IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機エンジニアリング株式会社の特許一覧

特開2025-23368昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム
<>
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図1
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図2
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図3
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図4
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図5
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図6
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図7
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図8
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図9
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図10
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図11
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図12
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図13
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図14
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図15
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図16
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図17
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図18
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図19
  • 特開-昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023368
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】昇降路監視装置、昇降路監視方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20250207BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
B66B5/02 P
B66B5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127428
(22)【出願日】2023-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦明
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304EA33
3F304ED13
(57)【要約】
【課題】昇降路内の状況に係る情報の精度を従来技術に比べて向上させる。
【解決手段】昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置であって、昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、を備えた昇降路監視装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置であって、
前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、
前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、
前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、
を備えた昇降路監視装置。
【請求項2】
前記昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知を受け付ける非通常運行受付部、をさらに備え、
前記昇降路状態出力部は、前記非通常運行受付部が非通常状態通知を受け付けた場合、前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の昇降路監視装置。
【請求項3】
前記昇降路の通常状態を取得する、通常状態取得部と、
前記通常状態および前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する変化情報出力部と、
を備えた、
請求項1に記載の昇降路監視装置。
【請求項4】
前記昇降路の通常状態を取得する、通常状態取得部と、
前記通常状態および前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する変化情報出力部と、
を備えた、
請求項2に記載の昇降路監視装置。
【請求項5】
前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する構造出力部、を備えた、
請求項4に記載の昇降路監視装置。
【請求項6】
前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降機が緊急停止状態または前記昇降機が試験運行状態であることを示し、
前記変化情報出力部により出力された前記昇降路変化情報を用いて、前記昇降機が通常運行可か通常運行不可かを示す通常運行可否情報を出力する運行可否判定部、
を備えた、
請求項4または請求項5に記載の昇降路監視装置。
【請求項7】
前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降機が保守点検状態であることを示し、
前記変化情報出力部により出力された前記昇降路変化情報を用いて、前記昇降路の画像に変化量または変化度合いを重ねて表す提示画像を出力する状態変化画像出力部、
を備えた、
請求項4または請求項5に記載の昇降路監視装置。
【請求項8】
前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する構造出力部、を備えた、
請求項1に記載の昇降路監視装置。
【請求項9】
前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する構造出力部、を備えた、
請求項2に記載の昇降路監視装置。
【請求項10】
前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降機が構造確認状態であることを示し、
前記構造出力部は、前記非通常運行受付部が非通常状態通知を受け付けた場合、前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する、
請求項9に記載の昇降路監視装置。
【請求項11】
昇降路監視装置を用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視方法であって、
前記昇降路監視装置の撮像画像取得部が、前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得し、
前記昇降路監視装置のセンサ信号取得部が、前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得し、
前記昇降路監視装置の昇降路状態出力部が、前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する、
ことを特徴とする昇降路監視方法。
【請求項12】
コンピュータを、
昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置として動作させるプログラムであって、
前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、
前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、
前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、
を備えた前記昇降路監視装置、
として動作させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、昇降機における昇降路を監視する昇降路監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降機の中には、例えば地震の発生を検知した場合に、通常運行を止めて非通常状態になるように構成されているものがある。昇降機は、非通常状態から通常運行を再開する前に、通常運行を行うことが可能であるか確認される。
このような昇降機における昇降路の確認を支援する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1の「エレベーターは、昇降路内を昇降するカゴと、前記カゴの上側に設置され、前記カゴよりも上側の領域を撮影可能である上側カメラと、前記カゴの下側に設置され、前記カゴよりも下側の領域を撮影可能である下側カメラと、前記上側カメラが撮影した上側画像に基づく上側画像情報を含む上側画像信号、及び前記下側カメラが撮影した下側画像に基づく下側画像情報を含む下側画像信号を外部に発信可能な発信部と、を備える。」(段落[0008])よう構成されている。
特許文献1には、カゴに備えられたカメラが撮影した画像を発信する上記構成により、「保守作業員等が、情報機器の表示部で上側画像及び下側画像を確認でき、カゴや釣合錘のレールからの離脱、昇降路の歪み、及びワイヤーロープの絡まりが生じているか否かを現場に到達する前に判定でき、現場の状況を認識できる。」(段落[0010])と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-029321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、昇降路内は、通常、照明する必要がないため、暗い場合が多い。そのため、特許文献1に記載の技術は、昇降路内を撮像した画像に、人が昇降路内の状況を十分に認識できるような情報が含まれない場合があり、昇降路内の状況に係る情報の精度が低いといった課題がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するもので、昇降路内の状況に係る情報の精度を従来技術に比べて向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の昇降路監視装置は、
昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置であって、
昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、
昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、
第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、昇降機における昇降路内の状況に係る情報の精度を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施の形態1に係る昇降路監視装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、本開示の実施の形態1に係る昇降路監視装置100Aを含む昇降機監視システム1Aの構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態1に係る昇降機監視システム1Aにおける撮像装置およびセンサ装置の実装例のイメージを示すである。
図4図4は、本開示の実施の形態1に係る昇降機監視システム1Aにおける撮像処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本開示の実施の形態1に係る昇降機監視システム1Aにおける計測処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本開示の実施の形態1に係る昇降路監視装置100および昇降路監視装置100Aの処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本開示の実施の形態2に係る昇降路監視装置100Bを含む昇降機監視システム1Bの構成の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の実施の形態2に係る昇降路監視装置100Bの処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本開示の実施の形態3に係る昇降路監視装置100Cを含む昇降機監視システム1Cの構成の一例を示す図である。
図10図10は、本開示の実施の形態3に係る昇降路監視装置100Cの処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本開示の実施の形態4に係る昇降路監視装置100Dを含む昇降機監視システム1Dの構成の一例を示す図である。
図12図12は、本開示の実施の形態4に係る昇降路監視装置100Dの処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、本開示の実施の形態5に係る昇降路監視装置100Eを含む昇降機監視システム1Eの構成の一例を示す図である。
図14図14は、本開示の実施の形態5に係る昇降路監視装置100Eの処理の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、本開示の実施の形態6に係る昇降路監視装置100Fを含む昇降機監視システム1Fの構成の一例を示す図である。
図16図16は、本開示の実施の形態6に係る昇降路監視装置100Fの処理の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、本開示の実施の形態7に係る昇降路監視装置100Gを含む昇降機監視システム1Gの構成の一例を示す図である。
図18図18は、本開示の実施の形態7に係る昇降路監視装置100Gの処理の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、本開示の構成および機能を実現するためのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図20図20は、本開示の構成および機能を実現するためのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示の実施の形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1においては、昇降路監視装置の基本的な形態を説明する。
【0011】
実施の形態1に係る昇降路監視装置の構成例を説明する。
図1は、本開示の実施の形態1に係る昇降路監視装置100の構成の一例を示す図である。
昇降路監視装置100は、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する。
昇降路監視装置100は、昇降路の構造の状態を出力する。昇降路の構造は、昇降路の内壁、鉄骨、梁、ロープ(ワイヤー)、釣合いおもり、ガイドレール、緩衝器、落下物、など、昇降用カゴが昇降する空間に存在する構造物を含む。また、昇降路の構造の状態は、さらに、昇降路に通常存在する構造物の状態以外に、落下物などの物体を含む場合がある。
昇降路監視装置100は、撮像装置により撮像された画像と、センサ装置により計測されたセンサ信号とを用いて、昇降路の構造の状態を取得する。
図1に示す昇降路監視装置100は、撮像画像取得部110、センサ信号取得部120、および、昇降路状態出力部130、を含み構成されている。
【0012】
撮像画像取得部110は、昇降路内を撮像した画像を取得する。
撮像画像取得部110は、昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110は、昇降用カゴの位置ごとに、昇降用カゴの位置から昇降路の上方を撮像した第1の画像と、昇降用カゴの位置から昇降路の下方を撮像した第2の画像と、を取得する。
【0013】
センサ信号取得部120は、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120は、昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号は、例えばセンサ装置の位置を基準にして計測した結果を点および点群の形態で表現できるような情報を含む。
センサ信号取得部120は、昇降用カゴの位置ごとに、昇降用カゴの位置から昇降路の上方を計測した結果である第1のセンサ信号と、昇降用カゴの位置から昇降路の下方を計測した結果である第2のセンサ信号と、を取得する。
【0014】
昇降路状態出力部130は、画像およびセンサ信号に基づいて昇降路の状態を出力する。
昇降路状態出力部130は、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
昇降路状態情報は、画像とセンサ信号とを組み合わせて生成された情報である。
昇降路状態情報は、例えば、昇降カゴの位置ごとに、画像とセンサ信号に表される点(点群)とを重ね合わせて表すことが可能な情報である。
この情報により、画像のみでは構造の状態が不鮮明な部分についても、センサ信号に基づく点群により構造の状態を明確にすることができる。
【0015】
昇降路監視装置100は、上記構成以外に、図示しない制御部、および、図示しない記憶部を含み構成されていてもよい。
図示しない制御部は、昇降路監視装置100全体の制御を行う。図示しない制御部は、例えば外部からの指令に従って昇降路監視装置100を起動させたり、シャットダウンさせたりする。また、図示しない制御部は、昇降カゴの制御装置と連携して昇降カゴの状態(休止状態)に応じて昇降路監視装置100をスリープ状態にさせる。
図示しない記憶部は、昇降路監視装置100に用いられる各データを記憶する。図示しない記憶部は、例えば、昇降路監視装置100における各構成部による出力(出力されたデータ)を記憶し、構成部ごとに要求されたデータを要求元の構成部へ宛てて出力する。
これは、他の実施の形態においても同様である。
【0016】
実施の形態1に係る昇降路監視装置100を昇降機監視システムに適用した場合の、昇降路監視装置100Aを含む昇降機監視システム1Aの構成例を説明する。
図2は、本開示の実施の形態1に係る昇降路監視装置100Aを含む昇降機監視システム1Aの構成の一例を示す図である。
図3は、本開示の実施の形態1に係る昇降機監視システム1Aにおける撮像装置(第1の撮像装置210、第2の撮像装置230)およびセンサ装置(第1のセンサ装置220、第2のセンサ装置240)の実装例のイメージを示すである。
昇降機監視システム1Aは、昇降機を監視するシステムであり、特に、昇降路1001を監視する機能を有する。
図2に示す昇降機監視システム1Aは、昇降路監視装置100A、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、を含み構成されている。
【0017】
昇降カゴ位置取得装置250は、昇降路1001における昇降用カゴ1002の位置に係る情報を取得する。
昇降カゴ位置取得装置250は、例えば、昇降路1001における基準位置と、昇降用カゴ1002が昇降する際の時系列の速度である昇降速度と、を用いて、昇降路1001における昇降用カゴ1002の位置を算出する。基準位置は、あらかじめ設定されて記憶されている昇降路の位置であり、例えば昇降用カゴ1002が建造物における1階に停止している位置に設定することが考えられる。
または、昇降カゴ位置取得装置250は、例えば、昇降速度のみを取得するように構成されていてもよい。このように構成されている場合、昇降路監視装置100Aにおいては、基準位置をあらかじめ記憶しておき、基準位置と、昇降速度とを用いて位置を算出するように構成される。
または、昇降カゴ位置取得装置250は、例えば、センサなどを用いて昇降路1001における昇降用カゴ1002の位置を直接取得してもよい。
昇降カゴ位置取得装置250は、取得した昇降用カゴ1002の位置に係る情報を出力する。
図2に示す昇降カゴ位置取得装置250は、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、および、第2のセンサ装置240、のそれぞれに昇降用カゴ1002の位置に係る情報を出力する。
【0018】
第1の撮像装置210は、昇降機における昇降路1001を昇降する昇降用カゴ1002の外周上部に設置される。第1の撮像装置210は、昇降用カゴ1002に常設されるものを想定している。
第1の撮像装置210は、例えば可視光線により撮像可能な可視光カメラである。
第1の撮像装置210は、昇降用カゴ1002の上方の昇降路1001を撮像し、撮像した撮像画像(第1の画像)を出力する。第1の撮像装置210は、撮像位置である昇降用カゴ1002の位置に係る情報とともに第1の画像を出力する。
【0019】
第1のセンサ装置220は、昇降機における昇降路1001を昇降する昇降用カゴ1002の外周上部に設置される。第1のセンサ装置220は、昇降用カゴ1002に常設されるものを想定している。
第1のセンサ装置220は、例えばレーザを送受信することにより計測するレーザ装置である。
第1のセンサ装置220は、昇降用カゴ1002の上方の昇降路1001を計測し、計測結果であるセンサ信号(第1のセンサ信号)を出力する。第1のセンサ装置220は、計測位置である昇降用カゴ1002の位置に係る情報とともに第1のセンサ信号を出力する。
【0020】
具体的には、第1の撮像装置210および第1のセンサ装置220は、例えば、図3に示すように、一体化されたユニットの形態で構成されており、昇降用カゴ1002の外周上面部に固定されて設置されている。昇降用カゴ1002の外周上面部は、昇降路内に昇降用カゴが取り付けられた状態において、昇降用カゴ1002が昇る側に向いた部分である。
第1の撮像装置210および第1のセンサ装置220は、第1の画像と、第1のセンサ信号と、昇降用カゴ1002の位置に係る情報とを出力する。これにより、第1の画像と、第1のセンサ信号と、これらを取得した位置(撮像位置および計測位置)とが関連付けられた形態で出力される。
【0021】
第2の撮像装置230は、昇降機における昇降路1001を昇降する昇降用カゴ1002の外周下部に設置される。第2の撮像装置230は、昇降用カゴ1002に常設されるものを想定している。
第2の撮像装置230は、第1の撮像装置210と同様に、例えば可視光線により撮像可能な可視光カメラである。
第2の撮像装置230は、昇降用カゴ1002の下方の昇降路1001を撮像し、撮像した撮像画像(第2の画像)を出力する。
【0022】
第2のセンサ装置240は、昇降機における昇降路1001を昇降する昇降用カゴ1002の外周下部に設置される。第2のセンサ装置240は、昇降用カゴ1002に常設されるものを想定している。
第2のセンサ装置240は、第1のセンサ装置220と同様に、例えばレーザを送受信することにより計測するレーザ装置である。
第2のセンサ装置240は、昇降用カゴ1002の下方の昇降路1001を計測し、計測結果であるセンサ信号(第2のセンサ信号)を出力する。
【0023】
具体的には、第2の撮像装置230および第2のセンサ装置240は、例えば、図3に示すように、一体化されたユニットの形態で構成されており、昇降用カゴ1002の外周下面部に固定されて設置されている。昇降用カゴ1002の外周下面部は、昇降路内に昇降用カゴ1002が取り付けられた状態において、昇降用カゴ1002が降りる側に向いた部分である。
第2の撮像装置230および第2のセンサ装置240は、第2の画像と、第2のセンサ信号と、昇降用カゴ1002の位置に係る情報とを出力する。これにより、第2の画像と、第2のセンサ信号と、これらを取得した位置(撮像位置および計測位置)とが関連付けられた形態で出力される。
【0024】
昇降路監視装置100Aは、既に説明した昇降路監視装置100と同様に、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視できるように構成されている。
図2に示す昇降路監視装置100Aは、既に説明した昇降路監視装置100と同様に、撮像画像取得部110、センサ信号取得部120、および、昇降路状態出力部130、を含み構成されている。
【0025】
昇降路監視装置100Aの撮像画像取得部110は、既に説明した撮像画像取得部110と同様に、昇降路内を撮像した画像を取得するように構成されている。
図2に示す撮像画像取得部110は、第1の撮像装置210から出力された第1の画像を取得し、第2の撮像装置230から出力された第2の画像を取得する。
【0026】
昇降路監視装置100Aのセンサ信号取得部120は、既に説明したセンサ信号取得部120と同様に、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得するように構成されている。
図2に示すセンサ信号取得部120は、第1のセンサ装置220から出力された第1のセンサ信号を取得し、第2のセンサ装置240から出力された第2のセンサ信号を取得する。
【0027】
昇降路監視装置100Aの昇降路状態出力部130は、既に説明した昇降路状態出力部130と同様に、画像およびセンサ信号に基づいて昇降路の状態を出力するように構成されている。
図2に示す昇降路状態出力部130は、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、情報提示装置300へ出力する。
【0028】
このような構成により、昇降路監視装置100Aは、昇降路状態情報を情報提示装置300へ出力する。
【0029】
情報提示装置300は、情報を提示する装置である。具体的には、情報提示装置300は、画像を表示することで情報を提示する。また、情報提示装置300は、さらに音を出力することで情報を提示する。情報提示装置300は、例えば、ディスプレイ装置といった表示装置、端末装置、携帯端末、タブレット端末、などである。
情報提示装置300は、昇降路監視装置100Aにより出力された昇降路状態情報を用いて昇降路の状態を提示する。
【0030】
昇降機監視システム1Aにおける処理例、および、昇降路監視装置100Aの処理例を説明する。
図4は、本開示の実施の形態1に係る昇降機監視システム1Aにおける撮像処理の一例を示すフローチャートである。
昇降機監視システム1Aにおける撮像装置(第1の撮像装置210、第2の撮像装置230)は、例えば図示しない制御部が昇降路の監視を行う旨の指令を受けると、図示しない制御部から制御信号を受けて、図4に示す処理を開始する。
【0031】
撮像装置(第1の撮像装置210、第2の撮像装置230)は、まず、撮像処理(ステップST111)を実行する。第1の撮像装置210は、昇降用カゴの上方の昇降路を撮像する。第2の撮像装置230は、昇降用カゴの下方の昇降路を撮像する。
【0032】
次いで、撮像装置(第1の撮像装置210、第2の撮像装置230)は、昇降用カゴ位置取得処理(ステップST112)を実行する。
昇降用カゴ位置取得処理において、第1の撮像装置210は、昇降カゴ位置取得装置250により出力された昇降用カゴの位置に係る情報を取得する。第2の撮像装置230は、昇降カゴ位置取得装置250により出力された昇降用カゴの位置に係る情報を取得する。
【0033】
次いで、撮像装置(第1の撮像装置210、第2の撮像装置230)は、撮像画像出力処理(ステップST113)を実行する。
撮像画像出力処理において、第1の撮像装置210は、昇降用カゴの位置に係る情報とともに昇降用カゴの上方の昇降路を撮像した第1の画像を昇降路監視装置100Aへ出力する。第2の撮像装置230は、昇降用カゴの位置に係る情報とともに昇降用カゴの下方の昇降路を撮像した第2の画像を昇降路監視装置100Aへ出力する。
【0034】
次いで、撮像装置(第1の撮像装置210、第2の撮像装置230)は、終了判定処理(ステップST114)を実行する。
終了判定処理において、第1の撮像装置210および第2の撮像装置230は、それぞれ、図示しない制御部から撮像終了指令を受けていない場合、処理を終了しないと判定し、撮像終了指令を受けた場合、処理を終了すると判定する。
第1の撮像装置210および第2の撮像装置230は、それぞれ、処理を終了しない場合、ステップST111の処理に移行し、ステップST111以降の処理を繰り返し実行する。
【0035】
撮像装置(第1の撮像装置210、第2の撮像装置230)は、終了判定処理において、処理を終了すると判定した場合、図4に示す処理を終了する。
【0036】
図5は、本開示の実施の形態1に係る昇降機監視システム1Aにおける計測処理の一例を示すフローチャートである。
昇降機監視システム1Aにおけるセンサ装置(第1のセンサ装置220、第2のセンサ装置240)は、例えば図示しない制御部が昇降路の監視を行う旨の指令を受けると、図示しない制御部から制御信号を受けて、図5に示す処理を開始する。
【0037】
センサ装置(第1のセンサ装置220、第2のセンサ装置240)は、まず、計測処理(ステップST121)を実行する。第1のセンサ装置220は、昇降用カゴの上方を計測する。第2のセンサ装置240は、昇降用カゴの下方を計測する。
【0038】
次いで、センサ装置(第1のセンサ装置220、第2のセンサ装置240)は、昇降用カゴ位置取得処理(ステップST122)を実行する。
昇降用カゴ位置取得処理において、第1のセンサ装置220は、昇降カゴ位置取得装置250により出力された昇降用カゴの位置に係る情報を取得する。第2のセンサ装置240は、昇降カゴ位置取得装置250により出力された昇降用カゴの位置に係る情報を取得する。
【0039】
次いで、センサ装置(第1のセンサ装置220、第2のセンサ装置240)は、センサ信号出力処理(ステップST123)を実行する。
センサ信号出力処理において、第1のセンサ装置220は、昇降用カゴの位置に係る情報とともに昇降用カゴの上方の昇降路を計測した結果である第1のセンサ信号を昇降路監視装置100Aへ出力する。第2の撮像装置230は、昇降用カゴの位置に係る情報とともに昇降用カゴの下方の昇降路を計測した第2のセンサ信号を昇降路監視装置100Aへ出力する。
【0040】
次いで、センサ装置(第1のセンサ装置220、第2のセンサ装置240)は、終了判定処理(ステップST124)を実行する。
終了判定処理において、第1の撮像装置210および第2の撮像装置230は、それぞれ、図示しない制御部から計測終了指令を受けていない場合、処理を終了しないと判定し、計測終了指令を受けた場合、処理を終了すると判定する。
第1の撮像装置210および第2の撮像装置230は、それぞれ、処理を終了しない場合(ステップST124“NO”)、ステップST121の処理に移行し、ステップST121以降の処理を繰り返し実行する。
【0041】
次いで、センサ装置(第1のセンサ装置220、第2のセンサ装置240)は、終了判定処理において、処理を終了すると判定した場合(ステップST124“YES”)、図5に示す処理を終了する。
【0042】
なお、説明においては、撮像装置の処理とセンサ装置の処理とをそれぞれ別に説明したが、撮像装置とセンサ装置とが一体化したユニットの形態である場合、昇降用カゴの位置に係る情報とともに画像とセンサ信号とを合わせて出力するようにしてもよい。
【0043】
図6は、本開示の実施の形態1に係る昇降路監視装置100および昇降路監視装置100Aの処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、昇降路監視装置100を用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する昇降路監視方法に相当する。
昇降路監視装置100,100Aは、例えば図示しない制御から昇降路監視処理を開始するよう指令を受けると、図6に示す処理を開始する。
【0044】
昇降路監視装置100,100Aは、まず、撮像画像取得処理(ステップST1110)を実行する。
撮像画像取得処理において、昇降路監視装置100の撮像画像取得部110は、昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。撮像画像取得部110は、昇降用カゴの位置に係る情報を含む第1の画像、および、昇降用カゴの位置に係る情報を含む第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110は、取得した第1の画像および第2の画像を昇降路状態出力部130へ出力する。
【0045】
次いで、昇降路監視装置100,100Aは、センサ信号取得処理(ステップST1120)を実行する。
センサ信号取得処理において、昇降路監視装置100のセンサ信号取得部120は、昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120は、昇降用カゴの位置に係る情報を含む第1のセンサ信号、および、昇降用カゴの位置に係る情報を含む第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120は、取得した第1のセンサ信号および第2のセンサ信号を昇降路状態出力部130へ出力する。
【0046】
次いで、昇降路監視装置100,100Aは、昇降路状態出力処理(ステップST1130)を実行する。
昇降路状態出力処理において、昇降路監視装置100の昇降路状態出力部130は、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
昇降路状態出力部130は、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、情報提示装置300へ出力する。
【0047】
次いで、昇降路監視装置100,100Aは、図6に示す処理を終了する。
または、昇降路監視装置100,100Aは、ステップST1110の処理に移行し、処理を終了する指令を受けるまで、ステップST1110の処理から繰り返し実行してもよい。
【0048】
上記構成による昇降路監視装置は、昇降機における昇降路内の状態に係る情報の精度を従来技術に比べて向上させることができる。
例えば、カメラといった撮像装置のみにより得られる昇降路の状態は、cm(センチメ-トル)単位での精度が出せない。また、例えば、カメラといった撮像装置のみで昇降路を監視するためには、十分な明るさが必要であるが、昇降路の正確な状態を画像に含めるように照明することは難しく、高精度な情報を得ることが難しい。
これに対し、上記構成による昇降路監視装置は、特にカメラといった撮像装置のみによる状態把握に比べ、高精度な情報を得ることができ、かつスピーディーな状態把握が可能になる。
【0049】
また、上記構成による昇降路監視装置は、従来技術に比べて高精度な情報を用いて、リアルタイム監視、計測デ-タ収集、計測デ-タ分析を可能にすることができる。
【0050】
本開示は、以下の構成を有する昇降路監視装置を示した。

昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置であって、
前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、
前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、
前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、
を備えた昇降路監視装置。

これにより、本開示は、昇降機における昇降路内の状況に係る情報の精度を向上させることを可能にする、昇降路監視装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0051】
本開示は、以下の構成を有する昇降路監視方法を示した。

昇降路監視装置を用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視方法であって、
前記昇降路監視装置の撮像画像取得部が、前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得し、
前記昇降路監視装置のセンサ信号取得部が、前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得し、
前記昇降路監視装置の昇降路状態出力部が、前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する、
ことを特徴とする昇降路監視方法。

これにより、本開示は、昇降機における昇降路内の状況に係る情報の精度を向上させることを可能にする、昇降路監視方法を提供することができる、という効果を奏する。
【0052】
本開示は、以下の構成を有するプログラムを示した。

コンピュータを、
昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置として動作させるプログラムであって、
前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、
前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、
前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、
を備えた昇降路監視装置、
として動作させることを特徴とするプログラム。

これにより、本開示は、昇降機における昇降路内の状況に係る情報の精度を向上させることを可能にする、プログラムを提供することができる、という効果を奏する。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態2は、昇降機が通常運行ではない非通常状態である場合に動作する形態を説明する。
実施の形態2の説明においては、実施の形態1において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0054】
実施の形態2に係る昇降路監視装置を昇降機監視システムに適用した場合の、昇降路監視装置100Bを含む昇降機監視システム1Bの構成例を説明する。
図7は、本開示の実施の形態2に係る昇降路監視装置100Bを含む昇降機監視システム1Bの構成の一例を示す図である。
昇降機監視システム1Bは、既に説明した昇降機監視システム1Aに加えて、非通常状態通知を受け付けた場合に、昇降路の状態を提示する点で異なる。
図7に示す昇降機監視システム1Bは、昇降路監視装置100B、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、を含み構成されている。
【0055】
第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、はそれぞれ、既に説明した第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、情報提示装置300、と同様の機能を有するように構成されている。
【0056】
昇降路監視装置100Bは、既に説明した昇降路監視装置100Aに比べて、非通常状態通知を受け付けた場合に、昇降路の状態を出力する点で異なる。
図7に示す昇降路監視装置100Bは、撮像画像取得部110B、センサ信号取得部120B、昇降路状態出力部130B、および、非通常運行受付部140B、を含み構成されている。
【0057】
非通常運行受付部140Bは、昇降機が通常運行状態ではない状態であることを受け付ける。
非通常運行受付部140Bは、昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知を受け付ける。
非通常状態は、緊急停止状態、試運転状態、保守点検状態、更新改修確認状態(更新設備確認状態、改修設備確認状態)、を含む。
緊急停止状態は、例えば地震などの災害の影響により昇降機が通常運行を停止している状態である。緊急停止状態は、例えば地震による揺れが所定の揺れ以下になった状況において、通常運行が可能であるかを確認するために作業員等が昇降路内で作業する前の事前確認を行う状態を想定している。
試験運行状態は、昇降機が通常運行を停止している状態において、作業員等の操作により試験運行を行う状態である。
保守点検状態は、昇降機がメンテナンス中で通常運行を停止している状態である。保守点検状態は、例えば、作業員等が昇降路内で作業する前の事前点検を行う状態を想定している。
更新改修確認状態(更新設備確認状態)は、昇降機の設備を更新している状態であって昇降機が通常運行を停止している状態である。更新改修確認状態は、例えば、更新された設備および昇降路を確認するために作業員等が昇降路内で作業する前の事前確認を行う状態を想定している。
更新改修確認状態(改修設備確認状態)は、昇降機を改修している状態であって昇降機が通常運行を停止している状態である。更新改修確認状態は、例えば、改修された設備および昇降路を確認するために作業員等が昇降路内で作業する前の事前確認を行う状態を想定している。
非通常運行受付部140Bは、非通常状態通知を受け付けると、昇降路の状態を情報提示装置300へ出力するよう昇降路状態出力部130Bへ指令する。
【0058】
撮像画像取得部110Bは、既に説明した撮像画像取得部110と同様に、昇降路内を撮像した画像を取得するように構成されている。
【0059】
センサ信号取得部120Bは、既に説明したセンサ信号取得部120と同様に、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得するように構成されている。
【0060】
昇降路状態出力部130Bは、昇降路の状態を出力する。
昇降路状態出力部130Bは、非通常運行受付部140Bが非通常状態通知を受け付けた場合、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
昇降路状態出力部130Bは、非通常運行受付部140Bから非通常状態通知を受け付けたことを示す通知を受けた場合、昇降用カゴの位置ごとに、第1の画像および第1のセンサ信号を用いて昇降用カゴより上方の昇降路の状態を取得し、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて昇降用カゴより下方の昇降路の状態を取得し、昇降用カゴの位置ごとのそれぞれの状態を合わせた昇降路状態情報を出力する。
【0061】
実施の形態2に係る昇降路監視装置100Bの処理例を説明する。
図8は、本開示の実施の形態2に係る昇降路監視装置100Bの処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示す処理は、昇降路監視装置100Bを用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する昇降路監視方法に相当する。
昇降路監視装置100Bは、例えば図示しない制御から昇降路監視処理を開始するよう指令を受けると、図8に示す処理を開始する。
【0062】
昇降路監視装置100Bは、まず、撮像画像取得処理(ステップST2110)を実行する。
撮像画像取得処理において、昇降路監視装置100Bの撮像画像取得部110Bは、既に説明した撮像画像取得処理と同様に、第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110Bは、取得した第1の画像および第2の画像を昇降路状態出力部130Bへ出力する。
【0063】
次いで、昇降路監視装置100Bは、センサ信号取得処理(ステップST2120)を実行する。
センサ信号取得処理において、昇降路監視装置100Bのセンサ信号取得部120Bは、既に説明したセンサ信号取得処理と同様に、第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120Bは、取得した第1のセンサ信号および第2のセンサ信号を昇降路状態出力部130Bへ出力する。
【0064】
次いで、昇降路監視装置100Bは、非通常状態判定処理(ステップST2130)を実行する。
非通常状態判定処理において、昇降路監視装置100Bの昇降路状態出力部130Bは、非通常運行受付部140Bにより昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知が受け付けられた状況である場合、非通常状態であると判定する。
【0065】
昇降路監視装置100Bの昇降路状態出力部130Bは、非通常状態判定処理(ステップST2130)において、非通常状態ではないと判定した場合(ステップST2130“NO”)、ステップST2110の処理へ移行し、ステップST2110の処理以降の処理を繰り返して実行する。
【0066】
昇降路監視装置100Bの昇降路状態出力部130Bは、非通常状態判定処理(ステップST2130)において、非通常状態であると判定した場合(ステップST2130“YES”)、次いで、昇降路状態出力処理(ステップST2140)を実行する。
昇降路状態出力部130Bは、非通常運行受付部140Bが非通常状態通知を受け付けた場合、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
昇降路状態出力部130Bは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、情報提示装置300へ出力する。
【0067】
昇降路監視装置100Bは、昇降路状態出力処理(ステップST2140)を実行すると、図8に示す処理を終了する。
【0068】
上記構成により、昇降路監視装置100Bは、昇降機が通常運行状態ではない非通常状態である場合に非通常状態において求められるであろう昇降路の状態を出力することができる。また、昇降路監視装置Bは、昇降機の非通常状態において、作業員による作業を支援することができる。
【0069】
本開示は、さらに、以下の構成を有する昇降路監視装置を示した。

前記昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知を受け付ける非通常運行受付部、をさらに備え、
前記昇降路状態出力部は、前記非通常運行受付部が非通常状態通知を受け付けた場合、前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する、
ことを特徴とする昇降路監視装置。

これにより、本開示は、昇降機が通常運行状態ではない非通常状態である場合に非通常状態において求められるであろう昇降路の状態を出力することを可能にする、昇降路監視装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記昇降路監視方法または上記プログラムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0070】
実施の形態3.
実施の形態3は、昇降路の変化を提示可能にする形態を説明する。
実施の形態3の説明においては、実施の形態1、および、実施の形態2、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0071】
実施の形態3に係る昇降路監視装置を昇降機監視システム1に適用した場合の構成である、昇降路監視装置100Cを含む昇降機監視システム1Cの構成例を説明する。
図9は、本開示の実施の形態3に係る昇降路監視装置100Cを含む昇降機監視システム1Cの構成の一例を示す図である。
昇降機監視システム1Cは、既に説明した昇降機監視システム1A、昇降機監視システム1Bに加えて、昇降路の変化を提示する点で異なる。
図9に示す昇降機監視システム1Cは、昇降路監視装置100C、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、を含み構成されている。
【0072】
第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、はそれぞれ、既に説明した第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、情報提示装置300、と同様の機能を有するように構成されている。
【0073】
昇降路監視装置100Cは、既に説明した昇降路監視装置100A、昇降路監視装置100Bに比べて、昇降路の通常状態に比べた昇降路の変化を出力する点で異なる。
図9に示す昇降路監視装置100Cは、撮像画像取得部110C、センサ信号取得部120C、昇降路状態出力部130C、状態記憶部150C、通常状態取得部153C、および、変化情報出力部155C、を含み構成されている。
【0074】
撮像画像取得部110Cは、既に説明した撮像画像取得部110、または、撮像画像取得部110Bと同様に、昇降路内を撮像した画像を取得するように構成されている。
【0075】
センサ信号取得部120Cは、既に説明したセンサ信号取得部120、または、センサ信号取得部120Bと同様に、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得するように構成されている。
【0076】
昇降路状態出力部130Cは、既に説明した昇降路状態出力部130と同様に、画像およびセンサ信号に基づいて昇降路の状態を出力するように構成されている。
本実施の形態に係る昇降路状態出力部130Cは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Cへ出力して記憶させる。
【0077】
状態記憶部150Cは、昇降路状態出力部130Cにより出力された昇降路状態情報を受け付け、昇降用カゴの位置ごとに、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、記憶して蓄積する。
【0078】
通常状態取得部153Cは、昇降路の通常状態を取得する。
具体的には、通常状態取得部153Cは、昇降路の通常状態を示す通常状態情報を取得する。
昇降路の通常状態は、昇降用カゴが通常運行可能であるような昇降路内の状態である。
通常状態情報は、例えば、過去の通常運行時の昇降路の状態を、あらかじめ設定されて記憶した情報である。
または、通常状態情報は、例えば、状態記憶部150Cに蓄積されている過去の昇降路状態情報を用いて、通常状態を導き出された情報である。この場合、通常状態取得部153Cは、状態記憶部150Cに蓄積されている過去の昇降路状態情報を取得し、取得した昇降路状態情報を用いて通常状態を導き出し、通常状態を示す通常状態情報を生成することで取得する。
【0079】
変化情報出力部155Cは、昇降路における通常状態と比べた変化を出力する。
変化情報出力部155Cは、通常状態および昇降路状態情報を用いて、昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する。
変化情報出力部155Cは、通常状態情報に示される通常状態と昇降路状態情報に示される昇降路状態との差分値または差分度合いを用いて、変化量または変化度合いを算出する。
変化情報出力部155Cは、算出した昇降路変化情報を、情報提示装置300へ出力する。
【0080】
このような構成により、昇降路監視装置100Cは、昇降路変化情報を情報提示装置300へ出力する。
【0081】
実施の形態3に係る昇降路監視装置100Cの処理例を説明する。
図10は、本開示の実施の形態3に係る昇降路監視装置100Cの処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、昇降路監視装置100Cを用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する昇降路監視方法に相当する。
昇降路監視装置100Cは、例えば図示しない制御部から昇降路監視処理を開始するよう指令を受けると、図10に示す処理を開始する。
【0082】
昇降路監視装置100Cは、まず、撮像画像取得処理(ステップST3110)を実行する。
撮像画像取得処理において、昇降路監視装置100Cの撮像画像取得部110Cは、既に説明した撮像画像取得処理と同様に、第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110Cは、取得した第1の画像および第2の画像を昇降路状態出力部130Cへ出力する。
【0083】
次いで、昇降路監視装置100Cは、センサ信号取得処理(ステップST3120)を実行する。
センサ信号取得処理において、昇降路監視装置100Cのセンサ信号取得部120Cは、既に説明したセンサ信号取得処理と同様に、第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120Cは、取得した第1のセンサ信号および第2のセンサ信号を昇降路状態出力部130Cへ出力する。
【0084】
次いで、昇降路監視装置100Cは、昇降路状態出力処理(ステップST3130)を実行する。
昇降路状態出力処理において、昇降路監視装置100Cの昇降路状態出力部130Cは、既に説明した昇降路状態出力部130と同様に、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
【0085】
次いで、昇降路監視装置100Cは、状態記憶処理(ステップST3140)を実行する。
状態記憶処理において、昇降路監視装置100Cの昇降路状態出力部130Cは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Cへ出力して記憶させる。
状態記憶部150Cは、昇降路状態情報を蓄積する。
【0086】
次いで、昇降路監視装置100Cは、通常状態取得処理(ステップST3150)を実行する。
通常状態取得処理において、昇降路監視装置100Cの通常状態取得部153Cは、昇降路の通常状態を取得する。
通常状態取得部153Cは、例えば、状態記憶部150Cに蓄積されている過去の昇降路状態情報を取得する。通常状態取得部153Cは、取得した昇降路状態情報を用いて、通常状態を導き出す。通常状態取得部153Cは、例えば非通常状態に変化する前の最新の通常運行状態における昇降路の状態を通常状態とみなす。また、通常状態取得部153Cは、例えば非通常状態に変化する前の通常運行状態における昇降路の状態の所定期間の平均の状態を通常状態とみなす。
通常状態取得部153Cは、通常状態を示す通常状態情報を生成することで取得する。
通常状態取得部153Cは、通常状態情報を変化情報出力部155Cへ出力する。
【0087】
次いで、昇降路監視装置100Cは、変化情報出力処理(ステップST3160)を実行する。
変化情報出力処理において、昇降路監視装置100Cの変化情報出力部155Cは、通常状態および昇降路状態情報を用いて、昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する。
変化情報出力部155Cは、通常状態情報に示される通常状態と昇降路状態情報に示される昇降路状態との差分値または差分度合いを用いて、変化量または変化度合いを算出する。
変化情報出力部155Cは、算出した昇降路変化情報を、情報提示装置300へ出力する。
情報提示装置300は、変化情報出力部155Cにより出力された昇降路変化情報に基づいて、昇降路の変化を提示する。情報提示装置300は、例えば、昇降路内が撮像された画像(第1の画像、第2の画像)に、昇降路における位置ごとに変化量または変化度合いを重ね合わせた画像を表示する。
【0088】
次いで、昇降路監視装置100Cは、図10に示す処理を終了する。
または、昇降路監視装置100Cは、ステップST3110へ移行し、ステップST3110の処理からの処理を繰り返し実行してもよい。
【0089】
上記の構成により、昇降路監視装置は、高精度に昇降路の状態の変化を提示することを可能にすることができる。
また、昇降路監視装置は、従来技術より精度を向上させた高精度な情報に基づいて、リアルタイム監視、計測デ-タ収集、計測データ分析を可能にすることができる。
【0090】
本開示は、さらに、以下の構成を有する昇降路監視装置を示した。

前記昇降路の通常状態を取得する、通常状態取得部と、
前記通常状態および前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する変化情報出力部と、
を備えた、昇降路監視装置。

これにより、本開示は、従来技術より精度を向上させた高精度な情報を用いて、高精度に昇降路の状態の変化を示すことを可能にする、昇降路監視装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記昇降路監視方法または上記プログラムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0091】
実施の形態4.
実施の形態4は、昇降路の構造を提示可能にする形態を説明する。
実施の形態4の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、および、実施の形態3、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0092】
実施の形態4に係る昇降路監視装置を昇降機監視システムに適用した場合の構成である、昇降路監視装置100Dを含む昇降機監視システム1Dの構成例を説明する。
図11は、本開示の実施の形態4に係る昇降路監視装置100Dを含む昇降機監視システム1Dの構成の一例を示す図である。
昇降機監視システム1Dは、既に説明した昇降機監視システム1A、昇降機監視システム1B、昇降機監視システム1Cに比べて、昇降路の構造を算出して提示する点で異なる。
図11に示す昇降機監視システム1Dは、昇降路監視装置100D、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、を含み構成されている。
【0093】
第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、はそれぞれ、既に説明した第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、情報提示装置300、と同様の機能を有するように構成されている。
【0094】
昇降路監視装置100Dは、既に説明した昇降路監視装置100A、昇降路監視装置100B、昇降路監視装置100Cに比べて、昇降路の構造を算出して出力する点で異なる。
図11に示す昇降路監視装置100Dは、撮像画像取得部110D、センサ信号取得部120D、昇降路状態出力部130D、状態記憶部150D、および、構造出力部160D、を含み構成されている。
【0095】
撮像画像取得部110Dは、既に説明した撮像画像取得部110、撮像画像取得部110B、または、撮像画像取得部110Cと同様に、昇降路内を撮像した画像を取得するように構成されている。
【0096】
センサ信号取得部120Dは、既に説明したセンサ信号取得部120、センサ信号取得部120B、または、センサ信号取得部120Cと同様に、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得するように構成されている。
【0097】
昇降路状態出力部130Dは、既に説明した昇降路状態出力部130、または、昇降路状態出力部130C、と同様に、画像およびセンサ信号に基づいて昇降路の状態を出力するように構成されている。
昇降路状態出力部130Dは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Dへ出力して記憶させる。
【0098】
状態記憶部150Dは、昇降路状態出力部130Dにより出力された昇降路状態情報を受け付け、昇降用カゴの位置ごとに、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、記憶して蓄積する。
【0099】
構造出力部160Dは、昇降路状態情報を用いて昇降路の構造を出力する。
構造出力部160Dは、昇降路状態出力部130Dにより出力された昇降路状態情報を用いて、昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する。
昇降路構造情報は、昇降路における昇降用カゴの位置ごとの昇降路状態情報を用いて算出された昇降路内の構造を表すための情報である。
構造出力部160Dは、昇降路構造情報を情報提示部へ出力する。
【0100】
このような構成により、昇降路監視装置100Dは、昇降路構造情報を情報提示装置300へ出力する。
【0101】
実施の形態4に係る昇降路監視装置100Dの処理例を説明する。
図12は、本開示の実施の形態4に係る昇降路監視装置100Dの処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示す処理は、昇降路監視装置100Dを用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する昇降路監視方法に相当する。
昇降路監視装置100Dは、例えば図示しない制御部から昇降路監視処理を開始するよう指令を受けると、図12に示す処理を開始する。
【0102】
昇降路監視装置100Dは、まず、撮像画像取得処理(ステップST4110)を実行する。
撮像画像取得処理において、昇降路監視装置100Cの撮像画像取得部110Cは、既に説明した撮像画像取得処理と同様に、第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110Cは、取得した第1の画像および第2の画像を昇降路状態出力部130Cへ出力する。
【0103】
次いで、昇降路監視装置100Dは、センサ信号取得処理(ステップST4120)を実行する。
センサ信号取得処理において、昇降路監視装置100Dのセンサ信号取得部120Dは、既に説明したセンサ信号取得処理と同様に、第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120Dは、取得した第1のセンサ信号および第2のセンサ信号を昇降路状態出力部130Dへ出力する。
【0104】
次いで、昇降路監視装置100Dは、昇降路状態出力処理(ステップST4130)を実行する。
昇降路状態出力処理において、昇降路監視装置100Dの昇降路状態出力部130Dは、既に説明した昇降路状態出力部130と同様に、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
【0105】
次いで、昇降路監視装置100Dは、状態記憶処理(ステップST4140)を実行する。
状態記憶処理において、昇降路監視装置100Dの昇降路状態出力部130Dは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Dへ出力して記憶させる。
状態記憶部150Dは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を蓄積する。
【0106】
次いで、昇降路監視装置100Dは、構造出力処理(ステップST4150)を実行する。
構造出力処理において、昇降路監視装置100Dの構造出力部160Dは、昇降路状態出力部130Dにより出力された昇降路状態情報を用いて、昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する。
構造出力部160Dは、状態記憶部150Dに記憶されている昇降路状態情報を取得する。構造出力部160Dは、昇降路状態情報に示される昇降路内の位置ごとの昇降路状態を用いて、昇降路の構造を算出する。構造出力部160Dは、昇降路の構造を表す昇降路構造情報を生成して出力する。構造出力部160Dは、昇降路構造情報を情報提示装置300へ出力する。
情報提示装置300は、昇降路構造情報に基づいて、昇降路の構造を表す画像を表示する。
【0107】
次いで、昇降路監視装置100Dは、図12に示す処理を終了する。
または、昇降路監視装置100Dは、ステップST4110へ移行し、ステップST4110の処理からの処理を繰り返し実行してもよい。
【0108】
上記構成により、昇降路監視装置100Dは、従来技術より精度を向上させた高精度な情報を生成できる。
また、昇降路監視装置100Dは、高精度な情報を用いて、高精度に昇降路の構造を提示することができる。
また、昇降路監視装置100Dは、高精度な情報を用いて、リアルタイム監視、計測デ-タ収集、計測データ分析を可能にすることができる。
【0109】
本開示は、さらに、以下の構成を有する昇降路監視装置を示した。

前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する構造出力部、を備えた、
昇降路監視装置。

これにより、本開示は、従来技術より精度を向上させた高精度な情報を用いて、高精度に昇降路の構造の状態を表すことを可能にする昇降路監視装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記昇降路監視方法または上記プログラムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0110】
実施の形態5.
実施の形態5は、例えば、緊急停止状態、または、試験運行状態、といった非通常状態において利用可能な形態を説明する。
実施の形態5の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、および、実施の形態4、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0111】
実施の形態5に係る昇降路監視装置を昇降機監視システムに適用した場合の構成である、昇降路監視装置100Eを含む昇降機監視システム1Eの構成例を説明する。
図13は、本開示の実施の形態5に係る昇降路監視装置100Eを含む昇降機監視システム1Eの構成の一例を示す図である。
昇降機監視システム1Eは、既に説明した昇降機監視システム1A、昇降機監視システム1B、昇降機監視システム1C、昇降機監視システム1Dに比べて、緊急停止状態、または、試験運行状態、といった非通常状態において、通常運行が可能であるかを提示する点で異なる。
図13に示す昇降機監視システム1Eは、昇降路監視装置100E、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、を含み構成されている。
【0112】
第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、はそれぞれ、既に説明した第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、情報提示装置300、と同様の機能を有するように構成されている。
【0113】
昇降路監視装置100Eは、既に説明した昇降路監視装置100A、昇降路監視装置100B、昇降路監視装置100C、昇降路監視装置100Dに比べて、緊急停止状態、または、試験運行状態、といった非通常状態において、通常運行が可能であるかを示す情報を出力する点で異なる。
図13に示す昇降路監視装置100Eは、撮像画像取得部110E、センサ信号取得部120E、昇降路状態出力部130E、非通常運行受付部140E、状態記憶部150E、通常状態取得部153E、および、変化情報出力部155E、運行可否判定部170E、を含み構成されている。
【0114】
撮像画像取得部110Eは、既に説明した撮像画像取得部110、撮像画像取得部110B、撮像画像取得部110C、または、撮像画像取得部110Dと同様に、昇降路内を撮像した画像を取得するように構成されている。
【0115】
センサ信号取得部120Eは、既に説明したセンサ信号取得部120、センサ信号取得部120B、センサ信号取得部120C、または、センサ信号取得部120Dと同様に、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得するように構成されている。
【0116】
昇降路状態出力部130Eは、既に説明した昇降路状態出力部130、昇降路状態出力部130C、または、昇降路状態出力部130Dと同様に、画像およびセンサ信号に基づいて昇降路の状態を出力するように構成されている。
昇降路状態出力部130Eは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Eへ出力して記憶させる。
【0117】
非通常運行受付部140Eは、昇降機が通常運行状態ではない状態であることを受け付ける。
非通常運行受付部140Eは、昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知を受け付ける。
非通常状態は、昇降機が通常運行状態ではなく、緊急停止状態または試験運行状態である。
緊急停止状態は、例えば地震などの災害の影響により昇降機が通常運行を停止している状態である。緊急停止状態は、例えば地震による揺れが所定の揺れ以下になった状況において、通常運行が可能であるかを確認するために作業員等が昇降路内で作業する前の事前確認を行う状態を想定している。
試験運行状態は、昇降機が通常運行を停止している状態において、作業員等の操作により試験運行を行う状態である。
【0118】
状態記憶部150Eは、既に説明した状態記憶部150Cと同様に、昇降路状態出力部130Eにより出力された昇降路状態情報を受け付け、昇降用カゴの位置ごとに、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、記憶して蓄積する。
【0119】
通常状態取得部153Eは、既に説明した通常状態取得部153Cと同様に、昇降路の通常状態を取得する。
【0120】
変化情報出力部155Eは、既に説明した変化情報出力部155Cと同様に、通常状態および昇降路状態情報を用いて、昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する。
【0121】
運行可否判定部170Eは、昇降路変化情報に基づいて、昇降機が通常運行可能かの判定結果を出力する。
運行可否判定部170Eは、変化情報出力部155Eにより出力された昇降路変化情報を用いて、昇降機が運行可か運行不可かを示す運行可否情報を出力する。
運行可否判定部170Eは、昇降路変化情報に示される変化量または変化度合いが、あらかじめ設定されて記憶された許容閾値を超えていない場合、運行可を示す運行可否情報を出力し、昇降路変化情報に示される変化量または変化度合いが、あらかじめ設定されて記憶された許容閾値を超えている場合、運行不可を示す運行可否情報を出力する。
【0122】
このような構成により、昇降路監視装置100Eは、運行可否情報を情報提示装置300へ出力する。
【0123】
実施の形態5に係る昇降路監視装置100Eの処理例を説明する。
図14は、本開示の実施の形態5に係る昇降路監視装置100Eの処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示す処理は、昇降路監視装置100Eを用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する昇降路監視方法に相当する。
昇降路監視装置100Eは、例えば図示しない制御部から昇降路監視処理を開始するよう指令を受けると、図14に示す処理を開始する。
【0124】
昇降路監視装置100Eは、まず、撮像画像取得処理(ステップST5110)を実行する。
撮像画像取得処理において、昇降路監視装置100Eの撮像画像取得部110Eは、既に説明した撮像画像取得処理と同様に、第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110Eは、取得した第1の画像および第2の画像を昇降路状態出力部130Eへ出力する。
【0125】
次いで、昇降路監視装置100Eは、センサ信号取得処理(ステップST5120)を実行する。
センサ信号取得処理において、昇降路監視装置100Eのセンサ信号取得部120Eは、既に説明したセンサ信号取得処理と同様に、第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120Eは、取得した第1のセンサ信号および第2のセンサ信号を昇降路状態出力部130Eへ出力する。
【0126】
次いで、昇降路監視装置100Eは、昇降路状態出力処理(ステップST5130)を実行する。
昇降路状態出力処理において、昇降路監視装置100Eの昇降路状態出力部130Eは、既に説明した昇降路状態出力部130と同様に、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
【0127】
次いで、昇降路監視装置100Eは、状態記憶処理(ステップST5140)を実行する。
状態記憶処理において、昇降路監視装置100Eの昇降路状態出力部130Eは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Eへ出力して記憶させる。
状態記憶部150Eは、昇降路状態情報を蓄積する。
【0128】
次いで、昇降路監視装置100Eは、非通常状態判定処理(ステップST5150)を実行する。
非通常状態判定処理において、昇降路監視装置100Eの昇降路状態出力部130Eは、非通常運行受付部140Eにより昇降機が通常運行状態ではない非通常状態(緊急停止状態または試験運行状態)であることを示す非通常状態通知が受け付けられた状況である場合、非通常状態であると判定する。
【0129】
昇降路監視装置100Eは、非通常状態判定処理(ステップST5150)において、非通常状態(緊急停止状態または試験運行状態)ではないと判定された場合(ステップST5150“NO”)、ステップST5110の処理へ移行し、ステップST5110の処理からの処理を繰り返す。
【0130】
昇降路監視装置100Eは、非通常状態判定処理(ステップST5150)において、非通常状態(緊急停止状態または試験運行状態)であると判定された場合(ステップST5150“YES”)、次いで、通常状態取得処理(ステップST5160)を実行する。
通常状態取得処理において、昇降路監視装置100Eの通常状態取得部153Eは、昇降路の通常状態を取得する。
【0131】
昇降路監視装置100Eは、次いで、変化情報出力処理(ステップST5170)を実行する。
変化情報出力処理において、昇降路監視装置100Eの変化情報出力部155Eは、通常状態および昇降路状態情報を用いて、昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する。
変化情報出力部155Eは、昇降路変化情報を運行可否判定部170Eへ出力する。
【0132】
昇降路監視装置100Eは、次いで、運行可否判定処理(ステップST5180)を実行する。
運行可否判定処理において、昇降路監視装置100Eの運行可否判定部170Eは、変化情報出力部155Eにより出力された昇降路変化情報を用いて、昇降機が運行可か運行不可かを示す運行可否情報を出力する。
運行可否判定部170Eは、昇降路変化情報に示される変化量または変化度合いが、あらかじめ設定されて記憶された許容閾値を超えていない場合、運行可を示す運行可否情報を出力する。
運行可否判定部170Eは、昇降路変化情報に示される変化量または変化度合いが、あらかじめ設定されて記憶された許容閾値を超えている場合、運行不可を示す運行可否情報を出力する。
運行可否判定部170Eは、運行可否情報を情報提示装置300へ出力する。
【0133】
昇降路監視装置100Eは、次いで、図14に示す処理を終了する。
または、昇降路監視装置100Eは、ステップST5110へ移行し、ステップST5110の処理からの処理を繰り返し実行してもよい。
【0134】
上記構成により、昇降路監視装置100Eは、さらに、災害発生時等の再稼働予備確認を行うことができる。例えば地震などにより緊急停止した場合に、人が昇降路に入って目視による点検を行う前に、高精度な情報により事前点検を行うことが可能になる。
具体的には、地震発生時、昇降機は、最寄り階に停止し運転を休止する。通常は保守員(作業員)が昇降路の安全確認を行って運転再開する。本昇降路監視装置100Eを用いることで、運転再開の一次判断(中規模程度の地震の際の運転復帰等)を可能とする。
また、上記構成により、昇降路監視装置100Eは、さらに、リアルタイム監視、計測デ-タ収集、計測デ-タ分析を可能にすることができる。
【0135】
本開示は、さらに、以下の構成を有する昇降路監視装置を示した。

前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降機が緊急停止した状態(緊急停止状態)または前記昇降機が試験的に運行される状態(試験運行状態)であり、
前記変化情報出力部により出力された前記昇降路変化情報を用いて、前記昇降機が運行可か運行不可かを示す運行可否情報を出力する運行可否判定部、
を備えた、昇降路監視装置。

これにより、本開示は、従来技術より精度が向上した高精度な情報を用いて、高精度に通常運行が可能であるかを示すことを可能にする昇降路監視装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記昇降路監視方法または上記プログラムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0136】
実施の形態6.
実施の形態6は、例えば、昇降機の保守点検状態といった非通常状態において利用可能な形態を説明する。
実施の形態6の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、および、実施の形態5、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0137】
実施の形態6に係る昇降路監視装置を昇降機監視システムに適用した場合の構成である、昇降路監視装置100Fを含む昇降機監視システム1Fの構成例を説明する。
図15は、本開示の実施の形態6に係る昇降路監視装置100Fを含む昇降機監視システム1Fの構成の一例を示す図である。
昇降機監視システム1Fは、既に説明した昇降機監視システム1A、昇降機監視システム1B、昇降機監視システム1C、昇降機監視システム1D、昇降機監視システム1E、に比べて、保守点検状態といった非通常状態において、昇降路の状態の変化を表す画像を提示する点で異なる。
図15に示す昇降機監視システム1Fは、昇降路監視装置100F、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、を含み構成されている。
【0138】
第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、はそれぞれ、既に説明した第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、情報提示装置300、と同様の機能を有するように構成されている。
【0139】
昇降路監視装置100Fは、既に説明した昇降路監視装置100A、昇降路監視装置100B、昇降路監視装置100C、昇降路監視装置100Dに比べて、保守点検状態といった非通常状態において、昇降路の状態の変化を表す画像を出力する点で異なる。
図15に示す昇降路監視装置100Fは、撮像画像取得部110F、センサ信号取得部120F、昇降路状態出力部130F、非通常運行受付部140F、状態記憶部150F、通常状態取得部153F、および、変化情報出力部155F、状態変化画像出力部180F、を含み構成されている。
【0140】
撮像画像取得部110Fは、既に説明した撮像画像取得部110、撮像画像取得部110B、撮像画像取得部110C、撮像画像取得部110D、または、撮像画像取得部110Eと同様に、昇降路内を撮像した画像を取得するように構成されている。
【0141】
センサ信号取得部120Fは、既に説明したセンサ信号取得部120、センサ信号取得部120B、センサ信号取得部120C、センサ信号取得部120D、または、センサ信号取得部120Eと同様に、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得するように構成されている。
【0142】
昇降路状態出力部130Fは、既に説明した昇降路状態出力部130、昇降路状態出力部130C、昇降路状態出力部130D、または、昇降路状態出力部130Eと同様に、画像およびセンサ信号に基づいて昇降路の状態を出力するように構成されている。
昇降路状態出力部130Fは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Fへ出力して記憶させる。
【0143】
非通常運行受付部140Fは、昇降機が通常運行状態ではない状態であることを受け付ける。
非通常運行受付部140Eは、昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知を受け付ける。
非通常状態は、昇降機が通常運行状態ではなく、保守点検状態である。
保守点検状態は、昇降機がメンテナンス中で通常運行を停止している状態である。保守点検状態は、例えば、作業員等が昇降路内で作業する前の事前点検を行う状態を想定している。
【0144】
状態記憶部150Fは、既に説明した状態記憶部150C、または、状態記憶部150Eと同様に、昇降路状態出力部130Fにより出力された昇降路状態情報を受け付け、昇降用カゴの位置ごとに、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、記憶して蓄積する。
【0145】
通常状態取得部153Fは、既に説明した通常状態取得部153C、または、通常状態取得部153Eと同様に、昇降路の通常状態を取得する。
【0146】
変化情報出力部155Fは、既に説明した変化情報出力部155C、または、変化情報出力部155Eと同様に、通常状態および昇降路状態情報を用いて、昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する。
【0147】
状態変化画像出力部180Fは、昇降路の状態の変化を表す画像を出力する。
状態変化画像出力部180Fは、変化情報出力部155Fにより出力された昇降路変化情報を用いて、昇降路の画像に変化量または変化度合いを重ねて表す提示用画像を出力する。
【0148】
このような構成により、昇降路監視装置100Fは、提示用画像を情報提示装置300へ出力する。
【0149】
実施の形態6に係る昇降路監視装置100Fの処理例を説明する。
図16は、本開示の実施の形態6に係る昇降路監視装置100Fの処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示す処理は、昇降路監視装置100Fを用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する昇降路監視方法に相当する。
昇降路監視装置100Fは、例えば図示しない制御部から昇降路監視処理を開始するよう指令を受けると、図16に示す処理を開始する。
【0150】
昇降路監視装置100Fは、まず、撮像画像取得処理(ステップST6110)を実行する。
撮像画像取得処理において、昇降路監視装置100Fの撮像画像取得部110Fは、既に説明した撮像画像取得処理と同様に、第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110Fは、取得した第1の画像および第2の画像を昇降路状態出力部130Fへ出力する。
【0151】
次いで、昇降路監視装置100Fは、センサ信号取得処理(ステップST6120)を実行する。
センサ信号取得処理において、昇降路監視装置100Fのセンサ信号取得部120Fは、既に説明したセンサ信号取得処理と同様に、第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120Fは、取得した第1のセンサ信号および第2のセンサ信号を昇降路状態出力部130Fへ出力する。
【0152】
次いで、昇降路監視装置100Fは、昇降路状態出力処理(ステップST6130)を実行する。
昇降路状態出力処理において、昇降路監視装置100Fの昇降路状態出力部130Fは、既に説明した昇降路状態出力部130と同様に、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
【0153】
次いで、昇降路監視装置100Fは、状態記憶処理(ステップST6140)を実行する。
状態記憶処理において、昇降路監視装置100Fの昇降路状態出力部130Fは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Eへ出力して記憶させる。
状態記憶部150Fは、昇降路状態情報を蓄積する。
【0154】
次いで、昇降路監視装置100Fは、非通常状態判定処理(ステップST6150)を実行する。
非通常状態判定処理において、昇降路監視装置100Fの昇降路状態出力部130Fは、非通常運行受付部140Fにより昇降機が通常運行状態ではない非通常状態(保守点検状態)であることを示す非通常状態通知が受け付けられた状況である場合、非通常状態(保守点検状態)であると判定する。
【0155】
昇降路監視装置100Fは、非通常状態判定処理(ステップST6150)において、非通常状態(保守点検状態)ではないと判定された場合(ステップST6150“NO”)、ステップST6110の処理へ移行し、ステップST6110の処理からの処理を繰り返す。
【0156】
昇降路監視装置100Fは、非通常状態判定処理(ステップST6150)において、非通常状態(保守点検状態)であると判定された場合(ステップST6150“YES”)、通常状態取得処理(ステップST6160)を実行する。
通常状態取得処理において、昇降路監視装置100Fの通常状態取得部153Fは、昇降路の通常状態を取得する。
【0157】
次いで、昇降路監視装置100Fは、変化情報出力処理(ステップST6170)を実行する。
変化情報出力処理において、昇降路監視装置100Fの変化情報出力部155Eは、通常状態および昇降路状態情報を用いて、昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する。
変化情報出力部155Fは、昇降路変化情報を状態変化画像出力部180Fへ出力する。
【0158】
次いで、昇降路監視装置100Fは、状態変化画像出力処理(ステップST6180)を実行する。
状態変化画像出力処理において、昇降路監視装置100Fの状態変化画像出力部180Fは、変化情報出力部155Fにより出力された昇降路変化情報を用いて、昇降路の画像に変化量または変化度合いを重ねて表す提示画像を出力する。
【0159】
昇降路監視装置100Fは、次いで、図16に示す処理を終了する。
または、昇降路監視装置100Fは、ステップST6110へ移行し、ステップST6110の処理からの処理を繰り返し実行してもよい。
【0160】
上記構成により、昇降路監視装置100Fは、さらに、従来技術より精度を向上させた高精度な情報を用いて、高精度に昇降路の状態の変化を表す画像を出力することができる。
保守点検時は昇降機かご上部に保守員が乗り、昇降路の安全確認を実施するが、保守員が作業に入る事前に昇降路の状態を提供することで、保守員への情報提供と保守時間の短縮に繋がる。
また、昇降路監視装置100Fは、リアルタイム監視、計測デ-タ収集、計測デ-タ分析を可能とする。
【0161】
本開示は、さらに、以下の構成を有する昇降路監視装置を示した。

前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降機の保守点検が行われている状態(保守点検状態)であり、
前記変化情報出力部により出力された前記昇降路変化情報を用いて、前記昇降路の画像に変化量または変化度合いを重ねて表す提示画像を出力する状態変化画像出力部、
を備えた、昇降路監視装置。

これにより、本開示は、従来技術より精度を向上させた高精度な情報を用いて、高精度に昇降路の状態の変化を提示することを可能にする、昇降路監視装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記昇降路監視方法または上記プログラムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0162】
実施の形態7.
実施の形態7は、例えば、昇降機における設備の更新、または、昇降機における設備の改修、といった非通常状態において利用可能な形態を説明する。
実施の形態7の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、および、実施の形態6、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0163】
実施の形態7に係る昇降路監視装置を昇降機監視システムに適用した場合の構成である、昇降路監視装置100Gを含む昇降機監視システム1Gの構成例を説明する。
図17は、本開示の実施の形態7に係る昇降路監視装置100Gを含む昇降機監視システム1Gの構成の一例を示す図である。
昇降機監視システム1Gは、既に説明した昇降機監視システム1A、昇降機監視システム1B、昇降機監視システム1C、昇降機監視システム1D、昇降機監視システム1E、昇降機監視システム1Fに比べて、更新改修状態といった非通常状態において、昇降路の構造の状態を提示する点で異なる。
図17に示す昇降機監視システム1Gは、昇降路監視装置100G、第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、を含み構成されている。
【0164】
第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、および、情報提示装置300、はそれぞれ、既に説明した第1の撮像装置210、第1のセンサ装置220、第2の撮像装置230、第2のセンサ装置240、昇降カゴ位置取得装置250、情報提示装置300、と同様の機能を有するように構成されている。
【0165】
昇降路監視装置100Gは、既に説明した昇降路監視装置100A、昇降路監視装置100B、昇降路監視装置100C、昇降路監視装置100D、昇降路監視装置100Fに比べて、更新改修状態といった非通常状態において、昇降路の構造の状態を表す情報を出力する点で異なる。
図17に示す昇降路監視装置100Gは、撮像画像取得部110G、センサ信号取得部120G、昇降路状態出力部130G、非通常運行受付部140G、状態記憶部150G、および、構造出力部160G、を含み構成されている。
【0166】
撮像画像取得部110Gは、既に説明した撮像画像取得部110、撮像画像取得部110B、撮像画像取得部110C、撮像画像取得部110D、撮像画像取得部110E、または、撮像画像取得部110Fと同様に、昇降路内を撮像した画像を取得するように構成されている。
【0167】
センサ信号取得部120Gは、既に説明したセンサ信号取得部120、センサ信号取得部120B、センサ信号取得部120C、センサ信号取得部120D、センサ信号取得部120E、または、センサ信号取得部120Fと同様に、昇降路内を計測した結果であるセンサ信号を取得するように構成されている。
【0168】
昇降路状態出力部130Gは、既に説明した昇降路状態出力部130、昇降路状態出力部130C、昇降路状態出力部130D、昇降路状態出力部130E、または、昇降路状態出力部130Fと同様に、画像およびセンサ信号に基づいて昇降路の状態を出力するように構成されている。
昇降路状態出力部130Gは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Gへ出力して記憶させる。
【0169】
非通常運行受付部140Gは、昇降機が通常運行状態ではない状態であることを受け付ける。
非通常運行受付部140Gは、昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知を受け付ける。
非通常状態は、昇降機が通常運行状態ではなく、更新改修確認状態にある場合をいう。
更新改修確認状態(更新設備確認状態)は、昇降機の設備を更新している状態であって昇降機が通常運行を停止している状態である。更新改修確認状態は、例えば、更新された設備および昇降路を確認するために作業員等が昇降路内で作業する前の事前確認を行う状態(昇降路の構造が確認される状態)を想定している。
更新改修確認状態(改修設備確認状態)は、昇降機を改修している状態であって昇降機が通常運行を停止している状態である。更新改修確認状態は、例えば、改修された設備および昇降路を確認するために作業員等が昇降路内で作業する前の事前確認を行う状態(昇降路の構造が確認される状態)を想定している。
【0170】
状態記憶部150Gは、既に説明した状態記憶部150C、状態記憶部150E、または、状態記憶部150F、と同様に、昇降路状態出力部130Gにより出力された昇降路状態情報を受け付け、昇降用カゴの位置ごとに、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、記憶して蓄積する。
【0171】
構造出力部160Gは、昇降路状態情報を用いて昇降路の構造を出力する。
構造出力部160Gは、昇降路状態出力部130Gにより出力された昇降路状態情報を用いて、昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する。
昇降路構造情報は、昇降路における昇降用カゴの位置ごとの昇降路状態情報を用いて算出された昇降路内の構造を表すための情報である。
構造出力部160Gは、非通常運行受付部140Gが非通常状態通知を受け付けた場合、昇降路状態出力部130Gにより出力された昇降路状態情報を用いて、昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する。
構造出力部160Gは、昇降路構造情報を情報提示装置300へ出力する。
【0172】
このような構成により、昇降路監視装置100Gは、昇降路構造情報を情報提示装置300へ出力する。
【0173】
実施の形態7に係る昇降路監視装置100Gの処理例を説明する。
図18は、本開示の実施の形態7に係る昇降路監視装置100Gの処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示す処理は、昇降路監視装置100Gを用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する空間である昇降路を監視する昇降路監視方法に相当する。
昇降路監視装置100Gは、例えば図示しない制御から昇降路監視処理を開始するよう指令を受けると、図18に示す処理を開始する。
【0174】
昇降路監視装置100Gは、まず、撮像画像取得処理(ステップST7110)を実行する。
撮像画像取得処理において、昇降路監視装置100Gの撮像画像取得部110Gは、既に説明した撮像画像取得処理と同様に、第1の撮像装置210から第1の画像を取得するとともに、第2の撮像装置230から第2の画像を取得する。
撮像画像取得部110Eは、取得した第1の画像および第2の画像を昇降路状態出力部130Eへ出力する。
【0175】
次いで、昇降路監視装置100Gは、センサ信号取得処理(ステップST7120)を実行する。
センサ信号取得処理において、昇降路監視装置100Gのセンサ信号取得部120Gは、既に説明したセンサ信号取得処理と同様に、第1のセンサ装置220から第1のセンサ信号を取得するとともに、第2のセンサ装置240から第2のセンサ信号を取得する。
センサ信号取得部120Gは、取得した第1のセンサ信号および第2のセンサ信号を昇降路状態出力部130Gへ出力する。
【0176】
次いで、昇降路監視装置100Gは、昇降路状態出力処理(ステップST7130)を実行する。
昇降路状態出力処理において、昇降路監視装置100Gの昇降路状態出力部130Gは、既に説明した昇降路状態出力部130と同様に、第1の画像および第1のセンサ信号、ならびに、第2の画像および第2のセンサ信号を用いて、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する。
【0177】
次いで、昇降路監視装置100Gは、状態記憶処理(ステップST7140)を実行する。
状態記憶処理において、昇降路監視装置100Gの昇降路状態出力部130Gは、昇降路の状態を示す昇降路状態情報を、状態記憶部150Gへ出力して記憶させる。
状態記憶部150Gは、昇降路状態情報を蓄積する。
【0178】
次いで、昇降路監視装置100Gは、非通常状態判定処理(ステップST7150)を実行する。
非通常状態判定処理において、昇降路監視装置100Gの昇降路状態出力部130Gは、非通常運行受付部140Gにより昇降機が通常運行状態ではない非通常状態(更新改修確認状態)であることを示す非通常状態通知が受け付けられた状況である場合、非通常状態(更新改修確認状態)であると判定する。
【0179】
昇降路監視装置100Gは、非通常状態判定処理(ステップST7150)において、非通常状態(更新改修確認状態)ではないと判定された場合(ステップST7150“NO”)、ステップST7110の処理へ移行し、ステップST7110の処理からの処理を繰り返す。
【0180】
次いで、昇降路監視装置100Gは、非通常状態判定処理(ステップST7150)において、非通常状態(更新改修確認状態)であると判定した場合(ステップST7150“YES”)、構造出力処理(ステップST7160)を実行する。
構造出力処理において、昇降路監視装置100Gの構造出力部160Gは、非通常運行受付部140Gが非通常状態通知を受け付けた場合、昇降路状態出力部130Gにより出力された昇降路状態情報を用いて、昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する。
【0181】
昇降路監視装置100Gは、次いで、図18に示す処理を終了する。
または、昇降路監視装置100Gは、ステップST7110へ移行し、ステップST7110の処理からの処理を繰り返し実行してもよい。
【0182】
上記の構成により、昇降路監視装置100Gは、従来技術より精度を向上させた高精度な情報を用いて、高精度に昇降路の構造の状態を表すことができる。
モダニ(設備の更新、または、設備の改修)を行う際には昇降路の機械器具および取付金具の位置および寸法の確認が必要であり、通常昇降機箱の上部に測定員が乗り、計測器で測定をしているが危険作業になる可能性がある。また、測定に際して測定員の安全を確保する為、昇降機の昇降用かごは低速運転となる。本昇降路監視装置で測定する事で測定員が不要となる。更にモダニの必要性を検討する(見積もりを行う)際の一次判断にも利用できる。
上記の構成により、昇降路監視装置100Gは、リアルタイム監視、計測デ-タ収集、計測デ-タ分析を可能にすることができる。
【0183】
本開示は、さらに、以下の構成を有する昇降路監視装置を示した。

前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降路の構造が確認される状態(構造確認状態)であり、
前記構造出力部は、前記非通常運行受付部が非通常状態通知を受け付けた場合、前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する、
昇降路監視装置。

これにより、本開示は、従来技術より精度を向上させた高精度な情報を用いて、高精度に昇降路の構造の状態を表すことを可能にする、昇降路監視装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記昇降路監視方法または上記プログラムに適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
【0184】
ここで、上述した本開示の昇降路監視装置が有する機能を実現するハードウェア構成を説明する。
図19は、本開示の構成および機能を実現するためのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図20は、本開示の構成および機能を実現するためのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
本開示の昇降路監視装置100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100Gは、図19または図20に示されるようなハードウェアにより実現される。
【0185】
昇降路監視装置100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100Gは、図19に示すように、例えばプロセッサ10001、メモリ10002、および、通信回路10004により構成される。
プロセッサ10001、メモリ10002は、例えば、コンピュータに搭載されているものである。
メモリ10002には、当該コンピュータを、撮像画像取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G、センサ信号取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G、昇降路状態出力部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G、非通常運行受付部140B,140E,140F,140G、通常状態取得部153C,153D,153E,153F、変化情報出力部155C,155D,155E,155F、構造出力部160D,160G、運行可否判定部170E、状態変化画像出力部180F、および、図示しない制御部として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ10002に記憶されたプログラムをプロセッサ10001が読み出して実行することにより、撮像画像取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G、センサ信号取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G、昇降路状態出力部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G、非通常運行受付部140B,140E,140F,140G、通常状態取得部153C,153D,153E,153F、変化情報出力部155C,155D,155E,155F、構造出力部160D,160G、運行可否判定部170E、状態変化画像出力部180F、および、図示しない制御部の機能が実現される。
また、メモリ10002または図示しない他のメモリにより、図示しない記憶部が実現される。また、昇降路監視装置100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100Gが、状態記憶部150C,150D,150E,150F,150G、を備えている場合、状態記憶部150C,150D,150E,150F,150G、は、メモリ10002または図示しない他のメモリにより実現される。
また、通信回路10004により、図示しない通信部が実現される。
プロセッサ10001は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)などを用いたものである。
メモリ10002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスク又はフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital VersatileDisc)等の光ディスクであってもよいし、光磁気ディスクであってもよい。
プロセッサ10001とメモリ10002または通信回路10004は、相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。また、プロセッサ10001とメモリ10002と通信回路10004とは、入出力インタフェース10003を介して他のハードウェアと相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。
【0186】
または、撮像画像取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G、センサ信号取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G、昇降路状態出力部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G、非通常運行受付部140B,140E,140F,140G、通常状態取得部153C,153D,153E,153F、変化情報出力部155C,155D,155E,155F、構造出力部160D,160G、運行可否判定部170E、状態変化画像出力部180F、および、図示しない制御部の機能は、図20に示すように、専用の処理回路20001により実現されるものであっても良い。
また、通信回路10004により、図示しない通信部が実現される。
処理回路20001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)またはシステムLSI(Large-Scale Integration)等を用いたものである。
また、メモリ20002または図示しない他のメモリにより、図示しない記憶部が実現される。
メモリ20002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスク又はフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital VersatileDisc)等の光ディスクであってもよいし、光磁気ディスクであってもよい。
また、通信回路20004により、図示しない通信部が実現される。
処理回路20001とメモリ20002または通信回路20004とは、相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。また、処理回路20001とメモリ20002と通信回路20004とは、入出力インタフェース20003を介して他のハードウェアと相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。
なお、撮像画像取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G、センサ信号取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G、昇降路状態出力部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G、非通常運行受付部140B,140E,140F,140G、通常状態取得部153C,153D,153E,153F、変化情報出力部155C,155D,155E,155F、構造出力部160D,160G、運行可否判定部170E、状態変化画像出力部180F、および、図示しない制御部の機能をそれぞれ別の処理回路で実現しても良いし,まとめて処理回路で実現しても良い。
【0187】
または、撮像画像取得部110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G、センサ信号取得部120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G、昇降路状態出力部130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G、非通常運行受付部140B,140E,140F,140G、通常状態取得部153C,153D,153E,153F、変化情報出力部155C,155D,155E,155F、構造出力部160D,160G、運行可否判定部170E、状態変化画像出力部180F、および、図示しない制御部のうちの一部の機能がプロセッサ10001およびメモリ10002により実現され、かつ、残りの機能が処理回路20001により実現されるものであっても良い。
【0188】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。例えば、以下に示すように組み合わせて構成することが可能である。
【0189】
(1)
昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置であって、
前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、
前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、
前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、
を備えた昇降路監視装置。

(2)
前記昇降機が通常運行状態ではない非通常状態であることを示す非通常状態通知を受け 付ける非通常運行受付部、をさらに備え、
前記昇降路状態出力部は、前記非通常運行受付部が非通常状態通知を受け付けた場合、前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する、
ことを特徴とする(1)に記載の昇降路監視装置。

(3)
前記昇降路の通常状態を取得する、通常状態取得部と、
前記通常状態および前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する変化情報出力部と、
を備えた、
(1)に記載の昇降路監視装置。

(4)
前記昇降路の通常状態を取得する、通常状態取得部と、
前記通常状態および前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路状態情報に示される昇降路状態の変化量または変化度合いを示す昇降路変化情報を出力する変化情報出力部と、
を備えた、
(2)に記載の昇降路監視装置。

(5)
前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する構造出力部、を備えた、
(4)に記載の昇降路監視装置。

(6)
前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降機が緊急停止した状態(緊急停止状態)または前記昇降機が試験的に運行される状態(試験運行状態)を示し、
前記変化情報出力部により出力された前記昇降路変化情報を用いて、前記昇降機が運行可か運行不可かを示す運行可否情報を出力する運行可否判定部、
を備えた、
(4)または(5)に記載の昇降路監視装置。

(7)
前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降機の保守点検が行われている状態(保守点検状態)を示し、
前記変化情報出力部により出力された前記昇降路変化情報を用いて、前記昇降路の画像に変化量または変化度合いを重ねて表す提示画像を出力する状態変化画像出力部、
を備えた、
(4)または(5)に記載の昇降路監視装置。

(8)
前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する構造出力部、を備えた、
(1)に記載の昇降路監視装置。

(9)
前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する構造出力部、を備えた、
(2)に記載の昇降路監視装置。

(10)
前記非通常状態は、前記昇降機が通常運行状態ではなく、前記昇降路の構造が確認される状態(更新改修確認状態)を示し、
前記構造出力部は、前記非通常運行受付部が非通常状態通知を受け付けた場合、前記昇降路状態出力部により出力された前記昇降路状態情報を用いて、前記昇降路の構造を表す昇降路構造情報を出力する、
(9)に記載の昇降路監視装置。

(11)
昇降路監視装置を用いて、昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視方法であって、
前記昇降路監視装置の撮像画像取得部が、前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得し、
前記昇降路監視装置のセンサ信号取得部が、前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得し、
前記昇降路監視装置の昇降路状態出力部が、前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する、
ことを特徴とする昇降路監視方法。

(11)の昇降路監視方法に、(2)から(10)の事項をそれぞれ適用した昇降路監視方法。

(12)
コンピュータを、
昇降機において昇降用カゴが昇降する昇降路を監視する昇降路監視装置として動作させるプログラムであって、
前記昇降用カゴの上方を撮像する第1の撮像装置から第1の画像を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を撮像する第2の撮像装置から第2の画像を取得する、撮像画像取得部と、
前記昇降用カゴの上方を計測する第1のセンサ装置から第1のセンサ信号を取得するとともに、前記昇降用カゴの下方を計測する第2のセンサ装置から第2のセンサ信号を取得する、センサ信号取得部と、
前記第1の画像および前記第1のセンサ信号、ならびに、前記第2の画像および前記第2のセンサ信号を用いて、前記昇降路の状態を示す昇降路状態情報を出力する昇降路状態出力部と、
を備えた前記昇降路監視装置、
として動作させることを特徴とするプログラム。

(12)のプログラムに、(2)から(10)の事項をそれぞれ適用したプログラム。
【0190】
本開示は、昇降機における昇降路内の状況に係る情報の精度を向上させることができるので、昇降機を監視するための昇降機監視システム、または、昇降機における昇降路を監視するための昇降路監視装置に利用するのに適している。
【符号の説明】
【0191】
1(1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G) 昇降機監視システム、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G 昇降路監視装置、110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G 撮像画像取得部、120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G センサ信号取得部、130,130A,130B,130C,130D,130E,130F,130G 昇降路状態出力部、140B,140E,140F,140G 非通常運行受付部、150C,150D,150E,150F,150G 状態記憶部、153C,153E,153F 通常状態取得部、155C,155E,155F 変化情報出力部、160D,160G 構造出力部、170E 運行可否判定部、180F 状態変化画像出力部、200 昇降機、210 第1の撮像装置、220 第1のセンサ装置、230 第2の撮像装置、240 第2のセンサ装置、250 昇降カゴ位置取得装置、300 情報提示装置、1001 昇降路、1002 昇降用カゴ、10001 プロセッサ、10002 メモリ、10003 入出力インタフェース、10004 通信回路、20001 処理回路、20002 メモリ、20003 入出力インタフェース、20004 通信回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20