(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023070
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024207079
(22)【出願日】2024-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(57)【要約】
【課題】操作手段を用いて遊技の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】表示手段と、当否抽選を行う当否抽選手段と、表示手段に表示される装飾図柄が変動を開始してから当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動演出を実行する演出実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、変動演出中において、遊技者に対し操作手段の操作が促されていない状態で特定期間が設定されることがあり、特定期間にて一回目の操作手段の単発操作がなされる契機として特定画像が表示され、特定期間にて特定画像が表示された後、当該特定期間にて二回目の操作手段の単発操作がなされることを契機として特定画像が別画像に変化する追加操作変化が発生しうることを特徴とする遊技機。ただし、特定画像および別画像は、特定期間ではない非特定期間において操作手段の単発操作がなされても表示されることはない。
【選択図】
図48
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
当否抽選を行う当否抽選手段と、
前記表示手段に表示される装飾図柄が変動を開始してから当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動演出を実行する演出実行手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
を備え、
前記変動演出中において、遊技者に対し前記操作手段の操作が促されていない状態で特定期間が設定されることがあり、
前記特定期間にて一回目の前記操作手段の単発操作がなされることを契機として特定画像が表示され、
前記特定期間にて前記特定画像が表示された後、当該特定期間にて二回目の前記操作手段の単発操作がなされることを契機として前記特定画像が別画像に変化する追加操作変化が発生しうることを特徴とする遊技機。
ただし、前記特定画像および前記別画像は、前記特定期間ではない非特定期間において前記操作手段の単発操作がなされても表示されることはない。
【請求項2】
前記特定画像および前記別画像は、遊技者に有利な事象が発生する蓋然性を示唆する数値要素を含むものであり、
前記特定画像が含む前記数値要素よりも、前記別画像が含む前記数値要素の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者に対し操作手段の操作が促されていない状態であるが、操作手段の操作が反映される演出(「裏ボタン演出」等と称される)が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作手段を用いて遊技の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、
表示手段(例えば
図1等に記載の表示装置91)と、
当否抽選を行う当否抽選手段と、
前記表示手段に表示される装飾図柄(例えば
図2等に記載の装飾図柄80)が変動を開始してから当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動演出を実行する演出実行手段と、
遊技者が操作可能な操作手段(例えば
図1等に記載の押しボタン61)と、
を備え、
前記変動演出中において、遊技者に対し前記操作手段の操作が促されていない状態で特定期間が設定されることがあり、
前記特定期間にて一回目の前記操作手段の単発操作がなされることを契機として特定画像が表示され(例えば
図48(b)(c)等参照)、
前記特定期間にて前記特定画像が表示された後、当該特定期間にて二回目の前記操作手段の単発操作がなされることを契機として前記特定画像が別画像に変化する追加操作変化(例えば
図48(d)(e)等参照)が発生しうることを特徴とする。
ただし、前記特定画像および前記別画像は、前記特定期間ではない非特定期間において前記操作手段の単発操作がなされても表示されることはない。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機は、操作手段を用いて遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示領域に表示された装飾図柄および保留図柄を示した図である。
【
図3】(a)は遊技状態(遊技状態の移行)を説明するための図、(b)は第一当否抽選を経て獲得した大当たりの大当たり振り分け、(b)は第二当否抽選を経て獲得した大当たりの大当たり振り分けを示した図である。
【
図4】変動前表示および変動中表示の表示態様を説明するための図である。
【
図5】特定示唆画像の種類を説明するための図である。
【
図6】特定リーチ演出中に実行される特定示唆演出の一例を示した図である。
【
図10】具体例1-5(
図9とは異なる例)を説明するための図である。
【
図11】具体例1-6を説明するための図(その一)である。
【
図12】具体例1-6を説明するための図(その二)である。
【
図13】具体例1-6を説明するための図(その三)である。
【
図16】具体例1-11を説明するための図である。
【
図17】具体例1-12を説明するための図である。
【
図18】具体例1-15を説明するための図である。
【
図20】(a)は変動前表示カスタマイズの各設定における信頼度、(b)は変動表示カスタマイズの各設定における信頼度を示した図である。
【
図24】間違い探しモードの概要を説明するための図である。
【
図25】間違い探しモードにて発生しうる演出画像Aと演出画像Bの「違い」(示唆演出)を、背景に生じるもの(背景示唆演出)と装飾図柄に生じるもの(図柄示唆演出)に分けて示した図である。
【
図26】相違発生変動にて発生しうる図柄示唆演出(装飾図柄の特殊変化)を説明するための図である。
【
図28】具体例3-8(特殊変化として擬似停止が発生する例)を説明するための図である。
【
図29】具体例3-8(特殊変化として色変化が発生する例)を説明するための図である。
【
図30】具体例3-8(特殊変化として変動方向変化が発生する例)を説明するための図である。
【
図31】具体例3-8(特殊変化として表示位置変化が発生する例)を説明するための図である。
【
図32】具体例3-8(特殊変化として表示位置変化が発生する例)を説明するための図である。
【
図33】具体例3-8(特殊変化として突然消去が発生する例)を説明するための図である。
【
図34】具体例3-8(特殊変化としてリーチ成立が発生する例)を説明するための図である。
【
図36】具体例3-12を説明するための図である。
【
図37】具体例3-13を説明するための図である。
【
図38】通常画像演出S(通常キャラクタ画像S)を説明するための図である。
【
図39】特定画像演出S(特定キャラクタ画像S)を説明するための図である。
【
図46】具体例4-10を説明するための図である。
【
図47】通常裏ボタン演出を説明するための図である。
【
図48】特殊裏ボタン演出を説明するための図である。
【
図56】複合演出(バトル演出Aにて発生する複合演出)を説明するための図である。
【
図58】複合演出(バトル演出Bにて発生する複合演出)を説明するための図である。
【
図60】(a)はバトル演出A(状態A)における第一攻撃(先選択画像)と第二攻撃(後選択画像)の組み合わせと信頼度の関係を、(b)はバトル演出B(状態B)における第一攻撃(先選択画像)と第二攻撃(後選択画像)の組み合わせと信頼度の関係を示した図である。
【
図67】具体例6-10を説明するための図である。
【
図68】具体例6-11を説明するための図である。
【
図69】具体例6-12を説明するための図である。
【
図70】具体例6-13を説明するための図である。
【
図71】特定選択演出の第一選択パートで示される第一候補画像および第二選択パートで示される第二候補画像(第一候補画像と第二候補画像の対応関係)を示した図である。
【
図72】特定選択演出(実行態様Aまたは実行態様Bに分岐する前まで)を説明するための図である。
【
図73】特定選択演出(実行態様A)を説明するための図である。
【
図74】特定選択演出(実行態様B)を説明するための図である。
【
図75】特定選択演出後に実行される事後演出を説明するための図である。
【
図76】(a)は特定選択演出の各結果パターン(対応結果・非対応結果)の信頼度を、(b)は実行態様毎の対応結果・非対応結果となる確率を示した図である。
【
図78】(a)は具体例7-2を、(b)は具体例7-3を説明するための図である。
【
図79】(a)は具体例7-4を、(b)は具体例7-5を説明するための図である。
【
図80】(a)は具体例7-6を、(b)は具体例7-7を説明するための図である。
【
図81】具体例7-10を説明するための図である。
【
図82】具体例7-11を説明するための図である。
【
図83】具体例7-13を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明において画像というときは、静止画だけでなく、動画を含むものとする。また、特に明示した場合を除き、以下の説明は、遊技者が指示通りの遊技を行うこと(遊技者が特殊な遊技を行わず、正常な遊技を行うこと)を前提としたものである。また、「○○に遊技球が進入(入賞)」等というときは、厳密には当該○○に設けられたセンサが進入した遊技球を検出したことをいう。また、「〇〇の操作がなされたとき」等というときは、厳密には操作によって〇〇が所定位置まで動いたことが検出されたことをいう。また、特徴を無くすような値に変更するようなものでなければ、以下で説明する各種値(確率、回数等)は適宜増減させることができるものとする。また、以下の説明における、各種領域が「閉鎖」された状態とは正常な遊技がなされることを前提として当該領域に遊技球が進入しないことが通常である状態を、「開放」された状態とは正常な遊技がなされることを前提として当該領域に遊技球が進入可能である状態をいうものとする(遊技球の入口が開放されていても正常な遊技がなされているときにおいて当該入口を遊技球が通過することが起こらないような状態は「閉鎖」にあたるものとする)。また、各図においては当該図を用いて説明する特徴に関係がない要素の図示を省略することもある。また、以下の説明における付記的要素(数字(「第一」「第二」・・・)や、各種アルファベット等)は、種類を区別するために付したものであって、これ自体が何らかの意味をもつものではない。
【0009】
<遊技機の基本構成>
図1等を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、周知の構成については詳細な説明を省略する(一般的な遊技機と同じ構成を採用することができる)。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、正面視略方形状の構造物である。遊技盤90の前方には、遊技球が流下する遊技領域902が構成されている。遊技盤90よりも下方には周知の発射装置908(発射ハンドル)が設けられている。遊技者は、当該発射装置908を操作することで遊技領域902に向けて遊技球(上皿に貯留された遊技球)を発射することができる。発射装置908から発射された遊技球は、ガイドレール903によって形成される通路を通じて遊技領域902まで到達する。
【0010】
遊技領域902には、遊技球が進入可能な各種入賞領域等(始動領域904、大入賞領域906)、アウト口907(いずれの入賞領域にも進入しなかった遊技球(いわゆるアウト球)が排出される口)など)が設けられている。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0011】
遊技機1は、表示装置91を備える。後述する通り、表示装置91は、装飾図柄80等が表示される表示領域911を有するメインの表示装置である。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。表示領域911は、遊技者の視線に合うよう、遊技機1の高さ方向におけるやや上方に位置するようにされる。
【0012】
遊技機1は、スピーカ65を備える。基本的に、変動演出(後述)を構成するものとして発生する各種演出は、各種演出のそれぞれに対応付けられた固有の演出音を伴う(固有の演出音がスピーカ65から出力される)ものとされる。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、発射される遊技球を貯留するための空間を形成する構造物(上皿)や、上皿からあふれ出た遊技球を貯留するための空間を形成する構造物(下皿)など、一般的な構成要素の説明は省略する。これらについては公知の遊技機と同様のものを用いることができる。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板(主制御基板)に構築された当否抽選手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として取得される当否抽選情報に基づいて実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特
図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特
図2」の始動領域)が設けられている。第一始動領域904aは、表示領域911の左側(遊技領域902の左側)を遊技球が流下するように遊技球を発射する(「左打ち」を行う)ことで遊技球が進入する可能性がある位置に設けられている。第二始動領域904bは、表示領域911の右側(遊技領域902の右側)を遊技球が流下するように遊技球を発射する(「右打ち」を行う)ことで遊技球が進入する可能性がある位置に設けられている。
【0015】
始動領域904への遊技球の進入を契機として乱数源から当否抽選情報(第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機に取得された当否抽選情報を第一当否抽選情報と、第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機に取得された当否抽選情報を第二当否抽選情報とする)としての数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。
【0016】
当否抽選手段による当否抽選が実行された場合、当該当否抽選結果は変動演出(装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動開始から、当該装飾図柄80が当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう。以下の説明においては、単に「変動」や「回転」と称することもある)にて報知される。本実施形態では、当否抽選情報が取得された順に対応する当否抽選結果についての変動演出が実行される。ただし、ある当否抽選結果についての変動演出が終了していない状態(当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報が存在する状態)にて新たに当否抽選情報が取得された場合には、当該新たに取得された当否抽選情報は変動前当否抽選情報(後述)として所定数を限度に図示しない記憶手段(RAM)に記憶される。
【0017】
取得された当否抽選情報(対応する当否抽選結果の報知が完了していないもの)は、対応する当否抽選結果についての変動演出が開始されていない「変動前当否抽選情報」(第一当否抽選情報に相当するものを第一変動前当否抽選情報と、第二当否抽選情報に相当するものを第二変動前当否抽選情報とする)と、対応する当否抽選結果についての変動演出が開始されているが当該変動演出が終了していない「変動中当否抽選情報」(第一当否抽選情報に相当するものを第一変動中当否抽選情報と、第二当否抽選情報に相当するものを第二変動中当否抽選情報とする)に区分けされる。本実施形態では、記憶手段が記憶可能な第一変動前当否抽選情報の最大の記憶数は四つであり、第二変動前当否抽選情報の最大の記憶数も四つである。また、本実施形態では、ある時点において存在する変動中当否抽選情報は最大で一つである(第一変動中当否抽選情報と第二変動中当否抽選情報の両方が存在すること(いわゆる特
図1の変動と特
図2の変動が一緒に進行すること)はない)。
【0018】
変動演出中は、変動前当否抽選情報の存在を示す画像(アイコン)である変動前表示72と、変動中当否抽選情報の存在を示す画像(アイコン)である変動中表示71がリアルタイムで表示される(
図2参照)。本実施形態では、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき遊技状態(「左打ち」すべき遊技状態)においては、第一当否抽選情報が取得されるのであるから、第一変動前当否抽選情報、第一変動中当否抽選情報の存在を示す変動前表示72、変動中表示71が表示される(第二当否抽選情報の存在を示す変動前表示72および変動中表示71は、表示されないか、第一当否抽選情報の存在を示す変動前表示72および変動中表示71よりも小さく表示される)。一方、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき遊技状態(「右打ち」すべき遊技状態)においては、第二当否抽選情報が取得されるのであるから、第二変動前当否抽選情報、第二変動中当否抽選情報の存在を示す変動前表示72、変動中表示71が表示される(第一当否抽選情報の存在を示す変動前表示72および変動中表示71は、表示されないか、第二当否抽選情報の存在を示す変動前表示72および変動中表示71よりも小さく表示される)。上述した通り、本実施形態における第一変動前当否抽選情報の最大の記憶数は四つであるから、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき遊技状態にて表示される変動前表示72の最大数は四つである(当然ではあるが、表示される変動中表示71の最大数は一つである)。また、第二変動前当否抽選情報の最大の記憶数は四つであるから、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき遊技状態にて表示される変動前表示72の最大数も四つである(当然ではあるが、表示される変動中表示71の最大数は一つである)。
【0019】
変動前表示72のそれぞれに対応する当否抽選結果の報知が完了する順番(いわゆる「消化順」)は、変動中表示71に近いものほど早い。すなわち、変動前表示72は、消化順が早いものほど変動中表示71に近くなるように並んで表示される。当否抽選の報知が完了する度に、変動前表示72が表示される位置は変化する(「消化順」に応じた位置に各変動前表示72が移動する)。また、消化順が最も早い変動前表示72は、変動中表示71となる(変動中表示71が表示される位置に移動する)。なお、当否抽選手段による当否抽選は、厳密には、対応する変動演出の開始と同時に実行される(このような当否抽選の実行タイミングは遊技者に明示されない)。したがって、変動前表示72は、対応する当否抽選が実行されていない当否抽選情報の存在を示すものであるため「保留(表示)」と称されることもある。また、変動中表示71は、対応する当否抽選は実行されているが、その当否抽選結果を報知するための変動演出が現在進行中である(「アクティブ」な状態である)当否抽選情報の存在を示すものであるため、「アクティブ表示」と称されることもある。本実施形態では、変動中表示71の方が変動前表示72よりも大きくされているが、両者の基本的な形態(少なくとも後述する通常表示態様(デフォルトの態様)の形態)は同じ(相似形)である。このような相似形にある関係とせず、変動中表示71と変動前表示72の基本的な形態(外形等)が全く異なるものとしてもよい。
【0020】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄80(
図2参照)の組み合わせによって当否抽選結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の装飾図柄80を含む装飾図柄群80g(左装飾図柄群80gL、中装飾図柄群80gC、右装飾図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各装飾図柄群80gから一の装飾図柄80が選択されて停止する。装飾図柄80の種類が同じであるか否かは、各装飾図柄80が含む文字が同じであるか否かで判別されるものとする。本実施形態では、各種装飾図柄80は「1」~「7」のいずれかの数字を含むものとされ、数字が同じであれば同種、数字が異なれば異種であるとする。以下の説明においては、「1」の装飾図柄80といったように、装飾図柄80が含む数字によって各種装飾図柄80を表現することもある。同種の装飾図柄80であっても態様が異なる(例えば、数字のデザインが異なる)といった構成としてもよい。装飾図柄群80gのそれぞれには、全ての種類の装飾図柄80(「1」~「7」の装飾図柄80の全て)が含まれる。各種装飾図柄80は、数字以外の要素を含むものとしてもよい。例えば、各数字(種類)に対応付けられたキャラクタを含むものとしてもよい。
【0021】
各装飾図柄群80gから選択されて停止した装飾図柄80(左から並ぶ左装飾図柄80L、中装飾図柄80C、右装飾図柄80R)の組み合わせは、大きく、当否抽選に当選したことを示す当たり組み合わせと、非当選であったことを示すはずれ組み合わせに区分けされる。本実施形態では、三つの装飾図柄80が全て同種となることが当たり組み合わせとされ、三つの装飾図柄80が全て同種とならない組み合わせがはずれ組み合わせとされている。
【0022】
本実施形態では、各装飾図柄群80gの変動が仮停止(擬似停止)することもある。なお、仮停止(擬似停止)とは、変動が完全に停止していないものの遊技者には停止しているように見える状態(例えばわずかに揺れ動いている状態)をいう。このように変動を仮停止(擬似停止)させることで、変動演出の途中でいわゆるチャンス目を構築することもできる。
【0023】
なお、表示領域911の外縁近傍に、目立たないように各種情報を示す画像が表示されるようにしてもよい(各図においては当該画像の図示を省略する)。例えば、変動演出の開始とともに変動が開始され、変動演出の終了とともに当否抽選結果に応じた態様で停止する図柄(いわゆる小図柄)が小さく表示されるようにしてもよい。ただし、遊技者は、この種の画像を意識せずに遊技を楽しむことが可能となっている。つまり、基本的には、装飾図柄80や各種演出を見て当否抽選結果を把握することが可能である。
【0024】
また、公知の遊技機と同様に、表示領域911外には、各種情報を示すランプが設けられている。当該ランプの点灯パターンは、各種抽選の結果を示すものとされる。第一当否抽選結果や第二当否抽選結果に応じたランプの点灯パターンは、一般的に「特別図柄」と称されるものである。また、普通抽選結果(普通抽選については後述)に応じたランプの点灯パターンは、一般的に「普通図柄」と称されるものである。
【0025】
第一当否抽選や第二当否抽選に当選することで、遊技者に対し特典(大当たり)が付与される。遊技者は、当該特典(大当たり)の獲得を目指して遊技する。すなわち、第一当否抽選や第二当否抽選を受けるために、第一始動領域904aや第二始動領域904bに向かって遊技球を発射する。特典(大当たり)の獲得を目指して遊技する遊技状態は、大きく、通常遊技状態と当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態である特定遊技状態に区分けされる(
図3(a)参照)。また、本実施形態では、特定遊技状態として、第一特定遊技状態および当該第一特定遊技状態よりも遊技者に有利な状態である第二特定遊技状態が設けられている。通常遊技状態は最も不利な状態であり、第二特定遊技状態は最も有利な状態であるといえる。
【0026】
通常遊技状態は始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態であり、特定遊技状態は始動領域904に遊技球が入賞しやすい(低ベース状態よりも入賞しやすい)高ベース状態である。通常遊技状態は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させるべき状態である(「左打ち」を行うべき状態である)。特定遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させるべき状態である(「右打ち」を行うべき状態である)。高ベース状態は、低ベース状態に比して普通抽選に当選しやすい状態である。普通抽選は、普通領域905に遊技球が進入することを契機として実行される抽選である。第二始動領域904bは、常態において閉鎖された領域であり、普通抽選に当選することで開放される。すなわち、普通抽選に当選しなければ第二始動領域904bに遊技球が進入することはない。普通抽選に当選すると第二始動領域904bの入口に設けられた開閉部材(いわゆる電チュー)が開位置に位置し、第二始動領域904bが開放される。開位置に位置した開閉部材は、上から流下してきた遊技球を受けとめ、第二始動領域904bに向けて遊技球を誘導する役割を果たす。つまり、開閉部材がある程度継続的に開位置に位置し続けていれば、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球は進入する。
【0027】
普通領域905は、「右打ち」された遊技球が進入可能な位置に設けられている(
図1参照)。したがって、特定遊技状態にて継続的に右打ちしていれば、普通抽選が実行され、当該普通抽選に当選して第二始動領域904bに頻繁に遊技球が進入する。一方、通常遊技状態では、普通抽選に当選しにくいため、右打ちしても第二始動領域904bはほとんど開放されず、右打ちすることが遊技者にとって損となるように設定されている。本実施形態では、通常遊技状態では、普通抽選に当選しても第二始動領域904bの開放時間は極めて短く、第二始動領域904bに遊技球を進入させることが事実上不可能とされている。通常遊技状態における普通抽選の当選確率を0%とし、第二始動領域904bに遊技球を進入させることができない設定としてもよい。このように構成されているため、通常遊技状態は、左打ちによって第一始動領域904aに遊技球を進入させ、第一当否抽選を経た特典(大当たり)の獲得を目指す状態となる。また、特定遊技状態は、右打ちによって第二始動領域904bに遊技球を進入させ、第二当否抽選を経た特典(大当たり)の獲得を目指す状態となる。
【0028】
第一始動領域904aや第二始動領域904bに遊技球が進入することで、所定個数(例えば3個)の賞球が払い出される。よって、特定遊技状態は、通常遊技状態に比して、持球をあまり減らさずに遊技することができる。本件技術分野においては、大当たり中ではない状態において、発射球数あたりの賞球数を「ベース」と称している実情があるところ、特定遊技状態はベースが(相対的に)高い「高ベース状態」であり、通常遊技状態はベースが(相対的に)低い「低ベース状態」である。高ベース状態は、低ベース状態に比して、始動領域904に遊技球が進入しやすい状態であるから、容易に当否抽選を受けることができる。そのため、一回の変動演出に要する時間(変動時間)の平均は、特定遊技状態の方が通常遊技状態よりも短い(いわゆる「時短」である)。これを踏まえると、高ベース状態は「時短」(時短有)状態、低ベース状態は「非時短」(時短無)状態であるともいえる。なお、このように構成されているため、継続的に遊技した際における平均滞在時間は、通常遊技状態の方が特定遊技状態(第一特定遊技状態と第二特定遊技状態の滞在時間の合算)よりも長い。
【0029】
通常遊技状態および第一特定遊技状態は当否抽選に当選する確率が相対的に低い状態(低確率状態)であり、第二特定遊技状態は当否抽選に当選する確率が相対的に高い状態(高確率状態)である。当該確率は適宜設定することができる。本実施形態では、低確率状態の当選確率(大当たり確率)は約1/319であり、高確率状態の当選確率(大当たり確率)は約1/99とされている。通常遊技状態は、左打ちを行い、低確率(約1/319)の第一当否抽選を経て特典(大当たり)を獲得することを目指す状態である。第一特定遊技状態は、右打ちを行い、低確率(約1/319)の第二当否抽選を経て特典(大当たり)を獲得することを目指す状態である。第二特定遊技状態は、右打ちを行い、高確率(約1/99)の第二当否抽選を経て特典(大当たり)を獲得することを目指す状態である。
【0030】
第一当否抽選や第二当否抽選に当選することで大当たり(特典)が得られる。本実施形態では、大当たりとして、通常大当たり(通常特典)、第一特定大当たり(第一特定特典)、第二特定大当たり(第二特定特典)が設けられている(
図3(a)参照)。第一特定大当たりは、大当たり遊技(全ての単位遊技)終了後、第一特定遊技状態に移行する大当たりである。つまり、第一特定大当たり(第一特定特典)の獲得は、第一特定遊技状態の移行条件(開始条件)である。第二特定大当たりは、大当たり遊技(全ての単位遊技)終了後、第二特定遊技状態に移行する大当たりである。つまり、第二特定大当たり(第二特定特典)の獲得は、第二特定遊技状態の移行条件(開始条件)である。第一特定遊技状態よりも第二特定遊技状態の方が有利な遊技状態であるから、その点でみれば、第一特定大当たりよりも第二特定大当たりの方が遊技者に有利な大当たりであるといえる。なお、このような三種の大当たりを設けることはあくまで一例である。例えば通常大当たりが設けられていない設定(大当たり獲得時はもれなく特定遊技状態に移行する)としてもよい。
【0031】
本実施形態では、第一当否抽選(特
図1抽選)を経て獲得された大当たり(特典)の振り分けと、第二当否抽選(特
図1抽選)を経て獲得された大当たり(特典)の振り分けは異なる(
図3(b)参照)。第一当否抽選を経て獲得した大当たりは、通常大当たり(25%)、第一特定大当たり(25%)、および第二特定大当たり(50%)のいずれの可能性もある。一方、第二当否抽選を経て獲得した大当たりは全て(100%)が第二特定大当たりとなるようにされている。このことからすれば、特定遊技状態に移行した後は、第二当否抽選を経て大当たりを獲得する(連荘する)限りにおいて、遊技者にとって最も有利な遊技状態である第二特定遊技状態が継続するということになる。
【0032】
第一特定遊技状態や第二特定遊技状態は、所定の終了条件の成立をもって終了する(
図3(a)参照)。本実施形態では、第一特定遊技状態は当否抽選が100回連続してはずれとなることで終了する。第一特定遊技状態は低確率状態であるから、第一特定遊技状態は100回の抽選が実行されるまでの間に低確率抽選(約1/319)に当選することを目指して遊技する状態であるといえる。また、本実施形態では、第二特定遊技状態は当否抽選が150回連続してはずれとなることで終了する。第二特定遊技状態は高確率状態であるから、第二特定遊技状態は150回の抽選が実行されるまでの間に高確率抽選(約1/99)に当選することを目指して遊技する状態であるといえる。つまり、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるSTタイプの遊技性とされたものである(所定回数連続してはずれとなる前に高確率抽選に当選することを目指す状態を「ST(状態)」と称している実情がある)。高確率抽選(約1/99)に150回連続してはずれとなる確率(ある第二特定遊技状態が開始された時点にて、高確率抽選に当選せず当該第二特定遊技状態が終了する確率)は約22%であるから、いわゆる継続率は約78%ということになる。なお、このようなSTタイプの遊技性とすることはあくまで一例である。例えば、高確率状態において、高確率状態が継続する大当たり(高確大当たり)と、高確率状態が終了する(低確率状態に移行する)大当たり(低確大当たり)のいずれにも当選するようにしておき、低確大当たりに当選するまで高確率状態が継続するといういわゆるループタイプの遊技性としてもよい。
【0033】
本実施形態では、遊技機1の電源が一旦OFFとされても(電源OFF→ONの操作が行われても)遊技状態は維持される。ただし、遊技店員(遊技機内部にアクセスすることが可能な者)しか行うことができない所定のリセット操作が行われた場合には通常遊技状態となる(遊技店員は、「デフォルト」の遊技状態である通常遊技状態に強制的に移行させることが可能とされている)。遊技者に有利な状態である特定遊技状態にて遊技者が遊技をやめることは通常ではないし、特定遊技状態にて閉店を迎えても遊技店側がリセット操作を行うであろうから、遊技店が開店した状態(いわゆる朝一状態)においては通常遊技状態にあるのが通常である。よって、基本的には遊技者は通常遊技状態から遊技を開始することとなる。
【0034】
当否抽選を経て大当たり(特典)を獲得したときには大当たり遊技(特典遊技)が実行される。大当たり遊技は、所定の閉鎖条件成立まで大入賞領域906(
図1参照;大入賞領域906は常態において開閉部材906aにて閉鎖されたものである)が開放される単位遊技を複数回繰り返すものである。閉鎖条件は、大入賞領域906が開放されてからC個(本実施形態ではC=10とされている)の遊技球が入賞すること(入賞条件)および大入賞領域906が開放されてから所定時間経過すること(時間条件)のいずれか一方の成立をもって成立するものとされる。本実施形態では、大当たり遊技にて継続的に大入賞領域906に向かって遊技球を発射していれば、時間条件が成立する前に入賞条件が成立するものとされている。すなわち、一の単位遊技にて少なくとも10個の遊技球が大入賞領域906に入賞する(10個を超える遊技球が大入賞領域906に入賞するいわゆるオーバー入賞が発生することもある)。単位遊技は、ラウンド(遊技)等とも称される。大当たり遊技が含む単位遊技の数(ラウンド数)は適宜設定することができる。本実施形態では、全ての大当たりが10ラウンド大当たりとされている。なお、本実施形態では、一の遊技球が大入賞領域906に入賞することで払い出される賞球は15個である。よって、10ラウンド大当たりであれば、少なくとも1500個の賞球が払い出される。
【0035】
以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な演出や遊技機1が備える機能、特性等について説明する。なお、以下で説明する演出等の一部のみ実行可能(一部のみ備える)構成としてもよい。
【0036】
<特定示唆演出>
本実施形態では、当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性を示唆する示唆演出として、特定示唆演出を実行することができる。以下では、特定示唆演出による信頼度示唆の対象となる当否抽選結果を対象当否抽選結果と、対象当否抽選結果に対応する変動演出(対象当否抽選結果を報知する装飾図柄80が変動を開始してから対象当否抽選結果を報知する態様で停止するまでの変動演出)を対象変動演出(対象変動)と称することもある(特定示唆演出は、対象変動演出を構成するものとして発生する)。なお、特定示唆演出は所定の実行条件を満たした変動でしか発生しない。実行条件は、必ず毎変動成立するようなものではないから、特定示唆演出は毎変動発生するようなものではない。また、一変動において実行条件が二回以上成立することはなく、実行条件が成立したときには一種の特定示唆演出が実行されることとなる。よって、一変動において二種以上の特定示唆演出が実行されることはない。また、本実施形態では、特定示唆演出は通常遊技状態にて発生する。ただし、特定遊技状態にて発生するものとしてもよい。
【0037】
特定示唆演出は、変動前表示72および変動中表示71の存在を前提としたものである。本件技術分野において、変動前表示72(保留表示)および変動中表示71(アクティブ表示)は、まとめて「保留」と称されている実情もあるところ、特定示唆演出は当該「保留」に対応させて実行する演出であるといえる。変動前表示72および変動中表示71は、信頼度(対応する当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性)に応じた複数種の態様(
図4参照)のいずれかとなりうるものである(以下、変動前表示72および変動中表示71がなりうる態様を表示態様と称することもある)。なお、変動前表示72および変動中表示71の信頼度は、各表示態様が表示された時点での信頼度をいい、その後の表示態様の変化により信頼度が高まることもある。当該表示態様は、大きく、通常表示態様70nと特殊表示態様70sに区分けされる。通常表示態様70nは、基準となる表示態様(デフォルトの態様)である。変動前表示72および変動中表示71は当該通常表示態様70nとなる確率が最も高い(いずれの特殊表示態様70sとなる確率よりも通常表示態様70nとなる確率が高い(変動前表示72および変動中表示71が通常表示態様70nとされる確率は90%以上とされることが好ましい))。特殊表示態様70sは、通常表示態様70nよりも信頼度が高いことを示唆する表示態様である。本実施形態では、特殊表示態様70sとして、第一特殊表示態様701s、第二特殊表示態様702s、第三特殊表示態様703s、第四特殊表示態様704sの四種が設けられている。対象当否抽選結果の信頼度はこの順で高くなる(第四特殊表示態様704sが最も高い)。第四特殊表示態様704sは、対象当否抽選結果が大当たりとなる場合にしか表示されないものである(信頼度=100%である)。各表示態様は、その態様の違いを遊技者が明確に区別できるものであればよい。本実施形態では、通常表示態様70nは白色を、第一特殊表示態様701sは青色を、第二特殊表示態様702sは緑色を、第三特殊表示態様703sは赤色を、第四特殊表示態様704sは虹色を呈する(図面においては特殊表示態様70sの色を文字で表す。色を表す文字が付されていないものは通常表示態様70nである。)。異なる表示態様同士は、色以外の点においても相違する(例えば外形が相違する)ようにしてもよい。
【0038】
変動前表示72および変動中表示71の表示態様は信頼度が高まる方向に変化しうる(いわゆる保留変化演出が発生する)。変動前表示72の状態(すなわち対象変動が開始される前)であっても、変動中表示71の状態(すなわち対象変動中)であっても態様が変化する可能性がある。なお、いわゆる保留変化演出の具体的態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、突発的に変動前表示72および変動中表示71の表示態様が変化する(突発的な保留変化演出が発生する)こともあれば、変動前表示72や変動中表示71に作用する画像が表示された結果、これらの表示態様が変化する(表示態様の変化をもたらす作用画像が表示される保留変化演出が発生する)こともある。対象変動における最終的な変動中表示71の表示態様が、当該変動中表示71が示唆する最終的な信頼度となる。対象変動演出が開始される際に変動前表示72(消化順が1番目のもの)は変動中表示71となるが、その際には表示態様は引き継がれる。例えば、対象変動が開始される直前の変動前表示72(消化順が1番目のもの)が第二特殊表示態様702sである場合には、変動中表示71が第二特殊表示態様702sの状態で対象変動が開始されることとなる。ただし、変動前表示72(消化順が1番目のもの)が変動中表示71となるタイミングで、表示態様(色)が変化することもある。なお、本実施形態では、変動前表示72および変動中表示71が併せて複数表示される状態において、二以上の特殊表示態様70sが表示された状態となりうる。
【0039】
特定示唆演出として、複数種の演出が発生しうる。特定示唆演出の種類は、大まかに、通常特定示唆演出と特殊特定示唆演出に区分けされる。通常特定示唆演出は、基準(デフォルト)の態様(種類)である。特殊特定示唆演出は、通常特定示唆演出よりも信頼度が高いことを示唆する演出である。本実施形態では、特殊特定示唆演出として、第一特殊特定示唆演出、第二特殊特定示唆演出、第三特殊特定示唆演出、第四特殊特定示唆演出の四種が設けられている(
図5参照)。すなわち、本実施形態では、特定示唆演出として五種の演出が発生しうる。
【0040】
特定示唆演出は、所定時点(基準時点)に到達することを契機として表示領域911に特定示唆画像73が表示されるものである。当該特定示唆画像73の態様は、演出の種類毎に異なる。通常特定示唆演出は通常特定示唆画像73nが、第一特殊特定示唆演出は第一特殊特定示唆画像731sが、第二特殊特定示唆演出は第二特殊特定示唆画像732sが、第三特殊特定示唆演出は第三特殊特定示唆画像733sが、第四特殊特定示唆演出は第四特殊特定示唆画像734sが表示されるものである(
図5参照。第一特殊特定示唆画像731s~第四特殊特定示唆画像734sは包括的に特殊特定示唆画像73sと称することもある)。各特定示唆画像73は、共通する画像要素を含むが、所定部分の色が異なるものとされる。本実施形態では、共通する画像要素として所定のキャラクタXを含むものとされる。そして、当該キャラクタXの周囲(背景)の色が異なるものとされる。通常特定示唆画像73nは白色を、第一特殊特定示唆画像731sは青色を、第二特殊特定示唆画像732sは緑色を、第三特殊特定示唆画像733sは赤色を、第四特殊特定示唆画像734sは虹色を呈するものとされる(各図においては、当該色の違いをハッチングの有無やハッチングの態様の違いで表す)。なお、本実施形態では、その種類によらず特定示唆画像73の大きさは同じであり、その種類によらず特定示唆画像73が表示される位置(表示領域911における特定示唆画像73が占める範囲)も同じである。
【0041】
各種特定示唆演出は、変動中表示71の表示態様のいずれかと対応づけられている(重複しないように(1:1の関係で)対応づけられている)。なお、特定示唆演出の種類(態様)の数(五種)は、変動中表示71がなりうる表示態様の種類の数(五種)と同じであり、対応関係にないものは存在しない(ある種の特定示唆演出はいずれかの表示態様と必ず対応関係にあり、ある表示態様はいずれかの種類の特定示唆演出と必ず対応関係にある)。本実施形態では、通常表示態様70n(白)は通常特定示唆演出(通常特定示唆画像73n(白))に、第一特殊表示態様701s(青)は第一特殊特定示唆演出(第一特殊特定示唆画像731s(青))に、第二特殊表示態様702s(緑)は第二特殊特定示唆演出(第二特殊特定示唆画像732s(緑))に、第三特殊表示態様703s(赤)は第三特殊特定示唆演出(第三特殊特定示唆画像733s(赤))に、第四特殊表示態様704s(虹)は第四特殊特定示唆演出(第四特殊特定示唆画像734s(虹))に、それぞれ対応づけられている。このように、各表示態様とそれに対応する特定示唆画像73の「色」は共通するもの(色が共通するとは、同系統の色であるという意味である。以下同じ。)とされる。共通する「色」により、遊技者は各表示態様といずれか一種の特定示唆画像73が対応関係にあることを把握することができる。
【0042】
本実施形態では、特定リーチ演出中に特定示唆演出が実行される(
図6参照)。上述した通り、基準時点に到達することを契機として特定示唆演出(特定示唆画像73の表示)が実行されるところ、当該基準時点は特定リーチ演出中に設定される(特定リーチ演出中に設定される基準時点に到達することが特定示唆演出の実行条件の成立である)ということである。特定リーチ演出は、対象当否抽選結果に応じた当否報知結末に至るリーチ演出の一種である。リーチ演出であるため、三つの識別図柄群のうちの二つから選択されて示された装飾図柄80(本実施形態では、左装飾図柄群80gLが擬似停止することで示された左装飾図柄80Lと、右装飾図柄群80gLの変動が擬似停止することで示された右装飾図柄80R)が同種のものとなる「リーチ」成立時に発生しうる。対象当否抽選結果が大当たりであれば遊技者に有利な状況となったことを示す画像が表示される有利結末(当たり報知結末)(
図6(d-1)参照)に至り、はずれであれば遊技者に不利な状況となったことを示す画像が表示される不利結末(はずれ報知結末)(
図6(d-2)参照)に至る。なお、有利結末には、一旦は不利結末に至ったと見せかけてそれが覆されるいわゆる逆転パターンとなる場合も含まれるものとする。本実施形態における特定リーチ演出は、遊技者側のキャラクタ(味方キャラクタ(図面においてはXを付して示す))と敵キャラクタが戦ういわゆるバトル演出であり、味方キャラクタが勝利することが有利結末と、味方キャラクタが敗北すること(敵キャラクタが勝利すること)が不利結末とされている。基準時点が設定される二種以上の特定リーチ演出が設けられたものとしてもよい。
【0043】
特定示唆演出は、当否報知結末に至るよりも前に実行される。当否報知結末用の演出(有利結末または不利結末)が開始される時点を当落分岐点とすると、当落分岐点よりも前に特定示唆演出が実行される(当落分岐点よりも前に特定示唆演出が開始される時点である基準時点が設定される)(
図6(c)(d-1)(d-2)参照)。また、当落分岐点よりも前に特定示唆演出(特定示唆画像73の表示)は終了する。なお、本実施形態では、特定リーチ演出の開始から基準時点までの長さは一定(例えば、10秒)である。本実施形態における特定示唆画像73は、いわゆるカットイン画像である。本実施形態における特定示唆演出は、キャラクタXが登場する演出である(味方キャラクタおよび敵キャラクタの一方がキャラクタXとされる)(
図6(c)参照)。よって、特定示唆演出は、特定リーチ演出にて登場するキャラクタXを強調しつつ、信頼度を示唆するものであるといえる。
【0044】
変動中表示71の表示態様は特定リーチ演出中も変化しうる(
図6(a)(b)参照)。すなわち、変動中表示71の表示態様は、特定リーチ演出の開始時点よりも信頼度が高い表示態様に変化する可能性もある(特定リーチ演出中に変化しない可能性もある)。なお、基準時点以降は変動中表示71の表示態様は変化することはない。よって、特定リーチ演出が発生する対象変動においては、基準時点における変動中表示71の表示態様が最終的な信頼度を示唆する態様として決まる(基準時点における表示態様が高信頼度のものであるほど、対象当否抽選結果が大当たりとなる(特定リーチ演出が有利結末となる)蓋然性が高い)。
【0045】
本実施形態では、対象変動にて特定リーチ演出が発生し、基準時点に到達したときにおける変動中表示71の表示態様を「基準表示態様」とする。基準時点に到達することを契機として特定示唆演出が実行される(特定示唆画像73が表示される)ところ、実行される特定示唆演出の種類は必ず変動中表示71の基準表示態様に対応したものとされ、基準表示態様に対応しない種類の特定示唆演出は実行されないようにされる(
図6(b)(c)参照)。すなわち、基準時点に到達したときの変動中表示71が通常表示態様70nであれば通常特定示唆演出が実行され(通常特定示唆画像73nが表示され)、第一特殊表示態様701sであれば第一特殊特定示唆演出が実行され(第一特殊特定示唆画像731sが表示され)、第二特殊表示態様702sであれば第二特殊特定示唆演出が実行され(第二特殊特定示唆画像732sが表示され)、第三特殊表示態様703sであれば第三特殊特定示唆演出が実行され(第三特殊特定示唆画像733sが表示され)、第四特殊表示態様704sであれば第四特殊特定示唆演出が実行される(第四特殊特定示唆画像734sが表示される)ようにされる。なお、本実施形態では、変動中表示71とそれに対応した特定示唆画像73の両方が表示領域911に表示された状態となる。また、本実施形態では、各種特定示唆演出の信頼度は、変動中表示71の各表示態様と同じである。つまり、基準時点にて変動中表示71がある表示態様にあれば、もれなくそれに対応した種類の特定示唆演出が実行されるのであるから、変動中表示71による信頼度示唆は、特定示唆演出における信頼度示唆と相違がない。また、基準時点において表示されている変動前表示72の数や表示態様は、実行される特定示唆演出の種類に関係がない。
【0046】
このように構成されている理由は以下の通りである。変動前表示72や変動中表示71の表示態様変化による信頼度示唆(いわゆる「保留」による信頼度示唆)は周知であり、遊技者はこれらの態様に注目する。対象当否抽選結果が大当たりとなることに期待する対象変動においては、変動中表示71がより高信頼度の表示態様となること(信頼度が高まる方向によりステップアップすること)に期待する。このような変動中表示71の表示態様がどのようになったかを明確に示す(強調する)ため、特定リーチ演出においては、敢えて、変動中表示71の表示態様に対応する種類の特定示唆演出が発生する(対応しない種類の特定示唆演出が発生することがない)ようにしている。遊技者にとっては、特定リーチ演出の当落報知結末前に変動中表示71の表示態様に応じた演出(特定示唆演出)が実行されるため、分かりやすい遊技性となる。
【0047】
以下、上記特定示唆演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0048】
〇具体例1-1
特定示唆演出が発生するよりも前に、強調演出が実行されるようにする。強調演出は、基準表示態様に対応した特定示唆演出が実行(特定示唆画像73が表示)されていることを強調するための演出であり、基準表示態様にある変動中表示71を用いたものである。例えば、基準表示態様にある表示態様が表示領域911中央側に移動しつつ、拡大される演出が強調演出として発生し(
図7(b)参照)、当該強調演出の終了後に特定示唆演出が発生する(
図7(c)参照)ようにする。このようにすることで、実行される特定示唆演出の種類(色)が、変動中表示71の態様(色)に対応したものとされているということが分かりやすい。
【0049】
強調演出は、変動中表示71が常態とは異なるものとされればよい。上記例のように、変動中表示71が常態とは異なる位置に変位すること、および、常態よりも大きくされることの少なくともいずれか一方が発生するようにするとよい。
【0050】
強調演出は、基準表示態様に応じて(変動中表示71の色に応じて)異なるようにしてもよい。例えば、強調演出において(
図7(b)の状態において)、信頼度が高い基準表示態様であるほど変動中表示71は大きく表示される(常態の大きさを基準とした拡大率が高い)ようにする。
【0051】
〇具体例1-2
特定示唆演出が発生しうるタイミング(実行条件が成立しうるタイミング)は、リーチ演出中に限られないものとする。例えば、リーチが成立するかどうか判明していない状態(三つの識別図柄群の全てが変動表示されている状態)で特定示唆演出が発生しうるようにしてもよい。すなわち、三つの識別図柄群の全てが変動表示されている状態のある時点が基準時点とされ、当該基準時点における変動中表示71の表示態様に対応した種類の特定示唆演出が発生するようにする。
【0052】
〇具体例1-3
特定示唆演出が発生する前に所定の演出(事前演出)が発生するようにする。事前演出は、基準時点に到達することを前もって示す演出であるともいえる。事前演出が発生した後、その時点での変動中表示71の表示態様に対応した種類の特定示唆演出が発生することとなる。
図8には、事前演出として、「保留対応カットイン」の文字を含む画像(事前画像75)が表示されるものを示す。
【0053】
図8に示した例のように、事前画像75は、特定示唆演出を示唆する要素を含むものであることが好ましい。上記実施形態のように特定示唆演出がいわゆるカットイン演出(カットイン画像である特定示唆画像73が表示される演出)とするのであれば、「カットイン」といった特定示唆演出を示す要素を含むものとする。また、
図8に示した例のように、事前画像75は、当該特定示唆演出が変動中表示71に対応したものであること示唆する要素を含むものであることが好ましい。例えば、「保留」といった変動中表示71を示す要素を含むものとする。
【0054】
〇具体例1-4
一の変動にて実行条件が二回以上成立しうる(一の変動にて二回以上の基準時点が設けられることがある)設定とする。すなわち、一の変動にて二回以上の特定示唆演出が発生しうる設定とする。また、ある実行条件が成立した後、次の実行条件が成立するまでの間(実行条件間)に、変動中表示71の表示態様が変化しうるようにする。このようにすることで、ある特定示唆演出(先の特定示唆演出)が発生した後、変動中表示71の表示態様の変化が発生した場合には、先の特定示唆演出よりも高信頼度の特定示唆演出(後の特定示唆演出)が発生することになる。つまり、このようにすることで、実行条件間に変動中表示71の表示態様が変化することで特定示唆演出のランクアップが発生しうるという遊技性になる。
【0055】
ただし、上記実施形態のように、一の変動において実行条件が最大で一回しか成立しないようにすれば、一の変動にて発生しうる特定示唆演出の回数は最大で一回ということになるから、特定示唆演出は変動中表示71の表示態様が最終的にどのようなものとなったかを明確に示す(強調する)ものとして機能することになる。
【0056】
〇具体例1-5
変動中表示71の表示態様が第四特殊表示態様704s、すなわち信頼度が100%である(大当たりが確定する)表示態様となったときには、基準時点に到達しても特定示唆演出は発生しないようにする(第四特殊特定示唆画像734sが設けられていない構成とする)(
図9(a)、(b-2)参照)。換言すれば、特定示唆演出は、変動中表示71の表示態様が信頼度100%未満の態様である場合に発生しうる(変動中表示71の表示態様が信頼度100%未満の態様でなければ実行条件が成立しない)ものとする(
図9(a)、(b-1)参照)。変動中表示71が大当たり確定の表示態様となったときには、遊技者はそれを把握しているであろうから、敢えてそれを強調する必要はないとして特定示唆演出が発生しないようにする。
【0057】
異なる例として、変動中表示71の表示態様が通常表示態様70nであるときには、基準時点に到達しても特定示唆演出が発生しないようにすること(通常特定示唆画像73nが設けられていない構成とすること)も考えられる(
図10(a)、(b-2)参照)。変動中表示71が通常の表示態様(デフォルトの態様)であるときには敢えてそれを強調する必要はないとして特定示唆演出が発生しないようにする。変動中表示71の表示態様が通常表示態様70nでない、すなわち特殊表示態様70sのいずれかである場合には対応する特定示唆演出が発生する(
図10(a)、(b-1)参照)
【0058】
〇具体例1-6
変動前表示72および変動中表示71の各表示態様は、異なるカテゴリに属する二以上の態様が設定された構成とする。例えば、
図11に示すように、カテゴリAに属する表示態様Aとして、通常表示態様70nA、第一特殊表示態様701sA、第二特殊表示態様702sA、第三特殊表示態様703sA、第四特殊表示態様704sAが設けられているとする(図面において、表示態様Aは、外形が「丸」であるものとして示す)。また、カテゴリBに属する表示態様Bとして、通常表示態様70nB、第一特殊表示態様701sB、第二特殊表示態様702sB、第三特殊表示態様703sB、第四特殊表示態様704sBが設けられた構成とする(図面において、表示態様Aは、外形が「三角」であるものとして示す)。条件Aが成立している状態(ステータスA)では、カテゴリAに属する表示態様Aとされ、条件Bが成立している状態(ステータスB)では、カテゴリBに属する表示態様Bとされるようにする(条件Aおよび条件Bは同時に成立することはない)。通常表示態様70nAおよびB、第一特殊表示態様701sAおよびB、第二特殊表示態様702sAおよびB、第三特殊表示態様703sAおよびB、第四特殊表示態様704sAおよびBのそれぞれは、態様は互いに異なるものの、色が共通し、信頼度も同じである(カテゴリの違いは信頼度に影響を及ぼすものではない)とする。このような信頼度が同じであるが異なる表示態様(カテゴリAに属する表示態様AおよびカテゴリBに属する表示態様B)を設けることは、例えば、いわゆる演出モード(ステージ等とも称される)に応じ、変動前表示72および変動中表示71の基本的態様を異ならせる遊技性とする場合に用いられる。演出モードは、変動演出を司る要素である。すなわち、変動演出を構成する演出としてどのような演出が実行されるかは、現在設定されている演出モード(現設定モード)に依存する。例えば、キャラクタAをモチーフとした演出が展開されるモードA、キャラクタBをモチーフとした演出が展開されるモードBが設定されるといった構成とすることが考えられる。このような構成において、モードAが設定されている状態では通常表示態様70nAおよび第一特殊表示態様701sA~第四特殊表示態様704sAが、モードBが設定されている状態では通常表示態様70nBおよび第一特殊表示態様701sB~第四特殊表示態様704sBが表示されるようにすることが想定される。
【0059】
特定示唆演出にて表示される特定示唆画像73は、基準時点における変動中表示71の表示態様が表示態様AおよびBのいずれであるかに応じて異なるものとする。例えば、
図12に示すように、カテゴリAに属する特定示唆画像Aとして、通常特定示唆画像73nA、第一特殊特定示唆画像731sA、第二特殊特定示唆画像732sA、第三特殊特定示唆画像733sA、第四特殊特定示唆画像734sAを設ける(図面において、特定示唆画像Aは、キャラクタAを含むものとして示す)。また、カテゴリBに属する特定示唆画像Bとして、通常特定示唆画像73nB、第一特殊特定示唆画像731sB、第二特殊特定示唆画像732sB、第三特殊特定示唆画像733sB、第四特殊特定示唆画像734sBを設ける(図面において、特定示唆画像Bは、キャラクタBを含むものとして示す)。第一特殊特定示唆画像731sAおよびB、第二特殊特定示唆画像732sAおよびB、第三特殊特定示唆画像733sAおよびB、第四特殊特定示唆画像734sAおよびBのそれぞれは、態様は互いに異なるものの、色が共通し、信頼度も同じである(カテゴリの違いは信頼度に影響を及ぼすものではない)。
【0060】
基準時点にて通常表示態様70nAが表示されているときには通常特定示唆画像73nAが、第一特殊表示態様701sAが表示されているときには第一特殊特定示唆画像731sAが、第二特殊表示態様702sAが表示されているときには第二特殊特定示唆画像732sAが、第三特殊表示態様703sAが表示されているときは第三特殊特定示唆画像733sAが、第四特殊表示態様704sAが表示されているときには第四特殊特定示唆画像734sAが表示される特定示唆演出が実行されるようにする(
図13(a)(b-1)参照(一例として第三特殊特定示唆画像733sAが表示される例を示した))。同様に、基準時点にて通常表示態様70nBが表示されているときには通常特定示唆画像73nBが、第一特殊表示態様701sBが表示されているときには第一特殊特定示唆画像731sBが、第二特殊表示態様702sBが表示されているときには第二特殊特定示唆画像732sBが、第三特殊表示態様703sBが表示されているときは第三特殊特定示唆画像733sBが、第四特殊表示態様704sBが表示されているときには第四特殊特定示唆画像734sBが表示される特定示唆演出が実行されるようにする(
図13(a)(b-2)参照(一例として第三特殊特定示唆画像733sBが表示される例を示した))。
【0061】
このように、演出モード等に応じて変動前表示72や変動中表示71の基本的態様が変化する構成とする(
図11参照)のであれば、それに応じた態様(同じカテゴリ)の特定示唆画像73(
図12参照)が表示される特定示唆演出が発生するようする(
図13参照)。これにより、変動中表示71の表示態様と特定示唆演出(特定示唆画像73)が関連しているということをより分かりやすくすることができる。
【0062】
〇具体例1-7
操作手段(例えば押しボタン61(演出ボタン))の操作を契機として特定示唆演出が実行されるようにする。特定リーチ演出にて、押しボタン61の操作が有効となる操作有効期間が設定され、遊技者に対し押しボタン61の操作が要求される。操作有効期間中に押しボタン61の操作がなされること(操作有効期間中の押しボタン61の操作が所定条件を満たすものとなること)を契機として、その時点における変動中表示71の表示態様に対応する特定示唆画像73が表示される。この場合、押しボタン61の操作がなされた時点が基準時点となる。なお、操作有効期間が開始された後は、変動中表示71の表示態様が変化することがないようにされる。このようにすることで、遊技者自らの行動に起因して変動中表示71の現在の表示態様を強調する画像(特定示唆画像73)が表示されるという演出形態になる。
【0063】
なお、本例のようにする場合において、操作有効期間中に操作手段の操作がなされなかったとき(操作有効期間中の押しボタン61の操作が所定条件を満たすものとならなったとき)、特定示唆演出が実行されない(特定示唆画像73が表示されない)ようにしてもよいし、操作有効期間の終了を契機として特定示唆演出が実行される(特定示唆画像73が表示される)ようにしてもよい。
【0064】
〇具体例1-8
特定示唆演出中、すなわち特定示唆画像73が表示されている最中は、変動中表示71が表示されないようにする(
図14(b)参照)。このようにすることで、基準時点到達直前まで表示されていた変動中表示71(
図14(a)参照)に代えて、特定示唆画像73(変動中表示71の表示態様に対応する種類の特定示唆画像73)が表示されているように見える演出形態となる。なお、特定示唆演出が終了した(特定示唆画像73が消去された)後は変動中表示71が表示されるようにしてもよいし、そのまま対象変動の終了まで変動中表示71が表示されないようにしてもよい。
【0065】
本例のようにする場合、特定示唆画像73が表示されている最中は、(記憶手段に変動前当否抽選情報が記憶されていたとしても)変動前表示72も表示されないようにすることが好ましい(
図14(b)参照)。つまり、特定示唆画像73が表示される直前まで一または二以上の変動前表示72が表示されていたとしても、特定示唆画像73が表示されている最中は変動前表示72が表示されないようにするとよい。
【0066】
〇具体例1-9
基準時点に到達しても特定示唆演出が発生しないこともある構成とする。すなわち、基準時点に到達すること(
図15(a)参照)を契機とし、当該時点での変動中表示71の表示態様に対応する種類の特定示唆画像73が表示される(
図15(b-1)参照)こともあれば、特定示唆画像73が表示されない(
図15(b-2)参照)こともある構成とする。
【0067】
本例のようにする場合、基準表示態様が信頼度100%ではない表示態様である(第四特殊表示態様704sではない)場合において、特定示唆画像73が表示された場合の方が、特定示唆画像73が表示されない場合よりも、信頼度が高い設定とするとよい(あくまで、基準表示態様が同じであるもの同士を比較したときに、特定示唆画像73が表示された場合の方が、特定示唆画像73が表示されない場合よりも、信頼度が高いということである)(
図15(c)参照)。例えば、基準時点における変動中表示71の表示態様が第一特殊表示態様701sである場合(
図15(a)参照)、特定示唆演出が実行されるとすれば表示される特定示唆画像73は第一特殊特定示唆画像731sになるが、当該第一特殊特定示唆画像731sが表示された場合(
図15(b-1)参照)の方が、第一特殊特定示唆画像731sが表示されなかった場合(
図15(b-2)参照)よりも、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高いという設定とする。このようにすることで、特定示唆画像73の表示が、いわゆるチャンスアップとして機能する遊技性が実現される。なお、
図15(c)に示すように、特定示唆演出の有無(チャンスアップの有無)にかかわらず、変動中表示71の各表示態様の信頼度の大小関係は維持されるようにすること(特定示唆演出の有無にかかわらず、通常表示態様70nよりも第一特殊表示態様701sの方が、第一特殊表示態様701sよりも第二特殊表示態様702sの方が、第二特殊表示態様702sよりも第三特殊表示態様703sの方が信頼度が高いという関係とすること)が好ましい。
【0068】
〇具体例1-10
各種特定示唆画像73は、色以外の画像構成要素も異なるようにする。すなわち、各種特定示唆画像73は、色以外にも独自の画像構成要素を有するものとする。例えば、各種特定示唆画像73の形状は、それ以外の種類の特定示唆画像73の形状と異なるようにする。このようにすることで、特定示唆画像73の種類(特定示唆演出の種類)が明確に区別できる分かりやすい演出形態となる。
【0069】
〇具体例1-11
各種特定示唆画像73は、色以外にも、信頼度の高低を示唆する画像構成要素を含むものとする。例えば、相対的に信頼度が高い特定示唆画像73の方が、相対的に信頼度が低い特定示唆画像73よりも、画像の大きさ(画像が表示される範囲)が大きくなるようにすることが考えられる(
図16参照)。上述した通り、特定示唆画像73は変動中表示71の最終的な表示態様を強調するものであるところ、本例のようにすることで特定示唆画像73によって信頼度の高低も強調されることになる。
【0070】
〇具体例1-12
特定リーチ演出は、遊技者に対し操作手段(例えば押しボタン61)の操作が要求され(
図17(b)参照)、操作有効期間中に当該操作手段の操作がなされること(
図17(c)参照)を契機として当否報知結末(
図17(d-1)(d-2)参照)に至るものであるとする(操作有効期間中における操作手段の操作時点が当落分岐点となる構成とする)。つまり、操作手段の操作が当落分岐とされたリーチ演出(以下、操作当落分岐リーチ演出と称する)とする。操作有効期間のどこかの時点が当落分岐点となるため、操作有効期間が開始されるよりも前に特定示唆演出が実行される(
図17(a)参照)。
【0071】
操作当落分岐リーチ演出であることが特定リーチ演出であることの必須条件とされたものとしてもよい。例えば、遊技機1が実行可能なリーチ演出として、「操作当落分岐リーチ演出」に当たる一または二以上のリーチ演出と、「操作当落分岐リーチ演出」には当たらない一または二以上のリーチ演出(当落分岐にて操作手段の操作要求がなされないリーチ演出。以下非操作当落分岐リーチ演出とする。)が設けられているとする。この場合において、特定示唆演出が発生しうるリーチ演出(特定リーチ演出)は、全て「操作当落分岐リーチ演出」である構成とする。操作手段の操作(遊技者の行動)に起因して当否が判明するようなリーチ演出(操作当落分岐リーチ演出)は、遊技者が大きな期待を抱くものである。そのため、このような操作当落分岐リーチ演出にて、変動中表示71の表示態様が強調される特定示唆演出が発生しうるように(非当落分岐リーチ演出では特定示唆演出が発生しないように)する。
【0072】
〇具体例1-13
変動前表示72がなりうる表示態様の種類(パターン)と、変動中表示71がなりうる表示態様の種類(パターン)が異なっていてもよい。例えば、変動中表示71は第一特殊表示態様701s~第四特殊表示態様704s(四種の特殊表示態様)のいずれにもなりうるが、変動前表示72は第一特殊表示態様701sとなることはなく第二特殊表態様~第四特殊表示態様704s(三種の特殊表示態様70s)のいずれかになりうるものとする。つまり、変動中表示71はなる可能性があるが、変動前表示72はなる可能性がない表示態様が設けられた構成としてもよい。それとは逆に、変動前表示72はなる可能性があるが、変動中表示71はなる可能性がない表示態様が設けられた構成としてもよい。
【0073】
特定示唆演出は、基準時点における変動中表示71の表示態様に応じた内容のものとされる演出であるから、変動中表示71の表示態様(通常表示態様70n、特殊表示態様70s)に対応した種類が設けられていればよい。すなわち、変動前表示72はなる可能性があるが、変動中表示71はなる可能性がない特殊表示態様70sについては、対応する特定示唆演出(特定示唆画像73)は設ける必要がない。
【0074】
〇具体例1-14
変動中表示71が特殊表示態様70sにあるときには、変動前表示72が特殊表示態様70sにはならない(つまり、変動前表示72は全て通常表示態様70nである)ようにする。このようにすることで、特殊特定示唆画像73sが表示される特定示唆演出が実行される際、変動前表示72はかならず通常表示態様70nにあるから、当該特殊特定示唆画像73sが変動前表示72に対応した演出であると遊技者が勘違いしてしまうことが防止される。
【0075】
〇具体例1-15
特定示唆演出中(特定示唆画像73が表示されている最中)は、変動中表示71が表示されるが、変動前表示72は表示されないようにする(
図19(b)参照)。すなわち、記憶手段に変動前当否抽選情報が記憶されていても特定示唆演出中は変動前表示72が表示されないようにする。変動前表示72が表示されていると、特定示唆演出(特定示唆画像73)が変動前表示72に対応したものであると勘違いしてしまうおそれがある(特に、
図18に示す例のように、変動前表示72のいずれかが変動中表示71と同じ特殊表示態様70sであるときには勘違いが生じやすい)から、これを防止するため、特定示唆演出(特定示唆画像73)に対応する変動中表示71は表示されるが、特定示唆演出に関係ない変動前表示72は表示されないようにする。
【0076】
<変動前表示カスタマイズ・変動中表示カスタマイズ>
本実施形態にかかる遊技機1は、変動演出を構成する演出の発生確率を変化させることが可能なカスタマイズ機能を備える。カスタマイズ機能の対象となる演出として、「変動前表示変化演出」、「変動中表示変化演出」が設けられている。なお、以下で説明する「変動前表示変化演出」、「変動中表示変化演出」のカスタマイズは通常遊技状態における発生確率を変化させるものである。ただし、特定遊技状態でのカスタマイズを同様のものとしてもよい。
【0077】
変動前表示変化演出は、変動前表示72を通常表示態様70n(常態)とは異なる特殊表示態様70sとすることで対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)の信頼度が高まったことを示唆する演出である。変動前表示72は、通常表示態様70nからいずれかの特殊表示態様70sに変化することがある。また、変動前表示72は、ある特殊表示態様70sからそれよりも信頼度が高いことを示唆する特殊表示態様70sに変化することもある。変動前表示72は、対象当否抽選結果についての変動演出が開始されるよりも前に表示されるものであるから、変動前表示変化演出はいわゆる先読み演出(対象変動が開始されるよりも前(対象当否抽選の実行時点よりも前)に、対象当否抽選に用いる当否抽選情報を先読みして対象当否抽選結果を示唆する演出)の一種であるといえる。なお、本実施形態では、先読み演出の発生確率を変化させる先読み演出カスタマイズが設けられているが、変動前表示変化演出は当該先読み演出カスタマイズの対象からは除外されている(変動前表示変化演出以外の先読み演出が先読み演出カスタマイズの対象とされる)。
【0078】
変動中表示変化演出は、変動中表示71を通常表示態様70n(常態)とは異なる特殊表示態様70sとすることで対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)の信頼度が高まったことを示唆する演出である。変動中表示71は、通常表示態様70nからいずれかの特殊表示態様70sに変化することがある。また、変動中表示71は、ある特殊表示態様70sからそれよりも信頼度が高いことを示唆する特殊表示態様70sに変化することもある。変動中表示71は、対象当否抽選結果についての変動演出が開始された後表示されるものであり、先読み演出には含まれないものである。
【0079】
本実施形態では、変動前表示変化演出の発生確率を変化させるカスタマイズである「変動前表示カスタマイズ」と、変動中表示変化演出の発生確率を変化させるカスタマイズである「変動中表示カスタマイズ」とが別のカスタマイズ(独立したカスタマイズ)として設けられている。変動前表示72と変動中表示71の両方をひとまとまりとして(変動前表示72と変動中表示71の両方を「保留」と捉え)これらが変化する演出の発生確率を変化させるカスタマイズが設けられていることは公知であるが、本実施形態では変動前表示変化演出の発生確率と変動中表示変化演出の発生確率を別個独立に変化させることができるようにしている。なお、変動前表示カスタマイズは「変動前保留信頼度カスタマイズ」と、変動中表示カスタマイズは「当該変動保留信頼度カスタマイズ」と称されている。すなわち、変動前表示72は「変動前保留」として、変動中表示71は「当該変動保留」として遊技者に示される。
【0080】
なお、本実施形態では、変動前表示カスタマイズや変動中表示カスタマイズ以外のカスタマイズも設けられている。各カスタマイズを利用する(設定を変更する)際の操作方法はどのようなものであってもよい。本実施形態では、押しボタン61と十字キー62の操作によって各カスタマイズの設定を変更することができるようにされている。例えば、
図19に示すような画面(カスタマイズ変更画面)により各カスタマイズの設定を変更することができるようにする。図示しないが、当該画面には、各カスタマイズの内容を説明する画像が表示されることが好ましい。特に、変動前表示カスタマイズ(変動前保留信頼度カスタマイズ)と変動中表示カスタマイズ(当該変動保留信頼度カスタマイズ)に関し、変動前表示72(変動前保留)と変動中表示71(当該変動保留)の違いを明確に示す説明がなされるようにすることが好ましい。また、カスタマイズの設定変更は、待機状態中(変動演出が実行されていない非変動中)のみならず、変動中にもできるようにすることが好ましい。変動中にもカスタマイズの設定変更を行うことができるようにする場合には、変動中にカスタマイズ用の小さな画像(図示せず)が表示領域911の外縁近傍に表示されるようにする。
【0081】
なお、後述する通り、変動前表示カスタマイズおよび変動中表示カスタマイズは、変動前表示72や変動中表示71が特殊表示態様70sとなったときの信頼度を通常よりも高めることができるものである。したがって、デフォルトの信頼度(後述する「通常」選択時の信頼度(通常信頼度))が100%である特殊表示態様70s(本実施形態では第四特殊表示態様704s)は、それ以上信頼度が高まるものではないためカスタマイズの対象から除かれる。すなわち、本実施形態では、変動前表示カスタマイズおよび変動中表示カスタマイズの対象となる特殊表示態様70sは、デフォルトの信頼度が100%未満のもの(本実施形態では第一特殊表示態様701s~第三特殊表示態様703s)に限られる(以下の変動前表示カスタマイズおよび変動中表示カスタマイズの説明において、単に特殊表示態様70sというときはデフォルトの信頼度が100%未満のものを指す)。
【0082】
本実施形態における変動前表示カスタマイズは、選択項目として「通常」と「UP」が設けられたものである。「通常」はデフォルトの設定である。遊技機1の電源がONとされた直後や、リセット操作がなされた直後は「通常」とされる。「UP」を選択した場合には、変動前表示72が特殊表示態様70sとなったときの信頼度が通常に比して高くなる。本実施形態では、変動前表示カスタマイズについて、「通常」が設定されている状態で変動前表示72が各特殊表示態様70sとなったときの信頼度(通常信頼度)と、「UP」が設定されている状態で変動前表示72が各特殊表示態様70sとなったときの信頼度(特別信頼度)は
図20(a)に示す通りとされている。いずれの特殊表示態様70sも、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、信頼度は高い。また、本実施形態では、いずれの特殊表示態様70sも、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、発生確率(一の変動あたりの各表示態様が表示される確率)は低い。つまり、「UP」を設定することで、「通常」が設定された状態よりも、各特殊表示態様70sは表示されにくくなるが、表示されたときには対象当否抽選結果が大当たりとなることに期待がもてることとなる。なお、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、特殊表示態様70sは表示されにくくなるのであるから、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、通常表示態様70nは表示されやすくなる。
【0083】
本実施形態における変動中表示カスタマイズは、選択項目として「通常」と「UP」が設けられたものである。「通常」はデフォルトの設定である。遊技機1の電源がONとされた直後や、リセット操作がなされた直後は「通常」とされる。「UP」を選択した場合には、変動中表示71が特殊表示態様70sとなったときの信頼度が通常に比して高まる。本実施形態では、変動中表示カスタマイズについて、「通常」が設定されている状態で変動中表示71が各特殊表示態様70sとなったときの信頼度(通常信頼度)と、「UP」が設定されている状態で変動中表示71が各特殊表示態様70sとなったときの信頼度(特別信頼度)は
図20(b)に示す通りとされている。いずれの特殊表示態様70sも、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、信頼度は高い。また、本実施形態では、いずれの特殊表示態様70sも、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、発生確率(一の変動あたりの各表示態様が表示される確率)は低い。つまり、「UP」を設定することで、「通常」が設定された状態よりも、各特殊表示態様70sは表示されにくくなるが、表示されたときには対象当否抽選結果が大当たりとなることに期待がもてることとなる。なお、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、特殊表示態様70sは表示されにくくなるのであるから、「通常」が設定されている状態よりも、「UP」が設定されている状態の方が、通常表示態様70nは表示されやすくなる。
【0084】
変動中表示カスタマイズの各特殊表示態様70sの信頼度(本実施形態では
図20(b)の信頼度)は、対象変動中に各特殊表示態様70sとなった場合(対象変動中に変動中表示71がいずれかの特殊表示態様70sに変化した場合)のものである。対象変動前に変動前表示72の状態でいずれかの特殊表示態様70sとなり、対象変動においてもその特殊表示態様70sのままであるのであれば、それに対応する信頼度は変動前表示72(変動前表示カスタマイズ)としての信頼度(
図20(a)に示す信頼度)となる。例えば、対象変動前に変動前表示72が第一特殊表示態様701sとなり、そのまま対象変動の開始時点で変動中表示71も第一特殊表示態様701sとされ、対象変動にて変動中表示71の態様変化が発生しないとすれば、そのときの信頼度は「通常」が設定されている状態で5%、「UP」が設定されている状態で30%である。一方、対象変動の開始時点で第一特殊表示態様701sであった変動中表示71が第二特殊表示態様702sに変化したとすれば、そのときの信頼度は「通常」が設定されている状態で25%、「UP」が設定されている状態で70%である。
【0085】
図20(a)と(b)を比較すれば分かる通り、同じ特殊表示態様70sであっても、それが変動前表示72なのか変動中表示71なのかで信頼度が相違する。本実施形態では、変動前表示カスタマイズおよび変動中表示71カスタマイズのいずれもが「通常」である場合、ならびに、変動前表示カスタマイズおよび変動中表示71カスタマイズのいずれもが「UP」である場合は、変動前表示72がある特殊表示態様70sとなった場合よりも、変動中表示71が当該ある特殊表示態様70sとなった場合の方が、信頼度が高い。つまり、同じ特殊表示態様70sどうしを比較すれば、変動前表示72で当該特殊表示態様70sとなった場合よりも、変動中表示71で当該特殊表示態様70sとなった場合の方が、対象当否抽選結果が大当たりとなることに期待がもてる。このようにすることで、対象変動の開始前に対象当否抽選に対応する表示が特殊表示態様70sとなった場合(先読み演出として特殊表示態様70sが表示された場合)よりも、対象変動の開始後に対象当否抽選に対応する表示が特殊表示態様70sとなった場合の方が大当たりに期待がもてるという遊技性となる。
【0086】
本実施形態では、変動前表示カスタマイズと変動中表示71カスタマイズは独立している。変動前表示カスタマイズを変更しても変動中表示71の信頼度(発生確率)は変化しない。それとは逆に、変動中表示71カスタマイズを変更しても変動前表示72の信頼度(発生確率)は変化しない。
【0087】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、変動前表示72が特殊表示態様70sとなる確率(特殊表示態様70sとなったときの信頼度)の変更と、変動中表示71が特殊表示態様70sとなる確率(特殊表示態様70sとなったときの信頼度)の変更を、別々に行うことができるから、遊技性を遊技者の好みのものに近づけることができる。
【0088】
また、上述した通り、変動前表示72と変動中表示71の両方をひとまとまりとして(変動前表示72と変動中表示71の両方を「保留」と捉え)これらが変化する演出の発生確率を変化させるカスタマイズが設けられていることは公知であるが、このようなカスタマイズは、変動前表示72だけが対象となっているのか、変動前表示72と変動中表示71の両方が対象となっているのか分かりにくい(このようなカスタマイズは「保留カスタマイズ」等と名付けられていることが多いが、「保留」の指す対象が、変動前表示72だけなのか、変動前表示72と変動中表示71の両方なのか、分かりにくい)という問題があった。しかし、本実施形態のように変動前表示72のカスタマイズと変動中表示71のカスタマイズ別に設けられていれば、このような問題は生じない。
【0089】
以下、上記変動前表示カスタマイズ、変動中表示71カスタマイズに関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0090】
〇具体例2-1
上記実施形態では、デフォルトの信頼度(通常信頼度)が100%である特殊表示態様70s(第四特殊表示態様704s)は変動前表示カスタマイズや変動中表示71カスタマイズの対象ではないこと(カスタマイズを変更しても発生確率は変化しないこと)を説明したが、カスタマイズの変更により当該特殊表示態様70s(第四特殊表示態様704s)の発生確率が変化しうる設定としてもよい。例えば、変動中カスタマイズが「通常」である状態(デフォルトの状態)よりも、「UP」である状態の方が、第四特殊表示態様704s(信頼度100%の特殊表示態様)の発生確率が高くなるような設定とする。
【0091】
〇具体例2-2
変動前表示カスタマイズおよび変動中表示71カスタマイズのいずれもが「通常」である場合、ならびに、変動前表示カスタマイズおよび変動中表示71カスタマイズのいずれもが「UP」である場合は、変動前表示72がある特殊表示態様70sとなった場合よりも、変動中表示71が当該ある特殊表示態様70sとなった場合の方が、信頼度が低い。つまり、同じ特殊表示態様70sどうしを比較すれば、変動中表示71で当該特殊表示態様70sとなった場合よりも、変動前表示72で当該特殊表示態様70sとなった場合の方が、対象当否抽選結果が大当たりとなることに期待がもてる設定とする(
図21参照)。このようにすることで、対象変動の開始後に対象当否抽選に対応する表示が特殊表示態様70sとなった場合よりも、対象変動の開始前に対象当否抽選に対応する表示が特殊表示態様70sとなった場合(先読み演出として特殊表示態様70sが表示された場合)の方が大当たりに期待がもてるという遊技性となる。
【0092】
〇具体例2-3
カスタマイズの対象が変動前表示72と変動中表示71の両方であるカスタマイズ(以下、包括カスタマイズと称する)(
図22(a)参照)と、カスタマイズの対象が変動中表示71である(変動前表示72はカスタマイズの対象ではない)変動中カスタマイズ(
図22(b)参照)が設けられた構成とする。例えば、包括カスタマイズとして「通常」(デフォルト)および「UP」が選択可能な構成とし、「UP」を選択した場合には、変動前表示72および変動中表示71の両方について、特殊表示態様70sとなったときの信頼度が(「通常」選択時(デフォルト)よりも)高くなる(特殊表示態様70sとなる確率は低くなる)ものとする。一方、変動中カスタマイズは、「UP」を選択した場合には、変動中表示71について、特殊表示態様70sとなったときの信頼度が(「通常」選択時(デフォルト)よりも)高くなる(特殊表示態様70sとなる確率は低くなる)ものである(変動中カスタマイズで「UP」を選択しても、変動前表示72の信頼度は変わらない)。このようにすることで、変動前表示72と変動中表示71を一括してカスタマイズすることも、変動中表示71に限りカスタマイズすることもできるから、遊技の趣向性ならびにカスタマイズの利便性が向上する。
【0093】
〇具体例2-4
変動中表示カスタマイズの変更が変動前表示72の信頼度に影響を及ぼすこと、および、変動前表示カスタマイズの変更が変動中表示71の信頼度に影響を及ぼすことの少なくともいずれか一方が発生するものとする。ただし、このような影響が生じるとしても、各特殊表示態様70sについて「通常」を選択した場合よりも「UP」を選択した場合の方が信頼度が高いこと、各表示態様の信頼度の高低の関係(通常表示態様70n<第一特殊表示態様701s<第二特殊表示態様702s<第三特殊表示態様703s<第四特殊表示態様704s)は保たれるようにする。
【0094】
例えば、
図23に示すように、変動中表示71がある特殊表示態様70s(第一特殊表示態様701s~第三特殊表示態様703sのいずれか)となった場合の信頼度は、変動前表示カスタマイズが「通常」であるとき(
図23(a)参照)よりも、変動前表示カスタマイズが「UP」であるとき(
図23(b)参照)の方が、高い設定とする。つまり、変動前表示カスタマイズの影響が変動中表示71の信頼度にも及ぶようにする。
【0095】
〇具体例2-5
遊技者が変動前表示カスタマイズの変更や変動中表示カスタマイズの変更を行った際、当該変更が実際に反映されるタイミング(反映タイミング)は、例えば以下のように制御することができる。
【0096】
変動前表示カスタマイズの反映タイミングと変動中表示カスタマイズの反映タイミングを同じとする。例えば、遊技者が変更を行った時点で記憶手段に記憶されている当否抽選情報(変動中当否抽選情報および変動前当否抽選情報)に対応する当否抽選結果の全ての報知が完了することを契機としてカスタマイズの変更が実際に反映されるようにする。
【0097】
また、上記のような制御とは異なり、変動前表示カスタマイズの反映タイミングと変動中表示カスタマイズの反映タイミングを異ならせる。例えば、変動前表示カスタマイズについては、カスタマイズの対象が変動前表示72であるから、遊技者が変更を行った時点で記憶手段に記憶されている変動前当否抽選情報に対応する当否抽選結果の全ての報知が完了することを契機としてカスタマイズの変更が実際に反映されるようにする。一方、変動中表示カスタマイズについては、カスタマイズの対象が変動中表示71であるから、遊技者が変更を行った時点で記憶手段に記憶されている変動中当否抽選情報に対応する当否抽選結果の報知が完了すること(遊技者が変更を行った時点で実行されている変動演出が終了すること)を契機としてカスタマイズの変更が実際に反映されるようにする。変動中カスタマイズの変更を行った時点で変動前当否抽選情報が記憶されている(変動前表示72が存在している)か否かにかかわらず、変動中当否抽選情報に対応する当否抽選結果の報知が完了することをもって、すぐに変更を反映させる。このようにすることで、変動中表示カスタマイズの変更については(変動前表示カスタマイズの変更に比して)早期に反映されることとなる。
【0098】
<間違い探しモード>
変動演出の基本的態様は、演出モードに依存する。本実施形態にかかる遊技機1は、複数種の演出モードのうちの一つとして間違い探しモード(特定演出モード)を選択することができる。本実施形態では、第二特定遊技状態にて間違い探しモードを選択することができる。第二特定遊技状態の変動演出は、複数種の演出モードのうちのいずれが選択されたかにより基本的態様が相違する。当該複数種の演出モードの一つが間違い探しモードである。図示しないが、本実施形態では、第二特定大当たりの大当たり遊技(単位遊技)中に、当該大当たり遊技が終了した後の第二特定遊技状態にて設定される演出モードを複数種の候補のうちから選択することが可能である。第二特定遊技状態中においても演出モードを変更することができるようにしてもよい。なお、間違い探しモードが、他の遊技状態にて設定されうる構成としてもよい。また、間違い探しモードが、遊技者の選択によらず、自動的に設定されうる構成としてもよい。
【0099】
間違い探しモードは、遊技者に対し「間違い探し」を促す変動演出(
図24参照)が実行されるモードである。すなわち、表示領域911に常態(後述する背景示唆演出や図柄示唆演出が発生していない状態)において一致する二つの画像を表示し、当該二つの画像に間違い(相違点)が生じているかどうかを発見させるモードである。間違い探しモードについての説明においては、当該二つの画像のうちの一方に関連する要素については「A」を、他方に関連する要素については「B」を付すこととする。
【0100】
間違い探しモードにおいては、表示領域911の一部が表示領域911Aと、他の一部が表示領域911Bとされる。本実施形態では、表示領域911を幅方向に略二分するように上下方向に延びる区切線画像11が表示される。区切線画像11の左側が表示領域911Aであり、右側が表示領域911Bである(
図24(a)参照)。
【0101】
三つの装飾図柄群80g(左装飾図柄群80gL、中装飾図柄群80gC、右装飾図柄群80gR)を一組の装飾図柄とする。間違い探しモードではない状態(通常の変動演出)においては、一組の装飾図柄が表示される(
図2等参照)。間違い探しモードにおいては、表示領域911Aに一組の装飾図柄(装飾図柄80A)が、表示領域911Bにもう一組の装飾図柄(装飾図柄80B)が表示される。常態において(後述する図柄示唆演出が発生していない状態において)は、表示領域911Aに表示される装飾図柄80Aと、表示領域911Bに表示される装飾図柄80Bの変動態様は同じである。すなわち、常態においては、各装飾図柄群80gは同じパターンの装飾図柄80(本実施形態では、表示領域911Aおよび表示領域911Bのいずれにも「1」~「7」の数字を有する装飾図柄群80gが三つ表示される)を含み、これらが同じ態様で変動表示される。仮に、装飾図柄80Aの変動と装飾図柄80Bの変動を停止させたとした場合、どの時点で停止させても両者は全く同じ態様で停止することとなる(平行移動させると両者はぴったりと一致する)。表示領域911Aと表示領域911Bはほぼ同じ大きさかつ同じ形状であるところ、表示領域911Aにおける装飾図柄80Aが変動表示される位置と、表示領域911Bにおける装飾図柄80Bが変動表示される位置は同じである(
図24(a)参照)。
【0102】
表示領域911Aには装飾図柄80Aの背景として背景画像10Aが表示され、表示領域911Bには装飾図柄80Bの背景として背景画像10Bが表示される(
図24(a)参照)。ただし、背景画像10Aおよび背景画像10Bは、常態(後述する背景示唆演出が発生していない状態)においては、態様が同じである。背景画像10Aおよび背景画像10Bは動画であってもよいが、常態において両者はあらゆる時点において態様が同じとなるように変化する。背景画像10Aおよび背景画像10Bは、間違い探しモードでしか表示されないものである(間違い探しモード専用の背景画像である)。本実施形態では、背景画像10Aおよび背景画像10Bとして所定のキャラクタを含む画像が表示される。
【0103】
装飾図柄80Aが変動表示される領域は、表示領域911Aの半分未満である。同様に、装飾図柄80Bが変動表示される領域は、表示領域911Bの半分未満である。つまり、背景画像10Aや背景画像10Bの半分以上は装飾図柄80に覆われないように露出した状態とされる。上述した通り、本実施形態における背景画像10Aおよび背景画像10Bは所定のキャラクタを含むものであるところ、装飾図柄80Aおよび装飾図柄80Bは当該キャラクタの顔に重ならない範囲で変動表示される(
図24(a)参照)。
【0104】
このように構成されているため、表示領域911Aに表示される演出画像A(装飾図柄80Aと背景画像10Aを合わせたものをいう)と、表示領域911Bに表示される演出画像B(装飾図柄80Bと背景画像10Bを合わせたものをいう)は、常態(後述する図柄示唆演出や背景示唆演出が発生していない状態)では態様が全く同じであり、一方を他方に向けてスライドさせると両者は完全に一致する(
図24(a)参照)。なお、演出画像Aや演出画像Bに含まれない要素が表示領域911に表示されていてもよい(当該要素は演出画像Aと演出画像Bの違い(相違点)に相当するものではない)。「間違い探し」の対象ではないことが明らかなもの、例えば、単なる情報を表すもの、表示領域911Aと表示領域911Bに跨って表示されるもの、間違い探しモード以外でも表示されるような画像等は、間違い探しの対象ではない。本実施形態における間違い探しモードでは、所定期間中(例えば変動開始から一定時間)に「間違いを探せ」の文字(タイトル)が表示領域911Aと表示領域911Bに跨って表示される(
図24(a)参照)が、これは間違い探しの対象ではない。また、変動中表示71や変動前表示72も間違い探しの対象ではない。本実施形態における間違い探しモードでは、表示領域911Aや表示領域911Bとは別に、変動中表示71や変動前表示72が表示される領域(保留用領域)が確保される。このような保留用領域が設けられていない構成(変動中表示71や変動前表示72が表示領域911Aおよび表示領域911Bに跨って表示されたり、一方の領域に重ねて表示されたりする構成)としてもよい。
【0105】
間違い探しモードは、対象当否抽選結果についての変動中(対象変動中)に、演出画像Aと演出画像Bに違い(相違点)が生じる可能性があるものである。以下、演出画像Aと演出画像Bに違いが生じる変動を「相違発生変動」と、違いが生じない変動を「相違非発生変動」と称する。本実施形態では、対象変動が「相違発生変動」となることは、対象当否抽選結果が大当たりである場合にしか発生しない。つまり、演出画像Aと演出画像Bに違いが生じると大当たり確定である。一方、本実施形態では、対象当否抽選結果がはずれとなる場合には、対象変動は「相違非発生変動」となる。したがって、間違い探しモードでは、遊技者は表示領域911の左側と右側を見比べながら、「違い」(相違点)が生じていないかを探すこととなり、それを見つけた場合には大当たりが確定することになる。遊技者視点でいえば、相違発生変動であっても演出画像Aと演出画像Bの違いを見つけることができるとは限られないから、違いが見つからなくても対象変動が大当たりとなる可能性はあるということになる。このように、間違い探しモードは、演出画像Aと演出画像Bに違いを生じさせる演出が、当否抽選結果を示唆する演出として機能するモードである。
【0106】
相違発生変動(当たり変動)では、演出画像Aと演出画像Bの「違い」が生じた(
図24(b-1)参照)後、当否抽選結果が大当たりであることを報知する画像(確定報知画像)が表示される(
図24(c-1)参照)。なお、演出画像Aと演出画像Bの「違い」が生じるタイミングは遊技者に予測できない不定タイミングである(予め定められたある一つのタイミングで「違い」が生じるものではない)。また、相違発生変動においては、実際に「違い」が発生した後、演出画像Aと演出画像Bのどこに違いが生じていたのか、すなわち間違い探しの「答え」が示される(
図24(c-1)参照)。なお、本実施形態では、表示領域911Aと表示領域911Bの区分けがなくなって(区切線画像11が消去されて)大当たりであることが報知される。つまり、装飾図柄80Aと装飾図柄80Bの区別がなくなった装飾図柄80の当たり組み合わせが表示される(
図24(c-1)参照)。
【0107】
相違非発生変動は、演出画像Aと演出画像Bが同一である状態(「違い」が生じない状態)が保たれたままとされる(
図24(b-2)、(c-2)参照)。変動終了時には、装飾図柄80Aによるはずれ組み合わせおよび装飾図柄80Bによるはずれ組み合わせが表示される(
図24(c-2)参照)。遊技者が相違発生変動にて「違い」を見つけても見つけなくても対象当否抽選結果が大当たりであることに変わりはないのであるから、当該「違い」を見つけるかどうかは、実質的な利益(出玉の期待値)に影響を及ぼすものではない。「違い」を見つけることで、大当たりであることを前もって知る(確定報知画像が表示されるよりも前に知る)ことができるということである。
【0108】
演出画像Aと演出画像Bの「違い」として生じる可能性がある候補の事象(演出)として複数の事象(演出)が設けられている(
図25参照)。相違発生変動を実行するのであれば、複数の候補の事象(演出)のうちのいずれを実際に発生させるかを抽選(均等抽選)により決定する。
【0109】
相違発生変動となる場合、演出画像Aと演出画像Bの「違い」が、背景画像10(背景画像10Aと背景画像10B)に生じることがある。つまり、演出画像Aと演出画像Bの違いが装飾図柄80の背景に生じることで当否抽選結果を示唆する背景示唆演出が発生することがある。本実施形態では、背景示唆演出として、背景画像10Aに何らかの変化が生じることが発生し、それが背景画像10Aと背景画像10Bの「違い」となる。いわゆる「間違い探し」であることに照らせば、遊技者はキャラクタ等を含む背景に「違い」が生じると想定するであろうから(背景に違いが生じていないか探すのが通常である)から、後述する図柄示唆演出と比較して、背景示唆演出がもたらす「違い」は遊技者が見つけ出すことが容易であるといえる。背景示唆演出として発生する事象(背景画像10Aに生じる変化)の例を
図25に示す。なお、背景示唆演出が発生している状態においては装飾図柄80Aと装飾図柄80Bに違いは生じない(背景示唆演出と一緒に後述する図柄示唆演出は発生しない)。
【0110】
本実施形態では、演出画像Aと演出画像Bの「違い」が、装飾図柄80(装飾図柄80Aと装飾図柄80B)に生じる可能性もある。つまり、演出画像Aと演出画像Bの違いが装飾図柄80自体に生じることで当否抽選結果を示唆する図柄示唆演出が発生することもある(
図25参照)。上述した通り、遊技者はキャラクタ等を含む背景に注目しているであろうから、図柄示唆演出は背景示唆演出に比して見つけにくい演出(事象)であるといえる。
【0111】
図柄示唆演出について説明する。対象変動を相違発生変動とすることが決定され、当該対象変動にて図柄示唆演出を実行すること(「違い」を背景画像10ではなく装飾図柄80に生じさせること)が決定された場合、実行タイミングを決定する。一の変動演出中における一または複数のタイミングが図柄示唆演出が発生する可能性がある候補タイミングとされており、そのうちのいずれかを実際に図柄示唆演出を実行(開始)する実行タイミングとする。本実施形態では、変動開始1秒後、変動開始5秒後、変動開始10秒後、変動開始15秒後、変動開始23秒後、変動開始27秒後が候補タイミングとされており、図柄示唆演出を実行することが決定された場合には、当該複数の候補タイミングのいずれを実行タイミングとするかを抽選により決定する。例えば、変動開始15秒後を実行タイミングとすることが決定された場合には、変動開始15秒後~16秒後の期間中、装飾図柄80Aを常態よりも小さく表示する。なお、候補タイミングは前もって遊技者に示されるものではない。このような候補タイミングを複数設けることにより、図柄示唆演出を見つけることがある程度難しくなるようにしている。
【0112】
図柄示唆演出(
図26参照)は、実行タイミングにおいて、装飾図柄80Aには遊技者に視認可能な変化(以下、特殊変化と称する)が発生するものの、装飾図柄80Bは特殊変化が生じずそのまま継続的に変動し続けるというものである。つまり、対象変動(相違発生変動)にて、実行タイミングに到達するまでは装飾図柄80Aおよび装飾図柄80Bが同じ態様で変動表示されている(
図26(a)参照)ところ、実行タイミングに到達したときに装飾図柄80Aには特殊変化が生じるが、装飾図柄80Bには当該特殊変化は生じずそれまでの変動表示が継続される(
図26(b)参照)というものである。なお、特殊変化は一時的なものである。よって、特殊変化が終了した後は、装飾図柄80Aおよび装飾図柄80Bが同じ態様で変動表示されている状態に戻る(
図26(c)参照)。その後、確定報知画像が表示されて大当たりであることが遊技者に報知される(
図26(d)参照)。
【0113】
本実施形態では、図柄示唆演出として、実行タイミングにおいて装飾図柄80Aの大きさが一時的に変化することが特殊変化として発生する。実行タイミングに到達する前は、装飾図柄80Aと装飾図柄80Bの大きさは全く同じである(同じ種類(数字)の装飾図柄80は完全に一致する)(
図26(a)参照)ところ、実行タイミングにおいて装飾図柄80Aの大きさが一時的に変化する。本実施形態では、1秒間、装飾図柄80Aの大きさが小さくなる(
図26(b)参照)。このように、装飾図柄80Aと装飾図柄80Bの大きさが一時的に異なる状態となることが、演出画像Aと演出画像Bの「違い」(間違い探しの対象)として生じることとなる。「違い」が生じたことを容易に見つけ出すことができないようにするため、図柄示唆演出(特殊変化)の実行時間は本実施形態のように短くすることが好ましい。
【0114】
図柄示唆演出の実行タイミングにおいて装飾図柄80Aと装飾図柄80Bの背景は同じである。すなわち、図柄示唆演出の実行中(特殊変化が発生している最中)は、背景画像10Aと背景画像10Bに相違はない(
図26(b)参照)。図柄示唆演出は、間違い探しの対象である演出画像Aと演出画像Bの違いを「装飾図柄80」に生じさせるというものであるから、背景には違いが生じないようにする。
【0115】
なお、特殊変化として、装飾図柄80Aの大きさが一時的に大きくなることが発生してもよい。ただし、本実施形態のように、装飾図柄80Aの大きさが一時的に小さくなる特殊変化(
図26(b)参照)とした方が、遊技者が「見つけにくい」事象になるといえる(「間違い探し」として難しくなる)。演出画像Aと演出画像Bの違いを装飾図柄80に生じさせることは背景画像10に生じさせることに比して遊技者が「見つけにくい」事象であるといえるところ、本実施形態のように装飾図柄80Aの大きさが一時的に小さくなる特殊変化とすることで、「見つけにくさ」の程度をさらに高めることができる。
【0116】
このように、本実施形態にかかる遊技機1の間違い探しモードは、遊技者が注目しているであろう背景画像10ではなく、装飾図柄80に「違い」が生じる(図柄示唆演出が発生する)こともあるという面白みのあるものである。
【0117】
以下、上記間違い探しモード(特定演出モード)に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0118】
〇具体例3-1
特殊変化として、装飾図柄80Aの全てではなく、一部のみ大きさが変化する図柄示唆演出が発生するものとする(
図27参照)。つまり、実行タイミングにおいて、表示領域911Aに表示される複数の装飾図柄80のうち、一部のみが大きさが変化し、他の一部は変化しない(維持される)ものとする。例えば、表示領域911Aに表示される三つの装飾図柄群80gのうち、中装飾図柄群80gCに含まれる装飾図柄80の大きさは小さくなるが、他の装飾図柄80は維持されるものとする(
図27(b)参照)。このようにすることで、(上記実施形態のようにするよりも)遊技者が発生していることに気づきにくい図柄示唆演出(特殊変化)となる。
【0119】
〇具体例3-2
対象変動が相違発生変動となっても(背景示唆演出や図柄示唆演出が発生しても)対象当否抽選結果が大当たりになるとは限られない(信頼度が100%ではない)設定としてもよい。背景示唆演出や図柄示唆演出が発生した場合には、発生しない場合に比して、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるが、大当たりになるとは限られない(いわゆるチャンスアップに留まる)設定としてもよい。
【0120】
〇具体例3-3
一の変動(相違発生変動)において、演出画像Aと演出画像Bに「違い」が生じることが、二回以上発生しうる構成とする。例えば、一の変動において、装飾図柄80Aに特殊変化が生じる図柄変化演出が二回以上発生する(装飾図柄80Aに特殊変化が生じ、装飾図柄80Aが元に戻った後、再度装飾図柄80Aに特殊変化が生じる)ことがある構成とする。このようにすることで、あるタイミングにおいて演出画像Aと演出画像Bに「違い」が生じたことを見落としたとしても、別のタイミングで「違い」が生じたことに気付く可能性がある遊技性となる。
【0121】
具体例3-2のように、相違発生変動となっても対象当否抽選結果が大当たりになるとは限られない構成(信頼度が100%ではない構成)とするのであれば、演出画像Aと演出画像Bに「違い」が生じた回数が多くなるほど信頼度が高くなるような設定としてもよい。例えば、装飾図柄80Aに特殊変化が生じる回数(図柄示唆演出の回数)が多いほど、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(遊技者に有利な事象が発生する蓋然性)が高い設定とする。このようにすることで、「違い」の発生回数にも遊技者が注目するであろう間違い探しモードとなる。
【0122】
〇具体例3-4
対象変動が相違非発生変動となっても対象当否抽選結果が大当たりとなる可能性がある設定とする。すなわち、対象当否抽選結果が大当たりとなる場合には、必ず対象変動が相違発生変動となるというわけではなく、相違非発生変動となる可能性もある設定とする。このようにすることで、背景示唆演出や図柄示唆演出が発生しなくても対象当否抽選結果が大当たりとなることに期待がもてる間違い探しモードとなる。
【0123】
〇具体例3-5
背景示唆演出や図柄示唆演出は、大当たり以外の遊技者に有利な事象が発生することを示唆するものとして機能してもよい。例えば、大当たり遊技中(ラウンド中)に発生しうるものとしてもよい。すなわち、大当たり遊技中に遊技者に対し間違い探しを促す画像(演出画像A、演出画像B)が表示され、発生しうる「違い」(間違い)として背景に違いが生じることや、装飾図柄80に違いが生じることが設けられているものとする。なお、大当たり遊技においては、大当たりであることを示す装飾図柄80の当たり組み合わせ(同じ種類の装飾図柄80の三つ揃い)が、表示領域911Aと表示領域911Bのそれぞれに表示される(二組表示される)ようにし、図柄示唆演出として当該当たり組み合わせを構成する装飾図柄80に「違い」(特殊変化)が生じうるものとする。
【0124】
〇具体例3-6
上記実施形態における図柄示唆演出は、装飾図柄80Aに特殊変化が生じるものである(装飾図柄80Bに特殊変化は生じないものである)ことを説明したが、装飾図柄80Aに特殊変化が生じることもあれば、装飾図柄80Bに特殊変化が生じることもある構成としてもよい。このようにすることで、装飾図柄80Aおよび装飾図柄80Bのどちらに特殊変化が生じるか不定であるから、図柄示唆演出の発生を見つけにくい間違い探しモードとなる。ただし、上記実施形態のように、特殊変化が装飾図柄80Aには発生するが装飾図柄80Bには発生しないようにすることで、図柄示唆演出の発生が比較的見つけやすい間違い探しモードになるといえる。
【0125】
〇具体例3-7
装飾図柄80Aの特殊変化が発生しうるタイミングが一箇所のみである(実行タイミングが決まっている)とする。例えば、装飾図柄80Aの特殊変化は、決まって変動開始から10秒後に発生するものとする。ただし、上記実施形態のように複数の候補タイミングを設けた方が、図柄示唆演出の発生が見つけにくい間違い探しモードになるといえる。
【0126】
〇具体例3-8
上記実施形態では特殊変化(図柄示唆演出)として装飾図柄80Aの大きさの変化が発生することを説明したが、当該装飾図柄80Aの大きさの変化に代えて、または、加えて、特殊変化(図柄示唆演出)として例えば以下のような変化が発生するものとすることが考えられる。
(イ)擬似停止
装飾図柄80Aが一時的に擬似停止することが特殊変化として発生する。すなわち、実行タイミングにおいて、装飾図柄80Aは一時的(例えば1秒程度)に擬似停止するが、装飾図柄80Bはそのまま継続的に変動表示される図柄示唆演出とする(
図28(a)参照)。
実行タイミングにおいて、装飾図柄80Aにより構成される一部の装飾図柄群80g(例えば、右装飾図柄群80gR)のみ一時的に擬似停止する構成としてもよい(
図28(b)参照)。このようにすることで、いわゆる擬似連として発生したものではないことが明確になる(一般的な擬似連は全ての装飾図柄群が擬似停止するものであるため、これとの違いを明確にするため一部の装飾図柄群80gのみ擬似停止するようにする)。
(ロ)色変化
装飾図柄80Aの色が一時的に変化することが特殊変化として発生する。すなわち、実行タイミングにおいて、装飾図柄80Aは一時的(例えば1秒程度)に常態とは異なる色に変化するが、装飾図柄80Bはそのまま常態の色(変動開始時の色)が維持される図柄示唆演出とする(
図29(a)参照)。
実行タイミングにおいて、一部の装飾図柄80Aのみ常態とは異なる色に変化するようにしてもよい。このようにすることでより見つけにくい特殊変化となる。このようにする場合には、予め定められた特定の種類の装飾図柄80の色が変化するようにするとよい(
図29(b)参照)。例えば、リーチが成立したとき最も高信頼度となる装飾図柄80(「7」の装飾図柄80)のみ色が変化することが特殊変化として発生するようにする。
(ハ)変動方向変化
装飾図柄80Aの変動方向が一時的に変化することが特殊変化として発生する。例えば、常態における装飾図柄80Aおよび装飾図柄80Bの変動方向が「下」であるとし、実行タイミングにおいて、装飾図柄80Aは一時的(例えば3秒程度)に常態とは異なる「上」方向に変動するが、装飾図柄80Bはそのまま「下」方向に継続的に変動し続ける図柄示唆演出とする(
図30(a)参照)。
実行タイミングにおいて、一部の装飾図柄80Aのみ常態とは異なる方向に変動する(例えば、中装飾図柄群80gCおよび右装飾図柄群80gRは「下」方向に変動したままであるが、左装飾図柄群80gLは「上」方向に変動する)ようにしてもよい(
図30(b)参照)。このようにすることで、装飾図柄80Aとして表示される複数の装飾図柄群80g(装飾図柄80A)どうしで変動方向が異なる(装飾図柄80Aの変動態様が違和感のあるものになる)ため、表示領域911Aだけを見ていても特殊変化に気付く蓋然性が高い演出形態となる。
(ニ)表示位置変化
装飾図柄80Aの表示位置が一時的に変化することが特殊変化として発生する。例えば常態においては表示領域911Aの下側(上下方向中央よりも下)にて変動表示されている装飾図柄80Aが、表示領域911Aの上側(上下方向中央よりも上)で変動表示されることが一時的(例えば3秒程度)に生じるものとする(
図31(a)参照)。装飾図柄80Bは、そのまま同じ位置で変動表示され続けるため、表示領域911Aにおける装飾図柄80Aの変動表示位置と、表示領域911Bにおける装飾図柄80Bの変動表示位置が「違い」として表れる図柄示唆演出となる。
実行タイミングにおいて、一部の装飾図柄80Aのみ常態とは異なる位置に表示される(例えば、左装飾図柄群80gLおよび右装飾図柄群80gRは表示領域911Aの下側に表示されたままであるが、中装飾図柄群80gCは表示領域911Aの上側に表示される)ようにしてもよい(
図31(b)参照)。このようにすることで、装飾図柄80Aとして表示される複数の装飾図柄群80g(装飾図柄80A)どうしで表示位置が異なる(装飾図柄80Aの表示位置が違和感のあるものになる)ため、表示領域911Aだけを見ていても特殊変化に気付く蓋然性が高い演出形態となる。
実行タイミングにおいて、特殊変化として、表示領域911Bに「三つの装飾図柄群80gを含む装飾図柄組」が表示領域911Bに二組表示されることが発生しうるものとしてもよい(
図32参照)。すなわち、表示領域911Aに表示されていた装飾図柄80Aが(
図32(a)参照)、あたかも表示領域911Bに移動した(
図32(b)参照)かのように見える図柄示唆演出が発生するようにしてもよい。このようにすることで、特殊変化に気付きやすい演出形態となる。
(ホ)突然消去
装飾図柄80Aが一時的に消えることが特殊変化として発生する。すなわち、実行タイミングにおいて、装飾図柄80Aは一時的(例えば3秒程度)に表示領域911Aから消去される(当然、表示領域911Bにも表示されない)が、装飾図柄80Bは表示領域911Bにてそのまま変動表示され続ける図柄示唆演出とする(
図33(a)参照)。
実行タイミングにおいて、一部の装飾図柄80Aのみ消去される(例えば、左装飾図柄群80gLおよび右装飾図柄群80gRは表示領域911Aにて継続的に変動表示されるが、中装飾図柄群80gCは一時的に消える)ようにしてもよい(
図33(b)参照)。このようにすることで、装飾図柄80Aとして表示される複数の装飾図柄群80g(装飾図柄80A)のうちの一部のみが消えることになるため、表示領域911Aだけを見ていても特殊変化に気付く蓋然性が高い演出形態となる。
(ヘ)リーチ成立
装飾図柄80Aによってリーチが成立する(三つの装飾図柄群80gのうちの二つから選択されて示されたものが同種となる)ことが特殊変化として発生する。すなわち、実行タイミングにおいて、表示領域911Aにおいては装飾図柄80Aによるリーチが成立するが、表示領域911Bにおいては装飾図柄80Bによるリーチが成立していない(そのまま継続的に変動表示される)ようにされる(
図34参照)。つまり、リーチの成立の有無が、演出画像Aと演出画像Bの「違い」として表れるようにする。このようにすることで、特殊変化に気付きやすい演出形態となる。
【0127】
特殊変化として二種以上の変化が発生しうるようにするのであれば、各種特殊変化が発生しうる候補タイミングは異なっていてもよい。例えば、装飾図柄80Aの大きさが一時的に変化する特殊変化は、変動開始1秒後、変動開始5秒後、変動開始10秒後、変動開始15秒後、変動開始23秒後、変動開始27秒後が候補タイミングとされるが、装飾図柄80Aが一時的に擬似停止する特殊変化は、変動開始3秒後、変動開始8秒後、変動開始13秒後、変動開始18秒後、変動開始26秒後、変動開始30秒後が候補タイミングとされるようにする。このようにすることで、特殊変化の発生が予測しにくい演出形態となる。
【0128】
特殊変化として二種以上の変化が発生しうるようにしつつ、かつ、具体例3-2のように相違発生変動となっても対象当否抽選結果が大当たりになるとは限られない構成(信頼度が100%ではない構成)とするのであれば、発生した特殊変化の種類によって信頼度が異なる設定としてもよい。例えば、装飾図柄80Aの大きさが一時的に変化することが特殊変化として発生する相違発生変動となった場合よりも、装飾図柄80Aが一時的に擬似停止することが特殊変化として発生する相違発生変動となった場合の方が、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(遊技者に有利な事象が発生する蓋然性)が高い設定とする。このようにすることで、特殊変化が発生した場合にはその種類(内容)にも遊技者が注目するであろう間違い探しモードとすることができる。
【0129】
〇具体例3-9
上記実施形態では、図柄示唆演出(特殊変化)の実行タイミングにおいては装飾図柄80Aと装飾図柄80Bの背景に違いはない(すなわち背景示唆演出が実行されない)ことを説明したが、図柄示唆演出(特殊変化)の実行タイミングにおいて、装飾図柄80Aと装飾図柄80Bの背景に違いが生じる構成としてもよい(
図35参照)。このように図柄示唆演出の発生に伴って背景にも違いが生じるようにすれば、演出画像Aと演出画像Bに「違い」が生じていることが見つけやすいといえる。
【0130】
ただし、本例のようにすると、背景の違いが目立ってしまい、装飾図柄80Aと装飾図柄80Bに生じている違いに遊技者が気付かないというおそれ(図柄示唆演出を発生させている意味がなくなってしまうおそれ)がある。このようなおそれを無くすのであれば、上記実施形態のように、図柄示唆演出の実行タイミングにおいては背景に違いが生じないようにするとよい。
【0131】
〇具体例3-10
図柄示唆演出として、特殊変化が最後まで継続するものが発生しうる構成とする。上記実施形態のように、装飾図柄80Aが常態よりも小さくなることが特殊変化として発生するのであれば、装飾図柄80Aが小さくなった状態が最後まで継続するものとする。なお、ここでいう「最後まで」とは、表示領域911Aと表示領域911Bの区別がなくなる時点まで(区切線画像11が消去されるまで)をいう。つまり、「間違い探し」が終了したことが明らかになるまでをいう。
【0132】
本例のようにすることで、間違い探しが終了するまで、装飾図柄80Aと装飾図柄80Bに「違い」が生じていることが示されることになるから、当該「違い」に遊技者が気付く蓋然性が高い間違い探しモードとなる。また、対象変動(相違発生変動)における特殊変化(図柄示唆演出)の実行タイミングが早いほど当該「違い」が生じている状態が長くなる(「違い」が生じていることに遊技者が気付きやすい)といえる。
【0133】
〇具体例3-11
上記実施形態における間違い探しモードでは、相違発生変動が発生した際には、演出画像Aと演出画像Bのどこに違いが生じていたのか、すなわち間違い探しの「答え」が示されることを説明したが、相違発生変動にて図柄示唆演出が発生する場合(特殊変化によって装飾図柄80Aと装飾図柄80Bに「違い」が生じる場合)には間違い探しの「答え」が示されない構成とする。すなわち、背景示唆演出が発生した場合(背景画像10Aと背景画像10Bに違いが生じる場合)には間違い探しの「答え」が示されるが、図柄示唆演出が発生した場合には間違い探しの「答え」が示されないようにする。
【0134】
一般的に「間違い探し」は、キャラクタ等を表す映像に生じるものであり、当否抽選結果を示すものとして表示される図柄に生じることは通常ではないといえるから、図柄示唆演出(特殊変化)の発生は「間違い探しの答え」として示されないようにする(図柄に「違い」が生じることは、「隠れ演出」(裏演出)として取り扱うため、「答え」として示さない)。
【0135】
〇具体例3-12
対象当否抽選結果が大当たりとなる場合、装飾図柄80Aによる当たり組み合わせ(当たり組み合わせA)が表示領域911Aに、装飾図柄80Bによる当たり組み合わせ(当たり組み合わせB)が表示領域911Bに表示されるようにする(
図36(a)参照)。つまり、表示領域911Aと表示領域911Bの両方に当たり組み合わせが表示されて大当たりが報知されるようにする。
【0136】
本例のようにする場合、当たり組み合わせとされた装飾図柄80に特殊変化が生じる可能性があるようにしてもよい(
図36(b)参照)。すなわち、当たり組み合わせを構成する装飾図柄80Aに特殊変化が生じることで、当たり組み合わせを構成する装飾図柄80Bとの間に「違い」が生じることがある(
図36(b-1)参照)ようにする。このような当たり組み合わせに「違い」が生じた場合(
図36(b-1)参照)には、「違い」が生じなかった場合(
図36(b-2)参照)に比して、その後遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が高い設定とすればよい。例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が遊技者に有利なものとなる蓋然性は、装飾図柄80Aに特殊変化が生じた場合の方が、装飾図柄80Aに特殊変化が生じない場合よりも高い設定とする。このように、当たり組み合わせAと当たり組み合わせBが表示されるのであれば、それを利用して遊技者に有利な事象が発生する蓋然性を示唆することができる。
【0137】
〇具体例3-13
記憶手段に記憶されている当否抽選情報の状況を示す変動前表示72および変動中表示71が、表示領域911Aおよび表示領域911Bの両方に表示される(二組表示される)ものとする(
図37(a)参照)。すなわち、演出画像Aに含まれるものとして変動前表示72Aおよび変動中表示71Aが、演出画像Bに含まれるものとして変動前表示Bおよび変動中表示71Bが表示されるものとする。このようにすることで、常態において変動前表示72および変動中表示71を含めて全く同じ態様の二つの画像(演出画像A、演出画像B)が表示される(当否抽選情報の増減が表示領域911Aおよび表示領域911Bの両方に反映される)間違い探しモードとなる。
【0138】
本例のようにする場合、演出画像Aと演出画像Bの「違い」として(間違い探しの対象として)変動前表示72および変動中表示71が用いられることがない構成としてもよいし、用いられる可能性がある構成としてもよい。後者のような構成とするのであれば、「変動前表示72Aおよび変動中表示71A」と「変動前表示72Bおよび変動中表示71B」の態様に違いが生じうることになる。例えば
図37(b)に示すように、変動前表示72Aおよび変動中表示71Aのいずれかが特殊表示態様70sとなる変化が生じるものの、変動前表示72Bおよび変動中表示71Bには変化が生じないような演出が発生しうるものとする。変動前表示72や変動中表示71が間違い探しの対象となることは想定しにくいであろうから、意外性のある演出結果が生じうるようにすることを重視するのであれば、変動前表示72および変動中表示71が間違い探しの対象となる可能性がある構成とすればよい。
【0139】
一方、変動前表示72および変動中表示71は当否抽選情報の数を表す「情報表示」であるから、情報表示としての正確性を重視するのであれば変動前表示72および変動中表示71は間違い探しの対象となることはない構成(
図37(b)のような状態は生じない)とすればよい。すなわち、常に、表示領域911Aに表示される当否抽選情報の表示と、表示領域911Bに表示される当否抽選情報の表示は一致するようにすればよい。記憶手段に記憶されている当否抽選情報の数に増減があるのであれば、表示領域911Aおよび表示領域911Bの両方に当該増減が反映されるようにし、表示領域911Aに表示される情報と表示領域911Bに表示される情報に齟齬が生じないようにする。このようにした場合、当然ではあるが、図柄示唆演出が発生している状態においても、表示領域911Aに表示される当否抽選情報の表示と、表示領域911Bに表示される当否抽選情報の表示は一致していることとなる。
【0140】
<キャラクタSと遊技状態>
本実施形態にかかる遊技機1では、変動演出を構成する演出として、所定のキャラクタの画像(以下、当該キャラクタを「キャラクタS」と、当該キャラクタSを表した部分を含む画像をキャラクタ画像S(図面において「S」を付して示す)と称する(なお、「S」は当該キャラクタおよびそれに関連する各種事項を特定する(グループ化する)ためのものであり、それ自体が何らかの意味を持つものではない。)。)が表示されることがある。キャラクタSはどのようなものであってもよい。一例として、遊技機1のモチーフとなった作品(漫画等)に登場するキャラクタであることが想定される。キャラクタ画像Sとして複数種の画像(キャラクタSの態様が異なる画像)が表示されるが、各種画像はキャラクタS(同じキャラクタ)を表した部分を含むものであることを遊技者が把握可能な態様であればよい。また、二以上のキャラクタSを含むもの(例えば、キャラクタSが群で表示されるもの)が各種キャラクタ画像Sとされた構成としてもよい。以下の説明においては、複数種のキャラクタ画像Sのいずれかが表示される演出を画像演出Sとする。
【0141】
通常遊技状態(
図3参照)においては、キャラクタ画像Sの一種である通常キャラクタ画像S21(
図38(b)参照)が表示されることがある。すなわち、通常遊技状態では、変動演出を構成する演出として、通常キャラクタ画像S21が表示される画像演出S(以下、通常画像演出Sと称する)が発生することがある。通常キャラクタ画像S21は、後述する特定キャラクタ画像S22とは態様が異なるものであって、特定遊技状態では表示されることがないもの(通常遊技状態専用のキャラクタ画像S)である。
【0142】
特定遊技状態(
図3参照)においては、キャラクタ画像Sの一種である特定キャラクタ画像S(
図39(b)参照)が表示されることがある。すなわち、特定遊技状態では、変動演出を構成する演出として、特定キャラクタ画像S22が表示される画像演出S(以下、特定画像演出Sと称する)が発生することがある。特定キャラクタ画像S22は、上述した通常キャラクタ画像S21とは態様が異なるものであって、通常遊技状態では表示されることがないもの(特定遊技状態専用のキャラクタ画像S)である。
【0143】
通常遊技状態において、通常画像演出Sは、対象当否抽選結果が大当たりとなる変動(当たり変動)で発生することがある(
図38(a)(b)(c-1)参照)し、対象当否抽選結果がはずれとなる変動(はずれ変動)でも発生することがある(
図38(a)(b)(c-2)参照)。つまり、通常画像演出Sは、ある変動にて発生しても、当該変動に対応する当否抽選結果が大当たりとなること(大当たり(遊技)という特典が付与されること)が確定するものではない。なお、通常画像演出Sは、全ての変動において発生するような演出ではなく(一変動あたりの発生確率が100%ではなく)、対象変動にて発生しない場合よりも発生した場合の方が、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高いというものである(いわゆるチャンスアップ演出の一種である)。また、通常遊技状態において態様が異なる二種以上の通常キャラクタ画像S21が表示されうるものとしてもよいが、いずれの通常キャラクタ画像S21が表示された場合でも大当たりは確定しないようにされる(キャラクタSがどのような態様で表示されても、大当たり確定変動はない)。
【0144】
一方、特定遊技状態において、特定画像演出Sは、対象当否抽選結果が大当たりとなる変動(当たり変動)でしか発生することがない(
図39参照)。すなわち、対象当否抽選結果がはずれとなる変動(はずれ変動)で発生することがない。よって、特定画像演出Sは、ある変動にて発生した場合には、当該変動に対応する当否抽選結果が大当たりとなること(大当たり(遊技)という特典が付与されること)が確定する(信頼度100%の演出である)。なお、特定画像演出Sは、当たり変動であれば必ず発生するような演出ではない(一回の当たり変動あたりの発生確率が100%ではない)。また、特定遊技状態において態様が異なる二種以上の特定キャラクタ画像S22が表示されうるものとしてもよいが、いずれの特定キャラクタ画像S22が表示された場合でも大当たりが確定するようにされる(キャラクタSがどのような態様で表示されても、大当たりが確定するものとされる)。
【0145】
本実施形態にかかる遊技機1は、公知の遊技機と同様に、当たり変動においては、当否抽選結果が大当たりであること(特定の付与)が確定する確定画像20pが表示されることがある。このような確定画像20pとして、態様が異なる複数種の画像が設けられている(いずれの確定画像20pもキャラクタSを含むものではない)。複数種の確定画像20pは、いずれも、画像を構成する要素として確定色の画像要素を含む。一般的な遊技機においては、虹色(レインボー)の画像が表示された場合には大当たりが確定することが知られているところ、本実施形態においても虹色が確定色とされ、当該虹色の画像要素を含むものが確定画像20pとして設定されている(
図40参照)。遊技者は、どの種の確定画像20pが表示された場合でも、大当たりが確定したことを把握する。
【0146】
ただし、上記特定キャラクタ画像S22(特定キャラクタ画像S22)は、確定色(虹色)の画像要素を含むものではない(キャラクタSを表す画像要素の内側およびその周囲に、確定色の画像要素が一切存在しないということを意味する)(
図39(b)参照)。つまり、特定キャラクタ画像S22は、確定色の画像要素が表示されるために大当たりが確定したことを遊技者に示すようなものではない(特定キャラクタ画像S22は、表示された場合には大当たりが確定するという点では複数種の確定画像20pと同じであるが、確定色により大当たり確定を示すというものではない)。
【0147】
また、特定キャラクタ画像S22が表示されている最中に、対象当否抽選結果が大当たりであることを示すような文言等は表示されない。例えば、「おめでとう」といった文言(確定文言)を表示することで当否抽選結果が大当たりであること示す大当たり確定演出(プレミア演出)が周知であるところ、キャラクタSと一緒にこのような確定文言は表示されない。
【0148】
このように構成されているため、キャラクタSは、通常遊技状態では大当たり(特典付与)が確定したことを示すものではないが、特定遊技状態では大当たり(特典付与)が確定したことを示すものとして機能する。つまり、本実施形態にかかる遊技機1は、通常遊技状態からそれよりも有利な特定遊技状態に移行することに伴い、キャラクタSが「大当たり非確定キャラ(非プレミアキャラ)」から「大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)」に昇格するという面白みのある遊技性(世界観)を実現するものである。
【0149】
以下、上記キャラクタSと遊技状態に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0150】
〇具体例4-1
通常遊技状態にて当否抽選に当選することで獲得した大当たり(いわゆる初当たり)が特定大当たり(
図41(a)参照)であり、その大当たり遊技(
図41(b)参照)終了後に特定遊技状態に移行する(
図41(c)参照)ことが決まった際に、キャラクタSを表した要素を含む示唆キャラクタ画像S24が表示されるものとする。例えば、初当たりとして獲得した特定大当たりの大当たり遊技中に示唆キャラクタ画像S24が表示される(
図41(b)参照)ようにすることが考えられる。示唆キャラクタ画像S24は、通常キャラクタ画像S21や特定キャラクタ画像S22とは異なる態様のものである。また、示唆キャラクタ画像S24は、大当たり遊技終了後に特定遊技状態に移行しない大当たり(通常大当たり)では表示されないものとする。また、示唆キャラクタ画像S24は、初当たりを報知した変動にて通常画像演出Sが実行されている(通常キャラクタ画像S21が表示されている)かどうかは関係なく表示されるものとする。
【0151】
上述した通り、通常遊技状態から特定遊技状態に移行することに伴い、キャラクタSは「大当たり非確定キャラ(非プレミアキャラ)」から「大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)」に昇格するものである。これを示唆するため、初当たりとなる特定大当たりの大当たり遊技中に示唆キャラクタSが表示されるようにする。
【0152】
初当たりではない特定大当たり(特定遊技状態にて当否抽選に当選することで獲得した特定大当たり)の大当たり遊技中には示唆キャラクタ画像S24が表示されないようにしてもよいし、これとは逆に表示されるようにしてもよい。初当たりではないのであれば既に特定遊技状態に移行しているのであるから、改めて示唆キャラクタ画像S24を表示する必要はないとするのであれば前者のような構成とすればよい。一方、大当たり遊技終了後特定遊技状態に移行するのであれば、初当たりに限らず(毎回)示唆キャラクタ画像S24を表示して上記示唆が行われるようにした方がよいと考えるのであれば後者のような構成とすればよい。
【0153】
〇具体例4-2
上述した通り、通常遊技状態にて発生する通常画像演出Sは大当たり確定の演出ではないが、大当たりとなることにかなり期待がもてる高信頼度の演出であるとする。具体的には、対象変動にて通常画像演出Sが発生した場合の対象当否抽選結果の信頼度は50%以上である設定とする。このようにすることで、キャラクタSは、通常遊技状態にあるときから(大当たり確定ではないが)大当たりとなることにかなり期待がもてるものとして認識されることになるため、特定遊技状態において当該キャラクタSが大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)にステップアップすることが自然な遊技性(世界観)となる。
【0154】
〇具体例4-3
上記実施形態では、特定キャラクタ画像S22は確定色の画像要素を含むものではないことを説明したが、特定キャラクタ画像S22が確定色の画像要素を含むものとしてもよい。このようにすることで、特定キャラクタ画像S22が大当たり確定の画像であることがより明確になる。
【0155】
また、上記実施形態では、特定キャラクタ画像S22が表示されている最中に大当たり確定であることを示す文言(確定文言)は表示されないことを説明したが、特定キャラクタ画像S22が表示されている最中にこのような文言が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、特定キャラクタ画像S22が大当たり確定の画像であることがより明確になる。
【0156】
ただし、特定キャラクタ画像S22が確定色の画像要素を含むものとすると、遊技者の多くは確定色の画像要素を見て大当たり確定であると感じ取るであろうと思われる。また、特定キャラクタ画像S22と一緒に確定文言が表示されるとすると、遊技者の多くは当該確定文言を見て大当たり確定であると感じ取るであろうと思われる。すなわち、画像の具体的内容ではなく確定色や確定文言を見て大当たり確定であると認識するため、キャラクタSへの注目の度合が低くなり、キャラクタSが大当たり確定キャラに昇格したという印象を受けなくなる蓋然性が高い。よって、キャラクタSが大当たり確定キャラに昇格したという印象を高めるのであれば、上記実施形態のように特定キャラクタ画像S22が確定色の画像要素を含まないように、また、特定キャラクタ画像S22が表示されている最中に確定文言が表示されないようにすることが好ましい。
【0157】
〇具体例4-4
通常キャラクタ画像S21と特定キャラクタ画像S22は、共通する文字要素を含むものとする(
図42参照)。例えば、当該キャラクタSの名称(略称)を含む文字要素を含むものとする(図面に示した「〇△×」はキャラクタSの名称である)。通常遊技状態から特定遊技状態に移行することに伴い、キャラクタSが「大当たり非確定キャラ(非プレミアキャラ)」から「大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)」に昇格したということを感じ取ってもらうためには、通常キャラクタ画像S21と特定キャラクタ画像S22が同じキャラクタを表したものであると認識してもらう必要がある。キャラクタSの存在を知らない(例えば、遊技機1のモチーフとなった作品を知らない)遊技者であると通常キャラクタ画像S21と特定キャラクタ画像S22が同じキャラクタを表していると認識しない可能性があるから、共通する文字要素を含むものとして同じキャラクタであると認識される蓋然性を高める。
【0158】
〇具体例4-5
当否抽選の当選確率が低い低確率遊技状態と、当該確率が高い高確率遊技状態とで、キャラクタ画像Sが表示されることの作用が異なるものとする。具体的には、低確率遊技状態でキャラクタ画像S(低確率遊技状態用のキャラクタ画像S)が表示されても対象当否抽選結果は大当たり確定ではないが、高確率遊技状態でキャラクタ画像S(高確率遊技状態用のキャラクタ画像S(低確率遊技状態用のキャラクタ画像Sとは態様が異なる))が表示された場合には対象当否抽選結果が大当たり確定である設定とする。このようにすることで、当否抽選の当選確率が低確率から高確率に移行することに伴い、キャラクタSが「大当たり非確定キャラ(非プレミアキャラ)」から「大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)」に昇格するという遊技性が実現できる。
【0159】
〇具体例4-6
遊技状態として、遊技者に有利な程度が異なる三つ以上の遊技状態が設けられているものとする。このうち、遊技者にとって最も有利な遊技状態(最高遊技状態)に移行することが、キャラクタSが「大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)」に昇格する条件であるとする。つまり、最高遊技状態ではない遊技状態(非最高遊技状態)にてキャラクタ画像S(非最高遊技状態用のキャラクタ画像S)が表示されても対象当否抽選結果は大当たり確定ではないが、最高遊技状態でキャラクタ画像S(最高遊技状態用のキャラクタ画像S(非最高遊技状態用のキャラクタ画像Sとは態様が異なる))が表示された場合には対象当否抽選結果が大当たり確定である設定とする。
【0160】
上記実施形態のような通常遊技状態、第一特定遊技状態、第二特定遊技状態が設けられている場合には、通常遊技状態および第一特定遊技状態が非最高遊技状態となり、第二特定遊技状態が最高遊技状態であるということになるから、通常遊技状態や第一特定遊技状態においてキャラクタSは「大当たり非確定キャラ(非プレミアキャラ)」であり、第二特定遊技状態においてキャラクタSは「大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)」となる。
【0161】
〇具体例4-7
特定キャラクタ画像S22が表示される可能性があることを示唆する煽り演出が発生するものとする。すなわち、煽り演出(
図43(b)参照)が発生し、その結果として特定キャラクタ画像S22が表示される表示結果に至る(
図43(c-1)参照)か、特定キャラクタ画像S22が表示されない非表示結果に至る(
図43(c-2)参照)ものとする。煽り演出は、特定キャラクタ画像S22が表示される可能性があることを遊技者が感じ取ることができるものであればよい。例えば、キャラクタSを表した半透明の画像が表示され、表示結果に至る場合にはそれが不透明となって特定キャラクタ画像S22となり、非表示結果に至る場合にはそれが消去されるといった構成とする。特定キャラクタ画像S22が表示されると対象当否抽選結果が大当たりとなることが確定するのであるから、特定キャラクタ画像S22が表示されるかどうかは遊技者にとって大きな関心事である。したがって、特定キャラクタ画像S22が表示されるか否かの分岐となる煽り演出を発生させ、特定キャラクタ画像S22が表示される可能性があることを示唆する。
【0162】
なお、非表示結果に至った場合には対象当否抽選結果がはずれとなることが確定する設定としてもよいし、非表示結果に至った場合でも対象当否抽選結果が大当たりとなる可能性がある設定としてもよい。前者のような設定とする場合には、表示結果に至るか否かが対象当否抽選結果が大当たりであるか否かの分岐となる煽り演出となる。後者のような設定とする場合には、遊技者は表示結果に至ることを願うが、表示結果に至らなくても大当たりである可能性が残存するという煽り演出となる。
【0163】
通常キャラクタ画像S21が表示されるに際しては上記のような煽り演出が発生しないようにしてもよいし、煽り演出が発生するようにしてもよい。通常キャラクタ画像S21が表示されることは、特定キャラクタ画像S22が表示されることとは異なり大当たり確定演出ではないのであるから、それを強調する(通常キャラクタ画像S21と特定キャラクタ画像S22を明確に区別する)ことを重視するのであれば煽り演出は発生しないようにすればよい。一方、通常キャラクタ画像S21が表示されることは大当たり確定ではないもののチャンスアップであるのであるから、それを重視するのであればチャンスアップとなるかどうかの分岐としての煽り演出が発生するようにすればよい。
【0164】
〇具体例4-8
通常キャラクタ画像S21と特定キャラクタ画像S22とは、キャラクタSの特定部位(同じ部位)の色が異なる関係にあるものとする(なお、特定部位には、キャラクタS自体の一部だけでなく、キャラクタSが纏う物(服等)も含まれるものとする)。例えば、キャラクタSの髪を特定部位とし、通常キャラクタ画像S21は髪が白色である(
図44(a)参照)が、特定キャラクタ画像S22は髪が金色である(
図44(b)参照)といった設定とする。このようにすることで、キャラクタ画像Sが「大当たり非確定キャラ(非プレミアキャラ)」から「大当たり確定キャラ(プレミアキャラ)」に昇格したということが強調される。
【0165】
〇具体例4-9
通常遊技状態にて通常キャラクタ画像S21が表示されうるタイミングと、特定遊技状態にて特定キャラクタ画像S22が表示されうるタイミングが共通しているものとする。例えば、通常遊技状態および特定遊技状態のいずれにおいてもリーチ成立時(リーチ成立と同時または直後)が当該タイミングとされているものとする。すなわち、通常遊技状態においてはリーチ成立時に通常キャラクタ画像S21が表示されることがあり(
図45(a)参照)、特定遊技状態においてもリーチ成立時に特定キャラクタ画像S22が表示される(
図45(b)参照)ことがある設定とする。
【0166】
このようにすることで、遊技状態によらず、キャラクタ画像Sは、予め定められたタイミングで表示されうる画像であると印象付けられる。このような予め定められたタイミング(所定条件成立時)で表示されうるキャラクタ画像Sが、遊技状態に応じてもたらす作用が異なる(大当たり確定であるか否かが異なる)という面白みのある遊技性とすることができる。
【0167】
〇具体例4-10
特定遊技状態中には、キャラクタSのことを表す画像(以下、対象キャラクタ画像Sと称する)が表示されるものとする。対象キャラクタ画像Sは、通常遊技状態にて表示されることがない画像である。また、対象キャラクタ画像Sは、特定キャラクタ画像S22とは異なる画像であり、特定キャラクタ画像S22が表示されるか否かにかかわらず表示される(当たり変動およびはずれ変動のいずれにおいても表示される)ものである。対象キャラクタ画像Sの一例としては、例えば、キャラクタSの名称を表す文字とすることが考えられる。キャラクタSの名称を「〇△×」とし、特定遊技状態中には「〇△×」の文字を含む対象キャラクタ画像Sが表示されるようにする(
図46参照)。
【0168】
このようにすることで、特定遊技状態は、キャラクタS(名称:〇△×)に対応した状態(キャラクタSをモチーフとした状態)であるから、特定遊技状態では当該キャラクタSが表示されれば大当たり確定であるという分かりやすい遊技性が実現できる。
【0169】
〇具体例4-11
変動演出を構成する演出の発生確率を変化させるカスタマイズ機能が設けられており、当該カスタマイズ機能の一種として発生した場合には大当たりであることが確定する演出(プレミア演出)の発生確率を変化させることが可能である(プレミアカスタマイズが搭載されている)。プレミアカスタマイズは、複数種のプレミア演出の発生確率を変化させることが可能なものである。例えば、発生確率「通常」と、当該「通常」よりも発生確率が高まる「UP」のうちのいずれかを選択することが可能であるとする。
【0170】
上述した通り、特定遊技状態にて発生する特定画像演出S(特定キャラクタ画像S22の表示)は、発生すると大当たりが確定するものである。しかし、当該特定画像演出Sは、プレミアカスタマイズの対象ではないこととする。特定遊技状態にてキャラクタSが大当たり確定のキャラクタとなるのは、特定遊技状態に移行して「昇格」した結果である。すなわち、キャラクタSは、常時大当たり確定のキャラクタ(プレミアキャラクタ)であるわけではない(通常遊技状態にある段階から大当たり確定のキャラクタであるわけではない)。そのため、特定キャラクタ画像S22が表示される特定画像演出Sはプレミアカスタマイズの対象から除外されている(プレミアカスタマイズの設定を変更しても特定画像演出Sの発生確率は変わらない)。
【0171】
<追加操作変化>
本実施形態にかかる遊技機1は、変動演出中に隠れ操作演出を実行することが可能である。隠れ操作演出は、遊技者が操作可能な操作手段の一種(本実施形態では押しボタン61)を利用した演出である。なお、以下で説明する本実施形態の隠れ操作演出は、通常遊技状態にて発生するものである。ただし、特定遊技状態にて発生するようにすることを否定するわけではない。
【0172】
一般的な操作演出は、遊技者に対し操作手段の操作を促すものである(表示領域911には、操作すべき対象の操作手段を表した操作手段画像および操作すべき操作態様を表す操作態様画像(「押せ」、「連打」、「長押し」といった画像)が表示される)。これに対し、操作手段画像および操作態様画像の両方が表示されているわけではなく遊技者に対し操作手段(押しボタン61)の操作が促されていない状態で操作手段(押しボタン61)を操作した場合に発生する、いわゆる「裏ボタン演出」が公知である。本実施形態における隠れ操作演出は、当該裏ボタン演出の一種である(以下、本実施形態における隠れ操作演出を裏ボタン演出と称する)。なお、裏ボタン演出には、対象の操作手段が「ボタン」ではない場合(例えば、「レバー」のようなものである場合)も含まれるものとする。
【0173】
裏ボタン演出(
図47、
図48参照)は、遊技者に対し発生していることが明示されない演出(隠れ演出)である。裏ボタン演出が実行される場合、変動演出中に設定される特定期間(開始から終了まで連続する期間)が設定される。特定期間は、変動演出が実行されている期間の一部である。遊技者に対しては、特定期間が設定された状態にあることを明確に示す画像は表示されない。当然、特定期間の開始や終了を示す画像(メータやカウントダウンの表示)も表示されない。裏ボタン演出は「隠れ演出」であるから、特定期間が設定されていること(特定期間中であること)は遊技者に明示されない。このような特定期間の存在を自ら発見した遊技者や、雑誌やインターネットから情報を得た遊技者が裏ボタン演出の演出効果を享受することができる。本実施形態にかかる遊技機1は、この種の裏ボタン演出として複数種の演出が実行可能である。以下で詳細を説明する「追加操作変化」は、複数種の裏ボタン演出のうちの一種にて発生しうるものである(特に明示した場合を除き、以下の説明における裏ボタン演出(および当該裏ボタン演出のために設定される特定期間)は、当該「追加操作変化」が発生する可能性があるものを指す)。
【0174】
変動演出を構成する演出として一または二種以上の対象演出が発生しうる。特定期間は、当該対象演出の開始を契機として設定される。本実施形態では、所定のスーパーリーチ演出(リーチ成立時に発生することがあり、その結末により当否抽選結果を報知する演出)のタイトル表示(当該スーパーリーチ演出の冒頭にて当該演出の名称を表示すること)が対象演出とされている。すなわち、対象演出とされたスーパーリーチ演出のタイトル表示がなされることを契機として特定期間が開始される(
図47(a)、
図48(a)参照)。特定期間は、所定時間の経過(例えば5秒)をもって終了する。
【0175】
本実施形態では、特定期間中に押しボタン61が一回だけ操作(単発操作)されることを契機として特定画像26が表示される(
図47(b)(c)、
図48(b)(c)参照)。つまり、特定期間は、押しボタン61の単発操作が反映される操作有効期間(ただし、操作有効期間であることは遊技者に隠されている)であり、特定画像26は操作有効期間である特定期間が開始されてから最初の押しボタン61の単発操作(以下、「一回目の単発操作」と称することもある)を契機として表示される。特定期間中を通じて(特定期間の開始から終了まで)押しボタン61が一度も操作されなければ特定画像26は表示されない。隠れ演出であるから、特定期間中に押しボタン61の操作がなされなければその存在を知らしめるような画像(特定画像26)の表示はなされないようにされる(隠れ演出の存在を遊技者に示すような演出は発生しない)。なお、当該裏ボタン演出は、押しボタン61の連打や長押しにより演出要素が段階的にステップアップしていく(三段階以上のステップ(二回以上のステップアップ)が発生しうる)ような演出ではない。特定期間にて一回目の単発操作がなされることを契機として特定画像26は必ず表示される(一回目の単発操作を契機として特定画像26を表示するか否かの抽選(当選確率が100%未満の抽選)が実行されるようなものではない)。
【0176】
特定画像26(
図47(c)、
図48(c)参照)は、遊技者に有利な事象が発生する蓋然性を示唆する画像である。本実施意形態では、裏ボタン演出が発生した変動(対象変動)に対応する対象当否抽選結果を示唆する信頼度示唆画像の一種である。つまり、裏ボタン演出の存在を知っている遊技者のみが享受できる信頼度示唆作用が奏されるものである。なお、裏ボタン演出はこのような信頼度示唆作用を奏するものであり、出玉の期待値に影響を及ぼすものではない(裏ボタン演出が実行されるかどうか(後述する特殊裏ボタン演出が実行されるかどうか)は出玉の期待値には関係がない)。本実施形態における特定画像26は、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)を示唆する数値要素25sを含む。数値要素25sが高いほど信頼度は高い。本実施形態における数値要素25sは信頼度(%)を数字で表したものである。ただし、数値要素25sは、信頼度の大小に相当する内容を視覚的に表したもの(例えば、メータの大きさで信頼度の大小を表したもの)を含むものとする。
【0177】
本実施形態では、裏ボタン演出にて特定画像26が表示された後、特定期間中にさらに押しボタン61が単発操作される(特定期間が開始されてから二回目の単発操作がなされる(以下、「二回目の単発操作」と称することもある))ことを契機として特定画像26が別画像27に変化する(以下、当該変化を「追加操作変化)と称する)ことがある。裏ボタン演出は、二回目の単発操作がなされることを契機として追加操作変化が生じない通常裏ボタン演出(
図47参照)と、二回目の単発操作がなされることを契機として追加操作変化が生じる特殊裏ボタン演出(
図48参照)に区分けされる。通常裏ボタン演出および特殊裏ボタン演出のいずれが実行されているかは、一回目の単発操作がなされて特定画像26が表示された時点(
図47(c)、
図48(c)の時点)では遊技者には判別できない(その時点では通常裏ボタン演出および特殊裏ボタン演出のいずれが実行されているかを判別できる要素はない)。
【0178】
実行されているのが通常裏ボタン演出である場合には、特定期間中に二回目の単発操作がなされても特定画像26は変化しない(
図47(d)(e)参照)。実行されているのが特殊裏ボタン演出である場合は、特定期間中に二回目の単発操作がなされることを契機として特定画像26から別画像27への変化(追加操作変化)が生じる(
図48(d)(e)参照)。実行されているのが特殊裏ボタン演出であっても、特定期間中に二回目の単発操作がなされなかった場合(
図48(d)の操作がなされなかった場合)には特定画像26から別画像27への変化は生じない(特定画像26のままである)。なお、特殊裏ボタン演出である場合には、二回目の単発操作がなされることを契機として必ず特定画像26から別画像27への変化(追加操作変化)が生じる(二回目の単発操作を契機として別画像27を表示するか否かの抽選(当選確率が100%未満の抽選)が実行されるようなものではない)。
【0179】
別画像27(
図48(e)参照)は、特定画像26と同様に数値要素25sを含む。別画像27が含む数値要素25s(
図48(e)参照)は、変化前の特定画像26が含むもの(
図48(c)参照)よりも信頼度が高いこと示すものとされる。本実施形態では、特定画像26が含む数値よりも、別画像27が含む数値が大きくなるようにされる。本実施形態では、別画像27は特定画像26が変化してなるというものであるということを明確にするため、特定画像26と別画像27は共通の画像構成要素を含むものとされる。本実施形態では、特定画像26の枠(特定画像枠26f)と別画像27の枠(別画像枠27f)は同じ態様であるとされる(
図47(c)(e)、48(c)(e)参照)。すなわち、両画像の枠は同じであり、その内側の数値が異なるようにすることで、別画像27は、特定画像26が変化してなるものであるということが明確になる。
【0180】
特殊裏ボタン演出においては、別画像27が含む数値(
図48(e)参照)が実際の信頼度とされる。つまり、別画像27が表示されない通常裏ボタン演出では、特定画像26が含む数値(
図47(c)参照)が「実際の信頼度」である。一方、特殊裏ボタン演出では、特定画像26が含む数値(
図48(c)参照)は「仮の信頼度」を表すものであり、二回目の単発操作にて表示される別画像27が含む数値(
図48(e)参照)が「実際の信頼度」を表すものである。特殊裏ボタン演出は二回目の単発操作がなされなければ別画像27が表示されないのであるから、二回目の単発操作がなされなければ「実際の信頼度」を知ることができないということである。遊技者視点でいえば、特殊裏ボタン演出は、信頼度がアップしているように見えるものである。なお、本実施形態では、特殊裏ボタン演出においては、特定画像26の数値である「仮の信頼度」が大きいほど、別画像27の数値である「実際の信頼度」が大きくなる(「仮の信頼度」の大きさと「実際の信頼度」の大きさに相関がある)ようにされている。したがって、「仮の信頼度」が大きいほど、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるようにされている。つまり、「仮の信頼度」はリアルな信頼度を表したものではないが、その値が大きいほど対象当否抽選結果が大当たりとなることに期待がもてることになるから、特殊裏ボタン演出にて二回目の単発操作がなされず特定画像26(仮の信頼度)の表示に留まっても(別画像27(実際の信頼度)の表示がなされなくても)、一定程度の信頼度示唆作用は奏される。
【0181】
本実施形態では、特定画像26や別画像27が表示された場合、特定期間が終了することを契機として特定画像26や別画像27は消去される。すなわち、特定期間が経過するまでは特定画像26または別画像27が表示され続け、特定期間の終了をもって消去される。特定期間の存在を知っている遊技者は、特定画像26や別画像27が消えることをもって特定期間が終了したことを把握することができる。よって、特殊裏ボタン演出である場合には、特定画像26が表示されている間(
図48(c)参照)は、二回目の単発操作(
図48(d)参照)を契機として別画像27が表示される(
図48(e)参照)ということになる。特定期間が終了してもなお特定画像26が表示され続けるということはない(特定画像26が消去されたということは特定期間が終了したということである)から、いきなり別画像27が表示されることはない。つまり、本実施形態では、特定期間中でない非特定期間中においては、押しボタン61の単発操作がなされることを契機として特定画像26が表示されることもないし、押しボタン61の単発操作がなされることを契機として別画像27が表示されることもない。
【0182】
このように、本実施形態では、裏ボタン演出(隠れ操作演出)において、特定画像26が表示された後、それが別画像27に変化するという追加操作変化が発生することがある。特定期間中の押しボタン61の単発操作に反応して何らかの画像(特定画像26)が表示されれば、遊技者は裏ボタン演出が発生した(裏ボタン演出が完了した)想定するであろうところ、そこでさらに押しボタン61を単発操作した場合には当該画像(特定画像26)が別画像27に変化する追加操作変化が生じるから、遊技者にとって驚き(意外性)のある遊技性を実現できる。別画像27が表示される契機となる二回目の単発操作も遊技者に対し操作要求がなされるものではなく別画像27が表示される可能性があることの示唆はなされない(
図48(c)の状態で操作要求はなされない)のであるから、特殊裏ボタン演出(追加操作変化にて別画像27が表示されること)は、『「裏ボタン演出」にさらなる「裏ボタン演出」が隠された演出である』とみることもできる。
【0183】
以下、上記追加操作変化に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0184】
〇具体例5-1
上記実施形態における特定画像26および別画像27は信頼度を示唆する数値要素25sを含むものであることを説明したが、このようなものに限られず、遊技者に対し何らかの情報を示すものであればよく、特殊裏ボタン演出における特定画像26から別画像27への変化(追加操作変化)は当該情報が変化するというものであればよい。
【0185】
例えば、特定画像26や別画像27は、対象当否抽選結果に関係する文言を含むものとすることが考えられる。通常裏ボタン演出においては特定期間中に二回目の単発操作がなされても特定画像26(特定画像26が含む文言)は変化しない(
図49(a)~(d)(e-1)参照)。特殊裏ボタン演出においては特定期間中に二回目の単発操作がなされることを契機とし当該文言の変化(特定画像26が含む文言から別画像27が含む文言への変化)が追加操作変化として生じるようにする(
図49(a)~(d)(e-2)参照)。
【0186】
〇具体例5-2
特定期間中に二回目の単発操作がなされることを契機としてもれなく追加操作変化が生じるものとする。つまり、特定期間中に一回目の単発操作がなされることを契機として必ず特定画像26が表示され、特定期間中に二回目の単発操作がなされることを契機として必ず特定画像26が別画像27に変化することが発生する(追加操作変化が生じる)ものとする。上記実施形態のように特殊裏ボタン演出でなければ追加操作変化が生じないようにすると、追加操作変化に気づかない遊技者が増えてしまう(通常裏ボタン演出にて二回目の単発操作を行っても特定画像26が変化しないことを把握した遊技者は、特殊裏ボタン演出であったとしても二回目の単発操作を行わず、追加操作変化に気づかない蓋然性が高まる)。多くの遊技者が追加操作変化の存在に気付くことを望むのであれば本例のようにすればよい。
【0187】
〇具体例5-3
特殊裏ボタン演出において、特定画像26が表示された状態で、特定期間中に二回目の単発操作としてある操作手段の操作がなされた場合と、それとは別の操作手段(操作対象物または操作方法のいずれか一方が異なるものどうしは別の操作手段(異なる操作手段)であるとする。以下同じ。)の操作がなされた場合とでは、表示される別画像27が異なる(追加操作変化の内容が異なる)構成とする(
図50参照)。すなわち、特定画像26が表示された状態(
図50(c)参照)での二回目の単発操作が「第一操作手段」である場合(
図50(d-1)参照)と、二回目の単発操作が(第一操作手段とは異なる)「第二操作手段」である場合(
図50(d-2)参照)とでは、表示される別画像27が異なる(前者の場合は別画像27Aが表示され(
図50(e-1)参照)、後者の場合は別画像27Bが表示される(
図50(e-2)参照))ようにする。第一操作手段と第二操作手段の一方は、特定画像26が表示される契機となる操作手段と同じであってもよい。例えば、押しボタン61が第一操作手段であり、特殊操作ユニット65(押し込み操作が可能なユニットである(
図1参照))が第二操作手段である構成とすることが考えられる。
【0188】
別画像27Aと別画像27Bの態様の違いはどのようなものであってもよい。例えば、二回目の単発操作として第一操作手段が操作された場合には、上記実施形態のように信頼度を表す数値が上昇するような追加操作変化が生じる(別画像27Aとして信頼度を表す数値要素25sを含むものが表示される)ものとする(
図50(e-1)参照)。一方、二回目の単発操作として第二操作手段が操作された場合には対象当否抽選結果が大当たりであるかはずれであるかの報知(一発告知)がなされる(大当たりである場合には当たりを示す画像要素を含む別画像27Bが、はずれである場合にははずれを示す画像要素を含む別画像27Bが表示される)ものとする(
図50(e-2)参照;当たりが確定したことを示す「確定」の文字を含む別画像27Bが表示される例を示した。)。
【0189】
本例のようにすることで、特殊裏ボタン演出は、二回目の単発操作として操作した操作手段に応じ、異なる別画像27が表示される(追加操作変化の内容が異なる)という面白みのある演出態様となる。
【0190】
また、一回目の単発操作と二回目の単発操作が同じ操作手段である場合には別画像27Aが、一回目の単発操作と二回目の単発操作が異なる操作手段である場合には別画像27Bが表示されるという設定とすれば、遊技者が同じ操作手段を二回操作することの方が現実的に起こりやすいといえるから、別画像27Aが表示されることよりも、別画像27Bが表示されることに遊技者がより気づきにくい演出態様となる。
【0191】
〇具体例5-4
特殊裏ボタン演出において、一回目の単発操作を契機として表示される特定画像26の態様が同じである設定とする。特殊裏ボタン演出は、別画像27により対象当否抽選結果の実際の信頼度が示されるものである(別画像27が表す情報が重要である)から、変化前の特定画像26の態様はどのようなものであってもよいとして毎回同じである設定とする。すなわち、特殊裏ボタン演出である場合、特定画像26の態様は毎回同じであり(
図51(a)参照)、別画像27の態様は信頼度に応じて異なる(
図51(b)参照)ものとする。図示しないが、通常裏ボタン演出の場合は、一回目の単発操作を契機とした特定画像26の態様は毎回変化しうる。なお、本例のようにした場合、特殊裏ボタン演出では毎回同じ態様の特定画像26が表示されるから、特殊裏ボタン演出であることに気づきやすいといえる。
【0192】
上記実施形態のように特定画像26および別画像27が数値要素25sを含むものとするものとするのであれば、特殊裏ボタン演出では特定画像26は毎回同じ数値要素25sを含み、別画像27が信頼度に応じて異なる数値要素25sを含むものとする。一方、通常裏ボタン演出では特定画像26は信頼度に応じた数値要素25sを含むものとする。
【0193】
〇具体例5-5
特定期間(
図52(a)参照)にて一回目の単発操作として第一操作手段(例えば押しボタン61)が操作された場合(
図52(b-1)参照)には第一特定画像261が表示される(
図52(c-1)参照)が、同じ特定期間にて一回目の単発操作として第二操作手段(例えば特殊操作ユニット65)が操作された場合(
図52(b-2)参照)には第二特定画像262が表示される(
図52(c-2)参照)ものとする。第一特定画像261と第二特定画像262は異なるものである。例えば、第一特定画像261は信頼度を示唆する数値(数値要素25s)を含むもの、第二特定画像262は信頼度を示唆するキャラクタを含むものであるとする。
【0194】
特殊裏ボタン演出である場合、第一特定画像261が表示された状態で二回目の単発操作として第一操作手段が操作されれば(
図52(d-1)参照)、第一特定画像261が第一別画像271に変化する追加操作変化が生じ(
図52(e-1)参照)、第二特定画像262が表示された状態で二回目の単発操作として第二操作手段が操作されれば(
図52(d-2)参照)、第二特定画像262が第二別画像272に変化する追加操作変化が生じる(
図52(e-2)参照)ようにする。第一別画像271と第二別画像272は異なるものであり、第一別画像271は第一特定画像261に、第二別画像272は第二特定画像262に対応したものとされる。第一特定画像261は信頼度を示唆する数値(数値要素25s)を含み、第二特定画像262は信頼度を示唆するキャラクタを含むものとされるのであれば、第一別画像271は第一特定画像261よりも信頼度が高いことを示唆する数値(数値要素25s)を含み、第二別画像272は第二特定画像262よりも信頼度が高いことを示唆するキャラクタを含むものとされる。つまり、特定期間にて、同じ操作手段による一回目の単発操作および二回目の単発操作がなされれば別画像27が表示され、かつ、当該別画像27は操作手段の種類に応じたものとなるようにされる。このようにすることで、操作する操作手段に応じた種類の特定画像26(第一特定画像261および第二特定画像262のどちらか)が表示されるだけでなく、もう一度同じ操作手段を操作すれば当該操作手段に対応した別画像27(第一別画像271および第二別画像272のどちらか)が表示されるという面白みのある演出態様となる。
【0195】
〇具体例5-6
特定期間中に特定画像26や別画像27が表示された場合、特定期間の終了時点が過ぎても特定画像26や別画像27が表示されたままである設定とする。例えば、特定期間の終了時点から所定時間(例えば3秒)経過するまでは特定画像26や別画像27が表示されたままであるとする。特定期間は遊技者に明確に示される期間ではなく、特定画像26が表示されるタイミング(一回目の単発操作がなされるタイミング)や別画像27が表示されるタイミング(二回目の単発操作がなされるタイミング)は特定期間の終了近くとなる可能性もあるから、特定期間が終了しても特定画像26や別画像27が表示されたままである設定とする。特に、別画像27は特殊裏ボタン演出にて特定期間中に演出ボタンの単発操作が二回なされなければならない(特定画像26が表示された後、さらに単発操作がなされなければならない)から、別画像27が表示された時点が特定期間の終了間際となりやすい。よって、本例のようにする意義が大きいといえる。
【0196】
本例のようにすると、特定画像26が表示された状態でも既に特定期間が終了している可能性があるから、特殊裏ボタン演出である場合に特定画像26が表示された状態で押しボタン61の単発操作を行っても別画像27に変化しないという状況が生じうる。つまり、特定画像26が表示された状態(
図53(c)参照)で二回目の単発操作を行っても(
図53(d)参照)それが特定期間終了後である可能性が生じるから、特定画像26が表示された状態で二回目の単発操作を行っても特定画像26は変化しないケース(
図53(e-1)参照)が生じる(二回目の単発操作が特定期間内であれば特定画像26が別画像27に変化(追加操作変化)する(
図53(e-2)参照))。すなわち、上記実施形態のようにした場合に比して、特定画像26が表示された状態で二回目の単発操作を行っても特定画像26が変化しないケースが増加する(二回目の単発操作を意味がない操作と遊技者が捉える蓋然性が高まる)から、追加操作変化(特殊裏ボタン演出)の存在に遊技者が気づきにくくなる可能性がある。
【0197】
〇具体例5-7
特殊裏ボタン演出にて特定期間中(
図54(a)参照)に押しボタン61の一回目の単発操作がなされ(
図54(b)参照)、特定画像26が表示されたとする(
図54(c)参照)。この場合には、特定画像26とともに、もう一度押しボタン61を操作する(二回目の単発操作を行う)ことを示唆する画像(追加操作示唆画像28)が表示されるものとする(
図54(c)参照)。追加操作示唆画像28は、もう一度押しボタン61を操作すること(二回目の単発操作)を示唆する画像とされる。例えば、押しボタン61(操作対象の操作手段)を表した画像が追加操作示唆画像28として表示されるようにすることが考えられる。裏ボタン演出は、「隠れ演出」であるから、特定期間が開始されたことや操作手段の(押しボタン61)の操作要求がはなされない(一回目の単発操作に対応する操作要求はなされない)。ただし、特殊裏ボタン演出については、その存在に遊技者が気づきにくいから、特定画像26が表示された状態でもう一度押しボタン61の操作を行うこと(もう一度行うことで何らかの変化が生じること)の示唆をする。これにより、追加操作変化(特殊裏ボタン演出)の存在に遊技者が気づきやすい演出形態となる。
【0198】
〇具体例5-8
裏ボタン演出の特定期間中に、遊技者に対し押しボタン61(裏ボタン演出の対象となる操作手段)の操作が要求される一般的な操作演出が発生する場合があるとする。押しボタン61の操作が当該操作演出の操作有効期間中の操作である場合には、特定期間中であっても裏ボタン演出の操作(一回目の単発操作、二回目の単発操作)としては取り扱われないこととする。つまり、一般的な操作演出については当該操作に対応する事象が発生するが、裏ボタン演出については当該操作に対応する事象(特定画像26や別画像27の表示)は発生しないこととする。このようにすることで、一般的な操作演出に対応するための操作を行った結果、偶然にも裏ボタン演出の存在に遊技者が気づいてしまうことが防止される。
【0199】
これとは逆に、押しボタン61の操作が一般的な操作演出の操作有効期間中の操作であり、かつ、特定期間中の操作である場合には、一般的な操作演出の操作として取り扱われ(当該操作に対応する事象が発生し)、かつ、裏ボタン演出の操作としても取り扱われるようにすることも考えられる。このようにすることで、一般的な操作演出に対応するための操作を行った結果、偶然にも裏ボタン演出の存在に遊技者が気づいてしまうことが発生するため、裏ボタン演出の存在を多くの遊技者にできるだけ知らしめたい場合は有効である。
【0200】
〇具体例5-9
特定画像26と別画像27は、数値要素25s以外の部分も相違する(基本的態様においても相違する)ものとする(追加操作変化は、基本的態様の変化も生じるものとする)。例えば、特定枠画像と別枠画像の色が異なるものとすることが考えられる(
図55(a)参照)。また、画像全体の大きさが、特定画像26よりも別画像27よりも大きくなるようにすることも考えられる(
図55(b)参照)。このようにすることで、特殊裏ボタン演出において二回目の単発操作がなされ、特定画像26から別画像27への変化(追加操作変化)が生じたことがより明確に示されることとなる。
【0201】
<複合演出>
本実施形態では、変動演出を構成する演出として複合演出が発生することがある。なお、当該複合演出は通常遊技状態にて発生するものである。ただし、特定遊技状態にて発生するものとすることを否定するわけではない。複合演出は、先選択演出(第一の選択演出)および後選択演出(第二の選択演出)を含むものである。先選択演出および後選択演出は複数の選択肢のうちのいずれかが自動的に選択されるものであるところ、本実施形態では先選択演出としての選択の後、後選択演出としての選択が発生するから、複合演出において、先選択演出は先に選択が行われる演出(先演出)であり、後選択演出は後に選択が行われる演出(後演出)であるといえる。
【0202】
先選択演出は、複数種の候補画像(選択肢を表す画像)のうちのいずれかが自動的に選択されるものである(遊技者が任意に好みの候補画像を選択することができるものではない)(
図56(c)(d)、
図58(c)(d)参照)。以下、先選択演出にて選択された画像(候補画像のうちの一つ)を先選択画像13(第一の選択画像)とする。後選択演出も、複数種の候補画像(選択肢を表す画像)のうちのいずれかが自動的に選択されるものである(遊技者が任意に好みの候補画像を選択することができるものではない)(
図56(f)
図57(a-1)(a-2)、
図58(f)
図59(a-1)(a-2)参照)。以下、後選択演出にて選択された画像(候補画像のうちの一つ)を後選択画像14(第二の選択画像)とする。先選択演出および後選択演出のいずれも、選択される可能性がある候補画像が変動表示された上で、当該変動が停止していずれか一つが選択されたことが示される演出(ルーレットのような演出)である。
【0203】
複合演出は、二種以上の異なる状態にて実行されうる(ある状態にて実行されることもあれば、当該ある状態とは異なる状態にて実行されることもある)。具体的には次の通りである。本実施形態では、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタ(図面においては「味」の文字を付して示す)と敵キャラクタが戦うバトル演出(
図56~
図59参照)にて発生しうる。バトル演出は、味方キャラクタが勝利することが遊技者に有利な有利結末(
図57(c-1)、
図59(c-1)参照)とされ、味方キャラクタが敗北する(敵キャラクタが勝利する)ことが遊技者に不利な不利結末(
図57(c-2)、
図59(c-2)参照)とされている(なお、有利結末には、一旦不利結末に至ったと見せかけてそれが覆されるいわゆる逆転(復活)パターンを含むものとする)。本実施形態におけるバトル演出は、いわゆるリーチ演出の一種として発生する(結末の態様により当否抽選結果を報知する)ものであり、対象当否抽選結果(バトル演出が発生する変動に対応する当否抽選結果)が大当たりである場合には有利結末に至り、はずれである場合には不利結末に至るものである。なお、バトル演出をこのようなリーチ演出(結末の態様により当否抽選結果を報知する演出)とすることはあくまで一例である。有利結末に至った場合の方が、不利結末に至った場合よりも、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高いに留まる(有利結末となっても大当たりとなるとは限られない)バトル演出としてもよい。
【0204】
バトル演出として、敵キャラクタA(図面においては「敵A」の文字を付して示す)と戦うバトル演出A(
図56~
図57参照)と、敵キャラクタAとは異なる種類の敵キャラクタB(図面においては「敵B」の文字を付して示す)と戦うバトル演出B(
図58~
図59参照)が発生しうる。バトル演出Aとバトル演出Bは、表示される画像が相違する状態である(バトル演出Aが実行された状態が「状態A」であり、バトル演出Bが実行された状態が(状態Aとは異なる)「状態B」である)といえる。バトル演出Aにおいては、バトル演出Bでは表示されない画像(固有の画像)である状態対応画像Aが表示される。一方、バトル演出Bにおいては、バトル演出Aでは表示されない画像(固有の画像)である状態対応画像Bが表示される。状態対応画像Aは、敵キャラクタAを含む画像である(敵キャラクタBを含むものではない)。状態対応画像Bは、敵キャラクタBを含む画像である(敵キャラクタAを含むものではない)。状態対応画像Aや状態対応画像Bは、装飾図柄80の背景画像であるともいえる。
【0205】
なお、本実施形態では、バトル演出Aよりも、バトル演出Bの方が、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(バトル演出が発生した時点(後述する第一攻撃、第二攻撃が不明である時点)の信頼度)が高い。
【0206】
本実施形態における複合演出は、味方キャラクタによる敵キャラクタの攻撃方法を選ぶ演出である。先選択演出にて一回目の攻撃(以下、第一攻撃と称する)(
図56(c)~(e)、
図58(c)~(e)参照)が、後選択演出にて二回目の攻撃(以下、第二攻撃と称する)が選択される(
図56(f)~
図57(b-1)/(b-2)、
図58(f)~
図59(b-1)/(b-2)参照)。候補画像は攻撃の種類を示すものである。つまり、各選択演出にて選択された画像(先選択画像13、後選択画像14)が示す攻撃が味方キャラクタから敵キャラクタに繰り出される。本実施形態では、攻撃の種類(候補画像の種類)として、「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」の三種類が設けられている。本実施形態では、バトル演出Aおよびバトル演出Bのいずれにおいても、先選択演出にて示される選択肢(候補画像)と、後選択演出にて示される選択肢(候補画像)は同じである。また、バトル演出Aの先選択演出および後選択演出にて示される選択肢(候補画像)と、バトル演出Bの先選択演出および後選択演出にて示される選択肢(候補画像)は同じである。各攻撃(候補画像)の態様はどのようなものであってもよい。それぞれが互いに異なることを遊技者が把握できるものであればよい。
【0207】
敵キャラクタAおよび敵キャラクタBは、異なる特性を有するものとされる。敵キャラクタAは、第一攻撃と第二攻撃が同じであること(同種の攻撃が二連続でなされること)に弱いキャラクタである。つまり、バトル演出A(状態A)においては、先選択画像13と後選択画像14が同種となった場合(
図57(a-1)参照)の方が、異種となった場合(
図57(a-2)参照)よりも、信頼度(有利結末に至る蓋然性)が高いように設定される。
図60(a)に示すように、バトル演出A(状態A)の場合、先選択画像13(第一攻撃)と後選択画像14(第二攻撃)が同種であるいずれのパターン(両方が「攻撃P」、両方が「攻撃Q」、および、両方が「攻撃R」のいずれかのパターン)も、先選択画像13(第一攻撃)と後選択画像14(第二攻撃)が異種であるいずれのパターンよりも信頼度が高い。
【0208】
一方、敵キャラクタBは、第一攻撃と第二攻撃が異なることに弱いキャラクタである。バトル演出B(状態B)においては、先選択画像13と後選択画像14が異種となった場合(
図59(a-2)参照)の方が、同種となった場合(
図59(a-1)参照)よりも、信頼度(有利結末に至る蓋然性)が高いように設定される。
図60(b)に示すように、バトル演出B(状態B)の場合、先選択画像13(第一攻撃)と後選択画像14(第二攻撃)が異種であるいずれのパターンも、先選択画像13(第一攻撃)と後選択画像14(第二攻撃)の同種であるいずれのパターンよりも信頼度が高い。
【0209】
本実施形態では、先選択演出において示される複数種の候補画像(「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」)の全ては、後選択演出においても候補画像として示される。よって、先選択演出にていずれの候補画像が先選択画像13として選択された場合でも、後選択演出にて同種の候補画像が後選択画像14として選択される可能性がある。
【0210】
なお、本実施形態では、バトル演出A(
図56~
図57参照)において敵キャラクタAの特性を示す表示(同じ攻撃に弱いことを示唆するような表示)はなされない。同様に、バトル演出B(
図58~
図59参照)において敵キャラクタBの特性を示す表示(異なる攻撃に弱いことを示唆するような表示)はなされない。雑誌やインターネット等で当該特性についての情報を得ることでバトル演出Aやバトル演出Bをより楽しむことができる。
【0211】
以上説明したように、本実施形態における複合演出は、先選択演出にて選択される先選択画像13と後選択演出にて選択される後選択画像14が同種のものとなることが好ましいか、異種のものとなることが好ましいかは、複合演出が実行される状態(バトル演出の種類)によって相違するという面白みのあるものである。
【0212】
以下、上記複合演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0213】
〇具体例6-1
先選択演出にて選択肢として示される複数種の候補画像の組み合わせと、後選択演出にて選択肢として示される複数種の候補画像の組み合わせが一致しない複合演出が発生しうるものとしてもよい。この場合、先選択演出および後選択演出の一方においてしか選択肢として示されない候補画像が選択された場合には、先選択画像13と後選択画像14が同種のものとなる可能性はないこととなる。
【0214】
先選択演出での先選択画像13がどのようなものとなっても、先選択画像13と後選択画像14が同種のものとなる可能性を残すのであれば、先選択演出にて示される複数種の候補画像の全ては、後選択演出においても候補画像として示されるようにすればよい。例えば、先選択演出にて「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」の三種が候補画像として示され、後選択演出にて「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」、「攻撃S」の四種が候補画像として示されるといった構成とすることが考えられる(
図61参照)。特に、先選択画像13と後選択画像14が同種となることが(異種となることよりも)遊技者にとって喜ばしいバトル演出Aにおいてはこのような態様の先選択演出および後選択演出とすることが好ましい。
【0215】
〇具体例6-2
先選択演出にて選択肢として示される複数種の候補画像の組み合わせや後選択演出にて選択肢として示される複数種の候補画像の組み合わせが複合演出発生の度に変化しうるものとする。
【0216】
本例のようにする場合、先選択演出および後選択演出の両方において候補画像と示されるもの(重複する候補画像)の数の多少により、先選択画像13と後選択画像14が同種のものとなる蓋然性が示唆されるようにすることができる。
例えば、
図62に示すように、
(a)先選択演出の候補画像が「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」であり、後選択演出の候補画像が「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃S」である複合演出
(b)先選択演出の候補画像が「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」であり、後選択演出の候補画像が「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」、「攻撃S」である複合演出
が発生しうるとすると、
(a)の複合演出は「攻撃P」と「攻撃Q」の二種が先選択演出と後選択演出の両方において示され、(b)の複合演出は「攻撃P」、「攻撃Q」、「攻撃R」の三種が先選択演出と後選択演出の両方において示されるものであるから、(a)の複合演出よりも(b)の複合演出の方が先選択画像13と後選択画像14が同種のものとなる蓋然性が高い設定とする。
【0217】
〇具体例6-3
上記実施形態では、複合演出はバトル演出が実行されている状態にて発生することを説明したが、このようなものに限られない。異なる状態であることを遊技者が明確に区別できる二以上の状態(固有の状態対応画像が表示される状態)のそれぞれにおいて複合演出が発生するようにすればよい。例えば、キャラクタAをモチーフとした背景A(状態対応画像A)が表示される「ステージA」(モードA)が設定された状態(状態A)、および、キャラクタBをモチーフとした背景B(状態対応画像B)が表示される「ステージB」(モードB)が設定された状態(状態B)のいずれにおいても複合演出が発生するようにし、「ステージA」が設定された状態では先選択画像13と後選択画像14が同種となる方が異種となる場合よりも信頼度が高い設定とし、「ステージB」が設定された状態では先選択画像13と後選択画像14が異種となる方が同種となる場合よりも信頼度が高い設定とする。
【0218】
〇具体例6-4
バトル演出A(状態A)における複合演出では先選択画像13と後選択画像14が同種となった場合の方が異種となった場合よりも信頼度が高いことを示唆する表示(示唆表示A)がなされるものとする。このようにすることで、雑誌やインターネットから情報を得なくとも、バトル演出A(状態A)での複合演出の特性を知ることができる。示唆表示Aは、バトル演出Aの実行中(状態A中)に発生するものとしてもよいし、バトル演出Aが実行されていない状態(変動演出中)に実行されるようにしてもよい。示唆表示Aの例としては、敵キャラクタAの特性を示すことで先選択画像13と後選択画像14が同種となることが好ましいことを示唆すること(例えば、敵キャラクタAを指して「同じ攻撃に弱い」といった表示(
図63(a)参照)を行う)が考えられる。また、バトル演出Aにおいて、後選択画像14としていずれの候補画像が選択されるかが示される前に、先選択画像13と同種の画像が後選択画像14とされることが好ましいことを示唆する(例えば、「同じ攻撃でチャンス」といった表示(
図63(b)参照)を行う)ことが考えられる。
【0219】
〇具体例6-5
バトル演出B(状態B)における複合演出では先選択画像13と後選択画像14が異種となった場合の方が同種となった場合よりも信頼度が高いことを示唆する表示(示唆表示B)がなされるものとする。このようにすることで、雑誌やインターネットから情報を得なくとも、バトル演出B(状態B)での複合演出の特性を知ることができる。示唆表示Bは、バトル演出Bの実行中(状態B中)に発生するものとしてもよいし、バトル演出Bが実行されていない状態(変動演出中)に実行されるようにしてもよい。示唆表示Bの例としては、敵キャラクタBの特性を示すことで先選択画像13と後選択画像14が異種となることが好ましいことを示唆すること(例えば、敵キャラクタBを指して「別の攻撃に弱い」といった表示(
図64(a)参照)を行う)が考えられる。また、バトル演出Bにおいて、後選択画像14としていずれの候補画像が選択されるかが示される前に、先選択画像13と異種の画像が後選択画像14とされることが好ましいことを示唆する(例えば、「違う攻撃でチャンス」といった表示(
図64(b)参照)を行う)ことが考えられる。
【0220】
〇具体例6-6
バトル演出A(状態A)において発生する複合演出において、先選択画像13と後選択画像14が同種となった場合には、信頼度が100%である(対象当否抽選結果が大当たり確定となる)設定とする。このようにすることで、バトル演出A(状態A)は、先選択画像13と後選択画像14が同種となることが、極めて重要な演出となる。
【0221】
この場合、バトル演出A(状態A)において、先選択画像13と後選択画像14が異種となった場合には、対象当否抽選結果がはずれであることが確定する設定としてもよい。このようにすることで、バトル演出A(状態A)での複合演出は、先選択画像13と後選択画像14が同種となるか否かが当落分岐(当たりかはずれかの分かれ目)となるという演出形態となる。
【0222】
〇具体例6-7
バトル演出A(状態A)において発生する複合演出において、先選択画像13と後選択画像14が同種となった場合、それがある種(一または二種)の候補画像である場合は信頼度が100%である(対象当否抽選結果が大当たり確定となる)が、ある種の候補画像とは異なる種の候補画像である場合は信頼度が100%未満である(対象当否抽選結果がはずれである可能性がある)設定とする。例えば、先選択画像13と後選択画像14が「攻撃R」で同種となった場合は信頼度100%であり、先選択画像13と後選択画像14が「攻撃P」または「攻撃Q」で同種となった場合は信頼度が100%未満である設定とする。このようにした場合には、先選択画像13と後選択画像14がいずれの種類で同じとなるかにも遊技者が注目するであろう演出形態となる。
【0223】
〇具体例6-8
先選択演出の候補画像と後選択演出の候補画像が一緒に(同時期に)表示される状態(選択肢提示段階)とされ(
図65(a)参照)、その後先選択画像13が選択されたことが示され(
図65(b)参照)、さらにその後後選択画像14が選択されたことが示される(
図65(c)参照)複合演出とする。このようにすることで、選択肢提示段階において、先選択演出の選択肢(候補画像)と後選択演出の選択肢(候補画像)に同種の選択肢があることが前もって遊技者に示唆される(先選択演出と後選択演出にて同じ選択肢が選択される可能性があることを前もって把握できる)から、より分かりやすい演出形態となる。
【0224】
〇具体例6-9
一方の選択演出における選択画像の提示タイミングと、他方の選択演出における選択画像の提示タイミングが同じである複合演出とする。すなわち、二つの選択演出の候補画像が一緒に(同時期に)表示される状態(選択肢提示段階)とされ(
図66(a)参照)、その二つの選択演出のそれぞれの結果(選択画像)が一緒に示される(
図66(b)参照)複合演出とする(なお、このような構成とした場合は、上記実施形態のように先選択演出(先演出)、後選択演出(後演出)といった概念は無くなる)。このようにすることで、二つの選択演出における選択画像が同種のものとなったか否かが一時に判明する分かりやすい演出形態となる。
【0225】
〇具体例6-10
バトル演出A(状態A)において、先選択画像13と後選択画像14が同種となる場合、少なくとも一部の二以上の候補画像については、その種類が信頼度に影響を及ぼさないものとする。例えば、バトル演出Aにおいて、先選択画像13と後選択画像14が「攻撃P」で同種となった場合と、先選択画像13と後選択画像14が「攻撃Q」で同種となった場合とでは、信頼度に差がない設定とする(
図67参照)。このようにすることで、先選択画像13と後選択画像14が同種となることが重要なのであって(少なくとも一部の候補画像に関しては)選択された候補画像の種類は重要ではないという分かりやすい演出形態となる。なお、
図67(a)に示すように、先選択画像13および後選択画像14として選択されたのがいずれの候補画像であっても信頼度が同じとなる設定とすることも考えられるし、
図67(b)に示すように、一部の二以上の候補画像(「攻撃P」、「攻撃Q」)については信頼度が同じであるが、他の候補画像(「攻撃R」)については信頼度が異なる設定とすることも考えられる。
【0226】
〇具体例6-11
複合演出において、先選択画像13と後選択画像14が同種となったとき(
図68(a)→(b-1)参照)に、それを強調する演出(同種強調演出)(
図68(b-1)参照)が発生しうるものとする。当該演出は、先選択画像13と後選択画像14が同種となったことを強調するのであるから、先選択画像13と後選択画像14が異種となったとき(
図68(a)→(b-2)参照)には発生しない(
図68(b-2)参照)ものである。同種強調演出は、当該演出固有の態様であれば、その具体的態様はどのようなものであってもよい(
図68(b-1)には「同じ攻撃発生」の文字を含む画像の表示が同種強調演出とされた例を示す)。
【0227】
本例のようにする場合、複合演出が実行されるバトル演出(状態)の種類にかかわらず、先選択画像13と後選択画像14が同種となった場合には同種強調演出が発生するようにすることが考えられる。
【0228】
一方、これとは異なり、先選択画像13と後選択画像14が同種となることが好ましい状態(状態A)であるバトル演出Aにおいては先選択画像13と後選択画像14が同種となったときに同種強調演出が発生するものの、先選択画像13と後選択画像14が異種となることが好ましい状態(状態B)であるバトル演出Bにおいては先選択画像13と後選択画像14が同種となっても同種強調演出が発生しないようにする。つまり、先選択画像13と後選択画像14が同種となることが(異種となることに比して)有利な状況においてのみ同種強調演出が発生する(有利な状況を強調する演出として発生する)ようにすることが考えられる。
【0229】
〇具体例6-12
複合演出において、先選択画像13と後選択画像14が異種となったとき(
図69(a)→(b-2)参照)に、それを強調する演出(異種強調演出)(
図69(b-2)参照)が発生しうるものとする。当該演出は、先選択画像13と後選択画像14が異種となったことを強調するのであるから、先選択画像13と後選択画像14が同種となったとき(
図69(a)→(b-1)参照)には発生しない(
図69(b-1)参照)ものである。異種強調演出は、当該演出固有の態様であれば、その具体的態様はどのようなものであってもよい(
図69(b-2)には「別の攻撃発生」の文字を含む画像の表示が異種強調演出とされた例を示す)。
【0230】
本例のようにする場合、複合演出が実行されるバトル演出(状態)の種類にかかわらず、先選択画像13と後選択画像14が異種となった場合には異種強調演出が発生するようにすることが考えられる。
【0231】
一方、これとは異なり、先選択画像13と後選択画像14が異種となることが好ましい状態(状態B)であるバトル演出Bにおいては先選択画像13と後選択画像14が異種となったときに異種強調演出が発生するものの、先選択画像13と後選択画像14が同種となることが好ましい状態(状態A)であるバトル演出Aにおいては先選択画像13と後選択画像14が異種となっても異種強調演出が発生しないようにする。つまり、先選択画像13と後選択画像14が異種となることが(同種となることに比して)有利な状況においてのみ異種強調演出が発生する(有利な状況を強調する演出として発生する)ようにすることが考えられる。
【0232】
〇具体例6-13
先選択演出にて選択されうる候補画像の少なくとも一部(二以上の画像)に関し、どれが先選択画像13として選択されるかに応じ、後選択画像14が同種のものとなる蓋然性が異なる設定とする。例えば、先選択画像13として「攻撃P」が選択されたときの方が、先選択画像13として「攻撃Q」が選択されたときよりも、後選択画像14が同種のものとなる蓋然性が高い設定とする(逆の見方をすれば、先選択画像13として「攻撃P」が選択されたときの方が、先選択画像13として「攻撃Q」が選択されたときよりも、後選択画像14が異種のものとなる蓋然性が高いということである)(
図70参照)。このようにすることで、先選択画像13の種類に応じて、後選択画像14が同種のものとなるかを予測しつつ楽しむことができる演出形態となる。
【0233】
<特定選択演出>
本実施形態では、変動演出を構成する演出として特定選択演出(
図72~
図74参照)が発生することがある。なお、当該特定選択演出は通常遊技状態にて発生するものである。ただし、特定遊技状態にて発生するものとすることを否定するわけではない。特定選択演出は、第一選択(第一選択演出)および第二選択(第二選択演出)という二つの選択がなされるものである。以下、特定選択演出における第一選択についての演出構成要素を第一選択パートと、第二選択についての演出構成要素を第二選択パートと称することもある。第一選択パートおよび第二選択パートは、いずれも、複数種の候補画像(選択肢を表す画像)のうちのいずれかが自動的に選択されるものである(遊技者が任意に好みの候補画像を選択することができるものではない)。以下、第一選択パートにて示される候補画像を第一候補画像と、第二選択パートにて示される候補画像を第二候補画像と称することもある。
【0234】
本実施形態の特定選択演出における第一選択パートは、キャラクタを選択するものである。第一候補画像(
図71参照)は選択肢としてのキャラクタを表した部分を含むものとされる。本実施形態では、キャラクタFを含む画像(以下、「キャラF画像」と称することもある)、キャラクタGを含む画像(以下、「キャラG画像」と称することもある)、キャラクタHを含む画像(以下、「キャラH画像」と称することもある)の三種が第一候補画像として示される(図面においては各キャラクタに「F」、「G」、「H」の文字を付す)。
【0235】
本実施形態の特定選択演出おける第二選択パートは、武器を選択するものである。第二候補画像(
図71参照)は選択肢としての武器を表した部分を含むものとされる。本実施形態では、「剣」を含む画像(以下、「剣画像」と称することもある)、「鞭」を含む画像(以下、「鞭画像」と称することもある)、「槍」を含む画像(以下、「鞭画像」と称することもある)の三種が第二候補画像として示される。また、本実施形態では、各第二候補画像は武器の名称を表す文字(「剣」、「鞭」、「槍」の文字)を含む。ただし、このような文字が付された画像としなくてもよい。各画像のイラストで各画像が表す武器を容易に認識できるのであれば、このような文字がなくてもよい。
【0236】
第一候補画像のそれぞれは、第二候補画像のいずれかと対応関係にある(
図71参照(対応関係にあるものどうしを点線で結んだ))。本実施形態では、「キャラF画像」と「剣画像」が、「キャラG画像」と「鞭画像」が、「キャラH画像」と「槍画像」がそれぞれ対応関係にある。対応関係にある画像以外の画像は非対応関係である。本実施形態では、第一候補画像の種類の数と第二候補画像の種類の数は同じであり、第一候補画像と第二候補画像が1:1の関係で対応付けられている(二以上の第一候補画像のいずれにも対応する第二候補画像は存在しないし、二以上の第二候補画像のいずれにも対応する第一候補画像は存在しない)。
【0237】
第一候補画像のそれぞれは、対応関係を示唆する文字要素を含む。キャラF画像は「剣(得意)」の文字要素を、キャラG画像は「鞭(得意)」の文字要素を、キャラH画像は「槍(得意)」の文字要素を含む(
図71参照)。これらの文字要素は、対応関係にある第二候補画像が含む画像構成要素(各第二候補画像の種類を区別するための画像構成要素(本実施形態では武器))をそのまま表すものであるため、「キャラF画像(文字要素「剣」を含む)」と「剣画像」が、「キャラG画像(文字要素「鞭」を含む)」と「鞭画像」が、「キャラH画像(文字要素「槍」を含む)」と「槍画像」がそれぞれ対応関係にあることを容易に把握することができる。
【0238】
特定選択演出は、第一選択パートにて複数の第一候補画像のうちのいずれかが第一選択画像15として選択され、第二選択パートにて複数の第二候補画像のうちのいずれかが第二選択画像16として選択されるものである。そして、第一選択画像15と第二選択画像16が対応関係にあるものとなる対応結果となった場合の方が、第一選択画像15と第二選択画像16が対応関係にない(非対応関係である)非対応結果となった場合よりも、対象当否抽選結果(特定選択演出を含む変動演出に対応する当否抽選結果)の信頼度が高くなるように設定されたものである(
図76(a)参照)。
【0239】
特定選択演出は、その実行態様(実行パターン)は、大きく実行態様A(
図73参照)と実行態様B(
図74参照)に区分けされる。実行態様Aは通常の態様(デフォルトの態様)であり、実行態様Bは特殊な態様である。すなわち、特定選択演出が実行される場合、実行態様Aとなる確率の方が、実行態様Bとなる確率よりも高い。本実施形態では、特定選択演出の90%が実行態様Aとなるようにされている。
【0240】
特定選択演出は、実行態様Aおよび実行態様Bのどちらかに分岐するまで(どちらが実行されたか判明するまで)は
図72に示すように進行する。特定選択演出の開始(
図72(a)参照)後、複数の第一候補画像と複数の第二候補画像が表示される(
図72(b)参照)。すなわち、選択肢が遊技者に示される(選択肢提示状態)。本実施形態では、第一候補画像と第二候補画像が区別して(第一候補画像が第一領域に、第二候補画像が第二領域(第一領域とは異なる領域)に)表示される。これにより、第一候補画像と第二候補画像が区別されていることが理解できる。また、各第一候補画像は対応関係にある第二候補画像を示唆する文字要素を含むため、これを見た遊技者は各第一候補画像が第二候補画像のいずれかと対応関係にあることを把握する。その後、複数の第一候補画像のいずれか一つが他の第一候補画像よりも目立つ強調態様とされ、強調態様とされる第一候補画像の種類が経時的に変化していく(強調態様の経時的変化が発生する)状態となる(選択前状態)(
図72(c)参照)。本実施形態では、枠画像が第一候補画像のいずれか一つを囲んだ状態となることが強調態様とされる(枠画像が各第一候補画像間を高速で移動していく選択前状態とされる)。強調態様を構築する手法は種々考えられる。例えば、強調態様とする画像を他の画像よりも大きくする、強調態様とする画像をカラー表示とし他の画像をモノクロ表示とする、強調態様とする画像を表示し他の画像を消す、といった手法が考えられる。複数の第二候補画像についても同様とされる(いずれか一つの第二候補画像が、他の第二候補画像よりも目立つ強調態様とされ、その強調態様とされる第二候補画像の種類が経時的に変化していく状態とされる)(
図72(c)参照)。このように、選択前状態では、強調態様とされる画像が経時的に変化するため、遊技者には「ルーレット」のように見える(二つのルーレットが動いているように見える)。
【0241】
特定選択演出が実行態様Aとなる場合、まず、複数の第一候補画像のうちのいずれかが第一選択画像15として選択されたことが示される。すなわち、まず、第一選択パートが実行される。複数の第一候補画像のうちのいずれか一つが強調態様とされた状態で強調態様の経時的変化(枠画像の変位)が終了する(
図73(a)参照)ことで、当該強調態様とされたものが第一選択画像15として選択されたことが示される。また、本実施形態では、第一選択画像15として選択されなかった第一候補画像は消去される(
図73(b)参照)。その後、複数の第二候補画像のうちのいずれかが第二選択画像16として選択されたことが示される。すなわち、第一選択パートの後、第二選択パートが実行される。複数の第二候補画像のうちのいずれか一つが強調態様とされた状態で強調態様の経時的変化(枠画像の変位)が終了する(
図73(c-1)(c-2)参照)ことで、当該強調態様とされたものが第二選択画像16として選択されたことが示される。また、本実施形態では、第二選択画像16として選択されなかった第二候補画像は消去される(
図73(d-1)(d-2)参照)。第二選択パートが終了することで、第一選択画像15と第二選択画像16が判明する。つまり、特定選択演出が対応結果となった(
図73(d-1)参照)のか、非対応結果となった(
図73(d-2)参照)のかが判明する。
【0242】
特定選択演出が実行態様Bとなる場合、複数の第一候補画像のうちのいずれが第一選択画像15として選択されたかが示されることと、複数の第二候補画像のうちのいずれが第二選択画像16として選択されたかが示されることとが一緒(同時)に発生する。すなわち、第一選択パートと第二選択パートが一緒に発生する。本実施形態では、複数の第一候補画像に対して生じていた強調態様の経時的変化(枠画像の変位)と、複数の第二候補画像に対して生じていた強調態様の経時的変化(枠画像の変位)とが同時に終了する(
図74(a-1)(a-2)参照)ことで、第一選択画像15が示されることと第二選択画像16が示される(
図74(b-1)(b-2)参照)こととが同時に発生する。これにより、特定選択演出が対応結果となった(
図74(b-1)参照)のか、非対応結果となった(
図74(b-2)参照)のかが判明する。
【0243】
対応結果となった場合には、対応結果となったことを強調する強調画像17が表示される強調演出が発生する。本実施形態では、第一選択画像15として選択されたキャラクタの「得意な武器」が第二選択画像16として選択されたことになるため、「得意武器」の文字を含む強調演出が発生する(
図73(d-1)、
図74(b-1)参照)。強調演出は、非対応結果となった場合には発生することがない(
図73(d-2)、
図74(b-2)参照)。
【0244】
特定選択演出後、特定選択演出の結果に応じた演出(事後演出)が実行される。事後演出は、特定選択演出の結果が反映されるような演出であればよい。一例として、本実施形態では
図75に示すような事後演出が実行される。当該事後演出は、第一選択画像15として選択されたキャラクタが、第二選択画像16として選択された武器を持って敵キャラクタと戦う演出であり(
図75(a)参照)、選択されたキャラクタが敵キャラクタに勝利する勝利結末(一旦敗北したと見せかけてそれが覆される逆転パターンを含む)(
図75(b-1)参照)または敗北する敗北結末(
図75(b-2)参照)に至るものである。勝利結末となった場合の方が敗北結末となった場合よりも対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性は高いから、勝利結末は遊技者に有利な結末であり、敗北結末は遊技者に不利な結末であるといえる。本実施形態では、勝利結末となった場合には、その後発展演出に移行し、当該発展演出を経て対象当否抽選結果(大当たり/はずれ)が報知されるように構成されている。一方、敗北結末となった場合には、対象当否抽選結果がはずれとなるようにされている。つまり、事後演出が勝利結末となった場合には対象当否抽選結果が大当たりである可能性が残り、敗北結末となった場合には対象当否抽選結果がはずれであることが確定するようにされている。ただし、敗北結末となった場合でも対象当否抽選結果が大当たりとなる可能性がある設定(勝利結末となったときよりも敗北結末となったときの方が信頼度は低いが、敗北結末時の信頼度≠0%である設定)としてもよい。本実施形態とは異なり、事後演出がその結末により対象当否抽選結果を報知するリーチ演出(スーパーリーチ演出)である構成としてもよい。すなわち、対象当否抽選結果が大当たりである場合には勝利結末となり、はずれである場合には敗北結末となる事後演出としてもよい。
【0245】
特定選択演出が対応結果となった場合の方が、非対応結果となった場合よりも、事後演出が勝利結末に至る蓋然性は高い。本実施形態では、対応結果としては三つのパターン(「キャラF画像」と「剣画像」となる対応結果、「キャラG画像」と「鞭画像」となる対応結果、「キャラH画像」と「槍画像」となる対応結果の三つのパターン)が生じることになるが、そのいずれもが、非対応結果のあらゆるパターンよりも事後演出が勝利結末に至る蓋然性が高い。すなわち、
図76(a)に示すように、特定選択演出は、どの対応結果でも、いずれの非対応結果よりも信頼度が高い。本実施形態では、対応結果となった場合でも上記三つのパターンのいずれであるかに応じて信頼度が相違するから、その内容(第一選択画像15と第二選択画像16の組み合わせがどのパターンであるか)にも遊技者が注目するであろう演出形態となる。
【0246】
以上説明した通り、本実施形態における特定選択演出は、第一選択画像15と第二選択画像16が対応関係にあるものとなるか否かが重要な(遊技者の関心事となる)演出である。実行態様Aは、第一選択画像15が示された後、第二選択画像16が示されるから、第一選択画像15を見ながらそれに対応する第二選択画像16が選択されることを願いつつ第二選択パートを見守るという演出態様となる。一方、実行態様Bは、第一選択画像15と第二選択画像16が一緒に示されるから、いきなり対応結果となるか否かが判明するという演出態様となる。つまり、実行態様がいずれとなるかによって対応結果となるか否かが判明するまでの経過が異なるから、実行態様に応じて異なる印象を遊技者に与えることができることとなる。特に、本実施形態では、実行態様Aとなることを基本(デフォルト)とするから、遊技者は実行態様Aに接することが多く、まずは第一選択画像15が示されることを想定しているといえる。このような想定の下、実行態様Bとなった場合には第一選択画像15と第二選択画像16が一緒に示されるから、遊技者に驚きを与えることができるといえる。
【0247】
また、本実施形態では、特定選択演出が実行態様Aとされる場合よりも、実行態様Bとされる場合の方が、対応結果(遊技者に有利な結果)となる蓋然性が高くなるように設定されている(
図76(b)参照)。実行態様Bは、いきなり第一選択画像15と第二選択画像16が示されるものである(実行態様Aのように、第一選択画像15が示された後、第二選択画像16が示されるよりも前に、第二選択画像16として対応関係にあるものが選択されることを遊技者が願う期間は設けられないものである)。つまり、実行態様Bで非対応結果となるケースは、遊技者に不利な結果となったことがあっさりと示されるものであるため、このようなケースが増えすぎると遊技者が興ざめしてしまうおそれがある。よって、実行態様Bとなる場合は、対応結果(遊技者に有利な結果)となることが多いように設定している。
【0248】
以下、上記特定選択演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0249】
〇具体例7-1
上記実施形態では、第一候補画像は対応関係にある第二候補画像を示唆する文字要素を含むことを説明したが、第二候補画像も対応関係にある第一候補画像を示唆する文字要素を含むものとする。上記実施形態のように第一候補画像がキャラクタを含むものとするのであれば、第二候補画像は対応関係にあるキャラクタの名称を含む文字要素を有するものとする(
図77参照)。このようにすることで、第二候補画像からみて対応関係にある第一候補画像がどれであるかを容易に把握することができるため、演出が分かりやすくなる。特に、実行態様Aとされる場合において、第一選択画像15が示された(第一選択パート)後、対応結果となるためにはどの第二候補画像が第二選択画像16として選択されたらよいか容易に把握することができるため、演出が分かりやすくなる。
【0250】
〇具体例7-2
対応関係となる第二候補画像が存在しない第一候補画像(以下、特殊第一候補画像と称する)が存在する設定とする(
図78(a)参照。当該図においては、「キャラクタI」を含む第一候補画像が特殊第一候補画像である)。すなわち、第一候補画像の一部は対応関係にある第二候補画像が存在するが、第一候補画像の他の一部は対応関係にある第二候補画像が存在しない設定とする。特殊第一候補画像は、対応関係にある第二候補画像が存在しないのであるから、第二候補画像のいずれかを示唆するような要素を含むものではない。図示しないが、特殊第一候補画像は、対応関係にある第二候補画像が存在しないことを示唆する要素を含むものとしてもよい。例えば、「得意武器無し」といった要素を含むものとすることが考えられる。
【0251】
このような構成とした場合、第一選択パートにて特殊第一候補画像が第一選択画像15として選択されたときには、対応結果となる可能性がなくなるという演出形態となる。特に、実行態様Aとされるときには、特殊第一候補画像が第一選択画像15として選択されなければ対応結果となる可能性は残存するが、特殊第一候補画像が第一選択画像15として選択されると対応結果となる可能性がなくなるという演出形態(第一選択パートにて特殊第一候補画像が第一選択画像15として選択されないことが対応結果となるための第一の障壁であり、それをクリアした後、第二選択パートにて第一選択画像15と対応関係にある第二候補画像が第二選択画像16として選択されることが対応結果となるための第二の障壁であるという演出形態)となる。
【0252】
〇具体例7-3
対応関係となる第一候補画像が存在しない第二候補画像(以下、特殊第二候補画像と称する)が存在する設定とする(
図78(b)参照。当該図においては、「棒」を含む第二候補画像が特殊第二候補画像である)。すなわち、第二候補画像の一部は対応関係にある第一候補画像が存在するが、第二候補画像の他の一部は対応関係にある第一候補画像が存在しない設定とする。特殊第二候補画像は、対応関係にある第一候補画像が存在しないのであるから、第一候補画像のいずれかを示唆するような要素を含むものではない。図示しないが、特殊第二候補画像は、対応関係にある第一候補画像が存在しないことを示唆する要素を含むものとしてもよい。例えば、「対応キャラ無し」といった要素を含むものとすることが考えられる。
【0253】
このような構成とした場合、第二選択パートにて特殊第二候補画像が第二選択画像16として選択されたときには、対応結果となる可能性がなくなるという演出形態となる。つまり、第一選択パートにてどの第一候補画像が第一選択画像15として選択された場合でも、第二選択パートにて特殊第二候補画像が第二選択画像16として選択された場合には非対応結果となるという演出形態となる。
【0254】
〇具体例7-4
対応関係となる第二候補画像が複数ある第一候補画像(以下、特定第一候補画像と称する)が存在する設定とする(
図79(a)参照。当該図においては、「キャラクタH」を含む第一候補画像が特定第一候補画像である)。すなわち、第一候補画像の一部は対応関係にある第二候補画像が一つだけであるが、第一候補画像の他の一部(特定第一候補画像)は対応関係にある第二候補画像が複数ある設定とする。特定第一候補画像は、対応関係にある第二候補画像が複数あるのであるから、第二候補画像を示唆する文字要素を複数含むものとされてもよい(
図79(a)のキャラクタHの第一候補画像は、「槍」の第二候補画像を示唆する文字要素と「棒」の第二候補画像を示唆する文字要素を含む)。
【0255】
このような構成とする場合、第一選択パートにて特定第一候補画像が第一選択画像15として選択されるときには、特定第一候補画像以外の第一候補画像が第一選択画像15として選択されるときよりも、対応結果となる蓋然性が高くなるようにするとよい。これにより、第一選択パートの結果としては、特定第一候補画像が第一選択画像15として選択されることが、特定第一候補画像以外の第一候補画像が第一選択画像15として選択されることよりも有利な結果となる。特に、実行態様Aとされる場合、第一選択パートにて特定第一候補画像が第一選択画像15として選択されたときには、(特定第一候補画像以外の第一候補画像が第一選択画像15として選択されたときに比して)その後実行される第二選択パートで対応関係にあるものが第二選択画像16として選択されることに期待がもてる(特定第一候補画像が選択されることがいわゆるチャンスアップとして機能する)という演出形態となる。
【0256】
〇具体例7-5
対応関係となる第一候補画像が複数ある第二候補画像(以下、特定第二候補画像と称する)が存在する設定とする(
図79(b)参照。当該図においては、「槍」を含む第二候補画像が特定第二候補画像である)。すなわち、第二候補画像の一部は対応関係にある第一候補画像が一つだけであるが、第二候補画像の他の一部(特定第二候補画像)は対応関係にある第一候補画像が複数ある設定とする。図示しないが、特定第二候補画像は、対応関係にある第一候補画像が複数あることを示す要素を含むものとしてもよい。例えば、「キャラH」を示す要素および「キャラI」を示す要素を含む特定第二候補画像とすることが考えられる。
【0257】
このような構成とする場合、第二選択パートにて特定第一候補画像が第一選択画像15として選択されるときには、特定第一候補画像以外の第一候補画像が第一選択画像15として選択されるときよりも、対応結果となる蓋然性が高くなるようにするとよい。これにより、第二選択パートの結果としては、特定第二候補画像が第二選択画像16として選択されることが、特定第二候補画像以外の第二候補画像が第二選択画像16として選択されることよりも有利な結果となる。
【0258】
〇具体例7-6
全ての第二候補画像が対応関係となる第一候補画像(以下、特別第一候補画像と称する)が存在する設定とする(
図80(a)参照。当該図においては、「キャラクタI」を含む第一候補画像が特別第一候補画像である)。すなわち、第一候補画像の一部は対応関係にある第二候補画像は一部であるが、第一候補画像の他の一部(特別第一候補画像)は全ての第二候補画像と対応関係にある設定とする。特別第一候補画像は「オールマイティ」画像であるとみることもできる。特別第一候補画像は、全ての第二候補画像と対応関係にあるのであるから、それを示す文字要素を含むものとされてもよい(
図80(a)のキャラクタIの第一候補画像は、「全部」を含む文字要素を有するものとし、全ての第二候補画像と対応関係にあることを示唆している。これとは異なり、全ての第二候補画像のそれぞれを示す文字要素を含む態様とすることも考えられる。)。
【0259】
このような構成とすることで、第一選択パートにて特別第一候補画像が第一選択画像15として選択されるときには、必ず対応結果に至るという演出形態となる。特別第一候補画像が第一選択画像15として選択されれば必ず対応結果になるのであるから、第一選択パートの結果としては、特別第一候補画像が第一選択画像15として選択されることが、特別第一候補画像以外の第一候補画像が第一選択画像15として選択されることよりも遊技者に有利であるといえる。特に、実行態様Aとされる場合、第一選択パートにて特別第一候補画像が第一選択画像15として選択されたときには、第二選択パートにおける選択(第二選択画像16)を見るまでもなく、対応結果となることが確定するという演出形態となる。
【0260】
〇具体例7-7
全ての第一候補画像が対応関係となる第二候補画像(以下、特別第二候補画像と称する)が存在する設定とする(
図80(b)参照。当該図においては、「棒」を含む第二候補画像が特別第二候補画像である)。すなわち、第二候補画像の一部は対応関係にある第一候補画像は一部であるが、第二候補画像の他の一部(特別第二候補画像)は全ての第一候補画像と対応関係にある設定とする。特別第二候補画像は「オールマイティ」画像であるとみることもできる。図示しないが、特別第二候補画像は、全ての第二候補画像と対応関係にあるのであるから、それを示す要素を含むものとされてもよい(例えば、「全部」の文字を含むものとし、全ての第一候補画像と対応関係にあることを示唆することが考えられる。これとは異なり、全ての第一候補画像のそれぞれを示す要素を含む態様とすることも考えられる。)。
【0261】
このような構成とすることで、第二選択パートにて特別第二候補画像が第二選択画像16として選択されるときには、必ず対応結果に至るという演出形態となる。特別第二候補画像が第二選択画像16として選択されれば必ず対応結果になるのであるから、第二選択パートの結果としては、特別第二候補画像が第二選択画像16として選択されることが、特別第二候補画像以外の第二候補画像が第二選択画像16として選択されることよりも遊技者に有利であるといえる。特に、実行態様Aとされる場合、第一選択パートにていずれの第一候補画像が第一選択画像15として選択されても、第二選択パートにて特別第二候補画像が第二選択画像16として選択されればもれなく対応結果となる演出形態(第一選択パートの結果にかかわらず、第二選択パートにて特別第二候補画像が選択されればよいという演出形態)となる。
【0262】
〇具体例7-8
特定選択演出が実行態様Bとなった場合よりも、実行態様Aとなった場合の方が、対応結果になる蓋然性が高い設定とする。実行態様Aは、第一選択画像15を示した後、第二選択画像16を示すというものであるから、結果に至るまでの時間(プロセス)を楽しんでもらう態様であるといえる。それを重視するのであれば、実行態様Aの方が遊技者に有利な対応結果に至る蓋然性が高い(信頼度が高い)設定とする。
【0263】
本例のようにする場合には、実行態様Bとなることを基本(デフォルト)とする(特定選択演出が実行される場合、実行態様Bとなる確率の方が、実行態様Aとなる確率よりも高い設定とする)ことが好ましい。一般的には、各種演出は、相対的に低信頼度の態様の方が発生しやすくされるから、実行態様Aの方を比較的高信頼度である(いわゆるチャンスアップとなる)設定とする以上、実行態様Bの方が実行態様Aよりも発生しやすくするとよい。
【0264】
〇具体例7-9
第一候補画像は、対応する第二候補画像を示唆する要素を有してない構成とする。上記実施形態のように第二候補画像は武器を示すものとするのであれば、第一候補画像は当該武器を示唆する要素を含まないものとする。このようにすることで、特定選択演出においては第一候補画像と第二候補画像の対応関係が示されないから、遊技者は第一候補画像と第二候補画像の対応関係を予測しつつ楽しむ(または雑誌やインターネット等で対応関係の情報を得て楽しむ)こととなる。
【0265】
〇具体例7-10
第一候補画像が含む対応する第二候補画像を示唆するものとして文字要素とは異なる要素を含むものとする。例えば、対応関係にある第一候補画像と第二候補画像は所定部位の色が同じである(対応関係に無い第一候補画像と第二候補画像どうしは当該所定部位の色が異なる)ものとする(
図81参照。当該図には、第一候補画像の種類を示す要素(キャラ)や第二候補画像の種類を示す要素(武器)の背景の色が、対応関係にあるものどうしは同じである例を示す。)。
【0266】
本例のような文字以外の対応関係示唆要素と、上記実施形態のような文字による対応関係示唆要素の両方を含むものとし、ある第一候補画像とある第二候補画像とが対応関係にあるか否かが容易に判別できるようにしてもよい。
【0267】
〇具体例7-11
特定選択演出の発生の度に、複数の第一候補画像の組み合わせパターンおよび複数の第二候補画像の組み合わせパターンの少なくともいずれか一方が異なりうるものとする。本例のようにする場合、第一候補画像と第二候補画像の組み合わせパターンに応じ、対応結果となる蓋然性が異なる設定とすることができる。
【0268】
組み合わせパターンに応じた対応結果となる蓋然性の示唆方法は種々考えられる。例えば、
図82に示すように、対応関係にある第一候補画像と第二候補画像の数が「三つ」である特定選択演出Aと、対応関係にある第一候補画像と第二候補画像の数「四つ」である特定選択演出Bが発生しうるとする場合、対応関係にある第一候補画像と第二候補画像の数は特定選択演出Aよりも特定選択演出Bの方が多いから、対応結果となる蓋然性が特定選択演出Aよりも特定選択演出Bの方が高い設定とすることが考えられる。また、図示しないが、第一候補画像や第二候補画像に特定の画像が含まれている方が、含まれていない場合よりも、対応結果となる蓋然性高い設定とすることが考えられる(選択肢として特定の画像が提示されていることがチャンスアップとして機能することとする)
【0269】
〇具体例7-12
実行態様Bとなる場合は、対応結果となることが確定するものとする。実行態様Aは、第一選択画像15が示された後、それと対応関係にあるものが第二選択画像16として選択されることに期待する期間(第二選択画像16の選択を「待つ」期間)が存在する(実行態様Aにおいて、第一選択画像15と対応関係にあるものが第二選択画像16として選択されるかどうかに遊技者が注目するのは、非対応関係にある第二選択画像16が選択される可能性があるからである)。一方、実行態様Bは、第一選択画像15と第二選択画像16が一緒に示されるから、このような期間は存在しない。よって、実行態様Bにおいては、遊技者にとって残念な結果である非対応結果となることを排除し、必ず対応結果となるようにすることが考えられる。なお、本例のようにした場合、第一選択画像15が示された後で第二選択画像16が示されることを想定している(実行態様Aとなることを想定している)遊技者に対し、実行態様Bとなるときにはいきなり対応関係にある第一選択画像15と第二選択画像16が一緒に示されるから、驚きと喜びが一度に訪れることとなる。
【0270】
〇具体例7-13
上記実施形態とは異なり、特定選択演出が対応結果となった場合、第一選択画像15および第二選択画像16の組み合わせが異なっていても信頼度が同じである設定とする。例えば、
図83に示すように、「キャラF画像」と「剣画像」となる対応結果となった場合(
図83(a)参照)と、「キャラG画像」と「鞭画像」となる対応結果となった場合(
図83(b)参照)とでは、信頼度が同じであるとする。このようにすることで、対応結果となるかどうかが重要となる分かりやすい特定選択演出とすることができる。
【0271】
〇具体例7-14
特定選択演出が実行される状態に応じ、対応結果となる蓋然性が異なるものとする。例えば、キャラクタXをモチーフとした背景X1(固有画像X1)が表示される「ステージX1」(モードX1)が設定された状態(状態X1)、および、キャラクタX2をモチーフとした背景X2(固有画像X2)が表示される「ステージX2」(モードX2)が設定された状態(状態X2)のいずれにおいても特定選択演出が発生しうるようにする(固有画像X1はステージX2(状態X2)で表示されることがないステージX1(状態X1)専用の画像であり、固有画像X2はステージX1(状態X1)で表示されることがないステージX2(状態X2)専用の画像である)。そして、「ステージX1」(状態X1)が設定された状態で特定選択演出が実行された場合よりも、「ステージX2」(状態X2)が設定された状態で特定選択演出が実行された場合の方が対応結果となる蓋然性が高い設定とする。このようにすることで、特定選択演出が発生したときには、その時の状態にも注目すべき演出態様となる。
【0272】
〇具体例7-15
特定選択演出が実行される状態に応じ、対応結果および非対応結果の関係が異なるものとする。例えば、キャラクタXをモチーフとした背景X1(固有画像X1)が表示される「ステージX1」(モードX1)が設定された状態(状態X1)、および、キャラクタX2をモチーフとした背景X2(固有画像X2)が表示される「ステージX2」(モードX2)が設定された状態(状態X2)のいずれにおいても特定選択演出が発生しうるようにする(固有画像X1はステージX2(状態X2)で表示されることがないステージX1(状態X1)専用の画像であり、固有画像X2はステージX1(状態X1)で表示されることがないステージX2(状態X2)専用の画像である)。そして、「ステージX1」(状態X1)が設定された状態で特定選択演出が実行された場合には、対応結果の方が、非対応結果よりも遊技者に有利な結果(信頼度が高い)であるとする。一方、「ステージX2」(状態X2)が設定された状態で特定選択演出が実行された場合には、非対応結果の方が、対応結果よりも遊技者に有利な結果(信頼度が高い)であるとする。このようにすることで、対応結果/非対応結果となることの価値が、特定選択演出が実行される状態で相違するという面白みのある演出となる。
【0273】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0274】
上記実施形態にて説明した事項は、ぱちんこ遊技機特有の構成を利用した点を除いて、回胴式遊技機等その他の遊技機にも適用することが可能である。
【0275】
上記実施形態では、当否抽選結果の態様として大当たりおよびはずれが設定され、大当たりとなることで大当たりが獲得される(大当たり遊技が実行される)ものであるが、いわゆる小当たり経由により大当たりが獲得できるものとしてもよい。このように小当たり経由で大当たりが獲得できる遊技性(いわゆる「二種遊技機」の遊技性)を備えたもの自体は周知であるため詳細な説明を省略するが、例えば小当たりに当選した場合、(遊技機の故障や遊技者が指示通り遊技を行わない等のイレギュラーな事象が発生した場合を除き)それが大当たりの獲得に繋がるという設定(実質的に小当たり当選と大当たり当選が同一視できる設定)である設定とするのであれば、上記実施形態にて説明した「大当たり」は、「小当たり」に置き換えることができる(例えば「大当たり確率」とは、大当たりに当選する(直当たりとなる確率)と小当たりに当選する確率を合算した確率であり、「小当たり」に当選することは「大当たり」に当選することと実質的に同じである)ものとする。
【0276】
上記遊技機1は、管理遊技機(いわゆるスマートぱちんこ)であってもよい。つまり、遊技球が内部に封入されており、遊技球に触らずに遊技することができるものであってもよい。
【符号の説明】
【0277】
1 遊技機
10 背景画像
11 区切線画像
13 先選択画像
14 後選択画像
15 第一選択画像
16 第二選択画像
21 通常キャラクタ画像S
22 特別キャラクタ画像S
24 示唆キャラクタ画像S
26 特定画像(261 第一特定画像 262 第二特定画像)
27 別画像(271 第一別画像 272 第二別画像)
25s 数値要素
28 追加操作示唆画像
61 押しボタン
62 十字キー
65 特殊操作ユニット
71 変動中表示
72 変動前表示
70n 通常表示態様
70s 特殊表示態様
73 特定示唆画像(73n 通常特定示唆画像 73s 特殊特定示唆画像)
80 装飾図柄(80L 左装飾図柄 80R 右装飾図柄 80C 中装飾図柄)
80g 装飾図柄群 80gL、C、R装飾図柄群
904 始動領域(904a 第一始動領域 904b 第二始動領域)
905 普通領域
906 大入賞領域
908 発射装置
91 表示装置
911 表示領域