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特開2025-2351車載器、運行管理システム、管理装置、車載器用プログラム、及び管理装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002351
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】車載器、運行管理システム、管理装置、車載器用プログラム、及び管理装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241226BHJP
   G08G 5/00 20250101ALI20241226BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241226BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241226BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241226BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G5/00 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102461
(22)【出願日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 文人
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
(57)【要約】
【課題】車両の運行情報と輸送機の運行情報とを一括管理する。
【解決手段】車両1に搭載されたデジタルタコグラフ10は、少なくとも車両1の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報を取得する運行情報取得部14と、車両1内に収容された輸送機50の状態を示す輸送機情報を、時刻情報に紐付けて管理する輸送機状態管理部16と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載器であって、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報を取得する運行情報取得部と、
前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報を、前記時刻情報に紐付けて管理する輸送機状態管理部と、
を備えた車載器。
【請求項2】
前記輸送機情報を取得する輸送機情報取得部をさらに備える、
請求項1に記載の車載器。
【請求項3】
前記輸送機情報は、前記輸送機のバッテリ状態を示す情報、前記輸送機が稼働したことを示す情報、及び、前記輸送機が回収されたことを示す情報の少なくともいずれか一つを含む、
請求項1に記載の車載器。
【請求項4】
前記時刻情報に紐づけられた、前記車両の運行情報及び前記輸送機情報を、管理装置に送信する送信部をさらに備える、
請求項1に記載の車載器。
【請求項5】
前記送信部は、一定時間毎に、前記車両の運行情報及び前記輸送機情報を、前記管理装置に送信する、
請求項4に記載の車載器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の車載器と、
前記車載器と通信可能な管理装置と、
前記管理装置と通信可能な通信端末と、を備えた運行管理システムであって、
前記車載器は、前記運行情報及び前記輸送機情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記運行情報及び前記輸送機情報を前記通信端末に送信する、
運行管理システム。
【請求項7】
前記管理装置と通信可能な輸送機側管理装置をさらに備え、
前記輸送機側管理装置は、稼働している前記輸送機の位置情報を時刻情報に紐付けて取得して、前記管理装置に送信する、
請求項6に記載の運行管理システム。
【請求項8】
前記輸送機に搭載され、前記管理装置と通信可能な通信機器をさらに備え、
前記通信機器は、
前記輸送機から前記輸送機のバッテリ状態を示す情報を取得するバッテリ情報取得部と、
前記通信機器の位置情報を時刻情報に紐付けて取得する位置情報取得部と、
前記輸送機のバッテリ状態がオフの場合、前記通信機器の位置情報を前記管理装置に送信する送信部と、を備える、
請求項6に記載の運行管理システム。
【請求項9】
前記管理装置は、前記通信機器の位置情報を、前記車載器に送信する、
請求項8に記載の運行管理システム。
【請求項10】
前記輸送機に搭載され、前記管理装置と通信可能な通信機器をさらに備え、
前記通信機器は、前記輸送機が稼働している間、前記通信機器の位置情報を時刻情報に紐付けて取得し、前記管理装置に送信する、
請求項6に記載の運行管理システム。
【請求項11】
前記通信機器は、前記輸送機の制御信号オンで起動する。
請求項10に記載の運行管理システム。
【請求項12】
車両に搭載された車載器と通信可能な管理装置であって、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報と、前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報とを取得し、
前記運行情報及び前記輸送機情報を通信端末に送信する、
管理装置。
【請求項13】
車両に搭載された車載器のコンピュータに、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報を取得するステップと、
前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報を、前記時刻情報に紐付けて管理するステップと、
を実行させるための車載器用プログラム。
【請求項14】
車両に搭載された車載器と通信可能な管理装置のコンピュータに、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報と、前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報とを取得するステップと、
前記運行情報及び前記輸送機情報を通信端末に送信するステップと、
を実行させるための管理装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器、運行管理システム、管理装置、車載器用プログラム、及び管理装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
配達する荷物量の増加に伴い、荷物の配達状況を管理する技術や、ドローンのような輸送機を用いて配達を行う技術が提案されている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-092379号公報
【特許文献2】特開2022-035303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に、運送業はドライバーを含む人手不足という深刻な課題に直面しており、解決策として運送ドローン等を含む輸送機の活用が検討されている。輸送機は、充電等の制約から運送範囲が数kmの範囲に限られてしまうため、荷物をより遠くへ届けるために、輸送機を配送先の近場まではトラック等の車両で運び、そこから離着させる方法が考えられる。輸送機による配送を行う上では、運行経路の計画と実績の提出が義務化される。
【0005】
上記のような配送を行うためには、車両の運行管理と併せて、輸送機についても配送ルート、車両からの離着時間等を含む運行管理を行う必要がある。車両の運行管理システムと、無人輸送機の運行管理システムとを含む独立した二つの管理システムを運用すると、システムの操作や運行の管理が煩雑化してしまうとともに、管理計画を二重で作成する等、業務負担が増加してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、車両の運行管理と輸送機の運行管理とをまとめて行うことにより、業務負担の増加を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載器は、下記を特徴としている。
車両に搭載された車載器であって、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報を取得する運行情報取得部と、
前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報を、前記時刻情報に紐付けて管理する輸送機状態管理部と、
を備えた車載器。
【0008】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る運行管理システムは、下記を特徴としている。
上記車載器と、
前記車載器と通信可能な管理装置と、
前記管理装置と通信可能な通信端末と、を備えた運行管理システムであって、
前記車載器は、前記運行情報及び前記輸送機情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記運行情報及び前記輸送機情報を前記通信端末に送信する、
運行管理システム。
【0009】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る管理装置は、下記を特徴としている。
車両に搭載された車載器と通信可能な管理装置であって、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報と、前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報とを取得し、
前記運行情報及び前記輸送機情報を通信端末に送信する、
管理装置。
【0010】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る車載器用プログラムは、下記を特徴としている。
車両に搭載された車載器のコンピュータに、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報を取得するステップと、
前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報を、前記時刻情報に紐付けて管理するステップと、
を実行させるための車載器用プログラム。
【0011】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る管理装置用プログラムは、下記を特徴としている。
車両に搭載された車載器と通信可能な管理装置のコンピュータに、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報と、前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報とを取得するステップと、
前記運行情報及び前記輸送機情報を通信端末に送信するステップと、
を実行させるための管理装置用プログラム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両の運行管理と輸送機の運行管理とをまとめて行うことにより、業務負担の増加を抑制できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る運行管理システムの構成例を示すシステム構成図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係るデジタルタコグラフの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、輸送機及びテレマティクス機器の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態のデジタルタコグラフが実施する処理の手順を示すフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態に係る運行管理システムにおいて、テレマティクス機器が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る運行管理システムの構成例を示すシステム構成図である。
図7図7は、第2実施形態のデジタルタコグラフが実施する処理の手順1を示すフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態に係る運行管理システムにおいて、テレマティクス機器が実施する処理の手順2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る運行管理システム100は、車両1に収容された輸送機の情報を管理可能なシステムである。運行管理システム100は、デジタルタコグラフ10と、デジタコサーバー20と、輸送機側サーバー30と、管理者PC(パーソナルコンピュータ)40と、を備えている。デジタルタコグラフ10は、車両1に搭載された車載器の一例である。デジタコサーバー20は、デジタルタコグラフ10と通信可能な管理装置の一例である。輸送機側サーバー30は、デジタコサーバー20と通信可能な輸送機側管理装置の一例である。管理者PC40は、デジタコサーバー20と通信可能な通信端末の一例である。
【0017】
デジタルタコグラフ10は、トラック等の車両1に搭載され、車両1の走行状態を含む運行情報(いわゆるドラレコデータ)を収集し、車両1の運行管理の目的、例えば一日分の運行情報を基に日報を作成するために用いられる。デジタルタコグラフ10は、具体的には、車両1の走行速度、走行時間、走行距離等を記録する運行記録計である。デジタルタコグラフ10は、例えば無線通信により、基地局Bを介してインターネット等のネットワークNに無線接続可能である。デジタルタコグラフ10は、単に「デジタコ10」と呼ぶこともある。
【0018】
デジタコサーバー20は、ネットワークNを介してデジタコ10と通信可能であり、デジタコ10と、車両1の運行情報をやり取りするコンピュータ装置である。デジタコサーバー20は、例えば車両1の運行管理サービスを提供する事業者等に設置される。
【0019】
輸送機側サーバー30は、ネットワークNを介してデジタコサーバー20と通信可能であるとともに、後述する輸送機50の位置情報を取得するコンピュータ装置である。輸送機側サーバー30は、例えば輸送機50を運用する事業者(例えば輸送機管理会社)等に設置される。
【0020】
管理者PC40は、車両1を運用して荷物の配送を行う運送事業者の車両管理者等が利用する通信端末であり、ネットワークNを介してデジタコ10及びデジタコサーバー20の少なくともいずれか一方、本実施形態では双方と通信可能である。通信端末は、業務用PC40のように固定設置型のものに限らず、タブレット、スマートフォン、携帯電話等のように持ち運び可能な機器であってもよい。
【0021】
増大する荷物量、ドライバーを含む人手不足といった課題に対応するため、本実施形態の運行管理システム100は、無人で荷物を搬送することの可能な輸送機50を活用するものである。輸送機50は、一般的に、充電等の制約から運送範囲が数kmの範囲に限られてしまう。そこで、本実施形態では、車両1が輸送機50を収容し、配送先の近場まで輸送機50を運ぶ。そして、輸送機50が、荷物Pを、車両1の到着地点から最終的な配送先まで運ぶ。これにより、運行管理システム100は、労力を削減しながら荷物を搬送できるので、増大する荷物量や、人手不足といった課題に対応することができる。
【0022】
図1に示すように、輸送機50は、例えば小型の無人ヘリコプターのように空中を移動して荷物Pを搬送する無人のドローンであるが、無人で地上を自律的に走行する自動運転車等であってもよい。また、輸送機50は必ずしも無人である必要はなく、有人であってもよい。なお、荷物Pは、車両1に収容する時点で輸送機50に取り付けてもよいし、車両1が到着地点に到着してから輸送機50に取り付けてもよい。
【0023】
輸送機50は、例えば無線通信により基地局Bを介してネットワークNに無線接続可能である。また、輸送機50は、輸送機側サーバー30と通信可能であり、輸送機50を運用する事業者は、輸送機50の位置、運行状態を把握することができる。
【0024】
輸送機50には、デジタコサーバー20と通信可能なテレマティクス機器60が搭載されている。テレマティクス機器60は運行管理システム100の一部を構成する。テレマティクス機器60は、輸送機50そのものとは別に、無線通信により、基地局Bを介してネットワークNに無線接続し、デジタコサーバー20と通信する。テレマティクス機器60は、単に「テレマ60」と呼ぶこともある。
【0025】
輸送機50を活用した荷物の配送にあたっては、輸送機50の運行経路の計画と実績の提出が義務化されている。そこで、運送事業者は、車両1の運行と併せて、輸送機50についても配送ルート、車両からの離着時間等を含む運行管理を行う必要がある。よって、運送事業者は、車両1の運行管理のみならず、輸送機50の運行管理をも行う必要がある。しかし、車両1と輸送機50の両者を管理する独立した二つの管理システムを運用すると、システムの操作や運行の管理が煩雑化してしまうとともに、管理計画を二重で作成する等、業務負担が増加してしまうおそれがある。
【0026】
そこで、本実施形態においては、デジタコ10が、車両1の運行情報のみならず、車両1に収容された輸送機50の状態をも管理する。これにより、車両1の運行情報と輸送機50の運行情報とを一括管理して、業務負担が増加することを抑制するようにしている。
【0027】
図2は、第1実施形態に係るデジタコ10の構成例を示すブロック図である。デジタコ10は、車両1に搭載され、基本的な機能として、出入庫時刻、走行距離、走行時間、走行速度、速度オーバー、エンジン回転数オーバー、急発進、急加速、急減速等の、車両1の運行データを記録する。デジタコ10は、制御部11と、時刻情報取得部12と、位置情報取得部13と、運行情報取得部14と、輸送機情報取得部15と、輸送機状態管理部16と、通信部17と、を備える。
【0028】
制御部11は、デジタコ10の主たる制御を担う演算処理装置(コンピュータ)である。制御部11は、図示せぬメモリに記憶された車載器用プログラムを読み出し、デジタコ10の各部に所定の処理を実行させる。
【0029】
時刻情報取得部12は、デジタコ10に内蔵の時計、ネットワークNを介した他のサーバー、GPS衛星S(図1参照)等から現在の時刻情報を取得する。位置情報取得部13は、GPS衛星Sから車両1の位置情報を取得する。運行情報取得部14は、少なくとも、位置情報取得部13が取得した車両1の位置情報を、時刻情報取得部12が取得した時刻情報に紐付けた運行情報を取得する。
【0030】
輸送機情報取得部15は、車両1内に収容された輸送機50の状態を示す輸送機情報を取得する。「輸送機情報」は、輸送機50の個体を識別する識別情報と、当該輸送機50が稼働中か否かを示す情報とを少なくとも含む。さらに「輸送機情報」は、輸送機50のバッテリー情報を含む場合があり、輸送機50の制御情報のうち取得可能な情報を含む場合がある。輸送機情報取得部15は、ブルートゥース(登録商標)のような近距離無線通信又は有線通信を用いて、輸送機50から輸送機情報を取得してよい。輸送機情報取得部15は、輸送機情報を記憶したメモリーカードのような記録媒体を読み込むインターフェース等であってもよい。
【0031】
輸送機状態管理部16は、輸送機50の輸送機情報を、時刻情報取得部12が取得した時刻情報に紐付けて管理する。通信部17は、無線通信により、基地局Bを介してインターネット等のネットワークNに無線接続し、デジタコサーバー20等との通信を実行する。特に本実施形態において、通信部17は、車両1の運行情報及び輸送機情報を、デジタコサーバー20に送信する送信部として機能する。
【0032】
図3は、輸送機50及びテレマティクス機器60の構成例を示すブロック図である。輸送機50は、制御部51と、通信部52と、制御信号出力部53と、バッテリ54と、を備える。制御部51は、輸送機50の主たる制御を担う演算処理装置である。制御部51は、図示せぬメモリに記憶されたプログラムを読み出し、輸送機50の各部に所定の処理を実行させる。
【0033】
通信部52は、無線通信により、基地局Bを介してインターネット等のネットワークNに無線接続し、輸送機側サーバー30等との通信を実行する。制御信号出力部53は、制御部51が輸送機50の各部を制御する制御信号を外部に出力する部分であり、出力端子等のインターフェースを備えている。バッテリ54は、輸送機50の動力源であり電力を供給する。
【0034】
テレマティクス機器60は、輸送機50のような移動体に取り付けられ、通信システムを介して種々のサービスを提供する通信機器である。テレマティクス機器60は、制御部61と、制御信号取得部62と、時刻情報取得部63と、位置情報取得部64と、バッテリ情報取得部65と、スイッチ66と、通信部67と、を備える。
【0035】
制御部61は、テレマ60の主たる制御を担う演算処理装置である。制御部61は、図示せぬメモリに記憶されたプログラムを読み出し、テレマ60の各部に所定の処理を実行させる。制御信号取得部62は、輸送機50の制御信号出力部53から、制御信号を取得する部分であり、入力端子等のインターフェースを備えている。制御信号取得部62は、輸送機50の識別情報をも取得する。時刻情報取得部63は、テレマ60に内蔵の時計、ネットワークNを介した他のサーバー、GPS衛星S(図1参照)等から受信した信号に基づいて、現在の時刻情報を取得する。位置情報取得部64は、GPS衛星Sから受信した信号に基づいてテレマ60の位置情報を取得し、時刻情報取得部63が取得した時刻情報に紐づけて管理する。
【0036】
バッテリ情報取得部65は、輸送機50のバッテリ54から輸送機50のバッテリ状態を示す情報を取得する。スイッチ66は、テレマ60の電源のオン・オフを手動で切り替えるためのスイッチである。通信部67は、無線通信により、基地局Bを介してインターネット等のネットワークNに無線接続し、デジタコサーバー20等との通信を実行する。特に本実施形態において、通信部67は、輸送機50のバッテリ状態がオフの場合、テレマ60の位置情報をデジタコサーバー20に送信する送信部として機能する。
【0037】
図4は、車両1が出庫してから入庫するまでの間に、第1実施形態のデジタコ10が実施する処理の手順を示すフローチャートである。荷物の配送開始にあたって、車両1の乗務員は、車庫にある車両1に輸送機50を搭載し、デジタコ10を起動する(ステップS1)。車両1が出庫すると、デジタコ10は、出庫処理を行い(ステップS2)、内蔵した図示せぬタイマーによるカウントを開始する(ステップS3)。
【0038】
タイマーによるカウントが所定時間を経過すると(ステップS4でYes)、通信部17は、車両1の運行情報に加えて、輸送機状態管理部16が管理する、車両1内に収容された輸送機50の輸送機情報を、デジタコサーバー20へ送信する(ステップS5)。もし車両1に収容された輸送機50の数がゼロなら、ゼロ台の旨の情報が送信される。タイマーによるカウントが所定時間を経過していない場合(ステップS4でNo)、デジタコ10はステップS7の処理へ進む。輸送機情報の送信後、デジタコ10は、タイマーによるカウントをリセットする(ステップS6)。
【0039】
車両1が到着地点に到着後、輸送機50による荷物の配送開始を検知すると(ステップS7でYes)、輸送機状態管理部16は、配送を開始した輸送機50の情報を登録する(ステップS8)。輸送機50による配送が開始していない場合、すなわち荷物の配送開始を検知しない場合は(ステップS7でNo)、ステップS10の処理へ進む。ステップS7において、輸送機情報取得部15は、有線通信又は近距離無線通信を用いて輸送機50から輸送機情報を取得してもよいし、乗務員の図示せぬスイッチ操作により輸送機情報を取得してもよい。通信部17は、輸送機状態管理部16に登録された、配送を開始した輸送機50の輸送機情報を、デジタコサーバー20へ送信する(ステップS9)。
【0040】
配送の開始後、乗務員等が配送を行った輸送機50を回収したことを輸送機情報取得部15が検知すると(ステップS10でYes)、輸送機状態管理部16は、回収した輸送機50の情報を登録する(ステップS11)。輸送機50を回収していない場合、すなわち輸送機50の回収を検知しない場合は(ステップS10でNo)、ステップS13の処理へ進む。通信部17は、輸送機状態管理部16に登録された、回収した輸送機50の輸送機情報を、デジタコサーバー20へ送信する(ステップS12)。
【0041】
また、通信部17は、デジタコサーバー20から輸送機50の異常通知を受け取ると(ステップS13でYes)、デジタコ10は、スピーカによる音声、ディスプレイによる通知等により、車両1の乗務員に異常を通知する(ステップS14)。異常通知を受け取っていない場合は(ステップS13でNo)、ステップS15の処理へ進む。車両1の入庫が完了したら処理を終了し(ステップS15;Yes)、車両1の入庫が完了していない場合(ステップS15;No)、デジタコ10は、ステップS4から処理を続行する。
【0042】
本実施形態に係るデジタコ10によれば、輸送機状態管理部16が、車両1内に収容された輸送機50の状態を示す輸送機情報を、時刻情報に紐付けて管理する(ステップS5、S8、S11)。よって、輸送機50が車両1に収容された状態で移動する場合、輸送機情報は、時刻情報に紐づく運行情報と一体的に取り扱うことができ、車両1の位置を輸送機50の位置として把握できる。よって、車両1の運行情報と輸送機50の運行情報とを一括管理でき、車両1の運行管理システム及び輸送機50の運行管理システムといった独立した二つの管理システムを運用する必要がなくなる。
【0043】
したがって、二つの管理システムを運用した場合に生じる、システムの操作や運行管理の煩雑化や、管理計画を二重で作成するなどの業務増加を防止でき、運行管理者の負担やミスを減らすことができる。
【0044】
デジタコ10は、輸送機情報を取得する輸送機情報取得部15を備えている。これにより、デジタコ10は、外部から輸送機情報を取得することができ、輸送機50の運行情報の管理に活用することができる。
【0045】
輸送機情報は、輸送機50のバッテリ54の状態を示す情報、輸送機50が稼働したことを示す情報、及び、輸送機50が回収されたことを示す情報の少なくともいずれか一つを含むものである。これにより、デジタコ10は、輸送機50の管理にあたって、重要な情報を取得することができる。
【0046】
デジタコ10は、時刻情報に紐づけられた、車両1の運行情報及び輸送機情報を、デジタコサーバー20に送信する通信部52を備えている。これにより、車両1の運行情報及び輸送機情報をデジタコサーバー20に送信するので、デジタコサーバー20が車両の運行情報及び輸送機情報を活用することができる。
【0047】
通信部52は、タイマーのカウントが所定時間を経過する度に、車両1の運行情報及び輸送機情報を、デジタコサーバー20に送信する(ステップS4)。すなわち、通信部52は、一定時間毎に、車両1の運行情報及び輸送機情報を、デジタコサーバー20に送信する。これにより、デジタコサーバー20が、一定時間毎に車両1の運行情報及び輸送機情報を取得するので、これらの情報をより有効に活用することができる。
【0048】
本実施形態に係る運行管理システム100は、デジタコ10に加えて、デジタコサーバー20と、管理者PC40と、を備えている。上述した通り、デジタコ10は、運行情報及び輸送機情報をデジタコサーバー20に送信するが、さらにデジタコサーバー20が、運行情報及び輸送機情報を管理者PC40に送信することができる。これにより、管理者PC40が、車両1の運行情報及び輸送機情報を取得するので、事業者は、車両1の運行情報と輸送機50の運行情報とを一括管理できる。
【0049】
また、運行管理システム100は、デジタコサーバー20と通信可能な輸送機側サーバー30をも備えている。輸送機側サーバー30は、稼働している輸送機50の位置情報を時刻情報に紐付けて取得して、デジタコサーバー20に送信することができる。すなわち、輸送機側サーバー30は、デジタコ10の輸送機情報に加え、特に稼働中の輸送機50の情報を、デジタコサーバー20に補完して提供することができる。
【0050】
これにより、デジタコサーバー20は、稼働している状態の輸送機50の位置情報をも時刻情報に紐付けて取得できるので、車両1での移動中における輸送機情報に加えて、稼働中の輸送機50の運行情報を把握できる。
【0051】
図5は、第1実施形態に係る運行管理システム100において、テレマ60が実施する処理の手順を示すフローチャートである。制御信号取得部62は、輸送機50の識別情報を取得し、輸送機50を登録する(ステップS21)。バッテリ情報取得部65が、輸送機50のバッテリ54から輸送機50のバッテリ状態を示す情報を取得し、バッテリ54がオフか否かを判定する(ステップS22)。バッテリのオフは、バッテリ54の充電が完全にゼロになった場合のみならず、充電が所定の規定値未満になった場合も含む。
【0052】
バッテリ54がオフでない場合(ステップS22でNo)、制御信号取得部62が、輸送機50の制御信号がオフであるか否かを判定する(ステップS23)。制御信号がオフでない場合(ステップS23でNo)、バッテリ54がオンかつ制御信号もオンであり、輸送機50は正常動作中と推定されるため、処理を続行する。一方、制御信号がオフである場合(ステップS23でYes)、バッテリ54がオンで制御信号がオフであり、輸送機50は正常に動作を終了したと推定されるため、処理を終了する。
【0053】
バッテリ54がオフである場合(ステップS22でYes)、テレマ60は起動を開始し(ステップS24)、内蔵した図示せぬタイマーによるカウントを開始する(ステップS25)。タイマーによるカウントが所定時間を経過した場合(ステップS26でYes)、バッテリ54がオフであるにもかかわらず、起動後に所定時間が経過しているため、輸送機50に異常が発生したと推定される。そこで通信部67は、位置情報とともに、輸送機50の異常発生をデジタコサーバー20へ送信する(ステップS27)。タイマーによるカウントが所定時間を経過していない場合(ステップS26でNo)、テレマ60はステップS29の処理へ進む。
【0054】
異常発生を送信した後、テレマ60はタイマーによるカウントをリセットする(ステップS28)。その後、乗務員等によるスイッチ66の手動停止操作があったと判定すると(ステップS29でYes)、テレマ60は停止して処理を終了する(ステップS30)。スイッチ66の手動停止操作がない場合(ステップS29でNo)、及びテレマ60のバッテリが切れた場合も(ステップS31でYes)、テレマ60は停止して処理を終了する(ステップS30)。テレマ60のバッテリが切れていない場合(ステップS31でNo)、テレマ60はステップS26から処理を続行する。
【0055】
本実施形態に係るテレマ60は、バッテリ54の状態がオフの場合、テレマ60の位置情報と輸送機50の異常発生をデジタコサーバー20へ送信する(ステップS27)。これにより、輸送機50のバッテリーオフ時において、輸送機50に搭載されたテレマ60の位置情報がデジタコサーバーに送信されるため、輸送機50の回収作業を早く正確に行うことが可能となる。
【0056】
なお、デジタコサーバー20は、上記ステップS27で送信されたテレマ60の位置情報を受信した後、デジタコ10へ送信してもよい。これにより、輸送機50と紐づいた車両1の乗務員等が、輸送機50の位置情報を把握できるため、輸送機50の回収作業をより早く正確に行うことが可能となる。
【0057】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る運行管理システム100の構成例を示すシステム構成図である。本実施形態の運行管理システム100は、輸送機側サーバー30を備えていない点が第1実施形態と異なる。
【0058】
図7は、第2実施形態に係る運行管理システム100において、テレマ60が実施する処理の手順1を示すフローチャートである。この手順1は、テレマ60が、輸送機50の制御信号出力部53から制御信号を取得できる場合の手順である。
【0059】
制御信号取得部62は、輸送機50の識別情報を取得し、輸送機50を登録する(ステップS41)。さらに制御信号取得部62は、輸送機50の制御信号がオンであるか否かを判定する(ステップS42)。輸送機50の制御信号がオンである場合(ステップS42でYes)、テレマ60は起動し(ステップS43)、内蔵した図示せぬタイマーによるカウントを開始する(ステップS44)。タイマーによるカウントが所定時間を経過した場合(ステップS45;Yes)、通信部67は、テレマ60の位置情報をデジタコサーバー20へ送信する(ステップS46)。タイマーによるカウントが所定時間を経過していない場合(ステップS45;No)、テレマ60はステップS48の処理へ進む。
【0060】
位置情報を送信した後、テレマ60はタイマーによるカウントをリセットする(ステップS47)。その後、制御信号取得部62は、輸送機50の制御信号がオンであるか否かを判定し(ステップS48)、制御信号がオフであると判定すると(ステップS48でYes)、テレマ60は停止して処理を終了する(ステップS49)。制御信号がオンであると判定した場合において(ステップS48でNo)、テレマ60のバッテリが切れた場合(ステップS50でYes)、テレマ60は停止して処理を終了する(ステップS49)。テレマ60のバッテリが切れていない場合(ステップS50でNo)、テレマ60はステップS45から処理を続行する。
【0061】
テレマ60は、輸送機50が稼働している間、テレマ60の位置情報を時刻情報に紐付けて取得し、デジタコサーバー20へ送信する(ステップS46)。これにより、輸送機50の稼働時において、輸送機50に搭載されたテレマ60の位置情報がデジタコサーバー20に送信されるため、稼働時における輸送機50の位置を把握することが可能となる。尚、テレマ60は、輸送機50の制御信号に基づいて輸送機50の異常発生を検知した場合、位置情報に加えて、異常発生をデジタコサーバ20へ通知してもよい。
【0062】
また、テレマ60は、輸送機50の制御信号オンで起動する(ステップS42、S43)。これにより、テレマ60は、輸送機50の制御信号オンで起動するので、輸送機50の稼働開始とともに輸送機50の状態を把握することが可能となる。
【0063】
図8は、第2実施形態に係る運行管理システム100において、テレマ60が実施する処理の手順2を示すフローチャートである。この手順2は、テレマ60が、輸送機50の制御信号出力部53から制御信号を取得できない場合、例えば輸送機50が出力端子を備えていない場合の手順である。
【0064】
制御信号取得部62は、輸送機50の識別情報を取得し、輸送機50を登録する(ステップS61)。乗務員等が。テレマ60のスイッチ66をオン操作し(ステップS62)、テレマ60は起動を開始する(ステップS63)。次に、内蔵した図示せぬタイマーによるカウントを開始する(ステップS64)。タイマーによるカウントが所定時間を経過した場合(ステップS65でYes)、通信部67は、テレマ60の位置情報をデジタコサーバー20へ送信する(ステップS66)。タイマーによるカウントが所定時間を経過していない場合(ステップS65でNo)、テレマ60はステップS68の処理へ進む。
【0065】
位置情報を送信した後、テレマ60はタイマーによるカウントをリセットする(ステップS67)。その後、テレマ60の電源がオンである場合、テレマ60は停止して処理を終了する(ステップS69)。電源がオフである場合において(ステップS68でNo)、テレマ60のバッテリが切れている場合(ステップS70でYes)、テレマ60は停止して処理を終了する(ステップS69)。テレマ60のバッテリが切れていない場合(ステップS70でNo)、ステップS65から処理を続行する。
【0066】
テレマ60は、輸送機50が稼働している間、テレマ60の位置情報を時刻情報に紐付けて取得し、デジタコサーバー20へ送信する(ステップS66)。これにより、輸送機50の稼働時において、輸送機50に搭載されたテレマ60の位置情報がデジタコサーバー20に送信されるため、稼働時における輸送機50の位置を把握することが可能となる。
【0067】
また、テレマ60は、スイッチ66の操作により起動する(ステップS62、S63)。これにより、テレマ60は、輸送機50の稼働開始とともに輸送機50の状態を把握することが可能となる。
【0068】
デジタコサーバー20は、車両1に搭載されたデジタコ10と通信可能である。よって、デジタコサーバー20は、少なくとも車両1の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報と、車両1内に収容された輸送機50の状態を示す輸送機情報とを、デジタコ10から取得し、運行情報及び輸送機情報を管理者PC40に送信することができる。これにより、輸送機50が車両1に収容された状態で移動する場合、デジタコサーバー20は、輸送機情報を、時刻情報に紐づく運行情報と一体的に取り扱うことができ、車両1の位置を輸送機の位置として把握できる。よって、車両1の運行情報と輸送機の運行情報とを一括管理でき、車両1の運行管理システム及び輸送機50の運行管理システムといった独立した二つの管理システムを運用する必要がなくなる。
【0069】
ここで、上述した本発明に係る車載器、運行管理システム、管理装置、車載器用プログラム、及び管理装置用プログラムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[14]に簡潔に纏めて列記する。
【0070】
[1]車両(1)に搭載された車載器(デジタルタコグラフ、デジタコ10)であって、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報を取得する運行情報取得部(14)と、
前記車両内に収容された輸送機(50)の状態を示す輸送機情報を、前記時刻情報に紐付けて管理する輸送機状態管理部(16)と、
を備えた車載器。
【0071】
上記[1]の構成の車載器によれば、輸送機が車両に収容された状態で移動する場合、輸送機情報は、時刻情報に紐づく運行情報と一体的に取り扱うことができ、車両の位置を輸送機の位置として把握できる。よって、車両の運行情報と輸送機の運行情報とを一括管理でき、車両の運行管理システム及び輸送機の運行管理システムといった独立した二つの管理システムを運用する必要がなくなる。したがって、二つの管理システムを運用した場合に生じる、システムの操作や運行管理の煩雑化や、管理計画を二重で作成するなどの業務増加を防止でき、運行管理者の負担やミスを減らすことができる。
【0072】
[2]前記輸送機情報を取得する輸送機情報取得部(15)をさらに備える、
上記[1]に記載の車載器。
【0073】
上記[2]の構成の車載器によれば、外部から輸送機情報を取得することができ、輸送機の運行情報の管理に活用することができる。
【0074】
[3]前記輸送機情報は、前記輸送機のバッテリ状態を示す情報、前記輸送機が稼働したことを示す情報、及び、前記輸送機が回収されたことを示す情報の少なくともいずれか一つを含む、
上記[1]又は[2]に記載の車載器。
【0075】
上記[3]の構成の車載器によれば、輸送機の管理にあたって、重要な情報を取得することができる。
【0076】
[4]前記時刻情報に紐づけられた、前記車両の運行情報及び前記輸送機情報を、管理装置に送信する送信部(通信部17)をさらに備える、
上記[1]から[3]のいずれか一に記載の車載器。
【0077】
上記[4]の構成の車載器によれば、車両の運行情報及び輸送機情報を管理装置に送信するので、管理装置が車両の運行情報及び輸送機情報を活用することができる。
【0078】
[5]前記送信部は、一定時間毎に、前記車両の運行情報及び前記輸送機情報を、前記管理装置に送信する、
上記[4]に記載の車載器。
【0079】
上記[5]の構成の車載器によれば、管理装置が、一定時間毎に車両の運行情報及び輸送機情報を取得するので、これらの情報をより有効に活用することができる。
【0080】
[6]上記[1]から[5]のいずれか一に記載の車載器と、
前記車載器と通信可能な管理装置(デジタコサーバー20)と、
前記管理装置と通信可能な通信端末(管理者PC40)と、を備えた運行管理システム(100)であって、
前記車載器は、前記運行情報及び前記輸送機情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記運行情報及び前記輸送機情報を前記通信端末に送信する、
運行管理システム。
【0081】
上記[6]の構成の運行管理システムによれば、通信端末が、車両の運行情報及び輸送機情報を取得するので、事業者は、車両の運行情報と輸送機の運行情報とを一括管理できる。
【0082】
[7]前記管理装置と通信可能な輸送機側管理装置(輸送機側サーバー30)をさらに備え、
前記輸送機側管理装置は、稼働している前記輸送機の位置情報を時刻情報に紐付けて取得して、前記管理装置に送信する、
上記[6]に記載の運行管理システム。
【0083】
上記[7]の構成の運行管理システムによれば、管理装置において、稼働している状態の輸送機の位置情報をも時刻情報に紐付けて取得できるので、車両での移動中における輸送機情報に加えて、稼働中の輸送機の運行情報を把握できる。
【0084】
[8]前記輸送機に搭載され、前記管理装置と通信可能な通信機器(テレマティクス機器、テレマ60)をさらに備え、
前記通信機器は、
前記輸送機から前記輸送機のバッテリ状態を示す情報を取得するバッテリ情報取得部(65)と、
前記通信機器の位置情報を時刻情報に紐付けて取得する位置情報取得部(64)と、
前記輸送機のバッテリ状態がオフの場合、前記通信機器の位置情報を前記管理装置に送信する送信部(通信部67)と、を備える、
上記[6]又は[7]に記載の運行管理システム。
【0085】
上記[8]の構成の運行管理システムによれば、輸送機のバッテリーオフ時において、輸送機に搭載された通信機器の位置情報が管理装置に送信されるため、輸送機の回収作業を早く正確に行うことが可能となる。
【0086】
[9]前記管理装置は、前記通信機器の位置情報を、前記車載器に送信する、
上記[8]に記載の運行管理システム。
【0087】
上記[9]の構成の運行管理システムによれば、輸送機と紐づいた車両の乗務員等が、輸送機の位置情報を把握できるため、輸送機の回収作業をより早く正確に行うことが可能となる。
【0088】
[10]前記輸送機に搭載され、前記管理装置と通信可能な通信機器(テレマ60)をさらに備え、
前記通信機器は、前記輸送機が稼働している間、前記通信機器の位置情報を時刻情報に紐付けて取得し、前記管理装置に送信する、
上記[6]に記載の運行管理システム。
【0089】
上記[10]の構成の運行管理システムによれば、輸送機の稼働時において、輸送機に搭載された通信機器の位置情報が管理装置に送信されるため、稼働時における輸送機の状態を把握することが可能となる。
【0090】
[11]前記通信機器は、前記輸送機の制御信号オンで起動する。
上記[10]に記載の運行管理システム。
【0091】
上記[11]の構成の運行管理システムによれば、通信機器は、輸送機の制御信号オンで起動するので、輸送機の稼働開始とともに輸送機の状態を把握することが可能となる。
【0092】
[12]車両に搭載された車載器と通信可能な管理装置(デジタコサーバー20)であって、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報と、前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報とを取得し、
前記運行情報及び前記輸送機情報を通信端末に送信する、
管理装置。
【0093】
上記[12]の構成の管理装置によれば、輸送機が車両に収容された状態で移動する場合、輸送機情報は、時刻情報に紐づく運行情報と一体的に取り扱うことができ、車両の位置を輸送機の位置として把握できる。よって、車両の運行情報と輸送機の運行情報とを一括管理でき、車両の運行管理システム及び輸送機の運行管理システムといった独立した二つの管理システムを運用する必要がなくなる。したがって、二つの管理システムを運用した場合に生じる、システムの操作や運行管理の煩雑化や、管理計画を二重で作成するなどの業務増加を防止でき、運行管理者の負担やミスを減らすことができる。
【0094】
[13]車両に搭載された車載器のコンピュータに、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報を取得するステップと、
前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報を、前記時刻情報に紐付けて管理するステップと、
を実行させるための車載器用プログラム。
【0095】
上記[13]の構成の車載器用プログラムによれば、輸送機が車両に収容された状態で移動する場合、輸送機情報は、時刻情報に紐づく運行情報と一体的に取り扱うことができ、車両の位置を輸送機の位置として把握できる。
【0096】
[14]車両に搭載された車載器と通信可能な管理装置のコンピュータに、
少なくとも前記車両の位置情報を時刻情報に紐付けた運行情報と、前記車両内に収容された輸送機の状態を示す輸送機情報とを取得するステップと、
前記運行情報及び前記輸送機情報を通信端末に送信するステップと、
を実行させるための管理装置用プログラム。
【0097】
上記[14]の構成の管理装置用プログラムによれば、輸送機が車両に収容された状態で移動する場合、輸送機情報は、時刻情報に紐づく運行情報と一体的に取り扱うことができ、車両の位置を輸送機の位置として把握できる。
【符号の説明】
【0098】
1 車両
10 デジタルタコグラフ(デジタコ、車載器)
11 制御部
12 時刻情報取得部
13 位置情報取得部
14 運行情報取得部
15 輸送機情報取得部
16 輸送機状態管理部
17 通信部(送信部)
20 デジタコサーバー(管理装置)
30 輸送機側サーバー(輸送機側管理装置)
40 管理者PC(通信端末)
50 輸送機
51 制御部
52 通信部
53 制御信号出力部
54 バッテリ
60 テレマティクス機器(テレマ、通信機器)
61 制御部
62 制御信号取得部
63 時刻情報取得部
64 位置情報取得部
65 バッテリ情報取得部
66 スイッチ
67 通信部(送信部)
B 基地局
N ネットワーク
S GPS衛星
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8