(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023120
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】d-アンフェタミン化合物、組成物、ならびにそれを作製および使用するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4425 20060101AFI20250206BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20250206BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250206BHJP
A61K 31/137 20060101ALI20250206BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20250206BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20250206BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20250206BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20250206BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20250206BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20250206BHJP
【FI】
A61K31/4425
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K31/137
A61P25/00
A61P25/20
A61P25/18
A61P25/24
A61P3/04
A61K47/54
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024208343
(22)【出願日】2024-11-29
(62)【分割の表示】P 2022525745の分割
【原出願日】2020-02-21
(31)【優先権主張番号】16/667,807
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522174100
【氏名又は名称】ゼブラ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】グオチェン チ
(72)【発明者】
【氏名】トラビス ミックル
(57)【要約】
【課題】d-アンフェタミン化合物、組成物、ならびにそれを作製および使用するためのプロセスを提供すること。
【解決手段】
この構造を有する、d-アンフェタミン化合物、およびd-アンフェタミンに共有結合された少なくとも1種の有機酸を含む組成物、またはその塩、その誘導体、もしくはそれらの組合せが開示される。それを作製および使用する方法も開示される。有機化合物は、複素環式窒素化合物を含む。複素環式窒素化合物は、天然に一般に見出され、植物および動物におけるいくつかの生物学的機能に関与する。本技術の実施における使用のための複素環式窒素化合物の例には、限定するものではないが、例えばピリジン誘導体が含まれ、その一部はニコチネートおよびトリプトファンの代謝で重要な役割を果たす。これらの化合物において、フェニル環の1個の炭素は、窒素原子によって一般に置き換えられる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中枢神経系の刺激を必要とする障害もしくは状態を有する患者を処置するためか、神経伝達物質の取込みを制御、予防、制限、もしくは阻害することによって媒介された疾患、障害、もしくは状態を有する患者を処置するためか、またはシナプス中の神経伝達物質濃度を増加させることにより媒介される疾患、障害、もしくは状態を有する患者を処置するための、化合物を含む組成物であって、ここで、前記化合物が、式IC:
【化47】
の構造を有するかまたはその薬学的に許容される塩であり、
ここで、Xは、エステル、カルボン酸、アミノ酸、アミノ酸残基、アミド、およびそれらの誘導体からなる群から選択され、
ここで、Xがアミドである場合、少なくとも1つのアミド置換基が水素であるか、または少なくとも1つのアミド置換基が少なくとも2つの炭素を含み、そして
Yは、水素、アルケニル、アルコキシ、アルキル、アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、シクロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、および複素環からなる群から選択され、
ここで、前記組成物が、非経口投与または鼻内投与のために製剤化されている、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、ここで、
Xは、A-COO-Rであり;
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される、
またはその薬学的に許容される塩である、
組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の組成物であって、ここで、式ICの化合物が、Aが存在せず、Yが水素である化合物であり、そして前記化合物が、式IC:
【化48】
の構造を有し、式中、Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される、組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物であって、ここで、
Xは、A-CO-NR
1
NR
2
であり;
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
R
1
およびR
2
のうちの少なくとも1つは、水素であるか、またはR
1
およびR
2
のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの炭素を含み、R
1
が水素であるかまたは少なくとも2つの炭素を含む場合、R
2
は、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され、
R
2
が水素であるかまたは少なくとも2つの炭素を含む場合、R
1
は、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される、
またはその薬学的に許容される塩である、
組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物であって、ここで、式ICの構造を有する前記化合物が、
【化49】
またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、組成物。
【請求項6】
前記薬学的に許容される塩が、酢酸塩、L-アルパラギン酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、D-カンシル酸塩、L-カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩/臭化物、塩酸塩/塩化物、D-乳酸塩、L-乳酸塩、D,L-乳酸塩、D,L-リンゴ酸塩、L-リンゴ酸塩、メシル酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、D-酒石酸塩、L-酒石酸塩、D,L-酒石酸塩、メソ-酒石酸塩、安息香酸塩、グルセプト酸塩、D-グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、イセチオン酸塩、マロン酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、ステアリン酸塩、トシル酸塩、チオシアン酸塩、アセフィリネート、アセチュレート、アミノサリチル酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳炭酸塩、デカン酸塩、ヘキサン酸塩、コール酸塩、シピオン酸塩、ジクロロ酢酸塩、エデント酸塩、エチル硫酸塩、フレート、フシジン酸塩、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、没食子酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、馬尿酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ヨウ化物、キシナホ酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ミリスチン酸塩、ナパジシル酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、サリチル酸塩、サリチル硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、テレフタル酸塩、チオサリチル酸塩、トリブロフェネート、吉草酸塩、バルプロ酸塩、アジピン酸塩、4-アセトアミド安息香酸塩、カンシル酸塩、オクタン酸塩、エストレート、エシル酸塩、グリコール酸塩、チオシアン酸塩、ウンデシレン酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン酸塩、リシニウム、アンモニウム、トロエタミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記式ICの構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩が、単位用量当たり約0.1mg~約2000mgの間の、単位用量当たりの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、刺激物質、抗うつ剤、それらの組合せ、およびそれらのプロドラッグからなる群から選択される1種または複数種の追加の薬理学的物質を含む、請求項1に記載の組成物
【請求項9】
前記組成物が、メチルフェニデート、アリピプラゾール、アトモキセチン、バクロフェン、クロニジン、デシプラミン、ジヒドロテトラベナジン、グアンファシン、ハロペリドール、レベチラセタム、メカミラミン、エトクロプラミド、オランザピン、オンダンセトロン、ペルゴリド、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、セレギリン、スルピリド、テトラベナジン、トピラメート、ジプラシドンの1つもしくは複数、または追加のアンフェタミンの1つもしくは複数、またはそれらの任意の組合せをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記1つまたは複数の追加のアンフェタミンが、非コンジュゲート化アンフェタミン、アンフェタミンのコンジュゲート、アンフェタミンのプロドラッグ、それらの任意の異性体、またはそれらの任意の組合せである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記非コンジュゲート化アンフェタミンの異性体が、非コンジュゲート化d-アンフェタミンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記メチルフェニデートが、非コンジュゲート化メチルフェニデート、メチルフェニデートのコンジュゲート、メチルフェニデートのプロドラッグ、それらの任意の異性体、またはそれらの任意の組合せである、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記非コンジュゲート化メチルフェニデートの異性体が、非コンジュゲート化d-メチルフェニデートである、請求項12に記載の組成物
【請求項14】
前記メチルフェニデートのコンジュゲートが、セルデキスメチルフェニデートである、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
前記疾患または状態が、注意欠如多動症、注意欠如症、自閉症スペクトラム障害、自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害、睡眠障害、肥満症、うつ病、双極性障害、摂食障害、慢性疲労症候群、不眠症、統合失調症、大うつ病性障害、ナルコレプシー、体位性起立性頻拍症候群、トゥーレット症候群、神経性チック、物質使用障害、無気力、うつ病、神経傷害、または肥満症である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記疾患または状態が、注意欠如症(ADD)または注意欠如多動症(ADHD)である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、メチルフェニデート、アリピプラゾール、アトモキセチン、バクロフェン、クロニジン、デシプラミン、ジヒドロテトラベナジン、グアンファシン、ハロペリドール、レベチラセタム、メカミラミン、エトクロプラミド、オランザピン、オンダンセトロン、ペルゴリド、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、セレギリン、スルピリド、テトラベナジン、トピラメート、ジプラシドンの1つもしくは複数、または追加のアンフェタミンの1つもしくは複数、またはそれらの任意の組合せと組み合わせてその必要な患者に投与される、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本特許出願は、2019年10月29日に出願された米国非仮特許出願第16/667/807号に関し、かつその優先権の利益を主張し、その米国非仮特許出願の内容は、その全体が参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発
[適用せず]
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ここに記述される技術は、d-アンフェタミンに共有結合したまたは結合(attached)した有機化合物を含む、d-アンフェタミン(即ち、1-フェニルプロパン-2-アミン)の新規な化合物および組成物、その塩、その誘導体、またはその組合せに関する。本技術の化合物および組成物を作製および使用する方法も、開示される。
【0004】
d-アンフェタミンおよびその誘導体を含む刺激物質は、交感神経系および/または中枢神経系(CNS)の活性を高め、例えば、注意欠如多動症(ADHD)、注意欠如症(ADD)、肥満症、ナルコレプシー、食欲抑制、うつ病、不安症、および覚醒状態を主に包含する様々な状態および障害の処置のために処方される。
【0005】
子供の注意欠如多動症(ADHD)は、何年にもわたり刺激物質で処置されてきた。しかしながら、より最近では、成人集団におけるADHD治療に関する処方の数の増加が、時には小児科市場の成長を上回っている。メチルフェニデート(例えばNovartis
International AG(Basel、Switzerlandに位置する)から、Ritalin(登録商標)という商標で市販されている)および非刺激物質アトモキセチン(Eli Lilly and Company(Indianapolis、INに位置する)から、Strattera(登録商標)として商業的)など、ADHDの処置に現在使用される様々な薬物があるが、d-アンフェタミンが、ADHD治療の先駆者になっている。
【0006】
ADHDの初期薬物治療は、例えば、リバウンド症状、心血管ストレス/障害(例えば、心拍数の増加、高血圧、心筋症)、他の副作用(例えば、不眠症、多幸症、精神病エピソード)、嗜癖および乱用を引き起こす、刺激物質活性成分の治療効果の急速な消失を含む、数々の潜在的な望ましくない副作用を誘発する、刺激物質の速効性即時放出製剤に限定された(例えばDexedrine(登録商標)、純粋なデキストロアンフェタミンスルフェート、英国に位置するSmith Kline and Frenchから市販されている)。
【0007】
行動の劣化(リバウンド/「クラッシング」)は、投薬が消失するにつれて、典型的には午後または夕方に、ADHDの子供のかなりの割合で観察される。リバウンド症状には、例えば、易刺激性、不機嫌、非投薬(unmediated)状態よりも悪い活動亢進、悲嘆、泣き、および稀なケースで精神病エピソードが含まれる。症状は、素早く治まるかまたは数時間続くことがある。一部の患者は、処置を中断しなければならないほど重度のリバウンド/クラッシングを経験する可能性がある。リバウンド/クラッシング効果は、予想されるリバウンド/クラッシングの負の転帰および副作用を予防する目的で患者が追加の用量
の刺激物質を投与しようとすることにより、嗜癖行動を引き起こす可能性もある。
【0008】
メチルフェニデートおよびd-アンフェタミンなどの刺激物質は、例えば、心拍数の増加、高血圧、動悸、頻脈、ならびに孤立した症例では心筋症、卒中、心筋梗塞、および突然死を含む、心血管事象をもたらし得るノルアドレナリン作動性およびドーパミン作動性効果を発揮することが、示されている。その結果、現在利用可能な刺激物質は、既存の構造的心臓異常または他の重度の心臓徴候を有する患者をさらに大きな健康リスクに曝し、この集団では頻繁に使用されないかまたは注意を払いながら使用される。しかしながら、例えば心拍数および血圧に対する刺激物質の心血管効果が、投与される用量に依存するということは注目に値する。結果として、治療上有益な持続時間、最も低い有効刺激物質血中濃度を維持する処置は、より少ない心血管リスクを実証することが考えられる。
【0009】
d-アンフェタミンおよびその誘導体(例えば、メタンフェタミン、3,4-メチレンジオキシ-メタンフェタミン/「エクスタシー」)の多くは、多幸感、長期の覚醒/覚醒状態、もしくは急速な体重減少などの様々な目的で、または例えば不安症もしくはうつ病でリバウンド症状が現れないように過剰な自己投薬習慣を持つようになった実際のADHD患者により、広く乱用されている。潜在的な乱用者によって望まれる効果は、中枢神経系の刺激に由来し、d-アンフェタミン(個々にd-およびl-d-アンフェタミンならびに両方の任意の組合せは、スケジュールIIである)およびそのある特定の誘導体に関するスケジュールIIまたはさらにスケジュールI分類が、1970年の規制物質法(CSA)の通過後に促された。両方の分類は、乱用に関する性向の高さにより定義される。スケジュールII薬物は、容認された医療使用を有する一方、スケジュールI物質は、CSAに該当しない。これまで、その持続放出製剤を含む組成物を含む全てのd-アンフェタミン製品は、d-アンフェタミンの乱用および依存性に関する可能性について患者に知らせるため、薬物ラベル上にブラックボックス警告を含むことが義務付けられている。
【0010】
従来技術では、アンフェタミンのほとんどの副作用が、治療有効性よりも低いレベルへと急速に失われる(典型的には4~6時間以内)刺激物質の血中濃度の大きな初期スパイクによって、引き起こされることが示されている。その結果、デキストロアンフェタミン(d-アンフェタミン)の高い効力は、より安全で乱用の可能性が少ない処置の転帰およびレジメンを創出する目的で、血流中によりゆっくりとd-アンフェタミンを送達することにより実現される、次第に増大する持続放出プロファイルを有する一連の新薬によって引き続き調節された。薬物血中濃度でより小さいスパイクを発生させるための方法および技術には、例えば、混合塩および異性体組成物(即ち、d-およびそれほど強力ではないl-アンフェタミンの種々の塩)、アンフェタミン/デキストロアンフェタミン塩の長期/制御/持続放出製剤(例えば、Wayne、PAに位置するShire U.S.,Inc.から市販されているAdderall XR(登録商標))、およびリスデキサンフェタミン塩のプロドラッグ(やはりShireから市販されているVyvanse(登録商標))の使用が含まれる。
【0011】
結果として、d-アンフェタミンのより安全な剤形、ならびに治療上有効であり持続放出および持続治療効果を提供することができる処置レジメンに関する必要性が、当技術分野で依然として存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
ここに記述される技術は、部分的には、新規な化合物、ならびに刺激物質d-アンフェタミン(「d-Amp」、「デキストロアンフェタミン」)の組成物、その塩、その他の誘導体、およびそれらの組合せを提供する。
【0013】
一部の態様では、本技術は、d-アンフェタミンと1つまたはそれよりも多くの有機化合物とを含む化合物および/または組成物を提供する。本技術の一部の態様では、有機化合物は、複素環式窒素化合物を含む。複素環式窒素化合物は、天然に一般に見出され、植物および動物におけるいくつかの生物学的機能に関与する。本技術の実施における使用のための複素環式窒素化合物の例には、限定するものではないが、例えばピリジン誘導体が含まれ、その一部はニコチネートおよびトリプトファンの代謝で重要な役割を果たす。これらの化合物において、フェニル環の1個の炭素は、窒素原子によって一般に置き換えられる。
【0014】
本技術の一部の態様では、有機化合物はアミノ酸を含む。アミノ酸は、カルボキシル(-COOH)およびアミノ(-NH2)基の両方と、様々な側鎖基とを含有する有機化合物である。本技術で使用され得るアミノ酸は、天然、標準、非標準、異常、合成、および/または必須アミノ酸であり得、L-アミノ酸もしくはD-アミノ酸、またはそれらの組合せであり得る。本技術の実施における使用のためのアミノ酸の例には、限定するものではないが、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、オルニチン、ホモアルギニン、シトルリン、ホモシトルリン、ホモセリン、テアニン、γ-アミノ酪酸、6-アミノヘキサン酸、サルコシン、カルニチン、2-アミノアジピン酸、パントテン酸、タウリン、ヒポタウリン、ランチオニン、チオシステイン、シスタチオニン、ホモシステイン、β-アラニン、β-アミノイソ酪酸、β-ロイシン、β-リシン、β-アルギニン、β-チロシン、β-フェニルアラニン、イソセリン、β-グルタミン酸、β-チロシン、β-ドーパ(3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン)、2-アミノイソ酪酸、イソバリン、ジ-N-エチルグリシン、N-メチル-アラニン、L-アブリン、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシリシン、3-ヒドロキシロイシン、4-ヒドロキシイソロイシン、5-ヒドロキシ-L-トリプトファン、1-アミノシクロプロピル-1-カルボン酸、アゼチジン-2-カルボン酸、ピペコリン酸、アリルグリシン、シクロヘキシルグリシン、N-(4-ヒドロキシフェニル)グリシン、N-(クロロアセチル)グリシンエステル、2-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン、4-(ヒドロキシメチル)-フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、2-クロロフェニルグリシン、3-グアニジノ-プロピオン酸、3,4-デヒドロ-プロリン、2,3-ジアミノ安息香酸、2-アミノ-3-クロロ安息香酸、2-アミノ-5-フルオロ安息香酸、allo-イソロイシン、tert-ロイシン、3-フェニルセリン、イソセリン、3-アミノペンタン酸、2-アミノ-オクタン二酸、4-クロロ-β-フェニルアラニン、β-ホモプロリン、β-ホモアラニン、3-アミノ-3-(3-メトキシフェニル)プロピオン酸、N-イソブチリル-システイン、3-アミノ-チロシン、5-メチル-トリプトファン、2,3-ジアミノプロピオン酸、5-アミノ吉草酸、4-(ジメチルアミノ)ケイ皮酸、2-ピリジルアラニン(2-Pal)、および3-ピリジルアラニン(3-Pal)が含まれる。
【0015】
一部の態様では、前記化合物は、式IB
【0016】
【化1】
の構造を有し、
式中、Xは、A-COO-Rであり;
【0017】
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
【0018】
Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、ポリエチレングリコール、アミノ酸、およびアミノ酸残基からなる群から選択される。
【0019】
一部の態様では、前記化合物は、式ID
【0020】
【0021】
式中、Xは、A-CO-NR1R2であり;
【0022】
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
【0023】
R1およびR2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテ
ロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、ポリエチレングリコール、アミノ酸、およびアミノ酸残基からなる群から選択される。
【0024】
Yに結合(attached)した炭素原子は、Yが水素ではない場合、キラル中心であることを理解すべきである。
【0025】
【0026】
一部の態様では、本技術は、このキラル炭素がR配置を有するコンジュゲート(conjugates)を含む。他の態様では、本技術は、このキラル炭素がS配置を有するコンジュゲートを含む。他の態様では、本技術は、一部のコンジュゲートがR配置を有するキラル炭素を含有し、一部のコンジュゲートがS配置を有するキラル炭素を含有する、立体異性体の混合物を含む。
【0027】
ここに記述される技術はさらに、経口投与によるd-アンフェタミン組成物の制御された治療送達の方法を提供する。少なくとも1つの態様では、ここに記述される技術は、経口投与の際の安全治療濃度域内で、ヒトまたは動物の血液系への刺激物質の低速/持続/制御送達を可能にする、化合物形態にあるd-アンフェタミンの低速/持続制御放出組成物に焦点を当てている。現在の技術の少なくとも一部の組成物/製剤は、リバウンド効果、心血管ストレス、嗜癖/乱用の可能性、ならびに/またはd-アンフェタミンおよび類似の化合物に関連した他の一般的な刺激物質副作用を少なくすることができる。そのような組成物は、特に経口で投与した場合、治療効力の持続時間、適用の容易さ、患者のコンプライアンス、および/またはこれらの特徴の任意の組合せも増大させ得る。
【0028】
本技術の化合物の経口投与後のd-アンフェタミンの放出は、長時間にわたり徐々に生じさせることができ、それによって、ヒトまたは動物患者の血流中の薬物レベルの意図しない過剰な急速上昇(例えば、大きな血中レベル濃度のスパイク)が排除される。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、血中レベルのそのようなスパイクは、多幸性薬物を「高く」し、血圧および心拍数の増加のような心血管効果をもたらし得ることも考えられる。さらに、持続血中レベルは、他の従来の治療よりも長い持続時間、有効な治療範囲内で実現され、それによってリバウンド効果が予防される。
【0029】
一部の実施形態では、本技術は、例えば、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、即時および長期の両方の放出PKプロファイルを提供することができる、非コンジュゲート化d-アンフェタミンを有する組成物中の少なくとも1つの1日1回用量形態のd-アンフェタミン化合物を提供するために、特定のd-アンフェタミン(「d-Amp」、「デキサンフェタミン」)化合物、組成物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。場合によっては、放出プロファイルは、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと共に容易に利用されない投薬レジメンを使用して投与される化合物または組成物の能力を提供する。
【0030】
本技術のd-アンフェタミン化合物を含む少なくとも一部の組成物は、違法使用中にし
ばしば用いられる静脈内「シューティング」、鼻内「スノーティング」、または吸入「スモーキング」などの非経口投与経路による乱用に対して、耐性がある。したがって本技術は、ADHD、ADD、肥満症、ナルコレプシー、食欲抑制、うつ病、不安症、睡眠障害、日中の過度の眠気、不眠症、過食症、および低減されたまたは予防された乱用の可能性を有する覚醒状態など、CNSの刺激を必要とするある特定の障害に関する刺激物質ベースの処置様式および剤形を提供する。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、本技術の組成物は、既存の刺激物質処置様式および剤形と比較して、実質的に低下した乱用可能性または乱用傾向をもたらすと考えられる。
【0031】
本技術のd-アンフェタミン化合物を含む少なくとも一部の組成物は、刺激物質(コカイン、メタンフェタミン)乱用および嗜癖、物質使用障害を処置するため、戦場での覚醒を改善し、そして/または疲労と戦うために使用することもできる。
【0032】
本技術の組成物は、注射または鼻内投与経路により投与した場合、好ましくは薬理学的活性がないかまたは薬理学的活性が実質的に低下している。しかしながら、それらはd-アンフェタミンに関して経口的に生物学的に利用可能なままである。バイオアベイラビリティーは、経口投与後のd-アンフェタミンとコンジュゲートの残りの部分との間の共有結合的連結の加水分解の結果であり得る。加水分解は時間依存的であり、それによってd-アンフェタミンならびにp-ヒドロキシアンフェタミンおよびp-ヒドロキシエフェドリンなどの他の代謝物が、その活性形態で、長時間にわたり利用可能になることが可能である。少なくとも1つのさらなる態様では、d-アンフェタミンの放出は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合に減じられるか、または本技術の組成物が非経口経路により送達された場合に排除される。
【0033】
例えば、一態様では、本技術の組成物は、製剤ではなく組成物の設計された特性である制御放出構成成分に起因して、治療構成成分(即ち、活性成分/薬物)を送達するのに利用される錠剤、カプセル剤、または他の経口剤形の破砕後にその有効性および耐乱用性を維持する。対照的に、d-アンフェタミンの放出を制御するのに使用される従来の長期放出製剤は、破砕直後の全d-アンフェタミン含量に至るまでの放出に供される。破砕された錠剤の含量が注射または吸飲された場合、大用量のd-アンフェタミンが、依存者により求められる「ラッシュ」効果を生じる。
【0034】
本発明の他の目的、利点、および態様が、以下に記述され、この記述および本発明の実施から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】硫酸d-アンフェタミンおよびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチネートエチルエステル(AMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et))を比較する、経口PK曲線。
【0036】
【
図2】リスデキサンフェタミン(LDX)、硫酸d-アンフェタミン、d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル-バリンアミド(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2)、d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル-アラニンメチルエステル(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Ala-OMe)、および(d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル)
2-セリンメチルエステル((AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル)
2-Ser-OMe)を比較する、経口PK曲線。
【0037】
【
図3】硫酸d-アンフェタミンおよびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル-セリン(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Ser)を比較する、経口PK曲線。
【0038】
【
図4】リスデキサンフェタミン(LDX)およびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチネートエチルエステル(AMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et))を比較する、静脈内PK曲線。
【0039】
【
図5】リスデキサンフェタミン(LDX)、硫酸d-アンフェタミン、d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル-バリンアミド(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2)、d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル-アラニンメチルエステル(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Ala-OMe)を比較する、静脈内PK曲線。
【0040】
【
図6】リスデキサンフェタミン(LDX)およびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチネートエチルエステル(AMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et))を比較する、鼻内PK曲線。
【0041】
【
図7】リスデキサンフェタミン(LDX)、硫酸d-アンフェタミン、およびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル-バリンアミド(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2)を比較する、鼻内PK曲線。
【0042】
【
図8】d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチノイル-バリンアミド(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2)およびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-イソニコチノイル-バリンアミド(AMP-CO
2CH
2-イソニコチノイル-Val-NH
2)を比較する、経口PK曲線。
【0043】
【
図9】d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチネートエチルエステル(AMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et))およびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-イソニコチネートエチルエステル(AMP-CO
2CH
2-イソニコチネート(Et))を比較する、経口PK曲線。
【0044】
【
図10】d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチネートエチルエステル(AMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et))およびd-アンフェタミン-CO
2CH
2-イソニコチネートエチルエステル(AMP-CO
2CH
2-イソニコチネート(Et))を比較する、静脈内PK曲線。
【発明を実施するための形態】
【0045】
発明の詳細な説明
本技術は、一般に、刺激物質d-アンフェタミンの新規な化合物および組成物、その塩、その他の誘導体、ならびにそれらの組合せについて記述する。さらに、ここに記述される技術は、一般に、これらの新しい化合物および組成物を作製および使用する方法にも関する。
【0046】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」は、天然、標準、非標準、異常、合成、および/または必須アミノ酸を指し、L-アミノ酸もしくはD-アミノ酸、またはそれらの組合せであり得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、「d-アンフェタミン」は、限定するものではないが、d-アンフェタミン(アルファ-メチル-フェネチルアミン)、メタンフェタミン、p-メトキシアンフェタミン、メチレンジオキシアンフェタミン、2,5-ジメトキシ-4-メチルアンフェタミン、2,4,5-トリメトキシアンフェタミン、3,4-メチレンジオキシ-メタンフェタミン、およびメチルフェニデートを含む、中枢神経系刺激物質活性を
有する交感神経模倣フェネチルアミン誘導体のいずれかを意味するものとする。
【0048】
本明細書で使用される場合、「製造業者の取扱説明書と一致しない手法で」または類似の表現は、限定するものではないが、ラベル上に記述されたもしくは資格のある医師により指示された量よりも多い量を消費すること、および/または任意の手段(例えば、破砕、破壊、融解、分離など)により投薬製剤を変化させて組成物が注射、吸入、もしくは喫煙されるようにすることを含むことを意味する。
【0049】
本明細書で使用される場合、「減少する」、「低減する」、「減じられる」、または「低下させる」などの句は、薬理学的活性の少なくとも10%の変化を含むことを意味し、乱用の可能性および過剰用量の可能性の低減に関してより大きいパーセンテージの変化が好ましい。例えば、変化はまた、25%、35%、45%、55%、65%、75%、85%、95%、96%、97%、98%、99%より大きくても、その中での増分であってもよい。
【0050】
本明細書で使用される場合、「物質使用障害」もしくは「刺激物質使用障害」という用語または頭字語「SUD」は、他の非薬物補強剤によって維持されるより前向きな行動を犠牲にした、乱用薬物の獲得および使用に対して不適応な行動の狭まりであると特徴付けることができる。任意の介入の成功は、部分的には、乱用薬物から離れまたはより健康になることが一般に考えられる非薬物補強剤に向かう行動の、再転換を促進する程度によって測定することができる。薬物治療、特にアゴニスト様投薬は、そのような行動再転換を促進することができるいくつかの特性を有する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「アゴニスト投薬」または「アゴニスト置換治療」という用語は、受容体媒介効果および薬力学効果に関して乱用される薬物に機構的に類似しているが、薬物動態特性に関しては異なっている。アゴニスト置換治療に関して望ましい属性は、受容体薬理学が乱用薬物と重なり合うこと、経口バイオアベイラビリティー、作用の遅い発生、作用の長い持続時間を含む。
【0052】
一部の態様によれば、本技術は、化合物形態でアンフェタミンを提供する。より具体的には、アンフェタミンは、アンフェタミンに共有結合したまたは結合(attached)した少なくとも1つの有機化合物を含む。
【0053】
一部の態様では、前記化合物は、式IB
【化4】
の構造またはその薬学的に許容される塩を有し、
【0054】
式中、Xは、A-COO-Rであり;
【0055】
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル
、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
【0056】
Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、ポリエチレングリコール、アミノ酸、およびアミノ酸残基からなる群から選択される。
【0057】
一部の態様では、前記化合物は、式ID
【0058】
【0059】
式中、Xは、A-CO-NR1R2であり;
【0060】
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル
、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
【0061】
R1およびR2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、ポリエチレングリコール、アミノ酸、およびアミノ酸残基からなる群から選択される。
【0062】
一部の態様では、前記化合物は、式IIB:
【0063】
【0064】
式中、Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、ポリエチレングリコール、アミノ酸、およびアミノ酸残基からなる群から選択される。
【0065】
一部の態様では、前記化合物は、式IID:
【0066】
【0067】
式中、Yは水素であり、Aは存在せず、
【0068】
R1およびR2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンアモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロ
アリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、ポリエチレングリコール、アミノ酸、およびアミノ酸残基からなる群から選択される。
【0069】
一部の態様では、前記化合物は、下記の構造:
【0070】
【化8】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et)またはその薬学的な塩である。
【0071】
一部の態様では、前記化合物は、下記の構造:
【0072】
【化9】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2またはその薬学的な塩である。
【0073】
一部の態様では、前記化合物は、下記の構造:
【0074】
【化10】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Serまたはその薬学的に許容される塩である。
【0075】
一部の態様では、前記化合物は、下記の構造:
【0076】
【化11】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Ala-OMeまたはその薬学的な塩である。
【0077】
一部の態様では、前記化合物は、下記の構造:
【0078】
【化12】
を有する(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル)
2-Ser-OMeまたはその薬学的に許容される塩である。
【0079】
一部の態様では、前記化合物の薬学的に許容される塩は、単一塩または混合塩であり、該塩の1つまたは複数は、酢酸塩、L-アスパラギン酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、D-カンシル酸塩、L-カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩/臭化物、塩酸塩/塩化物、D-乳酸塩、L-乳酸塩、D,L-乳酸塩、D,L-リンゴ酸塩、L-リンゴ酸塩、メシル酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、D-酒石酸塩、L-酒石酸塩、D,L-酒石酸塩、メソ-酒石酸塩、安息香酸塩、グルセプト酸塩、D-グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩(hybenzate)、イセチオン酸塩、マロン酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチ
ン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、ステアリン酸塩、トシル酸塩、チオシアン酸塩、アセフィリネート、アセチュレート、アミノサリチル酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳炭酸塩、デカン酸塩、ヘキサン酸塩、コール酸塩、シピオン酸塩、ジクロロ酢酸塩、エデント酸塩(edentate)、エチル硫酸塩、フレート(furate)、フシジン酸塩、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、没食子酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタミン酸
塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、馬尿酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ヨウ化物、キシナホ酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ミリスチン酸塩、ナパジシル酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、サリチル酸塩、サリチル硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、テレフタル酸塩、チオサリチル酸塩、トリブロフェネート、吉草酸塩、バルプロ酸塩、アジピン酸塩、4-アセトアミド安息香酸塩、カンシル酸塩、オクタン酸塩、エストレート、エシレート、グリコール酸塩、チオシアン酸塩、ウンデシレン酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン酸塩、リシニウム、アンモニウム、トロエタミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0080】
一部の態様では、前記化合物は、d-アンフェタミンのコンジュゲートであり、式IB:
【化13】
の構造を有し、
【0081】
式中、Xは、A-COO-Rであり;
【0082】
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
【0083】
Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカ
ルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される。
【0084】
一部の態様では、前記化合物は、d-アンフェタミンのコンジュゲートであり、式ID
【0085】
【0086】
式中、Xは、A-CO-NR1R2であり;
【0087】
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
【0088】
R1およびR2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコ
キシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなるから選択される。
【0089】
一部の態様では、前記化合物は、d-アンフェタミンのコンジュゲートであり、式IIB:
【0090】
【0091】
式中、Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される。
【0092】
一部の態様では、前記化合物は、d-アンフェタミンのコンジュゲートであり、式IID:
【0093】
【0094】
式中、Yは水素であり、Aは存在せず、
【0095】
R1およびR2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される。
【0096】
一部の態様では、前記コンジュゲートは、下記の構造:
【0097】
【化17】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et)またはその薬学的な塩である。
【0098】
一部の態様では、前記コンジュゲートは、下記の構造:
【0099】
【化18】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2またはその薬学的な塩である。
【0100】
一部の態様では、前記コンジュゲートは、下記の構造:
【0101】
【化19】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Serまたはその薬学的に許容される塩である。
【0102】
一部の態様では、前記コンジュゲートは、下記の構造:
【0103】
【化20】
を有するAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Ala-OMeまたはその薬学的な塩である。
【0104】
一部の態様では、前記コンジュゲートは、下記の構造:
【0105】
【化21】
を有する(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル)
2-Ser-OMeまたはその薬学的に許容される塩である。
【0106】
一部の態様では、前記コンジュゲートの薬学的に許容される塩は、単一塩または混合塩であり、1つまたは複数の塩は、酢酸塩、L-アスパラギン酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、D-カンシル酸塩、L-カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩/臭化物、塩酸塩/塩化物、D-乳酸塩、L-乳酸塩、D,L-乳酸塩、D,L-リンゴ酸塩、L-リンゴ酸塩、メシル酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、D-酒石酸塩、L-酒石酸塩、D,L-酒石酸塩、メソ-酒石酸塩、安息香酸塩、グルセプト酸塩、D-グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、イセチオン酸塩、マロン酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、ステアリン酸塩、トシル酸塩、チオシアン酸塩、アセフィリネート、アセチュレート、アミノサリチル酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳炭酸塩、デカン酸塩、ヘキサン酸塩、コール酸塩、シピオン酸塩、ジクロロ酢酸塩、エデント酸塩、エチル硫酸塩、フレート、フシジン酸塩、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、没食子酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、馬尿酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ヨウ化物、キシナホ酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ミリスチン酸塩、ナパジシル酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、サリチル酸塩、サリチル硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、テレフタル酸塩、チオサリチル酸塩、トリブロフェネート、吉草酸塩、バルプロ酸塩、アジピン酸塩、4-アセトアミド安息香酸塩、カンシル酸塩、オクタン酸塩、エストレート、エシレート、グリコール酸塩、チオシアン酸塩、ウンデシレン酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン酸塩、リシニウム、アンモニウム、トロエタミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0107】
一部の態様では、前記コンジュゲートのアンフェタミン部分は、d-アンフェタミンまたはl-アンフェタミンであり得る。他の態様では、本技術の組成物は、d-アンフェタミンのコンジュゲートおよびl-アンフェタミンのコンジュゲートの混合物を含む。さらなる態様では、コンジュゲートの混合物は、ラセミ混合物であってもよい。アンフェタミ
ン以外のコンジュゲートの部分は、追加の立体異性体を創出するキラル中心も有することができることを理解すべきである。この技術の組成物は、単一立体異性体または立体異性体の任意の混合物を含むことができる。
【0108】
一部の態様では、前記化合物または前記コンジュゲートのXは、ピリジン環のC-3またはC-5位に位置付けられる。対称性の理由で、C-3はC-5と同等であることを理解すべきである。
【化22】
【0109】
一部の態様は、d-アンフェタミンのコンジュゲートを含む組成物である。一部の態様では、前記組成物は、経口、坐剤、注入用散剤、静脈内、鼻内、または髄空内投与のために製剤化される。さらに別の態様では、経口投与のために製剤化される組成物は、固体形態、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、軟質ゲル剤、坐剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、経口散剤、溶液剤、シロップ剤、経口フィルム剤、薄型ストリップ剤、スラリー剤、乳剤、エリキシル剤、および懸濁剤からなる群から選択される剤形にある。さらに別の態様では、前記組成物はさらに1種または複数種の賦形剤を含み、賦形剤は、抗接着剤、結合剤、コーティング、崩壊剤、充填剤、香料、染料、色素、滑剤、潤滑剤、保存剤、収着剤、甘味料、それらの誘導体、およびそれらの組合せからなる群から選択される。さらに他の態様では、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポビドン、アクリルおよびメタクリル酸コポリマー、医薬品グレーズ、ガム、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、デンプン、スクロース、ならびにポリエチレングリコール、ならびに乳誘導体からなる群から選択される。
一部の態様では、前記コンジュゲートは、単位用量当たり約0.1mg~約2000mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。さらに別の態様では、前記コンジュゲートは、単位用量当たり約0.1mg~約1000mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。別の態様では、前記コンジュゲートは、単位用量当たり約0.5mg~約500mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。さらなる態様では、前記コンジュゲートは、単位用量当たり約1mg~約250mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。さらに別の態様では、前記コンジュゲートは、単位用量当たり約1.5mg~約100mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。さらに別の態様では、前記コンジュゲートは、単位用量当たり約0.5mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約1mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約2mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約5mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約10mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約20mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約40mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約80mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約160mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約320mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約640mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約1280mg~約2000mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。さらに別の態様では、前記コンジュゲートは、単位用量当たり約0.1mg~約2000mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1900mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1800mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1700mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1600mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1500mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1400mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1300mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約120
0mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1100mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1000mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約900mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約800mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約700mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約600mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約500mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約400mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約300mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約200mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約100mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約90mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約80mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約70mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約60mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約50mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約40mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約30mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約20mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約10mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約5mg、あるいは単位用量当たり約0.1mg~約1mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。
【0110】
一部の態様では、組成物はさらに、刺激物質、抗うつ剤、それらの組合せ、およびそれらのプロドラッグからなる群から選択される1種または複数種の追加の薬理学的物質を含む。別の態様では、前記組成物はさらに、非コンジュゲート化アンフェタミン、非コンジュゲート化メチルフェニデート、アリピプラゾール、アトモキセチン、バクロフェン、クロニジン、デシプラミン、ジヒドロテトラベナジン、グアンファシン、ハロペリドール、レベチラセタム、メカミラミン、エトクロプラミド、オランザピン、オンダンセトロン、ペルゴリド、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、セレギリン、スルピリド、テトラベナジン、トピラメート、またはジプラシドンの1つまたは複数を含む。別の態様では、前記組成物はさらに、非コンジュゲート化アンフェタミン、その異性体、またはアンフェタミンコンジュゲートを含む。さらに他の態様では、非コンジュゲート化アンフェタミンの異性体は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンである。別の態様では、前記組成物はさらに、非コンジュゲート化メチルフェニデート、その異性体、またはメチルフェニデートコンジュゲートを含む。さらに他の態様では、非コンジュゲート化メチルフェニデートの異性体は、非コンジュゲート化d-メチルフェニデートである。さらなる態様では、メチルフェニデートのコンジュゲートは、セルデキスメチルフェニデートである。
【0111】
一部の態様では、前記コンジュゲートは、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、類似のまたは減少したAUCを提供するのに十分な量で提供される。一部の態様では、前記コンジュゲートは、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、類似のまたは減少したCmaxを提供するのに十分な量で提供される。さらに別の態様では、前記コンジュゲートは、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、減少したCmaxおよび類似のまたは減少したAUCを提供するのに十分な量で提供される。さらに別の態様では、少なくとも1つのコンジュゲートの鼻内または静脈内投与は、等モル量の非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、より低いAUCおよび/またはCmaxを提供する。別の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、より長いTmaxを提供するのに十分な量で提供される。別の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、類似のTmaxを提供するのに十分な量で提供される。
【0112】
一部の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して低減した乱用可能性を提供する。別の態様では、前記コンジュゲート
を含む組成物は、等モル用量で投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、より長いTmaxを提供するのに十分な量で提供される。別の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、等モル用量で投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、類似のTmaxを提供するのに十分な量で提供される。さらに別の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、改善された安全性プロファイルを有する。一部の態様では、コンジュゲートを含む組成物は、非経口経路により投与された場合、低減されたまたはわずかな薬理学的活性を生成する。さらに別の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、等モル量で投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、鼻内または静脈内投与された場合、放出されたd-アンフェタミンの低減された血漿または血中濃度を有する。
【0113】
一部の態様では、コンジュゲートを含む組成物は、対象への組成物の静脈内または鼻内投与後の等モル量の非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、コンジュゲートから放出されたd-アンフェタミンに関して、より低いAUCおよび/またはCmaxを提供する。別の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、対象への組成物の静脈内または鼻内投与後の等モル量の非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、コンジュゲートから放出されたd-アンフェタミンに関して、より長いTmaxを提供する。一部の態様では、対象への投与の際、コンジュゲートを含む組成物は、当モル量の非コンジュゲート化d-アンフェタミンの投与の際のd-アンフェタミンの放出と比較すると、対象においてd-アンフェタミンの長期放出をもたらす。さらに別の態様では、前記コンジュゲートを含む組成物は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、対象間または対象内d-アンフェタミン血漿中濃度での少ない可変性を示す。
【0114】
一部の態様では、ニコチノイル部分を含有する本発明の一部の化合物は、同じ構造であるがニコチノイルがイソニコチノイル部分により置き換えられている化合物と比較した場合、対象における経口、鼻内、および/または静脈内投与後に異なるおよび/または改善されたd-アンフェタミン曝露を予期せずかつ非自明的にもたらす。一態様では、d-アンフェタミン-CO2CH2-ニコチノイル-Val-NH2は、d-アンフェタミン-CO2CH2-イソニコチノイル-Val-NH2と比較して、d-アンフェタミンの増大した経口バイオアベイラビリティーを提供する。別の態様では、d-アンフェタミン-CO2CH2-ニコチネート(Et)は、d-アンフェタミン-CO2CH2-イソニコチネート(Et)と比較して、d-アンフェタミンの増大した経口バイオアベイラビリティーを提供する。別の態様では、AMP-CO2CH2-ニコチネート(Et)は、AMP-CO2CH2-イソニコチネート(Et)と比較した場合、静脈内投与後にd-アンフェタミンへの曝露を低下させる。
【0115】
本技術の別の態様は、患者の中枢神経系の刺激を必要とする障害または状態を有する患者を処置するための組成物であって、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、投与したときに低減した乱用可能性を有する組成物である。
【0116】
本技術の別の態様は、神経伝達物質の取込みを制御、予防、限定、または阻害することによって媒介された疾患、障害、または状態を有する患者を処置する方法であって、本発明のコンジュゲートを含む組成物の薬学的に有効な量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法である。
【0117】
本技術の別の態様は、シナプスにおいて神経伝達物質濃度を増加させることにより媒介された疾患、障害、または状態を有する患者を処置する方法であって、本発明のコンジュゲートを含む組成物の薬学的に有効な量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法である。
【0118】
本技術の別の態様は、患者の中枢神経系の刺激を必要とする障害または状態を有する患者を処置する方法であって、本発明のコンジュゲートを含む組成物の薬学的に有効な量を、それを必要とする患者に経口投与することを含む方法である。一部の態様では、前記疾患または状態は、注意欠如多動症、注意欠如症、自閉症スペクトラム障害、自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害、睡眠障害、肥満症、うつ病、双極性障害、摂食障害、過食症、慢性疲労症候群、日中の過度の眠気、不眠症、統合失調症、大うつ病性障害、ナルコレプシー、体位性起立性頻拍症候群、トゥーレット症候群、神経性チック、物質使用障害、無気力、うつ病、神経傷害、または肥満症である。さらに別の態様では、前記疾患または状態は、注意欠如多動症である。さらに別の態様では、前記疾患または状態は、トゥーレット症候群または神経性チックである。
【0119】
当業者なら理解されるように、薬物生成物は、同じ活性成分(複数可)を含有し、同じ剤形、投与経路のものであり、強度または濃度が同一である場合に、薬学的均等物とみなされる。薬学的に均等な薬物生成物は、同じ量の活性成分を同じ剤形中に含有するようにかつ同じまたは公定のまたは他の適用可能な規格(即ち、強度、品質、純度、および同一性)を満たすように製剤化されるが、それらは形状、スコアリングコンフィギュレーション、放出メカニズム、包装、賦形剤(色素、香料、保存剤を含む)、有効期限、ならびにある特定の限度で、標識などの、特徴が異なっていてもよい。薬物生成物は、薬学的均等物である場合、ならびに標識に指定された条件下で患者に投与されたときに同じ臨床効果および安全性プロファイルを有することが予期することができる場合のみ、治療上の均等物とみなされる。一方で「生物学的均等」という用語は、類似の実験条件下で研究した場合に同等のバイオアベイラビリティーを示す、薬学的均等物または薬学的代替生成物について記述する。
【0120】
ここに記述される技術によれば、ここに記述される技術の化合物の経口投与後のd-アンフェタミンの放出は、所望の生理学的条件下で生じ得る。好ましくは、他の投与経路(例えば、鼻内または静脈内)は、化合物を、認識できるいかなる程度にも分解しない。一部の態様では、鼻内および/または静脈内投与後のd-アンフェタミン曝露の低減は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンの等モル用量の鼻内および/または静脈内投与後の曝露の50%、30%、20%、<10%などである。また、好ましくは本発明のある特定の化合物または態様は、外部手段(化学的、酵素的、またはその他)を介してアンフェタミンの放出に抵抗する。外部手段を通して実現することができる化合物の分解比は、好ましくは約50%未満、あるいは約25%未満、あるいは約20%未満、あるいは約10%未満である。
【0121】
ここに記述される技術の化合物、組成物、および方法の実施形態は、リバウンドに関する低減された可能性、乱用もしくは嗜癖に関する低減された可能性を提供し、そして/またはd-アンフェタミンの刺激物質関連毒性を改善することも考えられる。
【0122】
ここに記述される技術のd-アンフェタミン化合物は、中枢神経系(CNS)の刺激を必要とする任意の状態で使用することができた。これらの状態には、例えば、注意欠如多動症(ADHD)、注意欠如症(ADD)、肥満症、ナルコレプシー、食欲抑制、うつ病、不安症、および覚醒状態が含まれる。d-アンフェタミン刺激物質は、刺激物質(例えば、コカイン、メタンフェタミン)乱用および嗜癖の処置における有用性も実証している。d-アンフェタミン刺激物質は、戦場での覚醒を改善し、疲労と戦うためにも、広範に使用されてきた。
【0123】
したがって、一部の態様によれば、ここに記述される技術は、本発明の技術の少なくとも1つのd-アンフェタミン化合物を含むd-アンフェタミン組成物を提供する。
【0124】
一態様は、本技術のd-アンフェタミン化合物を含む、d-アンフェタミン投薬によって引き起こされた行動の劣化を予防することができる組成物である。
【0125】
別の態様は、本技術のd-アンフェタミン化合物を含む活性医薬成分のより低い用量を可能にする組成物である。
【0126】
本技術の1つまたは複数の態様による他の製剤は、限定するものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、粉末化ステアリン酸、水素化植物油、タルク、ポリエチレングリコール、および鉱油などの潤滑剤;Emerald Green Lake、FD&C Red No.40、FD&C Yellow
No.6、D&C Yellow No.10、またはFD&C Blue No.1、および他の様々な認証済み色素添加剤(21 CFR, Part 74参照)などの着色料;スクロース、ラクトース、ゼラチン、デンプンペースト、アカシア、トラガカント、ポビドンポリエチレングリコール、プルラン、およびコーンシロップなどの結合剤;コロイド状二酸化ケイ素およびタルクなどの滑剤;ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムジオクチル、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタン、ポロキサルコール、および第四級アンモニウム塩などの表面活性剤;保存剤および安定化剤;ラクトース、マンニトール、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース、スクロース、マルトース、キシリトール、ソルビトール、塩化物、硫酸塩、およびカリウム、ナトリウムおよびマグネシウムのリン酸塩などの賦形剤;ならびに/または当業者に公知の任意の他の医薬品添加物を含む医薬品添加物を、さらに含んでいてもよい。
【0127】
本技術のd-アンフェタミン組成物は、医薬品製造の分野の当業者に公知の任意の適切な方法に従い製造されてもよい。
【0128】
上記添加物は、本技術のd-アンフェタミン組成物が持続放出in vivo特性を有するのに必要ではないことに留意すべきである。本技術のd-アンフェタミン化合物は、経口摂取前のd-アンフェタミンの変性または除去を防ぐよう、化学的に安定である。また、本技術のd-アンフェタミン化合物の経口投与によるd-アンフェタミンの制御放出は、分子の設計された特性であり、製剤には関係しない。したがって、本技術の化合物は、種々の剤形に容易に製剤化することができる。本技術の1つまたは複数の態様では、経口摂取したときに治療有効量のd-アンフェタミン放出を実現しながら、鈍化または低減した薬物動態曲線(例えば、低減した陶酔効果)を実現するのに、さらなる持続放出添加物は必要ではない。
【0129】
ここに記述される技術の化合物および組成物は、様々な剤形に製剤化し、送達の任意の経口経路により様々な剤形によって投与することができる。投与されると、化合物は、消化条件下でd-アンフェタミンを放出する。当業者に公知の任意の生物学的に許容される剤形およびその組合せが企図される。好ましい剤形の例には、限定するものではないが、咀嚼可能な錠剤、素早く溶ける錠剤、発泡性錠剤、再構成可能な散剤、エリキシル剤、液剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、多層錠剤、二層錠剤、カプセル剤、軟質ゼラチンカプセル剤、硬質ゼラチンカプセル剤、カプレット剤、ロゼンジ剤、咀嚼可能なロゼンジ剤、ビーズ剤、散剤、顆粒剤、粒子剤、微粒子剤、分散性顆粒剤、カシェ剤、経口フィルム剤(例えば、速溶性薄型ストリップ剤)、およびそれらの組合せが含まれる。
【0130】
経口投与に適した本技術の製剤は、カプセル剤、カプレット剤、錠剤、または経口フィルム剤など、個別の単位として提示することができる。これらの経口製剤は、水性液体または非水性液体中の溶液剤または懸濁剤を含むこともできる。製剤は、水中油液体乳剤または油中水液体乳剤などの乳剤であり得る。油は、精製および滅菌された液体を、調製さ
れた経腸製剤に添加することによって投与することができ、次いでそれを、嚥下することができない患者の栄養チューブ内に入れることができる。
【0131】
例えば、カプセル形態が選択される場合、カプセル製剤で使用される賦形剤は、4つの個別の群:増量剤/結合剤、崩壊剤、潤滑剤、および担体に分けることができる。軟質ゲルまたは軟質ゼラチンカプセルは、例えば、本技術の製剤を適切なビヒクル(植物油が一般に使用される)中に分散させて高粘度混合物を形成することにより調製されてもよい。次いでこの混合物は、軟質ゲル産業の当業者に公知の技術および機械を使用して、ゼラチンをベースにしたフィルムでカプセル封入することができる。次いでそのように形成された工業的単位を、一定重量まで乾燥する。
【0132】
例えば、咀嚼可能な錠剤は、本技術の製剤を、嚥下するのではなく咀嚼されることが意図される比較的軟質の着香された錠剤剤形が形成されるように設計された賦形剤と混合することによって、調製されてもよい。従来の錠剤機および手順、即ち、直接圧縮と圧縮前の造粒、即ちスラッギングの両方を利用することができる。医薬品固体剤形製造に関わる個々人は、医薬品産業で非常に一般的な剤形である咀嚼可能な剤形として使用されるプロセスおよび機械に、精通している。
【0133】
例えば、フィルムコーティングされた錠剤は、隣接フィルム層を錠剤上に堆積するために回転パンコーティング法または空気懸濁法などの技法を使用して錠剤をコーティングすることにより、調製されてもよい。
【0134】
例えば、圧縮された錠剤は、本技術の製剤を、崩壊品質に結合品質を付加することが意図される賦形剤と混合することによって調製されてもよい。混合物は、当業者に公知の方法および機械を使用して直接圧縮するかまたは造粒し次いで圧縮することができる。次いで得られた圧縮された錠剤投薬単位を、市場ニーズに従い、即ち単位用量、ロール、バルクボトル、ブリスターパックなどに包装する。
【0135】
経口フィルム剤または薄型ストリップ剤を作製するのに必要な方法および他の成分は、当技術分野で公知である。潜在的なフィルム形成剤には、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカントガム、グアールガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、アミラーゼ、デンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、ダイズタンパク質単離物、乳清タンパク質単離物、カゼイン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0136】
また、唾液刺激剤、可塑化剤、冷却剤、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、結着剤、甘味料、着香剤、着色剤、保存剤、または矯味樹脂を、経口フィルム剤または薄型ストリップ剤に用いてもよい。好ましい薬剤には、プルラン、トリエタノールアミンステアレート、メチルセルロース、デンプン、トリアセチン、Polysorbate 80、キサンタンガム、マルチトール、ソルビトール、およびグリセロールが含まれる。
【0137】
ここに記述される技術は、広範な材料から調製され得る生物学的に許容される担体の使用も企図する。それらに限定するものではないが、そのような材料には、特定の薬用組成物を調製するための、希釈剤、結合剤、および接着剤、潤滑剤、可塑剤、崩壊剤、着色料、嵩高物質、着香剤、甘味料、および種々雑多の材料、例えば緩衝剤および吸着剤が含まれる。
【0138】
結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、または他の適切
なセルロース誘導体、ポビドン、アクリルおよびメタクリル酸コポリマー、医薬品グレーズ、ガム、乳誘導体、例えば乳清、デンプン、および誘導体、ならびに当業者に公知の他の従来の結合剤など、広範な材料から選択されてもよい。例示的な非限定的溶媒は、水、エタノール、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、またはそれらの混合物および組合せである。例示的な非限定的嵩高物質には、糖、ラクトース、ゼラチン、デンプン、および二酸化ケイ素が含まれる。
【0139】
好ましい可塑剤は、限定するものではないが、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クロノト酸(cronotic acid)、プロピレングリコール、フタル酸ブチル、セバシン酸ジブチル、ヒマシ油、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。明らかなように、可塑剤は、本質的に疎水性ならびに親水性であってもよい。水不溶性疎水性物質、例えばフタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、およびヒマシ油は、ビタミンB6およびビタミンCなどの水溶性ビタミンの放出を遅延させるのに使用される。対照的に、親水性可塑剤は、水不溶性ビタミンが用いられる場合に使用され、カプセル化フィルムを溶解するのを支援し、表面にチャネルを作製し、栄養組成物の放出を支援する。
【0140】
特に上述の成分に加え、本技術の製剤は、着香剤、保存剤、および抗酸化剤などの他の適切な薬剤を含むことができることを理解すべきである。そのような抗酸化剤は、食物に許容され得、例えば、ビタミンE、カロテン、BHT、または当業者に公知の他の抗酸化剤を含むことができる。
【0141】
含まれ得る他の化合物は、例えば、医学的に不活性な成分、例えば、固体および液体希釈剤、例えば錠剤またはカプセル剤用のラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、デンプン、またはリン酸カルシウム、軟質カプセル剤用のオリーブ油またはオレイン酸エチル、および懸濁剤または乳剤用の水または植物油;潤滑化剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、および/またはポリエチレングリコール;ゲル化剤、例えばコロイド状クレー;増粘剤、例えばトラガカントガムまたはアルギン酸ナトリウム、結着剤、例えばデンプン、アラビアガム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルピロリドン;崩壊化剤、例えばデンプン、アルギン酸、アルギネートまたはナトリウムデンプングリコレート;発泡性混合物;染料;甘味料;湿潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート、またはラウリルスルフェート;ならびにそのような製剤に関する公知の添加物である他の治療上許容される補助成分、例えば保湿剤、保存剤、緩衝剤、および抗酸化剤である。
【0142】
経口投与では、希釈剤、分散化剤、および/または表面活性剤を含有する微粉または顆粒は、水薬(draught)中、水剤またはシロップ剤中、カプセル剤中または乾燥状態にあ
るサッシェ剤中、懸濁化剤が含まれ得る非水性懸濁剤中、または水剤もしくはシロップ剤の懸濁液で提示され得る。望ましいまたは必要な場合、着香剤、保存剤、懸濁化剤、増粘剤、または乳化剤を含めることができる。
【0143】
経口投与用の液体分散剤は、シロップ剤、乳剤、または懸濁剤であってもよい。シロップ剤は、担体として例えば、サッカロース、またはグリセロールおよび/もしくはマンニトールおよび/もしくはソルビトールと共にサッカロースを含有してもよい。懸濁剤および乳剤は、担体、例えば、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有してもよい。
【0144】
成人に関する用量範囲は、患者の年齢、体重、および状態を含むいくつかの要因に依存する。ここに記述される技術の組成物の適切な経口投薬量は、d-アンフェタミン処置で
典型的に見られるものと同等にすることができる。d-アンフェタミン塩に関する典型的な投薬量は、約1mg~約500mg、あるいは約1mg~約400mg、あるいは約1mg~約300mg、あるいは約1mg~約200mg、あるいは約1mg~約100mgの範囲であり得るが、より高い投薬量が、後日認可され得る。
【0145】
個々の単位で提供される錠剤、カプセル剤、経口フィルム剤、および他の形の提示は、本発明の化合物の1つまたはそれよりも多くの1日用量またはその適切な割合を、都合良く含有する。
【0146】
本技術の剤形は、当業者に公知の放出の任意の形を組み合わせることも可能である。これらの従来の放出形態には、即時放出、長期放出、パルス放出、可変放出、制御放出、時限放出、持続放出、遅延放出、長期作用、およびそれらの組合せが含まれる。即時放出、長期放出、パルス放出、可変放出、制御放出、時限放出、持続放出、遅延放出、長期作用特徴、およびそれらの組合せを得る能力は、当技術分野で公知である。
【0147】
本技術の組成物は、部分的に、即ち分割用量で、24時間中に1回またはそれを超える回数、24時間の期間中に単一用量を、24時間の期間中に2倍用量を、または24時間の期間中に2倍用量よりも多く投与されてもよい。分割、2倍、または他の多重用量は、同時にまたは24時間中に異なる時間で摂取されてもよい。用量は、異なる投与時間で互いに対してまたは個々の構成成分に対して不均等な用量であってもよい。
【0148】
同様に、本技術の組成物は、ブリスターパックまたは他のそのような医薬パッケージで提供されてもよい。さらに本技術の組成物は、処方された処置用の生成物として個人が組成物を特定することが可能な指標をさらに含んでもそのような指標を伴ってもよい。指標は、組成物を投与するための上記指定された期間の指示をさらに含んでもよい。例えば、指標は、組成物の投与に関する特定のまたは一般的な時刻を示す指標であってもよく、指標は、組成物の投与に関する曜日を示す日にちの指標であってもよい。ブリスターパックまたは他の組合せのパッケージはまた、第2の医薬製品を含んでいてもよい。
【0149】
本技術の組成物の薬理学的活性は、当技術分野で公知の標準的な薬理学的モデルを使用して実証することができることが理解される。さらに、本技術の組成物は、部位特異的送達に適切なポリマー母材もしくは膜に組み込むかもしくはカプセル封入することができるか、または部位特異的送達をもたらすことができる特異的標的剤で官能化することができることが理解される。これらの技法、ならびに他の薬物送達技法は、当技術分野で周知である。
【0150】
本技術の1つまたは複数の態様では、組成物の溶解度および溶解速度は、例えば、腸内、粘膜表面、または血流中で遭遇する種々の生理学的条件下で実質的に変化することができる。本技術の1つまたは複数の態様では、組成物の溶解度および溶解速度は、特に治療が意図されている用量を超える用量で、d-アンフェタミンのバイオアベイラビリティーを実質的に低下させることができる。本技術の一態様では、バイオアベイラビリティーの低下は、鼻内投与の際に生じる。別の態様では、バイオアベイラビリティーの低下は、静脈内投与の際に生じる。
【0151】
ここに記述される技術はさらに、それらの乱用の可能性を低下させることができる手法でアンフェタミンを変化させるおよび/または送達するための方法を提供する。
【0152】
一態様は、本技術のd-アンフェタミン組成物を必要とする患者に投与することによって、行動の劣化またはリバウンド効果を予防するための方法を提供する。
【0153】
本技術の別の態様は、d-アンフェタミンの乱用を低減させるかまたは予防するための方法であって、該方法は、それを必要とする患者に組成物を提供し、投与し、消費し、または処方することを含み、前記組成物が製造業者の取扱説明書と一致しない手法で使用される場合、d-アンフェタミンの薬理学的活性が低下するように、前記組成物が本発明のd-アンフェタミン化合物を含む、方法である。
【0154】
本技術の別の態様は、行動の劣化、またはd-アンフェタミンもしくは刺激物質処置のリバウンド効果を予防する方法であって、該方法は、ここに記述される技術のd-アンフェタミン組成物をそれを必要とする対象に提供し、投与し、消費し、または処方することを含み、前記組成物が、行動の劣化の可能性またはd-アンフェタミンもしくは刺激物質処置からのリバウンド効果を低下させることができる本発明のd-アンフェタミン化合物を含む、方法である。
【0155】
本技術の別の態様は、使用されるd-アンフェタミン組成物が経口投与に適応され、d-アンフェタミンが、組成物が鼻内または静脈内など非経口投与されたときに有機酸部分からのd-アンフェタミンの放出に耐性がある、先の方法のいずれかである。
【0156】
本技術の別の態様は、中枢神経系(CNS)の刺激を必要とする様々な疾患または状態を処置する方法であって、必要に応じてそれぞれの病気または疾患に関して一般に処方される活性剤をさらに含む本技術の化合物または組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0157】
一態様では、d-アンフェタミン化合物、その塩、またはそれらの組合せを含む組成物は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、即時および長期放出PKプロファイルを提供する。
【0158】
本技術のさらなる態様は、d-アンフェタミン化合物、コンジュゲート、その塩、またはそれらの組合せを含む組成物の治療有効量の個々の用量を含むキットである。一部の態様では、前記キットは、単位用量パック中にある。
【0159】
本発明の一態様では、アンフェタミンコンジュゲート、化合物、および/または組成物は、少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも4時間、または少なくとも6時間の経口投与後に、リスデキサンフェタミンジメシレート(あるいは硫酸アンフェタミン)と比較して、増加したd-アンフェタミン血漿中濃度を有する。本発明の他の態様では、アンフェタミンコンジュゲート、化合物、および/または組成物は、少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも4時間、または少なくとも6時間の経口投与後に、硫酸d-アンフェタミンと比較して、低下したd-アンフェタミン血漿中濃度およびリスデキサンフェタミンジメシレートと比較して類似のd-アンフェタミン血漿中濃度を有する。本発明の別の態様では、本発明のアンフェタミンコンジュゲート、化合物、および/または組成物は、少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも4時間、または少なくとも6時間、リスデキサンフェタミンジメシレートまたは硫酸アンフェタミンと比較して、静脈内または鼻内投与後に低下したd-アンフェタミン血漿中濃度を有する。
【0160】
ここに記述される技術およびその利点は、以下の実施例および/またはスキームを参照することによってより良く理解される。これらの実施例および/またはスキームは、本技術の具体的な態様について記述するのに提供される。これらの具体的な実施例および/またはスキームを提供することにより、本出願人は、本技術の範囲および精神を限定しない。
【実施例0161】
一般的な合成手順:
【0162】
【0163】
アンフェタミンヘミ硫酸塩1を、クロロギ酸クロロメチルを添加することによってカルバミン酸クロロメチル2に変換した。アンフェタミン2のカルバミン酸クロロメチルおよびそれぞれのピリジン誘導体を、NaIと共にまたはなしでアセトンまたはアセトニトリル中で加熱して、アンフェタミンコンジュゲートを得た。後続の脱保護は、該当する場合、必要とされ得る。
【0164】
具体的な手順:
【0165】
AMP-CO2-CH2-ニコチネート(Et)3fの合成:
【0166】
【0167】
AMP-CO
2-CH
2-ニコチネート(Et)3fに関する合成スキーム:
【化24】
【0168】
スキーム1:(a)ClCH2COCl、DIPEA、DCM;(b)ニコチン酸エチル、アセトニトリル、80~85℃
【0169】
ステップ1:アンフェタミンのカルバミン酸クロロメチル、ClCH2OCO-AMP
2:
【0170】
DCM(80mL)中のD-アンフェタミンヘミ硫酸塩(4.640g、25.18mmol)を、氷水浴中で冷却した。DIPEA(8.136g、62.95mmolを添加した。次いで、DCM(20mL)中のクロロギ酸クロロメチル(4.221g、32.74mmol)を、15分にわたり添加した。反応物を、30分にわたり室温まで温め、次いで、さらに1.5時間撹拌した。次いで5%の水性NH4Cl(40mL)を添加して、反応をクエンチ処理した。DCM層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、4:1)により精製して、4.9gの2をシロップとして得、これは冷凍庫に保存したときに凝固した。収率は85.5%であった。
【0171】
ステップ2:AMP-CO2CH2-ニコチネート(Et)3f:
【0172】
アセトニトリル(8mL)中のアンフェタミンのカルバミン酸クロロメチル2(0.228g、1mmol)およびニコチン酸エチルを、80~85℃で8時間加熱した。溶媒を蒸発させた。残留物をDCM(1mL)に溶解させた。次いでTBME(15mL)およびヘキサン(15mL)を添加した。上層をデカンテーションした。残りのシロップを、さらに3回、上記手順を使用して処理し、次いで真空乾燥させて、0.230gの非晶質固体を得た。収率は60.7%であった。
【0173】
コンジュゲートAMP-CO2CH2-3-(3-ピリジル)アラニン5zおよびAMP-CO2CH2-ニコチノイル-アミノ酸6a~cの合成:
【0174】
表2:コンジュゲート5zの構造
【表2】
表3:コンジュゲート6a~6cの構造
【表3】
【0175】
AMP-CO
2CH
2-3-(3-ピリジル)アラニン5zに関する合成スキーム:
【化25】
【0176】
スキーム2:(a)NaI、アセトニトリル;(b)4M HCl/ジオキサン、次いでDowex 1×8
【0177】
アセトニトリル(10mL)中の3-(3-ピリジル)-Boc-アラニンtert-ブチルエステル7z(0.226g、0.7mmol)、ClCH2OCO-AMP 2(0.180g、0.791mmol)、およびNaI(0.111g、0.742mmol)を1時間還流した。固体を濾別した。濾液を濃縮し、真空乾燥させて、非晶質固体を得た。4M HCl/ジオキサン(10mL)中の固体を室温で12時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固し、真空乾燥させて、非晶質固体を得、これを8mLのエタノールに溶解させ、Dowex 1×8で2回(200~400、Cl形態、1gおよび0.5g)処理した。濾液を、樹脂処理後に濃縮し、真空乾燥させて、0.285gの5zを非晶質固体として得た。収率は94%であった。
【0178】
コンジュゲートAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-バリン6aに関する合成スキーム:
【化26】
スキーム3:(a)TEA/DCM;(b)7a、NaI、アセトニトリル;(c)4M HCl/ジオキサン、次いでDowex 1×8
【0179】
ステップ1:ニコチノイル-Val-OtBu 7a:
【0180】
DCM(30mL)中のバリンt-ブチルエステルHCl塩(H-Val-OtBu HCl、0.629g、3mmol)に、Et3N(1.25ml、9mmol)を添加した。塩化ニコチノイル塩酸塩(0.534g、3mmol)を4回に分けて15分にわたり、水浴(室温)中で添加した。反応物を2時間撹拌した。続いて、5%の水性NH4Cl(20mL)を添加して、反応をクエンチ処理した。DCM層をNa2SO4で乾燥させた。生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%MeOH/DCM)により精製した。0.822gの7aをシロップとして得た。収率は98%であった。
【0181】
ステップ2:AMP-CO2CH2-ニコチノイル-Val 6a:
【0182】
アセトニトリル(10mL)中のニコチノイル-Val-OtBu 7a(0.31g、1.11mmol)、ClCH2OCO-AMP 2(0.291g、1.28mmol)、およびNaI(0.176g、1.18mmol)を、1.5時間還流した。固体を濾別した。濾液を濃縮して、非晶質固体を得た。この固体に、4M HCl/ジオキサン(8mL)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固し、1時間真空乾燥させた。得られた残留物を、8mLのエタノールに溶解させ、Dowex 1×8で2回(200~400、Cl形態、1gおよび0.5g)処理した。濾液を、樹脂処理後に濃縮し、真空乾燥させて、0.461gの6aを非晶質固体として得た。収率は93%であった。
【0183】
コンジュゲート6bおよび6cを、6aと同様の手順により合成した。
【0184】
コンジュゲートAMP-CO2CH2-ニコチノイル-アミノ酸エステル9i~9nの合成:
【0185】
【0186】
コンジュゲートAMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-アミノ酸エステル9i~9nに関する合成スキーム:
【化27】
【0187】
スキーム4:(a)TEA/DCM;(b)10i、NaI、アセトニトリル、次いでDowex 1×8
【0188】
ステップ1:ニコチノイル-Gly-OEt 10i:
【0189】
DCM(50mL)中のグリシンエチルエステルHCl(H-Gly-Et HCl、1.40g、10mmol)に、Et3N(4.18ml、30mmol)を添加した。塩化ニコチノイル塩酸塩(1.78g、10mmol)を7回に分けて、30分にわたり、水浴(室温)中で添加した。反応物を2時間撹拌した。続いて、5%の水性NaHCO3(40mL)を添加して反応をクエンチ処理し、その後、50mlのDCMを添加した。DCM層をさらに5%の水性NaHCO3(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)により精製した。1.59gの10aがシロップとして得られた。収率は76%であった。
【0190】
ステップ2:AMP-CO2-CH2-ニコチノイル-Gly-OEt 9i:
【0191】
アセトニトリル(8mL)中のニコチノイル-Gly-OEt 10i(0.167g、0.8mmol)、ClCH2OCO-AMP 2(0.209g、0.92mmol)、およびNaI(0.127g、0.848mmol)を、65℃で1時間加熱した。固体を濾別した。濾液を濃縮乾固し、次いで6mLのエタノールに溶解させ、Dowex
1×8で2回(200~400、Cl形態、1gおよび0.5g)処理した。濾液を、樹脂処理後に濃縮乾固した。
【0192】
残留物をDCM(1.5mL)に溶解させ、TBME(25mL)を添加した。上層をデカンテーションした。残りの固体をDCM(15mL)に溶解させ、濃縮して、固体を得た。真空乾燥後、0.314gの9iが得られた。収率は90%であった。
【0193】
コンジュゲート9j~9nを、9iと同様の手順により合成した。
【0194】
コンジュゲートAMP-CO2CH2-ニコチノイル-アミノ酸アミド11c:の合成:
【0195】
【0196】
AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2 11cに関する合成スキーム:
【化28】
【0197】
スキーム5:(a)TEA/DCM;(b)12c、NaI、アセトン、次いでDowex 1×8
【0198】
ステップ1:ニコチノイル-Val-NH2 12c:
【0199】
DCM(30mL)中のバリンアミドHCl(H-Val-NH2 HCl、0.458g、3mmol)に、Et3N(1.062g、10.5mmol)を添加した。塩化
ニコチノイル塩酸塩(0.587g、3.3mmol)を3回に分けて10分間にわたり、水浴(室温)下で添加した。反応物を1.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残りの固体をシリカカラムゲルクロマトグラフィー(8%MeOH/DCM)により精製して、Et3N HClを含有する白色固体を得た。固体にエタノール(10mL)を添加し、混合物を加熱還流した(固体は、完全に溶解しなかった)。混合物を室温に冷却した。固体を2時間後に収集し、エタノール(1mL×3)で洗浄し、真空乾燥させた。0.245gの12cが得られた。収率は36.9%であった。
【0200】
ステップ2:AMP-CO2CH2-ニコチノイル-Val-NH2 11c:
【0201】
アセトン(6mL)中のニコチノイル-Val-NH2 12c(0.111g、0.5mmol)、ClCH2OCO-AMP 2(0.137g、0.6mmol)、およびNaI(0.086g、0.575mmol)を、1.5時間還流した。固体を濾別した。濾液を濃縮乾固し、得られた残留物を6mLのエタノールに溶解させ、Dowex 1×8で2回(200~400、Cl形態、0.8gおよび0.4g)処理した。濾液を、樹脂処理後に濃縮し、真空乾燥させて、0.218gの11cを非晶質固体として得た。収率は97%であった。
【0202】
アンフェタミン二重コンジュゲート(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル)
2-Ser-OMe 13bの合成:
【化29】
【0203】
(AMP-CO
2CH
2-ニコチノイル)
2-Ser-OMe 13bに関する合成スキーム:
【化30】
スキーム6:(a)Et
3N/DCM;(b)15b、NaI、アセトン、次いでDowex 1×8
【0204】
ステップ1:(ニコチノイル)2-Ser-OMe 15b:
【0205】
DCM(200mL)中のセリンメチルエステルHCl(2.80g、18mmol)に、Et3N(14.57g、144mmol)を添加した。塩化ニコチノイル塩酸塩(9.613g、54mmol)を7回に分けて、30分にわたり水浴(室温)中で添加した。反応物を22時間撹拌した。続いて、5%の水性NH4Cl(80mL)を添加して、反応をクエンチ処理した。DCM層をNa2SO4で乾燥させた。生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc、次いで7%MeOH/DCM)により精製した。3.99gの15bがシロップとして得られた。収率は67%であった。
【0206】
ステップ2:(AMP-CO2CH2-ニコチノイル)2-Ser-OMe 13b:
【0207】
アセトン(12mL)中の(ニコチノイル)2-Ser-OMe 15b(0.165g、0.5mmol)、ClCH2OCO-AMP 2(0.273g、1.2mmol)、およびNaI(0.172g、1.15mmol)を、1.5時間還流した。固体を濾別した。濾液を濃縮乾固し、得られた残留物を8mLのメタノールに溶解させ、Dowex 1×8で2回(200~400、Cl形態、1.5g、1g)処理した。濾液を、樹脂処理後に濃縮し、真空乾燥させて、0.334gの13bを非晶質固体として得た。収率は85%であった。
【0208】
コンジュゲートは、塩化物塩以外の種々の塩形態とすることができた。
【表10】
【0209】
本発明の下記の態様では、
1H-NMRおよび
13C-NMRを、溶媒としてDMSO-d
6を用いる(内部標準なし)Bruker Advance II 500分光計で記録した。低分解ESI質量スペクトルを、Agilent 1290 HPLCおよびAgilent 6420 QQQトリプル質量分光計で記録し、0.1%ギ酸-水/0.1%ギ酸-アセトニトリルを移動相(mobile base)として使用して、陽イオンモードで実行した。HPLCは、YMC ODS-AQ(C-18、4.6×250mm、5μm、120Å)カラムおよび移動相として0.1%TFA-水/0.1%TFA-アセトニトリルを用いるAgilent 1200シリーズ機器で実行した。
【表11-1】
【表11-2】
NA:化合物は非晶質であり、融点は決定できなかった
【0210】
(実施例1)
経口薬物動態研究
【0211】
d-アンフェタミンのコンジュゲート、および硫酸d-アンフェタミンまたはリスデキサンフェタミンジメシレートのコンパレーター化合物を、適切なビヒクルに溶解させ、5.6μmol/kgの用量で経口強制飼養を介してラットに投与した。全血試料を、投与の0.25、0.5、1、2、4、ならびに必要に応じて3および6時間後に、後眼窩出血を介して収集した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿試料を、LC-MS/MSによるアンフェタミン濃度の分析のために収集した。
【0212】
経口薬物動態血漿中濃度-時間プロファイルを、
図1~17に示す。経口薬物動態パラメーターの概要を、表6および表7に提供する。
【0213】
表6:4時間の時間経過を使用してラットに投与されたd-アンフェタミンコンジュゲートに関する経口PKパラメーター
【表6】
表7:6時間の時間経過を使用してラットに投与されたd-アンフェタミンコンジュゲートに関する経口PKパラメーター
【表7】
【0214】
(実施例2)
静脈内薬物動態研究
【0215】
d-アンフェタミンのコンジュゲート、および硫酸d-アンフェタミンまたはリスデキサンフェタミンジメシレートのコンパレーター化合物を、適切なビヒクルに溶解させ、ラットの尾静脈に溶液を注射することにより、5.6μmol/kgの用量で投与した。全血試料を、投与の5分ならびに0.25、0.5、1、および2時間後に後眼窩出血を介して収集した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿試料を、LC-MS/MSによるレボルファノール濃度の分析のために収集した。
【0216】
静脈内薬物動態d-アンフェタミン血漿中濃度-時間プロファイルを、
図18~26に示す。d-アンフェタミンの静脈内薬物動態パラメーターの概要を、表8に提供する。
表8:ラットに投与されたd-アンフェタミンコンジュゲートに関する静脈内PKパラメーター
【表8】
【0217】
(実施例3)
鼻内薬物動態研究
【0218】
d-アンフェタミンのコンジュゲート、および硫酸d-アンフェタミンまたはリスデキサンフェタミンジメシレートのコンパレーター化合物を、適切なビヒクルに溶解させ、それぞれの投薬溶液をゆっくりと滴下、鼻腔に交互に添加することによって、5.6μmol/kgの用量でラットに投与した。全血試料を、投与の5分、ならびに0.25、0.5、および1時間後に後眼窩出血を介して収集した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿試料を、LC-MS/MSによるアンフェタミン濃度の分析のために収集した。
鼻内薬物動態血漿中濃度-時間プロファイルを、
図27~35に示す。鼻内薬物動態パラメーターの概要を表9に提供する。
【0219】
表9:ラットに投与されたd-アンフェタミンコンジュゲートに関する鼻内PKパラメーター
【表9】
【0220】
図8~10は、予期せずかつ非自明的に、ニコチノイル部分を含有する本発明の一部の化合物が、同じ構造であるがニコチノイルがイソニコチノイル部分に置き換えられている化合物と比較した場合、対象における経口、鼻内、および/または静脈内投与後に異なるおよび/または改善されたd-アンフェタミン曝露をもたらすことを示す。
図8は、d-アンフェタミン-CO2CH
2-ニコチノイル-Val-NH
2が、d-アンフェタミン-CO
2CH
2-イソニコチノイル-Val-NH
2と比較して、d-アンフェタミンの増大した経口バイオアベイラビリティーを提供することを示す。
図9は、d-アンフェタミン-CO
2CH
2-ニコチネート(Et)が、d-アンフェタミン-CO
2CH
2-イソニコチネート(Et)と比較して、d-アンフェタミンの増大した経口バイオアベイラビリティーを提供することを示す。
図10は、AMP-CO
2CH
2-ニコチネート(Et)が、AMP-CO
2CH
2-イソニコチネート(Et)と比較した場合、静脈内投与後にd-アンフェタミンへの曝露を低下させることを示す。
【0221】
本技術のさらなる態様および実施形態を、以下のパラグラフで記述する。
【0222】
本発明の一態様は、式I:
【化31】
の構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、Xは、エステル、カルボン酸、アミノ酸、アミノ酸残基、アミド、およびそれらの誘導体からなる群から選択され、Yは、水素、アルケニル、アルコキシ、アルキル、アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、シクロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、および複素環からなる群から選択される。別の態様は、前記化合物または該化合物の薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0223】
本発明の別の態様は、式IB:
【化32】
の構造を有する化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩であり、式中、Xは、A-COO-Rであり;
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクリアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリー
ルカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される。別の態様は、前記化合物または該化合物の薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0224】
本発明の別の態様は、式ID:
【化33】
の構造を有する化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩であり、式中、Xは、A-CO-NR
1R
2であり;
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
R
1およびR
2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、
アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される。別の態様は、前記化合物または該化合物の薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0225】
本発明の別の態様は、Aが存在せず、Yが水素であり、前記化合物が式IIB:
【化34】
の構造を有する、化合物または該化合物の薬学的に許容される塩であり、式中、Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される。別の態様は、前記化合物または該化合物の薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0226】
別の態様は、Aが存在せず、Yが水素であり、前記化合物が式IID:
【化35】
の構造を有する、化合物または該化合物の薬学的に許容される塩であり、式中、R
1およびR
2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アル
コキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される。別の態様は、前記化合物または該化合物の薬学的に許容される塩を含む組成物である。
【0227】
さらに別の態様では、前記化合物は:
【化36】
からなる群から選択される構造を有する。
【0228】
一態様では、前記薬学的に許容される塩は、酢酸塩、L-アルパラギン酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、D-カンシル酸塩、L-カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩/臭化物、塩酸塩/塩化物、D-乳酸塩、L-乳酸塩、D,L-乳酸塩、D,L-リンゴ酸塩、L-リンゴ酸塩、メシル酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、D-酒石酸塩、L-酒石酸塩、D,L-酒石酸塩、メソ-酒石酸塩、安息香酸塩、グルセプト酸塩、D-グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、イセチオン酸塩、マロン酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、ステアリン酸塩、トシル酸塩、チオシアン酸塩、アセ
フィリネート、アセチュレート、アミノサリチル酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳炭酸塩、デカン酸塩、ヘキサン酸塩、コール酸塩、シピオン酸塩、ジクロロ酢酸塩、エデント酸塩、エチル硫酸塩、フレート、フシジン酸塩、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、没食子酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、馬尿酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ヨウ化物、キシナホ酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ミリスチン酸塩、ナパジシル酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、サリチル酸塩、サリチル硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、テレフタル酸塩、チオサリチル酸塩、トリブロフェネート、吉草酸塩、バルプロ酸塩、アジピン酸塩、4-アセトアミド安息香酸塩、カンシル酸塩、オクタン酸塩、エストレート、エシル酸塩、グリコール酸塩、チオシアン酸塩、ウンデシレン酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン酸塩、リシニウム、アンモニウム、トロエタミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0229】
別の態様では、前記化合物は:
【化37】
からなる群から選択される構造を有する。
【0230】
本発明の一態様は、本発明の任意の化合物または該化合物の薬学的に許容される塩を含む組成物である。一態様では、前記組成物は、経口投与または坐剤投与用に製剤化される。さらなる態様では、経口投与用に製剤化された組成物は、固体形態、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、軟質ゲル剤、坐剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、経口散剤、溶液剤、シロップ剤、経口フィルム剤、薄型ストリップ剤、スラリー剤、乳剤、エリキシル剤、および懸濁剤からなる群から選択される剤形である。別の態様では、前記組成物はさらに、1種または複数種の賦形剤を含み、賦形剤は、抗接着剤、結合剤、コーティング、崩壊剤、充填剤、香料、染料、色素、滑剤、潤滑剤、保存剤、収着剤、甘味料、それらの誘導体、およびそれらの組合せからなる群から選択される。さらなる態様では、前記結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポビドン、アクリルおよびメタクリル酸コポリマー、医薬品グレーズ、ガム、ならびに乳誘導体からなる群から選択される。
【0231】
一態様では、前記化合物は、単位用量当たり約0.1mg~約2000mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。別の態様では、前記化合物は、単位用量当たり約0.5mg~約500mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。さらなる態様では、前記化合物は、単位用量当たり約1mg~約250mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。さらに別の態様では、前記化合物は、単位用量当たり約1.5mg~約100mgの間の、単位用量当たりの量で存在する。
【0232】
一態様では、前記組成物はさらに、刺激物質、抗うつ剤、それらの組合せ、およびそれらのプロドラッグからなる群から選択される1種または複数種の追加の薬理学的物質を含む。別の態様では、前記組成物はさらに、メチルフェニデート、アリピプラゾール、アトモキセチン、バクロフェン、クロニジン、デシプラミン、ジヒドロテトラベナジン、グアンファシン、ハロペリドール、レベチラセタム、メカミラミン、エトクロプラミド、オランザピン、オンダンセトロン、ペルゴリド、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、セレギリン、スルピリド、テトラベナジン、トピラメート、ジプラシドンの1つもしくは複数、または追加のアンフェタミンの1つもしくは複数、または前述の任意の組合せを含む。さらなる態様では、1つまたは複数の追加のアンフェタミンは、非コンジュゲート化アンフェタミン、アンフェタミンのコンジュゲート、アンフェタミンのプロドラッグ、それらの任意の異性体、またはそれらの任意の組合せである。さらに別の態様では、非コンジュゲート化アンフェタミンの異性体は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンである。さらなる態様では、メチルフェニデートは、非コンジュゲート化メチルフェニデート、メチルフェニデートのコンジュゲート、メチルフェニデートのプロドラッグ、それらの任意の異性体、またはそれらの任意の組合せである。別の態様では、非コンジュゲート化メチルフェニデートの異性体は、非コンジュゲート化d-メチルフェニデートである。さらに別の態様では、メチルフェニデートのコンジュゲートは、セルデキスメチルフェニデートである。
【0233】
一態様では、前記化合物は、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、類似のまたは減少したAUCを提供するのに十分な量で提供される。別の態様では、前記化合物は、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、類似のまたは減少したCmaxを提供するのに十分な量で提供される。さらに別の態様では、前記化合物は、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、減少したCmaxおよび類似のまたは減少したAUCを提供するのに十分な量で提供される。一態様では、前記化合物の鼻内または静脈内投与は、等モル量の非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、減少したAUCおよび/またはCmaxを提供する。別の態様では、前記化合物は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して低減した乱用可能性を提供する。
【0234】
本発明の一態様は、請求項1に記載の化合物、その薬学的な塩、またはそれらの組合せを含む組成物の治療有効量の個々の用量を含むキットである。
【0235】
本発明の一態様は、中枢神経系の刺激を必要とする障害もしくは状態を有する患者を処置するか、神経伝達物質の取込みを制御、予防、制限、もしくは阻害することにより媒介された疾患、障害、もしくは状態を有する患者を処置する、またはシナプス中の神経伝達物質濃度を増加させることにより媒介される疾患、障害、もしくは状態を有する患者を処置する方法であって、請求項9に記載の組成物の薬学的に有効な量を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法である。別の態様では、前記組成物は、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、投与されたときに、低減した乱用可能性を有する。さらに別の態様では、前記疾患または状態は、注意欠如多動症、注意欠如症、自閉症スペクトラム障害、自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害、睡眠障害、肥満症、うつ
病、双極性障害、摂食障害、慢性疲労症候群、不眠症、統合失調症、大うつ病性障害、ナルコレプシー、体位性起立性頻拍症候群、トゥーレット症候群、神経性チック、物質使用障害、無気力、うつ病、神経傷害、または肥満症である。
【0236】
ここに記述される技術は、それが関係する分野の当業者がそれを実施することができるように、完全、明瞭、簡潔、および正確な用語でここに記述される。前述の内容は本発明の好ましい態様について記述し、そこに本発明の精神または範囲から逸脱することなく修正を行ってもよいことを、理解されたい。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式I:
【化38】
の構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、Xは、エステル、カルボン酸、アミノ酸、アミノ酸残基、アミド、およびそれらの誘導体からなる群から選択され、
Yは、水素、アルケニル、アルコキシ、アルキル、アルキニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、シクロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、および複素環からなる群から選択される、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目2)
式IB:
【化39】
の構造を有する項目1に記載の化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩であって、式中、Xは、A-COO-Rであり;
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される、
化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩。
(項目3)
式ID:
【化40】
の構造を有する項目1に記載の化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩であって、式中、Xは、A-CO-NR
1NR
2であり;
Aは、存在しないか、または存在する場合、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択され;
R
1およびR
2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される、
化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩。
(項目4)
Aが存在せず、Yが水素であり、前記化合物が式IIB:
【化41】
の構造を有し、式中、Rは、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される、
項目2に記載の化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩。
(項目5)
Aが存在せず、Yが水素であり、前記化合物が式IID:
【化42】
の構造を有し、式中、R
1およびR
2は独立して、水素、アルケニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアンモニウム、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アルキニルアミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルケニル、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールアルキニル、アリールアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールアンモニウム、アリールアゾ、アリールカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルアミノ、アリールチオ、アリールチオアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキニル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキソ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールチオ、ポリシクロアルケニル、ポリシクロアルケニルアルキル、ポリシクロアルキル、ポリシクロアルキルアルキル、およびポリエチレングリコールからなる群から選択される、
項目3に記載の化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩。
(項目6)
【化43】
からなる群から選択される構造を有する化合物。
(項目7)
前記薬学的に許容される塩が、酢酸塩、L-アルパラギン酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、D-カンシル酸塩、L-カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩/臭化物、塩酸塩/塩化物、D-乳酸塩、L-乳酸塩、D,L-乳酸塩、D,L-リンゴ酸塩、L-リンゴ酸塩、メシル酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、D-酒石酸塩、L-酒石酸塩、D,L-酒石酸塩、メソ-酒石酸塩、安息香酸塩、グルセプト酸塩、D-グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、イセチオン酸塩、マロン酸塩、メチル硫酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、ステアリン酸塩、トシル酸塩、チオシアン酸塩、アセフィリネート、アセチュレート、アミノサリチル酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳炭酸塩、デカン酸塩、ヘキサン酸塩、コール酸塩、シピオン酸塩、ジクロロ酢酸塩、エデント酸塩、エチル硫酸塩、フレート、フシジン酸塩、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、没食子酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、馬尿酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ヨウ化物、キシナホ酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ミリスチン酸塩、ナパジシル酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ピロリン酸塩、サリチル酸塩、サリチル硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、テレフタル酸塩、チオサリチル酸塩、トリブロフェネート、吉草酸塩、バルプロ酸塩、アジピン酸塩、4-アセトアミド安息香酸塩、カンシル酸塩、オクタン酸塩、エストレート、エシル酸塩、グリコール酸塩、チオシアン酸塩、ウンデシレン酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン酸塩、リシニウム、アンモニウム、トロエタミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目8)
【化44】
からなる群から選択される構造を有する化合物。
(項目9)
項目1に記載の化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩を含む組成物。
(項目10)
前記組成物が、経口投与または坐剤投与のために製剤化される、項目9に記載の組成物。
(項目11)
経口投与のために製剤化される前記組成物が、固体形態、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、軟質ゲル剤、坐剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、経口散剤、溶液剤、シロップ剤、経口フィルム剤、薄型ストリップ剤、スラリー剤、乳剤、エリキシル剤、および懸濁剤からなる群から選択される剤形である、項目10に記載の組成物。
(項目12)
前記組成物が、1種または複数種の賦形剤をさらに含み、前記賦形剤が、抗接着剤、結合剤、コーティング、崩壊剤、充填剤、香料、染料、色素、滑剤、潤滑剤、保存剤、収着剤、甘味料、それらの誘導体、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目9に記載の組成物。
(項目13)
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポビドン、アクリルおよびメタクリル酸コポリマー、医薬品グレーズ、ガム、ならびに乳誘導体からなる群から選択される、項目12に記載の組成物。
(項目14)
前記化合物が、単位用量当たり約0.1mg~約2000mgの間の、単位用量当たりの量で存在する、項目9に記載の組成物。
(項目15)
前記化合物が、単位用量当たり約0.5mg~約500mgの間の、単位用量当たりの量で存在する、項目14に記載の組成物。
(項目16)
前記化合物が、単位用量当たり約1mg~約250mgの間の、単位用量当たりの量で存在する、項目15に記載の組成物。
(項目17)
前記化合物が、単位用量当たり約1.5mg~約100mgの間の、単位用量当たりの量で存在する、項目16に記載の組成物。
(項目18)
前記組成物が、刺激物質、抗うつ剤、それらの組合せ、およびそれらのプロドラッグからなる群から選択される1種または複数種の追加の薬理学的物質をさらに含む、項目9に記載の組成物。
(項目19)
前記組成物が、メチルフェニデート、アリピプラゾール、アトモキセチン、バクロフェン、クロニジン、デシプラミン、ジヒドロテトラベナジン、グアンファシン、ハロペリドール、レベチラセタム、メカミラミン、エトクロプラミド、オランザピン、オンダンセトロン、ペルゴリド、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、セレギリン、スルピリド、テトラベナジン、トピラメート、ジプラシドンの1つもしくは複数、または追加のアンフェタミンの1つもしくは複数、またはそれらの任意の組合せをさらに含む、項目9に記載の組成物。
(項目20)
前記1つまたは複数の追加のアンフェタミンが、非コンジュゲート化アンフェタミン、アンフェタミンのコンジュゲート、アンフェタミンのプロドラッグ、それらの任意の異性体、またはそれらの任意の組合せである、項目19に記載の組成物。
(項目21)
前記非コンジュゲート化アンフェタミンの異性体が、非コンジュゲート化d-アンフェタミンである、項目20に記載の組成物。
(項目22)
前記メチルフェニデートが、非コンジュゲート化メチルフェニデート、メチルフェニデートのコンジュゲート、メチルフェニデートのプロドラッグ、それらの任意の異性体、またはそれらの任意の組合せである、項目21に記載の組成物。
(項目23)
前記非コンジュゲート化メチルフェニデートの異性体が、非コンジュゲート化d-メチルフェニデートである、項目22に記載の組成物。
(項目24)
前記メチルフェニデートのコンジュゲートが、セルデキスメチルフェニデートである、項目22に記載の組成物。
(項目25)
前記化合物が、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、類似のまたは減少したAUCを提供するのに十分な量で提供される、項目9に記載の組成物。
(項目26)
前記化合物が、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、類似のまたは減少したC
maxを提供するのに十分な量で提供される、項目9に記載の組成物。
(項目27)
前記化合物が、等モル用量で経口投与されたときの非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、減少したC
maxおよび類似のまたは減少したAUCを提供するのに十分な量で提供される、項目9に記載の組成物。
(項目28)
前記化合物の鼻内または静脈内投与が、等モル量の非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較した場合、減少したAUCおよび/またはC
maxを提供する、項目9に記載の組成物。
(項目29)
前記化合物が、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、低減した乱用可能性を提供する、項目9に記載の組成物。
(項目30)
項目1に記載の化合物、その薬学的な塩、またはそれらの組合せを含む組成物の治療有効量の個々の用量を含むキット。
(項目31)
中枢神経系の刺激を必要とする障害もしくは状態を有する患者を処置するか、神経伝達物質の取込みを制御、予防、制限、もしくは阻害することによって媒介された疾患、障害、もしくは状態を有する患者を処置するか、またはシナプス中の神経伝達物質濃度を増加させることにより媒介される疾患、障害、もしくは状態を有する患者を処置する方法であって、前記方法が、項目9に記載の組成物の薬学的に有効な量を、それを必要とする前記患者に投与するステップを含む、方法。
(項目32)
前記組成物が、非コンジュゲート化d-アンフェタミンと比較して、投与したときに低減した乱用可能性を有する、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記疾患または状態が、注意欠如多動症、注意欠如症、自閉症スペクトラム障害、自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害、睡眠障害、肥満症、うつ病、双極性障害、摂食障害、慢性疲労症候群、不眠症、統合失調症、大うつ病性障害、ナルコレプシー、体位性起立性頻拍症候群、トゥーレット症候群、神経性チック、物質使用障害、無気力、うつ病、神経傷害、または肥満症である、項目31に記載の方法。