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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023035
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20250206BHJP
【FI】
A63F13/45
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024206409
(22)【出願日】2024-11-27
(62)【分割の表示】P 2020181938の分割
【原出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(57)【要約】
【課題】時間を要素として用いた面白みのある機能を提供する。
【解決手段】本発明のゲームプログラムは、報知部と操作部とコンピュータとを備えるゲームシステムにおいて前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、前記コンピュータを、時間が第1所定時間になった時に前記報知部に報知を行わせることが可能であって、時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記報知の中止を指示する中止操作を前記操作部が受け付けた場合には前記報知を中止させる報知制御手段と、時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記操作部が前記中止操作を受け付けたことを契機として、ゲームに影響を与えるゲーム制御手段と、
として機能させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知部と操作部とコンピュータとを備えるゲームシステムにおいて前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
時間が第1所定時間になった時に前記報知部に報知を行わせることが可能であって、時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記報知の中止を指示する中止操作を前記操作部が受け付けた場合には前記報知を中止させる報知制御手段と、
時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記操作部が前記中止操作を受け付けたことを契機として、ゲームに影響を与えるゲーム制御手段と、
として機能させ、
前記第1所定時間を設定するユーザと前記中止操作を行うユーザとが異なる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
報知部と操作部とコンピュータとを備えるゲームシステムにおいて前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
時間が第1所定時間になった時に前記報知部に報知を行わせることが可能であって、時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記報知の中止を指示する中止操作を前記操作部が受け付けた場合には前記報知を中止させる報知制御手段と、
時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記操作部が前記中止操作を受け付けたことを契機として、ゲームに影響を与えるゲーム制御手段と、
前記第1所定時間を管理するスケジュール管理手段と、
として機能させ、
前記スケジュール管理手段は、
単位期間の間に、前記第1所定時間の入力を受け付けることが可能な上限回数を管理する、
前記第1所定時間の設定後、一定時間が経過するまでは、更なる前記第1所定時間の設定を禁止する、および、
現時刻から前記第1所定時間までの期間が閾値より短い場合には、前記第1所定時間の設定を禁止する、
の少なくともいずれか1つを実行することが可能である、
ゲームプログラム。
【請求項3】
報知部と操作部とコンピュータとを備えるゲームシステムにおいて前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
時間が第1所定時間になった時に前記報知部に報知を行わせることが可能であって、時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記報知の中止を指示する中止操作を前記操作部が受け付けた場合には前記報知を中止させる報知制御手段と、
時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記操作部が前記中止操作を受け付けたことを契機として、ゲームに影響を与えるゲーム制御手段と、
繰り返し到来する日時として前記第1所定時間を管理するスケジュール管理手段と、
として機能させ、
前記スケジュール管理手段は、前記中止操作が受け付けられた後であっても、前記第1所定時間を初期化することなく保持する、
ゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、
を備えるゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置には、特許文献1に示すように、時間を管理する時計機能が設けられたものがある。特許文献1では、時間が音量調整に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-86819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
時間を様々な要素に用いることができれば、面白みのある機能を提供することに期待が持てる。
【0005】
本開示の目的は、時間を要素として用いた、面白みのある機能を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる第1の態様は、
報知部と操作部とコンピュータとを備えるゲームシステムにおいて前記コンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
時間が第1所定時間になった時に前記報知部に報知を行わせることが可能であって、時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記報知の中止を指示する中止操作を前記操作部が受け付けた場合には前記報知を中止させる報知制御手段と、
時間が前記第1所定時間になるよりも前に前記操作部が前記中止操作を受け付けたことを契機として、ゲームに影響を与えるゲーム制御手段と、
として機能させるゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の態様では、
前記コンピュータを、
ユーザの前記操作部に対する操作に基づいて前記第1所定時間を設定する設定手段、として更に機能させることができる。
【0008】
また、第1の態様では、
前記報知制御手段は、時間が前記第1所定時間に近づくにつれて報知態様が変化する変化情報を、前記報知部に報知させる
ことができる。
【0009】
また、第1の態様では、
前記ゲームへの影響は、前記ゲームに関するイベントを発生させることである
ことができる。
【0010】
また、第1の態様では、
前記ゲーム制御手段は、前記ゲーム中に時間が第2所定時間になった時に、前記イベントの実行を開始させる
ことができる。
【0011】
また、第1の態様では、
前記ゲームへの影響は、抽選により1以上のゲーム媒体を選択する抽選処理の実行が解放されることである
ことができる。
【0012】
また、第1の態様では、
前記ゲーム制御手段は、複数のゲーム媒体を含む抽選リストから1以上の前記ゲーム媒体を抽選により選択する抽選処理を実行することが可能であって、
前記ゲームへの影響は、前記抽選リストに含まれる前記ゲーム媒体の選択割合が変化することである
ことができる。
【0013】
また、第1の態様では、
前記ゲーム制御手段は、1以上の前記ゲーム媒体を抽選により選択する抽選処理を、前記ユーザが所有する消費媒体を消費して実行することが可能であって、
前記ゲームへの影響は、前記抽選処理の実行にあたり消費される前記消費媒体の消費量が変化することである
ことができる。
【0014】
また、第1の態様では、
前記ゲームへの影響は、ユーザのログインを契機としてゲーム媒体がユーザに付与されることである
ことができる。
【0015】
また、第1の態様では、
前記ゲームへの影響は、前記ゲーム中に前記ゲームに関する告知が行われることである
ことができる。
【0016】
また、第1の態様では、
前記操作部が前記中止操作を受け付けた時と前記第1所定時間との時間差に応じて、前記ゲーム制御手段は、前記ゲームに与える影響を変化させる
ことができる。
【0017】
本開示にかかる第2の態様は、
報知部と操作部とコンピュータとを備えるシステムにおいて前記コンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
所定時間が設定された所定スケジュールを管理するスケジュール管理手段と、
前記所定スケジュールに従って、時間が前記所定時間になった時に前記報知部に報知を行わせることが可能な報知制御手段と、
として機能させ、
前記報知制御手段は、時間が前記所定時間になるよりも前に前記報知の中止を指示する中止操作を前記操作部が受け付けたことを契機として、前記報知を中止させる
プログラムである。
【0018】
また、第2の態様では、
前記所定スケジュールは、繰り返し到来する前記所定時間を設定したものであって、
前記中止操作は、前記所定スケジュールがアクティブである状態を維持したまま行われ、
前記報知制御手段は、
前記中止操作が行われた後に最初に到来した前記所定時間に現時刻が至った場合については、前記報知を中止させるが、
その後に現時刻が再び前記所定時間に至った場合については前記報知を可能とする
ことができる。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様によれば、時間を、ゲーム性を広げる主軸の要素として用いることで、面白みのあるゲームを提供することができる。第2の態様によれば、便利な機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ゲームシステムの構成を模式的に示す図である。
図2】抽選リストの概念図である。
図3】所定スケジュールの設定画面例である。
図4】ゲーム実行中の画面例である。
図5】ゲーム実行中の画面例である。
図6】中止操作を受け付けた場合に、ゲームに影響が付与されることを示す画面例である。
図7】ゲームシステムの一連の動作の流れを表すフロー図である。
図8】中止操作が行われた時間と所定時間との時間差に応じて、ゲームへの影響が変化する概念の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態]
本実施形態にかかるゲームプログラムを搭載したゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0022】
<ゲームの説明>
図1のゲームシステム1では、ゲーム装置5を介したユーザの操作と、その操作に伴う仮想ゲーム空間上のキャラクタの行動とで、ゲームが進行する。ゲーム装置5のディスプレイ61には、キャラクタへのメッセージやキャラクタが採る動作の候補が選択可能に表示されており、ユーザがその中から任意の候補を選択すると、選択された候補に対応してキャラクタとの会話が進められたり動作したりする。その結果、様々なイベントが発生するなどしてゲームが進んでいく。
【0023】
そして、ゲームシステム1は、時計機能を備えている。時計機能では、日付、曜日、時刻を含む時間の管理が行われ、時間が所定時間に至るとゲーム装置5からアラーム報知がなされる。ユーザは、アラーム報知を停止させる操作を、アラーム報知中にゲーム装置5に対して行うことができるが、アラーム報知が始まる前に、アラーム報知を中止させる操作(以下、中止操作)を行うこともできる。中止操作が行われると、たとえ時間が所定時間に至ったとしてもアラーム報知は行われないが、その代わりにゲーム装置5では、時間が所定時間に至るよりも前に中止操作が行われたことを契機として、ゲームに影響が与えられる。
【0024】
このため、このゲームへの影響を目的の1つとして、ユーザは、アラーム報知よりも前に中止操作を行うことに努めるようになる。
【0025】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0026】
<ゲームシステム1の構成>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および1以上のゲーム装置5にて構成される。
【0027】
サーバ装置2は、ゲームプログラムの管理、およびアカウント情報毎のゲームデータの管理を行う。
【0028】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいてゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0029】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をタッチパネル61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0030】
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。
【0031】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0032】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してゲーム装置5と通信可能に接続されている。
【0033】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDBおよび抽選リストなどのゲームに関する各種データ、などが記憶されている。
【0034】
ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ゲーム媒体、消費媒体の量などが、対応づけて記憶されている。
【0035】
ゲーム媒体には、ユーザに発話したり動作したりするキャラクタ、そのキャラクタが仮想ゲーム空間上で使用するアイテム(武器、防具、道具)、そのキャラクタへの仮想ゲーム空間上におけるギフト、ガチャチケット、などが挙げられる。
【0036】
ガチャとは、ユーザの操作に基づいてゲーム媒体を選択し、選択したゲーム媒体をユーザの識別番号に関連付けることで、そのユーザに当該ゲーム媒体を付与する処理を言う。ガチャチケットとは、この処理を行うことができるための権利である。ユーザは、好みのタイミングで、所有するガチャチケットに基づいてガチャを引く操作を行うことができる。
【0037】
消費媒体は、ゲームを進めるにあたり、仮想ゲーム空間内での使用に伴い消費されていく媒体であって、ゲーム内通貨やポイントなどが挙げられる。消費媒体は、クエストのクリア報酬、現実社会での課金、ログインした状態での時間経過、ログインボーナス、特殊アイテムの使用(交換)などにより、ユーザの識別番号に関連付けられることで当該ユーザに付与される。
【0038】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0039】
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、通信制御手段231、照合手段232、抽選実行手段233および配信手段234として機能する。
【0040】
―通信制御手段―
通信制御手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。主な受信データとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求、ガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、などが挙げられる。主な送信データとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報などが挙げられる。
【0041】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0042】
―抽選実行手段―
抽選実行手段233は、ガチャの抽選要求が受信されたことを契機として、図2の抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択割合に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。抽選実行手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、ガチャの抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDBにて関連付ける。これにより、当該ユーザには、ガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0043】
―配信手段―
配信手段234は、通信制御手段231がダウンロード要求情報を受信したのち、該当するゲーム装置5にゲームプログラムを配信する。このゲームプログラムには、ガチャやクエストでユーザが得たゲーム媒体に関する情報、開始予定のイベント情報、なども含まれる。
【0044】
なお、イベントは、仮想ゲーム空間内で発生するゲームイベントであって、メインストーリーとは別のサイドストーリーや特定のクエストなどが解放され進行できるイベント、キャラクタの容姿が変化するイベント、ゲーム媒体や消費媒体が通常時よりも多く付与されるキャンペーン型のイベント、などが含まれる。このイベントには、1月1日から3月3日までの間のように期間限定で行われるゲームイベントや、ユーザによるゲーム装置5の操作が所定条件を満たした場合に開始可能となるゲームイベントなどがある。
【0045】
<ゲーム装置5のハードウェア構成>
図1に示すように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、タッチパッド63、センサ64、マイク65およびカメラ66が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作処理部54、検知処理部55、音声処理部56、画像処理部57、記憶部58および制御部59を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作処理部54、検知処理部55、音声処理部56、画像処理部57および記憶部58は、バス60を介して制御部59と電気的に接続されている。
【0046】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
【0047】
グラフィック処理部52は、制御部59から出力されるゲーム画像情報に従って、各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0048】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されており、制御部59の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0049】
操作処理部54は、タッチパッド63と接続されており、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力することができる。
【0050】
検知処理部55は、センサ64と接続されており、ゲーム装置5の周囲の環境がどのような環境かについて把握する。センサ64としては、照度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、温度センサ、湿度センサ、ショックセンサ、GPSセンサなどの少なくとも1つが挙げられる。
【0051】
一例として、部屋の照明が消された否かが照度センサによって検知され、且つ、ゲーム装置5の操作が一定時間以上無操作であることを加速度センサ、ジャイロセンサおよびショックセンサの少なくとも1つによって検知された場合、検知処理部55は、ユーザが寝ていたりゲーム装置5から離れていたりしていることから操作されていない状況にあると判定し、その旨の情報を制御部59に送信する。一方、ゲーム装置5が一定時間以上操作されていることがセンサ64によって検知された場合、検知処理部55は、ユーザがゲーム装置5を操作しているとの判定結果を制御部59に送信する。この判定処理は一定時間ごとに繰り返され、そのたびに判定結果が制御部59へ送信される。
【0052】
他の例として、温度センサおよび湿度センサの少なくとも1つの検知結果から、検知処理部55は、ゲーム装置5下の環境の快適性を判定し、その旨の情報を制御部59に送信する。また、GPSセンサの検知結果から、検知処理部55は、ゲーム装置5がどのような環境に位置するかを判定し、その旨の情報を制御部59に送信する。
【0053】
音声処理部56は、マイク65と接続されている。音声処理部56は、マイク65がひろった音声に対して音声処理を施し、制御部59に送信する。マイク65が拾う音声は、ゲーム装置5の周囲の音声であって、ユーザの発話が含まれる。
【0054】
画像処理部57は、カメラ66と接続されている。画像処理部57は、カメラ66が撮像した画像(静止画または動画)について画像処理を施し、制御部59に送信する。カメラ66が撮像した画像は、ゲーム装置5をユーザが操作することで撮像された画像、ユーザが自身を撮像した自撮り画像、が含まれる。
【0055】
記憶部58は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部58には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0056】
制御部59は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0057】
<ゲーム装置5における制御部59の機能的構成>
制御部59は、各種プログラムを実行することにより、通信制御手段591、時間管理手段592、スケジュール管理手段593、ゲーム実行手段594および報知制御手段595として機能する。
【0058】
-通信制御手段-
通信制御手段591は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う。主な受信データとしては、ゲームデータ、ガチャによって取得されたゲーム媒体の情報、イベント情報などが挙げられる。主な送信データとしては、アカウント情報、ゲームデータのダウンロード要求、ガチャの抽選要求、クエスト実行要求、ユーザの操作に関する情報が挙げられる。
【0059】
-時間管理手段-
時間管理手段592は、時計機能であって、日付、曜日、時刻を含む時間を管理する。管理される時間は、現在社会で経過する時間であってもよいし、現実社会での時間とは別の仮想ゲーム空間上で経過する時間であってもよい。
【0060】
-スケジュール管理手段-
スケジュール管理手段593は、所定スケジュールを管理する。所定スケジュールには、ディスプレイ61やスピーカ62(報知部に相当)にアラーム報知(以下、報知)を行わせる所定時間が設定されている。ユーザは、タッチパッド63(操作部に相当)から所望の時間を所定時間とした所定スケジュールを入力できる。入力後、所定スケジュールは、記憶部58に記憶される。
【0061】
所定スケジュールの例としては、ユーザの起床予定時間や就寝予定時間が所定時間として設定された起床スケジュール、就業時間や休憩時間が所定時間として設定された生活リズムスケジュールなどが挙げられる。
【0062】
また、スケジュール管理手段593は、所定スケジュールを、アクティブ状態または非アクティブ状態に設定する。所定スケジュールがアクティブ状態である間に、時間が所定時間となれば、ディスプレイ61やスピーカ62による報知が自動でなされる。所定スケジュールが非アクティブ状態である間に、時間が所定時間となっても、当該報知は行われない。つまり、アクティブ状態とは、所定スケジュールが有効な状態であり、非アクティブ状態とは、所定スケジュールが有効でない状態(無効の状態)である。
【0063】
所定スケジュールが非アクティブ状態であっても、当該所定スケジュールは、記憶部58から消去されることなく記憶されている。非アクティブ状態となっている所定スケジュールは、現時点では有効ではないが、アクティブ状態へと設定が切り替えられることがあれば、有効に働くことができる。従って、本実施形態では、所定スケジュールが記憶部58から消去されることと、所定スケジュールが非アクティブ状態となることとは別である。記憶部58から消去された所定スケジュールは、以後、スケジュール管理手段593は管理することができなくなる。
【0064】
所定スケジュールの、アクティブ状態または非アクティブ状態への設定は、ユーザによるタッチパッド63を介した入力に基づいて行われる。スケジュール管理手段593は、所定スケジュールをアクティブにするか否かの選択操作をタッチパッド63が受け付けたことに応じて、その所定スケジュールをアクティブ状態または非アクティブ状態に切り替える。
【0065】
また、ユーザは、タッチパッド63を介して、所定スケジュールをアクティブ状態または非アクティブ状態に自動で切り替えるための、日時に関連した特定条件を入力することもできる。例えば、図3の画面sc1には、所定スケジュールをアクティブにするか否かを選択可能にするためのアクティブ状態設定ボタンp1が表示されている。所定スケジュールを平日はアクティブ状態にし且つ休日は非アクティブ状態にすることを希望する場合、ユーザは、この旨の操作を、画面sc1を確認しながらタッチパッド63を介して行うことができる。
【0066】
この操作を受けて、スケジュール管理手段693は、時間管理手段59が管理する時間が経過するごとに特定条件が満たされるか否かを判断し、その判断結果に応じて、所定スケジュールをアクティブ状態または非アクティブ状態に自動で切り替える。従って、画面sc1で例示した特定条件であれば、平日から休日に曜日が切り替わるのに伴って、所定スケジュールは、自動的にアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替わる。逆に、休日から平日に曜日が切り替わるのに伴って、所定スケジュールは、自動的に非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替わる。
【0067】
-ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段594は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部58から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0068】
具体的に、ゲーム実行手段594は、仮想ゲーム空間にキャラクタp2を配置させ(図4参照)、ユーザによるタッチパッド63への操作信号およびゲームの進行状況に応じて、このキャラクタp2の行動を制御する。
【0069】
例えば、図4の画面sc2では、キャラクタp2によるユーザへのセリフp3とともに、そのセリフp3に対するユーザの複数の返答候補p4がそれぞれ選択可能に表示されている。この画面sc2上から、ユーザが1つの返答候補p4をタップして選択すると、ゲーム実行手段594は、選択された返答候補p4に基づいて、キャラクタp2に次のセリフを発話させたりリアクションをとらせたりする。
【0070】
図5の画面sc3では、ガチャを引くボタンp5、メールボックスボタンp6、クエスト実行ボタンp7それぞれが選択可能に表示されるとともに、ゲームに関する告知情報p8が表示されている。この画面sc3上から、ユーザがガチャを引くボタンp5を選択した場合、ガチャの抽選要求がサーバ装置2に送られ、サーバ装置2にてゲーム媒体の抽選が行われる。抽選終了後、当選したゲーム媒体についての情報がゲーム装置5に送られてくるため、ゲーム実行手段594は、当選したゲーム媒体を知らせるための情報を、ディスプレイ61に表示させる。
【0071】
この表示の際、ゲーム実行手段594は、そのゲーム媒体に対応した音を、スピーカ62から出力させてもよい。例えば、当選したゲーム媒体がキャラクタの場合、そのキャラクタの音声がスピーカ62から出力させることができる。
【0072】
-報知制御手段-
報知制御手段595は、アクティブ状態である所定スケジュールに従って、ディスプレイ61およびスピーカ62の少なくとも1つに報知を行わせる。具体的に、時間管理手段592によって管理されている時間が、所定スケジュールにて設定されている所定時間となった時、報知制御手段595は、ディスプレイ61にはその旨の画面を出力させるとともに、スピーカ62にはアラーム音を出力させる。
【0073】
図6の画面sc4は、管理されている時間が所定時間となるまでにディスプレイ61に表示される画面例である。この画面sc4には、アラーム中止ボタンp9が押下可能に表示されている。ユーザは、時間が所定時間になるよりも前に、このアラーム中止ボタンp9を選択する中止操作を行うことができる。中止操作がなされた場合、報知制御手段595は、ディスプレイ61およびスピーカ62による報知を中止させる。中止操作がなされれば、その後に時間が所定時間に達したとしても、報知は行われない。
【0074】
なお、所定スケジュールの所定時間が“AM7:00”のように繰り返し到来する日時に関するものであって、その所定スケジュールがアクティブ状態である場合、“AM7:00”よりも前に中止操作がなされれば、所定スケジュールがアクティブ状態のままで報知が中止される。従って、中止操作の後に時刻がAM7:00に至ったとしても、アラーム報知は行われない。但し、所定スケジュールは未だアクティブ状態であるため、時刻が次の日の“AM7:00”となれば、アラーム報知は行われる。この場合、時刻が次の日の“AM7:00”となる前に再び中止操作が行われれば、アラーム報知は行われない。つまり、所定スケジュールがアクティブ状態である場合、所定時間に至るよりも前に行われた中止操作は、当該操作が行われた直近に到来する所定時間(当該中止操作が行われた後に到来する初回の所定時間)について有効であるが、一旦所定時間が到来した後については無効となる。
【0075】
本実施形態では、この中止操作がなされたことを契機として、例えば図6の画面sc5に示すようにゲームに影響が与えられる。以下、詳述する。
【0076】
<中止操作によるゲームへの影響について>
所定スケジュールが、起床予定時間を所定時間として設定した起床スケジュールである場合を例示する。
【0077】
管理されている時間が起床予定時間に至るまでの間、ゲーム装置5の報知制御手段595は、図6の画面sc4に示すように、起床予定時間までの残り時間を知らせるカウントダウン表示p10(変化情報に相当)を、アラーム中止ボタンp9とともに表示させる。カウントダウン表示p10では、時間が起床予定時間に近づくにつれて残り時間が減少していくように、残り時間の表示態様が時間の経過とともに変化していく。
【0078】
残り時間がゼロ、つまり、時間が起床予定時間に到達すると、報知制御手段595は、その旨の報知をディスプレイ61およびスピーカ62に行わせる。一方、残り時間がゼロでない場合、つまり、起床予定時間に到達するよりも前に、ユーザが目覚めてアラーム中止ボタンp9を選択する中止操作を行うことがある。この中止操作を行った場合、報知は行われないが、その代わりに、起床予定時間よりも早くに目が覚めたことに対するユーザへの報酬として、ゲームにはさまざまな影響が与えられる。
【0079】
このようにすることで、ゲームへの影響を目的として、ユーザは、起床予定時間よりも前に目覚めて中止操作を行おうとする。その結果、ユーザは、早く起きたことにより作られた朝の時間を有効に活用できるだけでなく、変わったゲーム展開を楽しむことができる。
【0080】
所定時間よりも前に中止操作を行ったことによるゲームへの影響としては、以下の(a)~(f)少なくとも1つが挙げられる。
【0081】
(a)ゲームに関するイベントが発生する
既に述べたように、イベントには、キャラクタの容姿、ボイス、性格などの変化、キャラクタとの発話、新しいストーリーの追加、ミニゲームの解放、ゲーム媒体や消費媒体の増量での付与、などが挙げられる。このようなイベントは、ゲームを普段通りに進行しているだけでは発生せず、所定時間よりも前に中止操作を行ったために発生する、専用イベントであることができる。
【0082】
なお、イベントがキャラクタの容姿、ボイス、性格などの変化、キャラクタとの発話、新しいストーリーの追加、ミニゲームの解放の場合、そのイベントの“実行”自体は、無償でもよいし、有償であってもよい。
【0083】
イベントが発生するタイミングは、中止操作を行った直後であってもよいし、中止操作を行った後のログイン時であってもよい。また、イベントは、例えば1日間や3日間のように有効な時間(期間)が限られていてもよいし、有効な時間(期間)が限定されていなくてもよい。更に、イベントの種類によって、イベントの有効な時間(期間)が限られていたり、逆に限られていなかったりしてもよい。
【0084】
中止操作の直後にイベントが発生する場合、そのイベント用のプログラムは、予めゲーム装置5の記憶部58に格納されていることが好ましい。所定時間よりも前に中止操作が行われた時に、ゲーム装置5のゲーム実行手段594は、格納されているイベント用プログラムを読み出して実行することで、サーバ装置2を介さずともイベントを発生させることができる。
【0085】
中止操作を行った後のログイン時にイベントが発生する場合、所定時間よりも前に中止操作が行われた旨がゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2の配信手段234がイベント用のプログラムをゲーム装置5に送信することで、ゲーム装置5のゲーム実行手段594は、このイベント用のプログラムを実行してイベントを発生させてもよい。または、中止操作の直後にイベントが発生する場合と同様、イベント用のプログラムは、予めゲーム装置5の記憶部58に格納されていてもよい。
【0086】
また、イベントが発生するタイミングは、中止操作を行った後のゲーム進行中であることができる。中止操作を行った後にゲームが進行されている状態にて、時間が特定の時間(第2所定時間に相当)に至った時、サーバ装置5のゲーム実行手段594は、イベント用のプログラムを実行してイベントを発生させることができる。つまり、イベントは、ゲーム進行中において時間が特定の時間となった時に、自動で実行開始されることができる。例えば、特定の時間を11時とし、発生するイベントが「ガラスの靴の持ち主を12時までに探せ」とした場合、このイベントは、時間が11時となった時点で実行開始される。時間が12時となるまでにガラスの靴の持ち主を仮想ゲーム空間内で無事に探すことができれば、そのイベントはクリアとなる。
【0087】
なお、特定の時間にてイベントが発生する場合、そのイベント用のプログラムは、ログイン時にサーバ装置2から送信されてもよいし、予めゲーム装置5の記憶部58に格納されていてもよい。
【0088】
(b)専用ガチャが実行可能となる
所定時間よりも前に中止操作を行うことで、ユーザは、それまでは引くことができなかったガチャが引けるようになる。このガチャは、通常のガチャとは別であって、中止操作を行うことで解放される専用ガチャであることができる。
【0089】
専用ガチャでは、サーバ装置2の抽選実行手段233は、通常ガチャとは別の抽選リストを用いて1以上のゲーム媒体を選択する。専用ガチャのリストには、通常ガチャで用いられる抽選リストに比べて、希少価値の高いゲーム媒体が含まれていたり、通常ガチャの抽選リストには含まれていない特有のゲーム媒体が含まれていたりする。
【0090】
このように、所定時間よりも前に中止操作を行うことで専用ガチャが解放されれば、ユーザは、この専用ガチャを引くことを目的として、率先して早起きを行い、中止操作を行うことを試みるようになる。
【0091】
専用ガチャが解放されるタイミングは、中止操作を行った後であればよく、具体的には、中止操作を行った直後、中止操作を行った後のログイン時、中止操作を行った後のゲーム進行中などが挙げられる。専用ガチャのプログラムは、予めゲーム装置5の記憶部58に格納されていてもよいし、ログイン時にサーバ装置2から送信されてもよい。
【0092】
所定時間よりも前に中止操作が行われた場合、ゲーム装置5のゲーム実行手段594は、ユーザによる専用ガチャの抽選要求を受け付け可能な状態にする。この状態で、タッチパッド63を介して専用ガチャの抽選要求がなされると、当該抽選要求は、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の抽選実行手段233は、その抽選要求に従ってゲーム媒体の抽選処理を実行する。抽選処理により当選したゲーム媒体は、ゲーム装置5に送られ、ゲーム実行手段594は、ディスプレイ61およびスピーカ62を介してそのゲーム媒体の内容を報知する。
【0093】
専用ガチャは、例えば1日間や3日間のように有効な時間(期間)が限られていてもよいし、有効な時間(期間)が限定されていなくてもよい。
【0094】
解放された専用ガチャを引く際、無償の消費媒体を消費することで引くことができてもよいし、課金に基づく有償の消費媒体を消費することで引くことができてもよい。また、専用ガチャを引く際、消費媒体を消費することなく引くことができてもよい。
【0095】
また、“最大5回まで”のように、専用ガチャを引くことのできる上限回数が設定されていてもよい。また、所定時間よりも前に中止操作を行った回数を1回とカウントし、そのカウント数(すなわち、これまでに所定操作を行った回数)に応じて、専用ガチャを引くことのできる上限回数が設定されてもよい。
【0096】
また、専用ガチャの解放条件には、中止操作を行ったことに加えて、ゲームの進行度合いが所定度合いに到達したことやゲーム進行中に時間が特定の時間に至ったことなどの条件が、更に課されることができる。例えば、中止操作を行ったものの、キャラクタのレベルが所定レベルに達していなかったり、時間が決められた時間より前であれば、専用ガチャは未だ解放されないが、キャラクタのレベルが所定レベルを超えたり時間が決められた時間に到達すれば、専用ガチャは解放されてもよい。
【0097】
また、所定時間が経過するよりも前に中止操作を行った場合、抽選実行手段233、配信手段234およびゲーム実行手段594は、複数の専用ガチャの中からゲーム進行度合いに応じた専用ガチャを選択して解放することができる。ゲームの進行度合いによって、ゲーム内で使用するのに適したゲーム媒体のパラメータ(アイテムのレベルや攻撃力など)は異なる。そこで、専用ガチャごとの抽選リストを、予め、個々のゲーム進行度合いに対応したパラメータを有するゲーム媒体を含ませたものとしておき、ゲーム進行度合いに応じて解放する専用ガチャを決定することで、ゲームの進行に役立つものが専用ガチャにて当選する。この場合、ユーザは、ゲームの進行をより有利に進めるためにも、専用ガチャの解放を願って、中止操作を積極的に行うようになる。
【0098】
(c)抽選リストの選択割合が変化する
所定時間よりも前に中止操作を行うことで、通常ガチャで用いていた抽選リストにおける選択割合が変化する。
【0099】
具体的に、希少価値の高いゲーム媒体ほど選択割合が高くなるように変化し、希少価値の低いゲーム媒体ほど選択割合が低くなるように変化することが好ましい。これにより、中止操作を行う前に比べて、希少価値の高いゲーム媒体は当選しやすくなり、希少価値の低いゲーム媒体は当選しにくくなる。このように、所定時間よりも前に中止操作を行うことで抽選リストの選択割合が変化することで、ユーザは、希少価値のゲーム媒体を所望する場合にはそのゲーム媒体が当選することを期待し、率先して中止操作を行うことを試みるようになる。
【0100】
所定時間よりも前に中止操作が行われた場合、その旨がゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の抽選実行手段233は、抽選リストの選択割合を変更して記憶部22に記憶させる。サーバ装置2の通信制御手段231は、抽選リストが更新された旨をゲーム装置5に送信し、ゲーム装置5のゲーム実行手段594は、その旨をディスプレイ61およびスピーカ62の少なくとも1つを介して報知させる。この報知後に、タッチパッド63を介してガチャの抽選要求がなされると、当該抽選要求は、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の抽選実行手段233は、その抽選要求に従って、更新済みの抽選リストを用いてゲーム媒体の抽選処理を実行する。抽選処理により当選したゲーム媒体は、ゲーム装置5に送られ、ディスプレイ61およびスピーカ62を介してそのゲーム媒体の内容が報知される。
【0101】
更新された抽選リストは、例えば1日間や3日間のように有効な時間(期間)が限られていてもよいし、有効な時間(期間)が限定されていなくもよい。
【0102】
更新された抽選リストを用いたガチャを引く際、無償の消費媒体を消費することで引くことができてもよいし、課金に基づく有償の消費媒体を消費することで引くことができてもよい。
【0103】
また、“最大5回まで”のように、更新された抽選リストに基づくガチャを引ける回数の上限値が設定されていてもよい。また、所定時間よりも前に中止操作を行った回数を1回とカウントし、そのカウント数(すなわち、これまでに所定操作を行った回数)に応じて、更新された抽選リストに基づくガチャを引ける回数の上限値が設定されてもよい。
【0104】
また、ゲームの進行度合いが所定度合いに到達したことや、ゲーム進行中に時間が特定の時間に至ったことなどの条件を、更新された抽選リストに基づくガチャを実際に引くことができる条件として課してもよい。中止操作を行ったものの、キャラクタのレベルが所定レベルに達していなかったり、時間が決められた時間より前であったりすれば、いくら抽選リストが更新されていても、その抽選リストによるガチャを引くことはできない。しかし、キャラクタのレベルが所定レベルを超えたり時間が決められた時間に到達したりすれば、更新された抽選リストに基づくガチャを引くことができるようになってもよい。
【0105】
また、中止操作が行われたことに伴って抽選リストを更新する際、抽選実行手段233は、ゲーム進行度合いに応じてどのゲーム媒体の選択割合をどの程度変更するかを決定することができる。ゲームの進行度合いによって、ゲームを有利に進められるゲーム媒体のパラメータ(アイテムのレベルや攻撃力など)は異なるからである。これにより、ユーザは、ゲームの進行をより有利に進めるためにも、抽選リストの更新を願って、中止操作を積極的に行うようになる。
【0106】
(d)ガチャ実行時に消費される消費媒体の消費量が変化する
通常のガチャが、消費媒体を消費することで引くものであるとした場合、所定時間よりも前に中止操作を行うことで、ガチャを引く際に必要とされる消費媒体の消費量が変化する。
【0107】
具体的に、所定時間よりも前に中止操作を行うことで、ガチャを引く際に必要とされる消費媒体の消費量はそれまでよりも減少するように変化される。この消費媒体の減少には、消費量がゼロになることも含まれる。これにより、ユーザは、気軽にガチャを引くことができるようになる。
【0108】
所定時間よりも前に中止操作が行われた場合、その旨がゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の抽選実行手段233は、ガチャ実行にあたり必要となる消費媒体の消費量を変更して記憶部22に記憶させる。サーバ装置2の通信制御手段231は、ガチャ実行にあたり必要となる消費媒体の消費量が変更された旨をゲーム装置5に送信し、ゲーム装置5のゲーム実行手段594は、その旨をディスプレイ61およびスピーカ62の少なくとも1つを介して報知させる。この報知後に、タッチパッド63を介してガチャの抽選要求がなされると、当該抽選要求は、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の抽選実行手段233は、その抽選要求に従って、ユーザIDに紐づけられた現在の消費媒体(ユーザが所有している現在のゲーム内通貨など)から変更後の消費量分を減算してユーザDBを更新するとともに、ゲーム媒体の抽選処理を実行する。抽選処理により当選したゲーム媒体は、ゲーム装置5に送られ、ディスプレイ61およびスピーカ62を介してそのゲーム媒体の内容が報知される。
【0109】
消費媒体の消費量が変更されたことについては、例えば1日間や3日間のように有効な時間(期間)が限られていてもよいし、有効な時間(期間)が限定されていなくてもよい。
【0110】
また、“最大5回まで”のように、変更後の消費量にてガチャが引ける回数の上限値が設定されていてもよい。また、所定時間よりも前に中止操作を行った回数を1回とカウントし、そのカウント数(すなわち、これまでに所定操作を行った回数)に応じて、変更後の消費量にてガチャが引ける回数の上限値が設定されてもよい。
【0111】
また、ゲームの進行度合いが所定度合いに到達したことや、ゲーム進行中に時間が特定の時間に至ったことなどの条件を、変更後の消費量にてガチャを実際に引くことができる条件として課してもよい。中止操作を行ったものの、キャラクタのレベルが所定レベルに達していなかったり、時間が決められた時間より前であったりすれば、いくら消費量が変更されていても、実際にはガチャを引くことはできない。しかし、キャラクタのレベルが所定レベルを超えたり時間が決められた時間に到達したりすれば、変更後の消費量分だけの消費によってガチャを引くことができるようになってもよい。
【0112】
また、中止操作が行われたことに伴って消費媒体の消費量を変更する際、抽選実行手段233は、ゲーム進行度合いに応じて消費量をどの程度変更するかを決定することができる。例えば、ゲームのストーリーが序盤であれば消費量をゼロにし、ストーリーが中盤であれば消費量を半分にすることができる。特に、ストーリーのクリア報酬として消費媒体を獲得できる場合、ストーリーの進み具合が少ないほどユーザの所有する消費媒体の量は少ないことが想定される。そのため、さほど消費媒体を所有していない序盤などであれば、ガチャ実行時の消費媒体の消費量を軽減させるために、ユーザは、所定時間よりも前に中止操作を積極的に行うようになる。
【0113】
(e)専用のログインボーナスが付与される
所定時間よりも前に中止操作を行うことで、当該中止操作後にログインした際、専用のログインボーナスがユーザに付与される。
【0114】
ログインボーナスとは、ユーザがゲームシステム1にログインしたことを契機として、ユーザに付与されるゲーム媒体である。本実施形態のログインボーナスには、一日に1回ログインを行うたびにユーザに付与される「通常ログインボーナス」と、この通常ログインボーナスとは別途、中止操作を行ったことに対する恩恵としてユーザに付与される「専用ログインボーナス」とがある。
【0115】
専用ログインボーナスは、通常ログインボーナスでは付与されない特殊なゲーム媒体であったり、通常ログインボーナスよりも希少価値の高いゲーム媒体であったりすることができる。例えば、通常ログインボーナスとして付与されるゲーム媒体が、体力を30ポイントほど回復できる回復薬であるとした場合、専用ログインボーナスは、体力を最大ポイントまでに回復できる特別な回復薬であることができる。
【0116】
このように、所定時間よりも前に中止操作を行うことを契機として、通常ログインボーナスの内容とは異なる専用のログインボーナスが付与されることで、ユーザは、専用のログインボーナスを目的として率先して中止操作を行うことを試みるようになる。
【0117】
所定時間よりも前に中止操作が行われた場合、その旨がゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の配信手段234が、専用のログインボーナスに関する情報をゲーム装置5に送信することで、そのゲーム装置5のゲーム実行手段594は、専用のログインボーナスが付与された旨とそのボーナス(ゲーム媒体)の内容とを、ディスプレイ61およびスピーカ62を介して報知させる。
【0118】
専用のログインボーナスとして付与されたゲーム媒体は、例えば付与時から1週間の間だけ使用可能のように使用期限が限られていてもよいし、使用期限がなくてもよい。
【0119】
また、所定時間よりも前に中止操作を行った回数を1回とカウントし、そのカウント数(つまり中止操作を行った回数)に応じて、専用のログインボーナスの内容が変更されてもよい。例えば、中止操作を行った回数が多くなるほど、専用のログインボーナスとして、希少価値のより高いゲーム媒体が付与される。
【0120】
また、専用のログインボーナスの内容は、ゲームの進行度合いやゲームプレイの総時間数に応じても、変更されてもよい。ゲームの進行度合いなどによって、ゲーム内で使用するのに適したゲーム媒体のパラメータ(アイテムのレベルや攻撃力、アイテムの週類など)は異なる。そこで、配信手段234が、ゲームの進行度合いや当該進行度合いに相関するゲームプレイの総時間数に応じて専用のログインボーナスの内容を決定することで、ゲームの進行に役立つものが専用ガチャとしてユーザに付与される。この場合、ユーザは、ゲームをより有利に進めるためにも、より有効な専用のログインボーナスが付与されることを願って、所定時間よりも前に中止操作を、積極的に行うようになる。
【0121】
(f)専用の告知が行われる
所定時間よりも前に中止操作を行われた場合、その後のゲーム中に、ゲーム装置5のゲーム実行手段594は、仮想ゲーム空間内において専用の告知を行わせる。
【0122】
告知とは、中止操作を行ったことを契機としてゲームに影響が生じたことについての告知が含まれる。例えば、告知には、中止操作を行ったことにより実行可能となる上記イベントがある旨やそのイベント内容についての告知、中止操作を行ったことにより解放された専用ガチャについての告知、選択割合が変化した旨の告知、ガチャ実行時の消費媒体の消費量が変化したことについての告知、などが含まれる。
【0123】
このような告知により、ユーザは、所定時間よりも前に中止操作を行ったことが、ゲームに影響していることを把握できるようになる。
【0124】
なお、告知は、中止操作後のゲーム中に能動的に報知されてもよいし、ゲーム中にユーザがタッチパッド63を操作したことを受けて報知されてもよいし、所定スケジュールの所定時間などのような決められた時間となった時に自動的に報知されてもよい。
【0125】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図7は、本実施形態にかかるゲームシステム1が行う一連の動作のフロー図である。
【0126】
ゲーム装置5のタッチパッド63を介して、所定時間を含む所定スケジュールの入力をユーザが行った場合、スケジュール管理手段593は、所定スケジュールを記憶部58に記憶して管理する(ステップst1)。また、所定スケジュールをアクティブ状態または非アクティブ状態にする選択操作を、タッチパッド63を介してユーザが行った場合、スケジュール管理手段593は、その選択操作に応じて、所定スケジュールをアクティブ状態または非アクティブ状態に設定する。
【0127】
所定スケジュールがアクティブ状態に設定されている場合(ステップst2のYes)、ゲーム装置5の報知制御手段595は、画面sc6の画面sc4に示すように、所定スケジュールに含まれる所定時間までの残り時間を表すカウントダウン表示p10を、ディスプレイ61に表示させる。報知制御手段595は、現在の時間が所定時間に近づくにつれて、カウントダウン表示p10を変化させていく(ステップst3)。
【0128】
時間管理手段592が管理している時間が、所定スケジュールの所定時間に到達した場合(ステップst4のYes)、報知制御部595は、アラーム報知を、ディスプレイ61およびスピ―カ62に行わせる(ステップst5)。
【0129】
このアラーム報知は、ユーザがタッチパッド63を操作することで停止されるが、アラーム報知が停止されても所定スケジュール自体はアクティブ状態のままとなる。ユーザが所定スケジュールを非アクティブ状態に切り替える設定を行わない限り、再度、時間が所定時間に至れば、アラーム報知は行われる。
【0130】
時間管理手段592が管理している時間が、所定スケジュールの所定時間に到達するよりも前に(ステップst4のNo)、タッチパッド63を介してアラーム中止ボタンp9を押下する中止操作をユーザが行った場合(ステップst6のYes)、報知制御部595は、アラーム報知を中止させる。中止操作が行われたことにより、ゲーム装置5のゲーム実行手段594、サーバ装置2の抽選実行手段233および配信手段234は、上述した(a)~(f)の少なくとも1つに対応する処理を行うことで、ゲーム影響を与える(ステップst7)。
【0131】
これにより、ユーザは、上述した(a)~(f)の少なくとも1つにおけるゲームへの影響を、楽しむことができる。
【0132】
ステップst7において、所定スケジュールは依然としてアクティブ状態であるため、ユーザが所定スケジュールを非アクティブ状態に切り替える設定を行わない限り、再度、時間が所定時間に至れば、アラーム報知は行われる。
【0133】
ステップst2において、所定スケジュールが非アクティブ状態の場合(ステップst2のNo)、ステップst3以降の処理は行われない。
【0134】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、ディスプレイ61およびスピーカ62(報知部)とタッチパッド63(操作部)と制御部23,59(コンピュータ)とを備えるゲームシステムにおいて制御部23,59(コンピュータ)に実行させるゲームプログラムであって、制御部23,59(コンピュータ)を、時間が所定時間(第1所定時間)になった時にディスプレイ61およびスピーカ62(報知部)に報知を行わせることが可能であって、時間が所定時間(第1所定時間)になるよりも前に報知の中止を指示する中止操作をタッチパッド63(操作部)が受け付けた場合には報知を中止させる報知制御手段595と、時間が所定時間(第1所定時間)になるよりも前にタッチパッド63(操作部)が中止操作を受け付けたことを契機として、ゲームに影響を与えるゲーム実行手段594、抽選実行手段233および配信手段234の少なくとも1つ(ゲーム制御手段)と、として機能させるものである。
【0135】
<効果>
本実施形態によれば、所定時間になるよりも前に中止操作が行われたことを契機として、ゲームに影響が与えられる。つまり、ゲーム性を広げる主軸の要素として時間を用いており、これによりより面白みが増したゲームをユーザに提供できる。ユーザは、ゲームへの影響を期待して、積極的に中止操作を行うようになり、変わったゲーム展開を楽しむことができる。
【0136】
また、スケジュール管理手段593は、タッチパッド63(操作部)を介したユーザの操作に基づいて、所定時間(第1所定時間に相当)を設定することができる。これにより、ユーザは、起床スケジュールなどの、自身の所望する所定スケジュールを設定することができる。
【0137】
また、報知制御手段595は、時間が所定時間(第1所定時間)に近づくにつれて報知対象が変化するカウントダウン表示p10(変化情報)を、ディスプレイ61(操作部)に表示させる。これにより、ユーザには、所定時間よりも前に中止操作を行うことが促される。
【0138】
ゲームへの影響には、上記(a)にて述べたように、ゲームに関するイベントを発生させることが含まれる。そのイベントは、ゲーム中に時間が特定の時間(第2所定時間)になった時に開始されることができる。これにより、ユーザは、中止操作を行うことによって、イベントを楽しむことができる。
【0139】
ゲームへの影響には、上記(b)にて述べたように、抽選により1以上のゲーム媒体を選択する抽選処理の実行、つまり専用ガチャ、が解放されることが含まれる。これにより、ユーザは、中止操作を行うことで、専用ガチャを楽しむことができる。
【0140】
ゲームへの影響には、上記(c)にて述べたように、抽選リストに含まれるゲーム媒体の選択割合の変化が含まれる。これにより、例えば希少価値の高いゲーム媒体が獲得されやすくなったりする。従って、ユーザは、ガチャを引くことをより望んだり、ガチャをより楽しんだりすることができる。
【0141】
ゲームへの影響には、上記(d)にて述べたように、ガチャ実行にあたり消費される消費媒体の消費量の変化が含まれる。これにより、ユーザは、中止操作を行わない場合よりも少ない消費媒体の消費量にて、ガチャを引くことができる。
【0142】
ゲームへの影響には、上記(e)にて述べたように、ログインを契機としてユーザにゲーム媒体が付与される専用ログインボーナスが含まれる。これにより、ユーザにとっては、専用ログインボーナスが得られることを、楽しみの1つとなる。
【0143】
ゲームへの影響には、上記(f)にて述べたように、ゲーム中にゲームに関する告知が行われることが含まれる。これにより、ユーザは、中止操作を行うことで、ゲームに関する様々な情報を把握することができる。
【0144】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本開示、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本開示の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0145】
前記実施形態では、所定時間よりも前に中止操作を受け付けた場合、上記(a)~(f)の少なくとも1つの影響がゲームに及ぶと説明した。しかし、図8に示すように、タッチパッド63が中止操作を受け付けた時間と所定時間との時間差に応じて、ゲームに与えられる影響が変化してもよい。図8では、時間差が5分未満の場合、キャラクタが「間に合ったね」と発話するイベントが発生するのみだが、時間差が5分以上かつ10分未満の場合、キャラクタの発話に加えてストーリーAが解放される。このように、時間差に応じてゲームに与えられる影響が異なることにより、ユーザは、中止操作を行う時間を調整し、時間差によってどのような影響がゲームに与えられるのかを楽しみの1つとすることができる。
【0146】
また、ゲームに及ぶ影響は、上記(a)~(f)の中から、抽選で決定されてもよい。その抽選の際の当選確率は、一定であってもよいし、ゲームの進行度合いやゲームプレイの総時間数などに応じて変化してもよい。
【0147】
前記実施形態では、所定時に近づくにつれて報知対象が変化する変化情報の一例として、図6の画面sc4に示すように、所定時間との残り時間を表すカウントダウン表示p10を例示した。しかし、変化情報は、例えば爆弾の形をしたオブジェクトの色が残り時間に応じて変化したり、楽曲のテンポが残り時間に応じて早くなったりするなどであってもよい。
【0148】
なお、変化情報の報知は必須ではない。従って、カウントダウン表示p10はなくてもよい。
【0149】
前記実施形態では、ユーザが、所定時間を含む所定スケジュールを入力できると説明したが、これは必須ではない。つまり、所定時間を含む所定スケジュールが予め固定で記憶されていてもよい。
【0150】
また、所定スケジュールを入力するユーザと、中止操作を行うユーザとは、異なる人物であってもよい。これにより、ユーザAが入力した所定スケジュールの所定時間よりも前に、ユーザBが中止操作を行うことができるか否か、といったゲーム性が生じるため、ゲームの面白みがより広がる。この場合、所定スケジュールの入力を受け付ける端末と、中止操作を受け付ける端末とは、同じであってもよいが、異なっていてもよい。
【0151】
例えば、定期的にオンエアされるラジオ番組やテレビ番組、オンラインイベントなどの運営者(主催者)側と、ラジオのリスナーやイベント参加者などであるユーザ側とが存在する場合、運営者(主催者)側が任意に所定スケジュールを入力(設定)することができてもよい。運営者(主催者)側が、番組やイベントの開始前に、アラーム報知のための所定スケジュールである日時を、ゲーム装置5やゲーム装置5以外の端末を用いて入力(設定)しておく。この入力(設定)情報は、サーバ装置2にて管理され、サーバ装置2からユーザの各ゲーム装置5に送られる。ユーザは、当該日時までに中止操作をゲーム装置5にて行うことで、番組やイベントを視聴できる動画視聴アプリやラジオアプリの起動を促すための案内が報知されたり、これらのアプリを自動的に起動させたりすることができる。つまり、アラーム報知がなされる前に中止操作を受け付けたことに対する作用として、アプリ起動の案内報知や自動での起動などが、ゲーム装置5にて生じる。
【0152】
なお、上述のように、運営者(主催者)側が所定スケジュールである日時を入力(設定)する場合、例えば各国の現地時間での“AM7時”としたり、A国では“AM5時”とする一方でB国では“AM10時”とするように、国や地域ごとに個別の時間設定ができてもよい。また、例えば日本時間で“AM7時”のように、国や地域に限らず、とある時間を共通の時間として時間設定ができてもよい。
【0153】
上記(c)で説明した「抽選リストの選択割合の変化」において、前記実施形態では、ユーザへの配慮に鑑み「希少価値の高いゲーム媒体の選択割合ほど高く、希少価値の低いゲーム媒体の選択割合ほど低くなるように変化する」場合を例示した。しかし、選択割合の変化はこれに限定されない。例えば、回復アイテムよりも武器アイテムが出やすくなるなどのように、希少価値ではなくゲーム媒体の種類に応じて選択割合が上下してもよい。また、希少価値の高いゲーム媒体の選択割合ほど低くなるように変化してもよい。
【0154】
上記(d)で説明した「ガチャ実行時に消費される消費媒体の消費量の変化」において、前記実施形態では、ユーザへの配慮に鑑み「消費量が減少する」場合を例示した。しかし、消費量は増加してもよい。
【0155】
上記(e)で説明した「専用ログインボーナスの付与」において、専用ログインボーナスとして付与するゲーム媒体は、予め決定されていてもよいし、抽選で決定されてもよい。また、上記(e)では、専用ログインボーナスとして付与されるゲーム媒体が、通常ログインボーナスとして付与されるゲーム媒体とは異なると説明したが、これに限定されない。専用ログインボーナスとして付与されるゲーム媒体と、通常ログインボーナスとして付与されるゲーム媒体とは、同じであってもよい。また、所定時間よりも前に中止操作を行ったことにより、それまで付与されていなかったログインボーナスが付与されるようになる影響が、ゲームに生じてもよい。
【0156】
前記実施形態における仮想ゲーム空間は、三次元であってもよいし、二次元であってもよい。
【0157】
前記実施形態において、所定時間よりも前に中止操作がなされた場合、更にセンサ64の検知結果に応じて、ゲームに影響が及んでもよい。例えば、湿度センサや温度センサの検知結果から、ゲーム装置5の環境がさほど快適でないと検知処理部55が判断した場合、その環境下においても所定時間よりも前に中止操作がなされたのであれば、ゲーム実行手段564などは、ユーザへの恩恵がより高いものとなるように、環境が快適な場合はキャラクタの発話イベントのみが生じるところを、ガチャ10連無料で引けるようになるなどへと、ゲームへの影響を決定(変更)してもよい。
【0158】
中止操作は、タッチパッド63を介したアラーム報知ボタンp9の押下に代えて、カメラ66によって撮像されたジェスチャーや、マイク65による音声、によって入力されてもよい。
【0159】
前記実施形態では、アラーム報知がディスプレイ61およびスピーカ62によりなされると説明した。しかし、アラーム報知は、これらに代えてまたは加えて、ゲーム装置5の振動(バイブレーション)によってなされてもよい。また、アラーム報知がなされる機器は、ゲーム装置5とは別の端末であってもよい。別の端末としては、ゲーム装置5とは別のタブレット端末や、身体に装着することのできるウェアラブル端末などが挙げられる。
【0160】
また、中止操作を受け付ける端末も、ゲーム装置5に代えてまたは加えて、ゲーム装置5とは別のタブレット端末や、ウェアラブル端末などであってもよい。
【0161】
また、ユーザが中止操作を行った際、アラームや振動(バイブレーション)などといった、ユーザが気づくような動作を伴う必要はない。つまり、中止操作を受け付けた端末は、中止操作を受け付けた旨を表現する動作(アラーム報知や振動など)を採ることなく、単に中止操作を受け付けるのみでもよい。
【0162】
ところで、所定時間になるよりも前にユーザが中止操作を行えばゲームに影響が与えられる仕様の下で、当該ユーザ自らが所定時間を入力(設定)できる状況にあると、ユーザはより有利な影響がゲームに与えられることを目的として、例えば現時刻からすぐに到達する時刻(例えば現時刻から3分後)を所定時間として入力(設定)しておき、中止操作を行う、といった行為を繰り返すおそれがある。これでは、運営者側からすると想定していないようなかけ離れた影響が、1のユーザのゲームに与えられてしまうこととなり、ひいてはゲームバランスを欠くおそれがある。そこで、以下のような対策(I)~(III)を更に講じることができる。
(I)スケジュール管理手段563は、例えば1日や1週間などである単位期間の間に、所定スケジュール(所定時間)の入力(設定)を受け付けることが可能な上限回数(例えば2回)を管理しておく。この場合、当該単位期間および上限回数の少なくとも1つは、例えばゲームの運営者(主催者)のように、ゲームをプレイするユーザとは別の者による入力操作を基に設定されてもよい。
(II)スケジュール管理手段563は、所定スケジュール(所定時間)が一旦設定されると、一定時間が経過されるまでは更なる所定スケジュール(所定時間)の設定を禁止する。この場合、更なる所定スケジュール(所定時間)の入力自体を禁止してもよいし、入力ができたとしても、所定スケジュール(所定時間)がアクティブ設定できないようにしてもよい。
(III)スケジュール管理手段563は、現時刻から所定スケジュール(所定時間)までの期間が閾値より短い場合には、当該所定スケジュール(所定時間)の設定を禁止する。例えば、閾値が1時間とした場合、現時刻から1時間未満となる“30分後”など所定スケジュール(所定時間)の設定を禁止する。一例としては、1の所定スケジュールに対する中止操作が可能となるタイミングで、他の所定スケジュールに対する中止操作も可能となるタイミングが到来するような場合は、いずれか一方の所定スケジュールを無効にしてもよい。また、当該閾値が、例えばゲームの運営者(主催者)のように、ゲームをプレイするユーザとは別の者による入力操作を基に設定されてもよいし、他の所定スケジュール(所定時間)の入力自体の禁止、入力ができたとしても他の所定スケジュール(所定時間)がアクティブ設定できないようにしてもよい。
【0163】
前記実施形態において、時間管理手段592は必須ではない。時間の情報は、サーバ装置2側にて管理されていてもよいし、ゲーム装置5およびサーバ装置2以外の他の端末(時計など)から入力されたものが利用されてもよい。
【0164】
前記実施形態では、所定スケジュールが非アクティブ状態に切り替えられても、その所定スケジュールは記憶部58からは消去されないと説明したが、これに限定されない。所定スケジュールが非アクティブ状態に切り替えられた場合、その所定スケジュールは記憶部58から消去されてもよい。
【0165】
前記実施形態では、ゲーム機能を備えたゲームシステム1を例示したが、ゲーム機能を有さずともよい。報知制御手段595は、所定スケジュールに従って、時間が所定時間となった時に報知を行わせるが、その所定時間よりも前に中止操作が行われたことを契機として、報知を中止させてもよい。所定スケジュールが繰り返し到来する日時を所定時間として設定したものである場合、この中止操作は、所定スケジュールをアクティブ状態としたまま行われる。中止操作がなされることにより、時刻が直近で所定時間に至った場合には報知は行われないが、所定スケジュール自体は解除されないため(アクティブ状態のままであるため)、再び時刻が所定時間に至った場合は報知がなされる。これは、所定スケジュールを解除せずアクティブにしておくことを希望する場合に便利な機能、といえる。
【0166】
前記実施形態において、本開示のゲームプログラムは、サーバ装置2およびゲーム装置5を一体となって機能させる例が記載されているが、これには限られない。本開示のプログラムのすべての手段、すなわち、報知制御手段、ゲーム制御手段などが、サーバ装置単体またはゲーム装置単体に備えられていてもよい。また、サーバ装置およびゲーム装置を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0167】
その他の実施例として、ゲーム制御手段が、報知の中止を指示する中止操作ではなく、ユーザが所定時間までに所定操作を行ったことを確認する確認信号を受信したことに基づいて、ゲームに影響を与えてもよい。例えば、特定の場所での待ち合わせ時間が設定されており、ユーザの端末装置の位置検出部(例えば、GPS受信機)が、待ち合わせ時間までにユーザが待ち合わせ場所に到達したことを検出した場合に、ゲーム制御手段がゲームに影響を与えてもよい。また、ゲームのアプリケーションとウェブ会議のアプリケーションとを連動させて、ウェブ会議でのミーティング時間までにユーザがウェブ会議のアプリケーションを立ち上げた場合に、ゲーム制御手段がゲームに影響を与えてもよい。
【符号の説明】
【0168】
61 ディスプレイ(報知部)
62 スピーカ(報知部)
63 タッチパッド(操作部)
23,59 制御部(コンピュータ)
233 抽選実行手段(ゲーム制御手段)
234 配信手段(ゲーム制御手段)
593 スケジュール管理手段(設定手段、スケジュール管理手段)
594 ゲーム実行手段(ゲーム制御手段)
595 報知制御手段
図1
図2
図3
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図8