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特開2025-23422情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023422
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20250207BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127527
(22)【出願日】2023-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】川崎 大輔
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC41
5L050CC41
(57)【要約】
【課題】同伴者等を有するユーザがサービスを利用する場合の利便性を向上すること。
【解決手段】交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行う認証部と、前記認証部による認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する提供部と、を有する情報処理装置が提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行う認証部と、
前記認証部による認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する提供部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記認証部は、前記第1ユーザの身体の不自由度に基づいて、前記認証を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記認証部は、前記第1ユーザの現在位置に基づいて、前記認証を行う、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記認証部は、前記第1ユーザと、前記第2ユーザと、特定の場所とが関連付けられた情報を取得し、
前記第2ユーザの現在位置が前記特定の場所の特定範囲内である場合に、前記認証を成功と判定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記認証部は、前記第1ユーザの第1画質の顔領域の画像に基づく第1認証と、前記第2ユーザの前記第1画質よりも高い第2画質の顔領域の画像に基づく第2認証とを行う、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた特典を前記第2ユーザへ付与する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザの身体の不自由度、及び前記第1ユーザの重要度に応じた特典を前記第2ユーザへ付与する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記認証が成功した場合、前記第2ユーザに応じた特典を前記第1ユーザへ付与する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得し、
取得した前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行い、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する、処理を実行する情報処理方法。
【請求項10】
交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得し、
取得した前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行い、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する、処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、医療施設において、診察券を使用することなく、登録した自己あるいは関係者による生体認証によって受付を行うことを可能とする技術が開示されている。特許文献1では、医療施設用受付システムが、受付装置で取得したユーザの生体情報に基づいて認証されたユーザに対応付けられた患者の受付を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-086550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、例えば、要介助者等が交通機関等を利用する場合の利便性に改善の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、同伴者等(介助者、介護者、介添者、付添者)を有するユーザがサービスを利用する場合の利便性を向上できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る第1の態様では、交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行う認証部と、前記認証部による認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する提供部と、を有する情報処理装置が提供される。
【0007】
また、本開示に係る第2の態様では、交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得し、取得した前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行い、前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する、処理を実行する情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示に係る第3の態様では、交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得し、取得した前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行い、前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
一側面によれば、同伴者等を有するユーザがサービスを利用する場合の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】実施形態に係る情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係る店舗DB(データベース)に記憶される情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るユーザDBに記憶される情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
【0012】
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0013】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。なお、各図面は、1又はそれ以上の実施形態を説明するための単なる例示である。各図面は、1つの特定の実施形態のみに関連付けられるのではなく、1又はそれ以上の他の実施形態に関連付けられてもよい。当業者であれば理解できるように、いずれか1つの図面を参照して説明される様々な特徴又はステップは、例えば明示的に図示または説明されていない実施形態を作り出すために、1又はそれ以上の他の図に示された特徴又はステップと組み合わせることができる。例示的な実施形態を説明するためにいずれか1つの図に示された特徴またはステップのすべてが必ずしも必須ではなく、一部の特徴またはステップが省略されてもよい。いずれかの図に記載されたステップの順序は、適宜変更されてもよい。
【0014】
(実施の形態1)
<構成>
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、取得部11、認証部12、及び提供部13を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムと、情報処理装置10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0015】
取得部11は、撮影装置により撮影された、交通機関(例えば、飛行機、鉄道車両、バス等)を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得する。認証部12は、取得部11により取得された第2ユーザの顔画像に基づいて第1ユーザの認証を行う。提供部13は、認証部12による認証が成功した場合、第1ユーザに応じた交通機関でのサービスを提供する。
【0016】
(実施の形態2)
次に、図2を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
<システム構成>
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図2の例では、情報処理システム1は、情報処理装置10、及びユーザ端末20を有する。
また、情報処理システム1は、提供装置30A、30B(以下で、区別する必要が無い場合は、単に、「提供装置30」とも称する。)を有する。また、情報処理システム1は、撮影装置40A、40B、40C(以下で、区別する必要が無い場合は、単に、「撮影装置40」とも称する。)を有する。図2の例では、情報処理装置10、ユーザ端末20、提供装置30、及び撮影装置40は、ネットワークNにより通信できるように接続されている。なお、情報処理装置10、ユーザ端末20、提供装置30、及び撮影装置40の数は図2の例に限定されない。
【0017】
ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、LAN、及びバス等が含まれる。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G、Beyond 5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれる。
【0018】
情報処理装置10は、例えば、サーバ、クラウドサーバ、パーソナルコンピュータ等の装置である。情報処理装置10は、例えば、交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像に基づいて認証を行い、認証が成功した場合、第1ユーザに応じた交通機関でのサービスを提供する。第1ユーザは、例えば、要介助者等でもよい。
【0019】
ユーザ端末20は、例えば、第1ユーザが所持している、スマートフォン、タブレット等の端末である。ユーザ端末20は、例えば、第1ユーザの操作に応答して、第1ユーザの同伴者となる第2ユーザの情報を情報処理装置10へ登録する。
【0020】
提供装置30は、情報処理装置10からの指示に基づいて、ユーザへサービスを提供する装置である。提供装置30は、例えば、交通機関における改札、自動発券装置等でもよい。
【0021】
撮影装置40は、例えば、提供装置30の付近に設けられたカメラである。撮影装置40は、例えば、ユーザが提供装置30を利用する際に、当該ユーザの顔を撮影可能なように設けられていてもよい。
【0022】
<ハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。図3の例では、情報処理装置10(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0023】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0024】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0025】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0026】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0027】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0028】
<処理>
次に、図4及び図5を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。図5は、実施形態に係る同伴者DB(データベース)501に記憶される情報の一例を示す図である。図6は、実施形態に係るユーザDB601に記憶される情報の一例を示す図である。なお、図4の処理は、例えば、撮影装置40により人物の顔が概ね正面で撮影された際に実行されてもよい。
【0029】
ステップS1において、取得部11は、撮影装置40により撮影された、交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像等を取得する。これにより、例えば、車いすを利用している要介助者等である第1ユーザの顔を、撮影装置40の正面の位置とすることが困難な場合でも、同伴者である第2ユーザの顔が撮影装置40の正面の位置とされた画像を取得できる。
【0030】
続いて、認証部12は、取得部11により取得された第2ユーザの顔画像等に基づいて第1ユーザの認証を行う(ステップS2)。ここで、認証部12は、同伴者DB501を参照し、同伴者DB501に記録されている顔認証用の顔特徴量の情報と、第2ユーザの顔画像から検出した顔特徴量の情報とを照合することにより、同伴者である第2ユーザを特定してもよい。なお、同伴者DB501は、情報処理装置10の内部の記憶装置に記録されていてもよいし、情報処理装置10の外部の記憶装置に記録されていてもよい。同伴者DB501の情報は、例えば、情報処理装置10の管理者(オペレータ)、または端末からの第2ユーザによる操作により、予め記憶されていてもよい。
【0031】
図5の例では、同伴者DB501には、同伴者IDに対応付けて同伴者情報が記録されている。同伴者IDは同伴者の識別情報である。同伴者情報は、同伴者の個人情報等である。同伴者情報には、例えば、同伴者の、顔認証用の顔特徴量の情報、氏名、住所、生年月日、特典付与用のアカウントID等が含まれてもよい。
【0032】
そして、認証部12は、ユーザDB601を参照し、第2ユーザが同伴する、要介助者等である第1ユーザを特定してもよい。なお、ユーザDB601は、情報処理装置10の内部の記憶装置に記録されていてもよいし、情報処理装置10の外部の記憶装置に記録されていてもよい。ユーザDB601の情報は、例えば、情報処理装置10の管理者(オペレータ)、またはユーザ端末20からの第1ユーザによる操作により、予め記憶されていてもよい。
【0033】
図6の例では、ユーザDB601には、ユーザIDに対応付けてユーザ情報が記録されている。また、ユーザIDに対応付けて、同伴者ID、同伴時間帯、及び同伴場所(「特定の場所」の一例。)の組み合わせが記録されている。ユーザIDは、要介助者等であるユーザの識別情報である。ユーザ情報は、ユーザの個人情報等である。ユーザ情報には、例えば、ユーザの、顔認証用の顔特徴量の情報、氏名、住所、生年月日、特典付与用のアカウントID、及び身体の不自由度を示す情報(必要な介助のレベル、障害の重度)等が含まれてもよい。同伴時間帯は、第1ユーザが第2ユーザに同伴されて交通機関を利用する時間帯を示す情報である。同伴場所は、第1ユーザが第2ユーザに同伴されて交通機関を利用する場所を示す情報(例えば、空港名称、または駅名称)である。身体の不自由度は、例えば、介護保険を提供する公的機関等により判定された要介護度に基づいた値でもよい。また、身体の不自由度は、例えば、第1ユーザに交付されている身体障害者手帳における障害の等級に基づいた値でもよい。
【0034】
ここで、認証部12は、ユーザDB601を参照し、第2ユーザの顔画像に基づいて特定した同伴者IDに対応付けられたレコード(一行分のデータ)のうち、現在時刻が同伴時間帯内であり、第2ユーザの現在位置が同伴場所の特定範囲内(例えば、半径200m以内)であるユーザIDを特定してもよい。なお、第2ユーザの現在位置は、例えば、情報処理装置10に予め登録されている、撮影装置40が設置されている位置(場所)の情報でもよい。また、第2ユーザの現在位置は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システム等を用いて第2ユーザの端末により測位された位置情報でもよい。これにより、同伴者の顔画像等に基づいて、同伴されている要介助者を特定できる。
【0035】
そして、認証部12は、認証に成功した場合、認証に成功した旨を示す情報と、特定したユーザIDとを、提供部13へ出力してもよい。一方、認証部12は、認証に失敗した場合、認証に失敗した旨を示す情報と、失敗した原因を示す情報とを、提供部13へ出力してもよい。ここで、認証部12は、例えば、第2ユーザの顔画像等に基づいて同伴者IDを特定できない場合、認証に失敗したと判定してもよい。また、認証部12は、例えば、特定した同伴者ID等に合致するユーザIDを特定できない場合、認証に失敗したと判定してもよい。
【0036】
(第1ユーザの身体の不自由度に基づいて認証する例)
認証部12は、さらに、第1ユーザの身体の不自由度に基づいて認証を行ってもよい。この場合、認証部12は、例えば、ユーザDB601に記録されているユーザ情報に含まれる、身体の不自由度を示す情報を取得してもよい。そして、認証部12は、例えば、第1ユーザの身体の不自由度が閾値未満である場合は、第2ユーザの顔画像による認証を拒否してもよい。これにより、例えば、第1ユーザの身体の不自由度が比較的低く、撮影装置40の正面位置に顔を移動することが可能と考えられる場合は、第1ユーザ本人の顔画像で認証を受けさせることができる。そのため、例えば、第2ユーザによる不正利用等が低減できる。
【0037】
(第1ユーザの現在位置に基づいて認証する例)
認証部12は、さらに、第1ユーザの現在位置に基づいて認証を行ってもよい。この場合、認証部12は、例えば、衛星測位システム等を用いて第1ユーザのユーザ端末20により測位された位置情報及びユーザIDを、ユーザ端末20から取得してもよい。また、認証部12は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信により、提供装置30または撮影装置40を介してユーザIDを第1ユーザのユーザ端末20から受信した場合に、当該提供装置30または当該撮影装置40の位置情報を、第1ユーザの現在位置として取得してもよい。
【0038】
そして、第1ユーザの現在位置が、ユーザDB601に登録されている同伴場所の所定範囲内でない場合は、認証失敗と判定してもよい。これにより、例えば、第2ユーザが要介助者等に同伴していない際の第2ユーザによる不正利用等が低減できる。
【0039】
(第1ユーザを粗く認証する例)
提供部13は、第1ユーザの第1画質(例えば、解像度、画素数)の顔領域の画像に基づく第1認証と、第2ユーザの第1画質よりも高い第2画質の顔領域の画像に基づく第2認証とが成功した場合、第1ユーザに応じた交通機関でのサービスを提供してもよい。これにより、例えば、監視カメラ等で撮影された、要介助者等である第1ユーザの顔領域の画像に基づく比較的精度が低い認証と、顔撮影用カメラで撮影された、同伴者である第2ユーザの顔画像に基づく比較的精度が高い認証とを組み合わせて認証することができる。これにより、例えば、第2ユーザが要介助者等に同伴していない際の第2ユーザによる不正利用等が低減できる。
【0040】
続いて、提供部13は、認証部12による認証が成功したか否かを判定する(ステップS3)。認証に失敗した場合(ステップS3でNO)、提供部13は、認証失敗を示す情報等を提供装置30へ送信(通知)し(ステップS4)、処理を終了する。この場合、提供装置30は、認証に失敗した旨等をユーザへ報知してもよい。
【0041】
一方、認証に成功した場合(ステップS3でYES)、提供部13は、第1ユーザに応じた交通機関でのサービスを提供し(ステップS5)、処理を終了する。ここで、提供部13は、例えば、ユーザDB601に記憶されている第1ユーザのユーザ情報に基づいて、特定のサービスを提供してもよい。当該特定のサービスには、例えば、各種料金の割引、及び入場ゲートの解放等が含まれてもよい。
【0042】
(第1ユーザに応じた特典を第2ユーザへ付与する例)
提供部13は、認証部12による認証が成功した場合、第1ユーザに応じた特典を第2ユーザへ付与してもよい。この場合、提供部13は、例えば、第1ユーザの身体の不自由度が高いほど、第2ユーザへ付与する特典を大きな特典に決定してもよい。これにより、例えば、同伴者による介助等の困難度が高いほど、より優遇された特典を同伴者に付与できる。
【0043】
また、提供部13は、例えば、第1ユーザの重要度が高いほど、第2ユーザへ付与する特典を大きな特典に決定してもよい。この場合、提供部13は、例えば、交通機関等の特定サービスに対する第1ユーザの、支払った年会費の額、利用頻度、特定期間(例えば、直近の1年間)内の利用額、及び今回の認証が成功した場合の支払額の少なくとも一つが高いほど、第1ユーザの重要度を高く決定してもよい。これにより、例えば、要介助者等が企業にとって重要な顧客である場合に、同伴者が手助けをすることをより動機付けることができる。
【0044】
(第2ユーザに応じた特典を第1ユーザへ付与する例)
提供部13は、認証部12による認証が成功した場合、第2ユーザに応じた特典を第1ユーザへ付与してもよい。この場合、提供部13は、例えば、第2ユーザの同伴の習熟度が高いほど、第1ユーザへ付与する特典を大きな特典に決定してもよい。より習熟度が高い同伴者は、ゲートの代理解除、及び代理発券等の操作をより円滑に行うことができると考えられる。そのため、習熟度がより高い同伴者を選択することの動機づけを要介助者等に与えることにより、同伴者をさらに習熟させられることが期待できる。
【0045】
この場合、提供部13は、例えば、第2ユーザが要介助者等に同伴した頻度が高いほど、第2ユーザの同伴の習熟度を高く決定してもよい。また、提供部13は、例えば、第2ユーザにより同伴された要介助者等からのアンケートでの第2ユーザに対する評価が高いほど、第2ユーザの同伴の習熟度を高く決定してもよい。
【0046】
(分散型IDを用いる例)
情報処理システム1は、同伴者DB501に第2ユーザ(同伴者等)に関するデータを記録し、ユーザDB601に第1ユーザに関するデータを記録する構成に代えて、またはこれに加えて、分散型ID(Decentralized Identity)の仕組みを用いるようにしてもよい。なお、分散型IDは、例えば、ブロックチェーン技術等を使うweb3に位置づけられる分散型IDでもよいし、センター型のデータベースに保管させる情報を減らすための分散型IDでもよい。
【0047】
この場合、スマートフォン等であるユーザ端末20またはブロックチェーン等に第1ユーザのデータが記録されており、スマートフォン等である第2ユーザの端末またはブロックチェーン等に第2ユーザのデータが記録されていてもよい。そして、情報処理装置10が必要に応じて各データを取得できるようにしてもよい。これにより、例えば、ユーザは、情報処理装置10へ提供するデータを自身で制御することができる。
【0048】
<変形例>
情報処理装置10は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示の情報処理装置10はこれに限定されない。情報処理装置10の各部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、情報処理装置10と提供装置30とを同一の筐体内に収容し、一体の情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置10の各機能部の少なくとも一部の処理を、ユーザ端末20及び提供装置30の少なくとも一方が実行するようにしてもよい。これらのような情報処理装置10についても、本開示の「情報処理装置」の一例に含まれる。
【0049】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0051】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行う認証部と、
前記認証部による認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する提供部と、
を有する情報処理装置。
(付記2)
前記認証部は、前記第1ユーザの身体の不自由度に基づいて、前記認証を行う、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記認証部は、前記第1ユーザの現在位置に基づいて、前記認証を行う、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記認証部は、前記第1ユーザと、前記第2ユーザと、特定の場所とが関連付けられた情報を取得し、
前記第2ユーザの現在位置が前記特定の場所の特定範囲内である場合に、前記認証を成功と判定する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記認証部は、前記第1ユーザの第1画質の顔領域の画像に基づく第1認証と、前記第2ユーザの前記第1画質よりも高い第2画質の顔領域の画像に基づく第2認証とを行う、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記提供部は、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた特典を前記第2ユーザへ付与する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記提供部は、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザの身体の不自由度、及び前記第1ユーザの重要度に応じた特典を前記第2ユーザへ付与する、
付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記提供部は、
前記認証が成功した場合、前記第2ユーザに応じた特典を前記第1ユーザへ付与する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記9)
交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得し、
取得した前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行い、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する、処理を実行する情報処理方法。
(付記10)
交通機関を利用する第1ユーザの同伴者である第2ユーザの顔画像を取得し、
取得した前記第2ユーザの顔画像に基づいて前記第1ユーザの認証を行い、
前記認証が成功した場合、前記第1ユーザに応じた前記交通機関でのサービスを提供する、処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0052】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 取得部
12 認証部
13 提供部
20 ユーザ端末
30 提供装置
40 撮影装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6