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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023441
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】飛び上り玩具
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20250207BHJP
   A63H 13/16 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
A63F9/00 502C
A63H13/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127553
(22)【出願日】2023-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】進藤 幸弘
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA02
2C150CA25
2C150EB37
2C150EH17
(57)【要約】
【課題】ゲーム性およびデザイン性が高い飛び上り玩具を提供する。
【解決手段】玩具200を収容する収容部1と、収容部1を移動可能な状態で保持する台座部2と、ユーザの操作に応じて回転する複数のダイヤル3と、を備え、台座部2は、連結部232および不連結部233を有し、複数のダイヤル3のうち一のダイヤル3の回転に応じて回転する第一回転部23と、連結部232と連結しているときには第一回転部23の回転に応じて回転する一方で不連結部233と当接しているときには第一回転部23が回転しても回転しない第二回転部24と、初期状態において収容部1の所定方向への移動を規制する規制部253と、を有し、第二回転部24が連結部232と連結している状態において、一のダイヤル3の回転に応じて回転された第二回転部24が所定位置に来ると、規制部253による収容部1の規制が解除されて収容部1が所定方向に移動する、飛び上り玩具100。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具を収容する収容部と、
前記収容部を移動可能な状態で保持する台座部と、
ユーザの操作に応じて回転する複数のダイヤルと、を備え、
前記台座部は、
連結部および不連結部を有し、複数の前記ダイヤルのうち一の前記ダイヤルの回転に応じて回転する第一回転部と、
前記連結部と連結しているときには前記第一回転部の回転に応じて回転する一方で前記不連結部と当接しているときには前記第一回転部が回転しても回転しない第二回転部と、
初期状態において前記収容部の所定方向への移動を規制する規制部と、を有し、
前記第二回転部が前記連結部と連結している状態において、一の前記ダイヤルの回転に応じて回転された前記第二回転部が所定位置に来ると、前記規制部による前記収容部の規制が解除されて前記収容部が前記所定方向に移動する、飛び上り玩具。
【請求項2】
前記台座部は、前記規制部が設けられた円筒部を有し、
前記収容部は、前記円筒部の内部に少なくとも一部が挿入された前記所定方向に摺動可能な摺動部を有し、
前記収容部は、前記摺動部を介して前記台座部に保持されており、
前記第二回転部は、前記摺動部が摺動可能な状態で前記摺動部に挿入された挿入部を含み、
前記第二回転部の回転に応じて前記収容部が動く、請求項1に記載の飛び上り玩具。
【請求項3】
前記摺動部の先端部には、前記規制部に当接する当接部が設けられており、
前記規制部は、前記初期状態において前記当接部と当接する円環状の維持部と、前記維持部の周方向の一部に設けられて前記収容部の移動の規制を解除する解除部と、を含み、
前記第二回転部の回転に応じて前記摺動部が動くことにより、前記維持部に当接していた前記当接部が前記解除部に当接して前記解除部を押圧すると、前記収容部が前記所定方向に移動する、請求項2に記載の飛び上り玩具。
【請求項4】
前記第一回転部は、第一嵌合部と、前記ダイヤルに対して弾性力を加える弾性体と、を有し、
前記ダイヤルは、前記弾性力の向きとは反対向きの力が前記ダイヤルに加わることで前記第一嵌合部に嵌合される第二嵌合部を有し、
前記第一回転部は、前記第一嵌合部と前記第二嵌合部が嵌合している状態において、前記ダイヤルの回転に応じて回転する、請求項1または請求項2に記載の飛び上り玩具。
【請求項5】
前記ダイヤルは、前記ダイヤルの回転方向に沿って設けられた複数の接触部と、複数の前記接触部の間に形成された複数の段差部と、を有し、
前記台座部は、前記接触部を押圧する押圧部を有し、
前記ダイヤルの回転に応じて、前記押圧部は複数の前記接触部のうち一の接触部から前記段差部を乗り越えて当該一の接触部と隣り合う他の接触部に接触する、請求項1または請求項2に記載の飛び上り玩具。
【請求項6】
前記段差部は、前記ダイヤルの回転軸から所定の距離だけ離れた位置にある第一端部と、前記ダイヤルの回転軸から前記第一端部よりも近い位置にある第二端部と、を含み、
前記第一端部は前記一の接触部に連通しており、
前記第二端部は前記他の接触部に連通している、請求項5に記載の飛び上り玩具。
【請求項7】
前記台座部は、前記維持部が収容される受け部を有し、
前記受け部の内面には、複数の凹部が形成されており、
前記維持部の外周には、複数の前記凹部のいずれか一つに挿入される少なくとも一つの凸部が形成されており、
前記当接部が前記規制部に当接した状態で前記摺動部を回転させることで、前記凸部の前記凹部に対する挿入位置が変化する、請求項3に記載の飛び上り玩具。
【請求項8】
前記収容部は、前記玩具が載置される載置部と、前記初期状態において前記玩具を囲む閉状態である囲み部と、を有し、
前記載置部は、前記載置部の外方に延びる突出部を有し、
前記初期状態において、前記囲み部の少なくとも一部分は前記突出部に当接しており、
前記収容部が前記所定方向に移動する際に、前記囲み部が前記突出部を乗り越えることで、前記囲み部の状態が前記閉状態から開状態に変化する、請求項1または請求項2に記載の飛び上り玩具。
【請求項9】
前記台座部は、複数の前記ダイヤルに対応する複数の前記第一回転部を有し、
複数の前記第一回転部のそれぞれは、前記連結部および前記不連結部を有する、請求項1または請求項2に記載の飛び上り玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛び上り玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数のボタンを具え、複数のボタンのうちいずれか一つのボタンを押すと玩具が飛び出すように構成された飛び上り玩具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-228494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に係る飛び上り玩具を用いたゲームを大人数でプレイする場合、ゲームが終了するまでの一人当たりのプレイ時間は短くなってしまう。一方で、ゲームが終了するまでの一人当たりのプレイ時間を長くするために、ボタンの数を増やすことが考えられるが、この場合、多数のボタンを設ける必要があるので、飛び上り玩具が大型化し、デザイン性の低下を招いてしまう虞がある。このように、特許文献1に係る飛び上り玩具には、ゲーム性およびデザイン性の観点において、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、ゲーム性およびデザイン性が高い飛び上り玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る飛び上り玩具は、玩具を収容する収容部と、前記収容部を移動可能な状態で保持する台座部と、ユーザの操作に応じて回転する複数のダイヤルと、を備え、前記台座部は、連結部および不連結部を有し、複数の前記ダイヤルのうち一の前記ダイヤルの回転に応じて回転する第一回転部と、前記連結部と連結しているときには前記第一回転部の回転に応じて回転する一方で前記不連結部と当接しているときには前記第一回転部が回転しても回転しない第二回転部と、初期状態において前記収容部の所定方向への移動を規制する規制部と、を有し、前記第二回転部が前記連結部と連結している状態において、一の前記ダイヤルの回転に応じて回転された前記第二回転部が所定位置に来ると、前記規制部による前記収容部の規制が解除されて前記収容部が前記所定方向に移動する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、ゲーム性およびデザイン性が高い飛び上り玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態(以下、本実施形態ともいう)に係る飛び上り玩具を例示する斜視図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3】摺動部、第二回転部、円筒部およびダイヤルを下方から見た図である。
図4】第二回転部およびダイヤルを例示する斜視図である。
図5】第二回転部およびダイヤルを例示する平面図である。
図6】収容部を外した状態を例示する斜視図である。
図7】摺動部および規制部を下方から見た図である。
図8】当接部が維持部に当接している状態を例示する図である。
図9】第二回転部およびダイヤルを例示する平面図である。
図10】当接部が解除部を押圧している状態を例示する図である。
図11】囲み部の状態が開状態である時の飛び上り玩具を例示する斜視図である。
図12】摺動部を回転させている様子を例示する斜視図である。
図13】維持部の凸部が受け部の凹部に挿入されている状態の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る飛び上り玩具について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「上下方向」」、「前後方向」について適宜言及する場合がある。これらの方向は、図1に例示する飛び上り玩具100について設定された相対的な方向である。ここで、「左右方向」は、「左方向」および「右方向」を含む方向である。「上下方向」は、「上方向」および「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」および「後方向」を含む方向である。なお、各図において図中に示した符号Uは上方向を示す。符号Dは下方向を示す。符号Lは左方向を示す。符号Rは右方向を示す。符号Fは前方向を示す。符号Bは後方向を示す。
【0010】
(全体構成)
初めに、図1から図8を参照しつつ、飛び上り玩具100の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る飛び上り玩具100を例示する斜視図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、摺動部13、第二回転部24、円筒部25およびダイヤル3を下方から見た図である。図4は、第二回転部24およびダイヤル3を例示する斜視図である。図5は、第二回転部24およびダイヤル3を例示する平面図である。図6は、収容部1を外した状態を例示する斜視図である。図7は、摺動部13および規制部253を下方から見た図である。図8は、当接部132が維持部2531に当接している状態を例示する図である。
【0011】
図1および図2に例示するように、飛び上り玩具100は、収容部1と、台座部2と、複数のダイヤル3と、棒状部材4と、付勢部材5と、を備えている。本実施形態において、飛び上り玩具100は、三つのダイヤル3A,3B,3Cを備えている(図4参照)。なお、ダイヤル3(3A,3B,3C)は、ユーザの操作に応じて回転する。本実施形態においては、図1および図2に例示する状態を初期状態と称する。
【0012】
収容部1は、玩具200を収容するように構成されている。なお、本実施形態において、玩具200は、恐竜を模した玩具である。収容部1は、載置部11と、囲み部12と、摺動部13と、を有する。収容部1は、摺動部13が上下方向(所定方向の一例)に摺動することで、上下方向(所定方向の一例)に移動可能である。
【0013】
載置部11は、略直方体状の板状部材である。載置部11には、玩具200が載置される。載置部11は、載置部11の上方(外方)に延びる突出部111と、載置部11の四隅から前後方向に延びる軸部112と、を有する。なお、図示の都合上、図1には一つの突出部111のみが表れているが、本実施形態において、載置部11は、二つの突出部111を有する。突出部111は、載置部11の左側面および右側面の略中央に設けられている。また、図示の都合上、図1には一つの軸部112のみが表れているが、本実施形態において、載置部11は、四つの軸部112を有する。軸部112は、載置部11の左側面および右側面の前端部および後端部に設けられている。
【0014】
囲み部12は、檻を模した形状を有する。囲み部12は、第一部材121と、第二部材122と、を含む。
【0015】
第一部材121の下端部には孔部121aが設けられている。なお、図示の都合上、図1には第一部材121の後側の孔部121aのみが表れているが、本実施形態において、孔部121aは、第一部材121の後側のみならず第一部材121の前側にも設けられている。第二部材122の下端部には孔部122aが設けられている。なお、図示の都合上、図1には第二部材122の後側の孔部122aのみが表れているが、本実施形態において、孔部122aは、第二部材122の後側のみならず第二部材122の前側にも設けられている。孔部121aおよび孔部122aのそれぞれには、軸部112が挿入されている。このため、第一部材121および第二部材122は、載置部11から離れる方向(外側方向)または載置部11に近づく方向(内側方向)に回動可能である。
【0016】
囲み部12の状態は、初期状態において閉状態である。閉状態とは、囲み部12が玩具200を囲んでいる状態である。閉状態(初期状態)において、第一部材121および第二部材122は、当接している。初期状態において、囲み部12の一部分は、突出部111に当接しているため、囲み部12は自重により閉状態を保持している。しかし、例えば、収容部1が上方向に移動する際に囲み部12に慣性力が加わると、囲み部12は突出部111を乗り越える。このとき、囲み部12と突出部111の当接関係は解消され、第一部材121および第二部材122は、載置部11から離れる方向に回動する。その結果、第一部材121および第二部材122の当接関係が解消され、囲み部12の状態は閉状態から開状態に変化する。
【0017】
摺動部13は、上下方向に延びる筒状部材である。摺動部13は、上下方向に摺動可能である。摺動部13は、摺動部13の周方向に回転可能である。ただし、摺動部13は、例えば、摺動部13の前後方向に可動するように構成されていてもよい。つまり、摺動部13は、往復運動するように構成されていてもよい。なお、摺動部13を回転させた場合、収容部1の全体が回転する。図2および図3に例示するように、摺動部13は、空洞部131と、当接部132と、複数の爪部133と、を有する。
【0018】
図2に例示するように、空洞部131には、棒状部材4と、棒状部材4を覆うように配置された付勢部材5と、が収容されている。棒状部材4は、台座部2に固定されている。棒状部材4は、上下方向に延びている。付勢部材5は、例えば、ばね部材である。付勢部材5は、摺動部13に付勢力を与える。摺動部13は、付勢部材5からの付勢力によって、上方向に移動することができる。したがって、収容部1は、付勢部材5からの付勢力によって、上方向に移動可能である。
【0019】
当接部132は、摺動部13の先端部13aに設けられている。当接部132は、摺動部13の外方に向けて延びている。初期状態において、当接部132は、後述する台座部2の維持部2531に当接する。
【0020】
図3に例示するように、爪部133は、摺動部13の内側に向けて延びている。爪部133は、後述する台座部2の挿入部242に当接している。
【0021】
図1および図2に例示するように、台座部2は、収容部1の下方に配置されている。台座部2は、平面視で略Y字状である。図2から図6に例示するように、台座部2は、ベース部材21と、カバー部材22と、第一回転部23と、第二回転部24と、円筒部25と、押圧部26と、受け部27と、を有する。なお、本実施形態において、台座部2は、三つの第一回転部23を有している。つまり、本実施形態において、台座部2は、複数のダイヤル3に対応する複数の第一回転部23を有している。
【0022】
図2に例示するように、ベース部材21は、円柱部211と、棒状部212と、を備えている。円柱部211は、空洞部211aを有している。空洞部211aには、棒状部材4が挿入されている。棒状部212は、ダイヤル3に挿入されている。
【0023】
図4および図5に例示するように、ベース部材21は、略平板状である。ベース部材21は、略Y字状である。ベース部材21は、飛び出し玩具100の底面を構成している。
【0024】
図6に例示するように、カバー部材22は、ベース部材21に被さるように配置されている。カバー部材22は、略Y字状である。カバー部材22には、三つの孔部221が設けられている。孔部221は、略円形状である。孔部221のそれぞれからは、ダイヤル3が突出している。
【0025】
次に、図3を参照しつつ、第一回転部23について説明する。第一回転部23は、複数のダイヤル3のうちの一のダイヤル3の回転に応じて回転する。第一回転部23は、ダイヤル3の下方に配置されている。第一回転部23は、第二回転部24の外側に配置されている。第一回転部23は、略円形状である。複数の第一回転部23のそれぞれは、孔部231と、連結部232と、不連結部233と、第一嵌合部234と、弾性体235と、を有する。
【0026】
孔部231は、略円形状である。孔部231は、第一回転部23の略中心に設けられている。図2に例示するように、孔部231には、棒状部212が挿入されている。
【0027】
図3に例示するように、連結部232は、複数の歯部232aを有する。歯部232aは、第一回転部23の外方であって、第一回転部23の平面方向に延びている。連結部232は、第二回転部24と連結するように構成されている。
【0028】
不連結部233は、平滑である。したがって、不連結部233は、連結部232と異なり、歯部を有していない。不連結部233は、第二回転部24と当接するように構成されている。なお、本実施形態において、複数の第一回転部23のそれぞれが有する連結部232および不連結部233の割合は等しいが、当該割合は異なっていてもよい。
【0029】
第一嵌合部234は、第一回転部23の周方向に沿って、設けられている。第一嵌合部234は、略円形状である。第一嵌合部234の径は、第一回転部23の径よりも小さい。第一嵌合部234は、複数の歯部234aを有している。複数の歯部234aは、第一嵌合部234の周方向全体にわたって設けられている。歯部234aは、第一回転部23の平面に対して上方向に延びている。つまり、歯部234aは、ダイヤル3に向かって延びている。
【0030】
弾性体235は、例えば、ばね部材である。弾性体235は、棒状部212(図2参照)を覆うように配置されている。弾性体235の下端部は第一回転部23の上側平面部分に接しており、弾性体235の上端部はダイヤル3に接している。このため、弾性体235は、ダイヤル3に対して、上方向に向かう弾性力を加えている。
【0031】
図4に例示するように、第二回転部24は、三つの第一回転部23より内側に配置されている。第二回転部24は、本体部241と、挿入部242と、を含む。本体部241は、略円形状である。本体部241の径は、第一回転部23の径よりも大きい。本体部241の周方向全体には、複数の歯部241aが設けられている。歯部241aのそれぞれは、各第一回転部23の連結部232と連結、または、第一回転部23の不連結部233に当接している。つまり、第二回転部24は、各第一回転部23の連結部232と連結、または、第一回転部23の不連結部233に当接している。第二回転部24は、第一回転部23の連結部232と連結しているときには第一回転部23の回転に応じて回転する。一方で、第二回転部24は、第一回転部23の不連結部233と当接しているときには第一回転部23が回転しても回転しない。
【0032】
挿入部242は、本体部241の上面から上方向に延びている。挿入部242は、平面視で略六角形状の筒状部材である。図2および図3に例示するように、挿入部242の径は、摺動部13の径よりも小さい。挿入部242は、摺動部13が摺動可能な状態で、摺動部13に挿入されている。挿入部242は、摺動部13に挿入されている状態において、摺動部13が有する複数の爪部133に当接している。このため、第二回転部24が回転すると、摺動部13も回転する。つまり、摺動部13は、第二回転部24の回転に応じて回転する。このように、摺動部13は、第二回転部24の回転に応じて所定方向(例えば、摺動部13の周方向)に動く。
【0033】
図1および図2に例示するように、円筒部25は、カバー部材22の上面22aに連通して当該上面22aから上方向に延びている。円筒部25は、筒状部251と、延出部252と、規制部253と、受止部254と、を含む。
【0034】
筒状部251の径は、摺動部13の径および挿入部242の径よりも大きい。筒状部251の内部には、摺動部13の一部分および挿入部242の一部分が収容されている。
【0035】
延出部252は、筒状部251の下端部から外方に延出しており、筒状部251に連通している。
【0036】
図3および図6に例示するように、規制部253は、円筒部25に設けられている。規制部253は、初期状態において、収容部1の上方向への移動を規制する。規制部253は、弾性体2530と、維持部2531と、解除部2532と、複数の爪部2533と、を含む。弾性体2530は、例えば、ばね部材である。
【0037】
図6から図8に例示するように、維持部2531は、円環状である。維持部2531は、初期状態において、摺動部13の当接部132と当接している。図6および図7に例示するように、維持部2531の外周には、三つの凸部2531aが形成されている。凸部2531aの頂部は、湾曲している。また、維持部2531の外周の一部には、切欠部2531bが形成されている。
【0038】
図7に例示するように、解除部2532は、維持部2531の周方向の一部に設けられている。より詳細に言えば、解除部2532は、維持部2531の切欠部2531bに設けられている。解除部2532は、接触端部2532aを含む。初期状態において、接触端部2532aの一部分は、解除部2532が回動可能な状態で、切欠部2531bと接触している。解除部2532には、初期状態において、弾性体2530からの弾性力が加わっている。本実施形態において、解除部2532には、後方向に弾性力が加わっている。このため、解除部2532は、初期状態において、所定の位置に安定して位置している。
【0039】
接触端部2532aには、被押圧部2532bが設けられている。被押圧部2532bは、第二回転部24の回転に応じて摺動部13が回転することにより、当接部132と当接する。このとき、被押圧部2532bは、当接部132によって押圧される。被押圧部2532bが当接部132によって押圧されると、解除部2532は右前方向に回動する。解除部2532が右前方向に回動すると、当接部132と維持部2531の当接関係は解除され、その結果、収容部1の移動の規制も解除される。このようにして、解除部2532は、収容部1の移動の規制を解除する。解除部2532によって収容部1の移動の規制が解除されると、収容部1は上下方向に移動可能となる。
【0040】
図6に例示するように、爪部2533は規制部253の内側に向けて延びている。爪部2533は、収容部1の摺動部13に当接している。
【0041】
図2に例示するように、受止部254は、円筒部25の上端部に設けられている。摺動部13が上方向に移動すると(すなわち、収容部1が上方向に移動すると)、摺動部13の当接部132は受止部254に当接する。当接部132が受止部254に当接すると、摺動部13の上方向への移動が止まる。このように、台座部2は、収容部1を移動可能な状態で保持している。換言すると、収容部1は、摺動部13を介して、台座部2に保持されている。
【0042】
図5に例示するように、押圧部26は、平面視で略T字状である。押圧部26は、後述するダイヤル3の接触部33を押圧する。
【0043】
図6に例示するように、受け部27は、維持部2531を収容するように構成されている。受け部27の内面には、複数の凹部271が形成されている。凹部271の数は、凸部2531aの数よりも多い。凹部271の頂部は、湾曲している。なお、凹部271の頂部は、凸部2531aと相補的な形状であると好ましい。凸部2531aのそれぞれは、複数の凹部271のいずれか一つに挿入されている。
【0044】
図2から図5に例示するように、ダイヤル3は、略円筒状である。ダイヤル3は、穴部31と、第二嵌合部32と、複数の接触部33と、複数の段差部34と、を有する。図2に例示するように、穴部31は、ダイヤル3の略中央部分に設けられている。穴部31には、ベース部材21に備わる棒状部212が挿入されている。このため、例えば、ユーザがダイヤル3を把持した状態でダイヤル3を回転させると、ダイヤル3は、棒状部212を回転軸として、回転する。つまり、例えば、ユーザがダイヤル3を把持した状態でダイヤル3を回転させると、ダイヤル3は、回転軸AX1(図5参照)を回転軸として、回転する。
【0045】
図3に例示するように、第二嵌合部32は、ダイヤル3の周方向に沿って、設けられている。第二嵌合部32は、略円形状である。第二嵌合部32の径は、第一回転部23の第一嵌合部234の径と略等しい。第二嵌合部32は、複数の歯部32aを有している。複数の歯部32aは、第二嵌合部32の周方向全体にわたって設けられている。歯部32aは、ダイヤル3の平面に対して下方向に延びている。つまり、歯部32aは、第一嵌合部234に向かって延びている。初期状態において、第二嵌合部32は、弾性体235による弾性力によって上方向に押し上げられているため、第一嵌合部234に嵌合していない。しかし、弾性体235による弾性力の向き(本実施形態においては、上方向)とは反対向き(本実施形態においては、下方向)の力がダイヤル3に加わると、第二嵌合部32は下降し、第一嵌合部234に嵌合される。
【0046】
ユーザは、例えば、ダイヤル3Aに対応する第一回転部23の第一嵌合部234とダイヤル3Aの第二嵌合部32が嵌合している状態において、ダイヤル3Aを回転させると、第一回転部23はダイヤル3Aの回転に応じて回転する。ダイヤル3Aに対応する第一回転部23が回転すると、第二回転部24が回転する。第二回転部24が回転すると、摺動部13は摺動部13の周方向に動く(すなわち、摺動部13は回転する)。
【0047】
図5に例示するように、接触部33は、ダイヤル3の回転方向に沿って設けられている。接触部33は、平滑である。接触部33は、平面視において、湾曲している。複数の接触部33のうち一の接触部33は、押圧部26によって押圧されている。
【0048】
段差部34は、複数の接触部33の間に形成されている。したがって、接触部33の数と段差部34の数は等しい。なお、本実施形態において、接触部33の数と段差部34の数は、八つである。段差部34は、第一端部341と、第二端部342と、を含む。第一端部341は、ダイヤル3の回転軸AX1から所定の距離だけ離れた位置にある。第二端部342は、ダイヤル3の回転軸AX1から第一端部341よりも近い位置にある。例えば、ダイヤル3Aについて説明すると、第一端部341Aは一の接触部33Aに連通しており、第二端部342Aは他の接触部33Bに連通している。なお、ダイヤル3Bおよびダイヤル3Cの構造についても、ダイヤル3Aの構造と同様である。
【0049】
(飛び上り玩具100の遊び方)
次に、図5図7および図9から図11を参照しつつ、収容部1が上方向に移動し、囲み部12の状態が閉状態から開状態に変化する様子を説明する。図9は、第二回転部24およびダイヤル3を例示する平面図である。図10は、当接部132が解除部2532を押圧している状態を例示する図である。図11は、囲み部12の状態が開状態である時の飛び上り玩具100を例示する斜視図である。
【0050】
本実施形態に係る飛び上り玩具100の遊び方について説明する。飛び上り玩具100で遊ぶユーザは、例えば、数字が記載された複数のカードの中から一枚のカードを裏向きで引き、その引いたカードに記載された数字に対応する回数だけダイヤル3を回転させる。ただし、ユーザは、例えば、カードの代わりにサイコロを用いてダイヤル3を回転させる回数を決めてもよい。この場合、ユーザは、サイコロを振り、サイコロの出た目の数だけダイヤル3を回転させる。なお、本実施形態において、「ダイヤル3を一回転させる」とは、ダイヤル3を一周回転させることではなく、後述する「カチッ」という接触音が生じるまでダイヤル3を回転させることをいう。例えば、押圧部26がダイヤル3Aの接触部33Aを押圧している状態(つまり、図5に例示する状態)において、ユーザがダイヤル3Aを時計回りに回転させると、図9に例示するように、押圧部26が押圧する部分は接触部33Aから接触部33Bに遷移する。より詳細に説明すると、この場合、押圧部26は、ダイヤル3Aの回転に応じて、複数の接触部33のうちの一の接触部33Aから段差部34Aを乗り越えて接触部33Aと隣り合う他の接触部33Bに接触する。
【0051】
押圧部26が段差部34Aを乗り越えて接触部33Bに接触すると、「カチッ」という接触音が生じる。当該接触音が生じたとき、ダイヤル3を一回転させたことになる。つまり、例えば、複数のカードの中から引いたカードに記載された数字が「3」であった場合、ユーザは、少なくとも一つのダイヤル3を回転させ、「カチッ」という接触音を三回生じさせる。なお、このとき、ユーザは同じダイヤル3を三回転させてもよいし、ダイヤル3A,3B,3Cをそれぞれ一回転させてもよいし、ダイヤル3Aを二回転させた後にダイヤル3Bを一回転させてもよい。これを繰り返し、囲み部12の状態を閉状態から開状態に変化させたユーザが、例えば、負けとなる。ただし、囲み部12の状態を閉状態から開状態に変化させたユーザを勝ちとしてもよい。
【0052】
例えば、複数のカードの中から引いたカードに記載された数字が「6」であった結果、ユーザがダイヤル3Aを六回転させたとする。この場合、ユーザは、ダイヤル3Aに対して下向きの力を加え、ダイヤル3Aに対応する第一回転部23の第一嵌合部234とダイヤル3Aの第二嵌合部32を嵌合させた上で、ダイヤル3Aを時計回りに六回転させる。第二回転部24と、ダイヤル3Aに対応する第一回転部23の連結部232と、が連結している場合、第二回転部24は、ダイヤル3Aに対応する第一回転部23の回転に応じて回転する。一方で、第二回転部24と、ダイヤル3Aに対応する第一回転部23の不連結部233と、が当接している場合、第二回転部24は、ダイヤル3Aに対応する第一回転部23が回転しても回転しない。
【0053】
本実施形態では、一回転目と二回転目において、第二回転部24は不連結部233と当接しており、三回転目から六回転目において、第二回転部24は連結部232と連結していたものとする。つまり、本実施形態において、第二回転部24は、四回転したものとする。また、ユーザがダイヤル3Aを回転させる前は、図7に例示するように、摺動部13の当接部132は、台座部2の維持部2531に当接していたものとする。ユーザがダイヤル3Aを回転させる前は、当接部132が維持部2531に当接しているため、規制部253の解除部2532は、当接部132によって押圧されていない。しかし、摺動部13は第二回転部24の回転に応じて摺動部13の周方向に動く(すなわち、回転する)ので、第二回転部24が回転した結果、図10に例示するように、当接部132は、解除部2532を押圧する。
【0054】
解除部2532が当接部132に押圧されると、解除部2532には、弾性体2530からの弾性力とは反対向きの力であって、弾性体2530からの弾性力よりも大きい力が加わる。このため、解除部2532が当接部132に押圧されると、解除部2532は、右前方向に回動する。このとき、当接部132は、維持部2531と当接していないので、摺動部13は、付勢部材5(図2参照)からの付勢力によって、上方向に移動する。このように、第二回転部24が第一回転部23の連結部232と連結している状態において、一のダイヤル3Aの回転に応じて回転された第二回転部24が所定位置に来ると、規制部253による収容部1の規制が解除されて収容部1が上方向に移動する。
【0055】
摺動部13は、当接部132が受止部254(図2参照)に当接するまで、上方向に移動する。当接部132が受止部254に当接すると、摺動部13の上方向への移動が止まる。このとき、囲み部12には慣性力が加わるため、囲み部12は突出部111を乗り越える。囲み部12が突出部111を乗り越えると、囲み部12と突出部111の当接関係は解消されるため、第一部材121および第二部材122は、載置部11から離れる方向に回動する。その結果、第一部材121および第二部材122の当接関係が解消され、図11に例示するように、囲み部12の状態が閉状態から開状態に変化する。このように、収容部1が上方向に移動する際に、囲み部12が突出部111を乗り越えることで、囲み部12の状態が閉状態から開状態に変化する。囲み部12の状態が閉状態から開状態に変化すると、勝負が決する。
【0056】
(飛び上り玩具100のリセット動作)
次に、図12および図13を参照しつつ、飛び上り玩具100のリセット動作について説明する。図12は、摺動部13を回転させている様子を例示する斜視図である。図13は、維持部2531の凸部2531aが受け部27の凹部271に挿入されている状態の一例を示す平面図である。
【0057】
囲み部12の状態が閉状態から開状態に変化し、勝負が決すると、ユーザは、第一部材121および第二部材122を載置部11に近づく方向に回動させ、囲み部12の状態を開状態から閉状態にする。次いで、ユーザは、囲み部12を下方向に押し込むことで、当接部132を規制部253の維持部2531に当接させる。そして、ユーザは、図12に例示するように、収容部1を手Hで把持しながら、収容部1を回転させる。
【0058】
規制部253の爪部2533(図6参照)は、収容部1の摺動部13(図2参照)に当接しているので、摺動部13が回転すると、規制部253は、摺動部13の回転に応じて、回転する。このため、摺動部13が回転すると、図13に例示するように、維持部2531の凸部2531aの受け部27の凹部271に対する挿入位置が変化する。
【0059】
このように、勝負が決し、次のゲームを始める場合、ユーザは、摺動部13を回転させることで、維持部2531の凸部2531aの受け部27の凹部271に対する挿入位置を変化させることができる。このとき、解除部2532の位置も変化する。したがって、たとえユーザが前のゲームにおける解除部2532の位置を把握していたとしても、次のゲームにおける解除部2532の位置を前のゲームにおける解除部2532の位置と異ならせることができるので、ゲームのランダム性を向上させることができる。
【0060】
ところで、従来の飛び上り玩具を用いたゲームを大人数でプレイする場合、ゲームが終了するまでの一人当たりのプレイ時間は短くなってしまうことが多かった。一方で、ゲームが終了するまでの一人当たりのプレイ時間を長くするために、ボタンの数を増やすことが考えられるが、この場合、多数のボタンを設ける必要があるので、飛び上り玩具が大型化し、デザイン性の低下を招いてしまう虞がある。このように、従来の飛び上り玩具には、ゲーム性およびデザイン性の観点において、改善の余地があった。
【0061】
上記構成によれば、第一回転部23の連結部232と連結しているときだけ、第二回転部24は第一回転部23の回転に応じて回転するので、ダイヤル3の数を過度に増やさなくても、例えば、ゲームが終了するまでの一人当たりのプレイ時間を長くすることができる。なお、飛び上り玩具100においては、第二回転部24の回転により収容部1が上方向に移動した時にゲームが終了する。また、飛び上り玩具100においては、ダイヤル3の数を過度に増やさなくてもよいので、飛び上り玩具が大型化し、デザイン性が低下してしまうことを防ぐこともできる。このように、飛び上り玩具100によれば、ゲーム性およびデザイン性を高めることができる。
【0062】
また、上記構成によれば、第二回転部24の回転に応じて収容部1が動くという動作をユーザに見せることで、収容部1が上方向へ移動して飛び上り玩具100が飛び上るまでの緊張感をユーザに与えることができる。なお、本実施形態では、収容部1は、第二回転部24の回転に応じて回転するが、往復運動してもよい。このように、飛び上り玩具100によれば、ゲーム性を向上させることができる。
【0063】
また、上記構成によれば、第二回転部24の回転に応じて収容部1の摺動部13が有する当接部132が規制部253に含まれる解除部2532を押圧することで、収容部1が上方向に移動する。このように、飛び上り玩具100によれば、収容部1の上方向への移動を簡素な構成で実現することができる。
【0064】
また、上記構成によれば、第一回転部23が有する弾性体235がダイヤル3に対して加える弾性力の向きとは反対向きの力がダイヤル3に加わることで、ダイヤル3が有する第二嵌合部32は第一嵌合部234に嵌合される。そして、第一嵌合部234と第二嵌合部32が嵌合している状態においてダイヤル3が回転されると、第一回転部23が回転する。つまり、第一回転部23は、第一嵌合部234と第二嵌合部32が嵌合していない状態においては回転しないものの、第一嵌合部234と第二嵌合部32が嵌合している状態においては回転する。したがって、飛び上り玩具100によれば、例えば、ユーザが押下したダイヤル3のみが動き、それ以外のダイヤル3は動かない。このため、第一回転部23と第二回転部24のどのダイヤル3に対応する第一回転部23が第二回転部24と連結状態または不連結状態になっているかがわからないようにすることができる。
【0065】
また、上記構成によれば、台座部2が有する押圧部26は、ダイヤル3の回転に応じて、複数の接触部33のうちの一の接触部33から段差部34を乗り越えて当該一の接触部33と隣り合う他の接触部33に接触する。押圧部26が段差部34を乗り越えて他の接触部33に接触すると接触音が生じるので、押圧部26が他の接触部33に接触した時、ユーザは、当該接触音を知覚することで、ダイヤル3を適切に回転させたことを認識することができる。また、例えば、飛び上り玩具100で遊ぶ際に、カードを引いたり、サイコロを振ったりして出た目の数だけダイヤルを回転させる場合、当該接触音が生じることで、ダイヤル3を回転させたユーザのみならず、他のユーザもダイヤル3が回転したことを知覚することができる。
【0066】
また、上記構成によれば、ダイヤル3の回転軸AX1から所定の距離だけ離れた位置にある第一端部341は一の接触部33に連通している。また、ダイヤル3の回転軸AX1から第一端部341よりも近い位置にある第二端部342は当該一の接触部33と隣り合う他の接触部33に連通している。したがって、押圧部26と接触部33が接触する位置は、一の接触部33と接触する位置から当該一の接触部33と隣り合う他の接触部33と接触する位置に遷移することはできるものの、当該他の接触部33と接触する位置から当該一の接触部33と接触する位置に移動することはできない。このため、ユーザは、ダイヤル3を予め決められた方向、すなわち、押圧部26と接触部33が接触する位置が一の接触部33と接触する位置から他の接触部33と接触する位置に遷移する方向にしか回転させることができない。したがって、飛び上り玩具100によれば、ユーザが誤ってダイヤル3を予め決められた方向とは逆の方向に回転させてしまうことを防ぐことができる。
【0067】
また、上記構成によれば、維持部2531が有する凸部2531aは台座部2が有する複数の凹部271のいずれか一つに挿入されている。凸部2531aの凹部271に対する挿入位置は、当接部132が規制部253に当接した状態で摺動部13を回転させることで、変化する。このように、飛び上り玩具100によれば、収容部1が台座部2に対して押し込まれた状態で、ユーザの操作に応じて摺動部13を回転させることで、解除部2532の位置が変化するため、ランダム性が向上する。
【0068】
また、上記構成によれば、初期状態において、囲み部12の少なくとも一部分は突出部111に当接している一方で、収容部1が上方向に移動する際に、囲み部12は突出部111を乗り越え、これにより囲み部12の状態が閉状態から開状態に変化する。このように、飛び上り玩具100によれば、簡素な構成で、収容部1が初期状態の位置から上方向に移動する際に、囲み部12の状態を閉状態から開状態に変化させることができる。また、囲み部12は、初期状態において、収容部1に収容された玩具200を囲むように構成されている。このため、飛び上り玩具100によれば、収容部1が初期状態の位置から上方向に移動する際に、ユーザに対して、玩具200が収容部1から解放されたような演出を行うこともできる。また、通常の箱型の囲み部が開閉する機構では、閉じた状態を保持するために、固定用の部品と機構が必要になるが、飛び上り玩具100では、囲み部12を構成する部品の自重だけで閉状態を保持することができる。さらに、囲み部12の状態は、収容部1が上方向に移動すると、すなわち、飛び上る動作が発動すると、その慣性力で閉状態から開状態に変化する。
【0069】
また、上記構成によれば、台座部2は複数のダイヤル3に対応する複数の第一回転部23を有しており、複数の第一回転部23のそれぞれは連結部232および不連結部233を有する。したがって、飛び上り玩具100によれば、ユーザが複数のダイヤル3のうち一のダイヤル3を回転させた場合でも、第二回転部24が回転しない場合が発生し、ゲームのランダム性およびスリル性を高めることができる。
【0070】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様のゲーム盤を提供することができる。
【0071】
第1の態様に係る飛び上り玩具は、玩具を収容する収容部と、前記収容部を移動可能な状態で保持する台座部と、ユーザの操作に応じて回転する複数のダイヤルと、を備え、前記台座部は、連結部および不連結部を有し、複数の前記ダイヤルのうち一の前記ダイヤルの回転に応じて回転する第一回転部と、前記連結部と連結しているときには前記第一回転部の回転に応じて回転する一方で前記不連結部と当接しているときには前記第一回転部が回転しても回転しない第二回転部と、初期状態において前記収容部の所定方向への移動を規制する規制部と、を有し、前記第二回転部が前記連結部と連結している状態において、一の前記ダイヤルの回転に応じて回転された前記第二回転部が所定位置に来ると、前記規制部による前記収容部の規制が解除されて前記収容部が前記所定方向に移動する。
【0072】
この構成によれば、第一回転部の連結部と連結しているときだけ、第二回転部は第一回転部の回転に応じて回転するので、ダイヤルの数を過度に増やさなくても、例えば、ゲームが終了するまでの一人当たりのプレイ時間を長くすることができる。なお、上記構成に係る飛び上り玩具においては、第二回転部の回転により収容部が所定方向に移動した時にゲームが終了する。また、上記構成に係る飛び上り玩具においては、ダイヤルの数を過度に増やさなくてもよいので、飛び上り玩具が大型化し、デザイン性が低下してしまうことを防ぐこともできる。このように、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、ゲーム性およびデザイン性を高めることができる。
【0073】
第2の態様に係る飛び上り玩具は、前記台座部は、前記規制部が設けられた円筒部を有し、前記収容部は、前記円筒部の内部に少なくとも一部が挿入された前記所定方向に摺動可能な摺動部を有し、前記収容部は、前記摺動部を介して前記台座部に保持されており、前記第二回転部は、前記摺動部が摺動可能な状態で前記摺動部に挿入された挿入部を含み、前記第二回転部の回転に応じて前記収容部が動く。
【0074】
この構成によれば、第二回転部の回転に応じて収容部が動くという動作をユーザに見せることで、収容部が所定方向へ移動して飛び上り玩具が飛び上るまでの緊張感をユーザに与えることができる。このように、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、ゲーム性を向上させることができる。
【0075】
第3の態様に係る飛び上り玩具は、前記摺動部の先端部には、前記規制部に当接する当接部が設けられており、前記規制部は、前記初期状態において前記当接部と当接する円環状の維持部と、前記維持部の周方向の一部に設けられて前記収容部の移動の規制を解除する解除部と、を含み、前記第二回転部の回転に応じて前記摺動部が動くことにより、前記維持部に当接していた前記当接部が前記解除部に当接して前記解除部を押圧すると、前記収容部が前記所定方向に移動する。
【0076】
この構成によれば、第二回転部の回転に応じて収容部の摺動部が有する当接部が規制部に含まれる解除部を押圧することで、収容部が所定方向に移動する。このように、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、収容部の所定方向への移動を簡素な構成で実現することができる。
【0077】
第4の態様に係る飛び上り玩具は、前記第一回転部は、第一嵌合部と、前記ダイヤルに対して弾性力を加える弾性体と、を有し、前記ダイヤルは、前記弾性力の向きとは反対向きの力が前記ダイヤルに加わることで前記第一嵌合部に嵌合される第二嵌合部を有し、前記第一回転部は、前記第一嵌合部と前記第二嵌合部が嵌合している状態において、前記ダイヤルの回転に応じて回転する。
【0078】
この構成によれば、第一回転部が有する弾性体がダイヤルに対して加える弾性力の向きとは反対向きの力がダイヤルに加わることで、ダイヤルが有する第二嵌合部は第一嵌合部に嵌合される。そして、第一嵌合部と第二嵌合部が嵌合している状態においてダイヤルが回転されると、第一回転部が回転する。つまり、第一回転部は、第一嵌合部と第二嵌合部が嵌合していない状態においては回転しないものの、第一嵌合部と第二嵌合部が嵌合している状態においては回転する。したがって、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、例えば、ユーザが押下したダイヤルのみが動き、それ以外のダイヤルは動かない。このため、第一回転部と第二回転部のどのダイヤルに対応する第一回転部が第二回転部と連結状態または不連結状態になっているかがわからないようにすることができる。
【0079】
第5の態様に係る飛び上り玩具は、前記ダイヤルは、前記ダイヤルの回転方向に沿って設けられた複数の接触部と、複数の前記接触部の間に形成された複数の段差部と、を有し、前記台座部は、前記接触部を押圧する押圧部を有し、前記ダイヤルの回転に応じて、前記押圧部は複数の前記接触部のうち一の接触部から前記段差部を乗り越えて当該一の接触部と隣り合う他の接触部に接触する。
【0080】
この構成によれば、台座部が有する押圧部は、ダイヤルの回転に応じて、複数の接触部のうちの一の接触部から段差部を乗り越えて当該一の接触部と隣り合う他の接触部に接触する。押圧部が段差部を乗り越えて他の接触部に接触すると接触音が生じるので、押圧部が他の接触部に接触した時、ユーザは、当該接触音を知覚することで、ダイヤルを適切に回転させたことを認識することができる。また、例えば、当該飛び上り玩具で遊ぶ際に、カードを引いたり、サイコロを振ったりして出た目の数だけダイヤルを回転させる場合、当該接触音が生じることで、ダイヤルを回転させたユーザのみならず、他のユーザもダイヤルが回転したことを知覚することができる。
【0081】
第6の態様に係る飛び上り玩具は、前記段差部は、前記ダイヤルの回転軸から所定の距離だけ離れた位置にある第一端部と、前記ダイヤルの回転軸から前記第一端部よりも近い位置にある第二端部と、を含み、前記第一端部は前記一の接触部に連通しており、前記第二端部は前記他の接触部に連通している。
【0082】
この構成によれば、ダイヤルの回転軸から所定の距離だけ離れた位置にある第一端部は一の接触部に連通しており、ダイヤルの回転軸から第一端部よりも近い位置にある第二端部は当該一の接触部と隣り合う他の接触部に連通している。したがって、押圧部と接触部が接触する位置は、一の接触部と接触する位置から当該一の接触部と隣り合う他の接触部と接触する位置に遷移することはできるものの、当該他の接触部と接触する位置から当該一の接触部と接触する位置に移動することはできない。このため、ユーザは、ダイヤルを予め決められた方向、すなわち、押圧部と接触部が接触する位置が一の接触部と接触する位置から他の接触部と接触する位置に遷移する方向にしか回転させることができない。したがって、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、ユーザが誤ってダイヤルを予め決められた方向とは逆の方向に回転させてしまうことを防ぐことができる。
【0083】
第7の態様に係る飛び上り玩具は、前記台座部は、前記維持部が収容される受け部を有し、前記受け部の内面には、複数の凹部が形成されており、前記維持部の外周には、複数の前記凹部のいずれか一つに挿入される少なくとも一つの凸部が形成されており、前記当接部が前記規制部に当接した状態で前記摺動部を回転させることで、前記凸部の前記凹部に対する挿入位置が変化する。
【0084】
この構成によれば、維持部が有する凸部は台座部が有する複数の凹部のいずれか一つに挿入されている。凸部の凹部に対する挿入位置は、当接部が規制部に当接した状態で摺動部を回転させることで、変化する。このように、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、収容部が台座に対して押し込まれた状態で、ユーザの操作に応じて摺動部を回転させることで、解除部の位置が変化するため、ランダム性が向上する。
【0085】
第8の態様に係る飛び上り玩具は、前記収容部は、前記玩具が載置される載置部と、前記初期状態において前記玩具を囲む閉状態である囲み部と、を有し、前記載置部は、前記載置部の外方に延びる突出部を有し、前記初期状態において、前記囲み部の少なくとも一部分は前記突出部に当接しており、前記収容部が前記所定方向に移動する際に、前記囲み部が前記突出部を乗り越えることで、前記囲み部の状態が前記閉状態から開状態に変化する。
【0086】
この構成によれば、初期状態において、囲み部の少なくとも一部分は突出部に当接している一方で、収容部が所定方向に移動する際に、囲み部は突出部を乗り越え、これにより囲み部の状態が閉状態から開状態に変化する。このように、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、簡素な構成で、収容部が初期状態の位置から所定方向に移動する際に、囲み部の状態を閉状態から開状態に変化させることができる。また、囲み部は、初期状態において、収容部に収容された玩具を囲むように構成されている。このため、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、収容部が初期状態の位置から所定方向に移動する際に、ユーザに対して、当該玩具が収容部から解放されたような演出を行うこともできる。また、通常の箱型の囲み部が開閉する機構では、閉じた状態を保持するために、固定用の部品と機構が必要になるが、上記構成に係る飛び上り玩具では、囲み部を構成する部品の自重だけで閉状態を保持することができる。さらに、囲み部の状態は、収容部が所定方向に移動すると、すなわち、飛び上る動作が発動すると、その慣性力で閉状態から開状態に変化する。
【0087】
第9の態様に係る飛び上り玩具は、前記台座部は、複数の前記ダイヤルに対応する複数の前記第一回転部を有し、複数の前記第一回転部のそれぞれは、前記連結部および前記不連結部を有する。
【0088】
この構成によれば、台座部は複数のダイヤルに対応する複数の第一回転部を有しており、複数の第一回転部のそれぞれは連結部および不連結部を有する。したがって、上記構成に係る飛び上り玩具によれば、ユーザが複数のダイヤルのうち一のダイヤルを回転させた場合でも、第二回転部が回転しない場合が発生し、ゲームのランダム性およびスリル性を高めることができる。
【0089】
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されうる。
【0090】
上記の実施形態において、飛び上り玩具100は三つのダイヤル3A,3B,3Cを備えているが、飛び上り玩具100が備えているダイヤル3の数は二つ以上であればよく、三つに限られない。
【0091】
上記の実施形態において、台座部2の形状は、略Y字状であるが、例えば、略円形状であってもよい。つまり、上記の実施形態において、ベース部材21およびカバー部材22の形状は、略Y字状であるが、例えば、略円形状であってもよい。
【0092】
上記の実施形態において、台座部2は、三つの第一回転部23を有しているが、二つの第一回転部23を有していてもよいし、四つ以上の第一回転部23を有していてもよい。
【0093】
上記の実施形態において、玩具200は、恐竜を模した玩具であるが、恐竜を模した玩具でなくてもよい。玩具200は、例えば、人間を模した玩具であってもよい。
【0094】
上記の実施形態において、維持部2531の外周には、三つの凸部2531aが形成されているが、凸部2531aは一つ以上であればよく、凸部2531aの数は三つに限られない。
【0095】
上記の実施形態において、接触部33の数と段差部34の数は、八つであるが、二つ以上であればよく、八つに限られない。
【符号の説明】
【0096】
1:収容部、2:台座部、3:ダイヤル、4:棒状部材、5:付勢部材、11:載置部、12:囲み部、13:摺動部、13a:先端部、21:ベース部材、22:カバー部材、22a:上面、23:第一回転部、24:第二回転部、25:円筒部、26:押圧部、27:受け部、31:穴部、32:第二嵌合部、32a:歯部、33:接触部、34:段差部、100:玩具、111:突出部、112:軸部、121:第一部材、121a:孔部、122:第二部材、122a:孔部、131:空洞部、132:当接部、133:爪部、200:玩具、211:円柱部、211a:空洞部、212:棒状部、221:孔部、231:孔部、232:連結部、232a:歯部、233:不連結部、234:第一嵌合部、234a:歯部、235:弾性体、241:本体部、241a:歯部、242:挿入部、251:筒状部、252:延出部、253:規制部、254:受止部、271:凹部、341:第一端部、342:第二端部、2530:弾性体、2531:維持部、2531a:凸部、2531b:切欠部、2532:解除部、2532a:接触端部、2532b:被押圧部、2533:爪部
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