出す。そして、読み出した管理情報の案件情報を、閲覧情報を送った代理人端末100に送信するよう通信部220を制御する。
【0045】
通信部220は、同様に、依頼人端末300からの閲覧要求に応じて、依頼人端末300を用いる依頼人の識別情報が関連付けられている案件情報を、依頼人端末300に送信する。依頼人が複数の代理人に案件情報の管理を依頼している場合、依頼人端末300に送信される案件情報は、複数の代理人に関連付けられた案件情報であってもよい。依頼人は、異なる依頼人に案件情報の管理を依頼している場合でも、自分が管理するデータベースのように、代理人の異なる複数の案件を同時に閲覧することが可能である。
【0046】
また、制御部210が所定の指示に応じて代理人管理情報2310および依頼人管理情報2320を生成し、管理情報2300を削除した後は、通信部220は、代理人端末100からの閲覧要求に応じて、代理人管理情報2310に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報2312を代理人端末100に対して提供する。また、依頼人端末300からの閲覧要求に応じて、依頼人管理情報2320に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報2321を依頼人端末300に対して提供する。
【0047】
一方、制御部210が所定の指示に応じて代理人管理情報2310または依頼人管理情報2320のどちらか一つを生成し、管理情報2300を削除しなかった場合は、次のようにして閲覧要求に係る案件情報を提供する。すなわち、制御部210が代理人管理情報2310を生成し、案件情報2302と代理人識別情報2301との関連付けを解消した場合、通信部220は、代理人端末100からの閲覧要求に応じて、代理人管理情報2310に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報2312を代理人端末100に対して提供する。また、依頼人端末300からの閲覧要求に応じて、管理情報2300に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報2302を依頼人端末300に対して提供する。
【0048】
また、制御部210が依頼人管理情報2320を生成し、案件情報2302と依頼人識別情報2303との関連付けを解消した場合、通信部220は、代理人端末100からの閲覧要求に応じて、管理情報2300に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報2302を代理人端末100に対して提供する。また、依頼人端末300からの閲覧要求に応じて、依頼人管理情報2320に基づき、当該閲覧要求に係る案件情報2321を依頼人端末300に対して提供する。
【0049】
なお、通信部220が代理人端末100から受け付けた、閲覧要求に係る案件情報は、出願番号等で一意に特定できる特定の案件であってもよいし、閲覧要求を送った代理人が管理するすべての案件であってもよいし、所定の条件を満たす案件であってもよい。所定の条件とは、例えば、出願日が所定の年月日以降であったり、所定の依頼人であったり、出願国が所定の国であったりしてもよい。代理人は、代理人端末100を介して、案件を一意に特定する情報や、所定の条件が入力された閲覧要求を知的財産情報管理サーバ200に送ってもよい。
【0050】
記憶部230は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶部230は、知的財産情報管理サーバ200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル、鍵等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部230にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。コンピュータプログラムは、所定のサーバ等からインストールされてもよい。
【0051】
記憶部230は、管理情報2300を記憶する。管理情報2300は、例えば、案件情報ごとに生成されてもよい。すなわち、記憶部230は、異なる代理人が管理する複数の案件情報について記憶する。管理情報2300は、代理人識別情報2301と、案件情報2302と、依頼人識別情報2303と、を含む。代理人識別情報2301は、知的財産情報管理システム1における代理人端末100を用いる代理人を識別するための識別子(ID)である。案件情報2302は、例えば、図4において説明したような案件情報である。依頼人識別情報2303は、知的財産情報管理システム1における依頼人端末300を用いる依頼人を識別するための識別子(ID)である。管理情報2300は、案件情報2302と、代理人識別情報2301および依頼人識別情報2303とが関連付けられた情報である。これにより、代理人や依頼人から案件情報の閲覧請求があった場合には、閲覧請求をした代理人や依頼人の識別情報と関連付けられた案件情報を提供することができる。
【0052】
また、記憶部230は、所定の指示に応じて制御部210が生成した管理情報2310(代理人管理情報)および管理情報2320(依頼人管理情報)を記憶する。
図6は、依頼人端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図6を参照して、依頼人端末300の機能構成の一例について説明する。
【0053】
依頼人端末300は、制御部310と、通信部320と、記憶部330と、入力部340と、出力部350と、を備える。依頼人端末300は、上述したように、例えば、特許等の出願人または権利者等としての個人(依頼人)が用いる情報処理端末であるが、企業において用いられる情報処理端末であってもよい。
【0054】
制御部310は、依頼人端末300の各機能を制御し、予め記憶部330に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部310は、入力部340により入力された商品情報等を、知的財産情報管理サーバ200に送信するよう通信部320を制御する。
【0055】
通信部320は、依頼人端末300がネットワークNWを介してサーバ等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インタフェース回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。通信部320は、受信したデータを制御部310に送り、また、制御部310から受け取ったデータを、ネットワークNWを介してサーバ等に送信するが、通信部320は、依頼人端末300内の制御部310以外の機能ブロックとデータのやり取りを行ってもよい。なお、通信部320は、ネットワークNWを介したサーバ等と、セキュリティが確保されたセキュアな通信チャンネルでデータを送受信する。セキュアな通信チャンネルの構築、通信方法は、共通鍵(セッション鍵など)や公開鍵等を用いた周知の技術であるため、説明を省略する。
【0056】
通信部320は、案件情報に対する閲覧要求を、知的財産情報管理サーバ200に行う。例えば、通信部320は、入力部340を介して入力された、閲覧要求を取得し、知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0057】
記憶部330は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶部330は、依頼人端末300の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル、鍵等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部330にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。コンピュータプログラムは、所定のサーバ等からインストールされてもよい。
【0058】
入力部340は、依頼人端末300のユーザ入力を受け付けるインタフェースである。入力部340は、例えば、キーボードや、タッチパネル、音声入力を検出するマイクであるが、これらに限られない。依頼人は、入力部340を介して、案件情報に対する閲覧要求を入力することができる。
【0059】
出力部350は、情報を出力してユーザに通知するインタフェースである。出力部350は、例えば、ディスプレイや、音声出力するスピーカであるが、これらに限られない。
【0060】
出力部350は、閲覧要求に応じて知的財産情報管理サーバ200から取得した案件情報を表示する。例えば、出力部350は、案件情報をディスプレイに表示等してユーザ(依頼人)に提供する。
【0061】
このように、依頼人は、依頼人端末300を用いて、知的財産に関する案件情報を、当該案件情報の管理を依頼人から依頼された代理人が用いる代理人端末100と、知的財産情報管理サーバ200を介して共有することができる。
(案件情報を共有する処理)
【0062】
図7は、知的財産情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。図7を参照して、知的財産情報管理システム1において、依頼人端末300が利用を申請してから、代理人と案件情報を共有するまでの処理の一例について説明する。なお、図7の例においては、知的財産情報管理サーバ200は、代理人端末100-1,100-2,100-3からそれぞれ案件情報を取得し、それぞれの代理人識別情報と関連付けて、管理情報として記憶しているものとする。また、説明を簡略にするために、図7の例においては、依頼人端末は1台として説明する。
【0063】
ステップS101において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200に対し、知的財産情報管理システム1の利用申請を送信する。例えば、依頼人は、依頼人端末300を介して、知的財産情報管理システム1に係るウェブサイトにアクセスし、メールアドレスや名称等を入力して新規アカウントの申請を行う。
【0064】
ステップS103において、知的財産情報管理サーバ200は、ステップS101で入力された情報に基づいてアカウントを新規登録し、代理人と案件情報を共有するための共有キーを生成する。ステップS105において、知的財産情報管理サーバ200は、生成した共有キーを依頼人端末300に送信する。
【0065】
ステップS107において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200から受信した共有キーを、案件情報の管理を依頼している各代理人の代理人端末100-1,100-2,100-3に送信する。ステップS109において、代理人端末100-1,100-2,100-3は、依頼人端末300から受信した共有キーを知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0066】
ステップS111において、知的財産情報管理サーバ200は、ステップS103においてアカウント登録した依頼人に対して生成した共有キーと、代理人端末100-1,100-2,100-3から受信した共有キーとが一致すると判断したことに応じて、各代理人識別情報と関連付けられている案件情報について、当該依頼人を識別する依頼人識別情報と関連付け、管理情報として記憶する。これにより、案件情報が、依頼人と代理人とで共有することができる。
【0067】
ステップS113において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200に対し、案件情報に対する閲覧要求を行う。知的財産情報管理サーバ200は、閲覧要求に応じて、依頼人と関連付けられた案件情報を読み出し、ステップS115において、知的財産情報管理サーバ200は、閲覧要求に係る案件情報を提供する。提供された案件情報には、代理人端末100-1,100-2,100-3を用いる各代理人と関連付けられている案件情報が含まれる。また、知的財産情報管理サーバ200は、案件情報を、特許、実用新案、意匠および商標のいずれかと対応付けて提供してもよい。
【0068】
一方、ステップS117において、代理人端末100が、知的財産情報管理サーバ200に対し、案件情報に対する閲覧要求を行うと、ステップS119において、知的財産情報管理サーバ200は、代理人と関連付けられた案件情報を提供する。
【0069】
また、案件情報の管理を依頼する代理人が増えた場合は、ステップS107~S111において説明したように、依頼人端末300から共有キーを、新たな代理人が用いる代理人端末100に送信し、代理人端末100から当該共有キーを知的財産情報管理サーバ200に送信させることで、知的財産情報管理サーバ200が依頼人と新たな代理人とを関連付け、管理情報として記憶することができる。
【0070】
なお、共有キーを用いて代理人と依頼人とを関連付ける方法は、一例であって、案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人とを関連付けるのであれば、どのような方法が用いられてもよい。
以上で、知的財産情報管理システム1において、依頼人端末300が利用を申請してから、案件情報を共有する処理についての説明を終了する。
図8は、依頼人が案件情報を閲覧する画面の一例を示す図である。図8を参照して、依頼人端末300から案件情報を閲覧する画面例について説明する。
図8に示す画面4100は、依頼人端末300の出力部350に表示される画面である。
【0071】
画面4100では、入力ボタンがない点で図4の画面1100とは異なる。すなわち、依頼人端末300からは、案件情報に対する変更は行うことができない。これは、案件情報の管理は代理人が行うものであって、依頼人が任意のタイミングで案件情報の更新を行うことで、データの誤入力、認識の相違などが発生し、代理人側で予期せぬミスにつながることを防ぐためである。
【0072】
また、画面4100には、備考欄がない点も画面1100とは異なる。備考欄は、代理人の備忘等を入力する欄であり、依頼人とは共有しない情報だからである。
(案件情報の共有を中止し、の代理人と当該案件情報を共有する処理)
【0073】
図9は、知的財産情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。図9を参照して、知的財産情報管理システム1において、知的財産情報管理サーバ200を介して、案件情報を共有していた依頼人端末300および代理人端末100-1が、案件情報の共有を中止(関連付けの解消)し、の代理人端末100-2と当該案件情報を共有する処理の一例について説明する。なお、図9の例においては、説明を簡略にするために、依頼人端末は1台として説明する。
【0074】
ステップS201において、代理人端末100-1は、知的財産情報管理サーバ200に対し、代理人を辞任する旨の指示(所定の指示)を送信する。例えば、代理人は、代理人端末100-1を介して、知的財産情報管理システム1に係るウェブサイトにアクセスし、案件情報を特定する整理番号や依頼人の情報等を入力して、当該案件情報の依頼人との共有を中止するよう指示する。なお、図9の例では、代理人端末100-1から所定の指示を送信しているが、依頼人端末300から送信するようにしてもよい。例えば、代理人を解任する場合に共有を中止することが考えられるが、この場合においても、共有を中止する最終的な指示は、代理人端末100-1から送信するようにしてもよい。依頼人端末300での操作ミスにより、案件情報に誤った入力がされるのを防ぐためである。
【0075】
ステップS203において、知的財産情報管理サーバ200は、ステップS201で入力された情報に基づいて、共有を中止する案件情報を特定し、当該案件情報の管理情報に基づいて、代理人管理情報と依頼人管理情報とを生成する。その後、知的財産情報管理サーバ200は、依頼人端末300と、代理人端末100-1とで共有していた管理情報を削除する。なお、知的財産情報管理サーバ200は、代理人管理情報と依頼人管理情報とを生成する前に、代理人が辞任する旨の指示を受信したことに応じて、当該代理人に関連付けられた案件情報のデータサイズに基づいて課金額を算出し、依頼人端末300に送信してもよい。そして、依頼人端末300からの課金額の支払いが完了したことに応じて、代理人管理情報と依頼人管理情報とを生成してもよい。また、支払いは、クレジットカードや、電子マネー等であってもよい。
【0076】
ステップS205において、依頼人端末300は、知的財産情報管理サーバ200に対し、案件情報に対する閲覧要求を行う。知的財産情報管理サーバ200は、閲覧要求に応じて、依頼人管理情報に基づき、依頼人と関連付けられた案件情報を読み出す。
【0077】
ステップS207において、知的財産情報管理サーバ200は、閲覧要求に係る案件情報を提供する。提供された、依頼人管理情報から読み出された案件情報は、辞任した代理人の用いる端末代理人端末100-1とは関連付けられていない。なお、知的財産情報管理サーバ200は、依頼人端末300から、提供した案件情報に対する入力を受け付け、記憶するようにしてもよい。依頼人管理情報は、代理人とは共有しておらず、依頼人が管理する情報だからである。また、備考欄のように、代理人と共有することを目的としない入力を受け付けてもよい。
【0078】
一方、ステップS209において、代理人端末100-1が、知的財産情報管理サーバ200に対し、案件情報に対する閲覧要求を行うと、ステップS211において、知的財産情報管理サーバ200は、代理人管理情報に基づき、代理人と関連付けられた案件情報を提供する。提供された案件情報は、依頼人端末300とは関連付けられていない。したがって、代理人端末100-1から、案件情報を更新しても、依頼人端末300からは、更新された案件情報を閲覧することはできない。
【0079】
また、代理人が辞任した案件を、別の代理人に管理を依頼する場合は、図7のステップS107~S111において説明したような処理を実行することで、容易に案件情報を共有することができる。すなわち、ステップS213において、依頼人端末300は共有キーを、新たな代理人が用いる代理人端末100-2に送信する。ステップS215において、代理人端末100-2は、ステップS213において受信した当該共有キーを知的財産情報管理サーバ200に送信する。
【0080】
ステップS217において、知的財産情報管理サーバ200は、共有キーを送受信した依頼人から、代理人と共有する案件情報を取得し、当該案件情報と、依頼人および新たな代理人の識別情報とを関連付け、管理情報として記憶する。この際、知的財産情報管理サーバ200は、管理情報に係る案件情報に対する入力を、誤入力を防ぐため、代理人のみから受け付けるように制限してもよい。
【0081】
ステップS219において、代理人端末100-2から知的財産情報管理サーバ200に、依頼人端末300に係る案件情報の閲覧要求を送信し、ステップS221において、知的財産情報管理サーバ200は、閲覧要求に係る案件情報を、代理人端末100-2に送信する。これにより、代理人端末100-2および依頼人端末300は、別途入力しなおすことなく、案件情報を共有することができる。
【0082】
なお、共有キーを用いて代理人と依頼人とを関連付ける方法は、一例であって、案件情報と、当該案件情報に係る代理人および依頼人とを関連付けるのであれば、どのような方法が用いられてもよい。また、図9の例では、知的財産情報管理サーバ200は、代理人管理情報および依頼人管理情報の両方を生成したが、いずれか一方を生成するようにしてもよい。
【0083】
以上で、知的財産情報管理システム1において、知的財産情報管理サーバ200を介して、案件情報を共有していた依頼人端末300および代理人端末100-1が、案件情報の共有を中止し、別の代理人端末100-2と当該案件情報を共有する処理についての説明を終了する。
(ハードウェア構成図)
【0084】
図10は、知的財産情報管理サーバ200のハードウェア構成を示すブロック図である。知的財産情報管理サーバ200は、コンピュータ9001に実装される。コンピュータ9001は、CPU9002と、主記憶装置9003と、補助記憶装置9004と、インタフェース9005と、を備える。
【0085】
知的財産情報管理サーバ200の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置9004に記憶されている。CPU9002は、プログラムを補助記憶装置9004から読み出して主記憶装置9003に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU9002は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置9003に確保する。当該プログラムは、具体的には、コンピュータ9001に、データ処理を行わせるプログラムである。
【0086】
なお、補助記憶装置9004は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース9005を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ9001に配信される場合、配信を受けたコンピュータ9001が当該プログラムを主記憶装置9003に展開し、処理を実行してもよい。
【0087】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置9004に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。なお、図10に示したハードウェア構成は、代理人端末100、および依頼人端末300も同様の構成としてもよい。これらの装置における各構成要素の動作も、上述の知的財産情報管理サーバ200と同様に、補助記憶装置に記憶されたプログラムに従ったCPUにより実現する。
【0088】
(効果の説明)上述したように、本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、代理人端末または依頼人端末からの所定の指示に応じて、管理情報に基づき、案件情報と代理人識別情報とが関連付けられた代理人管理情報、または案件情報と依頼人識別情報とが関連付けられた依頼人管理情報のうちの少なくとも一つを生成する。そして、依頼人からの案件情報の閲覧要求に対しては、依頼人管理情報に基づき、案件情報を提供する。また、代理人からの案件情報の閲覧要求に対しては、代理人管理情報に基づき、案件情報を提供する。これにより、例えば、代理人の辞任や、代理人による案件情報の管理不要という所定の指示があった場合に、案件情報の共有を停止し、代理人や依頼人がそれぞれと関連付けられた案件情報に個別にアクセスすることができる。また、新たな代理人とも容易に案件情報を共有することができる。したがって、依頼人は、代理人への案件管理の依頼が終了した後も、個別の管理システムを導入することなく、容易に案件管理を行うことができる。
<実施形態2>
【0089】
本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、一の案件情報に対する編集権限を管理することができる。具体的には、複数の代理人が共同で一の案件情報を管理する場合、当該複数の代理人のうちの少なくとも一の代理人に編集権限を付与し、編集権限を有する代理人が当該案件情報の管理を辞任したときには、編集権限を有していない他の代理人に、当該案件情報の編集権限を付与する。
(知的財産情報管理システム2の構成)
【0090】
図11は、本実施形態に係る知的財産情報管理システム2の構成を示す図である。図11を参照して、実施形態2に係る知的財産情報管理システム2の構成について説明する。
【0091】
知的財産情報管理システム2は、代理人端末400-1,400-2,400-3と、知的財産情報管理サーバ500と、依頼人端末600-1,600-2と、を備える。図11において、代理人端末400-1,400-2,400-3と、知的財産情報管理サーバ500と、依頼人端末600-1,600-2とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。
【0092】
代理人端末400-1,400-2,400-3は、それぞれ異なる代理人A,B,Cが用いる情報処理端末である。また、依頼人端末600-1,600-2は、それぞれ異なる依頼人a,bが用いる情報処理端末である。なお、図11において、知的財産情報管理システム2は、説明のため、3台の代理人端末、2台の依頼人端末を備えているが、これ以上の台数を備えていてもよい。また、依頼人端末は1台であってもよい。
図11において、代理人A,B,Cは、依頼人aおよびbが共同出願した案件を、共同で管理している。
【0093】
図12は、案件情報に対する権限管理を説明するための図である。図12を参照して、知的財産情報管理サーバ500が有するデータ生成部および権限管理部の処理について説明する。
【0094】
図12(A)は、案件番号#101の案件情報(以下、「案件情報101」と記載。)に係る管理情報3010を示す図である。案件情報101は、図11で述べたように、依頼人aおよびbが共同出願し、代理人A,B,Cが共同で管理する案件の情報である。案件情報101は、代理人A,B,Cのそれぞれを識別する代理人識別情報と、依頼人aおよびbをそれぞれ識別する依頼人識別情報とに関連付けられている。また、代理人Aには、案件情報101を編集する編集権限が付与されている。これら、案件情報101と、代理人識別情報および依頼人識別情報ならびに編集権限は、管理情報3010として、知的財産情報管理サーバ500の記憶部に記憶される。
【0095】
なお、誤入力を防止するため、編集権限は、一つの案件情報につき、一の代理人に付与するのが好ましいが、複数の代理人に付与されてもよい。すなわち、知的財産情報管理サーバ500の権限管理部は、案件情報に対する編集権限を、一の案件情報につき、少なくとも一の代理人に付与する。
【0096】
図12(B)は、知的財産情報管理サーバ500のデータ生成部が、所定の指示に応じて、管理情報3010に基づいて生成した代理人管理情報3010Aおよび3010Cを示す図である。図12の例では、所定の指示として、代理人AおよびCが案件情報101の代理人を辞任する(解任される)旨の指示であった場合を示している。
【0097】
知的財産情報管理サーバ500のデータ生成部は、所定の指示に応じて、代理人A,B,Cのうち、所定の代理人(辞任した代理人)である代理人AおよびCを識別する代理人識別情報と、案件情報101とがそれぞれ関連付けられた代理人管理情報3010Aおよび3010Cを生成する。そして、データ生成部は、管理情報3010の案件情報101に対し、代理人AおよびCを識別する代理人識別情報との関連付けを解消する。すなわち、図12(B)において、管理情報3010では、案件情報101と、代理人B、および依頼人a,bとが関連付けられている。
【0098】
ここで、データ生成部が、所定の代理人(辞任した代理人AおよびC)と案件情報101との関連付けを解消したことに応じて、権限管理部は、管理情報3010の案件情報101において編集権限を有していなかった代理人Bについて、新たに編集権限を付与する。また、代理人管理情報3010A,3010Cに係る案件情報101については、代理人Aおよび代理人Cにそれぞれ編集権限を付与する。このように、権限管理部は、案件情報に対する編集権限を一の案件情報につき、少なくとも一の代理人に付与する。
【0099】
なお、権限管理部は、案件情報に関連付けられている代理人が複数いる場合は、主担当の代理人を優先して編集権限の付与をするようにしてもよいし、副担当の代理人には、案件情報の編集箇所を制限して編集権限を付与するようにしてもよい。
【0100】
(効果の説明)上述したように、本実施形態に係る知的財産情報管理システムは、一の案件情報に対する編集権限を管理することができる。具体的には、複数の代理人が共同で一の案件情報を管理する場合、当該複数の代理人のうちの少なくとも一の代理人に編集権限を付与し、編集権限を有する代理人が当該案件情報の管理を辞任したときには、編集権限を有していない他の代理人に、当該案件情報の編集権限を付与する。これにより、編集権限を有する代理人が辞任等した場合であっても、案件情報の管理を維持することができる。
【0101】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0102】
1,2 知的財産管理システム、100,400 代理人端末、110,210,310 制御部、120,220,320 通信部、130,230,330 記憶部、140,340 入力部、150,350 出力部、200,500 知的財産情報管理サーバ、300,600 依頼人端末、2300,2310,2320 管理情報、2301,2311 代理人識別情報、2302,2312,2322 案件情報、2303,2322 依頼人識別情報、9001 コンピュータ、9003 主記憶装置、9004 補助記憶装置、9005 インタフェース、NW ネットワーク。
図1
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図12