(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023416
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】支持ユニット
(51)【国際特許分類】
A45F 3/14 20060101AFI20250207BHJP
A01D 34/90 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
A45F3/14
A01D34/90 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127515
(22)【出願日】2023-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 耕次
【テーマコード(参考)】
2B083
2E181
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA02
2B083CA07
2B083CA27
2B083HA24
2B083HA37
2B083HA42
2E181AA00
2E181BD01
2E181BD02
(57)【要約】
【課題】ユーザがフックを操作したときに違和感を感じることを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】支持ユニットは、作業機を支持する。支持ユニットは、ユーザに装着されるハーネスと、ユーザに接触するパッドユニットと、を備えている。パッドユニットは、ハーネスに取り付けられるベース部材と、ユーザに操作されるとともに、作業機に取り外し可能に取り付けられ、ベース部材に対して回動可能にベース部材に取り付けられているフックと、を備えている。ベース部材に対するフックの回動軸の位置は、フックが回動しても変化しない。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機を支持する支持ユニットであって、
ユーザに装着されるハーネスと、
前記ユーザに接触するパッドユニットと、を備えており、
前記パッドユニットは、
前記ハーネスに取り付けられるベース部材と、
前記ユーザに操作されるとともに、前記作業機に取り外し可能に取り付けられ、前記ベース部材に対して回動可能に前記ベース部材に取り付けられているフックと、を備えており、
前記ベース部材に対する前記フックの回動軸の位置は、前記フックが回動しても変化しない、支持ユニット。
【請求項2】
前記フックは、フック本体を備えており、
前記フック本体は、
前記作業機を支持する支持部と、
前記支持部から突出する返し部と、を備えており、
前記返し部は、前記支持部の先端部に配置されている、請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項3】
前記ベース部材は、
本体部と、
前記本体部から突出する突出部と、を備えており、
前記突出部は、前記作業機が前記フックに支持されている状態で前記フックが回動するとき、前記作業機と当接し、前記作業機が前記フックから外れる方向に前記作業機を押し出す当接面を備えている、請求項1または2に記載の支持ユニット。
【請求項4】
前記ベース部材は、
前記ユーザに対向する対向面と、
前記対向面と反対側の非対向面と、を備えており、
前記フックは、前記非対向面から離れている、請求項1から3のいずれか一項に記載の支持ユニット。
【請求項5】
前記フックは、第1位置と第2位置との間を回動し、
前記パッドユニットは、
前記ベース部材に取り付けられており、前記作業機が前記フックに支持されている状態で前記フックが前記第1位置に位置するときに、前記作業機よりも、前記作業機が前記フックから外れる方向に配置されている抜け止め部材と、
前記ベース部材から突出しており、前記フックが前記第1位置に位置するときに前記フックと当接するストッパと、を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の支持ユニット。
【請求項6】
前記ベース部材に対する前記抜け止め部材の位置は、固定されている、請求項5に記載の支持ユニット。
【請求項7】
前記パッドユニットは、前記ベース部材に固定されており、前記フックを前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢部材を備えている、請求項5または6に記載の支持ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、支持ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、支持ユニットが開示されている。支持ユニットは、作業機を支持する。支持ユニットは、ユーザに装着されるハーネスと、ユーザに接触するパッドユニットと、を備えている。パッドユニットは、ハーネスに取り付けられるベース部材と、ユーザに操作されるとともに、作業機を取り外し可能に支持しており、ベース部材に対して回動可能にベース部材に取り付けられているフックと、を備えている。フックの回動に伴い、ベース部材に対するフックの回動軸の位置が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の支持ユニットでは、フックの回動に伴いベース部材に対するフックの回動軸の位置が変化するため、ユーザは、フックを操作するときに違和感を感じる。本明細書では、ユーザがフックを操作したときに違和感を感じることを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、支持ユニットを開示する。支持ユニットは、作業機を支持する。支持ユニットは、ユーザに装着されるハーネスと、ユーザに接触するパッドユニットと、を備えている。パッドユニットは、ハーネスに取り付けられるベース部材と、ユーザに操作されるとともに、作業機に取り外し可能に取り付けられ、ベース部材に対して回動可能にベース部材に取り付けられているフックと、を備えている。ベース部材に対するフックの回動軸の位置は、フックが回動しても変化しない。
【0006】
上記の構成によれば、フックが回動しても、ベース部材に対するフックの回動軸の位置が変化しないため、ユーザがフックを操作したときに違和感を感じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例の作業機2と支持ユニット10の側面図である。
【
図3】実施例のパッドユニット14の斜視図である。
【
図4】実施例のパッドユニット14の斜視図である。
【
図5】実施例のパッドユニット14の分解斜視図である。
【
図6】実施例のフック40と、操作レバー42と、ホルダ44と、付勢部材46の分解斜視図である。
【
図7】実施例において、支持部100近傍のフック40と、ホルダ44と、付勢部材46の側面図である。
【
図8】実施例のパッドユニット14の貫通孔108近傍の断面図である。
【
図9】実施例のパッドユニット14において、フック40が第1位置に位置するときの断面図である。
【
図10】実施例のパッドユニット14において、フック40が第2位置に位置するときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された支持ユニット、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、フックは、フック本体を備えていてもよい。フック本体は、作業機を支持する支持部と、支持部から突出する返し部と、を備えていてもよい。返し部は、支持部の先端部に配置されていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、フックが誤って操作されるときでも、作業機が返し部で停止する。これにより、作業機がフックから意図せずに外れることを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ベース部材は、本体部と、本体部から突出する突出部と、を備えていてもよい。突出部は、作業機がフックに支持されている状態でフックが回動するとき、作業機と当接し、作業機がフックから外れる方向に作業機を押し出す当接面を備えていてもよい。
【0014】
ベース部材が突出部を備えていない構成では、フックが回動しても、作業機がフックから外れにくい。上記の構成によれば、フックが回動するとき、当接面は、作業機と当接して作業機がフックから外れる方向に押し出す。これにより、作業機がフックから外れ易くすることができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ベース部材は、ユーザに対向する対向面と、対向面と反対側の非対向面と、を備えていてもよい。フックは、非対向面から離れていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、フックが回動しても、フックは、非対向面と接触しない。このため、フックが回動するときに、摩擦力がフックに加わることを抑制することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、フックは、第1位置と第2位置との間を回動してもよい。パッドユニットは、ベース部材に取り付けられており、作業機がフックに支持されている状態でフックが第1位置に位置するときに、作業機よりも、作業機がフックから外れる方向に配置されている抜け止め部材と、ベース部材から突出しており、フックが第1位置に位置するときにフックと当接するストッパと、を備えていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、抜け止め部材とストッパが1つの部材により構成されている構成と比較して、抜け止め部材とストッパの配置の自由度を高めることができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ベース部材に対する抜け止め部材の位置は、固定されていてもよい。
【0020】
ベース部材に対する抜け止め部材の位置が変化する構成では、ベース部材に対する抜け止め部材の位置が変化することにより、フックが第1位置に位置しているときでも、作業機がフックから外れることがある。上記の構成によれば、フックが第1位置に位置しているときに、作業機がフックから外れることを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、パッドユニットは、ベース部材に固定されており、フックを第2位置から第1位置に向けて付勢する付勢部材を備えていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、付勢部材の付勢力に抗う力がフックに加わっていないとき、フックは、第1位置に位置する。これにより、ユーザがフックに誤って触れても、作業機がフックから抜け出ることを抑制することができる。
【0023】
(実施例)
図1に示すように、支持ユニット10は、ユーザに装着されて使用される。支持ユニット10は、作業機2を支持する。作業機2は、手持ち式作業機である。作業機2は、例えば、地面から生える草を刈る刈払機である。作業機2は、ポール4と、ポール4に固定されている被支持部材6と、ポール4に固定されるハンドルユニット8と、を備えている。ユーザは、ハンドルユニット8を手で把持し、かつ、被支持部材6が支持ユニット10に支持された状態で、作業機2を使用して作業する。これにより、ユーザは、作業機2を容易に取り回すことができる。
【0024】
図2に示すように、支持ユニット10は、ハーネス12と、パッドユニット14と、を備えている。ハーネス12は、ユーザに装着される。ハーネス12は、背板18と、肩ベルト20と、肩バックル22と、取付バンド24と、腰ベルト26と、補助ベルト28と、を備えている。
【0025】
背板18は、ハーネス12がユーザに装着されているとき、ユーザの背中に対向する。
【0026】
肩ベルト20は、背板18に取り付けられている。肩ベルト20は、ユーザの肩に装着される。肩バックル22は、肩ベルト20に取り付けられている。肩バックル22は、ユーザの胸の前側に配置されている。肩バックル22は、肩ベルト20をユーザに装着するときとユーザから外すときにユーザに操作される。取付バンド24は、背板18と肩バックル22に取り付けられている。取付バンド24は、ユーザの腰近傍に配置されている。
【0027】
腰ベルト26は、背板18に取り付けられている。腰ベルト26は、ユーザの腰に装着される。
【0028】
補助ベルト28は、背板18と取付バンド24に取り付けられている。補助ベルト28は、補助バンド30を介して、肩ベルト20に取り付けられている。補助ベルト28は、ユーザの脇に装着される。
【0029】
パッドユニット14は、取付バンド24に取り付けられている。パッドユニット14は、ユーザの腰近傍に配置される。パッドユニット14は、腰パッドに対応する。
図3に示すように、パッドユニット14は、ベース部材34と、パッド36と、ストッパ38と、フック40と、操作レバー42と、ホルダ44と、付勢部材46(
図6参照)と、抜け止め部材48と、を備えている。以下では、フック40のシャフト76が延びる方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を左右方向と呼び、前後方向と左右方向に直交する方向を上下方向と呼ぶ。
【0030】
ベース部材34は、例えば、樹脂材料からなる。樹脂材料は、例えば、ポリエチレンである。ベース部材34は、本体部50と、取付部52と、突出部54と、フック支持部56と、を備えている。
【0031】
本体部50は、略平板形状を有する。本体部50は、第1面60と、第1面60と反対側の第2面62と、を備えている。
図4に示すように、パッド36は、第2面62に固定されている。パッド36は、クッション材料からなる。クッション材料は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの混合体である。パッドユニット14が取付バンド24(
図2参照)に取り付けられているとき、第2面62は、ユーザと対向し、パッド36は、ユーザの腰に接触する。
【0032】
図3に示すように、取付部52は、第1面60から右方向に突出している。取付部52は、第1面60の上端近傍に配置されている。取付部52は、前後方向に延びる貫通孔52aを有する。
図2に示すように、取付バンド24は、貫通孔52aを貫通している。
【0033】
図3に示すように、突出部54は、第1面60から右方向に突出している。突出部54は、第1面60の上端と上下方向の中央位置との間の位置から第1面60の下端に亘って配置されている。突出部54は、錐台形状を有する。突出部54は、第1面60から離れている当接面66を有する。当接面66は、突出部54の頂面に対応する。当接面66とと第1面60との距離、即ち、第1面60に直交する方向における突出部54の高さは、第1面60に直交する方向における取付部52の高さよりも低い。
【0034】
図5に示すように、フック支持部56は、第1面60から右方向に突出している。フック支持部56は、取付部52と突出部54との間に配置されている。フック支持部56は、第1フック支持部68と、第2フック支持部70と、を備えている。第1フック支持部68と第2フック支持部70は、略角錐台形状を有する。
【0035】
第1フック支持部68は、第2フック支持部70と前後方向に離れている。第1フック支持部68は、第1頂面68aと、第1シャフト支持溝68bと、1個以上(本実施例では2個)の第1挿入孔68cと、を有する。第1頂面68aは、第1面60から離れている。第1頂面68aと第1面60との距離、即ち、第1面60に直交する方向における第1フック支持部68の高さは、第1面60に直交する方向における取付部52の高さよりも高い。第1シャフト支持溝68bは、第1頂面68aから凹んでいる。第1シャフト支持溝68bは、前後方向に延びている。第1シャフト支持溝68bは、第2フック支持部70と対向する第1フック支持部68の面に接続されている。2個の第1挿入孔68cは、第1頂面68aから凹んでいる。
【0036】
第2フック支持部70は、第2頂面70aと、第2シャフト支持溝70bと、1個以上(本実施例では2個)の第2挿入孔70cと、を有する。第2頂面70aは、第1面60から離れている。第2頂面70aと第1面60との距離、即ち、第1面60に直交する方向における第2フック支持部70の高さは、第1面60に直交する方向における第1フック支持部68の高さと略同一である。第2シャフト支持溝70bは、第2頂面70aから凹んでいる。第2シャフト支持溝70bは、前後方向に延びている。第2シャフト支持溝70bは、第1フック支持部68と対向する第2フック支持部70の面に接続されている。第2シャフト支持溝70bは、第1シャフト支持溝68bと前後方向に並んでいる。2個の第2挿入孔70cは、第2頂面70aから凹んでいる。
【0037】
ストッパ38は、第1面60から右方向に突出している。ストッパ38は、取付部52とフック支持部56との間に配置されている。ストッパ38は、取付部52の下端と第1面60に接続されている。ストッパ38は、ベース部材34と一体的に形成されている。
【0038】
フック40は、例えば、金属材料からなる。金属材料は、例えば、鉄である。
図6に示すように、フック40は、支持体74と、シャフト76と、フック本体78と、を備えている。支持体74は、第1本体支持部82と、第2本体支持部84と、操作部86と、を備えている。支持体74は、1枚の板部材を屈曲することにより形成される。
【0039】
第1本体支持部82は、第1シャフト貫通孔90を有する。第1シャフト貫通孔90は、第1本体支持部82を前後方向に貫通している。
【0040】
第2本体支持部84は、第1本体支持部82と前後方向に離れている。第2本体支持部84は、第2シャフト貫通孔92を有する。第2シャフト貫通孔92は、第2本体支持部84を前後方向に貫通している。
【0041】
操作部86は、第1本体支持部82の上端と第2本体支持部84の上端を接続している。操作部86は、第1本体支持部82と第2本体支持部84から上方右側に延びている。
【0042】
シャフト76は、前後方向に延びる略円柱形状を有する。シャフト76は、第1シャフト貫通孔90と第2シャフト貫通孔92を貫通している。
図5に示すように、シャフト76は、第1シャフト支持溝68bと第2シャフト支持溝70bに受け入れられている。これにより、フック40が、ベース部材34に対して回動軸AX周りを回動可能にベース部材34に取り付けられている。回動軸AXは、前後方向に延びている。ベース部材34に対する回動軸AXの位置は、固定されている。即ち、ベース部材34に対する回動軸AXの位置は、フック40が回動しても変化しない。また、フック40は、ベース部材34の第1面60と突出部54から常に離れている。
【0043】
図6に示すように、フック本体78は、第1固定部96と、第2固定部98と、支持部100と、返し部102と、を備えている。
【0044】
第1固定部96は、前後方向に延びている。第1固定部96の前端は、第1本体支持部82の下端に固定されている。第1固定部96の後端は、第2本体支持部84の下端に固定されている。第1固定部96は、支持体74に対して不動である。
【0045】
第2固定部98は、第1固定部96から上方向に突出している。第2固定部98は、第1本体支持部82と第2本体支持部84との間に配置されている。
【0046】
支持部100は、第1固定部96から突出している。
図7に示すように、支持部100は、回動軸AXを中心として円弧状に湾曲している。支持部100の中心と回動軸AXとの距離は、支持部100の長手方向に略同一である。
【0047】
支持部100の長手方向において、支持部100は、一端から境界位置BPまで延びる第1領域100aと、境界位置BPから他端まで延びる第2領域100bと、を備えている。第1領域100aの断面形状は、一端から境界位置BPまで略一定である。作業機2を使用した作業時には、第1領域100aは、作業機2の被支持部材6の開口6aに挿入されている。これにより、支持部100が被支持部材6を支持している。
図7では、被支持部材6が破線により図示されている。第2領域100bは、境界位置BPから他端に向かって徐々に細くなる。第2領域100bは、支持部100の先端部に対応する。
【0048】
返し部102は、第2領域100bに配置されている。返し部102は、第2領域100bからシャフト76に向かって突出している。返し部102の突出高さH1は、境界位置BPから頂部位置TPまで徐々に増加し、頂部位置TPから支持部100の他端まで徐々に減少する。返し部102は、境界位置BPと頂部位置TPとの間で曲面形状を有しており、頂部位置TPと支持部100の他端との間で曲面形状を有している。
【0049】
図6に示すように、操作レバー42は、操作部86に固定されている。操作レバー42は、例えば、樹脂材料からなる。樹脂材料は、例えば、ナイロンである。操作部86が操作レバー42を介してユーザにより操作されると、フック40が回動軸AX周りを回動する。
【0050】
第2固定部98は、ホルダ44に挿入されている。ホルダ44は、第1本体支持部82と第2本体支持部84との間に配置されている。ホルダ44は、ホルダ44を前後方向に貫通する貫通孔106を有する。シャフト76は、貫通孔106を貫通している。
【0051】
付勢部材46は、ホルダ44に収容されている。付勢部材46は、例えば、捩りバネである。付勢部材46の一端は、ホルダ44に固定されている。
図8に示すように、ベース部材34は、ベース部材34を左右方向に貫通する貫通孔108と、第2面62から凹む固定溝109と、を有する。固定溝109は、貫通孔108の上端に接続されている。付勢部材46の他端は、貫通孔108に挿入されている。付勢部材46の他端は、固定溝109の底面109aに係止している。これにより、付勢部材46の他端が、ベース部材34に固定されている。
【0052】
図5に示すように、抜け止め部材48は、抜け止め部112と、第1挿入部114と、第2挿入部116、を備えている。抜け止め部112は、略U形状を有する。抜け止め部112は、第1挿入部114と第2挿入部116との間に配置されている。
【0053】
第1挿入部114は、1個以上(本実施例では2個)の第1突起114aを備えている。第2挿入部116は、1個以上(本実施例では2個)の第2突起116aを備えている。第1突起114aは、第1フック支持部68の第1挿入孔68cに挿入されており、第2突起116aは、第2フック支持部70の第2挿入孔70cに挿入されている。これにより、抜け止め部材48が、ベース部材34のフック支持部56に取り付けられている。抜け止め部材48がシャフト76と当接することにより、フック40がベース部材34から外れることが抑制される。また、抜け止め部材48に対するベース部材34の位置が固定されている。
【0054】
図9および
図10に示すように、フック40は、第1位置(
図9参照)と第2位置(
図10参照)との間を回動する。フック40が第1位置と第2位置との間を回動しているとき、ベース部材34に対する回動軸AXの位置が変化しない。また、フック本体78は、ベース部材34の第1面60から常に離れている。
図9に示すように、フック40が第1位置に位置するとき、操作部86は、ストッパ38に当接している。付勢部材46がフック40を第2位置から第1位置に向けて付勢することにより、フック40がユーザに操作されていないときには、操作部86とストッパ38との当接状態が維持される。第2領域100bは、抜け止め部112の前側に配置されている。抜け止め部112は、支持部100の長手方向に関して、被支持部材6よりも第2領域100b側に配置されている。即ち、抜け止め部112は、被支持部材6よりも、被支持部材6がフック40から外れる方向D1に配置されている。抜け止め部112と返し部102との距離は、被支持部材6の厚み(
図9では被支持部材6の上下方向の幅)よりも小さい。また、抜け止め部112と第2領域100bとの距離は、被支持部材6の厚みよりも小さい。抜け止め部112により、被支持部材6がフック40から外れることが抑制される。
【0055】
付勢部材46の付勢力に抗う力がユーザにより操作レバー42に加わるとき、
図10に示すように、フック40は、第1位置(
図9参照)から第2位置に向かって回動する。ベース部材34に対する回動軸AXの位置がフック40の回動により変化せず、フック本体78がベース部材34の第1面60と突出部54から離れているため、フック本体78とベース部材34との接触による摩擦力がフック本体78に加わらない。フック40が回動することにより、ユーザが操作レバー42を操作し難くなることを抑制することができる。フック40の回動に伴い、被支持部材6は、第1領域100aを方向D1に移動し、第2領域100b上の返し部102まで移動する。被支持部材6が移動しているときに、被支持部材6は、ベース部材34の当接面66に当接する。フック40がさらに回動すると、被支持部材6が当接面66により方向D1に押し出される。これにより、被支持部材6が返し部102に乗り上げた後に、返し部102を乗り越える。この結果、被支持部材6がフック40から外れる。
【0056】
(効果)
本実施例の支持ユニット10は、作業機2を支持する。支持ユニット10は、ユーザに装着されるハーネス12と、ユーザに接触するパッドユニット14と、を備えている。パッドユニット14は、ベース部材34と、ユーザに操作されるとともに、作業機2に取り外し可能に取り付けられ、ベース部材34に対して回動可能にベース部材34に取り付けられているフック40と、を備えている。ベース部材34に対するフック40の回動軸AXの位置は、フック40が回動しても変化しない。
【0057】
上記の構成によれば、フック40が回動しても、ベース部材34に対するフック40の回動軸AXの位置が変化しないため、ユーザがフック40を操作したときに違和感を感じることを抑制することができる。
【0058】
また、フック40は、フック本体78を備えている。フック本体78は、作業機2を支持する支持部100と、支持部100から突出する返し部102と、を備えている。返し部102は、支持部100の先端部に配置されている。
【0059】
上記の構成によれば、フック40が誤って操作されるときでも、作業機2が返し部102で停止する。これにより、作業機2がフック40から意図せずに外れることを抑制することができる。
【0060】
また、ベース部材34は、本体部50と、本体部50から突出する突出部54と、を備えている。突出部54は、作業機2がフック40に支持されている状態でフック40が回動するとき、作業機2と当接し、作業機2がフック40から外れる方向D1に作業機2を押し出す当接面66を備えている。
【0061】
ベース部材34が突出部54を備えていない構成では、フック40が回動しても、作業機2がフック40から外れにくい。上記の構成によれば、フック40が回動するとき、当接面66は、作業機2と当接して作業機2がフック40から外れる方向D1に押し出す。これにより、作業機2がフック40から外れ易くすることができる。
【0062】
また、ベース部材34は、ユーザに対向する第2面62(対向面の一例)と、第2面62と反対側の第1面60(非対向面の一例)と、を備えている。フック40は、第1面60から離れている。
【0063】
上記の構成によれば、フック40が回動しても、フック40は、第1面60と接触しない。このため、フック40が回動するときに、摩擦力がフック40に加わることを抑制することができる。
【0064】
また、フック40は、第1位置と第2位置との間を回動する。パッドユニット14は、ベース部材34に取り付けられており、作業機2がフック40に支持されている状態でフック40が第1位置に位置するときに、作業機2よりも、作業機2がフック40から外れる方向D1に配置されている抜け止め部材48と、ベース部材34から突出しており、フック40が第1位置に位置するときにフック40と当接するストッパ38と、を備えている。
【0065】
上記の構成によれば、抜け止め部材48とストッパ38が1つの部材により構成されている構成と比較して、抜け止め部材48とストッパ38の配置の自由度を高めることができる。
【0066】
また、ベース部材34に対する抜け止め部材48の位置は、固定されている。
【0067】
ベース部材34に対する抜け止め部材48の位置が変化する構成では、ベース部材34に対する抜け止め部材48の位置が変化することにより、フック40が第1位置に位置しているときでも、作業機2がフック40から外れることがある。上記の構成によれば、フック40が第1位置に位置しているときに、作業機2がフック40から外れることを抑制することができる。
【0068】
また、パッドユニット14は、ベース部材34に固定されており、フック40を第2位置から第1位置に向けて付勢する付勢部材46を備えている。
【0069】
上記の構成によれば、付勢部材46の付勢力に抗う力がフック40に加わっていないとき、フック40は、第1位置に位置する。これにより、ユーザがフック40に誤って触れても、作業機2がフック40から抜け出ることを抑制することができる。
【0070】
(変形例)
一実施形態に係る作業機2は、ポール4を備えていなくてもよい。また、作業機2は、刈払機以外の作業機、例えば、チェンソー、トリマであってもよい。
【0071】
一実施形態に係るパッドユニット14は、ユーザの腰近傍以外の箇所、例えば、ユーザの腹近傍、胸近傍や背中近傍に配置されてもよい。
一実施形態に係るパッドユニット14では、フック40は、返し部102を備えていなくてもよい。
【0072】
一実施形態に係るパッドユニット14では、抜け止め部材48とストッパ38が、一体的に形成されていてもよい。
【0073】
一実施形態に係るパッドユニット14では、ベース部材34は、突出部54を備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0074】
2 :作業機
6 :被支持部材
10 :支持ユニット
12 :ハーネス
14 :パッドユニット
34 :ベース部材
38 :ストッパ
40 :フック
42 :操作レバー
46 :付勢部材
48 :抜け止め部材
50 :本体部
52 :取付部
54 :突出部
56 :フック支持部
60 :第1面
62 :第2面
66 :当接面
74 :支持体
76 :シャフト
78 :フック本体
86 :操作部
100 :支持部
100a :第1領域
100b :第2領域
102 :返し部
112 :抜け止め部
AX :回動軸
BP :境界位置
D1 :方向
H1 :突出高さ
TP :頂部位置