(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002305
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ストレージ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/00 20060101AFI20241226BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20241226BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20241226BHJP
G11B 33/12 20060101ALI20241226BHJP
G11B 33/02 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G06F3/00 V
G06F1/16 312W
H05K7/14 S
G11B33/12 313S
G11B33/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102384
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】524132520
【氏名又は名称】日立ヴァンタラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八尾 将央
(72)【発明者】
【氏名】中條 徳男
(72)【発明者】
【氏名】植松 裕
(72)【発明者】
【氏名】遠山 仁博
【テーマコード(参考)】
5E348
【Fターム(参考)】
5E348DD10
5E348EE06
5E348EE28
5E348EE37
5E348EF06
5E348EF24
(57)【要約】
【課題】ストレージ装置において、スペースの無駄なくドライブ搭載数を増加させながら、信号伝送路の信号品質の低下を最小化して高速伝送に対応可能にする。
【解決手段】ストレージ装置は、ストレージ装置の設置面に対して垂直に設けられ、ストレージ装置の設置面と平行なX軸方向に複数のコネクタ103が並列に配置されたミッドプレーン101と、2台のドライブ装置10をそれぞれ搭載し、X軸方向に並列に配置され、設置面及びX軸方向と垂直なY軸方向に複数のコネクタ103のそれぞれを介してミッドプレーン101と接続された複数のアダプタ1と、を備える。アダプタ1は、Y軸方向に並列に配置された2台のドライブ装置10のそれぞれのコネクタとY軸方向に接続される複数のコネクタ1を備えた基板2と、Y軸方向に並列に配置された2台のドライブ装置10及び基板2をアダプタ1に取付けるためのフレームと、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のドライブ装置を搭載して構成されるストレージ装置であって、
前記ストレージ装置の設置面に対して垂直に設けられ、前記ストレージ装置の前記設置面と平行な第1方向に複数の第1コネクタが並列に配置されたミッドプレーンと、
前記複数のドライブ装置のうちの所定数のドライブ装置をそれぞれ搭載し、前記第1方向に並列に配置され、前記設置面と平行かつ前記第1方向に対して垂直な第2方向に前記複数の第1コネクタのそれぞれを介して前記ミッドプレーンと接続された複数のアダプタと、を備え、
前記アダプタのそれぞれは、
前記第1コネクタと前記第2方向に接続されるコネクタ接続部と、該コネクタ接続部のそれぞれと電気的に接続されており、前記第2方向に並列に配置された前記所定数のドライブ装置のそれぞれのコネクタと前記第2方向に接続される複数の第2コネクタと、を備えた基板と、
前記第2方向に並列に配置された前記所定数のドライブ装置及び前記基板を前記アダプタに取付けるためのフレームと、を有する
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のストレージ装置であって、
前記フレームは、
前記第2方向に並列に配置された前記所定数のドライブ装置のうちの隣接する第1のドライブ装置及び第2のドライブ装置について、該第1のドライブ装置と、該第2のドライブ装置が接続される前記第2コネクタとの間に、該第1のドライブ装置が前記第2方向を移動して該第2のドライブ装置と接触することを規制するストッパー
を有することを特徴とするストレージ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のストレージ装置であって、
前記フレームは、
前記ドライブ装置を前記フレームに取付けた状態で前記第2方向に移動可能なスライドレール
を有することを特徴とするストレージ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のストレージ装置であって、
前記基板は、
切欠き部又は開口部を有し、
前記ドライブ装置は、
前記コネクタを前記第2コネクタに接続した状態で、前記ドライブ装置の前記第1方向の両面が、前記切欠き部又は前記開口部を介して、前記基板の前記第1方向の両面から露出している
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のストレージ装置であって、
前記ミッドプレーンは、
隣り合う前記第1コネクタのそれぞれの間に、前記ミッドプレーンを通して通風する通風孔を有する
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のストレージ装置であって、
前記アダプタは、
前記コネクタ接続部と前記第2コネクタとがケーブルを介して接続されている
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のストレージ装置であって、
前記アダプタは、
前記コネクタ接続部との距離が一定以上の位置に配置される前記第2コネクタが前記ケーブルを介して前記コネクタ接続部と接続され、
前記コネクタ接続部との距離が一定未満の位置に配置される前記第2コネクタが前記基板を介して前記コネクタ接続部と接続されている
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項8】
請求項6に記載のストレージ装置であって、
前記アダプタのそれぞれは、前記ドライブ装置を搭載するドライブ搭載部を有し、
前記ドライブ搭載部は、
前記アダプタにおいて前記第1方向及び前記第2方向と垂直な第3方向の回転軸を中心に回転し、前記第2方向とは異なる方向から前記ドライブ装置を前記ドライブ搭載部に対して着脱可能にする
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項9】
請求項8に記載のストレージ装置であって、
前記ドライブ搭載部と前記コネクタ接続部の間が、蛇腹状に折り畳まれた折り畳み部分を有するケーブルによって接続されている
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項10】
請求項1に記載のストレージ装置であって、
前記コネクタ接続部と前記第2コネクタとの接続経路に伝送路損失補正機能と信号分配機能を有するスイッチを備えた
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項11】
請求項1に記載のストレージ装置であって、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが同一形状である
ことを特徴とするストレージ装置。
【請求項12】
請求項1に記載のストレージ装置であって、
前記所定数のドライブ装置毎のアクセスランプを備えた
ことを特徴とするストレージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレージ装置は、装置内における高速通信規格の適用や大容量化が求められている。特に、大容量化の実現には、ストレージ筐体内の情報記憶装置(以下、ドライブ)搭載数の増加が必要である。
【0003】
しかし、ストレージ筐体はラックに固定されており、かつ故障したドライブをストレージ筐体から個々に引出して交換する必要があるため、ドライブの着脱方向(ストレージ装置の奥行き方向)に複数のドライブを設置することはできない。
【0004】
そこで特許文献1には、複数のドライブをストレージ装置の奥行き方向に対して垂直に接続する基板を採用することで、ドライブ搭載数を増加させる手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし上述の特許文献1に開示の技術では、ドライブをストレージ筐体の奥行き方向に対して垂直に接続する形態であるため、2.5インチドライブやEDSFF規格ドライブの接続方向の寸法から、ストレージ筐体は2.5U(1Uは1.75インチ=44.45mm)の筐体高さが必要になる。
【0007】
一方でドライブをストレージ筐体の奥行き方向に着脱するストレージ装置は、2.5インチドライブやEDSFF規格ドライブの接続方向に対する垂直方向の寸法から、2Uの筐体高さで十分である。
【0008】
そしてラックは、1U単位でストレージ装置を搭載する構造であるため、2.5Uの高さのストレージ装置をラックに搭載した場合には、ラック内に0.5U分のスペースを無駄にしてしまう問題があった。
【0009】
さらに、ストレージ筐体のICとドライブを電気的に接続する際にコネクタが用いられるが、ドライブ数に比例してコネクタ数が増加すると、コネクタでの反射やクロストーク、伝送路損失により信号品質が低下し、高速伝送が困難となる問題があった。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたものであり、ストレージ装置において、スペースの無駄なくドライブ搭載数を増加させながら、信号伝送路の信号品質の低下を最小化して高速伝送に対応可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する一態様として、複数のドライブ装置を搭載して構成されるストレージ装置であって、前記ストレージ装置の設置面に対して垂直に設けられ、前記ストレージ装置の前記設置面と平行な第1方向に複数の第1コネクタが並列に配置されたミッドプレーンと、前記複数のドライブ装置のうちの所定数のドライブ装置をそれぞれ搭載し、前記第1方向に並列に配置され、前記設置面及び前記第1方向と垂直な第2方向に前記複数の第1コネクタのそれぞれを介して前記ミッドプレーンと接続された複数のアダプタと、を備え、前記アダプタのそれぞれは、前記第1コネクタと前記第2方向に接続されるコネクタ接続部と、該コネクタ接続部のそれぞれと電気的に接続されており、前記第2方向に並列に配置された前記所定数のドライブ装置のそれぞれのコネクタと前記第2方向に接続される複数の第2コネクタと、を備えた基板と、前記第2方向に並列に配置された前記所定数のドライブ装置及び前記基板を前記アダプタに取付けるためのフレームと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ストレージ装置において、スペースの無駄なくドライブ搭載数を増加させながら、信号伝送路の信号品質の低下を最小化して高速伝送に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】実施形態1に係るアダプタ及び基板にドライブが搭載された状態を示す斜視図。
【
図3】実施形態1に係るアダプタ及び基板にドライブが搭載された状態を示す斜視図。
【
図6】実施形態1に係るアダプタに冷却風が通る様子を表した平面図。
【
図7】実施形態3に係るアダプタに冷却風が通る様子を表した平面図。
【
図8】実施形態4に係るアダプタの内部を示す斜視図。
【
図10】実施形態4に係るアダプタにドライブが搭載された状態を示す平断面図。
【
図11】実施形態5に係るアダプタの内部を示す斜視図。
【
図14】実施形態8に係るストレージ装置の斜視図。
【
図15】実施形態9に係る基板及びアダプタの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
以下の実施形態で、複数の構成要素を区別して説明するときには枝番号を付与した符号を用いて区別し、複数の構成要素を区別せず説明するときには枝番号を除外した符号を用いて区別せず説明する。例えば2つのコネクタ11a,11bを区別しない場合にはコネクタ11として説明し、区別する場合にはコネクタ11aとコネクタ11bとして説明する。枝番号を除外した符号を用いて区別せずに説明する複数の構成要素は、同様の構成及び機能を備える。
【0016】
[実施形態1]
本発明の実施形態1について、
図1、
図2、及び
図3を参照して説明する。
図1は、実施形態1に係るストレージ装置30Aの斜視図である。
図2及び
図3は、実施形態1に係るアダプタ1及びドライブ拡張用の基板2にドライブ装置10が搭載された状態を示す斜視図である。
【0017】
ストレージ装置30Aは、
図1に示すように、X軸、Y軸、及びZ軸を座標軸とするXYZ座標系におけるXY平面に平行な面を設置面として設置される。
【0018】
複数のストレージ装置30Aは、ラック31に搭載される。ストレージ装置30Aは、メインボード100と、ミッドプレーン101と、複数のコネクタ(第1コネクタ)103と、複数のアダプタ1とを含んで構成される。
【0019】
メインボード100は、IC110を搭載している。ミッドプレーン101は、コネクタ102を介してメインボード100と接続される。なおミッドプレーン101は、メインボード100ではなく、ストレージコントローラ(不図示)と接続されてもよい。ミッドプレーン101は、メインボード100及び設置面に対して垂直に設置されている。複数のコネクタ103は、ミッドプレーン101において、ストレージ装置30Aの設置面と平行なX軸方向(第1方向)に複数が並列に配置されている。複数のアダプタ1は、それぞれが2台のドライブ装置10を搭載したドライブ拡張用の基板2を備える。
【0020】
メインボード100、ミッドプレーン101、コネクタ102,103、及びIC110は2Uの高さ(
図1のZ軸の正方向)の筐体30に収められている。ミッドプレーン101には、冷却風の流路を形成する通風孔104が設けられている。
【0021】
複数のアダプタ1は、
図1に示すように、ミッドプレーン101に対してX軸方向に並列に配置される。複数のアダプタ1は、ストレージ装置30Aの設置面と平行かつX軸方向に対して垂直なY軸方向(第2方向)に複数のコネクタ103のそれぞれを介してミッドプレーン101と接続される。
【0022】
複数のアダプタ1は、
図2に示すように、基板2と、接続部(コネクタ接続部)3と、を含んで構成される。接続部3は、複数のコネクタ103のそれぞれとY軸方向に接続される。基板2は、接続部3と基板2内の配線により電気的に接続されており、Y軸方向に並列に配置された2台のドライブ装置10のそれぞれのコネクタとY軸方向に接続される2つのコネクタ(第2コネクタ)11a,11bを備える。
【0023】
図2では、コネクタ11は、ドライブ装置10が、Y軸の負方向に装着可能、Y軸の正方向に取外し可能なように配置される構成としている。しかし配置方法は、この構成に限らず、例えばコネクタ11aとコネクタ11bをZ軸方向に並べて配置し、ドライブ装置10a,10bをY軸方向に着脱可能とする構成としてもよい。また、接続部3は、カードエッジ、コネクタの何れでもよい。
【0024】
アダプタ1は、Y軸方向に並列に配置された2台のドライブ装置10a,10b及び基板2をアダプタ1に取付けて固定するためのフレーム60を有する。フレーム60は、少なくとも1枚の金属等の剛性を持つ材料から形成される。本実施形態では、フレーム60は、
図2に示すように、面61と面62と面63の3つの面で構成される。
【0025】
フレーム60は、Y軸方向に並列に配置された隣接するドライブ装置10a,10bについて、ドライブ装置10aと、ドライブ装置10bが接続されるコネクタ11bとの間に、ストッパー8を有する。ストッパー8は、ドライブ装置10aがY軸方向を移動してドライブ装置10bと接触することを規制する。
【0026】
アダプタ1では、面61に基板2が固定され、面63にストッパー8が固定されている。しかし、アダプタ1に備わっているフレーム60の構成はこの例に限定されず、例えば面62を取り除いた形でもよい。また、ストッパー8の配置箇所もこの例に限定されず、例えば
図3に示すように、基板2にストッパー8を回避する切欠きを設け、面61に配置してもよい。
【0027】
図1、
図2、及び
図3では、アダプタ1に、所定数として2台のドライブ装置10が搭載されているが、基板2にコネクタ11をさらに追加することにより、3台以上のドライブ装置10の搭載も可能である。
【0028】
図1のY軸方向にドライブを着脱可能としたことで、アダプタ1の高さ200は2U以下にすることが可能となる。また基板2にドライブ装置10をY軸方向に複数搭載することで、アダプタ1の高さ200を2U以下にしつつドライブ搭載数を増加させることが可能となる。また、ストッパー8を備えることで、ドライブ装置10aの着脱の際に、コネクタ11b及びドライブ装置10bに衝撃を加えない構造が実現でき、ドライブ装置10をY軸方向に並べて配置可能となる。
【0029】
[実施形態2]
本発明の実施形態2について、
図4を参照して説明する。
図4は、実施形態2に係るアダプタ1Bの斜視図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態1と同様である。
【0030】
本実施形態と実施形態1との違いは、
図4に示すように、ドライブ装置10をフレーム60Bに取付けた状態でY軸方向に移動可能なスライドレール23を面63Bに有する点である。スライドレール23は、ドライブ装置10を搭載したスライド板21をY軸方向にスライド可能とするように、面63Bに埋め込まれている。
【0031】
図4では、ドライブ装置10をスライド板21に固定する方法として、スライド板21に固定用穴22を用意し、ドライブ装置10を搭載したドライブ用アダプタ25に設けられた突起26を固定用穴22に勘合させている。この構成に限らず、例えばスライド板21aに直接ドライブ装置10を固定する構成としてもよい。
【0032】
また、スライド板21をスライドさせる方法として、
図4ではスライド板21が外れずスライドできるスライドレール23を面63Bに埋め込んだ構成としている。しかしこの構成に限らず、例えばスライドレール23にドライブ用アダプタ25を直接固定する構成としてもよい。また、ドライブ用アダプタ25には、面64にスライド操作を行う取手27が設けられているが、配置及び形状は限定されず、例えば面65に設けられていてもよい。
【0033】
このように、アダプタ1にスライドレール23を設けた構成とすることで、アダプタ1を使用した状態でドライブ装置10の着脱が容易となる。また、スライドレール23の移動範囲を制限することで、コネクタ11b及びドライブ装置10bに衝撃を加えずコネクタ11aに対してドライブ装置10aが着脱可能となる。
【0034】
[実施形態3]
本発明の実施形態3について、
図5、
図6、及び
図7を参照して説明する。
図5は実施形態3に係る基板2Cの平面図である。
図6は、実施形態1に係るアダプタ1に冷却風が通る様子を表した平面図である。
図7は、実施形態3に係るアダプタ1Cに冷却風が通る様子を表した平面図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態1と同様である。
【0035】
図5は、基板2CをX軸の正方向から見た平面図である。
図6は、実施形態1においてアダプタ1がミッドプレーン101に搭載されている状態をZ軸の正方向から見た平面図である。
図7は、本実施形態においてアダプタ1Cがミッドプレーン101に搭載されている状態をZ軸の正方向から見た平面図である。
【0036】
本実施形態と実施形態1との違いは、
図5に示すように、基板2Cが、コネクタ11aからY軸の正方向側へ、少なくともドライブ装置10のYZ平面に平行な断面積相当の領域を切欠いた切欠き部2Chを有する点である。基板2Cは、切欠き部2Chに代えて、ドライブ装置10のYZ平面に平行な断面積相当の領域の開口部を設けてもよい。
【0037】
本実施形態では、
図7に示すように、Z軸の正方向から見た場合に、X軸方向に隣接する基板2C1,2C2に接続されているドライブ装置10a1,10a2のX軸方向の厚みの一部が基板2C1,2C2のX軸方向の厚みと重なるように配置される。言い換えると、ドライブ装置10aは、基板2Cにおいて、ドライブ装置10aのコネクタをコネクタ11に接続した状態で、ドライブ装置10aのX軸方向の両面が、切欠き部2Ch又は開口部を介して、基板2CのX軸方向の両面から露出している。
【0038】
よって、基板2Cとドライブ装置10a1,10a2の厚みの合計が減少する。これにより、隣接するアダプタ1C1,1C2間の距離302が、
図6に示す実施形態1のアダプタ1-1,1-2間と比較して大きくなる。このため、ミッドプレーン101が隣り合うコネクタ103のそれぞれの間に有する、ミッドプレーン101を通して通風する通風孔104を介して、アダプタ1-1,1-2間を通る冷却風300の流量が増加する。このようにして、実施形態1と比較してドライブ装置10を効率よく冷却できる。
【0039】
[実施形態4]
本発明の実施形態4について、
図8、
図9、及び
図10を参照して説明する。
図8は、実施形態4に係るアダプタ1Dの内部を示す斜視図である。
図9は、実施形態4に係るアダプタ1Dを示す斜視図である。
図10は、実施形態4に係るアダプタ1Dにドライブ装置10が搭載された状態を示す平断面図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態1と同様である。
【0040】
本実施形態と実施形態1との違いは、
図8に示すように、2点ある。1点目は、アダプタ1D内の信号伝送に、基板2ではなく、接続部(コネクタ接続部)14を備えたケーブル12を用いている点である。2点目は、
図9に示すようにアダプタ1Dにドライブ搭載部42が設けられている点である。ドライブ搭載部42a,42bには、それぞれコネクタ11a,11bが設けられており、ケーブル12a,12bと接続されている。ドライブ搭載部42a,42bは、ドライブ装置10を搭載し固定するフレーム421a,421bと、回転軸43と、を含んで構成される。
【0041】
本実施形態では、
図9に示すように、ドライブ搭載部42を回転軸43を中心として矢印に沿ってY軸方向からX軸方向に回転させ、ドライブ装置10がY軸に対して所定角度の斜め方向(X軸とY軸のなす角度の中間の角度方向)又はX軸方向から着脱可能となる。すなわちドライブ搭載部42は、アダプタ1Dにおいて、X軸方向及びY軸方向と垂直なZ軸方向(第3方向)の回転軸を中心に回転し、Y軸方向とは異なる方向からドライブ装置10をドライブ搭載部42に対して着脱可能にする。これによりドライブ装置10の装着が容易となる。
【0042】
また
図10に示されるように、ドライブ装置10aとコネクタ11bの間のスペース305を、ドライブ装置10aのY軸の正方向への取外しの際に必要な接続部13aのY軸方向の幅304よりも狭くすることが可能となる。よって実施形態1~3と比較して、アダプタ1,1B,1CのY軸方向の長さを短くできる等、ドライブ装置10を効率よく配置することができる。この効果を得るために、ケーブル12を用いる代わりに、少なくともコネクタ11付近がフレキシブルである基板を用いてもよい。さらに、ケーブルの伝送損失は基板配線より小さいので、ケーブルを用いることで、信号品質劣化を抑制することが可能となる。
【0043】
[実施形態5]
本発明の実施形態5について、
図11を参照して説明する。
図11は、実施形態5に係るアダプタ1Eの内部を示す斜視図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態4と同様である。
【0044】
本実施形態と実施形態4との違いは、ミッドプレーン101のコネクタ103と接続される接続部14とドライブ搭載部42a内のコネクタ11との間が、蛇腹状に折りたたまれた折り畳み部分を有する蛇腹ケーブル15によって接続されている点である。蛇腹ケーブル15a,15bは、それぞれケーブル12a,12bと接続されている。
【0045】
本実施形態では、アダプタ1Eをラック31から引き抜く際に、蛇腹ケーブル15の蛇腹が伸びることで、ドライブ装置10とコネクタ103との電気的な接続を極力維持しながらドライブ装置10を1台ずつ交換することが可能となる。
【0046】
[実施形態6]
本発明の実施形態6について、
図12を参照して説明する。
図12は、実施形態6に係るアダプタ1Fの内部を示す斜視図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態4と同様である。
【0047】
本実施形態と実施形態4との違いは、IC(Integrated Circuit)110から伝送距離が遠いコネクタ11bにのみケーブル12を用い、伝送距離が近いコネクタ11aにはケーブルではなく基板2Fを用いて信号を伝送する点である。
【0048】
本実施形態では、IC110からの距離が一定以上遠く信号品質劣化の影響が大きいドライブ装置10の接続にのみケーブルを用いる。一方IC110からの距離が近いドライブ装置10の接続には安価な基板を用いる。これにより、実施形態4よりもコストの観点で効率よく信号品質劣化を抑制できる効果がある。
【0049】
[実施形態7]
本発明の実施形態7について、
図13を参照して説明する。
図13は、実施形態7に係る基板2Gの斜視図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態1と同様である。
【0050】
本実施形態と実施形態1との違いは、IC110とコネクタ11aの接続経路に伝送路損失補正機能と信号分配機能を有するスイッチ111が設けられている点である。
【0051】
本実施形態では、IC110からドライブ装置10に信号を伝送する際に、スイッチ111のイコライザにより伝送路損失を補正することで、高速伝送に必要な波形品質を確保できる効果がある。また、ドライブ装置10の総レーン数に対して、コネクタ102,103のレーン数が少ない場合でも、スイッチ111により各ドライブに信号を分配可能とする効果がある。
【0052】
[実施形態8]
本発明の実施形態8について、
図14を参照して説明する。
図14は、実施形態8に係る基板2H及びアダプタ1Hの斜視図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態1と同様である。
【0053】
本実施形態は、実施形態1と比較して、基板2Hのコネクタ11H(11Ha,11Hb)の形状を、ミッドプレーン101のコネクタ103と同一形状としている。よって本実施形態では、コネクタ103にドライブ装置10を直接接続可能となる。またラック31に収納されたストレージ筐体を変更することなく、単体のドライブ装置10から複数のドライブ装置10が搭載された基板2Hへ差し替えることで、ドライブの拡張が可能となる。
【0054】
[実施形態9]
本発明の実施形態8について、
図15を参照して説明する。
図15は、実施形態9に係る基板2J及びアダプタ1Jの斜視図である。本実施形態で特記しない点は、実施形態1と同様である。
【0055】
本実施形態は、実施形態1と比較して、ドライブ拡張用の基板2J上に搭載するドライブ装置10毎のアクセスランプ50を、アダプタ1JのX軸の正方向側の面62に設ける点が異なる。例えばランプ50aは対応するドライブ装置10の正常時のアクセス状況を報知するアクセスランプとして点灯し、ランプ50bは対応するドライブ装置10の異常を報知する際に点灯する。本実施形態では、アダプタ1Jの使用時にドライブ装置10の状態を把握できることが可能となる。
【0056】
以上、本願開示に係る実施形態について詳述したが、本願開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また上述の実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1,1-1,1-2,1B,1C,1D,1E,1F,1H,1J:アダプタ、2,2C,2C1,2C2,2F,2G,2H,2J:基板、2Ch:切欠き部、3,13,14:接続部、8:ストッパー、10,10a,10a1,10a2,10b:ドライブ装置、11,11a,11b,11H:コネクタ、12,12a,12b:ケーブル、15,15a,15b:蛇腹ケーブル、21,21a,21b:スライド板、23:スライドレール、30A:ストレージ装置、31:ラック、42,42a,42b:ドライブ搭載部、43:回転軸、50,50a,50b:アクセスランプ、101:ミッドプレーン、102,103:コネクタ、104:通風孔、111:スイッチ。